(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 19/20 20110101AFI20241029BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
G06T19/20
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2023089549
(22)【出願日】2023-05-31
【審査請求日】2023-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】茂木 信二
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 綱太
(72)【発明者】
【氏名】須田 洋行
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-220200(JP,A)
【文献】特開2015-011631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/20
G06Q 30/0241
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データであって、前記実際の商品を撮像したときの撮像環境を示す環境情報を含む前記商品画像データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した商品画像データが示す前記実際の商品の色を特定し、前記商品アバターの色を、特定した前記実際の商品の色に決定する決定部と、
前記商品アバターと、前記決定部が決定した前記商品アバターの色と、前記取得部が取得した前記商品画像データに含まれる環境情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、
ユーザの端末から前記端末により撮像された、所定の色を含む画像データである所定画像データを取得し、取得した所定画像データが示す前記所定の色と、実際の前記所定の色とに基づいて、前記端末に表示させる前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定する設定部と、
決定した色の前記商品アバターを前記端末に表示させる表示制御部であって、前記記憶部において前記商品アバターに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定し、特定した色の商品アバターを前記端末に表示させる表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データであって、前記実際の商品を撮像したときの撮像環境を示す環境情報を含む前記商品画像データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した商品画像データが示す前記実際の商品の色を特定し、前記商品アバターの色を、特定した前記実際の商品の色に決定する決定部と、
前記商品アバターと、前記決定部が決定した前記商品アバターの色と、前記取得部が取得した前記商品画像データに含まれる環境情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、
ユーザの端末に表示させる前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定する設定部と、
決定した色の前記商品アバターを前記端末に表示させる表示制御部であって、前記記憶部において前記商品アバターに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定し、特定した色の商品アバターを前記端末に表示させるとともに、前記商品アバターに関連付けられている環境情報を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正する場合の前記環境情報の補正量に基づく、前記アバターの色の信頼度を前記端末に表示させる表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部が前記端末に表示させた前記商品アバターと前記仮想的な撮像環境に基づいて特定された色との組合せを示すアバターデータ及び前記仮想的な撮像環境を示す環境情報と、前記ユーザの識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記端末に複数の商品アバターを同時に表示させる場合に、複数の商品アバターそれぞれに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の複数の商品アバターそれぞれの色を特定し、特定した色の複数の商品アバターを前記端末に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記端末に前記商品アバターと、前記商品アバターとは異なる非商品アバターとを同時に表示させる場合に、前記商品アバター及び前記非商品アバターそれぞれに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の前記商品アバター及び前記非商品アバターそれぞれの色を特定し、特定した色の前記商品アバター及び前記非商品アバターを前記端末に表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザの識別情報と、前記表示制御部が前記端末に表示させた複数の前記商品アバターに対応する複数のアバターデータであって、当該商品アバターと、当該商品アバターに対して前記仮想的な撮像環境に基づいて特定された色との組み合わせを示す複数のアバターデータとを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記特定された色の複数の商品アバターの表示操作を前記端末から受け付けたことに応じて、前記記憶部に記憶されている複数のアバターデータに基づいて、前記特定された色の複数の商品アバターを前記端末に同時に表示させる、
請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記端末から前記端末により撮像された画像データである所定画像データを取得し、取得した所定画像データに含まれる前記環境情報に基づいて、前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データであって、前記実際の商品を撮像したときの撮像環境を示す環境情報を含む前記商品画像データを取得するステップと、
取得した商品画像データが示す前記実際の商品の色を特定し、前記商品アバターの色を、特定した前記実際の商品の色に決定するステップと、
前記商品アバターと、決定した前記商品アバターの色と、取得した前記商品画像データに含まれる環境情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
ユーザの端末から前記端末により撮像された、所定の色を含む画像データである所定画像データを取得し、取得した所定画像データが示す前記所定の色と、実際の前記所定の色とに基づいて、前記端末に表示させる前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定するステップと、
決定した色の前記商品アバターを前記端末に表示させるステップであって、前記記憶部において前記商品アバターに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を、前記設定するステップにおいて設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定し、特定した色の商品アバターを前記端末に表示させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データであって、前記実際の商品を撮像したときの撮像環境を示す環境情報を含む前記商品画像データを取得するステップと、
取得した商品画像データが示す前記実際の商品の色を特定し、前記商品アバターの色を、特定した前記実際の商品の色に決定するステップと、
前記商品アバターと、決定した前記商品アバターの色と、取得した前記商品画像データに含まれる環境情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
ユーザの端末に表示させる前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定するステップと、
決定した色の前記商品アバターを前記端末に表示させるステップであって、前記記憶部において前記商品アバターに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定するステップにおいて設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定し、特定した色の商品アバターを前記端末に表示させるとともに、前記商品アバターに関連付けられている環境情報を前記設定するステップにおいて設定した仮想的な撮像環境に補正する場合の前記環境情報の補正量に基づく、前記アバターの色の信頼度を前記端末に表示させるステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想空間においてユーザを模したアバターに服等の商品の試着を行わせるバーチャルフィッティングが行われている(例えば、特許文献1を参照)。バーチャルフィッティングにより、ユーザは自身が試着を行わなくても商品を試着した場合の自身の印象を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間上においてユーザのアバターに試着させる商品のアバターを作成する場合、設定者が、予め定められている複数の色の中から実際の商品に対応する色を選択することにより、商品のアバターの色を設定することがある。しかしながら、商品の材質等によっては、商品のアバターに対して設定した色と、実際の商品の色とが異なる場合があるという問題が発生する。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、商品のアバターの色と実際の商品の色との差異を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データを取得する取得部と、前記取得部が取得した商品画像データが示す前記実際の商品の色を特定し、前記商品アバターの色を、特定した前記実際の商品の色に決定する決定部と、決定した色の前記商品アバターをユーザの端末に表示させる表示制御部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、前記実際の商品を撮像したときの撮像環境を示す環境情報を含む前記商品画像データを取得し、前記情報処理装置は、前記商品アバターと、前記決定部が決定した前記商品アバターの色と、前記取得部が取得した前記商品画像データに含まれる環境情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記端末に表示させる前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定する設定部と、をさらに有し、前記表示制御部は、前記記憶部において前記商品アバターに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定し、特定した色の商品アバターを前記端末に表示させてもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記表示制御部が前記端末に表示させた、前記特定した色の商品アバターを示すアバターデータ、又は、色を補正する前の商品アバターを示すアバターデータ及び前記仮想的な撮像環境を示す環境情報と、前記ユーザの識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部をさらに有してもよい。
【0009】
前記表示制御部は、前記端末に複数の商品アバターを同時に表示させる場合に、複数の商品アバターそれぞれに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の複数の商品アバターそれぞれの色を特定し、特定した色の複数の商品アバターを前記端末に表示させてもよい。
【0010】
前記表示制御部は、前記端末に前記商品アバターと、前記商品アバターとは異なる非商品アバターとを同時に表示させる場合に、前記商品アバター及び前記非商品アバターそれぞれに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の前記商品アバター及び前記非商品アバターそれぞれの色を特定し、特定した色の前記商品アバター及び前記非商品アバターを前記端末に表示させてもよい。
【0011】
前記ユーザの識別情報と、前記表示制御部が前記端末に表示させた、前記特定した色の複数のアバターに対応する複数のアバターデータとを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部をさらに有し、前記表示制御部は、前記特定した色の複数のアバターの表示操作を前記端末から受け付けたことに応じて、前記記憶部に記憶されている複数のアバターデータに基づいて、前記特定した色の複数のアバターを前記端末に同時に表示させてもよい。
【0012】
前記設定部は、前記端末から前記端末により撮像された、所定の色を含む画像データである所定画像データを取得し、取得した所定画像データが示す前記所定の色と、実際の前記所定の色とに基づいて、前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定してもよい。
【0013】
前記設定部は、前記端末から前記端末により撮像された画像データである所定画像データを取得し、取得した所定画像データに含まれる前記環境情報に基づいて、前記商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定してもよい。
【0014】
前記表示制御部は、前記商品アバターに関連付けられている撮像環境を、前記設定部が設定した仮想的な撮像環境に補正する場合の前記環境情報の補正量に基づく、前記アバターの色の信頼度を前記端末に表示させてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データを取得するステップと、取得した商品画像データが示す前記実際の商品の色を特定し、前記商品アバターの色を、特定した前記実際の商品の色に決定するステップと、決定した色の前記商品アバターをユーザの端末に表示させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、商品のアバターの色と実際の商品の色との差異を少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を説明する図である。情報処理装置1は、商品のアバターである商品アバターをユーザが使用するユーザ端末2等に表示させるコンピュータである。
【0019】
商品は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク上において展開しているアパレルショップ等の仮想店舗で販売される衣服である。情報処理装置1は、商品アバターをユーザ端末2に表示させるにあたり、仮想店舗の関係者が使用する店舗端末3から、商品アバターを取得するとともに、商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データを取得する(
図1における(1))。商品アバターは、例えば、実際の商品を三次元スキャンして生成された三次元モデル、又はアバターを作成するためのアプリケーションプログラムを用いて、実際の商品を模して生成された三次元モデルである。
【0020】
情報処理装置1は、取得した商品画像データが示す実際の商品の色を特定し(
図1における(2))、商品アバターの色を、商品画像データから特定した商品の色に決定する(
図1における(3))。このようにすることで、情報処理装置1は、商品のアバターの色と実際の商品の色との差異を少なくすることができる。
【0021】
その後、情報処理装置1は、ユーザ端末2から仮想店舗において販売されている商品の選択を受け付ける(
図1における(4))。情報処理装置1は、商品の選択を受け付けると、当該商品に対応する商品アバターであって、決定した色の商品アバターをユーザ端末2に表示させる(
図1における(5))。そして、情報処理装置1は、商品アバターに対応する商品の購入をユーザが所望する場合に、ユーザ端末2から商品の購入要求を受け付ける(
図1における(6))。このようにすることで、ユーザは、実際の商品の色が付された商品アバターを確認したうえで、当該商品の購入を進めることができる。
【0022】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の機能構成について説明する。
図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0023】
通信部11は、ユーザ端末2とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、取得部131、決定部132、記憶制御部133、設定部134、受付部135、商品表示制御部136、及び購入処理部137として機能させるプログラムを記憶する。
【0024】
記憶部12は、複数の店舗それぞれにおいて販売される商品に関する情報を含む店舗別商品情報を記憶する。
図3は、店舗別商品情報の一例を示す図である。
図3に示すように、店舗別商品情報は、複数の仮想店舗それぞれを識別する店舗IDと、仮想店舗名と、仮想店舗のカテゴリと、仮想店舗において販売されている商品を識別する商品IDと、商品関連情報と、商品に対応する商品アバターとを関連付けた情報である。商品関連情報は、商品に関する情報であり、例えば、商品のカテゴリ、価格、サイズ等を示す情報である。商品のカテゴリは、例えば、トップスやボトムスといった、商品を装着する身体の部位を特定するための情報である。
【0025】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、決定部132、記憶制御部133、設定部134、受付部135、商品表示制御部136、及び購入処理部137として機能する。
【0026】
[商品アバターの色の決定]
まず、商品アバターの色を決定する処理について説明する。取得部131は、商品のアバターである商品アバターを取得する。また、取得部131は、当該商品アバターに対応する実際の商品を撮像した画像データである商品画像データを取得する。取得部131は、実際の商品を撮像したときの撮像環境を示す環境情報を含む商品画像データを取得する。環境情報は、例えば、画像データに付与されているExif(Exchangeable Image File Format)情報に含まれている色温度であるが、これに限らず、ISO(International Organization for Standardization)感度、露出時間、F値、及びこれらの値により特定可能なEV(Exposure Value)値(露出値)であってもよい。
【0027】
決定部132は、取得部131が取得した商品画像データが示す実際の商品の色を特定し、商品アバターの色を、特定した実際の商品の色に決定する。決定部132は、商品画像データを解析して商品画像データが示す画像に映る商品の色を示すRGB値を特定することにより、商品の色を特定する。商品に対して複数の色が付されている場合、決定部132は、商品の複数の箇所それぞれの色を特定する。
【0028】
記憶制御部133は、商品アバターと、商品アバターに対応する商品の商品IDと、決定部132が決定した商品アバターの色を示す色情報(RGB値)と、商品画像データに含まれる環境情報とを関連付けてアバター情報として記憶部12に記憶させる。
図4は、アバター情報の一例を示す図である。
図4に示す例では、商品IDに対して、商品アバターと、RGB値と、環境情報とが関連付けられていることが確認できる。
【0029】
なお、記憶制御部133は、決定部132が商品の複数の箇所それぞれの色を特定した場合には、商品アバターの複数の箇所それぞれの位置を示す位置情報と、当該位置に対して特定された色とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0030】
また、記憶制御部133は、商品アバターの色を示す色情報と、取得部131が取得した画像データに含まれる環境情報とを関連付けて記憶部12に記憶させたが、これに限らない。例えば、取得部131は、実際の商品を撮像した画像データの他に、当該画像データと同じ撮像環境で所定の色を撮像した同一環境画像データを取得してもよい。所定の色は、例えば白色であり、同一環境画像データは、例えば、白色の紙等の白色の物体を撮像することにより生成された画像データである。
【0031】
そして、記憶制御部133は、取得した同一環境画像データに含まれる所定の色に対応する画素のRGB値と、所定の色に対して予め定められたRGB値の基準値とに基づいて、同一環境画像データの色温度を特定してもよい。そして、記憶制御部133は、特定した色温度を、商品画像データに対応する環境情報としてもよい。そして、記憶制御部133は、商品アバターの色を示す色情報と、特定した環境情報とを関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。
【0032】
[仮想的な撮像環境の設定]
続いて、商品アバターに適用する仮想的な撮像環境の設定に係る処理について説明する。設定部134は、ユーザが商品の色を確認しやすい環境で商品アバターを表示させるために、商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定する。
【0033】
例えば、設定部134は、ユーザ端末2からユーザ端末2に撮像された、所定の色を含む画像データである所定画像データを取得する。所定の色は、例えば白色であり、所定画像データは、例えば、白色の紙等の白色の物体を撮像することにより生成される画像データである。設定部134は、所定画像データを取得するとともに、ユーザ端末2から、所定画像データにおける所定の色の領域を受け付けてもよい。
【0034】
設定部134は、取得した所定画像データが示す所定の色と、実際の所定の色とに基づいて、商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定する。例えば、設定部134は、実際の所定の色に対して予め定められたRGB値の基準値と、取得した撮像画像が示す所定の色のRGB値との差異に基づいて、取得した所定画像データに対応する撮像環境を特定する。設定部134は、ユーザ端末2から、所定画像データにおける所定の色の領域を受け付けた場合には、当該領域に含まれる所定の色のRGB値と、所定の色に対応するRGB値の基準値との差異に基づいて、所定画像データに対応する撮像環境を特定する。
【0035】
例えば、設定部134は、実際の所定の色のRGB値と、取得した撮像画像が示す所定の色のRGB値との差異に基づいて、撮像環境として、所定画像データが示す画像に対応する色温度を特定する。そして、設定部134は、特定した撮像環境を、商品アバターに適用する仮想的な撮像環境に設定する。
【0036】
[商品アバターの表示]
続いて、商品アバターの表示に係る処理について説明する。受付部135は、商品アバターを表示させるにあたり、ユーザ端末2から、ユーザIDを取得するとともに、仮想店舗の選択を受け付ける。例えば、受付部135は、複数の仮想店舗を示す仮想店舗情報をユーザが使用するユーザ端末2に表示させ、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける。
【0037】
続いて、受付部135は、選択された仮想店舗において販売されている商品の選択を受け付ける。例えば、受付部135は、選択された仮想店舗に対応する仮想空間であって、複数の商品の商品アバターが配置された仮想空間を表示させ、仮想空間に配置されている複数の商品アバターの少なくともいずれかの選択を受け付けることにより、一以上の商品の選択を受け付ける。ここで、仮想店舗に対応する実際の店舗が存在する場合、仮想店舗に対応する仮想空間は、実店舗を模した仮想空間であってもよい。また、受付部135は、仮想店舗において販売されている商品のリストをユーザ端末2に表示させ、当該リストを介して一以上の商品の選択を受け付けてもよい。
【0038】
商品表示制御部136は、受付部135が選択を受け付けた一以上の商品の商品アバターであって、決定部132が決定した色の商品アバターをユーザ端末2に表示させる。商品表示制御部136は、記憶部12において商品アバターに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を、設定部134が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定し、特定した色の商品アバターをユーザ端末2に表示させる。
【0039】
商品表示制御部136は、ユーザ端末2に複数の商品アバターを同時に表示させる場合に、複数の商品アバターそれぞれに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を設定部134が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の複数の商品アバターそれぞれの色を特定し、特定した色の複数の商品アバターをユーザ端末2に表示させる。
【0040】
例えば、商品カテゴリがトップスである第1商品と、商品カテゴリがボトムスである第2商品とが選択されたとする。この場合、商品表示制御部136は、第1商品に対応する第1商品アバターに関連付けられている撮像環境としての色温度を、設定部134が設定した色温度に補正した場合における、第1商品アバターに関連付けられている第1商品アバターの色を特定する。同様に、商品表示制御部136は、第2商品に対応する第2商品アバターに関連付けられている撮像環境としての色温度を、設定部134が設定した色温度に補正した場合における、第2商品アバターに関連付けられている第2商品アバターの色を特定する。
【0041】
なお、商品表示制御部136は、撮像環境としての色温度を補正することにより、商品アバターに関連付けられている商品アバターの色を特定したが、これに限らない。商品表示制御部136は、色温度とは異なる撮像環境を仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定してもよい。例えば、商品表示制御部136は、商品アバターに関連付けられている撮像環境としてのEV値を、設定部134が設定したEV値に補正した場合における、商品アバターに関連付けられている商品アバターの色を特定してもよい。また、商品表示制御部136は、撮像環境としての色温度、EV値等の複数の要素の値を、仮想的な撮像環境が示す複数の要素の値に補正した場合の商品アバターの色を特定してもよい。
【0042】
商品表示制御部136は、特定した色で第1商品アバター及び第2商品アバターの着色処理を行う。そして、商品表示制御部136は、着色された第1商品アバターと、第2商品アバターとを、受付部135が取得したユーザIDに関連付けられているユーザのアバターに対して試着させた状態で、仮想カメラによりユーザのアバターを撮像した時の画像データを生成し、当該画像データを含む試着イメージ画面を生成する。ここで、商品表示制御部136は、試着イメージ画面に仮想的な撮像環境(色温度及び色温度に対応するホワイトバランス)を示す情報を表示させるようにしてもよい。
【0043】
商品表示制御部136は、生成した試着イメージ画面をユーザ端末2に表示させる。
図5は、試着イメージ画面の一例を示す図である。
図5に示すように、試着イメージ画面には、商品アバターを試着したユーザアバターとともに、仮想的な撮像環境(色温度及び色温度に対応するホワイトバランス)を示す情報が表示されていることが確認できる。このようにすることで、情報処理装置1は、複数の商品アバターを組み合わせたときの印象が、複数の商品アバターに対応する実際の商品を組み合わせたときの印象と異なってしまうことを抑制することができる。
【0044】
なお、記憶制御部133は、ユーザのユーザIDと、商品表示制御部136がユーザ端末2に表示させた、仮想的な撮像環境に基づいて特定した色の複数のアバターに対応する複数のアバターデータとを関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。この場合、例えば記憶制御部133は、ユーザ端末2に試着イメージ画面を表示させたことに応じて、ユーザIDと、商品表示制御部136がユーザ端末2に表示させた、仮想的な撮像環境に基づいて特定した色の複数のアバターに対応する複数のアバターデータとを関連付けて表示履歴情報として記憶部12に記憶させる。ここで、アバターデータは、例えば、商品アバターと、仮想的な撮像環境に基づいて特定した色との組合せである。
【0045】
そして、商品表示制御部136は、当該複数のアバターの表示操作をユーザ端末2から受け付けたことに応じて、記憶部12においてユーザIDに関連付けて記憶されている複数のアバターデータに基づいて、当該複数のアバターをユーザ端末2に同時に表示させる。例えば、ユーザ端末2は、
図5に示される試着イメージ画面に設けられているメニューボタンMが選択されたことに応じて、メニューを表示させる。メニューには、表示履歴情報に基づいて過去にユーザ端末2に表示された複数の商品アバターのいずれかを選択する項目が含まれている。ユーザ端末2は、当該項目が選択されたことに応じて、過去にユーザ端末2に表示された複数の商品アバターのいずれかの選択を受け付ける。
【0046】
商品表示制御部136は、選択された商品アバターに対応して、記憶部12においてユーザIDに関連付けて記憶されている複数のアバターデータに基づいて、当該特定した色の複数のアバターをユーザ端末2に同時に表示させる。このようにすることで、ユーザは過去に表示させた複数のアバターを、過去にユーザ端末2に表示されたときと同じ状態でユーザ端末2に再表示させることができる。
【0047】
また、商品表示制御部136は、ユーザ端末2に商品アバターと、商品アバターとは異なる非商品アバターとを同時に表示させてもよい。非商品アバターは、例えば、販売対象ではないものの、仮想店舗においてユーザが選択可能に提供されるサンプルアバターである。例えば、仮想店舗が衣服としてトップス及びボトムスを販売する場合、非商品アバターは、帽子、バッグ、靴、アクセサリー等のアイテムを示すアバターである。
【0048】
この場合、受付部135は、商品の選択を受け付けるとともに、販売対象ではないアイテムの選択を受け付ける。商品表示制御部136は、選択された商品に対応する商品アバター及び選択されたアイテムに対応する非商品アバターそれぞれに関連付けられている環境情報が示す撮像環境を、設定部134が設定した仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバター及び非商品アバターそれぞれの色を特定する。そして、商品表示制御部136は、特定した色の商品アバター及び非商品アバターを示す試着イメージ画面をユーザ端末2に表示させる。このようにすることで、ユーザは、ユーザが選択した商品と、仮想店舗が販売していないアイテム等を組み合わせて装着したときの印象を確認することができる。
【0049】
ここで、受付部135は、ユーザから、販売対象ではないアイテムの選択を受け付けたが、これに限らない。受付部135は、ユーザ端末2から、ユーザ端末2が撮像した、ユーザが所有するアイテムを示すアイテム画像データを取得してもよい。この場合、商品表示制御部136は、取得したアイテム画像データを解析することにより、アイテムの形状及びアイテムの色を特定してもよい。ここで、商品表示制御部136は、アイテム画像データの撮像環境を特定し、当該撮像環境を仮想的な撮像環境に補正した場合における、アイテム画像データが示すアイテムの色を特定してもよい。商品表示制御部136は、販売対象ではない複数のアイテムの中から、特定したアイテムの形状と類似する形状のアイテムを選択し、選択したアイテムに対応する非商品アバターの色を、特定した色に設定してもよい。
【0050】
例えば、選択された商品がボトムスである場合、受付部135は、ユーザ端末2から、ユーザが所有するトップスを撮像したアイテム画像データを取得する。商品表示制御部136は、取得したアイテム画像データを解析し、当該トップスの形状及び色を特定する。そして、商品表示制御部136は、販売対象ではない複数のトップスの中から、特定した形状と類似する形状のトップスを選択し、選択したトップスの色を、特定した色に設定する。そして、商品表示制御部136は、特定した色の商品アバター及び非商品アバターを示す試着イメージ画面をユーザ端末2に表示させる。このようにすることで、ユーザは、自身が所有するアイテムに合わせて、ユーザが選択した商品を装着したときの印象を確認することができる。
【0051】
また、商品アバターに関連付けられている撮像環境を、設定部134が設定した仮想的な撮像環境に補正する場合において、補正量が大きければ大きいほど、仮想的な撮像環境における商品アバターの実際の色と、補正された商品アバターの色とが異なる確率が高くなる。これに対し、商品表示制御部136は、商品アバターに関連付けられている撮像環境を、設定部134が設定した仮想的な撮像環境に補正する場合の環境情報の補正量に基づく、アバターの色の信頼度を特定してもよい。
【0052】
例えば、商品表示制御部136は、環境情報の補正量が大きくなればなるほど信頼度が低くなるように信頼度を特定する。そして、商品表示制御部136は、特定した信頼度を試着イメージ画面に含めることにより、当該信頼度をユーザ端末2に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは、ユーザ端末2に表示されている商品アバターに対応する色の信頼度を確認しながら、商品購入の検討を行うことができる。
【0053】
[商品の購入に係る処理]
続いて、ユーザによる商品の購入に係る処理について説明する。例えば、購入処理部137は、ユーザ端末2のユーザから、購入対象の商品の選択を受け付ける。例えば、購入処理部137は、試着イメージ画面に表示された商品アバターを、購入対象の商品をまとめるための仮想カートに格納する操作を受け付けることにより、商品アバターに対応する商品を選択する。
【0054】
そして、購入処理部137は、選択された商品の購入要求を受け付ける。購入処理部137は、商品の購入要求を受け付けると、ユーザから、商品の配送先に係る情報と、決済手段に係る情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて商品の購入額の決済を行う。購入処理部137は、決済が完了すると、ユーザが購入した商品を示す情報と、配送先に係る情報とを、仮想店舗の店舗端末に通知する。これにより、仮想店舗の店員は、商品の発送に係る処理を行うことができる。
【0055】
[変形例]
なお、設定部134は、所定画像データに基づいて、商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定し、設定した仮想的な撮像環境における商品アバターの色を特定したが、これに限らない。例えば、設定部134は、ユーザ端末2から、ユーザ端末2により撮像された撮像画像を取得し、取得した撮像画像に含まれる環境情報に基づいて、商品アバターに適用する仮想的な撮像環境を設定してもよい。この場合、例えば、設定部134は、撮像画像に含まれる環境情報であるExif情報に色温度が含まれている場合、当該色温度を仮想的な撮像環境として特定する。
【0056】
また、設定部134は、試着イメージ画面を表示させた後、新たに仮想的な撮像環境の設定を受け付けてもよい。この場合、例えば、ユーザ端末2は、
図5に示す試着イメージ画面に設けられているメニューボタンMが選択されたことに応じて、メニューを表示させる。メニューには、仮想的な撮像環境である色温度の設定項目が含まれている。
【0057】
ユーザ端末2は、当該設定項目が選択されたことに応じて仮想的な撮像環境である色温度の設定画面を表示させる。設定部134は、設定画面を介して、ユーザ端末2から仮想的な撮像環境を受け付ける。そして、商品表示制御部136は、設定部134がユーザ端末2から仮想的な撮像環境を受け付けたことに応じて、商品アバターに関連付けられている撮像環境を仮想的な撮像環境に補正した場合の商品アバターの色を特定し、特定した色の商品アバターを含む試着イメージ画面をユーザ端末2に表示させる。このようにすることで、ユーザは、様々な仮想的な撮像環境における商品の試着イメージを確認することができる。
【0058】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データを取得し、取得した商品画像データが示す実際の商品の色を特定する。そして、情報処理装置1は、商品アバターの色を、特定した実際の商品の色に決定し、決定した色の商品アバターをユーザ端末2に表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、商品のアバターの色と実際の商品の色との差異を少なくすることができる。
【0059】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0061】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 決定部
133 記憶制御部
134 設定部
135 受付部
136 商品表示制御部
137 購入受付部
2 ユーザ端末
3 店舗端末
【要約】
【課題】商品のアバターの色と実際の商品の色との差異を少なくする。
【解決手段】情報処理装置1は、商品のアバターである商品アバターに対応する実際の商品を撮像した商品画像データを取得する取得部131と、取得部131が取得した商品画像データが示す実際の商品の色を特定し、商品アバターの色を、特定した実際の商品の色に決定する決定部132と、決定した色の商品アバターをユーザ端末2に表示させる商品表示制御部136と、を有する。
【選択図】
図2