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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】バックライトユニットおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241029BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241029BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALN20241029BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241029BHJP
【FI】
F21S2/00 480
G02F1/13357
F21S2/00 483
G02F1/1333
F21Y115:10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023109553
(22)【出願日】2023-07-03
(65)【公開番号】P2024010660
(43)【公開日】2024-01-24
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】63/388,456
(32)【優先日】2022-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】沖津 元章
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-021450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0004062(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
G02F 1/1333
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有するLED基板と、
前記第1主面上に配列された複数のLED素子と、
前記第2主面上に配置された1以上の駆動用IC素子と、
前記LED基板の前記第2主面側に配置されたシャーシと、
それぞれが、前記1以上の駆動用IC素子の内の対応する1つの駆動用IC素子に直接または間接的に接触する、1以上のIC素子カバーと
を有し、
前記シャーシは、それぞれが前記1以上の駆動用IC素子のいずれか1つに対応する1以上の突出部を有し、
前記1以上の突出部のそれぞれは、前記第2主面の法線方向からみたとき、前記対応する1つの駆動用IC素子を露出させる開口部を有し、
前記IC素子カバーは、前記突出部に嵌合されている、バックライトユニット。
【請求項2】
前記IC素子カバーは、前記突出部が嵌入される凹部を有する、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項3】
前記IC素子カバーは、前記突出部が有する前記開口部内に嵌入される凸部を有している、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項4】
前記凸部は、前記第2主面の法線方向からみたとき、ロの字の形状を有している、請求項3に記載のバックライトユニット。
【請求項5】
前記凸部は、前記第2主面の法線方向からみたとき、略四角形の形状を有している、請求項3に記載のバックライトユニット。
【請求項6】
前記IC素子カバーは、前記第2主面の法線方向からみたとき、前記突出部よりも大きい、請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項7】
前記IC素子カバーは、前記第2主面に略垂直な方向に延びる延設部を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項8】
前記駆動用IC素子と前記IC素子カバーとの間に配置された放熱シートをさらに有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項9】
前記シャーシと前記IC素子カバーとの間に配置された断熱シートをさらに有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項10】
前記断熱シートは両面粘着シートである、請求項9に記載のバックライトユニット。
【請求項11】
前記シャーシと前記IC素子カバーとはビスで固定されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項12】
前記突出部は、絞り加工によって形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項13】
前記突出部は、ハーフパンチ加工によって形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項14】
前記凸部は、ハーフパンチ加工によって形成されている、請求項3から5のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
【請求項15】
請求項1から5のいずれか1項に記載のバックライトユニットと、
前記LED基板の前記第1主面側に配置された表示パネルと
を備える、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置などの表示装置のバックライトユニットおよびそのようなバックライトユニットを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLED素子を用いたバックライトユニットを備える液晶表示装置が広く用いられている。従来、LED素子を駆動するための駆動IC素子の冷却は、例えば特許文献1に記載されているように、ヒートシンクを用いて行われることが多かった。また、従来は、複数のLED素子を搭載したLED基板とは別に、LED素子を駆動するための複数の駆動用IC素子を搭載した駆動用の基板を用意し、配線で接続されることが多かったが、近年、バックライト装置の薄型化のために、LED基板の裏面に駆動用IC素子を搭載した(DOB:Driver on Board)構成が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-251496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ヒートシンクは比較的高価であり、また、嵩張るという問題もあった。また、DOB構成においては、粉塵の侵入および光漏れを生じない放熱構造が望まれている。
【0005】
本発明は、DOB構成を有するバックライトユニットにおいて、粉塵の侵入および光漏れを低減しつつ、効率よく駆動用IC素子を冷却することができる構造を備えたバックライトユニットおよびそのようなバックライトユニットを備えた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によると、以下の項目に記載の解決手段が提供される。
【0007】
[項目1]
第1主面と前記第1主面とは反対側の第2主面とを有するLED基板と、
前記第1主面上に配列された複数のLED素子と、
前記第2主面上に配置された1以上の駆動用IC素子と、
前記LED基板の前記第2主面側に配置されたシャーシと、
それぞれが、前記1以上の駆動用IC素子の内の対応する1つに直接または間接的に接触する、1以上のIC素子カバーと
を有し、
前記シャーシは、前記1以上の駆動用IC素子のそれぞれに対応する1以上の突出部を有し、
前記1以上の突出部のそれぞれは、前記第2主面の法線方向からみたとき、前記対応する駆動用IC素子を露出させる開口部を有し、
前記IC素子カバーは、前記突出部に嵌合されている、バックライトユニット。
【0008】
[項目2]
前記IC素子カバーは、前記突出部が嵌入される凹部を有する、項目1に記載のバックライトユニット。
【0009】
[項目3]
前記IC素子カバーは、前記突出部が有する前記開口部内に嵌入される凸部を有している、項目1に記載のバックライトユニット。
【0010】
[項目4]
前記凸部は、前記第2主面の法線方向からみたとき、ロの字の形状を有している、項目3に記載のバックライトユニット。
【0011】
[項目5]
前記凸部は、前記第2主面の法線方向からみたとき、略四角形の形状を有している、項目3に記載のバックライトユニット。
【0012】
[項目6]
前記IC素子カバーは、前記第2主面の法線方向からみたとき、前記突出部よりも大きい、項目1から5のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0013】
[項目7]
前記IC素子カバーは、前記第2主面に略垂直な方向に延びる延設部を有する、項目1から6のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0014】
[項目8]
前記駆動用IC素子と前記IC素子カバーとの間に配置された放熱シートをさらに有する、項目1から7のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0015】
[項目9]
前記シャーシと前記IC素子カバーとの間に配置された断熱シートをさらに有する、項目1から8のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0016】
[項目10]
前記断熱シートは両面粘着シートである、項目9に記載のバックライトユニット。
【0017】
[項目11]
前記シャーシと前記IC素子カバーとはビスで固定されている、項目1から10のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0018】
[項目12]
前記突出部は、絞り加工によって形成されている、項目1から11のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0019】
[項目13]
前記突出部は、ハーフパンチ加工によって形成されている、項目1から11のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0020】
[項目14]
前記凸部は、ハーフパンチ加工によって形成されている、項目3から5のいずれかに記載のバックライトユニット。
【0021】
[項目15]
項目1から14のいずれかに記載のバックライトユニットと、
前記LED基板の前記第1主面側に配置された表示パネルと
を備える、表示装置。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態によると、DOB構成を有し、粉塵の侵入および光漏れを低減しつつ、効率よく駆動用IC素子を冷却することができるバックライトユニットおよびそのようなバックライトユニットを備えた表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態によるバックライトユニット100を備える液晶表示装置300の模式的な斜視図である。
図2】液晶表示装置300の模式的な分解斜視図である。
図3図1におけるIII-III’線に沿った、液晶表示装置300の模式的な断面図である。
図4】LED基板20の第1主面S1側を示す模式的な斜視図である。
図5】LED基板20の第2主面S2側を示す模式的な斜視図である。
図6】本発明の実施形態によるバックライトユニット100AのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図7】バックライトユニット100Aのシャーシ10Aの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図8】本発明の実施形態によるバックライトユニット100BのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図9】バックライトユニット100Bのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図10】比較例のバックライトユニット900AのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図11】バックライトユニット900Aのシャーシ90Aの突出部90P1を含む部分の模式的な斜視図である。
図12】比較例のバックライトユニット900BのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図13】バックライトユニット900Bのシャーシ90Bの突出部90P2を含む部分の模式的な斜視図である。
図14】比較例のバックライトユニット900CのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図15】バックライトユニット900Cのシャーシ90Cの開口部90aを含む部分の模式的な分解斜視図である。
図16】比較例のバックライトユニット900DのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図17】本発明の実施形態によるバックライトユニット100CのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図18】バックライトユニット100Cのシャーシ10Aの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図19】本発明の実施形態によるバックライトユニット100DのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図20】バックライトユニット100Dのシャーシ10Aの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図21】本発明の実施形態によるバックライトユニット100EのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図22】バックライトユニット100Eのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図23】本発明の実施形態によるバックライトユニット100FのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図24】バックライトユニット100Fのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図25】本発明の実施形態によるバックライトユニット100GのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図26】バックライトユニット100Gのシャーシ10Cの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図27】本発明の実施形態によるバックライトユニット100HのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図28】バックライトユニット100Hのシャーシ10Dの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図29】本発明の実施形態によるバックライトユニット100IのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図30】バックライトユニット100Iのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図31】本発明の実施形態によるバックライトユニット100JのIC素子24を含む部分の模式的な断面図である。
図32】バックライトユニット100Jのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図33】突出部10P2の開口部10a内にIC素子24および電子部品32が配置されている例を示す模式的な平面図である。
図34】バックライトユニット100BがIC素子24の近傍に電子部品32を有する場合の模式的な断面図である。
図35A】バックライトユニット100IがIC素子24の近傍に電子部品32を有する場合の模式的な断面図(左右方向)である。
図35B】バックライトユニット100IがIC素子24の近傍に電子部品32を有する場合の模式的な断面図(上下方向)である。
図36】バックライトユニット100JがIC素子24の近傍に電子部品32を有する場合の模式的な断面図である。
図37】本発明の実施形態によるバックライトユニット100Kのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
図38】バックライトユニット100KのIC素子24および電子部品32を含む部分の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態によるバックライトユニットおよび表示装置を説明する。ここでは、液晶表示装置に用いられるバックライトユニットを例に本発明による実施形態のバックライトユニットを説明するが、本発明の実施形態によるバックライトユニットおよび表示装置は、例示するものに限定されない。本発明の実施形態によるバックライトユニットは、例えば、液晶表示パネル以外の透過型の表示パネルを備える表示装置にも用いられ得る。
【0025】
本発明の実施形態によるバックライトユニットは、LED基板と、複数のLED素子と、1以上の駆動用IC素子(以下の例では複数の駆動用IC素子)と、シャーシと、1以上のIC素子カバー(以下の例では複数のIC素子カバー)とを有する。LED基板は、第1主面と第1主面とは反対側の第2主面とを有し、複数のLED素子は、第1主面上に配列されており、1以上の駆動用IC素子は、第2主面上に配置されている。シャーシは、LED基板の第2主面側に配置されている。1以上のIC素子カバーのそれぞれは、1以上の駆動用IC素子の内の対応する駆動用IC素子に直接または間接的に接触するように配置されている。シャーシは、1以上の駆動用IC素子に対応する1以上の突出部であって、それぞれが、対応する駆動用IC素子の周辺の空間の外縁を画定する1以上の突出部(以下の例では複数の突出部)を有し、1以上の突出部のそれぞれは、LED基板20の第2主面の法線方向からみたとき、対応する駆動用IC素子を露出させる開口部を有している。
【0026】
IC素子カバーは、シャーシの突出部に嵌合されている。IC素子カバーは、シャーシの突出部が嵌入される凹部を有してもよいし、シャーシの突出部が有する開口部内に嵌入される凸部を有してもよい。LED基板20の第2主面と、シャーシの突出部と、突出部に嵌合されたIC素子カバーとで形成される空間内に、駆動用IC素子が収容されている。LED基板20の第2主面と、シャーシの突出部と、突出部に嵌合されたIC素子カバーとで形成される空間は、粉塵が侵入しない程度の密閉性を有している。シャーシおよびIC素子カバーは、熱伝導率の高い金属材料、例えばアルミニウム合金で形成されている。シャーシの突出部は、例えば、絞り加工またはハーフパンチ加工によって形成され得る。また、IC素子カバーの凸部は、例えば、ハーフパンチ加工によって形成され得る。駆動用IC素子とIC素子カバーは、直接接触してもよいし、例えば放熱シートを介して間接的に接触してもよい。駆動用IC素子の熱が、接触熱伝導によってIC素子カバーに伝達されるように構成されていればよい。
【0027】
一方、シャーシからIC素子カバーへの直接的な熱伝導を低減させるために、シャーシとIC素子カバーとの間に断熱シートを配置してもよい。シャーシとIC素子カバーとは、例えばビスによって固定されてもよいし、両面粘着シートによって固定されてもよい。もちろん、ビスと両面粘着シートとを併用してもよい。両面粘着シートは、上記断熱シートとしても作用し得る。
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるバックライトユニットおよび表示装置を説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態によるバックライトユニットを備える液晶表示装置300の模式的な斜視図であり、図2は、液晶表示装置300の分解斜視図である。また、図3は、図1におけるIII-III’線に沿った、液晶表示装置300の模式的な断面図である。
【0030】
液晶表示装置300は、バックライトユニット100と、液晶表示パネルユニット(以下、表示パネルユニット)200と、バックライトユニット100と表示パネルユニット200との間に配置された光学シート群40とを有している。
【0031】
バックライトユニット100は、シャーシ(バックライトシャーシ)10と、LED基板20と、LED基板20の第1主面側に配置された反射シート30とを有している。反射シート30は、LED基板20の第1主面に配置された複数のLED素子22を露出する穴を有しており、LED素子22から出射された光を表示パネルユニット200側に向けて反射し、光の利用効率を向上させる。なお、反射シート30は省略され得る。
【0032】
表示パネルユニット200は、液晶表示パネル(以下、表示パネル)60と、表示パネル60を挟持するように配置された、パネルシャーシ50とベゼル70とを有している。表示パネル60とベゼル70との間および表示パネル60とパネルシャーシ50との間には、それぞれクッション材C1およびC2が配置されている(図3参照)。ベゼル70は、表示パネル60、パネルシャーシ50、光学シート群40およびバックライトユニット100を覆うように配置されている。
【0033】
表示パネル60は、一対の基板と、一対の基板の間に設けられた液晶層とを有する液晶セルと、液晶セルの両側に配置された偏光板と、液晶セルと前面側の偏光板との間に必要に応じて設けられる位相差板とを有している。液晶セルが有する一対の基板は、液晶層に電圧を印加する構成を備えている。表示パネル60は公知の透過型の液晶表示パネルであってよい。
【0034】
光学シート群40は、表示パネル60の構成に応じて、複数の光学シート42、44、46を含み得る。光学シート群40は、例えば、光拡散シート(「拡散板」と呼ばれることもある。)46、輝度上昇フィルム44、42を有する。また、光学シート群40は、例えば、光拡散シート/レンズシート/レンズシート/光拡散シートのような構成であってもよい。光学シート群40を構成する光学シートの種類および枚数に特に制限はない。また、光学シート群40は省略され得る。光学シート群40とパネルシャーシ50との間には、クッション材C3が配置されている(図3参照)。パネルシャーシ50が樹脂製のとき、クッション材C3は省略され得る。
【0035】
シャーシ10は、図2に示すように、複数の突出部10Pを有している。それぞれの突出部10Pには、放熱シート12が配置され得る。放熱シート12は省略され得る。
【0036】
図4図7を参照して、本発明の実施形態によるバックライトユニット100Aの構造を説明する。
【0037】
図4は、LED基板20の第1主面S1側を示す模式的な斜視図であり、図5は、LED基板20の第2主面S2側を示す模式的な斜視図である。
【0038】
図4に示すように、LED基板20の第1主面S1上には複数のLED素子22が配置されており、図5に示すように、LED基板20の第2主面S2には、複数の駆動用IC素子(以下、単に「IC素子」という。)24が配置されている。複数のIC素子24は、それぞれ複数のLED素子22を駆動する。ここでは、3つのIC素子24が、それぞれ96個のLED素子22に対して設けられている例を示しているが、もちろん、これに限られない。IC素子24の個数や設置位置は個々のIC素子で制御するLED素子22の個数や範囲で異なり得る。また、LED基板20には、電源および/または信号を受け取るためのコネクター(不図示)が設けられている。
【0039】
図6は、バックライトユニット100AのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図7は、バックライトユニット100Aのシャーシ10Aの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。
【0040】
図6に示すように、LED基板20の第2主面S2側にシャーシ10Aが配置されている。LED基板20の第2主面S2上に配置されたIC素子24に放熱シート12を介して間接的に接触するようにIC素子カバー14A1が配置されている。放熱シート12を省略して、IC素子24に直接接触するようにIC素子カバー14A1を配置してもよい。IC素子カバー14A1は、例えば、ビス17によって、シャーシ10Aの突出部10P1に設けられたビス孔10cに固定されている。
【0041】
シャーシ10Aが有する複数の突出部10P1は、それぞれが、対応するIC素子24の周辺の空間SP1の外縁を画定する。各突出部10P1は、第2主面S2の法線方向からみたとき、対応するIC素子24を露出させる開口部10aを有しており、IC素子カバー14A1は、突出部10P1に嵌合されている。LED基板20の第2主面S2と、シャーシ10Aの突出部10P1と、突出部10P1に嵌合されたIC素子カバー14A1とで形成される空間内に、IC素子24が収容されている。シャーシ10Aの突出部10P1は、例えば絞り加工によって形成されており、第2主面S2に対して傾斜した側面を有している。
【0042】
ここで例示するIC素子カバー14A1は、突出部10P1が有する開口部10a内に嵌入される凸部14pを有している。凸部14pは、第2主面S2に略垂直な側面を有し、この側面が開口部10aの内側面と対向するように、開口部10a内に凸部14pが嵌入される。この凸部14pによって、IC素子カバー14A1が突出部10P1に嵌合されている。凸部14pは、例えばハーフパンチ加工によって形成されている。IC素子カバー14A1は、比較的単純な形状であり、金型を用いたプレス加工で容易に製造することができるので、ヒートシンクを用いるよりも、コストを低減することができる。
【0043】
突出部10P1の開口部10aにIC素子カバー14A1の凸部14pが嵌入された嵌合構造の隙間は、第2主面S2に略平行な部分と、第2主面S2に略垂直な部分とを有し、図6に示す断面では、階段形状を有している。したがって、突出部10P1とIC素子カバー14A1とが形成する嵌合構造の隙間を粉塵などが通過することはほとんどなく、この嵌合構造は優れた防塵性を有している。すなわち、LED基板20の第2主面S2と、シャーシ10Aの突出部10P1と、突出部10P1に嵌合されたIC素子カバー14A1とで形成される空間は、粉塵が侵入しない程度の密閉性を有している。
【0044】
バックライトユニット100Aにおいて、IC素子24とIC素子カバー14A1との間に放熱シート12が配置されている。放熱シート12は、開口部10aよりも小さく、開口部10a内に配置される。放熱シート12は、IC素子24とIC素子カバー14A1とに接触し、IC素子24の熱をIC素子カバー14A1に伝える。放熱シート12は省略され得る。放熱シート12を省略するときには、IC素子カバー14A1がIC素子24に直接接触するように構成する。IC素子カバー14A1は、熱伝導性の高い金属材料(例えばアルミニウム合金)で形成されていることが好ましい。また、IC素子カバー14A1の形状を工夫し、表面積を増加させることによって、放熱効果を向上させることができる。IC素子カバー14A1の熱は空気中に散逸される。ここで例示するIC素子カバー14A1は、突出部10Pの平坦な上面と略同じ大きさを有している。もちろん、放熱性の向上のためにIC素子カバー14A1を大きくするなど、後に例示するように、表面積を増大させるように種々に改変され得る。
【0045】
バックライトユニット100Aにおいて、シャーシ10(突出部10P1)とIC素子カバー14A1との間に断熱シート16が配置されている。シャーシ10は、LED素子22から発せられた熱によっても、加熱され得る。シャーシ10の熱がIC素子カバー14A1に伝わると、IC素子24の熱を効率よく散逸させられなくなる。断熱シート16は、シャーシ10の熱がIC素子カバー14A1に伝わることを低減する。断熱シート16は、例えば、熱伝導性の低い樹脂(ゴムまたはエラストマを含む)で形成されている。
【0046】
IC素子カバー14A1は、図7に示すように、シャーシ10Aの突出部10P1に取り付けられる。図7は、シャーシ10Aの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図であり、シャーシ10Aの突出部10P1以外の部分を省略して示している。
【0047】
突出部10P1の開口部10a内に露出されたIC素子(不図示)に接触するように放熱シート12を配置する。突出部10P1の開口部10a、ビス孔10cと整合するように、開口部16a、ビス用開口部16cを有する断熱シート16を配置する。次に、凸部14pが開口部10a内に嵌合するように、IC素子カバー14A1を取り付ける。このとき、開口部10aとの嵌合構造を利用して、IC素子カバー14A1の位置決めを容易に行うことができる。開口部10aおよび凸部14pは、IC素子24の形状(略矩形)と整合するように、略矩形(内角がすべて90°の四角形)であることが好ましい。略矩形であると、例えば円形に比べて、第2主面S2に平行な面内における向きも制限されるので、位置決めを効率よく行うことができる。なお、略矩形とは、例えば、矩形の4つの角が丸角となっているものを含む。
【0048】
次に、IC素子カバー14A1のビス用開口部14c、断熱シート16のビス用開口部16cにビス17を通して、シャーシ10Aの突出部10P1のビス孔10cにビス17を締結し、IC素子カバー14A1をシャーシ10Aの突出部10P1に固定する。ビス17を用いてIC素子カバー14A1を簡単に取り外しできることも、ヒートシンクと比較したときの利点の一つである。
【0049】
バックライトユニット100Aに求められる輝度に応じて、LED素子22の数、配置密度、投入電流が決められ、これらによって、LED素子22およびIC素子24の発熱量が異なる。放熱シート12および/または断熱シート16は、必要な放熱性能に応じて、省略され得る。
【0050】
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施形態による他のバックライトユニット100Bを説明する。図8は、バックライトユニット100BのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図9は、バックライトユニット100Bのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
【0051】
バックライトユニット100Bのシャーシ10Bが有する突出部10P2の形状は、図6および図7に示したバックライトユニット100Aのシャーシ10Aが有する突出部10P1の形状と異なっている。以下の図において、実質的に同じ機能を有する構成要素は同じ参照符号で示し、説明を省略することがある。
【0052】
突出部10P1が第2主面S2に対して傾斜した側面を有していたのに対し、突出部10P2は、第2主面S2に略垂直な側面を有している。突出部10P2は、例えば、ハーフパンチ加工によって形成され得る。したがって、突出部10P2の幅Yは、突出部10P1の幅Xよりも小さくできる。このとき、例えば、図8に例示したように、突出部10P2の大きさをIC素子カバー14A1の大きさと略等しくできる。
【0053】
このように、突出部10P2の面積は、突出部10P1の面積よりも小さくできる。すなわち、突出部10P2によって外縁が画定される空間SP2の面積は、突出部10P1によって外縁が画定される空間SP1(図6参照)の面積よりも小さくできる。空間SP2の面積が小さいと、例えば、図8中の左側のLED素子22(L)の様に、LED基板20を介して空間SP2に対向するように配置されるLED素子22の数を少なくすることができる。図8中の左側のLED素子22(L)は、LED基板20を介してシャーシ10Bに間接的に接触している右側のLED素子22(R)に比べて、放熱されにくい。したがって、図8中の左側のLED素子22(L)の様に配置されるLED素子22の数は少ない方が好ましい。
【0054】
IC素子カバー14A1は、図9に示すように、シャーシ10Bの突出部10P2に取り付けられる。取り付ける手順は、図7を参照して説明したのと同じなので、ここでは説明を省略する。
【0055】
なお、シャーシの構造等によっては、十分な高さの空間を確保するように、ハーフパンチ加工ができないことがある。例えば、シャーシを構成するアルミニウム板の厚さが小さい場合、またはIC素子または周辺に配置される電子部品(例えば、コンデンサまたは抵抗)の高さが大きい場合には、ハーフパンチ加工ができないことがある。このような場合には、例えば、絞り加工を用いて、図6および図7を参照して説明した構成を採用すればよい。
【0056】
次に、図10図16を参照して、比較例のバックライトユニットにおけるIC素子24を含む部分の構造を説明する。
【0057】
まず、図10および図11を参照して、比較例のバックライトユニット900Aを説明する。図10は、バックライトユニット900AのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図11は、シャーシ90Aの突出部90P1を含む部分の模式的な斜視図である。バックライトユニット900Aは、IC素子24をシャーシ90Aに絞り加工で形成した突出部90P1で覆っただけの単純な構造を有している。LED素子22の発熱によって、LED基板20が温められ、LED基板20を介してシャーシ90Aも温められる。また、IC素子24も発熱するので、IC素子24の周辺の空間SP9aは、雰囲気温度よりも高温となり、IC素子24の誤動作等を生じる恐れがある。すなわち、バックライトユニット900Aは、十分な放熱特性を有しない恐れがある。
【0058】
次に、図12および図13を参照して、比較例のバックライトユニット900Bを説明する。図12は、バックライトユニット900BのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図13は、シャーシ90Bの突出部90P2を含む部分の模式的な斜視図である。バックライトユニット900Bは、シャーシ90Bに絞り加工で形成された突出部90P2に孔90hを有している。IC素子24にシャーシ90Bが放熱シート12を介して間接的に接触するようにIC素子24上に放熱シート12が配置されている。孔90hを介して、放熱シート12が配置されていることを確認できるが、放熱シート12が正しく配置されていない場合、シャーシ90BからLED基板20を取り外さないと、放熱シート12を配置し直すことができない。これに対し、上述の本発明による実施形態のバックライトユニット100Aまたは100Bにおいては、シャーシ10Aまたは10BにLED基板20を取り付けた状態で、放熱シート12を配置することができる。
【0059】
次に、図14および図15を参照して、比較例のバックライトユニット900Cを説明する。図14は、バックライトユニット900CのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図15は、シャーシ90Cの開口部90aを含む部分の模式的な分解斜視図である。バックライトユニット900Cのシャーシ90Cは、IC素子24を露出する開口部90aを有している。バックライトユニット900Cにおいては、シャーシ90CにLED基板20を取り付けた状態で、放熱シート12を配置することができるが、放熱シート12を接着剤(粘着剤を含む)を用いて、IC素子24上に配置する必要があり、接着の信頼性が危惧される。また、開口部90aから、LED基板20とシャーシ90Cとの隙間に粉塵が侵入する恐れもある。また、開口部90aから光漏れが生じる恐れもある。
【0060】
次に、図16に示す、比較例のバックライトユニット900Dを説明する。バックライトユニット900Dは、図8に示したバックライトユニット100Bと、IC素子カバー94Aの構造が異なっている。バックライトユニット100Bが有するIC素子カバー14A1は、凸部14pを有し、シャーシ10Bの突出部10P2の開口部10aに嵌入される構造を有していたのに対し、バックライトユニット900DのIC素子カバー94Aは、平行平板状であり、シャーシ10Bの突出部10P2と嵌合構造を形成しない。したがって、IC素子カバー94Aをシャーシ10Bに取り付ける際に、開口部10aを利用して位置決めができず、作業性が低下する、あるいは、別途位置決めのための構造を設ける必要が生じる。
【0061】
また、バックライトユニット100Bにおいては、突出部10P2とIC素子カバー14A1の凸部14pとが嵌合構造を形成するので、突出部10P2とIC素子カバー14A1との隙間は、図8に示した断面では、階段形状を有している。これに対して、バックライトユニット900Dでは、突出部10P2とIC素子カバー94Aとは嵌合構造を形成しないので、突出部10P2とIC素子カバー94Aとの隙間は、図16に示した断面では、直線状であり、粉塵の侵入を低減させる効果が低い。
【0062】
バックライトユニット900A~900Dとの比較から理解されるように、本発明の実施形態によるバックライトユニット100A、100Bは、種々の利点を有している。
【0063】
次に、本発明の他の実施形態によるバックライトユニットの構造を説明する。以下に例示するように、バックライトユニット100A、100Bは上述の効果を維持しつつ、種々に改変され得る。
【0064】
次に、図17図24を参照して、IC素子カバーのバリエーションの例を説明する。
【0065】
まず、図17および図18を参照して、本発明の実施形態による他のバックライトユニット100Cが有するIC素子カバー14A2を説明する。図17は、バックライトユニット100CのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図18は、バックライトユニット100Cのシャーシ10Aの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。バックライトユニット100Cは、IC素子カバー14A2を除いて、図6に示したバックライトユニット100Aと実質的に同じであってよいので、実質的に同じ機能を有する構成要素は同じ参照符号で示し、説明を省略する。
【0066】
バックライトユニット100Cが有するIC素子カバー14A2は、バックライトユニット100Aが有するIC素子カバー14A1の周辺に延設部14A2eを有している。すなわち、IC素子カバー14A2はIC素子カバー14A1よりも表面積が大きく、放熱性に優れている。
【0067】
次に、図19および図20を参照して、本発明の実施形態による他のバックライトユニット100Dが有するIC素子カバー14A3を説明する。図19は、バックライトユニット100DのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図20は、バックライトユニット100Dのシャーシ10Aの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。バックライトユニット100Dは、IC素子カバー14A3を除いて、図6に示したバックライトユニット100Aと実質的に同じであってよい。
【0068】
バックライトユニット100Dが有するIC素子カバー14A3は、バックライトユニット100Aが有するIC素子カバー14A1の周辺に第2主面S2に略垂直な方向に延びる延設部14A3eを有している。延設部14A3eの厚さは、例えば、IC素子カバー14A1の厚さと同じで、延設部14A3eの長さは、IC素子カバー14A1の厚さよりも大きい。すなわち、IC素子カバー14A3は、IC素子カバー14A1よりも表面積が大きく、さらにIC素子カバー14A2よりも表面積が大きいので、さらに放熱性に優れている。
【0069】
次に、図21図22図23および図24を参照して、本発明の実施形態による他のバックライトユニット100Eおよび100Fを説明する。図21は、バックライトユニット100EのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図22は、バックライトユニット100Eのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。図23は、バックライトユニット100FのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図24は、バックライトユニット100Fのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。図21および図22に示すバックライトユニット100Eは、IC素子カバー14A2を除いて、図8に示したバックライトユニット100Bと同じであってよく、図23および図24に示すバックライトユニット100Fは、IC素子カバー14A3を除いて、図8に示したバックライトユニット100Bと同じであってよい。バックライトユニット100Eおよび100Fは、それぞれIC素子カバー14A2(図21参照)およびIC素子カバー14A3(図23参照)を有しているので、上述したように、放熱特性に優れている。
【0070】
IC素子カバー14A2および14A3は、例えばアルミニウム板をプレス加工することによって形成され得るので、ヒートシンクと比較して、量産性に優れ、コストも低く、また、取り付けも容易である。
【0071】
次に、図25図26図27および図28を参照して、本発明の実施形態による他のバックライトユニット100Gおよび100Hを説明する。図25は、バックライトユニット100GのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図26は、バックライトユニット100Gのシャーシ10Cの突出部10P1を含む部分の模式的な分解斜視図である。図27は、バックライトユニット100HのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図28は、バックライトユニット100Hのシャーシ10Dの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。
【0072】
バックライトユニット100Gおよび100Hは、それぞれ図6に示したバックライトユニット100Aおよび図8に示したバックライトユニット100Bにおける、IC素子カバー14A1をビスで固定する構造に代えて、接着剤層15を用いている。接着剤層15は、例えば、両面テープである。接着剤層15は、バックライトユニット100Aおよびバックライトユニット100Bにおける断熱シートとしても機能する。バックライトユニット100Gおよび100Hがそれぞれ有するシャーシ10Cおよび10D、ならびにIC素子カバー14A4および14A5は、ビス用の孔を有しないので、IC素子カバー14A4および14A5を固定するための構造を小さくすることができる。接着剤層15を用いる構成を採用すると、コストを低減する効果も得られる。
【0073】
次に、図29および図30を参照して、本発明の実施形態による他のバックライトユニット100Iを説明する。図29は、バックライトユニット100IのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図30は、バックライトユニット100Iのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。バックライトユニット100Iは、IC素子カバー14A6を除いて、図8に示したバックライトユニット100Bと実質的に同じであってよい。
【0074】
バックライトユニット100Iが有するIC素子カバー14A6は、バックライトユニット100Bが有するIC素子カバー14A1の四角形の凸部14pと異なり、ロの字状の凸部14A6pを有している。凸部14A6pの外周面は、シャーシ10Bの突出部10P2の開口部10aに嵌合している。ロの字状の凸部14A6pを有することよって、凹部14A6Cが形成され、四角形の凸部14pよりも、厚さ方向に空間を大きくできる。なお、凸部14A6pの反対側に形成されている凹部14A6cは、プレス加工によって凸部14A6pを形成する際に付随的に形成され得るが、構造としては必要ではない。なお、図29に示す断面形状を有する放熱シート12は、例えば、柔軟性を有する放熱シートを圧し潰すことによって、あるいは、サイズの異なる2枚の放熱シートを重ねることによって得られる。
【0075】
次に、図31および図32を参照して、本発明の実施形態による他のバックライトユニット100Jを説明する。図31は、バックライトユニット100JのIC素子24を含む部分の模式的な断面図であり、図32は、バックライトユニット100Jのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図である。バックライトユニット100Jは、IC素子カバー14A7を除いて、図8に示したバックライトユニット100Bと実質的に同じであってよい。
【0076】
バックライトユニット100Jが有するIC素子カバー14A7は、延設部14A7eを有し、シャーシ10Bの突出部10P2が嵌入される凹部14A7Cを有している。言い換えると、IC素子カバー14A7は、上記の例(凸部14pおよび凸部14A6p)とは逆の方向に突き出た凸部14A7pを有している。このような構造を採用することによって、バックライトユニット100Iと同様に、厚さ方向の空間を大きくできる。なお、放熱シート12は、IC素子カバー14A7およびIC素子24と接触する厚さに改変されている。
【0077】
図33図34図35A図35Bおよび図36を参照して、バックライトユニット100Iおよび100Jが有する利点を説明する。図33は、突出部10P2の開口部10a内にIC素子24および電子部品32が配置されている例を示す模式的な平面図である。図34は、上述のバックライトユニット100BがIC素子24の近傍に電子部品32を有する場合の模式的な断面図であり、図35Aおよび図35Bは、バックライトユニット100IがIC素子24の近傍に電子部品32を有する場合の模式的な断面図であり、図35Aは左右方向における断面図であり、図35Bは上下方向における断面図である。図36は、バックライトユニット100JがIC素子24の近傍に電子部品32を有する場合の模式的な断面図である。なお、図34図35Aおよび図36においては、断面図に電子部品32を重ねて表している。
【0078】
図33に示すように、IC素子24の近傍に電子部品(例えば、コンデンサまたは抵抗)32が配置されることがある。電子部品32の高さ(第2主面S2の法線方向の長さ)は、IC素子24よりも高いことがある。そうすると、例えば、図34に示すように、バックライトユニット100Bの構成では、電子部品32を収容できないことが起こり得る。このとき、バックライトユニット100Aの様に、例えば絞り加工によって突出部10P1を形成すれば、十分な高さを有する空間を確保できる。しかしながら、上述したように、絞り加工によって形成される突出部10P1は、ハーフパンチ加工によって形成される突出部10P2よりも大きくなる(第2主面S2の法線方向から見たときの投影面積が大きくなる。)。そこで、図35A図35Bおよび図36に示すように、バックライトユニット100Iおよび100Jのような構成を採用すると、電子部品32を収容するのに十分な高さを有する空間を確保できる。
【0079】
バックライトユニット100Iおよび100Jでは、IC素子24および電子部品32を収容するのに十分な高さを有する空間を確保するために、それぞれ凹部14A6Cおよび14A7Cを形成した。これに対し、図37および図38に示すバックライトユニット100Kの様に、電子部品32を収容する空間の高さだけを大きくしてもよい。
【0080】
図37は、バックライトユニット100Kのシャーシ10Bの突出部10P2を含む部分の模式的な分解斜視図であり、開口部10aに露出されているIC素子24および電子部品32を併せて示している。図38は、バックライトユニット100KのIC素子24および電子部品32を含む部分の模式的な断面図であり、図37の上下方向における断面図である。
【0081】
IC素子カバー14A8は、シャーシ10Bの開口部10aに嵌入される凸部14A8pを有している。凸部14A8pは、電子部品32に対向する位置に凹部14A8Cを有しており、電子部品32を収容するのに十分な高さを有する空間を確保している。
【0082】
上述した本発明の実施形態によるバックライトユニットの構成は、適宜組み合わせたり、置換したり、改変され得る。本発明の実施形態によるバックライトユニットは、DOB構成を有し、粉塵の侵入および光漏れを低減しつつ、効率よく駆動用IC素子を冷却することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の実施形態によるバックライトユニットは、液晶表示パネルなどの透過型の表示パネルを備える表示装置に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0084】
10 :シャーシ
10A :シャーシ
10P :突出部
10P1 :突出部
10a :開口部
10c :ビス孔
12 :放熱シート
14A1 :IC素子カバー
14p :凸部
16 :断熱シート
17 :ビス
20 :LED基板
22 :LED素子
24 :IC素子
30 :反射シート
40 :光学シート群
42 :光学シート、輝度上昇フィルム
50 :パネルシャーシ
60 :表示パネル
70 :ベゼル
100 :バックライトユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
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図33
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図35A
図35B
図36
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