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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】決済処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20241029BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20241029BHJP
   G06Q 20/02 20120101ALI20241029BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q20/40
G06Q20/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023208533
(22)【出願日】2023-12-11
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】515354151
【氏名又は名称】株式会社BPORTUS
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-227769(JP,A)
【文献】特開2005-157687(JP,A)
【文献】特許第7349071(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ネットワークと通信するための通信部、記憶部、及び制御部を備えた決済処理装置であって、
前記記憶部は、表示制御情報と、認証マスタ情報とを格納しており、
前記制御部は、
前記通信部を介して、顧客によって選択可能な複数の認証項目を顧客装置に提供することであって、前記認証項目のそれぞれの名称は、前記顧客によって変更されることが可能である、ことと、
前記通信部を介して、前記複数の認証項目の中から前記顧客によって選択された認証項目である1以上の顧客選択認証項目を前記顧客装置から受信することであって、前記1以上の顧客選択認証項目の名称の少なくとも1つは、前記顧客によって変更されている、ことと、
受信した前記1以上の顧客選択認証項目を前記記憶部の前記表示制御情報に格納することと、
前記通信部を介した、前記顧客に関連付けられるユーザのユーザアクセスに応答して、前記顧客に関連付けられる前記1以上の顧客選択認証項目を含むように認証用インターフェースを動的に構成してユーザ装置に提供することであって、前記認証用インターフェースに含まれる前記1以上の顧客選択認証項目の名称の少なくとも1つは、前記顧客によって変更されている名称である、ことと、
を実行するように構成される決済処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記通信部を介して、前記1以上の顧客選択認証項目のうちの第1の顧客選択認証項目に関連付けられる各ユーザの第1の認証情報を前記顧客装置から受信して、前記認証マスタ情報に格納することと、
前記認証用インターフェースを介して前記ユーザ装置から第2の認証情報を受信することと、
前記第2の認証情報に含まれるユーザ識別子に少なくとも基づいて前記認証マスタ情報に問い合わせを行い、前記ユーザ識別子に関連付けられるユーザの前記第1の認証情報を取得することと、
取得した前記第1の認証情報と前記第2の認証情報を照合することと
をさらに実行するように構成される、請求項1の決済処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、各ユーザの前記第1の認証情報が前記認証マスタ情報に格納されたことに応じて、前記ユーザアクセスのための前記顧客に関連付けられるアクセス情報を生成し、前記顧客装置に送信することをさらに実行するように構成される、請求項2の決済処理装置。
【請求項4】
外部ネットワークと通信するための通信部、記憶部、及び制御部を備えた決済処理装置によって実行される方法であって、
前記記憶部は、表示制御情報と、認証マスタ情報とを格納しており、
前記制御部が、前記通信部を介して、顧客によって選択可能な複数の認証項目を顧客装置に提供することであって、前記認証項目のそれぞれの名称は、前記顧客によって変更されることが可能である、ことと、
前記制御部が、前記通信部を介して、前記複数の認証項目の中から前記顧客によって選択された認証項目である1以上の顧客選択認証項目を前記顧客装置から受信することであって、前記1以上の顧客選択認証項目の名称の少なくとも1つは、前記顧客によって変更されている、ことと、
前記制御部が、受信した前記1以上の顧客選択認証項目を前記記憶部の前記表示制御情報に格納することと、
前記制御部が、前記通信部を介した、前記顧客に関連付けられるユーザのユーザアクセスに応答して、前記顧客に関連付けられる前記1以上の顧客選択認証項目を含むように認証用インターフェースを動的に構成してユーザ装置に提供することであって、前記認証用インターフェースに含まれる前記1以上の顧客選択認証項目の名称の少なくとも1つは、前記顧客によって変更されている名称である、ことと、
を備える方法。
【請求項5】
前記制御部が、前記通信部を介して、前記1以上の顧客選択認証項目のうちの第1の顧客選択認証項目に関連付けられる各ユーザの第1の認証情報を前記顧客装置から受信して、前記認証マスタ情報に格納することと、
前記制御部が、前記認証用インターフェースを介して前記ユーザ装置から第2の認証情報を受信することと、
前記制御部が、前記第2の認証情報に含まれるユーザ識別子に少なくとも基づいて前記認証マスタ情報に問い合わせを行い、前記ユーザ識別子に関連付けられるユーザの前記第1の認証情報を取得することと、
前記制御部が、取得した前記第1の認証情報と前記第2の認証情報を照合することと
をさらに含む、請求項4の方法。
【請求項6】
前記制御部が、各ユーザの前記第1の認証情報が前記認証マスタ情報に格納されたことに応じて、前記ユーザアクセスのための前記顧客に関連付けられるアクセス情報を生成し、前記顧客装置に送信することをさらに含む、請求項5の方法。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口座振替などの決済情報の登録をWeb上で受け付け、継続的な課金処理に必要なデータを登録するサービスを実施するための仕組みを顧客企業に提供する決済処理装置、方法、及びプログラムに関する。より詳細に言えば、本発明は、エンドユーザが顧客企業のサービスを申し込む際の本人認証に使用する認証項目を、顧客企業ごとに柔軟に設定可能とする決済処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業がエンドユーザに対して継続的なサービスを提供し、サービスの対価を定期的にエンドユーザに請求するビジネスが行われている。このような企業は、口座振替やクレジットカードなどの決済手段によりユーザに請求を行っている。
【0003】
企業は、ユーザと口座振替の契約を締結する際に、非特許文献1に示されるようなサービスに連携する自社Webサイトを構築していた。企業は、エンドユーザから口座振替の申込を受け付け、口座振替用の口座情報を受領し、本人確認に必要な情報を入力してもらうことにより、口座振替などの継続的な課金処理を行っていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】株式会社NTTデータ、“インターネットで口座振替の契約を実現するサービス「ネット口座振替受付ゲートウェイサービス」を提供開始”、 [online]、 2008年3月25日、[2023年11月13日検索]、インターネット<https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2008/032500/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
企業が口座振替申込用の自社Webサイトを構築することは、構築するシステム部分が非特許文献1のようなサービスに連携するフロント部分のみであったとしても企業にとって負担が大きかった。仮に、非特許文献1のようなサービスに連携するフロント部分の仕組みを提供する汎用サービスが存在し、そのようなサービスを企業が導入したとしても、エンドユーザを特定するのに適した情報は企業によって異なるため、汎用サービスの画面入力項目が固定化されていては、企業のサービス内容などに応じた柔軟な認証項目(顧客識別項目)を設定することが困難であった。さらに、そのように画面入力項目が固定化されていては確実なエンドユーザを特定することは非常に困難であった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、エンドユーザが顧客企業のサービスを申し込む際の本人認証に使用する認証項目を、顧客企業ごとに柔軟に設定可能とする決済処理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である決済処理装置は、外部ネットワークと通信するための通信部、記憶部、及び制御部を備えた決済処理装置であって、
前記記憶部は、表示制御情報と、認証マスタ情報とを格納しており、
前記制御部は、
前記通信部を介して、複数の認証項目の中から顧客によって選択、変更された1以上の顧客選択認証項目を第1のデバイスから受信することと、
受信した前記1以上の顧客選択認証項目を前記記憶部の前記表示制御情報に格納することと、
前記通信部を介した、前記顧客に関連付けられるユーザアクセスに応答して、前記顧客に関連付けられる1以上の顧客選択認証項目を含むように認証用インターフェースを動的に構成して第2のデバイスに提供することと
を実行するように構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エンドユーザが顧客企業のサービスを申し込む際の本人認証に使用する認証項目を、顧客企業ごとに柔軟に設定可能となる。また、それぞれの顧客企業が自前で決済情報の登録サイトを立ち上げる必要がなくなり、様々な顧客企業が共有可能な決済情報の登録サイトであっても、入力項目、すなわち、認証項目(顧客識別項目)が固定化されず、顧客に応じた動的な変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
図1】本発明に係る決済処理装置10を含むシステム全体の構成図である。
図2】本発明に係る決済処理装置10のシステム構成図である。
図3】顧客別表示情報106のデータ構造の一例を説明する図である。
図4】認証マスタ課金情報107のデータ構造の一例を説明する図である。
図5】決済情報登録受付サービスの処理内容を説明するフロー図である。
図6】複数の認証項目の中から顧客が1つ以上の任意の認証項目を選択し、認証項目の名称を変更するための認証項目設定画面600を例示する図である。
図7】ユーザがユーザID及び顧客によって設定された認証情報を入力するログイン画面700を例示する図である。
図8】サービス申込及び支払方法選択画面800を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(全体構成と各構成要素の機能)
図1は、本発明に係る決済処理装置10を含むシステム全体の構成図である。決済処理装置10は、決済代行システム11、エンドユーザ端末12、及び顧客装置13と相互に通信可能に接続される。決済代行システム11及び顧客装置13は、相互に通信可能に接続される。図1では、エンドユーザ端末12及び顧客装置13は1つしか示されていないが、これらは複数存在し得る。当業者には知られているように、決済代行システム11は、口座振替やクレジットカード決済などの決済手段について企業と金融機関の仲介をする決済代行会社によって使用され得る。
【0011】
本明細書では、「顧客」は、企業に限らず、自治体、非営利団体などの任意のエンティティを意味するものとし、「顧客」と「企業」「自治体」「非営利団体」などの用語は交換可能に使用される。また、「ユーザ」は、顧客からサービスを受けるエンドユーザを意味するものとし、「ユーザ」と「エンドユーザ」は交換可能に使用される。
【0012】
決済処理装置10は、顧客装置13に対して認証項目設定画面600を提供して、それぞれの顧客がユーザに対して要求する1つ以上の認証項目を設定させ、設定された情報を認証マスタ情報として格納する。認証項目は、顧客識別項目と言い換えることも可能である。決済処理装置10は、顧客装置13から、それぞれのユーザの認証に利用するためのユーザマスタ課金情報を受信し、装置内に格納する。
【0013】
決済処理装置10は、それぞれの顧客に割り当てたアクセス情報(例えば、URL)に基づくユーザアクセスに応答して、それぞれの顧客に関連付けられるログイン画面700をエンドユーザ端末12に提供して、顧客ごとに設定された認証情報をエンドユーザに入力させることができる。すなわち、決済処理装置10は、顧客ごとにエンドユーザ用ログイン画面700のURLを用意することによって、ログイン画面700の画面インターフェースを顧客ごとに変更することができる。ログイン画面700は、顧客ごとに異なり得る認証項目(顧客識別項目)を有しており、画面上で入力あるいは選択する必要がある認証項目の数、及びその名称は異なり得る。
【0014】
決済処理装置10は、認証済のエンドユーザに対して、課金情報を入力するためのインターフェースをエンドユーザ端末12に提供して、継続課金方法、口座番号やクレジットカード番号などの決済情報を含むユーザ情報を入力させ、当該ユーザ情報を受信する。決済処理装置10は、取得すべきユーザ情報の内容に応じて、決済代行システム11と連携して入力用のインターフェースを変更することができる。決済処理装置10は、当該ユーザ情報を決済代行システム11に送信し、決済代行システム11からの応答データを顧客装置13に提供することができる。また、ある入力インターフェース(画面)で入力された情報は、所定の登録イベントが発生した際に、(決済処理装置10内に一旦記憶されることなく)決済代行システム11に直接送信されて登録されることもできる。
【0015】
決済代行システム11は、それぞれのユーザについての継続課金方法、口座番号やクレジットカード番号などの決済情報を含むユーザ情報を決済処理装置10及び/またはエンドユーザ端末12から受信し、格納することができる。決済代行システム11は、顧客装置13から、それぞれのユーザに関連付けられる決済依頼(例えば、口座振替依頼)を受信し、当該ユーザの決済依頼に基づく決済処理(例えば、口座振替)を該当する金融機関システムに依頼する。口座振替の処理は、従来の処理と同一であり、本明細書では詳細に説明することは省略する。
【0016】
エンドユーザ端末12は、有線または無線環境において動作可能な任意のタイプのデバイス(例えば、スマートフォン、PC、タブレット型端末など)であってよく、特定の装置やデバイスに限定されない。
【0017】
エンドユーザ端末12は、顧客装置13から、それぞれの顧客に関連付けられるログイン画面700にログインするためのアクセス情報(例えば、URL)を受信する。エンドユーザ端末12は、アクセス情報を介して決済処理装置10によって提供されるログイン画面700にアクセスして、認証情報を入力することができる。
【0018】
エンドユーザ端末12は、認証後、課金情報を入力するための1つ以上のインターフェースを介して、継続課金方法、口座番号やクレジットカード番号などの決済情報を含むユーザ情報を入力することができる。これらのインターフェースを介して入力された情報は、決済処理装置10に登録される場合もあり、あるいは決済代行システム11に登録される場合もある。
【0019】
顧客装置13は、有線または無線環境において動作可能な任意のタイプのデバイス(例えば、スマートフォン、PC、タブレット型端末など)またはサーバ装置であってよく、特定の装置やデバイスに限定されない。
【0020】
顧客装置13は、決済処理装置10によって提供される認証項目設定画面600を介して、顧客がエンドユーザに対して要求する1つ以上の認証項目を選択し、選択した認証項目のそれぞれについて別名を決済処理装置10に登録することができる。顧客装置13は、それぞれのユーザの認証に利用するためのユーザマスタ課金情報を決済処理装置10に送信または登録することができる。
【0021】
顧客装置13は、それぞれの顧客に関連付けられるログイン画面700にログインするためのアクセス情報(例えば、URL)をエンドユーザ端末12に送信する。顧客装置13は、それぞれのユーザに関連付けられる決済依頼(例えば、口座振替依頼)を決済代行システム11に送信する。
【0022】
(システム構成)
図2は、本発明に係る決済処理装置10のシステム構成図である。決済処理装置10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、IF部104及び出力部105を備える。決済処理装置10は、補助記憶部103内にファイル/データベースなどの記憶手段の形式で、顧客別表示情報106及び認証マスタ課金情報107を備える。
【0023】
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、決済処理装置10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行する。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令及び当該命令による演算処理後のデータなどを記憶できる。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0024】
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を同一のコンピュータ内に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、決済処理装置10は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、決済処理装置10のための複数のサーバを設置し、複数のサーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
【0025】
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェース(IF)の役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
【0026】
制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、IF部104及び出力部105と同様な機能の構成要素は、決済代行システム11、エンドユーザ端末12、及び顧客装置13にも存在するが、本明細書ではこれらについての説明を省略する。
【0027】
顧客別表示情報106は、それぞれの顧客によって設定される、エンドユーザ特定のための1つ以上の認証項目の情報を格納する。顧客別表示情報106のデータは、顧客ごとに異なり得る。図3は、顧客別表示情報106のデータ構造の一例を説明する図である。顧客別表示情報106は、顧客ID301、認証項目名称N302、及び認証項目変更前名称N303を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。例えば、エンドユーザに対して表示する認証項目名称の表示開始日や、表示期間(表示開始日から表示終了日など)などの情報を含むことも可能である。
【0028】
顧客ID301は、本発明に係る決済処理装置10によって提供される決済情報登録受付サービスを利用する顧客を識別する識別子である。上述したように、顧客は、企業に限らず、自治体、非営利団体などの任意のエンティティを意味する。認証項目名称N302は、決済情報登録受付サービスにおいて顧客によって選択された項目名称であって、顧客のエンドユーザに対して表示される項目名称を示す。Nは自然数を表し、例えば、顧客によって選択された認証項目名称が3つある場合、認証項目名称N302は、第1の認証項目名称、第2の認証項目名称、及び第3の認証項目名称を示すことができる。
【0029】
認証項目変更前名称N303は、顧客が選択した認証項目名称を変更した場合の、変更される前のそれぞれの認証項目名称を示す。決済情報登録受付サービスは、複数のデフォルトの認証項目名称を有しており、顧客は、エンドユーザに対して入力を促す認証項目数を決定し、その数の認証項目を選択するとともに、選択した認証項目の名称を任意に変更することができる。例えば、決済情報登録受付サービスにおいて、初期表示が「顧客番号」であった認証項目名称を「学籍番号」のように変更した場合、認証項目変更前名称は「顧客番号」となる。認証項目変更前名称がエンドユーザに示されることはない。
【0030】
図2に戻って説明を続けると、認証マスタ課金情報107は、顧客が指定した認証情報に関連付けられる各ユーザの認証マスタ情報及び課金情報を格納する。認証マスタ課金情報107のデータは、顧客が指定した認証情報を含むため、顧客によってデータフォーマットの内容は異なり得る。図4は、認証マスタ課金情報107のデータ構造の一例を説明する図である。認証マスタ課金情報107は、顧客ID301、ユーザID401、認証項目名称N302、ユーザ認証情報N402、支払方法フラグ403、及び決済手段情報404を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0031】
顧客ID301は、上述した通り、決済情報登録受付サービスを利用する顧客を識別する識別子である。ユーザID401は、顧客のエンドユーザを識別する識別子である。認証項目名称N302は、上述した通り、顧客によって選択された認証項目名称であって、顧客のエンドユーザに対して表示される認証項目名称を示す。ユーザ認証情報N402は、認証項目名称N302に対応する認証情報(例えば、顧客番号、氏名、電話番号など)を示す。Nは自然数であり、顧客によって選択された認証項目名称の数が2である場合は、ユーザ認証情報N402は、第1のユーザ認証情報及び第2のユーザ認証情報を含む。支払方法フラグ403は、顧客による継続的な課金に対してユーザが選んだ支払方法(例えば、口座振替、クレジットカード払い)を示す。決済手段情報404は、支払方法フラグ403の情報に対応する決済手段の情報、例えば、銀行口座情報、クレジットカード番号などを示す。銀行口座情報やクレジットカード番号が決済代行システム11に保管される実施形態では、決済手段情報404は、当該保管を行っている決済代行システムの識別子、及び銀行口座情報やクレジットカード番号を特定するための情報を含み得る。
【0032】
(決済情報登録受付サービスの処理内容)
図5は、決済処理装置10によって実行される決済情報登録受付サービスの処理内容を説明するフロー図である。
【0033】
S501にて、決済処理装置10は、顧客装置13の要求に応答して認証項目設定画面600を顧客装置13に提供して、顧客に所望の認証項目を選択させる。決済処理装置10は、決済情報登録受付サービスにおいて使用可能な複数の認証項目を有している。顧客は、自らの業態やサービス内容などに応じてエンドユーザに対して入力を促す認証項目数を決定し、使用可能な複数の認証項目の中から決定した数の認証項目を選択する。さらに、顧客は、必要に応じて、選択した認証項目のそれぞれの認証項目名称を変更することができる。図6は、複数の認証項目の中から顧客が1つ以上の任意の認証項目を選択し、認証項目の名称を変更するための認証項目設定画面600を例示する。
【0034】
認証項目設定画面600は、ユーザ認証項目候補601、ユーザ認証必要項目602、変更タイトル603、及び登録ボタン604を含む。ユーザ認証項目候補601は、決済処理装置10によって予め定められた、決済情報登録受付サービスにおいて使用可能な複数の認証項目を示す。ユーザ認証必要項目602は、ユーザ認証項目候補601に示された認証項目のうち、顧客が選択した認証項目を示す。ユーザ認証必要項目602は、オペレータ操作により、新規に認証項目を追加することも、あるいは既存の認証項目を削除することも可能である。変更タイトル603は、ユーザ認証必要項目602に示されている顧客選択認証項目の名称を顧客の業態やサービス内容に応じてエンドユーザに分かりやすい名称に変更した名称を示す。登録ボタン604は、顧客によって選択され、入力された内容を顧客別表示情報106に格納する登録処理を行うためのボタンである。
【0035】
決済処理装置10は、認証項目設定画面600において顧客が選択した1以上の認証項目を顧客別表示情報106に格納し、また、1以上の認証項目の任意の認証項目について顧客が変更した認証項目名称を受信し、顧客別表示情報106に格納することができる。認証項目設定画面600において顧客によって選択された1つ以上の認証項目がエンドユーザに対して表示されることになる。
【0036】
S502にて、決済処理装置10は、認証マスタ情報を顧客装置13から受信し、認証マスタ課金情報107に格納する。認証マスタ情報に含まれる認証項目は、S501によって顧客が選択した認証項目であり、認証マスタ情報には、顧客に関連付けられる各ユーザの認証情報が含まれている。決済処理装置10は、認証マスタ情報を登録するためのデータフォーマットを顧客装置13に送信することができ、また、認証マスタ情報を登録するための登録画面を提供することができるが、その方法は特に限定されない。
【0037】
S503にて、決済処理装置10は、認証マスタ課金情報107に認証マスタ情報が格納されたことに応じて、決済情報登録受付サービスにアクセスするための当該顧客用のアクセス情報(例えば、URL)を生成して顧客装置13に送信する。顧客用のアクセス情報には顧客を特定可能な情報が含まれている。顧客装置13は、当該顧客用のアクセス情報を受信したことに応答して、電子メールなどの任意の連絡手段を介して、顧客のユーザに対してアクセス情報を通知する。
【0038】
S504にて、決済処理装置10は、エンドユーザ端末12からの、顧客用のアクセス情報(例えば、URL)に基づくユーザアクセスに応答して、当該アクセス情報に関連付けられるログイン画面700をエンドユーザ端末12に提供する。詳細に言えば、決済処理装置10は、当該ユーザアクセスに関連付けられる顧客情報を識別し、顧客別表示情報106から、識別した顧客情報に関連付けられる認証項目名称N302を読み出すことにより、後述するログイン画面700を、読み出した認証項目名称を表示するように動的に構成してエンドユーザ端末12に提供する。認証項目名称N302の内容が、上述したように、顧客によって変更されている場合には、変更後の名称がログイン画面700に表示され得る。
【0039】
図7は、エンドユーザがユーザID及び顧客によって設定された認証情報を入力するログイン画面700を例示する。ログイン画面700は、ユーザ情報入力欄701及びログインボタン702を含む。ユーザ情報入力欄701は、ユーザIDと、顧客によって設定された1つ以上の認証項目とを入力する欄である。ログインボタン702は、ユーザ情報入力欄701に入力された情報に基づいて認証処理を開始するためのボタンである。ユーザIDは、顧客によってエンドユーザに割り当てられたユーザ識別子である。1つ以上の認証項目は、認証項目設定画面600で顧客によって選択された認証項目を示す。すなわち、認証項目は顧客によって任意に選択された項目であり、認証項目の名称は顧客によって設定可能となっているため、ログイン画面700は、顧客ごとに表示される内容が異なり得る。図7の「認証項目1」となっている部分は、図6の認証項目設定画面600の変更タイトル603において顧客によって設定された名称が表示されることが可能である。
【0040】
決済処理装置10は、エンドユーザによって入力されたユーザID及び1つ以上の認証項目を受信する。
【0041】
S505にて、決済処理装置10は、ログイン画面700に関連付けられる顧客IDと入力されたユーザIDに基づいて認証マスタ課金情報107に問い合わせを行い、ユーザ情報を特定し、特定したユーザ情報のユーザID401、認証項目名称N302、及びユーザ認証情報N402を読み出す。決済処理装置10は、ログイン画面700を介して入力されたユーザID及び1つ以上の認証項目と、読み出したユーザID401、認証項目名称N302、及びユーザ認証情報N402を照合し、一致するかどうかを判定する。一致すると判定される場合、S506に処理が進み、一方、一致しないと判定される場合、ログイン画面700上でログイン失敗を示すメッセージを表示し、S504に処理が戻って再入力を促すメッセージを表示する。
【0042】
S506にて、決済処理装置10は、認証処理が成功裏に完了した後、サービス申込及び支払方法選択画面800をエンドユーザ端末12に提供する。図8は、ユーザが支払方法を選択し、選択した支払方法に対応する決済情報(例えば、口座情報、クレジットカード情報など)を入力するサービス申込及び支払方法選択画面800を例示する。
【0043】
サービス申込及び支払方法選択画面800は、支払方法801、決済情報802、及び登録ボタン803を含む。支払方法801は、継続的な課金に対する支払方法選択欄を含む。支払方法選択欄では、任意の支払方法を選択できる。図8の例では、口座振替とクレジットカードから選択することができる例が示されているが、これ以外にも、デビットカード、電子マネーなどの任意の決済手段が選択可能であってもよい。さらに、サービス申込及び支払方法選択画面800は、顧客の提供するサービスの内容に基づいて画面に表示し、入力/選択する情報を変更し得る。
【0044】
決済情報802は、支払方法801で選択された支払方法に対応する決済情報を入力する欄である。例えば、決済情報802には、口座振替のための口座情報、またはクレジットカード決済のためのカード情報などが入力され得る。入力される情報の種類に応じて、入力された情報が登録されるシステムが異なり得る。例えば、口座振替のための口座情報は、決済代行システム11に登録されてよく、クレジットカード情報は、決済処理装置10に登録されてよいが、これらの実施形態に限定されることはない。登録ボタン803は、サービス申込及び支払方法選択画面800に入力された情報を所定の格納場所、例えば、決済処理装置10や決済代行システム11に格納処理するためのボタンである。
【0045】
決済処理装置10は、登録ボタン803が押下されたことに応答して、サービス申込及び支払方法選択画面800に入力された情報を認証マスタ課金情報107に格納することができる。また、決済処理装置10は、入力された情報を決済代行システム11にも送信して登録することができる。なお、図8の例では、サービス申込及び支払方法選択画面800に、支払方法、口座振替のための口座情報、及びクレジットカード情報の入力欄が示されているが、本発明はこのような画面800の例に限定されることはない。例えば、情報が登録される格納先ごとに、画面に表示される項目を分けてもよい。
【0046】
S507にて、決済処理装置10は、認証マスタ課金情報107への格納処理が完了したことに応答して、格納された情報を顧客装置13に提供することができる。顧客装置13への情報提供は、決済処理装置10が所定のタイミングでデータセットを送信する形式で行ってもよいし、あるいは参照画面(不図示)による検索を行い、対象データを一括してダウンロードする形式であってもよい。これにより、顧客は、予め定められた期日が到来したら、ユーザに対する課金のための口座振替依頼を生成して、決済代行システム11に送信できるようになる。
【0047】
本発明の他の実施形態として、課金のための決済手段としてクレジットカードが選択された場合、決済処理装置10は、決済手段情報404にカード決済に必要な情報、すなわち、カード番号、カード有効期限、セキュリティコードなどを格納し、顧客装置13に提供することができ、あるいは、カード番号、カード有効期限、セキュリティコードなどを決済代行システム11に格納しておき、決済手段情報404には、格納先である決済代行システム11の識別子及びカード番号などの情報を特定する情報を格納し、顧客装置13に提供することもできる。顧客装置13は、エンドユーザに対して課金処理する際、従来のカード決済と同じように、オーソリ電文、売上電文を対応するカード会社に送信することになる。
【0048】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成及び細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム、または記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 決済処理装置
11 決済代行システム
12 エンドユーザ端末
13 顧客装置
101 制御部
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 IF部
105 出力部
106 顧客別表示情報
107 認証マスタ課金情報
【要約】
【課題】エンドユーザが顧客企業のサービスを申し込む際の本人認証に使用する認証項目を、顧客企業ごとに柔軟に設定可能とする。
【解決手段】決済処理装置は、顧客別表示情報と認証マスタ課金情報とを格納しており、複数の認証項目の中から顧客によって選択、変更された1以上の顧客選択認証項目を第1のデバイスから受信し、受信した1以上の顧客選択認証項目を顧客別表示情報に格納し、顧客に関連付けられるユーザアクセスに応答して、顧客に関連付けられる1以上の顧客選択認証項目を含むように認証用インターフェースを動的に構成して第2のデバイスに提供する。決済処理装置は、顧客選択認証項目のうちの第1の顧客選択認証項目に関連付けられる第1の認証項目名称を第1のデバイスから受信し、第1の顧客選択認証項目に関連付けて第1の認証項目名称を表示するように認証用インターフェースを構成する。
【選択図】図8
図1
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図7
図8