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特許7578799化粧品組成物、そのキット並びにその製造方法及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】化粧品組成物、そのキット並びにその製造方法及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20241029BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20241029BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20241029BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20241029BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
A61K8/365
A61K8/02
A61K8/34
A61K8/40
A61K8/41
A61K8/92
A61Q5/06
A61Q5/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023513128
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2021047086
(87)【国際公開番号】W WO2022046602
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】2010605
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】17/007,752
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カイン, チョー-チョー
(72)【発明者】
【氏名】ルガニ, ロナク
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-091615(JP,A)
【文献】特開2006-265246(JP,A)
【文献】米国特許第02987446(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0044844(KR,A)
【文献】特開平11-180845(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031150(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/092042(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.1~25重量%のクエン酸と、
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素、及びそれらの混合物から選ばれる、0.2~40重量%の1つ又は複数の尿素化合物と、
(c)20重量%以上の水と
を含み、
(a)のクエン酸と(b)の1つ又は複数の尿素化合物とが、1:1~1:4((a):(b))のモル比であり、
(a)のクエン酸の量と(b)の1つ又は複数の尿素化合物の量とからなる深共晶溶媒として、(a)のクエン酸の量と(b)の1つ又は複数の尿素化合物の量とが存在し、深共晶溶媒が化粧料組成物の1重量%以上を構成し、
重量パーセントがすべて化粧品組成物の全重量に基づく、
化粧品組成物。
【請求項2】
深共晶溶媒が化粧料組成物の5重量%以上を構成する、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
深共晶溶媒が化粧料組成物の10重量%以上を構成する、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
深共晶溶媒が化粧料組成物の30重量%以上を構成する、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
a)1.5~25重量%のクエン酸と
(b)2.5~40重量%の1つ又は複数の尿素化合物と
を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
a)1~25重量%のクエン酸と
(b)20~40重量%の1つ又は複数の尿素化合物と
を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
(d)セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、及びそれらの混合物から選ばれる0.1~10重量%の1つ又は複数の陽イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
(e)脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、シリコーン油などの合成油剤、ココヤシ油などの天然油剤、鉱油及び水素化ポリイソブテンなどの炭化水素並びにそれらの混合物から選ばれる0.1~25重量%の1つ又は複数の脂肪族化合物をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
(f)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物から選ばれる20重量%以上のポリオールをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
(a)1.5~25重量%のクエン酸と、
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素、又はそれらの組合せから選ばれる、2.5~40重量%の1つ又は複数の尿素化合物と、
(c)20重量%以上の水と、
(d)任意選択的に、0.1~10重量%の1つ又は複数の陽イオン性界面活性剤と、
(e)任意選択的に、0.1~25重量%の1つ又は複数の脂肪族化合物と、
(f)任意選択的に、20重量%以上のポリオールと、
(g)任意選択的に、0.1~20重量%の増粘剤と、
(h)任意選択的に、0.1~35重量%のモノアルコールと、
(i)任意選択的に、0.01~20重量%の防腐剤と、
(j)任意選択的に、0.1~10重量%のシリコーンと、
(k)任意選択的に、0.01~20重量%のキレート剤と、
(l)任意選択的に、0.01~20重量%のpH調整剤と、
(m)任意選択的に、0.001~10重量%の香料と
からなり、
(a)のクエン酸と(b)の1つ又は複数の尿素化合物とが、1:1~1:4((a):(b))のモル比であり、
(a)のクエン酸の量と(b)の1つ又は複数の尿素化合物の量とからなる深共晶溶媒として、(a)のクエン酸の量と(b)の1つ又は複数の尿素化合物の量とが存在し、深共晶溶媒が化粧料組成物の1重量%以上を構成し、
重量パーセントがすべて化粧品組成物の全重量に基づく、
化粧品組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の化粧品組成物を製造する方法であって、
(I)
(a)0.1~25重量%のクエン酸、及び
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素、又はそれらの組合せから選ばれる、0.2~40重量%の1つ又は複数の尿素化合物
を含む深共晶溶媒系であり、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物とが、1:1~1:4((a):(b))のモル比である、深共晶溶媒系を生成することと、
(II)(I)の深共晶溶媒系をベース組成物に添加して化粧品組成物を製造することと
を含む、方法。
【請求項12】
(a)のクエン酸及び(b)の1つ又は複数の尿素化合物を混合し、混合物を70℃~90℃の温度に加熱する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
毛髪を処理する方法であって、
(I)任意選択的に、毛髪にシャンプーを塗布することと、
(II)任意選択的に、毛髪をすすいでシャンプーの少なくとも一部を除去することと、
(III)請求項1に記載の化粧品組成物を塗布することと、
(IV)任意選択的に、毛髪をすすいで化粧品組成物の少なくとも一部を除去することと
を含む、方法。
【請求項14】
- 毛髪に縮れ制御を提供し、及び/又は
- 毛髪の扱いやすさを改善し、及び/又は
- 毛髪をコンディショニングし、及び/又は
- 毛髪に整列を提供し、及び/又は
- 損傷から毛髪を保護し、及び/又は
- 輝きを与える、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月31日に出願された米国特許出願第17/007,752号、及び2020年10月16日に出願された仏国特許出願公開第2010605号の利益を主張し、これらは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は化粧品組成物及びそのキットに関する。本開示の態様はまた、そのような化粧品組成物を製造する方法、及びそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
消費者は、皮膚又は毛髪などの角質物質を処置、手入れ及び/又はコンディショニングするための新しく改善された組成物を望む。毛髪及び皮膚は、環境要因、機械的要因、化学的要因、熱及び老化などの固有及び外来の影響に晒される。
【0004】
例えば、光及び悪天候などの外部の周囲の要因の作用、及びまたブラシ掛け、櫛けずり、染色、脱色、パーマネントウエーブ及び/又はカール取り、ブロー乾燥、アイロン掛け、又はさらに洗髪の繰り返しなどの熱、機械的又は化学的処置による作用は、毛髪繊維を損傷し弱めかねない。経時的に、毛髪は、パサつき、きめ粗く、脆く又はくすみ、殊に脆弱な領域で、とりわけ最後には結果として枝毛をもたらすことがある。
【0005】
このように、これらの欠点を克服するために、殊に平滑性、つや、柔軟性、従順性、軽さ、自然な感触及び良好なほどける性質の観点でそれに満足な美容的性質を与えて、毛髪をコンディショニングするように意図される組成物を使用したヘアケア製品に頼ることは一般的慣習である。例えば、ヘアコンディショナー及び/又はトリートメント組成物などのヘアケア組成物は、毛髪にその自然な光沢、輝き及び柔軟性を改善するか取り戻すために、又は毛髪の感触、外観及び扱いやすさを改善するために、毛髪をシャンプーで洗浄する前後、及び/又は毛髪に化学的処置を施す前後に使用されてもよい。
【0006】
異なる形態のヘアケア及びスキンケア組成物が異なる恩恵を提供することができることは理解される。
【0007】
しかし、改善された毛髪の扱いやすさ、例えば、改善された毛髪の整列、低減した望ましくないボリューム(殊に低減した縮れ)及び増加した光沢を提供することがなお必要とされている。また、手入れしコンディショニングする恩恵に加えて他の恩恵、例えば、整髪、ボリューム付け、成形、カールの画定(カール又はウエーブ状毛髪のための)、及び再整髪性(restylability)又は再成形(製品を再塗布する必要なしで)を同時に与えることができる化粧製品を開発することが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示の態様は化粧品組成物及びそれらのキットに関する。本開示のさらなる態様は、そのような化粧品組成物を製造する方法、及びそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。
【0009】
本明細書において開示の化粧品組成物は有利には、増加した耐久性及び/又は強度、知覚可能な目に見える輝き、繊維の整列、低減した縮れ、及び/又は増加した毛髪の扱いやすさを提供する。いかなる特定の理論にも束縛されることはないが、本発明者らは、化粧品組成物、特にある深共晶溶媒系を含む化粧品組成物が、毛髪に拡散し広範囲な網目を形成し得ると考える。広範囲な網目は、毛髪構造を補強及び/又は安定させることができ、高湿度に関連した毛髪の縮れを究極的に低減する。
【0010】
さらに、化粧品組成物は、通常、水素結合相互作用による自己会合の能力があり得て、それによって化粧品組成物は、毛髪、特に損傷した毛髪を補強及び/又は強化することが可能になり得る。一部の実施形態において、化粧品組成物は損傷した毛髪を復元する。本発明者らはまた、驚いたことに、化粧品組成物が、例えば、アイロン、ヘアドライヤーなどからの熱を使用しないで毛髪の直線性を増加させ得ることを発見した。
【0011】
化粧品組成物は、典型的には
(a)約0.1~約25重量%のクエン酸と、
(b)約0.2~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物と
(c)約20重量%以上の水と
を含み、
(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比は1以下であり、重量パーセントはすべて化粧品組成物の総重量に基づく。
【0012】
化粧品組成物は、一定量の深共晶溶媒を含んでいてもよい。好ましくは、深共晶溶媒の量は1重量%以上である。深共晶溶媒は、(a)の尿素化合物及び(b)のクエン酸を含んでいてもよい。
【0013】
好ましくは、尿素化合物は、ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素、尿素及びそれらの混合物から選ばれる。幾つかの事例において、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比は約1:1~1:8である。さらなる事例において、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比は約1:1~1:6である。
【0014】
少なくとも1つの実施形態において、化粧品組成物は約2.5~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物及び約1.5~約25重量%のクエン酸を含む。少なくとも1つの他の実施形態において、化粧品組成物は約20~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物及び約15~約25重量%のクエン酸を含む。
【0015】
化粧品組成物は約0.1~約10重量%の1つ又は複数の陽イオン性界面活性剤をさらに含んでいてもよい。1つ又は複数の陽イオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド(stearimonium chloride)、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物から選択されてもよい。
【0016】
幾つかの事例において、化粧品組成物は、約0.1~約25重量%の1つ又は複数の脂肪族化合物を含む。脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体及びそれらの混合物から選ばれてもよい。
【0017】
さらに又は代替として、化粧品組成物は、約20~約95重量%のポリオールを含んでいてもよい。適切なポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール又はそれらの混合物を含む。
【0018】
化粧品組成物は、約0.1~約20重量%の増粘剤を含んでいてもよい。増粘剤は、ポリアクリラートクロスポリマー又は架橋したポリアクリレートポリマー、陽イオン性アクリレートコポリマー、陰イオン性アクリル酸又はカルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖、ゴム、ポリクオタニウム、ビニルピロリドンホモポリマー/コポリマー、C8-24ヒドロキシル置換脂肪酸、C8~24共役脂肪酸、糖脂肪酸エステル、ポリグリセリルエステル及びそれらの混合物から選ばれてもよい。
【0019】
本開示の態様は化粧品組成物を製造する方法に関する。化粧品組成物を製造する方法は、典型的には、
(I)
(a)約0.1~約25重量%のクエン酸、及び
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素又はそれらの組合せから選ばれる約0.2~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物
を含み、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比は1以下である、深共晶溶媒系を製造することと、
(II)ベース組成物に(I)の深共晶溶媒系を添加して化粧品組成物を製造することと
を含む。
【0020】
方法は、(a)のクエン酸及び(b)の尿素化合物を混合する工程、及び任意選択的に、(a)のクエン酸及び(b)の尿素化合物を約70℃~約90℃の温度に加熱する工程をさらに含んでいてもよい。
【0021】
開示のさらなる態様は、本明細書において開示の化粧品組成物を製造する方法によって調製される化粧品組成物に関する。
【0022】
さらなる態様によると、毛髪を処置する方法が提供される。毛髪を処置する方法は、典型的には、
(I)任意選択的に、毛髪にシャンプーを塗布することと、
(II)任意選択的に毛髪をすすいでシャンプーの少なくとも一部を除去することと、
(III)
(a)約0.1~約25重量%のクエン酸、及び
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素又はそれらの組合せから選ばれる約0.2~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物
を含む化粧品組成物であり、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比が1以下である、化粧品組成物を塗布することと、
(IV)任意選択的に、毛髪をすすいで化粧品組成物の少なくとも一部を除去することと
を含む。
【0023】
本技術の実施は、ここで添付の図を参照して例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示による組成物で処置され、開示の態様による湿度に供した毛髪見本の写真である。
図2】本開示による組成物で処置され、開示の態様による湿度に供した毛髪見本の写真である。
図3】開示の態様による例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の耐久性を示す棒グラフである。
図4】開示の態様による例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の変性温度を示す棒グラフである。
図5】開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の耐久性を示す棒グラフである。
図6】開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の変性温度を示す棒グラフである。
図7】開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本のヤング率を示す棒グラフである。
図8】開示の態様による比較組成物及び例示化粧品組成物を用いる処置の後の毛髪見本の破壊伸びを示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
様々な態様が図面に示される配置及び手段に限定されるものではないことは理解されるべきである。
【0026】
本開示の態様は化粧品組成物及びそれらのキットに関する。本開示のさらなる態様は、そのような化粧品組成物を製造する方法、及びそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。本明細書において開示の化粧品組成物は有利には、増加した耐久性、及び/又は強度、知覚可能な目に見える輝き、繊維の整列、低減した縮れ及び/又は増加した毛髪の扱いやすさを提供する。
【0027】
本発明者らは驚いたことに、特定の比のある化合物が、改善された耐久性及び強度を、毛髪縮れの低減と組み合わせて化粧品組成物に提供するのを可能にすることを発見した。いかなる特定の理論にも束縛されることはないが、本発明者らは、化粧品組成物、特に、ある深共晶溶媒(DES)系を含有する化粧品組成物が毛髪に拡散し、広範囲な網目を形成し得ると考える。広範囲な網目は、毛髪構造を補強及び/又は安定させることができ、高湿度に関連した毛髪の縮れを究極的に低減する。
【0028】
化粧品組成物、及び/又はそれらの原料は、通常、非共有結合の相互作用(すなわち、水素結合、イオン性及びファンデルワールス相互作用)によって自己会合能力を有することができ、それによって化粧品組成物が毛髪、特に損傷した毛髪を補強及び/又は強化することを可能にし得る。一部の実施形態において、化粧品組成物は損傷した毛髪を復元する。さらに、本発明者らは驚いたことに、そのような化粧品組成物が、例えば、アイロン、ヘアドライヤーなどからの熱の使用なしで毛髪繊維の直線性/整列を増加させ得ることを発見した。DES系を含むものなどの化粧品組成物はまた、現在研究されている輝きの恩恵の証拠を示した。
【0029】
開示の態様による化粧品組成物は典型的には、
(a)約0.1~約25重量%のクエン酸と、
(b)約0.2~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物と
(c)約20重量%以上の水と
を含み、
(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比は1以下であり、重量パーセントはすべて化粧品組成物の総重量に基づく。
【0030】
化粧品組成物は、一定量の深共晶溶媒系(「DES」)を含んでいてもよい。幾つかの事例において、深共晶溶媒の量は、化粧品組成物の総重量に対して約1重量%以上、好ましくは約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上、約10重量%以上、約12重量%以上、約14重量%以上、約16重量%以上、約18重量%以上、約20重量%以上、約22重量%以上、約24重量%以上、約26重量%以上、約28重量%以上、約30重量%以上、約32重量%以上、約34重量%以上、約36重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、又は約60重量%以上である。
【0031】
化粧品組成物は、約10:1~約2:10であってもよい(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物との重量比を有するように配合されてもよい。幾つかの実例において、化粧品組成物は、約10:1~約0.5:10、約9:1~約0.5:10、約8:1~約0.5:10、約7:1~約0.5:10、約6:1~約0.5:10、約5:1~約0.5:10、約4:1~約0.5:10、約3:1~約0.5:10;10:1~約1:10、約9:1~約1:10、約8:1~約1:10、約7:1~約1:10、約6:1~約1:10、約5:1~約1:10、約4:1~約1:10、約3:1~約1:10;10:1~約2:10、約9:1~約2:10、約8:1~約2:10、約7:1~約2:10、約6:1~約2:10、約5:1~約2:10、約4:1~約2:10、約3:1~約2:10;約10:1~約2:8、約9:1~約2:8、約8:1~約2:8、約7:1~約2:8、約6:1~約2:8、約5:1~約2:8、約4:1~約2:8、約3:1~約2:8;約10:1~約2:6、約9:1~約2:6、約8:1~約2:6、約7:1~約2:6、約6:1~約2:6、約5:1~約2:6、約4:1~約2:6、約3:1~約2:6;約3:1~約1:10、約3:1~約1:9、約3:1~約1:8、約3:1~約1:7、約3:1~約1:6、約3:1~約2:10、約3:1~約2:9、約3:1~約2:8、約3:1~約2:7、約3:1~約2:6、約3:1~約2:5、約3:1~約2:4、又は約3:1~約2:3、約2:1~約2:10、約1:1~約2:10、約3:1~約2:9、約3:1~約2:8、約3:1~約2:7、約3:1~約2:6、約3:1~約2:5、約3:1~約2:4、又は約3:1~約2:3の、その間の範囲及び下位範囲(例えば約3:1~約2:5、約2:1~約2:5、約1:1~約2:5、約1:1~約2:4など)を含む、クエン酸と尿素化合物(複数可)との重量比を有するように配合されてもよい。
【0032】
化粧品組成物は、約10:1~約0.5:10であってもよい(i)のクエン酸と(ii)の尿素化合物とのモル比を有するように配合されてもよい。幾つかの実例において、化粧品組成物は、10:1~約0.5:10、約9:1~約0.5:10、約8:1~約0.5:10、約7:1~約0.5:10、約6:1~約0.5:10、約5:1~約0.5:10、約4:1~約0.5:10、約3:1~約0.5:10;10:1~約1:10、約9:1~約1:10、約8:1~約1:10、約7:1~約1:10、約6:1~約1:10、約5:1~約1:10、約4:1~約1:10、約3:1~約1:10;約10:1~約2:10、約9:1~約2:10、約8:1~約2:10、約7:1~約2:10、約6:1~約2:10、約5:1~約2:10、約4:1~約2:10、約3:1~約2:10;約10:1~約2:8、約9:1~約2:8、約8:1~約2:8、約7:1~約2:8、約6:1~約2:8、約5:1~約2:8、約4:1~約2:8、約3:1~約2:8;約10:1~約2:6、約9:1~約2:6、約8:1~約2:6、約7:1~約2:6、約6:1~約2:6、約5:1~約2:6、約4:1~約2:6、約3:2~約2:6;約2:1~約2:10、約1:1~約2:10、約3:2~約2:9、約3:2~約2:8、約3:2~約2:7、約3:2~約2:6、約3:2~約2:5、約3:2~約2:4、約3:2~約2:3、約1:1~約1:4、約1:1~約1:3、約1:1~約1:2、又は約1:1.3~約1:1.6の、その間の範囲及び下位範囲(例えば約3:2~約2:5、約2:1~約2:5、約1:1~約2:5、約1:1~約2:4など)を含むクエン酸と尿素化合物(複数可)との重量比を有するように配合されてもよい。
【0033】
好ましくは、DES系はクエン酸及び1つ又は複数の尿素化合物を含む。幾つかの事例において、DES系はクエン酸、並びにジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素、尿素及びそれらの混合物から選ばれるものなどの1つ又は複数の尿素化合物から形成される。
【0034】
さらに又は代替として、クエン酸及び尿素化合物(複数可)の組合せは、化粧品組成物のベースへの包含の前にはDES系の形態をしている。化粧品組成物のベースは、化粧品組成物の1つ又は複数の成分の組成物であってもよい。例えば、幾つかの実例において、ベース組成物は、クエン酸及び尿素化合物(複数可)を別にすれば化粧品組成物の成分をすべて含んでいてもよい。DES系がベース化粧品組成物に組み込まれた後、化粧品組成物は、少なくとも部分的にDES系を含んでいてもよい。
【0035】
さらに又は代替として、化粧品組成物はアルギニンを含んでいてもよい。幾つかの事例において、アルギニンはl-アルギニン、d-アルギニンであり、及び/又はラセミ混合物であってもよい。
【0036】
以下に列挙されるものなどの適切な成分は、他の成分の特定の組合せ、化粧品組成物の形態、及び/又は配合物(例えば水溶液、ローション、ゲル、クリーム、スプレーなど)の使用に応じて、化粧品組成物用の配合に含まれても除かれてもよい。化粧品組成物は、例えば、毛髪及び/又は皮膚への使用のためのヘアケア組成物及び/又は毛髪化粧品組成物及び/又はヘアトリートメント組成物及び/又はスキンケア組成物及び/又は頭皮ケア組成物として配合されてもよい。
【0037】
クエン酸
化粧品組成物は通常、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約25重量%の量のクエン酸を含む。例えば、化粧品組成物中に存在するクエン酸の量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約25重量%、約0.1~約22重量%、約0.1~約20重量%、約0.1~約18重量%、約0.1~約16重量%、約0.1~約14重量%、約0.1~約12重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約9重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約7重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約1重量%;約0.5~約25重量%、約0.5~約22重量%、約0.5~約20重量%、約0.5~約18重量%、約0.5~約16重量%、約0.5~約14重量%、約0.5~約12重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約9重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2重量%、約0.5~約1重量%;約1~約25重量%、約1~約22重量%、約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約9重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%、約1~約2重量%;約3~約25重量%、約1~約22重量%、約3~約20重量%、約3~約18重量%、約3~約16重量%、約3~約14重量%、約3~約12重量%、約3~約10重量%、約3~約9重量%、約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約5~約25重量%、約5~約22重量%、約5~約20重量%、約5~約18重量%、約5~約16重量%、約5~約14重量%、約5~約12重量%、約5~約10重量%、約5~約9重量%、約5~約8重量%、約5~約7重量%;約10~約25重量%、約10~約22重量%、約10~約20重量%、約10~約18重量%、約10~約16重量%、約10~約14重量%、約10~約12重量%;約15~約25重量%、約15~約22重量%、約15~約20重量%、約15~約18重量%;約20~約25重量%又は約20~約22重量%であってもよく、それらの範囲及び下位範囲を含む。
【0038】
尿素化合物(複数可)
化粧品組成物は通常、化粧品組成物の総重量に対して約0.2~約40重量%の量の1つ又は複数の尿素化合物(複数可)を含む。例えば、化粧品組成物中に存在する1つ又は複数の尿素化合物(複数可)の量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.2~約35重量%、約0.2~約32重量%、約0.2~約30重量%、約0.2~約28重量%、約0.2~約26重量%、約0.2~約24重量%、約0.2~約22重量%、約0.2~約20重量%、約0.2~約18重量%、約0.2~約16重量%、約0.2~約14重量%、約0.2~約12重量%、約0.2~約10重量%、約0.2~約9重量%、約0.2~約8重量%、約0.2~約7重量%、約0.2~約6重量%、約0.2~約5重量%、約0.2~約4重量%、約0.2~約3重量%、約0.2~約2重量%、約0.2~約1重量%;約0.5~約40重量%、約0.5~約35重量%、約0.5~約32重量%、約0.5~約30重量%、約0.5~約28重量%、約0.5~約26重量%、約0.5~約24重量%、約0.5~約22重量%、約0.5~約20重量%、約0.5~約18重量%、約0.5~約16重量%、約0.5~約14重量%、約0.5~約12重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約9重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2重量%、約0.5~約1重量%;約1~約40重量%、約1~約35重量%、約1~約32重量%、約1~約30重量%、約1~約28重量%、約1~約26重量%、約1~約24重量%、約1~約22重量%、約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約9重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%、約1~約2重量%;約3~約40重量%、約3~約35重量%、約3~約32重量%、約3~約30重量%、約3~約28重量%、約3~約26重量%、約3~約24重量%、約3~約22重量%、約3~約20重量%、約3~約18重量%、約3~約16重量%、約3~約14重量%、約3~約12重量%、約3~約10重量%、約3~約9重量%、約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約5~約40重量%、約5~約35重量%、約5~約32重量%、約5~約30重量%、約5~約28重量%、約5~約26重量%、約5~約24重量%、約5~約22重量%、約5~約20重量%、約5~約18重量%、約5~約16重量%、約5~約14重量%、約5~約12重量%、約5~約10重量%、約5~約9重量%、約5~約8重量%、約5~約7重量%;約10~約40重量%、約10~約35重量%、約10~約32重量%、約10~約30重量%、約10~約28重量%、約10~約26重量%、約10~約24重量%、約10~約22重量%、約10~約20重量%、約10~約18重量%、約10~約16重量%、約10~約14重量%、約10~約12重量%;約15~約40重量%、約15~約35重量%、約15~約32重量%、約15~約30重量%、約15~約28重量%、約15~約26重量%、約15~約24重量%、約15~約22重量%、約15~約20重量%、約15~約18重量%;約20~約40重量%、約20~約35重量%、約20~約32重量%、約20~約30重量%、約20~約28重量%、約20~約26重量%、約20~約24重量%;約25~約40重量%、約25~約35重量%、約25~約32重量%、約25~約30重量%;約30~約40重量%又は約30~約35重量%であってもよく、それらの範囲及び下位範囲を含む。
【0039】
尿素化合物は以下の式:
[式中、R、R、R及びRは、水素、C~C10非置換アリール、C~C10置換アリール、C~C10非置換複素環、C~C10置換複素環、C~C10非置換アルキル、C~C10置換アルキル、C~C10非置換シクロアルキル及びC~C10置換シクロアルキルから独立して選択される]
による構造を有していてもよい。
【0040】
尿素化合物は、好ましくはジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素又はそれらの混合物から選ばれる。尿素化合物の非限定的な例は、尿素、尿素誘導体、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、N-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(3-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)尿素;N-メチル-N-(1,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-2-ヘキシル)尿素;N-メチル-N’-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)尿素;N-(トリス-ヒドロキシメチルメチル)尿素;N-エチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’-プロピル尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-tert-ブチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-N’-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル).-N’,N’-ジメチル尿素;N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’及びN’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-尿素を含む。
【0041】

化粧品組成物中の水の総量は変動することができるが、通常、化粧品組成物の総重量に対して約20重量%以上である。幾つかの実例において、水の総量は、化粧品組成物の総重量に対して約20~約99重量%、約20~約95重量%、約20~約90重量%、約20~約80重量%、約20~約70重量%、約20~約60重量%、約20~約50重量%、約20~約40重量%;約30~約99重量%、約30~約95重量%、約30~約90重量%、約30~約80重量%、約30~約70重量%、約30~約60重量%、約30~約50重量%、約30~約40重量%;約40~約99重量%、約40~約95重量%、約40~約90重量%、約40~約80重量%、約40~約70重量%、約40~約60重量%、約40~約50重量%;約50~約99重量%、約50~約95重量%、約50~約90重量%、約50~約80重量%、約50~約70重量%、約50~約60重量%;約60~約99重量%、約60~約95重量%、約60~約90重量%、約60~約80重量%、約60~約70重量%;約70~約99重量%、約70~約95重量%、約70~約90重量%、約70~約80重量%;約80~約99重量%、約80~約95重量%、約80~約90重量%;約90~約99重量%、約90~約95重量%;又は約95~約99重量%であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0042】
陽イオン性界面活性剤(複数可)
化粧品組成物は、任意選択的に、陽イオン性界面活性剤(複数可)を含んでいてもよい。陽イオン性界面活性剤(複数可)の量は、化粧品組成物の総重量の約0.1~約10重量%であってもよい。幾つかの実例において、陽イオン性界面活性剤(複数可)は、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%;約0.2~約10重量%、約0.2~約8重量%、約0.2~約6重量%、約0.2~約4重量%、約0.2~約3重量%;約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%;約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約1.5~約10重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約4重量%、約1.5~約3重量%;約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約6重量%、約2~約4重量%、約2~約3重量%の範囲の量であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0043】
ある実施形態において、陽イオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物を含むか、又はそれらから選ばれる。
【0044】
陽イオン性界面活性剤の追加の非限定的な例としては、ベヘナルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ラウラルコニウムクロリド、セタルコニウムクロリド、セトリモニウムブロマイド、セトリモニウムクロリド、セチルアミンヒドロフルオリド、クロラリルメテンアミンクロリド(クオタニウム-15)、ジステアリルジモニウムクロリド(クオタニウム-5)、ドデシルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(クオタニウム-14)、クオタニウム-22、クオタニウム-26、クオタニウム-18ヘクトライト、ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩、システイン塩酸塩、ジエタノールアンモニウムPOE(10)オレチルエーテルホスフェート、ジエタノールアンモニウムPOE(3)オレイルエーテルホスフェート、獣脂アルコニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト、ステアラルコニウムクロリド、臭化ドミフェン、安息香酸デナトニウム、ミリスタルコニウムクロリド、ラウルトリモニウムクロリド、エチレンジアミン二塩酸塩、グアニジン塩酸塩、塩酸ピリドキシン、イオフェタミン塩酸塩、メグルミン塩酸塩、メチルベンゼトニウムクロリド、ミルトリモニウムブロミド、オレイルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-1、塩酸プロカイン、ココベタイン、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトナイト、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオリド、獣脂トリモニウムクロリド、及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロリド及びそれらの混合物が挙げられる。
【0045】
陽イオン性界面活性剤(複数可)はまた、任意選択的に、ポリオキシアルキレン化、第一級、第二級若しくは第三級脂肪族アミン又はそれらの塩、及び第四級アンモニウム塩、並びにそれらの混合物から選ばれてもよい。幾つかの事例において、第四級アンモニウム化合物の塩化物塩などの塩を使用することは有用である。
【0046】
脂肪族アミンは一般に、少なくとも1個のC~C30炭化水素系鎖を含む。例えば、ある特定の実例において組み込まれてもよい第四級アンモニウム塩は、以下の一般式:
[式中、R~R11基は、同一でも異なっていてもよく、1~30炭素原子を含む、直鎖若しくは分岐、飽和若しくは不飽和の脂肪族基、又はアリール若しくはアルキルアリールなどの芳香族基を表し、R~R11基の少なくとも1つは、8~30炭素原子、好ましくは12~24炭素原子を含む基を示す]
に対応するものを含む。脂肪族基は、殊に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンなどのヘテロ原子を含んでいてもよい。脂肪族基は例えば、C~C30アルキル、C~C30アルケニル、C~C30アルコキシ、ポリオキシ(C~C)アルキレン、C~C30アルキルアミド、(C12~C22)アルキルアミド(C~C)アルキル、(C12~C22)アルキルアセテート及びC~C30ヒドロキシアルキル基から選ばれ;Xは、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C~C)アルキルサルフェート、及び(C~C)アルキル-又は(C~C)アルキルアリールスルホネートの群から選ばれる陰イオンである。
【0047】
一方、上記の一般式(III)による構造を有する第四級アンモニウム塩の中でも、テトラアルキルアンモニウム塩、例えば、アルキル基がおよそ12~22の炭素原子を含むジアルキルジメチルアンモニウム塩又はアルキルトリメチルアンモニウム塩、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩若しくはベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩、又は他方でオレオセチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウム塩及びステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウム塩が好ましい。
【0048】
ある特定の実例において組み込まれてもよいイミダゾリンの第四級アンモニウム塩の例は、以下に与えられる一般式:
[式中、R12は、例えば獣脂脂肪酸に由来する8~30炭素原子を含むアルケニル又はアルキル基を表し、R13は水素原子、C~Cアルキル基又は8~30炭素原子を含むアルキル若しくはアルケニル基を表し、R14はC~Cアルキル基を表し、R15は水素原子又はC~Cアルキル基を表し、Xは、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルサルフェート、アルキル又はアルキルアリールスルホネートの群から選ばれる陰イオンであり、アルキル及びアリール基は、好ましくはそれぞれ1~20炭素原子及び6~30炭素原子を含む]
による構造を有するものを含む。R12及びR13は、好ましくは、例えば、獣脂脂肪酸に由来する、12~21炭素原子を含有するアルケニル又はアルキル基の混合物を示し、R14は好ましくはメチル基を示し、R15は好ましくは水素原子を示す。そのような製品は、例えば、Rewo社によって名称REWOQUAT W 75の下で販売されている。
【0049】
ある特定の実例において組み込まれてよい第四級ジアンモニウム又はトリアンモニウム塩の例は、以下の一般式:
[式中、R16は、任意選択的に、ヒドロキシル化された、及び/又は1個又は複数の酸素原子が介在する、およそ16~30炭素原子を含むアルキルラジカルを示し、R17は、水素又は1~4炭素原子を含むアルキルラジカル又は水素及び1~4炭素原子を含むアルキルラジカルから選ばれる同一でも異なってもよい、(R16a)(R17a)(R18a)N-(CH、R16a、R17a、R18a、R18、R19、R20及びR21基から選ばれ;Xは、ハライド、アセテート、ホスフェート、ニトレート及びメチルサルフェートの群から選ばれる陰イオンである]
による構造を有するものを含む。そのような化合物は、例えばFinetex社によって販売されているFinquat CTP(クオタニウム89)、及びFinetex社によって販売されているFinquat CT(クオタニウム75)である。
【0050】
ある特定の実例において組み込まれてよい陽イオン性/陽イオン化性界面活性剤の例は、以下に与えられる一般式:
R4-A-R5--B
[式中、R4は、8~24個のC原子を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分岐アルキル鎖であり、R5は1~4個のC原子を有する直鎖又は分岐アルキル鎖であり、Aは、
から選択され、
Bは
から選択され、ここで、R及びRは同一又は異なり、H又は1~4個のC原子を有するアルキル鎖、1~4個のC原子を有するヒドロキシルアルキル鎖及び2~4個のC原子を有するジヒドロキシルアルキル鎖であり、
及びRは同一又は異なり、1~4個のC原子を有するアルキル鎖、1~4個のC原子を有するヒドロキシルアルキル鎖及び2~4個のC原子を有するジヒドロキシルアルキル鎖であり、R10は1~4個のC原子を有するアルキル鎖、1~4個のC原子を有するヒドロキシルアルキル鎖又は2~4個のC原子を有するジヒドロキシルアルキル鎖である]
による構造を有するものを含む。
【0051】
幾つかの実例において、Rは、10~24C原子、より好ましくは12~22個のC原子を有する、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐アルキル鎖であり、Rは1~4個のC原子を有する直鎖又は分岐アルキル基であり、A、B、R~R10は上記と同じである。
【0052】
非限定的な適切な例は、ステアリルオキシプロピルアミン、パルミチルオキシプロピルアミン、ステアリルオキシプロピルジメチルアミン、ステアリルオキシプロピルジエチルアミン、ステアリルオキシエチルイルジメチルアミン、ステアリルオキシエチルアミン、ミリスチルオキシプロピルアミン、ミリスチルオキシプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルアミン、パルミタミドプロピルメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドプロピルジブチルアミン、パルミタミドプロピルブチルアミン、パルミタミドプロピルジプロピルアミン、パルミタミドプロピルプロピルアミン、パルミタミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、パルミタミドプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミタミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、パルミタミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ラウラミドプロピルアミン、ラウラミドプロピルメチルアミン、ラウラミドプロピルジエチルアミン、ラウラミドプロピルジブチルアミン、ラウラミドプロピルブチルアミン、ラウラミドプロピルジプロピルアミン、ラウラミドプロピルプロピルアミン、ラウラミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ラウラミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ラウラミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ラウラミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ステアラミドプロピルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジブチルアミン、ステアラミドプロピルブチルアミン、ステアラミドプロピルジプロピルアミン、ベテナミドプロピルプロピルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ベテナミドプロピルアミン、ベテナミドプロピルメチルアミン、ベテナミドプロピルジエチルアミン、ベテナミドプロピルジブチルアミン、ベテナミドプロピルブチルアミン、ベテナミドプロピルジプロピルアミン、ベテナミドプロピルプロピルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ベテナミドプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベテナミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジパルミタミドプロピルメチルアミン、ジパルミタミドプロピルエチルアミン、ジパルミタミドプロピルブチルアミン、ジパルミタミドプロピルプロピルアミン、ジパルミタミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ジパルミタミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジラウラミドプロピルアミン、ジラウラミドプロピルメチルアミン、ジラウラミドプロピルブチルアミン、ジラウラミドプロピルヒドロキシエチルアミン、ジラウラミドプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジステアラミドプロピルアミン、ジステアラミドプロピルメチルアミン、ジベヘナミドプロピルプロピルアミン、ジベヘナミドプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミタミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ベテナミドプロピルトリヒドロキシエタルモニウム(hydroxyethalmonium)クロリド、ジステアリルアミドプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルアミドジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、パルミトイルプロピルアミン、パルミトイルプロピルメチルアミン、パルミトイルプロピルジエチルアミン、パルミトイルプロピルジブチルアミン、パルミトイルプロピルブチルアミン、パルミトイルプロピルジプロピルアミン、パルミトイルプロピルプロピルアミン、パルミトイルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、パルミトイルプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミトイルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、パルミトイルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ミリストイルプロピルアミン、ミリストイルプロピルメチルアミン、ミリストイルプロピルジエチルアミン、ミリストイルプロピルジブチルアミン、ミリストイルプロピルブチルアミン、ミリストイルプロピルジプロピルアミン、ミリストイルプロピルプロピルアミン、ミリストイルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ミリストイルプロピルヒドロキシエチルアミン、ミリストイルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ミリストイルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ステアロイルプロピルアミン、ステアロイルプロピルメチルアミン、ステアロイルプロピルジエチルアミン、ステアロイルプロピルジブチルアミン、ステアロイルプロピルブチルアミン、ステアロイルプロピルジプロピルアミン、ベヘニルプロピルプロピルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシエチルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ベヘニルプロピルアミン、ベヘニルプロピルメチルアミン、ベヘニルプロピルジエチルアミン、ベヘニルプロピルジブチルアミン、ベヘニルプロピルブチルアミン、ベヘニルプロピルジプロピルアミン、ベヘニルプロピルプロピルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルエチルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシエチルアミン、ベヘニルプロピルジヒドロキシルプロピルアミン、ベヘニルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジパルミトイルプロピルメチルアミン、ジパルミトイルプロピルエチルアミン、ジパルミチルプロピルブチルアミン、ジパルミチルプロピルプロピルアミン、ジパルミチルプロピルヒドロキシエチルアミン、ジパルミチルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジラウロイルプロピルアミン、ジラウロイルプロピルメチルアミン、ジラウロイルプロピルブチルアミン、ジラウロイルプロピルヒドロキシエチルアミン、ジラウロイルプロピルヒドロキシプロピルアミン、ジステアリルプロピルアミン、ジステアリルプロピルメチルアミン、ジベヘニルプロピルプロピルアミン、ジベヘニルプロピルヒドロキシエチルアミン、パルミチルプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルプロピルトリヒドロキシエタルモニウム(hydroxyethalmonium)クロリド、ジステアリルプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウム(dioleoylethylhydroxyethylmonium)メトサルフェート、及びジココイルエチルヒドロキシエチルモニウム(dicocoylethylhydroxyethylmonium)メトサルフェートである。
【0053】
陽イオン化性界面活性剤は、脂肪族アルキルアミン、好ましくは脂肪族ジアルキルアミンから選ばれてもよい。非限定的な例は、ジメチルラウラミン、ジメチルベヒンアミン、ジメチルコカミン、ジメチルミリスタミン、ジメチルパルミタミン、ジメチルステアラミン、ジメチル獣脂アミン、ジメチルソイアミン及びそれらの混合物を含む。
【0054】
脂肪族ジアルキルアミンは脂肪族アミドアミン化合物、それらの塩及びそれらの混合物を含む。非限定的な例はオレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、ブラシカアミドプロピルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン、及びパルミタミドプロピルジメチルアミンを含む。
【0055】
非ポリマー状、モノ-、ジ-及び/又はトリカルボン酸は脂肪族ジアルキルアミンを「中和する」ために使用されてもよい。幾つかの事例において、1つ又は複数の非ポリマー状モノ-、ジ-及び/又はトリカルボン酸は少なくとも1個のジカルボン酸を含む。非限定的な例は、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、安息香酸及びそれらの混合物を含む。特に、乳酸又は酒石酸又はそれらの混合物は、殊に例えばステアラミドプロピルジメチルアミンなどの脂肪族ジメチルアミンと組み合わせて有用である。
【0056】
実施形態において、化粧品組成物はベヘントリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート又はそれらの混合物から選ばれる陽イオン性界面活性剤を用いて配合されてもよい。
【0057】
化粧品組成物は、2つ以上の陽イオン性界面活性剤が、同じ又は異なる平衡をとる陰イオン性イオンと会合するように配合されてもよい。例えば2つ以上の陽イオン性界面活性剤の少なくとも1つは、クロリドイオン及び/又はサルフェートイオンを有していてもよい。幾つかの実例において、2つ以上の陽イオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、並びにベヘントリモニウムメトサルフェート及びベヘントリモニウムクロリドのうちの1つ又は両方を含む。さらなる実例において、2つ以上の陽イオン性界面活性剤は、ベヘントリモニウムクロリド、並びにベヘントリモニウムメトサルフェート及びセトリモニウムクロリドのうちの1つ又は両方を含む。
【0058】
なお別の実例において、陽イオン性界面活性剤(複数可)は、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物から選ばれる。
【0059】
脂肪族化合物(複数可)
化粧品組成物は、変動し得る量の1つ又は複数の脂肪族化合物(複数可)を含むが、しかし、通常、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約20重量%である。幾つかの実例において、化粧品組成物中に存在する脂肪族化合物の量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~20重量%、約0.1~約18重量%、約0.1~約16重量%、約0.1~約14重量%、約0.1~約12重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約7重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%;約0.5~20重量%、約0.5~約18重量%、約0.5~約16重量%、約0.5~約14重量%、約0.5~約12重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%;約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%;約2~約20重量%、約2~約18重量%、約2~約16重量%、約2~約14重量%、約2~約12重量%、約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約7重量%、約2~約6重量%、約2~約5重量%;約3~約20重量%、約3~約18重量%、約3~約16重量%、約3~約14重量%、約3~約12重量%、約3~約10重量%、約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約4~約20重量%、約4~約18重量%、約4~約16重量%、約4~約14重量%、約4~約12重量%、約4~約10重量%、約4~約8重量% 約4~約7重量%、約4~約6重量%、約4~約5重量%;約5~約20重量%、約5~約18重量%、約5~約16重量%、約5~約14重量%、約5~約12重量%、約5~約10重量%、又は約5~約8重量%、約5~約7重量%又は約5~約6重量%であり、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。
【0060】
化粧品組成物に組み込まれてもよい脂肪族化合物(複数可)の例は、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体及びそれらの混合物を含む。言及する価値がある脂肪族化合物の追加の例は、油剤、鉱油、アルカン(パラフィン)、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、脂肪族アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス及びトリグリセリド化合物、ラノリン、及びそれらの混合物を含む。
【0061】
脂肪酸エステル(複数可)
化粧品組成物は、脂肪酸エステルである1つ又は複数の脂肪族化合物(複数可)を含んでいてもよい。例えば、脂肪族化合物(複数可)は、式:RO(C=O)R[式中、R及びRは独立して、1~30炭素原子を有する、若しくは2~28炭素原子を有する、若しくは4~25炭素原子を有する、若しくは6~22炭素原子を有する、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和アルキル鎖である]の炭酸ジアルキル、好ましくは炭酸C14~15ジアルキル、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジエチルヘキシル、ジメトキシフェニルフェニルオキソエチルエチルカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジプロピルヘプチル、炭酸ジオクチル及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数の脂肪族カーボネートから選ばれてもよい。
【0062】
さらに又は代替として、脂肪酸エステルは、セチルエステル、パーセリンオイル(オクタン酸セテアリール)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸C12~C15アルキル、安息香酸2-エチルフェニル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、オクタノエート、アルコール又はポリアルコールのデカン酸エステル又はリシノール酸エステル、ヒドロキシル化エステル及び炭酸ジカプリリル、ペンタエリトリトールエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、リンゴ酸ジ-C12-13アルキル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル及びそれらの混合物から選ばれる。言及する価値がある他の脂肪酸エステルは、オレイン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-6、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、ジパルミチン酸ポリグリセリル-8、ジパルミチン酸ポリグリセリル-10、ベヘン酸ポリグリセリル-10、及びトリラウリン酸ポリグリセリル-12を含む。
【0063】
脂肪族アルコール(複数可)
適切な脂肪族アルコールは、存在する場合、8を超える炭素原子、8~50炭素原子、8~40炭素原子、8~30炭素原子、8~22炭素原子、12~22炭素原子又は12~18炭素原子の、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む炭素鎖を含む脂肪族基を有するものを含む。幾つかの実例において、脂肪族アルコールの脂肪族基は、10~20炭素原子又は10~18炭素原子の炭素鎖を有する。脂肪族アルコールは、12~16又は12~14炭素原子の炭素鎖を含む脂肪族アルコール基を有するものなどのポリエチレングリコールエーテルから選ばれてもよい。
【0064】
脂肪族アルコール部分は好ましくは、水素化されている(例えばステアリル、ラウリル、セチル、セテアリール)が;しかし、脂肪族アルコールは1個又は複数の二重結合(例えばオレイル)を含んでいてもよい。脂肪族アルコールの非限定的な例は、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリールアルコール(セチルアルコール及びステアリルアルコール)、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ベヘニルアルコール、リナロール、オレイルアルコール、cis-4-t-ブチルシクロヘキサノール、イソトリデシルアルコール、ミリシルアルコール及びそれらの混合物を含む。幾つかの事例において、脂肪族アルコールは、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリールアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソトリデシルアルコール及びそれらの混合物の少なくとも1つを含むか、又はそれらから選ばれてもよい。
【0065】
脂肪族アルコールは飽和でも不飽和であってもよい。例示の飽和液体脂肪族アルコールは分岐していてもよく、任意選択的に、それらの構造中に少なくとも1個の芳香族又は非芳香族環を含む。しかしながら、幾つかの実例において、脂肪族アルコールは非環式である。液体飽和脂肪族アルコールの非限定的な例は、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール及び2-ヘキシルデカノールを含む。
【0066】
例示の不飽和液体脂肪族アルコールは、それらの構造中に少なくとも1個の二重又は三重結合を含んでいてもよい。例えば、脂肪族アルコールは、共役であっても非共役であってもよい、幾つかの二重結合(2又は3個の二重結合など)を含んでいてもよい。不飽和脂肪族アルコールは直鎖であっても分岐であってもよく、非環式であるか、又はそれらの構造中に少なくとも1個の芳香族又は非芳香族環を含んでいてもよい。液体不飽和脂肪族アルコールは、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びウンデシレニルアルコールを含むか、又はそれらから選ばれてもよい。
【0067】
脂肪族アルコールは、例えばアルコキシ化脂肪族アルコールの1モル当たり約1~約100モルのアルキレンオキシドを有するアルコキシ化脂肪族アルコールであってもよい。例えば、アルコキシ化脂肪族アルコールは、アルコキシ化脂肪族アルコールの1モル当たり約1~約80モル、約2~約50、約5~約45モル、約10~約40モル又は15~約35モルの、その間の範囲及び下位範囲をすべて含むアルキレンオキシドでアルコキシ化されていてもよい。
【0068】
アルコキシ化脂肪族アルコールの例として、ステアレス(例えばステアレス-2、ステアレス-20及びステアレス-21)、ラウレス(例えばラウレス-4、及びラウレス-12)、セテス(例えばセテス-10及びセテス-20)及びセテアレス(例えばセテアレス-2、セテアレス-10及びセテアレス-20)が言及される。少なくとも1つの実例において、1つ又は複数のアルコキシ化脂肪族アルコールはステアレス-20を含む。幾つかの実例において、1つ又は複数のアルコキシ化脂肪族アルコールはもっぱらステアレス-20であってもよい。
【0069】
任意選択的に適切である、追加の脂肪族アルコール誘導体は、メチルステアリルエーテル;2-エチルヘキシルドデシルエーテル;酢酸ステアリル;プロピオン酸セチル;セチルアルコールのエチレングリコールエーテルであるセテス-1からセテス-45のセテス系列の化合物(ここで、数の表記は存在するエチレングリコール部分の数を示す。);ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであるステアレス-1から10のステアレス系列の化合物(ここで、数の表記は存在するエチレングリコール部分の数を示す。);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテル、すなわちセチル及びステアリルアルコールを優勢的に含む脂肪族アルコールの混合物であるセテアレス-1からセテアレス-10(ここで、数の表記は存在するエチレングリコール部分の数を示す。);記載したばかりのセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のC1~C30アルキルエーテル;オクチルドデシルアルコール、ドデシルペンタデシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、及びイソステアリルアルコールなどの分岐アルコールのポリオキシエチレンエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;PPGエーテル、例えばPPG-9-ステアレス-3、PPG-11ステアリルエーテル、PPG8セテス-1及びPPG-10セチルエーテル;及びそれらの混合物を含む。
【0070】
脂肪族エーテル(複数可)
脂肪族化合物は脂肪族エーテルから選ばれてもよい。例えば、化粧品組成物はポリオキシエチレンセチル/ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラウリン酸ポリオキシエチレン又はジラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸ポリオキシエチレン又はジステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はポリオキシエチレンステアリルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジセチルエーテルジステアリルエーテル、ドデシルエーテル、ジラウリルエーテル、ジミリスチルエーテル、ジイソノニルエーテル、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。適切なポリオキシエチレン脂肪族エーテルの非限定的な例は、ポリオキシエチレンセチル/ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラウリン酸又はジラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸ポリオキシエチレン又はジステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びそれらの混合物(ここで、ポリオキシエチレンヘッド基約2~約100基の範囲である。)を含むが、しかしこれらに限定されない。ある実施形態において、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルは、約3~約10オキシエチレン単位を有するポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びそれらの混合物を含む。
【0071】
脂肪酸(複数可)
幾つかの実例において、脂肪族化合物は脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪酸のエステル、ヒドロキシル置換脂肪酸、及びアルコキシ化脂肪酸から選ばれてもよい。脂肪酸は、直鎖又は分岐鎖酸であってもよく、及び/又は飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪酸の非限定的な例は、二酸、三酸及び他の多価の酸、並びにこれらの脂肪酸の塩を含む。例えば、脂肪酸は任意選択的に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セバシン酸、及びそれらの混合物を含むか、又はこれらから選ばれてもよい。幾つかの事例において、脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0072】
脂肪酸のポリグリセロールエステルの非限定的な例は、以下の式:
[式中、nの平均値は約3であり、R、R及びRはそれぞれ独立して脂肪酸部分又は水素であってもよく、ただし、R、R及びRの少なくとも1つは脂肪酸部分である]
のものを含む。例えば、R、R及びRは飽和又は不飽和、直鎖又は分岐であってよく、C~C40、C~C30、C~C25又はC~C20、C~C16又はC~C10の長さを有する。
【0073】
脂肪酸誘導体は、本明細書において、上記に定義される脂肪族アルコールの脂肪酸エステル、上記に定義される脂肪族アルコール誘導体の脂肪酸エステル(そのような脂肪族アルコール誘導体がエステル化できるヒドロキシル基を有する場合)、上記に記載の脂肪族アルコール及び脂肪族アルコール誘導体、ヒドロキシ置換脂肪酸、及びそれらの混合物以外のアルコールの脂肪酸エステルを含むと定義される。脂肪酸誘導体の非限定的な例は、リシノール酸、モノステアリン酸グリセロール、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸エチル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、ジステアリン酸ポリオキシエチレン、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸トリメチロールプロパン、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ポリグリセリル、セバシン酸ジメチル、ココ酸PEG-15、ステアリン酸PPG-15、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリン、ラウリン酸PEG-8、イソステアリン酸PPG-2、ラウリン酸PPG-9、及びそれらの混合物を含む。モノステアリン酸グリセロール、12-ヒドロキシステアリン酸及びそれらの混合物が本明細書において使用に好ましい。
【0074】
ワックス
脂肪族化合物は、幾つかの実例において、1つ又は複数のワックスを含むか、又はそれらから選ばれる。この範疇内のワックスの非限定的な例は、例えば、合成ワックス、セレシン、パラフィン、オゾケライト、ポリエチレンワックス、イリッペ脂、蜜蝋、カルナウバ蝋、微晶質、ラノリン、ラノリン誘導体、キャンデリア、カカオ脂、セラック蝋、鯨蝋、ふすまワックス、カポックワックス、サトウキビワックス、モンタン蝋、クジラワックス、シロヤマモモ蝋、フサアカシア花蝋、植物ワックス(ヒマワリシードヘリアントゥス・アンヌウス(helianthus annuus)、カルナウバ蝋、キャンデリア、オーリクリー若しくは木ロウ又はコルク繊維若しくはサトウキビロウなど)又はそれらの混合物を含む。
【0075】
油剤(複数可)
幾つかの実例において、脂肪族化合物は、1つ又は複数の油剤(複数可)を含むか、又はそれらから選ばれてもよい。適切な油剤は、シリコーン油などの合成油剤;ココヤシ油などの天然油剤、;鉱油及び水素化ポリイソブテンなどの炭化水素、;オクチルドデカノールなどの脂肪族アルコール、;安息香酸C12~C15アルキルなどのエステル、;ジペラルゴン酸プロピレンなどのジエステル;及びトリオクタン酸グリセリルなどのトリエステルを含むが、しかしこれらに限定されない。化粧品組成物中に任意選択的に含まれてもよい油剤の非限定的な例には、イソノナン酸イソトリデシル、ジヘプタン酸PEG-4、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸トリデシル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、リシノール酸セチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸セチル、ココ-ジ(カプリレート/カプレート)、イソステアリン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソヘキシル、パルミチン酸オクチル、リンゴ酸ジオクチル、オクタン酸トリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、オクトドデカノール、又はオクチルドデカノールの組合せ、アセチル化ラノリンアルコール、酢酸セチル、イソドカノール、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ヒマシ油、ラノリン及びラノリン誘導体、クエン酸トリイソセチル、セスキオレイン酸ソルビタン、C10-C18トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/トリグリセリド、ココヤシ油、コーン油、綿実油、トリアセチルヒドロキシステアリン酸グリセリル、トリアセチルリシノール酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、亜麻仁油、ミンク油、オリーブ油、ココヤシ油、イリッペバター、ナタネ油、大豆油、ヒマワリつ子油、獣脂、トリカプリン、トリヒドロキシステアリン、トリイソステアリン、トリラウリン、トリリノレイン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアリン、クルミ油、小麦胚芽油、コレステロール、又はそれらの組合せが含まれる。
【0076】
ポリオール(複数可)
任意選択的に、化粧品組成物は1つ又は複数のポリオールを含む。化粧品組成物中に存在するポリオール(複数可)の量は通常、化粧品組成物の総重量に対して約20重量%以上の範囲である。例えば、化粧品組成物中のポリオール(複数可)の量は、化粧品組成物の総重量に対して約20~約87重量%、約20~約85重量%、約20~約80重量%、約20~約75重量%、約20~約70重量%、約20~約65重量%、約20~約60重量%、約20~約55重量%、約20~約50重量%、約20~約45重量%、約20~約40重量%、約20~約35重量%、約20~約30重量%;約30~約87重量%、約30~約85重量%、約30~約80重量%、約30~約75重量%、約30~約70重量%、約30~約65重量%、約30~約60重量%、約30~約55重量%、約30~約50重量%、約30~約45重量%、約30~約40重量%;約40~約87重量%、約40~約85重量%、約40~約80重量%、約40~約75重量%、約40~約70重量%、約40~約65重量%、約40~約60重量%、約40~約55重量%、約40~約50重量%;約50~約87重量%、約50~約85重量%、約50~約80重量%、約50~約75重量%、約50~約70重量%、約50~約65重量%、約50~約60重量%;約60~約87重量%、約60~約85重量%、約60~約80重量%、約60~約75重量%、約60~約70重量%;約65~約87重量%、約65~約85重量%、約65~約80重量%、約65~約75重量%;約70~約87重量%、約70~約85重量%、約70~約75重量%であってよく、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。
【0077】
用語「ポリオール」は本開示の意味内において、少なくとも2個の遊離ヒドロキシル基を含む有機分子という意味と理解されたい。化粧品組成物のポリオールは、多数のヒドロキシル基を有するグリコール又は化合物であってもよい。幾つかの事例において、1つ又は複数のポリオールは、C~C32ポリオールからなる群から選択される。1つ又は複数のポリオールは常温(25℃)で液体であり得る。1つ又は複数のポリオールは、2~32炭素原子、3~16炭素原子、又は3~12炭素原子を有していてもよい。
【0078】
ある特定の実例において、化粧品組成物中に含まれてよいポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物を含む。幾つかの事例において、ポリオールはプロピレングリコールである。幾つかのさらなる事例において、ポリオールはプロピレングリコール及びブチレングリコールの1つ又は両方である。さらに、幾つかの事例において、化粧品組成物は少なくともプロピレングリコール、任意選択的にプロピレングリコール以外の1つ又は複数のポリオールを含む。
【0079】
化粧品中に任意選択的に含まれてもよいポリオールの非限定的な例は、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオールカプリリルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、及び4-メチル-1,2-ペンタンジオールなどのアルカンジオール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテルなどのグリコールエーテル、ソルビトール、ソルビタン、トリアセチン及びそれらの混合物を含み、及び/又はそれらから選ばれてもよい。
【0080】
1つ又は複数のポリオールは任意選択的に、グリコール又はグリコールエーテル例えばエチレングリコール、プロピレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルなど、又はそのエーテル、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテルなど、並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルであってもよい。幾つかの事例において、1つ又は複数のポリオールはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、グリセリン、ジグリセリン、カプリリルグリコール及びそれらの混合物を含んでもよく、又はそれらから選ばれる。
【0081】
増粘剤(複数可)
本明細書において記載の化粧品組成物は任意選択的に、増粘剤を含んでいてもよい。増粘剤の量は変動することができるが、通常化粧品組成物の総重量に対して約0.01~約20重量%である。幾つかの実例において、化粧品組成物中に存在する脂肪族化合物の量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~20重量%、約0.1~約18重量%、約0.1~約16重量%、約0.1~約14重量%、約0.1~約12重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約7重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%;約0.5~20重量%、約0.5~約18重量%、約0.5~約16重量%、約0.5~約14重量%、約0.5~約12重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%;約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%;約2~約20重量%、約2~約18重量%、約2~約16重量%、約2~約14重量%、約2~約12重量%、約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約7重量%、約2~約6重量%、約2~約5重量%;約3~約20重量%、約3~約18重量%、約3~約16重量%、約3~約14重量%、約3~約12重量%、約3~約10重量%、約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約4~約20重量%、約4~約18重量%、約4~約16重量%、約4~約14重量%、約4~約12重量%、約4~約10重量%、約4~約8重量% 約4~約7重量%、約4~約6重量%、約4~約5重量%;約5~約20重量%、約5~約18重量%、約5~約16重量%、約5~約14重量%、約5~約12重量%、約5~約10重量%又は約5~約8重量%、約5~約7重量%又は約5~約6重量%であり、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。
【0082】
増粘剤(複数可)は、キサンタンゴム、グアーゴム、バイオサッカライドゴム、セルロース、アラビアゴム、スクレロティウムゴム、アガロース、ペクチン、ゲランゴム、ヒアルロン酸から選ばれてもよい。さらに、1つ又は複数の増粘剤はポリアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム、アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、カルボマー、及びアクリレート/アクリル酸C10~30アルキルクロスポリマーからなる群から選択されるポリマー状増粘剤を含んでいてもよい。幾つかの事例において、組成物はポリアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム、及び/又はポリアクリル酸ナトリウムを含む。適切な増粘剤は、すべての目的のためにその全体が本明細書において組み込まれる、米国特許出願第16/731,654号に見いだすことができる。
【0083】
多くの増粘剤は、本発明の化粧品組成物が水に分散/溶解されると、水溶性であり、水の粘度を増加させ、水性ゲルを形成する。必要ならば、水溶液は、ゲルの形成のために、加熱して冷却され、又は中和されてもよい。増粘剤は、それが水に分散/溶解される場合、水に可溶の水性溶媒、例えばエチルアルコールに分散/溶解されてもよい。
【0084】
挙げることができる特定のタイプの増粘剤は、以下を含む:
1つ又は複数の増粘剤は、任意選択的に、本開示の化粧品組成物中に含むことができる。増粘剤は「増粘剤」又は「粘度改質剤」と称されてもよい。増粘剤は通常、化粧品組成物の粘度を増加させるために含まれる。それにもかかわらず、幾つかの実例において、ある増粘剤は化粧品組成物に追加の驚くべき恩恵を提供している。増粘剤の非限定的な例は、ポリアクリレートクロスポリマー又は架橋したポリアクリレートポリマー、陽イオン性アクリレートコポリマー、陰イオン性アクリル酸又はカルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、セルロース誘導体などの多糖、ゴム、ポリクオタニウム、ビニルピロリドンホモポリマー/コポリマー、C8~24ヒドロキシル置換脂肪酸及びC8~24共役脂肪酸、糖脂肪酸エステル、ポリグリセリルエステル及びそれらの混合物を含む。挙げることができる特定のタイプの増粘剤は、以下を含む:
【0085】
直鎖でも架橋していてもよいカルボン酸又はカルボキシレートベースのホモポリマー又はコポリマー:
これらのポリマーは、アクリル酸、置換アクリル酸、及びこれらのアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びエステル(アクリレート)に由来する1つ又は複数のモノマーを含む。市販されているポリマーは、商品名CARBOPOL、ACRYSOL、POLYGEL、SOKALAN、CARBOPOL ULTREZ及びPOLYGELの下で販売されているものを含む。市販されているカルボン酸ポリマーの例はカルボマーを含み、これは、スクロース又はペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋したアクリル酸のホモポリマーである。カルボマーは、B.F.Goodrich(例えばCARBOPOL 954)からのCARBOPOL 900シリーズとして入手可能である。さらに、他の適切なカルボン酸のポリマー状試剤は、ULTREZ 10(B.F.Goodrich)、及びアクリル酸、メタクリル酸又はそれらの短鎖(すなわちC1~4アルコール)エステルの1つの、1つ又は複数のモノマーとのアクリル酸C10~30アルキルのコポリマーを含み、ここで、架橋剤はスクロース又はペンタエリトリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリレート/アクリル酸C10~C30アルキルクロスポリマーとして知られ、及び、B.F.GoodrichからCARBOPOL 1342、CARBOPOL 1382、PEMULEN TR-1及びPEMULEN TR-2として市販されている。
【0086】
他の適切なカルボン酸又はカルボキシレートポリマー状試剤は、アクリル酸及びアルキルC5~C10アクリレートのコポリマー、アクリル酸及び無水マレイン酸のコポリマー及びポリアクリレートクロスポリマー-6を含む。ポリアクリレートクロスポリマー-6はSeppicからのSEPIMAX ZENとして公知の原材料において入手可能である。
【0087】
別の適切なカルボン酸又はカルボキシレートポリマー状試剤は、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、陽イオン性アクリレートコポリマー(又は第四級アンモニウム化合物)を含み、SeppicからのSIMULQUAT HC 305の商品名の下で公知の原料として入手可能である。
【0088】
ある実施形態において、本明細書において有用なカルボン酸又はカルボキシレートポリマー増粘剤は、カルボマー、アクリレート/アクリル酸C10~C30アルキルクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、及びそれらの混合物から選択されるものである。
【0089】
ポリクオタニウム化合物:
非限定的な例として、ポリクオタニウム-1、ポリクアテルニウム-2、ポリクアテルニウム-3、ポリクアテルニウム-4、ポリクアテルニウム-5、ポリクアテルニウム-6、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-8、ポリクアテルニウム-9、ポリクアテルニウム-10、ポリクアテルニウム-11、ポリクアテルニウム-12、ポリクアテルニウム-13、ポリクアテルニウム-14、ポリクアテルニウム-15、ポリクアテルニウム-16、ポリクアテルニウム-17、ポリクアテルニウム-18、ポリクアテルニウム-19、ポリクアテルニウム-20、ポリクアテルニウム-21、ポリクアテルニウム-22、ポリクアテルニウム-23、ポリクアテルニウム-24、ポリクアテルニウム-25、ポリクアテルニウム-26、ポリクアテルニウム-27、ポリクアテルニウム-28、ポリクアテルニウム-29、ポリクアテルニウム-30、ポリクアテルニウム-40、ポリクアテルニウム-41、ポリクアテルニウム-42、ポリクアテルニウム-43、ポリクアテルニウム-44、ポリクアテルニウム-45、ポリクアテルニウム-46、ポリクアテルニウム-47、ポリクアテルニウム-48、ポリクアテルニウム-49、ポリクアテルニウム-50、ポリクアテルニウム-51、ポリクアテルニウム-52、ポリクアテルニウム-53、ポリクアテルニウム-54、ポリクアテルニウム-55、ポリクアテルニウム-56、ポリクアテルニウム-57、ポリクアテルニウム-58、ポリクアテルニウム-59、ポリクアテルニウム-60、ポリクアテルニウム-61、ポリクアテルニウム-62、ポリクアテルニウム-63、ポリクアテルニウム-64、ポリクアテルニウム-65、ポリクアテルニウム-66、ポリクオタニウム-67などを含む。幾つかの事例において、好ましいポリクオタニウム化合物はポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-67及びそれらの混合物を含む。
【0090】
セルロース:
セルロースの非限定的な例は、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、ナトリウムセルロースサルフェート、及びそれらの混合物を含む。幾つかの実例において、セルロースは水溶性セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースサルフェートナトリウム塩)から選択される。さらに、幾つかの実例において、セルロースは好ましくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。
【0091】
ポリビニルピロリドン(PVP)及びコポリマー:
非限定的な例は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン(PVP)/酢酸ビニルコポリマー(PVP/VAコポリマー)、ポリビニルピロリドン(PVP)/エイコセンコポリマー、PVP/ヘキサデセンコポリマーなどを含む。市販されているポリビニルピロリドンはBASFから入手可能なLUVISKOL K30、K85、K90を含む。市販されているビニルピロリドン及び酢酸ビニルのコポリマーは、BASFから入手可能なLUVISKOL VA37、VA64を含み;ビニルピロリドン、メタクリルアミド及びビニルイミダゾールのコポリマー(INCI名:VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー)はBASFからLUVISETとして市販されている。幾つかの実例において、PVP及びPVP/VAコポリマーが好ましい。
【0092】
スクロースエステル:
非限定的な例は、パルミチン酸スクロース、ココ酸スクロース、モノオクタン酸スクロース及びモノデカン酸スクロース、モノ-又はジラウリン酸スクロース、モノミリスチン酸スクロース、モノ-又はジパルミチン酸スクロース、モノ-及びジステアリン酸スクロース、モノ-、ジ、又はトリオレイン酸スクロースモノ-又はジリノール酸スクロース、ペンタオレイン酸スクロース、ヘキサオレイン酸スクロース、ヘプタオレイン酸スクロース又はオクトオレイン酸、及びパルミチン酸/ステアリン酸スクロースなどの混合エステル、並びにそれらの混合物を含む。
【0093】
ポリグリセリルエステル:
非限定的な脂肪酸のポリグリセロールエステル(ポリグリセリルエステル)は以下の式:
[式中、nは2~20、2~10若しくは2~5であり、又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10であり、R、R及びRはそれぞれ、独立して脂肪酸部分又は水素であってもよく、ただし、R、R及びRの少なくとも1つは脂肪酸部分である]
のものを含む。例えば、R、R及びRは飽和又は不飽和、直鎖又は分岐であってもよく、C~C40、C~C30、C~C25、又はC~C20、C~C16、又はC~C10の長さを有する。さらに、脂肪酸の非イオン性ポリグリセロールエステルの非限定的な例は、カプリル酸塩/カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-10、カプリン酸ポリグリセリル-4、カプリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-4、ラウリン酸ポリグリセリル-5、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ココ酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-10、及びそれらの混合物を含む。
【0094】
ゴム:
ゴムの非限定的な例は、アラビアゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、グアーゴム、ゲランゴム、タラゴム、ローカストビーンゴム、タマリンドゴム、キサンタンゴム、ローカストビーンゴム、アカシアゴム、スクレロティウムゴム、ゲランゴムなどを含む。
【0095】
水溶性溶媒(複数可)
化粧品組成物は1つ又は複数の水溶性溶媒を含んでいてもよい。化粧品組成物中の水溶性溶媒の量は、存在する場合、化粧品組成物の総重量に対して約1~約35重量%の範囲であってもよい。例えば、化粧品組成物は、化粧品組成物の総重量に対して約1~約35重量%、約1~約30重量%、約1~約25重量%、約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%;約5~約35重量%、約5~約30重量%、約5~約25重量%、約5~約20重量%、約5~約18重量%、約5~約16重量%、約5~約14重量%、約5~約12重量%、約5~約10重量%;約10~約35重量%、約10~約30重量%、約10~約25重量%、約10~約20重量%、約10~約18重量%、約10~約16重量%、約10~約14重量%;約12~約35重量%、約12~約30重量%、約12~約25重量%、約12~約20重量%、約12~約18重量%、約12~約16重量%;約14~約35重量%、約14~約30重量%、約14~約25重量%、約14~約20重量%、約14~約18重量%;約16~約35重量%、約16~約30重量%、約16~約25重量%、約16~約20重量%;約18~約35重量%、約18~約30重量%、約18~約25重量%又は約18~約20重量%の、それらの範囲及び下位範囲を含む量の水溶性溶媒を含んでいてもよい。
【0096】
用語「水溶性溶媒」は用語「水混和性溶媒」と交換可能であり、25℃、大気圧(760mmHg)で液体である化合物を意味し、それは、これらの条件下で水に少なくとも50%の溶解性を有する。幾つかの事例において、水溶性溶媒は少なくとも60%、70%、80%又は90%の溶解性を有する。水溶性溶媒の非限定的な例は、例えば、グリセリン、アルコール(例えばC1-30、C1-15、C1-10又はC1-4アルコール)、有機溶媒、ポリオール(多価アルコール)、グリコール(例えばブチレングリコール、カプリリルグリコールなど)及びそれらの混合物を含む。
【0097】
幾つかの事例において、水溶性溶媒はモノアルコールである。モノアルコールの非限定的な例は、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、イソブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール(2-メチルブタン-2-オール)及びそれらの混合物を含む。幾つかの実例において、モノアルコールはエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、それらの異性体、又はそれらの組合せを含むか、又はそれらから選ばれる。さらなる実例において、1つ又は複数のモノアルコール(複数可)はエタノールを含むか又はそれからなる。
【0098】
有機溶媒の例として、非限定的には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコールなどのモノアルコール及びポリオール、又はグリコール若しくはグリコールエーテル(例えばエチレングリコール、プロピレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルなど)又はそれらのエーテル(例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテルなど)並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル(例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテル)に言及することができる。水溶性溶媒は揮発性化合物でも不揮発性化合物であってもよい有機溶媒であってもよい。
【0099】
水溶性溶媒のさらなる非限定的な例は、アルカンジオール、例えばグリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオールペンタエチレングリコール(ジプロピレングリコール)、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(1,2-ヘキサンジオール)(カプリリルグリコール)(1,2-ペンタンジオール)(及び4-メチル-1,2-ペンタンジオール);エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール及びイソプロパノールなどの1~4炭素原子を有するアルキルアルコール;などのグリコールエーテル、メチルセロソルブ、エチレングリコール-モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルフォラン及びそれらの混合物を含む。
【0100】
シリコーン(複数可)
化粧品組成物は通常、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約10重量%の範囲の量のシリコーン(複数可)を含む。例えば、化粧品組成物中に存在するシリコーン(複数可)の量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%;約0.2~約10重量%、約0.2~約8重量%、約0.2~約6重量%、約0.2~約4重量%、約0.2~約3重量%;約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約1.5~約10重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約4重量%、約1.5~約3重量%;約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約6重量%、約2~約4重量%、約2~約3重量%の範囲であってもよく、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0101】
用語「アミノ官能化シリコーン」又は「アミノシリコーン」は、少なくとも1つの、第一級アミノ、第二級アミノ、第三級アミノ、及び/又は第四級アンモニウム基を含むシリコーンを意味する。アミノ官能化シリコーンの構造は、直鎖又は分岐、環式又は非環式であってもよい。アミノ官能基は、シリコーン分子中、好ましくは骨格の終端(例えばアモジメチコンの場合)及び/又は側鎖中の任意の位置にあってもよい。
【0102】
シリコーンの非限定的な例は、アミン官能化シリコーン(例えばアモジメチコン)、ジメチコン、ビスアミノプロピルジメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、ジメチコンコポリオールなどを含む化粧品組成物は、幾つかの実例において、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリジエチルシロキサン、末端ヒドロキシル基(ジメチコノール)を有するポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、アミノ官能性ポリジメチルシロキサン(アモジメチコン)、ビスアミノプロピルジメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールエステル、ジメチコンコポリオールクオタニウム窒素含有化合物、ジメチコンコポリオールリン酸エステル、及びそれらの混合物から選ばれる1つ又は複数のシリコーンを含んでいてもよい。例えば、1つ又は複数のシリコーンは1つ又は複数のジメチコンコポリオールであるか、又はそれを含んでいてもよい。コポリオールは、ジメチコンアジピン酸PEG-8、ジメチコン安息香酸PEG-8、ジメチコンリン酸PEG-7、ジメチコンリン酸PEG-10、ジメチコン安息香酸PEG/PPG-20/23、ジメチコンリン酸PEG/PPG-7/4、ジメチコンリン酸PEG/PPG-12/4、PEG-3ジメチコン、PEG-7ジメチコン、PEG-8ジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG-14ジメチコン、PEG-17ジメチコン、PEG/PPG-3/10ジメチコン、PEG/PPG-4/12ジメチコン、PEG/PPG-6/11ジメチコン、PEG/PPG-8/14ジメチコン、PEG/PPG-14/4ジメチコン、PEG/PPG-15/15ジメチコン、PEG/PPG-16/2ジメチコン、PEG/PPG-17/18ジメチコン、PEG/PPG-18/18ジメチコン、PEG/PPG-19/19ジメチコン、PEG/PPG-20/6ジメチコン、PEG/PPG-20/15ジメチコン、PEG/PPG-20/20ジメチコン、PEG/PPG-20/23ジメチコン、PEG/PPG-20/29ジメチコン、PEG/PPG-22/23ジメチコン、PEG/PPG-22/24ジメチコン、PEG/PPG-23/6ジメチコン、PEG/PPG-25/25ジメチコン、PEG/PPG-27/27ジメチコン及びそれらの混合物から選ばれてもよい。
【0103】
シリコーン(複数可)は任意選択的に、その分子終端の1つにメタクリル基を有するシロキサン、その分子終端の1つにスチリル基を含むポリジメチルシロキサン、又は不飽和基を含む同様のシリコーン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;無水コハク酸;メタクリルグリシジルエーテル;アミンの有機塩、アンモニウム塩、及びメタクリル酸の、イタコン酸の、クロトン酸の、マレイン酸の、又はフマル酸のアルカリ金属塩;スチレンスルホン酸基などのスルホン酸基を含むラジカル重合性不飽和モノマー;2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの、メタクリル酸に由来する第四級アンモニウム塩;及びジエチルアミンのメタクリル酸エステルなどの第三級アミン基を含むアルコールのメタクリル酸エステルを含むか又はそれらから選ばれてもよい。
【0104】
幾つかの事例において、シリコーンは任意選択的に、少なくとも1個のアルキルラジカルがメチルと異なるポリアルキルシロキサンなどの有機官能基を有するシロキサン、例えばINCI名ステアリルジメチコン、セチルジメチコン又はC26-28アルキルジメチコンを有するオルガノポリシロキサン、又は例えばポリアリールシロキサン及びポリアリールアルキルシロキサン、例えばINCI名フェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン又はジメチルフェニルジメチコンを有するオルガノポリシロキサン、又は、例えば、アミノプロピル、アミノプロピル-アミノエチル、アミノプロピル-アミノイソブチルラジカルなどの有機官能性ラジカルを有するオルガノポリシロキサン、例えばINCI名アモジメチコンを有するオルガノポリシロキサン、又は例えばポリエチレングリコール又はポリアルキレングリコールラジカルを有するオルガノポリシロキサン、例えばINCI名PEG-12ジメチコンPEG/PPG-25,25-ジメチコン又はセチルPEG/PPG-15/15ブチルエーテルジメチコンを有するオルガノポリシロキサンを含むか、又はそれらから選ばれる。
【0105】
幾つかの実例において、アミノ官能化シリコーンは、以下の式:
[式中、各Rは、C1-30アルキル基、C1-30アルコキシ基、C5-30アリール基、C6-30アラルキル基、C6-30アラルキルオキシ基、C1-30アルカリール基、C1-30アルコキシアリール基、及びヒドロキシ基から独立して選択され(好ましくは、各Rは、C1-30アルキル基、C1-30アルコキシ基及びヒドロキシ基から独立して選択され);
各Rは独立して1~10炭素原子を有する二価アルキレンラジカルである。(好ましくは、Rは3~6炭素原子を有する二価アルキレンラジカルである);
各Rは、C1-30アルキル基、C5-30アリール基、C6-30アラルキル基及びC1-30アルカリール基から独立して選択され(好ましくは、各Rは、C1-30アルキル基から独立して選択され);
Qは-NR 及び-NR(CHNR から選択される1価のラジカルであり;
各Rは、水素及びC1-4アルキル基から独立して選択され;
xは2~6であり;
zは0又は1であり;
nは25~3,000(好ましくは、25~2,000;より好ましくは、25~1,000;最も好ましくは、25~500)であり;
mは0~3,000(好ましくは0~2,000;より好ましくは0~1,000;最も好ましくは0~100)であり;
ただし、R及びR基の合計数の少なくとも50mol%がメチルであり、mが0のとき、zは1である]
を有する化合物から選択される。
【0106】
好ましいR基は、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、イソプロピル、イソプロポキシ、ブチル、ブトキシ、イソブチル、イソブトキシ、フェニル、キセニル、ベンジル、フェニルエチル、トリル及びヒドロキシを含む。好ましいR二価アルキレンラジカルは、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、-CHCH(CH)CH-及び-CHCHCH(CH)CH-を含む。好ましいR基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、フェニル、キセニル、ベンジル、フェニルエチル及びトリルを含む。好ましいR基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及びイソブチルを含む。zが0である場合、アミノ官能化シリコーンは、ポリマー鎖中にペンダントアミン官能性置換基のみを有する。zが1である場合、アミノ官能性シリコーンは末端アミン官能性置換基のみを有していてもよく(例えばm=0)、又はポリマー鎖中に末端及びペンダントアミン官能性置換基の両方を有していてもよい(例えば、m>0)。好ましくは、n+mは50~1,000である。より好ましくは、n+mは50~750である。なおより好ましくは、n+mは50~500である。最も好ましくは、n+mは50~250である。
【0107】
幾つかの実例において、アミノ官能化シリコーンはアルコキシ化及び/又はヒドロキシル化されたアミノシリコーンである。適切なアルコキシ化及び/又はヒドロキシル化されたアミノシリコーンは、以下の式:
[式中、Rはヒドロキシル又はORであり、RはC~Cアルキル基であり、Rは以下の式:
による構造を含む基であり、
はC~Cアルキルであり、nは1~4であり、xは上に記載の「n」と同じであり、yは上に記載の「m」と同じである]
の化合物から選択されてもよい。
【0108】
シリコーンは、以下の式:
[式中、x’及びy’は重量平均分子量(Mw)が約5000から500 000の間に含まれるような整数である]
に対応するポリシロキサン;
b)以下の式:
R’3-a-Si(OSiG-(OSiGR’2-b-O-SiG3-a-R’
[式中、:
Gは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、又はフェニル、OH又はC~Cアルキル基、例えばメチル又はC~Cアルコキシ、例えばメトキシを指し、
aは、同一でも異なっていてもよく、数0又は1~3の整数、特に0を示し、
bは0又は1、特に1を示し、
m及びnは合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲となるような数であり、nが0~1999、特に49~149の数を示し、mが1~2000、特に1~10の数を示すことができ、
R’は、同一でも異なっていてもよく、式-CqHqL[式中、qは2~8の範囲の数であり、Lは以下:
-NR”-Q-N(R”)
-N(R”)
-N+(R”)A-
-N+H(R”)A-
-N+H(R”)A-
-N(R”)-Q-N+R”HA-
-NR”-Q-N+(R”)HA-
-NR”-QN+(R”)A、
[式中、R”は、同一でも異なっていてもよく、水素、フェニル、ベンジル又は飽和1価炭化水素系ラジカル、例えばC~C20アルキルラジカルを示し;Qは直鎖又は分岐CrH2r基[rは2~6、好ましくは2~4の範囲の整数である]を示し;A-は化粧品として許容されるイオン、特に、フルオリド、クロリド、ブロミド又はヨージドなどのハライドを表す]
を有する1価のラジカルを示す]
の基から選ばれる、任意選択的に、四級化されたアミノ基である]]
に対応するアミノシリコーン
であってもよい。
【0109】
この定義に対応するアミノシリコーンの別の群は、以下の式:
[式中、:
m及びnは合計(n+m)が1~1000、特に50~250、とりわけ100~200の範囲をとり得るような数であり、nは0~999、特に49~249、とりわけ125~175の数を示すことが可能であり、mは1~1000、特に1~10、とりわけ1~5の数を示すことが可能であり、
、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、ヒドロキシ又はC~Cアルコキシラジカルを表し、ここでラジカルR~Rの少なくとも1つはアルコキシラジカルを示す]
を有するシリコーンによって代表される。
【0110】
アルコキシラジカルは好ましくはメトキシラジカルである。ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは0.2:1~0.4:1、好ましくは0.25:1~0.35:1の範囲であり、とりわけ0.3:1と等しい。シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~1,000,000、とりわけ3,500~200,000の範囲である。
【0111】
この定義に対応するアミノシリコーンの別の群は、以下の式:
[式中、
p及びqは、合計(p+q)が1~1000、特に50~350、とりわけ150~250の範囲をとるような数であり、pは0~999、特に49~349、とりわけ159~239の数を示すことが可能であり、qは1~1000、特に1~10、とりわけ1~5の数を示すことが可能であり、
、Rは、同じでも異なっていてもよく、ヒドロキシ又はC~Cアルコキシラジカルを表し、ここでラジカルR又はRの少なくとも1つはアルコキシラジカルを示す]
によって表される。
【0112】
アルコキシラジカルは好ましくはメトキシラジカルである。ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、一般に1:0.8~1:1.1、好ましくは1:0.9~1:1の範囲であり、とりわけ1:0.95と等しい。
【0113】
アミノシリコーンの別の群は、以下の式:
[式中、
m及びnは、合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲をとるような数であり、nは0~1999、特に49~149の数を示すことが可能であり、mは1~2000、特に1~10の数を示すことが可能であり、
Aは、4~8炭素原子、好ましくは4炭素原子を含有する直鎖又は分岐アルキレンラジカルを示す。このラジカルは好ましくは直鎖である]
によって表される。
【0114】
このアミノシリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~1,000,000、さらにより好ましくは3,500~200,000の範囲である。
【0115】
アミノシリコーンの別の群は、以下の式:
[式中、
m及びnは、合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲をとるような数であり、nは0~1999、特に49~149の数を示すことが可能であり、mは1~2000、特に1~10の数を示すことが可能であり、
Aは、4~8炭素原子、好ましくは4炭素原子を含有する直鎖又は分岐アルキレンラジカルを示す。このラジカルは好ましくは分岐である]
によって表される。
【0116】
このアミノシリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500~1,000,000、さらにより好ましくは1000~200,000の範囲である。
【0117】
アミノシリコーンの別の群は、以下の式:
[式中、
は、1~18炭素原子を含有する1価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキル、又はC~C18アルケニルラジカル、例えばメチルを表し、
は二価炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキレンラジカル又は二価C~C18、例えば、SiC結合を介してSiに連結したC~Cアルケノキシラジカルを表し、
Q-は、ハライドイオン、特にクロリド又は有機酸塩(例えば酢酸塩)などの陰イオンであり、
rは、2~20、特に2~8の統計的平均値を表し、
sは、20~200、特に20~50の統計的平均値を表す]
によって表される。
【0118】
そのようなアミノシリコーンは、とりわけ米国特許第4,185,087号に記載されている。
【0119】
第四級アンモニウムシリコーンの群は以下の式:
[式中、
は、同一でも異なっていてもよく、1~18炭素原子を含む1価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキルラジカル、C~C18アルケニルラジカル又は5若しくは6個の炭素原子を含有する環、例えばメチルを表し、
は、二価炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキレンラジカル、又はSiC結合を介してSiに連結した二価C~C18、例えばC~Cアルケノキシラジカルを表し、
は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、1~18炭素原子を含有する1価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキルラジカル、C~C18アルケニルラジカル又は-R-NHCORラジカルを表し、
X-は、ハライドイオン、特にクロリド又は有機酸塩(例えば酢酸塩)などの陰イオンであり、
rは、2~200、特に5~100の統計的平均値を表す]
によって表される。これらのシリコーンは、例えば欧州特許出願公開第0530974号に記載されている。
【0120】
第四級アンモニウムシリコーンの群は以下の式:
[式中、
、R、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、C~Cアルキルラジカル又はフェニル基を示し、
はC~Cアルキルラジカル又はヒドロキシル基を示し、
nは1~5の範囲の整数であり、
mは1~5の範囲の整数であり、
xはアミンの数が0.01から1meq/gとなるように選ばれ、
Aがポリシロキサンブロックであり、Bは少なくとも1個のアミン基を含むポリオキシアルキレン化ブロックである(AB)n型の多重ブロックポリオキシアルキレン化アミノシリコーンである]
によって表される。
【0121】
前記シリコーンは、好ましくは以下の一般式:
[-(SiMeO)xSiMe-R-N(R”)-R’-O(CO)(CO)b-R’-N(H)-R-]
又は代替として
[-(SiMeO)xSiMe-R-N(R”)-R’-O(CO)(CO)b-]
[式中、
aは1と等しいか又はそれを超える、好ましくは5~200の範囲、とりわけ10~100の範囲の整数であり、
bは0から200の間に含まれる、好ましくは4~100の範囲、とりわけ5から30の間の整数であり、
xは1~10000、とりわけ10~5000の範囲の整数であり、
R”は水素原子又はメチルであり、
Rは、同一でも異なっていてもよく、任意選択的に酸素などの1個又は複数のヘテロ原子を含む二価直鎖又は分岐C~C12炭化水素系ラジカルを表し;好ましくは、Rは、エチレンラジカル、直鎖又は分岐プロピレンラジカル、直鎖又は分岐ブチレンラジカル、又は-CHCHCHOCH(OH)CH-ラジカルを示し;優先的に、Rは-CHCHCHOCH(OH)CH-ラジカルを示し、
R’は、同一でも異なっていてもよく、任意選択的に酸素などの1個又は複数のヘテロ原子を含む二価直鎖又は分岐C~C12炭化水素系ラジカルを表し;好ましくは、R’はエチレンラジカル、直鎖又は分岐プロピレンラジカル、直鎖又は分岐ブチレンラジカル、又は-CHCHCHOCH(OH)CH-ラジカルを示し;優先的に、R’は-CH(CH)-CH-を示す]
を有する反復単位で構成される。
【0122】
シロキサンブロックは好ましくは、シリコーンの総質重量の50から95mol%の間、とりわけ70~85mol%を表す。
【0123】
アミン含有率は、好ましくはジプロピレングリコールの30%溶液中のコポリマーの0.02から0.5meq/gの間、とりわけ0.05から0.2の間にある。シリコーン油の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000から1,000,000の間、とりわけ10,000から200,000の間に含まれる。
【0124】
シリコーンは少なくとも1個の第四級アンモニウム基を有するものから選択されてもよい。適切な非限定的な例は、クオタニウム-80、シリコーンクオタニウム-1、シリコーンクオタニウム-2、パンテニルコハク酸シリコーンクオタニウム-2シリコーンクオタニウム-3、シリコーンクオタニウム-4、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-6、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-9、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15、シリコーンクオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-16/グリシドキシジメチコンクロスポリマー、シリコーンクオタニウム-17、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-20及びシリコーンクオタニウム-21である。クオタニウム-80、シリコーンクオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-1、シリコーンクオタニウム-2、シリコーンクオタニウム-3、シリコーンクオタニウム-4、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-6、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-9、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15、シリコーンクオタニウム-17、シリコーンクオタニウム-20及びシリコーンクオタニウム-21が好ましい。クオタニウム-80、シリコーンクオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-3、シリコーンクオタニウム-4、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-6、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-9、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15及びシリコーンクオタニウム-17がより好ましい。クオタニウム-80、シリコーンクオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-15及びそれらの混合物が好ましい。実施形態において、本開示の1つ又は複数のシリコーン油は、ジメチコンなどの非アミノシリコーン油である。
【0125】
アミノ官能化シリコーンの非限定的な例は、ビス-ヒドロキシ/メトキシアモジメチコン、ビスセテアリールアモジメチコン、アモジメチコン、ビス(C13~15アルコキシ)PGアモジメチコン、アミノプロピルフェニルトリメチコン、アミノプロピルジメチコン、ビスアミノPEG/PPG-41/3アミノエチルPGプロピルジメチコン、カプリリルメチコン、及びそれらの混合物を含む。幾つかの実例において、特に有用なアミノ官能化シリコーンは、上記構造においてXがイソブチルであり、Rのうちの1つがOHであり、他方はOCHであるビス-ヒドロキシ/メトキシアモジメチコンであり、これはまた「ビスヒドロキシ/メトキシのアモジメチコン」及び「3-[(2-アミノエチル)アミノ]-2-メチルプロピルMe、ジMe、[(ヒドロキシジメチルシリル)オキシ]-及び[(メトキシジメチルシリル)オキシ]末端」としても公知である。ビス-ヒドロキシ/メトキシアモジメチコンは、The Dow Chemical Companyからの商品名DOWSIL AP-8087 FLUIDの下で市販されている。構造(D)を有するアミノシリコーンを含有するアモジメチコン製品の非限定的な例は、名称BELSIL ADM 652、BELSIL ADM 4000E、又はBELSIL ADM LOG 1の下でWackerによって販売されている。構造(E)を有するアミノシリコーンを含む製品は、名称FLUID WR 1300の下でWackerによって販売されている。さらに又は代替として、シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~200,000、さらにより好ましくは5,000~100,000、とりわけ10,000~50,000の範囲である。
【0126】
本開示の化粧品組成物中のシリコーン(複数可)は、少なくとも1つのシリコーン及び少なくとも1つの界面活性剤、例えば非イオン性の界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤を含むシリコーンエマルジョンの形態で含まれる。シリコーンエマルジョンはナノエマルジョン、マイクロエマルジョン又はマクロエマルジョンであってもよい。非イオン性界面活性剤の適切な例は、アルコキシ化脂肪族アルコール、又はC8~C30脂肪族アルコールの混合物のポリエチレングリコールエーテルであり、C11~15パレス-7、ラウレス-9、ラウレス-12、デセス-7、デセス-10、トリデセス-6、トリデセス-10、トリデセス-12又はそれらの混合物などのエチレンオキシドの平均モル数を含む。両性界面活性剤の適切な例は、コカミドプロピルベタイン、ココ-ベタイン又はそれらの混合物である。陽イオン性界面活性剤の適切な例は、ベヘントリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート又はそれらの混合物などの第四級アンモニウム化合物である。陰イオン性界面活性剤の適切な例は、サルフェート系化合物であり、そのようなものは、最大5重量%の界面活性剤、例えばナトリウム(又はアンモニウム)ラウリルサルフェート、ナトリウム(又はアンモニウム)ラウレスサルフェート又はそれらの混合物をさらに含む。
【0127】
陽イオン性ポリマー(複数可)
化粧品組成物は任意選択的に、1つ又は複数の陽イオン性ポリマーを含んでいてもよい。化粧品組成物中の陽イオン性ポリマーの量は、通常、化粧品組成物の総重量の約0.1~約10重量%の範囲である。幾つかの実例において、陽イオン性ポリマーは、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%;約0.2~約10重量%、約0.2~約8重量%、約0.2~約6重量%、約0.2~約4重量%、約0.2~約3重量%;約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約1.5~約10重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約4重量%、約1.5~約3重量%;約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約6重量%、約2~約4重量%、約2~約3重量%の量であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0128】
陽イオン性ポリマーは、アミン-及び/又は第四級アンモニウム置換モノマー及び/又は適合するスペーサーモノマーに由来するモノマー単位の混合物を含むことができる。適切な陽イオン性ポリマーは、例えば、1-ビニル-2-ピロリジン及び1-ビニル-3-メチル-イミダゾリウム塩(例えば塩化物塩)(ポリクオタニウム-16と称される)のコポリマー、例えばLUVIQUATの商品名(例えばLUVIQUAT FC 370)の下でBASFから市販されているもの;1-ビニル-2-ピロリジンのコポリマー及びジメチルアミノエチルメタクリレート(ポリクオタニウム-11と称される)、例えばGAFQUATの商品名(例えばGAFQUAT 755N)の下でGar Corporation (Wayne, N.J., USA)から流通しているもの;及び例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー及びアクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマーを含む陽イオン性ジアリル第四級アンモニウム基含有ポリマー(ポリクオタニウム-6及びポリクオタニウム-7と称される)を含む。
【0129】
使用されてもよい他の陽イオン性ポリマーは陽イオン性セルロース誘導体及び陽イオン性澱粉誘導体などのポリサッカライドポリマーを含む。陽イオン性セルロースは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩としてPolymer JR (商標)及びLR(商標)のポリマーシリーズでAmerchol Corp. (Edison, N.J., USA)から入手可能である(ポリクオタニウム-10と称される)。陽イオン性セルロースの別のタイプは、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー状第四級アンモニウム塩を含む(ポリクオタニウム-24と指称される)。これらの材料は、商品名Polymer LM-200の下でAmerchol Corp. (Edison, N.J., USA)から入手可能である。さらに又は代替として、陽イオン性コンディショニングポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどの陽イオン性グアーゴム誘導体を含むか、又はそれらから選ばれてもよい。
【0130】
化粧品組成物はポリクオタニウムを含むか、又はそれから選ばれてもよい。例えば、化粧品組成物は、ポリクオタニウム-1(エタノール,2,2’,2”-ニトリロトリス-,1,4-ジクロロ-2-ブテンとN,N,N’,N’-テトラメチル-2-ブテン-1,4-ジアミンのポリマー)、ポリクオタニウム-2、ポリ[ビス(2-クロロエチル)エーテル-alt-1,3-ビス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]尿素]ポリクオタニウム-4(ヒドロキシエチルセルロースとジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー;塩化ジアリルジメチルアンモニウム-ヒドロキシエチルセルロースコポリマー)、ポリクオタニウム-5(アクリルアミド及び四級化ジメチルアンモニウムエチルメタクリレートのコポリマー)、ポリクオタニウム-6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド))、ポリクオタニウム-7(アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマー)、ポリクオタニウム-8(メタクリル酸のメチルジメチルアミノエチルエステルとメタクリル酸のステアリルジメチルアミノエチルエステルのジメチル硫酸で四級化したコポリマー)、ポリクオタニウム-9(メタクリル酸のN,N-(ジメチルアミノ)エチルエステルのブロモメタンで四級化したホモポリマー)、ポリクオタニウム-10(四級化ヒドロキシエチルセルロース)、ポリクオタニウム-11(ビニルピロリドン及び四級化ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー)、ポリクオタニウム-12(メタクリル酸エチル/メタクリル酸アビエチル/メタクリル酸ジエチルアミノエチルのジメチル硫酸で四級化したコポリマー)、ポリクオタニウム-13(メタクリル酸エチル/メタクリル酸オレイル/メタクリル酸ジエチルアミノエチルのジメチル硫酸で四級化したコポリマー)、ポリクオタニウム-14(トリメチルアミノエチルメタクリレートホモポリマー)、ポリクオタニウム-15(アクリルアミド-ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチルコポリマー)、ポリクオタニウム-16(ビニルピロリドンと四級化ビニルイミダゾールのコポリマー)、ポリクオタニウム-17(アジピン酸、ジメチルアミノプロピルアミン、ジクロロエチルエーテルコポリマー)、ポリクオタニウム-18(アゼライン酸、ジメチルアミノプロピルアミン、ジクロロエチルエーテルコポリマー)、ポリクオタニウム-19(ポリビニルアルコールと2,3-エポキシプロピルアミンのコポリマー)、ポリクオタニウム-20(ポリビニルオクタデシルエーテルと2,3-エポキシプロピルアミンのコポリマー)、ポリクオタニウム-22(アクリル酸とジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマー)、ポリクオタニウム-24(ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの第四級アンモニウム塩)、ポリクオタニウム-27(ポリクオタニウム-2とポリクオタニウム-17のブロックコポリマー)、ポリクオタニウム-28(ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムのコポリマー)、ポリクオタニウム-29(プロピレンオキシドで改質し、エピクロロヒドリンで四級化したキトサン)、ポリクオタニウム-30(エタンアミニウム、N-(カルボキシメチル)-N,N,N-ジメチルアニリン-2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]-、分子内塩、2-メチル-2-プロペン酸メチルとのポリマー)、ポリクオタニウム-31(ジエチル硫酸で四級化し、ポリアクリロニトリルのブロックに結合したN,N-ジメチルアミノプロピル-N-アクリルアミジン)、ポリクオタニウム-32(ポリ(アクリルアミド2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド))、ポリクオタニウム-33、(トリメチルアミノエチルアクリレートとアクリルアミドのコポリマー)ポリクオタニウム-34(1,3-ジブロモプロパンとN,N-ジエチル-N’,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミンのコポリマー)、ポリクオタニウム-35、(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、及びメタクリロイルオキシエチルジメチルアセチルアンモニウムのコポリマーのメトサルフェート)ポリクオタニウム-36(硫酸ジメチルで四級化したメタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル及びメタクリル酸ブチルのコポリマー)ポリクオタニウム-37(ポリ(2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド))、ポリクオタニウム-39(アクリル酸、アクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのターポリマー)、ポリクオタニウム-42(ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロリド])、ポリクオタニウム-43(アクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、2-アミドプロピルアクリルアミドスルホナート、ジメチルアミノプロピルアミンのコポリマー)、ポリクオタニウム-44(3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムメチルスルファート-N-ビニルピロリドンコポリマー)、ポリクオタニウム-45((N-メチル-N-エトキシグリシン)メタクリレートとメタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチルの硫酸ジメチルで四級化したコポリマー)、ポリクオタニウム-46(ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン及び四級化ビニルイミダゾールのターポリマー)、ポリクオタニウム-47(アクリル酸、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びアクリル酸メチルのターポリマー)、及び/又はポリクオタニウム-67を含んでいてもよい。
【0131】
幾つかの実例において、本開示の化粧品組成物は、陽イオン性セルロース誘導体、四級化ヒドロキシエチルセルロース(例えばポリクオタニウム-10)、陽イオン性澱粉誘導体、陽イオン性グアーゴム誘導体、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(例えばポリクオタニウム-7)、ポリクオタニウム、及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数の陽イオン性ポリマーを含む。例えば、陽イオン性ポリマー(複数可)は、ポリクオタニウム、例えばポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-67及びそれらの混合物から選択されるポリクオタニウムから選択されてもよい。2つ以上のポリクオタニウムの組合せが有用になり得る。
【0132】
1つの実例において、1つ又は複数の陽イオン性ポリマーは、ポリクオタニウム4、ポリクアテルニウム6、ポリクアテルニウム7、ポリクアテルニウム10、ポリクアテルニウム11、ポリクアテルニウム16、ポリクアテルニウム22、ポリクアテルニウム28、ポリクアテルニウム32、ポリクアテルニウム-46、ポリクアテルニウム-51、ポリクアテルニウム-52、ポリクアテルニウム-53、ポリクアテルニウム-54、ポリクアテルニウム-55、ポリクアテルニウム-56、ポリクアテルニウム-57、ポリクアテルニウム-58、ポリクアテルニウム-59、ポリクアテルニウム-60、ポリクアテルニウム-63、ポリクアテルニウム-64、ポリクアテルニウム-65、ポリクアテルニウム-66、ポリクアテルニウム-67、ポリクアテルニウム-70、ポリクアテルニウム-73、ポリクアテルニウム-74、ポリクアテルニウム-75、ポリクアテルニウム-76、ポリクアテルニウム-77、ポリクアテルニウム-78、ポリクアテルニウム-79、ポリクアテルニウム-80、ポリクアテルニウム-81、ポリクアテルニウム-82、ポリクアテルニウム-84、ポリクアテルニウム-85、ポリクアテルニウム-86、ポリクアテルニウム-87、ポリクアテルニウム-90、ポリクアテルニウム-91、ポリクアテルニウム-92、ポリクオタニウム-94、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びそれらの混合物から選ばれる。
【0133】
非イオン性界面活性剤(複数可)
化粧品組成物は、任意選択的に、1つ又は複数の非イオン性の界面活性剤を含んでいてもよい。非イオン性界面活性剤の量は、存在する場合、通常化粧品組成物の総重量の約0.05~約6重量%の範囲である。例えば、複数の非イオン性界面活性剤の総重量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.05~約6重量%、0.05~約5重量%、0.05~約4重量%、0.05~約3重量%;0.1~約6重量%、0.1~約5重量%、0.1~約4重量%、0.1~約3重量%;0.5~約6重量%、0.5~約5重量%、0.5~約4重量%、0.5~約3重量%;0.8~約6重量%、0.8~約5重量%、0.8~約4重量%、0.8~約3重量%;1~約6重量%、1~約5重量%、1~約4重量%又は1~約3重量%の範囲であってもよく、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0134】
幾つかの事例において、化粧品組成物に適切に組み込まれてもよい非イオン性の界面活性剤の例は、エトキシ化、プロポキシ化又はグリセロール化され、例えば8~18炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪族鎖を有する、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルを含み、及び/又はそれらから選ばれてもよく、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数は2~50の範囲が可能であり、グリセロール基の数は1~30の範囲が可能である。マルトース誘導体も言及されてもよい。また非限定的にエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの脂肪族アルコールとの縮合物;例えば2~30molのエチレンオキシドを含むポリエトキシ化脂肪酸アミド、;例えば1.5~4などの1.5~5グリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪酸アミド;2~30モルのエチレンオキシドを含むソルビタンのエトキシ化脂肪酸エステル;植物起源のエトキシ化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;N(C~C24)- アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド、例えば(C10~C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10~C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド;及びそれらの混合物が言及されてもよい。
【0135】
脂肪酸のグリセリルエステルとして、ステアリン酸グリセリル(モノ-、ジ-及び/又はトリステアリン酸グリセリル)(INCI名:ステアリン酸グリセリル)又は、リシノール酸グリセリル及びそれらの混合物を挙げることができる。C~C24アルコキシ化脂肪酸のグリセリルエステルとして、PEG-20ステアリン酸グリセリルなどのポリエトキシ化ステアリン酸グリセリル(モノ-ジ-及び/又はトリステアリン酸グリセリル)を、例えば挙げることができる。
【0136】
さらに又は代替として、非イオン性の界面活性剤は、アルカノールアミド、ポリグルコシド、ソルビタン誘導体(ソルビトールを誘導するソルビタンの水和を含まず)、及びポリオールエステルを含むか、又はそれらから選択されてもよい。
【0137】
アルカノールアミド(複数可)
アルカノールアミドの非限定的な例は脂肪酸アルカノールアミドを含む。脂肪酸アルカノールアミドは、脂肪酸モノアルカノールアミド又は脂肪酸ジアルカノールアミド、又は脂肪酸イソアルカノールアミドであってよく、及び、C2-8ヒドロキシアルキル基を有していてもよい(C2-8鎖は1個以上の-OH基で置換されていてもよい。)。非限定的な例は、脂肪酸ジエタノールアミド(DEA)又は脂肪酸モノエタノールアミド(MEA)、脂肪酸モノイソプロパノールアミド(MIPA)、脂肪酸ジイソプロパノールアミド(DIPA)及び脂肪酸グルカミド(アシルグルカミド)を含む。
【0138】
適切な脂肪酸アルカノールアミドは、アルカノールアミン及びC~C36脂肪酸を反応させることにより形成されたものを含んでいてもよい。例としては、オレイン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、大豆脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸エタノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド、リノール酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド(ステアルアミドMEA)、ベヘン酸モノエタノールアミド、イソステアリン酸モノイソプロパノールアミド(イソステアルアミドMIPA)、エルカ酸ジエタノールアミド、リシノール酸モノエタノールアミド、ココヤシ脂肪酸モノイソプロパノールアミド(ココアミドMIPA)、ココヤシ酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、ココヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンココヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ココヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウリン酸アミドMIPA)、ミリスチン酸モノイソプロパノールアミド(ミリスチン酸アミドMIPA)、ココヤシ脂肪酸ジイソプロパノールアミド(コカミドDIPA)、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0139】
幾つかの実例において、脂肪酸アルカノールアミドは好ましくは、コカミドMIPA、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドDIPA及びそれらの混合物を含む。特に、脂肪酸アルカノールアミドはコカミドMIPAであってもよく、これはInnospec Active Chemicalsからの商品名EMPILANの下で市販されている。
【0140】
脂肪酸アルカノールアミドは、以下の構造:
[式中、Rは、4~20炭素原子のアルキル鎖であり(Rは、例えばラウリン酸、ココヤシ酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、ババスーヤシ脂肪酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、コーン脂肪酸、大豆脂肪酸、シアバター脂肪酸、カプリル酸、カプリン酸及びそれらの混合物から選択されてもよい);Rは、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CH(CHOH)CHOH、-ベンジル及びそれらの混合物から選択され;Rは、-H、-CH、-CHOH、-CHCH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、--CH(CHOH)CHOH、-ベンジル及びそれらの混合物から選択される]
のものを含む。
【0141】
幾つかの実例において、脂肪酸アルカノールアミドの1つ又は複数のものは、1個又は複数のアシルグルカミド、例えば8~20の炭素鎖長さを有するアシルグルカミドを含む。非限定的な例は、ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプリルメチルグルカミド、ラウロイルメチルグルカミド、ミリストイルメチルグルカミド、カプリロイルメチルグルカミド、カプリルメチルグルカミド、ココイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド、ココイルメチルグルカミド、ラウリルメチルグルカミド及びオレオイルメチルグルカミドオレエート、ステアロイルメチルグルカミドステアレート、ヒマワリ油脂肪酸メチルグルカミド、及びコハク酸コフェリルメチルグルカミドを含む。
【0142】
アルキルポリグルコシド(複数可)
一部の実施形態において、1つ又は複数のアルキルポリグルコシドは、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ココヤシグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム、及びそれらの混合物から選ばれるものを含む。幾つかの事例において、アルキルポリグルコシドは、ラウリルグルコシドを含むか、又はそれから選ばれる。さらに又は代替として、アルキルポリグルコシドは、例えばグリセリン(C~C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシ化脂肪酸モノ又はジエステルを含むグリセリン(C~C24)アルキルポリグリコシドから選ばれてもよい。幾つかの実例において、化粧品組成物中に適切に組み込まれてもよい追加のアルキルポリグルコシドは、以下の式:
-O-(RO)-Z(x)
[式中、Rは8-18炭素原子を有するアルキル基であり、
はエチレン又はプロピレン基であり、
Zは5~6炭素原子を有するサッカライド基であり、
nは0~10の整数であり、
xは1~5の整数である]
による構造を有するアルキルポリグルコシドを含む。
【0143】
幾つかの実例において、有用なアルキルポリグルコシドは、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ココヤシグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、及びラウリルグルコースカルボン酸ナトリウムを含んでいてもよい。典型的には、少なくとも1つのアルキルポリグルコシド化合物は、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド及びココヤシグルコシドからなる群から選択される。幾つかの実例において、デシルグルコシドは特に好ましい。
【0144】
ソルビタン誘導体(複数可)
複数の非イオン性界面活性剤に組み込まれてもよい適切なソルビタン誘導体は、ポリソルベート-20(POE(20)ソルビタンモノラウレート)、ポリソルベート-21(POE(4)ソルビタンモノラウレート)、ポリソルベート-40(POE(20)ソルビタンモノパルミテート)、ポリソルベート-60(POE(20)ソルビタンモノステアレート)、ポリソルベート-61(POE(4)ソルビタンモノステアレート)、ポリソルベート-65(POE(20)ソルビタントリステアレート)、ポリソルベート80(POE(20)ソルビタンモノオレエート)、ポリソルベート-81(POE(4)ソルビタンモノオレエート)、ポリソルベート85(POE(20)ソルビタントリオレエート)、イソステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン及びトリステアリン酸ソルビタン、及びそれらの混合物から選ばれるものを含む。
【0145】
追加の及び/又は代替のソルビタン誘導体は、例えばそれぞれ16~22炭素原子を有する少なくとも1個の飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含む少なくとも1つの脂肪酸のソルビトールとのエステル化によって形成されたC16~C22脂肪酸とソルビタンのエステルを含むソルビタンエステルを含む。これらのエステルは、特にソルビタンのステアレート、ベヘナート、アラキデート、パルミテート又はオレエート及びそれらの混合物から選ぶことができる。任意選択のソルビタンエステルの例は、名称Span 60の下でCroda社によって販売されているモノステアリン酸ソルビタン(INCI名:ステアリン酸ソルビタン)、名称Span65Vの下のCroda社によって販売されているトリステアリン酸ソルビタン、名称Span 40の下でCroda社によって販売されているモノパルミチン酸ソルビタン(INCI名:パルミチン酸ソルビタン)、名称Span 80 V の下でCroda社によって販売されているモノオレイン酸ソルビタン又は名称Span 85 Vの下dUniqema社によって販売されているトリオレイン酸ソルビタンを含む。好ましいソルビタンエステルはトリステアリン酸ソルビタンである。
【0146】
ポリオールエステル(複数可)
ポリオールエステルの非限定的な例は、アルコキシ化ポリオールエステルから選ばれるものを含む。例えば、アルコキシ化ポリオールエステルはオレイン酸プロピレングリコールのPEG化誘導体、プロピレングリコールカプリレート/カプレート、ココ酸プロピレングリコール、プロピレングリコールステアレート及びそれらの混合物から選ばれてもよい。ある実施形態において、アルコキシ化ポリオールエステルは、PEG-55プロピレングリコールオレエート、PEG-6プロピレングリコールカプリレート/カプレート、ココ酸PEG-8プロピレングリコール、PEG-25プロピレングリコールステアレート、及びPEG-120プロピレングリコールステアレート、及びそれらの混合物から選ばれる。幾つかの実例において、ポリオールエステルは、PEG-55プロピレングリコールオレエートであるか、又はそれを含む。さらに及び/又は代替として、ポリオールエステルは、2~30molのエチレンオキシドを含むソルビタンのエトキシ化脂肪酸エステルから選ばれてもよい。
【0147】
幾つかの事例において、ポリオールエステルはポリオールと、例えば8~24個の炭素原子、好ましくは12~22個の炭素原子を含む飽和又は不飽和鎖を有する脂肪酸とのエステル、並びに好ましくは10~200、より好ましくは10~100のアルキレンオキシドの数を有するそれらのアルコキシ化誘導体、例えば好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸又は酸のグリセリルエステル及びそれらのアルコキシ化誘導体;好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸又は酸のポリエチレングリコールエステル及びそれらのアルコキシ化誘導体;好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12-C22脂肪酸又は酸のソルビトールエステル及びこれらのアルコキシル化誘導体;好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12-C22脂肪酸又は酸の糖(スクロース、グルコース、アルキルグリコース)エステル及びこれらのアルコキシ化誘導体脂肪族アルコールのエーテル;糖及びC~C24、好ましくはC12~C22の脂肪族アルコールのエーテル;及びそれらの混合物から選択されてもよい。
【0148】
挙げることができるエトキシ化脂肪酸エステルの例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸のエステルとのエチレンオキシドの付加物、及びそれらの混合物、特に9~100個のオキシエチレン基を含むもの、例えばラウリン酸PEG-9からPEG-50(INCI名:ラウリン酸PEG-9からラウリン酸PEG-50として);パルミチン酸PEG-9からPEG-50(INCI名:パルミチン酸PEG-9からパルミチン酸PEG-50として);ステアリン酸PEG-9からPEG-50(INCI名:ステアリン酸PEG-9からステアリン酸PEG-50として);パルミトステアリン酸PEG-9からPEG-50;ベヘン酸PEG-9からPEG-50(INCI名:ベヘン酸PEG-9からベヘン酸PEG-50として);モノステアリン酸ポリエチレングリコール100EO(INCI名:ステアリン酸PEG-100);及びそれらの混合物が挙げられる。
【0149】
グリセリンの不飽和ポリオールエステルの供給源は、合成油、天然油剤(例えば植物油、藻油剤、細菌由来の油剤及び動物性脂肪)、これらの組合せなどを含む。植物油の非限定的な例は、アビシニアオイル、扁桃油、アプリコットオイル、杏仁油、アルガンオイル、アボカド油、ババスー油、バオバブオイル、ブラッククミンオイル、クロフサスグリオイル、ボリジオイル、カメリナオイル、カリナタオイル、キャノーラ油、ヒマシ油、チェリー核油、ココヤシ油、コーン油、綿実油、エキウムオイル、マツヨイグサオイル、アマニンオイル、ブドウつ子油、グレープフルーツつ子油、ヘーゼルナッツ油、麻つ子油、ジャトロファオイル、ホホバ油、ククイナッツ油、亜麻仁油、マカダミアナッツオイル、メドウフォームオイル、モリンガオイル、ニームオイル、オリーブ油、パーム油、パーム核油、桃仁油、落花生油、ピーカンオイル、グンバイナズナオイル、シソつ子油、ピスタチオオイル、ザクロつ子油、ポンガミアオイル、カボチャつ子油、ラズベリーオイル、レッドパームオレイン、米ぬか油、ローズヒップオイル、サフラワー油、シーバックソーン果実油、ゴマ油、シェイオレイン、サンフラワー油、大豆油、トンコ豆油、桐油、クルミ油、麦芽油、高度オレオイル大豆油、高度オレオイルサンフラワーオイル、高度オレオイルサフラワーオイル、高度エルカ酸ナタネ油、これらの組合せなどを含む。動物性脂肪の非限定的な例は、ラード、獣脂、鶏脂肪、イエローグリース、魚油、エミューオイル、これらの組合せなどを含む。合成油剤の非限定的な例は、木材パルプ生産の副生物であるトール油を含む。一部の実施形態において、天然油剤は、精製、漂白及び/又は脱臭される。
【0150】
ポリオールエステルは任意選択的に、植物油、動物性脂肪、藻油剤及びそれらの混合物から選ばれる天然ポリオールエステルであってもよく;前記合成ポリオールエステルは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(テトラメチレン)エーテルグリコール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、一態様において糖、スクロース及びそれらの混合物からなる群から選択される材料に由来する。
【0151】
化粧品組成物中に任意選択的に使用されてもよい非イオン性の界面活性剤の追加の非限定的な例は、及び/又は、から選ばれるかもしれないアルカノールアミド;ポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤;ポリグリセロール化非イオン性界面活性剤;エトキシ化脂肪酸エステル;エトキシ化、プロポキシ化又はグリセロール化されたアルコール、アルファジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステル;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの、脂肪族アルコールとの縮合物;ポリエトキシ化脂肪酸アミド;植物起源からのエトキシ化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;N-(C~C24)アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド、例えば(C10~C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10~C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド;及びそれらの混合物を含む。
【0152】
pH調整剤(複数可)
化粧品組成物は、化粧品組成物の全体的なpHを上げるか下げるために1つ又は複数のpH調整剤を含んでいてもよい。例えば、1つ又は複数の酸が、化粧品組成物のpHを低下させるために含まれてもよい。化粧品組成物のpHを低下させるために適している酸の例は、クエン酸、酢酸などを含むが、しかしこれらに限定されない。化粧品組成物は、化粧品組成物のpHを上げるために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの1つ又は複数の塩基を含んでいてもよい。化粧品組成物のpHを調節するのに適している、追加又は代替の酸及び塩基は、当業者にとって容易にわかることである。
【0153】
化粧品組成物中のpH調整剤の量は、最終化粧品組成物及び/又は製品の所望のpHに基づいてもよい。例えば、化粧品組成物は、組成物のpHが約3~約7、好ましくは約3.5~約6.5、好ましくは約3.5~約6又は好ましくは約3.5~約5.5となるようなpH調整剤の量を有していてもよい。
【0154】
化粧品組成物中のpH調整剤の量は、最終化粧品組成物及び/又は製品の所望のpHに基づいてもよい。例えば、pH調整剤の総量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.05~約20重量%の範囲であってもよい。幾つかの実例において、pH調整剤の総量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.05~約15重量%、約0.1~約10重量%又は約0.12~約5重量%であり、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0155】
モノアルコール(複数可)
化粧品組成物は任意選択的に、1~10炭素、好ましくは2~6炭素を有するものなどのモノアルコール(複数可)を含んでいてもよい。化粧品組成物中に存在するモノアルコールの量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約10重量%の範囲であってもよい。例えば、化粧品組成物中に存在するモノアルコールの量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%;約0.2~約10重量%、約0.2~約8重量%、約0.2~約6重量%、約0.2~約4重量%、約0.2~約3重量%;約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約1.5~約10重量%、約1.5~約8重量%、約1.5~約6重量%、約1.5~約4重量%、約1.5~約3重量%;約2~約10重量%、約2~約8重量%、約2~約6重量%、約2~約4重量%、約2~約3重量%の範囲であってもよく、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0156】
化粧品組成物の1つ又は複数のモノアルコールは、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、イソブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール(2-メチルブタン-2-オール)及びそれらの混合物から選ばれてもよい。幾つかの実例において、モノアルコールはエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、それらの異性体又はそれらの組合せを含むか、又はそれらから選ばれる。さらなる実例において、1つ又は複数のモノアルコール(複数可)はエタノールを含むかそれからなる。
【0157】
エステル(複数可)
化粧品組成物は任意選択的に、1つ又は複数のジエステル、1つ又は複数のトリグリセリド、及びそれらの混合物から選ばれるエステル油などのエステルを含んでいてもよい。化粧品組成物中に存在するジエステルの量は、例えば化粧品組成物の総重量に対して約0.05~約4.5重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3.5重量%、約0.1~約3重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2.5重量%;約0.5~約2重量%又は約0.5~約1.5重量%の範囲であってもよく、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。ある実施形態において、化粧品組成物中に存在するジエステルの量は、化粧品組成物の総重量に対して約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3重量%である。
【0158】
液体エステルの非限定的な例は、C~C32脂肪酸からの脂肪酸エステル及び/又はC~C32脂肪族アルコールを含み、25℃1気圧で液体である。これらのエステルは、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐C~C26脂肪族モノ又はポリ酸と、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐C~C25脂肪族モノ又はポリアルコールとの液体エステルであってもよく、エステル中の炭素原子の総数は10と等しいか又はそれより大きい。幾つかの事例において、モノアルコールのエステルとして、本発明のエステルが結果として生じるアルコール又は酸の少なくとも1つは、分岐している。一塩基酸とモノアルコールとのモノエステルの中で、言及されてもよいのは、パルミチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチルなどのミリスチン酸アルキル、ステアリン酸イソセチル及びイソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルである。
【0159】
幾つかの事例において、ヘアコンディショニング組成物中にセチルエステルを含むことは特に有用である。セチルエステルは、飽和脂肪酸及び脂肪族アルコールの以下のエステルの混合物である:パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル及びステアリン酸ステアリル。
【0160】
~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC~C22アルコールとのエステル、及びモノカルボン、ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、C~C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシノンシュガーアルコールのエステルも使用されてもよい。言及することができるのは、特にセバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ-n-プロピル;クエン酸トリイソプロピル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;及びジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
【0161】
挙げることができる非限定的な液体エステル(エステル油)又は液体脂肪酸エステルは、例えば、ヒマワリ油、コーンオイル、大豆油、骨髄油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、オリーブ油、ナタネ油、ココヤシ油、小麦麦芽油、スイートアーモンド油、アプリコット油、サフラワー油、キャンドルナット油、ココヤシ油、カメリナ油、タマヌ油、ババスー油及びプラカシー油、ホホバ油及びシアバター油を含む。
【0162】
本開示のエステルはまた、C~C26脂肪酸及びC~C25脂肪族アルコールから得られた固体エステルを含む固体脂肪酸エステル及び/又は脂肪酸エステルをさらに含んでいてもよい。これらのエステルの中で、言及することができるのは、ベヘン酸オクチルドデシル及びベヘン酸イソセチル、乳酸セチル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸オクチル、オクタン酸セチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、ペラルゴン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル又はミリスチン酸ステアリルなどのミリスチン酸アルキル、及びステアリン酸ヘキシルである。
【0163】
実施形態において、本開示の化粧品組成物の1つ又は複数のエステルは、1つ又は複数のジエステル、特に、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、リンゴ酸ジ-C12-13アルキル、ダイマージリノール酸ジセテアリル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、フマル酸ジイソステアリル塩、及びそれらの混合物から選ばれるジエステル油を含む。
【0164】
キレート剤(複数可)
化粧品組成物は任意選択的に、キレート剤を含んでいてもよい。化粧品組成物中に存在するキレート剤の量は、化粧品組成物の総重量に対して例えば約0.01~約20重量%、約0.01~約15重量%、約0.01~約10重量%、約0.01~約8重量%、約0.01~約6重量%、約0.01~約5重量%、約0.01~約4重量%、約0.01~約3重量%、約0.01~約2重量%、約0.01~約1重量%;約0.1~約20重量%、約0.1~約15重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約1重量%;約0.25~約20重量%、約0.25~約15重量%、約0.25~約10重量%、約0.25~約8重量%、約0.25~約6重量%、約0.25~約5重量%、約0.25~約4重量%、約0.25~約3重量%、約0.25~約2重量%、約0.25~約1重量%;約0.5~約20重量%、約0.5~約15重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2重量%、約0.5~約1重量%;約0.75~約20重量%、約0.75~約15重量%、約0.75~約10重量%、約0.75~約8重量%、約0.75~約6重量%、約0.75~約5重量%、約0.75~約4重量%、約0.75~約3重量%、約0.75~約2重量%;約1~約20重量%、約1~約15重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%又は約1~約2重量%であってもよく、その間の範囲及び下位範囲を含む。
【0165】
化学的キレート剤の非限定的な例は、アミノトリメチルホスホン酸、β-アラニン二酢酸、シクロデキストリン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ジエタノールアミンN-酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA又はYH)及びそのナトリウム(YHNa、YNa、YHNa及びYNa)、カリウム(YHK、Y及びYK)、カルシウムジナトリウム及びジアンモニウム塩、及びそのトリエタノールアミンとの塩(TEA-EDTA)、エチドロン酸、ガラクタニックアシド(galactanic acid)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(HEDTA)及びその三ナトリウム塩、グルコン酸、グルクロン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)及びその三ナトリウム塩、ペンテト酸、フィチン酸、リボン酸、クエン酸ジアンモニウム、アザシクロヘプタンジホスホン酸ジナトリウム、ピロリン酸ジナトリウム、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、メチルシクロデキストリン、三リン酸五カリウム、アミノトリメチレンホスホン酸五ナトリウム、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸五ナトリウム、ペンテト酸五ナトリウム、三リン酸五ナトリウム、クエン酸カリウム、カリウムEDTMP、ナトリウムEDTMP、キトサンメチレンホスホン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ジヒドロキシエチルグリシン酸ナトリウム,グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、グルセプト酸ナトリウム、グリセレス-1ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム及びトリエタノールアミンポリリン酸(TEA)、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カリウムトリホスホノメチルアミンオキシド、メタ珪酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、ポリジメチルグリシノフェノールスルホン酸ナトリウム、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、エチドロン酸四カリウム、エチドロン酸四ナトリウム、イミノジコハク酸四ナトリウム、エチレンジアミンジコハク酸三ナトリウム、エタノールアミンN,N-二酢酸、酢酸二ナトリウム、ジメルカプロール、デフェロキサミ、Zylox、及び/又は鉄キレート剤を含み、これらは、すべての目的のために本明細書において組み込まれる国際公開第94/61338号に開示され主張されている。生物学的キレート剤の例は、メタロチオネイン、トランスフェリン、カルモジュリン及びキトサンメチレンホスホン酸ナトリウムを含む。
【0166】
少なくとも1つの実例において、キレート剤はエチレンジアミンジコハク酸三ナトリウムである。
【0167】
防腐剤(複数可)
防腐剤は、通常化粧品組成物中に、化粧品組成物の総重量に対して約0.01~約20重量%、約0.01~約18重量%、約0.01~約16重量%、約0.01~約14重量%、約0.01~約12重量%、約0.01~約10重量%、約0.01~約8重量%、約0.01~約7重量%、約0.01~約6重量%、約0.01~約5重量%;約0.1~約20重量%、約0.1~約18重量%、約0.1~約16重量%、約0.1~約14重量%、約0.1~約12重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約7重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%;約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%;約4~約20重量%、約4~約18重量%、約4~約16重量%、約4~約14重量%、約4~約12重量%、約4~約10重量%、約4~約8重量%又は約4~約7重量%の量で含まれていてもよく、その間の範囲及び下位範囲をすべて含む。防腐剤の非限定的な例は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、トコフェロール、クロルフェネシン、BHT、ジナトリウムEDTA、テトラ(ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロケイヒ酸)ペンタエリスリチル及びそれらの混合物を含む。
【0168】
キット
本開示の態様は、本明細書において検討される化粧品組成物を含むキットを対象とする。実施形態において、本開示の化粧品組成物は毛髪化粧品又はヘアトリートメント組成物である。例えば、キットは、毛髪化粧品及び/又はヘアトリートメント組成物などの、本開示による少なくとも1つの化粧品組成物、及び例えばシャンプー、コンディショナーなどの1つ又は複数の追加の組成物を含んでいてもよい。様々な組成物は、キットに別々に含まれている。幾つかの実例において、キットは、1つ又は複数の化粧品組成物、例えば、本開示による毛髪化粧品及び/又はヘアトリートメント組成物、シャンプー、コンディショナー、マスク、及び/又は他のヘアトリートメント製品を含み、それらはすべて別々に含まれている。
【0169】
キットの化粧品組成物は、例えばそのままで使用できる容器などの様々な異なる容器に包装されてもよい。有用な包装の非限定的な例は、チューブ、ジャー、ふた、単位量包装、及び圧搾可能なチューブ、ボトル及び噴霧可能な容器を含むボトルを含む。シャワー又は浴槽の壁を含む浴室の壁などの壁に付けることができるように、包装が構成されてもよい。例えば、包装は、圧力が容器に印加されると、それに含まれている組成物が容器の1つ又は複数の開口部から押し出されるように、壁に結合して構成される容器であってもよい。幾つかの事例において、包装は、2つの区画を有するチューブ又はデュアルチューブなどのチューブであり、それぞれ別個の区画を形成する。各区画は異なる組成物を含んでいてもよい。例えば、一方のチューブ又は区画は、本開示による化粧品組成物を含んでもよく、他方のチューブは、化粧品組成物、例えばシャンプー、コンディショナー、オールインワンシャンプー/コンディショナー(すなわちコンディショニングシャンプー;また「共洗浄液」とも称される)マスク又は他の化粧用製品を用いて使用される組成物を含んでいてもよい。
【0170】
化粧品組成物を製造する方法(複数可)
開示の態様は化粧品組成物を製造する方法に関する。化粧品組成物を製造する方法は、典型的には
(I)
(a)約0.1~約25重量%のクエン酸、及び
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素又はそれらの組合せから選ばれる約0.2~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物
を含む深共晶溶媒系であり、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物との重量比は1以下である、深共晶溶媒系を製造することと、
(II)ベース組成物に(I)の深共晶溶媒系を添加して化粧品組成物を製造することと
を含む。
【0171】
方法は、例えば本明細書において検討されるある比で、クエン酸及び尿素化合物(複数可)を混合することによって(I)の深共晶溶媒(DES)系を形成することをさらに含んでいてもよい。幾つかの事例において、例えば、クエン酸と尿素化合物が室温で液体として混ざる場合、DES系は室温で形成されてもよい。他の事例において、方法は、またクエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せを約70℃~約90℃の温度に加熱することを含む。クエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せを加熱することは通常、クエン酸及び尿素化合物が室温で液体として混ざらない場合、有益である。クエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せは、クエン酸及び尿素化合物が液体として混ざるような温度に加熱されてもよい。例えば、クエン酸及び尿素化合物の混合物/組合せは約75℃~約90℃、約80℃~約90℃、約85℃~約90℃、約70℃~約85℃、約75℃~約85℃、約80℃~約85℃、約70℃~約80℃、約75℃~約80℃、又は約70℃~約75℃の温度に又はそれらの任意の範囲若しくは下位範囲に加熱されてもよい。
【0172】
方法は1つ又は複数の成分、例えば脂肪族化合物、ポリオール、増粘剤、水溶性溶媒、シリコーン油などを組み合わせることにより化粧品組成物のベースを生成することを含んでいてもよい当業者は、組成物のベースが安定及び/又は均質になるような、前述の成分及び/又は化合物を組み合わせる方法を理解しているであろう。幾つかの事例において、化粧品組成物のベースは、加熱、混合され及び/又は剪断力を、例えば乳化剤から受けることができる。
【0173】
毛髪を処置する方法(複数可)
本開示の態様は、またそのような化粧品組成物を使用する方法に関する。開示の態様による毛髪を処置する方法は典型的には、
(I)任意選択的に、毛髪にシャンプーを塗布することと、
(II)任意選択的に、毛髪をすすいでシャンプーの少なくとも一部を除去すること、
(III)
(a)約0.1~約25重量%のクエン酸、及び
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素又はそれらの組合せから選ばれる約0.2~約40重量%の1つ又は複数の尿素化合物
を含む化粧品組成物であり、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物とのモル比は1以下である、化粧品組成物を塗布することと、
(IV)任意選択的に、毛髪をすすいで化粧品組成物の少なくとも一部を除去することと
を含む。
【0174】
本開示に従って毛髪を処置及び/又は浄化する方法は、通常変動し得るが、しかし、本明細書において開示される化粧品組成物を塗布し、化粧品組成物が十分な長さの時間毛髪に留まることを可能にし、化粧品組成物を毛髪からすすぐことを含む。
【0175】
幾つかの実例において、しかしながら、化粧品組成物はすすぎなし組成物であってもよい。例えば、化粧品組成物は、毛髪に無期限に留まるようにさせ、すなわち、化粧品組成物は整髪の前に毛髪から除去又はすすがれなくてもよい。
【0176】
化粧品組成物は他の組成物との順序で毛髪に塗布されてもよい。例えば、化粧品組成物は、毛髪をシャンプーする前、毛髪をシャンプーした後、毛髪をコンディショニングする前、及び/又は毛髪をコンディショニングした後などに毛髪に塗布されてもよい。しかしながら、化粧品組成物が、ある順序で使用されることは必要ではない。
【0177】
化粧品組成物は、毛髪のコンディショニング、取り扱い、耐久性の改善及び/又は毛髪の耐熱劣化性の改善に有用である。化粧品組成物は、濡れた又は湿った毛髪に塗布することができ、毛髪をマッサージし、例えば、手を用いて、及び/又は櫛又はブラシを用いて毛髪の全体にわたって伸ばしてもよい。これによって毛髪の平滑化及び軟化をもたらし、縮れ、乾燥及び望ましくないボリュームを低減する。代替として、化粧品組成物及び外来の水は組み合わせられ、任意選択的に混合され、その後に身体に塗布されてもよい。例えば、化粧品組成物は、容器、ボウル、包装、ボトル中などで組み合わせられ、続いて、不透明なエマルジョンの形成の後に身体に塗布されてもよい。
【0178】
幾つかの事例において、化粧品組成物は、個別の通常のシャワー/入浴ルーチン中に、例えばルーチンの追加のヘアケア組成物と組み合わせて使用される。化粧品組成物は、毛髪に個々に塗布されてもよく、又は1つ又は複数の追加の組成物と組み合わせてもよい。例えば、化粧品組成物は毛髪への塗布前にシャンプー(又はコンディショナー)と混合されてもよい。この場合、シャンプー(又はコンディショナー)及び化粧品組成物の混合物は、浄化又はコンディショニングプロセス中に、毛髪に同時に塗布され、同時に毛髪からすすがれる。代替として、化粧品組成物は、シャンプー(又はコンディショナー)が既に塗布された毛髪の上に(又は泡立った毛髪中に)層を作ってもよいが、又はその逆でもまた同様である。この場合、化粧品組成物は、毛髪からそれをすすぐことなく毛髪を塗布されてもよく、その後、シャンプー(又はコンディショナー)は、毛髪に続いて塗布される。代替として、シャンプー(又はコンディショナー)は、毛髪からシャンプー(又はコンディショナー)をすすぐことなく、まず毛髪に塗布されてもよく、化粧品組成物も毛髪に塗布される。
【0179】
シャンプー及び/又はコンディショナーと組み合わせて使用される場合、化粧品組成物は、約1:10~約10:1、約1:5~約5:1、約1:3~約3:1、約1:2~約2:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1又は約1:1~約2:1の比(本開示の化粧品組成物:シャンプー/コンディショナーなど)のシャンプー及び/又はコンディショナーを用いて混合又は使用されてもよい。
【0180】
化粧品組成物が毛髪への塗布前に別の組成物と混合されていない場合、化粧品組成物は、毛髪が別の組成物(例えば、シャンプー、及び/又は、コンディショナー)を用いて処置される直後に、又は直前に、毛髪に塗布されてもよい。例えば、化粧品組成物は、シャンプー及び/又はコンディショナーが毛髪に塗布される前又は後、数秒又は1、2、5、10若しくは20分以内に毛髪に塗布されてもよい。
【0181】
用語「INCI」は、化粧品原料国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)の短縮形であり、パーソナルケア原料を記載するためにthe International Nomenclature Committee of the Personal Care Products Councilによって提供される名称のシステムである。
【0182】
本明細書において使用される場合、提供される範囲はすべて、すべての特定の範囲以内、及び所与の範囲の間の下位範囲の組合せ、を含むことを意味する。したがって、1~5の範囲はとりわけ1、2、3、4及び5、それに加えて、2~5、3~5、2~3、2~4、1~4などの下位範囲を含む。
【0183】
この開示で肯定的に述べられるすべての成分及び要素は、特許請求の範囲からは否定的に排除することができる。言い換えれば、本開示の毛髪クレンジング組成物は、本開示の全体にわたって肯定的に記述される、すべての成分及び要素を含まないか、又は本質的に含まないことが可能である。幾つかの実例において、本開示の毛髪クレンジング組成物は、本明細書において記載の非偶発的量の原料(複数可)又は化合物(複数可)を実質的に含まない。非偶発的量の原料又は化合物とは、毛髪クレンジング組成物へ単独で添加されるその原料又は化合物の量である。例えば、毛髪クレンジング組成物は、非偶発的量の原料又は化合物を実質的に含まなくてもよいが、そのような原料(複数可)又は化合物(複数可)は、2つ以上の化合物のブレンドとして含まれている原材料の一部として存在し得る。
【0184】
特定された様々な範疇の成分のうちの幾つかは重複してもよい。そのような場合重複が存在し、毛髪クレンジング組成物が両方の成分を含む(又は、組成物が重複する2つ以上の成分を含む)場合には、重複する化合物は、1つを超える成分を表さない。例えば、ある化合物は、乳化剤及び界面活性剤の両方であることを特徴とすることがある。特定の毛髪組成物が乳化剤及び界面活性剤の両方を含む場合、乳化剤及び界面活性剤の両方であることを特徴とし得る化合物は、乳化剤又は界面活性剤のいずれかとしてのみ役立ち、両方ではない。
【0185】
この明細書において挙げられた刊行物及び特許出願はすべて、あたかも各個別の刊行物又は特許出願が、参照によって組み込まれるためにとりわけ個々に示されたように、参照によって、ありとあらゆる目的のために本明細書において組み込まれる。本明細書において組み込まれる本開示と、参照による刊行物又は特許出願の間に矛盾がある場合には、本開示が優先する。
【0186】
本明細書において使用される場合、「含む(comprising)」、「有する(having)」、及び「含む(including)」という用語は、そのオープンで非限定的な意味で使用される。「一つの(a)」及び「その(the)」という用語は、複数形並びに単数形を包含すると理解される。このように、「それらの混合物(a mixture thereof)」という用語は、また「それらの混合物(mixtures thereof)」に関係がある。本開示を通して、「それらの混合物」という用語は、文字A~Fが要素を表す場合に、次の例に示されるような要素のリストに従って使用される:「A、B、C、D、E、F及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の要素」)。「それらの混合物」という用語は、混合物が、A、B、C、D、E及びFのすべてを含むことを必要としない(しかし、A、B、C、D、E及びFのすべてが含まれていてもよい)。むしろ、それは、A、B、C、D、E及びFのうちの任意の二以上の混合物を含めることができることを示す。言い換えれば、それは、「A、B、C、D、E、F、並びにA、B、C、D、E及びFのうちの任意の二以上の混合物からなる群から選択される1つ又は複数の要素」という語句と等価である。
【0187】
「1つ又は複数」という表現は「少なくとも1つ」を意味し、したがって個々の成分並びに混合物/組合せを含む。実施例を除いて、又は他に示された場合、成分の量及び/又は反応条件を表すすべての数は、すべての実例において、示された数の±5%以内を意味する「約」という用語によって修飾されていてもよい。
【0188】
「処置」(及びその文法的変形)という用語は、本明細書において使用される場合、使用者の頭部及び/又は身体の毛などのケラチン基質の表面への本開示の組成物の塗布を指す。
【0189】
本明細書で使用される「実質的に含まない」又は「本質的に含まない」という用語は、組成物に添加される特定の材料が、組成物の総重量に対して約2重量%未満であることを意味する。しかし、組成物は、特定された材料を約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満含むか、あるいは全く含まない場合がある。本明細書において述べられる成分すべては、任意選択的に組成物/方法/キットに含まれても除外されてもよい。除外された場合、組成物/方法/キットはその成分を含まなくてもよく、又は本質的に含まなくてもよい。例えば、特定の組成物は、シリコーンを含まなくてもよく、又は本質的に含まなくてもよい。
【0190】
開示の実施形態
ある実施形態において、化粧品組成物は、以下:
- 約0.1~約25重量%、好ましくは約0.5~約20重量%、好ましくは約1~約20重量%のクエン酸と、
- イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、尿素、尿素誘導体、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、m-ジメチルアミノフェニル尿素、ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、N-(2-ヒドロキシエチル)尿素;、N-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(3-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)尿素;N-(2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)尿素;N-メチル-N-(1,3,4,5,6-ペンタヒドロキシ-2-ヘキシル)尿素;N-メチル-N’-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1-ヒドロキシ-2-メチル-2-プロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)尿素;N-(トリス-ヒドロキシメチルメチル)尿素;N-エチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’-プロピル尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N-tert-ブチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-N’-(2-ヒドロキシプロピル)尿素;N-(1,3-ジヒドロキシ-2-プロピル)-N’-(2-ヒドロキシエチル)尿素;N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル).-N’,N’-ジメチル尿素;N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)尿素;N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-尿素、及びそれらの混合物から選ばれる、約0.2~約40重量%、好ましくは約0.2~約35重量%、より好ましくは約0.5~約30重量%の1つ又は複数の尿素化合物と、
- 約20重量%以上、好ましくは約20~約90重量%、より好ましくは約50~約90重量%の水と
を含み、ここで(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物とのモル比は1以下、好ましくは約10:1~約0.5:10、より好ましくは約1:1~約1:3であり、重量パーセントはすべて化粧品組成物の総重量に基づく。
【0191】
追加の実施形態において、化粧品組成物は、以下を含む:
(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物とのモル比は1以下、好ましくは約10:1~約0.5:10、より好ましくは約1:1~約1:3である、
- 約0.1~約25重量%、好ましくは約0.5~約20重量%、好ましくは約1~約20重量%のクエン酸;
- ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素又はそれらの組合せから選ばれる、約0.2~約40重量%、好ましくは約0.2~約35重量%、より好ましくは約0.5~約30重量%の1つ又は複数の尿素化合物;及び
- 約20重量%以上、好ましくは約20~約90重量%、より好ましくは約50~約90重量%の水;
- 任意選択的に、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物から選ばれる、約0.1~約10重量%、好ましくは約0.1~約8重量%、より好ましくは約0.2~約6重量%の1つ又は複数の陽イオン性界面活性剤;
- 任意選択的に、例えば脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪酸、ワックス、油剤、それらの誘導体又はそれらの混合物を含む、約0.1~約25重量%、好ましくは約0.5~約18重量%、より好ましくは約1~約16重量%の1つ又は複数の脂肪族化合物;
- 任意選択的に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、及びジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物から選ばれる、約20重量%以上、好ましくは約20~約87重量%、より好ましくは約20~約80重量%のポリオール。幾つかの事例において、ポリオールはプロピレングリコールであり;
- 任意選択的に、例えばポリアクリレートクロスポリマー又は架橋したポリアクリレートポリマー、陽イオン性アクリレートコポリマー、陰イオン性アクリル酸又はカルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリサッカライド、ゴム、ポリクオタニウム、ビニルピロリドンホモポリマー/コポリマー、C8~24ヒドロキシル置換脂肪酸、C8~24共役脂肪酸、糖脂肪酸エステル、ポリグリセリルエステル又はそれらの混合物を含む、約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約18重量%、より好ましくは約0.1~約14重量%の増粘剤、;
- 任意選択的に、約0.1~約35重量%、好ましくは約1~約25重量%、より好ましくは約1~約20重量%の水溶性溶媒、例えば1~4炭素原子を有するアルキルアルコール、グリコールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルフォラン及びそれらの混合物;
- 任意選択的に、約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約14重量%、より好ましくは約0.01~約7重量%の防腐剤、例えば安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、トコフェロール、クロルフェネシン、BHT、ジナトリウムEDTA、ペンタエリトリチルテトラジt-ブチルヒドロキシヒドロシンナマート、又はそれらの混合物など;
- 任意選択的に、約0.1~約10重量%、好ましくは約0.1~約9重量%、より好ましくは約0.2~約8重量%のシリコーン、例えばポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリジエチルシロキサン、末端ヒドロキシル基を有するポリジメチルシロキサン(ジメチコノール)、ポリメチルフェニルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、アミノ官能性ポリジメチルシロキサン(アモジメチコン)、ビスアミノプロピルジメチコン、トリメチルシリルアモジメチコンジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールエステル、ジメチコンコポリオールクオタニウム窒素含有化合物、ジメチコンコポリオールリン酸エステル及びそれらの混合物から選ばれるものなど;
- 任意選択的に、約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約15重量%、より好ましくは約0.1~約8重量%のキレート剤;
- 任意選択的に、好ましくは組成物のpHが約3~約7mになるような量の、約0.01~約20重量%のpH調整剤;及び
- 任意選択的に、約0.001~約10重量%の香料、ここで、重量パーセントはすべて化粧品組成物の総重量に基づく。
【0192】
なおさらなる実施形態において、化粧品組成物を製造する方法は、
(I)
(a)約0.1~約25重量%、好ましくは約0.5~約20重量%、好ましくは約1~約20重量%のクエン酸、及び
(b)ジメチル尿素、ヒドロキシルエチル尿素又はそれらの組合せから選ばれる、約0.2~約40重量%、好ましくは約0.2~約35重量%、より好ましくは約0.5~約30重量%の1つ又は複数の尿素化合物
を含む深共晶溶媒系であり、(a)のクエン酸と(b)の尿素化合物とのモル比は1以下、好ましくは約10:1~約0.5:10、より好ましくは約1:1~約1:3である、深共晶溶媒系を生成することと、
(II)(I)の深共晶溶媒系をベース組成物に添加して化粧品組成物を製造することと
を含む。
【実施例
【0193】
本開示の実施は以下の実施例によって提供される。以下の実施例は、本質的に以下に限定されないが、技術の態様を明瞭にする役目をする。
【0194】
実施例1
例示の3つの化粧品組成物(例示組成物A~C)を深共晶溶媒(「DES」)系から調製した。約80℃~約85℃の温度にクエン酸及びジメチル尿素を混合することにより、DES系を調製した。その後、DES系は蒸留水に可溶性になった。例示組成物A~Cの配合物を表1に示す。
【0195】
実施例2
毛髪見本に例示組成物B及びDを塗布し、従来のサルフェート系シャンプーのみの塗布(対照)と比較して評価した。例示組成物Dは、化粧品組成物を調製する前にクエン酸及びジメチル尿素からDES系を形成しなかったこと以外は、例示組成物Bと同じ配合を有していた。
【0196】
従来のサルフェート系シャンプーを用いてコーカサス人の天然の褐色ウエーブ状毛髪見本(中程度のカール)を洗浄しすすぎ、その後例示組成物B及びDを塗布した。毛髪見本1グラム当たり、それぞれ0.4グラムの量の例示組成物B及びDで、それぞれの毛髪見本を1分間マッサージし、さらに1分間、すすがないで毛髪見本に残し、30秒間すすぎ、次に、2分間ブロー乾燥した。その後、すすぎ流す手順を使用してこれらの毛髪見本を例示組成物B及びDの効果を見積もるために評価した。従来のサルフェート系シャンプーの後に毛髪見本に化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0197】
毛髪見本1グラム当たりそれぞれ0.15グラムの量の組成物で、毛髪見本に例示組成物B及びDを塗布することにより、追加の毛髪見本を調製した。特に、1分間それぞれの毛髪見本を例示組成物B及びDでマッサージし、1分間、すすがないで毛髪見本に残し、その後、2分間ブロー乾燥した。これらの毛髪見本は、すすがない手順を使用して例示組成物B及びDの効果を見積もるために評価した。
【0198】
各毛髪見本の抗縮れ性又は縮れの程度を、画像化分析を使用して評価した。毛髪見本をブロー乾燥した後、相対湿度80%室温の湿度槽に毛髪見本を置いた1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、12時間後及び24時間後に毛髪見本の抗縮れ性を評価した。
【0199】
図1は、すすぐ手順を使用して例示組成物B及びD並びに対照を用いて処置した毛髪見本の画像を提供する。図2は、すすがない手順を使用して例示組成物B及びD並びに対照を用いて処置した毛髪見本の画像を提供する。図1及び2に見られるように、対照毛髪見本に対して例示組成物B及びDは、著しく良好な抗縮れ性を提供した。さらに、例示組成物B及びDは、より良好な毛髪ボリューム制御を提供した。表2において示されるように、驚いたことに、例示組成物Bは、例示組成物D及び対照より良好なボリューム制御を提供する。
【0200】
実施例3
例示組成物A及びCを用いて処置した毛髪見本を評価し、従来のサルフェート系シャンプー(対照)のみを用いて処置した毛髪見本と比較した。従来のサルフェート系シャンプーを用いて毛髪見本を洗浄し、すすぎ、その後、毛髪見本1グラム当たりそれぞれ0.15グラムの組成物の量の例示組成物A及びCを塗布した。1分間それぞれの毛髪見本を組成物でマッサージし、1分間、すすがないで毛髪見本に残し、その後、2分間ブロー乾燥した。従来のサルフェート系シャンプーの後に毛髪見本に化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0201】
すすがない手順を使用して、これらの毛髪見本を例示組成物A及びCの効果を見積もるために評価した。サイクル試験機を使用して毛髪見本をサイクル疲労にかけて毛髪見本の耐久性を求めた。サイクル試験機は、破損するまで繰り返しサイクル引張変形に決まった数の繊維をかけることによって毎日の毛髪の手入れをシミュレートする。さらに、示差走査熱量測定法を使用して、非晶質マトリックスの架橋密度と関連する熱変性温度について毛髪見本を評価した。示差走査熱量測定法は、毛髪の主要な形態学的成分の熱的安定性を測定する。
【0202】
図3及び4に見られるように、例示組成物Cを用いて処置した毛髪見本は、対照毛髪見本より著しく良好な耐久性及び変性温度を示した。例示組成物Aを用いて処置した毛髪見本もまた、対照毛髪見本より改善された耐久性及び変性温度を示した。
【0203】
実施例4
従来のサルフェート系シャンプーのみを用いて処置した毛髪見本(対照)と比較して、例示組成物A及びE、並びに比較組成物1及び2を用いて処置した毛髪見本を評価した。例示組成物Eは、クエン酸及びジメチル尿素からDES系を調製しないで化粧品組成物を調製した以外は、例示組成物Aと同じ配合を有していた。表3に比較組成物1及び2についての配合を提供する。
【0204】
毛髪見本1グラム当たり0.4グラムの量の、例示組成物A及びE並びに比較組成物1及び2のそれぞれで、それぞれの毛髪見本を1分間マッサージし、さらに1分間、すすがないで毛髪見本に残し、30秒間すすぎ、次に2分間ブロー乾燥した。その後、これらの毛髪見本を、すすぎ流す手順を使用して、例示組成物A及びE並びに比較組成物1及び2の効果を見積もるために評価した。従来のサルフェート系シャンプーの後に毛髪見本に化粧品組成物を塗布しなかったこと以外、上記の手順に従って対照を調製した。
【0205】
毛髪見本1グラム当たり0.15グラムの量の例示組成物Aを用いて追加の毛髪見本を処置した。それぞれの毛髪見本を例示組成物Aで1分間マッサージし、すすがないで毛髪見本に1分間残し、次に2分間ブロー乾燥した。すすがない手順を使用して、毛髪見本を例示組成物Aの効果を見積もるために評価した。
【0206】
次いで、比較組成物1及び2並びに対照の効果と比較して、熱変性温度(架橋密度に対応する)、毛髪の耐久性、ヤング率及び破壊伸びについて例示組成物A及びEの効果を見積もるために毛髪を評価した。実施例2で検討したように、毛髪の熱変性温度及び耐久性を求めた。
【0207】
例示組成物Aを用いてすすぎ流す手順及びすすがない手順で処置した毛髪は、破壊サイクルで測定して著しく良好な耐久性、及びより良好な変性温度を示した。例えば、例示組成物Aを用いて処置した毛髪は、比較組成物1及び2と比較して、耐久性の約40%の増加を示した。同様に、例示組成物Aを用いて処置した毛髪の破壊伸び及びヤング率は、比較組成物1又は2を用いて処置した毛髪の破壊伸びより良好だった。図5~8は、比較組成物1及び2並びに対照と比較した、例示組成物A及びEを用いて処置した毛髪の破壊サイクル、変性温度、ヤング率及び破壊伸びのグラフである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8