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特許7578806ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法
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  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図1
  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図2
  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図3
  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図4
  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図5A
  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図5B
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  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図6
  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図7A
  • 特許-ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法 図7B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ワード線ゲートの上方に配設された消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性メモリセル、及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241029BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20241029BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20241029BHJP
   H10B 41/00 20230101ALI20241029BHJP
   H10B 41/41 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H10B41/00
H10B41/41
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023519476
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 US2021017005
(87)【国際公開番号】W WO2022071982
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】202011060967.0
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】17/165,934
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、グオ シャン
(72)【発明者】
【氏名】シン、レオ
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0040334(US,A1)
【文献】特表2018-508987(JP,A)
【文献】特表2014-522122(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0213386(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206882(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106206588(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
H10B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
第1の導電型の半導体材料の基板と、
前記基板内に離隔されており、かつ前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、前記基板内の第1のチャネル領域が前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在する、第1及び第2の領域と、
前記第2の領域に隣接した、前記第1のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ前記第1のチャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている第1の浮遊ゲートと、
前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁されている第1の結合ゲートと、
前記第1の領域に隣接した、前記第1のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ前記第1のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている第1のワード線ゲートと、
前記第1のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第1のワード線ゲートから絶縁されている第1の消去ゲートと、
前記第2の導電型を有する、前記基板内の第3の領域であって、前記基板内の第2のチャネル領域が前記第1の領域と前記第3の領域との間に延在する、第3の領域と、
前記第3の領域に隣接した、前記第2のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ前記第2のチャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている第2の浮遊ゲートと、
前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁されている第2の結合ゲートと、
前記第1の領域に隣接した、前記第2のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ前記第2のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている第2のワード線ゲートと、
前記第2のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第2のワード線ゲートから絶縁されている第2の消去ゲートと、
を備え、
前記第1の消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの縁部に面するノッチを含み、前記第2の消去ゲートは、前記第2の浮遊ゲートの縁部に面するノッチを含む、メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1の浮遊ゲートは、前記第2の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第2の領域から絶縁されており、前記第2の浮遊ゲートは、前記第3の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第3の領域から絶縁されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
メモリデバイスであって、
第1の導電型の半導体材料の基板と、
前記基板内に離隔されており、かつ前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、前記基板内の第1のチャネル領域が前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在する、第1及び第2の領域と、
前記第2の領域に隣接した、前記第1のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ前記第1のチャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている第1の浮遊ゲートと、
前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁されている第1の結合ゲートと、
前記第1の領域に隣接した、前記第1のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ前記第1のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている第1のワード線ゲートと、
前記第1のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第1のワード線ゲートから絶縁されている第1の消去ゲートと、
前記第2の導電型を有する、前記基板内の第3の領域であって、前記基板内の第2のチャネル領域が前記第1の領域と前記第3の領域との間に延在する、第3の領域と、
前記第3の領域に隣接した、前記第2のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ前記第2のチャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている第2の浮遊ゲートと、
前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁されている第2の結合ゲートと、
前記第1の領域に隣接した、前記第2のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ前記第2のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている第2のワード線ゲートと、
前記第2のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第2のワード線ゲートから絶縁されている第2の消去ゲートと、
を備え、
前記第1のワード線ゲートと前記基板との間の絶縁材は、前記第1の浮遊ゲートと前記基板との間の絶縁材より薄く、前記第2のワード線ゲートと前記基板との間の絶縁材は、前記第2の浮遊ゲートと前記基板との間の絶縁材より薄い、メモリデバイス。
【請求項4】
メモリデバイスであって、
第1の導電型の半導体材料の基板と、
前記基板内に離隔されており、かつ前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、前記基板内の第1のチャネル領域が前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在する、第1及び第2の領域と、
前記第2の領域に隣接した、前記第1のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ前記第1のチャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている第1の浮遊ゲートと、
前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁されている第1の結合ゲートと、
前記第1の領域に隣接した、前記第1のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ前記第1のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている第1のワード線ゲートと、
前記第1のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第1のワード線ゲートから絶縁されている第1の消去ゲートと、
前記第2の導電型を有する、前記基板内の第3の領域であって、前記基板内の第2のチャネル領域が前記第1の領域と前記第3の領域との間に延在する、第3の領域と、
前記第3の領域に隣接した、前記第2のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ前記第2のチャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている第2の浮遊ゲートと、
前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁されている第2の結合ゲートと、
前記第1の領域に隣接した、前記第2のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ前記第2のチャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている第2のワード線ゲートと、
前記第2のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第2のワード線ゲートから絶縁されている第2の消去ゲートと、
を備え、
前記第1の消去ゲートと前記第1の浮遊ゲートとの間の絶縁材は、前記第1のワード線ゲートと前記第1の浮遊ゲートとの間の絶縁材より薄く、前記第2の消去ゲートと前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁材は、前記第2のワード線ゲートと前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁材より薄い、メモリデバイス。
【請求項5】
前記第1のワード線ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁されており、
前記第1の消去ゲートは、前記第1の結合ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第1の結合ゲートから絶縁されており、
前記第2のワード線ゲートは、前記第2の浮遊ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁されており、
前記第2の消去ゲートは、前記第2の結合ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第2の結合ゲートから絶縁されている、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
制御回路を更に備え、前記制御回路は、
前記第1の消去ゲート、前記第1のワード線ゲート、前記第1の結合ゲート、及び前記第2の領域に正の電圧を印し、かつ前記第1の領域に電流を供給することによって、前記第1の浮遊ゲートをプログラムし、
前記第1のワード線ゲート、前記第1の結合ゲート、及び前記第1の領域に正の電圧を印することによって、前記第1の浮遊ゲートを読み出し、かつ
前記第1の消去ゲートに正の電圧を印することによって、前記第1の浮遊ゲートを消去するように構成されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
メモリセルを形成する方法であって、
第1の導電型を有する半導体基板に第1の絶縁層を形成するステップと、
前記第1の絶縁層に第1の導電層を形成するステップと、
前記第1の導電層に第2の絶縁層を形成するステップと、
前記第2の絶縁層に第2の導電層を形成するステップと、
前記第2の導電層に第3の絶縁層を形成するステップと、
前記第3の絶縁層、前記第2の導電層、及び前記第2の絶縁層を通って延在するトレンチを形成するステップと、
前記トレンチの側壁に沿って複数の絶縁スペーサを形成するステップと、
前記複数の絶縁スペーサの間の前記第1の導電層を通って前記トレンチを延在させるステップと、
前記トレンチ内に導電材料の第1のブロックを形成するステップであって、前記導電材料の第1のブロックは、前記基板の上方に垂直に配設され、かつ前記基板から絶縁され、前記第1の導電層の側面に隣接し、かつ前記第1の導電層から絶縁される、形成するステップと、
前記トレンチ内に第1及び第2の消去ゲートを形成するステップであって、前記第1及び第2の消去ゲートは、前記導電材料の第1のブロックの上方に垂直に配設され、かつ前記導電材料の第1のブロックから絶縁される、形成するステップと、
前記導電材料の第1のブロックの第1及び第2の部分をそれぞれの第1及び第2のワード線ゲートとして維持しながら、前記第1の消去ゲートと前記第2の消去ゲートとの間の前記導電材料の第1のブロックの部分を除去するステップと、
前記第1のワード線ゲートと前記第2のワード線ゲートとの間の前記基板の部分内に第1の領域を形成し、かつ前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有するステップと、
前記第2の導電層の第1及び第2の部分をそれぞれの第1及び第2の結合ゲートとして維持しながら、前記第2の導電層の部分を除去するステップと、
前記第1の導電層の第1及び第2の部分をそれぞれの第1及び第2の浮遊ゲートとして維持しながら、前記第1の導電層の部分を除去するステップと、
前記基板内に第2及び第3の領域を形成し、かつ前記第2の導電型を有するステップと、を含み、前記第2の領域は前記第1の浮遊ゲートに隣接し、かつ前記第3の領域は前記第2の浮遊ゲートに隣接しており、前記基板内の第1のチャネル領域は前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在し、かつ前記基板内の第2のチャネル領域は前記第1の領域と前記第3の領域との間に延在し、
前記第1の浮遊ゲートは、前記基板の上方に配設され、かつ前記基板から絶縁され、前記第1のワード線ゲートの側面に隣接し、かつ前記第1のワード線ゲートから絶縁され、
前記第2の浮遊ゲートは、前記基板の上方に配設され、かつ前記基板から絶縁され、前記第2のワード線ゲートの側面に隣接し、かつ前記第2のワード線ゲートから絶縁され、
前記第1の結合ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁され、
前記第2の結合ゲートは、前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁され、
前記第1の消去ゲートは、前記第1のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第1のワード線ゲートから絶縁され、
前記第2の消去ゲートは、前記第2のワード線ゲートの上方に配設され、かつ前記第2のワード線ゲートから絶縁される、方法。
【請求項8】
前記第1のワード線ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁され、
前記第1の消去ゲートは、前記第1の結合ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第1の結合ゲートから絶縁され、
前記第2のワード線ゲートは、前記第2の浮遊ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁され、
前記第1の消去ゲートは、前記第1の結合ゲートの側面に隣接して配設され、かつ前記第1の結合ゲートから絶縁される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1及び第2の消去ゲートを前記形成するステップの前に、前記方法は、
前記トレンチの前記側壁に沿って、前記複数の絶縁スペーサのうちの少なくとも1つを除去するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの縁部に面するノッチを含み、前記第2の消去ゲートは、前記第2の浮遊ゲートの縁部に面するノッチを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の浮遊ゲートは、前記第2の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第2の領域から絶縁され、前記第2の浮遊ゲートは、前記第3の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第3の領域から絶縁される、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のワード線ゲートと前記基板との間の絶縁材は、前記第1の浮遊ゲートと前記基板との間の絶縁材より薄く、前記第2のワード線ゲートと前記基板との間の絶縁材は、前記第2の浮遊ゲートと前記基板との間の絶縁材より薄い、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の消去ゲートと前記第1の浮遊ゲートとの間の絶縁材は、前記第1のワード線ゲートと前記第1の浮遊ゲートとの間の絶縁材より薄く、前記第2の消去ゲートと前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁材は、前記第2のワード線ゲートと前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁材より薄い、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1及び第2の消去ゲートを前記形成するステップは、
前記トレンチ内にポリシリコンを堆積させるステップと、
異方性エッチングを行うステップと、を含み、前記第1及び第2の消去ゲートは、前記ポリシリコンの離隔されたスペーサである、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
この特許出願は、2020年9月30日に出願された「Split-Gate Non-volatile Memory Cells With Erase Gates Disposed Over Word Line Gates,And Method Of Making Same」と題する中国特許出願第202011060967.0号、及び2021年2月2日に出願された「Split-Gate Non-volatile Memory Cells With Erase Gates Disposed Over Word Line Gates,And Method Of Making Same」と題する米国特許出願第17/165,934号に対して優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、不揮発性メモリアレイに関し、より詳細には、スプリットゲート、メモリセル設計、及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
スプリットゲート型不揮発性メモリセル、及びかかるセルのアレイは周知である。例えば、米国特許第5,029,130号(「’130号特許」)は、スプリットゲート不揮発性メモリセルのアレイを開示し、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。そのメモリセルを図1に示す。各メモリセル110は、半導体基板112に形成されたソース領域及びドレイン領域114/116を含み、それらの間にチャネル領域118を有する。浮遊ゲート120は、チャネル領域118の第1の部分の上方に形成され、かつそこから絶縁され(並びにその伝導率を制御し)ており、更にドレイン領域116の部分の上方に形成されている。制御ゲート122は、チャネル領域118の第2の部分の上方に配設され、かつそこから絶縁され(並びにその伝導率を制御し)ている第1の部分122aと、浮遊ゲート120の上へ及び上方に延在する第2の部分122bと、を有する。浮遊ゲート120及び制御ゲート122は、ゲート酸化物126によって基板112から絶縁されている。
【0004】
メモリセルは、制御ゲート122に高い正の電圧を加えることによって消去され(そこでは、電子が浮遊ゲートから除去される)、それにより、ファウラーノルドハイムトンネリングを介して、浮遊ゲート120上の電子を、浮遊ゲート120から制御ゲート122までの中間絶縁材123を通ってトンネリングさせる。
【0005】
メモリセルは、制御ゲート122に正の電圧、及びドレイン領域116に正の電圧を加えることによってプログラムされる(そこでは、電子が、浮遊ゲートに加えられる)。電子電流は、ソース領域114からドレイン領域116に向かって流れることになる。電子は、制御ゲート122と浮遊ゲート120との間の間隙に達すると、加速して加熱されることになる。熱せられた電子のいくらかは、浮遊ゲート120からの静電引力に起因して、ゲート酸化物126を通って浮遊ゲート120に注入されることになる。
【0006】
メモリセルは、ドレイン領域116及び制御ゲート122に正の読み出し電圧を加える(これは、制御ゲートの第1の部分122a下のチャネル領域118をオンにする)ことによって読み出される。浮遊ゲート120が正に帯電する(すなわち、電子が消去され、ドレイン領域116に正に結合される)場合、浮遊ゲート120下のチャネル領域118の部分は、次に同様にオンになり、電流は、チャネル領域118を流れることになり、これは、消去された状態、又は「1」の状態として検知される。浮遊ゲート120が負に帯電する(すなわち、電子でプログラムされる)場合、浮遊ゲート120下のチャネル領域の部分は、ほとんど又は完全にオフになり、電流は、チャネル領域118を流れない(又はほとんど流れない)ことになり、これは、プログラムされた状態、又は「0」の状態として検知される。当業者には、ソース領域とドレイン領域とが置き換え可能であり得ることが理解され、その場合、浮遊ゲート120は、図2に示されるように、ドレイン領域116の代わりにソース領域114の上方に部分的に延在し得る。
【0007】
3つ以上のゲートを有するスプリットゲートメモリセルもまた既知である。例えば、米国特許第8,711,636号(「’636特許」)は、浮遊ゲートとより良好に容量結合するために、ソース領域の上方に配設され、かつそのソース領域から絶縁された追加の結合ゲートを有するメモリセルを開示している。例えば、ソース領域14の上方に配設された結合ゲート124を示す図3を参照されたい。
【0008】
米国特許第6,747,310号(「’310特許」)には、4ゲートメモリが開示されている。例えば、図4に示されるように、メモリセルは、ソース領域114、ドレイン領域116、チャネル領域118の第1の部分の上方にある浮遊ゲート120、チャネル領域118の第2の部分の上方にある選択(ワード線)ゲート128、浮遊ゲート120の上方にある制御ゲート122、及びソース領域14の上方にある消去ゲート130を有する。プログラミングは、チャネル領域118からの熱せられた電子がそれ自体を浮遊ゲート120に注入することによって示される。消去は、消去ゲート130に正の電圧(かつ任意選択的に、制御ゲート122に負の電圧)を加えることによって、浮遊ゲート120から消去ゲート130に電子がトンネルすることによって示される。しかしながら、この構成は、消去効率が消去ゲートと浮遊ゲートとの間の高い結合比によって損なわれる可能性があり、それにより、製造が複雑になる可能性があるため、理想的ではない。
【0009】
従来のメモリセル設計及び製造方法は、性能を維持又は向上させ、製造プロセスを合理化しながら、メモリセルのサイズを縮小することを困難にしている。
【発明の概要】
【0010】
前述の問題及び必要性は、メモリデバイスによって対処され、そのメモリデバイスは、第1の導電型の半導体材料の基板と、基板内に離隔されており、かつ第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1及び第2の領域であって、その基板内の第1のチャネル領域が第1の領域と第2の領域との間に延在する、第1及び第2の領域と、第2の領域に隣接した、第1のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ第1の部分から絶縁されている第1の浮遊ゲートと、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第1の浮遊ゲートから絶縁されている第1の結合ゲートと、第1の領域に隣接した、第1のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ第2の部分から絶縁されている第1のワード線ゲートと、第1のワード線ゲートの上方に配設され、かつ第1のワード線ゲートから絶縁されている第1の消去ゲートと、を含む。
【0011】
メモリセルを形成する方法は、第1の導電型を有する半導体基板に第1の絶縁層を形成するステップと、第1の絶縁層に第1の導電層を形成するステップと、第1の導電層に第2の絶縁層を形成するステップと、第2の絶縁層に第2の導電層を形成するステップと、第2の導電層に第3の絶縁層を形成するステップと、第3の絶縁層、第2の導電層、及び第2の絶縁層を通って延在するトレンチを形成するステップと、トレンチの側壁に沿って、複数の絶縁スペーサを形成するステップと、複数の絶縁スペーサの間の第1の導電層を通ってトレンチを延在させるステップと、トレンチ内に導電材料の第1のブロックを形成するステップであって、導電材料の第1のブロックは、基板の上方に垂直に配設され、かつ基板から絶縁され、第1の導電層の側面に隣接し、かつ第1の導電層から絶縁される、形成するステップと、トレンチ内の第1及び第2の消去ゲートを形成するステップであって、第1及び第2の消去ゲートは、導電材料の第1のブロックの上方に垂直に配設され、かつ導電材料の第1のブロックから絶縁される、形成するステップと、導電材料の第1のブロックの第1及び第2の部分をそれぞれの第1及び第2のワード線ゲートとして維持しながら、第1の消去ゲートと第2の消去ゲートとの間の導電材料の第1のブロックの部分を除去するステップと、第1のワード線ゲートと第2のワード線ゲートとの間の基板の部分内に第1の領域を形成し、かつ第1の導電型とは異なる第2の導電型を有するステップと、第2の導電層の第1及び第2の部分をそれぞれの第1及び第2の結合ゲートとして維持しながら、第2の導電層の部分を除去するステップと、第1の導電層の第1及び第2の部分をそれぞれの第1及び第2の浮遊ゲートとして維持しながら、第1の導電層の部分を除去するステップと、基板内に第2及び第3の領域を形成し、かつ第2の導電型を有するステップと、を含み、第2の領域は第1の浮遊ゲートに隣接し、かつ第3の領域は第2の浮遊ゲートに隣接しており、基板内の第1のチャネル領域は第1の領域と第2の領域との間に延在し、かつ基板内の第2のチャネル領域は、第1の領域と第3の領域との間に延在する。第1の浮遊ゲートは、基板の上方に配設され、かつ基板から絶縁され、第1のワード線ゲートの側面に隣接し、かつ第1のワード線ゲートから絶縁される。第2の浮遊ゲートは、基板の上方に配設され、かつ基板から絶縁され、第2のワード線ゲートの側面に隣接し、かつ第2のワード線ゲートから絶縁される。第1の結合ゲートは、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第1の浮遊ゲートから絶縁される。第2の結合ゲートは、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第2の浮遊ゲートから絶縁される。第1の消去ゲートは、第1のワード線ゲートの上方に配設され、かつ第1のワード線ゲートから絶縁される。第2の消去ゲートは、第2のワード線ゲートの上方に配設され、かつ第2のワード線ゲートから絶縁される。
【0012】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来の2ゲートメモリセルの断面図である。
図2】従来の2ゲートメモリセルの断面図である。
図3】従来の3ゲートメモリセルの断面図である。
図4】従来の4ゲートメモリセルの断面図である。
図5A】本発明による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図5B】本発明による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図5C】本発明による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図5D】本発明による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図5E】本発明による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図5F】本発明による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図6】本発明による一対のメモリセルの最終的な構造を示す側断面図である。
図7A】本発明の別の実施形態による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図7B】本発明の別の実施形態による一対のメモリセルを形成する際のステップを示す側断面図である。
図8】本発明のメモリセルのアレイを動作させるために使用される制御回路を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、スプリットゲートメモリセル設計のメモリセル設計、構成、及び製造方法である。図5A図5Fを参照すると、メモリセルを作製するためのプロセスのステップの断面図が示されている。一対のメモリセルの形成のみが図に示されているが、そのようなメモリセルのアレイを含むメモリデバイスを形成するときに、そのような複数のメモリセル対のアレイが同時に形成されることを理解されたい。このプロセスは、半導体材料(例えば、単結晶シリコン)の基板10の上面10aに第1の絶縁層12(例えば、二酸化シリコンの層であり、本明細書では、酸化物層12とも呼ばれる)を形成するステップから始まる。その後、第1の導電層14(例えば、ポリシリコン(本明細書では、「ポリ」とも呼ばれる)又はアモルファスシリコン)が、酸化物層12に形成される。第2の絶縁層16は、第1の導電層14に形成される。第2の絶縁層16は、ONO層であることが好ましく、酸化物-窒化物-酸化物の副層を有することを意味する。第2の導電層18(例えば、ポリシリコン又はアモルファスシリコン)は、第2の絶縁層16に形成される。第3の絶縁層20(例えば、本明細書では、「窒化物」と称される窒化シリコン)が、第2の導電層18に形成される。フォトレジスト材料(図示せず)が構造体にコーティングされ、フォトレジスト材料の選択された部分を露出させるフォトリソグラフィマスキングステップが行われる。フォトレジストの一部が除去されるように、フォトレジストが現像される。残ったフォトレジストをマスクとして使用して、構造体をエッチングする。具体的には、第3の絶縁層20、第2の導電層18、及び第2の絶縁層16は、(導電層14をエッチングストップとして使用して)異方性エッチングされ、第3の絶縁層20、第2の導電層18、及び第2の絶縁層16を通って延在するトレンチ22を残す。(フォトレジスト除去後)結果として得られた構造体は、図5Aに示されている。
【0022】
絶縁スペーサ24/26(例えば、それぞれ、ON(oxide and nitride)(酸化物及び窒化物))スペーサ24/26が、トレンチ22の側壁に沿って形成される。スペーサの形成は、当該技術分野において既知であり、構造体の輪郭の上方に材料を堆積させた後、異方性エッチングプロセスが行われ、その結果、この材料は、構造体の水平面からは除去され、構造体の垂直配向面においては大部分がそのまま残存する(上面が丸みを帯びた状態であるが、図示せず)。絶縁(ON)スペーサ24/26は、酸化物堆積、窒化物堆積、次いで窒化物異方性エッチング及び酸化物異方性エッチングによって形成される。次に、酸化物スペーサ28が、酸化物堆積とそれに続く酸化物異方性エッチングによってトレンチ22内に形成される。次に、異方性エッチングを行って、図5Bに示すように、酸化物スペーサ28間に位置する領域の下方の第1の導電層14の露出部分を除去し、トレンチ22を深くする。この時点で、(トレンチ22の底部の酸化物層12を通して、(以下で更に説明するように、最終的にチャネル領域のワード線部分になる)下にある基板10の部分中に)注入を行うことができる。
【0023】
次に、酸化物スペーサ30が、酸化物堆積及び異方性酸化物エッチングによって、(第1の導電層14の露出した側壁、及び隣接した酸化物スペーサ28に沿って含む)トレンチ22の側壁に沿って形成される。このスペーサ形成、特に、トレンチ22の底部の酸化物層12の部分を除去する異方性酸化物エッチングは、酸化物スペーサ30間の基板表面10aの部分を露出されたままにする。酸化物層32は、トレンチ22の底部における基板表面10aのこの露出部分に、好ましくは熱酸化によって形成される。また、酸化物層32は、酸化物層12の厚さより薄い厚さを有することが好ましい。導電材料34の第1のブロックは、材料堆積、停止層として第3の絶縁層20を使用する化学機械研磨(chemical mechanical polish、CMP)、及びエッチバックによって、トレンチ22内の酸化物層32に形成される。導電材料34の第1のブロックは、ポリシリコンで形成され、導電材料34の第1のブロックの上面は、第1の導電層14の上面より下方にあることが好ましい。導電材料34の第1のブロックは、酸化物スペーサ30によって、第1の導電層14の側面に隣接し、かつその第1の導電層から絶縁されている。ポリシリコンが導電材料34の第1のブロックに使用される場合、注入が、導電材料34の第1のブロックをドープするために行われ得る。この結果得られた構造体を図5Cに示す。
【0024】
酸化物エッチング(例えば、ウェットエッチング)を使用して、酸化物スペーサ30の上部(導電材料34の第1のブロックの上部)、及び酸化物スペーサ28の全てを除去する。次いで、ポリ層36が、酸化物堆積によって、構造体の上方に形成される。導電材料38a/38bの第2及び第3のブロックが、材料堆積及びエッチングによって、トレンチ22内の酸化物層36に形成される。導電材料38a/38bの第2及び第3のブロックは、ポリシリコン堆積及び異方性エッチングによって形成された一対の離隔されたスペーサであり、導電材料38a/38bの第2のブロックと第3のブロックとの間の酸化物層36の部分を露出されたままにすることが好ましい。酸化物エッチングを使用して、導電材料の第2のブロックと第3のブロックとの間のトレンチ22の底部の酸化物層36の露出部分を除去し(例えば、異方性エッチングによって)、導電材料の第1のブロック34の部分を露出したままにする。次いで、エッチングを使用して、導電材料34の第1のブロックの露出された(中間)部分を除去し、その結果、導電材料34の第1のブロックから残っている導電材料34a/34bの第4及び第5のブロックが得られる。この結果得られた構造体を図5Dに示す。
【0025】
次に、注入が行われて、導電材料34a/34bの第4ブロックと第5ブロックとの間の基板10内にドレイン領域40を形成する。ドレイン領域40は、ドレイン領域40の近傍の基板10とは異なる導電型を有する、基板10内の第1の領域である。フォトレジスト材料42が、この構造体にコーティングされ、フォトレジスト材料の選択された部分を露出させるフォトリソグラフィマスキングステップが行われる。フォトレジスト材料42は、フォトレジスト材料42の部分が除去されるように現像される(トレンチ22内、導電材料38a/38bの第2及び第3のブロックの上方、層36の上方、スペーサ24/26の上方、並びに導電材料38a/38bの第2及び第3のブロックに隣接した第3の絶縁層20の部分の上方のフォトレジスト材料42を除く)。図5Eに示すように、残ったフォトレジスト材料42をマスクとして使用して、構造をエッチングして、第3の絶縁層20、第2の導電層18、第2の絶縁層16、及び第1の導電層14の露出部分を除去する。次に、注入を行って、第1の導電層14の外側縁部に隣接した基板10内に第1及び第2のソース領域44a及び44bを形成する。第1及び第2のソース領域44a/44bは、ドレイン領域40と同じ導電型(すなわち、第1及び第2のソース領域44a/44bの近傍の基板10の導電型とは異なる)を有する基板内の第2及び第3の領域であり、それぞれの隣接した第1の導電層14の下に部分的に延在する。例えば、第1及び第2のソース領域44a/44b並びにドレイン領域40の近傍の基板10は、P型導電性であってもよく、第1及び第2のソース領域44a/44b並びにドレイン領域40は、N型導電性であってもよく、逆もまた同様である。フォトレジスト42を除去した後、図5Fに示すように、絶縁スペーサ48(例えば、窒化物)を構造の側面に形成することができる。
【0026】
結果として得られるメモリセルは、図6に最もよく示されており、そこでは、一対のメモリセル、すなわちメモリセル50及び52が、共通ドレイン領域40を共有して形成されている。メモリセル50の場合、第1のチャネル領域46aは、第1のソース領域44a及びドレイン領域40によって基板10内に画定され、それらの間に延在する。第1の浮遊ゲート14a(第1の導電層14から残っている材料の第1のブロック)は、第1のソース領域44aに隣接した、第1のチャネル領域46aの第1の部分(その導電性を制御するための)の上方に配設され、かつその第1の部分から絶縁されており、第1の浮遊ゲート14aは、酸化物層12のそれぞれの残りの部分によって第1のソース領域44aの上方に部分的に配設され、かつその第1のソース領域から絶縁されていることが好ましい。第1の結合ゲート18a(第2の導電層18から残っている材料の第1のブロック)は、(浮遊ゲート14aとの電圧結合のために)第2の絶縁層16のそれぞれの残りの部分によって、第1の浮遊ゲート14aの上方に配設され、かつその第1の浮遊ゲートから絶縁されている。導電材料の第4のブロック34aは、第1のワード線ゲートであり、それは、(その導電性を制御するための)第1のチャネル領域46aの第2の部分の上方に垂直に配設され、かつその第2の部分から絶縁され、酸化物スペーサ30のそれぞれの残りの部分によって、第1の浮遊ゲート14aの側面に隣接し、かつその第1の浮遊ゲートから絶縁されている。第2の導電材料ブロック38aは、第1の消去ゲートであり、それは、酸化物層36のそれぞれの残りの部分によって、第1のワード線ゲート34aの上方に垂直に配設され、かつその第1のワード線ゲートから絶縁されており、かつ、第1の結合ゲート18aの側面に隣接し、かつ酸化物層36のそれぞれの残りの部分と、絶縁スペーサ24、26との組み合わせによってその第1の結合ゲートから絶縁されている。第1の消去ゲート38aは、第1の浮遊ゲート14aの縁部14cに面するノッチ38cを含む。絶縁ブロック20a(絶縁層20から残っている材料のブロック)は、第1の結合ゲート18aの上方に配設されている。
【0027】
メモリセル52の場合、第2のチャネル領域46bは、ソース領域44b及びドレイン領域40によって基板10内に画定され、その両者の間に延在する。第2の浮遊ゲート14b(第1の導電層14から残っている材料の第2のブロック)は、ソース領域44bに隣接した、第2のチャネル領域46bの第1の部分(その導電性を制御するための)の上方に配設され、かつその第1の部分から絶縁されており、第2の浮遊ゲート14bは、酸化物層12のそれぞれの残りの部分によって第2のソース領域44bの上方に部分的に配設され、かつその第2のソース領域から絶縁されていることが好ましい。第2の結合ゲート18b(第2の導電層18から残っている材料の第2のブロック)は、(浮遊ゲート14bとの電圧結合のために)第2の絶縁層16のそれぞれの残りの部分によって第2の浮遊ゲート14bの上方に配設され、かつその第2の浮遊ゲートから絶縁されている。導電材料の第5のブロック34bは、第2のワード線ゲートであり、それは、(その導電性を制御するために)第2のチャネル領域46bの第2の部分の上方に垂直に配設され、かつその第2の部分から絶縁されており、かつ、酸化物スペーサ30のそれぞれの残りの部分によって第2の浮遊ゲート14bの側面に隣接し、かつその第2の浮遊ゲートから絶縁されている。導電材料38bの第3のブロックは、第2の消去ゲートであり、それは、酸化物層36のそれぞれの残りの部分によって第2のワード線ゲート34bの上方に垂直に配設され、かつその第2のワード線ゲートから絶縁されており、かつ、酸化物層36のそれぞれの残りの部分と、絶縁スペーサ24、26との組み合わせによって第2の結合ゲート18bの側面に隣接し、かつその第2の結合ゲートから絶縁されている。第2の消去ゲート38bは、第2の浮遊ゲート14bの縁部14cに面するノッチ38cを含む。絶縁ブロック20b(絶縁層20から残っている材料のブロック)は、第2の結合ゲート18bの上方に配設されている。
【0028】
以下の表1は、メモリセル50及び52のプログラミム、読み出し、及び消去の動作のための例示的な動作電圧を示している。
表1
【表1】
Vccは、例えば、0.9~3.3Vとすることができる。Vblrは、例えば、0.5~1.1Vとすることができる。
【0029】
プログラミングメモリセル50(すなわち、第1の浮遊ゲート14aを電子でプログラミングする)は、第1のビットの情報を記憶し、プログラミングメモリセル52(すなわち、第2の浮遊ゲート14bを電子でプログラミングする)は、第2のビットの情報を記憶する。メモリセル50をプログラムするために、4.5Vの正の電圧が第1の消去ゲート38aに印加され、1Vの正の電圧が第1のワード線ゲート34aに印加され、10.5Vの正の電圧が第1の結合ゲート18aに印加され、4.5Vの正の電圧が第1のソース領域44aに印加され、-1μAの電流がドレイン領域40に供給される。電子は、ドレイン領域40から第1のチャネル領域46a内の第1のソース領域44aに向かって移動し、第1の結合ゲート18aによって第1の浮遊ゲート14aに容量結合された正の電圧のために、電子自体を第1の浮遊ゲート14aに注入する。メモリセル52は、表1の電圧及び電流の組み合わせを用いて、同様にプログラムされる。
【0030】
メモリセル50を消去する(すなわち、第1の浮遊ゲート14aから電子を除去することによってその浮遊ゲートを消去する)ために、11.5Vの正の電圧が第1の消去ゲート38aに印加され、それによって、電子が絶縁層36を通って第1の浮遊ゲート14aから第1の消去ゲート38aにトンネルする。メモリセル52は、11.5Vの正の電圧を第2の消去ゲート38bに印加することによって、同様に消去される。縁部14cに面するノッチ38aは、このトンネリングの効率を高める。
【0031】
メモリセル50を読み出す(すなわち、その上の電子の状態を判定することによって第1の浮遊ゲート14aを読み出す)ために、Vccの正の電圧(例えば、0.9~3.3V)が、第1のワード線ゲート34a及び第1の結合ゲート18aに印加され、Vblrの正の電圧(例えば、0.5~1.1V)が、ドレイン領域40に印加される。メモリセル50が消去されている(すなわち、第1の浮遊ゲート14aが、消去状態にあり、したがって、消去後の第1の浮遊ゲート14a上の正の電荷、及びワード線ゲート34aからの小電圧結合のために正の電圧を有することになり、したがって、第1の浮遊ゲート14aの下の第1のチャネル領域46aの部分がオンになる)場合、電流は、第1のチャネル領域46aを通って流れることになる。電流は、消去状態として検知される。第1の浮遊ゲート14aがプログラムされている(すなわち、浮遊ゲート14aの下の第1のチャネル領域46aの部分がオンになるのを防止するのに十分な電子でプログラムされている)場合、第1のチャネル領域46aを通る電流は、減少するか、又は流れないであろう。低電流又はゼロ電流は、プログラムされた状態として検知される。メモリセル52は、表1の電圧の組み合わせを使用して同様に読み出される。
【0032】
メモリセル50及び52の形成、並びに結果として生じる構造は、多くの利点を有する。第1及び第2のワード線ゲート34a/34bの下の絶縁材(すなわち、酸化物層32)は、特に高速用途のためのより高い性能のために、第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bの下の絶縁材(すなわち、酸化物層12)よりはるかに薄くすることができる。第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bと、第1及び第2の消去ゲート38a/38bとの間の絶縁材(すなわち、酸化物層36)は、第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bと、第1及び第2のワード線ゲート34a/34bとの間の絶縁材(すなわち、酸化物スペーサ30)より薄くすることができる。第1及び第2の消去ゲート38a/38bと、第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bとの間の電圧結合比が比較的低いため(第1及び第2の消去ゲート38a/38b(ノッチ38cを有する)の角領域のみが第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bの角領域(縁部14cを有する)に近接しているため)、消去性能が向上する。構造を画定するのに必要なフォトリソグラフィマスキングステップは、2つだけであり、1つは、トレンチ22を形成するためのものであり、1つは、導電層18及び14をエッチングして、第1及び第2の結合ゲート18a/18b、並びに第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bの形成を完了するためのものである。ワード線ゲート34a/38b、並びに第1及び第2の消去ゲート38a/38bは、両方とも、第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bに自己整合される。この自己整合は、第1及び第2のチャネル領域46a/46bの長さにわたって、より良好な制御を提供する。最後に、第1及び第2結合ゲート18a/18bを第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bの上方にそれぞれ配設し、第1及び第2の消去ゲート38a/38bを第1及び第2のワード線ゲート34a/34bの上方にそれぞれ配設することによって、メモリセル50/52をより小型のサイズに縮小することができる。
【0033】
図7A図7Bは、メモリセル50/52を形成するための別の実施形態を示しており、これは、図5Aの構造体から始まる。酸化物スペーサ28の形成が省略されていることを除いて、図5Bに関して説明された上記の処理ステップが行われ、図7Aに示される構造が得られる。次に、図5C図5Fに関して上述した残りの処理ステップが行われ(酸化物スペーサ28は、形成されなかったため除去されないことを除く)、図7Bに示す最終構造が得られる。この最終構造と、図6の構造との主な違いは、ノッチが消去ゲートに形成されていないことである。代わりに、窒化物スペーサ26は、第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bの側部と位置合わせされ、これは、第1及び第2の消去ゲート38a/38bが形成されるとき、トレンチ22の側壁が平坦であることを意味する。第1及び第2の消去ゲート38a/38bにおけるノッチの欠如が消去効率を低減する可能性があるとしても、メモリセル50/52は、ノッチが形成される場合よりサイズを縮小することができ、ノッチの欠如は、第1及び第2の消去ゲート38a/38bと、第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bとの間の容量結合を低減することになる。
【0034】
図8に示すように)同じ基板10に形成されていることが好ましい(ただし、必ずしもそうではない)制御回路96は、上述のように、表1の電圧を印加することによって、本明細書に記載のメモリセル50又は52のアレイ98をプログラムし、読み出し、かつ消去するように構成されている。
【0035】
本発明は、上で説明され、本明細書において図示した実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、特許請求の範囲又は特許請求項の用語の限定を意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、特許請求及び明細書を見てわかるように、すべての方法のステップを例示又は請求した正確な順序で行う必要はなく、むしろ任意の順序で本発明のメモリセルの適切な形成が可能である。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0036】
本明細書で使用される、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語はともに、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板にその要素を形成することも含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7A
図7B
図8