(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】二価白金錯体
(51)【国際特許分類】
C07F 15/00 20060101AFI20241029BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20241029BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
C07F15/00 F CSP
C09K11/06 660
C07D401/14
(21)【出願番号】P 2023535593
(86)(22)【出願日】2021-10-24
(86)【国際出願番号】 CN2021125931
(87)【国際公開番号】W WO2022134822
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】202011618074.3
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011516978.5
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515177907
【氏名又は名称】広東阿格蕾雅光電材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】呉 信▲尉▼
(72)【発明者】
【氏名】李 慧楊
(72)【発明者】
【氏名】沈 文淵
(72)【発明者】
【氏名】檀 笑風
(72)【発明者】
【氏名】戴 雷
(72)【発明者】
【氏名】蔡 麗菲
【審査官】▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-535945(JP,A)
【文献】特開2018-002722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される構造を有する二価白金錯体であって
式中、R
1~R
24におけるR
1~R
6のうちの一つのサイトは、R
7~R
10のうちの一つのサイトにC-C結合で接続し、
残りのサイト及びA
0は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、1~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルキル基、3~20個の環炭素原子を有する置換若しくは非置換シクロアルキル基、1~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換ヘテロアルキル基、7~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アラルキル基、1~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルコキシ基、6~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アリ-ルオキシ基、2~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルケニル基、6~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アリ-ル基、3~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換ヘテロアリ-ル基、3~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルキルシリル基、6~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アリ-ルシリル基、0~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アミノ基、アシル基、
カルボン酸、エステル基、シアノ基、
スルフィニル基、スルホニル基、及びホスフィノ基のうちから選択されるか、または、隣接する位置にあるR
1~R
24が、互いに共有結合により環に接続され、
Arは、1~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルキル基、3~20個の環炭素原子を有する置換若しくは非置換シクロアルキル基、1~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換ヘテロアルキル基、7~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アラルキル基、1~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルコキシ基、6~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アリ-ルオキシ基、2~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルケニル基、6~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アリ-ル基、3~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換ヘテロアリ-ル基、3~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アルキルシリル基、及び6~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アリ-ルシリル基のうちから選択され、
前記ヘテロアルキル基またはヘテロアリ-ル基中のヘテロ原子は、N、S、またはOであり、
前記置換は、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノまたはC1~C4アルキルによる置換である、
ことを特徴とする二価白金錯体。
【請求項2】
R
1~R
24におけるR
1~R
6のうちの一つのサイトは、R
7~R
10のうちの一つのサイトにC-C結合で接続し、残りのサイト及びA
0は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、1~10個のC原子を含むアルコキシ基、シアノ基、スチリル基、アリ-ルオキシ基、ジアリ-ルアミン基、1~10個のC原子を含む飽和アルキル基、2~8個のC原子を含む不飽和アルキル基、5~20個のC原子を含む置換若しくは非置換のアリ-ル基、及び5~20個のC原子を含む置換若しくは非置換のヘテロアリ-ル基のうちから選択されるか、または、隣接する位置に存在するR
1~R
24が、互いに共有結合により環に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の二価白金錯体。
【請求項3】
Arは、6~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換ニ環式アリ-ル誘導体またはニ環式ヘテロアリ-ル誘導体、及び3~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換多環式アリ-ル誘導体または多環式ヘテロアリ-ル誘導体から選択される、
ことを特徴とする請求項2に記載の二価白金錯体。
【請求項4】
R
1~R
24におけるR
1~R
6の一つのサイトは、R
7~R
10の一つのサイトにC-C結合で接続し、残りのサイトにおいて、R
17、及びR
19はC1-C4基であり、その他が何れも水素であり、且つ、A
0は、水素である、
ことを特徴とする請求項3に記載の二価白金錯体。
【請求項5】
Arは、5~30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換アリ-ル基、ヘテロアリ-ル基、及びベンゾヘテロアリ-ル基のうちから選択される、
ことを特徴とする請求項4に記載の二価白金錯体。
【請求項6】
R
17、及びR
19はイソブチル基であり、Arは、置換若しくは非置換フェニル基、5員若しくは6員ヘテロアリ-ル基、及びベンゾヘテロアリ-ル基のうちから選択され、前記ヘテロアリ-ル基中のヘテロ原子は、N、又はOであり、前記置換は、重水素、ハロゲンまたはC1~C4アルキル基による置換である、
ことを特徴とする請求項5に記載の二価白金錯体。
【請求項7】
以下のいずれかの構造を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の二価白金錯体。
【請求項8】
以下の式(II)で示される構造を有する請求項1~7の何れか1項に記載の二価白金錯体の前駆体であって、
式中、R
1~R
24、A
0、及びArは上記の通りである、
ことを特徴とする二価白金錯体の前駆体。
【請求項9】
OLEDにおける発光層の燐光ド-パント材料としての、請求項1~7の何れか1項に記載の二価白金錯体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OLED材料の分野に関し、特に、カルバゾ-ル含有の二価白金錯体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオ-ド(Organic Light-Emitting Diode、OLED)は、自発光、広い視野角、ほぼ無限に高いコントラスト、低い消費電力、極めて速い反応速度、及び潜在的な可撓性、折畳み可能性などの利点を有し、近20年間で広く注目・研究される。1979年に中国系アメリカ人としてのトウ青雲(Ching W.Tang)教授によって研究室で発見されてから、有機金属錯体がその強いスピン軌道結合(SOC)によりシリ-ズ交差(ISC)及び長寿命の燐光減衰を達成できることは、さらに、1998年にS.R.Forrestらによって発見された。研究によると、燐光材料は、発光中に一重項及び三重項励起子のエネルギ-を十分に利用して錯体の発光効率を向上させることにより、OLEDにおいて理論的に100%に達する内部量子効率を達成できる。特に、Ir(I)錯体は、多く研究され、現在業界で広く用いられる発光材料である。しかしながら、希土類金属Irは高価であり、かつ汚染が厳しく、大量生産におけるそれらの使用が阻害される。したがって、安価な金属錯体の開発が望ましい。金属白金錯体は、その平面性による優れた材料安定性、高い構造修飾可能性、及びイリジウムよりも安価である金属価格のため、近年、科学研究業界から多く注目され、工業化プロセスも成熟してゆく。それでも、工業界では、簡単的、高効率的、及び寿命の長い発光材料が切実に必要とする。ONCN四座配位子の白金錯体分子は、合成ステップが簡単であり、多くの修飾可能なサイトを有し、改善の余地が極めて大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する上記問題に対して、燐光材料の重原子効果を向上させることにより発光中に一重項及び三重項励起子に対するエネルギ-の利用率を向上させることができる官能基含有のONCN四座配位子の白金錯体の発光材料を提供する。官能基は、相違サイトの接続により材料の熱安定性を改善し、該種類の材料のさらなる工業化の可能性を提供する。
この白金錯体は、有機発光ダイオ-ドに使用される場合に、優れた熱安定性、光電性能、及び素子寿命が表される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような二価白金錯体は、構造式が式(I)に示され、
【0005】
R1~R24におけるR1~R6の一つのサイトは、R7~R10の一つのサイトにC-C結合で接続され、残りのサイト及びA0は、個別的に、水素、重水素、ハロゲン、1~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル、3~20個の環炭素原子を有する置換または非置換シクロアルキル、1~20個の炭素原子を有する置換または非置換ヘテロアルキル、7~30個の炭素原子を有する置換または非置換アラルキル、1~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルコキシ、6~30個の炭素原子を有する置換または非置換アリ-ルオキシ、2~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルケニル、6~30個の炭素原子を有する置換または非置換アリ-ル、3~20個の炭素原子を有する置換または非置換ヘテロアリ-ル、3~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルキルシリル、6~20個の炭素原子を有する置換または非置換アリ-ルシリル、0~20個の炭素原子を有する置換または非置換アミノ、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、シアノ、チオ、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノから選択され、あるいは、隣接するR1~R24は、互いに共有結合により環に接続され、
【0006】
Arは、1~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル、3~20個の環炭素原子を有する置換または非置換シクロアルキル、1~20個の炭素原子を有する置換または非置換ヘテロアルキル、7~30個の炭素原子を有する置換または非置換アラルキル、1~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルコキシ、6~30個の炭素原子を有する置換または非置換アリ-ルオキシ、2~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルケニル、6~30個の炭素原子を有する置換または非置換アリ-ル、3~20個の炭素原子を有する置換または非置換ヘテロアリ-ル、3~20個の炭素原子を有する置換または非置換アルキルシリル、6~20個の炭素原子を有する置換または非置換アリ-ルシリルから選択され、
前記ヘテロアルキルまたはヘテロアリ-ルにおけるヘテロ原子は、N、S、Oであり、
前記置換とは、重水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノまたはC1~C4アルキルにより置換えられることを意味する。
【0007】
好ましくは、R1~R24におけるR1~R6の一つのサイトは、R7~R10の一つのサイトにC-C結合で接続され、残りのサイト及びA0は、個別的に、水素、重水素、ハロゲン、1~10個のC原子を含むアルコキシ、シアノ、スチリル、アリ-ルオキシ、ジアリ-ルアミン、1~10個のC原子を含む飽和アルキル、2~8個のC原子を含む不飽和アルキル、5~20個のC原子を含む置換または非置換のアリ-ル、5~20個のC原子を含む置換または非置換のヘテロアリ-ル、あるいは、隣接するR1~R24は、互いに共有結合により環に接続される。
【0008】
Arは、6~30個の炭素原子を有する置換または非置換ニ環式アリ-ル誘導体またはニ環式ヘテロアリ-ル誘導体、3~30個の炭素原子を有する置換または非置換多環式アリ-ル誘導体または多環式ヘテロアリ-ル誘導体から選択される。
さらに好ましくは、
【0009】
R1~R6の一つのサイトは、R7~R10の一つのサイトにC-C結合で接続され、R1~R24の残りのサイトにおいては、R17、R19がC1-C4基であり、その他が何れも水素であり、且つ、A0は、水素である。
Arは、5~30個の炭素原子を有する置換または非置換アリ-ル、ヘテロアリ-ル、及びベンゾヘテロアリ-ルから選択される。
【0010】
好ましくは、R17、R19はイソブチルであり、Arは、置換または非置換フェニル、5員または6員ヘテロアリ-ル、ベンゾヘテロアリ-ルから選択され、前記ヘテロアリ-ルにおけるヘテロ原子は、N、Oであり、前記置換とは、重水素、ハロゲンまたはC1~C4アルキルにより置換えられることを意味する。
【0011】
本発明に係る白金金属錯体は、以下のように挙げられるが、挙げられる構造に限定されない。
【0012】
【0013】
上記錯体の前駆体は、構造が下式(II)に示され、
ただし、R
1~R
24、A
0、Arは上記の通りである。
発光層の燐光ド-パント材料としての本発明に係る二価白金錯体のOLEDにおける使用。
本発明は、構造設計により、材料の安定性、素子効率、及び使用寿命を向上させる。
このような化合物は、合成ステップが簡単であり、成熟した工程を容易に備える。
このような構造は、多くの修飾可能なサイトを有し、含まれるカルバゾ-ル基の立体障害の増加により、分子間の凝集作用を効果的に低減することができる。
このような化合物は、官能基が相違サイトで接続されることにより、分子の空間配置、色純度、及び発光効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る二価白金錯体は、明るい緑色の発射波長を有し、OLED有機エレクトロルミネッセンス材料の分野に適用されることができる。本発明は、構造設計により、燐光材料の重原子効果を向上させ、スピン結合を強化し、T1-S0の効率的な変換を達成することができ、その結果、効率的な発光効率が得られる。また、ONCN四座配位子の白金錯体分子は、合成ステップが簡単であり、配位が容易であるなどの利点を有し、また、多くの修飾可能なサイトを有し、PL発光波長及び熱安定性の調整が可能である。含まれるカルバゾ-ル基の立体障害の増加によっては、分子間の凝集作用を効果的に低減して励起錯体の形成を回避し、色純度及び発光効率をさらに向上させることができる。
本発明に係る有機金属錯体は、蛍光量子効率が高く、熱安定性が優れ、消光定数が低く、発光効率の高い緑色OLED素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに限定する。
以下に用いられる原材料は、何れも市販品である。
実施例1:
構造1の化合物の合成(1a、CN110872325Aを参照し、1dが注文品である。)
中間体1cの合成
【0017】
2Lの三口フラスコを取り、1a(60.0g、101mmol)、1b(30.0g、202mmol)、Pd(PPh3)4(5.90g、5mmol)、NaOH(8.2mg、202mmol)及びジオキサン/水(1.2L/240ml)を投入し、窒素保護で、55℃で12h攪拌・反応させる。反応終了後、まず、回転により大部の溶媒を分離させ、水を投入し、DCMで2回抽出し、シリカゲルと混合して回転により乾燥させてから、カラムに装入し、(Hex:EA=10:1)で洗浄する。58gの白色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0018】
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.69(s,1H),8.61(d,J=5.3Hz,1H),8.23(d,J=7.8Hz,1H),8.12-8.01(m,3H),7.91(d,J=1.4Hz,1H),7.85(d,J=1.7Hz,1H),7.62(s,1H),7.55(s,3H),7.47-7.39(m,1H),7.30-7.26(m,1H),7.16(s,1H),7.06(d,J=8.1Hz,1H),3.92(s,3H),1.41(s,18H).
中間体1eの合成
【0019】
250mlの一口フラスコを取り、1c(8.0g、19.9mmol)、1d(6.14g、21.4mmol)、Pd132(0.303g、0.42mmol)、K2CO3(5.9g、42.7mmol)、及びTHF/水(80ml/16ml)を投入し、窒素保護で、70℃で12h反応させる。反応終了後、まず、大部の溶媒を回転により分離させ、水を投入し、EAで2回抽出し、シリカゲルと混合して回転により乾燥させてからカラムに装入し、(Hex:EA=6:1)で洗浄する。9.7gの白色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0020】
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.76(d,J=4.1Hz,2H),8.34-8.23(m,2H),8.20(d,J=7.8Hz,1H),8.13(d,J=7.8Hz,1H),8.10-8.01(m,3H),7.96(s,1H),7.73-7.55(m,10H),7.55-7.38(m,5H),7.34(t,J=6.4Hz,1H),7.15(t,J=7.5Hz,1H),7.07(d,J=8.2Hz,1H),3.93(s,3H),1.44(s,18H).
中間体1fの合成
【0021】
500mlの一口フラスコを取り、1e(8.5g、11.06mmol)、ピリジン塩酸塩(90g)、及び9mLのo-ジクロロベンゼンを投入し、窒素保護で、200℃で6h反応させる。反応終了後、ジクロロメタンで2回抽出し、シリカゲルと混合し、回転により乾燥させてからカラムに装入し、(Hex:EA=6:1)で洗浄する。得られた粗生成物は、メタノ-ルでスラリ-を作る。8.3gの淡黄色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0022】
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.74(d,J=4.8Hz,1H),8.64(s,1H),8.25(d,J=8.1Hz,1H),8.17(dd,J=12.1,8.0Hz,2H),8.07(t,J=9.5Hz,3H),7.95(d,J=8.1Hz,1H),7.92(d,J=1.1Hz,1H),7.73-7.64(m,3H),7.64-7.57(m,5H),7.56-7.50(m,3H),7.50-7.39(m,3H),7.39-7.28(m,2H),7.12-7.04(m,1H),6.97(t,J=7.0Hz,1H),1.43(s,18H).
最終生成物構造1に示す化合物の合成
【0023】
500mlの一口フラスコを取り、1f(2.0g、2.65mmol)、K2PtCl4(1.32g、3.18mmol)、TBAB(85mg、0.265mmol)、及び酢酸(200mL)を投入し、窒素保護で、130℃で48h反応させる。反応終了後、過剰の脱イオン水を投入して固体を沈殿させ、吸引濾過し、ジクロロメタンで固体を溶解し、シリカゲルと混合して回転により乾燥させてからカラムに装入し、(DCM)で洗浄する。1.6gの黄色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0024】
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ8.89(d,J=5.9Hz,1H),8.21-8.01(m,3H),7.88(d,J=7.7Hz,1H),7.74-7.47(m,12H),7.47-7.34(m,3H),7.34-7.28(m,3H),7.24(d,J=5.6Hz,2H),7.07(t,J=7.5Hz,1H),6.52(t,J=7.4Hz,1H),1.45(s,18H).
実施例2:構造26の化合物の合成(26aが注文品である。)
中間体26bの合成
【0025】
250mlの一口フラスコを取り、1c(8.0g、19.9mmol)、26a(8.5g、21.4mmol)、Pd132(0.303g、0.42mmol)、K2CO3(5.9g、42.7mmol)、及びTHF/水(80ml/16ml)を投入し、窒素保護で、70℃で12h反応させる。反応終了後、まず、大部の溶媒を回転により分離させ、水を投入し、EAで2回抽出し、シリカゲルと混合して回転により乾燥させてからカラムに装入し、(Hex:EA=6:1)で洗浄する。11.08gの白色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0026】
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ8.67(d,J=4.5Hz,1H),8.22-8.17(m,3H),8.17-8.08(m,3H),7.95-7.86(m,4H),7.72(dd,J=6.8,2.4Hz,1H),7.69-7.59(m,2H),7.53-7.27(m,10H),7.15(ddd,J=8.7,7.5,1.2Hz,1H),6.90(dd,J=7.7,1.2Hz,1H),3.90(s,3H),1.35(s,36H).
中間体26cの合成
【0027】
500mlの一口フラスコを取り、26b(9.74g、11.06mmol)、ピリジン塩酸塩(90g)、及び9mLのo-ジクロロベンゼンを投入し、窒素保護で、200℃で6h反応させる。反応終了後、ジクロロメタンで2回抽出し、シリカゲルと混合して回転により乾燥させてからカラムに装入し、(Hex:EA=6:1)で洗浄する。得られた粗生成物は、メタノ-ルでスラリ-を作る。8.3gの淡黄色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0028】
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ9.18-9.11(m,1H),8.26-8.09(m,5H),7.94(dd,J=8.2,1.2Hz,1H),7.74(d,J=2.1Hz,1H),7.68-7.62(m,3H),7.60-7.52(m,2H),7.51-7.44(m,3H),7.40-7.26(m,9H),7.17(d,J=6.7Hz,2H),7.09(ddd,J=8.4,7.5,1.2Hz,1H),1.36(d,J=2.9Hz,38H).
最終生成物構造26に示す化合物の合成
【0029】
500mlの一口フラスコを取り、26c(2.3g、2.65mmol)、K2PtCl4(1.32g、3.18mmol)、TBAB(85mg、0.265mmol)、及び酢酸(200mL)を投入し、窒素保護で、130℃で48h反応させる。反応終了後、過剰の脱イオン水を投入して固体を沈殿させ、吸引濾過し、ジクロロメタンで固体を溶解し、シリカゲルと混合して回転により乾燥させてからカラムに装入し、(DCM)で洗浄する。1.8gの黄色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0030】
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.89(d,J=5.9Hz,1H),8.21-8.01(m,3H),7.88(d,J=7.7Hz,1H),7.74-7.47(m,12H),7.47-7.34(m,3H),7.34-7.28(m,3H),7.24(d,J=5.6Hz,2H),7.07(t,J=7.5Hz,1H),6.52(t,J=7.4Hz,1H),1.45(s,18H).
【0031】
実施例3:構造36の化合物の合成(36aが注文品である。)
中間体36cの合成
【0032】
乾燥した500mlの二首フラスコにおける36a(14.7g、50mmol)に、36b(11.8g、50mmol)、トルエン(120mL)、エタノ-ル(60mL)、及び2mol/Lの炭酸カリウム溶液(60mL)を投入し、まず、5~10分間超音波処理し、また、窒素を5分間急速に攪拌し、触媒テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.8g、1.5mmol)を急速に投入し、大量の窒素を10分間輸送する。100℃までに加熱し、12時間攪拌し、処理時に、まず抽出し、回転乾燥し、石油エ-テル及びジクロロメタンでカラムクロマトグラフィ-を行い、14.5gの収率が90%である白い固体生成物が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0033】
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ9.54(s,1H),8.37(dd,J=4.0,2.2Hz,1H),8.17-8.10(m,2H),7.94(dd,J=7.5,2.2Hz,1H),7.56(s,1H),7.55-7.48(m,2H),7.46(dd,J=7.5,3.9Hz,1H),7.34(td,J=7.4,1.3Hz,1H),7.28-7.19(m,1H).
中間体36dの合成
【0034】
乾燥した500mlの二首フラスコにおける36c(14.5g、50mmol)に、1a(28.7g、50mmol)、トルエン(120mL)、エタノ-ル(60mL)、及び2mol/Lの炭酸カリウム溶液(60mL)を投入し、まず、5~10分間超音波処理し、また、窒素を5分間急速に攪拌し、触媒テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.8g、1.5mmol)を急速に投入し、大量の窒素を10分間輸送する。100℃までに加熱し、12時間攪拌し、処理時に、まず抽出し、回転乾燥し、石油エ-テル及びジクロロメタンでカラムクロマトグラフィ-を行い、10.2gの収率が78%である白い固体生成物が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0035】
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ9.54(s,1H),8.71(dd,J=4.1,2.2Hz,1H),8.19(t,J=2.0Hz,1H),8.17-8.08(m,2H),8.02(dd,J=1.9,0.7Hz,1H),7.96-7.87(m,4H),7.80(ddd,J=8.5,1.9,1.2Hz,1H),7.67(t,J=8.6Hz,1H),7.57(d,J=8.3Hz,1H),7.54-7.48(m,2H),7.47-7.32(m,7H),7.24(ddd,J=7.9,7.3,1.6Hz,1H),7.15(ddd,J=8.7,7.5,1.2Hz,1H),6.90(dd,J=7.7,1.2Hz,1H),3.90(s,3H),1.35(s,18H).
中間体36fの合成
【0036】
250mlの三口フラスコに、36d(5.0g、1.0eq)、36e(5.7g、3.0eq)、Cu(230mg、0.5eq)、CuI(688mg、0.5eq)、1,10-フェナントロリン(1.30g、1.0eq)、及び炭酸セシウム(7.06g、3.0eq)を投入し、100mlの無水キシレンを反応溶媒とし、窒素保護で、160℃のオイルバス温度で3d反応させた後、室温まで冷却し、反応溶液に対して、EAを溶離液として無機塩類を直接に濾去した後、シリカゲルと混合してカラムクロマトグラフィ-(クロマトグラフィ-溶液hex:EA=8:1)を行い、3.9gの黄色蛍光生成物スポットが集めて得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ8.71(dd,J=4.1,2.2Hz,1H),8.24(dd,J=1.9,0.7Hz,1H),8.22-8.08(m,5H),8.02(ddt,J=8.9,1.3,0.5Hz,1H),7.97-7.85(m,5H),7.84-7.77(m,2H),7.71-7.62(m,4H),7.59-7.53(m,1H),7.53-7.27(m,13H),7.15(ddd,J=8.7,7.5,1.2Hz,1H),6.90(dd,J=7.7,1.2Hz,1H),3.90(s,3H),1.35(s,18H).
中間体36gの合成
【0037】
100mlの一口フラスコに、36f(3.15g)、ピリジン塩酸塩(30.0g)、及びo-ジクロロベンゼン(3.0ml)を投入し、窒素保護で、200℃のオイルバス温度で8h反応させた後に室温まで冷却する。大量の水で溶解してDCMで3回抽出し、有機相を回転乾燥し、シリカゲルと混合し、カラムクロマトグラフィ-(クロマトグラフィ-溶液hex:EA=10:1)を行い、2.8gの淡黄色の生成物が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ8.71(dd,J=4.1,2.2Hz,1H),8.24(dd,J=1.9,0.7Hz,1H),8.21-8.08(m,5H),8.06-7.97(m,2H),7.97-7.77(m,6H),7.71-7.62(m,4H),7.59-7.53(m,1H),7.53-7.44(m,5H),7.44-7.20(m,8H),7.03-6.94(m,2H),1.35(s,18H).
最終生成物構造36に示す化合物の合成
【0038】
250mlの一口フラスコを取り、36g(105mg、0.124mmol)、K2PtCl4(70mg、0.167mmol)、18-クラウン6エ-テル(6mg、0.012mmol)、及び酢酸(5mL)を投入し、窒素保護で、130℃で48h反応させる。反応終了後、過剰の脱イオン水を投入して固体を沈殿させ、吸引濾過し、ジクロロメタンで固体を溶解し、回転により溶媒を分離させ、シリカゲルと混合してからカラムに装入し、(Hex:DCM:EA=20:20:1)で洗浄する。カラムを通過させた後、製品をジクロロメタン:n-ヘキサン=1:4で再結晶させる。85mgの赤色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ8.84(dd,J=5.4,2.3Hz,1H),8.21(d,J=1.8Hz,1H),8.17-7.99(m,5H),7.94(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.81(t,J=1.2Hz,1H),7.76-7.62(m,6H),7.58-7.43(m,12H),7.42-7.26(m,8H),7.25-7.15(m,2H),7.09(ddd,J=8.5,7.5,1.2Hz,1H),1.35(s,18H).
【0039】
実施例4:構造53の化合物の合成(53aが注文品である。)
中間体53cの合成:
【0040】
乾燥した500mlの二首フラスコにおける53a(14.7g、50mmol)に、53b(11.8g、50mmol)、トルエン(120mL)、エタノ-ル(60mL)、及び2mol/Lの炭酸カリウム溶液(60mL)を投入し、まず、5~10分間超音波処理し、また、窒素を5分間急速に攪拌し、触媒テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.8g、1.5mmol)を急速に投入し、大量の窒素を10分間輸送する。100℃までに加熱し、12時間攪拌し、処理時に、まず抽出し、回転により溶媒を分離させ、石油エ-テル及びジクロロメタンでカラムクロマトグラフィ-を行い、14.5gの収率が90%である白い固体生成物が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0041】
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ9.72(s,1H),8.37(dd,J=4.0,2.2Hz,1H),8.19-8.13(m,1H),8.13-8.06(m,1H),7.91(dd,J=7.4,2.3Hz,1H),7.83(d,J=1.9Hz,1H),7.71(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),7.55-7.42(m,2H),7.34(td,J=7.4,1.3Hz,1H),7.24(ddd,J=7.9,7.3,1.6Hz,1H).
中間体53dの合成
【0042】
乾燥した500mlの二首フラスコにおける53c(14.5g、50mmol)に、1a(28.7g、50mmol)、トルエン(120mL)、エタノ-ル(60mL)、及び2mol/Lの炭酸カリウム溶液(60mL)を投入し、まず、5~10分間超音波処理し、また、窒素を5分間急速に攪拌し、触媒テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.8g、1.5mmol)を急速に投入し、大量の窒素を10分間輸送する。100℃までに加熱し、12時間攪拌し、処理時に、まず抽出し、回転により溶媒を分離させ、石油エ-テル及びジクロロメタンでカラムクロマトグラフィ-を行い、10.2gの収率が78%である白い固体生成物が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、
【0043】
1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ9.72(s,1H),8.71(dd,J=4.1,2.2Hz,1H),8.22-8.06(m,5H),7.97-7.86(m,5H),7.84-7.74(m,2H),7.71-7.60(m,2H),7.55-7.47(m,2H),7.45-7.30(m,6H),7.24(ddd,J=7.9,7.3,1.6Hz,1H),7.15(ddd,J=8.7,7.5,1.2Hz,1H),6.90(dd,J=7.7,1.2Hz,1H),3.90(s,3H),1.35(s,18H).
中間体53fの合成
【0044】
250mlの三口フラスコに、53d(5.0g、1.0eq)、53e(7.0g、3.0eq)、Cu(230mg、0.5eq)、CuI(688mg、0.5eq)、1,10-フェナントロリン(1.30g、1.0eq)、及び炭酸セシウム(7.06g、3.0eq)を投入し、100mlの無水キシレンを反応溶媒とし、窒素保護で、160℃のオイルバス温度で3d反応させた後、室温まで冷却し、反応溶液に対して、EAを溶離液として無機塩類を直接に濾去した後、シリカゲルと混合してカラムクロマトグラフィ-(クロマトグラフィ-溶液hex:EA=8:1)を行い、4.1gの黄色蛍光生成物スポットが集めて得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ8.71(dd,J=4.1,2.2Hz,1H),8.40-8.28(m,5H),8.28-8.16(m,3H),8.11(d,J=2.2Hz,1H),7.97-7.85(m,5H),7.85-7.77(m,4H),7.67(t,J=8.5Hz,1H),7.57-7.35(m,14H),7.31(ddd,J=7.9,7.2,1.6Hz,1H),7.15(ddd,J=8.7,7.5,1.2Hz,1H),6.90(dd,J=7.7,1.2Hz,1H),3.90(s,3H),1.35(s,18H).
中間体53gの合成
【0045】
100mlの一口フラスコに、53f(3.40g)、ピリジン塩酸塩(30.0g)、及びo-ジクロロベンゼン(3.0ml)を投入し、窒素保護で、200℃のオイルバス温度で8h反応させた後に室温まで冷却する。大量の水で溶解してDCMで3回抽出し、有機相を回転により溶媒を分離させ、シリカゲルと混合し、カラムクロマトグラフィ-(クロマトグラフィ-溶液hex:EA=10:1)を行い、2.9gの淡黄色の生成物が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ8.71(dd,J=4.1,2.2Hz,1H),8.40-8.28(m,5H),8.28-8.16(m,4H),8.11(d,J=2.2Hz,1H),7.99(dd,J=8.7,1.2Hz,1H),7.96-7.73(m,8H),7.67(t,J=8.5Hz,1H),7.56-7.37(m,13H),7.36-7.20(m,2H),7.03-6.94(m,2H),1.35(s,18H).
最終生成物構造53に示す化合物の合成
【0046】
250mlの一口フラスコを取り、53g(115mg、0.124mmol)、K2PtCl4(70mg、0.167mmol)、18-クラウン6エ-テル(6mg、0.012mmol)、及び酢酸(5mL)を投入し、窒素保護で、130℃で48h反応させる。反応終了後、過剰の脱イオン水を投入して固体を沈殿させ、吸引濾過し、ジクロロメタンで固体を溶解し、回転乾燥し、シリカゲルと混合してカラム(Hex:DCM:EA=20:20:1)を通過させる。カラムを通過させた後、製品をジクロロメタン:n-ヘキサン=1:4で再結晶させる。85mgの赤色固体が得られる。水素スペクトルデ-タは以下の通りであり、1HNMR(400MHz,Chloroform-d)δ8.84(dd,J=6.0,1.8Hz,1H),8.40-8.28(m,5H),8.28-8.18(m,2H),8.15-8.10(m,1H),8.04-7.99(m,1H),7.94(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.80-7.61(m,7H),7.59-7.42(m,13H),7.39-7.26(m,5H),7.25-7.15(m,2H),7.09(ddd,J=8.5,7.5,1.2Hz,1H),1.35(s,18H).
【0047】
【0048】
以下は、本発明に係る化合物の使用例である。
素子の作製方法:
まず、透明導電性ITOガラス基板10(その上にアノ-ド20が付かられる。)を、洗剤溶液、脱イオン水、エタノ-ル、アセトン、及び脱イオン水で順に洗浄し、そして、酸素プラズマで300秒間処理する。
次に、厚さが3nmであるHATCNを空穴注入層30としてITO上に蒸着する。
次に、化合物TAPCを蒸着して厚さが50nmである空穴輸送層40を形成する。
次に、厚さが7nmであるゲスト錯体(9%)とホストTCTA(91%)を発光層60として空穴輸送層上に蒸着する。
次に、厚さが3nmであるゲスト錯体(9%)とホストTCTA(91%)を発光層60として空穴輸送層上に蒸着する。
次に、厚さが50nmであるTmPyPbを空穴阻止層70として発光層上に蒸着する。
最後に、電子注入層80として0.8nmのLiFを蒸着し、素子のカソ-ド80として100nmのAlを蒸着する。
素子の構造は、
図1に示される。
素子で用いられる化合物の構造式は以下の通りである。
【0049】
素子の結果:
20mA/cm2の電流密度での比較例1及び比較例2における有機エレクトロルミネッセンス素子の素子性能は、表1に挙げられる。
【0050】
【0051】
本発明に係る有機金属錯体は、高い量子効率を維持するとともに素子の駆動電圧をわずかに低下させ、発光効率を向上させる。しかし、比較例のLT95と比べると、実施例に係る素子の寿命が質的に明らかに向上される。この一連の素子のデ-タから分かるように、このような二価白金錯体を燐光発光配位子材料とすると、発光効率が高いOLED素子を製造でき、且つ、非常に長い寿命を達成できる。
【0052】
上記の様々な実施形態は例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するわけではない。本発明における複数の材料及び構造は、その精神から逸脱せずに他の材料及び構造により置換えられてもよい。当業者が創造的な労力付かせずに本発明の思想に基づいて多く修正や変更できることは、理解すべきである。したがって、当業者が従来技術に基づく分析、推論または部分的研究により得る技術方案は、いずれも本願に限定された保護範囲内にある。