IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマハ発動機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-部品実装システム 図1
  • 特許-部品実装システム 図2
  • 特許-部品実装システム 図3
  • 特許-部品実装システム 図4
  • 特許-部品実装システム 図5
  • 特許-部品実装システム 図6
  • 特許-部品実装システム 図7
  • 特許-部品実装システム 図8
  • 特許-部品実装システム 図9
  • 特許-部品実装システム 図10
  • 特許-部品実装システム 図11
  • 特許-部品実装システム 図12
  • 特許-部品実装システム 図13
  • 特許-部品実装システム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023539494
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 JP2021029169
(87)【国際公開番号】W WO2023012981
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004303
【氏名又は名称】弁理士法人三協国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀和
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-077644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を少なくとも含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、
前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識し、当該吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報を出力する吸着状態認識部と、を含み、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記吸着エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記吸着エラーの発生数に関するエラー数データと、前記吸着エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
前記要素選択指令として前記各生産要素から複数の生産要素を選択する指令が前記操作部を介して入力された場合、複数の生産要素にそれぞれ対応した前記データセット群の各々が、複数の生産要素ごとに区分された状態で同時に表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項2】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態を検査する検査装置とを含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含み、
前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合に搭載エラー情報を出力するように構成され、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記搭載エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記搭載エラーの発生数に関するエラー数データと、前記搭載エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
前記要素選択指令として前記各生産要素から複数の生産要素を選択する指令が前記操作部を介して入力された場合、複数の生産要素にそれぞれ対応した前記データセット群の各々が、複数の生産要素ごとに区分された状態で同時に表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、複数の生産要素にそれぞれ対応した前記データセット群の各々が前記表示部に同時に表示された状態で、複数の生産要素の各々に設定された複数の前記生産要素情報の中から一の生産要素情報を選択する指令が前記操作部を介して入力された場合、当該一の生産要素情報に関連した前記エラーデータセットのみが表示されるように、前記表示部を制御する、請求項1又は2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を少なくとも含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、
前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識し、当該吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報を出力する吸着状態認識部と、を含み、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記吸着エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記吸着エラーの発生数に関するエラー数データと、前記吸着エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に設定された複数の前記生産要素情報を絞り込むための絞り込み条件を設定する指令が前記操作部を介して入力された場合、複数の前記生産要素情報のうち前記絞り込み条件を満たす生産要素情報に関連付けられた特定の前記エラーデータセットによって構成される前記データセット群が表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項5】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態を検査する検査装置とを含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含み、
前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合に搭載エラー情報を出力するように構成され、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記搭載エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記搭載エラーの発生数に関するエラー数データと、前記搭載エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に設定された複数の前記生産要素情報を絞り込むための絞り込み条件を設定する指令が前記操作部を介して入力された場合、複数の前記生産要素情報のうち前記絞り込み条件を満たす生産要素情報に関連付けられた特定の前記エラーデータセットによって構成される前記データセット群が表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項6】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を少なくとも含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、
前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識し、当該吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報を出力する吸着状態認識部と、を含み、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記吸着エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記吸着エラーの発生数に関するエラー数データと、前記吸着エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
複数の前記生産要素情報に関連付けられた前記データセット群が前記表示部に表示された状態で、複数の前記生産要素情報のうちの一の生産要素情報に関連付けられたデータの時間的な推移を表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記一の生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データの時間的な推移を示すエラー数推移グラフと、前記エラー損失額データの時間的な推移を示すエラー損失額推移グラフとが表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項7】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態を検査する検査装置とを含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含み、
前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合に搭載エラー情報を出力するように構成され、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記搭載エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記搭載エラーの発生数に関するエラー数データと、前記搭載エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
複数の前記生産要素情報に関連付けられた前記データセット群が前記表示部に表示された状態で、複数の前記生産要素情報のうちの一の生産要素情報に関連付けられたデータの時間的な推移を表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記一の生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データの時間的な推移を示すエラー数推移グラフと、前記エラー損失額データの時間的な推移を示すエラー損失額推移グラフとが表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記データセット群を構成する複数の前記エラーデータセットが、前記部品の損失金額の順に並んで表示されるように、前記表示部を制御する、請求項~7のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記データセット群を構成する複数の前記エラーデータセットが、エラーの発生数の順に並んで表示されるように、前記表示部を制御する、請求項~7のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項10】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態を検査する検査装置とを含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含み、
前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合に搭載エラー情報を出力するように構成され、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記搭載エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記搭載エラーの発生数に関するエラー数データと、前記搭載エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記記憶部は、前記検査装置における検査エラーに伴って前記部品搭載基板ごと廃棄された部品を示す廃棄部品が存在する場合、当該廃棄部品を特定するための検査エラー情報が付加された前記管理データを蓄積して記憶するように構成され、
前記データ生成部は、前記管理データに前記検査エラー情報が付加されている場合には、前記廃棄部品の損失金額に関する検査エラー損失額データを前記検査エラー情報に関連付けて生成するように構成され、
前記表示制御部は、
前記搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
前記廃棄部品に関するデータを表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記検査エラー損失額データが表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項11】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を少なくとも含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、
前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識し、当該吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報を出力する吸着状態認識部と、を含み、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記吸着エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記吸着エラーの発生数に関するエラー数データと、前記吸着エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記データ生成部は、エラーの種類を示すエラー種ごとに区分して前記エラー損失額データを生成するように構成され、
前記表示制御部は、
前記吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
エラー種ごとのデータを表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記エラー損失額データがエラー種ごとに区分された状態で表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項12】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態を検査する検査装置とを含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含み、
前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合に搭載エラー情報を出力するように構成され、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記搭載エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記搭載エラーの発生数に関するエラー数データと、前記搭載エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記データ生成部は、エラーの種類を示すエラー種ごとに区分して前記エラー損失額データを生成するように構成され、
前記表示制御部は、
前記搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
エラー種ごとのデータを表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記エラー損失額データがエラー種ごとに区分された状態で表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項13】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を少なくとも含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記部品実装ラインは、複数の実装ラインによって構成され、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、
前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識し、当該吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報を出力する吸着状態認識部と、を含み、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記吸着エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記吸着エラーの発生数に関するエラー数データと、前記吸着エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
前記複数の実装ラインごとの前記データセット群を表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記複数の実装ラインにそれぞれ対応した前記データセット群の各々が、前記複数の実装ラインごとに個別に設定された表示領域に同時に表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【請求項14】
部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態を検査する検査装置とを含む部品実装ラインと、
前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備え、
前記部品実装ラインは、複数の実装ラインによって構成され、
前記実装機は、
前記部品を供給するフィーダーと、
前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含み、
前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合に搭載エラー情報を出力するように構成され、
前記管理装置は、
前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記搭載エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、
前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記搭載エラーの発生数に関するエラー数データと、前記搭載エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、
各種データを表示可能に構成される表示部と、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、
前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、
前記搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御し、
前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御し、
前記複数の実装ラインごとの前記データセット群を表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記複数の実装ラインにそれぞれ対応した前記データセット群の各々が、前記複数の実装ラインごとに個別に設定された表示領域に同時に表示されるように、前記表示部を制御する、部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装機を含む部品実装ラインを備えた部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板等の基板上に電子部品(以下、単に「部品」という)を搭載して部品搭載基板を得る実装機を含む部品実装ラインを備えた部品実装システムが知られている。この種の部品実装システムにおいて実装機は、部品を供給するフィーダーと、フィーダーにより供給された部品を吸着する吸着ノズルを有し、部品を基板に搭載する搭載ヘッドと、を備える。
【0003】
実装機では、吸着ノズルによる部品の吸着状態が異常な状態となり、吸着エラーが発生する場合がある。このような部品の吸着エラーが発生すると、基板に対する部品の的確な搭載が不能になる虞がある。基板に対する部品の的確な搭載が不能になると、実装機によって生産される部品搭載基板の品質に影響を与える。このため、吸着エラーが発生した場合には、当該吸着エラーに対応した部品を廃棄する処置を取る場合がある。この場合、廃棄される部品の金額分が、部品搭載基板の生産における損失金額となる。
【0004】
特許文献1には、吸着エラーの発生によって生じる部品の損失金額に基づいて、実装機における部品搭載基板の生産を管理する技術が開示されている。特許文献1に開示される技術では、吸着エラーの発生数に関する吸着エラー数データと、吸着エラーの発生によって生じる部品の損失金額に関する吸着エラー損失額データとが、表示装置に表示される。
【0005】
特許文献1に開示される技術では、吸着エラー数データと吸着エラー損失額データとが表示されるに過ぎない。このため、表示装置の表示内容を確認しても、オペレーターは、実装機の吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因を特定することは困難である。このため、オペレーターは、吸着エラーを解消するための対策を講じることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-77644号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、実装機の吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能な部品実装システムを提供することである。
【0008】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を少なくとも含む部品実装ラインと、前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備える。前記実装機は、前記部品を供給するフィーダーと、前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識し、当該吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報を出力する吸着状態認識部と、を含む。前記管理装置は、前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記吸着エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記吸着エラーの発生数に関するエラー数データと、前記吸着エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、各種データを表示可能に構成される表示部と、前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含む。前記表示制御部は、前記吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御する。
【0009】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る部品実装システムの全体構成を示す図である。
図2】部品実装システムに備えられる実装機のブロック図である。
図3】実装機における実装機本体の構成を示す平面図である。
図4】実装機本体のヘッドユニットの部分を拡大して示す図である。
図5】部品実装システムに備えられる管理装置のブロック図である。
図6】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、吸着エラーデータセットのデータセット群が表示された状態を示す図である。
図7】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、搭載エラーデータセットのデータセット群が表示された状態を示す図である。
図8】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、複数の生産要素にそれぞれ対応したデータセット群の各々が同時に表示された状態を示す図である。
図9】表示部に表示されたデータセット群を構成するデータの連動状態を示す図である。
図10】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、表示の絞り込み条件を設定する指令が操作部を介して入力された場合の表示状態を示す図である。
図11】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、エラー損失額推移グラフとエラー数推移グラフとが表示された状態を示す図である。
図12】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、検査エラー損失額データが表示された状態を示す図である。
図13】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、エラー種ごとのデータを表示させる指令が操作部を介して入力された場合の表示状態を示す図である。
図14】管理装置における表示部の表示画面を示す図であって、複数の実装ラインごとのデータを表示させる指令が操作部を介して入力された場合の表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示されるように、本実施形態に係る部品実装システム100は、部品実装ライン10と管理装置14とを備えている。
【0013】
部品実装ライン10は、部品が搭載された部品搭載基板PPAを生産する実装機12を少なくとも含む複数の実装ライン11によって構成される。部品実装ライン10を構成する各実装ライン11では、複数の実装機12と検査装置13とが直線状に並ぶように連結されている。管理装置14は、実装機12における部品搭載基板PPAの生産を管理するための装置である。管理装置14は、実装機12及び検査装置13とデータ通信可能に接続されている。
【0014】
実装機12について、図1に加えて図2~4を参照しながら説明する。なお、図3では、水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて方向関係が示されている。実装機12は、半田ペーストのパターンが形成された基板PP上に電子部品(以下、「部品」と称する)が搭載された部品搭載基板PPAを生産するための装置である。
【0015】
実装機12は、実装機本体2と、実装制御部4と、実装通信部40と、実装記憶部40Mとを備える。実装機本体2は、部品搭載基板PPAの生産時において、基板PPに部品を搭載する部品搭載処理等を行う構造部分を構成する。実装通信部40は、管理装置14とデータ通信を行うためのインターフェースであり、各種のデータ及び情報を管理装置14に向けて出力する機能を有する。実装制御部4は、実装記憶部40Mに記憶された基板データDDに従って実装機本体2の部品搭載処理等を制御するとともに、実装通信部40のデータ通信を制御する。
【0016】
実装機本体2は、本体フレーム21と、コンベア23と、部品供給ユニット24と、ヘッドユニット25と、基板支持ユニット28とを備える。
【0017】
本体フレーム21は、実装機本体2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PPをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送される基板PPは、所定の作業位置(基板PP上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持ユニット28によって位置決めされるようになっている。基板支持ユニット28は、基板PPを下方側から支持することによって、当該基板PPをコンベア23上において位置決めする。なお、図3では、基板PPを搬送するレーンとなるコンベア23が1台であるシングルレーン型の基板搬送機構が例示されているが、コンベア23が2台となるデュアルレーン型の基板搬送機構としてもよい。
【0018】
部品供給ユニット24は、本体フレーム21におけるY軸方向の両端部のそれぞれの領域部分に、コンベア23を挟んで配置される。部品供給ユニット24は、本体フレーム21において、フィーダー24Fが複数並設された状態で装着される領域であって、後述のヘッドユニット25に備えられる搭載ヘッド251による保持対象の部品24P毎に、各フィーダー24Fのセット位置が区画されている。フィーダー24Fは、部品供給ユニット24に着脱自在に装着される。フィーダー24Fは、部品を供給する部品供給処理を行う装置である。フィーダー24Fは、複数の部品24Pを保持し、その保持した部品24Pをフィーダー内に設定された所定の部品供給位置に供給できるものであれば特に限定されず、例えばテープフィーダーである。テープフィーダーは、部品24Pを所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回されたリールを備え、そのリールから部品収納テープを送出することにより、部品24Pを供給するように構成されたフィーダーである。
【0019】
ヘッドユニット25は、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y軸方向に延びる固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。また、移動フレーム27には、X軸方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。そして、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX軸方向に移動するようになっている。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24と基板支持ユニット28に支持された基板PPとの間で移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24と基板PPとの間で移動することにより、部品24Pを基板PPに搭載する部品搭載処理を実行する。
【0020】
図4に示されるように、ヘッドユニット25は、複数の搭載ヘッド251を備えている。各搭載ヘッド251は、その先端(下端)に装着された吸着ノズル2511を有する。吸着ノズル2511は、フィーダー24Fにより供給された部品24Pの吸着保持が可能なノズルである。吸着ノズル2511は、部品24Pを吸着する部品吸着処理を行う。吸着ノズル2511は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル2511に負圧が供給されることで当該吸着ノズル2511による部品24Pの吸着保持が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品24Pの吸着保持が解除される。各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511により吸着保持された部品24Pを基板PPに搭載する部品搭載処理を、基板PPに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して行う。各搭載ヘッド251は、基板PPに対する部品搭載処理を行うことにより、部品搭載基板PPAを得る。
【0021】
各搭載ヘッド251は、ヘッドユニット25のフレームに対してZ軸方向(鉛直方向)に昇降可能であるとともに、Z軸方向に延びるヘッド軸回りの回転が可能とされている。各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511による部品24Pの吸着保持が可能な吸着可能位置と、吸着可能位置に対して上方側の退避位置との間で、Z軸方向に沿って昇降可能である。つまり、吸着ノズル2511によって部品24Pを吸着保持するときには、各搭載ヘッド251は、退避位置から吸着可能位置へ向かって下降し、当該吸着可能位置において部品24Pを吸着保持する。一方、部品24Pの吸着保持後の各搭載ヘッド251は、吸着可能位置から退避位置へ向かって上昇する。更に、各搭載ヘッド251は、吸着ノズル2511によって吸着保持された部品24Pを基板PP上の予め定められた目標搭載位置に搭載することが可能な搭載可能位置と、前記退避位置との間で、Z軸方向に沿って昇降可能である。
【0022】
図2及び図3に示されるように、実装機本体2は、実装撮像部3を更に備える。実装撮像部3は、撮像対象を撮像する撮像動作を行って撮像画像を取得する。実装撮像部3は、第1撮像部31と、第2撮像部32と、第3撮像部33とを含む。
【0023】
第1撮像部31は、本体フレーム21上において部品供給ユニット24とコンベア23との間に設置され、例えばCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)やCCD(Charged-coupled device)等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第1撮像部31は、各搭載ヘッド251が前記部品搭載処理を実行しているときに、部品供給ユニット24から基板支持ユニット28により支持された基板PPへ向かってヘッドユニット25が移動している間において、各搭載ヘッド251の吸着ノズル2511によって吸着保持された部品24Pを、下方側から撮像して吸着処理画像を取得する。吸着処理画像は、吸着ノズル2511による部品吸着処理の処理状態を示す画像である。吸着処理画像は、部品吸着処理の処理状態として、例えば、吸着ノズル2511に吸着された部品24Pの姿勢、吸着ノズル2511に対する部品24Pの吸着位置のずれ量などを確認することが可能な画像である。吸着処理画像は、後記の実装制御部4に入力され、吸着状態認識部46による吸着ノズル2511に対する部品24Pの吸着状態の認識処理の際に参照される。
【0024】
第2撮像部32は、ヘッドユニット25に配置され、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第2撮像部32は、フィーダー24Fに設定された部品供給位置の直上に吸着ノズル2511が位置するようにヘッドユニット25が配置された状態で、フィーダー24Fの部品供給位置を斜め上方から撮像する。具体的には、第2撮像部32は、吸着ノズル2511が吸着動作を行う前に、フィーダー24Fにより部品供給位置に供給された部品24Pを斜め上方から撮像して第1供給処理画像を取得する。更に、第2撮像部32は、フィーダー24Fにより部品供給位置に供給された部品24Pに対して吸着ノズル2511が吸着動作を行っている最中の部品供給位置の状態を撮像して、第2供給処理画像を取得する。また、第2撮像部32は、吸着ノズル2511による吸着動作の終了後における部品供給位置の状態を撮像して、第3供給処理画像を取得する。第1供給処理画像は、フィーダー24Fの部品供給位置に供給された部品24Pの姿勢を確認することが可能な画像である。第2供給処理画像及び第3供給処理画像は、部品供給位置に供給された部品24Pの吸着ノズル2511による吸着時の姿勢を確認することが可能な画像である。第1~第3供給処理画像は、実装制御部4に入力され、吸着状態認識部46による吸着ノズル2511に対する部品24Pの吸着状態の認識処理の際に参照される。
【0025】
また、第2撮像部32は、部品を吸着保持した吸着ノズル2511が基板PPに設定された目標搭載位置の直上に位置するようにヘッドユニット25が配置された状態で、目標搭載位置を斜め上方から撮像する。具体的には、第2撮像部32は、搭載ヘッド251が吸着ノズル2511により吸着された部品24Pを基板PPに搭載する前に、基板PP上の目標搭載位置を斜め上方から撮像して第1搭載処理画像を取得する。更に、第2撮像部32は、搭載ヘッド251による部品搭載動作の終了後における目標搭載位置の状態を撮像して、第2搭載処理画像を取得する。第1搭載処理画像及び第2搭載処理画像は、搭載ヘッド251による部品搭載処理の処理状態を示す画像である。第1搭載処理画像及び第2搭載処理画像は、部品搭載処理の処理状態として、例えば、基板PP上の目標搭載位置に搭載された部品24Pの姿勢などを確認することが可能な画像である。
【0026】
第3撮像部33は、ヘッドユニット25に配置され、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えた撮像カメラである。第3撮像部33は、各搭載ヘッド251が部品搭載処理を実行しているときに、基板支持ユニット28により支持された基板PPの上面に付設されている各種マークを認識するために、当該マークを上方側から撮像する。第3撮像部33による基板PP上のマークの認識によって、基板PPの原点座標に対する位置ずれ量が検知される。
【0027】
実装記憶部40Mは、実装制御部4によって参照される基板データDDを記憶する。基板データDDは、実装制御部4による実装機本体2の部品搭載処理等の制御に必要な複数の生産要素情報D1と、目標吸着位置情報DAPと、目標搭載位置情報DPPとによって構成されるデータである。
【0028】
生産要素情報D1は、実装機12における部品搭載基板PPAの生産に用いられる部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511、及び搭載ヘッド251の何れかで示される各生産要素PFをそれぞれ特定するための情報である。本実施形態では、生産要素情報D1は、部品情報D11と、フィーダー情報D12と、ノズル情報D13と、ヘッド情報D14とを含む。
【0029】
部品情報D11は、生産要素PFのうちの部品24Pを特定するための情報である。部品情報D11には、部品24Pを特定するための情報として、部品24Pに固有の部品名、部品24Pの種類を示す部品種、部品24Pの外形寸法などの情報が登録されている。フィーダー情報D12は、生産要素PFのうちのフィーダー24Fを特定するための情報である。フィーダー情報D12には、フィーダー24Fを特定するための情報として、フィーダー24Fの種類、フィーダー24Fの部品供給ユニット24におけるセット位置などの情報が登録されている。ノズル情報D13は、生産要素PFのうちの吸着ノズル2511を特定するための情報である。ノズル情報D13には、吸着ノズル2511を特定するための情報として、吸着ノズル2511の種類、吸着ノズル2511の識別子などの情報が登録されている。ヘッド情報D14は、生産要素PFのうちの搭載ヘッド251を特定するための情報である。ヘッド情報D14には、搭載ヘッド251を特定するための情報として、搭載ヘッド251の番号などの情報が登録されている。
【0030】
目標吸着位置情報DAPは、吸着ノズル2511による部品24Pの吸着時における目標の吸着位置(目標吸着位置)が登録された情報である。目標吸着位置情報DAPには、吸着ノズル2511に対する部品24Pの目標吸着位置のX軸方向及びY軸方向の各座標が登録されている。目標吸着位置は、通常、部品24Pの被吸着面上の中心位置に設定される。目標搭載位置情報DPPは、基板PPに設定された部品24Pの目標搭載位置が登録された情報である。目標搭載位置情報DPPには、基板PP上における目標搭載位置のX軸方向及びY軸方向の各座標が登録されている。
【0031】
実装制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。実装制御部4は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、実装機本体2の各構成要素の動作を制御するとともに、実装通信部40のデータ通信動作を制御し、更には各種演算処理を実行する。実装制御部4は、実装記憶部40Mに記憶された基板データDDに従って実装機本体2の各構成要素の動作を制御する。図2に示されるように、実装制御部4は、主たる機能構成として、通信制御部41と、基板搬送制御部42と、部品供給制御部43と、ヘッド制御部44と、撮像制御部45と、吸着状態認識部46とを含む。
【0032】
通信制御部41は、実装通信部40を制御することにより、実装機12と管理装置14との間のデータ通信を制御する。通信制御部41によって制御された実装通信部40は、後記の吸着状態認識部46によって出力される吸着エラー情報D2と、実装記憶部40Mに記憶された基板データDDに含まれる生産要素情報D1と、を管理装置14に送る。なお、実装通信部40を介して管理装置14に送られる生産要素情報D1は、部品情報D11、フィーダー情報D12、ノズル情報D13、及びヘッド情報D14によって構成されている。
【0033】
詳細については後述するが、吸着エラー情報D2は、吸着ノズル2511による部品吸着処理において部品24Pの吸着状態に異常を示す吸着エラーが発生した場合に、吸着状態認識部46から出力されるデータである。吸着ノズル2511による1回の部品吸着処理の実行時においては、複数の部品24Pの中から1つの部品24Pが使用され、複数のフィーダー24Fの中から1つのフィーダー24Fが使用され、複数の吸着ノズル2511の中から1つの吸着ノズル2511が使用され、複数の搭載ヘッド251の中から1つの搭載ヘッド251が使用される。つまり、吸着ノズル2511による部品吸着処理ごとに、部品搭載基板PPAの生産に用いられる生産要素PFを構成する部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511、及び搭載ヘッド251が一義的に決まる。このため、生産要素PFを特定するための生産要素情報D1と、吸着状態認識部46から出力される吸着エラー情報D2とは、吸着ノズル2511による部品吸着処理ごとに互いに関連付けられた情報となる。
【0034】
基板搬送制御部42は、コンベア23による基板PPの搬送動作を制御する。部品供給制御部43は、基板データDDの部品情報D11及びフィーダー情報D12に従って、部品供給ユニット24に配列された複数のフィーダー24Fの各々の部品供給処理を制御する。ヘッド制御部44は、基板データDDの部品情報D11、ノズル情報D13、ヘッド情報D14、目標吸着位置情報DAP、及び目標搭載位置情報DPPに従って、ヘッドユニット25を制御することにより吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251を制御する。これにより、ヘッド制御部44は、基板PPに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して、吸着ノズル2511による部品吸着処理を実行させるとともに、搭載ヘッド251による部品搭載処理を実行させる。撮像制御部45は、実装撮像部3を構成する第1撮像部31、第2撮像部32及び第3撮像部33による撮像動作を制御する。
【0035】
吸着状態認識部46は、第1撮像部31によって取得された吸着処理画像、及び、第2撮像部32によって取得された第1~第3供給処理画像に基づいて、吸着ノズル2511による部品24Pの吸着状態を認識する。そして、吸着状態認識部46は、吸着ノズル2511による部品24Pの吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報D2を出力する。
【0036】
具体的には、吸着状態認識部46は、吸着処理画像に基づいて、吸着ノズル2511に部品24Pが吸着されているか否かを認識する。吸着ノズル2511に部品24Pが吸着されていない場合には、吸着状態認識部46は、吸着ノズル2511からの部品24Pの落下を示す部品落下の吸着エラーが発生したと認識し、部品落下エラーの情報が付加された吸着エラー情報D2を出力する。一方、吸着ノズル2511に部品24Pが吸着されている場合には、吸着状態認識部46は、吸着処理画像に基づいて、吸着ノズル2511による部品24Pの実際の吸着位置を示す実吸着位置を認識する。目標吸着位置情報DAPで示される目標吸着位置に対して実吸着位置が許容範囲を超えてずれていた場合には、吸着状態認識部46は、吸着位置ずれの吸着エラーが発生したと認識し、吸着位置ずれエラーの情報が付加された吸着エラー情報D2を出力する。
【0037】
また、吸着状態認識部46は、第1~第3供給処理画像に基づいて、吸着ノズル2511により吸着保持されている部品24Pの姿勢を認識する。吸着ノズル2511により吸着保持されている部品24Pの姿勢が異常な姿勢を取っている場合には、吸着状態認識部46は、部品姿勢の吸着エラーが発生したと認識し、部品姿勢エラーの情報が付加された吸着エラー情報D2を出力する。
【0038】
上記の通り、吸着ノズル2511による部品吸着処理において吸着エラーが発生した場合、吸着状態認識部46は、部品落下エラー、吸着位置ずれエラー及び部品姿勢エラーなどの吸着エラーの種類を示す吸着エラー種の情報が付加された吸着エラー情報D2を出力する。吸着状態認識部46から出力された吸着エラー情報D2は、生産要素情報D1を構成する部品情報D11、フィーダー情報D12、ノズル情報D13及びヘッド情報D14と関連付けられた状態で、実装通信部40を介して管理装置14に送られる。
【0039】
図1に戻って、実装機12により生産された部品搭載基板PPAは、検査装置13に搬入される。検査装置13は、部品搭載基板PPAにおける部品24Pの搭載状態を検査するための装置である。検査装置13は、部品搭載基板PPA上の半田を溶融させた後に硬化させるリフロー処理の前の部品搭載基板PPAを検査対象としてもよいし、リフロー処理の後の部品搭載基板PPAを検査対象としてもよい。
【0040】
検査装置13は、部品搭載基板PPA上における部品24Pの搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合、搭載エラー情報D3を出力する。
【0041】
具体的には、検査装置13は、部品搭載基板PPA上における部品24Pの姿勢、部品24Pの搭載位置のずれ量などを検査する。部品搭載基板PPA上における部品24Pの姿勢が異常な姿勢を取っている場合には、検査装置13は、部品姿勢の搭載エラーが発生したと認識し、部品姿勢エラーの情報が付加された搭載エラー情報D3を出力する。目標搭載位置情報DPPで示される目標搭載位置に対して部品24Pの搭載位置のずれ量が許容範囲を超えていた場合には、検査装置13は、搭載位置ずれの搭載エラーが発生したと認識し、搭載位置ずれエラーの情報が付加された搭載エラー情報D3を出力する。
【0042】
また、検査装置13は、部品搭載基板PPAのコプラナリティ、部品搭載基板PPA上における部品24Pのリードのピッチ、リード幅及びリード本数などを検査する。部品搭載基板PPAのコプラナリティとは、部品24Pのリードや半田ボールなどの接触点と基板表面との間の最大ギャップを指標とした部品搭載基板PPAの平坦度を示す。前記最大ギャップが許容範囲を超えていた場合には、検査装置13は、部品搭載基板PPAのコプラナリティの搭載エラーが発生したと認識し、コプラナリティエラーの情報が付加された搭載エラー情報D3を出力する。部品搭載基板PPA上における部品24Pのリードピッチが許容範囲を超えていた場合には、検査装置13は、部品24Pのリードピッチの搭載エラーが発生したと認識し、リードピッチエラーの情報が付加された搭載エラー情報D3を出力する。部品搭載基板PPA上における部品24Pのリード幅が許容範囲を超えていた場合には、検査装置13は、部品24Pのリード幅の搭載エラーが発生したと認識し、リード幅エラーの情報が付加された搭載エラー情報D3を出力する。部品搭載基板PPA上における部品24Pのリード本数が異常値を示す場合には、検査装置13は、部品24Pのリード本数の搭載エラーが発生したと認識し、リード本数エラーの情報が付加された搭載エラー情報D3を出力する。
【0043】
上記の通り、部品搭載基板PPA上における部品24Pの搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合、検査装置13は、部品姿勢エラー、搭載位置ずれエラー、コプラナリティエラー、リードピッチエラー、リード幅エラー、及びリード本数エラーなどの搭載エラーの種類を示す搭載エラー種の情報が付加された搭載エラー情報D3を出力する。検査装置13から出力された搭載エラー情報D3は、管理装置14に送られる。
【0044】
また、検査装置13から搭載エラー情報D3が出力された場合、搭載エラーの対象の部品24Pを新たな部品と交換することが可能であれば、オペレーターは、搭載エラーの対象の部品24Pを廃棄するとともに、新たな部品に交換して部品搭載基板PPAを修理する作業を行う。一方、搭載エラーの対象の部品24Pを新たな部品に交換することが不可能な場合、オペレーターは、部品搭載基板PPAを廃棄する。この場合、部品搭載基板PPA上の全ての部品24Pが廃棄されることになる。このように、検査装置13における検査エラーに伴って部品搭載基板PPAごと廃棄される部品を示す廃棄部品が存在する場合、オペレーターは、当該廃棄部品を特定するための検査エラー情報D4を検査装置13に入力する。オペレーターの操作によって検査エラー情報D4が検査装置13に入力された場合、検査装置13は、当該検査エラー情報D4を管理装置14に送る。
【0045】
管理装置14は、実装機12における部品搭載基板PPAの生産を管理するための装置である。管理装置14は、実装機12及び検査装置13とデータ通信可能に接続され、例えばマイクロコンピュータによって構成される。管理装置14には、実装機12からの生産要素情報D1及び吸着エラー情報D2が入力されるとともに、検査装置13からの搭載エラー情報D3及び検査エラー情報D4が入力される。管理装置14は、オペレーターによって操作される。
【0046】
管理装置14の構成について、図5のブロック図を参照しながら説明する。管理装置14は、管理通信部141と、表示部142と、操作部143と、管理記憶部144と、管理制御部1645とを備える。
【0047】
管理通信部141は、実装機12及び検査装置13とデータ通信を行うためのインターフェースである。管理通信部141は、生産要素情報D1及び吸着エラー情報D2を実装機12から取得するとともに、搭載エラー情報D3及び検査エラー情報D4を検査装置13から取得する。
【0048】
管理記憶部144は、管理通信部141により取得された各種情報を蓄積して記憶する。管理記憶部144は、実装機12における部品搭載基板PPAの生産に用いられた生産要素PFを特定するための生産要素情報D1と、吸着エラー情報D2と、搭載エラー情報D3とを関連付けた管理データDMを、吸着ノズル2511による部品吸着処理ごとに蓄積して記憶する。また、検査装置13から送られた検査エラー情報D4を管理通信部141が取得した場合、管理記憶部144は、当該検査エラー情報D4が付加された管理データDMを蓄積して記憶するように構成されている。
【0049】
表示部142は、各種データを表示可能に構成される。表示部142は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成される。操作部143は、キーボード、マウス、または、表示部142に設けられたタッチパネル等によって構成される。操作部1643は、オペレーターによる表示部142の表示形態に関する各種指令の入力操作を受け付ける。
【0050】
管理制御部145は、主たる機能構成として、通信制御部1451と、データ生成部1452と、表示制御部1453とを含む。
【0051】
通信制御部1451は、管理通信部141を制御することにより、管理装置14と実装機12との間のデータ通信を制御するとともに、管理装置14と検査装置13との間のデータ通信を制御する。
【0052】
データ生成部1452は、管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に基づいて、吸着処理回数データDPと、吸着エラー数データDE1と、吸着エラー損失額データDE2とを、生産要素情報D1を構成する部品情報D11、フィーダー情報D12、ノズル情報D13及びヘッド情報D14のそれぞれに関連付けて生成する。
【0053】
吸着処理回数データDPは、実装機12による部品搭載基板PPAの所定期間内での生産において、吸着ノズル2511が部品吸着処理を行った回数に相当するデータである。前記所定期間は、操作部143に対する入力操作によって指定することができる。例えば、部品情報D11に関連付けられる吸着処理回数データDPは、前記所定期間内において、部品情報D11で特定される部品24Pを対象に吸着ノズル2511が部品吸着処理を行った回数を示すデータとなる。同様に、フィーダー情報D12に関連付けられる吸着処理回数データDPは、前記所定期間内において、フィーダー情報D12で特定されるフィーダー24Fによって供給された部品24Pを対象に吸着ノズル2511が部品吸着処理を行った回数を示すデータとなる。また、ノズル情報D13に関連付けられる吸着処理回数データDPは、前記所定期間内において、ノズル情報D13で特定される吸着ノズル2511が部品吸着処理を行った回数を示すデータとなる。また、ヘッド情報D14に関連付けられる吸着処理回数データDPは、前記所定期間内において、ヘッド情報D14で特定される搭載ヘッド251に装着された吸着ノズル2511が部品吸着処理を行った回数を示すデータとなる。
【0054】
データ生成部1452は、前記所定期間において管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に含まれる各生産要素情報D1の数に基づいて、各生産要素情報D1に対応した吸着処理回数データDPをそれぞれ生成する。
【0055】
吸着エラー数データDE1は、実装機12による部品搭載基板PPAの前記所定期間内での生産における、吸着エラーの発生数に相当するデータである。例えば、部品情報D11に関連付けられる吸着エラー数データDE1は、前記所定期間内において、部品情報D11で特定される部品24Pに対応して発生した吸着エラーの発生数を示すデータとなる。同様に、フィーダー情報D12に関連付けられる吸着エラー数データDE1は、前記所定期間内において、フィーダー情報D12で特定されるフィーダー24Fに対応して発生した吸着エラーの発生数を示すデータとなる。また、ノズル情報D13に関連付けられる吸着エラー数データDE1は、前記所定期間内において、ノズル情報D13で特定される吸着ノズル2511に対応して発生した吸着エラーの発生数を示すデータとなる。また、ヘッド情報D14に関連付けられる吸着エラー数データDE1は、前記所定期間内において、ヘッド情報D14で特定される搭載ヘッド251に対応して発生した吸着エラーの発生数を示すデータとなる。
【0056】
データ生成部1452は、前記所定期間において管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に含まれる吸着エラー情報D2の数に基づいて、各生産要素情報D1に対応した吸着エラー数データDE1をそれぞれ生成する。
【0057】
吸着エラー損失額データDE2は、実装機12による部品搭載基板PPAの前記所定期間内での生産における、吸着エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額に相当するデータである。例えば、部品情報D11に関連付けられる吸着エラー損失額データDE2は、前記所定期間内において、部品情報D11で特定される部品24Pに対応した吸着エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。同様に、フィーダー情報D12に関連付けられる吸着エラー損失額データDE2は、前記所定期間内において、フィーダー情報D12で特定されるフィーダー24Fに対応した吸着エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。また、ノズル情報D13に関連付けられる吸着エラー損失額データDE2は、前記所定期間内において、ノズル情報D13で特定される吸着ノズル2511に対応した吸着エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。また、ヘッド情報D14に関連付けられる吸着エラー損失額データDE2は、前記所定期間内において、ヘッド情報D14で特定される搭載ヘッド251に対応した吸着エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。
【0058】
データ生成部1452は、前記所定期間において管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に含まれる吸着エラー情報D2の数と、部品24Pの単価とに基づいて、各生産要素情報D1に対応した吸着エラー損失額データDE2をそれぞれ生成する。なお、吸着エラー損失額データDE2には、当該吸着エラー損失額データDE2に関連付けられた生産要素情報D1で特定される生産要素PFにおける、1回の吸着エラー当たりの部品24Pの損失金額を示すデータと、前記所定期間内での全ての吸着エラーに対応した部品24Pの合計損失金額を示すデータとが含まれる。
【0059】
また、本実施形態では、データ生成部1452は、管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に基づいて、搭載エラー数データDE3と、搭載エラー損失額データDE4とを、生産要素情報D1を構成する部品情報D11、フィーダー情報D12、ノズル情報D13及びヘッド情報D14のそれぞれに関連付けて生成する。
【0060】
搭載エラー数データDE3は、実装機12による部品搭載基板PPAの前記所定期間内での生産における、搭載エラーの発生数に相当するデータである。例えば、部品情報D11に関連付けられる搭載エラー数データDE3は、前記所定期間内において、部品情報D11で特定される部品24Pに対応して発生した搭載エラーの発生数を示すデータとなる。同様に、フィーダー情報D12に関連付けられる搭載エラー数データDE3は、前記所定期間内において、フィーダー情報D12で特定されるフィーダー24Fに対応して発生した搭載エラーの発生数を示すデータとなる。また、ノズル情報D13に関連付けられる搭載エラー数データDE3は、前記所定期間内において、ノズル情報D13で特定される吸着ノズル2511に対応して発生した搭載エラーの発生数を示すデータとなる。また、ヘッド情報D14に関連付けられる搭載エラー数データDE3は、前記所定期間内において、ヘッド情報D14で特定される搭載ヘッド251に対応して発生した搭載エラーの発生数を示すデータとなる。
【0061】
データ生成部1452は、前記所定期間において管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に含まれる搭載エラー情報D3の数に基づいて、各生産要素情報D1に対応した搭載エラー数データDE3をそれぞれ生成する。
【0062】
搭載エラー損失額データDE4は、実装機12による部品搭載基板PPAの前記所定期間内での生産における、搭載エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額に相当するデータである。例えば、部品情報D11に関連付けられる搭載エラー損失額データDE4は、前記所定期間内において、部品情報D11で特定される部品24Pに対応した搭載エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。同様に、フィーダー情報D12に関連付けられる搭載エラー損失額データDE4は、前記所定期間内において、フィーダー情報D12で特定されるフィーダー24Fに対応した搭載エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。また、ノズル情報D13に関連付けられる搭載エラー損失額データDE4は、前記所定期間内において、ノズル情報D13で特定される吸着ノズル2511に対応した搭載エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。また、ヘッド情報D14に関連付けられる搭載エラー損失額データDE4は、前記所定期間内において、ヘッド情報D14で特定される搭載ヘッド251に対応した搭載エラーの発生によって生じる部品24Pの損失金額を示すデータとなる。
【0063】
データ生成部1452は、前記所定期間において管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に含まれる搭載エラー情報D3の数と、部品24Pの単価とに基づいて、各生産要素情報D1に対応した搭載エラー損失額データDE4をそれぞれ生成する。なお、搭載エラー損失額データDE4には、当該搭載エラー損失額データDE4に関連付けられた生産要素情報D1で特定される生産要素PFにおける、1回の搭載エラー当たりの部品24Pの損失金額を示すデータと、前記所定期間内での全ての搭載エラーに対応した部品24Pの合計損失金額を示すデータとが含まれる。
【0064】
また、本実施形態では、管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMに検査エラー情報D4が付加されている場合、データ生成部1452は、検査エラー損失額データDE5を検査エラー情報D4に関連付けて生成する。検査エラー損失額データDE5は、実装機12による部品搭載基板PPAの前記所定期間内での生産において、検査装置13における検査エラーに伴って部品搭載基板PPAごと廃棄された部品24Pを示す廃棄部品の損失金額に相当するデータである。データ生成部1452は、前記所定期間において管理記憶部144に蓄積して記憶された管理データDMのデータ群に含まれる検査エラー情報D4の数と、当該検査エラー情報D4により特定される廃棄部品に相当する部品24Pの単価とに基づいて、検査エラー情報D4に対応した検査エラー損失額データDE5を生成する。
【0065】
表示制御部1453は、操作部143に入力された指令に応じて表示部142を制御する。
【0066】
吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と、生産要素PFを構成する部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の何れかを選択する要素選択指令とが、操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、図6に示されるような表示画面DS1を表示部142に表示させる。具体的には、表示制御部1453は、前記要素選択指令で示される生産要素PFに対応した生産要素情報D1に関連付けられた吸着エラー数データDE1と吸着エラー損失額データDE2とを1組とした吸着エラーデータセットDPESが表示画面DS1に表示されるように、表示部142を制御する。この際、表示制御部1453は、生産要素情報D1と、吸着処理回数データDPと、吸着エラー数データDE1と、吸着エラー損失額データDE2とが関連付けられた状態の吸着エラーデータセットDPESを表示画面DS1に表示させる。
【0067】
例えば、前記要素選択指令が部品24Pを選択する指令の場合、表示制御部1453は、部品24Pを特定するための部品情報D11に関連付けられた吸着エラー数データDE1と吸着エラー損失額データDE2とを1組とした吸着エラーデータセットDPESを表示画面DS1に表示させる。同様に、前記要素選択指令がフィーダー24Fを選択する指令の場合、表示制御部1453は、フィーダー24Fを特定するためのフィーダー情報D12に関連付けられた吸着エラー数データDE1と吸着エラー損失額データDE2とを1組とした吸着エラーデータセットDPESを表示画面DS1に表示させる。また、前記要素選択指令が吸着ノズル2511を選択する指令の場合、表示制御部1453は、吸着ノズル2511を特定するためのノズル情報D13に関連付けられた吸着エラー数データDE1と吸着エラー損失額データDE2とを1組とした吸着エラーデータセットDPESを表示画面DS1に表示させる。また、前記要素選択指令が搭載ヘッド251を選択する指令の場合、表示制御部1453は、搭載ヘッド251を特定するためのヘッド情報D14に関連付けられた吸着エラー数データDE1と吸着エラー損失額データDE2とを1組とした吸着エラーデータセットDPESを表示画面DS1に表示させる。
【0068】
この際、図6に示されるように、表示制御部1453は、吸着エラー数データDE1又は吸着エラー損失額データDE2と、吸着エラーデータセットDPESとが同時に表示画面DS1に表示されるように、表示部142を制御してもよい。
【0069】
また、表示制御部1453は、操作部143を介した入力操作が可能な日付選択領域B1、部品選択領域B2、フィーダー選択領域B3、ノズル選択領域B4、及びヘッド選択領域B5が表示画面DS1に設定されるように、管理表示部162を制御する。
【0070】
オペレーターは、操作部143を用いて日付選択領域B1を操作することによって、吸着エラーデータセットDPESを構成する吸着処理回数データDP、吸着エラー数データDE1、及び吸着エラー損失額データDE2をデータ生成部1452が生成するときの対象期間となる前記所定期間を、選択することができる。例えば、日付選択領域B1に対する入力操作によって前記所定期間が選択された場合、表示制御部1453は、当該所定期間に対応した吸着エラーデータセットDPESを表示画面DS1に表示させる。
【0071】
表示画面DS1に設定された部品選択領域B2、フィーダー選択領域B3、ノズル選択領域B4、及びヘッド選択領域B5は、生産要素PFを構成する部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の何れかを選択する前記要素選択指令を入力するための領域である。オペレーターは、操作部143を用いて部品選択領域B2を操作することによって、生産要素PFの中から部品24Pを選択する指令を入力することができる。同様に、オペレーターは、操作部143を用いてフィーダー選択領域B3を操作することによって、生産要素PFの中からフィーダー24Fを選択する指令を入力することができる。また、オペレーターは、操作部143を用いてノズル選択領域B4を操作することによって、生産要素PFの中から吸着ノズル2511を選択する指令を入力することができる。また、オペレーターは、操作部143を用いてヘッド選択領域B5を操作することによって、生産要素PFの中から搭載ヘッド251を選択する指令を入力することができる。
【0072】
吸着エラーデータセットDPESと関連付けられた生産要素情報D1で特定される生産要素PFを構成する部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251は、実装機12の吸着ノズル2511における吸着エラーの発生要因となり得る。つまり、フィーダー24Fによって供給された部品24Pの姿勢や部品の形状などは、吸着ノズル2511による部品24Pの吸着保持性に影響を与える。また、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の動作特性などについても、吸着ノズル2511による部品24Pの吸着保持性に影響を与える。操作部143を介して入力された前記要素選択指令で示される生産要素PFに対応した吸着エラーデータセットDPESが表示部142に表示されることにより、オペレーターは、吸着ノズル2511における吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。オペレーターは、吸着エラーの発生要因を確認した後、当該発生要因に対して適切な対策を講じることができる。
【0073】
搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と、生産要素PFを構成する部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の何れかを選択する要素選択指令とが、操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、図7に示されるような表示画面DS2を表示部142に表示させる。具体的には、表示制御部1453は、前記要素選択指令で示される生産要素PFに対応した生産要素情報D1に関連付けられた搭載エラー数データDE3と搭載エラー損失額データDE4とを1組とした搭載エラーデータセットDMESが表示画面DS2に表示されるように、表示部142を制御する。この際、表示制御部1453は、生産要素情報D1と、吸着処理回数データDPと、搭載エラー数データDE3と、搭載エラー損失額データDE4とが関連付けられた状態の搭載エラーデータセットDMESを表示画面DS2に表示させる。
【0074】
例えば、前記要素選択指令が部品24Pを選択する指令の場合、表示制御部1453は、部品24Pを特定するための部品情報D11に関連付けられた搭載エラー数データDE3と搭載エラー損失額データDE4とを1組とした搭載エラーデータセットDMESを表示画面DS2に表示させる。同様に、前記要素選択指令がフィーダー24Fを選択する指令の場合、表示制御部1453は、フィーダー24Fを特定するためのフィーダー情報D12に関連付けられた搭載エラー数データDE3と搭載エラー損失額データDE4とを1組とした搭載エラーデータセットDMESを表示画面DS2に表示させる。また、前記要素選択指令が吸着ノズル2511を選択する指令の場合、表示制御部1453は、吸着ノズル2511を特定するためのノズル情報D13に関連付けられた搭載エラー数データDE3と搭載エラー損失額データDE4とを1組とした搭載エラーデータセットDMESを表示画面DS2に表示させる。また、前記要素選択指令が搭載ヘッド251を選択する指令の場合、表示制御部1453は、搭載ヘッド251を特定するためのヘッド情報D14に関連付けられた搭載エラー数データDE3と搭載エラー損失額データDE4とを1組とした搭載エラーデータセットDMESを表示画面DS2に表示させる。
【0075】
この際、図7に示されるように、表示制御部1453は、搭載エラー数データDE3又は搭載エラー損失額データDE4と、搭載エラーデータセットDMESとが同時に表示画面DS2に表示されるように、表示部142を制御してもよい。
【0076】
吸着ノズル2511による部品24Pの吸着状態は、部品搭載基板PPA上における部品24Pの搭載状態に影響を与える。つまり、吸着エラーと搭載エラーとは互いに相関関係にある。このため、吸着エラーの発生要因となり得る生産要素PFを構成する部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251は、実装機12により得られた部品搭載基板PPAにおける搭載エラーの発生要因となり得る。操作部143を介して入力された前記要素選択指令で示される生産要素PFに対応した搭載エラーデータセットDMESが表示部142に表示されることにより、オペレーターは、実装機12により得られた部品搭載基板PPAにおける搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。オペレーターは、搭載エラーの発生要因を確認した後、当該発生要因に対して適切な対策を講じることができる。
【0077】
実装機12による部品搭載基板PPAの生産に用いられる各生産要素PFに複数の生産要素情報D1がそれぞれ設定されている場合がある。つまり、部品搭載基板PPAの生産において、複数の部品24P、複数のフィーダー24F、複数の吸着ノズル2511、及び、複数の搭載ヘッド251が用いられた場合には、各生産要素PFに複数の生産要素情報D1がそれぞれ設定される。この場合、複数の部品24Pをそれぞれ特定するために複数の部品情報D11が設定される。同様に、複数のフィーダー24Fをそれぞれ特定するために複数のフィーダー情報D12が設定される。また、複数の吸着ノズル2511をそれぞれ特定するために複数のノズル情報D13が設定される。また、複数の搭載ヘッド251をそれぞれ特定するために複数のヘッド情報D14が設定される。
【0078】
各生産要素PFに複数の生産要素情報D1がそれぞれ設定されている場合、表示制御部1453は、操作部143を介して入力された前記要素選択指令で示される生産要素PFに対応して、当該生産要素PFを特定するための複数の生産要素情報D1にそれぞれ関連付けられた複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESG又は複数の搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGが表示されるように、表示部142を制御する(図6図7)。
【0079】
図6に示されるように複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGが表示部142に表示された場合、オペレーターは、複数の生産要素情報D1にそれぞれ関連付けられた複数の吸着エラーデータセットDPESを対比しながら、吸着ノズル2511における吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。一方、図7に示されるように複数の搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGが表示部142に表示された場合、オペレーターは、複数の生産要素情報D1にそれぞれ関連付けられた複数の搭載エラーデータセットDMESを対比しながら、実装機12により得られた部品搭載基板PPAにおける搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0080】
また、表示制御部1453は、データセット群PESGを構成する複数の吸着エラーデータセットDPESが部品24Pの損失金額の順に並んで表示されるように、表示部142を制御する。これにより、表示部142に表示されたデータセット群PESGに基づいてオペレーターが吸着エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。同様に、表示制御部1453は、データセット群MESGを構成する複数の搭載エラーデータセットDMESが部品24Pの損失金額の順に並んで表示されるように、表示部142を制御する。これにより、表示部142に表示されたデータセット群MESGに基づいてオペレーターが搭載エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。
【0081】
なお、表示制御部1453は、データセット群PESGを構成する複数の吸着エラーデータセットDPESが吸着エラーの発生数の順に並んで表示されるように、表示部142を制御するようにしてもよい。この場合でも、表示部142に表示されたデータセット群PESGに基づいてオペレーターが吸着エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。同様に、表示制御部1453は、データセット群MESGを構成する複数の搭載エラーデータセットDMESが搭載エラーの発生数の順に並んで表示されるように、表示部142を制御するようにしてもよい。この場合でも、表示部142に表示されたデータセット群MESGに基づいてオペレーターが搭載エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。
【0082】
前記要素選択指令として、生産要素PFを構成する部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の中から複数の生産要素PFを選択する指令が、操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、図8に示されるような表示画面DS3を表示部142に表示させる。なお、図8では、部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251の4つの生産要素PFが選択された場合の例が示されている。
【0083】
具体的には、吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と、複数の生産要素PFを選択する指令とが操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、複数の生産要素PFにそれぞれ対応した吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGの各々が、複数の生産要素PFごとに区分された状態で同時に表示画面DS3に表示されるように、表示部142を制御する。図8の例では、表示制御部1453は、部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251にそれぞれ対応した吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGの各々を、表示画面DS3に表示させている。複数の生産要素PFにそれぞれ対応した複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGが同時に表示部142に表示された場合、オペレーターは、複数の生産要素PFにそれぞれ対応したデータセット群PESGを対比しながら、吸着ノズル2511における吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0084】
一方、搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と、複数の生産要素PFを選択する指令とが操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、複数の生産要素PFにそれぞれ対応した搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGの各々が、複数の生産要素PFごとに区分された状態で同時に表示されるように、表示部142を制御する。この場合、オペレーターは、複数の生産要素PFにそれぞれ対応したデータセット群MESGを対比しながら、実装機12により得られた部品搭載基板PPAにおける搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0085】
複数の生産要素PFにそれぞれ対応した吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGの各々が表示部142に同時に表示された状態で、複数の生産要素PFの各々に設定された複数の生産要素情報D1の中から一の生産要素情報D1を選択する指令が操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、図9に示されるような表示画面DS4を表示部142に表示させる。なお、図9では、部品24P、フィーダー24F、吸着ノズル2511及び搭載ヘッド251にそれぞれ対応した吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGの各々が同時に表示された状態で、複数のヘッド情報D14の中から一のヘッド情報D14が選択された場合の例が示されている。
【0086】
具体的には、複数の生産要素PFの各々に設定された複数の生産要素情報D1の中から一の生産要素情報D1を選択する指令が操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、当該一の生産要素情報D1に関連した吸着エラーデータセットDPESのみが表示されるように、表示部142を制御する。このように、操作部143に対する入力操作によって選択された一の生産要素情報D1に関連した吸着エラーデータセットDPESのみが表示部142に表示された場合、オペレーターは、一の生産要素情報D1によって特定される生産要素PFに着目しながら、吸着ノズル2511における吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0087】
一方、複数の生産要素PFにそれぞれ対応した搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGの各々が表示部142に同時に表示された状態で、複数の生産要素PFの各々に設定された複数の生産要素情報D1の中から一の生産要素情報D1を選択する指令が操作部143を介して入力された場合を想定する。この場合、表示制御部1453は、当該一の生産要素情報D1に関連した搭載エラーデータセットDMESのみが表示されるように、表示部142を制御する。このように、操作部143に対する入力操作によって選択された一の生産要素情報D1に関連した搭載エラーデータセットDMESのみが表示部142に表示された場合、オペレーターは、一の生産要素情報D1によって特定される生産要素PFに着目しながら、実装機12により得られた部品搭載基板PPAにおける搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0088】
図10に示されるように、本実施形態では、表示制御部1453は、操作部143を介した入力操作が可能なLine選択領域B6、Lane選択領域B7、マシン選択領域B8、基板選択領域B9、及び部品種別選択領域B10が表示画面DS5に設定されるように、表示部142を制御する。表示画面DS5に設定されたLine選択領域B6、Lane選択領域B7、マシン選択領域B8、基板選択領域B9、及び部品種別選択領域B10は、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1を絞り込むための絞り込み条件を設定する指令を入力するための領域である。
【0089】
オペレーターは、操作部143を用いてLine選択領域B6を操作することによって、部品実装ライン10を構成する複数の実装ライン11の中から一の実装ライン11を選択することを絞り込み条件として設定する指令を入力することができる。つまり、操作部143を用いたLine選択領域B6の操作によって一の実装ライン11を選択する絞り込み条件が設定された場合、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1が、一の実装ライン11に関連した生産要素情報D1に絞り込まれる。
【0090】
また、コンベア23が2台となるデュアルレーン型の基板搬送機構を備えた実装機12が部品搭載基板PPAの生産に適用されている場合には、オペレーターは、操作部143を用いてLane選択領域B7を操作することによって、デュアルレーンのうちの一のレーンを選択することを絞り込み条件として設定する指令を入力することができる。つまり、操作部143を用いたLane選択領域B7の操作によって一のレーンを選択する絞り込み条件が設定された場合、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1が、一のレーンに関連した生産要素情報D1に絞り込まれる。
【0091】
また、オペレーターは、操作部143を用いてマシン選択領域B8を操作することによって、部品実装ライン10上の複数の実装機12の中から一の実装機12を選択することを絞り込み条件として設定する指令を入力することができる。つまり、操作部143を用いたマシン選択領域B8の操作によって一の実装機12を選択する絞り込み条件が設定された場合、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1が、一の実装機12に関連した生産要素情報D1に絞り込まれる。
【0092】
また、オペレーターは、操作部143を用いて基板選択領域B9を操作することによって、実装機12による部品搭載基板PPAの生産において用いられた複数の基板PPの中から一の基板PPを選択することを絞り込み条件として設定する指令を入力することができる。つまり、操作部143を用いた基板選択領域B9の操作によって一の基板PPを選択する絞り込み条件が設定された場合、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1が、一の基板PPに関連した生産要素情報D1に絞り込まれる。
【0093】
また、オペレーターは、操作部143を用いて部品種別選択領域B10を操作することによって、実装機12による部品搭載基板PPAの生産において用いられた部品24Pの複数の部品種の中から一の部品種を選択することを絞り込み条件として設定する指令を入力することができる。つまり、操作部143を用いた部品種別選択領域B10の操作によって一の部品種を選択する絞り込み条件が設定された場合、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1が、一の部品種に関連した生産要素情報D1に絞り込まれる。
【0094】
図10に示されるように、複数の生産要素情報D1に関連付けられた複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGが表示部142に表示された状態で、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1を絞り込むための絞り込み条件を設定する指令が操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、複数の生産要素情報D1のうち絞り込み条件を満たす生産要素情報D1に関連付けられた特定の吸着エラーデータセットDPESによって構成されるデータセット群PESGが表示されるように、表示部142を制御する。これにより、表示部142に表示されるデータセット群PESGを構成する吸着エラーデータセットDPESを、絞り込み条件に応じて絞り込むことができる。このため、オペレーターが吸着エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。
【0095】
同様に、複数の生産要素情報D1に関連付けられた複数の搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGが表示部142に表示された状態で、各生産要素PFに設定された複数の生産要素情報D1を絞り込むための絞り込み条件を設定する指令が操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、複数の生産要素情報D1のうち絞り込み条件を満たす生産要素情報D1に関連付けられた特定の搭載エラーデータセットDMESによって構成されるデータセット群MESGが表示されるように、表示部142を制御する。これにより、表示部142に表示されるデータセット群MESGを構成する搭載エラーデータセットDMESを、絞り込み条件に応じて絞り込むことができる。このため、オペレーターが搭載エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。
【0096】
次に、複数の生産要素情報D1に関連付けられた複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGが表示部142に表示された状態で、複数の生産要素情報D1のうちの一の生産要素情報D1に関連付けられたデータの時間的な推移を表示させる指令が操作部143を介して入力された場合を想定する。この場合、図11に示されるように、表示制御部1453は、一の生産要素情報D1に関連付けられた吸着エラー数データDE1の時間的な推移を示すエラー数推移グラフENGと、吸着エラー損失額データDE2の時間的な推移を示すエラー損失額推移グラフELGとが表示画面DS6に表示されるように、表示部142を制御する。図11の例では、1月、2月、3月及び4月の月ごとの、吸着エラー数データDE1の推移を示す折れ線グラフからなるエラー数推移グラフENGと、吸着エラー損失額データDE2の推移を示す棒グラフからなるエラー損失額推移グラフELGとが、表示部142に表示されている。なお、図11に示されるように、表示制御部1453は、エラー数推移グラフENG及びエラー損失額推移グラフELGと同時に、吸着処理回数データDP、吸着エラー数データDE1及び吸着エラー損失額データDE2がそれぞれ関連付けられた統計表STが表示されるように、表示部142を制御してもよい。
【0097】
同様に、複数の生産要素情報D1に関連付けられた複数の搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGが表示部142に表示された状態で、複数の生産要素情報D1のうちの一の生産要素情報D1に関連付けられたデータの時間的な推移を表示させる指令が操作部143を介して入力された場合を想定する。この場合、表示制御部1453は、一の生産要素情報D1に関連付けられた搭載エラー数データDE3の時間的な推移を示すエラー数推移グラフENGと、搭載エラー損失額データDE4の時間的な推移を示すエラー損失額推移グラフELGとが表示されるように、表示部142を制御する。
【0098】
オペレーターは、表示部142に表示されたエラー数推移グラフENGに基づき吸着エラー数データDE1又は搭載エラー数データDE3の時間的な推移を確認することができるとともに、エラー損失額推移グラフELGに基づき吸着エラー損失額データDE2又は搭載エラー損失額データDE4の時間的な推移を確認することができる。
【0099】
図12に示されるように、本実施形態では、表示制御部1453は、操作部143を介した入力操作が可能な検査エラー選択領域B11が表示画面DS7に設定されるように、表示部142を制御する。表示画面DS7に設定された検査エラー選択領域B11は、検査装置13における検査エラーに伴って部品搭載基板PPAごと廃棄された部品を示す廃棄部品に関するデータを表示させる指令を入力するための領域である。オペレーターは、操作部143を用いて検査エラー選択領域B11を操作することによって、検査装置13における検査エラーに伴って部品搭載基板PPAごと廃棄された廃棄部品に関するデータを表示させる指令を入力することができる。
【0100】
部品搭載基板PPAごと廃棄された廃棄部品に関するデータを表示させる指令が操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、データ生成部1452によって検査エラー情報D4に関連付けて生成された検査エラー損失額データDE5が表示されるように、表示部142を制御する。オペレーターは、表示部142に表示された検査エラー損失額データDE5に基づいて、検査装置13における検査エラーに伴って部品搭載基板PPAごと廃棄された廃棄部品の損失金額に着目しながら、吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を確認することができる。
【0101】
図12では、複数の生産要素情報D1に関連付けられた複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGが表示部142に表示された状態で、部品搭載基板PPAごと廃棄された廃棄部品に関するデータを表示させる指令が操作部143を介して入力された場合の例が示されている。この場合、表示制御部1453は、複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGと検査エラー損失額データDE5とが同時に表示されるように、表示部142を制御する。この際、表示制御部1453は、吸着エラー損失額データDE2で示される損失金額と検査エラー損失額データDE5で示される損失金額との合計金額で表される総損失額データDE6が表示されるように、表示部142を制御してもよい。また、表示制御部1453は、複数の搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGと検査エラー損失額データDE5とが同時に表示されるように、表示部142を制御してもよい。
【0102】
図13に示されるように、本実施形態では、表示制御部1453は、操作部143を介した入力操作が可能なエラー種選択領域B12が表示画面DS8に設定されるように、表示部142を制御する。表示画面DS8に設定されたエラー種選択領域B12は、吸着エラー又は搭載エラーのエラー種ごとのデータを表示させる指令を入力するための領域である。オペレーターは、操作部143を用いてエラー種選択領域B12を操作することによって、吸着エラー又は搭載エラーのエラー種ごとのデータを表示させる指令を入力することができる。
【0103】
吸着エラーのエラー種ごとのデータを表示させる指令が操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、吸着エラー損失額データDE2がエラー種ごとに区分された状態で表示されるように、表示部142を制御する。また、搭載エラーのエラー種ごとのデータを表示させる指令が操作部143を介して入力された場合、表示制御部1453は、搭載エラー損失額データDE4がエラー種ごとに区分された状態で表示されるように、表示部142を制御する。これにより、オペレーターは、エラー種ごとの部品24Pの損失金額に着目しながら、吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を確認することができる。
【0104】
なお、図13では、吸着エラー数データDE1又は搭載エラー数データDE3のエラー数推移グラフENGが表示された状態で、エラー損失額推移グラフELGを構成する吸着エラー損失額データDE2又は搭載エラー損失額データDE4がエラー種ごとに区分された状態で表示される場合の例が示されている。
【0105】
次に、複数の生産要素情報D1に関連付けられた複数の吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGが表示部142に表示された状態で、複数の実装ライン11ごとのデータセット群PESGを表示させる指令が操作部143を介して入力された場合を想定する。この場合、図14に示されるように、表示制御部1453は、複数の実装ライン11にそれぞれ対応したデータセット群PESGの各々が、表示画面DS9において複数の実装ライン11ごとに個別に設定された表示領域に同時に表示されるように、表示部142を制御する。これにより、オペレーターは、複数の実装ライン11にそれぞれ対応した吸着エラーデータセットDPESのデータセット群PESGを対比しながら、吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0106】
同様に、複数の生産要素情報D1に関連付けられた複数の搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGが表示部142に表示された状態で、複数の実装ライン11ごとのデータセット群MESGを表示させる指令が操作部143を介して入力された場合を想定する。この場合、表示制御部1453は、複数の実装ライン11にそれぞれ対応したデータセット群MESGの各々が、複数の実装ライン11ごとに個別に設定された表示領域に同時に表示されるように、表示部142を制御する。これにより、オペレーターは、複数の実装ライン11にそれぞれ対応した搭載エラーデータセットDMESのデータセット群MESGを対比しながら、搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品24Pの損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0107】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0108】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を少なくとも含む部品実装ラインと、前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備える。前記実装機は、前記部品を供給するフィーダーと、前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着状態を認識し、当該吸着状態の異常を示す吸着エラーが発生した場合に吸着エラー情報を出力する吸着状態認識部と、を含む。前記管理装置は、前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記吸着エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記吸着エラーの発生数に関するエラー数データと、前記吸着エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、各種データを表示可能に構成される表示部と、前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含む。前記表示制御部は、前記吸着エラーに関するデータを表示させる吸着エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御する。
【0109】
この部品実装システムによれば、実装機における部品搭載基板の生産を管理するための管理装置が備えられる。この管理装置は、記憶部、データ生成部及び表示制御部を含む。記憶部は、実装機による部品搭載基板の生産に用いられた各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、実装機の吸着状態認識部から出力された吸着エラー情報とを関連付けた管理データを蓄積して記憶する。データ生成部は、管理データのデータ群に基づいて、吸着エラーに関するエラー数データとエラー損失額データとを、各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成する。そして、表示制御部は、操作部を介して入力された要素選択指令で示される生産要素の生産要素情報に関連付けられた吸着エラーに関するエラー数データとエラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、表示部を制御する。
【0110】
エラーデータセットと関連付けられた生産要素情報で特定される生産要素を構成する部品、フィーダー、吸着ノズル及び搭載ヘッドは、実装機の吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因となり得る。つまり、フィーダーによって供給された部品の姿勢や部品の形状などは、吸着ノズルによる部品の吸着保持性に影響を与える。また、吸着ノズル及び搭載ヘッドの動作特性などについても、吸着ノズルによる部品の吸着保持性に影響を与える。操作部を介して入力された要素選択指令で示される生産要素に対応した吸着エラーに関するエラーデータセットが表示部に表示されることにより、オペレーターは、吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0111】
本発明の他の局面に係る部品実装システムは、部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機と、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態を検査する検査装置とを含む部品実装ラインと、前記実装機における前記部品搭載基板の生産を管理する管理装置と、を備える。前記実装機は、前記部品を供給するフィーダーと、前記部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載することで前記部品搭載基板を得る搭載ヘッドと、を含む。前記検査装置は、前記部品搭載基板における前記部品の搭載状態の異常を示す搭載エラーが発生していた場合に搭載エラー情報を出力するように構成される。前記管理装置は、前記部品搭載基板の生産に用いられた前記部品、前記フィーダー、前記吸着ノズル、及び前記搭載ヘッドの何れかで示される各生産要素をそれぞれ特定するための各生産要素情報と、前記搭載エラー情報とを関連付けた管理データを、前記吸着ノズルによる前記部品の吸着ごとに蓄積して記憶する記憶部と、前記記憶部に蓄積して記憶された前記管理データのデータ群に基づいて、前記搭載エラーの発生数に関するエラー数データと、前記搭載エラーの発生によって生じる前記部品の損失金額に関するエラー損失額データとを、前記各生産要素情報のそれぞれに関連付けて生成するデータ生成部と、各種データを表示可能に構成される表示部と、前記表示部の表示形態に関する指令が入力される操作部と、前記操作部に入力された指令に応じて前記表示部を制御する表示制御部と、を含む。前記表示制御部は、前記搭載エラーに関するデータを表示させる搭載エラー表示指令と前記各生産要素の何れかを選択する要素選択指令とが前記操作部を介して入力された場合、前記要素選択指令で示される生産要素に対応した前記生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データと前記エラー損失額データとを1組としたエラーデータセットが表示されるように、前記表示部を制御する。
【0112】
この部品実装システムによれば、表示制御部は、操作部を介して入力された要素選択指令で示される生産要素の生産要素情報に関連付けられた搭載エラーに関するエラー数データとエラー損失額データとを1組としたエラーデータセットを、表示部に表示させることが可能である。操作部を介して入力された要素選択指令で示される生産要素に対応した搭載エラーに関するエラーデータセットが表示部に表示されることにより、オペレーターは、実装機により得られた部品搭載基板における搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0113】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、前記各生産要素に複数の前記生産要素情報がそれぞれ設定されている場合、複数の前記生産要素情報に関連付けられた複数の前記エラーデータセットのデータセット群が表示されるように、前記表示部を制御する。
【0114】
実装機による部品搭載基板の生産に用いられる各生産要素に複数の生産要素情報がそれぞれ設定されている場合がある。つまり、部品搭載基板の生産において、複数の部品、複数のフィーダー、複数の吸着ノズル、及び、複数の搭載ヘッドが用いられた場合には、各生産要素に複数の生産要素情報がそれぞれ設定される。この場合、表示制御部は、操作部を介して入力された要素選択指令で示される生産要素に対応して、当該生産要素を特定するための複数の生産要素情報にそれぞれ関連付けられた複数のエラーデータセットのデータセット群が表示されるように、表示部を制御する。
【0115】
吸着エラーに関する複数のエラーデータセットのデータセット群が表示部に表示された場合、オペレーターは、複数の生産要素情報にそれぞれ関連付けられた複数のエラーデータセットを対比しながら、吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。一方、搭載エラーに関する複数のエラーデータセットのデータセット群が表示部に表示された場合、オペレーターは、複数の生産要素情報にそれぞれ関連付けられた複数のエラーデータセットを対比しながら、実装機により得られた部品搭載基板における搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0116】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、前記要素選択指令として前記各生産要素から複数の生産要素を選択する指令が前記操作部を介して入力された場合、複数の生産要素にそれぞれ対応した前記データセット群の各々が、複数の生産要素ごとに区分された状態で同時に表示されるように、前記表示部を制御する。
【0117】
この態様では、表示制御部は、操作部に対する入力操作によって選択された複数の生産要素にそれぞれ対応したデータセット群の各々を、複数の生産要素ごとに区分された状態で同時に表示部に表示させる。複数の生産要素にそれぞれ対応した吸着エラーに関する複数のエラーデータセットのデータセット群が同時に表示部に表示された場合、オペレーターは、複数の生産要素にそれぞれ対応したデータセット群を対比しながら、吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。一方、複数の生産要素にそれぞれ対応した搭載エラーに関する複数のエラーデータセットのデータセット群が同時に表示部に表示された場合、オペレーターは、複数の生産要素にそれぞれ対応したデータセット群を対比しながら、実装機により得られた部品搭載基板における搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0118】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、複数の生産要素にそれぞれ対応した前記データセット群の各々が前記表示部に同時に表示された状態で、複数の生産要素の各々に設定された複数の前記生産要素情報の中から一の生産要素情報を選択する指令が前記操作部を介して入力された場合、当該一の生産要素情報に関連した前記エラーデータセットのみが表示されるように、前記表示部を制御する。
【0119】
この態様では、複数の生産要素の各々に設定された複数の生産要素情報の中から一の生産要素情報を選択する指令が操作部を介して入力された場合、表示制御部は、当該一の生産要素情報に関連したエラーデータセットのみを表示部に表示させる。操作部に対する入力操作によって選択された一の生産要素情報に関連した吸着エラーに関するエラーデータセットのみが表示部に表示された場合、オペレーターは、一の生産要素情報によって特定される生産要素に着目しながら、吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。一方、操作部に対する入力操作によって選択された一の生産要素情報に関連した搭載エラーに関するエラーデータセットのみが表示部に表示された場合、オペレーターは、一の生産要素情報によって特定される生産要素に着目しながら、実装機により得られた部品搭載基板における搭載エラーの発生要因を、搭載エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0120】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、前記各生産要素に設定された複数の前記生産要素情報を絞り込むための絞り込み条件を設定する指令が前記操作部を介して入力された場合、複数の前記生産要素情報のうち前記絞り込み条件を満たす生産要素情報に関連付けられた特定の前記エラーデータセットによって構成される前記データセット群が表示されるように、前記表示部を制御する。
【0121】
この態様では、各生産要素に設定された複数の生産要素情報を絞り込むための絞り込み条件を設定する指令が操作部を介して入力された場合、表示制御部は、当該絞り込み条件を満たす生産要素情報に関連付けられた特定のエラーデータセットによって構成されるデータセット群を、表示部に表示させる。これにより、表示部に表示されるデータセット群を構成するエラーデータセットを、絞り込み条件に応じて絞り込むことができる。このため、オペレーターが吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。
【0122】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、複数の前記生産要素情報に関連付けられた前記データセット群が前記表示部に表示された状態で、複数の前記生産要素情報のうちの一の生産要素情報に関連付けられたデータの時間的な推移を表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記一の生産要素情報に関連付けられた前記エラー数データの時間的な推移を示すエラー数推移グラフと、前記エラー損失額データの時間的な推移を示すエラー損失額推移グラフとが表示されるように、前記表示部を制御する。
【0123】
この態様では、複数の生産要素の各々に設定された複数の生産要素情報のうちの一の生産要素情報に関連付けられたデータの時間的な推移を表示させる指令が操作部を介して入力された場合、表示制御部は、エラー数推移グラフとエラー損失額推移グラフとを表示部に表示させる。これにより、オペレーターは、エラー数推移グラフに基づきエラー数データの時間的な推移を確認することができるとともに、エラー損失額推移グラフに基づきエラー損失額データの時間的な推移を確認することができる。
【0124】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、前記データセット群を構成する複数の前記エラーデータセットが、前記部品の損失金額の順に並んで表示されるように、前記表示部を制御する。
【0125】
この態様では、表示制御部は、データセット群を構成する複数のエラーデータセットを、部品の損失金額の順に並んで表示させる。これにより、表示部に表示されたデータセット群に基づいてオペレーターが吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。
【0126】
上記の部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、前記データセット群を構成する複数の前記エラーデータセットが、エラーの発生数の順に並んで表示されるように、前記表示部を制御する。
【0127】
この態様では、表示制御部は、データセット群を構成する複数のエラーデータセットを、吸着エラー又は搭載エラーの発生数の順に並んで表示させる。これにより、表示部に表示されたデータセット群に基づいてオペレーターが吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を確認するときの作業性の効率化を図ることができる。
【0128】
上記の部品実装システムにおいて、前記記憶部は、前記検査装置における検査エラーに伴って前記部品搭載基板ごと廃棄された部品を示す廃棄部品が存在する場合、当該廃棄部品を特定するための検査エラー情報が付加された前記管理データを蓄積して記憶するように構成される。また、前記データ生成部は、前記管理データに前記検査エラー情報が付加されている場合には、前記廃棄部品の損失金額に関する検査エラー損失額データを前記検査エラー情報に関連付けて生成するように構成される。そして、前記表示制御部は、前記廃棄部品に関するデータを表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記検査エラー損失額データが表示されるように、前記表示部を制御する。
【0129】
例えば、検査装置から搭載エラー情報が出力された場合、搭載エラーの対象の部品を新たな部品と交換することが可能であれば、オペレーターは、搭載エラーの対象の部品を廃棄するとともに、新たな部品に交換して部品搭載基板を修理する作業を行うことがある。一方、搭載エラーの対象の部品を新たな部品に交換することが不可能な場合、オペレーターは、部品搭載基板を廃棄する。この場合、部品搭載基板上の全ての部品が廃棄されることになる。このような、検査装置における検査エラーに伴って部品搭載基板ごと廃棄された部品を示す廃棄部品に関するデータを表示させる指令が操作部を介して入力された場合、表示制御部は、廃棄部品を特定するための検査エラー情報に関連付けられた検査エラー損失額データを表示部に表示させる。オペレーターは、表示部に表示された検査エラー損失額データに基づいて、検査装置における検査エラーに伴って部品搭載基板ごと廃棄された廃棄部品の損失金額に着目しながら、吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を確認することができる。
【0130】
上記の部品実装システムにおいて、前記データ生成部は、エラーの種類を示すエラー種ごとに区分して前記エラー損失額データを生成するように構成される。そして、前記表示制御部は、エラー種ごとのデータを表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記エラー損失額データがエラー種ごとに区分された状態で表示されるように、前記表示部を制御する。
【0131】
吸着エラーとしては、吸着ノズルからの部品の落下を示す部品落下、吸着ノズルに対する部品の吸着位置ずれ、吸着ノズルに対する部品の吸着姿勢などに関する複数種類の吸着エラーが存在する。また、搭載エラーとしては、部品搭載基板上における部品の搭載姿勢や搭載位置ずれ、部品搭載基板のコプラナリティ、部品搭載基板上における部品のリードのピッチ、リード幅及びリード本数などに関する複数種類の搭載エラーが存在する。このような、複数種類の吸着エラー種又は搭載エラー種ごとのデータを表示させる指令が操作部を介して入力された場合、表示制御部は、エラー損失額データをエラー種ごとに区分された状態で表示部に表示させる。これにより、オペレーターは、エラー種ごとの部品の損失金額に着目しながら、吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を確認することができる。
【0132】
上記の部品実装システムにおいて、前記部品実装ラインは、複数の実装ラインによって構成される。そして、前記表示制御部は、前記複数の実装ラインごとの前記データセット群を表示させる指令が前記操作部を介して入力された場合、前記複数の実装ラインにそれぞれ対応した前記データセット群の各々が、前記複数の実装ラインごとに個別に設定された表示領域に同時に表示されるように、前記表示部を制御する。
【0133】
この態様では、表示制御部は、複数の実装ラインにそれぞれ対応したデータセット群の各々を、表示部において複数の実装ラインごとに個別に設定された表示領域に同時に表示させる。これにより、オペレーターは、複数の実装ラインにそれぞれ対応したデータセット群を対比しながら、吸着エラー又は搭載エラーの発生要因を、吸着エラー又は搭載エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能となる。
【0134】
以上説明した通り、本発明によれば、実装機の吸着ノズルにおける吸着エラーの発生要因を、吸着エラーによって生じる部品の損失金額を指標として確認することが可能な部品実装システムを提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14