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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20241029BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20241029BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H05K13/04 A
H05K13/00 Z
H05K13/08 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023546684
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 JP2021033398
(87)【国際公開番号】W WO2023037513
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004303
【氏名又は名称】弁理士法人三協国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片井 裕昭
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-2580(JP,A)
【文献】特開2020-194390(JP,A)
【文献】特開2019-53639(JP,A)
【文献】特開2019-175914(JP,A)
【文献】国際公開第2020/240773(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、前記部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載する部品搭載処理を行う搭載ヘッドと、前記部品吸着処理に関する処理状態画像を取得する撮像カメラと、を含む実装実行部と、
前記部品吸着処理に関する処理状態画像を含む管理データを蓄積して記憶する記憶部と、
前記管理データの情報を表示する表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、
前記表示制御部は、前記部品吸着処理において前記吸着ノズルによる前記部品の吸着エラーが発生した場合、当該部品吸着処理で用いられた前記部品、前記吸着ノズル、前記搭載ヘッド、及び前記フィーダーのうちの何れかを着目対象として、当該着目対象の前記部品吸着処理に関する過去の処理状態画像であって、直近の複数回分の前記処理状態画像が表示されるように、前記表示部を制御することを特徴とする、部品実装システム。
【請求項2】
請求項1に記載の部品実装システムにおいて、
前記表示制御部は、前記複数回分の処理状態画像が時系列に沿って表示されるように、前記表示部を制御することを特徴とする、部品実装システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の部品実装システムにおいて、
前記管理データは、前記部品吸着処理で用いられた前記部品、前記吸着ノズル、前記搭載ヘッド、及び前記フィーダーをそれぞれ特定するための各パラメータ情報と、前記部品吸着処理に関する処理状態画像と、を関連付けたデータであり、
当該部品実装システムは、
前記表示部の表示形態に関する指令が入力される指令入力部をさらに含み、
前記表示制御部は、前記部品、前記吸着ノズル、前記搭載ヘッド、及び前記フィーダーの中から着目対象を指定する指令が前記指令入力部を介して入力された場合、当該指定された着目対象についての前記複数回分の処理状態画像が表示されるように、前記表示部を制御することを特徴とする、部品実装システム。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の部品実装システムにおいて、
前記管理データは、前記部品吸着処理に関する処理状態画像と関連付けられたデータであってかつ前記部品吸着処理における前記吸着ノズルに対する前記部品の吸着位置のずれ量を示す吸着位置ずれデータをさらに含み、
前記表示制御部は、前記複数回分の処理状態画像とともに、前記吸着位置ずれデータのデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布が表示されるように、前記表示部を制御することを特徴とする、部品実装システム。
【請求項5】
請求項4に記載の部品実装システムにおいて、
前記表示制御部は、前記複数回分の処理状態画像とともに、前記吸着位置ずれデータのデータ群の時間的な推移を示す吸着位置ずれ推移グラフがさらに表示されるように、前記表示部を制御することを特徴とする、部品実装システム。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の部品実装システムにおいて、
前記管理データは、前記部品吸着処理に関する処理状態画像と関連付けられたデータであってかつ前記部品吸着処理における前記吸着ノズルによる前記部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータをさらに含み、
前記表示制御部は、前記複数回分の前記処理状態画像とともに、前記吸着レベルデータで示される前記吸着レベルのデータ群の時間的な推移を示す吸着レベル推移グラフが表示されるように、前記表示部を制御することを特徴とする、部品実装システム。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の部品実装システムにおいて、
前記表示部は、携帯端末に備えられていることを特徴とする、部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に部品が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を備えた部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板等の基板上に電子部品(以下、単に「部品」という)が搭載された部品搭載基板を生産する実装機を備えた部品実装システムが知られている。この種の部品実装システムにおいて、実装機は、部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、フィーダーにより供給された部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、部品を基板に搭載する部品搭載処理を行う搭載ヘッドと、を備える。搭載ヘッドは、基板に予め設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して、前記部品搭載処理を行う。
【0003】
吸着ノズルによる部品吸着処理においては、フィーダーにより供給される部品を吸着ノズルが吸着できない(フィーダーから部品を取り出せない)、又は一旦吸着した部品が基板への搭載前に吸着ノズルから脱落するといった吸着ミスや、吸着ノズルに対して部品が許容値を越えてずれる吸着ずれを伴うなど、部品の吸着エラーが発生する場合がある。部品の吸着エラーは、部品搭載基板の品質に直結するため、その要因を速やかに特定して対処することが求められる。
【0004】
特許文献1には、部品の吸着エラーが発生した場合の対処を支援する部品実装システムが開示されている。この部品実装システムは、吸着エラーの内容とそのエラーを解消するための対処方法とを関連づけた対処方法データベースを備えており、実装機で吸着エラーが発生した場合には、当該吸着エラーの対処方法がオペレータに提示される。そのため、吸着エラーが発生した際には、速やかに対処することが可能となる。
【0005】
しかし、この部品実装システムは、既述の通り、吸着エラーの内容とその対処方法とが予め分かっていること、つまり、吸着エラーの原因が予め分かっていることを前提とするシステムであり、吸着エラーの発生要因の特定を支援し得るシステムではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-135886号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、実装機を備えた部品実装システムにおいて、吸着ノズルによる部品吸着処理において吸着エラーが発生した場合に、その要因の特定を支援することが可能な技術を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、前記部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載する部品搭載処理を行う搭載ヘッドと、前記部品吸着処理に関する処理状態画像を取得する撮像カメラと、を含む実装実行部と、前記部品吸着処理に関する処理状態画像を含む管理データを蓄積して記憶する記憶部と、前記管理データの情報を表示する表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、前記表示制御部は、前記部品吸着処理において前記吸着ノズルによる前記部品の吸着エラーが発生した場合、当該部品吸着処理で用いられた前記部品、前記吸着ノズル、前記搭載ヘッド、及び前記フィーダーのうちの何れかを着目対象として、当該着目対象の前記部品吸着処理に関する過去の処理状態画像であって、直近の複数回分の前記処理状態画像が表示されるように、前記表示部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、部品実装システムに備えられる実装機の実装機本体を示す平面図である。
図3図3は、前記実装機本体のヘッドユニットの部分を拡大して示す正面図である。
図4図4は、前記部品実装システムに備えられる管理装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実装表示部に表示された表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、図5の表示画面に表示された、部品吸着処理の処理状態画像(吸着処理画像)の画像群の一例を示す模式図である。
図7図7は、部品吸着処理の処理状態画像(吸着処理画像)の画像群の他の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
【0011】
[部品実装システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装システムを示すブロック図である。部品実装システム100は、実装機10と、当該実装機10にデータ通信可能に接続された管理装置12とを備える。実装機10は、プリント配線基板等の基板P上に電子部品(以下、「部品」と称する)を搭載する装置である。
【0012】
実装機10は、ハンダ印刷装置、リフロー装置及び検査装置(何れも図示省略)と共に、基板P上に部品が搭載された部品搭載基板を生産するための部品実装ラインを構成する。ハンダ印刷装置は、基板P上の部品搭載箇所にハンダペーストを印刷する装置である。リフロー装置は、部品が搭載された基板Pのハンダペースを溶融させた後に硬化させるリフロー処理を行う装置である。検査装置は、リフロー処理後の基板P上の部品搭載状態を検査する装置である。
【0013】
ハンダ印刷装置、実装機10、リフロー装置及び検査装置は、この順番で直線状に並ぶように連結されている。また、ハンダ印刷装置、リフロー装置及び検査装置は、実装機10と同様に管理装置12に対してデータ通信可能に接続されている。
【0014】
実装機10は、図1に示すように、実装機本体2(本発明の「実装実行部」に相当する)と、実装制御部4と、実装通信部40と、基本情報記憶部40Maと、処理データ記憶部40Mbと、実装表示部50と、実装操作部51とを備える。実装機本体2は、基板Pに部品を搭載する部品搭載処理等を行う。実装通信部40は、管理装置12とデータ通信を行うためのインターフェースであり、各種のデータ及び情報を管理装置12に向けて出力する機能を有する。実装制御部4は、基本情報記憶部40Maに記憶された基板データDBに従って実装機本体2の部品搭載処理を制御するとともに、実装通信部40のデータ通信を制御する。処理データ記憶部40Mbは、実装機本体2における一連の部品搭載処理において取得される各種データや画像を保存する。実装表示部50は、部品搭載処理に関する各種情報を表示する。実装操作部51は、オペレータによる実装制御部4に対する各種指令の入力操作を受ける。以下、各部の詳細について説明する。
【0015】
図2は、実装機本体2を示す平面図であり、図3は、前記実装機本体2の後記のヘッドユニット25の部分を拡大して示す正面図である。図2図3では、水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて方向関係が示されている。
【0016】
実装機本体2は、本体フレーム21と、コンベア23と、部品供給ユニット24と、ヘッドユニット25と、基板支持ユニット28とを備える。本体フレーム21は、実装機本体2を構成する各部が配置される構造体であり、X方向及びY方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、本体フレーム21上に配置された、基板Pの搬送機構である。コンベア23は、X方向に延在している。基板Pは、コンベア23に沿ってX方向に搬送され、基板支持ユニット28によって所定の作業位置に位置決めされる。基板支持ユニット28は、基板Pを下方側から支持することによって基板Pをコンベア23上において位置決めする。
【0017】
部品供給ユニット24は、フィーダー24Fが複数並設された状態で装着される領域であり、本体フレーム21におけるY方向の両端部にコンベア23を挟んで設けられている。フィーダー24Fは、部品を供給する部品供給処理を行う装置である。フィーダー24Fは、例えばテープフィーダーである。テープフィーダーは、部品を所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回されたリールを備え、そのリールから部品収納テープを送出することにより、部品を所定の部品供給位置に供給する。なお、部品供給ユニット24に装着されるフィーダー24Fは、テープフィーダーに限定されず、その他のタイプのフィーダーでもよい。
【0018】
ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24のフィーダー24Fから部品をピッキングして前記作業位置へ移動し、当該部品を基板Pに搭載する。ヘッドユニット25は、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y方向に延びる一対の固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。移動フレーム27には、X方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。
【0019】
つまり、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY方向に移動するとともに、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX方向に移動する。従って、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX方向に移動可能である。この構成により、ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24と前記作業位置に配置された基板Pとの間を移動する。
【0020】
図3に示されるように、ヘッドユニット25は、複数の搭載ヘッド251を備えている。各搭載ヘッド251は、その先端(下端)に吸着ノズル251aを有する。吸着ノズル251aは、フィーダー24Fにより供給された部品の吸着保持が可能なノズルである。吸着ノズル251aは、部品を吸着する部品吸着処理を行う。吸着ノズル251aは、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル251aに負圧が供給されることで当該吸着ノズル251aによる部品の吸着保持が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。各搭載ヘッド251は、吸着ノズル251aにより吸着保持された部品を基板Pに搭載する部品搭載処理を、基板Pに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して行う。
【0021】
各搭載ヘッド251は、ヘッドユニット25のフレームに対して鉛直方向に昇降可能であるとともに、鉛直方向に延びるヘッド軸回りの回転が可能である。各搭載ヘッド251は、吸着ノズル251aによる部品の吸着保持が可能な吸着可能位置と、吸着可能位置に対して上方の退避位置との間で昇降可能である。つまり、フィーダー24Fからの部品のピッキングの際には、各搭載ヘッド251は、退避位置から吸着可能位置へ下降して部品を吸着保持し、その後、吸着可能位置から退避位置に向かって上昇する。更に、各搭載ヘッド251は、吸着ノズル251aによって吸着保持された部品を基板P上の目標搭載位置に搭載することが可能な搭載可能位置と、前記退避位置との間で昇降可能である。つまり、基板Pへの部品の搭載の際には、各搭載ヘッド251は、退避位置から搭載可能位置へ下降して部品を基板P上でリリースし、その、搭載可能位置から退避位置に向かって上昇する。
【0022】
図1及び図2に示されるように、実装機本体2は、実装撮像部3を更に備える。実装撮像部3は、撮像対象を撮像する撮像動作を行って撮像画像を取得する。実装撮像部3は、第1撮像部31と、第2撮像部32と、第3撮像部33とを含む。
【0023】
第1撮像部31と、第2撮像部32と、第3撮像部33は、何れも、例えばCMOS(Complementary metal - oxide - semiconductor)やCCD(Charged - coupled device)等の撮像素子を備えた撮像カメラである。
【0024】
第1撮像部31は、本体フレーム21上において部品供給ユニット24とコンベア23との間に設置されている。第1撮像部31は、各搭載ヘッド251の吸着ノズル251aによる前記部品吸着処理が実行された後、ヘッドユニット25が部品供給ユニット24から作業位置の基板Pの上方へ移動する際に、当該第1撮像部31の上方を経由することにより、吸着ノズル251aによって吸着保持された部品を下方側から撮像する。こうして得られる画像(吸着処理画像G14と称す)は、吸着ノズル251aによる部品吸着処理の処理状態を示す画像であり、実装機本体2において取得される処理状態画像G1に含まれる。吸着処理画像G14は、部品吸着処理の処理状態として、吸着ノズル251aによる部品の吸着ミスの他、例えば、吸着ノズル251aに吸着された部品の姿勢、吸着ノズル251aに対する部品の吸着位置のずれ量などを確認することが可能な画像である。なお、部品の吸着ミスとは、フィーダー24Fにより供給される部品を吸着ノズル251aが吸着保持できなかった、又は一旦吸着保持したがその後脱落したような処理状態であり、この場合には、吸着ノズル251aのみが撮像された吸着処理画像G14が取得される。吸着処理画像G14は、後記実装制御部4に入力され、データ算出部46による吸着位置ずれの算出の際に参照される。
【0025】
第2撮像部32は、フィーダー24Fに設定された部品供給位置の直上に吸着ノズル251aが位置するようにヘッドユニット25が配置された状態で、フィーダー24Fの部品供給位置を斜め上方から撮像する。具体的には、第2撮像部32は、吸着ノズル251aが吸着動作を行う前に、フィーダー24Fにより部品供給位置に供給された部品を斜め上方から撮像した画像(第1供給処理画像G11と称す)を取得する。更に、第2撮像部32は、フィーダー24Fにより部品供給位置に供給された部品に対して吸着ノズル251aが吸着動作を行っている最中、例えば、搭載ヘッド251が前記吸着可能位置へ配置されたときの部品供給位置の状態を撮像した画像(第2供給処理画像G12と称す)を取得する。また、第2撮像部32は、吸着ノズル251aによる吸着動作の終了後における部品供給位置の状態を撮像した画像(第3供給処理画像G13と称す)を取得する。
【0026】
第1供給処理画像G11、第2供給処理画像G12、及び第3供給処理画像G13は、フィーダー24Fによる部品供給処理の処理状態を示す画像であり、実装機本体2において取得される処理状態画像G1に含まれる。第1供給処理画像G11、第2供給処理画像G12、及び第3供給処理画像G13は、例えば、フィーダー24Fの部品供給位置に供給された部品の姿勢、部品供給位置における吸着ノズル251aによる部品の吸着性などを確認することが可能な画像である。
【0027】
また、第2撮像部32は、部品を吸着保持した吸着ノズル251aが基板Pに設定された目標搭載位置の直上に位置するようにヘッドユニット25が配置された状態で、目標搭載位置を斜め上方から撮像する。具体的には、第2撮像部32は、搭載ヘッド251が吸着ノズル251aにより吸着された部品を基板Pに搭載する前に、基板P上の目標搭載位置を斜め上方から撮像した画像(第1搭載処理画像G15と称す)を取得する。更に、第2撮像部32は、搭載ヘッド251による部品搭載動作の終了後における目標搭載位置の状態を撮像した画像(第2搭載処理画像G16と称す)を取得する。
【0028】
第1搭載処理画像G15及び第2搭載処理画像G16は、搭載ヘッド251による部品搭載処理の処理状態を示す画像であり、実装機本体2において取得される処理状態画像G1に含まれる。第1搭載処理画像G15及び第2搭載処理画像G16は、部品搭載処理の処理状態として、例えば、基板P上の目標搭載位置に搭載された部品の姿勢などを確認することが可能な画像である。
【0029】
第3撮像部33は、ヘッドユニット25に配置される。第3撮像部33は、各搭載ヘッド251が部品搭載処理を実行する際に、作業位置に配置された基板Pの上面に付設されている各種マークを認識するために、当該マークを上方から撮像する。第3撮像部33による基板P上のマークの認識によって、基板Pの原点座標に対する位置ずれ量が検知される。
【0030】
なお、既述の通り、第1撮像部31により取得される吸着処理画像G14は、部品吸着処理の処理状態を示す画像である。また、第2撮像部32により取得される第1供給処理画像G11、第2供給処理画像G12及び第3供給処理画像G13は、フィーダー24Fによる部品供給処理の処理状態を示す画像であるが、既述の通り、部品供給位置における吸着ノズル251aによる部品の吸着性などを確認することが可能な画像であるため、部品吸着処理の処理状態を示す画像とも言える。つまり、当例では、前記吸着処理画像G14と、前記第1供給処理画像G11、第2供給処理画像G12及び第3供給処理画像G13とが、本発明の「部品吸着処理に関する処理状態画像」に相当し、第1撮像部31及び第2撮像部32が、本発明の「撮像カメラ」に相当する。
【0031】
基本情報記憶部40Maは、実装制御部4によって参照される基板データBDを記憶する。基板データBDは、実装制御部4による実装機本体2の部品搭載処理の制御に必要な複数のパラメータ情報D1と、目標吸着位置情報DAPと、目標搭載位置情報DPPとによって構成されるデータである。パラメータ情報D1は、部品情報D11と、ヘッド情報D12と、ノズル情報D13と、フィーダー情報D14とを含む。
【0032】
部品情報D11には、部品の種別を特定するためのパラメータとして、部品の種類を示す部品名、部品のX方向及びY方向の外形寸法、部品の厚みなどが登録されている。ヘッド情報D12は、搭載ヘッド251の種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。ヘッド情報D12には、搭載ヘッド251の種別を特定するためのパラメータとして、搭載ヘッド251の番号などが登録されている。ノズル情報D13は、吸着ノズル251aの種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。ノズル情報D13には、吸着ノズル251aの種別を特定するためのパラメータとして、吸着ノズル251aの種類、吸着ノズル251aの識別子などが登録されている。フィーダー情報D14は、フィーダー24Fの種別を特定するためのパラメータが登録された情報である。フィーダー情報D14には、フィーダー24Fの種別を特定するためのパラメータとして、フィーダー24Fの種類、フィーダー24Fの部品供給ユニット24におけるセット位置などが登録されている。
【0033】
目標吸着位置情報DAPは、吸着ノズル251aによる部品の吸着時における目標の吸着位置(目標吸着位置)がパラメータとして登録された情報である。目標吸着位置情報DAPには、吸着ノズル251aに対する部品の目標吸着位置のX方向及びY方向の各座標がパラメータとして登録されている。目標吸着位置は、通常、部品の被吸着面上の中心位置に設定される。目標搭載位置情報DPPは、パターン形成基板PPに設定された部品の目標搭載位置がパラメータとして登録された情報である。目標搭載位置情報DPPには、基板P上における目標搭載位置のX方向及びY方向の各座標がパラメータとして登録されている。
【0034】
処理データ記憶部40Mbは、実装撮像部3により取得された処理状態画像G1と、この処理状態画像G1に関係する各種データとを関連づけた管理データDMを蓄積して記憶する。すなわち、処理データ記憶部40Mbは、第1撮像部31により取得された吸着処理画像G14と、第2撮像部32により取得された第1供給処理画像G11、第2供給処理画像G12、第3供給処理画像G13、第1搭載処理画像G15及び第2搭載処理画像G16と、前記パラメータ情報D1と、後記の吸着位置ずれデータD2、吸着レベルデータD3及び吸着状態データD4とを関連づけた管理データDMを蓄積して記憶する。
【0035】
詳細については後述するが、吸着位置ずれデータD2、吸着レベルデータD3及び吸着状態データD4は、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に後記のデータ算出部46によって取得されるデータである。搭載ヘッド251による1回の部品搭載処理の実行時においては、複数種の部品の中から1種の部品が使用され、複数の搭載ヘッド251の中から1つの搭載ヘッド251が使用され、複数の吸着ノズル251aの中から1つの吸着ノズル251aが使用され、複数のフィーダー24Fの中から1つのフィーダー24Fが使用される。つまり、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に、使用される部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル251a、及びフィーダー24Fが一義的に決まる。更には、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に、各撮像部31及び第2撮像部32により各処理状態画像G1が取得される。このため、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎にデータ算出部46によって取得される吸着位置ずれデータD2、吸着レベルデータD3及び吸着状態データD4と、各パラメータ情報D1と、各処理状態画像G1とは、互いに関連付けられたものとなる。
【0036】
処理データ記憶部40Mbは、例えばSSD(solid State Drive)で構成される。処理データ記憶部40MbがSSDの場合、処理データ記憶部40Mbは、部品搭載処理の管理データDMを蓄積して記憶し、管理データDMの数がSSDの記憶容量を超えると、当該管理データDMは、時系列的に古いデータから順に管理装置12に送られる。この場合、時系列的に古い管理データDMは処理データ記憶部40Mbから消去される。
【0037】
実装表示部50は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成される。実装表示部50は、実装機本体2における部品搭載処理に関する各種情報を表示する。この各種情報には、処理データ記憶部40Mbに記憶される前記管理データDMの情報が含まれる。実装表示部50の表示動作は、後記の表示制御部47によって制御される。
【0038】
実装操作部51(本発明の「指令入力部」に相当する)は、キーボード、マウス、又は実装表示部50に設けられたタッチパネル等によって構成される。実装操作部51は、オペレータによる実装制御部4に対する各種指令の入力操作を受ける。この入力操作には、実装表示部50の表示形態に関する各種指令の入力操作も含まれる。
【0039】
実装制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。実装制御部4は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、実装機本体2の各構成要素の動作を制御するとともに、実装通信部40のデータ通信動作を制御し、更には各種演算処理を実行する。実装制御部4は、基本情報記憶部40Maに記憶された基板データBDに従って実装機本体2の各構成要素の動作を制御する。実装制御部4は、主たる機能構成として、通信制御部41、基板搬送制御部42、部品供給制御部43、ヘッド制御部44、撮像制御部45、データ算出部46、及び表示制御部47を含む。
【0040】
通信制御部41は、実装通信部40を制御することにより、実装機10と管理装置12との間のデータ通信を制御する。通信制御部41によって制御された実装通信部40は、処理データ記憶部40Mbに記憶された管理データDMを管理装置12に送る。既述の通り、処理データ記憶部40MbがSSDの場合には、実装制御部4は、処理データ記憶部40Mbに記憶された管理データDMのうち、時系列的に古い管理データDMから順に管理装置12に送る。
【0041】
基板搬送制御部42は、コンベア23による基板Pの搬送動作を制御する。部品供給制御部43は、基板データBDの部品情報D11及びフィーダー情報D14に従って、部品供給ユニット24に配列された複数のフィーダー24Fの各々の部品供給処理を制御する。ヘッド制御部44は、基板データBDの部品情報D11、ヘッド情報D12、ノズル情報D13、目標吸着位置情報DAP、及び目標搭載位置情報DPPに従って、ヘッドユニット25を制御することにより搭載ヘッド251を制御する。これにより、ヘッド制御部44は、吸着ノズル251aにより吸着保持された部品を基板Pに搭載する部品搭載処理を、基板Pに設定された複数の目標搭載位置の各々に対応して、搭載ヘッド251に実行させる。撮像制御部45は、実装撮像部3を構成する第1撮像部31、第2撮像部32及び第3撮像部33による撮像動作を制御する。
【0042】
データ算出部46は、第1撮像部31によって取得された吸着処理画像G14に基づいて、吸着ノズル251aによる部品の実吸着位置を認識し、認識した実吸着位置の、目標吸着位置情報DAPで示される目標吸着位置に対する位置ずれを算出する。そして、データ算出部46は、実吸着位置と目標吸着位置との間の位置ずれの量を示す吸着位置ずれデータD2を、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に取得する。このデータ算出部46により取得される吸着位置ずれデータD2は、部品吸着処理における吸着ノズル251aに対する部品の吸着位置のずれ量を示すデータとなる。
【0043】
また、データ算出部46は、吸着ノズル251aに接続された負圧発生装置の負圧レベルのデータを、部品吸着処理における吸着ノズル251aによる部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータD3として取得する。この際、データ算出部46は、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に吸着レベルデータD3を取得する。
【0044】
さらに、データ算出部46は、第1撮像部31によって取得された吸着処理画像G14、及び吸着ノズル251aに接続された負圧発生装置の負圧レベルのデータに基づいて、部品吸着処理における吸着ノズル251aによる部品の吸着状態が正常であるか否かを示す吸着状態データD4を、搭載ヘッド251による部品搭載処理毎に取得する。
【0045】
具体的には、第1撮像部31によって取得された吸着処理画像G14において部品を認識することができ、吸着位置ずれデータD2が許容範囲内に収まっており、さらに吸着ノズル251aによる部品吸着処理の処理中に、負圧発生装置の負圧レベルが許容範囲内に収まっている場合には、データ算出部46は、吸着ノズル251aによる部品の吸着状態が正常であることを示す吸着正常情報が付加された吸着状態データD4を取得する。一方、上述の3つの条件の何れかを満たしていない場合、すなわち、第1撮像部31によって取得された吸着処理画像G14において部品を認識できない場合、又は吸着位置ずれデータD2が許容範囲から外れている場合、又は負圧発生装置の負圧レベルが許容範囲から外れている場合には、データ算出部46は、吸着異常情報が付加された吸着状態データD4を取得する。
【0046】
データ算出部46によって取得された部品搭載処理毎の各吸着位置ずれデータD2、各吸着レベルデータD3、及び各吸着状態データD4は、各パラメータ情報D1及び各処理状態画像G1と関連付けられた状態で(前記管理データDMとして)処理データ記憶部40Mbに記憶される。
【0047】
なお、吸着異常情報が付加された吸着状態データD4をデータ算出部46が取得した場合、すなわち、部品吸着処理においてエラーが発生した場合(以下、単に吸着エラーと称する場合がある)には、部品供給制御部43は、部品供給ユニット24に配列された各フィーダー24Fの作動を停止し、ヘッド制御部44は、ヘッドユニット25の作動を停止する。これにより実装機本体2における部品搭載処理が中断される。この部品搭載処理の中断は、実装操作部51を介して、オペレータにより所定の解除操作が入力されることにより解除される。
【0048】
表示制御部47は、実装表示部50による表示を制御し、実装機本体2の部品吸着処理や部品搭載処理の状況に応じた各種情報及び画像を表示させる。特に、既述のように、吸着異常情報が付加された吸着状態データD4をデータ算出部46が取得した場合、すなわち部品吸着処理においてエラーが発生した場合には、表示制御部47は、エラー発生を報知するとともに、オペレータによる表示要求の入力操作に基づき、吸着エラーの発生要因の特定を支援するための所定の表示画面DS(図5)を表示するように実装表示部50を制御する。この表示画面DSについては後に詳述する。
【0049】
管理装置12は、実装機10とデータ通信可能に接続された、例えばパーソナルコンピュータによって構成される。図4は、管理装置12の構成を示すブロック図である。管理装置12は、管理通信部121と、管理表示部122と、管理操作部123と、管理記憶部124と、管理制御部125とを備える。
【0050】
管理通信部121は、実装機10とデータ通信を行うためのインターフェースである。管理通信部121は、実装機10から入力される管理データDMを取得する。管理記憶部124は、管理通信部121により取得された管理データDMを蓄積して記憶する。管理表示部122は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成される。管理表示部122は、管理記憶部124に記憶される管理データDMの情報を表示する。管理表示部122の表示動作は、管理制御部125によって制御される。
【0051】
管理操作部123は、キーボード、マウス、または、管理表示部122に設けられたタッチパネル等によって構成される。管理操作部123は、オペレータによる管理表示部122の表示に関する各種指令の入力操作を受け付ける。管理制御部125は、管理操作部123に入力された指令に応じて管理表示部122を制御する。
【0052】
[表示制御部47による実装表示部50の表示制御]
部品吸着処理においてエラーが発生し、オペレータによる表示要求の入力操作が行われると、表示制御部47は、既述の通り、吸着エラーの発生要因の特定を支援するための画面として、図5に示すような表示画面DSを表示するように実装表示部50を制御する。
【0053】
具体的には、表示制御部47は、処理データ記憶部40Mbに記憶されている各管理データDMに基づいて、吸着エラーが発生した部品吸着処理で用いられた部品(吸着エラーが発生した部品)と同一部品、すなわち、部品情報D11が同一の部品の過去の部品吸着処理の処理状態画像G1であって、直近の複数回分(当例では10回分)の処理状態画像G1を時系列に沿って並べた一乃至複数種類の画像群GGを表示画面DSに表示させる。当例では、表示制御部47は、第1撮像部31により取得された吸着処理画像G14を時系列に沿って左右方向に一列に並べた画像群GG1と、第2撮像部32が取得した第2供給処理画像G12を時系列に沿って左右方向に一列に並べた画像群GG2とを上下2段に並べて表示させる。この場合、表示制御部47は、同一の部品吸着処理に該当する画像同士が上下に対応するように画像群GG1、GG2を表示させる。図5の例では、吸着処理画像G14の画像群GG1の下側に第2供給処理画像G12の画像群GG2が表示される。また、各画像群GG1、GG2の画像G12、G14は、右側ほど時間的に新しい。
【0054】
オペレータは、表示画面DSの画像群GG1、GG2に基づいて、同一部品の直近の吸着処理画像G12、G14を確認することにより、吸着エラーの発生要因を特定することが可能となる。
【0055】
図6及び図7は、表示画面DSに表示された吸着処理画像G14の画像群GG1の一例を模式的に示している。各図では便宜上、画像群GG1を2列で示している。丸付数字の値が小さい方が時系列的に古い画像である。なお、図6及び図7中の右上には、吸着エラー発生時の吸着処理画像G14と、部品が正しく吸着保持された場合の吸着処理画像G14を参考に示している。
【0056】
図6の例は、吸着エラーとして、吸着ミス(吸着ノズル251aが部品を吸着保持できなかった場合)が発生した態様である。この例では、部品Tは、総じて吸着ノズル251aの吸着保持面に対して特定方向(図6では左上側)に偏って吸着される傾向があり、そのずれ量が徐々に増大している。このことから、オペレータは、例えば吸着エラーの要因の一つとして、部品吸着処理時の吸着ノズル251aの目標吸着位置がフィーダー24Fの部品供給位置に対して相対的にずれていると特定することができる。
【0057】
図7の例は、吸着エラーとして、吸着ノズル251aに対する部品Tの位置ずれの量が許容範囲から外れている態様である。この例では、部品吸着処理毎の吸着ノズル251aに対する部品Tの位置や姿勢にバラツキがあり、位置ずれに統一した傾向が見られない。このことから、オペレータは、吸着ノズル251aによる部品Tの吸着力が弱く、その要因の一つとして、部品Tに対する吸着ノズル251aのミスマッチや、吸着ノズル251aのノズル詰まりが発生していると特定することができる。
【0058】
図5に戻って、表示制御部47は、さらに、処理データ記憶部40Mbに記憶されている各管理データDMに基づいて、各管理データDMに含まれる各吸着位置ずれデータD2で構成されるデータ群のうち、吸着エラーが発生した部品と同一部品のデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布ADを、前記画像群GGと共に表示画面DSに表示させるように実装表示部50を制御する。吸着位置ずれ分布ADは、例えば、各吸着位置ずれデータD2で示される吸着ノズル251aに対する部品の実吸着位置の目標吸着位置に対する位置ずれ量について、X座標及びY座標の位置ずれの分布を示す「XYずれ分布」で表される。
【0059】
この場合、表示制御部47は、吸着位置ずれ分布ADにおいて、吸着ノズル251aに対する部品の吸着位置のずれ量の許容範囲AATを表示させる。また、表示制御部47は、各吸着位置ずれデータD2で構成されるデータ群のうち、前記画像群GGに対応する吸着位置ずれデータD2がそれ以外の吸着位置ずれデータD2とは異なる表示態様となるように、実装表示部50を制御する。例えば、表示制御部47は、画像群GGに対応する吸着位置ずれデータD2の表示色が他の吸着位置ずれデータD2の表示色とは異なるように、実装表示部50を制御する。なお、図5の例では、画像群GGに対応する吸着位置ずれデータD2のプロットが黒で、他の吸着位置ずれデータD2のプロットが白で表示されている。
【0060】
また、表示制御部47は、前記画像群GGと共に吸着位置ずれ推移グラフAGを表示画面DSに表示させるように実装表示部50を制御する。吸着位置ずれ推移グラフAGは、前記吸着位置ずれ分布ADを構成する吸着位置ずれデータD2のデータ群の時間的な推移を示すグラフである。吸着位置ずれ推移グラフAGは、吸着ノズル251aに対する部品の吸着位置のずれ量に関し、X方向のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、Y方向のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、R方向(回転方向)のずれ量の時間的な推移を示すグラフと、を含む。この場合も、表示制御部47は、吸着位置ずれ推移グラフAGを構成する吸着位置ずれデータD2のデータ群において、画像群GGに対応する吸着位置ずれデータD2がそれ以外の吸着位置ずれデータD2とは異なる表示態様となるように、実装表示部50を制御する。例えば、表示制御部47は、画像群GGに対応する吸着位置ずれデータD2の表示色が他の吸着位置ずれデータD2の表示色とは異なるように、実装表示部50を制御する。図5の例では、画像群GGに対応する吸着位置ずれデータD2は黒で、他の吸着位置ずれデータD2は白で表示されており、さらに、吸着位置ずれ推移グラフAGのうち画像群GGに対応する部分は破線で、他の部分は実戦で表示されている。
【0061】
さらに、表示制御部47は、前記画像群GG1、GG2と共に吸着レベル推移グラフALGを表示画面DSに表示させるように実装表示部50を制御する。吸着レベル推移グラフALGは、処理データ記憶部40Mbに記憶されている各管理データDMに含まれる吸着レベルデータD3で構成されるデータ群のうち、吸着エラーが発生した部品吸着処理で用いられた部品と同一部品のデータ群の時間的な推移を示すグラフである。この場合、表示制御部47は、吸着レベル推移グラフALGを構成する吸着レベルデータD3のデータ群において、前記画像群GGに対応する吸着レベルデータD3がそれ以外の吸着レベルデータD3とは異なる表示態様となるように、実装表示部50を制御する。例えば、表示制御部47は、画像群GGに対応する吸着レベルデータD3の表示色が他の吸着レベルデータD3の表示色とは異なるように、実装表示部50を制御する。図5の例では、画像群GGに対応する吸着レベルデータD3は黒で、他の吸着レベルデータD3は白で表示されており、さらに、吸着レベル推移グラフALGのうち画像群GGに対応する部分は破線で、他の部分は実戦で表示されている。
【0062】
吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGが表示画面DSに表示されることにより、オペレータは、吸着位置ずれ分布ADに基づき、吸着エラーが発生した部品と同一部品の実吸着位置の位置ずれの発生状況を確認することができ、また、吸着位置ずれ推移グラフAGに基づき、当該位置ずれの時間的な推移を確認することができる。また、吸着レベル推移グラフALGに基づき、吸着レベルデータD3の時間的な推移を確認することができる。このように、画像群GGと共に、実吸着位置の位置ずれの発生状況、当該位置ずれの時間的な推移及び吸着レベルの時間的な推移を確認することにより、オペレータは、吸着エラーの発生要因をより絞り込むことが可能になり、また、吸着エラーが突発的に発生したのか否かを判別することが可能となる。この場合、吸着位置ずれ分布AD及び吸着位置ずれ推移グラフAGについては、画像群GGに対応する吸着位置ずれデータD2がそれ以外の吸着位置ずれデータD2とは異なる表示態様で表示され、吸着レベル推移グラフALGについては、画像群GGに対応する吸着レベルデータD3がそれ以外の吸着レベルデータD3とは異なる態様で表示されるため、吸着位置ずれ分布AD及び吸着位置ずれ推移グラフAGにおける吸着位置ずれデータD2と画像群GGとの対応関係、及び吸着レベル推移グラフALGにおける吸着レベルデータD3と画像群GGとの対応関係が明確となる。そのため、オペレータは、画像群GGと吸着位置ずれデータD2及び吸着レベルデータD3との対応関係を的確に把握することができ、吸着エラーの発生要因の特定に寄与する。
【0063】
なお、表示制御部47は、実装操作部51を介した入力操作が可能な、部品指定領域B1、ヘッド指定領域B2、ノズル指定領域B3、及びフィーダー指定領域B4が表示画面DSに設定されるように、実装表示部50を制御する。これら指定領域B1~B4は、表示画面DSに表示させる画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGの着目対象を、「部品」、「搭載ヘッド」、「吸着ノズル」及び「フィーダー」の中から指定する指令を入力するための領域である。表示制御部47は、実装操作部51を介して指定された着目対象の画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGが表示画面DSに表示されるように、実装表示部50を制御する。
【0064】
つまり、表示制御部47は、着目対象として「部品」が指定された場合には、既述の通り、吸着エラーが発生した部品吸着処理で用いられた部品と同一部品、すなわち吸着エラーが発生した部品と部品情報D11が同一の部品に着目した画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGが表示されるように実装表示部50を制御する。また、着目対象として「搭載ヘッド」が指定された場合には、表示制御部47は、吸着エラーが発生した部品吸着処理で用いられた搭載ヘッド251と同一の搭載ヘッド251、すなわち吸着エラーが発生した搭載ヘッド251とヘッド情報D12が同一の搭載ヘッド251に着目した画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGが表示されるように実装表示部50を制御する。また、着目対象として「吸着ノズル」が指定された場合には、表示制御部47は、吸着エラーが発生した部品吸着処理で用いられた吸着ノズル251aと同一の吸着ノズル251a、すなわち吸着エラーが発生した吸着ノズル251aとノズル情報D13が同一の吸着ノズル251aに着目した画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGが表示されるように実装表示部50を制御する。また、着目対象として「フィーダー」が指定された場合には、表示制御部47は、吸着エラーが発生した部品吸着処理で用いられたフィーダー24Fと同一のフィーダー24F、すなわち吸着エラーが発生した部品吸着処理で用いられたフィーダー24Fとフィーダー情報D14が同一のフィーダー24Fに着目した画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGが表示されるように実装表示部50を制御する。
【0065】
この場合、表示制御部47は、各指定領域B1~B4のうち、指定されている着目対象に対応する指定領域が、それ以外の指定領域とは異なる表示態様となるように実装表示部50を制御する。当例では、デフォルトの設定として、例えば「部品」が着目対象に指定されている。従って、オペレータは、実装操作部51を介してヘッド指定領域B2、ノズル指定領域B3、及びフィーダー指定領域B4の何れかを指定することにより、「部品」を着目対象とする画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGの表示画面DSを、指定した着目対象の画像群GG、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGが表示された表示画面DSに切り替えることができる。
【0066】
部品吸着処理に用いられる部品、搭載ヘッド251、吸着ノズル251a及びフィーダー24Fは、吸着ノズル251aによる部品の吸着エラーの発生要因となり得る。つまり、フィーダー24Fによって供給された部品の姿勢や部品の形状は、吸着ノズル251aによる部品の吸着保持性に影響を与える。また、吸着ノズル251a及び搭載ヘッド251の動作特性や経年劣化の状況についても、吸着ノズル251aによる部品の吸着保持性に影響を与える。従って、オペレータは、実装操作部51を介した入力操作により着目対象を変更し、表示画面DSの表示内容を切り替えることにより、吸着エラーの発生要因をより的確に特定することが可能となる。
【0067】
なお、部品の吸着エラーの発生要因として部品が特定された場合、オペレータは、例えば、基板データBDの部品情報D11に登録されている部品の外形寸法などのパラメータの入力値を確認する。そして、オペレータは、部品情報D11のパラメータが誤入力されている場合には、部品情報D11のデータを変更するデータ変更作業を行うことにより、吸着エラーの発生要因を解消することが可能となる。
【0068】
また、吸着エラーの発生要因として搭載ヘッド251が特定された場合には、オペレータは、例えば、吸着ノズル251aによる部品の吸着時における、搭載ヘッド251の下降位置として設定された吸着可能位置が適正であるかを確認する。そして、搭載ヘッド251に設定された吸着可能位置が適正ではない場合などには、オペレータは、搭載ヘッド251に設定された吸着可能位置を調整する作業を行うことにより、吸着エラーの発生要因を解消することが可能となる。また、搭載ヘッド251に経年劣化が認められた場合には、オペレータは、搭載ヘッド251を交換する作業などを行うこともできる。
【0069】
また、吸着エラーの発生要因として吸着ノズル251aが特定された場合には、オペレータは、例えば、吸着ノズル251aの洗浄や交換などの作業を行うことにより、吸着エラーの発生要因を解消することができる。また、既述のように(図7)、吸着エラーの発生要因が、吸着ノズル251aと部品とのミスマッチの場合には、オペレータは、部品との関係で、その部品吸着処理に用いられる吸着ノズル251aを異なる種類の吸着ノズル251aに変更するデータ変更作業を行うことにより、吸着エラーの発生要因を解消することが可能となる。
【0070】
また、吸着エラーの発生要因としてフィーダー24Fが特定された場合には、オペレータは、例えば、フィーダー24Fを交換する作業などを行うことにより、吸着エラーの発生要因を解消することが可能となる。
【0071】
また、既述のように(図6)、吸着エラーの発生要因として、部品吸着処理時の吸着ノズル251aの目標吸着位置がフィーダー24Fの部品供給位置に対して相対的にずれていると特定された場合には、オペレータは、目標吸着位置情報DAPのデータを変更するデータ変更作業を行うことにより、吸着エラーの発生要因を解消することが可能となる。
【0072】
[変形例等]
以上説明した部品実装システム100は、本発明に係る部品実装システムの好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、以下の(1)~(6)に記載された構成、若しくは当該(1)~(6)の構成を適宜組み合わせた構成も本発明に属する。
【0073】
(1)実施形態では、実装機10に処理データ記憶部40Mbが備えられており、管理データDMは、この処理データ記憶部40Mbに一旦記憶された後、管理装置12に送られる。しかし、処理データ記憶部40Mbを省略し、実装機10(実装制御部4)から管理装置12に直に管理データDMを送り、当該管理装置12の管理記憶部124に蓄積して記憶する構成としてもよい。この場合、オペレータによる実装操作部51を介した表示要求の入力に基づき、表示制御部47が必要な管理データDMを管理装置12の管理記憶部124から読み出し、この管理データDMに基づいて、図5に示す表示画面DSが表示されるように実装表示部50を制御する。この構成では、管理装置12の管理記憶部124が、本発明の「記憶部」として機能する。
【0074】
(2)処理データ記憶部40Mbが省略される上記(1)の構成においては、例えば、部品の吸着エラーが発生した場合、管理装置12の管理操作部123を介したオペレータによる表示要求の入力に応じ、管理制御部125が管理記憶部124に記憶された管理データDMに基づき、図5に示すような表示画面DSを管理表示部122に表示させるように構成してもよい。この構成によれば、オペレータは、実装機10から離れた位置の管理装置12において、表示画面DSを確認しながら吸着エラーの発生要因を特定することが可能となる。この場合には、管理記憶部124、管理表示部122、及び管理制御部125が、本発明の「記憶部」、「表示部」、及び「表示制御部」として機能する。また、管理操作部123が、本発明の「指令入力部」として機能する。
【0075】
(3)実施形態中では言及していないが、図1に示すように、表示制御部47は、通信制御部41を介して表示画面DSのデータをタブレットなどの携帯端末60に送信することにより、当該表示画面DSを携帯端末の端末表示部61に表示させるように構成されていてもよい。この場合には、携帯端末の端末表示部61が、本発明の「表示部」として機能する。
【0076】
(4)実施形態では、吸着エラーの発生要因の特定を支援するための表示画面DS(図5)は、部品の吸着エラーが発生した際に、オペレータが実装操作部51を介して表示要求の入力操作を行うことで表示される。しかし、オペレータによる当該入力操作によらず、吸着エラーの発生に伴い自動的に表示されるように構成されていてもよい。つまり、表示制御部47は、着エラーの発生に伴い、実装機本体2の部品搭載処理が中断されるのに同期して(部品供給制御部43がフィーダー24Fの作動を停止させるとともにヘッド制御部44がヘッドユニット25の作動を停止させるのに同期して)、前記表示画面DSを表示させるように実装表示部50を制御する構成であってもよい。
【0077】
(5)実施形態では、前記表示画面DS(図5)の画像群GGに関して、表示制御部47は、吸着処理画像G14(G12)を時系列に沿って左右方向に一列に並べた画像群GG1(GG2)を表示させている。しかし、画像群GGの具体的な表示態様は、当該実施形態には限定されない。要は、時系列が認識できるように、表示対象に関する直近の複数回分の処理状態画像G1が並ぶ表示態様であればよい。
【0078】
(6)実施形態では、表示制御部47は、画像群GGとして、吸着処理画像G14の画像群GG1と第2供給処理画像G12の画像群GG2とを表示させるが、さらに、第1供給処理画像G11や第3供給処理画像G13の画像群を表示させるようにしてもよい。また、吸着位置ずれ分布AD、吸着位置ずれ推移グラフAG及び吸着レベル推移グラフALGの全てを画像群GGと共に表示させる必要はなく、これらのうちの何れかの情報を表示させるようにしてもよい。
【0079】
以上説明した本発明をまとめると以下の通りである。
【0080】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、部品を供給する部品供給処理を行うフィーダーと、前記部品を吸着する部品吸着処理を行う吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルにより吸着された前記部品を基板に搭載する部品搭載処理を行う搭載ヘッドと、前記部品吸着処理に関する処理状態画像を取得する撮像カメラと、を含む実装実行部と、前記部品吸着処理に関する処理状態画像を含む管理データを蓄積して記憶する記憶部と、前記管理データの情報を表示する表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、を含み、前記表示制御部は、前記部品吸着処理において前記吸着ノズルによる前記部品の吸着エラーが発生した場合、当該部品吸着処理で用いられた前記部品、前記吸着ノズル、前記搭載ヘッド、及び前記フィーダーのうちの何れかを着目対象として、当該着目対象の前記部品吸着処理に関する過去の処理状態画像であって、直近の複数回分の前記処理状態画像が表示されるように、前記表示部を制御する。
【0081】
この部品実装システムによれば、吸着エラーが発生した場合には、その部品吸着処理で用いられた部品、吸着ノズル、搭載ヘッド、及びフィーダーのうちの何れかを着目対象として、直近の複数回分の処理状態画像が表示部に表示される。直近の複数回分の処理状態画像には、多くの場合、吸着エラーの発生に至る要因を特定するのに有用な情報が含まれている。そのため、当該複数回分の処理状態画像を確認することにより、吸着エラーの発生要因を特定することが可能となる。
【0082】
上記部品実装システムにおいて、前記表示制御部は、前記複数回分の処理状態画像が時系列に沿って表示されるように、前記表示部を制御する。
【0083】
前記処理状態画像の時系列的な変化は、吸着エラーの発生に至る要因を特定するのに有用な情報である。そのため、当該構成は、吸着エラーの発生要因の特定に寄与する。
【0084】
上記部品実装システムにおいて、前記管理データは、前記部品吸着処理で用いられた前記部品、前記吸着ノズル、前記搭載ヘッド、及び前記フィーダーをそれぞれ特定するための各パラメータ情報と、前記部品吸着処理に関する処理状態画像と、を関連付けたデータであり、当該部品実装システムは、前記表示部の表示形態に関する指令が入力される指令入力部をさらに含み、前記表示制御部は、前記部品、前記吸着ノズル、前記搭載ヘッド、及び前記フィーダーの中から着目対象を指定する指令が前記指令入力部を介して入力された場合、当該指定された着目対象についての前記複数回分の処理状態画像が表示されるように、前記表示部を制御する。
【0085】
部品吸着処理に用いられる部品、搭載ヘッド、吸着ノズル、及びフィーダーは、相互に部品の吸着エラーの発生要因に大きく関わる。上記構成によれば、指令入力部を介した入力操作により着目対象を変更し、表示画面の表示内容を切り替えることが可能となるため、吸着エラーの発生要因のより速やかな特定に寄与する。
【0086】
上記部品実装システムにおいて、前記管理データは、前記部品吸着処理に関する処理状態画像と関連付けられたデータであってかつ前記部品吸着処理における前記吸着ノズルに対する前記部品の吸着位置のずれ量を示す吸着位置ずれデータをさらに含み、前記表示制御部は、前記複数回分の処理状態画像とともに、前記吸着位置ずれデータのデータ群の分布を示す吸着位置ずれ分布が表示されるように、前記表示部を制御する。
【0087】
この構成によれば、前記複数回分の処理状態画像を確認しながら、さらに吸着位置ずれ分布に基づき、着目対象に関する実吸着位置の位置ずれの発生状況を確認することができる。そのため、吸着エラーの発生要因の絞り込みに寄与する。
【0088】
この場合、前記表示制御部は、前記複数回分の処理状態画像とともに、前記吸着位置ずれデータのデータ群の時間的な推移を示す吸着位置ずれ推移グラフがさらに表示されるように、前記表示部を制御する。
【0089】
この構成によれば、さらに吸着位置ずれ推移グラフに基づき、当該位置ずれの時間的な推移を確認することができる。そのため、吸着エラーの発生要因の絞り込にみより一層寄与する。
【0090】
上記部品実装システムにおいて、前記管理データは、前記部品吸着処理に関する処理状態画像と関連付けられたデータであってかつ前記部品吸着処理における前記吸着ノズルによる前記部品の吸着レベルを示す吸着レベルデータをさらに含み、前記表示制御部は、前記複数回分の前記処理状態画像とともに、前記吸着レベルデータで示される前記吸着レベルのデータ群の時間的な推移を示す吸着レベル推移グラフが表示されるように、前記表示部を制御する。
【0091】
この構成によれば、前記複数回分の処理状態画像を確認しながら、さらに吸着レベル推移グラフに基づき、吸着レベルデータの時間的な推移を確認することができる。そのため、吸着エラーの発生要因の絞り込みにより一層寄与する。
【0092】
上記部品実装システムにおいて、前記表示部は、携帯端末に備えられている。この構成によれば、実装実行部の各部にアクセスしながら、携帯端末の表示部に表示される前記処理状態画像を確認することが可能となる。そのため、実装実行部の各部を目視確認しながら、吸着エラーの発生要因の特定作業を効率的に行うことが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7