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特許7578849Wi-Fiセンシングのための時間領域チャネル表現情報のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】Wi-Fiセンシングのための時間領域チャネル表現情報のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 11/02 20100101AFI20241029BHJP
【FI】
G01S11/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023568014
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 IB2022054407
(87)【国際公開番号】W WO2022238940
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】63/187,673
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/216,871
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベグ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】オマル,モハマド
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2023/0048695(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0279365(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0334590(US,A1)
【文献】米国特許第11589297(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
11/00 - 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機によって実行される動きセンシングのための方法であって、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、センシングイニシエータから、少なくともビットマップ長さを含むセンシング構成を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記センシングイニシエータから、センシング伝送を受信することと、
前記センシング伝送から時間領域チャネル表現情報を決定することと、
前記時間領域チャネル表現情報の1つ以上の時間領域パルスを、選択された時間領域パルスとして決定することと、
前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルス、及び前記ビットマップ長さに従って、ビットマップを作成することと、
少なくとも前記ビットマップ及び前記選択された時間領域パルスを含むセンシング測定報告を作成することと、
前記センシング測定報告を前記センシングイニシエータに送信することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ビットマップの長さは、前記ビットマップ長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センシング構成は、前記センシングイニシエータによって伝送されるセンシング測定セットアップ要求において受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記センシング伝送から前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルスを決定することは、チャネル応答のウィンドウに従って実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ビットマップ長さは、前記センシング測定報告における選択された時間領域パルスの数を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ビットマップは、前記センシング測定報告に含まれる前記時間領域チャネル表現情報内の前記選択された時間領域パルスのロケーションを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記選択された時間領域パルスを前記センシング測定報告に含めることは、前記選択された時間領域パルスを表す複素値を含めることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記センシング測定報告は、前記ビットマップ長さを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記センシング測定報告の前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルスを決定することは、時間遅延フィルタに従って時間領域パルスを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記センシング測定報告の前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルスを決定することは、振幅マスクを満たす振幅を有する時間領域パルスを選択することを含み、
前記振幅マスクは、時間領域パルス選択について最小の振幅及び最大の振幅の一方又は両方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
動きセンシングのためのシステムであって、
伝送アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
センシングイニシエータから、及び前記受信アンテナを介して、少なくともビットマップ長さを含むセンシング構成を受信することと、
前記センシングイニシエータからセンシング伝送を受信することと、
前記センシング伝送から時間領域チャネル表現情報を決定することと、
前記時間領域チャネル表現情報の1つ以上の時間領域パルスを、選択された時間領域パルスとして決定することと、
前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルス、及び前記ビットマップ長さに従って、ビットマップを作成することと、
少なくとも前記ビットマップ及び前記選択された時間領域パルスを含むセンシング測定報告を作成することと、
前記伝送アンテナを介して、前記センシング測定報告を前記センシングイニシエータに送信することと、を行うための命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項12】
前記ビットマップの長さは、前記ビットマップ長さである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記センシング構成は、前記センシングイニシエータによって伝送されるセンシング測定セットアップ要求において受信される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサは、チャネル応答のウィンドウに従って、前記センシング伝送から前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルスを決定することを行うための命令を実行するようにさらに構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記ビットマップ長さは、前記センシング測定報告における選択された時間領域パルスの数を表す、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記ビットマップは、前記センシング測定報告に含まれる前記時間領域チャネル表現情報内の前記選択された時間領域パルスのロケーションを表す、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記選択された時間領域パルスを表す複素値を含めることによって、前記選択された時間領域パルスを前記センシング測定報告に含めることを行うための命令を実行するようにさらに構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記センシング測定報告は、前記ビットマップ長さをさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサは、時間遅延フィルタに従って時間領域パルスを選択することによって、前記センシング測定報告の前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルスを決定することを行うための命令を実行するようにさらに構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、振幅マスクを満たす振幅を有する時間領域パルスを選択することによって、前記センシング測定報告の前記時間領域チャネル表現情報の前記選択された時間領域パルスを決定することを行うための命令を実行するようにさらに構成され
前記振幅マスクは、時間領域パルス選択について最小の振幅及び最大の振幅の一方又は両方を含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示は、Wi-Fiセンシングのための時間領域チャネル表現情報を生成するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【背景技術】
【0002】
動き検出システムは、例えば、部屋又は屋外エリア内の物体の移動を検出するために使用されている。一部の例示的な動き検出システムでは、赤外線センサ又は光学センサが、センサの視野内の物体の移動を検出するために使用されている。動き検出システムは、セキュリティシステム、自動制御システム、及び他のタイプのシステムにおいて使用されている。
【0003】
Wi-Fiセンシングシステムは、動き検出システムに最近追加されたものの1つである。Wi-Fiセンシングシステムは、センシングデバイスとリモートデバイスとを含み得る。一例によれば、センシングデバイスは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングセッションを開始することができ、リモートデバイスは、センシングデバイスによって開始されたWLANセンシングセッションに参加することができる。WLANセンシングセッションという用語は、物理空間内の物体が探査され、検出され、及び/又は特徴付けられ得る期間を指すことがある。Wi-Fiセンシングシステムでは、チャネルを表す情報(すなわち、チャネル表現情報)は、あるデバイスから別のデバイスに(例えば、センシングデバイスからリモートデバイスに)無線で伝送される必要があり得る。チャネル表現情報は、物体の動き及び/又は移動を決定するためにセンシングアルゴリズムによって使用され得る。一例では、(センシング伝送を送信する)リモートデバイスは、センシングアルゴリズムを含み得る。センシングデバイスがチャネル表現情報を計算すると、センシングデバイスは、更なる処理のために、リモートデバイスに含まれるセンシングアルゴリズムにチャネル表現情報を送信することが必要となり得る。これは、チャネル表現情報をセンシングデバイスからリモートデバイスに無線で送信することを必要とする。
【0004】
デバイス間のチャネルの表現は現在、チャネル状態情報(CSI)に取り込まれている。CSIは、概して、マルチトーンOFDM信号の各トーンの振幅減衰及び位相回転を表す周波数領域における複素値のセットである。一例では、20MHzチャネル帯域幅の場合、チャネルを表すために52個のCSI複素ペアが使用される。別の例では、40MHzチャネル帯域幅の場合、チャネルを表すために104個のCSI複素ペアが使用される。帯域幅が増加するにつれて、チャネルを表すために使用されるCSI複素ペアの数も増加する。したがって、1つのデバイスから別のデバイスへのチャネル情報の伝送は、著しい量の情報を渡すことを必要とし得、その結果、データ転送のために使用されるはずのチャネル容量が消費されることになる。また、より多くの複素値が送信される必要があるため、無線でのCSIの伝送によって引き起こされるチャネル利用率は、より広いチャネル帯域幅に拡大される。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、時間領域におけるWi-Fiセンシングのためのチャネル表現情報を生成するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【0006】
Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法が提供される。例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのために構成された方法が説明される。本方法は、伝送アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成されたプロセッサと、を含むセンシング受信機によって実行される。本方法は、プロセッサによって、時間領域におけるチャネル状態情報の表現を識別するチャネル表現情報構成を受信することと、受信アンテナを介して、センシング伝送を受信することと、プロセッサによって、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することと、プロセッサによって、センシング測定値の時間領域表現を生成することと、少なくともプロセッサによって、チャネル表現情報構成に基づいて時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスを選択することと、プロセッサによって、動き又は移動を決定する際に使用するために、1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャに通信することと、を含む。
【0007】
一部の実装形態では、チャネル表現情報構成は、時間領域パルスの数(N)、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上を含む。
【0008】
一部の実装形態では、最大時間遅延境界は、センシング測定値の時間領域表現の選択可能な時間領域パルスの最大時間遅延を表す。
【0009】
一部の実装形態では、振幅マスクは、最小振幅マスク及び最大振幅マスクのうちの1つを含む。
【0010】
一部の実装形態では、1つ以上の時間領域パルスを選択することは、振幅マスクに基づく。振幅マスクは、センシング測定値の時間領域表現に対するものである。一部の実装形態では、選択することは、振幅マスク内にある時間領域パルスを含めることと、振幅マスク外にある時間領域パルスを除外することと、を含む。
【0011】
一部の実装形態では、本方法は、プロセッサによって、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI(時間領域チャネル表現情報)内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現を生成することを更に含む。
【0012】
一部の実装形態では、本方法は、プロセッサによって、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャに通信することを更に含む。
【0013】
一部の実装形態では、時間領域パルスの数(N)、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上は、センシング測定セットアップ要求において受信される。
【0014】
一部の実装形態では、本方法は、プロセッサによって実施される測距プロセスに従って時間領域パルスの数(N)を決定することを更に含む。
【0015】
一部の実装形態では、本方法は、シミュレーションプロセスに従って時間領域パルスの数(N)を決定することを更に含む。
【0016】
本開示の他の態様及び利点は、本開示の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の上記及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より明らかになり、よりよく理解されるであろう。
【0018】
図1】例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
図2A-2B】ワイヤレス通信デバイス間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。
図3A-3B】図2A及び図2Bのワイヤレス通信デバイス間で通信されたワイヤレス信号から計算されたチャネル応答の例を示すプロットである。
図4A-4B】空間の別個の領域における物体の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を示す図である。
図4C-4D】空間内で動きが発生していないことに関連付けられた例示的なチャネル応答上にオーバーレイされた図4A及び図4Bの例示的なチャネル応答を示すプロットである。
図5】一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステムのアーキテクチャのうちの一部の実装形態を描示する。
図6】一部の実施形態による、センシングデバイスの受信機チェーンの表現を示す。
図7】一部の実施形態による、時間領域パルスの必要数を計算するために誤差信号を計算する例示的なプロセスを示す。
図8】一部の実施形態による、周波数領域における屋内チャネル表現を示す。
図9】一部の実施形態による、時間領域における屋内チャネル表現を示す。
図10】一部の実施形態による、チャネル状態情報(CSI)と再構成CSI(R-CSI)とのグラフ表現を示す。
図11】一部の実施形態による、異なるチャネル帯域幅に対する時間領域パルスの数と最小信号対雑音比(SNR)とのグラフ表現を示す。
図12】一部の実施形態による、時間領域マスクの図を描示する。
図13】一部の実施形態による、別の時間領域マスクの図を描示する。
図14】一部の実施形態による、時間遅延フィルタによって定義された境界を有するセンシング測定値の時間領域表現の図を描示する。
図15】一部の実施形態による、図14の時間遅延フィルタによって定義された境界までの選択された時間領域パルスの図を描示する。
図16】一部の実施形態による、時間遅延フィルタによって定義された境界及び時間領域パルスの数を伴う、センシング測定値の時間領域表現の図を描示する。
図17】一部の実施形態による、図16の時間遅延フィルタによって定義された境界までの、時間領域パルスの数に従って選択された時間領域パルスの図を描示する。
図18】一部の実施形態による、時間遅延フィルタ、時間領域パルスの数、及び最大増幅マスクによって定義された境界を伴う、センシング測定値の時間領域表現の図を描示する。
図19】一部の実施形態による、図18の時間遅延フィルタによって定義された境界までの、時間領域パルスの数、最大増幅マスクに従って選択された時間領域パルスの図を描示する。
図20】一部の実施形態による、非連続である選択された時間領域パルスを示す時間領域表現を描示する。
図21】一部の実施形態による、アクティブトーンビットマップを使用する、センシングデバイスからセンシングアルゴリズムマネージャへの選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの通信の表現を示す。
図22】一部の実施形態による、フルビットマップを使用した、センシングデバイスからセンシングアルゴリズムマネージャへの選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの通信の表現を示す。
図23】一部の実施形態による、完全時間領域チャネル表現情報(フルTD-CRI)内の選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションを使用する、センシングデバイスからセンシングアルゴリズムマネージャへの選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの通信の表現を示す。
図24】一部の実施形態による、センシングデバイスがセンシングイニシエータである、センシングデバイス、リモートデバイス、及びセンシングアルゴリズムマネージャの間の通信のためのシーケンス図を描示する。
図25】一部の実施形態による、リモートデバイスがセンシングイニシエータである、センシングデバイス、リモートデバイス、及びセンシングアルゴリズムマネージャの間の通信のためのシーケンス図を描示する。
図26】一部の実施形態による、リモートデバイスがセンシングイニシエータである、センシングデバイスとセンシングアルゴリズムマネージャを含むリモートデバイスとの間の通信のためのシーケンス図を描示する。
図27】一部の実施形態による、センシング伝送を搬送する管理フレームを示す。
図28A】制御フレームのフォーマットの一例を示す。
図28B】一部の実施形態による、制御フレームのセンシング伝送告知制御フィールドのフォーマットを示す。
図29A】制御フレームのフォーマットの別の例を示す。
図29B】一部の実施形態による、制御フレームのセンシング測定制御フィールドのフォーマットを示す。
図30】一部の実施形態による、チャネル表現情報(CRI)伝送メッセージを搬送する管理フレームを示す。
図31】一部の実施形態による、動き又は移動を決定する際に使用するために、1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャに通信するためのフローチャートを描示する。
図32A-32B】一部の実施形態による、動き又は移動を決定する際に使用するために、1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャに通信するためのフローチャートを描示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
Wi-Fiセンシングシステム(ワイヤレスセンシングシステムとも称される)は、信号をリモートデバイスに伝送し、リモートデバイスから受信された応答を分析することによって、環境を測定することができる。Wi-Fiセンシングシステムは、環境及びその変化を分析するために繰り返し測定を実施することができる。Wi-Fiセンシングシステムは、既存の通信構成要素とともに動作することができ、定義されたプロトコルに基づいて複数のデバイス間のエアタイムリソース使用状況を調整するために使用され得る媒体アクセス制御(MAC)層エンティティを有することから利益を得ている。
【0020】
Wi-Fiセンシングシステムの関連する標準化目標のうちの1つは、802.11ネットワーク上にWi-Fiセンシング能力をオーバーレイすることがネットワークの通信機能を損なわないように、既存のWi-Fiネットワーク上の追加のオーバーヘッドを低減することである。現在、Wi-Fiセンシングシステムにおけるセンシングのために特に定義された既知のMACプロトコルは存在しない。Wi-Fiセンシングシステムにおけるセンシングの一態様は、リモートデバイスからのセンシング伝送の要請である。Wi-Fiセンシングエージェントが存在、ロケーション及び動きを検出することを可能にするように最適化される特性を有するリモートデバイスからのセンシング伝送の要請を可能にするためのMAC層に対する改善は、既存のシステム性能に著しく影響を及ぼす可能性がある。特に、センシングのために最適化されたリモートデバイス伝送(又はセンシング伝送)の要求又は要請は、リモートデバイスのアップリンクスケジューラに影響を及ぼす可能性がある。センシング伝送を伝送するようにリモートデバイスに要求又は要請するための既存のメカニズムが存在している。しかしながら、かかるメカニズムは、異なる目的のために設計されたものである。その結果、これらのメカニズムは、効率的ではなく、制御にフレキシビリティを提供せず、異なるベンダの実装間で普遍的に一貫していない。更に、チャネルサウンディングプロトコルが、Wi-Fiセンシングをサポートするために考慮される場合がある。しかしながら、チャネルサウンディングプロトコルは現在、フレキシビリティがないため、Wi-Fiセンシングをサポートするかかる機能は不可能である。
【0021】
Wi-Fiシステムのためのプロトコルは、センシング要件に対してデータ転送メカニズムに基づいて行われる決定を用いて設計される。その結果、Wi-Fiセンシングの態様は、一般的なWi-Fiシステム内では開発されないことが多い。
【0022】
本明細書で説明するものの一部の態様では、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレス通信デバイス間の空間を通して伝送されたワイヤレス信号(例えば、無線周波数信号)を処理することによって、種々のワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用され得る。例示的なワイヤレスセンシングアプリケーションは、動き検出を含み、動き検出は、空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーションを含み得る。ワイヤレスセンシングアプリケーションの他の例は、物体認識、発話認識、キーストローク検出及び認識、改竄検出、タッチ検出、攻撃検出、ユーザ認証、運転者疲労検出、交通監視、喫煙検出、学校暴力検出、人間計数、人間認識、自転車位置特定、人間キュー推定、Wi-Fiイメージング、及び他のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションを含む。例えば、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fi信号又は他のタイプのワイヤレス信号に基づいて動きの存在及びロケーションを検出するための動き検出システムとして動作してもよい。以下でより詳細に説明されるように、ワイヤレスセンシングシステムは、例えば、システム動作を改善するために、又は他の技術的利点を達成するために、測定レート、ワイヤレス接続及びデバイス参加を制御するように構成され得る。ワイヤレスセンシングシステムが動き検出のために使用されるときに達成されるシステム改善及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用される例においても達成される。
【0023】
一部の例示的なワイヤレスセンシングシステムでは、ワイヤレス信号は、ワイヤレスデバイスがチャネル応答又は他のチャネル情報を推定するために使用され得る構成要素(例えば、Wi-Fi PHYフレーム中の同期プリアンブル、又は別のタイプの構成要素)を含み、ワイヤレスセンシングシステムは、経時的に収集されたチャネル情報の変化を分析することによって動き(又はワイヤレスセンシングアプリエーションに応じて別の特性)を検出することができる。一部の例では、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)が受信機の役割を担い、APに接続された各Wi-Fiデバイス(ステーション、ノード又はピア)が伝送機の役割を担う、バイスタティックレーダーシステムのように動作することができる。ワイヤレスセンシングシステムは、伝送を生成し、受信機デバイスにおいてチャネル応答測定値を生成するように、接続されたデバイスをトリガすることができる。このトリガプロセスは、一連の時変測定値を取得するために周期的に繰り返すことができる。ワイヤレスセンシングアルゴリズムは、次いで、(例えば、Wi-Fi受信機によって計算された)生成されたチャネル応答測定値の時系列を入力として受信することができ、次いで、相関又はフィルタ処理プロセスを通して、決定を行うことができる(例えば、例えば、チャネル推定における変化又はパターンに基づいて、チャネル応答によって表される環境内に動きがあるか、又は動きがないかを決定する)。ワイヤレスセンシングアルゴリズムは、チャネル応答測定値から所望の特徴を抽出するために必要とされるインテリジェンスを含み得、所望のセンシングアプリケーションに基づいて異なり得る。
【0024】
ワイヤレスセンシングシステムが動きを検出する例では、複数のワイヤレスデバイスの間の動き検出結果に基づいて、環境内の動きのロケーションを識別することも可能であり得る。
【0025】
したがって、ワイヤレス通信ネットワーク中のワイヤレス通信デバイスの各々において受信されたワイヤレス信号は、ネットワーク中の(ワイヤレス通信デバイスのそれぞれのペア間の)様々な通信リンクについてのチャネル情報を決定するために分析され得る。チャネル情報は、空間を横断するワイヤレス信号に伝達関数を適用する物理媒体を表すことができる。一部の事例では、チャネル情報はチャネル応答を含む。チャネル応答は、物理的通信経路を特徴付けることができ、例えば、伝送機と受信機との間の空間内の散乱、フェーディング、及び電力減衰の組み合わされた影響を表す。一部の事例では、チャネル情報は、ビームフォーミングシステムによって提供されるビームフォーミング状態情報(例えば、フィードバック行列、ステアリング行列、チャネル状態情報(CSI)など)を含む。ビームフォーミングは、指向性信号伝送又は受信のためのマルチアンテナ(多入力/多出力(MIMO))無線システムにおいてしばしば使用される信号処理技術である。ビームフォーミングは、特定の角度における信号が強め合う干渉を経験し、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナアレイ中の要素を動作させることによって達成され得る。
【0026】
通信リンクの各々についてのチャネル情報は、(例えば、ワイヤレス通信ネットワーク中のハブデバイス若しくは他のデバイス、又はネットワークに通信可能に結合されたリモートデバイスによって)分析されて、例えば、動きが空間内で発生したかどうかを検出するか、検出された動きの相対的なロケーションを決定するか、又はその両方を行うことができる。一部の態様では、通信リンクの各々についてのチャネル情報は、例えば、空間内で動きが検出されない場合、物体が存在するか不在であるかを検出するために分析され得る。一部の態様によれば、チャネル情報は、外部デバイスにオフロードされ得る。外部デバイスは、チャネル情報を処理して、物体が存在するか否かを検出することができる。一例では、チャネル情報は、あるデバイスから別のデバイスに無線で伝送され得る。更に、無線でのチャネル情報の伝送によって引き起こされるチャネル利用率は、チャネル帯域幅の幅に基づいて変動し得る。
【0027】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレスネットワーク全体にわたってノードの帯域ステアリング又はクライアントステアリングを実施することができ、例えば、Wi-FiマルチAP又は拡張サービスセット(ESS)トポロジでは、複数の協調ワイヤレスアクセスポイント(AP)は各々、異なる周波数帯域を占有し、デバイスが1つの参加APから別の参加AP(例えば、メッシュ)に透過的に移動することを可能にし得る基本サービスセット(BSS)を提供する。例えば、ホームメッシュネットワーク内で、Wi-Fiデバイスは、APのいずれかに接続することができるが、典型的には、良好な信号強度を有するものを選択する。メッシュAPのカバレージフットプリントは概して重複しており、しばしば、各デバイスを通信範囲又は2つ以上のAP内に置く。APがマルチバンド(例えば、2.4GHz及び5GHz)をサポートする場合、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを同じ物理APに接続されたままにするが、ワイヤレスセンシングアルゴリズム(例えば、動き検出アルゴリズム)の精度又は結果を改善するのを助けるために、より多様な情報を取得するために異なる周波数帯域を使用するように命令することができる。一部の実装形態では、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを1つのメッシュAPに接続されている状態から別のメッシュAPに接続されている状態に変更することができる。かかるデバイスのステアリングは、検出カバレージを改善するために、又はエリア内の動きをよりよく局所化するために、特定のエリアにおいて検出された基準に基づいて、例えば、ワイヤレスセンシング(例えば、動き検出)中に実施することができる。
【0028】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスが、それらのワイヤレスセンシング能力又はワイヤレスセンシング意思をワイヤレスセンシングシステムに動的に示し、通信することを可能にし得る。例えば、APがチャネル測定値を生成することを可能にするワイヤレス信号を伝送するために、デバイスが周期的に中断又はトリガされることを望まない場合があり得る。例えば、デバイスがスリープしている場合、ワイヤレスセンシング信号を伝送又は受信するためにデバイスを頻繁に起動することは、リソースを消費する可能性がある(例えば、携帯電話バッテリをより速く放電させる)。これら及び他のイベントによって、デバイスがワイヤレスセンシングシステムの動作に参加する意思を持ったり持たなかったりする可能性がある。場合によっては、そのバッテリで動作している携帯電話は、参加することを望まない場合があるが、携帯電話が充電器にプラグ接続されているときには、参加する意思がある場合がある。したがって、携帯電話がプラグを抜かれている場合、携帯電話を参加から除外するようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができ、一方、携帯電話がプラグを差し込まれている場合、携帯電話をワイヤレスセンシングシステムの動作に含めるようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。場合によっては、デバイスが負荷を受けている(例えば、オーディオ又はビデオをストリーミングしているデバイス)か、又は一次機能を実施している最中である場合、デバイスは参加することを望まないことがあり、同じデバイスの負荷が低減され、参加することが一次機能に干渉しない場合、デバイスは、それが参加する意思があることをワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。
【0029】
例示的なワイヤレスセンシングシステムは、動き検出(空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーション)の文脈において以下に説明される。しかしながら、ワイヤレスセンシングシステムが動き検出システムとして動作しているときに達成される動作、システム改善、及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用される例においても適用可能である。
【0030】
本明細書の実施形態で開示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングプロシージャにより、ステーション(STA)は、WLANセンシングを実施することができる。WLANセンシングは、WLANセンシングセッションを含み得る。例えば、WLANセンシングプロシージャ、WLANセンシング、及びWLANセンシングセッションは、ワイヤレスセンシングプロシージャ、ワイヤレスセンシング、及びワイヤレスセンシングセッション、Wi-Fiセンシングプロシージャ、Wi-Fiセンシング、及びWi-Fiセンシングセッション、又はセンシングプロシージャ、センシング、及びセンシングセッションと称されることがある。
【0031】
WLANセンシングは、STAが、2つ以上のSTA間のチャネル、及び/又はSTA若しくはアクセスポイント(AP)の受信アンテナと伝送アンテナとの間のチャネルのセンシング測定値を取得することを可能にするサービスである。WLANセンシングプロシージャは、センシングセッションセットアップ、センシング測定セットアップ、センシング測定インスタンス、センシング測定セットアップ終了、及びセンシングセッション終了のうちの1つ以上から構成され得る。
【0032】
本明細書で開示する例では、センシングセッションセットアップ及びセンシング測定セットアップは、センシング構成と称されることがあり、センシング構成メッセージによって達成され得、センシング構成応答メッセージによって確認され得る。センシング測定インスタンスは、個々のセンシング測定であり得、センシング伝送から導出することができる。例えば、センシング構成メッセージは、センシング測定セットアップ要求と称されることがあり、センシング構成応答メッセージは、センシング測定セットアップ応答と称されることがある。
【0033】
WLANセンシングプロシージャは、複数のセンシング測定インスタンスを含み得る。例えば、複数のセンシング測定インスタンスは、測定キャンペーンと称されることがある。
【0034】
センシングイニシエータは、WLANセンシングプロシージャを開始するSTA又はAPを指すことがある。センシングレスポンダは、センシングイニシエータによって開始されたWLANセンシングプロシージャに参加するSTA又はAPを指すことがある。センシング伝送機は、WLANセンシングプロシージャにおいてセンシング測定のために使用される物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を伝送するSTA又はAPを指すことがある。センシング受信機は、センシング伝送機によって送信されたPPDUを受信し、WLANセンシングプロシージャにおいてセンシング測定を実施するSTA又はAPを指すことがある。
【0035】
例えば、センシング測定のために使用されるPPDUは、センシング伝送と称されることがある。
【0036】
センシングイニシエータとして機能するSTAは、センシング伝送機、センシング受信機、センシング伝送機及びセンシング受信機の両方、又はセンシング伝送機でもセンシング受信機でもないものとして、センシング測定インスタンスに参加することができる。センシングレスポンダとして機能するSTAは、センシング伝送機、センシング受信機、並びにセンシング伝送機及びセンシング受信機の両方としてセンシング測定インスタンスに参加することができる。
【0037】
一例では、センシングイニシエータは、WLANセンシングプロシージャ又は測定キャンペーンを制御するとみなすことができる。センシングイニシエータの役割は、センシングデバイス、リモートデバイス、又はセンシングアルゴリズム(例えば、センシングアルゴリズムマネージャ)を含む別個のデバイスによって引き継がれてもよい。
【0038】
例えば、センシング伝送機は、リモートデバイスと称されることがあり、センシング受信機は、センシングデバイスと称されることがある。他の例では、センシングイニシエータは、センシングデバイス又はリモートデバイスの機能であってもよく、センシングレスポンダは、センシングデバイス又はリモートデバイスの機能であってもよい。
【0039】
IEEE P802.11-REVmd/D5.0は、STAを、規格によって定義された特徴をサポートすることが可能な物理(PHY)及び媒体アクセスコントローラ(MAC)エンティティであるとみなす。STAを含むデバイスは、Wi-Fiデバイスと称されることがある。(IEEE P802.11-REVmd/D5.0によって定義されるような)基本サービスセット(BSS)を管理するWi-Fiデバイスは、AP STAと称されることがある。BSS内のクライアントノードであるWi-Fiデバイスは、非AP STAと称されることがある。一部の例では、AP STAはAPと称されることがあり、非AP STAはSTAと称されることがある。
【0040】
本開示の様々な実施形態では、本明細書で使用される1つ以上の用語の非限定的な定義を以下に提供する。
【0041】
「測定キャンペーン」という用語は、一連の1つ以上のセンシング測定値が計算されることを可能にする、(ワイヤレスアクセスポイント、Wi-Fiアクセスポイント、アクセスポイント、センシングイニシエータ、又はセンシング受信機として概して知られている)センシングデバイスと(Wi-Fiデバイス、センシングレスポンダ、又はセンシング伝送機として概して知られている)リモートデバイスとの間の双方向の一連の1つ以上のセンシング伝送を指すことがある。
【0042】
「チャネル状態情報(CSI)」という用語は、ワイヤレス信号が複数の経路に沿って伝送機から受信機にどのように伝搬するかを表すことができる。CSIは、通常、信号の振幅減衰及び位相シフトを表す複素値の行列であり、通信チャネルの推定を提供する。
【0043】
「センシングトリガメッセージ」という用語は、センシング測定を実施するために使用され得る1つ以上のセンシング伝送をトリガするためにセンシングデバイスからリモートデバイスに送信されるメッセージを指すことがある。一例では、センシングトリガメッセージは、要求された伝送構成、要求されたタイミング構成、及び/又はステアリング行列構成を含み得る。例では、センシングトリガメッセージという用語は、センシングサウンディングトリガメッセージ又はセンシングサウンディングトリガフレームと称されることがある。
【0044】
「センシング伝送」という用語は、センシング測定を行うために使用され得る、リモートデバイスからセンシングデバイスに行われる任意の伝送を指すことがある。一例では、センシング伝送は、ワイヤレスセンシング信号又はワイヤレス信号と称されることもある。一例では、センシング伝送は、センシング測定を行うために使用される1つ以上の訓練フィールドを含むセンシング応答メッセージ又はセンシング応答NDPのいずれかであり得る。
【0045】
「センシング伝送告知」という用語は、センシング伝送NDPがショートインターフレームスペース(SIFS)内に続くことを告知する、リモートデバイスからセンシングデバイスに送信されるメッセージを指すことがある。センシング伝送NDPは、センシング伝送告知とともに定義された伝送パラメータを使用して伝送され得る。一部の例では、センシング伝送告知は、センシングトリガメッセージに続いて送信され得、センシング応答告知と称されることがある。例では、センシング伝送告知という用語は、センシングNDP告知又はセンシングNDP告知フレームと称されることがある。
【0046】
「センシング伝送NDP」という用語は、リモートデバイスによって送信され、センシングデバイスにおけるセンシング測定のために使用されるNDP伝送を指すことがある。一例では、伝送は、センシング伝送告知に従い、センシング応答告知において定義される伝送パラメータを使用して伝送され得る。一部の例では、センシング伝送NDPは、センシング応答告知に続いて送信され得、センシング応答NDPと称されることがある。
【0047】
「センシング測定」という用語は、チャネルの状態の測定、すなわち、センシング伝送から導出されるリモートデバイスとセンシングデバイスとの間のCSI測定を指すことがある。一例では、センシング測定は、チャネル応答測定と称されることもある。
【0048】
「チャネル表現情報(CRI)」という用語は、2つのデバイス間のチャネルの状態を一緒に表すセンシング測定値の集合を指すことがある。CRIの例は、CSI及びフルTD-CRIである。
【0049】
「センシング測定ポール」という用語は、センシングデバイスによって決定されているチャネル表現情報の伝送を求めるためにリモートデバイスからセンシングデバイスに送信されるメッセージを指すことがある。例では、センシング測定ポールという用語は、センシングトリガ報告又はセンシングトリガ報告フレームと称されることがある。
【0050】
「伝送パラメータ」という用語は、特定のPHYに対応する伝送ベクトル(TXVECTOR)の一部として定義され、各PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)伝送のために構成可能である、IEEE802.11PHY伝送機構成パラメータのセットを指すことがある。
【0051】
「PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)」という用語は、プリアンブル及びデータフィールドを含むデータユニットを指すことがある。プリアンブルフィールドは、伝送ベクトルフォーマット情報を含み得、データフィールドは、ペイロード及び上位層ヘッダを含み得る。
【0052】
「フル時間領域チャネル表現情報(フルTD-CRI)」という用語は、CSI値、例えばベースバンド受信機によって計算されたCSIに対して逆高速フーリエ変換(IFFT)を実施することによって作成される時間領域パルスの一連の複素ペアを指すことがある。
【0053】
「フィルタ処理された時間領域チャネル表現情報(フィルタ処理されたTD-CRI)」という用語は、フルTD-CRIにアルゴリズムを適用することによって作成された時間領域パルスの低減された一連の複素ペアを指すことがある。アルゴリズムは、一部の時間領域パルスを選択し、他を拒絶することができる。フィルタ処理されたTD-CRIは、選択された時間領域パルスをフルTD-CRI内の対応する時間領域パルスに関連付ける情報を含む。
【0054】
「再構成されたフィルタ処理された時間領域チャネル表現情報(再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI)」という用語は、フィルタ処理されたTD-CRIから作成されたフルTD-CRIのバージョンを指すことがある。
【0055】
「チャネル応答情報(CRI)伝送メッセージ」という用語は、センシング伝送に対してセンシング測定を実施したセンシングデバイスによって送信されたメッセージを指すことがあり、センシングデバイスはセンシングイニシエータにCRIを送信する。例では、CRI伝送メッセージは、センシング測定報告又はセンシング測定報告フレームの一例であり得る。
【0056】
「再構成されたCSI(R-CSI)」という用語は、ベースバンド受信機によって測定された元のCSI値の表現を指すことがあり、R-CSIは、元のCSI値(周波数領域)をとり、IFFTを実施してそれらの値を時間領域に変換し、時間領域パルスの数を選択し、選択された時間領域パルスを含まない時間領域トーンをゼロ化又はヌル化し、FFTを実施することによって計算される。結果として得られる周波数領域複素値は、R-CSIである。
【0057】
「時間領域パルス」という用語は、時間領域における離散化されたエネルギーの振幅及び位相を表す複素数を指すことがある。ベースバンド受信機からトーンごとにCSI値が取得されると、CSI値に対してIFFTを実施することによって時間領域パルスが取得される。
【0058】
「N」という用語は、R-CSIを生成するために使用される時間領域パルスの構成された数を指す。
【0059】
「トーン」という用語は、OFDM信号中の個々のサブキャリアを指すことがある。トーンは、時間領域又は周波数領域で表され得る。時間領域では、トーンはシンボルと称されることもある。周波数領域では、トーンはサブキャリアと称されることもある。
【0060】
「ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングセッション」という用語は、物理空間内の物体が探査され、検出され、及び/又は特徴付けられ得る期間を指すことがある。一例では、WLANセンシングセッション中に、複数のデバイスが参加し、それによってセンシング測定値の生成に寄与する。
【0061】
以下の様々な実施形態の説明を読むために、本明細書のセクション及びそれらのそれぞれの内容の以下の説明が有用であり得る。
【0062】
セクションAでは、本明細書で説明する実施形態を実施するのに有用であり得るワイヤレス通信システム、ワイヤレス伝送、及びセンシング測定について説明する。
【0063】
セクションBでは、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法の実施形態を説明する。特に、セクションBは、時間領域におけるWi-Fiセンシングのためのチャネル表現情報を生成するWi-Fiシステム及び方法について説明する。
【0064】
A.ワイヤレス通信システム、ワイヤレス伝送、及びセンシング測定
図1は、ワイヤレス通信システム100を示している。ワイヤレス通信システム100は、3つのワイヤレス通信デバイス、すなわち、第1のワイヤレス通信デバイス102Aと、第2のワイヤレス通信デバイス102Bと、第3のワイヤレス通信デバイス102Cとを含む。例示的なワイヤレス通信システム100は、追加のワイヤレス通信デバイス及び他の構成要素(例えば、追加のワイヤレス通信デバイス、1つ以上のネットワークサーバ、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ケーブル、又は他の通信リンクなど)を含み得る。
【0065】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、ワイヤレスネットワーク通信プロトコル又は別のタイプのワイヤレス規格に従って、ワイヤレスネットワークにおいて動作することができる。例えば、ワイヤレスネットワークは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又は別のタイプのワイヤレスネットワークとして動作するように構成され得る。WLANの例は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上に従って動作するように構成されたネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク)などを含む。PANの例は、短距離通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee)、ミリメートル波通信、及び他に従って動作するネットワークを含む。
【0066】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、携帯通信網規格に従って、携帯通信網で通信するように構成され得る。携帯通信網の例として、Global System for Mobile(GSM)及びEnhanced Data rate for GSM Evolution(EDGE)又はEGPRSなどの2G規格、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)などの3G規格、Long-Term Evolution(LTE)及びLTE-Advanced(LTE-A)などの4G規格、5G規格、及び他に従って構成されたネットワークを含む。
【0067】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、標準的なワイヤレスネットワーク構成要素であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのモデム上に命令(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)として埋め込まれた、本明細書で説明する1つ以上の動作を実施する市販のWi-Fiアクセスポイント又は別のタイプのワイヤレスアクセスポイント(WAP)であり得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、市販のメッシュネットワークシステム(例えば、Plume Wi-Fi、Google Wi-Fi、Qualcomm Wi-Fi SoNなど)など、ワイヤレスメッシュネットワークのノードであり得る。場合によっては、別のタイプの標準又は従来のWi-Fi伝送機デバイスが使用され得る。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、メッシュネットワーク中のWAPとして実装され得るが、他のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのうちの1つを通してメッシュネットワークにアクセスするリーフデバイス(例えば、モバイルデバイス、スマートデバイスなど)として実装される。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップコンピュータなど)、ワイヤレス対応デバイス(例えば、スマートサーモスタット、Wi-Fi対応カメラ、スマートTV)、又はワイヤレスネットワーク中で通信する別のタイプのデバイスである。
【0068】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fi構成要素なしに実装することができ、例えば、他のタイプの標準又は非標準ワイヤレス通信が動き検出のために使用され得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、専用動き検出システムであり得るか、又はその一部であり得る。例えば、専用動き検出システムは、ハブデバイス及び1つ以上のビーコンデバイス(リモートセンサデバイスとして)を含むことができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、動き検出システム内のハブデバイス又はビーコンデバイスのいずれかであり得る。
【0069】
図1に示すように、ワイヤレス通信デバイス102Cは、モデム112と、プロセッサ114と、メモリ116と、電力ユニット118とを含み、ワイヤレス通信システム100中のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのいずれも、同じ構成要素、追加の構成要素、又は異なる構成要素を含むことができ、構成要素は、図1に示すように又は別の様式で動作するように構成され得る。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスのモデム112、プロセッサ114、メモリ116、及び電力ユニット118は、共通のハウジング又は他のアセンブリ内に一緒に収容される。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、別個のハウジング又は他のアセンブリ内に別個に収容され得る。
【0070】
モデム112は、ワイヤレス信号を通信(受信、伝送、又は両方)することができる。例えば、モデム112は、ワイヤレス通信規格(例えば、Wi-Fi又はBluetooth)に従ってフォーマットされた無線周波数(RF)信号を通信するように構成され得る。モデム112は、図1に示されている例示的なワイヤレスネットワークモデム112として実装され得るか、又は別の様式で、例えば、他のタイプの構成要素又はサブシステムを用いて実装され得る。一部の実装形態では、モデム112は、無線サブシステムとベースバンドサブシステムとを含む。場合によっては、ベースバンドサブシステム及び無線サブシステムは、共通のチップ又はチップセット上に実装され得るか、あるいはそれらは、カード又は別のタイプの組み立てられたデバイス中に実装され得る。ベースバンドサブシステムは、例えば、リード、ピン、ワイヤ、又は他のタイプの接続によって、無線サブシステムに結合され得る。
【0071】
場合によっては、モデム112中の無線サブシステムは、1つ以上のアンテナと無線周波数回路とを含み得る。無線周波数回路は、例えば、アナログ信号をフィルタリング、増幅、又は他の方法で調整する回路、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする回路、RF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする回路などを含み得る。かかる回路は、例えば、フィルタ、増幅器、ミキサ、局部発振器などを含み得る。無線サブシステムは、ワイヤレス通信チャネル上で無線周波数無線信号を通信するように構成され得る。一例として、無線サブシステムは、無線チップと、RFフロントエンドと、1つ以上のアンテナとを含み得る。無線サブシステムは、追加の構成要素又は異なる構成要素を含み得る。一部の実装形態では、無線サブシステムは、従来のモデムからの、例えば、Wi-Fiモデム、ピコ基地局モデムなどからの無線電子機器(例えば、RFフロントエンド、無線チップ、又は類似の構成要素)であるか、又はそれを含み得る。一部の実装形態では、アンテナは複数のアンテナを含む。
【0072】
場合によっては、モデム112内のベースバンドサブシステムは、例えば、デジタルベースバンドデータを処理するように構成されたデジタル電子機器を含み得る。一例として、ベースバンドサブシステムは、ベースバンドチップを含み得る。ベースバンドサブシステムは、追加の又は異なる構成要素を含み得る。場合によっては、ベースバンドサブシステムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス又は別のタイプのプロセッサデバイスを含み得る。場合によっては、ベースバンドシステムは、無線サブシステムを動作させ、無線サブシステムを介してワイヤレスネットワークトラフィックを通信し、無線サブシステムを介して受信された動き検出信号に基づいて動きを検出し、又は他のタイプのプロセスを実施するためのデジタル処理論理を含む。例えば、ベースバンドサブシステムは、信号を符号化し、符号化された信号を伝送のために無線サブシステムに配信するか、又は(例えば、ワイヤレス通信規格に従って信号を復号することによって、動き検出プロセスに従って信号を処理することによって、又は他の方法で)無線サブシステムからの信号中の符号化されたデータを識別し、分析するように構成された1つ以上のチップ、チップセット、又は他のタイプのデバイスを含んでもよい。
【0073】
一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、ベースバンドサブシステムからベースバンド信号を受信し、ベースバンド信号を周波数(無線周波数(RF)信号にアップコンバートし、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレス伝送する。一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレスに受信し、無線周波数信号をベースバンド信号にダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンドサブシステムに送信する。無線サブシステムとベースバンドサブシステムとの間で交換される信号は、デジタル信号又はアナログ信号であり得る。一部の例では、ベースバンドサブシステムは、変換回路(例えば、デジタル-アナログ変換器、アナログ-デジタル変換器)を含み、無線サブシステムとアナログ信号を交換する。一部の例では、無線サブシステムは、変換回路(例えば、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器)を含み、ベースバンドサブシステムとデジタル信号を交換する。
【0074】
場合によっては、モデム112のベースバンドサブシステムは、1つ以上のネットワークトラフィックチャネル上で無線サブシステムを通してワイヤレス通信ネットワーク中でワイヤレスネットワークトラフィック(例えば、データパケット)を通信することができる。モデム112のベースバンドサブシステムはまた、専用ワイヤレス通信チャネル上で無線サブシステムを通して信号(例えば、動き探査信号又は動き検出信号)を伝送又は受信(又は両方)することができる。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、動きのための空間を探査するために、伝送のための動き探査信号を生成する。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、空間内の物体の動きを検出するために、受信された動き検出信号(空間を通して伝送された動き探査信号に基づく信号)を処理する。
【0075】
プロセッサ114は、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成するための命令を実行することができる。命令は、メモリに記憶されたプログラム、コード、スクリプト、又は他のタイプのデータを含み得る。追加的又は代替的に、命令は、予めプログラムされた若しくは再プログラム可能な論理回路、論理ゲート、又は他のタイプのハードウェア若しくはファームウェア構成要素として符号化され得る。プロセッサ114は、専用コプロセッサ若しくは別のタイプのデータ処理装置としての汎用マイクロプロセッサであってもよく、又はそれを含んでもよい。場合によっては、プロセッサ114は、ワイヤレス通信デバイス102Cの高レベル動作を実施する。例えば、プロセッサ114は、メモリ116に記憶されたソフトウェア、スクリプト、プログラム、関数、実行可能ファイル、又は他の命令を実行又は解釈するように構成されてもよい。一部の実装形態では、プロセッサ114はモデム112中に含まれ得る。
【0076】
メモリ116は、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、非揮発性メモリデバイス、又はその両方を含み得る。メモリ116は、1つ以上の読取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、又はこれら及び他のタイプのメモリデバイスの組み合わせを含み得る。一部の事例では、メモリの1つ以上の構成要素は、ワイヤレス通信デバイス102Cの別の構成要素と統合されるか、又は別様で関連付けられ得る。メモリ116は、プロセッサ114によって実行可能な命令を記憶することができる。例えば、命令は、図31図32A及び図32Bのいずれかで説明した例示的なプロセスの動作のうちの1つ以上などを通して、干渉バッファと動き検出バッファとを使用して信号を時間整合させるための命令を含んでもよい。
【0077】
電源ユニット118は、ワイヤレス通信デバイス102Cの他の構成要素に電力を供給する。例えば、他の構成要素は、電圧バス又は他の接続を通して電力ユニット118によって提供される電力に基づいて動作してもよい。一部の実装形態では、電力ユニット118は、バッテリ又はバッテリシステム、例えば、再充電可能バッテリを含む。一部の実装形態では、電力ユニット118は、(外部ソースから)外部電力信号を受信し、外部電力信号をワイヤレス通信デバイス102Cの構成要素のために調整された内部電力信号に変換するアダプタ(例えば、ACアダプタ)を含む。電源ユニット118は、他の構成要素を含んでもよく、又は別の様式で動作してもよい。
【0078】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、(例えば、ワイヤレスネットワーク規格、動き検出プロトコル、又は他の方法に従って)ワイヤレス信号を伝送する。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレス動き探査信号(例えば、基準信号、ビーコン信号、ステータス信号など)をブロードキャストしてもよく、又は、他のデバイス(例えば、ユーザ機器、クライアントデバイス、サーバなど)に宛てられたワイヤレス信号を送信し得、他のデバイス(図示せず)並びにワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって伝送されたワイヤレス信号を受信してもよい。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって伝送されるワイヤレス信号は、例えば、ワイヤレス通信規格に従って又は他の方法で、周期的に繰り返される。
【0079】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bからのワイヤレス信号を処理して、ワイヤレス信号によってアクセスされる空間内の物体の動きを検出するか、検出された動きのロケーションを決定するか、又はその両方を行う。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cは、図31図32A及び図32Bのいずれかに関して以下で説明する例示的なプロセスの1つ以上の動作、あるいは動きを検出するか又は検出された動きのロケーションを決定するための別のタイプのプロセスを実施してもよい。ワイヤレス信号によってアクセスされる空間は、例えば、1つ以上の完全に又は部分的に囲まれたエリア、囲いのないオープンエリアなどを含み得る屋内又は屋外空間であり得る。空間は、部屋、複数の部屋、建物などの内部であり得るか、又はそれを含み得る。場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cがワイヤレス信号を伝送することができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bがワイヤレス通信デバイス102Cからのワイヤレス信号を処理して、動きを検出するか、又は検出された動きのロケーションを決定することができるように修正することができる。
【0080】
動き検出のために使用されるワイヤレス信号は、例えば、ビーコン信号(例えば、Bluetoothビーコン、Wi-Fiビーコン、他のワイヤレスビーコン信号)、ワイヤレスネットワーク規格に従って他の目的のために生成された別の規格信号、又は動き検出若しくは他の目的のために生成された非規格信号(例えば、ランダム信号、基準信号など)を含み得る。例えば、動き検出は、ワイヤレス信号によって搬送される1つ以上の訓練フィールドを分析することによって、又は信号によって搬送される他のデータを分析することによって実施されてもよい。一部の例では、データは、動き検出の明示的な目的のために追加されるか、又は使用されるデータは、名目上、別の目的のためのものであり、動き検出のために再使用又は別の目的のために使用される。一部の例では、ワイヤレス信号は、移動物体と相互作用する前又は後に物体(例えば、壁)を通って伝搬し、これにより、移動物体と伝送又は受信ハードウェアとの間の光学的な見通し線がなくても、移動物体の移動を検出することができる。受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出データを生成することができる。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、部屋、建物、屋外エリアなどの空間内の移動を監視するための制御センターを含み得るセキュリティシステムなどの別のデバイス又はシステムに動き検出データを通信することができる。
【0081】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレスネットワークトラフィック信号とは別個のワイヤレス通信チャネル(例えば、周波数チャネル又はコード化チャネル)上で(例えば、基準信号、ビーコン信号、又は動きについて空間を探査するために使用される別の信号を含み得る)動き探査信号を伝送するように修正することができる。例えば、動き探査信号のペイロードに適用される変調及びペイロード中のデータ又はデータ構造のタイプは、ワイヤレス通信デバイス102Cによって知られている場合があり、これにより、ワイヤレス通信デバイス102Cが動きセンシングのために実施する処理の量を低減することができる。ヘッダは、例えば、動きが通信システム100中の別のデバイスによって検出されたかどうかの指標、変調タイプの指標、信号を伝送するデバイスの識別情報など、追加の情報を含み得る。
【0082】
図1に示す例では、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信デバイス102の各々の間にワイヤレス通信リンクを有するワイヤレスメッシュネットワークである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Aとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Aを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Bを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Cを探査するために使用され得る。一部の事例では、各ワイヤレス通信デバイス102は、動き検出フィールド110を通してワイヤレス通信デバイス102によって伝送されたワイヤレス信号に基づく受信信号を処理することによって、そのデバイスによってアクセスされた動き検出フィールド110中の動きを検出する。例えば、図1に示す人物106が動き検出フィールド110A及び動き検出フィールド110C中で移動する場合、ワイヤレス通信デバイス102は、それぞれの動き検出フィールド110を通して伝送されたワイヤレス信号に基づく、それらが受信した信号に基づいて動きを検出することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Aは、動き検出フィールド110A、110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Bは、動き検出フィールド110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出フィールド110A中の人物106の動きを検出することができる。
【0083】
一部の事例では、動き検出フィールド110は、例えば、ワイヤレス電磁信号が伝搬し得る空気、固体材料、液体、又は別の媒体を含み得る。図1に示す例では、動き検出フィールド110Aは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Bは、ワイヤレス通信デバイス102Bとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Cは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信チャネルを提供する。動作の一部の態様では、(ネットワークトラフィックのためのワイヤレス通信チャネルとは別個の又はそれと共有される)ワイヤレス通信チャネル上で伝送されるワイヤレス信号が、空間内の物体の移動を検出するために使用される。物体は、任意のタイプの静止物体又は可動物体であってもよく、生物又は無生物であってもよい。例えば、物体は、人間(例えば、図1に示される人物106)、動物、無機物体、又は別のデバイス、装置、若しくはアセンブリ)、空間の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であってもよい。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスからの動き情報は、検出された動きのロケーションを決定するために分析され得る。例えば、以下で更に説明するように、ワイヤレス通信デバイス102のうちの1つ(又はワイヤレス通信デバイス102に通信可能に結合された別のデバイス)は、検出された動きが特定のワイヤレス通信デバイスの近くにあると決定してもよい。
【0084】
図2A及び図2Bは、ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cの間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、例えば、図1に示されているワイヤレス通信デバイス102A、102B、102C、又は他のタイプのワイヤレス通信デバイスであり得る。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、空間200を介してワイヤレス信号を伝送する。空間200は、1つ以上の境界で完全に又は部分的に囲まれるか、又は開放され得る。一例では、空間200はセンシング空間であり得る。空間200は、1つの部屋、複数の部屋、建物、屋内エリア、屋外エリアなどの内部であり得、又はそれらを含み得る。第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cは、図示の例では、空間200を少なくとも部分的に囲む。
【0085】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し(例えば、周期的に、間欠的に、スケジュールされた間隔、スケジュールされていない間隔、又はランダムな間隔などで)伝送するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは、ワイヤレス通信デバイス204Aによって伝送された信号に基づいて信号を受信するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは各々、空間200中の物体の動きを検出するために受信信号を処理するように構成されるモデム(例えば、図1に示されているモデム112)を有する。
【0086】
図示のように、物体は、図2Aの第1の位置214Aにあり、物体は、図2Bの第2の位置214Bに移動している。図2A及び図2Bでは、空間200内の移動物体は人間として表されているが、移動物体は別のタイプの物体であってもよい。例えば、移動物体は、動物、無機物体(例えば、システム、デバイス、装置、又はアセンブリ)、空間200の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であり得る。
【0087】
図2A及び図2Bに示すように、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されたワイヤレス信号の複数の例示的な経路が破線によって示されている。第1の信号経路216に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。第2の信号経路218に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の壁202B及び第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第3の信号経路220に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の壁202Bからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第4の信号経路222に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第3の壁202Cからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。
【0088】
図2Aでは、第5の信号経路224Aに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第1の位置214Aにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2A図2Bとの間で、物体の表面は、空間200内の第1の位置214Aから第2の位置214Bに(例えば、第1の位置214Aからある距離だけ離れて)移動する。図2Bでは、第6の信号経路224Bに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから伝送され、第2の位置214Bにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2Bに描示する第6の信号経路224Bは、第1の位置214Aから第2の位置214Bへの物体の移動のために、図2Aに描示する第5の信号経路224Aよりも長い。一部の例では、信号経路は、空間内の物体の移動に起因して、追加、除去、又は別様に修正することができる。
【0089】
図2A及び図2Bに示される例示的なワイヤレス信号は、それぞれの経路を通じて減衰、周波数シフト、位相シフト、又は他の影響を受けることがあり、例えば、第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cを通じて別の方向に伝搬する部分を有することがある。一部の例では、ワイヤレス信号は無線周波数(RF)信号である。ワイヤレス信号は、他のタイプの信号を含み得る。
【0090】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し伝送することができる。特に、図2Aは、第1の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されているワイヤレス信号を示し、図2Bは、第2の、後の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されている同じワイヤレス信号を示している。伝送信号は、連続的に、周期的に、ランダム又は断続的な時間などで、又はそれらの組み合わせで伝送され得る。伝送信号は、周波数帯域幅内に複数の周波数成分を有することができる。伝送信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから、無指向性で、指向性で、又は別様で伝送され得る。図示の例では、ワイヤレス信号は、空間200中の複数のそれぞれの経路を横断し、各経路に沿った信号は、経路損失、散乱、反射などにより減衰され得、位相又は周波数オフセットを有し得る。
【0091】
図2A及び図2Bに示すように、第1~第6の経路216、218、220、222、224A、及び224Bからの信号は、ワイヤレス通信デバイス204C及びワイヤレス通信デバイス204Bにおいて合成されて、受信信号を形成する。伝送信号に対する空間200中の複数の経路の影響のために、空間200は、伝送信号が入力され、受信信号が出力される伝達関数(例えば、フィルタ)として表され得る。物体が空間200内を移動すると、信号経路内の信号に影響を及ぼす減衰又は位相オフセットが変化する可能性があり、したがって、空間200の伝達関数が変化する可能性がある。同じワイヤレス信号がワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されると仮定すると、空間200の伝達関数が変化する場合、その伝達関数の出力(受信信号)も変化することになる。受信信号の変化を使用して、物体の移動を検出することができる。
【0092】
数学的に、第1のワイヤレス通信デバイス204Aから伝送された伝送信号f(t)は、式(1)に従って記述され得る。
【数1】
【0093】
式中、ωは伝送信号のn番目の周波数成分の周波数を表し、cはn番目の周波数成分の複素係数を表し、tは時間を表す。第1のワイヤレス通信デバイス204Aから伝送されている伝送信号f(t)を用いて、経路kからの出力信号r(t)は、式(2)に従って記述され得る。
【数2】
【0094】
式中、αn,kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分に対する減衰率(又は、例えば、散乱、反射、及び経路損失によるチャネル応答)を表し、φn,kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分に対する信号の位相を表す。次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、式(3)に示される、ワイヤレス通信デバイスへの全ての経路からの全ての出力信号r(t)の和として記述され得る。
【数3】
【0095】
式(2)を式(3)に代入すると、以下の式(4)が得られる。
【数4】
【0096】
次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rが分析され得る。ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、例えば、高速フーリエ変換(FFT)又は別のタイプのアルゴリズムを使用して、周波数領域に変換され得る。変換された信号は、(n個の周波数ωにおける)それぞれの周波数成分の各々について1つずつ、一連のn個の複素値として受信信号Rを表すことができる。周波数ωにおける周波数成分に対して、複素値Hは、式(5)において次のように表され得る。
【数5】
【0097】
所与の周波数成分ωに対する複素値Hは、その周波数成分ωにおける受信信号の相対的な大きさ及び位相オフセットを示す。物体が空間を移動すると、空間のチャネル応答αn,kが変化することにより、複素値Hが変化する。したがって、チャネル応答において検出された変化は、通信チャネル内の物体の移動を示すことができる。一部の事例では、雑音、干渉、又は他の現象が、受信機によって検出されるチャネル応答に影響を及ぼす可能性があり、動き検出システムは、かかる影響を低減又は分離して、動き検出能力の精度及び品質を改善することができる。一部の実装形態では、全体的なチャネル応答は、式(6)において次のように表され得る。
【数6】
【0098】
一部の事例では、空間に対するチャネル応答hchは、例えば、数学的な推定理論に基づいて決定することができる。例えば、基準信号Refは、候補チャネル応答(hch)を用いて修正することができ、その後、受信信号(Rcvd)に対して最良の一致を提供する候補チャネルを選択するために、最尤アプローチを使用することができる。場合によっては、推定受信信号
【数7】

は、基準信号(Ref)と候補チャネル応答(hch)との畳み込みから取得され、次いで、チャネル応答(hch)のチャネル係数は、推定受信信号
【数8】

の二乗誤差を最小にするように変更される。これは、以下の式(7)のように数学的に示すことができる。
【数9】
【0099】
最適化基準は
【数10】

を有する。
【0100】
最小化又は最適化プロセスは、最小平均二乗(LMS)、再帰的最小二乗(RLS)、バッチ最小二乗(BLS)などの適応フィルタリング技術を利用することができる。チャネル応答は、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタなどであり得る。上記の式に示すように、受信信号は、基準信号とチャネル応答との畳み込みとみなすことができる。畳み込み演算は、チャネル係数が基準信号の遅延されたレプリカの各々とある程度の相関を有することを意味する。したがって、上記の式に示される畳み込み演算は、受信信号が異なる遅延点に現れ、各遅延レプリカがチャネル係数によって重み付けされることを示す。
【0101】
図3A及び図3Bは、図2A及び図2Bにおけるワイヤレス通信デバイス204A、204B、204C間で通信されるワイヤレス信号から計算されたチャネル応答360及びチャネル応答370の例を示すプロットである。図3A及び図3Bはまた、ワイヤレス通信デバイス204Aによって伝送された初期ワイヤレス信号の周波数領域表現350を示している。図示の例では、図3A中のチャネル応答360は、空間200中に動きがない場合にワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表し、図3B中のチャネル応答370は、物体が空間200中で移動した後に図2B中のワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表す。
【0102】
図3A及び図3Bに示す例では、説明のために、ワイヤレス通信デバイス204Aは、周波数領域表現350に示すように、平坦な周波数プロファイル(各周波数成分f、f、及びfの大きさは同じである)を有する信号を伝送する。信号と空間200(及びその中の物体)との相互作用により、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信された信号に基づくワイヤレス通信デバイス204Bにおいて受信された信号は、伝送信号とは異なる。伝送信号が平坦な周波数プロファイルを有するこの例では、受信信号は、空間200のチャネル応答を表す。図3A及び図3Bに示すように、チャネル応答360チャネル応答370は、伝送信号の周波数領域表現350とは異なる。空間200内で動きが発生すると、チャネル応答の変動も発生する。例えば、図3Bに示すように、空間200内の物体の動きに関連付けられたチャネル応答370は、空間200内の動きがないことに関連付けられたチャネル応答360とは異なる。
【0103】
更に、物体が空間200内で移動するにつれて、チャネル応答はチャネル応答370から変動する可能性がある。場合によっては、空間200は、別個の領域に分割され得、各領域に関連付けられたチャネル応答は、以下で説明するように、1つ以上の特性(例えば、形状)を共有することができる。したがって、異なる別個の領域内の物体の動きを区別することができ、チャネル応答の分析に基づいて、検出された動きのロケーションを決定することができる。
【0104】
図4A及び図4Bは、空間400の別個の領域、第1の領域408及び第3の領域412における物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答401及びチャネル応答403を示す図である。図示の例では、空間400は建物であり、空間400は、複数の別個の領域、すなわち第1の領域408、第2の領域410、第3の領域412、第4の領域414、及び第5の領域416に分割される。空間400は、一部の事例では、追加の又はより少ない領域を含み得る。図4A及び図4Bに示されるように、空間400内の領域は、部屋間の壁によって画定され得る。加えて、領域は、建物のフロア間の天井によって画定され得る。例えば、空間400は、追加の部屋を有する追加のフロアを含んでもよい。加えて、一部の事例では、空間の複数の領域は、高層建築物内の複数のフロア、建築物内の複数の部屋、若しくは建築物の特定のフロアの複数の部屋であるか、又はそれを含み得る。図4Aに示される例では、第1の領域408に位置する物体は人物406として表されるが、移動物体は、動物又は無機物体などの別のタイプの物体であってもよい。
【0105】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402Aは、空間400の第4の領域414に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Bは、空間400の第2の領域410に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Cは、空間400の第5の領域416に位置する。ワイヤレス通信デバイス402は、図1のワイヤレス通信デバイス102と同じ又は同様の様式で動作することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、ワイヤレス信号を伝送及び受信し、受信信号に基づいて空間400中で動きが発生したかどうかを検出するように構成されてもよい。一例として、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400を通して動き探査信号を周期的に又は繰り返し伝送し、動き探査信号に基づいて信号を受信することができる。ワイヤレス通信デバイス402は、例えば、受信信号に基づいて空間400に関連付けられたチャネル応答を分析することなどによって、物体が空間400内で移動したかどうかを検出するために、受信信号を分析することができる。加えて、一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400内の検出された動きのロケーションを識別するために、受信信号を分析することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、チャネル応答の特性を分析して、チャネル応答が、空間400の第1~第5の領域408、410、412、414、416に関連付けられていることが知られているチャネル応答と同じ又は類似の特性を共有するかどうかを決定することができる。
【0106】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402のうちの1つ(又は複数)は、空間400を通して動き探査信号(例えば、基準信号)を繰り返し伝送する。動き探査信号は、一部の事例では、平坦な周波数プロファイルを有してもよく、f、f、及びfの大きさは、同一又はほぼ同一である。例えば、動き探査信号は、図3A及び図3Bに示す周波数領域表現350と同様の周波数応答を有してもよい。動き探査信号は、一部の事例では異なる周波数プロファイルを有し得る。基準信号と空間400(及びその中の物体)との相互作用により、他のワイヤレス通信デバイス402から伝送された動き探査信号に基づく別のワイヤレス通信デバイス402において受信された信号は、伝送された基準信号とは異なる。
【0107】
受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400についてのチャネル応答を決定することができる。動きが空間内の別個の領域で発生するとき、チャネル応答において別個の特性が見られる場合がある。例えば、チャネル応答は、空間400の同じ領域内の動きについてわずかに異なり得るが、別個の領域中の動きに関連付けられたチャネル応答は、概して、同じ形状又は他の特性を共有する場合がある。例えば、図4Aのチャネル応答401は、空間400の第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表し、図4Bのチャネル応答403は、空間400の第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表す。チャネル応答401及びチャネル応答403は、空間400中の同じワイヤレス通信デバイス402によって受信された信号に関連付けられている。
【0108】
図4C及び図4Dは、図4A図4Bのチャネル応答401、403を、空間400内で動きが発生していないことに関連付けられたチャネル応答460に重ね合わせて示すプロットである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402は、周波数領域表現450に示されるような平坦な周波数プロファイルを有する動き探査信号を伝送する。空間400内で動きが発生すると、動きのないことに関連付けられたチャネル応答460に対してチャネル応答の変動が発生し、したがって、チャネル応答の変動を分析することによって、空間400内の物体の動きを検出することができる。加えて、空間400内の検出された動きの相対的なロケーションを識別することができる。例えば、動きに関連付けられたチャネル応答の形状を、(例えば、訓練されたAIモデルを使用して)参照情報と比較して、動きを空間400の別個の領域内で発生したものとして分類することができる。
【0109】
空間400中に動きがない場合(例えば、物体406が存在しない場合)、ワイヤレス通信デバイス402は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460を計算することができる。複数の要因により、チャネル応答にわずかな変動が生じ得るが、異なる時間期間に関連付けられた複数のチャネル応答460は、1つ以上の特性を共有することができる。図示の例では、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460は、減少する周波数プロファイルを有する(各周波数成分f、f、及びfの大きさは、前の周波数成分よりも小さい)。チャネル応答460のプロファイルは、(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)一部の事例では異なり得る。
【0110】
空間400内で動きが発生すると、チャネル応答の変動が発生する。例えば、図4C及び図4Dに示す例では、第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答401は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なり、第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答403は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なる。チャネル応答401は、凹型放物線周波数プロファイルを有し(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも小さい)、チャネル応答403は、凸型漸近周波数プロファイルを有する(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも大きい)。チャネル応答401、403のプロファイルは、一部の事例では(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)異なり得る。
【0111】
チャネル応答を分析することは、デジタルフィルタを分析することと同様であるとみなすことができる。チャネル応答は、空間内の物体の反射、並びに動いている又は静止している人間によって生じた反射を通して形成され得る。反射体(例えば、人間)が移動すると、チャネル応答が変化する。これは、極及びゼロを有するとみなされ得るデジタルフィルタの等価タップの変化に変換され得る(極は、チャネル応答の周波数成分を増幅し、応答中のピーク又は高い点として現れるが、ゼロは、チャネル応答の周波数成分を減衰させ、応答中のトラフ、低い点又はヌルとして現れる)。変化するデジタルフィルタは、そのピーク及びトラフのロケーションによって特徴付けることができ、チャネル応答も同様に、そのピーク及びトラフによって特徴付けることができる。例えば、一部の実装形態では、(例えば、周波数軸上のそれらのロケーションとそれらの大きさとをマークすることによって)チャネル応答の周波数成分中のヌルとピークとを分析して、動きを検出することができる。
【0112】
一部の実装形態では、時系列集約を使用して、動きを検出することができる。時系列集約は、移動ウィンドウにわたってチャネル応答の特徴を観測し、統計的尺度(例えば、平均、分散、主成分など)を使用することによってウィンドウ処理された結果を集約することによって実施することができる。動きのインスタンス中、特徴的なデジタルフィルタ特徴は、散乱シーンの連続的な変化に起因して、一部の値の間で、ロケーション及びフリップフロップの点で変位される。すなわち、等価デジタルフィルタは、(動きによる)そのピーク及びヌルの値の範囲を示す。この値の範囲を見ることによって、空間内の別個の領域について一意のプロファイル(プロファイルはシグネチャと称されることもある例では)を識別することができる。
【0113】
一部の実装形態では、人工知能(AI)モデルを使用して、データを処理することができる。AIモデルは、種々のタイプのもの、例えば、線形回帰モデル、ロジスティック回帰モデル、線形判別分析モデル、決定木モデル、単純ベイズモデル、K最近傍モデル、学習ベクトル量子化モデル、サポートベクターマシン、バギング及びランダムフォレストモデル、並びにディープニューラルネットワークであり得る。概して、全てのAIモデルは、入力値と出力値との間の最も正確な相関を提供する関数を学習することを目的とし、相関することが知られている入力及び出力の履歴セットを使用して訓練される。例えば、人口知能は、機械学習と称されることもある。
【0114】
一部の実装形態では、空間400の別個の領域における動きに関連付けられたチャネル応答のプロファイルが学習され得る。例えば、機械学習を使用して、空間の別個の領域内の物体の動きを用いてチャネル応答特性をカテゴリ分類することができる。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス402に関連付けられたユーザ(例えば、空間400の所有者又は他の占有者)が学習プロセスを支援することができる。例えば、図4A及び図4Bに示される例を参照すると、ユーザは、学習段階中に第1~第5の領域408、410、412、414、416の各々の中で移動することができ、ユーザが空間400内の特定の領域のうちの1つの中で移動していることを(例えば、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースを通して)示すことができる。例えば、ユーザが(例えば、図4Aに示されるように)第1の領域408を通って移動している間、ユーザは、自身が第1の領域408内にいることをモバイルコンピューティングデバイス上で示すことができる(また、必要に応じて、領域を「寝室」、「リビングルーム」、「キッチン」、又は建物の別のタイプの部屋と名付けることができる)。チャネル応答は、ユーザが領域を通って移動するにつれて取得され得、チャネル応答は、ユーザの示されたロケーション(領域)で「タグ付け」され得る。ユーザは、空間400の他の領域について同じプロセスを繰り返すことができる。本明細書で使用される「タグ付け」されたという用語は、ユーザの示されたロケーション又は任意の他の情報を用いてチャネル応答をマークし、識別することを指すことがある。
【0115】
タグ付けされたチャネル応答は、次いで、(例えば、機械学習ソフトウェアによって)処理されて、別個の領域内の動きに関連付けられたチャネル応答の一意の特性を識別することができる。識別されると、識別された一意の特性を使用して、新たに計算されたチャネル応答について検出された動きのロケーションを決定することができる。例えば、AIモデルは、タグ付けされたチャネル応答を使用して訓練され得、訓練されると、新たに計算されたチャネル応答がAIモデルに入力され得、AIモデルは、検出された動きのロケーションを出力することができる。例えば、場合によっては、平均値、範囲、及び絶対値がAIモデルに入力される。一部の事例では、複素チャネル応答自体の大きさ及び位相も入力され得る。これらの値は、AIモデルが任意のフロントエンドフィルタを設計して、空間の異なる領域における動きに関して正確な予測を行うことに最も関連する特徴をピックアップすることを可能にする。一部の実装形態では、AIモデルは、確率的勾配降下を実施することによって訓練される。例えば、特定のゾーン中に最もアクティブであるチャネル応答変動が訓練中に監視されてもよく、(それらの形状、傾向などと相関するように第1の層中の重みを訓練し、適応させることによって)特定のチャネル変動が重く重み付けされてもよい。重み付けされたチャネル変動を使用して、ユーザが特定の領域内に存在するときにアクティブ化するメトリックを作成することができる。
【0116】
チャネル応答ヌル及びピークのような抽出された特徴について、(ヌル/ピークの)時系列は、移動ウィンドウ内の集約を使用し、過去及び現在の一部の特徴のスナップショットをとり、その集約された値をネットワークへの入力として使用して、作成することができる。したがって、ネットワークは、その重みを適応させながら、それらをクラスタ化するために、特定の領域内の値を集約しようとし、これは、ロジスティック分類器ベースの決定表面を作成することによって行うことができる。決定表面は、異なるクラスタを分割し、後続の層は、単一のクラスタ又はクラスタの組み合わせに基づいてカテゴリを形成することができる。
【0117】
一部の実装形態では、AIモデルは、推論の2つ以上の層を含む。第1の層は、異なる濃度の値を別個のクラスタに分割することができるロジスティック分類器として働き、第2の層は、これらのクラスタのうちの一部を一緒に組み合わせて、別個の領域のカテゴリを作成する。追加の後続の層は、クラスタの2つを超えるカテゴリにわたって別個の領域を拡張するのに役立ち得る。例えば、完全に接続された入力層モデルは、追跡された特徴の数に対応するAIと、(選択間の反復を通して)有効なクラスタの数に対応する中間層と、異なる領域に対応する最終層とを含み得る。完全なチャネル応答情報がAIモデルに入力される場合、第1の層は、特定の形状を相関させることができる形状フィルタとして機能し得る。したがって、第1の層は、特定の形状にロックすることができ、第2の層は、それらの形状において発生する変動の尺度を生成することができ、第3の層及び後続の層は、それらの変動の組み合わせを作成し、空間内の異なる領域にマッピングすることができる。異なる層の出力は、次いで、融合層を通して組み合わせることができる。
【0118】
B.Wi-Fiセンシングのための時間領域チャネル表現情報のためのシステム及び方法
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、Wi-Fiセンシングのための時間領域チャネル表現情報を生成するためのWi-Fiシステム及び方法を構成することに関する。
【0119】
図5は、一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステム500の実装形態のアーキテクチャの一部の実装形態を描示している。
【0120】
システム500(代替的に、Wi-Fiセンシングシステム500及びワイヤレスセンシングシステム500と称される)は、センシングデバイス502、複数のリモートデバイス504-(1-K)、センシングアルゴリズムマネージャ506、及び情報交換のためにシステム構成要素間の通信を可能にするネットワーク560を含むことができる。システム500は、ワイヤレス通信システム100の例又はインスタンスであり得、ネットワーク560は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網接続の例若しくはインスタンスであり得、それらの詳細は、図1及びそれに付随する説明を参照して提供される。システム500は単一のセンシングデバイス502を含むと説明されているが、一部の実装形態では、システム500は複数のセンシングデバイス(例えば、n個のセンシングデバイスとして)を含み得る。
【0121】
一部の実施形態によれば、センシングデバイス502は、センシング伝送を受信し、Wi-Fiセンシングに有用な1つ以上のセンシング測定を実施するように構成され得る。これらの測定値は、センシング測定値として知られ得る。センシング測定値は、システム500のセンシング目標を達成するために処理され得る。一実施形態では、センシングデバイス502はアクセスポイント(AP)であり得る。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、例えば、メッシュネットワークシナリオにおけるステーション(STA)であってもよい。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、図1に示されたワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングデバイス502は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。センシングデバイス502は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一実装形態では、センシングデバイス502は、複数のリモートデバイス504-(1-K)間の通信を調整及び制御することができる。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、必要なセンシング伝送が必要な時間に行われることを保証し、センシング測定の正確な決定を保証するために、測定キャンペーンを制御することができる。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、システム500のセンシング目標を達成するためにセンシング測定値を処理することができる。一部の実施形態では、センシングデバイス502は、センシング測定値をセンシングアルゴリズムマネージャ506に伝送するように構成され得、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシング測定値を処理し、システム500のセンシング目標を達成するように構成され得る。
【0122】
一実装形態によれば、センシングデバイス502は、WLANセンシングセッションを開始することができ、複数のリモートデバイス504-(1-K)は、センシングデバイス502によって開始されたWLANセンシングセッションに参加することができる。一部の実装形態では、複数のリモートデバイス504-(1-K)は、WLANセンシングセッションにおいてセンシング測定値のために使用されるPPDUを伝送することができる。一実装形態では、センシングデバイス502は、WLANセンシングセッションにおいてPPDUを受信し、PPDUをセンシング測定値へと処理することができる。
【0123】
再び図5を参照すると、一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、センシング伝送をセンシングデバイス502に送信するように構成され得、それに基づいて、1つ以上のセンシング測定がWi-Fiセンシングのために実施され得る。一実施形態では、リモートデバイス504-1はSTAであり得る。一部の実施形態では、リモートデバイス504-1は、例えば、センシングデバイス502がSTAとして動作するシナリオにおいて、Wi-FiセンシングのためのAPであってもよい。一実装形態によれば、リモートデバイス504-1は、図1に示すワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、リモートデバイス504-1は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、リモートデバイス504-1は、図4A及び図4Bに示されているワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間の通信は、ステーション管理エンティティ(SME)及びMAC層管理エンティティ(MLME)プロトコルを介して制御され得る。一実施形態によれば、複数のリモートデバイス504-(1-K)の各々は、センシングデバイス502にセンシング伝送を送信するように構成され得る。
【0124】
一部の実施形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシングデバイス502からセンシング測定値を受信し、システム500のセンシング目標を達成するためにセンシング測定値を処理するように構成され得る。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、動き及び/又は移動を検出するというセンシング目標を達成するために、センシング測定値を処理及び分析することができる。一部の実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシングアルゴリズムを含む/実行することができる。センシングアルゴリズムは、センシング目標を達成する計算アルゴリズムであり得る。一例では、センシングアルゴリズムは、チャネル表現情報(CRI)を利用して、移動及び/又は動きを検出するというセンシング目標を達成することができる。一実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、STAにおいて実装され得る。一部の実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、AP内に実装され得る。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、図1に示すワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、センシングアルゴリズムマネージャ506は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、又は任意の他のコンピューティングデバイスなどの任意のコンピューティングデバイスであり得る。実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシングアルゴリズムが測定キャンペーン及び測定キャンペーンを満たすために要求されるセンシング測定値を決定する、センシングイニシエータの役割を果たすことができる。センシングアルゴリズムマネージャ506は、複数のリモートデバイス504-(1-K)の間の通信を調整及び制御するために、測定キャンペーンを満たすために要求されるセンシング測定値をセンシングデバイス502に通信することができる。センシングアルゴリズムマネージャ506は別個のデバイスであると説明してきが、一部の実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、リモートデバイス504-1内に実装され得る。
【0125】
図5をより詳細に参照すると、センシングデバイス502は、プロセッサ508及びメモリ510を含み得る。例えば、センシングデバイス502のプロセッサ508及びメモリ510は、図1に示すように、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、センシングデバイス502は、伝送アンテナ512、受信アンテナ514、及びセンシングエージェント516を更に含み得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで信号を伝送及び受信の両方を行うことができる。アンテナが伝送を行っているとき、該アンテナは伝送アンテナ512と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、該アンテナは受信アンテナ514と称されることがある、同じアンテナが、一部の事例では伝送アンテナ512であり、他の事例では受信アンテナ514であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を伝送又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を伝送するために使用されるアンテナ要素のグループは伝送アンテナ512と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ514と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の伝送経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが伝送アンテナ512として動作しているか、又は受信アンテナ514として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0126】
一実装形態では、センシングエージェント516は、Wi-Fiセンシングの目的で、センシング伝送及び関連する伝送パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することとを担当し得る。一部の実装形態では、センシング伝送及び関連する伝送パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することとは、センシングデバイス502の媒体アクセス制御(MAC)層中で動作するアルゴリズムによって実行され得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、伝送アンテナ512のうちの少なくとも1つの伝送アンテナにメッセージをリモートデバイス504-1に伝送させるように構成され得る。一例では、センシングエージェント516は、受信アンテナ514のうちの少なくとも1つの受信アンテナを介して、リモートデバイス504-1からメッセージを受信するように構成され得る。一例では、センシングエージェント516は、リモートデバイス504-1から受信されたセンシング伝送に基づいてセンシング測定を行うように構成され得る。
【0127】
一部の実施形態では、センシングデバイス502は、構成ストレージ518及びチャネル表現情報ストレージ520を含み得る。構成ストレージ518は、チャネル表現情報構成を記憶することができる。非限定的な例では、チャネル表現情報構成は、時間領域パルスの数(N)、時間遅延フィルタの最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上を含み得る。一例では、各時間領域パルスは、複素数によって表され得る。複素数は、振幅と位相とを含み得る。振幅マスクは、最小振幅マスク及び最大振幅マスクのうちの1つ又は両方を含み得る。一例では、最大時間遅延境界、最小振幅マスク、及び/又は最大振幅マスクは、時間領域マスクと総称されることがある。チャネル表現情報ストレージ520は、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間のチャネルの状態を表すセンシング測定値に関連する情報を記憶することができる。一例では、チャネル表現情報ストレージ520は、チャネル状態情報(CSI)、フルTD-CRI、フィルタ処理されたTD-CRI、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI、及び再構成されたCSIのうちの1つ以上を記憶することができる。構成ストレージ518に記憶されたチャネル表現情報構成に関する情報と、チャネル表現情報ストレージ520に記憶されたセンシング測定値に関する情報とは、必要に応じて周期的に又は動的に更新されてもよい。一実装形態では、構成ストレージ518及びチャネル表現情報ストレージ520は、データベース若しくはファイルシステムなどの、又はメモリ510に結合された、任意のタイプ若しくは形態のストレージを含み得る。
【0128】
再び図5を参照すると、リモートデバイス504-1は、プロセッサ528-1及びメモリ530-1を含み得る。例えば、リモートデバイス504-1のプロセッサ528-1及びメモリ530-1は、図1に示すように、それぞれプロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、リモートデバイス504-1は、伝送アンテナ532-1と、受信アンテナ534-1と、センシングエージェント536-1とを更に含み得る。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、リモートデバイス504-1のMACとの間で物理層パラメータ及びMAC層パラメータをアプリケーション層プログラムに渡すブロックであり得る。センシングエージェント536-1は、伝送アンテナ532-1のうちの少なくとも1つの伝送アンテナ及び受信アンテナ534-1のうちの少なくとも1つの受信アンテナに、センシングデバイス502とメッセージを交換させるように構成され得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで伝送及び受信の両方を行うことができる。アンテナが伝送を行っているとき、該アンテナは伝送アンテナ532-1と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、該アンテナは受信アンテナ534-1と称されることがある。同じアンテナが、一部の事例では伝送アンテナ532-1であり、他の事例では受信アンテナ534-1であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を伝送又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を伝送するために使用されるアンテナ要素のグループは伝送アンテナ532-1と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ534-1と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の伝送経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが伝送アンテナ532-1として動作しているか、又は受信アンテナ534-1として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0129】
1つ以上の実装形態によれば、ネットワーク560における通信は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上によって管理され得る。一部の例示的なIEEE規格は、IEEE P802.11-REVmd/D5.0、IEEE P802.11ax/D7.0、及びIEEE P802.11be/D0.1を含み得る。一部の実装形態では、通信は、他の規格(他の若しくは追加のIEEE規格又は他のタイプの規格)によって管理され得る。一部の実施形態では、システム500が802.11ファミリの標準のうちの1つ以上によって管理されることを必要としないネットワーク560の部分は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網を含む任意のタイプのネットワークのインスタンスによって実装され得る。
【0130】
一実施形態によれば、センシングデバイス502とセンシングアルゴリズムマネージャ506との初期の関連付け時に、センシングアルゴリズムマネージャ506は、将来のWi-Fiセンシングセッションで使用するために、チャネル表現情報構成をセンシングデバイス502に通信することができる。一部の実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、Wi-Fiセンシングセッションの初期化時に、チャネル表現情報構成をセンシングデバイス502に通信することができる。一例では、チャネル表現情報構成は、チャネル表現情報が時間領域において提供されるべきであることを示すことができる。チャネル表現情報構成は、時間領域チャネル表現情報(TD-CRI)構成と交換可能に称されることがある。
【0131】
一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシング構成メッセージを介してチャネル表現情報構成をセンシングデバイス502に通信することができる。一実装形態では、チャネル表現情報構成を含むセンシング構成メッセージを受信したことに応答して、センシングデバイス502は、センシング構成応答メッセージを介して肯定応答を送信することができる。また、センシングデバイス502は、将来の使用のために、構成ストレージ518にチャネル表現情報構成を記憶することができる。
【0132】
一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、測距プロセスに従ってCSIを正確に表すためにNを動的に決定することができる。N個の選択された時間領域パルスは、フィルタ処理されたTD-CRI値と交換可能に称されることがある。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシングデバイス502とセンシングアルゴリズムマネージャ506との間の関連付けプロセス中に測距プロセスを実施することができる。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、チャネル帯域幅、伝送周波数、チャネル複雑度(反射経路の数)、及び動作センシングモード(スキャンモード及び検出モード)を含む動作パラメータのうちの1つ以上に基づいてNを決定することができる。チャネル複雑度は、いくつの時間領域パルスがベースラインとして必要とされるかを示すことができる。一例では、多くの反射を有するチャネルを通る経路は、少数の反射を有する経路よりも多くの時間領域パルスを必要とし得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、スキャンモード又は検出モードのうちの1つで動作することができる。一例では、スキャンモードは、低分解能でのセンシング測定を可能にすることができ、検出モードは、高分解能でのセンシング測定を可能にすることができる。したがって、動き及び/又は移動検出の分解能は、検出モードよりもスキャンモードにおいて低くなる。したがって、センシングデバイス502が検出モードで動作しているときと比較して、センシングデバイス502がスキャンモードで動作しているときには、より少ない時間領域パルスが必要であり得る。例示的な実装形態の測距プロセス中に20MHzチャネル帯域幅についてNが計算される様式を、以下で説明する。
【0133】
一実装形態によれば、センシングデバイス502は、訓練測定キャンペーンを開始することができる。訓練測定キャンペーンでは、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間の伝送の交換が起こり得る。例示的な実装形態によれば、センシングデバイス502は、1つ以上の訓練センシングトリガメッセージを介して訓練測定キャンペーンを開始することができる。訓練センシングトリガメッセージは、センシングトリガメッセージの一例であり得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、訓練センシングトリガメッセージを生成するように構成され得る。一例では、訓練センシングトリガメッセージは、要求された伝送構成を含み得る。ここで考察されていない訓練センシングトリガメッセージに含まれる情報/データの他の例が、本明細書で企図される。
【0134】
一実装形態によれば、リモートデバイス504-1は、センシングデバイス502から訓練センシングトリガメッセージを受信することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、訓練センシングトリガメッセージに含まれる要求された伝送構成を適用することができる。その後、センシングエージェント536-1は、訓練センシングトリガメッセージに応答して、要求された伝送構成に従って、センシングデバイス502に訓練センシング伝送を伝送することができる。訓練センシング伝送は、センシング伝送の一例であり得る。
【0135】
一実装形態では、センシングデバイス502は、訓練センシングトリガメッセージに応答して伝送されたリモートデバイス504-1からの訓練センシング伝送を受信することができる。センシングエージェント516は、訓練センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成するように構成され得る。一例では、訓練センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することは、CSIを計算することを含み得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502のベースバンド受信機は、訓練センシング伝送に基づいてCSIを計算するように構成され得る。一部の実装形態では、センシングデバイス502は、受信機チェーンによるCSIへの寄与を計算することができる。一例では、センシングデバイス502の受信機チェーンは、アナログ要素とデジタル要素とを含み得る。例えば、受信機チェーンは、受信された信号が、基準点から、受信された信号が、すなわち、センシングデバイス502のセンシングエージェント516によって、読み取られ得る点まで伝達され得るアナログ構成要素及びデジタル構成要素を含み得る。センシングデバイス502の受信機チェーンの表現600が図6に示されている。図6で説明されるように、同相(I)及び直交位相(Q)変調されたシンボルは、周波数及びタイミング回復を含む同期が実施される受信機のフロントエンドに到着する。更に、時間領域ガード期間(サイクリックプレフィックス)が除去され、受信機は、受信された信号(例えば、I変調シンボル及びQ変調シンボル)に対して高速フーリエ変換(FFT)を実施する。次いで、ガードトーン及びDCトーンが除去される。次いで、CSIは、データデマッピング、(デインターリーバを使用する)デインターリーブ、デパンクチャ、(ビタビデコーダを使用する)復号、及び最後に(デスクランブラを使用する)デスクランブルの前に生成される。デスクランブルの結果として、データビットが生成される。生成されたCSIは、センシングエージェント516に提供される。
【0136】
一部の実装形態では、自動利得制御(AGC)が、デジタル化の前にIサンプル及びQサンプルを事前調整することができる。AGCは動的プロセスであり、その利得は、伝搬チャネルにおける条件に応じて経時的に変化し得る。一部の例では、信号に適用される利得の値は、補償動作を可能にするためにAGC処理から供給され得る。
【0137】
一実装形態によれば、CSIを受信すると、センシングエージェント516は、更なる処理のために、CSIをセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信することができる。一実装形態では、CSIを受信したことに応答して、センシングアルゴリズムマネージャ506は、CSIに対して逆FFT(IFFT)を実施し、CSIの時間領域表現を生じるように構成され得る。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、CSIの時間領域表現から候補数(N-候補)の時間領域パルスを選択することができる。
【0138】
一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内に候補数の時間領域パルスを配置し、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIに対してFFTを実施することができる。一例では、20MHzチャネル帯域幅の場合、センシングアルゴリズムマネージャ506は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIに対して64点FFTを実施することができる。その結果、一部の候補時間領域パルスの周波数領域表現が生成され得る。候補時間領域パルスの数の周波数領域表現は、再構成されたCSI(R-CSI)と称されることがある。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、CSIの生成のために使用されるFFTの同一構成を用いて、候補時間領域パルス値の数を処理することができる。
【0139】
一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、CSIとR-CSIとの間の誤差信号を計算することができる。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、R-CSIを実際のCSIと比較して、誤差信号を計算することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、誤差信号に基づいて時間領域パルスの候補数(N-候補)を調整することができる。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、誤差信号を含むR-CSIの信号対雑音比(SNR)を計算し、SNRをSNR閾値と比較することができる。その後、センシングアルゴリズムマネージャ506は、比較結果に基づいてN-候補を調整して、時間領域パルスの必要数(N)を決定することができる。一例では、N-候補はNに等しくてもよい。
【0140】
一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、所望のSNRに達するまでN-候補を調整するように構成され得る適応制約ソルバを含み得る。図7は、一部の実施形態による、Nを計算するために誤差信号を計算する例示的なプロセス700を示している。図7の例では、適応制約ソルバ702は、Nを計算するためにN-候補を調整するように構成される。一例では、N-候補は、(ブロック704によって示される)所望のSNRに達するまで調整される。上記から推測されるように、測距プロセスは、N個の候補時間領域パルスを用いて作成されたR-CSIが実際のCSIと比較され、誤差信号が作成/計算される比較プロセスを伴う。誤差信号が特定の誤差閾値を満たすとき、N-候補は、十分な数の時間領域パルスであると判定され、N-候補は、将来のセンシングセッションのためにシステム500によって使用されるようにNに転送される。
【0141】
例示的な実装形態では、好適な誤差信号閾値を決定するために、デジタル信号プロセッサ(DSP)の入力における信号のダイナミックレンジがSNRについての上限を設定することができる。一例では、DSPへの入力のSNRは、20dBと30dBとの間であり得る。したがって、誤差信号が所望の信号より少なくとも30dB低い場合、それは他の雑音と区別できず、R-CSIとCSIとの間の一致は十分であり、Nは確立されている。
【0142】
Nを決定する一実装形態によれば、(CSI計算が行われる)ベースバンド受信機中のDSPにおけるSNRが、受信機チェーン中のより早期の受信機雑音及び損失によって制限されるため、最小誤差信号(すなわち、R-CSIとCSIとの間の最大許容誤差)が制限される。一例では、雑音源は、アナログデジタル変換器(ADC)の量子化雑音、環境からのガウス雑音、受信機チェーン内の低雑音増幅器(LNA)からの雑音、不完全なタイミング及び位相復元並びに局部発振器誤差による位相雑音、並びにプリント回路基板上での信号伝送中に被るスイッチング雑音を含む。したがって、R-CSIを作成する際に、CSIの表現は、DSPへの入力において利用可能なSNRとほぼ同じである誤差マージン内で生成され、その時点で、システム500は、CSIの代わりにR-CSIを使用することによって、分解能及び精度の損失を最小限に被るか、又は全く被らない。
【0143】
図8は、一部の実施形態による、周波数領域における屋内チャネル表現800を示している。屋内チャネル表現800は、20MHzチャネル中の52個のサブキャリア(すなわち、トーン)(48個のデータサブキャリア及び4つのパイロットサブキャリア)にわたって測定される。図8では、X軸は周波数領域トーンインデックス及び周波数領域の表現であり、Y軸は(任意の単位での)信号の振幅の表現である。各小円802は、離散CSI値を表している。
【0144】
図9は、一部の実施形態による、時間領域における屋内チャネル表現900を示している。一例では、屋内チャネル表現900は、時間領域パルスを使用して表される。図9において、X軸は、時間領域トーンインデックス及びシンボルにおける時間遅延の表現であり、Y軸は、(任意の単位における)信号の振幅の表現である。一例では、「時間0」点は、例えば視線(line-of-sight)のシナリオにおいて、受信シンボルがベースバンド受信機に最も早く到達し得ることに基づいて選択される任意の基準点である。一例では、X軸上の「時間0」点は、ベースバンド受信機がセンシング伝送からエネルギーを検出する第1の時点として選択され得る。その点から先へのシンボルのエネルギーの到着が図9に示されている。図9に示すように、最も高い振幅を有する時間領域パルスは、「時間0」点から複数のシンボルに現れる。
【0145】
図10は、一部の実施形態による、CSIとR-CSIとのグラフ表現1000を示している。図10では、X軸は、周波数領域トーンインデックス及び周波数領域の表現であり、Y軸は、(任意の単位での)信号の振幅の表現である。一実装形態では、図10は、R-CSI(線「1002」によって表される)とCSI値(円「1004」によって表される)との間の比較を示している。R-CSIは、20dBを超えるSNRを示している。一例では、SNRは、受信機チェーンが通常処理する最大SNR(すなわち、DSPへの入力におけるSNR)に近いため、CSIの代わりにR-CSIを使用することによる分解能及び精度の損失は最小限であるか、又はまったくない。
【0146】
一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、最小SNRを達成するために必要とされる時間領域パルスの数のルックアップテーブルを生成することができる。20MHzチャネル帯域幅のための例示的なルックアップテーブルが、以下に提供される表1に示されている。
【表1】
【0147】
センシングアルゴリズムマネージャ506が20MHzチャネル帯域幅のためのルックアップテーブルを生成することが説明されてきたが、一部の実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、例えば、動作可能なチャネル帯域幅(例えば、40MHz、80MHz、及び160MHz)、伝送周波数、チャネル複雑度、及び動作センシングモードの各々について1つずつ、複数のかかるルックアップテーブルを生成することができる。したがって、動作パラメータに基づいて、センシングアルゴリズムマネージャ506は、適切なルックアップテーブルを使用してNを決定することができる。
【0148】
一実装形態では、必要なSNRを達成するために必要とされる時間領域パルスの数とチャネル帯域幅との間の関係は線形ではない。図11は、異なるチャネル帯域幅(例えば、20MHzチャネル帯域幅、40MHzチャネル帯域幅、80MHzチャネル帯域幅、及び160MHzチャネル帯域幅)についての時間領域パルスの数(N)と最小SNRとのグラフ表現1100を示している。図11に描示されるように、最小SNRを達成するために必要とされるNは、ほぼ対数的であり得る。したがって、より大きいチャネル帯域幅では、必要とされるCSI値の数は線形的に増加するが、時間領域パルスの数は増加しない。
【0149】
例示的な実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、異なるチャネル帯域幅に対するセンシングモードに基づいて、Nに対するルックアップテーブルを生成することができる。一部の実装形態では、所与のチャネル帯域幅のためのスキャン動作モードに関連するNは、所与のチャネル帯域幅のための検出動作モードに関連するNとは異なり得る。異なるチャネル帯域幅のセンシングモードに基づくNの例示的なルックアップテーブルを表2に示している。
【表2】
【0150】
一実装形態によれば、Nが各センシングモード及び各チャネル帯域幅について固定されている場合、センシングデバイス502は、センシングデバイス502が動作しているセンシングモード及びセンシングデバイス502が使用しているチャネル帯域幅に基づいて、使用すべきNを導出することが可能であり得るため、Nはセンシングデバイス502に提供されない場合がある。
【0151】
一部の実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、シミュレーションプロセスに従ってNを決定することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、シミュレーションを使用して、ある誤差率を達成するために必要な各チャネル帯域幅に対する時間領域パルスの最小数を決定することができる。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、時間領域パルスの数に関するテーブルを生成することができる。一実装形態では、テーブルは、構成プロセスの一部として、センシングデバイス502に事前構成されるか、又はセンシングデバイス502に送信され得る。例えば、テーブルは、センシングデバイス502にハードコードされてもよい。例示的な実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、テーブルへのインデックスをセンシングデバイス502に通信することができる。
【0152】
一実装形態によれば、測距プロセスの一部として、又はセンシングアルゴリズムデバイス506とセンシングデバイス502との間の関連付けプロセス時に、センシングアルゴリズムマネージャ506は、Nを含むチャネル表現情報構成をセンシング構成メッセージ中でセンシングデバイス502に通信することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、1つ以上のルックアップテーブル(例えば、表1及び表2)の形態でNをセンシングデバイス502に送信することができる。
【0153】
一実装形態では、Nの選択は、最大時間遅延境界に基づき得る。最大時間遅延境界は、センシング測定値の時間領域表現の選択可能な時間領域パルスの最大時間遅延を表すことができる。一例では、最大時間遅延境界は、時間領域パルスの時間遅延の上限、並びに任意選択で時間領域パルスの最大振幅マスク及び最小振幅マスクを設定することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシングアルゴリズムマネージャ506とセンシングデバイス502との間の関連付けプロセスの一部として、時間領域マスク特性(すなわち、最大時間遅延境界、最小振幅マスク、及び最大振幅マスクの特性)をセンシングデバイス502に通信することができる。一部の実装形態では、時間領域マスク特性は、構成プロセスの一部として、センシングデバイス502に事前構成されるか、又はセンシングデバイス502に送信され得る。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、時間領域マスク特性のためのテーブルを生成することができる。一実装形態では、テーブルは、構成プロセスの一部として、センシングデバイス502に事前構成されるか、又はセンシングデバイス502に送信され得る。例えば、テーブルは、センシングデバイス502にハードコードされてもよい。例示的な実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、テーブルへのインデックスをセンシングデバイス502に通信することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、時間領域マスクを含むチャネル表現情報構成をセンシング構成メッセージ中でセンシングデバイス502に通信することができる。
【0154】
一部の実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、最大時間遅延境界内の時間領域パルスの最小数と時間領域パルスの最大数とを決定することができる。時間領域パルスの最大数を選択するために、振幅マスク内にある最大時間遅延境界内に十分な数の時間領域パルスがある場合、センシングアルゴリズムマネージャ506は、Nの値として時間領域パルスの最大数を選択することができる。更に、振幅マスク内にある最大時間遅延境界内に時間領域パルスの最大数よりも少ないが、時間領域パルスの最小数よりも多い時間領域パルスがある場合、センシングアルゴリズムマネージャ506は、時間領域マスク基準を満たすトーンを選択することができる。例示的な実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506が時間領域マスク(すなわち、最大時間遅延境界、最小振幅マスク、及び最大振幅マスク)をセンシングデバイス502に通信する様式について、以下で説明する。
【0155】
図12は、一部の実施形態による、時間領域マスク1202の図1200を描示している。図12で説明されるように、時間領域マスク1202は、時間遅延フィルタ1204(最大時間遅延境界)及び振幅マスク1206(最小振幅マスク及び最大振幅マスク)の集約である。
【0156】
一部の実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、最小振幅マスク1206及び最大振幅マスク1206を所与のシンボルに関連付ける、時間領域マスク1202のためのテーブルを生成することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、最小振幅マスク1206と最大振幅マスク1206とを0として設定することができる。一例が表3に示されており、振幅境界は、最も高い時間領域パルスの振幅に基づく正規化された値である(すなわち、正規化された振幅は0と1.0との間の数であり、最も高い時間領域パルスは1.0の正規化された振幅を有する)。図13は、表3で取り込まれた時間領域マスク1302の図1300を描示している。
【表3】
【0157】
一部の実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、複数の時間領域マスクをセンシングデバイス502に事前構成することができる。一例では、複数の時間領域マスクの中からの1つの時間領域マスクは、複数の事前構成された時間領域マスクへのインデックスを使用することによって選択され得る。
【0158】
再び図5を参照すると、1つ以上の実装形態によれば、Wi-Fiセンシングのために、センシングデバイス502は、測定キャンペーン(Wi-Fiセンシングセッションとも称される)を開始することができる。測定キャンペーンでは、センシングデバイス502とリモートデバイス504-1との間の伝送の交換が行われ得る。一例では、これらの伝送の制御は、IEEE802.11スタックのMAC層によるものであり得る。例示的な実装形態によれば、センシングデバイス502は、1つ以上のセンシングトリガメッセージを介して測定キャンペーンを開始することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシングトリガメッセージを生成するように構成され得る。一例では、センシングトリガメッセージは、要求された伝送構成を含み得る。ここで考察されていないセンシングトリガメッセージに含まれる情報/データの他の例が、本明細書で企図される。一実装形態では、センシングエージェント516は、伝送アンテナ512を介してリモートデバイス504-1にセンシングトリガメッセージを伝送することができる。
【0159】
一実装形態によれば、リモートデバイス504-1は、受信アンテナ534-1を介してセンシングデバイス502からセンシングトリガメッセージを受信することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、センシングトリガメッセージに含まれる要求された伝送構成を適用することができる。その後、センシングエージェント536-1は、センシングトリガメッセージに応答して、要求された伝送構成に従って、センシングデバイス502にセンシング伝送を伝送することができる。一実装形態では、センシングエージェント536-1は、伝送アンテナ532-1を介してセンシングデバイス502にセンシング伝送を伝送するように構成され得る。
【0160】
一実装形態では、センシングデバイス502は、センシングトリガメッセージに応答して伝送されたリモートデバイス504-1からのセンシング伝送を受信することができる。センシングデバイス502は、受信アンテナ514を介してリモートデバイス504-1からセンシング伝送を受信するように構成され得る。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成するように構成され得る。一例では、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することは、CSIを計算することを含み得る。センシング測定値を生成した後、センシングエージェント516は、センシング測定値の時間領域表現を生成することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシング測定値の時間領域表現を生成するために、センシング測定値に対してIFFTを実施することができる。
【0161】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、チャネル表現情報構成に基づいて、時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスを選択することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、構成ストレージ518からチャネル表現情報構成を取り出すことができる。
【0162】
例示的な実装形態によれば、チャネル表現情報構成は、Nのみを含むことができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、その多くの数の時間領域パルスのみを選択することができる。一例では、N=8の場合、センシングエージェント516は、8つの時間領域パルスを選択することができ、残りの時間領域パルス(すなわち、選択されない時間領域パルス)は、ゼロにされるか、又はヌル化される。
【0163】
別の例示的な実装形態によれば、チャネル表現情報構成は、時間遅延フィルタの最大時間遅延境界を含み得る。したがって、センシングエージェント516は、1つ以上の時間領域パルスを選択するために、時間遅延フィルタの最大時間遅延境界を適用することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、時間遅延フィルタの最大時間遅延境界までの全ての時間領域パルスを選択し、定義された最大時間遅延境界を超える時間領域パルスを除外することができる。一例では、センシングエージェント516は、最大時間遅延境界未満の時間遅延を有する全ての時間領域パルスを選択することができる。図14は、時間遅延フィルタ1402によって定義された境界を有するセンシング測定値の時間領域表現の図1400を描示している。図14に示される一例では、時間遅延フィルタ1402によって定義された境界は、最初の15個の時間領域トーンである。図14に描示されるように、13番目の時間領域トーン(参照番号「1404」で表される)はエネルギーを含まないため、最初の15個の時間領域トーンには14個の時間領域パルスしかない。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、15番目の時間領域トーンまでの各時間領域トーン中の全ての時間領域パルスを選択することができる。更に、残りの時間領域パルス(すなわち、時間領域トーン16以降)はヌル化される。図15は、一部の実施形態による、図14の時間遅延フィルタ1402によって定義された境界までの選択された時間領域パルスの図1500を描示している。図15図1500に示すように、時間領域フィルタ1402によって定義された境界の内側にある時間領域パルス(すなわち、15番目の時間領域トーンまでの各時間領域トーン中の全ての時間領域パルス)は保持され、時間遅延フィルタ1402によって定義された境界を超える他の時間領域パルス(すなわち、時間領域トーン16以降の時間領域パルス)はヌル化される。
【0164】
更に別の例示的な実装形態によれば、チャネル表現情報構成は、N及び時間遅延フィルタの最大時間遅延境界を含み得る。したがって、選択のために利用可能な時間領域パルスは、時間遅延フィルタによって制限され、すなわち、時間遅延フィルタによって定義された境界よりも大きい時間遅延を有する任意の時間領域パルスは、センシングエージェント516によってヌル化される。図16は、一部の実施形態による、時間遅延フィルタ1602によって定義された境界及び時間領域パルスの数を伴うセンシング測定値の時間領域表現の図1600を描示している。図16に示すように、N=8であり、時間遅延フィルタ1602によって定義された境界は、最初の15個の時間領域トーンである。したがって、センシングエージェント516は、時間遅延フィルタ1602によって定義された境界内にある全ての時間領域パルスの最も高い振幅を有する8つの時間領域パルスを選択することができる。更に、他の全ての時間領域トーンのエネルギーはヌル化される。図17は、一部の実施形態による、図16の時間遅延1602フィルタによって定義された境界までの、Nに従って選択された時間領域パルスの図1700を描示している。図17の例では、最も高い振幅を有し、15個の時間領域トーンの境界内にある8個の時間領域パルスが、センシングエージェント516によって選択される。
【0165】
更に別の例示的な実装形態によれば、チャネル表現情報構成は、Nと、時間遅延フィルタの最大時間遅延境界と、最大振幅マスクとを含み得る。一例では、最大振幅マスクは、センシング測定値の時間領域表現に適用され得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、振幅マスクと、Nと、時間遅延フィルタの最大時間遅延境界とに基づいて時間領域パルスを選択することができる。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、最大振幅マスク内にあり、時間遅延フィルタによって定義された境界内にあるN個の時間領域パルスを選択することができる。更に、センシングエージェント516は、最大振幅マスクの外側にあり、時間遅延フィルタによって定義された境界を超える時間領域パルスを除外することができる。一例では、最大振幅マスクは、時間遅延が増加するにつれて減少し得る。したがって、最大振幅マスクのアプリケーションは、著しい時間遅延を受ける伝送された信号の真の反射が自由空間損失に起因して高い振幅を有する可能性が低いため、電気雑音に起因し得るエネルギーを反射する時間領域パルスを選択から除去するように機能し得る。図18は、一部の実施形態による、時間遅延フィルタ1802、最大振幅マスク1804、及びNによって定義された境界を伴う、センシング測定値の時間領域表現の図1800を描示している。図19は、一部の実施形態による、図18の時間遅延フィルタ1802によって定義された境界までの、N、最大振幅マスク1804に従って選択された時間領域パルスの図1900を描示している。図19の例では、センシングエージェント516は、時間領域フィルタ1802及び最大振幅マスク1804内の最も高い振幅の8つの時間領域パルスを選択する。他の全ての時間領域パルスはヌル化される。
【0166】
一実装形態では、センシングデバイス502がセンシングアルゴリズムマネージャ506に返す必要がある時間領域パルスの数(N)が、時間領域マスク内に存在する時間領域パルスの数を超える場合、センシングデバイス502は、任意選択で、センシングアルゴリズムマネージャ506によって要求されているN個の時間領域パルスを返すことができるように、時間領域マスク(時間遅延フィルタの境界又は振幅マスクの限界のいずれか)を修正することができる。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506によって指定された時間領域マスク特性は、振幅マスクに適合する時間領域パルスが時間領域のどこに現れるか、及びセンシングデバイス502がセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信するように要求される時間領域パルスの数(N)に応じて、センシングデバイス502によって可変的に適用され得る。例えば、センシングデバイス502は、10個の時間領域パルス(N=10)を送信することを要求されてもよく、時間領域マスクの最大時間遅延境界は、最初の20個のトーンであってもよい。振幅マスクを満たす(すなわち、最小振幅マスクよりも大きい電力及び最大振幅マスクよりも小さい電力を有する)最初の20個のトーン中に10個よりも多い時間領域パルスがある場合、センシングデバイス502は、これらの10個の時間領域パルスを選択することができる。しかしながら、振幅マスクを満たす最初の20個のトーン中に10個未満の時間領域パルスがある場合、センシングデバイス502は、10個の要求された時間領域パルスを含むために必要とされる程度まで、時間領域マスクの最大時間遅延境界を拡張することができる。一部の実装形態では、センシングデバイス502は、時間領域マスクの最大時間遅延境界限界を保持することができ、最小振幅マスクの振幅(すなわち、時間領域マスク内の時間領域パルスを選択するために必要とされる最小振幅)を低減することができる。別の例では、センシングデバイス502は、最大振幅マスクの振幅(すなわち、時間領域マスク内の時間領域パルスを選択するために必要とされる最大振幅)を増加させることができる。
【0167】
一部の実装形態では、センシングデバイス502は、N個よりも少ない時間領域パルスを送信することができる。一例では、センシングデバイス502は、時間領域マスク特性を満たす時間領域パルスのみを送信することができる。一部の例では、センシングデバイス502は、要求されているが適格な時間領域パルスが存在しない時間領域パルスに関する指示を送信することができる。一例では、時間領域マスクの制限がNと適合しない(すなわち、センシングデバイス502がセンシングアルゴリズムマネージャ506に返すことを要求される時間領域パルスの数が、時間領域マスク内に存在する時間領域パルスの数を超える)場合、センシングデバイス502は、要求されているが適格な時間領域パルスがない時間領域パルスに対してゼロ値を送信することができる。
【0168】
一実装形態では、選択された1つ以上の時間領域パルスは、(連続するシンボルにおいて)連続していないことがある。一例では、選択された1つ以上の時間領域パルスは、フィルタ処理されたTD-CRIと交換可能に称されることがある。また、フィルタ処理されたTD-CRIは、チャネル表現情報(CRI)の一例であり得る。図20は、一部の実施形態による、非連続である選択された時間領域パルスを示す時間領域表現2000を描示している。一例では、選択された1つ以上の時間領域パルスをセンシングデバイス502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信するために必要なデータフィールドよりも長いデータフィールドを使用することを回避するために、選択された1つ以上の時間領域パルスは、それらの間にギャップ又はヌルを伴わずにデータメッセージフィールド内に連続的に配置することができる。例えば、センシングデバイス502は、ヌル化された又は欠落した時間領域パルスのためのプレースホルダなしに、選択された1つ以上の時間領域パルスのための実数値及び虚数値のみを送信してもよい。しかしながら、(例えば、図20に示すように)時間領域パルス間にギャップが存在することがあり、したがって、選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションに関する情報は、センシングデバイス502によって知られる場合がある。時間領域パルスのロケーションについての情報はチャネル測定ごとに異なり得るため、センシングデバイス502は、選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーション情報をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することが必要とされ得る。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、R-CSIを作成するためにFFTを実施する前に、選択された1つ以上の時間領域パルスの時間領域表現(再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI)を再構成することを必要とされ得る。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506がフィルタ処理されたTD-CRIからR-CSIを正しく作成するために、センシングアルゴリズムマネージャ506は、FFTを実施する前に、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内のトーンに関して、センシングデバイス502から受信したフィルタ処理されたTD-CRI複素値の各々をどこに配置すべきかを識別することができる。
【0169】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現を生成することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、データ又はパイロット情報を搬送する全てのフルTD-CRI値を表すために必要とされる長さのビットマップを作成することができる。一例では、ビットマップの長さは、センシング測定におけるセンシング測定点の数に対応する。一例では、ビットマップの長さは、フルTD-CRI内の点の数に対応する。別の例では、ビットマップの長さは、フルTD-CRI内の点の数から、受信信号の周波数領域表現中のガードトーン及びDCトーンの数を差し引いたものに対応する。フルTD-CRI内の点の数に対応する長さを有するビットマップは、フルビットマップと称されることがあり、受信信号の周波数領域表現中のガードトーン及びDCトーンの数を差し引いたフルTD-CRI内の点の数に対応する長さを有するビットマップは、アクティブトーンビットマップと称されることがある。一例では、20MHzチャネル帯域幅の場合、アクティブトーンビットマップは52ビット長であり得る。別の例では、40MHzチャネル帯域幅の場合、アクティブトーンビットマップは104ビット長であり得る。一実装形態によれば、フルTD-CRI内の選択された時間領域パルスのロケーションの表現はZビット整数であり得、ここで、2はIFFT内の点の数を記述する。
【0170】
一実装形態では、フルTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現は、「1」が時間領域パルスのロケーションを示し、「0」がヌル(すなわち、選択されていない時間領域パルス)のロケーションを示すビットマップを含み得る。一例では、センシングエージェント516は、時間領域パルスが存在する場合には「1」を、時間領域パルスが存在しない場合には「0」をビットマップに埋めることができる。一例では、ビットマップの最上位ビット(MSB)は、(ガードトーンの後の)最初のフルTD-CRIトーンを指し、ビットマップの最下位ビット(LSB)は、(DCトーン及びガードトーンの前の)最後のフルTD-CRIトーンを指す。
【0171】
1つ以上の実施形態によれば、センシングエージェント516は、動き又は移動を決定する際に使用するために、選択された1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、CRI伝送メッセージを介して、選択された1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。例示的な実装形態では、センシングエージェント516は、選択された1つ以上の時間領域パルスを含むCRI伝送メッセージを、伝送アンテナ512を介してセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。一例では、センシングエージェント516は、アクティブトーンビットマップを使用して、選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。一部の例では、センシングエージェント516は、フルビットマップを使用して、選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。
【0172】
図21は、アクティブトーンビットマップを使用して、センシングデバイス502からセンシングアルゴリズムマネージャ506への選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの通信の表現2100を示している。表現2100の一例では、センシングデバイス502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信されるアクティブトーンビットマップは、16点FFTの10個のパイロット及びデータトーンに対応する、10ビット長である。アクティブトーンビットマップの値「1110111011」は、(アクティブトーンビットマップ中に8つの「1」があるので)8つのフィルタ処理されたTD-CRI値が続くことを示し、センシングアルゴリズムマネージャ506は、アクティブトーンビットマップに従って、各フィルタ処理されたTD-CRIを再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIトーンに順に適用することによって、10個のトーン中の受信されたフィルタ処理されたTD-CRI、すなわち、トーン1中のTD-CRI1、トーン2中のTD-CRI2、トーン3中のTD-CRI3、トーン4中のヌル、トーン5中のTD-CRI4、トーン6中のTD-CRI5、トーン7中のTD-CRI6、トーン8中のヌル、トーン9中のTD-CRI7、及びトーン10中のTD-CRI8を配置すべきである。
【0173】
図22は、フルビットマップを使用して、センシングデバイス502からセンシングアルゴリズムマネージャ506への選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの通信の表現2200を示している。一例では、フルビットマップは、ガードトーンとDCトーンとを含むフルTD-CRI内のトーンの総数、例えば、20MHzチャネル帯域幅の場合は64ビット、40MHzチャネル帯域幅の場合は128ビットに等しくなり得る。この例では、一部のビットは、ガードトーンを考慮するために「0」であり、一部のビットは、DCトーンを考慮するために「0」でもある。図22に示す16点FFTの例では、フルビットマップの最初の3つのロケーションにゼロが配置され、その後に8つのTD-CRIのロケーションが続き、その後に更に3つのゼロが続く。
【0174】
一部の実装形態によれば、フィルタ処理されたTD-CRIごとに、センシングエージェント516は、2つの値の代わりに3つの値を送信することができる(第1の値は複素数の振幅であり、第2の値は複素数の位相である)。一例では、第3の値は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内のフィルタ処理されたTD-CRI値の位置を表すことができる。一例では、第3の値を表すために使用されるビットの数は、チャネル帯域幅、したがって、フルTD-CRI内の点の数に応じて異なり得る。例えば、チャネル帯域幅が20MHzであり、64点FFTが必要とされる場合、追加の値は6ビット長であり得る。チャネル帯域幅が40MHzであり、128点FFTが必要とされる場合、追加の値は7ビット長であり得る。一例では、追加の値は、フィルタ処理されたTD-CRIの値に先行する場合がある。一部の例では、追加の値は、フィルタ処理されたTD-CRIの値に追従する場合がある。一例では、フィルタ処理されたTD-CRIのために使用されるビットの数は、ベースバンド受信機によって出力された実際のCSIの分解能に基づいて決定され得る。図23は、一部の実施形態による、フィルタ処理されたTD-CRIにおける選択された1つ以上の時間領域パルスの位置を使用して、センシングデバイス502からセンシングアルゴリズムマネージャ506へのフィルタ処理されたTD-CRIのロケーションの通信の表現2300を示している。図23の例では、シンボルの番号付けは、第3の値へのシンボルのマッピングを容易にするために、「0」で開始し、「15」で終了するようにシフトされている。図21図23は、(パイロットシンボル及びデータシンボルのために10個のトーンを残して)両側に3つのガードトーンを有する16点FFTを利用する選択された1つ以上の時間領域パルスシグナリングの通信の例を示しているが、説明は、32点FFT、64点FFT、128点FFT、256点FFT、512点FFT、1024点FFT、及びFFT中の任意の他の数の点、並びに可変数のDCトーン及びガードトーンに等しく適用可能である。
【0175】
一実装形態によれば、フルTD-CRI内の選択された1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現を受信したことに応答して、センシングアルゴリズムマネージャ506は、R-CSIを作成するためにFFTを実施するより前に、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIを構築するように構成され得る。一例では、正しく位置決めされた再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIは、FFTを介して周波数領域に変換し戻されたとき、R-CSIを作成する。一実装形態では、CSI値よりも著しく少ないフィルタ処理されたTD-CRIがあるため、センシングアルゴリズムマネージャ506の性能を損なうことになる情報の忠実度を失うことなく、CRIとしてセンシングアルゴリズムマネージャ506に無線で伝送される必要がある情報の量が著しく減少する。例えば、(20MHzチャネル帯域幅を表す)52個のCSI値の場合、フィルタ処理されたTD-CRI内の10個と15個との間の時間領域パルスが、忠実度の最小損失を有する伝送チャネルを正確に表すために使用され得る。したがって、送信される必要がある情報の量を最小化することは、システム500がネットワーク560にかけるオーバーヘッドを最小化する。
【0176】
図24は、一部の実施形態による、センシングデバイス502、リモートデバイス504-1、及びセンシングアルゴリズムマネージャ506の間の通信のシーケンス図2400を描示し、センシングデバイス502は、センシングイニシエータである。図24は、センシングアルゴリズムマネージャ506が別個のデバイスであるネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示している。
【0177】
図24に示すように、ステップ2402では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシング構成メッセージをセンシングデバイス502に送信することができる。一例では、センシング構成メッセージは、チャネル表現情報構成を含み得る。ステップ2404で、センシング構成メッセージに応答して、センシングデバイス502は、センシング構成応答メッセージを使用して肯定応答を送信し、フィルタ処理されたTD-CRI及び再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成する際に使用するためのチャネル表現情報構成を用いてセンシングエージェント516を構成することができる。ステップ2406において、センシングデバイス502は、センシングセッションを開始し、センシング伝送を要求するセンシングトリガメッセージをリモートデバイス504-1に送信することができる。ステップ2408において、リモートデバイス504-1は、センシングトリガメッセージに応答してセンシングデバイス502にセンシング伝送を送信することができる。センシング伝送を受信すると、センシングデバイス502は、受信されたセンシング伝送に対してチャネル状態測定を実施し、チャネル表現情報構成を使用してチャネル表現情報を生成することができる。一例では、センシングデバイス502は、フィルタ処理されたTD-CRIを生成することができる。ステップ2410において、センシングデバイス502は、チャネル状態測定値(すなわち、フィルタ処理されたTD-CRI)を含むCRI伝送メッセージを、更なる処理のために無線でセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信することができる。
【0178】
図25は、一部の実施形態による、センシングデバイス502、リモートデバイス504-1、及びセンシングアルゴリズムマネージャ506の間の通信のシーケンス図2500を描示し、リモートデバイス504-1は、センシングイニシエータである。図25は、センシングアルゴリズムマネージャ506が別個のデバイスであるネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示している。
【0179】
図25に示すように、ステップ2502において、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシング構成メッセージをセンシングデバイス502に送信することができる。一例では、センシング構成メッセージは、チャネル表現情報構成を含み得る。ステップ2504で、センシング構成メッセージに応答して、センシングデバイス502は、センシング構成応答メッセージを使用して肯定応答を送信し、フィルタ処理されたTD-CRI及び再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成する際に使用するためのチャネル表現情報構成を用いてセンシングエージェント516を構成することができる。ステップ2506において、リモートデバイス504-1は、センシングセッションを開始し、センシング伝送告知メッセージに続いてセンシング伝送NDPをセンシングデバイス502に送信することができる。ステップ2508において説明されるように、センシング伝送NDPは、1つのSIFSの後にセンシング伝送告知メッセージに続く。一例では、SIFSの持続期間は10μsである。センシングデバイス502は、センシング伝送NDPに対してチャネル状態測定を実施し、チャネル表現情報構成に基づいてチャネル表現情報を生成することができる。一例では、センシングデバイス502は、フィルタ処理されたTD-CRIを生成することができる。ステップ2510において、センシングデバイス502は、チャネル状態測定値(すなわち、フィルタ処理されたTD-CRI)を含むCRI伝送メッセージを、更なる処理のために無線でセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信することができる。
【0180】
図26は、一部の実施形態による、センシングデバイス502と、センシングアルゴリズムマネージャ506を含むリモートデバイス504-1との間の通信のシーケンス図2600を描示し、リモートデバイス504-1はセンシングイニシエータである。図26は、リモートデバイス504-1がセンシングアルゴリズムマネージャ506を含むネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示している。
【0181】
図26に示すように、ステップ2602において、リモートデバイス504-1は、センシングセッションを開始し、センシング伝送告知メッセージと、それに続くセンシング伝送NDPとをセンシングデバイス502に送信することができる。一例では、センシング伝送告知メッセージは、チャネル表現情報構成を含み得る。ステップ2604において説明されるように、センシング伝送NDPは、1つのSIFSの後にセンシング伝送告知メッセージに続く。一例では、SIFSの持続期間は10μsである。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシング伝送NDPに対してチャネル状態測定を実施し、チャネル表現情報構成に基づいてチャネル表現情報を生成することができる。一例では、センシングデバイス502は、フィルタ処理されたTD-CRIを生成することができる。別の例では、センシングデバイス502は、フルTD-CRIを生成することができる。一実装形態では、センシングデバイス502は、チャネル表現情報ストレージ520などの一時ストレージにチャネル状態測定値を記憶することができる。一例では、センシングデバイス502は、センシング測定ポールメッセージを受信するまで、チャネル状態測定値を保持することができる。ステップ2606において、リモートデバイスは、すでにフォーマットされたチャネル状態測定値(すなわち、フィルタ処理されたTD-CRI)を送信し、チャネル状態測定値をリモートデバイス504-1に転送するようにセンシングデバイス502をトリガするセンシング測定ポールメッセージをセンシングデバイス502に送信することができる。別の例では、ステップ2606において、リモートデバイス504-1は、チャネル状態測定値をフォーマットし(すなわち、フルTD-CRIからフィルタ処理されたTD-CRIを作成し)、チャネル状態測定値をリモートデバイス504-1に転送するようにセンシングデバイス502をトリガするセンシング測定ポールメッセージをセンシングデバイス502に送信することができる。ステップ2608において、センシングデバイス502は、チャネル状態測定値(すなわち、フィルタ処理されたTD-CRI)を含むCRI伝送メッセージを、無線でリモートデバイス504-1に送信することができる。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、チャネル状態測定値を更に処理することができる。一部の実装形態では、リモートデバイス504-1は、センシング測定ポールメッセージ中にチャネル表現情報構成を含めることができる。一部の実装形態によれば、リモートデバイス504-1は、複数のセンシング測定ポールメッセージを使用して複数のフォーマットでチャネル表現情報を要求することができる。
【0182】
前述のように、本開示の一部の実施形態は、Wi-Fiセンシングのための2つのセンシングメッセージタイプ、すなわち、センシング構成メッセージ及びセンシング構成応答メッセージを定義する。一例では、センシング構成メッセージ及びセンシング構成応答メッセージは、IEEE802.11に説明されるタイプの管理フレームへの新しい拡張において搬送される。図27に、センシング伝送を搬送する管理フレーム2700の構成要素の一例を示している。一例では、システム500は肯定応答フレームを必要とすることがあり、センシングメッセージを搬送する管理フレームはアクションフレームとして実装され得、別の例では、システム500は肯定応答フレームを必要としないことがあり、センシングメッセージを搬送する管理フレームは、Action No Ackフレームとして実装され得る。一部の例では、全てのメッセージタイプは、IEEE802.11制御フレームへの新しい拡張において搬送される。一部の例では、管理フレームと制御フレームの組み合わせが、これらのセンシングメッセージタイプを実現するために使用され得る。
【0183】
一実装形態では、全てのセンシングメッセージタイプの情報コンテンツは、図27に示すようなフォーマットで搬送され得る。一部の例では、図27に記載されている伝送構成、タイミング構成、ステアリング行列構成、及びTD-CRI構成は、IEEE802.11要素として実装される。一部の例では、TD-CRI構成要素は、伝送構成要素の一部である。別の例では、管理フレーム2700の構成要素は、その全体がセンシング測定パラメータ要素と称されることがある。
【0184】
1つ以上の実施形態では、一部の実施形態によれば、センシングメッセージタイプは、メッセージタイプフィールドによって識別され得、各センシングメッセージタイプは、他の識別された要素を搬送することができる。センシングメッセージタイプ及びTD-CRI構成要素の例を表4に示している。また、TD-CRIの構成要素の詳細を表5に示している。
【表4】

【表5-1】

【表5-2】
【0185】
一例では、表5に提供されるデータは、センシングデバイス502とセンシングアルゴリズムマネージャ506との間のセンシングメッセージに含めるための要素に符号化され得る。
【0186】
一部の実装形態によれば、センシング伝送告知は、IEEE802.11に記載されたタイプの制御フレームに対する新しい拡張において搬送され得る。一部の実装形態では、センシング伝送告知は、IEEE802.11に記載された制御フレーム拡張に対する新しい拡張において搬送され得る。図28Aは、制御フレーム2800のフォーマットの一例を示し、図28Bは、制御フレーム2800のセンシング伝送制御フィールドのフォーマットを示している。一例では、センシング伝送制御フィールドのSTA情報フィールドは、それらの関連付けIDを介して最大n個のセンシングデバイスをアドレス指定することができる。例示的な実装形態では、センシング伝送告知は、センシング測定を行い、チャネル表現情報をセンシングイニシエータに中継して戻すために必要とされるn個のセンシングデバイスをアドレス指定することができる。センシング伝送制御及びTD-CRI構成要素の例が、以下に提供される表6に示されている。
【表6-1】

【表6-2】
【0187】
一部の実装形態によれば、センシング測定ポールは、IEEE802.11に記載されているタイプの制御フレームへの新しい拡張において搬送され得る。一部の実装形態では、センシング測定ポールは、IEEE802.11に記載された制御フレーム拡張に対する新しい拡張において搬送され得る。図29Aは、制御フレーム2900のフォーマットの一例を示し、図29Bは、制御フレーム2900のセンシング測定制御フィールドのフォーマットを示している。センシング測定制御及びTD-CRI構成要素の例が、以下に提供される表7に示されている。
【表7-1】

【表7-2】
【0188】
一部の実装形態によれば、センシングデバイス502がセンシング測定値を計算し、チャネル表現情報を(例えば、フィルタ処理されたTD-CRIの形態で)作成したとき、センシングデバイス502は、チャネル表現情報をセンシングアルゴリズムマネージャ506又はセンシングアルゴリズムマネージャ506を含むリモートデバイス504-1に通信することを要求され得る。一例では、フィルタ処理されたTD-CRIは、センシング伝送告知及びセンシング伝送NDPに応答して生成され得る。一部の例では、フィルタ処理されたTD-CRIは、センシング測定ポールに応答して生成され得る。例では、フィルタ処理されたTD-CRIは、管理フレームによって転送され得る。一例では、CRI伝送メッセージを表すメッセージタイプが定義され得る。図30は、一部の実施形態による、CRI伝送メッセージを搬送する管理フレーム3000の構成要素の一例を示している。一例では、システム500は、肯定応答フレームを必要とし得、CRI伝送メッセージを搬送する管理フレームは、アクションフレームとして実装され得、別の例では、システム500は、肯定応答フレームを必要とせず、CRI伝送メッセージを搬送する管理フレームは、Action No Ackフレームとして実装され得る。CRI伝送メッセージ及びTD-CRI構成要素の例を表8に示している。更に、CRI伝送メッセージ要素の詳細を表9に示している。
【表8-1】

【表8-2】

【表9-1】

【表9-2】
【0189】
表9は、アクティブな(含まれた/選択された)時間領域パルスを表すためにビットフィールドを使用してTD-CRIを転送するCRI伝送メッセージ要素の例を示している。
【0190】
一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506が別個のデバイス上に実装される(すなわち、リモートデバイス504-1内に実装されない)とき、管理フレームは必要でないことがあり、フィルタ処理されたTD CRIは、標準IEEE802.11データフレーム中にカプセル化され、センシングアルゴリズムマネージャ506に転送され得る。一例では、表9に記載されたデータ構造は、フィルタ処理されたTD CRIデータをフォーマットするために使用され得る。一例では、データ構造がCRI伝送メッセージ要素の形態であることをセンシングアルゴリズムマネージャ506が検出することを可能にするために、プロプライエタリヘッダ又は記述子がデータ構造に追加され得る。一例では、データは、図30に示されるフォーマットで転送されてもよく、センシングアルゴリズムマネージャ506は、CRI伝送メッセージを表すメッセージタイプ値を解釈するように構成されてもよい。
【0191】
本開示の態様によれば、センシングデバイス502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に渡される情報の量は、ベースバンド受信機によって提供される周波数領域CSI値の代わりに、フィルタ処理された時間領域値(フィルタ処理されたTD-CRI、時間領域パルスごとに1つの複素値)を送信することによって著しく低減され得る。また、送信される必要がある時間領域パルスの数は、最小チャネル帯域幅(例えば、20MHzチャネル帯域幅)のCSI値の約25%以下であり得る。更に、この割合は、総チャネル帯域幅が増加するにつれて著しく低減され得る。
【0192】
図31は、一部の実施形態による、動き又は移動を決定する際に使用するために、1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信するためのフローチャート3100を描示している。
【0193】
フローチャート3100の一実装形態の概要では、ステップ3102において、時間領域におけるチャネル状態情報を表すチャネル表現情報構成が受信される。ステップ3104において、センシング伝送が受信される。ステップ3106において、センシング測定値がセンシング伝送に基づいて生成される。ステップ3108において、センシング測定値の時間領域表現が生成される。ステップ3110において、時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスが、チャネル表現情報構成に基づいて選択される。ステップ3112において、1つ以上の時間領域パルスは、動き又は移動を決定する際に使用するためにセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信される。
【0194】
ステップ3102は、時間領域におけるチャネル状態情報を表すチャネル表現情報構成を受信することを含む。一例では、チャネル表現情報構成は、時間領域パルスの数(N)、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上を含み得る。最大時間遅延境界は、センシング測定値の時間領域表現の選択可能な時間領域パルスの最大時間遅延を表すことができる。一例では、振幅マスクは、最小振幅マスク及び最大振幅マスクのうちの1つを含む。一実装形態では、N、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上は、センシング伝送告知メッセージにおいて受信され得る。一部の実装形態では、N、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上は、センシング構成メッセージにおいて受信され得る。一部の実装形態では、N、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上は、センシング測定ポールメッセージにおいて受信され得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、センシングアルゴリズムマネージャ506からチャネル表現情報構成を受信することができる。一実装形態では、Nは、測距プロセスに従って決定され得る。一部の実装形態では、Nは、シミュレーションプロセスに従って決定され得る。
【0195】
ステップ3104は、センシング伝送を受信することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、リモートデバイス504-1からセンシング伝送を受信することができる。
【0196】
ステップ3106は、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することができる。一例では、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することは、チャネル状態情報(CSI)を計算することを含み得る。
【0197】
ステップ3108は、センシング測定値の時間領域表現を生成することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシング測定値の時間領域表現を生成することができる。例示的な実装形態では、センシングデバイス502は、センシング測定値に対してIFFTを実施して、センシング測定値の時間領域表現を生成することができる。
【0198】
ステップ3110は、チャネル表現情報構成に基づいて、時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスを選択することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、チャネル表現情報構成に基づいて時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスを選択することができる。一例では、センシングデバイス502は、振幅マスクに基づいて1つ以上の時間領域パルスを選択することができる。例えば、センシングデバイス502は、振幅マスク内にある時間領域パルスを含み、振幅マスク外にある時間領域パルスを除外することができる。振幅マスクは、センシング測定値の時間領域表現である。更に、一例では、1つ以上の時間領域パルスの各々は、複素数によって表され得る。複素数は、振幅と位相とを含み得る。
【0199】
ステップ3112は、動き又は移動を決定する際に使用するために、1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、動き又は移動を決定する際に使用するために、1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。例示的な実装形態では、センシングデバイス502は、CRI伝送メッセージを介して1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。
【0200】
図32A及び図32Bは、一部の実施形態による、動き又は移動を決定する際に使用するために、1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信するためのフローチャート3200を描示している。
【0201】
フローチャート3200の一実装形態の概要では、ステップ3202において、時間領域におけるチャネル状態情報を表すチャネル表現情報構成が受信される。ステップ3204において、センシング伝送が受信される。ステップ3206において、センシング測定値がセンシング伝送に基づいて生成される。ステップ3208において、センシング測定値の時間領域表現が生成される。ステップ3210において、時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスが、チャネル表現情報構成に基づいて選択される。ステップ3212において、選択されていない時間領域パルスがヌル化される。ステップ3214において、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現が生成される。ステップ3216において、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIにおける1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現は、動き又は移動を決定する際に使用するためにセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信される。
【0202】
ステップ3202は、時間領域におけるチャネル状態情報を表すチャネル表現情報構成を受信することを含む。一例では、チャネル表現情報構成は、N、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上を含み得る。最大時間遅延境界は、センシング測定値の時間領域表現の選択可能な時間領域パルスの最大時間遅延を表すことができる。一例では、振幅マスクは、最小振幅マスク及び最大振幅マスクのうちの1つを含む。一実装形態では、N、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上は、センシング伝送告知メッセージにおいて受信され得る。一部の実装形態では、N、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上は、センシング構成メッセージにおいて受信され得る。一部の実装形態では、N、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上は、センシング測定ポールメッセージにおいて受信され得る。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、センシングアルゴリズムマネージャ506からチャネル表現情報構成を受信することができる。一実装形態では、Nは、測距プロセスに従って決定され得る。一部の実装形態では、Nは、シミュレーションプロセスに従って決定され得る。
【0203】
ステップ3204は、センシング伝送を受信することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、リモートデバイス504-1からセンシング伝送を受信することができる。
【0204】
ステップ3206は、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することができる。一例では、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することは、チャネル状態情報(CSI)を計算することを含み得る。
【0205】
ステップ3208は、センシング測定値の時間領域表現を生成することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、センシング測定値の時間領域表現を生成することができる。例示的な実装形態では、センシングデバイス502は、センシング測定値に対してIFFTを実施して、センシング測定値の時間領域表現を生成することができる。
【0206】
ステップ3210は、チャネル表現情報構成に基づいて、時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスを選択することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、チャネル表現情報構成に基づいて時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスを選択することができる。一例では、センシングデバイス502は、振幅マスクに基づいて1つ以上の時間領域パルスを選択することができる。例えば、センシングデバイス502は、振幅マスク内にある時間領域パルスを含み、振幅マスク外にある時間領域パルスを除外することができる。振幅マスクは、センシング測定値の時間領域表現である。更に、一例では、1つ以上の時間領域パルスの各々は、複素数によって表され得る。複素数は、振幅と位相とを含み得る。
【0207】
ステップ3212は、選択されない時間領域パルスをヌル化することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、選択されない時間領域パルスをヌル化することができる。一例では、選択されない時間領域パルスのエネルギーはゼロになる。
【0208】
ステップ3214は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIにおける1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現を生成することを含む。一実装形態では、センシングデバイス502は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現の表現を生成することができる。一例では、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現は、「1」が時間領域パルスのロケーションを示し、「0」がヌルのロケーションを示すビットマップを含み得る。更に、一例では、ビットマップの長さは、センシング測定におけるセンシング測定点の数に対応する。一部の例では、ビットマップの長さは、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の点の数に対応する。一部の例では、ビットマップの長さは、周波数領域受信信号表現中のガードトーン及びDCトーンの数を差し引いた、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の点の数に対応する。一実装形態では、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の選択された時間領域パルスのロケーションの表現はZビット整数であり、ここで、以下のようになる。
=IFFTの点の数
【0209】
ステップ3216は、動き又は移動を決定する際に使用するために、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することを含む。一実装形態によれば、センシングデバイス502は、動き又は移動を決定する際に使用するために、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。一実装形態では、センシングデバイス502は、CRI伝送メッセージを使用して、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信することができる。
【0210】
特定の実施形態として、以下が挙げられる。
実施形態1は、伝送アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含むセンシング受信機を備えるWi-Fiセンシングのためのシステムであり、少なくとも1つのプロセッサは、受信アンテナによって、時間領域におけるチャネル状態情報の表現を識別するチャネル表現情報構成を受信することと、受信アンテナを介して、センシング伝送を受信することと、センシング伝送に基づいてセンシング測定値を生成することと、センシング測定値の時間領域表現を生成することと、チャネル表現情報構成に基づいて時間領域表現を示す1つ以上の時間領域パルスを選択することと、伝送アンテナによって、動き又は移動を決定する際に使用するために1つ以上の時間領域パルスをセンシングアルゴリズムマネージャに通信することと、を行うための命令を実行するように構成されている。
【0211】
実施形態2は、チャネル表現情報構成が、時間領域パルスの数(N)、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上を含む、実施形態1のシステムである。
【0212】
実施形態3は、最大時間遅延境界が、センシング測定値の時間領域表現の選択可能な時間領域パルスの最大時間遅延を表す、実施形態2のシステムである。
【0213】
実施形態4は、振幅マスクが、最小振幅マスク及び最大振幅マスクのうちの1つを含む、実施形態2又は実施形態3のシステムである。
【0214】
実施形態5は、プロセッサが、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIにおける1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現を生成するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態4のうちのいずれかのシステムである。
【0215】
実施形態6は、プロセッサが、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIにおける1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現をセンシングアルゴリズムマネージャに通信するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態5のシステムである。
【0216】
実施形態7は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRIにおける1つ以上の時間領域パルスのロケーションの表現は、「1」が時間領域パルスのロケーションを示し、「0」がヌルのロケーションを示すビットマップを含む、実施形態5又は実施形態6のシステムである。
【0217】
実施形態8は、ビットマップの長さが、センシング測定におけるセンシング測定点の数に対応する、実施形態7のシステムである。
【0218】
実施形態9は、ビットマップの長さが、周波数領域受信信号表現中のガードトーン及びDCトーンの数を差し引いた、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の点の数に対応する、実施形態7のシステムである。
【0219】
実施形態10は、ビットマップの長さが、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の点の数に対応する、実施形態7のシステムである。
【0220】
実施形態11は、1つ以上の時間領域パルスの各々が、複素数によって表される、実施形態1~実施形態10のうちのいずれかのシステムである。
【0221】
実施形態12は、複素数が、振幅及び位相を含む、実施形態11のシステムである。
【0222】
実施形態13は、再構成されたフィルタ処理されたTD-CRI内の選択された時間領域パルスのロケーションの表現が、Zビット整数であり、2が、IFFT内の点の数である、実施形態5~実施形態10のうちのいずれかのシステムである。
【0223】
実施形態14は、時間領域パルスの数(N)、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上が、センシングNDP告知フレームにおいて受信される、実施形態2~実施形態13のうちのいずれかのシステムである。
【0224】
実施形態15は、時間領域パルスの数(N)、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上が、センシング測定セットアップ要求において受信される、実施形態2~実施形態14のうちのいずれかのシステムである。
【0225】
実施形態16は、プロセッサが、チャネル状態情報(CSI)を計算することによってセンシング測定値を生成するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態15のうちのいずれかのシステムである。
【0226】
実施形態17は、時間領域パルスの数(N)、最大時間遅延境界、及び振幅マスクのうちの1つ以上が、センシングトリガ報告フレーム内で受信される、実施形態2~実施形態16のうちのいずれかのシステムである。
【0227】
実施形態18は、1つ以上の時間領域パルスを選択することが、振幅マスクに基づいており、振幅マスクが、センシング測定値の時間領域表現に対するものであり、選択することが、振幅マスク内にある時間領域パルスを含めることと、振幅マスク外にある時間領域パルスを除外することと、を含む、実施形態2~実施形態17のうちのいずれかのシステムである。
【0228】
実施形態19は、プロセッサが、選択中に選択されなかった時間領域パルスをヌル化するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態1~実施形態18のうちのいずれかのシステムである。
【0229】
実施形態20は、プロセッサが、プロセッサによって実施される測距プロセスに従って時間領域パルスの数(N)を決定するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態2~実施形態19のうちのいずれかのシステムである。
【0230】
実施形態21は、プロセッサが、シミュレーションプロセスに従って時間領域パルスの数(N)を決定するための命令を実行するように更に構成されている、実施形態2~実施形態19のうちのいずれかのシステムである。
【0231】
方法及びシステムの様々な実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は例示的なものであり、記載された方法又はシステムの範囲を決して限定するものではない。当業者は、記載された方法及びシステムの最も広い範囲から逸脱することなく、記載された方法及びシステムの形態及び詳細に変更を加えることができる。したがって、本明細書で記載される方法及びシステムの範囲は、例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従って定義されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
図30
図31
図32A
図32B