(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01S 3/72 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
G01S3/72
(21)【出願番号】P 2024025225
(22)【出願日】2024-02-22
【審査請求日】2024-02-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度 国立研究開発法人情報通信研究機構 「革新的情報通信技術研究開発委託研究/Beyond 5Gにおける超広域・大容量モバイルネットワークを実現するHAPS通信技術の研究開発 HAPS移動通信の高速大容量化技術の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多和田 基史
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第115685054(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0321164(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0321221(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0196782(US,A1)
【文献】特開2023-087576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 3/00- 3/74
H04B 7/0413
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が有する第1アンテナと、複数の第2アンテナを含むアレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データと、を含む教師データを取得する教師データ取得部と、
前記教師データ取得部が取得した複数の前記教師データを用いて、前記チャネル応答データを入力とし、前記アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの推定方向を出力とするニューラルネットワークの学習を実行する学習実行部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記チャネル応答データは、複数の周波数のそれぞれのチャネルベクトルを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習実行部は、前記教師データに含まれる前記チャネル応答データを前記ニューラルネットワークに入力して、前記ニューラルネットワークから出力された推定方向のベクトルと、前記教師データに含まれる前記位置関係が示す前記アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの方向のベクトルとのコサイン類似度を損失関数として、前記ニューラルネットワークを更新する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1アンテナと前記アレイアンテナとは、LoS-MIMO(Line of Sight Multiple Input Multiple Output)伝送に用いられ、
前記複数の第2アンテナは、LoS-MIMO伝送の要件を満たす間隔で配置されている、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記移動体は、HAPS(High-Altitude Platform Station)であり、
前記アレイアンテナは、地上に配置される、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1又は2に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
移動体が有する第1アンテナと複数の第2アンテナを含むアレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データと、を含む教師データを取得する教師データ取得段階と、
前記教師データ取得段階において取得した複数の前記教師データを用いて、前記チャネル応答データを入力とし、前記アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの推定方向を出力とするニューラルネットワークの学習を実行する学習実行段階と
を備える情報処理方法。
【請求項8】
第1移動体が備える第1アンテナと複数の第2アンテナを含む第1アレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データと、を含む教師データを複数用いて生成された、前記チャネル応答データを入力とし、前記第1アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの方向を出力とするニューラルネットワークを記憶する記憶部と、
第2移動体が備える第3アンテナと、複数の第4アンテナを含む第2アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答データを取得するチャネル応答取得部と、
前記チャネル応答取得部が取得した前記チャネル応答データを前記ニューラルネットワークに入力して、前記ニューラルネットワークから出力された、前記第2アレイアンテナを基準とした前記第3アンテナの方向を取得する方向取得部と、
前記方向取得部が取得した前記方向に基づいて、前記第3アンテナと前記第2アレイアンテナとの間の無線通信を調整する通信調整部と
を備える情報処理装置。
【請求項9】
前記第3アンテナと前記第2アレイアンテナとは、LoS-MIMO(Line of Sight Multiple Input Multiple Output)伝送に用いられ、
前記複数の第4アンテナは、LoS-MIMO伝送の要件を満たす間隔で配置されている、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項8又は9に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
第1移動体が備える第1アンテナと複数の第2アンテナを含む第1アレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答と、を含む教師データを複数用いて生成された、前記チャネル応答を入力とし、前記第1アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの方向を出力とするニューラルネットワークを取得するNN取得段階と、
第2移動体が備える第3アンテナと、複数の第4アンテナを含む第2アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を取得するチャネル応答取得段階と、
前記チャネル応答取得段階において取得した前記チャネル応答を前記ニューラルネットワークに入力して、前記ニューラルネットワークから出力された、前記第2アレイアンテナを基準とした前記第3アンテナの方向を取得する方向取得段階と、
前記方向取得段階において取得した前記方向に基づいて、前記第3アンテナと前記第2アレイアンテナとの間の無線通信を調整する通信調整段階と
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、ロバストなLos-MIMO(Line of Sight-Multi Input Multi Output)伝送について記載されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1]M. Tawada, Y. Ohta and A. Nagate, "Design of Robust LoS-MIMO Transmission in HAPS Feeder Link," 2022 IEEE 96th Vehicular Technology Conference (VTC2022-Fall), London, United Kingdom, 2022, pp. 1-7, doi: 10.1109/VTC2022-Fall57202.2022.10012950.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、移動体が有する第1アンテナと、複数の第2アンテナを含むアレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データと、を含む教師データを取得する教師データ取得部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記教師データ取得部が取得した複数の前記教師データを用いて、前記チャネル応答データを入力とし、前記アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの推定方向を出力とするニューラルネットワークの学習を実行する学習実行部を備えてよい。
【0004】
前記チャネル応答データは、複数の周波数のそれぞれのチャネルベクトルを含んでよい。
【0005】
前記情報処理装置において、前記学習実行部は、前記教師データに含まれる前記チャネル応答データを前記ニューラルネットワークに入力して、前記ニューラルネットワークから出力された推定方向のベクトルと、前記教師データに含まれる前記位置関係が示す前記アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの方向のベクトルとのコサイン類似度を損失関数として、前記ニューラルネットワークを更新してよい。
【0006】
前記いずれかの情報処理装置において、前記第1アンテナと前記アレイアンテナとは、LoS-MIMO伝送に用いられてよく、前記複数の第2アンテナは、LoS-MIMO伝送の要件を満たす間隔で配置されていてよい。
【0007】
前記情報処理装置において、前記移動体は、HAPSであってよく、前記アレイアンテナは、地上に配置されてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理方法は、移動体が有する第1アンテナと複数の第2アンテナを含むアレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データと、を含む教師データを取得する教師データ取得段階を備えてよい。前記情報処理方法は、前記教師データ取得段階において取得した複数の前記教師データを用いて、前記チャネル応答データを入力とし、前記アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの推定方向を出力とするニューラルネットワークの学習を実行する学習実行段階を備えてよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、第1移動体が備える第1アンテナと複数の第2アンテナを含む第1アレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データと、を含む教師データを複数用いて生成された、前記チャネル応答データを入力とし、前記第1アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの方向を出力とするニューラルネットワークを記憶する記憶部を備えてよい。前記情報処理装置は、第2移動体が備える第3アンテナと、複数の第4アンテナを含む第2アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答データを取得するチャネル応答取得部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記チャネル応答取得部が取得した前記チャネル応答データを前記ニューラルネットワークに入力して、前記ニューラルネットワークから出力された、前記第2アレイアンテナを基準とした前記第3アンテナの方向を取得する方向取得部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記方向取得部が取得した前記方向に基づいて、前記第3アンテナと前記第2アレイアンテナとの間の無線通信を調整する通信調整部を備えてよい。
【0011】
前記第3アンテナと前記第2アレイアンテナとは、LoS-MIMO伝送に用いられてよく、前記複数の第4アンテナは、LoS-MIMO伝送の要件を満たす間隔で配置されていてよい。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理方法は、第1移動体が備える第1アンテナと複数の第2アンテナを含む第1アレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記第1アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答と、を含む教師データを複数用いて生成された、前記チャネル応答を入力とし、前記第1アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの方向を出力とするニューラルネットワークを取得するNN取得段階を備えてよい。前記情報処理方法は、第2移動体が備える第3アンテナと、複数の第4アンテナを含む第2アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を取得するチャネル応答取得段階を備えてよい。前記情報処理方法は、前記チャネル応答取得段階において取得した前記チャネル応答を前記ニューラルネットワークに入力して、前記ニューラルネットワークから出力された、前記第2アレイアンテナを基準とした前記第3アンテナの方向を取得する方向取得段階を備えてよい。前記情報処理方法は、前記方向取得段階において取得した前記方向に基づいて、前記第3アンテナと前記第2アレイアンテナとの間の無線通信を調整する通信調整段階を備えてよい。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係るシステム10における移動体200とアレイアンテナ302との関係の一例を概略的に示す。
【
図2】情報処理装置100が用いる、ニューラルネットワークによるDOA推定について概略的に説明するための説明図である。
【
図3】チャネル応答の取得方法について説明するための説明図である。
【
図4】情報処理装置100の処理内容について概略的に説明するための説明図である。
【
図5】入力データ110について説明するための説明図である。
【
図6】入力データ110について説明するための説明図である。
【
図7】入力データ110について説明するための説明図である。
【
図8】入力データ110について説明するための説明図である。
【
図9】情報処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図10】移動体200の一例であるHAPS400の構成の一例を概略的に示す。
【
図11】情報処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
近年、高度20kmの成層圏を航行するHAPS(High-Altitude Platform Station)を用いたモバイル通信サービスが注目されている。地上固定局とHAPS間のフィーダリンクは、形成されるエリア内の端末の通信のトラフィックを収容するため大容量通信回線が要求される。この解決策には、HAPS移動時の送受間距離と角度の変化に対応するLoS-MIMOによる空間多重化の効果によるチャネル容量の向上が有効である。ところで、HAPS通信システムへの割当周波数としてグローバル特定されているのは39GHz等のミリ波帯となっている。HAPSが上空20kmを旋回することを考慮すると、伝搬損失が大きくなるため、所望SNR(Signal to Noise Ratio)を確保するためには、高利得アンテナの使用が有効となる。しかし、アンテナ利得を大きくするとビーム幅が狭小化するため、地上局とHAPSとの間の電波の到来方向推定とHAPSの移動に対応したビームトラッキングが重要となる。HAPSに搭載されているセンサを用いてHAPSの位置及び姿勢の情報を取得することによって方向の計算をすることはできるが、精度や信頼性はセンサに依存することになる。また、そもそも、精密機器であるセンサをHAPSという過酷環境で運用するリスクもある。レーダシステムを導入することも考えられるが、HAPSに対して新たなHWを追加することは、ペイロード重量制限の観点から望ましくなく、測位用の信号の導入は電力や周波数利用の観点から望ましくない。システム構成をコンパクトにするために、方向推定用専用のアンテナや信号を追加せずLoS-MIMO伝送用のアレイアンテナと信号を用いて方向推定を行うことが望ましい。一般的にMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)に代表されるアレイ信号処理では、イメージを抑圧するためにアンテナ素子間隔を半波長以下にするが、LoS-MIMO伝送を実現するためには、素子間隔は数100波長となる。この場合、従来の方向推定アルゴリズムの適用が困難になる。本実施形態に係る情報処理装置100は、このような、LoS-MIMO伝送システム等の素子間隔が広いアレイアンテナ向けに、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)を利用した方向推定方式を採用する。
【0018】
図1は、本実施形態に係るシステム10における移動体200とアレイアンテナ302との関係の一例を概略的に示す。システム10は、情報処理装置100を備える、
図1においては、情報処理装置100の図示を省略している。システム10は、複数のアンテナ310を含むアレイアンテナ302と、アレイアンテナ302を用いた通信を実行する通信装置300とを備えてよい。
【0019】
図1では、移動体200がHAPSである場合を例示しているが、これに限らない。移動体200は、空中を移動する飛行機や無人航空機であってもよい。移動体200は、地上を移動する自動車等であってもよい。移動体200は、アンテナ210を備える。アンテナ210は、アレイアンテナであってよい。アンテナ210は、アレイアンテナでなくてもよい。アンテナ210は、第1アンテナの一例であってよく、アンテナ310は、第2アンテナの一例であってよい。
【0020】
図1では、アレイアンテナ302がUXA(Uniform Cross Array)である場合を例示しているが、これに限らない。アレイアンテナ302は、ULA(Uniform Linear Array)であってもよい。通信装置300は、アレイアンテナ302を用いて移動体200と通信することができれば、どのような装置であってもよい。移動体200がHAPSである場合、通信装置300は地上局であってよく、移動体200と通信装置300とは、フィーダリンク通信を実行してよい。
【0021】
上述したように、従来手法として、MUSICやESPRITといった部分空間法が存在するが、これらの手法はアレイアンテナの素子間隔に対する条件があり、通常、λ/2以下に設定することが要求される。
【0022】
LoS-MIMO用アレイアンテナもまた素子間隔の条件があり、ULAの場合であれば、下記数式1を満たす必要がある。
【0023】
【0024】
ただし、dは素子間隔であり、Dは送受間距離であり、cは光速であり、lはULA素子数であり、fcは中心周波数である。仮に、D=20km、l=5、fc=39GHzとした場合、d=721λとなり、従来のアレイ信号処理の素子間隔の条件に反する。
【0025】
図2は、情報処理装置100が用いる、ニューラルネットワークによるDOA推定について概略的に説明するための説明図である。
【0026】
情報処理装置100は、従来のアレイ信号処理に代替する方式として、ニューラルネットワークを利用したDOA推定を採用した。ニューラルネットワークの特性として、隠れ層が1以上あれば、ノードの数を増やすことであらゆる関数を任意の精度で表現できるUniversal Approximation Theoremが知られている。情報処理装置100では、この特性を利用して、ニューラルネットワークをブラックボックスとしてDOA推定に利用する。
【0027】
情報処理装置100は、目的変数である到来方向の説明変数を入力データとし、この入力データを、空間周波数でサンプリングしたチャネル応答とする。情報処理装置100は、目的変数である到来方向を出力データとし、出力データを方向ベクトルとして、損失関数をコサイン類似度とする。
【0028】
図3は、チャネル応答の取得方法について説明するための説明図である。仮に移動体200側が送信アレイ、アレイアンテナ302が受信アレイであるとすると、アレイアンテナ302は、移動体200の任意のアンテナからのチャネル応答を、
図3に示すようなチャネルサウンディングによって取得する。情報処理装置100は、このチャネル応答取得時の電波の到来方向のデータを、教師データとして取得しておく。
【0029】
情報処理装置100は、チャネル応答及び電波の到来方向のデータを、実データとして収集してよい。情報処理装置100は、チャネル応答及び電波の到来方向のデータを、シミュレーションによって収集してよい。
【0030】
図4は、情報処理装置100の処理内容について概略的に説明するための説明図である。情報処理装置100は、DOA推定NN120の入力データ110として、教師データに含まれるチャネル応答情報を用いる。情報処理装置100は、出力データ130を、3次元の方向ベクトルvとし、電波の放射源である移動体200のアンテナ位置ベクトル
とのコサイン類似度を損失関数Lとして、Lが1になるようにDOA推定NN120を最適化する。
【0031】
図5、
図6、
図7、
図8は、入力データ110について説明するための説明図である。送信1アンテナと受信nアンテナとの間のチャネルベクトルhは、例えば、仲上ライスフェージングを仮定して、直接は成分のh
LoSとマルチパス成分h
NLoS、及び電力比KファクターKを用いて、
図5の数式112で表すことができる。通常、HAPS通信システムのような見通し環境では、Kファクタは大きな値になることからLoS成分が支配的になり、K>>1の条件下でh
h
LoSとなる。LoS-MIMOにおいてh
LoSは送受アンテナの位置関係によって決まり、送信アンテナからi番目の受信アンテナまでの距離diを用いて、
図6の数式114で表すことができる。
【0032】
アンテナの配置位置でサンプリングされたチャネル応答データであるが、素子間隔が大きい場合アレイ信号処理では曖昧さが生じることで正しく推定できないことを踏まえて、情報処理装置100は、移動体200と通信装置300との通信信号に含まれる複数の周波数成分m個のチャネルベクトルを利用してよい。周波数のインデックスを下付き添え字として、入力データuを
図7の数式116で表すことができる。情報処理装置100は、
図8の数式118で示すように、各要素を偏角に変換したものを、入力データuとしてもよい。
【0033】
図9は、情報処理装置100の機能構成の一例を概略的に示す。情報処理装置100は、記憶部140、測定データ受信部142、教師データ取得部144、学習実行部146、NN出力部148、チャネル応答取得部150、方向取得部152、及び通信調整部154を備える。なお、情報処理装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0034】
測定データ受信部142は、測定データを受信する。測定データは、移動体200が有するアンテナ210と、複数のアンテナ310を含むアレイアンテナ302との位置関係と、アンテナ210とアレイアンテナ302とが当該位置関係であるときのアンテナ210とアレイアンテナ302と間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データとを含む。測定データ受信部142は、アンテナ210とアレイアンテナ302との位置関係が既知である状況において、アレイアンテナ302を用いて通信装置300によってチャネルサウンディングによって測定されたチャネル応答を示すチャネル応答データと、当該位置関係とを含む測定データを、通信装置300から受信してよい。測定データ受信部142は、受信した測定データを、教師データとして記憶部140に記憶させる。
【0035】
アンテナ210とアレイアンテナ302とは、LoS-MIMO伝送に用いられてよい。複数のアンテナ310は、LoS-MIMO伝送の要件を満たす間隔で配置されていてよい。
【0036】
教師データ取得部144は、複数の教師データを記憶部140から取得する。教師データ取得部144は、記憶部140に記憶されている全ての教師データを取得してよい。教師データ取得部144は、記憶部140に記憶されている教師データのうち、情報処理装置100の利用者等によって選択された複数の教師データを取得してもよい。
【0037】
学習実行部146は、教師データ取得部144が取得した複数の教師データを用いて、チャネル応答データを入力とし、アレイアンテナ302を基準としたアンテナ210の推定方向を出力とするニューラルネットワークの学習を実行する。
図5~
図8において説明したように、入力のチャネル応答データは、複数の周波数のそれぞれのチャネルベクトルを含んでよい。
【0038】
学習実行部146は、教師データに含まれるチャネル応答データをニューラルネットワークに入力して、ニューラルネットワークから出力された推定方向のベクトルと、教師データに含まれる位置関係が示すアレイアンテナ302を基準としたアンテナ210の方向のベクトルとのコサイン類似度を損失関数として、ニューラルネットワークを更新してよい。学習実行部146は、コサイン類似度が1となるように、ニューラルネットワークを最適化してよい。
【0039】
なお、学習実行部146は、これに限らず、教師データに含まれるチャネル応答データを入力した場合に、教師データに含まれる位置関係が示すアレイアンテナ302を基準としたアンテナ210の方向のベクトルにより近い推定方向をニューラルネットワークが出力可能になる、公知の任意の学習方法を用いてもよい。また、学習実行部146は、公知のニューラルネットワークに対して、教師データに含まれるチャネル応答データを入力して、出力が、教師データに含まれる位置関係を示すように、ニューラルネットワークを更新する学習を実行してもよい。
【0040】
NN出力部148は、学習実行部146による学習が終了したニューラルネットワークを出力する。NN出力部148は、例えば、学習実行部146による学習が終了したニューラルネットワークを、外部に送信する。
【0041】
情報処理装置100は、学習実行部146による学習が終了したニューラルネットワークを用いて、アンテナ210とアレイアンテナ302とを用いて通信中の移動体200と通信装置300との通信を調整する制御を実行してもよい。
【0042】
チャネル応答取得部150は、通信中の移動体200(第2移動体と記載する場合がある。)が備えるアンテナ210(第3アンテナと記載する場合がある。)と、通信装置300が用いる複数のアンテナ310(第4アンテナと記載する場合がある)を含むアレイアンテナ302(第2アレイアンテナと記載する場合がある。)との間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データを取得する。
【0043】
方向取得部152は、チャネル応答取得部150が取得したチャネル応答データを、学習実行部146による学習が終了したニューラルネットワークに入力して、当該ニューラルネットワークから出力された、第2アレイアンテナを基準とした第3アンテナの方向を取得する。
【0044】
通信調整部154は、方向取得部152が取得した方向に基づいて、第3アンテナと第2アレイアンテナとの間の無線通信を調整する。通信調整部154は、方向取得部152が取得した方向に従って、通信装置300に対して調整指示を送信してよい。通信調整部154は、方向取得部152が取得した方向に従って、第2移動体に対して調整指示を送信してよい。
【0045】
情報処理装置100がこのような調整処理を実行しない場合、情報処理装置100は、チャネル応答取得部150、方向取得部152、及び通信調整部154を備えなくてもよい。
【0046】
図10は、移動体200の一例であるHAPS400の構成の一例を概略的に示す。HAPS400は、地上に向けてビーム402を照射することにより形成した通信エリア404内のユーザ端末70に無線通信サービスを提供する。HAPS400は、翼部420、光発電部430、プロペラ440、エレベータ450、中央部460、及びポッド470を備える。
【0047】
光発電部430は、光を受けて発電する光発電パネルを含む。光発電パネルは、いわゆる太陽光発電パネルであってよい。HAPS400は、不図示の複数のバッテリを備える。複数のバッテリは、翼部420、中央部460、及びポッド470のうちの全て又は一部に、分散して配置される。複数のバッテリは、光発電部430によって発電された電力によって充電される。
【0048】
中央部460内には、飛行制御装置462及び通信制御装置464が配置される。飛行制御装置462は、HAPS400の飛行を制御する。通信制御装置464は、HAPS400の通信を制御する。
【0049】
飛行制御装置462は、例えば、プロペラ440の回転を制御することによってHAPS400の飛行を制御する。また、飛行制御装置462は、例えば、エレベータ450の角度を変更することによってHAPS400の飛行を制御する。飛行制御装置462は、GPSセンサ等の測位センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、及び風速センサ等の各種センサを備えて、HAPS400の位置、姿勢、移動方向、移動速度、及びHAPS400の周囲の風速を管理してよい。
【0050】
通信制御装置464は、SL(Service Link)アンテナを用いて、地上に通信エリア404を形成する。通信制御装置464は、SLアンテナを用いて、地上のユーザ端末70とサービスリンクを形成してよい。
【0051】
通信制御装置464は、FL(Feeder Link)アンテナを用いて、地上のゲートウェイ40との間でフィーダリンクを形成してよい。通信制御装置464は、ゲートウェイ40を介して、ネットワーク30にアクセスしてよい。FLアンテナは、アンテナ210の一例であってよい。ゲートウェイ40は、通信装置300の一例であってよい。
【0052】
ユーザ端末70は、HAPS400と通信可能であればどのような通信端末であってもよい。例えば、ユーザ端末70は、スマートフォン等の携帯電話である。ユーザ端末70は、タブレット端末及びPC(Personal Computer)等であってもよい。ユーザ端末70は、いわゆるIoT(Internet of Thing)デバイスであってもよい。ユーザ端末70は、いわゆるIoE(Internet of Everything)に該当するあらゆるものを含み得る。
【0053】
HAPS400は、例えば、フィーダリンクと、サービスリンクとを介して、ネットワーク30とユーザ端末70との通信を中継する。HAPS400は、ユーザ端末70とネットワーク30との通信を中継することによって、ユーザ端末70に無線通信サービスを提供してよい。
【0054】
ネットワーク30は、移動体通信ネットワークを含む。移動体通信ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、3G(3rd Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれに準拠していてもよい。ネットワーク30は、インターネットを含んでもよい。
【0055】
HAPS400は、例えば、通信エリア404内のユーザ端末70から受信したデータをネットワーク30に送信する。また、HAPS400は、例えば、ネットワーク30を介して、通信エリア404内のユーザ端末70宛のデータを受信した場合に、当該データをユーザ端末70に送信する。
【0056】
管理装置500は、複数のHAPS400を管理する。管理装置500は、ネットワーク30及びゲートウェイ40を介して、HAPS400と通信してよい。管理装置500は、指示を送信することによってHAPS400を制御する。管理装置500は、通信エリア404によって地上の対象エリアをカバーさせるべく、HAPS400に、対象エリアの上空を旋回させてよい。HAPS400は、例えば、対象エリアの上空を円軌道で飛行しつつ、FLアンテナの指向方向を調整することによってゲートウェイ40との間のフィーダリンクを維持し、SLアンテナの指向方向を調整することによって通信エリア404による対象エリアのカバーを維持する。
【0057】
図11は、情報処理装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0058】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0059】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0060】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0061】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0062】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0063】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0064】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0065】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0066】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0067】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0068】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0069】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0070】
コンピュータ可読命令は、コンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。ここで、コンピュータは、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、汎用コンピュータ、または特殊目的のコンピュータ等であってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このような複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムは分散コンピューティングシステムとも呼ばれ、広義のコンピュータである。分散コンピューティングシステムにおいては、複数のコンピュータのそれぞれがプログラムの一部ずつを実行し、必要に応じてコンピュータ間でプログラム実行中のデータを受け渡すことによって、複数のコンピュータが集合的に プログラムを実行する。
【0071】
プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、中央処理装置、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。コンピュータは、1つのプロセッサまたは複数のプロセッサを備えてよい。複数のプロセッサを備えるマルチプロセッサシステムにおいては、それぞれのプロセッサがプログラムの一部ずつを実行し、必要に応じてプロセッサ間でプログラム実行中のデータを受け渡すことによって、複数のプロセッサが集合的にプログラムを実行する。例えば、マルチタスクの実行において、複数のプロセッサのそれぞれは、タイムスライス毎にタスクスイッチすることにより各タスクの一部分ずつを細切れに実行してよい。この場合、各プロセッサが1つのプログラムのうちどの部分を実行するかは、動的に変化する。複数のプロセッサのそれぞれがプログラムのどの部分を実行するかは、マルチプロセッサを意識したプログラミングにより静的に定められてもよい。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0073】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0074】
10 システム、30 ネットワーク、40 ゲートウェイ、70 ユーザ端末、100 情報処理装置、110 入力データ、112 数式、114 数式、116 数式、118 数式、120 DOA推定NN、130 出力データ、140 記憶部、142 測定データ受信部、144 教師データ取得部、146 学習実行部、148 NN出力部、150 チャネル応答取得部、152 方向取得部、154 通信調整部、200 移動体、210 アンテナ、300 通信装置、302 アレイアンテナ、310 アンテナ、400 HAPS、402 ビーム、404 通信エリア、420 翼部、430 光発電部、440 プロペラ、450 エレベータ、460 中央部、462 飛行制御装置、464 通信制御装置、470 ポッド、500 管理装置、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
【要約】
【解決手段】移動体が有する第1アンテナと、複数の第2アンテナを含むアレイアンテナとの位置関係と、前記第1アンテナと前記アレイアンテナが前記位置関係であるときの前記第1アンテナと前記アレイアンテナとの間の、空間と周波数とでサンプリングされたチャネル応答を示すチャネル応答データと、を含む教師データを取得する教師データ取得部と、前記教師データ取得部が取得した複数の前記教師データを用いて、前記チャネル応答データを入力とし、前記アレイアンテナを基準とした前記第1アンテナの推定方向を出力とするニューラルネットワークの学習を実行する学習実行部とを備える情報処理装置を提供する。
【選択図】
図4