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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】シート体験システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/428 20140101AFI20241030BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20241030BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20241030BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241030BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20241030BHJP
   A63F 13/26 20140101ALI20241030BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20241030BHJP
【FI】
A63F13/428
B60N2/90
A47C7/62 Z
G06F3/01 570
A63F13/53
A63F13/26
A63F13/56
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020175108
(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公開番号】P2022066643
(43)【公開日】2022-05-02
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】郭 裕之
(72)【発明者】
【氏名】三好 貴子
(72)【発明者】
【氏名】和久 道信
(72)【発明者】
【氏名】相馬 まりえ
(72)【発明者】
【氏名】草野 惇至
(72)【発明者】
【氏名】金田 悟
(72)【発明者】
【氏名】古和 宗高
【審査官】三村 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-083210(JP,A)
【文献】特開2010-187834(JP,A)
【文献】特表2003-519559(JP,A)
【文献】特開2011-248465(JP,A)
【文献】特開2018-060438(JP,A)
【文献】特開2020-019407(JP,A)
【文献】特開2019-153135(JP,A)
【文献】特開2000-134503(JP,A)
【文献】AFRIKA,週刊ファミ通,株式会社エンターブレイン,2008年09月12日,第23巻 第37号,130頁-135頁
【文献】レッド・デッド・リデンプション2,週刊ファミ通,株式会社Gzブレイン,2018年11月15日,第33巻 第48号,152頁-155頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
B60N 2/00-2/90
A47C 7/00-7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体と、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得する複数のセンサを有するシートと、
前記センサから前記情報を取得する制御部と、
画面を有する端末と、を備えたシート体験システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザによって操作される操作対象を動かし、
前記操作対象の動きに応じて、前記画面上の動物を表すキャラクタが動き、
前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザが前記キャラクタに食料を与える第1動作を行ったと判定した場合に、前記画面上に前記動物の食料を表す食料アイコンを表示し、前記キャラクタを前記食料アイコンの位置に向けて動かし、
前記センサからの出力値の単位時間当たりの変動量が所定量以上である場合には、前記ユーザが驚いたと判定し、驚きに関する画像を前記画面に表示することを特徴とするシート体験システム。
【請求項2】
シート本体と、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得する複数のセンサを有するシートと、
前記センサから前記情報を取得する制御部と、
画面を有する端末と、を備えたシート体験システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザによって操作される操作対象を動かし、
前記操作対象の動きに応じて、前記画面上の動物を表すキャラクタが動き、
前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザが前記キャラクタを攻撃する第2動作を行ったと判定した場合に、前記画面上に攻撃に関する画像を表示し、前記キャラクタに対して、逃げる、または、倒れる動作を行わせ
前記センサからの出力値の単位時間当たりの変動量が所定量以上である場合には、前記ユーザが驚いたと判定し、驚きに関する画像を前記画面に表示することを特徴とするシート体験システム。
【請求項3】
シート本体と、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得する複数のセンサを有するシートと、
前記センサから前記情報を取得する制御部と、
画面を有する端末と、を備えたシート体験システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザによって操作される操作対象を動かし、
前記操作対象の動きに応じて、前記画面上の動物を表すキャラクタが動き、
前記センサからの出力値の変化がないと判定した場合には、前記画面上の前記キャラクタの数が増えるように前記キャラクタを動作させ、
前記センサからの出力値が変化したと判定した場合には、前記キャラクタに対して逃げる動作を行わせ
前記センサからの出力値の単位時間当たりの変動量が所定量以上である場合には、前記ユーザが驚いたと判定し、驚きに関する画像を前記画面に表示することを特徴とするシート体験システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記ユーザが驚いたと判定した場合には、前記画面上の前記キャラクタの数を増やすことを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載のシート体験システム。
【請求項5】
前記端末は、第1画面と、前記第1画面の右側に配置される第2画面とを有し、
前記制御部は、
前記センサから取得した情報に基づいて、前記操作対象が前記第1画面の右端に位置するときに前記操作対象が右に移動しようとしていると判定した場合には、前記第2画面上に前記操作対象を移動させることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のシート体験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサを有するシートを備えたシート体験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗員の着座姿勢を検出するために、シート上に複数の圧力センサを配置した車両用シートが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-65504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用シートは、運転者の着座姿勢を評価して提示するだけであるので、あまり有効に利用できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、シートの新たな価値を提案するべく、シートのエンターテイメント性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、本発明に係るシート体験システムは、シート本体と、前記シート本体上のユーザの動作を検出するための情報を取得する複数のセンサを有するシートと、前記センサから前記情報を取得する制御部と、画面を有する端末と、を備える。
前記制御部は、前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザによって操作される操作対象を動かし、前記操作対象の動きに応じて、前記画面上の可動体が動く。
【0007】
この構成によれば、操作対象の動きに応じて画面上の可動体が動くので、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0008】
また、前記可動体は、動物を表すキャラクタであり、前記制御部は、前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザが前記キャラクタに食料を与える第1動作を行ったと判定した場合に、前記画面上に前記動物の食料を表す食料アイコンを表示し、前記キャラクタを前記食料アイコンの位置に向けて動かしてもよい。
【0009】
この構成によれば、ユーザが食料を与える第1動作をシート上で行うことで、画面上の動物が食料に近づいてくるので、実際の動物の習性を再現することができ、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0010】
また、前記可動体は、動物を表すキャラクタであり、前記制御部は、前記センサから取得した情報に基づいて、前記ユーザが前記キャラクタを攻撃する第2動作を行ったと判定した場合に、前記画面上に攻撃に関する画像を表示し、前記キャラクタに対して、逃げる、または、倒れる動作を行わせてもよい。
【0011】
この構成によれば、ユーザが動物を攻撃する第2動作をシート上で行うことで、画面上において動物を撃退することができるので、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0012】
また、前記可動体は、動物を表すキャラクタであり、前記制御部は、前記センサからの出力値の変化がないと判定した場合には、前記画面上の前記キャラクタの数が増えるように前記キャラクタを動作させ、前記センサからの出力値が変化したと判定した場合には、前記キャラクタに対して逃げる動作を行わせてもよい。
【0013】
この構成によれば、ユーザがシート上で動かない場合には、つまり動物を怖がらせる動作を行っていない場合には、画面上の動物の数が増え、シート上で動いた場合には、画面上の動物が逃げるので、実際の動物の習性を再現することができる。
【0014】
また、前記制御部は、前記センサからの出力値の単位時間当たりの変動量が所定量以上である場合には、前記ユーザが驚いたと判定し、驚きに関する画像を前記画面に表示してもよい。
【0015】
この構成によれば、ユーザが驚いたことが画面を介して他人が知ることができるので、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0016】
また、前記制御部は、前記ユーザが驚いたと判定した場合には、前記画面上の前記キャラクタの数を増やしてもよい。
【0017】
この構成によれば、ユーザが驚いた場合に、キャラクタの数が増えるので、例えばユーザがキャラクタの数が増えないように驚かない努力をするゲームを提供することが可能となり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0018】
また、前記端末は、第1画面と、前記第1画面の右側に配置される第2画面とを有し、前記制御部は、前記センサから取得した情報に基づいて、前記操作対象が前記第1画面の右端に位置するときに前記操作対象が右に移動しようとしていると判定した場合には、前記第2画面上に前記操作対象を移動させてもよい。
【0019】
この構成によれば、2画面にわたって操作対象を動かすことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、操作対象の動きに基づいて、画面上の可動体の動きが決定されるので、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明によれば、ユーザが食料を与える第1動作をシート上で行った場合に、画面上の動物が食料に寄っていくように制御部を構成することで、実際の動物の習性を再現することができ、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明によれば、ユーザが動物を攻撃する第2動作をシート上で行った場合に、画面上の動物が逃げる、または、倒れるように制御部を構成することで、シートのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明によれば、ユーザがシート上で動かない場合には画面上の動物の数が増え、シート上で動いた場合には画面上の動物が逃げるように制御部を構成することで、実際の動物の習性を再現することができる。
【0024】
また、本発明によれば、センサからの出力値の単位時間当たりの変動量が所定量以上である場合に、ユーザが驚いたと判定し、驚きに関する画像を画面に表示するように制御部を構成することで、ユーザが驚いたことが画面を介して他人が知ることができるので、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0025】
また、本発明によれば、ユーザが驚いたと判定した場合に、画面上のキャラクタの数を増やすように制御部を構成することで、例えばユーザがキャラクタの数が増えないように驚かない努力をするゲームを提供することが可能となり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明によれば、操作対象が第1画面の右端に位置するときに操作対象が右に移動しようとしていると判定した場合に、第2画面上に操作対象を移動させるように制御部を構成することで、2画面にわたって操作対象を動かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態に係るシート体験システムを示す図である。
図2】端末の動作を示すフローチャートである。
図3】サファリゲーム時の処理を示すフローチャートである。
図4】操作対象移動処理を示すフローチャートである。
図5】触れ合い処理を示すフローチャートである。
図6】撃退処理を示すフローチャートである。
図7】スタート画像を示す図(a)と、標準姿勢を設定するときの画像を示す図(b)である。
図8】サファリゲームにおける草原画像を示す図(a)と、触れ合い処理時の画像を示す図(b)である。
図9】触れ合い処理時において、画面内の動物が増えた画像を示す図(a)と、画面内の動物が逃げた画像を示す図(b)である。
図10】草原画像において操作対象が第1画面から第2画面に移動した状態を示す図(a)と、撃退処理時の画像を示す図(b)である。
図11】撃退処理時において動物を攻撃した状態を示す図である。
図12】変形例に係る餌付けゲームで表示する各画像を示す図(a)~(c)である。
図13】餌付けゲーム時の処理を示すフローチャートである。
図14】シート体験システムに設けられる各コントローラの例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のシート体験システム1は、シートSと、シート体験装置10とを含んでなる。
シートSは、シート本体S10と、圧力センサ21~26とを備えてなる。シート本体S10は、シートクッションS1、シートバックS2およびヘッドレストS3を有する。シートクッションS1とシートバックS2には、表皮の下に複数の圧力センサ21~26が設けられている。圧力センサ21~26は、シート本体S10上のユーザの動作を検出するためのセンサである。
【0029】
圧力センサ21~26は、シート本体S10に着座するユーザに対向する座面の状態を検知可能に配置され、シート本体S10に座っているユーザからの圧力値を取得する。
【0030】
各圧力センサ21~26は、シートSの左右の中心に対して左右対称に1対ずつ設けられている。なお、以下の説明や図面においては、左側に配置される圧力センサ21~26については、符号の末尾に「L」を付し、右側に配置される圧力センサ21~26については、符号の末尾に「R」を付して区別することもある。また、左側に配置される圧力センサ21~26は、以下、「左センサ」とも称する。右側に配置される圧力センサ21~26は、以下、「右センサ」とも称する。
【0031】
シートクッションS1には、圧力センサ21~23が設けられている。
圧力センサ21は、ユーザの大腿の下に位置し、ユーザの大腿からの圧力値を測定可能である。
【0032】
圧力センサ22および圧力センサ23は、ユーザの臀部からの圧力を測定するためのものである。なお、圧力センサ22および圧力センサ23は、いずれも、ユーザの臀部からの圧力を測定するためのものであるため、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0033】
圧力センサ22および圧力センサ23は、圧力センサ21から後方に大きく離れて配置されている。詳しくは、圧力センサ23は、ユーザの坐骨の最下部に対応する位置に設けられている。この位置では、ユーザの荷重が最も大きくかかる。圧力センサ22は、圧力センサ23の少し前に配置されている。
【0034】
シートバックS2には、圧力センサ24~26が設けられている。圧力センサ24は、ユーザの腰の後ろに対応する位置に設けられている。
【0035】
圧力センサ25は、圧力センサ24の少し上に配置されている。
【0036】
圧力センサ24および圧力センサ25は、いずれも、ユーザの腰からの圧力を測定するためのものであり、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0037】
圧力センサ26は、圧力センサ24および圧力センサ25から上方に大きく離れて配置されている。圧力センサ26は、ユーザの肩に対応して位置し、ユーザの肩からの圧力値を測定可能である。
【0038】
本実施形態においては、シート体験システム1は、各圧力センサ21~26を使用したサファリゲームを提供するものとする。サファリゲームは、草原に様々な動物が出現するゲームであり、ユーザが操作する操作対象が、愛玩動物と触れ合ったり、猛獣を撃退したりすることができるゲームである。
【0039】
シート体験装置10は、ECU100(電子制御ユニット)と、端末30とを有してなる。端末30は、制御部31と、第1ディスプレイ32と、第2ディスプレイ33とを有している。
ECU100には、ブルートゥース(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を可能にする近距離通信機3Aが接続されている。また、ECU100は、圧力センサ21~26と接続されている。本実施形態では、ECU100と近距離通信機3Aは、シート本体S10に設けられている。
【0040】
ECU100および制御部31は、図示しないCPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等からなる制御部を有し、予め記憶されたプログラムを実行する。ECU100は、各圧力センサ21~26から取得した測定値を、近距離通信機3Aを介して制御部31に送信する機能を有している。
【0041】
各ディスプレイ32,33は、図8(a)に示すように、それぞれ画像を表示する画面32D,33Dを有している。詳しくは、第1ディスプレイ32は、第1画面32Dを有し、第2ディスプレイ33は、第2画面33Dを有している。画面32D,33Dは、タッチパネルであり、ユーザは、画面32D,33D上に表示されたボタンを操作することで、サファリゲームを開始するなどの操作を行うことが可能となっている。
【0042】
図1に戻って、各ディスプレイ32,33は、画面32D,33Dをシート本体S10に向けた状態で、シート本体S10の前に左右に並んで配置されている。詳しくは、第2ディスプレイ33は、第1ディスプレイ32の右側に配置されている。
【0043】
端末30の制御部31は、プログラムに従って動作することで、サファリゲームを実行するための各手段として機能する。なお、以下の説明では、「端末30の制御部31」の機能や動作を、単に端末30の機能・動作として説明する。
【0044】
端末30は、圧力センサ21~26からECU100等を介して測定値を取得し、測定値(圧力値)に基づいて、図8(a)に示す手アイコンHIを画面32D,33D上で動作させる機能を有している。ここで、手アイコンHIは、ユーザによって操作される操作対象であり、人間の手を表す図形として表示されている。なお、サファリゲームにおいて、基本的には手アイコンHIがユーザの操作対象となっているが、ゲームの状況に応じて、操作対象は、変わる場合がある。
【0045】
端末30は、画面32D,33D上で動く可動体の一例としての第1キャラクタC1および第2キャラクタC2の動きを、ユーザの操作対象の動きに基づいて決定する機能を有している。ここで、第1キャラクタC1は、うさぎなどの愛玩動物を図形で表したものであり、第2キャラクタC2は、ライオンなどの猛獣を図形で表したものである。
【0046】
端末30は、図8(a)に示すように、広大な草原の中に動物が点在するような草原画像においては、圧力センサ21~26から取得した圧力値に基づいて、手アイコンHIを画面32D,33Dの上下左右に移動させる機能を有している。そして、端末30は、圧力センサ21~26から取得した圧力値に基づいて、手アイコンHIが第1画面32Dの右端に位置するときに手アイコンHIが右に移動しようとしていると判定した場合には、第2画面33D上に手アイコンHIを移動させるように構成されている。また、端末30は、圧力センサ21~26から取得した圧力値に基づいて、手アイコンHIが第2画面33Dの左端に位置するときに手アイコンHIが左に移動しようとしていると判定した場合には、第1画面32D上に手アイコンHIを移動させるように構成されている。
【0047】
端末30は、図8(a)の草原画像において、手アイコンHIと第1キャラクタC1との距離が所定距離以下になった場合に、愛玩動物と触れ合うゲームを行うための触れ合い処理を実行するように構成されている。また、端末30は、図8(a)の草原画像において、手アイコンHIと第2キャラクタC2との距離が所定距離以下になった場合に、猛獣を撃退するゲームを行うための撃退処理を実行するように構成されている。
【0048】
触れ合い処理において、端末30は、圧力センサ21~26から取得した圧力値に基づいて、ユーザが第1キャラクタC1に食料を与える第1動作を行ったと判定した場合に、第1画面32Dまたは第2画面33D上に動物の食料を表す食料アイコンFI(図8(b)参照)を表示し、第1キャラクタC1を食料アイコンFIの位置に向けて動かす機能を有している。以下の説明では、第1動作を、「餌やり動作」とも称する。
【0049】
触れ合い処理において、端末30は、圧力センサ21~26からの出力値の変化がないと判定した場合には、第1画面32Dまたは第2画面33D上の第1キャラクタの数が増えるように第1キャラクタを動作させる機能を有している。触れ合い処理において、端末30は、圧力センサ21~26からの出力値が変化した、詳しくは第1動作時の出力値の変化とは異なるように出力値が変化したと判定した場合には、第1キャラクタに対して逃げる動作を行わせる機能を有している。
【0050】
撃退処理において、端末30は、圧力センサ21~26から取得した圧力値に基づいて、ユーザが第2キャラクタC2を攻撃する第2動作を行ったと判定した場合に、第1画面32Dまたは第2画面33D上に攻撃に関する画像を表示し、第2キャラクタC2に対して逃げる動作を行わせる機能を有している。以下の説明では、第2動作を、「攻撃動作」とも称する。
【0051】
撃退処理において、端末30は、圧力センサ21~26からの出力値の単位時間当たりの変動量が所定量以上である場合には、ユーザが驚いたと判定し、驚きに関する画像を第1画面32Dまたは第2画面33Dに表示する機能を有している。本実施形態では、驚きに関する画像として、ユーザが驚いた回数を示す画像とする。撃退処理において、端末30は、ユーザが驚いたと判定した場合には、第1画面32Dまたは第2画面33D上の第2キャラクタC2の数を増やす機能を有している。
【0052】
次に、端末30の動作について詳細に説明する。
端末30は、ユーザがサファリゲームを行うためのアプリケーションを立ち上げると、図2に示す処理を開始する(START)。この処理において、端末30は、まず、シートSと通信可能な状態であるか否かを判断する(S41)。
【0053】
ステップS41において通信可能な状態でないと判断した場合には(No)、端末30は、本処理を終了する。ステップS41において通信可能な状態であると判断した場合には(Yes)、端末30は、サファリゲームのスタート画像(図7(a)参照)を第1画面32D上に表示する(S42)。
【0054】
なお、図7(a)に示すスタート画像では、サファリゲームを開始するためのスタートボタンB1と、サファリゲームを終了するためのボタンB2とが表示されている。
【0055】
ステップS42の後、端末30は、スタートボタンB1が選択されたか否かを判断する(S43)。ステップS43においてスタートボタンB1が選択されたと判断した場合には(Yes)、端末30は、サファリゲームにおける標準姿勢設定モードが過去に既に実行されているかを示すフラグFが0であるか否かを判断する(S44)。
【0056】
ここで、標準姿勢設定モードとは、ユーザの通常時の着座姿勢を標準姿勢として設定するモードである。端末30は、標準姿勢設定モードにおいて、ユーザの標準姿勢における各圧力値を取得し、各圧力値から、サファリゲームにおける姿勢の判定などのための基準となる各標準圧力値を設定する。
【0057】
ステップS44においてF=0でないと判定した場合(No)、つまり標準姿勢設定モードが過去に実行されている場合には、端末30は、標準姿勢設定モード(S45~S47)を飛ばして、サファリゲームを開始する(S48)。ステップS44においてF=0と判定した場合(Yes)、つまり標準姿勢設定モードが過去に一度も実行されていない場合には、端末30は、標準姿勢設定モードを開始する(S45)。
【0058】
端末30は、標準姿勢設定モードを開始すると、図7(b)に示す画面を、第1画面32D上に表示する。図7(b)の画像では、「シートに深く座りましょう。腿、尻、腰、背中、肩をシートにくっつけましょう」というメッセージと、各センサ21~26から圧力値を取得するための時間を表示するカウントダウン表示とが、表示されている。本実施形態では、16拍のカウントダウンを示す「16」という数字が、標準姿勢設定モード開始時のカウントダウン表示として表示される。
【0059】
端末30は、16拍のカウントダウンの実行中において、各センサ21~26から圧力値を取得する。詳しくは、端末30は、最初の8拍においては圧力値を取得せず、残りの8拍をカウントダウンする間に圧力値を取得する。つまり、端末30は、標準姿勢設定モードを開始してから所定時間の間、圧力値を取得せず、所定時間の経過後に圧力値を取得する。このように、端末30が、標準姿勢設定モードの開始から所定時間の間、圧力値を取得しないことで、例えばユーザがシートSに座り直している際の不安定な圧力値を排除することができ、より正確な圧力値を取得することが可能となっている。
【0060】
詳しくは、端末30は、8拍をカウントダウンする間に、各センサ21~26から所定の周期で圧力値を取得する。ここで、例えば、端末30が圧力値を取得する周期が20Hzであり、1拍が1秒である場合には、1つの圧力センサから取得される圧力値の数は、161個となる。
【0061】
図2に示すように、端末30は、各センサ21~26で取得した各圧力値の平均値に対してプラス側とマイナス側とにマージンをとった数値範囲を、各センサ21~26での各標準圧力値として設定する(S46)。
【0062】
端末30は、ステップS46の後、フラグFを1にして(S47)、サファリゲームを開始する(S48)。サファリゲームにおいては、端末30は、まず、図8(a)に示すゲーム画像を表示する。端末30は、サファリゲームの開始時においては、まず、草原の中に様々な動物が配置された草原画像を表示する。なお、サファリゲームでの処理については、後で詳述する。
【0063】
サファリゲームが終了すると、端末30は、図7(a)に示すスタート画像を表示する。図2に戻って、ステップS48の後、または、ステップS43においてNoと判断した場合には、端末30は、サファリゲームを終了するためのボタンB2が選択されたか否かを判断する(S49)。ステップS49においてボタンB2が選択されていないと判断した場合には(No)、端末30は、ステップS42の処理に戻る。ステップS49においてボタンB2が選択されたと判断した場合には(Yes)、端末30は、本処理を終了する。
【0064】
図3に示すように、サファリゲームにおいて、端末30は、まず、図8(a)に示すようなゲーム画像を各画面32D,33Dに表示する(S61)。この際、端末30は、ユーザの操作対象である手アイコンHIを第1画面32Dに表示し、ユーザの操作対象でないキャラクタC1,C2や草木などの背景を各画面32D,33Dに表示する。
【0065】
ステップS61の後、端末30は、各センサ21~26から圧力値を取得する(S62)。ステップS62の後、端末30は、取得した圧力値が変化したか否かを判定することで、ユーザがシートS上で動いたか否かを判定する(S63)。詳しくは、ステップS63において、端末30は、各センサ21~26のうち所定の圧力センサの圧力値が、所定の圧力センサに対応した標準圧力値の範囲外であるかを判定することで、圧力値が変化したかを判定する。
【0066】
ステップS63において圧力値が変化したと判定した場合には(Yes)、端末30は、手アイコンHIを第1画面32Dまたは第2画面33D上で移動させる操作対象移動処理を実行する(S64)。なお、操作対象移動処理については、後で詳述する。
【0067】
ステップS64で手アイコンHIを移動させた後、端末30は、操作対象である手アイコンHIがキャラクタ(第1キャラクタC1または第2キャラクタC2)の近くに到達したか否かを判定する(S65)。ステップS65において手アイコンHIがキャラクタの近くに到達したと判定した場合には(Yes)、端末30は、手アイコンHIの近くに位置するキャラクタが、愛玩動物であるか否かを判定する(S66)。
【0068】
ステップS66においてキャラクタが愛玩動物であると判定した場合には(Yes)、端末30は、愛玩動物に餌をあげることで愛玩動物と触れ合う触れ合い処理を実行する(S67)。なお、触れ合い処理については、後で詳述する。
【0069】
ステップS66においてキャラクタが愛玩動物でないと判定した場合には(No)、端末30は、猛獣を撃退する撃退処理を実行する(S68)。ステップS67,S68の後、または、ステップS63,S65でNoと判定した場合には、端末30は、サファリゲームの実行期間であるゲーム時間が経過したか否かを判定する(S69)。
【0070】
ステップS69においてゲーム時間が経過していないと判定した場合には(No)、端末30は、ステップS61の処理に戻る。ステップS69においてゲーム時間が経過したと判定した場合には(Yes)、端末30は、本処理を終了する。
【0071】
図4に示すように、操作対象移動処理において、端末30は、まず、圧力値に基づいて、ユーザが傾いている方向(以下、「傾き方向」とも称する。)と、傾き度合いとを決定する(S81)。具体的には、例えば、左右に並ぶ一対の圧力センサ(例えば、22L,22R)のうち左の圧力センサの出力値が右の圧力センサの出力値よりも大きい場合に、端末30は、傾き方向を、左と決定する。逆に、右の圧力センサの出力値が左の圧力センサの出力値よりも大きい場合に、端末30は、傾き方向を、右と決定する。
【0072】
また、前後に並ぶ一対の圧力センサ(例えば21,23)のうち前の圧力センサの出力値が後の圧力センサの出力値よりも大きい場合に、端末30は、傾き方向を、前と決定する。逆に、後の圧力センサの出力値が前の圧力センサの出力値よりも大きい場合に、端末30は、傾き方向を、後と決定する。
【0073】
なお、端末30は、左右に並ぶ一対の圧力センサと前後に並ぶ一対の圧力センサからのそれぞれの出力値に基づいて、傾き方向を、前斜め左、前斜め右、後斜め左または後斜め右と判定してもよい。
【0074】
また、端末30は、傾き方向を決定するための左右または前後の一対の圧力センサの各出力値の差の大きさが大きいほど、傾き度合いが大きくなるように、傾き度合いを決定する。
【0075】
ステップS81の後、端末30は、ステップS81で決定した傾き方向に基づいて、手アイコンHIの画面32D,33D上での移動方向を決定する(S82)。ここで、傾き方向と、画面32D,33D上での移動方向の関係は、任意に設定することができる。例えば、傾き方向が「前」の場合に、移動方向を「上」とし、傾き方向が「後」の場合に、移動方向を「下」とし、傾き方向が「左」の場合に、移動方向を「左」とし、傾き方向が「右」の場合に、移動方向を「右」とすることができる。
【0076】
ステップS82の後、端末30は、ステップS81で決定した傾き度合いに基づいて、手アイコンHIの移動速度を決定する(S83)。詳しくは、ステップS83において、端末30は、傾き度合いが大きいほど、移動速度が大きくなるように決定する。
【0077】
ステップS83の後、端末30は、手アイコンHIが第1画面32D内に存在するか否かを判定する(S84)。ステップS84において手アイコンHIが第1画面32D内に存在すると判定した場合には(Yes)、端末30は、手アイコンHIの移動方向が右で、かつ、手アイコンHIから第1画面32Dの右端までの距離が、所定値未満であるという第1条件を満たすか否かを判定する(S85)。ここで、所定値は、0に近い値に設定されている。
【0078】
そのため、端末30は、第1条件を満たすか否かの判定を行うことで、手アイコンHIが第1画面32Dの右端まで移動して第1画面32Dの右端に位置するときに手アイコンHIがさらに右に移動しようとしているか否かを判定している。ステップS85において第1条件を満たすと判定した場合には(Yes)、端末30は、図10(a)に示すように、手アイコンHIを第1画面32Dから第2画面33Dに移動させて(S86)、本処理を終了する。ステップS85において第1条件を満たさないと判定した場合には(No)、端末30は、第1画面32D上で手アイコンHIを移動させて(S87)、本処理を終了する。
【0079】
ステップS84において手アイコンHIが第1画面32D内に存在しない、つまり第2画面33D内に存在すると判定した場合には(Yes)、端末30は、手アイコンHIの移動方向が左で、かつ、手アイコンHIから第2画面33Dの左端までの距離が、所定値未満であるという第2条件を満たすか否かを判定する(S88)。ここで、所定値は、0に近い値に設定されている。
【0080】
ステップS88において第2条件を満たすと判定した場合には(Yes)、端末30は、手アイコンHIを第2画面33Dから第1画面32Dに移動させて(S89)、本処理を終了する。ステップS88において第2条件を満たさないと判定した場合には(No)、端末30は、第2画面33D上で手アイコンHIを移動させて(S90)、本処理を終了する。
【0081】
図5に示すように、触れ合い処理において、端末30は、まず、図8(b)に示す触れ合い処理用のゲーム画像を第1画面32Dに表示する(S101)。図8(b)のゲーム画像では、愛玩動物である第1キャラクタC1が拡大された画像が表示される。なお、本実施形態では、図8(a)の草原画像において、第1キャラクタC1が第1画面32D内に存在するので、触れ合い処理用のゲーム画像を第1画面32Dに表示するが、第1キャラクタC1が第2画面33Dに存在する場合には、触れ合い処理用のゲーム画像を第2画面33Dに表示してもよい。
【0082】
ステップS101の後、端末30は、所定時間の間、圧力値の変化がないか否かを判定することで、ユーザがシートS上で止まっているか否かを判定する(S102)。ステップS102において圧力値の変化がないと判定した場合には(Yes)、端末30は、図9(a)に示すように、第1画面32D上に、第1キャラクタC1とは別の新たな第1キャラクタC11を表示して、第1画面32D上のキャラクタの数を増やす(S103)。
【0083】
ステップS102において圧力値の変化があると判定した場合には(No)、端末30は、圧力値に基づいて、ユーザがシートS上で餌やり動作を行ったか否かを判定する(S104)。ここで、餌やり動作は、どのような動作であってもよい。例えば、ユーザが片足を上げる動作を餌やり動作としてもよいし、ユーザが前屈みになる動作を餌やり動作としてもよい。
【0084】
例えば、ユーザが前屈みになる動作を餌やり動作とする場合には、前述したように傾き方向を決定する方法と同様に、前後に並ぶ一対の圧力センサ(例えば21,23)のうち前の圧力センサの出力値が後の圧力センサの出力値よりも大きい場合に、ユーザが前屈みになったと判定して、餌やり動作が行われたと判定すればよい。また、シートバックS2に設けたいずれかの圧力センサの出力値が標準圧力値よりも小さくなった場合に、ユーザが前屈みになったと判定して、餌やり動作が行われたと判定してもよい。
【0085】
ステップS104において餌やり動作が行われたと判定した場合には(Yes)、端末30は、図8(b)に示すように、第1画面32D上に食料アイコンFIを表示する(S105)。具体的には、例えば、端末30は、手アイコンHI上の食料アイコンFIが第1キャラクタC1の近くに放物線を描きながら移動するように、食料アイコンFIを所定位置に移動させる。このように、触れ合い処理では、ユーザの餌やり動作に基づいて食料アイコンFIが動くので、触れ合い処理におけるユーザの操作対象は、食料アイコンFIとなる。
【0086】
ステップS105の後、端末30は、所定位置に置かれた食料アイコンFIに向けて、第1キャラクタC1を移動させる(S106)。これにより、第1キャラクタC1は、食料アイコンFIが所定位置まで移動するときの食料アイコンFIの動きに応じて、動くことになる。
【0087】
ステップS104において餌やり動作が行われていない、つまり、餌やり動作以外の動作がなされたと判定した場合には(No)、端末30は、図9(b)に示すように、第1画面32D上の第1キャラクタC1に対して、第1画面32D外に逃げる動作を行わせる(S107)。ステップS103,S106,S107の後、端末30は、触れ合い処理の実行期間である触れ合い時間が経過したか否かを判定する(S108)。
【0088】
ステップS108において触れ合い時間が経過していないと判定した場合には(No)、端末30は、ステップS101の処理に戻る。ステップS108において触れ合い時間が経過したと判定した場合には(Yes)、端末30は、本処理を終了する。
【0089】
図6に示すように、撃退処理において、端末30は、まず、図10(b)に示す撃退処理用のゲーム画像を第2画面33Dに表示する(S121)。図10(b)のゲーム画像では、猛獣である第2キャラクタC2が拡大された画像が表示される。なお、本実施形態では、図8(a)の草原画像において、第2キャラクタC2が第2画面33D内に存在するので、撃退処理用のゲーム画像を第2画面33Dに表示するが、第2キャラクタC2が第1画面32Dに存在する場合には、撃退処理用のゲーム画像を第1画面32Dに表示してもよい。
【0090】
ステップS121の後、端末30は、圧力値が急変動したか否かを判定することで、ユーザが驚く動作を行ったか否かを判定する(S122)。ここで、驚く動作は、どのような動作であってもよい。例えば、驚く動作は、ユーザが上体を大きく後ろに反らす動作とすることができる。この場合、例えば、シートバックS2に設けたいずれかの圧力センサの出力値が標準圧力値よりも大きくなった場合に、驚く動作が行われたと判定してもよい。
【0091】
ステップS122において圧力値が急変動したと判定した場合には(Yes)、端末30は、図10(b)に示すように、ユーザが驚いた回数を第2画面33Dに表示する。具体的に、本実施形態では、ユーザが驚いた回数を示す画像として、「びっくり回数」の文字と、回数を示す数字とが表示される。
【0092】
ステップS123の後、端末30は、図10(b)に示すように、第2画面33D上に、第2キャラクタC2とは別の新たな第2キャラクタC21を表示して、第2画面33D上のキャラクタの数を増やす(S124)。ステップS124の後、または、ステップS122でNoと判定した場合には、端末30は、ユーザが攻撃動作を行ったか否かを判定する(S125)。
【0093】
ここで、攻撃動作は、どのような動作であってもよい。例えば、ユーザが臀部をシートSから浮かした後、再度臀部をシートSに打ちつける動作を餌やり動作とすることができる。この場合、シートクッションS1に設けられた圧力センサ23の圧力値が、標準圧力値よりも小さくなった後に、標準圧力値よりも大きくなったか否かを判定することで、攻撃動作が行われたか否かを判定することができる。
【0094】
ステップS125において攻撃動作が行われたと判定した場合には(Yes)、端末30は、図11に示すように、攻撃に関する画像を第2画面33Dに表示する(S126)。具体的に、本実施形態では、端末30は、手アイコンHIを、拳を握りしめた図形の画像に変更することで、攻撃に関する画像として表示するとともに、拳が猛獣に当たったことを示す衝撃波を示す画像Gを攻撃に関する画像として表示する。
【0095】
ステップS126の後、端末30は、第2画面33D上の第2キャラクタC2に対して、第2画面33D外に逃げる動作を行わせる(S127)。ステップS127の後、または、ステップS125でNoと判定した場合には、端末30は、ユーザが猛獣から逃げる動作を行ったか否かを判定する(S128)。
【0096】
ここで、逃げる動作は、どのような動作であってもよい。例えば、逃げる動作は、ユーザが両脚を交互に上下動させる動作とすることができる。この場合、ユーザの大腿の下にある左センサ21Lと右センサ21Rの出力値が、交互に標準圧力値よりも小さくなったか否かを判定することで、逃げる動作が行われたか否かを判定することができる。
【0097】
ステップS128において逃げる動作が行われたと判定した場合には(Yes)、端末30は、本処理を終了する。ステップS128において逃げる動作が行われていないと判定した場合には(No)、端末30は、撃退処理の実行期間である撃退時間が経過したか否かを判定する(S129)。
【0098】
ステップS129において撃退時間が経過していないと判定した場合には(No)、端末30は、ステップS121の処理に戻る。ステップS129において撃退時間が経過したと判定した場合には(Yes)、端末30は、本処理を終了する。
【0099】
次に、シート体験システム1の具体的な動作の一例を詳細に説明する。
図1に示すように、シート体験システム1を構成する各機器(S,30)が通信可能な状態において、ユーザが端末30を操作してサファリゲームを立ち上げると、図2に示す処理において、ステップS41:Yes→ステップS42の処理が順次実行される。これにより、図7(a)に示すスタート画像が、第1画面32D上に表示される。
【0100】
ユーザがスタートボタンB1を選択すると、ステップS43でYesと判断されて、ステップS44の処理に移行する。ここで、ユーザが標準姿勢設定モード等を過去に一度も行っていない場合には、ステップS44でYesと判断されて、標準姿勢設定モードが実行される(S45~S47)。
【0101】
標準姿勢設定モードにおいては、図7(b)に示す画像が表示される。ユーザは、画像の指示に従って、身体全体をシートSに密着させるように座り直す。そして、画像中のカウントダウン表示が16から0までカウントダウンされる間、ユーザが姿勢を保つことで、各センサ21~26から圧力値が端末30で取得される。
【0102】
端末30は、標準姿勢設定モードにおいて取得した圧力値に基づいて、サファリゲームにおける姿勢判定などを行うための各標準圧力値を設定する。端末30は、各標準圧力値を設定した後、図8(a)に示す草原画像を表示する。草原画像が表示された状態において、ユーザがシートS上で身体を前後左右のいずれかに傾けると、手アイコンHIが第1画面32D上で移動する。
【0103】
草原画像が表示された状態において、ユーザが身体を前に傾けると、手アイコンHIが第1画面32Dの上に移動する。手アイコンHIと第1キャラクタC1との距離が所定距離以下になると、端末30は、図3のステップS65,S66でともにYesと判定して、触れ合い処理に移行する。
【0104】
触れ合い処理において、端末30は、図8(b)に示す画像を表示する。触れ合い処理において、例えばユーザが前屈みになって動物に餌をあげる動作をシートS上で行うと、手アイコンHIの上に食料アイコンFIが表示され、食料アイコンFIが手アイコンHIの上から放物線を描いて地面上の所定位置に置かれる。
【0105】
食料アイコンFIが地面上の所定位置に置かれると、第1キャラクタC1は、食料アイコンFIに向けて移動して、食料アイコンFIを食べる動作を行う。また、図9(a)に示すように、触れ合い処理において、ユーザがシートS上で動かない状態でいると、第1キャラクタC1とは別の第1キャラクタC11が第1画面32D内に入ってきて、第1画面32D内のキャラクタの数が増える。また、図9(b)に示すように、触れ合い処理において、ユーザが餌やり動作以外の動作を行うと、第1画面32D内の第1キャラクタC1が、第1画面32Dの外に逃げる。
【0106】
図10(a)に示すように、ユーザが第2画面33Dに存在する第2キャラクタC2を撃退する場合には、ユーザは身体を右に傾けて、手アイコンHIを右に移動させる。この際、手アイコンHIが第1画面32Dの右端に位置した場合であっても、ユーザが右に傾く姿勢を維持することで、手アイコンHIが第1画面32Dから第2画面33Dに移動する。
【0107】
そして、手アイコンHIを第2キャラクタC2に近づけると、端末30は、図3のステップS65:Yes→S66:Noの順で処理を行うことで、撃退処理に移行する。撃退処理において、端末30は、図10(b)に示す画像を表示する。図10(b)に示す画像では、端末30は、例えば、第2キャラクタC2に吠える動作などを行わせることで、ユーザを脅かすことができる。
【0108】
撃退処理において、ユーザが驚いて身体を後に反らした場合には、第2画面33Dに、びっくり回数の文字と数字が表示される。なお、びっくり回数の数字は、ユーザが驚いた回数に応じて増えていく。
【0109】
撃退処理において、ユーザが驚いた場合には、第2キャラクタC2とは別の第2キャラクタC21が第2画面33D内に入ってきて、第2画面33D内のキャラクタの数が増える。また、図11に示すように、撃退処理において、ユーザが動物を攻撃する動作を行うと、拳の形となった手アイコンHIが第2キャラクタC2に向けて移動し、手アイコンHIが第1キャラクタC1に近接した際に、衝撃波を示す画像Gが表示される。このように第2キャラクタC2が攻撃を受けると、第2キャラクタC2は、第2画面33Dの外に逃げていく。
【0110】
以上のような本実施形態のシート体験システム1によれば、次の各効果を奏することができる。
ユーザの操作対象(HI,FI)の動きに応じて画面上の可動体(キャラクタC1,C2)を動かすので、シートSのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0111】
ユーザが餌やり動作をシートS上で行うことで、画面上の動物が食料に近づいてくるので、実際の動物の習性を再現することができ、シートSのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0112】
ユーザが攻撃動作をシートS上で行うことで、画面上において動物を撃退することができるので、シートSのエンターテイメント性を向上させることができる。
【0113】
触れ合い処理において、ユーザがシートS上で動かない場合、つまり動物を怖がらせる動作を行っていない場合には、画面上の動物の数が増え、シートS上で動いた場合には、画面上の動物が逃げるので、実際の動物の習性を再現することができる。
【0114】
ユーザが驚いた場合には、驚きに関する画像が画面に表示されるので、ユーザが驚いたことが画面を介して他人が知ることができるので、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0115】
ユーザが驚いた場合に、キャラクタの数が増えるので、例えばユーザがキャラクタの数が増えないように驚かない努力をするゲームを提供することが可能となり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0116】
手アイコンHIが第1画面32Dの右端に位置するときに手アイコンHIが右に移動しようとする場合には、第2画面33D上に手アイコンHIを移動させるので、2画面にわたって手アイコンHIを動かすことができる。
【0117】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。以下の説明では、前記実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0118】
前記実施形態では、サファリゲームに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、どのようなゲームに適用してもよい。例えば、図12に示すような動物を餌付けする餌付けゲームに本発明を適用してもよい。
【0119】
餌付けゲームは、ユーザが餌を選択し、餌の種類によって、餌に寄ってくる動物が変わるゲームである。図12の例では、前記実施形態とは異なり、端末30が第1画面32Dのみを有するものとする。
【0120】
端末30は、餌付けゲームにおいて、図13に示す処理を実行する。図13に示す処理は、前述した図3のステップS61,S62,S69の処理と略同様の処理を有する他、新たなステップS141~S143の処理を有している。
【0121】
端末30は、餌付けゲームを開始すると、図12(a)に示すゲーム画像を第1画面32Dに表示するとともに、圧力値を取得する(S61,S62)。図12(a)に示すように、餌付けゲームのゲーム画像では、草などの背景の画像が表示されるとともに、餌の種類を選択するための第1餌画像G1と第2餌画像G2が表示される。
【0122】
この形態では、第1餌画像G1は、ウサギの餌を示す画像であり、第2餌画像G2は、ライオンの餌を示す画像である。なお、餌画像は、3つ以上であってもよい。
【0123】
図13に戻って、端末30は、ステップS62の後、ユーザによって餌を選択する動作が行われたか否かを判定する(S141)。餌を選択する動作としては、どのような動作であってもよい。例えば、ユーザが身体を左右に傾けることで、図12(b),(c)にドットのハッチングで示す、餌を選択するためのカーソルCSを左右に移動させ、ユーザが両脚を上下動させることで餌が選択されるようにすることができる。
【0124】
ステップS141において餌を選択する動作が行われたと判定した場合には(Yes)、端末30は、餌やり動作が行われたか否かを判定する(S142)。餌やり動作の判定は、前記実施形態と同様にして行えばよい。
【0125】
ステップS142において餌やり動作が行われたと判定した場合には(Yes)、端末30は、餌の種類に対応した食料アイコン(FI,FI2)を所定位置に移動させた後、餌の種類に応じたキャラクタ(C1,C2)を第1画面32Dに表示する(S143)。その後は、前記実施形態と同様にステップS69の処理を行う。
【0126】
この形態でも、ユーザの操作対象となる食料アイコン(FI,FI2)の動きに応じて、キャラクタ(C1,C2)を動かすことができる。
【0127】
また、ゲームは、動物を捕獲する捕獲ゲームであってもよい。捕獲ゲームでは、例えば前記実施形態と同様の草原画像(図8(a))を画面に表示し、手アイコンHIの移動方法なども前記実施形態と同様に行えばよい。そして、手アイコンHIとキャラクタとの距離が所定距離以内になった場合に、捕獲動作が行われたか否かを判定し、行われたと判定した場合にキャラクタを捕獲するように構成すればよい。なお、捕獲動作としては、例えば、ユーザが両脚を同時に上げる動作などが挙げられる。この場合、ユーザの大腿に対応した左右の圧力センサの圧力値が、ともに標準圧力値よりも小さくなった場合に、両脚を同時に上げたと判定すればよい。
【0128】
ゲームは、複数のユーザが協力してプレイできるゲームであってもよい。例えば、前述した捕獲ゲームを、2人のユーザが協力してプレイできるように構成してもよい。具体的には、第1シートに着座している第1ユーザによって捕獲対象を選択し、第2シートに着座している第2ユーザによって動物を捕獲してもよい。第1ユーザが第1シート上で行う捕獲対象を選択するための選択動作は、例えば第1ユーザが前後左右に傾く動作とすることができ、この動作に基づいて、画面上のカーソルを移動させて画面上の動物を選択することができる。第2ユーザが第2シート上で行う捕獲動作は、例えば、前述した捕獲動作と同様の動作とすることができる。
【0129】
前記実施形態では、画面32D,33Dに表示される手アイコンHIまたは食料アイコンFIを操作対象としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、画面に表示されない仮想的な操作対象であってもよい。例えば、前述したサファリゲームにおいて、ユーザが前後左右に身体を傾けると、画面の背景が動くことで、仮想の人または車が移動するように構成してもよい。
【0130】
前記実施形態では、ユーザが攻撃動作を行った場合に、第2キャラクタC2に対して逃げる動作を行わせたが、本発明はこれに限定されず、ユーザが攻撃動作を行った場合に、第2キャラクタに対して倒れる動作を行わせてもよい。
【0131】
制御部は、圧力センサからの圧力値に基づいて、ユーザの体重が所定値以下か否かを判定することで、シートSを使用するユーザが子供であるか否かを判定してもよい。そして、制御部は、体重が所定値より大きいと判定した場合、つまりユーザが子供でないと判定した場合には、画面に表示する動物の画像を、実際の動物に近いリアルな画像とし、体重が所定値以下であると判定した場合、つまりユーザが子供であると判定した場合には、実際の動物からかけ離れたアニメーション的な可愛らしい画像としてもよい。
【0132】
また、制御部は、前述した触れ合い処理における動物を増やす処理において、子供であると判定した場合には、子供でないと判定した場合よりも多くの動物を画面内に追加してもよい。
【0133】
攻撃動作としては、例えば、両手を交互に前後動させてパンチを繰り返す動作であってもよい。この場合、シートバックの複数の圧力センサに対して、ランダムに高い、または、低い圧力が入力されるので、攻撃動作を判定することができる。また、パンチの動作を攻撃動作とする場合には、シートクッションの前後一対の圧力センサでユーザが前傾姿勢であるかを判定し、前傾姿勢であると判定した場合には、前傾姿勢でないと判定した場合よりも攻撃力を強くしてもよい。例えば、猛獣のライフゲージを画面に表示し、前傾姿勢で攻撃動作がなされたと判定した場合には、前傾姿勢以外の姿勢で攻撃動作がなされたと判定した場合よりも、ライフゲージの減少量を大きくしてもよい。
【0134】
攻撃動作としては、例えば、両脚を交互に前後動させてキックを繰り返す動作であってもよい。この場合、シートバックまたはシートクッション上の複数の圧力センサに対して、ランダムに高い、または、低い圧力が入力されるので、攻撃動作を判定することができる。また、キックの動作を攻撃動作とする場合には、シートクッションの前後一対の圧力センサでユーザが後傾姿勢であるかを判定し、後傾姿勢であると判定した場合には、後傾姿勢でないと判定した場合よりも攻撃力を強くしてもよい。具体的には、パンチの場合と同様に、猛獣のライフゲージに減少量を、攻撃量が強いほど大きくしてもよい。また、ユーザの体重が大きいほど、攻撃力を大きくしてもよい。
【0135】
なお、前述した攻撃動作に基づいて猛獣を撃退する処理は、様々なバトルゲームに適用することができる。この場合、攻撃対象は、人を含む動物だけでなく、竜などの空想上の生き物、ロボット、車などの構造物などであってもよい。
【0136】
また、シート体験システムは、次のように種々の機能を備えていてもよい。
シート体験システムは、3つ以上の複数のディスプレイを備えていてもよい。複数のディスプレイは、例えば、シート本体に対して正面と、左右と、背後に配置することができる。この場合、シートをコントローラとして、ディスプレイの切替を操作できるようにしてもよい。例えば、制御部が、ユーザの動作に応じて表示を変更する(ゲームを進行させるように画面を遷移させる)、制御対象となるディスプレイを、センサからの測定値に応じて変更することができる。一例として、体重を右にかけると、現在制御対象となっているディスプレイに対して右にあるディスプレイをその後の制御対象とし、体重を左にかけると、現在制御対象となっているディスプレイに対して左にあるディスプレイをその後の制御対象とするように切替えてもよい。さらに、シート本体を、鉛直軸周りに回転可能に設置する場合、シート本体の正面に位置するディスプレイを制御対象とするように構成してもよい。
【0137】
シート体験システムは、シート体験システムの体験中のユーザの姿勢や動きによって、体験後のサービスを、音声やディスプレイへの表示により提案する構成としてもよい。例えば、動きが硬かったユーザや、動きが激しかったユーザに対して、マッサージや入浴、ヨガレッスン等の提案をしてもよい。
【0138】
シート体験システムは、体験の内容や、ユーザの姿勢や動きに応じて、ユーザにポイント(ゲームの得点や、ユーザのIDに関連付けてユーザに付与される、他のサービス等で利用できる金銭的価値のあるポイントの両方を含む。以下において同じ。)を付与するように構成してもよい。このポイントは、各種の施設におけるサービスや、飲食等に使えるようにするとよい。
【0139】
シート体験システムは、複数のシステム(シート本体および制御部等をそれぞれ有するシステム)を接続して互いに情報通信可能に構成してもよい。この場合には、複数のシステム間の情報を収集して、各システムにデータや指示を送信するサーバを備えるとよい。
【0140】
複数人のユーザが各システムに座って同時にシートの体験をする場合、ユーザの体重移動により多数決をして意思決定をすることができるように構成してもよい。例えば、右に体重をかけるとYes、左に体重をかけるとNoとし、もう一回ゲームをプレイするか否かの決定を、この体重移動による多数決により決定してもよい。
【0141】
シート体験システムは、エンターテインメントとしての充実が望まれる。
シート体験システムは、制御部に信号を入力するデバイスとして、シート本体の着座面を検出可能に設けられたセンサだけではなく、シート本体以外の部材に設けられた入力デバイスを備えていてもよい。
ここでは、例えば、シート本体に設けられたセンサを、第1コントローラとよび、シート本体以外の部材に設けられたセンサを第2コントローラとする。
【0142】
図14に示すように、シート本体S10に設けられる第1コントローラとしては、シートクッションS1に設けられるセンサ110や、シートバックS2に設けられるセンサ120や、ヘッドレストS3に設けられるセンサ130が挙げられる。なお、シート本体S10に設けられる第1コントローラには、シート本体に載せられるマットが有するセンサなども含まれる。つまり、第1コントローラは、シート本体S10に座ることによる着座の情報を取得するセンサを有していればよい。
【0143】
また、第2コントローラとしては、シート本体S10とは別に設けられた、押しボタン型の手持ちコントローラ210や、部屋や乗物のアームレスト225に設けられたセンサ220や、部屋や乗物のテーブル235、または、前後に並んで設置されたシートのうち前側のシートの背面に位置するテーブル235に設けられたセンサ230、シート本体S10の前の床に配置されたマット245に設けられたセンサ240などが挙げられる。
【0144】
そして、シート体験システムの制御部は、第1コントローラからの信号と第2コントローラからの信号の両方に基づいて動作するように構成されていてもよい。これによれば、制御部は、ユーザがシート本体S10に座ったことによる着座の情報とは異なる情報を第2コントローラから得ることができるので、制御部により動作させる制御対象の作動特性を広げることができる。
【0145】
例えば、1つの制御対象に複雑な作動特性を設定することができる。
また、第1コントローラで第1制御対象を動作(例えば、ゲーム内の第1キャラクタを移動)させ、第2コントローラで第2制御対象を動作(例えば、ゲーム内の第2キャラクタを移動)させることもできる。
【0146】
また、第1コントローラの信号に基づく制御対象の作動特性と、第2コントローラの信号に基づく制御対象の作動特性が異なっていてもよい。例えば、第1コントローラは、制御対象の推進力や速度を制御可能であり、第2コントローラは、制御対象の方向(左右、上下、前後、ジャンプなどの進行方向、正面の方向)を制御可能であってもよい。もしくは、第1コントローラによる制御対象の移動量、推進力等と、第2コントローラによる制御対象の移動力、推進力等が異なっていてもよい。このように、コントローラによって作動特性を変えることにより、操作のバリエーションをさらに広げることができる。
【0147】
また、制御部は、複数のコントローラの少なくとも1つが異常状態であることが検出された場合には、制御対象の作動を制限してもよい。ここでの制限とは、シート体験システムの使用自体を制限したり、シート体験システムで実行可能な複数のアプリケーションのうち一部のアプリケーションの実行を制限したりすることが含まれる。なお、複数のコントローラの一部が異常状態であったとしても、他のコントローラが異常状態ではない場合には、当該他のコントローラによって制御対象を作動させてもよい。また、これらの、コントローラが正常であるか、異常であるかは、ディスプレイ等に表示することが好ましい。
【0148】
シート体験システムは、3つ以上のコントローラを備えていてもよい。
例えば、シート本体の着座面に設けられるコントローラを第1コントローラとし、シート本体以外に設けられる複数のコントローラを第2コントローラおよび第3コントローラとする。例えば、図14の例でいえば、手持ち型のコントローラ210を第2コントローラとし、マット245のセンサ240を第3コントローラとすることができる。
【0149】
この場合に、コントローラに優先順位を付けてもよい。例えば、第1コントローラが一番優先順位が高く、次が第2コントローラで、その次が第3コントローラとすることができる。同じ制御対象を動かそうとする場合であっても、この優先順位にしたがって、優先順位が高いコントローラの信号に基づいて制御対象を動かしてもよい。なお、この優先順位は、選択スイッチなどで、ユーザが自由に設定できるようにしてもよい。
【0150】
使用したコントローラによって付与されるポイントが変わるように構成してもよい。
また、使用するコントローラの数が多い場合に、着座者が得られるポイントを変えてもよい。例えば、第1コントローラだけを使用した場合には10ポイントを付与し、第1コントローラと第2コントローラを使用した場合には20ポイントを付与し、第1コントローラと第3コントローラを使用した場合には20ポイントを付与し、第1コントローラと第2コントローラと、第3コントローラを使用した場合には30ポイントを付与するように、使用するコントローラの数が多いほど付与するポイントを大きくしてもよい。
【0151】
前述したサファリゲームの結果、例えば驚きの回数は、クラウドサーバにあげてもよい。この場合、クラウドサーバを介して、世界ランキングなどを見ることができる。また、自分の記録をクラウドサーバに蓄積し、後で振り返ることができる。さらに、他人の記録を見ることもできる。また、自分と他人の記録を比較することができる。
【0152】
前述したシート体験システムは、自動運転車にも適用することができる。この場合、自動運転時であることを条件に、シート体験システムを使用可能な設定にするとよい。また、シート体験システムの使用中においては、自動運転解除前に、シート体験システムの使用を制限するとよい。なお、この場合、突然に使用制限とならないように、事前案内手段を作動させて、音声案内や表示案内によって、所定時間後に使用制限となる旨を通知してもよい。
【0153】
また、車両の停車時のみに、シート体験システムを使用可能に設定してもよい。なお、停車の判定は、車速が0であるかや、シフトレバーがパーキングレンジに位置するかなどで、判定すればよい。
【0154】
シート体験システムの制御部は、外部環境やシート体験システム自体の異常を取得可能となっていてもよい。この場合、異常を取得したときに、シート体験システムの使用を制限するとよい。シート体験システム自体の異常としては、例えば、センサの異常、ハーネスの異常(断線)、ECU異常、通信異常(端末の異常を含む)、シートに設けたヒータやファンなどの温度調整装置の異常や、シートの一部または全部を動かすアクチュエータの異常や、シートウェイトセンサや温度センサなどの他のセンサの異常や、シートに用いられる芳香剤の容量が少ないなど、消耗品の残量や使用状況に関する異常や、シート制御部自体の異常等が含まれる。また、外部環境の異常としては、例えば、アプリを実行するのに望ましくない状況であり、他の車が接近しているとか、道路状況が悪い、車速が高い、地震が発生した、目的地が近い、目的地に着いた、目的地に着くまでゲームが終わらないことが予測される、残燃料が少ない、バッテリーの残容量が少ない、車内または車外の温度や湿度が高い、等が含まれる。
【0155】
使用を制限する方法は、一度の異常で制限する方法や、複数回の異常で制限する方法などが挙げられる。制限の仕方も何段階か設定可能である。例えば、第1段階では、使用を止めたほうが好ましいことを勧めることをメッセージや音声等で報知し、第2段階では、使用の禁止を強く提案することをメッセージや音声等で報知し、第3段階では、システムを強制終了する。
【0156】
また、所定箇所のセンサの異常を検出したときには、異常が検出されていないセンサを使ったゲームを推奨するように、シート体験システムを構成することもできる。例えば、シートクッションの座面のセンサが異常である場合には、シートクッションの座面の左右両側にある座面から盛り上がった側部のセンサを使ったゲームを推奨する。
【0157】
前記実施形態では、センサとして圧力センサ21~26を例示したが、本発明はこれに限定されず、センサは、例えば光センサ、静電容量センサ、音の大きさを検出するセンサなどであってもよい。
【0158】
また、センサは、シートクッションまたはシートバックの左右の側部(座面から突出した部分)、ヘッドレスト、アームレスト、または、シート周りの部品(インパネ、ドア、フロア)などに設けられていてもよい。
【0159】
シートは、自動車で使用される車両用シートであってもよいし、その他の乗物用シート、例えば、船舶や航空機などで使用されるシートであってもよい。また、シートは、乗物用シートに限らず、例えば、座椅子、家具やアウトドアの椅子、病院の待合椅子、公園のベンチ、ベッド、マットレスなどであってもよい。
【0160】
前記実施形態では、制御部を有する端末として、シートSの前方に設置される端末30を例示したが、本発明はこれに限定されず、端末は、例えばタブレットやスマートフォンなどの携帯端末であってもよい。また、端末は、シートに備え付けの端末であり、シートに一体に設けられていてもよい。また、端末は、カーナビゲーションシステムを構成する端末であってもよい。また、制御部は、シートに設けられていてもよい。
【0161】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0162】
1 シート体験システム
21~26 圧力センサ
30 端末
31 制御部
32D 第1画面
33D 第2画面
C1 第1キャラクタ
C2 第2キャラクタ
FI 食料アイコン
HI 手アイコン
S シート
S10 シート本体
図1
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