(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5375 20140101AFI20241030BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241030BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2021183877
(22)【出願日】2021-11-11
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】大沼 純平
【審査官】三村 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-187080(JP,A)
【文献】特許第6930008(JP,B1)
【文献】特開2021-168764(JP,A)
【文献】特許第6940798(JP,B1)
【文献】特開2019-115411(JP,A)
【文献】特開2021-058380(JP,A)
【文献】特開2017-035404(JP,A)
【文献】「パワプロ2018 サクセスNo.2 パワフル第2高校初見サクセス後編 夏の大会勝てるか!? べた実況 パワプロアプリ」,YouTube [online][video],2018年05月05日,[2024年7月22日検索], <URL:https://www.youtube.com/watch?v=kId8j4fx7EU>
【文献】「ウマ娘めっちゃ難しい(´Д⊂」,Dorako Cast Break [online],2021年03月16日,[2024年7月23日検索], <URL:http://hinadora.com/2021/03/16/%E3%82%A6%E3%83%9E%E5%A8%98%E3%82%81%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%82%83%E9%9B%A3%E3%81%97%E3%81%84%D0%B4%E2%8A%82/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御
し、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御部
と、
前記特定ゲームにおける第1条件とは異なる第2条件が満たされたとき、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームのプレイを推奨する推奨部と、を備え、
前記ゲーム制御部は、前記第1のゲームを第1の期間においてプレイ可能に設定し、前記第2のゲームを前記第1の期間と少なくとも一部が異なる第2の期間においてプレイ可能に設定し、
前記推奨部は、前記第2条件が満たされた時点を含む前記特定ゲームのプレイ時間に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、情報処理装置。
【請求項2】
第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御
し、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御部
と、
プレイヤにゲームのプレイを推奨する推奨部と、を備え、
前記ゲーム制御部は、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたときには、前記第1のミッションに対応する第1のパラメータを増加させ、
前記第1のパラメータが第1の閾値以上であるときには、前記第1の閾値未満であるときよりも前記第1のゲーム効果をより有利に設定し、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたときには、前記第2のミッションに対応する第2のパラメータを増加させ、
前記推奨部は、プレイヤが前記特定ゲームにおける第1条件を達成できなかったときには、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータの比較に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータが、第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御し、
前記コンピュータが、前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記コンピュータが、前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御工程と、
前記コンピュータが、前記特定ゲームにおける第1条件とは異なる第2条件が満たされたとき、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームのプレイを推奨する推奨工程と、を含み、
前記ゲーム制御工程において、前記コンピュータが、前記第1のゲームを第1の期間においてプレイ可能に設定し、前記第2のゲームを前記第1の期間と少なくとも一部が異なる第2の期間においてプレイ可能に設定し、
前記推奨工程において、前記コンピュータが、前記第2条件が満たされた時点を含む前記特定ゲームのプレイ時間に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータが、第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御し、
前記コンピュータが、前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記コンピュータが、前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御工程と、
前記コンピュータが、プレイヤにゲームのプレイを推奨する推奨工程と、を含み、
前記ゲーム制御工程において、
前記コンピュータが、前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたときには、前記第1のミッションに対応する第1のパラメータを増加させ、
前記コンピュータが、前記第1のパラメータが第1の閾値以上であるときには、前記第1の閾値未満であるときよりも前記第1のゲーム効果をより有利に設定し、
前記コンピュータが、前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたときには、前記第2のミッションに対応する第2のパラメータを増加させ、
前記推奨工程において、前記コンピュータが、プレイヤが前記特定ゲームにおける第1条件を達成できなかったときには、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータの比較に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、情報処理方法。
【請求項5】
第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御し、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御機能と、
前記特定ゲームにおける第1条件とは異なる第2条件が満たされたとき、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームのプレイを推奨する推奨機能と、をコンピュータに発揮させ、
前記ゲーム制御機能において、前記第1のゲームを第1の期間においてプレイ可能に設定し、前記第2のゲームを前記第1の期間と少なくとも一部が異なる第2の期間においてプレイ可能に設定し、
前記推奨機能において、前記第2条件が満たされた時点を含む前記特定ゲームのプレイ時間に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、プログラム。
【請求項6】
第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御し、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御機能と、
プレイヤにゲームのプレイを推奨する推奨機能と、をコンピュータに発揮させ、
前記ゲーム制御機能において、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたときには、前記第1のミッションに対応する第1のパラメータを増加させ、
前記第1のパラメータが第1の閾値以上であるときには、前記第1の閾値未満であるときよりも前記第1のゲーム効果をより有利に設定し、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたときには、前記第2のミッションに対応する第2のパラメータを増加させ、
前記推奨機能において、プレイヤが前記特定ゲームにおける第1条件を達成できなかったときには、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータの比較に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、プログラム。
【請求項7】
ゲームサーバとプレイヤの端末とを備え、
前記ゲームサーバは、
第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御し、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御部と、
前記特定ゲームにおける第1条件とは異なる第2条件が満たされたとき、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームのプレイを前記端末に推奨する推奨部と、を備え、
前記ゲーム制御部は、前記第1のゲームを第1の期間においてプレイ可能に設定し、前記第2のゲームを前記第1の期間と少なくとも一部が異なる第2の期間においてプレイ可能に設定し、
前記推奨部は、前記第2条件が満たされた時点を含む前記特定ゲームのプレイ時間に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを前記端末に推奨する、ゲームシステム。
【請求項8】
ゲームサーバとプレイヤの端末とを備え、
前記ゲームサーバは、
第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御し、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させるゲーム制御部と、
前記端末にゲームのプレイを推奨する推奨部と、を備え、
前記ゲーム制御部は、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたときには、前記第1のミッションに対応する第1のパラメータを増加させ、
前記第1のパラメータが第1の閾値以上であるときには、前記第1の閾値未満であるときよりも前記第1のゲーム効果をより有利に設定し、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたときには、前記第2のミッションに対応する第2のパラメータを増加させ、
前記推奨部は、プレイヤが前記特定ゲームにおける第1条件を達成できなかったときには、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータの比較に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを前記端末に推奨する、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム、に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータゲーム(以下、単に「ゲーム」とよぶ)においては、プレイヤにはクエストとよばれる課題(ミッション)への挑戦機会が提示されることが多い。プレイヤは、クエスト中に登場する敵キャラクタと対戦し、敵キャラクタを倒すことで味方になるキャラクタやアイテムなどの報酬をもらう。また、クエストを通して、プレイヤが保有するキャラクタは成長する。
【0003】
プレイヤは、同一クエストを何度もクリアすることで何度も報酬をもらうことができる。また、プレイヤは、保有するキャラクタの育成のために同一クエストを繰り返しプレイすることもある(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6234259号公報
【文献】特許第5622446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とはいえ、同じクエストを何度もプレイすることは、いわゆる「作業感」につながりやすい。作業感はゲームの興趣を削ぐ要因になる。作業感を防ぐためには同一クエストが繰り返されるときでも、プレイヤに目的意識を持たせ続ける必要がある。
【0006】
本発明は、本発明者による上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、ゲームの繰り返しプレイに際して、プレイ意欲を継続させるための新しい方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様における情報処理装置は、第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御するゲーム制御部を備える。
ゲーム制御部は、第1のゲームにおいて第1のプレイ条件が満たされたとき、第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、第2のゲームにおいて第2のプレイ条件が満たされたとき、第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させる、
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲームの繰り返しプレイに際して、プレイ意欲を継続させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成図である。
【
図4】通常クエストと特定クエストの関係を説明するための模式図である。
【
図7】対策進捗画面の画面図であり、はプレイヤ(P02)の対策進捗画面である。
【
図8】通常クエストの処理過程を示すフローチャートである。
【
図9】特定クエストの処理過程を示すフローチャートである。
【
図10】変形例における通常クエストの推奨方法を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[概要]
本実施形態において想定するコンピュータゲーム(以下、「ゲームX」とよぶ)の概要を簡単に説明したあと、ゲームシステムの具体的な構成および制御方法について説明する。ゲームXは、スマートフォンなどで実行され、多人数が参加可能なF2P(Free-to-Play)型のゲームである。
【0011】
プレイヤは、複数のキャラクタを保有する(以下、プレイヤが保有するキャラクタのことを「Pキャラクタ」とよぶ)。プレイヤは、Pキャラクタをつかって「クエスト」とよばれるゲームをクリアする。クエストにおいては、Pキャラクタと敵キャラクタが対戦する。クエストを通してPキャラクタは成長する。Pキャラクタは、武器、防具を装備することによっても強化される。また、各種のアイテムによってもPキャラクタは強化される。Pキャラクタが強化されるほどより強い敵キャラクタを倒しやすくなる。
【0012】
ゲームXにおいては、複数の通常クエストと特定クエストが実行される。通常クエストにおいては、ボスキャラクタとよばれる特別な敵キャラクタが登場し、プレイヤがボスキャラクタを倒すことができれば通常クエストの成功(クリア)となる。以下、通常クエストに登場するボスキャラクタのことを「ノーマルボス」とよぶ。特定クエストにおいては、特定クエストに特有のボスキャラクタ(以下、「スーパーボス」とよぶ)だけでなく、ノーマルボスも再登場する。複数のノーマルボスおよびスーパーボスを倒すことができれば特定クエストのクリアとなる。
【0013】
特定クエストに登場するノーマルボスと、通常クエストに登場するノーマルボスは同種であるが、特定クエストに登場するノーマルボスは通常クエストに登場したときよりも強化されている。このため、通常クエストに比べると、特定クエストは格段に難しい。
【0014】
ゲームXにおいては、ノーマルボスごとに「対策レベル」とよばれるパラメータが設定される。プレイヤは、通常クエストにおいてノーマルボスを倒すことで、このノーマルボスについての対策レベルを上昇させることができる。ノーマルボスへの対策レベルが上昇するほど、特定クエストにおいてもこのノーマルボスを倒しやすくなる。
プレイヤは通常クエストを繰り返しプレイすることでノーマルボスへの対策レベルを上昇させ、高難易度の特定クエストを攻略する。
【0015】
図1は、ゲームシステム200のハードウェア構成図である。
ゲームシステム200においては、ゲームサーバ100と複数のゲーム端末102a、102b、102c・・・102n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「ゲーム端末102」と総称する)がインターネット106を介して接続される。本実施形態におけるゲーム端末102は、スマートフォンを想定している。ゲーム端末102は、携帯型のゲーム専用機であってもよいし、ラップトップPCなどの汎用コンピュータであってもよい。ゲーム端末102とインターネット106は無線接続されるが、有線接続されてもよい。ゲームのプレイヤにはプレイヤIDとよばれる一意のIDがあらかじめ付与されている。ゲームサーバ100は、各ゲーム端末102にゲームXを提供する。
【0016】
図2は、ゲームサーバ100のハードウェア構成図である。
ゲームサーバ100は、コンピュータプログラムを格納する不揮発性メモリとしてのストレージ312、プログラムおよびデータを展開する揮発性のメモリ304、レジスタ、演算器、命令デコーダ等を内蔵し、メモリ304からプログラムを読み出して実行するプロセッサ300(CPU:Central Processing Unit)等を含む。プロセッサ300は、比較的高速な第1バス302と接続される。第1バス302には、メモリ304のほかNIC(Network Interface Card)が接続される。第1バス302には、このほか、GPU(Graphics Processing Unit)等の他のデバイスが接続されてもよい。
【0017】
第1バス302は、ブリッジ308を介して比較的低速な第2バス310と接続される。第2バス310には、ストレージ312のほか、モニタあるいはスピーカなどの出力デバイス316が接続される。また、第2バス310には、マウスやキーボードなどの入力デバイス314、プリンタなどの周辺機器318が接続されてもよい。
【0018】
図3は、ゲームシステム200の機能ブロック図である。
ゲームシステム200は、ゲームサーバ100とゲーム端末102を含む。ゲームサーバ100およびゲーム端末102の各構成要素は、CPUおよび各種コプロセッサ(co-processor)などの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
ゲームサーバ100は、ウェブサーバを含む構成であってもよいし、ゲーム端末102は、携帯型の通信端末と、これにインストールされたウェブ・ブラウザを含む構成であってもよい。
【0019】
(ゲームサーバ100)
ゲームサーバ100は、通信部112、データ処理部110およびデータ格納部114を含む。
通信部112は、インターネット106を介してゲーム端末102との通信処理を担当する。データ格納部114は各種データを格納する。データ処理部110は、通信部112により取得されたデータおよびデータ格納部114に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部110は、通信部112およびデータ格納部114のインタフェースとしても機能する。
【0020】
データ格納部114は、ゲームデータ格納部130およびプレイヤデータ格納部132を含む。
ゲームデータ格納部130は、ゲームプログラムのほかゲームXの設定情報を格納する。プレイヤデータ格納部132は、プレイヤに関する各種情報を管理する。
【0021】
データ処理部110は、プレイヤ登録部116、ゲーム制御部124および推奨部126を含む。
プレイヤ登録部116は、ゲーム端末102から通信部112を介してプレイヤ登録を受け付ける。プレイヤ登録部116は、プレイヤ登録がリクエストされると、プレイヤにプレイヤIDを付与する。
【0022】
ゲーム制御部124は、ゲームXの基本的な進行を制御する。
ゲーム制御部124は、通常ゲーム制御部120および特定ゲーム制御部122を含む。通常ゲーム制御部120は、通常クエストの進行を制御する。特定ゲーム制御部122は、特定クエストの進行を制御する。推奨部126は、プレイヤに対して通常クエストおよび特定クエストのプレイを推奨する。
【0023】
(ゲーム端末102)
ゲーム端末102は、ユーザインタフェース処理部136、通信部134、データ処理部138およびデータ格納部140を含む。
ユーザインタフェース処理部136は、プレイヤからの操作を受け付ける入力部142と画像表示と音声出力を実行する出力部144を含む。出力部144は、各種画面を表示させる表示部150を含む。通信部134は、インターネット106を介してゲームサーバ100や他のゲーム端末102との通信処理を担当する。データ格納部140は各種データを格納する。データ処理部138は、ユーザインタフェース処理部136および通信部134により取得されたデータ、データ格納部140に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部138は、ユーザインタフェース処理部136、通信部134およびデータ格納部140のインタフェースとしても機能する。
【0024】
データ処理部138は、ゲーム実行部146を含む。
ゲーム実行部146は、ゲームサーバ100と連携してゲームXの進行を制御する。ゲーム端末102のゲーム実行部146は、ゲームサーバ100からゲーム制御部124の機能の一部としてダウンロードされるソフトウェアモジュールとして形成されてもよい。
【0025】
通信部134は、ゲームサーバ100から各種ゲーム情報を取得し、表示部150はゲーム端末102においてゲーム画面を表示させる。また、入力部142はプレイヤによる各種入力を検出し、入力情報の一部はゲームサーバ100に通知される。入力情報に応じて、データ処理部138、特に、ゲーム実行部146はゲームの進行を制御する。
【0026】
図4は、通常クエストと特定クエストの関係を説明するための模式図である。
ゲームXにおいては、通常クエストQ1~Q3の3種類の通常クエストと1つの特定クエスト(特定ゲーム)があらかじめ用意されている。プレイヤは、任意の通常クエストを選んでプレイできる。通常クエストでは、Pキャラクタと敵キャラクタの対戦ゲームが実行される。
【0027】
通常クエストQ1(第1のゲーム)においてはノーマルボスB1が登場する。プレイヤはPキャラクタを操作してノーマルボスB1と対決する。ノーマルボスB1を倒すことができれば、通常クエストQ1のクリアとなる(第1のプレイ条件の成立)。通常クエストQ2(第2のゲーム)においてはノーマルボスB2が登場し、ノーマルボスB2を倒すことができれば、通常クエストQ2のクリアとなる(第2のプレイ条件の成立)。同様にして、通常クエストQ3においては、ノーマルボスB3が登場する。
【0028】
特定クエストにおいては、ノーマルボスB1~B3とスーパーボスBXが登場する。特定クエストの実行に際し、プレイヤはまずノーマルボスB1(第1のゲーム媒体)と対戦する(第1のミッション)。上述したように、特定クエストに登場するノーマルボスB1は、通常クエストQ1に登場したときよりも強化されている。より具体的には、ノーマルボスB1の攻撃力、防御力、敏捷性(攻撃回避力)、攻撃命中率など各種属性値が強化される。ノーマルボスB2、B3についても同様である。
【0029】
プレイヤは、特定クエストにおいてノーマルボスB1を倒すと、特定ゲーム制御部122は続いてノーマルボスB2(第2のゲーム媒体)を登場させる。プレイヤはノーマルボスB2と対戦する(第2のミッション)。
【0030】
プレイヤがノーマルボスB2を倒すと、特定ゲーム制御部122はノーマルボスB3を登場させる。プレイヤがノーマルボスB3を倒すと、特定ゲーム制御部122はスーパーボスBXを登場させる。プレイヤがスーパーボスBXを倒すと、特定クエストのクリアとなる。特定クエストがクリアされると、特定ゲーム制御部122は、プレイヤに新たなPキャラクタとしてスーパーボスBXを付与する。
【0031】
特定クエストにおいては、強化されたノーマルボスB1~B3が強敵となる。3体のノーマルボスB1~B3を倒すことができれば、プレイヤはスーパーボスBXを比較的容易に倒すことができる。したがって、特定クエストにおいては、ノーマルボスB1~B3を倒してスーパーボスBXのもとまでたどりつけるかどうかが最大の課題となる。
【0032】
以下においては、通常クエストQ1に登場するときのノーマルボスB1をノーマルボスB1(N)、特定クエストに登場するときのノーマルボスB1をノーマルボスB1(S)のように表記する。ノーマルボスB1(S)とノーマルボスB1(N)の姿かたちは同一であるが、上述したように、ノーマルボスB1(S)はノーマルボスB1(N)よりも格段に強い。
【0033】
プレイヤが通常クエストQ1においてノーマルボスB1(N)を倒したとき、いいかえれば、プレイヤが通常クエストQ1をクリアしたとき、通常ゲーム制御部120はノーマルボスB1(S)への対策値を増加させる。この対策値が閾値以上となると、ノーマルボスB1(S)への対策レベル(第1のパラメータ)が上昇する。ノーマルボスB2(S)への対策値が閾値以上となると、ノーマルボスB2(S)への対策レベル(第2のパラメータ)が上昇する。ノーマルボスB3(S)についても同様である。
【0034】
以下においては、ノーマルボスB1(S)への対策値および対策レベルを示すときには「対策値(B1)」「対策レベル(B1)」のように表記する。ノーマルボスB2(S)、B3(S)についても同様である。
【0035】
本実施形態においては、対策レベル(B1)を上昇させることにより、特定クエストにおいて、PキャラクタのノーマルボスB1(S)に対する攻撃力が向上する(第1のゲーム効果)。ただし、対策レベル(B1)が上昇しても、他のキャラクタ、たとえば、ノーマルボスB2(S)、ノーマルボスB1(N)などに対するPキャラクタの攻撃力は変化しない。対策レベル(B1)はノーマルボスB1(S)のみに有効なパラメータである。
【0036】
同様にして、対策レベル(B2)が上昇すると、PキャラクタのノーマルボスB2(S)に対する攻撃力が上昇する(第2のゲーム効果)。対策レベル(B3)が上昇すると、PキャラクタのノーマルボスB3(S)に対する攻撃力が上昇する。
【0037】
プレイヤは、通常クエストQ1~Q3をプレイすることで、3種類のノーマルボスB1(S)~B3(S)それぞれに対する対策レベルを上昇させることができる。対策レベルを上昇させることで特定クエストを攻略しやすくなるので、プレイヤは強い目的意識と期待感をもって通常クエストに取り組むことができる。
【0038】
図5は、レベル定義情報160のデータ構造図である。
レベル定義情報160は、ゲームデータ格納部130に格納される。レベル定義情報160は、ノーマルボスと対策値、対策レベルおよび対策効果の関係を定義する。ノーマルボスごとにレベル定義情報160が設定される。
図5はノーマルボスB1(S)に関するレベル定義情報160を示す。
【0039】
プレイヤが通常クエストQ1をクリアしたとき、すなわち、ノーマルボスB1(N)を倒したとき、通常ゲーム制御部120は対策値(B1)に「10」を加算する。プレイヤは通常クエストQ1を何度もクリアすることで、対策値(B1)を増やすことができる。対策値が閾値「20」以上となると、通常ゲーム制御部120は対策レベル(B1)を「0」から「1」に変更する。特定ゲーム制御部122は、対策レベル「1」のとき、PキャラクタのノーマルボスB1(S)に対する攻撃力を通常時の「1.2倍」に強化する。
【0040】
対策値(B1)が「40(第1の閾値)」以上となると、通常ゲーム制御部120は対策レベル(B1)を「1」から「2」に変更する。特定ゲーム制御部122は、対策レベル「2」のとき、Pキャラクタのノーマルボス(S)に対する攻撃力を「1.5倍」に強化する。このように、プレイヤは通常クエストQ1においてノーマルボスB1(N)を繰り返し討伐することにより、特定クエストをクリアしやすくなる。
【0041】
同様にして、プレイヤが通常クエストQ2をクリアしたとき、通常ゲーム制御部120は対策値(B2)を増加させる。対策値(B2)が閾値以上となると、通常ゲーム制御部120は対策レベル(B2)を上昇させる。特定ゲーム制御部122は、対策レベル(B2)に応じて、PキャラクタのノーマルボスB2(S)に対する攻撃力を強化する。対策レベル(B3)についても同様である。
【0042】
図6は、プレイヤ対策情報170のデータ構造図である。
プレイヤ対策情報170は、プレイヤデータ格納部132に格納される。プレイヤ対策情報170は、プレイヤごとの対策値および対策レベルを示す。プレイヤID=P01のプレイヤ(以下、「プレイヤ(P01)」のように表記する)の対策値(B1)は「20」であり、対策レベル(B1)は「1」である。したがって、プレイヤ(P01)のPキャラクタは、ノーマルボスB1(S)と戦うときにその攻撃力が「1.2倍」に強化される(
図5参照)。
【0043】
プレイヤ(P01)の対策レベル(B2)は「2」である。このことから、プレイヤ(P01)は通常クエストQ1よりも通常クエストQ2を多くクリアしており、ノーマルボスB1(S)よりもノーマルボスB2(S)と対決するときの方がPキャラクタの攻撃力は高くなることがわかる。
【0044】
プレイヤ(P02)の対策レベル(B1)は「5」、対策レベル(B2)は「6」であり、プレイヤ(P01)よりも対策レベルが全体的に高いので、プレイヤ(P02)はプレイヤ(P01)よりも特定クエストを有利に進めやすい立場にある。
【0045】
図7は、対策進捗画面180の画面図である。
プレイヤが、特定クエストのプレイを指示したとき、特定クエストの開始前に、表示部150は対策進捗画面180を表示させる。画面中央の対策レベル領域182には、3種類のノーマルボスそれぞれについて対策レベルとその対策効果が表示される。
図7は、プレイヤ(P02)の対策進捗画面180である。
【0046】
プレイヤ(P02)は、特定クエストのプレイ前に対策進捗画面180を確認し、ノーマルボスB1(S)~B3(S)それぞれへの対策レベルを確認する。
図7によれば、プレイヤ(P02)の対策レベル(B1)は「5」であり、Pキャラクタの対戦時の攻撃力は「3倍」である(
図5、
図6参照)。
【0047】
プレイヤ(P02)は対策進捗画面180の確認後、特定クエストをプレイしたいときには挑戦ボタン184をタッチする。挑戦ボタン184がタッチされると、特定ゲーム制御部122は特定クエストを開始する。プレイヤ(P02)がキャンセルボタン186をタッチしたときには、特定クエストは実行されない。プレイヤは、対策進捗画面180において対策レベルを確認することにより、実際に特定クエストに挑戦するか、通常クエストをプレイすることで対策レベルの向上を目指すかを判断できる。
【0048】
図8は、通常クエストの処理過程を示すフローチャートである。
プレイヤは、通常クエストの選択画面(不図示)において、通常クエストQ1~Q3のうち、いずれかの通常クエストを選択する。通常ゲーム制御部120は、選択された通常クエストを実行する。ここでは、プレイヤ(P01)が通常クエストQ1をプレイする場合を想定して説明する。
【0049】
プレイヤ(P01)がノーマルボスB1(N)を倒し、通常クエストQ1をクリアしたとき(S10のY)、通常ゲーム制御部120は対策値(B1)を増加させる(S12)。本実施形態においては、通常ゲーム制御部120は対策値(B1)に「10」を加算する。このとき、通常ゲーム制御部120はプレイヤ対策情報170を更新する。
【0050】
通常ゲーム制御部120は、レベル定義情報160を参照し、対策レベル(B1)が上昇するか否かを判定する(S14)。対策レベル(B1)が上昇するときには、通常ゲーム制御部120は、更に、プレイヤ対策情報170を更新する(S16)。対策レベルの上昇後に、推奨部126はプレイヤ(P01)に対して特定クエストのプレイを推奨する(S18)。対策レベルの上昇により、プレイヤ(P01)は以前よりも特定クエストをクリアできる可能性が高まったためである。推奨部126は、たとえば、「特定クエストに挑戦してみよう」などの文言を含む推奨画面(不図示)をゲーム端末102に対して表示するように指示する。
【0051】
プレイヤ(P01)が通常クエストQ1に失敗したとき、すなわち、ノーマルボスB1(N)のヒットポイントがゼロになる前にPキャラクタのヒットポイントがゼロになってしまったときには(S10のN)、S12以降の処理はスキップされる。また、対策レベル(B1)が上昇しなかったときには(S14のN)、S16以降の処理はスキップされる。
【0052】
図9は、特定クエストの処理過程を示すフローチャートである。
プレイヤが特定クエストの選択画面(不図示)において、特定クエストのプレイを指示したとき、上述したように、表示部150は対策進捗画面180を表示させる。対策進捗画面180においてプレイヤが挑戦ボタン184をタッチしたとき、特定ゲーム制御部122は特定クエストを開始する。ここでは、プレイヤ(P01)が特定クエストをプレイする場合を想定して説明する。
【0053】
プレイヤ(P01)がノーマルボスB1(S)~B3(S)とスーパーボスBXを倒し、特定クエストをクリアしたとき(S20のY)(第1条件の成立)、特定ゲーム制御部122はプレイヤ(P01)にスーパーボスBXを付与する(S34)。以後、プレイヤ(P01)はスーパーボスBXをPキャラクタとして使用できる。ただし、2回目以降の特定クエストのクリアの場合には、特定ゲーム制御部122はスーパーボスBXを付与しないとしてもよい。
【0054】
特定クエストをクリアできなかった場合であって(S20のN)(第2条件の成立)、プレイヤ(P01)がノーマルボスB1(S)に敗北したときには、推奨部126は通常クエストQ1をプレイヤに推奨する(S24)。通常クエストQ1をプレイして対策レベル(B1)を増加させれば、プレイヤは次回挑戦時にノーマルボスB1(S)を打倒しやすくなるためである。
【0055】
プレイヤがノーマルボスB2(S)に敗北したときには(S22のN、S26のY)、推奨部126は通常クエストQ2をプレイヤに推奨する(S28)。プレイヤがノーマルボスB3(S)に敗北したときには(S26のN、S30のY)、推奨部126は通常クエストQ3をプレイヤに推奨する(S32)。プレイヤがスーパーボスに敗北したときには(S30のN)、特段の処理は実行されない。
【0056】
[総括]
以上、実施形態に基づいてゲームシステム200を説明した。
ゲームXにおける特定クエストは、通常クエストに比べると格段に難易度が高い。特定クエストでは、通常クエストで登場したノーマルボスB1(N)~B3(N)が強化されて再登場し、プレイヤは強化されたノーマルボスB1(S)~B3(S)に3連勝しなければならない。
【0057】
プレイヤは、通常クエストをプレイすることにより、ノーマルボスB1(S)~B3(S)についての対策レベルを上昇させることができる。いいかえれば、通常クエストをプレイすることにより特定クエストの攻略可能性を高める。特定クエストを攻略するという大目標のために通常クエストのプレイを促す仕組みにより、プレイヤは強い目的意識をもって通常クエストをプレイできる。
【0058】
漫然と報酬を集めるために通常クエストをプレイさせるのではなく、特定クエスト攻略という目的意識をプレイヤもたせることで、通常クエストが繰り返しプレイされる場合であっても作業感が生じにくいゲーム設計となっている。いいかえれば、通常クエストを何度もクリアして対策レベルを上昇させるとき、プレイヤには特定クエスト攻略のための土台づくりが進んでいるという感覚をもたせることができる。
【0059】
ゲームXにおいては、特定クエストに登場する3種類のノーマルボスB1(S)~B3(S)それぞれに通常クエストQ1~Q3が対応づけられる。プレイヤは、特定クエストに失敗したとき、失敗の原因となったノーマルボスごとに対策ができる。たとえば、プレイヤがノーマルボスB2(S)を倒せなかったときには、通常クエストQ2をプレイして対策レベル(B2)を上昇させれば、ノーマルボスB2(S)を倒しやすくなる。
【0060】
特定クエストの攻略準備として通常クエストをプレイするというゲーム設計を基本としつつ、特定クエストに失敗したときには、敗因に応じてどの通常クエストをプレイすべきかをプレイヤに考えさせることができる。より具体的には、「特定クエストを有利に進めるため」という漠然とした意識で通常クエストをプレイさせるのではなく、「特定クエストにおいて当面の障害となっているノーマルボスB2(S)を倒すため」という明確な目的意識のもとでプレイヤに通常クエストQ2をプレイさせることができるので、通常クエストに対する没入感を維持・向上させやすくなる。
【0061】
プレイヤが通常クエストQ1を集中的にプレイすれば対策レベル(B1)を上昇させることができる。この場合、プレイヤはノーマルボスB1(S)を倒しやすくなるが、ノーマルボスB1(S)の次に登場するノーマルボスB2(S)には苦戦するかもしれない。したがって、プレイヤは通常クエストQ1だけでなく通常クエストQ2もプレイする必要がある。この結果として、プレイヤに複数の通常クエストQ1~Q3を偏りなくプレイするように導くことができる。
【0062】
プレイヤは、特定クエストをプレイする前に対策進捗画面180により対策レベル(B1)~対策レベル(B3)を確認できる。対策進捗画面180により、特定クエストに挑戦すべきか、挑戦する前にもう少し対策レベルを上昇させておくべきかを判断する機会をプレイヤに付与できる。
【0063】
推奨部126は、通常クエストがクリアされ対策レベルが上昇したとき、プレイヤに特定クエストへの挑戦を推奨する。対策レベルが上昇したときには特定クエストの攻略可能性が高まるため、合理的なタイミングにてプレイヤに特定クエストへの挑戦を勧めることができる。
【0064】
また、推奨部126は、プレイヤが特定クエストに失敗したときには、通常クエストへの挑戦を推奨する。このとき、敗因となったノーマルボスに対応する通常クエストを推奨することで、プレイヤを適切にサポートできる。
【0065】
上述したように、ゲームXにおいては、通常クエストをプレイすることで対策レベルが上昇するため、特定クエストの攻略を目的として通常クエストのプレイを促すことができる。また、通常クエストのプレイを契機として、特に、通常クエストのクリアによる対策レベルの上昇を契機として、特定クエストのプレイを促すこともできる。このように、2種類のクエスト(ゲーム)に連鎖性をもたせることができる。
【0066】
特定クエストのクリアにともなう報酬を豪華あるいは魅力的なものとすれば、特定クエストに対するプレイ意欲を高めることができる。そして、特定クエストをクリアするためには通常クエストをプレイする必要がある。特定クエストが魅力的であるほど、特定クエストの存在により通常クエストのプレイを促すことができる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0068】
複数のゲーム端末102と1つのゲームサーバ100によりゲームシステム200が構成されるとして説明したが、ゲーム端末102の機能の一部はゲームサーバ100により実現されてもよいし、ゲームサーバ100の機能の一部がゲーム端末102に割り当てられてもよい。また、ゲーム端末102やゲームサーバ100以外の第3の装置が、ゲームサーバ100またはゲーム端末102の機能の一部を担ってもよい。
図3において説明したゲーム端末102の各機能とゲームサーバ100の各機能の集合体は大局的には1つの「情報処理装置(ゲーム装置)」として把握することも可能である。1つまたは複数のハードウェアに対して、本発明を実現するために必要な複数の機能をどのように配分するかは、各ハードウェアの処理能力やゲームシステム200に求められる仕様等に鑑みて決定されればよい。
【0069】
[変形例]
本実施形態においては、対策レベルの上昇により、Pキャラクタのノーマルボスに対する攻撃力が上昇するとして説明したが、特定ゲーム制御部122は攻撃力以外の方法によりノーマルボスとの対戦をプレイヤに有利に変化させてもよい。たとえば、対策レベルB1を上昇させることにより、特定ゲーム制御部122はPキャラクタのノーマルボスB1(S)との対戦時における防御力を上昇させてもよいし、攻撃回避力(敏捷性)、攻撃命中率を増加させてもよい。特定ゲーム制御部122は、PキャラクタをサポートするNPC(non player character)を出現させることで、ノーマルボスとの対戦をプレイヤに有利に変化させてもよい。
【0070】
特定ゲーム制御部122は、Pキャラクタの属性値(例:攻撃力)を変化させるのではなく、ノーマルボスの属性値をプレイヤに有利に変化させてもよい。たとえば、対策レベル(B1)の上昇に応じて、特定ゲーム制御部122は、ノーマルボスB1(S)の攻撃力、防御力、攻撃回避力、攻撃命中率を低下させてもよい。特定ゲーム制御部122は、ノーマルボスB1(S)をサポートする敵キャラクタの数を減らすことで、ノーマルボスとの対戦をプレイヤに有利に変化させてもよい。
【0071】
対策レベルに応じて、ノーマルボスまたはPキャラクタの属性値を変化させるのではなく、特定ゲーム制御部122は対戦状況を変化させるとしてもよい。たとえば、ノーマルボスB1(S)が透明であり、一定時間ごとに間欠的に出現するタイプのキャラクタであるときには、対策レベル(B1)に応じてノーマルボスB1(S)の出現時間が長くなるように制御すれば、プレイヤはノーマルボスB1(S)を倒しやすくなる。
【0072】
対策レベルに応じて、ノーマルボスを守る建造物を変化させるとしてもよい。たとえば、ノーマルボスB1(S)は戦場にある複数の建造物の陰からPキャラクタを狙撃する敵キャラクタであるとする。対策レベル(B1)を上昇させることにより、特定ゲーム制御部122がノーマルボスB1(S)を守る建造物を減らす、あるいは、建造物の耐久力を減らすことで破壊・除去しやすくすれば、プレイヤはノーマルボスB1(S)を倒しやすくなる。
【0073】
本実施形態においては、プレイヤが通常クエストをクリアしたとき、通常ゲーム制御部120は対策値として「10」を加算するとして説明した。変形例として、加算される対策値を可変値としてもよい。たとえば、プレイヤが通常クエストQ1をクリアしたとき、通常ゲーム制御部120は対策値として「10」を加算し、更に、20%の確率で対策値を「20」追加してもよい。通常ゲーム制御部120は、更に、1%の確率で対策値に「100」を追加してもよい。このような制御方法によれば、プレイヤは通常クエストをクリアしたとき、付与される対策値に対して期待感をもつことができる。
【0074】
通常クエストのプレイ回数に応じて、対策レベルを上昇させてもよい。たとえば、プレイヤが通常クエストQ1を10回プレイするごとに、通常クエストのプレイ結果に関わらず、通常ゲーム制御部120は対策レベル(B1)を1つ上昇させるとしてもよい。このような制御方法によれば、通常クエストをプレイするだけで確実に対策レベルを上昇させることができるため、ゲームXに習熟していないプレイヤであっても特定クエストの攻略に着実に近づくことができる。
【0075】
通常ゲーム制御部120は、通常ウエストのプレイ結果に応じて対策値の加算値を変化させてもよい。たとえば、通常ゲーム制御部120は、プレイヤが通常クエストQ1をクリアしたときには「10~100」の範囲内でランダムに選んだ数値を対策値(B1)に加算し、通常クエストQ1をクリアできなかったときには「1~30」の範囲内でランダムに選んだ数値を対策値(B1)に加算してもよい。このような制御方法によれば、通常クエストをプレイすることで対策値を確実に増加させることができる一方、通常クエストをクリアしたときの方が対策値を増加させやすいため、プレイヤの通常クエストに対するプレイ意欲だけでなくクリア意欲を効果的に高めることができる。
【0076】
本実施形態においては、表示部150は、プレイヤが特定クエストのプレイを指示したとき特定クエストの開始前に対策進捗画面180を表示させるとして説明した。変形例として、プレイヤは任意のタイミングにて対策進捗画面180の表示を指示してもよい。また、プレイヤが対策進捗画面180の対策レベル領域182においてノーマルボスB1に対応する領域をタッチしたときには、通常ゲーム制御部120は通常クエストQ1を開始してもよい。このような制御方法によれば、プレイヤは対策進捗画面180において各ノーマルボスについての対策レベルを確認しつつ、すぐに対策レベル上昇のために必要な通常クエストをプレイできる。
【0077】
推奨部126は、対策進捗画面180の表示に際して、対策レベルが所定値以下の通常クエストのプレイをプレイヤに推奨してもよい。あるいは、推奨部126は、対策進捗画面180において、3体のノーマルボスB1~B3のうち、対策レベルのもっとも低いノーマルボスに対応する通常クエストをプレイヤに推奨してもよい。たとえば、126が推奨画面(不図示)により通常クエストQ3を推奨し、プレイヤが推奨画面(不図示)の受諾ボタン(不図示)をタッチしたとき、通常ゲーム制御部120は通常クエストQ1を開始してもよい。
【0078】
対策進捗画面180は、対策レベルを示さず、ノーマルボスに対する有利な効果が存在しているか否かを示すだけの画面であってもよい。たとえば、対策進捗画面180は各ノーマルボスに対して「攻撃力が2倍以上」になる効果が生じているか否かを示すだけの画面であってもよい。
【0079】
本実施形態においては、通常クエストをクリアし、かつ、対策レベルが上昇したとき、推奨部126は特定クエストのプレイを推奨するとして説明した(
図8参照)。変形例として、通常クエストがクリアされたときには、対策レベルが上昇していなくても、推奨部126は特定クエストをプレイヤに推奨してもよい。
【0080】
プレイヤが特定クエストに失敗したあと、通常クエストをクリアしたことを条件として、推奨部126は特定クエストへの再挑戦を推奨するとしてもよい。たとえば、プレイヤがノーマルボスB3(S)に負けたことで特定クエストに失敗したあと、通常クエストQ3をクリアしたとき、推奨部126は特定クエストへの再挑戦を推奨するとしてもよい。あるいは、プレイヤがノーマルボスB3(S)に負けたことで特定クエストに失敗したあと、通常クエストQ3をクリアし、かつ、対策レベル(B3)が上昇したことを条件として、推奨部126は特定クエストへの再挑戦を推奨してもよい。
【0081】
推奨部126は、特定クエストに失敗したときに限らず、他の条件(第2条件)が成立したときに通常クエストのプレイを推奨してもよい。たとえば、特定クエストのコンティニューが指示されたとき通常クエストを推奨してもよい。あるいは、特定クエストの成否に関わらず、特定クエストの終了後に、推奨部126はプレイヤに通常クエストを推奨してもよい。
【0082】
推奨部126は、プレイヤが特定クエストに失敗したとき、対策レベル(B1)~対策レベル(B3)に基づいて推奨すべき通常クエストを選択してもよい。たとえば、対策レベル(B1)~対策レベル(B3)のうち、対策レベル(B2)が最も低いときには、推奨部126は通常クエストQ2をプレイヤに推奨してもよい。対策が最も進んでいない通常クエストを推奨することにより、プレイヤが複数の通常クエストを偏りなくプレイするように導くことができる。
【0083】
本実施形態においては、通常クエストQ1のクリアにより対策レベル(B1)が上昇した場合、特定クエストにおけるノーマルボスB1(S)に対して有利な効果が発生するが、他のノーマルボスB2(S)、B2(S)に対しては特段の有利な効果は発生しないという前提で説明した。変形例として、対策レベル(B1)はノーマルボスB2(S)、B3(S)に対してもいくばくかの影響を及ぼすとしてもよい。
【0084】
たとえば、対策レベル(B1)が「4」のときには、ノーマルボスB1(S)に対しては「攻撃力2.5倍」という有利な効果が発揮される一方、ノーマルボスB2(S)、B3(S)に対しても「攻撃力1.25倍」という少し有利な効果が発揮されるとしてもよいし、ノーマルボスB2(S)、B3(S)に対して「攻撃力0.75倍」という少し不利な効果が発揮されるとしてもよい。
【0085】
複数のキャラクタそれぞれについて対策値と対策レベルを設定するのではなく、キャラクタの複数の属性値それぞれについて対策値と対策レベルを設定するとしてもよい。たとえば、特定クエストにボスキャラクタBYが登場するとし、ボスキャラクタBYにはあらかじめ属性値W1(例:攻撃力)、属性値W2(例:防御力)、属性値W3(例:ヒットポイント)が設定されているとする。
【0086】
通常ゲーム制御部120は、プレイヤが通常クエストQ1をクリアしたとき、属性値W1に対応する対策値(W1)を増加させる。対策値(W1)が閾値以上となったとき、通常ゲーム制御部120は対策レベル(W1)を上昇させる。同様にして、通常クエストQ2には対策値(W2)と対策レベル(W2)、通常クエストQ3には対策値(W3)と対策レベル(W3)が対応づけられる。
【0087】
プレイヤが対策レベル(W1)を上昇させるほど、特定ゲーム制御部122はボスキャラクタBYの属性値W1(攻撃力)を低下させる。同様にして、プレイヤが対策レベル(W2)を上昇させるほど特定ゲーム制御部122はボスキャラクタBYの属性値W2(防御力)を低下させ、プレイヤが対策レベル(W3)を上昇させるほど、特定ゲーム制御部122はボスキャラクタBYの属性値W3(ヒットポイント)を低下させる。
【0088】
プレイヤ(Pキャラクタ)がボスキャラクタBYの攻撃力の大きさに苦戦しているときには、プレイヤは通常クエストQ1をプレイすることで、攻撃力対策をすることができる。同様にして、ボスキャラクタBYの防御力が高いために有効な攻撃ができないときには、プレイヤは通常クエストQ2をプレイすることにより、防御力対策をすることができる。このように、ボスキャラクタBYの複数種類の属性値それぞれに対応して、複数種類の通常クエストをプレイするゲーム性を実現してもよい。
【0089】
本実施形態においては、通常クエストQ1に登場するノーマルボスB1(N)と、特定クエストに登場するノーマルボスB1(S)は同一種類であると前提して説明したが、両者は同一種類でなくてもよい。たとえば、通常クエストQ1において登場するノーマルボスB1(N)にあらかじめ対応づけられる類似種あるいは異種のノーマルボスC1(S)を特定クエストに登場させてもよい。
【0090】
通常ゲーム制御部120はプレイヤがノーマルボスB1(N)を討伐して通常クエストQ1をクリアするとき対策レベル(C1)が上昇させてもよい。特定ゲーム制御部122は対策レベル(C1)が上昇することによりプレイヤは特定クエストにおいてノーマルボスC1(S)を打倒しやすくなるように制御してもよい。
【0091】
複数のボスキャラクタ(敵キャラクタ)それぞれについて対策値と対策レベルを設定するのではなく、複数のデッキ枠それぞれについて対策値と対策レベルを設定するとしてもよい。たとえば、特定クエストにおいては、プレイヤは、3体のPキャラクタにより、デッキを組み、この3体のPキャラクタをつかってノーマルボス等と対戦するものとする。
【0092】
デッキには、デッキ枠D1~D3の3枠が設定される。プレイヤは、複数のPキャラクタのうち、Pキャラクタ(E1)をデッキ枠D1、Pキャラクタ(E2)をデッキ枠D2、Pキャラクタ(E3)をデッキ枠D3にセットしたとする。
【0093】
通常ゲーム制御部120は、プレイヤが通常クエストQ1をクリアしたとき、デッキ枠D1に対応する対策値(D1)を増加させる。対策値(D1)が閾値以上となったとき、通常ゲーム制御部120は対策レベル(D1)を上昇させる。同様にして、通常クエストQ2には対策値(D2)と対策レベル(D2)、通常クエストQ3には対策値(D3)と対策レベル(D3)が対応づけられる。
【0094】
プレイヤが対策レベル(D1)を上昇させるほど、特定ゲーム制御部122はデッキ枠D1にセットされたPキャラクタ(E1)を強化する。たとえば、特定ゲーム制御部122は、特定ゲーム中においてデッキ枠(D1)にセットされたPキャラクタ(E1)の防御力を一時的に上昇させる。同様にして、プレイヤが対策レベル(D2)を上昇させるほど特定ゲーム制御部122はデッキ枠D2にセットされたPキャラクタ(E2)の防御力を上昇させ、プレイヤが対策レベル(D3)を上昇させるほど特定ゲーム制御部122はデッキ枠D3にセットされたPキャラクタ(E3)の防御力を上昇させる。
【0095】
Pキャラクタ(E1)が弱いときには、プレイヤは通常クエストQ1をプレイすることで、特定クエスト中におけるデッキ枠(D1)を通してPキャラクタ(E1)を強化できる。Pキャラクタ(E2)、Pキャラクタ(E3)についても同様である。たとえば、Pキャラクタ(E1)は、他のPキャラクタのヒットポイントを回復させる重要キャラクタであるが、防御力が弱いためにボスキャラクタから狙われると戦闘不能になりやすいとする。このような場合には、プレイヤは通常クエストQ1をプレイして対策レベル(D1)を上昇させておく。この強化されたデッキ枠D1にPキャラクタ(E1)をセットすれば、Pキャラクタ(E1)を活躍させやすくなるので、プレイヤは特定ゲームを有利に進めることができる。
【0096】
図10は、変形例における通常クエストの推奨方法を説明するためのタイムチャートである。
通常クエストQ1~Q3は、常時プレイ可能なクエストではなく、所定の時間帯(以下、「開催期間」とよぶ)のみプレイ可能な時限性のあるクエストであってもよい。通常クエストQ1の開催期間(第1の期間)は、1日のうち「8:00~16:00」であるとする。通常ゲーム制御部120は、通常クエストQ2の開催期間(第2の期間)を「12:00~20:00」に設定し、通常クエストQ3の開催期間を「16:00~24:00」に設定する。一方、特定クエストは常時プレイ可能である。
【0097】
この変形例においては、推奨部126は、プレイヤが特定クエストに失敗したときに、通常クエストのプレイをプレイヤに推奨するものとする。プレイヤが特定クエストをプレイし、時刻t1(たとえば、10:00)において失敗したとする。時刻t1においてプレイ可能な通常クエストは通常クエストQ1のみである。この場合、推奨部126は通常クエストQ1をプレイヤに推奨する。
【0098】
プレイヤが時刻t2(たとえば、18:00)に特定クエストに失敗したとする。時刻t2においては通常クエストQ2、Q3が開催中であるが、通常クエストQ1は休止中である。この場合、推奨部126は通常クエストQ2、Q3の双方または一方を推奨する。推奨部126は通常クエストQ2、Q3のいずれかをランダムに選んでもよいし、対策レベルが低い方の通常クエストを選んでもよい。また、特定クエストにおいてノーマルボスB2(S)に負けたときには通常クエストQ2を推奨し、ノーマルボスB3(S)に負けたときには通常クエストQ3を推奨するとしてもよい。
【0099】
プレイヤが時刻t3(たとえば、6:00)に特定クエストに失敗したとする。時刻t3においては通常クエストQ1~Q3はいずれも休止中である。この場合、推奨部126はもっとも早く開催される予定の通常クエストQ1を推奨する。
【0100】
このような制御方法によれば、推奨部126は、複数の通常クエストの開催期間に鑑みて推奨すべき通常クエストを選択するので、プレイヤは特定クエストをプレイしたあと通常クエストのプレイに円滑に移行できる。
【0101】
特定クエストは、マルチプレイ可能なクエストであってもよい。特定クエストのマルチプレイとは、複数のプレイヤのうち1人がホストとなり、他のプレイヤがゲストとなることで、複数のプレイヤが協力しながら特定クエストをプレイすることである。
【0102】
たとえば、プレイヤ(P01)が特定クエストのホストとなり、マルチプレイのゲスト(参加者)を募集する。通信部112は、各ゲーム端末102に特定クエストについてゲストの募集を通知する。ここでは、プレイヤ(P02)がゲスト参加を申請したとする。このとき、特定ゲーム制御部122は、プレイヤ(P01)のPキャラクタとプレイヤ(P02)のPキャラクタの共同作戦として特定クエストを実行する。マルチプレイには、3人以上のプレイヤが参加することも可能である。
【0103】
特定ゲーム制御部122は、マルチプレイに際して、ゲストプレイヤ(P02)の対策レベルを、ホストプレイヤ(P01)の対策レベルと一時的に同一となるように設定する。このような制御方法によれば、強いホストとマルチプレイをすることで、ゲストプレイヤは特定クエストを有利に進めることができる。
【0104】
あるいは、プレイヤ(P01)の対策レベルとプレイヤ(P02)の対策レベルを比較し、特定ゲーム制御部122は高い方の対策レベルを各プレイヤの対策レベルとして設定してもよい。この場合、
図6のプレイヤ対策情報170に基づいて、特定ゲーム制御部122はプレイヤ(P01)およびプレイヤ(P02)の対策レベル(B1)~対策レベル(B3)をいずれも「5」「6」「5」に設定する。このような制御方法によれば、強いゲストがマルチプレイに参加してくれることで、他の参加者も特定クエストを有利に進めることができる。
【0105】
マルチプレイにおいて、各プレイヤの対策レベルはそのまま引き継がれるとしてもよい。たとえば、プレイヤPAは対策レベル(B1)が高く、プレイヤPBは対策レベル(B2)が高いとする。プレイヤ(PA)とプレイヤ(PB)がマルチプレイをするときには、ノーマルボスB1(S)に対してはプレイヤPAが中心となって戦い、ノーマルボスB2(S)に対してはプレイヤPBが中心的な役割を果たすことで、各プレイヤは得意分野を活かしたチームプレイを楽しむことができる。
【0106】
特定ゲーム制御部122は、ゲストとしての参加条件を設定してもよい。たとえば、対策レベル(B1)~対策レベル(B3)の平均値が所定レベル以上のプレイヤのみが特定クエストにゲスト参加可能であるとしてもよい。同様にして、ホストプレイヤとしてマルチプレイを開催する条件が設定されてもよい。
【0107】
本実施形態においては、通常クエストQ1~Q3および特定クエストは、Pキャラクタと敵キャラクタの対戦ゲームであるとして説明した。対戦ゲーム以外のゲームについても対策レベルの考え方は応用可能である。たとえば、通常ゲーム制御部120は歴史クイズゲーム(以下、「通常歴史クイズ」とよぶ)と音楽クイズゲーム(以下、「通常音楽クイズ」とよぶ)を実行し、特定ゲーム制御部122は総合クイズゲームを実行する場合を想定する。
【0108】
総合クイズゲームでは歴史クイズと音楽クイズを含むさまざまなジャンルのクイズが出題される。プレイヤが通常歴史クイズをクリアしたとき、特定ゲーム制御部122は総合クイズゲームで出題される歴史クイズでヒントを提示する。あるいは、通常歴史クイズの進捗に応じて、特定ゲーム制御部122は総合クイズゲームの歴史クイズにおける回答制限時間を長くしてもよいし、正答しやすくなるように選択肢の数を減らしてもよい。プレイヤが通常音楽クイズをクリアしたときには、同様にして、特定ゲーム制御部122は総合クイズゲームで出題される音楽クイズに解答しやすくなるように制御を行う。
【0109】
このような制御方法によれば、通常歴史クイズあるいは通常音楽クイズに挑戦することで、プレイヤは総合クイズゲームを有利に進めることができる。プレイヤは、たとえば、通常歴史クイズに繰り返し挑戦することで歴史知識を蓄積するだけでなく、総合クイズゲームの歴史クイズでヒントをもらう権利を獲得することにより、総合クイズゲームの歴史クイズを攻略しやすくなる。
【0110】
通常クエストに対応するゲームは、クイズゲームのほか、パズルゲーム、アクションゲームなどの他の種類のゲームであってもよい。通常ゲーム制御部120が実行するアクションゲームをクリアすることで、特定ゲーム制御部122は総合クイズゲームにおいてプレイヤにヒントなどのサポートを提供してもよい。あるいは、通常ゲーム制御部120が実行するクイズゲームをクリアすることで、特定ゲーム制御部122が実行するアクションゲームをプレイヤが有利に進められるように制御してもよい。
【0111】
以上、実施形態および変形例の記載から下記の発明が把握される。
A1.第1のプレイ条件が設定される第1のゲーム、第2のプレイ条件が設定される第2のゲーム、および、第1のミッションと第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御するゲーム制御部を備え、
前記ゲーム制御部は、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させる、情報処理装置。
【0112】
A1に記載の発明によれば、第1のゲームにおいて第1のプレイ条件を達成することにより、プレイヤは特定ゲームにおける第1のミッションを達成しやすくなる。同様にして、第2のゲームにおいて第2のプレイ条件を達成することにより、プレイヤは特定ゲームにおける第2のミッションを達成しやすくなる。プレイヤは、特定ゲームに含まれる第1のミッションおよび第2のミッションのうち、当面の達成目標となるべきミッションを選び、選んだミッションに応じて第1のゲームまたは第2のゲームにより対策できる。いいかえれば、プレイヤは特定ゲームの進捗状況に応じて自分の状況に合った対策を立てやすくなるため、プレイヤは第1のゲームまたは第2のゲームに強い目的意識をもって取り組むことができる。
【0113】
A2.前記ゲーム制御部は、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたときには、前記第1のミッションに対応する第1のパラメータを増加させ、
前記第1のパラメータが第1の閾値以上であるときには、前記第1の閾値未満であるときよりも前記第1のゲーム効果をより有利に設定する、A1に記載の情報処理装置。
【0114】
A2に記載の発明によれば、プレイヤは第1のゲームのプレイによって第1のパラメータを増加させることにより、特定ゲームを有利に進めることを期待できる。このような制御方法により、第1のゲームのプレイ結果について対策とその効果をプレイヤは認識しやすくなる。
【0115】
A3.前記ゲーム制御部は、
前記第1のミッションにおいては第1のゲーム媒体により前記特定ゲームを進行させ、
前記第2のミッションにおいては第2のゲーム媒体により前記特定ゲームを進行させ、かつ、
前記第1のゲーム効果を前記第1のゲーム媒体に適用し、前記第2のゲーム効果を前記第2のゲーム媒体に適用する、A1またはA2に記載の情報処理装置。
【0116】
A3に記載の発明によれば、第1のゲーム媒体のための第1のゲーム効果、第2のゲーム媒体のための第2のゲーム効果という関係性をプレイヤに明確に認識させやすくなる。なお、ここでいう第1のゲーム媒体とは、プレイヤが関わるオブジェクトであってもよいし、このオブジェクトと関わるアバター(プレイヤの分身)であってもよい。第2のゲーム媒体についても同様である。
【0117】
A4.前記ゲーム制御部は、前記第1のゲーム効果として、前記第1のゲーム媒体の属性値をプレイヤに有利に設定する、A3に記載の情報処理装置。
【0118】
A4に記載の発明によれば、プレイヤが第1のミッションにおいて関わる第1のゲーム媒体の属性値を変化させることにより、第1のゲーム効果をプレイヤに実感させやすくなる。
【0119】
A5.前記ゲーム制御部は、前記第1のゲーム効果を前記第1のゲーム媒体に適用し、かつ、前記第1のゲーム効果を前記第2のゲーム媒体には適用しない、A3またはA4に記載の情報処理装置。
【0120】
A5に記載の発明によれば、第1のゲーム効果は第1のゲーム媒体専用の効果であることが明確化されるため、第1のミッションの対策としての第1のゲーム、第2のミッションの対策としての第2のゲームというコンセプトをいっそう明確化できる。
【0121】
A6.プレイヤが前記特定ゲームを選択した場合、前記特定ゲームの開始前に前記第1のゲーム効果および前記第2のゲーム効果の存否を示す画面を表示させる表示部、を更に備えるA1に記載の情報処理装置。
【0122】
A6に記載の発明によれば、特定ゲームの開始前にミッションへの対策状況を確認できるので、プレイヤはもう少し対策をしてから特定ゲームをプレイすべきか否かを判断しやすくなる。
【0123】
A7.前記ゲーム制御部は、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたときには、前記第1のミッションに対応する前記第1のゲーム効果の大きさを示す第1のパラメータを増加させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたときには、前記第2のミッションに対応する前記第2のゲーム効果の大きさを示す第2のパラメータを増加させ、
前記表示部は、更に、
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータを表示させる、A6に記載の情報処理装置。
【0124】
A7に記載の発明によれば、ミッションへの対策状況を定量的に第1のパラメータおよび第2のパラメータにより示すことができるので、プレイヤは特定クエストに挑戦すべきか否かを合理的に判断しやすくなる。
【0125】
A8.前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が成立したとき、プレイヤに前記特定ゲームのプレイを推奨する推奨部、を更に備えるA1からA7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0126】
A8に記載の発明によれば、第1のゲームにおいて第1のプレイ条件を成立したときに特定ゲームを有利に進めやすくなったタイミングにて、プレイヤが特定ゲームをプレイするタイミングを効果的に伝えることができる。また、このような推奨により、特定ゲームのプレイを効果的に促すことができる。
【0127】
A9.前記特定ゲームにおける第1条件の達成にプレイヤが失敗したあと、前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされ、かつ、前記第1のパラメータが増加したとき、前記特定ゲームのプレイを推奨する推奨部、を更に備えるA2に記載の情報処理装置。
【0128】
A9に記載の発明によれば、特定ゲームに失敗したあと、第1のパラメータが増加することでプレイヤが有利となったタイミングにて特定ゲームへの再挑戦を推奨できる。
【0129】
A10.前記特定ゲームにおける第1条件とは異なる第2条件が満たされたとき、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームのプレイを推奨する推奨部、を更に備えるA1からA9のいずれかに記載の情報処理装置。
【0130】
A10に記載の発明によれば、特定ゲームのプレイを契機として、プレイヤに対して第1のゲーム等のプレイを促すことができる。
【0131】
A11.前記推奨部は、プレイヤが前記第1のミッションの達成に失敗したときには前記第1のゲームのプレイを推奨し、前記第2のミッションの達成に失敗したときには前記第2のゲームのプレイを推奨する、A10に記載の情報処理装置。
【0132】
A11に記載の発明によれば、第1のミッションに失敗したとき、第1のミッションを達成するために第1のゲームのプレイを推奨するという対策性をプレイヤに認識させやすくなる。第2のミッションについても同様である。
【0133】
A12.前記ゲーム制御部は、前記第1のゲームを第1の期間においてプレイ可能に設定し、前記第2のゲームを前記第1の期間と少なくとも一部が異なる第2の期間においてプレイ可能に設定し、
前記推奨部は、前記第2条件が満たされた時点を含む前記特定ゲームのプレイ時間に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、A10に記載の情報処理装置。
【0134】
A12に記載の発明によれば、特定ゲームのプレイ時間に応じて第1のゲームまたは第2のゲームのプレイを推奨することにより、特定ゲームをプレイしたあと第1のゲーム等に円滑に移行させやすくなる。
【0135】
A13.プレイヤにゲームのプレイを推奨する推奨部、を更に備え、
前記ゲーム制御部は、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたときには、前記第1のミッションに対応する第1のパラメータを増加させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたときには、前記第2のミッションに対応する第2のパラメータを増加させ、
前記推奨部は、プレイヤが前記特定ゲームにおける第1条件を達成できなかったときには、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータの比較に基づいて、前記第1のゲームまたは前記第2のゲームを推奨する、A2に記載の情報処理装置。
【0136】
A13に記載の発明によれば、第1のミッションおよび第2のミッションのうち、対策の進んでいない方のミッションに対応して、その対策となるべきゲームを勧めることができるので、プレイヤを特定ゲームの攻略に正しく導くことができる。
【0137】
A14.コンピュータが、第1のプレイ条件が設定される第1のゲームの進行を制御し、
コンピュータが、第2のプレイ条件が設定される第2のゲームの進行を制御し、
コンピュータが、第1のミッションおよび第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御し、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、コンピュータが、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させ、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、コンピュータが、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させる、情報処理方法。
【0138】
A14に記載の発明によれば、A1に記載の発明と同様の効果を発揮させることができる。
【0139】
A15.第1のプレイ条件が設定される第1のゲームの進行を制御する機能と、
第2のプレイ条件が設定される第2のゲームの進行を制御する機能と、
第1のミッションおよび第2のミッションを含む特定ゲームの進行を制御する機能と、
前記第1のゲームにおいて前記第1のプレイ条件が満たされたとき、コンピュータが、前記第1のミッションの達成に有利な第1のゲーム効果を発揮させる機能と、
前記第2のゲームにおいて前記第2のプレイ条件が満たされたとき、コンピュータが、前記第2のミッションの達成に有利な第2のゲーム効果を発揮させる機能と、をコンピュータに発揮させるプログラム。
【0140】
A15に記載の発明によれば、A1に記載の発明と同様の効果を発揮させることができる。
【符号の説明】
【0141】
100 ゲームサーバ、102 ゲーム端末、106 インターネット、110 データ処理部、112 通信部、114 データ格納部、116 プレイヤ登録部、120 通常ゲーム制御部、122 特定ゲーム制御部、124 ゲーム制御部、126 推奨部、130 ゲームデータ格納部、132 プレイヤデータ格納部、134 通信部、136 ユーザインタフェース処理部、138 データ処理部、140 データ格納部、142 入力部、144 出力部、146 ゲーム実行部、150 表示部、160 レベル定義情報、170 プレイヤ対策情報、180 対策進捗画面、182 対策レベル領域、184 挑戦ボタン、186 キャンセルボタン、200 ゲームシステム、300 プロセッサ、302 第1バス、304 メモリ、308 ブリッジ、310 第2バス、312 ストレージ、314 入力デバイス、316 出力デバイス、318 周辺機器