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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/12 20060101AFI20241030BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20241030BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20241030BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
G09F13/12
G09F13/18 K
G09F13/18 N
G08B5/00 C
G08B23/00 510A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020219748
(22)【出願日】2020-12-29
(65)【公開番号】P2022104659
(43)【公開日】2022-07-11
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】川越 真
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剛
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-332873(JP,A)
【文献】特開2016-143405(JP,A)
【文献】特開2011-170286(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0047840(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0207134(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 5/00
G08B 23/00
G09F 13/12
G09F 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難誘導を示す表示の第1表示部と;
前記第1表示部の投影面上に配置され、進入禁止を表示する表示パターンを有し、前記第1表示部が表示された状態での表示時に表示状態を維持したまま明と暗を繰り返して点滅する第2表示部と;
を備えることを特徴とする表示装置
【請求項2】
前記第2表示部の点滅は、明時の第1動作時間T=50msec、暗時の第2動作時間T=450msecとする
ことを特徴とする請求項記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2表示部の点滅周期は、nおよびmを所定値として、0<(n×T)/(n×T+m×T)≦0.5の範囲内にある
ことを特徴とする請求項記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2表示部の点滅周期は、nおよびmを所定値として、0.5≦(n×T)/(n×T+m×T)<1.0の範囲内にある
ことを特徴とする請求項記載の表示装置。
【請求項5】
n>mにある
ことを特徴とする請求項または記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、異なる表示をする表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば誘導灯などの表示装置では、常時表示をする第1表示部の背面側に、異なる表示をする第2表示部を配置し、第2表示部の表示が第1表示部を透過して表示するように構成されたものがある。
【0003】
このような表示装置では、常時表示する第1表示部に重ねて第2表示部を表示する場合、第2表示部の誘目性がよくないことがあり、第2表示部の誘目性の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-277545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、第2表示部の誘目性を向上できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の表示装置は、避難誘導を示す表示の第1表示部と、第1表示部の投影面上に配置され、進入禁止を表示する表示パターンを有し、第1表示部が表示された状態での表示時に表示状態を維持したまま明と暗を繰り返して点滅する第2表示部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の表示装置によれば、第2表示部の誘目性が向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す表示装置の斜視図である。
図2】同上表示装置の表示ユニットの第2表示部が消灯状態の正面図である。
図3】同上表示ユニットの第2表示部が点灯状態の正面図である。
図4】同上表示ユニットの断面図である。
図5】同上表示装置の第2表示制御ユニットの直上階連携を示す回路図である。
図6】同上表示装置の第2表示制御ユニットと点滅誘導音制御ユニットとの連携を示す回路図である。
図7】同上表示装置の第2表示部の有彩色および無彩色を定義する色度図である。
図8】同上表示装置の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。
図9】同上表示装置の同一処理回路で信号を処理する場合の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に表示装置10を示す。表示装置10は、非常口などの避難経路に対応して天井面や壁面に設置され、避難経路を誘導する誘導灯である。さらに、表示装置10は、施設の自動火災報知器に連動する信号装置からの誘導信号である動作信号に応じて点滅および誘導音により誘導経路へ積極的に誘導するとともに、自動火災報知器からの誘導停止信号または煙感知器からの感知信号である誘導停止信号に応じて誘導経路への積極的な避難誘導を停止しかつ進入禁止を表示する動的避難誘導システムに対応したものである。
【0011】
表示装置10は、筐体11、筐体11の前面側に設けられた表示ユニット12、筐体11の下部側に設けられた点滅表示部13、筐体11の前面側に設けられた誘導音出力部14、筐体11の下面側に設けられたモニタ部15および動作確認スイッチ16などを備えている。さらに、図1には図示されないが、筐体11内には、停電時に給電する蓄電池や、表示装置10を制御する制御装置などが配置されている。
【0012】
筐体11の前面には、表示ユニット12が配置される表示窓17、および誘導音出力部14が配置される開口部18が設けられている。表示ユニット12は、常時は誘導表示をし、誘導停止信号に応じて進入禁止表示をする。点滅表示部13は、筐体11の下面側から突出された透光性カバーを有し、動作信号に応じて透光カバーの内側に配置される点滅光源が点滅される。誘導音出力部14は、動作信号に応じて音声案内を含む誘導音を出力する。モニタ部15は、点検スイッチや、複数の充電用および光源用のモニタランプなどが配置されている。これらモニタランプは、異なる発光色のLEDなどが用いられている。動作確認スイッチ16は、操作により点滅表示部13および誘導音出力部14が動作するか否かを確認可能とする。
【0013】
そして、表示装置10の表示ユニット12は、常時および停電時とも誘導表示し、誘導停止信号に応じて進入禁止表示をする。点滅表示部13および誘導音出力部14は、動作信号に応じて点滅動作および避難誘導を案内する音声などを含む誘導音を出力し、より一層の避難誘導効果が発揮されるように構成されている。
【0014】
次に、図2ないし図4に表示ユニット12を示す。
【0015】
前後に開口する枠状のユニット本体21と、このユニット本体21内に配設された第1表示ユニット22および第2表示ユニット23とを備えている。
【0016】
第1表示ユニット22は、筐体11の前面開口に対向して配置されている。第1表示ユニット22は、第1光源部31、筐体11の表示面側に配置される第1導光板32、およびこの第1導光板32の前面側に配置された第1表示板33を有している。第1表示板33には第1表示パターン34が表示されている。この第1表示板33が第1表示部30として構成されている。
【0017】
第1導光板32は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの光透過性を有する合成樹脂により四角形板状に形成されている。第1導光板32は、第1光源部31に対向する上部側の端面に光が入射する入射面を有し、前面側の一主面に入射面から入射した光が出射する出射面を有する。なお、第1導光板32には、出射面に対向する反対側の面に、入射面から入射した光が出射面から出射するように配光手段を設けてもよい。配光手段としては、光透過制御材(白色顔料)の入ったインクが規則的に印刷されたドット印刷、出射面に対向する面に複数の凹凸を設けるプリズムカット形状またはドット加工、出射面に対向する面を研磨して微細な凹凸を設ける粗面加工などが含まれる。
【0018】
第1表示板33は、光透過性を有する合成樹脂により四角形のシート状に形成されている。第1表示板33には、誘導を示す絵柄、文字、矢印などのピクトグラムを含む第1表示パターン34が形成された領域と、第1表示パターン34が形成されていない他の領域とで構成されている。なお、図1および図2には、説明を簡単にするために第1表示パターン34を簡略化して四角形状で示すが、実際には避難誘導を示す絵柄などが表示される。第1表示パターン34は、緑色のインクにより、例えばシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷により形成されている。また、第1表示板33の第1表示パターン34以外の領域は、白色のインクにより、例えばシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷により形成されている。そして、第1導光板32から第1表示板33に光が出射され、第1表示パターン34は緑色に表示され、第1表示パターン34がない領域は白色で表示される。したがって、第1表示部30は、第1表示パターン34がある緑の有彩色の領域と、第1表示パターン34がない白の無彩色の領域の2色の領域を有している。なお、第1表示板33は第1導光板32と一体に形成されていてもよく、第1導光板32の前面側に第1表示パターン34を形成してもよい。
【0019】
第1光源部31は、発光モジュールにより構成されている。第1光源部31は、基板35、およびこの基板35に実装されたLED素子などの固体発光素子である第1光源36を有している。第1光源36は、例えば白色光を放射する。第1光源36は、第1導光板32の入射面に対向され、光を入射面から第1導光板32内に放射する。そして、第1光源36は外部電源または蓄電池の電力により常時点灯され、第1表示部30を常時表示させる。
【0020】
また、第2表示ユニット23は、ユニット本体21に配置されている第1表示ユニット22のさらに前側に配置されている。第2表示ユニット23は、第2表示部40、赤色光を放射する第2光源部41を備えている。
【0021】
第2表示部40は、ユニット本体21に配置されている第1表示部30の前面側に対向して配置される。すなわち、第2表示部40は、第1表示部30の投影面上に配置され、第1表示部30から出射される光が通過するように構成されている。また、第2表示部40は、第1表示部30に対して前方に離隔して配置されている。
【0022】
第2表示部40は、第1表示部30の前面側に配置される第2導光板42により形成されている。第2導光板42は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの無色透明で光透過性を有する合成樹脂により四角形板状に形成されている。第2導光板42は、第2光源部41に対向する上部側の端面に赤色光が入射する入射面を有し、入射面に入射した赤色光は下部側の端面に向かって導光する。
【0023】
第2導光板42の背面側には、進入禁止を示す絵柄、文字などのピクトグラムを含む表示パターンとしての第2表示パターン44が形成されている。第2表示パターン44は、例えば、白色のシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷や凹凸加工などにより「×」印のパターン形状に形成されている。そして、第2導光板42内を導光した赤色光が第2表示パターン44で乱反射し、第2表示部40の前面側に出射する。これによって、第2表示部40は、有彩色である赤色光で第2表示パターン44の形状を表示する。このため、第2表示部40による表示は、第1表示部30とは色および形状が異なる。第2表示部40の第2表示パターン44が設けられた領域は所定の透過率を有しており、第2表示パターン44がない領域は第2表示パターン44が設けられた領域よりも高い透過率となっている。このため、第1表示部30の前面側から放射された光は第2表示パターン44が設けられた領域では所定の透過率で減衰し、その他の領域では第2導光板42が無色透明の場合には略そのまま透過する。
【0024】
第2光源部41は、発光モジュールにより構成されている。第2光源部41は、基板45、およびこの基板45に実装されたLED素子などの固体発光素子である第2光源46を有している。第2光源46は、例えば赤色光を放射する。第2光源46は、第2導光板42の入射面に対向され、光を入射面から第2導光板42に入射する。
【0025】
なお、ユニット本体21内には、第1表示部30の表示を制御する第1表示制御ユニット、第2表示部40の表示を制御する第2表示制御ユニット、点滅光源部13および誘導音出力部14を制御する点滅誘導音制御ユニットなどが配設されている。これら各ユニットに、停電時に電力供給する充放電可能な二次電池である蓄電池が用いられている。
【0026】
第1表示制御ユニットは、商用交流電源などの外部電源の供給時つまり常時に、外部電源の電力を所定の電力に変換し、第1光源36を点灯させて第1表示部30を表示するとともに蓄電池を充電し、また、外部電源の遮断時つまり停電時に、蓄電池の電力を所定の電力に変換し、第1光源36を点灯させて第1表示部30を表示する。また、第2表示制御ユニットおよび点滅誘導音制御ユニットについては後述する。
【0027】
また、表示装置10は、図1に示すように前面側の片面のみを表示面側とする片面表示タイプであるが、前面側と反対側の両面を表示面側とする両面表示タイプであってもよい。
【0028】
次に、図5に表示装置10の第2表示部40の点灯を制御する第2表示制御ユニット50を示す。図5には、施設に設置される動的避難誘導システムにおいて、ある階に設置される表示装置10の第2表示制御ユニット50と、この表示装置10が設置された階に対して直上階に設置される表示装置10の第2表示制御ユニット50とが連携する場合を示す。なお、図5の破線は、ある階と直上階との境界を示す。
【0029】
第2表示制御ユニット50は、例えば商用交流電源などの外部電源Eから供給される電力を整流後に例えば17Vなどの所定の電力に変換する電力変換回路51を備えている。電力変換回路51は、一次側と二次側とを絶縁したフライバックコンバータなどのDC-DCコンバータが用いられる。
【0030】
電力変換回路51の出力端にはダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードに充電回路52が接続されている。充電回路52は、電力変換回路51から供給される直流電圧を例えば7~10.5Vなどの所定の直流電圧に変換して蓄電池B1に供給し、蓄電池B1を充電する。
【0031】
充電回路52と蓄電池B1との間には、点灯回路53が接続されている。点灯回路53は、常時に充電回路52から供給される直流電圧または停電時に蓄電池B1から供給される直流電圧を所定の点灯電圧に変換して第2光源46に供給し、第2光源46を点灯させる。本実施形態の点灯回路53では、充電回路52または蓄電池B1から供給される直流電圧を例えば24Vなどに昇圧して供給する。
【0032】
電力変換回路51の出力側のダイオードD1のカソードと充電回路52との間にダイオードD2のアノードが接続され、充電回路52と蓄電池B1との間にダイオードD3のアノードが接続され、これらダイオードD2,D3のカソードに電圧生成部54の入力端が接続されている。本実施形態の電圧生成部54は、常時に電力変換回路51から供給される直流電圧または停電時に蓄電池B1から供給される直流電圧を例えば24Vなどの検出電圧(接点電圧)に昇圧する昇圧回路55が用いられている。本実施形態の電圧生成部54である昇圧回路55は、後述する制御電圧よりも高い検出電圧に昇圧する。
【0033】
昇圧回路55の出力端には、限流抵抗R1と、この限流抵抗R1にアノードが接続されたダイオードD4との直列回路が接続されている。ダイオードD4のカソードは、表示装置10の電源ユニット21が備える接点である接点制御端子56に接続されている。接点制御端子56は、自動火災報知器と接続されて進入禁止信号である誘導停止信号の入力に応じて動作する接点である。ダイオードD4のカソードと接点制御端子56との間には、接点制御端子56に対する誘導停止信号に応じた電圧の変化を検出する電圧検出部57が接続されている。電圧検出部57は、誘導停止信号を検出する誘導停止信号検出部であり、検出結果を制御部である制御回路58に送る。
【0034】
そして、電圧生成部54である昇圧回路55、ダイオードD2,D3,D4および限流抵抗R1などにより、常時に電力変換回路51から供給される電力または停電時に蓄電池B1から供給される電力を所定の検出電力に変換して自動火災報知器との接点制御端子56に供給する電圧供給回路59が構成されている。
【0035】
また、制御回路58は、電力変換回路51、充電回路52、点灯回路53および昇圧回路55の動作を制御する。制御回路58は、電圧検出部57により検出される電圧を監視し、電圧の変化に応じて自動火災報知器からの誘導停止信号を検出すると、点灯回路53を動作させて第2光源46を点灯させる。
【0036】
制御回路58は、制御電源回路61から供給される制御電圧により動作する。制御電源回路61は、レギュレータ62で構成されている。電力変換回路51の出力側でダイオードD1のカソードと充電回路52との間にダイオードD5のアノードが接続され、充電回路52と蓄電池B1との間にダイオードD6のアノードが接続され、これらダイオードD5,D6のカソードにレギュレータ62が接続されている。レギュレータ62は、3端子レギュレータなどの電圧レギュレータが用いられ、常時にダイオードD5を通じて電力変換回路51から供給される直流電圧または停電時にダイオードD6を通じて蓄電池B1から供給される直流電圧を例えば3.3Vなどの所定の制御電力に変換し、制御回路58に供給する。
【0037】
そして、電力変換回路51、充電回路52、点灯回路53、制御回路58および制御電源回路61などにより、停電時にも対応可能とする非常灯ユニット63が構成されている。
【0038】
また、第2表示制御ユニット50は、表示装置10が点滅表示や誘導音による積極的な避難誘導を行う機能を備える場合、点滅表示や誘導音を制御する点滅誘導音制御ユニットとの連携が図れるように構成されている。点滅誘導音制御ユニットは、自動火災報知器に連動する信号装置からの動作信号に応じて点滅表示や誘導音の出力を制御する。そして、第2表示制御ユニット50は、点滅誘導音制御ユニットと連携を図るために動作信号処理回路64を備えている。動作信号処理回路64は、自動火災報知器に連動する信号装置からの動作信号を処理し、処理した動作信号を制御回路58に送る。動作信号処理回路64は、例えばフォトカプラを用いて信号装置が接続される一次側と制御回路58が接続される二次側とを絶縁している。
【0039】
動作信号処理回路64には、正常時に信号装置から有電圧の動作信号が入力され、火災時などの避難が必要なときに信号装置から動作信号が入力されなくなるように構成されている。この場合、動作信号処理回路64で処理した信号を入力する制御回路58では、動作信号が動作信号処理回路64に入力されているときには誘導信号の入力なし、入力されなくなったときには誘導信号の入力ありと判断して処理する。
【0040】
また、第2表示制御ユニット50の直上階制御機能は、表示装置10の設置階でかつ設置場所近傍の煙感知器78が煙を感知したために表示装置10による積極的な避難誘導ができない条件が生じると、その条件が生じた階の直上階の表示装置10においても積極的な避難誘導はできないとして扱い、直上階の表示装置10に対して積極的な避難誘導を停止させる機能である。
【0041】
第2表示制御ユニット50は、直上階の表示装置10を制御する直上階制御回路65を備えている。直上階制御回路65は、直上階に設置される表示装置10の接点制御端子56に接続され、制御回路58の制御により、誘導停止信号を直上階の表示装置10の接点制御端子56に出力する。
【0042】
そして、第2表示制御ユニット50は、第2表示部40の点灯表示時に、第2表示部40の誘目性を向上させるため、第2光源46の点灯を制御して第2表示部40の明るさを変化させるように構成されている。第2表示部40の明るさの変化は、第2表示部40の点灯と消灯を繰り返す点滅と、第2表示部40の点灯状態を維持したまま調光制御により明と暗を繰り返す点滅とのいずれであってもよい。
【0043】
第2表示部40の点滅は、点灯時または明時の第1動作時間T=50msec、消灯時時または暗時の第2動作間T=450msecを基本とする。これら第1動作時間および第2動作時間は、点滅表示部13の点滅について規格されている点灯時間および消灯時間と同じ時間である。
【0044】
第2表示部40の点滅周期は、n×T+m×Tで表される。nおよびmは任意の値であり、第1動作時間の割合を大きくする場合にはn値を大きく、m値を小さくし、第1動作時間の割合を小さくする場合にはn値を小さく、m値を大きくする。ただし、n>mの関係にある。
【0045】
第2表示部40の点滅周期は、0<(n×T)/(n×T+m×T)≦0.5の範囲内にあることが好ましい。または、第2表示部40の点滅周期は、0.5≦(n×T)/(n×T+m×T)<1.0の範囲内にあることが好ましい。第2表示部40の点滅周期は、点滅が知覚しやすい点滅周期とすることが好ましく、その点滅の中でも点滅による不快感を与えやすい点灯周期とすることによってより知覚しやすくし、誘目性の向上を図っている。
【0046】
また、第2表示制御ユニット50の制御回路58は、誘導信号の入力により点滅表示部13を点滅および誘導音出力部14から誘導音を出力させ、誘導停止信号を入力した際に、点滅表示部13の点滅および誘導音出力部14からの誘導音の出力を停止させことに加えて、第2表示部40を表示させるように制御する。
【0047】
制御回路58は、誘導停止信号を入力して第2表示部40を表示させている状態で誘導信号を入力しても、点滅表示部13および誘導音出力部14の停止状態を継続するとともに第2表示部の表示を継続するように制御する。
【0048】
制御回路58は、誘導停止信号を入力して第2表示部40を表示させかつ誘導信号を入力している状態で誘導停止信号を入力しなくなっても、第2表示部40の表示を継続するように制御する。さらに、誘導停止信号および誘導信号を入力しなくなった際には、第2表示部40の表示を停止させるように制御する。
【0049】
次に、図6に表示装置10が備える第2表示制御ユニット50と点滅誘導音制御ユニット70との連携を示す。
【0050】
点滅誘導音制御ユニット70は、点滅表示部13および誘導音出力部14を制御する。点滅誘導音制御ユニット70は、例えば商用交流電源などの外部電源Eから供給される電力を整流後に例えば17Vなどの所定の電力に変換する電力変換回路71を備えている。電力変換回路71は、一次側と二次側とを絶縁したフライバックコンバータなどのDC-DCコンバータが用いられる。
【0051】
電力変換回路71の出力端にはダイオードD11のアノードが接続され、ダイオードD11のカソードに充電回路72が接続されている。充電回路72は、電力変換回路71から供給される直流電圧を例えば7~10.5Vなどの所定の直流電圧に変換して蓄電池B2に供給し、蓄電池B2を充電する。
【0052】
充電回路72と蓄電池B2との間には、点灯回路または点滅回路である放電回路73が接続されている。放電回路73は、常時に充電回路72から供給される直流電圧または停電時に蓄電池B2から供給される直流電圧を所定の点灯電圧に変換して点滅表示部13が有する点滅光源74に供給し、点滅光源74を点滅させる。本実施形態の放電回路73では、充電回路72または蓄電池B2から供給される直流電圧を例えば24Vなどに昇圧して供給する。
【0053】
充電回路72と蓄電池B2との間には、誘導音出力回路である放電回路75が接続されている。放電回路75は、誘導音出力部14が有するスピーカ76を駆動し、例えば「非常口はこちらです」などの音声を含む誘導音を出力する。
【0054】
充電回路72と蓄電池B2との間にダイオードD12のアノードが接続され、このダイオードD12のカソードに煙感知器用電圧生成回路77の入力端が接続されている。煙感知器用電圧生成回路77は、常時に電力変換回路71から供給される直流電圧または停電時に蓄電池B2から供給される直流電圧を例えば24Vなどの動作電圧に昇圧する。
【0055】
煙感知器用電圧生成回路77の出力端には、限流抵抗R11と、この限流抵抗R11にアノードが接続されたダイオードD13との直列回路が接続されている。ダイオードD13のカソードは、表示装置10の設置階で設置場所の近傍に設置される煙感知器78に接続されている。煙感知器78は、煙感知器用電圧生成回路77からの動作電圧の供給を受けて動作し、煙感知時に誘導停止信号となる信号を発生する。
【0056】
ダイオードD13のカソードと煙感知器78との間には、第2表示制御ユニット50の直上階制御回路65が接続されている。直上階制御回路65が直上階の表示装置10の接点制御端子56に誘導停止信号を出力した際に、ダイオードD13のカソードと煙感知器78との間にも誘導停止信号が出力される。
【0057】
ダイオードD13のカソードと煙感知器78との間には、第2表示制御ユニット50または煙感知器78からの誘導停止信号の入力に応じた電圧の変化を検出する電圧検出部79が接続されている。電圧検出部79は、煙感知器78からの誘導停止信号を検出する誘導停止信号検出部であり、検出結果を制御部である制御回路80に送る。
【0058】
また、制御回路80は、電力変換回路71、充電回路72、放電回路73,75および煙感知器用電圧生成回路77の動作を制御する。制御回路80は、電圧検出部79により検出される電圧を監視し、電圧の変化に応じて第2表示制御ユニット50または煙感知器78からの誘導停止信号を検出すると、放電回路73を停止させて点滅光源74を消灯させるとともに、放電回路75を停止させてスピーカ76からの誘導音の出力を停止させ、積極的な避難誘導を停止する。
【0059】
制御回路80は、制御電源回路81から供給される制御電圧により動作する。制御電源回路81は、レギュレータ82で構成されている。電力変換回路71の出力側でダイオードD11のカソードと充電回路72との間にダイオードD14のアノードが接続され、充電回路72と蓄電池B2との間にダイオードD15のアノードが接続され、これらダイオードD14,D15のカソードにレギュレータ82が接続されている。レギュレータ82は、3端子レギュレータなどの電圧レギュレータが用いられ、常時にダイオードD14を通じて電力変換回路71から供給される直流電圧または停電時にダイオードD15を通じて蓄電池B2から供給される直流電圧を例えば3.3Vなどの所定の制御電力に変換し、制御回路80に供給する。
【0060】
また、点滅誘導音制御ユニット70は、自動火災報知器に連動する信号装置から入力される動作信号を処理し、処理した信号を制御回路58に送る動作信号処理回路83を備えている。動作信号処理回路83は、自動火災報知器に連動する信号装置からの動作信号を処理し、処理した動作信号を制御回路58に送る。動作信号処理回路83は、例えばフォトカプラを用いて信号装置が接続される一次側と制御回路80が接続される二次側とを絶縁している。
【0061】
動作信号処理回路83には、正常時に信号装置から有電圧の動作信号が入力され、火災時などの避難が必要なときに信号装置から動作信号が入力されなくなるように構成されている。この場合、動作信号処理回路83で処理した信号を入力する制御回路80では、動作信号が動作信号処理回路83に入力されているときには誘導信号の入力なし、入力されなくなったときには誘導信号の入力ありと判断して処理する。
【0062】
また、点滅誘導音制御ユニット70の直上階制御機能は、表示装置10の設置階でかつ設置場所近傍の煙感知器78が煙を感知したために表示装置10による積極的な避難誘導ができない条件が生じると、その条件が生じた階の直上階の表示装置10においても積極的な避難誘導はできないとして扱い、直上階の表示装置10に対して積極的な避難誘導を停止させる機能である。
【0063】
点滅誘導音制御ユニット70は、直上階の表示装置10を制御する直上階制御回路84を備えている。直上階制御回路84は、直上階に設置される表示装置10の点滅誘導音制御ユニット70の煙感知器端子に接続され、制御回路80の制御により誘導停止信号を直上階の表示装置10の点滅誘導音制御ユニット70に出力する。なお、直上階制御回路84と直上階に設置される表示装置10の点滅誘導音制御ユニット70との接続は図示を省略している。
【0064】
点滅誘導音制御ユニット70は、同一の表示装置10の第2表示制御ユニット50との連携を図るために、直上階制御回路84の信号出力端が同一の表示装置10の接点制御端子56にも接続されている。直上階制御回路84が直上階の表示装置10の接点制御端子56に誘導停止信号を出力した際に、同一の表示装置10の接点制御端子56にも誘導停止信号が出力される。
【0065】
また、表示装置10において、第1表示部30および第2表示部40を同時に表示した際に、第2表示部40の視認性、誘目性が向上するように、第2表示部40の第2表示パターン44は有彩色が維持されるように構成されている。
【0066】
さらに、第1表示部30および第2表示部40を同時に表示した際に、第1表示部30の第1表示パターン34と重なって第2表示部40の第2表示パターン44が無彩色になる場合には、第1表示部30の第1表示パターン34と重なって第2表示部40の第2表示パターン44が無彩色になる領域の明るさをA、第1表示部30のみ表示した場合の第1表示パターン34の無彩色の領域の明るさをBとすると、A>Bの関係としている。あるいはA<Bの関係としている。
【0067】
図7にJIS Z 8110:1995に記載の色度図を示す。無彩色は白または白系であり、色度図の中心の白の領域は狭義の無彩色の領域であり、狭義の無彩色の領域の周囲の領域、つまり緑みの白、黄みの白、うすいピンク、紫みの白、青みの白の領域が広義の無彩色の領域である。
【0068】
狭義の無彩色の黒体軌跡上での範囲は例えば4500~14000K duv±0.02であり、色度図のx、y座標上での狭義の無彩色は(0.2506、0.2901)、(0.2800、0.2521)、(0.3698、0.4146)、(0.3531、0.3203)で囲まれた範囲である。
【0069】
図7に示す1点鎖線の直線L1、2点鎖線の直線L2は、それぞれ赤と緑を混色して再現できる色である。
【0070】
1点鎖線の直線L1は、狭義および広義の無彩色の領域を通らずに、赤と緑を混色して再現できる色である。すなわち、第1表示部30および第2表示部40を同時に表示した際に、第2表示部40の第2表示パターン44は有彩色が維持されるように構成され、第2表示部40の視認性、誘目性を向上できる。
【0071】
2点鎖線の直線L2は、広義の無彩色の領域を通り、赤と緑を混色して再現できる色である。この場合は、第1表示部30および第2表示部40を同時に表示した際に、第1表示部30の第1表示パターン34と重なって第2表示部40の第2表示パターン44が無彩色になる場合であり、第1表示部30の第1表示パターン34と重なって第2表示部40の第2表示パターン44が無彩色になる領域の明るさをA、第1表示部30のみ表示した場合の第1表示パターン34の無彩色の領域の明るさをBとすると、A>Bの関係とすることにより、第2表示部40の視認性、誘目性を向上できる。
【0072】
すなわち、A>Bの関係では、第2表示パターン44の「×」印の赤色(+第1表示部30の白色)>無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)>第1表示部30の白色>第1表示部30の緑色、の関係となる。これにより、第2表示パターン44の無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)と第1表示部30の白色との明るさが異なることでコントラストが明確になるため、第2表示パターン44の「×」印の表示の視認性、誘目性を向上できる。
【0073】
また、場合によっては、A<Bの関係でも第2表示部40の視認性、誘目性を向上できる。A<Bの関係では、第2表示パターン44の「×」印の赤色(+第1表示部30の白色)>第1表示部30の白色>無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)>第1表示部30の緑色、の関係となる。この場合、第1表示部30の緑色の透過率を低くするなどして緑色の明るさを低下させることなどで実現できる。このようにした場合にも、第2表示パターン44の無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)と第1表示部30の白色との明るさが異なることでコントラストが明確になるため、第2表示パターン44の「×」印の表示の視認性、誘目性を向上できる。
【0074】
次に、表示装置10の全体的な動作を説明する。
【0075】
表示装置10は、図2に示すように、表示ユニット12の第1表示部30を常時表示し、避難経路を表示する。第2表示部40は、接点制御端子56に自動火災報知機または直下階の表示装置10または点滅誘導音制御ユニット70から誘導停止信号が入力されていない状態では表示をしない。
【0076】
また、接点制御端子56に自動火災報知機または直下階の表示装置10または点滅誘導音制御ユニット70から誘導停止信号が入力された場合、図3に示すように、表示ユニットの12の第2表示部40を表示し、つまり「×」印の進入禁止を表示する。これにより、避難者は、表示装置10の「×」印の進入禁止の表示を確認し、他の避難経路に向かって避難することが可能となる。このとき、第2表示部40を点滅させることにより、避難者からの第2表示部40の誘目性を向上できる。
【0077】
そして、第1表示部30を制御する第1表示制御ユニットは、常時において、外部電源Eからの電力により、第1表示部30を点灯するとともに蓄電池を充電し、また、停電時において、蓄電池から放電される電力により、第1表示部30を点灯する。
【0078】
また、第2表示部40を制御する第2表示制御ユニット50は、常時において、電力変換回路51で外部電源Eを変換した所定の直流電圧により、制御電源回路61が制御電源を制御回路58に供給し、充電回路52が蓄電池B1を充電し、電圧供給回路59が接点制御端子56に検出電圧を供給する。また、第2表示制御ユニット50は、停電時において、蓄電池B1から放電される直流電圧により、制御電源回路61が制御電源を制御回路58に供給し、電圧供給回路59が接点制御端子56に検出電圧を供給する。
【0079】
第2表示制御ユニット50の制御回路58は、常時または停電時において、電圧検出部57により検出される電圧を監視し、自動火災報知器または直下階の表示装置10または点滅誘導音制御ユニット70からの誘導停止信号が入力されたか否かを判断する。
【0080】
制御回路58は、電圧検出部57により検出される電圧の変化に応じて自動火災報知器または直下階の表示装置10または点滅誘導音制御ユニット70からの誘導停止信号を検出すると、点灯回路53を動作させて第2光源46を点灯し、「×」印の進入禁止を表示する。
【0081】
なお、停電時において、蓄電池B1による第2表示部40の表示可能時間は、蓄電池による第1表示部30の表示可能時間よりも長くなるように、蓄電池容量などが設定されている。
【0082】
また、点滅誘導音制御ユニット70は、常時において、電力変換回路71で外部電源Eを変換した所定の直流電圧により、制御電源回路81が制御電源を制御回路80に供給し、充電回路72が蓄電池B2を充電し、煙感知器用電圧生成回路77が煙感知器78に動作電圧を供給する。また、点滅誘導音制御ユニット70は、停電時において、蓄電池B2から放電される直流電圧により、制御電源回路81が制御電源を制御回路80に供給し、放電回路73および煙感知器用電圧生成回路77が動作可能とする。
【0083】
点滅誘導音制御ユニット70は、動作信号処理回路64に入力される信号装置からの動作信号に応じて点滅および誘導音の出力を制御する。
【0084】
点滅誘導音制御ユニット70の制御回路80は、電圧検出部79により検出される電圧を監視し、煙感知器78または第2表示制御ユニット50からの誘導停止信号が入力されたか否かを判断する。
【0085】
次に、表示装置10の動作シーケンスを図8のタイミングチャートを参照して説明する。
【0086】
動作信号(信号装置)は、自動火災報知器に連動する信号装置から動作信号処理回路64,83に入力される信号であり、図8では通常時に信号「有」、火災時などの避難が必要なときに信号「無」として定義する。なお、動作信号処理回路64,83で処理した信号を入力する制御回路58,80では、動作信号処理回路64,83に対して信号「有」のときには誘導信号の入力なし、信号「無」のときには誘導信号の入力ありと判断して処理する。
【0087】
誘導停止信号(自動火災報知器接点)は、自動火災報知器から接点制御端子56に入力される信号であり、同一表示装置10内の点滅誘導音制御ユニット70の直上階制御回路84からの信号も含まれ、図8では信号なしをHigh、信号ありをLowとして定義する。
【0088】
煙感知器78は、図8では煙を感知した煙感知器78の作動時をHigh、煙を感知していない煙感知器78の作動なし時をLowとして定義する。
【0089】
誘導停止信号(直上階「点滅誘導音」停止)は、点滅誘導音制御ユニット70に接続された煙感知器78が作動した場合に直上階の表示装置10の点滅誘導音動作を停止させる信号であり、図8では通常時であって信号なし時をHigh、信号あり時をLowとして定義する。
【0090】
誘導停止信号(直上階「×」印表示)は、第2表示制御ユニット50に接続された接点制御端子56が動作した場合に直上階の表示装置10の第2表示部40で「×」印を表示させる信号であり、図8では信号なし時をHigh、信号あり時をLowとして定義する。
【0091】
そして、タイミングt1の直前において、通常時である場合、動作信号が「有」(非誘導)、誘導停止信号(自動火災報知器接点)なし、煙感知器78が作動なし、誘導停止信号(直上階「点滅誘導音」停止)および誘導停止信号(直上階「点滅誘導音」停止)なし、点滅表示部13および誘導音出力部14が停止、第2表示部40が非表示の状態にある。
【0092】
タイミングt1において、自動火災報知器からの誘導停止信号(自動火災報知器接点)が入力されると、第2表示部40で「×」印の表示を開始し、直上階の表示装置10に誘導停止信号(直上階「×」印表示)を出力する。これにより、直上階の表示装置10でも第2表示部40で「×」印を表示する。
【0093】
タイミングt2において、動作信号が「有」(非誘導)から「無」(誘導)に切り換わると、通常は点滅表示部13および誘導音出力部14が動作して積極的な避難誘導を行うが、自動火災報知器からの誘導停止信号(自動火災報知器接点)の入力が継続されているため、点滅表示部13および誘導音出力部14は動作しない。
【0094】
タイミングt3において、自動火災報知器からの誘導停止信号(自動火災報知器接点)が入力しなくなると、通常は第2表示部40の「×」印の表示を停止するが、動作信号が「無」(誘導)の状態を継続し、自動火災報知器が通常に戻っていないため、第2表示部40は「×」印を継続して表示する。
【0095】
タイミングt4において、動作信号が「無」(誘導)から「有」(非誘導)に切り換わると、自動火災報知器が通常に戻ったとして、第2表示部40の「×」印の表示を停止し、直上階への誘導停止信号(直上階「×」印表示)の出力も停止する。
【0096】
また、タイミングt5において、動作信号が「有」(非誘導)から「無」(誘導)に切り換わった場合、点滅表示部13および誘導音出力部14が動作し、点滅と誘導音によって積極的な避難誘導を行う。
【0097】
タイミングt6において、点滅表示部13および誘導音出力部14が動作しているときに、煙感知器78が煙を感知して作動すると、点滅表示部13および誘導音出力部14の動作を停止するとともに、第2表示部40で「×」印の表示を開始し、直上階の表示装置10に誘導停止信号(直上階「×」印表示)を出力する。これにより、直上階の表示装置10でも第2表示部40で「×」印を表示する。
【0098】
タイミングt7において、煙感知器78が煙を感知せず、作動しなくなると、通常は第2表示部40の「×」印の表示を停止したり、直上階への誘導停止信号(直上階「×」印表示)の出力を停止するが、動作信号が「無」(誘導)の状態を継続し、自動火災報知器が通常に戻っていないため、第2表示部の「×」印の表示を継続し、直上階への誘導停止信号(直上階「×」印表示)の出力を継続する。
【0099】
タイミングt8において、動作信号が「無」(誘導)から「有」(非誘導)に復帰すると、自動火災報知器が通常に戻ったとして、第2表示部40の「×」印の表示を停止し、直上階への誘導停止信号(直上階「×」印表示)の出力も停止する。
【0100】
また、図9には、第2表示制御ユニット50の同一処理回路で誘導信号である動作信号と誘導停止信号とを処理する場合の動作シーケンスを示す。
【0101】
タイミングt11において、動作信号が「有」(非誘導)から「無」(誘導)に切り換わると、点滅表示部13および誘導音出力部14が動作し、点滅と誘導音によって積極的な避難誘導を行う。
【0102】
タイミングt12において、動作信号が「無」(誘導)から「有」(非誘導)に切り換わると、点滅表示部13および誘導音出力部14の動作を停止する。
【0103】
タイミングt11からt12の間において、点滅表示部13および誘導音出力部14が動作している間のみ、誘導停止信号(自動火災報知器接点)の入力を処理する。点滅表示部13および誘導音出力部14が動作している間以外の期間は、誘導停止信号(自動火災報知器接点)を処理しない。
【0104】
これにより、同一処理回路で誘導信号である動作信号と誘導停止信号とを処理する場合でも両信号を処理することができる。
【0105】
そして、表示装置10では、第2表示部40の点灯表示時に、第2光源46を制御して第2表示部40の明るさを変化させるため、第2表示部40の誘目性を向上できる。
【0106】
第2表示部40の明るさの変化では、第2表示部40の点灯と消灯を繰り返すため、点灯時と消灯時との輝度差が大きく、第2表示部40の誘目性を向上できる。
【0107】
第2表示部40の明るさの変化では、第2表示部40の点灯状態を維持したまま調光制御により明と暗を繰り返す点滅とすることにより、第2表示部40の表示が消えることがなく、暗のときにも第2表示部40を表示でき、第2表示部40の誘目性を向上できる。
【0108】
第2表示部40の点滅は、第1動作時間T=50msec、第2動作時間T=450msecを基本とし、点滅表示部13の点滅について規格されている点灯時間および消灯時間と同じ時間とすることにより、第2表示部40の誘目性を向上できる。
【0109】
さらに、第2表示部40の点滅周期は、0<(n×T)/(n×T+m×T)≦0.5の範囲内にあることにより、点滅が知覚しやすい点滅周期とすることができ、その点滅の中でも点滅による不快感を与えやすい点灯周期とすることによってより知覚しやすくし、誘目性を向上できる。
【0110】
あるいは、第2表示部40の点滅周期は、0.5≦(n×T)/(n×T+m×T)<1.0の範囲内にあることにより、点滅が知覚しやすい点滅周期とすることができ、その点滅の中でも点滅による不快感を与えやすい点灯周期とすることによってより知覚しやすくし、誘目性を向上できる。
【0111】
また、表示装置10では、第1表示部30および第2表示部40を同時に表示した際に、第2表示部40の第2表示パターン44は有彩色を維持されるように構成されているため、第2表示部40の視認性、誘目性を向上できる。
【0112】
さらに、第1表示部30および第2表示部40を同時に表示した際に、第1表示部30の第1表示パターン34と重なって第2表示部40の第2表示パターン44が無彩色になる場合には、第1表示部30の第1表示パターン34と重なって第2表示部40の第2表示パターン44が無彩色になる領域の明るさをA、第1表示部30のみ表示した場合の第1表示パターン34の無彩色の領域の明るさをBとすると、A>Bの関係にあることにより、第2表示部40の視認性、誘目性を向上できる。すなわち、A>Bの関係では、第2表示パターン44の「×」印の赤色(+第1表示部30の白色)>無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)>第1表示部30の白色>第1表示部30の緑色、の関係となる。これにより、第2表示パターン44の無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)と第1表示部30の白色との明るさが異なることでコントラストが明確になるため、第2表示パターン44の「×」印の表示の視認性、誘目性を向上できる。
【0113】
あるいは、場合によっては、A<Bの関係でも第2表示部40の視認性、誘目性を向上できる。A<Bの関係では、第2表示パターン44の「×」印の赤色(+第1表示部30の白色)>第1表示部30の白色>無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)>第1表示部30の緑色、の関係となる。この場合、第1表示部30の緑色の透過率を低くするなどして緑色の明るさを低下させることなどで実現できる。このようにした場合にも、第2表示パターン44の無彩色(第2表示パターン44の「×」印の赤色+第1表示部30の緑色)と第1表示部30の白色との明るさが異なることでコントラストが明確になるため、第2表示パターン44の「×」印の表示の視認性、誘目性を向上できる。
【0114】
そして、このような構成の第2表示部40の表示とすることで、安全な避難経路か否かを避難者に対してより強調して表示することが可能となる。
【0115】
また、表示装置10では、誘導信号を入力した際に点滅表示部13を点滅および誘導音出力部14から誘導音を出力させ、誘導停止信号を入力した際に、点滅表示部13の点滅および誘導音出力部14からの誘導音の出力を停止させことに加えて、誘導表示する第1表示部30の投影面上に配置された第2表示部で誘導停止表示することにより、誘導を停止できる。
【0116】
誘導停止信号を入力して第2表示部40を表示させている状態で誘導信号を入力しても、点滅表示部13および誘導音出力部14の停止状態を継続するとともに第2表示部の表示を継続することにより、誘導の停止状態を維持できる。
【0117】
誘導停止信号を入力して第2表示部40を表示させかつ誘導信号を入力している状態で誘導停止信号を入力しなくなっても、自動火災報知器が通常に戻っていないので、第2表示部40の表示を継続できる。さらに、誘導停止信号および誘導信号を入力しなくなった際には、第2表示部40の表示を停止させることができる。
【0118】
なお、表示装置は、誘導灯に限らず、例えばゲート等での人や車両の進入可、進入禁止を表示する表示装置等にも適用できる。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
10 表示装置
30 第1表示部
40 第2表示部
44 表示パターンとしての第2表示パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9