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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20241030BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20241030BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241030BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20241030BHJP
【FI】
F21S9/02 214
F21V33/00 430
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021206073
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091367
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2024-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】閨谷 渉
(72)【発明者】
【氏名】冨山 和也
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-191228(JP,A)
【文献】特開2021-106116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21V 33/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する長尺状の器具本体と;
前記器具本体の前記開口部側から見た正面視において前記器具本体の長手方向の一端側に固定されるスピーカーと;
前記器具本体の前記開口部側から見た正面視において前記器具本体の前記長手方向の他端側に配置される着脱可能な電池と;
前記器具本体の前記開口部側から見た正面視において前記器具本体の前記長手方向の他端側に配置される非常用光源と;
前記器具本体の前記開口部を覆う化粧枠と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記スピーカーの設定を切り換える操作部を有し、前記器具本体の前記開口部側から見た正面視において前記器具本体の前記長手方向の他端側に配置される制御ユニットを備える
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記器具本体の前記開口部側から見た正面視において、前記電池は、前記器具本体の前記長手方向に交差する短手方向の一側に配置され、前記制御ユニットの前記操作部は、前記器具本体の前記短手方向の他側に配置される
ことを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記器具本体の前記開口部側から見た正面視において前記電池が配置される前記器具本体の前記短手方向の一側に配置され、前記電池と接続する接続部を有する
ことを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【請求項5】
前記非常用光源は、前記化粧枠に固定される
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常用光源およびスピーカーと電池とを備えた例えば誘導音付加点滅装置などの照明装置が知られている。電池は、器具本体内に配置され、器具本体の一面の開口部を通じて交換可能となっているが、器具本体の開口部側にスピーカーが固定されていると、スピーカーを器具本体から取り外さなければ、交換することができない場合があり、電池の交換作業に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-129302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、電池の交換作業性を向上できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の照明装置は、器具本体と、スピーカーと、電池と、非常用光源と、化粧枠と、を備える。器具本体は、長尺状で、開口部を有する。スピーカーは、器具本体の開口部側から見た正面視において器具本体の長手方向の一端側に固定される。電池は、器具本体の開口部側から見た正面視において器具本体の長手方向の他端側に着脱可能に配置される。非常用光源は、器具本体の開口部側から見た正面視において器具本体の長手方向の他端側に配置される。化粧枠は、器具本体の開口部を覆う。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の照明装置によれば、電池の交換作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の器具本体から化粧枠を外した斜視図である。
図3】同上器具本体を開口部側から見る正面視である底面図である。
図4】同上器具本体の端面部を省略した端面図である。
図5】同上器具本体の他側の側面部を省略した側面図である。
図6】同上器具本体の一側の側面部を省略した斜視図である。
図7】同上器具本体に対するスピーカーの固定構造を示す斜視図である。
図8】同上化粧枠に配置される部品を示す斜視図である。
図9】同上器具本体に対する電池の着脱動作を示す端面部を省略した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
図1に照明装置10を示す。照明装置10は、避難経路を表示する誘導灯に対応した場所に設置され、避難誘導時に点滅と音声案内によって積極的な避難誘導を行う誘導音付加点滅装置である。照明装置10は、被設置面である天井面に設けられた埋込開口に埋め込み設置される埋込形の誘導音付加点滅装置である。
【0010】
図1ないし図9に照明装置10の構造を示す。照明装置10は、器具本体11と、この器具本体11に着脱可能に取り付けられる化粧枠12と、器具本体11に固定されるスピーカー13と、化粧枠12に固定される非常用光源ユニット14と、器具本体11に配置される端子台ユニット15と、器具本体11に配置される制御ユニット16と、器具本体11に配置される動作確認スイッチ部17と、器具本体11に配置される着脱可能な電池18と、を備えている。
【0011】
また、器具本体11は、長尺状であり、一面側である下面側(正面側または前面側)に長方形状の開口部20を有する長方形箱状に形成されている。
【0012】
器具本体11は、開口部20に対向する上面部である長方形状の背面部21と、開口部20と背面部21との間で器具本体11の長手方向に交差する短手方向(第1方向)の両側にそれぞれ配置される第1側面部である一側の側面部22aおよび第2側面部である他側の側面部22bと、開口部20と背面部21との間で器具本体11の長手方向(第1方向に交差する第2方向)の両側にそれぞれ配置される端面部23とを有し、下面側が開口された長方形箱状に形成されている。背面部21と他側の側面部22bとは一体に折曲形成され、一側の側面部22aは別体で背面部21に固定され、各端面部23は別体で背面部21および側面部22a,22bに固定されている。
【0013】
器具本体11は、天井面の埋込開口に埋め込まれ、天井面上の天井裏空間を利用して配置されるため、器具本体11の埋め込み方向の奥行寸法つまり高さ寸法を比較的大きくすることが可能で、器具本体11の高さ寸法が短手方向の幅寸法よりも大きく設けられている。側面部22a,22bには、器具本体11の埋込時に天井面に係合するフランジ部24が設けられている。
【0014】
器具本体11の側面部22a,22bには、側面部22a,22bの長手方向の一端側で開口部20に近い下部側に、スピーカー13を固定するための複数の固定金具25が取り付けられている。
【0015】
器具本体11の背面部21には、背面部21の長手方向の両端に一対の取付孔26が設けられ、背面部21の長手方向の一端側に複数であって例えば3つの配線孔27が背面部21の長手方向に並んで設けられている。取付孔26は器具本体11の長手方向に長い長孔に形成されており、器具本体11を設置する際に天井側から突出する吊ボルトが取付孔26に挿通され、挿通された吊ボルトに螺合されるナットによって器具本体11が天井面に締め上げられて固定される。配線孔27には、外部から器具本体11内に引き込まれる電源線や信号線が挿通される。配線孔27には、挿通される電源線や信号線を保護する環状のブッシュ28が取り付けられている。配線孔27を複数設けることで、電源系と信号系とを分けて配線することが可能となっている。
【0016】
器具本体11の両端の端面部23には、化粧枠12を取り付けるためのばね受部29が設けられている。
【0017】
また、図2および図8に示すように、化粧枠12は、器具本体11の開口部20を覆って器具本体11に着脱可能に取り付けられる。化粧枠12は、長方形状の前面部31と、この前面部31の周囲に設けられた枠部32と、を備えている。化粧枠12の背面側で長手方向の両端にばね取付金具33が取り付けられ、このばね取付金具33に取付ばね34が取り付けられている。取付ばね34は、中央がコイル状に屈曲されるとともに両端部が突出されたV字ばねであり、コイル部分がばね取付金具33に取り付けられ、両端部が互いに開く方向に弾性を有している。取付ばね34の両端部の先端側が器具本体11のばね受部29に引っ掛けられ、化粧枠12が器具本体11に向けて押し上げられることにより、取付ばね34の弾性により化粧枠12が引き上げられて器具本体11に取り付けられるように構成されている。
【0018】
化粧枠12の前面部31には、長手方向の一端側にスピーカー13が挿通する挿通口35が形成され、他端側に非常用光源ユニット14が配置される光源用窓36と動作確認スイッチ部17が配置される動作確認用窓37とが設けられている。光源用窓36は前面部31の短手方向の中央に配置され、動作確認用窓37は前面部31の短手方向の一側に寄った位置に配置されている。
【0019】
化粧枠12の前面部31の背面側には、化粧枠12の短手方向の両側位置に、化粧枠12の長手方向に沿って長い一対の補強金具38が固定されている。一対の補強金具38は、化粧枠12を補強するとともに、化粧枠12が器具本体11に組み合された際に両側の側面部22a,22bの内側に進入して位置決めするように構成されている。
【0020】
また、図1ないし図7に示すように、スピーカー13は、避難誘導時に例えば「非常口はこちらです」などの音声案内を出力する音声出力部である。スピーカー13は、器具本体11の開口部20側から見た正面視において(図3などを参照)器具本体11の長手方向の一端側に固定されている。なお、器具本体11の長手方向の一端側または他端側については、長手方向の中央よりもそれぞれ長手方向の一端側または他端側の場合、長手方向の中央を含む長手方向の一端側と残りの他端側、または長手方向の中央を含む他端側と残りの一端側の場合などが含まれる。
【0021】
スピーカー13は、スピーカーボックス40と、このスピーカーボックス40内に配置され、音声や音を出力するスピーカー本体と、を備えている。スピーカーボックス40は、例えば直方体形状に形成され、面積が最も広い主面である両側のボックス側面41が器具本体11の両側の側面部22a,22bと平行状となるように器具本体11に配置されている。両側のボックス側面41には、ボックス開口42が設けられ、このボックス開口42にスピーカー本体から出力される音声や音が通過するスピーカーカバー43が配置されている。スピーカーボックス40の上部側には固定部材44が固定され、この固定部材44が器具本体11の複数の固定金具25に対して複数のねじ45で固定されている。
【0022】
スピーカー13は、上部側が器具本体11の開口部20内に配置され、下部側が器具本体11の開口部20から下方に突出されている。
【0023】
また、図1および図2に示すように、非常用光源ユニット14は、器具本体11の開口部20側から見た正面視において器具本体11の長手方向の他端側に配置される。非常用光源ユニット14は、光源用窓36の位置に対応して化粧枠12の背面側に固定されている。非常用光源ユニット14は、点滅光源である非常用光源47を備えている。非常用光源47は、例えば、基板にLEDや有機ELなどの半導体発光素子を実装した発光モジュールが用いられる。非常用光源ユニット14からは非常用光源47に電気的に接続された光源配線が引き出され、この光源配線が制御ユニット16と電気的に接続される。
【0024】
図8に示すように、非常用光源ユニット14は、非常用光源47を配置する放熱板48と、非常用光源47の光を制光するレンズ49と、このレンズ49を保持するレンズ押え50と、非常用光源ユニット14を化粧枠12に取り付ける取付部材51と、を備えている。レンズ49は、前面側に突出する凸レンズ状に形成されている。レンズ押え50は、レンズ49を保持し、放熱板48に取り付けられている。取付部材51は、略L字形に形成されており、放熱板48を支持し、化粧枠12の背面側で光源用窓36の側部に固定される。そして、非常用光源ユニット14は光源用窓36の位置に対応して化粧枠12の背面側に固定され、レンズ49が光源用窓36から化粧枠12の前方である下方に突出されている。
【0025】
また、図4ないし図6に示すように、端子台ユニット15は、器具本体11の開口部20側から見た正面視においてスピーカー13が固定される器具本体11の長手方向の一端側に配置されている。端子台ユニット15は、器具本体11の長手方向の一端側において、器具本体11の配線孔27の下方かつスピーカー13の上方の位置で、他側の側面部22bに固定されている。
【0026】
端子台ユニット15は、複数の端子台53と、複数の端子台53を一体に取り付けた端子台取付金具54と、を備えている。
【0027】
端子台53には、電源端子台53aと、2つの信号端子台53b,53cと、が含まれている。端子台53は、上部側に外部接続部が設けられ、下部側に内部接続部が設けられている。端子台53の外部接続部には、外部から配線孔27を通じて器具本体11内に引き込まれる電源線や信号線などの外部配線が挿入接続され、また、端子台53の内部接続部には、制御ユニット16と接続する内部配線がそれぞれ挿入接続される。
【0028】
端子台取付金具54は、複数の端子台53を一体に取り付け、略L字状に折曲された両端部が他側の側面部22bにねじ止め固定されている。端子台取付金具54は、複数の端子台53が他側の側面部22bの長手方向に1列状に並ぶように配置する。
【0029】
そして、電源端子台53aの外部接続部には、例えば商用交流電源などの外部電源からの電源線が接続される。一方の信号端子台53bの外部接続部には、火災報知器に連動する信号装置からの動作信号を伝送する信号線と、信号装置からの音声停止信号を伝送する信号線とが接続される。他方の信号端子台53cの外部接続部には、制御ユニット16から直上階の誘導音付加点滅装置または点滅装置や誘導灯に誘導停止信号を出力するための信号線と、直下階の誘導音付加点滅装置または点滅装置や誘導灯からの誘導停止信号を入力するための信号線、および避難誘導先に設置される煙感知器からの感知信号を入力するための信号線が挿入接続される。
【0030】
これら電源端子台53aおよび信号端子台53b,53cは、各配線孔27の1つずつにそれぞれ対応して配置されている。電源端子台53aおよび信号端子台53b,53cの各外部接続部は、対応する各配線孔27にそれぞれ対向され、各配線孔27を挿通された電線線および信号線をそれぞれ容易に挿入接続可能としている。
【0031】
また、図3ないし図6に示すように、制御ユニット16は、器具本体11の開口部20側から見た正面視において非常用光源47が配置される器具本体11の長手方向の他端側に配置されている。制御ユニット16は、器具本体11の長手方向の他端側で、器具本体11の背面部21に固定されている。
【0032】
制御ユニット16は、ケース56と、このケース56内に収納された制御基板57と、を備えている。ケース56は、収納する制御基板57の面に垂直な方向の高さ寸法が小さい薄形の略長方形箱状に形成されており、制御基板57の面が器具本体11の背面部21と平行状となるように器具本体11の背面部21に固定されている。
【0033】
制御ユニット16には、一側の側面部22aに対向する一側部に、複数のコネクタ58が制御基板57に実装されて配置され、また、他側の側面部22bに対向する他側部に、複数のコネクタ59が制御基板57に実装されて配置されている。これらコネクタ58,59は器具本体11の開口部20に対向され、コネクタ58,59に対する接続方向が器具本体11の開口部20側からとなっている。
【0034】
一側のコネクタ58には、一側の側面部22aに配置される動作確認スイッチ部17および電池18との内部配線がそれぞれ接続される。これら動作確認スイッチ部17および電池18との内部配線は、一側の側面部22aに取り付けられた配線押え部材などによって一側の側面部22aに沿って配置される。さらに、他側のコネクタ59には、他側の側面部22bに配置される各端子台53との内部配線がそれぞれ接続される。この各端子台53との内部配線は、他側の側面部22bに取り付けられた配線押え部材などによって他側の側面部22bに沿って配置される。また、コネクタ58,59のいずれかには、スピーカー13および非常用光源47との内部配線がそれぞれ接続される。非常用光源47との内部配線の先端には光源コネクタを有し、非常用光源47からの光源配線の先端に有する光源コネクタと着脱可能に接続される。
【0035】
一側のコネクタ58のうちの電池18が接続されるコネクタ58は、器具本体11の開口部20側から見た正面視において電池18が配置される器具本体11の短手方向の一側に配置され、電池18と接続する接続部58aとして構成されている。したがって、制御ユニット16の接続部58aが一側の側面部22a側に配置されるため、一側の側面部22a側に配置される電池18とともに、接続部58aと電池18とを接続する配線(電池配線62)が一側の側面部22a側にまとまって配置され、他側の側面部22bとの間に電池交換可能なスペース(作業スペース75)が確保される。
【0036】
制御ユニット16は、常時には外部電源から供給される電力により動作し、停電時には電池18から供給される電力により動作する。
【0037】
制御ユニット16は、常時モードと、避難誘導時に非常用光源47を点滅動作させるとともにスピーカー13から音声案内を出力する非常時モードと、を有している。常時モードは、非火災時に、信号装置からの動作信号の入力状態に応じて該モードとなり、非常用光源47を消灯するとともにスピーカー13からの音声案内を停止し、外部電源により電池18を充電する。また、非常時モードは、火災時に、信号装置からの動作信号の入力状態の変化に応じて該モードに切り換わり、電池18の電力により非常用光源47を点滅させるとともにスピーカー13から例えば「非常口はこちらです」などの音声案内を出力し、直上階の誘導音付加点滅装置または点滅装置や誘導灯に誘導停止信号を出力する。また、非常時モード時において、直下階の誘導音付加点滅装置または点滅装置や誘導灯からの誘導停止信号や避難誘導先に設置される煙感知器からの感知信号を入力すると、非常用光源47を消灯するとともにスピーカー13からの音声案内を停止する。
【0038】
制御ユニット16には、他側の側面部22bに対向する他側部に、スピーカー13の設定を切り換える切換スイッチの操作部60が突設されている。切換スイッチは制御基板57に実装されている。スピーカー13の設定は、例えば、日本語と英語との言語の切り換え設定である。操作部60は、制御ユニット16の長手方向にスライドさせることで、スピーカー13の設定を切り換えることが可能となっている。また、このスピーカー13の設定は、例えば、スピーカー13から出力される音声の音量を調整可能なものであってもよい。制御ユニット16と他側の側面部22bとの間には、指を差し入れて操作部60を操作可能とする間隙が空けられている。
【0039】
制御ユニット16の制御基板57は、動作確認スイッチ部17の操作に基づく信号により、電池18の電力により非常用光源47およびスピーカー13を強制的に動作させて動作確認する点検回路が設けられている。
【0040】
また、図2ないし図7に示すように、動作確認スイッチ部17は、器具本体11の開口部20側から見た正面視において非常用光源47が配置される器具本体11の長手方向の他端側に配置されている。動作確認スイッチ部17は、器具本体11の長手方向の他端側で、器具本体11の短手方向の一側の側面部22aに固定されている。
【0041】
動作確認スイッチ部17は、器具本体11の前面側に化粧枠12が取り付けられることで動作確認用窓37に対向される。
【0042】
動作確認スイッチ部17は、動作確認時に操作される動作確認スイッチ、電池18の状態に応じて点灯、点滅、消灯するモニターランプなどを備えている。そして、動作確認スイッチ部17は、外部から操作されている間、制御ユニット16の点検回路が電池18の電力により非常用光源47を点滅させるとともにスピーカー13から音声案内を出力させ、電池18の電力により非常用光源47およびスピーカー13が正常に動作するか否かを確認可能とする。
【0043】
また、図2ないし図7、および図9に示すように、電池18は、器具本体11の開口部20側から見た正面視において非常用光源47が配置される器具本体11の長手方向の他端側に着脱可能に配置されている。電池18は、器具本体11の長手方向の他端側に配置される制御ユニット16と動作確認スイッチ部17との間で、器具本体11の一側の側面部22a側に着脱可能に配置されている。
【0044】
電池18は、充放電可能な二次電池が用いられている。電池18は、細長い直方体形状に形成され、長手方向の一端側から制御ユニット16に接続される電池配線62が引き出されている。電池配線62の先端には電池コネクタ63が設けられ、この電池コネクタ63が制御ユニット16の一側に配置される接続部58aに着脱可能に接続される。
【0045】
電池18は、その長手方向が器具本体11の長手方向に沿う姿勢で、器具本体11の一側の側面部22aに設けられた電池配置部65に着脱可能に配置される。電池配置部65は、器具本体11の長手方向の他端側に配置される制御ユニット16と動作確認スイッチ部17との間で、器具本体11の一側の側面部22a側に設けられている。
【0046】
電池配置部65は、電池18を保持するための保持部材66と押え部材67によって囲まれる空間に形成されている。
【0047】
保持部材66は、板金によって一体に折曲形成されている。保持部材66は、器具本体11の一側の側面部22aに固定される固定板部68と、この固定板部68の上側および下側から器具本体11の他側の側面部22bに向けて折曲されて器具本体11の開口部20または背面部21と略平行状に対向される上側板部69および下側板部70と、器具本体11の長手方向に対応した下側板部70の両端から上方に向けて折曲されて器具本体11の端面部23と略平行状に対向される端板部71と、を備えている。
【0048】
保持部材66の固定板部68と上側板部69と下側板部70と両端の端板部71との間に、電池18の長手方向が器具本体11の長手方向に沿う姿勢で着脱可能に配置される電池配置部65の空間が形成されている。さらに、上側板部69と下側板部70と両端の端板部71との間で、かつ固定板部68に対して反対側の領域に、電池配置部65の開放領域72が形成されており、この開放領域72を通じて電池18がその長手方向に交差する方向への移動で電池配置部65に対して着脱可能としている。上側板部69には、開放領域72の長手方向の中央の上方位置に、ねじスタッド73が固定されている。
【0049】
押え部材67は、開放領域72に着脱可能に配置され、電池配置部65内に電池18を押える。押え部材67は、保持部材66のねじスタッド73に対して着脱可能とする。押え部材67は、手動操作またはマイナスドライバーなどの工具でねじスタッド73に対して回動可能な螺合部品であって、棒状の飾りナットである。なお、螺合部品としては、ねじスタッド73に代えて上側板部69に設けられるねじ孔に螺合するねじやボルトなどでもよい。
【0050】
器具本体11の長手方向の他端側には、一側の側面部22aに配置される動作確認スイッチ部17、電池18および電池配置部65と、他側の側面部22bと、背面部21に配置される制御ユニット16との間に、開口部20に連通する作業スペース75が形成されている。作業スペース75には、電池配置部65の開放領域72が連通されている。
【0051】
次に、このように構成された照明装置10を施工するには、器具本体11から化粧枠12およびスピーカー13が外された状態で、天井面の埋込開口に導かれている電源線や信号線を配線孔27から器具本体11内に引き込む。
【0052】
器具本体11を天井面の埋込開口に挿入し、器具本体11の長手方向の両端の取付孔26に天井からの吊ボルトを通し、通した吊ボルトにナットを螺合して器具本体11を締め上げることにより、器具本体11のフランジ部24が天井面に当接した状態に取り付ける。
【0053】
このとき、器具本体11の長手方向の一端側では、他側の側面部22bに端子台53が配置されているが、一側の側面部22aには何も配置されておらず、他側の側面部22bの端子台53と一側の側面部22aとの間のスペースを通じて、取付孔26に通した吊ボルトにナットを螺合して器具本体11を締め上げる作業を容易に行うことができる。また、器具本体11の長手方向の他端側では、一側の側面部22aに動作確認スイッチ部17および電池18が配置されているが、他側の側面部22bには何も配置されておらず、一側の側面部22aの動作確認スイッチ部17および電池18と他側の側面部22bとの間のスペースを通じて、取付孔26に通した吊ボルトにナットを螺合して器具本体11を締め上げる作業を容易に行うことができる。
【0054】
配線孔27から引き込んだ電源線を電源端子台53aに接続し、各信号線を対応する信号端子台53b,53cに接続する。
【0055】
このとき、器具本体11の長手方向の一端側において、器具本体11に配線孔27が設けられているとともに、配線孔27の下側位置に対応して端子台53が配置されているため、配線孔27から引き込んだ電源線や信号線を端子台53に接続しやすく、さらに、器具本体11の長手方向の一端側において、他側の側面部22bに端子台53が配置され、一側の側面部22aには何も配置されていないため、端子台53と一側の側面部22aとの間のスペースを通じて配線作業を容易にできる。
【0056】
しかも、複数の配線が接続される端子台53が電池18とは反対側(長手方向の一端側)に配置されることで、電池交換の作業時に配線が邪魔になることを防ぐことができる。
【0057】
さらに、器具本体11とスピーカー13との空間(図6の器具本体11の右側の空間)に端子台53が配置されるため、例えば端子台53に接続される配線が長い場合、この空間に配線をまとめることで、電池交換時に配線が邪魔になることを防ぐことができる。
【0058】
また、電池18の放電防止のために、電池18が制御ユニット16から外されている場合には、電池18から引き出されている電池配線62の電池コネクタ63を制御ユニット16の接続部58aに接続する。
【0059】
スピーカー13をねじ45で器具本体11の固定金具25に取り付け、スピーカー13を器具本体11の長手方向の一端側に固定する。スピーカー13からの配線を制御ユニット16に接続する。
【0060】
化粧枠12に一端が連結された落下防止紐を器具本体11に取り付け、化粧枠12の挿通口35にスピーカー13を挿通し、化粧枠12の長手方向両端の取付ばね34を器具本体11の長手方向両端のばね受部29に引っ掛ける。化粧枠12が落下防止紐または取付ばね34を介して器具本体11に吊り下げられた状態で、化粧枠12と器具本体11との間を通じて、化粧枠12に配置されている非常用光源ユニット14の非常用光源47からの光源配線と制御ユニット16からの光源配線とをコネクタ接続する。その後、化粧枠12を押し上げることにより、取付ばね34の弾性で化粧枠12を器具本体11に引き上げ、施工完了となる。
【0061】
そして、照明装置10は、非火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの動作信号の入力状態に応じて、制御ユニット16の動作モードが常時モードで動作する。常時モードでは、非常用光源47を消灯するとともにスピーカー13からの音声案内を停止し、外部電源により電池18を充電する。
【0062】
一方、照明装置10は、火災時、施設の自動火災報知機に連動する信号装置からの動作信号の入力状態の変化に応じて、制御ユニット16の動作モードが非常時モードに切り換わる。非常時モードでは、電池18の電力により非常用光源47を点滅させるとともにスピーカー13から例えば「非常口はこちらです」などの音声案内を出力させ、避難誘導を行う。また、非常時モード時に、直下階の誘導音付加点滅装置または点滅装置や誘導灯からの点滅停止信号や避難誘導先に設置される煙感知器からの感知信号が入力されると、非常用光源47を消灯するとともにスピーカー13からの音声案内を停止し、避難誘導を停止する。
【0063】
また、照明装置10の前面側から動作確認スイッチ部17の動作確認スイッチを操作することにより、その動作確認スイッチが操作されている間、制御ユニット16が電池18の電力により非常用光源47を点滅させるとともにスピーカー13から音声案内を出力させるため、電池18の電力により非常用光源47およびスピーカー13が正常に動作するか否かを確認できる。
【0064】
また、電池18の交換時期、または動作確認スイッチ部17のモニターランプの状態に応じて、電池18の交換作業を行う。電池18を交換する場合には、化粧枠12を取付ばね34の付勢に抗して引き下げ、化粧枠12に配置されている非常用光源ユニット14の非常用光源47からの光源配線と制御ユニット16からの光源配線とのコネクタ接続を外す。取付ばね34を器具本体11のばね受部29から外し、化粧枠12を器具本体11から取り外し、化粧枠12を落下防止紐で器具本体11に吊り下げる。
【0065】
化粧枠12を器具本体11から取り外すことで、器具本体11の長手方向の他端側に配置される非常用光源ユニット14が化粧枠12と一体に取り外されるため、器具本体11の開口部20の一端側にはスピーカー13が配置されたまま、器具本体11の開口部20の他端側が開放される。
【0066】
図9に示すように、器具本体11の開口部20から押え部材67を手動操作またはマイナスドライバーなどの工具で回動させてねじスタッド73から外し、電池配置部65の開放領域72を開放する。電池18の電池配線62の電池コネクタ63を制御ユニット16の接続部58aから外し、電池18を電池配置部65から開放領域72を通じて作業スペース75に移動させ、開口部20を通じて器具本体11から取り外す。なお、電池18を電池配置部65から取り外した後に、電池コネクタ63を制御ユニット16の接続部58aから外してもよい。
【0067】
交換する新しい電池18を開口部20から器具本体11の作業スペース75に挿入し、電池18を作業スペース75から開放領域72を通じて電池配置部65に移動させる。押え部材67を、ねじスタッド73に手動操作またはマイナスドライバーなどの工具で回動させて取り付け、電池配置部65の開放領域72に配置する。電池18の電池配線62の電池コネクタ63を制御ユニット16の接続部58aに接続する。なお、電池18の電池配線62の電池コネクタ63を制御ユニット16の接続部58aに接続した後、電池18を電池配置部65に配置してもよい。
【0068】
その後、上述した施工時のように、化粧枠12を器具本体11に取り付けることにより、電池18の交換作業が完了する。
【0069】
また、動作確認スイッチ部17を操作し、スピーカー13から出力される音声案内の言語の設定が間違っていることが確認された場合、言語の設定を切り換え操作する。これは、上述した電池交換と同様に、化粧枠12を外し、開口部20を通じて制御ユニット16の操作部60を操作する。
【0070】
このとき、器具本体11の長手方向の他端側において、一側の側面部22aには電池18が配置されるが、他側の側面部22bには何も配置されず、他側の側面部22b側に制御ユニット16の操作部60が配置されるため、一側の側面部22aの電池18と他側の側面部22bとの間の作業スペース75を通じて、操作部60の操作を容易にできる。
【0071】
操作部60を切り換え操作した後、動作確認スイッチ部17を操作し、スピーカー13から出力される音声案内の言語の設定を確認してもよい。切り換え操作後は、化粧枠12を元に戻す。
【0072】
このように構成された照明装置10では、器具本体11の開口部20側から見た正面視において、器具本体11の長手方向の一端側にスピーカー13が固定されているが、器具本体11の長手方向の他端側に電池18が配置されるため、器具本体11の長手方向の他端側に電池18を交換するための作業スペース75を確保でき、器具本体11に固定されているスピーカー13を外さずに電池18の交換を行え、電池18の交換作業性を向上できる。
【0073】
また、器具本体11の開口部20側から見た正面視において、器具本体11の長手方向の一端側にスピーカー13が固定されているが、器具本体11の長手方向の他端側に制御ユニット16が配置されるため、器具本体11の長手方向の他端側に制御ユニット16が備える操作部60を操作するための作業スペース75を確保でき、器具本体11に固定されているスピーカー13を外さずに操作部60を操作してスピーカー13の設定を切り換えることができ、作業性を向上できる。
【0074】
さらに、器具本体11の開口部20側から見た正面視において、電池18は器具本体11の短手方向の一側に配置され、制御ユニット16の操作部60は器具本体11の短手方向の他側に配置されるため、電池18の交換用と操作部60の操作用との両方の作業スペース75を確保でき、作業性を向上できる。
【0075】
また、器具本体11の開口部20側から見た正面視において、電池18と接続する制御ユニット16の接続部58aが、電池18が配置される器具本体11の短手方向の一側に配置されるため、一側の側面部22a側に、電池18と、接続部58aと電池18とを接続する電池配線62とがまとまって配置され、他側の側面部22bとの間に電池18の交換と操作部60の操作とが可能な作業スペース75を確保でき、作業性を向上できる。
【0076】
また、非常用光源47を含む非常用光源ユニット14が化粧枠12に固定されるため、化粧枠12と一緒に非常用光源47を含む非常用光源ユニット14を器具本体11から取り外すことができ、器具本体11の開口部20の他端側を開放して電池18の交換のための作業スペース75を確保でき、作業性を向上できる。
【0077】
なお、非常用光源47を含む非常用光源ユニット14は、器具本体11側に取り付けられていてもよい。例えば、非常用光源47を含む非常用光源ユニット14は、器具本体11の側面部22a,22bや端面部23に固定されたブラケットによって器具本体11側に取り付けられていてもよく、あるいはスピーカー13と一緒に器具本体11側に取り付けられていてもよい。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10 照明装置
11 器具本体
12 化粧枠
13 スピーカー
16 制御ユニット
18 電池
20 開口部
47 非常用光源
58a 接続部
60 操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9