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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
E03D9/08 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023026463
(22)【出願日】2023-02-22
(65)【公開番号】P2024119505
(43)【公開日】2024-09-03
【審査請求日】2024-07-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】初田 一晃
(72)【発明者】
【氏名】井手 涼樹
(72)【発明者】
【氏名】作本 展威
(72)【発明者】
【氏名】高祖 慎一
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-172282(JP,A)
【文献】特開2007-32273(JP,A)
【文献】特開2001-102159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部洗浄のための洗浄水を吐出するノズルと、
給水源から前記ノズルに向けて流れる前記洗浄水の流路を有する流路部材と、
前記洗浄水を加熱する熱交換器と、
前記流路部材に設けられ接地部を有する金属板と、
を備え、
前記流路部材は、
前記金属板の表面に設けられる第1部位と、
前記金属板の裏面に設けられる第2部位と、
を有し、
前記金属板は、前記第1部位と前記第2部位との間で前記洗浄水が流れる貫通孔を有し、
前記洗浄水は、前記金属板の前記表面と前記裏面との両方に接触することを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記金属板の前記表面に接触する前記洗浄水の接触面積と、前記金属板の前記裏面に接触する前記洗浄水の接触面積と、の合計面積は、前記貫通孔の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記貫通孔の面積は、3.14mm以上となっていることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記金属板は、前記貫通孔の周囲を取り囲む突出部を有することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記突出部は、前記洗浄水が流れる方向に向けて突出していることを特徴とする請求項4に記載の衛生洗浄装置。
【請求項6】
前記貫通孔は、
前記洗浄水が前記金属板の前記表面から前記裏面に向けて流れる第1貫通孔と、
前記洗浄水が前記金属板の前記裏面から前記表面に向けて流れる第2貫通孔と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項7】
前記第1貫通孔の孔径は、前記第2貫通孔の孔径と異なっていることを特徴とする請求項6に記載の衛生洗浄装置。
【請求項8】
前記流路部材は、樹脂材料からなり、
前記貫通孔は、
前記金属板の内側に位置する第1貫通孔と、
前記金属板の端部側に位置する第2貫通孔と、
を有し、
前記第1貫通孔の全周は、金属となっており、
前記第2貫通孔の全周は、
前記金属板の端面である金属面と、
前記金属面に連続し、前記流路部材の内面である樹脂面と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項9】
前記第1部位および前記第2部位の少なくとも一方と、前記金属板と、の間には、前記洗浄水の流れを整流するリブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項10】
前記流路部材および前記金属板は、前記洗浄水の流れる方向で前記熱交換器よりも上流側に設けられ、
前記金属板は、電子部品が取り付けられる取付部を有することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
局部洗浄を行うための洗浄水の流路に導電部材を設け、この導電部材にアース線を接続させた衛生洗浄装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-172282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流路内を流れる洗浄水に発生した気泡や絶縁異物(スケールや不純物)などが導電部材に付着すると、アースの接地機能が低減するおそれがある。
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、安定した接地機能を備えた衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、局部洗浄のための洗浄水を吐出するノズルと、給水源から前記ノズルに向けて流れる前記洗浄水の流路を有する流路部材と、前記洗浄水を加熱する熱交換器と、前記流路部材に設けられ接地部を有する金属板と、を備え、前記流路部材は、前記金属板の表面に設けられる第1部位と、前記金属板の裏面に設けられる第2部位と、を有し、前記金属板は、前記第1部位と前記第2部位との間で前記洗浄水が流れる貫通孔を有し、前記洗浄水は、前記金属板の前記表面と前記裏面との両方に接触することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0007】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄水と金属板との接触面積が大きくなるので、例えば金属板の一部に気泡や絶縁異物が付着しても、洗浄水と金属板との接触部分を確保させることができる。また、貫通孔内は、洗浄水の流速が速くなるので、絶縁異物の付着を抑制できる。その結果、安定した接地機能とすることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記金属板の前記表面に接触する前記洗浄水の接触面積と、前記金属板の前記裏面に接触する前記洗浄水の接触面積と、の合計面積は、前記貫通孔の面積よりも大きいことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0009】
この衛生洗浄装置によれば、金属板と洗浄水との接触面積が大きくなるので、安定した接地機能とすることができる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、前記貫通孔の面積は、3.14mm以上となっていることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0011】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄水を円滑に流すことができる。その結果、ノズルから吐出される洗浄水の流量を安定させることができる。
【0012】
第4の発明は、第1の発明において、前記金属板は、前記貫通孔の周囲を取り囲む突出部を有することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0013】
この衛生洗浄装置によれば、貫通孔の流路長さを長くすることができるので、より安定した接地機能とすることができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記突出部は、前記洗浄水が流れる方向に向けて突出していることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0015】
この衛生洗浄装置によれば、突出部により洗浄水の流れが妨げられない。従って、洗浄水を円滑に流すことができる。
【0016】
第6の発明は、第1の発明において、前記貫通孔は、前記洗浄水が前記金属板の前記表面から前記裏面に向けて流れる第1貫通孔と、前記洗浄水が前記金属板の前記裏面から前記表面に向けて流れる第2貫通孔と、を有することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0017】
この衛生洗浄装置によれば、2つの貫通孔に洗浄水を流通させるので、より安定した接地機能とすることができる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、前記第1貫通孔の孔径は、前記第2貫通孔の孔径と異なっていることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0019】
この衛生洗浄装置によれば、例えば孔径の小さい貫通孔から孔径の大きい貫通孔に向けて、流路部材内に残留した洗浄水の凍結順番を制御させることができる。
【0020】
第8の発明は、第1の発明において、前記流路部材は、樹脂材料からなり、前記貫通孔は、前記金属板の内側に位置する第1貫通孔と、前記金属板の端部側に位置する第2貫通孔と、を有し、前記第1貫通孔の全周は、金属となっており、前記第2貫通孔の全周は、前記金属板の端面である金属面と、前記金属面に連続し、前記流路部材の内面である樹脂面と、を有することを特徴とする衛生洗浄装置。
【0021】
この衛生洗浄装置によれば、金属板の広い範囲に洗浄水を接触させることができる。従って、より安定した接地機能とすることができる。
【0022】
第9の発明は、第1の発明において、前記第1部位および前記第2部位の少なくとも一方と、前記金属板と、の間には、前記洗浄水の流れを整流するリブが設けられていることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0023】
この衛生洗浄装置によれば、リブにより洗浄水の流れを整流させることができる。
【0024】
第10の発明は、第1の発明において、前記流路部材および前記金属板は、前記洗浄水の流れる方向で前記熱交換器よりも上流側に設けられ、前記金属板は、電子部品が取り付けられる取付部を有することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0025】
この衛生洗浄装置によれば、洗浄水により冷却された金属板で電子部品の放熱を行うことができる。その結果、安定した接地機能と、電子部品の冷却機能と、の両方の機能を有する衛生洗浄装置とすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の態様によれば、安定した接地機能を備えた衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視図である。
図2】衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図3】衛生洗浄装置の一部を表す平面図である。
図4】熱交換器ユニットを表す斜視図である。
図5】流路部材と金属板とを表す平面図である。
図6図5中の流路部材と金属板とを矢示A-A方向からみた断面図である。
図7図5中の流路部材と金属板とを矢示B-B方向からみた断面図である。
図8図5中の流路部材と金属板とを矢示C-C方向からみた断面図である。
図9】流路部材と金属板とを表す斜視図である。
図10】流路部材と金属板とを分解して表す分解斜視図である。
図11】流路部材の第1部位の底面を表す斜視図である。
図12】金属板の裏面を表す斜視図である。
図13】金属板の裏面を表す底面図である。
図14】金属板の表面を表す平面図である。
図15】第1変形例に係る衛生洗浄装置の流路部材と金属板とを表す断面図である。
図16】第2変形例に係る衛生洗浄装置の流路部材と金属板とを表す平面図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視図である。
図1に表したように、実施形態に係るトイレ装置500は、衛生洗浄装置100と、洋式腰掛便器(以下、説明の便宜上、単に「便器」と称する)200と、を備える。衛生洗浄装置100は、便器200の上に設けられている。衛生洗浄装置100は、ケーシング10と、便座20と、便蓋25と、を有する。
【0029】
本願明細書において、「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、および「左」は、図1に表すように、便蓋25を背にして便座20に座った使用者から見た方向である。
【0030】
ケーシング10は、ケースプレート11と、ケースカバー12と、を有する。ケースプレート11は、ケーシング10の下部に位置する。ケースプレート11は、便器200の後部の上に載置される。ケースカバー12は、ケースプレート11の上に設けられ、ケースプレート11の上方を覆う。ケーシング10は、ケースプレート11とケースカバー12とで囲まれた空間の内部に、後述する便座開閉部21、便蓋開閉部26、およびノズル30などの機能部を収納する。
【0031】
便座20は、便座開閉部21を介して、ケーシング10に対して開閉自在に軸支されている。便蓋25は、便蓋開閉部26を介して、ケーシング10に対して開閉自在に軸支されている。図1では、便座20および便蓋25が閉じた状態を表している。便座20および便蓋25が閉じた状態において、便蓋25は、便座20の上方を覆っている。
【0032】
図2は、衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図2では、衛生洗浄装置100の水路系の要部構成と電気系の要部構成とを併せて表している。
図2に表したように、衛生洗浄装置100は、ノズル30と、熱交換器61と、洗浄水流路40と、電子部品90と、制御基板93と、を備える。ノズル30、洗浄水流路40、熱交換器61、電子部品90、および制御基板93などは、ケーシング10の内部に収納されている。
【0033】
ノズル30は、局部洗浄のための洗浄水を吐出する。ノズル30の先端部には、洗浄水を吐出するための吐出口31が設けられている。ノズル30は、水道や貯水タンクなどの給水源WSから供給された洗浄水を吐出口31から吐出して、便座20に座った使用者の局部(例えば「おしり」など)を洗浄する。
【0034】
ノズル30の周辺には、ノズル洗浄室32が設けられている。ノズル洗浄室32は、その内部に設けられた図示しない吐水部から殺菌水または洗浄水を吐出することにより、ノズル30の外周表面(胴体)を殺菌または洗浄することができる。ノズル洗浄室32は、ケーシング10の内部に収納された状態のノズル30の吐出口31の部分を殺菌または洗浄することができる。
【0035】
ノズル30は、ノズルモータ33の駆動力を受けて進退する。ノズルモータ33は、駆動力により、ノズル30を便器200のボウル内に進出させたり、ノズル30をケーシング10の内部に後退させたりする。ノズル30は後退した状態において、ケーシング10の内部に収納される。
【0036】
洗浄水流路40は、給水源WSとノズル30との間を接続する。洗浄水流路40には、バルブユニット51、熱交換器61、流量切替弁56、および流路切替弁57が設けられている。洗浄水流路40には、熱交換器61よりも上流側では冷水が流れ、熱交換器61よりも下流側では熱交換器61により加熱された温水が流れる。すなわち、洗浄水流路40は、給水源WSから熱交換器61まで延びる冷水流路40aと、熱交換器61からノズル30まで延びる温水流路40bと、を有する。
【0037】
冷水流路40aには、バルブユニット51が設けられている。バルブユニット51は、電気的に制御可能な弁である。バルブユニット51は、開閉により、給水源WSから熱交換器61への洗浄水の供給の開始および停止を制御する。バルブユニット51は、例えば電磁弁を含む。バルブユニット51は、例えば電磁弁と、減圧弁と、を含んでいてもよい。
【0038】
温水流路40bには、温水流路40b内に空気を取り込むバキュームブレーカ(VB)55、流量の調整を行う流量切替弁56、およびノズル30やノズル洗浄室32への給水の開始および停止や給水先の切替を行う流路切替弁57が設けられている。
【0039】
バキュームブレーカ55は、温水流路40b内に空気を取り込むことにより、例えばバキュームブレーカ55よりも下流の部分の水抜きを促進させる。バキュームブレーカ55は、例えばノズル30の水抜きを促進する。流量切替弁56は、ノズル30へ流れる水の流量を調整する。流路切替弁57は、給水先(温水流路40bの接続先)をノズル30およびノズル洗浄室32のいずれかに切り替えることができる。流量切替弁56および流路切替弁57は、1つのユニットとして設けられていてもよい。
【0040】
熱交換器61は、ノズル30に供給される洗浄水を加熱する。熱交換器61は、例えばセラミックヒータである。熱交換器61は、例えばタンクを有さない瞬間式熱交換器である。瞬間式熱交換器は、タンクなどに水を溜めることなく、内部に水を流しながら加熱を行う。熱交換器61は、例えばタンクを有する貯湯式熱交換器であってもよい。貯湯式熱交換器は、タンクに貯めた水を加熱する。
【0041】
この例では、熱交換器61は、第1ヒータ61aと、第2ヒータ61bと、を有する。第1ヒータ61aは、例えば出力が大きいメインヒータである。第2ヒータ61bは、例えば出力が小さいサブヒータである。第2ヒータ61bの抵抗値は、例えば第1ヒータ61aの抵抗値よりも低い。熱交換器61は、給水源WSから供給された洗浄水を第1ヒータ61aおよび第2ヒータ61bによって加熱する。熱交換器61に設けられるヒータの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0042】
電子部品90は、熱交換器61への交流電力の供給状態を切り替える。より具体的には、電子部品90は、熱交換器61のヒータへの交流電力の供給状態を切り替える。電子部品90は、熱交換器61のヒータへ交流電力を供給する状態と、熱交換器61のヒータへ交流電力を供給しない状態(すなわち、ヒータへの交流電力の供給を停止した状態)と、を切り替える。これにより、電子部品90は、熱交換器61における加熱の開始および停止を制御する。
【0043】
電子部品90は、例えば半導体スイッチである。電子部品90には、例えば、サイリスタまたはトライアックが用いられる。電子部品90は、例えば電流のオン・オフを制御でき、かつ電流を少なくとも一方向に流すことができる任意の素子でよい。電子部品90は、例えば複数の半導体スイッチなどを組み合わせて構成してもよい。
【0044】
この例では、電子部品90は、第1スイッチング素子(第1SW素子)91と、第2スイッチング素子(第2SW素子)92と、を有する。第1スイッチング素子91は、第1ヒータ61aと電気的に接続されており、第1ヒータ61aへの交流電力の供給状態を切り替える。第2スイッチング素子92は、第2ヒータ61bと電気的に接続されており、第2ヒータ61bへの交流電力の供給状態を切り替える。電子部品90の数は、熱交換器61に設けられるヒータの数と同じであればよく、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0045】
衛生洗浄装置100は、便座開閉部21および便蓋開閉部26を有する。便座開閉部21は、例えば便座20を電動で開閉するための電動開閉ユニットを含む。便座開閉部21は、例えば便座20をゆっくり開閉するためのダンパー機構を含んでもよい。便蓋開閉部26は、例えば便蓋25を電動で開閉するための電動開閉ユニットを含む。便蓋開閉部26は、例えば便蓋25をゆっくり開閉するためのダンパー機構を含んでもよい。便座開閉部21および便蓋開閉部26は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0046】
制御基板93には、上述した衛生洗浄装置100の各部(機能部)を制御するための制御部94が搭載されている。制御部94は、電子部品90(第1スイッチング素子91および第2スイッチング素子92)と電気的に接続されており、電子部品90(第1スイッチング素子91および第2スイッチング素子92)を制御する。制御部94は、例えばバルブユニット51と電気的に接続されており、バルブユニット51を制御する。制御部94は、例えば流量切替弁56および流路切替弁57と電気的に接続されており、流量切替弁56および流路切替弁57を制御する。制御部94は、例えばノズルモータ33と電気的に接続されており、ノズルモータ33を制御する。制御部94は、例えば便座開閉部21および便蓋開閉部26と電気的に接続されており、便座開閉部21および便蓋開閉部26を制御する。
【0047】
使用者は、例えばトイレ室の壁に設置された操作部98(リモコン)を操作することにより、ノズル30からの洗浄水の吐出を開始させたり、停止させたりすることができる。使用者は、操作部98を操作することにより、熱交換器61において加熱される洗浄水の温度を設定することができる。操作部98は、例えば衛生洗浄装置100のケーシング10に一体的に設けられる操作パネルなどでもよい。
【0048】
熱交換器61には、供給電源PSから交流電力が供給される。供給電源PSは、交流電源である。供給電源PSは、例えばAC100V(実効値)の商用電源である。供給電源PSからの交流電力は、入力回路95を介して、熱交換器61に供給される。入力回路95は、供給電源PSと熱交換器61のヒータとの間の経路上に設けられている。熱交換器61のヒータ(第1ヒータ61aおよび第2ヒータ61b)は、電子部品90(第1スイッチング素子91および第2スイッチング素子92)を介して、入力回路95に接続されている。
【0049】
供給電源PSから入力回路95に供給された交流電力の一部は、電子部品90(第1スイッチング素子91および第2スイッチング素子92)を介して、熱交換器61のヒータ(第1ヒータ61aおよび第2ヒータ61b)に供給される。第1スイッチング素子91は、ON状態において、供給電源PS(入力回路95)から供給された交流電力を第1ヒータ61aに供給する。第1スイッチング素子91は、OFF状態において、供給電源PS(入力回路95)から供給された交流電力の第1ヒータ61aへの供給を停止する。第2スイッチング素子92は、ON状態において、供給電源PS(入力回路95)から供給された交流電力を第2ヒータ61bに供給する。第2スイッチング素子92は、OFF状態において、供給電源PS(入力回路95)から供給された交流電力の第2ヒータ61bへの供給を停止する。
【0050】
供給電源PSから入力回路95に供給された交流電力の別の一部は、電源回路96により直流電力に変換され、制御部94に供給される。電源回路96は、入力回路95と制御部94との間の経路上に設けられ、供給電源PSから供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部94に供給する。制御部94は、例えば電源回路96から供給される直流電力に基づいて作動する。
【0051】
入力回路95および電源回路96は、制御基板93に設けられている。入力回路95および電源回路96は、供給電源PSから供給された交流電力の一部を交流電力の状態で熱交換器61に供給し、供給電源PSから供給された交流電力の別の一部を直流電力の状態で制御部94に供給する。
【0052】
なお、制御部94は、供給電源PSとは異なる直流電源(例えば、電池など)から供給される直流電力に基づいて作動してもよい。この場合、電源回路96は、省略可能である。
【0053】
実施形態において、電子部品90は、制御基板93に搭載されている。換言すると、電子部品90と制御部94とは、同じ1つの制御基板93に搭載されている。このように、制御部94が搭載される制御基板93に電子部品90を搭載することで、電子部品90と制御部94とを別々の制御基板に搭載する場合に比べて、部品数を減らして、ケーシング10を小型化できる。なお、電子部品90と制御部94とは、別々の制御基板に搭載されていてもよい。
【0054】
一方で、電子部品90は、熱交換器61への交流電力の供給状態を切り替える制御により発熱する。そのため、制御部94は、電子部品90からの熱による影響を受けるおそれがある。そこで、実施形態においては、電子部品90を冷却するための冷却機構を熱交換器ユニット60に設けている。
【0055】
以下、熱交換器ユニット60について、説明する。
図3は、衛生洗浄装置の一部を表す平面図である。
図4は、熱交換器ユニットを表す斜視図である。
図5は、流路部材と金属板とを表す平面図である。
図6は、図5中の流路部材と金属板とを矢示A-A方向からみた断面図である。
図7は、図5中の流路部材と金属板とを矢示B-B方向からみた断面図である。
図8は、図5中の流路部材と金属板とを矢示C-C方向からみた断面図である。
図9は、流路部材と金属板とを表す斜視図である。
図10は、流路部材と金属板とを分解して表す分解斜視図である。
図11は、流路部材の第1部位の底面を表す斜視図である。
図12は、金属板の裏面を表す斜視図である。
図13は、金属板の裏面を表す底面図である。
図14は、金属板の表面を表す平面図である。
【0056】
図4に示すように、熱交換器ユニット60は、熱交換器61、流路部材62、および金属板70を備えている。熱交換器ユニット60の後方には、制御ボックス97が設けられている。制御ボックス97には、電子部品90、制御基板93、制御部94などが収納されている。
【0057】
流路部材62は、給水源WSからノズル30に向けて流れる洗浄水の流路を有する。流路部材62は、樹脂材料からなり、洗浄水の流れる方向で熱交換器61よりも上流側に設けられている。すなわち、流路部材62内の流路は、冷水流路40aの一部を構成している。そして、流路部材62は、第1部位63と、第2部位67と、を有している。
【0058】
第1部位63は、樹脂材料からなり、金属板70の表面70aに設けられている。第1部位63は、第1流路64と、第2流路65と、を有する。第1流路64は、洗浄水が供給される供給口64aと、金属板70の表面70aに対向する第1連通部64bと、を有する。供給口64aは、第1流路64に流れる洗浄水の入口部となっている。供給口64aには、洗浄水が流れる管路(図示せず)が接続される。
【0059】
第2流路65は、金属板70の表面70aに対向する第2連通部65aと、洗浄水が排出される排出口65bと、を有している。排出口65bは、第1部位63から洗浄水が排出される出口部となっている。排出口65bには、熱交換器61が接続される。
【0060】
図11に示すように、第1部位63の底面63aは、凹状に窪んだ第1凹部66を有している。第1凹部66は、第1流路64の第1連通部64bと、第2流路65の第2連通部65aと、第1連通部64bの周囲を取り囲むように形成されシール部材が取り付けられる第1シール取付部66aと、第1連通部64bおよび第2連通部65aの周囲を取り囲むように形成されシール部材が取り付けられる第2シール取付部66bと、を有する。
【0061】
第1連通部64bは、第1部位63の底面63aに設けられ、第1流路64の出口となる出口部となっている。第2連通部65aは、第1連通部64bとは異なる位置で第1部位63の底面63aに設けられ、第2流路65の入口となる入口部となっている。
【0062】
第2連通部65aには、排出口65bに連通する開口65a1が設けられている。また、第2連通部65aには、開口65a1に隣接する位置にリブ66cが設けられている。このリブ66cは、第2連通部65aを流れる洗浄水を整流させる。第2貫通孔75から第2連通部65a内に流れた洗浄水は、図11に矢印で示すように、開口65a1に向けて流れる。
【0063】
第2部位67は、樹脂材料からなり、金属板70の裏面70bに設けられている。すなわち、流路部材62は、第1部位63と第2部位67との間に金属板70を挟んでいる。この例では、第1部位63、第2部位67、および金属板70は、ねじにより共締めされている。なお、流路部材62は、第1部位63と第2部位67とが一体となっていてもよい。
【0064】
図10に示すように、第2部位67の上面67aは、凹状に窪んだ第2凹部68を有している。第2凹部68は、後述する金属板70の第1貫通孔74と第2貫通孔75とを連通する第3連通部68aと、第3連通部68aの周囲を取り囲むように形成されシール部材が取り付けられる第3シール取付部68bと、を有する。洗浄水は、第1連通部64bから第1貫通孔74、第3連通部68a、第2貫通孔75、第2連通部65aを介して排出口65bに流れる。
【0065】
金属板70は、流路部材62に設けられている。金属板70は、例えば銅板などの導電部材となっており、洗浄水の流れる方向で熱交換器61よりも上流側に設けられている。図10図12に示すように、金属板70は、第1部位63と第2部位67との間に位置する平板部71と、平板部71の端部に接続される取付部76と、を有する。金属板70は、例えば熱交換器61が漏電した場合に、地絡させるための接地機能と、電子部品90の発熱を冷却させるための冷却機能と、を有する。
【0066】
金属板70は、平板部71に接地部72を有している。接地部72には、アース線73が接続される。すなわち、接地部72は、アース端子となっている。図5図9に示すように、接地部72は、平板部71のうち、第1部位63および第2部位67よりも外側に突出した部分に設けられている。これにより、第1部位63および第2部位67を取り外すことなく、アース線73を接地部72に取り付けることができる。
【0067】
金属板70は、第1部位63と第2部位67との間で洗浄水が流れる貫通孔を有している。貫通孔は、平板部71の厚さ方向に貫通している。この例では、洗浄水が金属板70の表面70aから裏面70bに向けて流れる第1貫通孔74と、洗浄水が金属板70の裏面70bから表面70aに向けて流れる第2貫通孔75と、を有する。
【0068】
第1貫通孔74は、第1部位63と第2部位67との間に位置して、第1部位63の第1連通部64bおよび第2部位67の第3連通部68aに対応した位置に設けられている。すなわち、第1貫通孔74は、第1連通部64bと、第3連通部68aの一端側と、の間を連通している。これにより、洗浄水は、第1連通部64bから第1貫通孔74を介して第3連通部68aに流れる。
【0069】
図14に示すように、平板部71を表面70a側からみた平面視で、第1貫通孔74の面積S1は、洗浄水の流れを妨げない大きさとなっている。具体的には、第1貫通孔74の面積S1は、3.14mm以上となっている。これにより、第1連通部64bから第3連通部68aに向けての洗浄水の流れを円滑にすることができる。従って、ノズル30から吐出される洗浄水を安定して供給させることができる。また、洗浄水が円滑に流れるので、金属板70(平板部71)に洗浄水中の絶縁異物(スケールや不純物など)が付着するのを抑制できる。その結果、安定した接地機能を有することができる。
【0070】
金属板70は、第1貫通孔74の周囲を取り囲む突出部74aを有している。これにより、第1貫通孔74の流路長さを可及的に長くすることができる。これにより、洗浄水と金属板70との接触面積を大きくすることができるので、接地機能および冷却機能を向上させることができる。
【0071】
また、突出部74aは、洗浄水が流れる方向に向けて突出している。すなわち、突出部74aは、第1貫通孔74内の洗浄水が排出側に設けられている。具体的には、突出部74aは、平板部71の裏面70bから第3連通部68aに向けて突出している。これにより、突出部74aは、洗浄水の流れを妨げない。従って、第1連通部64bから第3連通部68aに向けて洗浄水を円滑に流すことができる。
【0072】
第2貫通孔75は、第1貫通孔74とは異なる位置に設けられている。第2貫通孔75は、第1部位63と第2部位67との間に位置して、第1部位63の第2連通部65aおよび第2部位67の第3連通部68aに対応した位置に設けられている。すなわち、第2貫通孔75は、第2連通部65aと、第3連通部68aの他端側と、の間を連通している。これにより、洗浄水は、第3連通部68aから第2貫通孔75を介して第2連通部65aに流れる。
【0073】
図13に示すように、平板部71の裏面70b側からみた底面視で、第2貫通孔75の面積S2は、洗浄水の流れを妨げない大きさとなっている。具体的には、第2貫通孔75の面積S2は、3.14mm以上となっている。これにより、第3連通部68aから第2連通部65aに向けての洗浄水の流れを円滑にすることができる。従って、ノズル30から吐出される洗浄水を安定して供給させることができる。また、洗浄水が円滑に流れるので、金属板70(平板部71)に洗浄水中の絶縁異物(スケールや不純物など)が付着するのを抑制できる。その結果、安定した接地機能を有することができる。
【0074】
また、図13図14に示すように、第1貫通孔74の孔径(大きさ)は、第2貫通孔75の孔径(大きさ)と異なっている。この例では、第1貫通孔74の孔径は、第2貫通孔75の孔径よりも小さくなっている。これにより、例えば衛生洗浄装置100を低温環境下で使用した場合に、流路部材62内の洗浄水(残水)の凍結の順番(方向)を、小さい貫通孔(第1貫通孔74)から大きい貫通孔(第2貫通孔75)にさせることができる。洗浄水は、最初に凍結した方向から後に凍結した方向に向けて膨張する。2つの貫通孔の大きさを変えることで、洗浄水が凍結して膨張する方向を制御することができる。
【0075】
この例では、洗浄水の流れ方向の上流側から下流側に向けて洗浄水を凍結させることができる。これにより、例えば熱交換器61や流路部材62の排出口65b側に洗浄水の膨張を受けるゴムなどの膨張部材(図示せず)を設けて、洗浄水の膨張による流路部材62や熱交換器61の破損などを抑制できる。なお、第2貫通孔75の孔径を第1貫通孔74の孔径よりも小さくして、洗浄水の凍結の順番を下流側から上流側にしていてもよい。
【0076】
金属板70は、電子部品90(第1スイッチング素子91および第2スイッチング素子92)が取り付けられる取付部76を有している。取付部76は、平板部71の端部から上方に向けて延びている。取付部76は、流路部材62よりも外側に位置している。
【0077】
金属板70は、流路部材62内で洗浄水により冷却される。この例では、金属板70は、表面70aと裏面70bとの両面で洗浄水により冷却される。従って、取付部76に取り付けられた電子部品90を効率よく冷却させることができる。
【0078】
次に、洗浄水が金属板70に接触する接触部分300について説明する。
【0079】
洗浄水は、第1連通部64bから第2連通部65aの開口65a1まで流れる間に、金属板70の平板部71の表面70aと裏面70b、および第1、2貫通孔74、75に接触する。図6図8図13図14には、洗浄水が金属板70に接触する接触部分300を点線で示している。
【0080】
図13に示すように、金属板70の裏面70bにおける洗浄水の接触面積S3は、点線内の面積から、第1貫通孔74の面積S1と第2貫通孔75の面積S2との合計面積を引いた値となっている。また、図14に示すように、金属板70の表面70aにおける洗浄水の接触面積S4は、点線内の面積から、第1貫通孔74の面積S1、第2貫通孔75の面積S2、および格子状で示す第1シール取付部66a内のシール部材が金属板70に接触する部分の面積S5の合計面積を引いた値となっている。
【0081】
そして、金属板70の表面70aに接触する洗浄水の接触面積S4と、金属板70の裏面70bに接触する洗浄水の接触面積S3と、の合計面積(S4+S3)は、貫通孔(第1貫通孔74および第2貫通孔75)の面積(S1またはS2)よりも大きくなっている。すなわち、接触面積S4と接触面積S3との合計面積(S4+S3)は、第1貫通孔74の面積S1よりも大きい。また、接触面積S4と接触面積S3との合計面積(S4+S3)は、第2貫通孔75の面積S2よりも大きい。このように、洗浄水と金属板70との接触面積を大きくして、安定した接地機能および冷却機能を得ることができる。
【0082】
図15は、第1変形例に係る衛生洗浄装置の流路部材と金属板とを表す断面図である。
実施形態では、金属板70は、第1貫通孔74と第2貫通孔75との2個の貫通孔を有する場合を例に挙げて説明した。しかし、貫通孔は、1個でもよく、3個以上設けられていてもよい。例えば、図15に示す第1変形例のように、第1部位80と第2部位81との間に、1個の貫通孔82を有する金属板83を設けていてもよい。
【0083】
この場合、第1部位80の連通部80aは、貫通孔82の孔径よりも大きい内径となっている。また、第2部位81の連通部81aは、貫通孔82の孔径よりも大きい内径となっている。これにより、洗浄水は、金属板83の表面83aと裏面83b、および貫通孔82の周面に接触する。このような場合にも、洗浄水と金属板83との接触面積が大きくなるので、安定した接地機能を有するとともに、冷却効率のよい衛生洗浄装置とすることができる。
【0084】
図16は、第2変形例に係る衛生洗浄装置の流路部材と金属板とを表す平面図と断面図である。図16(a)は、金属板を単体で示す平面図である。図16(b)は、流路部材と金属板との断面図である。
実施形態では、金属板70は、中央部に第1貫通孔74と第2貫通孔75との2個の貫通孔を有する場合を例に挙げて説明した。しかし、図16に示す第2変形例のように、貫通孔は、金属板の端部と流路部材の内面との間で形成してもよい。
【0085】
図16に示すように、貫通孔は、金属板85の内側に位置する第1貫通孔86と、金属板85の端部側に位置する第2貫通孔87と、を有している。第1貫通孔86の全周(周面)は、金属となっている。第2貫通孔87の全周(周面)は、金属板85の端面である金属面85aと、金属面85aに連続し、流路部材88の内面である樹脂面88aと、を有する。これにより、例えば金属板85の広い範囲に洗浄水を接触させることができるので、安定した接地機能を有するとともに、冷却効率のよい衛生洗浄装置とすることができる。
【0086】
なお、上述した実施形態では、金属板70により電子部品90を冷却させた場合を例に挙げて説明した。しかし、本実施形態はこれに限らず、例えば電子部品90を冷却させる必要がない場合には、金属板70に電子部品90を取り付けていなくてもよい。また、電子部品90を金属板70に取り付けるか否かにかかわらず、流路部材62および金属板70を熱交換器61の下流側(温水流路40b)に設けていてもよい。また、流路部材62および金属板70は、熱交換器61の上流側(冷水流路40a)と、下流側(温水流路40b)と、の両方に設けていてもよい。
【0087】
上述した実施形態では、第1部位63の第1凹部66にリブ66cが設けられた場合を例に挙げて説明した。しかし、本実施形態はこれに限らず、例えばリブは、第2部位67と金属板70の裏面70bとの間に設けられていてもよい。リブは、第1部位63と金属板70の表面70aとの間、および第2部位67と金属板70の裏面70bとの間の両方に設けられていてもよい。また、リブは、金属板70に設けられていてもよい。
【0088】
上述した実施形態では、第1貫通孔74に突出部74aが設けられた場合を例に挙げて説明した。しかし、本実施形態はこれに限らず、例えば第2貫通孔75に突出部が設けられていてもよい。例えば、突出部は、第2貫通孔75の周囲を取り囲むように、金属板70の表面70aから第2連通部65a内に向けて突出していてもよい。
【0089】
上述した実施形態では、洗浄水が金属板70の表面70aから裏面70bを介して表面70aに流れる場合を例に挙げて説明した。しかし、本実施形態はこれに限らず、例えば洗浄水は、金属板70の裏面70bから表面70aを介して裏面70bに流れてもよい。
【0090】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0091】
(構成1)
局部洗浄のための洗浄水を吐出するノズルと、
給水源から前記ノズルに向けて流れる前記洗浄水の流路を有する流路部材と、
前記洗浄水を加熱する熱交換器と、
前記流路部材に設けられ接地部を有する金属板と、
を備え、
前記流路部材は、
前記金属板の表面に設けられる第1部位と、
前記金属板の裏面に設けられる第2部位と、
を有し、
前記金属板は、前記第1部位と前記第2部位との間で前記洗浄水が流れる貫通孔を有し、
前記洗浄水は、前記金属板の前記表面と前記裏面との両方に接触することを特徴とする衛生洗浄装置。
(構成2)
前記金属板の前記表面に接触する前記洗浄水の接触面積と、前記金属板の前記裏面に接触する前記洗浄水の接触面積と、の合計面積は、前記貫通孔の面積よりも大きいことを特徴とする構成1に記載の衛生洗浄装置。
(構成3)
前記貫通孔の面積は、3.14mm以上となっていることを特徴とする構成1または2に記載の衛生洗浄装置。
(構成4)
前記金属板は、前記貫通孔の周囲を取り囲む突出部を有することを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成5)
前記突出部は、前記洗浄水が流れる方向に向けて突出していることを特徴とする構成4に記載の衛生洗浄装置。
(構成6)
前記貫通孔は、
前記洗浄水が前記金属板の前記表面から前記裏面に向けて流れる第1貫通孔と、
前記洗浄水が前記金属板の前記裏面から前記表面に向けて流れる第2貫通孔と、
を有することを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成7)
前記第1貫通孔の孔径は、前記第2貫通孔の孔径と異なっていることを特徴とする構成6に記載の衛生洗浄装置。
(構成8)
前記流路部材は、樹脂材料からなり、
前記貫通孔は、
前記金属板の内側に位置する第1貫通孔と、
前記金属板の端部側に位置する第2貫通孔と、
を有し、
前記第1貫通孔の全周は、金属となっており、
前記第2貫通孔の全周は、
前記金属板の端面である金属面と、
前記金属面に連続し、前記流路部材の内面である樹脂面と、
を有することを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成9)
前記第1部位および前記第2部位の少なくとも一方と、前記金属板と、の間には、前記洗浄水の流れを整流するリブが設けられていることを特徴とする構成1~8のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成10)
前記流路部材および前記金属板は、前記洗浄水の流れる方向で前記熱交換器よりも上流側に設けられ、
前記金属板は、電子部品が取り付けられる取付部を有することを特徴とする構成1~9のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【0092】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、衛生洗浄装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0093】
10 ケーシング
11 ケースプレート
12 ケースカバー
20 便座
21 便座開閉部
25 便蓋
26 便蓋開閉部
30 ノズル
31 吐出口
32 ノズル洗浄室
33 ノズルモータ
40 洗浄水流路
40a 冷水流路
40b 温水流路
51 バルブユニット
55 バキュームブレーカ
56 流量切替弁
57 流路切替弁
60 熱交換器ユニット
61 熱交換器
61a 第1ヒータ
61b 第2ヒータ
62 流路部材
63 第1部位
63a 底面
64 第1流路
64a 供給口
64b 第1連通部
65 第2流路
65a 第2連通部
65a1 開口
65b 排出口
66 第1凹部
66a 第1シール取付部
66b 第2シール取付部
66c リブ
67 第2部位
67a 上面
68 第2凹部
68a 第3連通部
68b 第3シール取付部
70 金属板
70a 表面
70b 裏面
71 平板部
72 接地部
73 アース線
74 第1貫通孔
74a 突出部
75 第2貫通孔
76 取付部
80 第1部位
80a 連通部
81 第2部位
81a 連通部
82 貫通孔
83 金属板
83a 表面
83b 裏面
85 金属板
85a 金属面
86 第1貫通孔
87 第2貫通孔
88 流路部材
88a 樹脂面
90 電子部品
91 第1スイッチング素子(第1SW素子)
92 第2スイッチング素子(第2SW素子)
93 制御基板
94 制御部
95 入力回路
96 電源回路
97 制御ボックス
98 操作部
100 衛生洗浄装置
200 便器
300 接触部分
500 トイレ装置
PS 供給電源
WS 給水源
S1 第1貫通孔の面積
S2 第2貫通孔の面積
S3 金属板の裏面の接触面積
S4 金属板の表面の接触面積
S5 シール部材の接触面積

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16