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▶ 遠藤 加寿美の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】介助用車椅子
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/10 20060101AFI20241030BHJP
   A61G 5/14 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
A61G7/10
A61G5/14
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023054334
(22)【出願日】2023-03-12
(65)【公開番号】P2023135664
(43)【公開日】2023-09-28
【審査請求日】2023-03-12
(31)【優先権主張番号】P 2022062103
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】520493555
【氏名又は名称】遠藤 加寿美
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 加寿美
【審査官】丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0145675(US,A1)
【文献】中国実用新案第213431157(CN,U)
【文献】特表2022-509148(JP,A)
【文献】特開2000-325401(JP,A)
【文献】特開2006-231015(JP,A)
【文献】米国特許第10434023(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/10
A61G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介助用車椅子の昇降装置において、介助用車椅子のフレームと車輪固定部との間に備えられた、ジャッキ式昇降ユニットを介して接続された車椅子全体を支える固定脚を有しており、ジャッツキ部まで伸びる一対のジャッキペダルは、左右同時に踏むことができ、左右それぞれに延びることで、未使用時には、座面中央から左右に折りたたむことができる。前記ジャッキペダルを介助者の足で踏むことで、ジャッキ式昇降ユニットが伸び、それによりジャッキ式昇降ユニットと接続されている車椅子全体を支える固定脚が着地し、車輪を地面から浮かせることができるため、介助用車椅子を停車させることができる。前記ジャッキ式昇降ユニットをさらに伸ばすことで、介助用車椅子の高さを上昇させることができ、ジャッキ解除レバーを踏むことで、介助用車椅子の高さが下降し車輪を着地させ、走行状態にすることができる介助用車椅子である。前記介助用車椅子のフレームに丁番式金具を介して接続された両外側に倒すことができるサイドガードは、スライド式伸縮の構造であり、かつ、サイドガードが、コロコンローラー、ボールローラーを有する搬送装置を備えていることを特徴とする介助用車椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護者の負担を軽減することができる介助用車椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進み脚力の衰え、自力で歩行が困難になった高齢者、身体の不自由な被介護者が日常生活において車椅子を利用する場合、車椅子とベッドとの移乗、車椅子と車の座席シートへの移乗をする際に、介護者に負担かかかってくるということが課題となっている。
【0003】
特許文献1では、移乗、移動用のリフト取り替えクッションが考案されており、車椅子の座シートに取り替えクッションを置き、ここに被介護者を座らせ、移乗時に仕掛け孔にリフトの爪先を差し込み、被介護者を座らせたままリフトを後退させ移乗するという、介護者に負担のかからない有効的な手段が提案されている。
【先行技術文献】
【文献】特開2020-130991
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述した従来の技術においては、リフトを利用するため、介護者の負担はかからないが、リフトを使用するため、使用場所が限られてしまい、必要最低限の生活を送る支援はできるが、車椅子を用いての外出、車での外出に連れて行きにくいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では第一の発明として、ジャッキ式昇降ユニットの伸縮にて、介助用車椅子全体を固定脚で支え、さらに介助用車椅子の高さを自在に変更できるため、移乗時、介助用車椅子と移乗対象物との高さの関係をいつも高い所から、低い所にできるという手段を採用する。
【0007】
また、第二の発明として、連結コロコンローラー、連結ボールローラーを有する搬送装置を備えたサイドガードは、両外側に向かって倒すことができ、移乗対象物に橋渡しするように乗せることにより、座ったままの被介護者の身体をサイドガードの上を滑らせるように移乗させ、体の向きを変え、移乗対象に座らせるという手段を採用する。
【発明の効果】
【0008】
上記発明によれば、被介護者を移乗させる際、いつも高いところから、低いところに移乗させることができる。外側に向かって倒すことができるサイドガードは、ローラー式搬送装置を備え、移乗対象物に橋渡しさせるように乗せることで、被介護者の身体を滑らせながら移乗、さらに方向を変え、移乗対象物に座らせることにより、介護者の身体的負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】車椅子を移乗対象物より高くし、右サイドガードを移乗対象物に橋渡し、被介護者を移乗させ、身体を方向転換させた時の斜視図である。
図2】右サイドガードを移乗対象物に橋渡しをした時の平面図である。
図3】昇降ユニットを伸ばし、介助用車椅子の高さを高くした時の左側図面である。
図4】走行状態の介助用車椅子の右側図面である。
図5】伸ばした右サイドガード部分の平面図である
図6】昇降ユニットを伸ばし、車椅子の高さを高くした時の背面図である。
図7】介助用車椅子を折り畳んだ時の背面図である
図8】倒した右サイドガード部分の右側図面である。
図9】右サイドガードを倒し、長さを伸ばした時の正面図である。
図10】右サイドガードを倒した時の、移乗中の平面図である。
図11】移乗中、被介護者の体の向きを変えた時の平面図である。
図12】右サイドガードを縮めた状態の平面図である
図13】車椅子の高さを上昇させ、右サイドガードを倒した時の右側図面である。
図14】車椅子を移乗対象物より低い状態で、右サイドガードを移乗対象物に橋渡しをした時の正面図である。
図15】右サイドガードを倒した時の底面図である。
図16】サイドガードを固定し、肘を置ける状態にした時の斜視図である。
図17】サイドガードの固定を解除した時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明に係る介助用車椅子の実施形態について説明する。
【0011】
図1図2図3図4図6図7図10図11図13図14、で示す介助用車椅子において、1a、1bはハンドルであり、3a、3bのフレームの先端に位置しており、2a、2bのブレーキが備え付けられている。3a、3bのフレームと、8a、8bの固定脚の間には、7a~7dのジャッキ式昇降ユニットが収納されている16a~16bのジャッキ収納部が取り付けられており、11a、11bのジャッキペダルを踏む事で、7a~7dのジャッキ部分が伸び、図1図3図6図13図14のように9a、9b、15a、15bの車輪が地面から浮き上がり、8a、8bの固定脚が着地し、介助用車椅子全体を支え、停車させることができる。さらにジャッキペダルを踏むことで、介助用車椅子の高さを上昇させることができる。介助用車椅子を下降させるには、11a、11bのジャッキペダルの隣に備え付けられている14a、14bのジャッキ解除レバーにて解除され、介助用車椅子を下降させることができる。11a、11bのジャッキペダルは、左右同時に踏むことができ、14a、14bのジャッキ解除レバーは、左右のレバーを同時に解除できる形状となっている。
図1図2図10図11図14に示すように、3a、3bのフレームには、両外側に向かって倒すことができるサイドガード6a、6bが、蝶番式金具を介して取り付けてられており、3a、3bのフレームには、6a、6bと固定、解除ができる17a、17bの固定金具が取り付けてある。6a、6bのサイドガードには、C1、C2、C5、C6の連結コロコンローラーが取り付けてある。また、6a、6bのサイドガードから、R1~R8のスライドレールを介して、C3、C4、C7、C8の連結コロコンローラーが取り付けてあり、サイドガードの長さを縮めた時に連結コロコンローラーがぶつからないように、図5図8図12のように互い違いで取り付けられている。さらに6a、6bのサイドガードから、S1~S4のスライドシャフトを介してQ1、Q2の連結ボールローラーが図8のように段差違いで取り付けており、C1~C8の連結コロコンローラーとぶつからない構造となっている。収納されているスライド式伸縮部は、サイドガード長手側端面にあるT1、T2の引き出し部を引き出すことで、S1~S4のスライドシャフトが伸び、Q1、Q2の連結ボールローラーが伸びてくる。それと同時に、Q1、Q2下部から伸びるH1~H4の引っ掛け金具が、C3、C4、C7、C8の連結コロコンローラーに引っ掛かり、R1~R8のスライドレールが伸び、同時に引き出すことができる。それにより、サイドガードの短手側の長さを伸ばすことができる構造となっている。
この介助用車椅子を用いて、被介護者を移乗させる手順を説明する。
【0012】
まず、図4の走行状態の介助用車椅子を移乗する対象物の隣に並べる、停車位置を決めたら、11a、11bのジャッキペダルを同時に踏む。踏むことで7a~7dのジャッキ式昇降ユニットが伸びる。図3図6のように、8a、8bの固定脚が着地し、介助用車椅子全体を固定脚で支え、9a、9b、15a、15bの車輪が地面から浮きあがり、停車させることができる。11a、11bのジャッキペダルをさらに踏むことで、介助用車椅子の高さを上昇させることができる。
介助用車椅子から移乗対象物へ移乗させる場合の手順を説明する、11a、11bのジャッキペダルを踏み、7a~7dのジャッキ式昇降ユニットを伸ばし、図3図6のように移乗対象物より高くなるまで踏む。6a又は、6bを固定している17a又は17bの固定を解除し、サイドガードを外側に倒し、サイドガードの長手側の端面のT1またはT2の引き出し部を引き出し、短手側の長さを伸ばし、図1図2図10図11図14図15のように移乗対象物に橋渡しさせる。次に、被介護者の身体の両脇を支えながら、図10のように、サイドガードのC1~C8の上を滑らせるように移動させ、Q1又は、Q2のボールローラー上に移動したら、図11のように移乗対象物に座れる角度になるように、被介護者の身体を方向転換させ、背中を支え、サイドガードの長さを縮め、臀部を移乗対象物に乗せることで、座ったままでの移乗が完了となる。
移乗作業終了後、T1、または、T2の引き出し部を押し、スライド伸縮部の長さを縮め、サイドガードの角度を起こし、固定する。次に14a、14bのジャッキ解除レバーを同時に解除させ、車椅子の高さを下降させる。5の座シートの前後の端面の中央を、それぞれ両手で持ち上げ、図7のように車椅子を折り畳む。
移乗対象物から介助用車椅子へ移乗させる場合の手順を説明する、11a、11bのジャッキペダルを踏み、7a~7dのジャッキ式昇降ユニットを伸ばし、8a、8bの固定脚を着地させる。介助用車椅子全体を固定脚で支え停車させると同時に、9a、9b、15a、15bの車輪が地面から浮きあがる。図14のように、介助用車椅子の高さが移乗対象物より高くならないよう、それ以上11a、11bのジャッキペダルを踏まない。または、高さのバランスを見ながら、少しずつ11a、11bのジャッキペダルを踏む。移乗対象物が高さを調整できるものの場合、移乗対象物の高さを上げても良い。次に、17a、17bの固定金具を解除し、6a又は、6bのサイドガードを外側に倒し、サイドガードの長手側の端面を引き出すことで、スライド式伸縮部分が伸び、短手方向の長さを伸ばすことができる。伸ばしたサイドガードは、図2図14図15のように移乗対象物に橋渡しする。次に、移乗対象物に座っている被介護者を図11のように、Q1またはQ2の連結ボールローラー部に乗せる。体を方向転換させながら、図10のように車椅子と座ることができる方向に向け、C1~C8の連結コロコンローラーの上を横移動させながら車椅子に座らせる。その後、6a又は、6bのサイドガードを起こし、長手側端面を押し、身近手側の長さを縮め、被介護者が肘を置ける状態にする。次に14a、14bのジャッキ解除レバーを介助させ、車椅子の高さを下降させ、9a、9b、15a、15bの車輪を地面に着地させ走行可能な状態にする。
【0013】
以上の手順によって、介助用車椅子と移乗対象物との移乗作業が完了する。介助用車椅子の高さを上昇させることにより、移乗対象物との高さの関係をいつも、高い所から低い所に移乗させられ、また、被介護者をサイドガードの上を滑らせるように移乗させること、体の方向を変え、移乗対象物に座らせることができるため、少ない力で移乗できる。それにより介護者の身体的負担を軽減できる。
【0014】
1a、1b ハンドル
2a、2b ブレーキ
3a、3b フレーム
4 背もたれ
5 座シート
6a、6b サイドガード
7a~7d ジャッキ式昇降ユニット
8a、8b 固定脚
9a~9d 車輪
10a、10b ティピングレバー
11a、11b ジャッキペダル
12a,12b フットサポート
13 レッグサポート
14a、14b ジャッキ解除レバー
15a、15b 車輪
16a~16d ジャッキ収納部
17a、17b サイドガード固定金具
18a、18b 前後車輪連結部
C1~C8 連結コロコンローラー
Q1、Q2 連結ボールローラー
S1~S4 スライドシャフト
R1~R8 スライドレール
T1、T2 引き出し部
H1~H4 引っ掛け金具
100 移乗対象物
200 被介護者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17