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特許7578965検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
G01N21/84 B
G01N21/84 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023133430
(22)【出願日】2023-08-18
(65)【公開番号】P2024031875
(43)【公開日】2024-03-07
【審査請求日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】111131924
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520273991
【氏名又は名称】開必拓數據股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】522454998
【氏名又は名称】孫逢佐
(73)【特許権者】
【識別番号】522455009
【氏名又は名称】葉怡▲テイ▼
(73)【特許権者】
【識別番号】522455010
【氏名又は名称】孫逢佑
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】孫逢佐
(72)【発明者】
【氏名】葉怡▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】孫逢佑
(72)【発明者】
【氏名】黄俊堂
(72)【発明者】
【氏名】張榮華
(72)【発明者】
【氏名】田宜湘
(72)【発明者】
【氏名】沈孟澤
【審査官】橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-119027(JP,A)
【文献】特開2018-059830(JP,A)
【文献】特開2017-015396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0080944(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105414042(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
H01L 21/67 - H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査のために適用され、かつ第1ロボットアームと、前記第1ロボットアームと近接するように設置される第1ビデオカメラと、少なくとも1つの第2ロボットアームと、電子機器とを備える自動目標画像捕捉及び校正システムであって、
前記第1ロボットアームは、第1搬送ベルトと第2搬送ベルトとに同時に近接するように設置され、前記第1搬送ベルトにより複数個の物品を搬送し、かつ当該物品の少なくとも1面の表面に識別特徴が設置され、
前記少なくとも1つの第2ロボットアームは、前記第2搬送ベルトと近接するように設置され、かつ各当該第2ロボットアームは、第2ビデオカメラを把持し、
前記電子機器は、前記第1ロボットアームと、前記第1ビデオカメラと、前記少なくとも1つの第2ロボットアームと、少なくとも1つの前記第2ビデオカメラとに電気接続され、かつマイクロプロセッサと、メモリとを含み、前記メモリ内には、プログラミング言語を利用して編集される応用プログラムが格納されることによって、前記マイクロプロセッサは、前記メモリへのアクセスを介して当該応用プログラムを実行するに従って、以下の機能を始動させる、
前記第1ロボットアームは、前記第1搬送ベルトから1個の当該物品を挟み上げると共に、当該物品を挟持して前記第1ビデオカメラの第1画像捕捉範囲内に移動させ、次に裏返し順序に沿って当該物品を反転させるように制御する機能と、
当該物品を当該裏返し順序に沿って反転させる過程において、前記第1ビデオカメラは、順次当該物品の複数個の2次元映像を撮影するように制御する機能と、
複数個の当該2次元映像に対してラベル認識処理を実行して、識別特徴画像を含む少なくとも1個の当該2次元映像を見つけ出す機能と、
少なくとも1個の当該識別特徴画像を含む複数個の当該2次元映像に応じて、当該物品の相対位置と相対3次元座標とを確認すると共に、前記第1ロボットアームは、当該物品を挟持して前記第2搬送ベルトの上に移動させるように制御する機能と、
当該第2ロボットアームは、前記第2ビデオカメラを複数回に分けて移動させることによって、当該物品の複数個の当該表面が複数回に分けて前記第2ビデオカメラの第2画像捕捉範囲内に入るように制御する機能と、
当該第2ロボットアームが複数回に分けて前記第2ビデオカメラを移動させる過程において、前記第2ビデオカメラは、当該物品の複数個の当該表面の中のN個(Nは所定の正整数)からN個の物品映像を対応して取得するように制御する機能と、
当該物品映像に対して特徴抽出処理を行って対応の特徴画像を獲得し、次に各当該特徴画像と特徴テンプレートとの特徴マッチングプロセスを行うに従って、各当該物品映像において少なくとも1つの瑕疵が含有されるか否かを確定する機能とを動的に遂行することを特徴とする、
自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項2】
前記電子機器に電気接続され、かつ前記第1ビデオカメラと近接するように設置されるに従って、前記電子機器からの制御に応じて第1検査光を供給して前記第1画像捕捉範囲を明るく照らす第1光源と、前記電子機器に電気接続され、かつ前記第2ビデオカメラと近接するように設置されるに従って、前記電子機器からの制御に応じて第2検査光を供給して当該第2画像捕捉範囲を明るく照らす少なくとも1つの第2光源とをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項3】
前記識別特徴は、ラベルであり、かつ前記ラベルは、2次元バーコードタグ(2D barcode tag)、QRコード(登録商標)タグ(QR code tag)、マトリックスバーコードタグ(matrix barcode tag)、図形模様入りタグ(tag containing graphic patterns)、テキストメッセージ入りタグ(tag containing text messages)、アルファベット入りタグ(tag containing alphabets)及び数字桁入りタグ(tag containing numeric figures)からなる群より選択される任意の一つであることを特徴とする、請求項1に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項4】
前記識別特徴は、当該物品上の認識可能な特徴の一つであることを特徴とする、請求項1に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項5】
前記ラベルに搭載された当該物品の複数個の基本情報は、ベンダー識別番号(Vendor ID,VID)と、プロダクト識別番号(Product ID,PID)と、ロット番号と、シリアル番号とを含むことを特徴とする、請求項3に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項6】
前記電子機器は、映像処理プログラムを動作させるに従って、少なくとも1個の当該識別特徴画像を含む複数個の当該2次元映像に応じて当該物品の1次元映像または3次元映像を再構築し、次に当該物品の前記相対位置と前記相対3次元座標とを確認することを特徴とする、請求項1に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項7】
当該映像処理プログラムは、ドロネー三角形分割アルゴリズム(Delaunay triangulation algorithm)、クラスト三角形分割アルゴリズム(Crust triangulation algorithm)及び不規則三角形ネットワーク(Triangulated Irregular Network,TIN)アルゴリズムからなる群より選択される1つの映像処理アルゴリズムを含むことを特徴とする、請求項6に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項8】
前記応用プログラムは、複数個のサブプログラムを含み、かつ前記複数個のサブプログラムは、前記第1ロボットアームにて、前記第1搬送ベルトから1個の当該物品を拾い上げると共に、当該物品を挟持して前記第1ビデオカメラの前記第1画像捕捉範囲内に移動させ、次に当該裏返し順序に沿って当該物品を反転させるように制御するために用いられる第1機構制御プログラムと、前記第1ビデオカメラにて、当該物品を当該裏返し順序に沿って反転させるときに、当該物品に対して画像を捕捉して前記複数個の2次元映像を獲得するように制御するために用いられる第1ビデオカメラ制御プログラムと、複数個の当該2次元映像に対して当該ラベル認識処理を実行して、当該識別特徴画像を含む少なくとも1個の当該2次元映像を見つけ出すために用いられるラベル認識プログラムと、少なくとも1個の当該識別特徴画像を含む複数個の当該2次元映像に応じて当該物品の前記3次元映像を再構築し、次に当該物品の前記相対位置と前記相対3次元座標とを確認することによって、前記第1ロボットアームにて、次に当該物品を挟持して前記第2搬送ベルトの上への移動を可能にさせるために用いられる当該映像処理プログラムと、前記第2ロボットアームにて、前記第2ビデオカメラを複数回に分けて移動させることによって、当該物品の複数個の当該表面が複数回に分けて前記第2ビデオカメラの第2画像捕捉範囲内に入るように制御するために用いられる第2機構制御プログラムと、前記第2ビデオカメラにて、前記第2ロボットアームが複数回に分けて前記第2ビデオカメラを移動させる過程において、当該物品に対して画像を捕捉して前記N個の物品映像を獲得するように制御するために用いられる第2ビデオカメラ制御プログラムと、N個の当該物品映像に対して当該特徴抽出処理を行ってN個の当該特徴画像を獲得し、次に各当該特徴画像と特徴テンプレートとの当該特徴マッチングプロセスを行うために用いられる瑕疵認識プログラムとを含むことを特徴とする、請求項6に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項9】
前記電子機器、前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトとを制御するための機台制御装置と情報連結されることを特徴とする、請求項8に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【請求項10】
前記電子機器は、前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトとを制御するための機台制御装置の中に整合され、かつ前記機台制御装置は、自動化生産ラインの中に含まれることを特徴とする、請求項8に記載の自動目標画像捕捉及び校正システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マシンビジョンの技術分野に係り、特に、検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、工業技術を利用して生産製造される半完成品または完成品は、工業標準に合致するか否かを判断するために、それらに対して品質検証を行う必要があり、その内、品質検証は、外観(cosmetic)検査と、機能テストとを含む。一般的に、1個の工業製品は、6個の表面、つまり上表面、下表面、前表面、後表面、左表面及び右表面を含む。外観検査を行うときに、品質検査員は、関連検査規定に準拠して前記工業製品の6個の表面のうちのいくつかの表面に対して最も詳細な外観検査を実行する。しかしながら、実際の経験によると、品質検査員が工業製品の外観検査を行うときに、しばしば検査漏れや誤検査が発生する事情がある。
以上に鑑み、マシンビジョン(machine vision)技術を利用した自動光学検査(Automated optical inspection,AOI)システムが、自動化生産ラインに開発されて導入され、人間の労力の代わりとして工業半完成品または完成品に対して外観検査を実行するために用いられる。
【0003】
例を挙げて言えば、図1は、従来技術に係るねじ瑕疵検査システム1aを模式的に示す斜視図である。図1に示すように、前記ねじ瑕疵検査システム1aは、運搬プラットフォーム11aと、複数台の撮影機器12aと、映像処理装置13aとを備え、その内、各当該撮影機器12aは、いずれも調整可能な支持機構14aの上に設置される。
前記調整可能な支持機構14aを手動調整することによって、各当該撮影機器12aに設置高度と設置角度とを有させることができると共に、前記運搬プラットフォーム11aと互いに撮像距離を隔てて配置されることが理解されるべきである。この配置によって、前記ねじ瑕疵検査システム1aは、型番Aのねじの6個の表面のうちのいくつかの表面に対して外観検査を行うことができる。
【0004】
瑕疵検査システムの開発製造に熟練したAOI技術者であれば、前記ねじ瑕疵検査システム1aが、当該型番Aのねじに対して外観検査を行うために用いられる場合、技術者は、必ず各個撮影機器12aの設置高度、設置角度及び撮像距離をチューニングしなければならないことが分かる。この他、必要があれば、技術者は、光源を設計する必要もある。言い換えれば、製造メーカーは、それが型番Bのねじに対して外観検査を行うために用いることができるように、前記ねじ瑕疵検査システム1aの設備パラメータの変更をAOI技術者に要求し、その場合、技術者は、当該設置高度、当該設置角度、当該撮像距離及び当該光源のチューニングを完了まで繰り返し行う必要がある。
【0005】
実務経験によると、設置高度、設置角度、撮像距離及び光源のチューニング作業は、容易とは言えず、完了するためには、相当な労力と時間を費やす必要がある場合がある。
以上に鑑み、指定の工業製品に応じて撮影機器の設置高度、設置角度及び撮像距離の自動変更と、光源強度の調整と、工業製品の反転による撮影機器の目標画像捕捉とが可能な新型自動光学検査システムの開発が考慮されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の説明から分かるように、工業製品に対して外観検証を行うために用いられる従来の自動光学検査システムでは、依然として不具合があり、改善が望まれている。
以上に鑑み、本発明の発明者は、鋭意研究考案した結果、遂に本発明に係る検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システムを研究開発して完成させた。
【0007】
本発明の主要な目的は、検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システムを提供することである。本発明の設計によれば、電子機器は、第1ロボットアームが反転順序に沿って物品を反転させるように制御すると共に、第1ビデオカメラが当該物品を反転させる過程において、順次に複数個の2次元映像を取得するように制御する。継続的に、前記複数個の2次元映像から識別特徴(例えば、レーザーラベルまたは当該物品の認識可能な特徴)を含む少なくとも1個の当該2次元映像を見つけ出した後、前記電子機器は、複数個の当該2次元映像に応じて当該物品の相対位置と相対3次元座標とを確認し、次に第2ロボットアームは、第2ビデオカメラを挟持すると共に、前記第2ビデオカメラを複数回に分けて移動させることによって、それを複数回に分けて当該物品の多数個の表面に対面させるに従って、当該物品の多数個の表面の中のN個からN個の物品映像を対応して取得するように制御する。最終的に、前記電子機器は、当該物品映像に対して瑕疵検査を行い、各当該物品映像において少なくとも1つの瑕疵が含有されるか否かを確定する。
【0008】
簡単に言えば、本発明は、レーザーラベルを識別する方式を用いて物品の相対位置と相対3次元座標とを確立し、このことから、後続的に1個のロボットアームによる1個のビデオカメラの持ち運び移動を制御するだけで、前記ビデオカメラを当該物品の被検査面に正確に対面させることができ、当該物品の自動目標画像捕捉を実現させ、瑕疵検査精度が保証される。なおかつ、本発明の瑕疵検査システムを、その他の物品に対して瑕疵検査を行うために適用するときに、技術者は、ビデオカメラの設置高度と設置角度とを手動調整する必要がなく、光源方向と強度とをチューニングする必要もない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明によって、自動目標画像捕捉及び校正システムの一実施例が提出される。それは、第1ロボットアームと、第1ビデオカメラと、少なくとも1つの第2ロボットアームと、電子機器とを備え、第1ロボットアームは、第1搬送ベルトと第2搬送ベルトとに同時に近接するように設置され、その内、前記第1搬送ベルトにより複数個の物品を搬送し、かつ当該物品の少なくとも1面の表面に識別特徴が設置され、第1ビデオカメラは、前記第1ロボットアームと近接するように設置され、少なくとも1つの第2ロボットアームは、前記第2搬送ベルトと近接するように設置され、かつ各当該第2ロボットアームは、第2ビデオカメラを把持し、電子機器は、前記第1ロボットアームと、前記第1ビデオカメラと、前記少なくとも1つの第2ロボットアームと、前記少なくとも1つの第2ビデオカメラとに電気接続され、かつマイクロプロセッサと、メモリとを含み、その内、前記メモリ内には、プログラミング言語を利用して編集される応用プログラムが格納されることによって、前記マイクロプロセッサは、前記メモリへのアクセスを介して当該応用プログラムを実行するに従って、以下の機能を始動させる場合に、前記第1ロボットアームは、前記第1搬送ベルトから1個の当該物品を挟み上げると共に、当該物品を挟持して前記第1ビデオカメラの第1画像捕捉範囲内に移動させ、次に裏返し順序に沿って当該物品を反転させるように制御する機能と、前記第1ビデオカメラは、当該物品を当該裏返し順序に沿って反転させるときに、順次に当該物品の複数個の2次元映像を撮影するように制御する機能と、複数個の当該2次元映像に対してラベル認識処理を実行して、識別特徴画像を含む少なくとも1個の当該2次元映像を見つけ出す機能と、少なくとも1個の当該識別特徴画像を含む複数個の当該2次元映像に応じて、当該物品の相対位置と相対3次元座標とを確認すると共に、第1ロボットアームは、当該物品を挟持して前記第2搬送ベルトの上に移動させるように制御する機能と、前記第2ロボットアームは、前記第2ビデオカメラを複数回に分けて移動させることによって、当該物品の複数個の当該表面が複数回に分けて前記第2ビデオカメラの第2画像捕捉範囲内に入るように制御する機能と、前記第2ロボットアームが複数回に分けて前記第2ビデオカメラを移動させる過程において、前記第2ビデオカメラは、当該物品の複数個の当該表面の中のN個(Nは所定の正整数)からN個の物品映像を対応して取得するように制御する機能と、当該物品映像に対して特徴抽出処理を行って対応の特徴画像を獲得し、次に各当該特徴画像と特徴テンプレートとの特徴マッチングプロセスを行うに従って、各当該物品映像において少なくとも1つの瑕疵が含有されるか否かを確定する機能とを動的に遂行する。
【0010】
実行可能な実施例において、前述した本発明の自動目標画像捕捉及び校正システムは、前記電子機器に電気接続され、かつ前記第1ビデオカメラと近接するように設置されるに従って、前記電子機器からの制御に応じて第1検査光を供給して前記第1画像捕捉範囲を明るく照らす第1光源と、前記電子機器に電気接続され、かつ当該第2ビデオカメラと近接するように設置されるに従って、前記電子機器からの制御に応じて第2検査光を供給して当該第2画像捕捉範囲を明るく照らす少なくとも1つの第2光源とをさらに備える。
【0011】
一実行可能な実施例において、前記識別特徴は、ラベルであり、かつ前記ラベルは、2次元バーコードタグ(2D barcode tag)、QRコード(登録商標)タグ(QR code tag)、マトリックスバーコードタグ(matrix barcode tag)、図形模様入りタグ(tag containing graphic patterns)、テキストメッセージ入りタグ(tag containing text messages)、アルファベット入りタグ(tag containing alphabets)及び数字桁入りタグ(tag containing numeric figures)からなる群より選択される任意の一つである。
【0012】
一実施例において、前記ラベルに搭載された当該物品の複数個の基本情報は、ベンダー識別番号(Vendor ID,VID)と、プロダクト識別番号(Product ID,PID)と、ロット番号と、シリアル番号とを含む。
【0013】
別の実施例において、前記識別特徴は、当該物品上の認識可能な特徴の一つである。
【0014】
一実施例において、前記電子機器は、映像処理プログラムを動作させるに従って、少なくとも1個の当該識別特徴画像を含む複数個の当該2次元映像に応じて当該物品の3次元映像を再構築し、次に当該物品の前記相対位置と前記相対3次元座標とを確認する。
【0015】
一実施例において、前記映像処理プログラムは、ドロネー三角形分割アルゴリズム(Delaunay triangulation algorithm)、クラスト三角形分割アルゴリズム(Crust triangulation algorithm)及び不規則三角形ネットワーク(Triangulated Irregular Network,TIN)アルゴリズムからなる群より選択される1つの映像処理アルゴリズムを含む。
【0016】
一実施例において、前記応用プログラムは、複数個のサブプログラムを含み、かつ前記複数個のサブプログラムは、前記第1ロボットアームにて、前記第1搬送ベルトから1個の当該物品を拾い上げると共に、当該物品を挟持して前記第1ビデオカメラの前記第1画像捕捉範囲内に移動させ、次に当該裏返し順序に沿って当該物品を反転させるように制御するために用いられる第1機構制御プログラムと、前記第1ビデオカメラにて、当該物品を当該裏返し順序に沿って反転させるときに、当該物品に対して画像を捕捉して前記複数個の2次元映像を獲得するように制御するために用いられる第1ビデオカメラ制御プログラムと、複数個の当該2次元映像に対して当該ラベル認識処理を実行して、当該識別特徴画像を含む少なくとも1個の当該2次元映像を見つけ出すために用いられるラベル認識プログラムと、少なくとも1個の当該識別特徴画像を含む複数個の当該2次元映像に応じて当該物品の前記3次元映像を再構築し、次に当該物品の前記相対位置と前記相対3次元座標とを確認することによって、前記第1ロボットアームにて、次に当該物品を挟持して前記第2搬送ベルトの上への移動を可能にさせるために用いられる当該映像処理プログラムと、前記第2ロボットアームにて、前記第2ビデオカメラを複数回に分けて移動させることによって、当該物品の複数個の当該表面が複数回に分けて前記第2ビデオカメラの第2画像捕捉範囲内に入るように制御するために用いられる第2機構制御プログラムと、前記第2ビデオカメラにて、前記第2ロボットアームが複数回に分けて前記第2ビデオカメラを移動させる過程において、当該物品に対して画像を捕捉して前記N個の物品映像を獲得するように制御するために用いられる第2ビデオカメラ制御プログラムと、N個の当該物品映像に対して当該特徴抽出処理を行ってN個の当該特徴画像を獲得し、次に各当該特徴画像と特徴テンプレートとの当該特徴マッチングプロセスを行うために用いられる瑕疵認識プログラムとを含む。
【0017】
一実行可能な実施例において、前記電子機器、前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトとを制御するための機台制御装置と情報連結される。
【0018】
別の実行可能な実施例において、前記電子機器は、前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトとを制御するための機台制御装置の中に整合され、かつ前記機台制御装置は、自動化生産ラインの中に含まれる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、レーザーラベルを識別する方式を用いて物品の相対位置と相対3次元座標とを確立し、このことから、後続的に1個のロボットアームによる1個のビデオカメラの持ち運び移動を制御するだけで、前記ビデオカメラを当該物品の被検査面に正確に対面させることができ、当該物品の自動目標画像捕捉を実現させ、瑕疵検査精度が保証される。なおかつ、本発明の瑕疵検査システムを、その他の物品に対して瑕疵検査を行うために適用するときに、技術者は、ビデオカメラの設置高度と設置角度とを手動調整する必要がなく、光源方向と強度とをチューニングする必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術に係るねじ瑕疵検査システムを模式的に示す斜視図である。
図2A】本発明に係る検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システムの第1斜視図である。
図2B】本発明の自動目標画像捕捉及び校正システムの第2斜視図である。
図3図2Bに示す第1ロボットアーム、第1ビデオカメラ、第2ロボットアーム、第2ビデオカメラ及び電子機器のブロック図である。
図4】本発明の検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システムの第3斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明が提出した検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システムをより明瞭に記述するために、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例を以下に詳述する。
【0022】
それぞれ本発明に係る検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システム1の第1斜視図及び第2斜視図を示す図2A及び図2Bを参照する。
図2A及び図2Bに示すように、本発明の自動目標画像捕捉及び校正システム1は、第1ロボットアーム11と、第1ビデオカメラ12と、少なくとも1つの第2ロボットアーム13と、少なくとも1つの第2ビデオカメラ14と、電子機器15とを備える。本発明の設計によれば、前記第1ロボットアーム11は、第1搬送ベルト1Fと第2搬送ベルト1Pとに同時に近接するように設置され、その内、前記第1搬送ベルト1Fにより複数個の物品2を搬送し、かつ当該物品2の少なくとも1面の表面に識別特徴21が設置される。
一実行可能な実施例において、前記識別特徴21は、ラベルであり、例えば、2次元バーコードタグ(2D barcode tag)、QRコードタグ(QR code tag)、マトリックスバーコードタグ(matrix barcode tag)、図形模様入りタグ(tag containing graphic patterns)、テキストメッセージ入りタグ(tag containing text messages)、アルファベット入りタグ(tag containing alphabets)または数字桁入りタグ(tag containing numeric figures)であってもよい。その内、かかるラベルは、レーザー彫刻技術を利用して当該物品2の一表面の上に作製されるレーザーラベルであってもよく、また、ラベルステッカーであってもよい。
【0023】
別の実行可能な実施例において、前記識別特徴21は、当該物品2上の認識可能な特徴の一つである。具体的には、もしかかる識別特徴21をレーザーラベルとする場合であれば、前記レーザーラベル(すなわち、前記識別特徴21)に同時に搭載可能な当該物品2の複数個の基本情報は、ベンダー識別番号(Vendor ID,VID)と、プロダクト識別番号(Product ID,PID)と、ロット番号と、シリアル番号とを含む。なおかつ、本発明の技術において、前記識別特徴21は、当該物品2の物体角度を同時に認識するために用いられる。
【0024】
図2A及び図2Bに示すように、前記第1ビデオカメラ12は、前記第1ロボットアーム11と近接するように設置される。より詳細に説明すると、前記少なくとも1つの第2ロボットアーム13は、前記第2搬送ベルト1Pと近接するように設置され、かつ各当該第2ロボットアーム13は、第2ビデオカメラ14を把持する。
さらに、図3は、図2Bに示す第1ロボットアーム11、第1ビデオカメラ12、第2ロボットアーム13、第2ビデオカメラ14及び電子機器15のブロック図である。
図2A図2B及び図3に示すように、前記電子機器15は、前記第1ロボットアーム11と、前記第1ビデオカメラ12と、前記少なくとも1つの第2ロボットアーム13と、前記少なくとも1つの第2ビデオカメラ14とに電気接続され、かつマイクロプロセッサ15Pと、メモリ15Mとを含む。
本発明の設計によれば、前記メモリ15M内には、プログラミング言語を利用して編集される応用プログラムが格納され、かつデータベース157を同時に含有する。本発明の自動目標画像捕捉及び校正システム1の正常稼働時に、前記マイクロプロセッサ15Pは、前記メモリ15Mへのアクセスを介して当該応用プログラムを実行することが理解されるべきである。より詳細に説明すると、前記応用プログラムは、複数個のサブプログラムを含み、かつ前記複数個のサブプログラムは、第1機構制御プログラム151と、第1ビデオカメラ制御プログラム152と、ラベル認識プログラム153と、映像処理プログラム150と、第2機構制御プログラム154と、第2ビデオカメラ制御プログラム155と、瑕疵認識プログラム156とを含む。
【0025】
正常稼働時に、前記マイクロプロセッサ15Pは、当該第1機構制御プログラム151を実行するに従って、前記第1ロボットアーム11は、前記第1搬送ベルト1Fから1個の当該物品2を挟み上げると共に、当該物品2を挟持して前記第1ビデオカメラ12の第1画像捕捉範囲内に移動させ、次に裏返し順序に沿って当該物品2を反転させるように制御する。
当該物品2を当該裏返し順序に沿って反転させる過程において、前記マイクロプロセッサ15Pは、当該第1ビデオカメラ制御プログラム152を同時に実行するに従って、前記第1ビデオカメラ12は、順次に当該物品2の複数個の2次元映像を撮影するように制御する。継続的に、前記マイクロプロセッサ15Pは、当該ラベル認識プログラム153を実行するに従って、複数個の当該2次元映像に対してラベル認識処理を実行して、識別特徴画像を含む少なくとも1個の当該2次元映像を見つけ出す。言い換えれば、物品2を第1搬送ベルト1Fに送り込んだ後、本発明の自動目標画像捕捉及び校正システム1は、直ちに当該物品2を反転させて前記識別特徴21を見つけることで、当該物品2の物体角度を確認する。
【0026】
図2A図2B及び図3に示すように、当該物品2を反転させることを介して前記識別特徴21を見つけた後、当該物品2の物体角度と空間位置が直ちに確認される。次に、前記マイクロプロセッサ15Pは、当該映像処理プログラム150を実行するに従って、少なくとも1個の当該識別特徴画像を含む複数個の当該2次元映像に応じて当該物品2の1次元映像または3次元映像を再構築し、次に当該物品2の相対位置と相対3次元座標とを確認する。一実施例において、当該映像処理プログラム150は、映像処理アルゴリズムを含み、かつ前記映像処理アルゴリズムは、例えば、ドロネー三角形分割アルゴリズム(Delaunay triangulation algorithm)、クラスト三角形分割アルゴリズム(Crust triangulation algorithm)または不規則三角形ネットワーク(Triangulated Irregular Network,TIN)アルゴリズムであってもよいが、これらに限定されない。
【0027】
物品2の相対位置と相対3次元座標とを把握した後、前記第1ロボットアーム11は、前記マイクロプロセッサ15Pからの制御に応じて当該物品2を前記第2搬送ベルト1Pの上に移動させて載置する。その後、前記マイクロプロセッサ15Pは、当該第2機構制御プログラム154を実行するに従って、前記第2ロボットアーム13は、前記第2ビデオカメラ14を複数回に分けて移動させることによって、当該物品2の複数個の当該表面が複数回に分けて前記第2ビデオカメラ14の第2画像捕捉範囲内に入るように制御する。言い換えれば、前記第2ロボットアーム13は、制御されて前記第2ビデオカメラ14を複数回に分けて移動させることによって、前記第2ビデオカメラ14を複数回に分けて当該物品2の多数個の表面に対面させる。
【0028】
前記第2ロボットアーム13が複数回に分けて前記第2ビデオカメラ14を移動させる過程において、前記マイクロプロセッサ15Pが、当該第2ビデオカメラ制御プログラム155を実行するに従って、前記第2ビデオカメラ14は、当該物品2の複数個の当該表面の中のN個からN個の物品映像を対応して取得するように制御する。Nは所定の正整数である。一般的に、1個の工業製品(すなわち、物品2)は、上表面、下表面、前表面、後表面、左表面及び右表面を含む6個の表面を有する。外観検査を行うときに、関連検査規定に準拠して前記工業製品の6個の表面のうちのいくつかの表面に対して最も詳細な外観検査を実行する。このため、前記工業製品は、N個の被検面を有すると称することができる。こうして、当該物品2が前記第2搬送ベルト1Pに載置された後、前記マイクロプロセッサ15Pは、直ちに前記第2ロボットアーム13が前記第2ビデオカメラ14を複数回に分けて移動させることによって、前記第2ビデオカメラ14を複数回に分けて当該物品2のN個の被検面に対面させると共に、前記N個の受検面からN個の物品映像を対応して取得するように制御することが理解され得る。
【0029】
最終的に、前記マイクロプロセッサ15Pは、当該瑕疵認識プログラム156を実行するに従って、当該物品映像に対して特徴抽出処理を行って対応の特徴画像を獲得し、次に各当該特徴画像と特徴テンプレートとの特徴マッチングプロセスを行うに従って、各当該物品映像において少なくとも1つの瑕疵が含有されるか否かを確定する。当該瑕疵認識プログラム156は、少なくとも1つの事前に訓練された(Pre-trained)物品瑕疵認識モデルを含み、当該物品瑕疵認識モデルは、前記特徴画像と前記特徴テンプレートとの特徴マッチングを完了させると共に、前記特徴画像に含有される瑕疵の種類を確認することが理解されるべきである。
【0030】
図4は、本発明の検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システム1の第3斜視図である。
図4に示すように、実行可能な実施例において、本発明の自動目標画像捕捉及び校正システム1は、第1光源16と、少なくとも1つの第2光源17とをさらに備えてもよい。その内、前記第1光源16は、前記電子機器15に電気接続され、かつ前記第1ビデオカメラ12と近接するように設置されるに従って、前記電子機器15からの制御に応じて第1検査光を供給して前記第1画像捕捉範囲を明るく照らす。一方、当該第2光源17は、前記電子機器15に電気接続され、かつ当該第2ビデオカメラ14と近接するように設置されるに従って、前記電子機器15からの制御に応じて第2検査光を供給して当該第2画像捕捉範囲を明るく照らす。
【0031】
補足説明すると,本発明の自動目標画像捕捉及び校正システム1の電子機器15は、前記第1搬送ベルト1Fと前記第2搬送ベルト1Pとを制御するための機台制御装置と情報連結され、前記機台制御装置は、自動化生産ラインの中に含まれる。あるいは、前記電子機器15を、前記第1搬送ベルト1Fと前記第2搬送ベルト1Pとを制御するための前記機台制御装置の中に直接的に整合させることも可能である。
【0032】
以上、本発明に係る検査のために適用される自動目標画像捕捉及び校正システムを既に十分かつ明瞭に説明してきた。しかしながら、強調すべき点は、上記の詳細な説明は、本発明の実行可能な実施例を具体的に説明したものであるが、本発明の権利範囲はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的精神を逸脱しない限り、その等効果実施または変更は、なお、本願の特許請求の範囲内に含まれるとする点である。
【符号の説明】
【0033】
<従来技術>
1a ねじ瑕疵検査システム
11a 運搬プラットフォーム
12a 撮影機器
13a 映像処理装置
14a 調整可能な支持機構
<本発明>
1 自動目標画像捕捉及び校正システム
11 第1ロボットアーム
1F 第1搬送ベルト
1P 第2搬送ベルト
12 第1ビデオカメラ
13 第2ロボットアーム
14 第2ビデオカメラ
15 電子機器
15P マイクロプロセッサ
15M メモリ
150 映像処理プログラム
151 第1機構制御プログラム
152 第1ビデオカメラ制御プログラム
153 ラベル認識プログラム
154 第2機構制御プログラム
155 第2ビデオカメラ制御プログラム
156 瑕疵認識プログラム
157 データベース
16 第1光源
17 第2光源
2 物品
21 識別特徴
図1
図2A
図2B
図3
図4