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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】接合物
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/07 20060101AFI20241030BHJP
   F16B 11/00 20060101ALI20241030BHJP
   B23P 11/00 20060101ALI20241030BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20241030BHJP
   B24B 5/307 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
F16B5/07 E
F16B11/00 B
B23P11/00
B24B41/06 C
B24B5/307
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020188033
(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公開番号】P2021103002
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2019234593
(32)【優先日】2019-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】平栗 陽輔
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201711862(CN,U)
【文献】実開昭63-124455(JP,U)
【文献】実開昭54-116890(JP,U)
【文献】特開平03-043141(JP,A)
【文献】特表2016-537190(JP,A)
【文献】特表2007-500609(JP,A)
【文献】実開昭52-165390(JP,U)
【文献】特開2006-009441(JP,A)
【文献】特開平11-236748(JP,A)
【文献】特表2004-517738(JP,A)
【文献】特開2018-108363(JP,A)
【文献】特開2019-073717(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0288286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/07
F16B 11/00
B23P 11/00
B24B 41/06
B24B 5/307
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に作用する先端部と、
前記先端部を支持する本体部と、
機械的接合により前記本体部と前記先端部とを接合する接合部とを備える接合物であって、
前記接合部は継手を含み、
前記継手は複数の継手組を含み、
前記継手組は前記本体部および前記先端部の一方に設けられる継手凹部、および、前記本体部および前記先端部の他方に設けられる継手凸部を含み、
前記接合部は機械的接合および接着層により前記本体部と前記先端部とを接合し、
前記先端部および前記本体部は薄板を含み、
前記接合物は前記対象物を支持する治具であり、
前記治具はセンターレス研削装置のブレードであり、
前記継手凹部は、前記本体部に設けられる本体凹部および前記先端部に設けられる先端凹部を含み、
前記継手凸部は、前記本体部に設けられる本体凸部および前記先端部に設けられる先端凸部を含み、
前記本体凹部と前記本体凸部は互いに隣接して交互に設けられ、
前記先端凹部と前記先端凸部は互いに隣接して交互に設けられる、
接合物。
【請求項2】
前記継手は蟻継を含む
請求項1に記載の接合物。
【請求項3】
前記接合部は前記本体部および前記先端部を接合する接合部材をさらに含む
請求項1または2に記載の接合物。
【請求項4】
前記先端部は硬質材料を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の接合物。
【請求項5】
前記先端部は焼結体を含む
請求項1~4のいずれか一項に記載の接合物。
【請求項6】
前記先端部の弾性率は前記本体部の弾性率よりも大きい
請求項1~5のいずれか一項に記載の接合物。
【請求項7】
前記先端部は前記対象物に対して相対移動する状態において、前記対象物に作用するように構成される
請求項1~6のいずれか一項に記載の接合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は本体部と先端部とが接合される接合物に関する。
【背景技術】
【0002】
接合物には例えば治工具および測定子等が含まれる。治工具には治具および工具が含まれる。治具は対象物である被加工物を支持する。工具は対象物である被加工物を加工する。測定子は対象物である被測定物を測定する。接合物は例えば本体部、先端部、および、接合部により構成される。本体部は先端部を支持する。先端部は対象物に作用する。接合部は本体部と先端部とを接合する。特許文献1は従来の接合物の一例を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭63-124455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本体部と先端部とが接合部により接合される場合、接合物の形状への影響が小さいことが好ましい。例えば、本体部と先端部との接合により接合物に変形が生じた場合、先端部が対象物に良好に作用しないおそれがある。
【0005】
本発明の目的は対象物に良好に作用することに寄与する接合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に関する接合物は対象物に作用する先端部と、前記先端部を支持する本体部と、機械的接合により前記本体部と前記先端部とを接合する接合部とを備え、前記接合部は継手を含む。
【0007】
上記接合物によれば、本体部と先端部とが機械的接合により接合されるため、例えば本体部と先端部とが冶金的接合により接合される場合と比較して、熱による接合物の変形が生じにくい。これは先端部が対象物に良好に作用することに寄与する。
【0008】
前記接合物は、前記継手は複数の継手組を含み、前記継手組は前記本体部および前記先端部の一方に設けられる継手凹部、および、前記本体部および前記先端部の他方に設けられる継手凸部を含み、前記接合部は機械的接合および接着層により前記本体部と前記先端部とを接合し、前記先端部および前記本体部は薄板を含み、前記接合物は前記対象物を支持する治具であり、前記治具はセンターレス研削装置のブレードであり、前記継手凹部は継手空間を含み、前記本体部に設けられる本体凹部および前記先端部に設けられる先端凹部を含み、前記前記継手凸部は、前記本体部に設けられる本体凸部および前記先端部に設けられる先端凸部を含み、前記本体凹部と前記本体凸部は互いに隣接して交互に設けられ、前記先端凹部と前記先端凸部は互いに隣接して交互に設けられる。
【0009】
上記接合物によれば、本体部と先端部とが複数の継手組により接合されるため、接合部の強度が高くなる。また、本体部と先端部とが機械的接合による接合に加え、接着層により接合されるため、接合部の強度が一層高くなる。例えば本体部と先端部とが冶金的接合により接合される場合と比較して、熱による接合物の変形が生じにくい。上記接合物によれば、ブレードにより対象物である被加工物が適切に支持される。これは例えば被加工物の加工精度の向上に寄与する。
【0010】
前記接合物の一例では、前記継手は蟻継を含む。
【0011】
上記接合物によれば、接合部の強度が一層高くなる。
【0012】
前記接合物の一例では、前記接合部は前記本体部および前記先端部を接合するピンをさらに含む。
【0013】
上記接合物によれば、接合部の強度が一層高くなる。
【0016】
前記接合物の一例では、前記先端部は硬質材料を含む。
【0017】
上記接合物によれば、先端部の耐摩耗性が高くなる。
【0018】
前記接合物の一例では、前記先端部は焼結体を含む。
【0019】
上記接合物によれば、先端部の耐摩耗性が高くなる。
【0020】
前記接合物の一例では、前記先端部の弾性率は前記本体部の弾性率よりも大きい。
【0021】
上記接合物によれば、先端部が変形しにくい。
【0022】
前記接合物の一例では、前記先端部は前記対象物に対して相対移動する状態において、前記対象物に作用するように構成される。
【0023】
上記接合物によれば、先端部は相対移動する対象物に良好に作用する。
【発明の効果】
【0032】
本発明に関する接合物は対象物に良好に作用することに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1実施形態の接合物のモデル図。
図2】第2実施形態の接合物のモデル図。
図3】第3実施形態の接合物のモデル図。
図4】第4実施形態の接合物のモデル図。
図5】第5実施形態の接合物の斜視図。
図6図5の接合物の断面図。
図7図5の本体部の平面図。
図8図5の先端部の底面図。
図9】第6実施形態の接合物の斜視図。
図10】第7実施形態の接合物の斜視図。
図11】第8実施形態の接合物の斜視図。
図12図11の接合物の断面図。
図13図11の本体部の平面図。
図14図11の先端部の底面図。
図15】第9実施形態の接合物の斜視図。
図16】第10実施形態の接合物の斜視図。
図17】第11実施形態の接合物の断面図。
図18】第12実施形態の接合物の斜視図。
図19図18の接合物の断面図。
図20】第13実施形態の接合物の斜視図。
図21】第14実施形態の接合物の斜視図。
図22】第15実施形態の接合物の斜視図。
図23】第16実施形態の接合物の斜視図。
図24】第17実施形態の接合物の斜視図。
図25】第18実施形態の接合物の斜視図。
図26】第19実施形態の接合物の斜視図。
図27】第20実施形態の接合物の斜視図。
図28】第21実施形態の接合物の斜視図。
図29】第22実施形態の接合物の斜視図。
図30】第23実施形態の接合物の斜視図。
図31】第27実施形態の接合物のモデル図。
図32】第28実施形態の接合物を含む処理装置のモデル図。
図33】第29実施形態の接合物を含む処理装置のモデル図。
図34】第30実施形態の接合物を含む処理装置のモデル図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1実施形態)
図1に示される接合物10は対象物Wに作用する。接合物10の作用の形態について例示する。第1例では、接合物10は対象物Wに対して相対移動する場合に対象物Wに作用する。第2例では、接合物10は対象物Wに対して相対移動しない状態において対象物Wに作用する。第3例では、接合物10の作用の形態は第1例の形態および第2例の形態を含む。相対移動の形態について例示する。第1例では、接合物10は移動せず、対象物Wが接合物10に対して移動する。第2例では、対象物Wは移動せず、接合物10が対象物Wに対して移動する。第3例では、接合物10および対象物Wの両方が移動する。
【0035】
接合物10は例えば機能により分類される。機能による接合物10の分類には例えば、治工具、流体吐出部、測定子、および、スタイラス等が含まれる。治工具には治具および工具が含まれる。治具は対象物Wである被加工物を支持する、または、対象物Wである被加工物または工具を支持または案内する。工具は対象物Wである被加工物を加工する。流体吐出部は対象物Wである流体を吐出する。測定子は対象物Wである被測定物を測定する。スタイラスは対象物Wである被筆記体に筆記する。
【0036】
接合物10の使用の形態について例示する。第1例では、接合物10は処理装置に組み込まれた状態において使用される。処理装置には例えば、加工装置、流体吐出装置、後処理装置、組立装置、検査装置、および、測定装置等が含まれる。第1例の使用形態を有する接合物10には例えば、治工具、測定子、および、流体吐出部が含まれる。第2例では、接合物10は処理装置等に組み込まれることなく使用される。第2例の使用形態を有する接合物10には例えば、測定子およびスタイラスが含まれる。スタイラスは例えばタッチパネル式のポインティングデバイスの操作に使用される。
【0037】
加工装置は対象物Wである被加工物を加工する。加工装置の加工には例えば、切断、穿孔、研削、研磨、圧延、鍛造、折り曲げ、および、プレス等が含まれる。加工装置には例えば、工作機械およびプレス加工装置等が含まれる。工作機械には例えば、切削加工装置、研削加工装置、および、特殊加工装置等が含まれる。加工装置に組み込まれる接合物10には、例えば治工具が含まれる。加工装置の治具には例えば、研削加工装置の治具、研削加工装置の治具、特殊加工装置の治具、および、プレス加工装置の治具等が含まれる。加工装置の工具には例えば、切削加工装置のバイト、切削加工装置のスクレイパー、切断加工装置の切断刃、プレス装置のパンチ、および、プレス装置のダイ等が含まれる。
【0038】
流体吐出装置は対象物Wである流体を吐出する。流体吐出装置には例えば、射出成形装置および洗浄装置等が含まれる。流体吐出装置に組み込まれる接合物10には例えば、ノズル等が含まれる。
【0039】
後処理装置は対象物Wである被加工物を加工する。後処理装置の加工には例えば、塗装、マスク、メッキ、印刷、および、乾燥等が含まれる。後処理装置には例えば、塗装装置、マスク装置、メッキ装置、印刷装置、および、乾燥装置等が含まれる。後処理装置に組み込まれる接合物には例えば治具が含まれる。
【0040】
検査装置は対象物Wである被検査物を検査する。検査装置の検査には、例えば形状の検査、構造の検査、寸法の検査、色の検査、および、意匠の検査等が含まれる。検査装置に組み込まれる接合物10には、例えば治具が含まれる。
【0041】
測定装置は対象物Wである被測定物を測定する。測定装置の測定には例えば、輪郭形状測定、三次元測定、表面粗さ測定、表面形状測定、X線CT(Computed Tomography)測定、CNC(Computer Numerical Control)画像測定、および、真円度測定等が含まれる。測定装置に組み込まれる接合物10には、例えば治具および測定子が含まれる。測定子には例えば、球状測定子および触針が含まれる。
【0042】
接合物10に関する説明には直交座標系が用いられる。X軸およびY軸を含む平面は接合物10の平面視に表れる。X軸およびZ軸を含む平面は接合物10の正面視に表れる。Y軸およびZ軸を含む平面は接合物10の側面視に表れる。Z軸に平行な方向は第1基準方向である。X軸に平行な方向は第2基準方向である。Y軸に平行な方向は第3基準方向である。
【0043】
図1に示されるように、接合物10は本体部100、先端部200、および、接合部20を含む。本体部100は例えば柱、錐、錐台、球、もしくは、正多面体、または、これらの立体に類似する立体である。先端部200は例えば柱、錐、錐台、球、もしくは、正多面体、または、これらの立体に類似する立体である。本体部100および先端部200は例えば配置方向に並ぶ。配置方向は例えば第1基準方向に平行な方向である。本体部100は先端部200を支持する。先端部200は対象物Wに作用する。対象物Wへの作用には例えば、支持、固定、案内、加工、検査、測定、および、洗浄等が含まれる。先端部200は例えば本体部100よりも小さい部材である。
【0044】
本体部100は第1材料を含む。本体部100の機能等に応じて、所定の材料のグループから1種類または複数種類の第1材料が選択される。先端部200は第2材料を含む。先端部200の機能等に応じて、所定の材料のグループから1種類または複数種類の第2材料が選択される。第1材料および第2材料の関係について例示する。第1例では、第1材料と第2材料とは異なる。第2例では、第1材料および第2材料は同一である。
【0045】
本体部100の第1材料には例えば、硬質材料および一般材料が含まれる。一般材料は硬質材料とは異なる材料である。一般材料には例えば、鉄、鋼、および、鋳鉄が含まれる。一般材料の縦弾性率は硬質材料の縦弾性率よりも小さい。
【0046】
先端部200の第2材料には例えば硬質材料が含まれる。硬質材料には例えば、ダイヤモンド、炭化ケイ素、炭化ホウ素、チタンカーバイド、炭化タングステン、立方晶窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、および、アルミナ等が含まれる。硬質材料を含む先端部200は例えば焼結体である。焼結体には例えば、ダイヤモンド焼結体、立方晶窒化ホウ素焼結体、セラミック焼結体、および、超硬合金等が含まれる。硬質材料の縦弾性率は一般材料の縦弾性率よりも大きい。
【0047】
接合部20は機械的接合により本体部100と先端部200とを接合する。接合部20による機械的接合の形態には例えば、継手、ピン、ねじ付きファスナ、かしめ、リベット、および、しまりばめの少なくとも1つを用いる形態が含まれる。本体部100の表面110には側面111、底面112、および、本体境界面120が含まれる。本体境界面120は本体部100の上面に相当する。先端部200の表面210には側面211、上面212、および、先端境界面220が含まれる。先端境界面220は先端部200の底面に相当する。接合部20により本体部100と先端部200とが接合された状態では、本体境界面120と先端境界面220とは対向する。
【0048】
配置方向に関して先端部200が本体部100から離れる方向を「第1離脱方向」と称する。先端部200を本体部100に対して第1離脱方向に移動させるように働く荷重を「第1荷重」と称する。接合物10の平面視において配置方向に交差する方向を「横方向」と称する。横方向には例えば、第2基準方向に平行な方向、第3基準方向に平行な方向、および、これらの方向に交差する方向が含まれる。横方向に関して先端部200が本体部100から離れる方向を「第2離脱方向」と称する。先端部200を本体部100に対して横方向に移動させるように働く荷重を「第2荷重」と称する。
【0049】
接合部20は第1荷重が先端部200に働く場合、第1離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動を規制するように構成される。接合部20は先端部200にかかる第1荷重を本体部100で受けることにより、第1離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動を規制する。
【0050】
接合部20は第2荷重が先端部200に働く場合、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動を規制するように構成される。接合部20は先端部200にかかる第2荷重を本体部100で受けることにより、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動を規制する。
【0051】
接合物10によれば、本体部100と先端部200とが機械的接合により接合されるため、例えば本体部100と先端部200とが冶金的接合により接合される場合と比較して、熱による接合物10の変形が生じにくい。これは先端部200が対象物に良好に作用することに寄与する。
【0052】
(第2実施形態)
図2に示される第2実施形態の接合物10は第1実施形態の接合物10を前提に構成される。第2実施形態の接合物10は接触式相対移動物である。接合物10は対象物Wに接触した状態において、対象物Wに対して相対移動する場合に対象物Wに作用するように構成される。相対移動の形態について例示する。第1例では、接合物10は移動せず、対象物Wが接合物10に対して移動する。第2例では、対象物Wは移動せず、接合物10が対象物Wに対して移動する。第3例では、接合物10および対象物Wの両方が移動する。先端部200は対象物Wに接触する接触面213を含む。接触面213は上面212に含まれる。
【0053】
(第3実施形態)
図3に示される第3実施形態の接合物10は第1または第2実施形態の接合物10を前提に構成される。第3実施形態の接合物10は継手30を含む。継手30は本体部100に設けられる規制面31、および、先端部200に設けられる被規制面32を含む。規制面31は本体境界面120に含まれる。被規制面32は先端境界面220に含まれる。継手30は先端部200に働く第1荷重を被規制面32から規制面31に伝達するように構成される。規制面31と被規制面32とは配置方向において対向する。規制面31は被規制面32に対して第1離脱方向に位置する。先端部200に第1荷重が働く場合、被規制面32から規制面31に第1荷重が伝達される。第1荷重が本体部100に受けられ、第1離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0054】
継手30の種類は例えば木造軸組工法の継手の種類に準じる。継手30の種類には例えば、蟻継、鎌継、シャチ継、布継、略鎌継、追掛大栓継、および、金輪継等が含まれる。継手30は1または複数の継手組40を含む。継手組40は継手凹部40Aおよび継手凸部40Bを含む。継手凹部40Aは本体部100に設けられる本体凹部100A、および、先端部200に設けられる先端凹部200Aの少なくとも一方を含む。継手凸部40Bは本体部100に設けられる本体凸部100B、および、先端部200に設けられる先端凸部200Bの少なくとも一方を含む。規制面31は本体凹部100Aおよび本体凸部100Bの少なくとも1つに含まれる。被規制面32は先端凹部200Aおよび先端凸部200Bの少なくとも1つに含まれる。
【0055】
継手凹部40Aは継手空間41を含む。継手空間41には例えば、穴および溝が含まれる。穴には、本体部100または先端部200を貫通しない穴、および、本体部100または先端部200を貫通する穴が含まれる。溝には、本体部100または先端部200を貫通しない溝、および、本体部100または先端部200を貫通する溝が含まれる。継手凸部40Bは継手空間41に挿入できるように構成される。継手凹部40Aと継手凸部40Bとが組み合わせられることにより、本体部100と先端部200とが接合される。
【0056】
継手30を含む接合物10では、本体部100と先端部200とがねじ付きファスナにより接合される場合とは異なり、本体部100と先端部200とを接合する作業に締め付けトルクの調節が含まれない。これは例えば、締め付けトルクの影響による接合物10の変形を抑えることに寄与する。
【0057】
(第4実施形態)
図4に示される第4実施形態の接合物10は第3実施形態の接合物10を前提に構成される。第4実施形態の接合部20の規制面31は第1荷重および第2荷重を受けるように構成される。継手30は先端部200に働く第2荷重を先端部200の被規制面32から本体部100の規制面31に伝達するように構成される。規制面31と被規制面32とは横方向において対向する。規制面31は被規制面32に対して第2離脱方向に位置する。先端部200に第2荷重が働く場合、被規制面32から規制面31に第2荷重が伝達される。第2荷重が本体部100に受けられ、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0058】
(第5実施形態)
図5図8に示される第5実施形態の接合物10は第4実施形態の接合物10を前提に構成される。図5および図6に示されるように、第5実施形態の本体部100および先端部200は柱体である。第5実施形態の継手30は蟻継を含む。継手組40は本体凹部100Aおよび先端凸部200Bを含む。継手30は先端部200に働く第1荷重を先端部200の被規制面32から本体部100の規制面31に伝達するように構成される。継手30は先端部200に働く第2荷重を被規制面32から規制面31に伝達するように構成される。先端凸部200Bが本体凹部100Aに挿入されることにより本体部100と先端部200とが継手30により接合される。
【0059】
本体部100は例えば角柱である。図7に示されるように、本体部100の側面111は第1~第4側面111A~111Dを含む。第1側面111Aと第2側面111Bとは平行である。第3側面111Cと第4側面111Dとは平行である。本体部100の本体境界面120は第1境界面121、第2境界面122、および、中間境界面123を含む。本体部100の中間境界面123は規制面31を含む。本体部100は本体凹部100Aを含む。本体凹部100Aの継手空間41は蟻穴または蟻溝を含む。本体凹部100Aは第1境界面121に対して窪む。第2境界面122および中間境界面123は継手空間41を規定する。第2境界面122は本体凹部100Aの底面に相当する。中間境界面123は第1境界面121と第2境界面122との間に形成される。中間境界面123は本体凹部100Aの側面に相当する。
【0060】
本体凹部100Aは第1境界面121に開口する境界開口部41Aを含む。境界開口部41Aの幅は第2境界面122の幅よりも狭い。中間境界面123は本体凹部100Aの深さ方向に対して傾斜する。中間境界面123は第1辺123Aおよび第2辺123Bを含む。第1辺123Aは第1境界面121と中間境界面123との境界に相当する。第2辺123Bは第2境界面122と中間境界面123との境界に相当する。中間境界面123は第1辺123Aが第2辺123Bよりも本体凹部100Aの幅方向の中心側に位置するように、本体凹部100Aの深さ方向に対して傾斜する。
【0061】
一例では、継手空間41は側面開口部41Bをさらに含む。側面開口部41Bの構成について例示する。第1例では、側面開口部41Bは本体部100の第1側面111Aおよび第2側面111Bの少なくとも一方に開口する。側面開口部41Bは本体部100の第3側面111Cおよび第4側面111Dには開口しない。第2例では、側面開口部41Bは本体部100の第3側面111Cおよび第4側面111Dの少なくとも一方に開口する。側面開口部41Bは本体部100の第1側面111Aおよび第2側面111Bには開口しない。
【0062】
先端部200は例えば角柱である。一例では、先端部200の高さは本体部100の高さよりも低い。図8に示されるように、先端部200の側面211は第1~第4側面211A~211Dを含む。第1側面211Aと第2側面211Bとは平行である。第3側面211Cと第4側面211Dとは平行である。先端部200の先端境界面220は第1境界面221、第2境界面222、および、中間境界面223を含む。先端部200の中間境界面223は被規制面32を含む。先端部200は先端凸部200Bを含む。先端凸部200Bは蟻ほぞを含む。先端凸部200Bは第2境界面222に対して突出する。第1境界面221は先端凸部200Bの上面に相当する。中間境界面223は第1境界面221と第2境界面222との間に形成される。中間境界面223は先端凸部200Bの側面に相当する。
【0063】
先端凸部200Bは先端凸部200Bにおける第2境界面222との接続部分である根元42を含む。先端凸部200Bの上面に相当する第1境界面221の幅は先端凸部200Bの根元42の幅よりも広い。中間境界面223は先端凸部200Bの高さ方向に対して傾斜する。中間境界面223は第1辺223Aおよび第2辺223Bを含む。第1辺223Aは第1境界面221と中間境界面223との境界に相当する。第2辺223Bは第2境界面222と中間境界面223との境界に相当する。中間境界面223は第1辺223Aが第2辺223Bよりも先端凸部200Bの幅方向の外側に位置するように、先端凸部200Bの高さ方向に対して傾斜する。
【0064】
規制面31と被規制面32とは配置方向において対向する。規制面31は被規制面32に対して第1離脱方向に位置する。先端部200に第1荷重が働く場合、被規制面32から規制面31に第1荷重が伝達される。第1荷重が規制面31に受けられ、第1離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0065】
横方向には例えば、第1横方向および第2横方向が含まれる。第1横方向は接合物10の平面視において側面開口部41Bに平行な方向である。第2横方向は接合物10の平面視において側面開口部41Bに直交する方向である。第1横方向と第2横方向とは直交する。第2荷重には例えば、第1横方向に働く第2荷重、および、第2横方向に働く第2荷重が含まれる。
【0066】
規制面31と被規制面32とは第1横方向において対向する。規制面31は被規制面32に対して第2離脱方向に位置する。先端部200に第1横方向の第2荷重が働く場合、被規制面32から規制面31に第2荷重が伝達される。第2荷重が本体部100に受けられ、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0067】
一例では、接合部20は第2横方向に関する本体部100に対する先端部200の移動を規制する規制構造をさらに含む。規制構造は例えば、本体部100と先端部200との間の摩擦力を用いる構造、または、本体部100と先端部200との相対的な移動を規制する規制部材を用いる構造を含む。接合部20に規制構造が含まれる例では、先端部200に第2横方向の第2荷重が働く場合、規制構造により第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0068】
(第6実施形態)
図9に示される第6実施形態の接合物10は第5実施形態の接合物10を前提に構成される。第6実施形態の接合物10では、継手組40の継手凹部40Aおよび継手凸部40Bが設けられる対象が第5実施形態とは反対に設定される。継手組40は本体凸部100Bおよび先端凹部200Aを含む。継手30は先端部200に働く第1荷重を先端部200の被規制面32から本体部100の規制面31に伝達するように構成される。継手30は先端部200に働く第2荷重を被規制面32から規制面31に伝達するように構成される。本体凸部100Bが先端凹部200Aに挿入されることにより本体部100と先端部200とが継手30により接合される。
【0069】
本体部100は本体凸部100Bを含む。本体凸部100Bは蟻ほぞを含む。本体凸部100Bは第2境界面122に対して突出する。第1境界面121は本体凸部100Bの上面に相当する。中間境界面123は第1境界面121と第2境界面122との間に形成される。中間境界面123は本体凸部100Bの側面に相当する。
【0070】
本体凸部100Bは本体凸部100Bにおける第2境界面122との接続部分である根元42を含む。本体凸部100Bの上面に相当する第1境界面121の幅は本体凸部100Bの根元42の幅よりも広い。中間境界面123は本体凸部100Bの高さ方向に対して傾斜する。中間境界面123は第1辺123Aが第2辺123Bよりも本体凸部100Bの幅方向の外側に位置するように、本体凸部100Bの高さ方向に対して傾斜する(図7、8参照)。
【0071】
先端部200は先端凹部200Aを含む。先端凹部200Aの継手空間41は蟻穴または蟻溝を含む。先端凹部200Aは第1境界面221に対して窪む。第2境界面222および中間境界面223は継手空間41を規定する。第2境界面222は先端凹部200Aの底面に相当する。中間境界面223は第1境界面221と第2境界面222との間に形成される。中間境界面223は先端凹部200Aの側面に相当する。
【0072】
先端凹部200Aは第1境界面221に開口する境界開口部41Aを含む。境界開口部41Aの幅は第2境界面222の幅よりも狭い。中間境界面223は先端凹部200Aの深さ方向に対して傾斜する。中間境界面223は第1辺223Aが第2辺223Bよりも先端凹部200Aの幅方向の中心側に位置するように、先端凹部200Aの深さ方向に対して傾斜する(図7、8参照)。
【0073】
一例では、継手空間41は側面開口部41Bをさらに含む。側面開口部41Bの構成について例示する。第1例では、側面開口部41Bは先端部200の第1側面211Aおよび第2側面211Bの少なくとも一方に開口する。側面開口部41Bは先端部200の第3側面211Cおよび第4側面211Dには開口しない。第2例では、側面開口部41Bは先端部200の第3側面211Cおよび第4側面211Dの少なくとも一方に開口する。側面開口部41Bは先端部200の第1側面211Aおよび第2側面211Bには開口しない。
【0074】
(第7実施形態)
図10に示される第7実施形態の接合物10は第5および第6実施形態の接合物10を前提に構成される。第7実施形態の継手30は複数の継手組40を含む。複数の継手組40には、本体凹部100Aおよび先端凸部200Bの継手組40、ならびに、本体凸部100Bおよび先端凹部200Aの継手組40が含まれる。
【0075】
本体部100は複数の本体凹部100Aおよび複数の本体凸部100Bを含む。本体凹部100Aの構成は第5実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。本体凸部100Bの構成は第6実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。本体凹部100Aは本体凹部100Aの幅方向に両側に隣接する2つの本体凸部100Bの間に設けられる。本体凸部100Bは本体凸部100Bの幅方向に両側に隣接する2つの本体凹部100Aの間に設けられる。本体凹部100Aの中間境界面123と本体凸部100Bの中間境界面123とは同一の面である。本体凹部100Aの中間境界面123および本体凸部100Bの中間境界面123は規制面31を含む(図9参照)。
【0076】
先端部200は複数の先端凸部200Bおよび複数の先端凹部200Aを含む。先端凸部200Bの構成は第5実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端凹部200Aの構成は第6実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。先端凸部200Bは先端凸部200Bの幅方向に両側に隣接する2つの先端凹部200Aの間に設けられる。先端凹部200Aは先端凹部200Aの幅方向に両側に隣接する2つの先端凸部200Bの間に設けられる。先端凸部200Bの中間境界面223と先端凹部200Aの中間境界面223とは同一の面である。先端凸部200Bの中間境界面223および先端凹部200Aの中間境界面223は被規制面32を含む(図9参照)。
【0077】
(第8実施形態)
図11図14に示される第8実施形態の接合物10は第5実施形態の接合物10を前提に構成される。図11および図12に示されるように、第8実施形態の本体部100および先端部200は薄板である。薄板は柱の一例である。本体部100は本体凹部100Aを含む。図13に示されるように、本体部100は側面111および本体境界面120を含む。本体部100の構成は第5実施形態の本体部100の構成に準じる。先端部200は先端凸部200Bを含む。図14に示されるように、先端部200は側面211および先端境界面220を含む。先端部200の構成は第5実施形態の先端部200の構成に準じる。継手30により本体部100と先端部200とが接合されるため、薄板を含む接合物10において接合にともなう変形が生じにくい。
【0078】
(第9実施形態)
図15に示される第9実施形態の接合物10は第8実施形態の接合物10を前提に構成される。第9実施形態の接合物10では、継手組40の継手凹部40Aおよび継手凸部40Bが設けられる対象が第8実施形態とは反対に設定される。本体部100は本体凸部100Bを含む。本体凸部100Bの構成は第8実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端部200は先端凹部200Aを含む。先端凹部200Aの構成は第8実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。継手30により本体部100と先端部200とが接合されるため、薄板を含む接合物10において接合にともなう接合物10の変形が生じにくい。
【0079】
(第10実施形態)
図16に示される第10実施形態の接合物10は第8および第9実施形態の接合物10を前提に構成される。第10実施形態の継手30は複数の継手組40を含む。本体部100は複数の本体凹部100Aおよび複数の本体凸部100Bを含む。本体凹部100Aの構成は第8実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。本体凸部100Bの構成は第9実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。先端部200は複数の先端凸部200Bおよび複数の先端凹部200Aを含む。先端凸部200Bの構成は第8実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端凹部200Aの構成は第9実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。複数の継手組40を含む継手30により本体部100と先端部200とが接合されるため、接合部20の強度が高くなる。
【0080】
(第11実施形態)
図17に示される第11実施形態の接合物10は第1または第2実施形態の接合物を前提に構成される。第11実施形態の接合部20は嵌合部50を含む。嵌合部50は本体部100に設けられる本体嵌合部130、先端部200に設けられる先端嵌合部230、ならびに、本体部100および先端部200とは別に構成される接合部材51を含む。
【0081】
嵌合部50は先端部200に働く第1荷重を先端嵌合部230から接合部材51を介して本体嵌合部130に伝達するように構成される。本体嵌合部130は本体嵌合面131および本体嵌合穴132を含む。本体嵌合面131は本体嵌合穴132を規定する。本体嵌合穴132は接合部材51を挿入できるように形成される。先端嵌合部230は先端嵌合面231および先端嵌合穴232を含む。先端嵌合面231は先端嵌合穴232を規定する。先端嵌合穴232は接合部材51を挿入できるように形成される。
【0082】
接合部材51は第3材料を含む。接合部材51の機能等に応じて、所定の材料のグループから1種類または複数種類の第3材料が選択される。本体部100の第1材料、先端部200の第2材料、および、接合部材51の第3材料の関係について例示する。第1例では、第3材料は第1材料および第2材料とは異なる。第2例では、第3材料は第1材料と同一であり、第2材料とは異なる。第3例では、第3材料は第2材料と同一であり、第1材料とは異なる。第4例では、第3材料は第1材料および第2材料と同一である。
【0083】
接合部材51の第3材料には例えば、硬質材料および一般材料が含まれる。接合部材51の硬質材料の種類は本体部100または先端部200の硬質材料の種類に準じる。接合部材51の一般材料の種類は本体部100の一般材料の種類に準じる。硬質材料を含む接合部材51は例えば焼結体である。焼結体には例えば、ダイヤモンド焼結体、立方晶窒化ホウ素焼結体、セラミック焼結体、および、超硬合金等が含まれる。硬質材料の縦弾性率は一般材料の縦弾性率よりも大きい。
【0084】
接合部材51は本体嵌合穴132および先端嵌合穴232に挿入できるように、本体部100および先端部200とは別に構成される。本体嵌合面131は規制面31を含む。先端嵌合面231は被規制面32を含む。接合部材51は被規制面32から規制面31に第1荷重を伝達できるように被規制面32と規制面31との間に設けられる。接合部材51が本体嵌合穴132および先端嵌合穴232に挿入された状態では、接合部20は本体嵌合部130および先端嵌合部230と接合部材51とのはめあいにより本体部100と先端部200とを接合する。接合部材51は例えば、本体嵌合部130および先端嵌合部230と接合部材51との間の摩擦力を用いる構造、または、接合部材51の移動を規制する規制部材を用いる構造により、本体嵌合部130および先端嵌合部230に保持される。
【0085】
規制面31および被規制面32と接合部材51とは配置方向および横方向において対向する。規制面31は接合部材51に対して第1離脱方向および第2離脱方向に位置する。接合部材51は被規制面32に対して第1離脱方向および第2離脱方向に位置する。先端部200に第1荷重が働く場合、被規制面32から接合部材51に第1荷重が伝達され、接合部材51から規制面31に第1荷重が伝達される。第1荷重が本体部100に受けられ、第1離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。先端部200に第2荷重が働く場合、被規制面32から接合部材51に第2荷重が伝達され、接合部材51から規制面31に第2荷重が伝達される。第2荷重が本体部100に受けられ、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0086】
(第12実施形態)
図18および図19に示される第12実施形態の接合物10は第4および第11実施形態の接合物10を前提に構成される。第12実施形態の接合物10は継手30をさらに含む。継手30は少なくとも1つの継手組40を含む。継手組40は継手凹部40Aおよび継手凸部40Bを含む。継手凹部40Aは先端部200に設けられる先端凹部200Aを含む。継手凸部40Bは本体部100に設けられる本体凸部100Bを含む。
【0087】
継手凹部40Aは継手空間41を含む。継手空間41には例えば、穴および溝が含まれる。穴には、本体部100または先端部200を貫通しない穴、および、本体部100または先端部200を貫通する穴が含まれる。溝には、本体部100または先端部200を貫通しない溝、および、本体部100または先端部200を貫通する溝が含まれる。継手凸部40Bは継手空間41に挿入できるように構成される。継手凹部40Aと継手凸部40Bとが組み合わせられることにより、本体部100と先端部200とが接合される。
【0088】
本体部100は例えば角柱である。本体部100の側面111は第1~第4側面111A~111Dを含む。第1側面111Aと第2側面111Bとは平行である。第3側面111Cと第4側面111Dとは平行である。本体部100の本体境界面120は第1境界面121、第2境界面122、および、中間境界面123を含む。本体部100は本体凸部100Bを含む。本体凸部100Bは第2境界面122に対して突出する。第1境界面121は本体凸部100Bの上面に相当する。中間境界面123は第1境界面121と第2境界面122との間に形成される。中間境界面123は本体凸部100Bの側面に相当する。
【0089】
本体凸部100Bは本体凸部100Bにおける第2境界面122との接続部分である根元42を含む。本体凸部100Bの上面に相当する第1境界面121の幅は本体凸部100Bの根元42の幅に等しい。中間境界面123は本体凸部100Bの高さ方向に平行である。中間境界面123は第1辺123Aおよび第2辺123Bを含む(図7参照)。第1辺123Aは第1境界面121と中間境界面123との境界に相当する。第2辺123Bは第2境界面122と中間境界面123との境界に相当する。
【0090】
先端部200は例えば角柱である。一例では、先端部200の高さは本体部100の高さよりも低い。先端部200の側面211は第1~第4側面211A~211Dを含む。第1側面211Aと第2側面211Bとは平行である。第3側面211Cと第4側面211Dとは平行である。先端部200の先端境界面220は第1境界面221、第2境界面222、および、中間境界面223を含む。先端部200は先端凹部200Aを含む。先端凹部200Aの継手空間41は穴または溝を含む。先端凹部200Aは第1境界面221に対して窪む。第2境界面222および中間境界面223は継手空間41を規定する。第2境界面222は先端凹部200Aの底面に相当する。中間境界面223は第1境界面221と第2境界面222との間に形成される。中間境界面223は先端凹部200Aの側面に相当する。
【0091】
継手空間41は第1境界面221に開口する境界開口部41Aを含む。境界開口部41Aの幅は第2境界面222の幅に等しい。中間境界面223は先端凹部200Aの深さ方向に平行である。中間境界面223は第1辺223Aおよび第2辺223Bを含む(図8参照)。第1辺223Aは第1境界面221と中間境界面223との境界に相当する。第2辺223Bは第2境界面222と中間境界面223との境界に相当する。
【0092】
一例では、継手空間41は側面開口部41Bをさらに含む。側面開口部41Bの構成について例示する。第1例では、側面開口部41Bは先端部200の第1側面211Aおよび第2側面211Bの少なくとも一方に開口する。側面開口部41Bは先端部200の第3側面111Cおよび第4側面111Dには開口しない。第2例では、側面開口部41Bは先端部200の第3側面211Cおよび第4側面211Dの少なくとも一方に開口する。側面開口部41Bは先端部200の第1側面211Aおよび第2側面211Bには開口しない。
【0093】
先端凹部200Aは先端嵌合部230を含む。先端凹部200Aは一対の側部43を含む。一方の側部43と他方の側部43とは継手空間41を介して対向する。各側部43は中間境界面223を含む。先端嵌合部230は各側部43に設けられる。先端嵌合穴232は各側部43を貫通する。先端嵌合穴232は各側部43の中間境界面223、および、先端部200の側面211のそれぞれに開口する。
【0094】
本体凸部100Bは本体嵌合部130を含む。本体嵌合部130の本体嵌合穴132は本体凸部100Bを貫通する。本体凸部100Bと先端凹部200Aとが組み合わせられた状態では、接合部材51を挿入できるように各本体嵌合穴132および先端嵌合穴232が並ぶ。接合部材51が各本体嵌合穴132および先端嵌合穴232に挿入された状態では、接合部20は本体嵌合部130および先端嵌合部230と接合部材51とのはめあいにより本体部100と先端部200とを接合する。接合部材51は例えば本体嵌合部130および先端嵌合部230と接合部材51との間の摩擦力を用いる構造、または、接合部材51の移動を規制する規制部材を用いる構造により、本体嵌合部130および先端嵌合部230に保持される。
【0095】
規制面31および被規制面32と接合部材51とは配置方向および横方向において対向する(図17参照)。規制面31は接合部材51に対して第1離脱方向および第2離脱方向に位置する。接合部材51は被規制面32に対して第1離脱方向および第2離脱方向に位置する。先端部200に第1荷重が働く場合、被規制面32から接合部材51に第1荷重が伝達され、接合部材51から規制面31に第1荷重が伝達される。第1荷重が本体部100に受けられ、第1離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。先端部200に第2荷重が働く場合、被規制面32から接合部材51に第2荷重が伝達され、接合部材51から規制面31に第2荷重が伝達される。第2荷重が本体部100に受けられ、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0096】
(第13実施形態)
図20に示される第13実施形態の接合物10は第12実施形態の接合物10を前提に構成される。第13実施形態の接合物10では、継手組40の継手凹部40Aおよび継手凸部40Bが設けられる対象が第12実施形態とは反対に設定される。本体部100は本体凹部100Aを含む。本体凹部100Aの構成は第12実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。先端部200は先端凸部200Bを含む。先端凸部200Bの構成は第12実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。
【0097】
(第14実施形態)
図21に示される第14実施形態の接合物10は第12および第13実施形態の接合物10を前提に構成される。第14実施形態の継手30は複数の継手組40を含む。本体部100は複数の本体凸部100Bおよび複数の本体凹部100Aを含む。本体凸部100Bの構成は第12実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。本体凹部100Aの構成は第13実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。先端部200は複数の先端凹部200Aおよび複数の先端凸部200Bを含む。先端凹部200Aの構成は第12実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。先端凸部200Bの構成は第13実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。複数の継手組40を含む継手30により本体部100と先端部200とが接合されるため、接合部20の強度が高くなる。
【0098】
(第15実施形態)
図22に示される第15実施形態の接合物10は第5および第11実施形態の接合物10を前提に構成される。第15実施形態の接合物10の構成は第5実施形態の接合物10に第11実施形態の嵌合部50を組み合わせた構成に相当する。接合部20は継手30および嵌合部50を含む。継手30は少なくとも1つの継手組40を含む。継手組40の構成は第5実施形態の継手組40の構成に準じる。嵌合部50の構成は第11実施形態の嵌合部50の構成に準じる。
【0099】
本体部100の中間境界面123に含まれる規制面31と先端部200の中間境界面223に含まれる被規制面32とは配置方向において対向する(図6参照)。規制面31は被規制面32に対して第1離脱方向に位置する。先端部200に第1荷重が働く場合、被規制面32から規制面31に第1荷重が伝達される。第1荷重が規制面31に受けられ、第1離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0100】
本体部100の中間境界面123に含まれる規制面31と先端部200の中間境界面223に含まれる被規制面32とは第1横方向において対向する(図6参照)。規制面31は被規制面32に対して第2離脱方向に位置する。先端部200に第1横方向の第2荷重が働く場合、被規制面32から規制面31に第2荷重が伝達される。第2荷重が本体部100に受けられ、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0101】
嵌合部50は第5実施形態に例示される規制構造を含む。接合部材51は規制構造の規制部材を含む。先端部200に第2横方向の第2荷重が働く場合、先端嵌合面231に含まれる被規制面32から接合部材51に第2荷重が伝達され、接合部材51から本体嵌合面131に含まれる規制面31に第2荷重が伝達される。第2荷重が本体部100に受けられ、第2離脱方向に関する本体部100に対する先端部200の移動が規制される。
【0102】
横方向に関して継手30に規制される本体部100および先端部200の相対移動の方向と、横方向に関して嵌合部50に規制される本体部100および先端部200の相対移動の方向とは異なる。横方向に関する本体部100と先端部200との相対移動を規制する効果が高くなる。
【0103】
(第16実施形態)
図23に示される第16実施形態の接合物10は第15実施形態の接合物10を前提に構成される。第16実施形態の接合物10では、継手組40の継手凹部40Aおよび継手凸部40Bが設けられる対象が第15実施形態とは反対に設定される。本体部100は本体凸部100Bを含む。本体凸部100Bの構成は第15実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端部200は先端凹部200Aを含む。先端凹部200Aの構成は第15実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。
【0104】
(第17実施形態)
図24に示される第17実施形態の接合物10は第15および第16実施形態の接合物10を前提に構成される。第17実施形態の継手30は複数の継手組40を含む。本体部100は複数の本体凹部100Aおよび複数の本体凸部100Bを含む。本体凹部100Aの構成は第15実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。本体凸部100Bの構成は第16実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。先端部200は複数の先端凸部200Bおよび複数の先端凹部200Aを含む。先端凸部200Bの構成は第15実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端凹部200Aの構成は第16実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。複数の継手組40を含む継手30により本体部100と先端部200とが接合されるため、接合部20の強度が高くなる。
【0105】
嵌合部50は少なくとも1つの継手組40に設けられる。接合部材51の構成について例示する。第1例では、嵌合部50は複数の継手組40のそれぞれに設けられる複数の接合部材51を含む。第2例では、嵌合部50は複数の継手組40に共通する接合部材51を含む。
【0106】
(第18実施形態)
図25に示される第18実施形態の接合物10は第8、第11、および、第12実施形態の接合物10を前提に構成される。第18実施形態の接合物10の構成は第8実施形態の接合物10に第11実施形態の嵌合部50を組み合わせ、第8実施形態の継手30を第12実施形態の継手30に置換した構成に相当する。継手30の構成は第12実施形態の継手30の構成に準じる。嵌合部50の構成は第11実施形態の嵌合部50の構成に準じる。
【0107】
(第19実施形態)
図26に示される第19実施形態の接合物10は第18実施形態の接合物10を前提に構成される。第19実施形態の接合物10では、継手組40の継手凹部40Aおよび継手凸部40Bが設けられる対象が第18実施形態とは反対に設定される。本体部100は本体凹部100Aを含む。本体凹部100Aの構成は第18実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。先端部200は先端凸部200Bを含む。先端凸部200Bの構成は第18実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。
【0108】
(第20実施形態)
図27に示される第20実施形態の接合物10は第18および第19実施形態の接合物10を前提に構成される。第20実施形態の継手30は複数の継手組40を含む。本体部100は複数の本体凹部100Aおよび複数の本体凸部100Bを含む。本体凹部100Aの構成は第19実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。本体凸部100Bの構成は第18実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。先端部200は複数の先端凸部200Bおよび複数の先端凹部200Aを含む。先端凸部200Bの構成は第19実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端凹部200Aの構成は第18実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。複数の継手組40を含む継手30により本体部100と先端部200とが接合されるため、接合部20の強度が高くなる。
【0109】
(第21実施形態)
図28に示される第21実施形態の接合物10は第8および第11実施形態の接合物10を前提に構成される。第21実施形態の接合物10の構成は第8実施形態の接合物10に第11実施形態の嵌合部50を組み合わせた構成に相当する。継手30の構成は第8実施形態の継手30の構成に準じる。嵌合部50の構成は第11実施形態の嵌合部50の構成に準じる。
【0110】
(第22実施形態)
図29に示される第22実施形態の接合物10は第21実施形態の接合物10を前提に構成される。第22実施形態の接合物10では、継手組40の継手凹部40Aおよび継手凸部40Bが設けられる対象が第21実施形態とは反対に設定される。本体部100は本体凸部100Bを含む。本体凸部100Bの構成は第21実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端部200は先端凹部200Aを含む。先端凹部200Aの構成は第21実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。
【0111】
(第23実施形態)
図30に示される第23実施形態の接合物10は第21および第22実施形態の接合物10を前提に構成される。第23実施形態の継手30は複数の継手組40を含む。本体部100は複数の本体凹部100Aおよび複数の本体凸部100Bを含む。本体凹部100Aの構成は第21実施形態の本体凹部100Aの構成に準じる。本体凸部100Bの構成は第22実施形態の本体凸部100Bの構成に準じる。先端部200は複数の先端凸部200Bおよび複数の先端凹部200Aを含む。先端凸部200Bの構成は第21実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端凹部200Aの構成は第22実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。複数の継手組40を含む継手30により本体部100と先端部200とが接合されるため、接合部20の強度が高くなる。
【0112】
嵌合部50は少なくとも1つの継手組40に設けられる。接合部材51の構成について例示する。第1例では、嵌合部50は複数の継手組40のそれぞれに設けられる複数の接合部材51を含む。第2例では、嵌合部50は複数の継手組40に共通する接合部材51を含む。
【0113】
(第24実施形態)
第24実施形態の接合物10は第12~第23実施形態のいずれかの接合物10を前提に構成される。第24実施形態の接合物10では、嵌合部50の接合部材51が第1離脱方向に平行な方向に配置される。先端嵌合部230の先端嵌合穴232の構成について例示する。第1例では、先端嵌合穴232は先端部200を貫通しない。先端嵌合穴232は第1境界面221または第2境界面222に開口する。第2例では、先端嵌合穴232は先端部200を貫通する。先端嵌合穴232は第1境界面221および上面212に開口する、または、第2境界面222および上面212に開口する。本体嵌合部130の本体嵌合穴132の構成について例示する。第1例では、本体嵌合穴132は本体部100を貫通しない。本体嵌合穴132は第1境界面121または第2境界面122に開口する。第2例では、本体嵌合穴132は本体部100を貫通する。本体嵌合穴132は第1境界面121および底面112に開口する、または、第2境界面122および底面112に開口する。嵌合部50は先端部200に働く第2荷重を先端嵌合部230から接合部材51を介して本体嵌合部130に伝達するように構成される。
【0114】
(第25実施形態)
第25実施形態の接合物10は第1~第23実施形態のいずれかの接合物10を前提に構成される。第25実施形態の接合物10は個別に構成される複数の先端部200、および、複数の先端部200を連結する継手30を含む。継手30により複数の先端部200が連結された状態では、複数の先端部200は例えば横方向に長い長尺の構造物を構成する。第1例では、複数の先端部200は第1横方向に並ぶように連結される。第2例では、複数の先端部200は第2横方向に並ぶように連結される。
【0115】
複数の先端部200を連結する継手30の構成は本体部100と先端部200とを接合する継手30の構成に準じる。複数の先端部200を連結する継手30は複数の継手組40を含む。先端部200は複数の先端凸部200Bおよび複数の先端凹部200Aを含む。先端凸部200Bの構成は第8実施形態の先端凸部200Bの構成に準じる。先端凹部200Aの構成は第8実施形態の先端凹部200Aの構成に準じる。
【0116】
(第26実施形態)
第26実施形態の接合物10は第1~第23実施形態のいずれかの接合物10を前提に構成される。第26実施形態の本体部100は先端部200が挿入される凹部を含む。凹部は本体部100の本体境界面120に開口する。凹部の表面は本体境界面120を構成する。先端部200の先端境界面220は側面211を含む。継手30は少なくとも第1の継手組40および第2の継手組40を含む。第1の継手組40は第1離脱方向に並ぶ継手凹部40Aおよび継手凸部40Bを含む。第2の継手組40は第1横方向に並ぶ継手凹部40Aおよび継手凸部40Bを含む。継手凹部40Aおよび継手凸部40Bの並ぶ方向が異なる第1の継手組40および第2の継手組40により本体部100と先端部200とが接合されるため、接合部20の強度が高くなる。例えば、横方向に関する先端部200のサイズが本体部100に対して小さく設定される場合においても、接合部20の強度が適切な範囲に含まれる。
【0117】
(第27実施形態)
図31に示される第27実施形態の接合物10は第1~第26実施形態のいずれかの接合物10を前提に構成される。第27実施形態の接合部20は機械的接合に加え、化学的接合により本体部100と先端部200とを接合する。
【0118】
接合部20による化学的接合の形態には、例えば接着剤を用いる形態が含まれる。接合部20は接着剤の層である接着層60を含む。接着層60は本体境界面120と先端境界面220との間、本体嵌合面131と接合部材51との間、および、先端嵌合面231と接合部材51との間の少なくとも1箇所に形成される。接着層60は本体境界面120と先端境界面220との間、本体嵌合面131と接合部材51との間、および、先端嵌合面231と接合部材51との間の少なくとも1箇所を埋めるように構成される。接着剤の種類は例えば紫外線硬化型接着剤である。接合部20により本体部100と先端部200とが接合された状態では、本体境界面120と先端境界面220との組、本体嵌合面131と接合部材51との組、および、先端嵌合面231と接合部材51との組の少なくとも1組は接着層60を介して対向する。接合物10によれば、機械的接合および化学的接合により本体部100と先端部200とが接合されるため、接合部20の強度が高くなる。
【0119】
(第28実施形態)
図32に示される第28実施形態の接合物10は第1~第27実施形態のいずれかの接合物10を前提に構成される。第28実施形態の接合物10は処理装置300に組み込むことができるように構成される。処理装置300は接合物10を固定する固定部310を含む。本体部100は被固定部140を含む。被固定部140は固定部310に固定される。固定部310は本体部100を着脱できるように構成される。固定部310は例えばねじ付きファスナを用いて固定する結合構造、または、チャック装置を含む。
【0120】
(第29実施形態)
図33に示される第29実施形態の接合物10は第28実施形態の接合物10を前提に構成される。第29実施形態の接合物10は治具である。処理装置300は例えばセンターレス研削装置である。接合物10はセンターレス研削装置のブレードである。本体部100は例えば鋼板である。鋼板の種類は例えば冷間圧延鋼板である。板厚による鋼板の種類は例えば薄板である。先端部200は例えば硬質材料の薄板である。先端部200は例えば焼結体である。焼結体は例えば超硬合金である。先端部200の上面212を含む部分はダイヤモンド焼結体である。
【0121】
接合部20は継手30および接着層60を含む。継手30は複数の継手組40を含む。継手30の構成は第9実施形態の継手30の構成に準じる。接着層60の構成は第18実施形態の接着層60の構成に準じる。
【0122】
(第30実施形態)
図34に示される第30実施形態の接合物10は第28実施形態の接合物10を前提に構成される。第30実施形態の接合物10は工具である。処理装置300は例えばプレス加工装置である。接合物10はプレス加工装置のパンチである。本体部100は例えば角柱である。本体部100は例えば一般材料により構成される。先端部200は例えば硬質材料の角柱である。先端部200は例えば焼結体である。焼結体は例えば超硬合金である。先端部200の上面212を含む部分はダイヤモンド焼結体である。
【0123】
接合部20は継手30および嵌合部50を含む。継手30は少なくとも1つの継手組40を含む。継手30の構成は第4実施形態の継手30の構成に準じる。嵌合部50の構成は第11実施形態の嵌合部50の構成に準じる。
【0124】
(第31実施形態)
図34に示される第31実施形態の接合物10は第28実施形態の接合物10を前提に構成される。第31実施形態の接合物10は工具である。処理装置300は例えば切断装置である。接合物10は繊維、薄板、または、シート状の被加工物を切断する切断刃である。本体部100は例えば板材である。本体部100は例えば一般材料により構成される。先端部200は例えば硬質材料の薄板である。先端部200は例えば焼結体である。焼結体は例えば超硬合金である。先端部200の上面212を含む部分はダイヤモンド焼結体である。
【0125】
接合部20は継手30および接着層60を含む。継手30は複数の継手組40を含む。継手30の構成は第9実施形態の継手30の構成に準じる。接着層60の構成は第18実施形態の接着層60の構成に準じる。
【0126】
なお、上記各実施形態の説明は本発明に関する接合物が取り得る形態を制限することを意図していない。本発明に関する接合物は各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。
【符号の説明】
【0127】
10 :接合物
20 :接合部
30 :継手
40 :継手組
40A:継手凹部
40B:継手凸部
51 :接合部材
100:本体部
200:先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図30
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図34