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特許7578989神経変性障害を処置するための組成物及び処置する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】神経変性障害を処置するための組成物及び処置する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/196 20060101AFI20241030BHJP
   A61K 31/245 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20241030BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241030BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241030BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241030BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241030BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241030BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20241030BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241030BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20241030BHJP
【FI】
A61K31/196
A61K31/245
A61K9/48
A61K9/20
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/46
A61P25/28
A61P25/18
A61P25/24
A61P25/00
A61P29/00
A61P39/06
A61P43/00 111
A23L33/10
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2021538053
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 IB2019001409
(87)【国際公開番号】W WO2020136441
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】62/785,903
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505274379
【氏名又は名称】ジーエヌティー ファーマ カンパニー, リミテッド
【住所又は居所原語表記】(Hagal-dong)23,Yonggu-daero 1855beon-gil,Giheung-gu,Yongin-si,Gyeonggi-do 17096 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジンファン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ジェ ボン
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ビョン ジュ
【審査官】清野 千秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0298129(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2003-0058934(KR,A)
【文献】特表2005-529972(JP,A)
【文献】特表2012-517424(JP,A)
【文献】国際公開第2011/081445(WO,A1)
【文献】特表昭62-501703(JP,A)
【文献】Exp Neurobiol,2013年,22(1),pp.31-37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/196
A61K 31/245
A61K 9/48
A61K 9/20
A61K 47/26
A61K 47/38
A61K 47/04
A61K 47/12
A61K 47/46
A61P 25/28
A61P 25/18
A61P 25/24
A61P 25/00
A61P 29/00
A61P 39/06
A61P 43/00
A23L 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とするコンパニオンアニマルにて、認知及び/又は神経行動障害を処置するのに使用するための医薬組成物であって、認知及び/又は神経行動障害は、認知機能不全症候群(CDS)、気分変調症、退行期うつ病及び錯乱症候群から選択され、医薬組成物は、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項2】
医薬組成物が、1mg~1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
医薬組成物が、経口投与用である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
(a)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約50%w/w~約70%w/wのラクトース一水和物、
約2%w/w~約8%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
約0.1%w/w~約1%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
約0.1%w/w~約2%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含む、あるいは
(b)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約60%w/wのラクトース一水和物、
約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
約0.5%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
約1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含むカプセルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
(a)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約30%w/w~約50%w/wのデンプン、
約15%w/w~約25%w/wの粗タンパク質、
約10%w/w~約20%の粗脂肪、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗繊維、
約1%w/w~約10%w/wの粗灰分、
約0.1%w/w~約5%w/wのアルギニン、
約0.1%w/w~約2.5%w/wのカルシウム、
約0.1%w/w~約3%w/wのリシン、
約0.1%w/w~約3%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
約0.1%w/w~約2.5%w/wのリン
を含む、あるいは
(b)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約42.7%w/wのデンプン、
約21.0%w/wの粗タンパク質、
約14%w/wの粗脂肪、
約1.9%w/wの粗繊維、
約6.1%w/wの粗灰分、
約1.4%w/wのアルギニン、
約0.75%w/wのカルシウム、
約1.1%w/wのリシン、
約1.18%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
約0.5%w/wのリン
を含む食品組成物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
(a)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約5%w/w~約20%w/wの粗タンパク質、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗脂肪、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗繊維、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗灰分、
約0%w/w~約1%w/wのカルシウム、
約0%w/w~約2%w/wのカリウム、及び
約60%w/w~約95%w/wの水
を含む、あるいは
(b)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約12.0%w/wの粗タンパク質、
約1.5%w/wの粗脂肪、
約0.4%w/wの粗繊維、
約1.5%w/wの粗灰分、
約0.02%w/wのカルシウム、
約0.1%w/wのカリウム、及び
約78.0%w/wの水
を含む健康補助食品である、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
(a)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約0.1%w/w~約5%w/wの二酸化ケイ素、
約0%w/w~約2%w/wの安息香酸、
約0%w/w~約1%w/wのソルビン酸、
約0.1%w/w~約10%w/wのステアリン酸マグネシウム、
約10%w/w~約30%w/wのセルロース、
約30%w/w~約50%w/wの鶏肉源、
約0.1%w/w~約5%w/wの乾燥酵母、及び
約10%w/w~約30%w/wのグルコース
を含む、あるいは
(b)医薬組成物が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約3%w/wの二酸化ケイ素、
約0.05%w/wの安息香酸、
約0.01%w/wのソルビン酸、
約5%w/wのステアリン酸マグネシウム、
約20%w/wのセルロース、
約40%w/wの鶏肉源、
約3%w/wの乾燥酵母、及び
約19%w/wのグルコース
を含むチュアブル錠処方である、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
認知及び/又は神経行動障害が、認知機能不全症候群である、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
医薬組成物は、
(a)酸化ストレス及び炎症の同時薬理学的阻害;
(b)酸化ストレス及びプロスタグランジンE2合成を阻害すること;又は
(c)酸化ストレス及びミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ1を阻害すること
によってCDSを治療する、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸は、1日1回の1mg/kg体重~200mg/kg体重の用量において投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸は、1日1回の約0.1mg/kg体重~約30mg/kg体重の用量において投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸は、1日1回の約0.1mg/kg体重~約10mg/kg体重の用量において投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
コンパニオンアニマルが、猫、チンチラ、犬、フェレット、スナネズミ、モルモット、ハムスター、ハリネズミ、マウス、兎及びラットから選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
コンパニオンアニマルが、犬である、請求項1から13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
コンパニオンアニマルが、猫である、請求項1から13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
医薬組成物が、少なくとも8週間、犬の認知機能を改善する、請求項1から14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
(a)医薬組成物が、重度から中程度、軽度、又は正常レベルへ犬の認知機能を改善する;又は
(b)医薬組成物が、犬に正常に近い認知機能を回復させる、
請求項1から14及び16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
認知機能が、社会的交流、適切な排泄、空間的方向感覚、及び睡眠-覚醒活動サイクルにおける改善から選択される、請求項16又は17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
認知及び/又は神経行動障害の処置のための医薬の製造における、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸又はその薬学的に許容される塩の使用であって、
前記処置は、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸又はその薬学的に許容される塩をそれを必要とするコンパニオンアニマルへ投与することを含み、
認知及び/又は神経行動障害は、認知機能不全症候群(CDS)、気分変調症、退行期うつ病及び錯乱症候群から選択される、使用。
【請求項20】
医薬が、1mg~1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
医薬が、経口投与用である、請求項19又は20に記載の使用。
【請求項22】
(a)医薬が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約50%w/w~約70%w/wのラクトース一水和物、
約2%w/w~約8%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
約0.1%w/w~約1%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
約0.1%w/w~約2%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含む、あるいは
(b)医薬が、
1mg~1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
60%w/wのラクトース一水和物、
5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
0.5%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含むカプセルである、請求項19から21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項23】
(a)医薬が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約30%w/w~約50%w/wのデンプン、
約15%w/w~約25%w/wの粗タンパク質、
約10%w/w~約20%の粗脂肪、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗繊維、
約1%w/w~約10%w/wの粗灰分、
約0.1%w/w~約5%w/wのアルギニン、
約0.1%w/w~約2.5%w/wのカルシウム、
約0.1%w/w~約3%w/wのリシン、
約0.1%w/w~約3%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
約0.1%w/w~約2.5%w/wのリン
を含む、あるいは
(b)医薬が、
1mg~1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
42.7%w/wのデンプン、
21.0%w/wの粗タンパク質、
14%w/wの粗脂肪、
1.9%w/wの粗繊維、
6.1%w/wの粗灰分、
1.4%w/wのアルギニン、
0.75%w/wのカルシウム、
1.1%w/wのリシン、
1.18%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
0.5%w/wのリン
を含む食品組成物である、請求項19から21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
(a)医薬が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約5%w/w~約20%w/wの粗タンパク質、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗脂肪、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗繊維、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗灰分、
約0%w/w~約1%w/wのカルシウム、
約0%w/w~約2%w/wのカリウム、及び
約60%w/w~約95%w/wの水
を含む、あるいは
(b)医薬が、
1mg~1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
12.0%w/wの粗タンパク質、
1.5%w/wの粗脂肪、
0.4%w/wの粗繊維、
1.5%w/wの粗灰分、
0.02%w/wのカルシウム、
0.1%w/wのカリウム、及び
78.0%w/wの水
を含む健康補助食品である、請求項19から21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
(a)医薬が、
約1mg~約1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
約0.1%w/w~約5%w/wの二酸化ケイ素、
約0%w/w~約2%w/wの安息香酸、
約0%w/w~約1%w/wのソルビン酸、
約0.1%w/w~約10%w/wのステアリン酸マグネシウム、
約10%w/w~約30%w/wのセルロース、
約30%w/w~約50%w/wの鶏肉源、
約0.1%w/w~約5%w/wの乾燥酵母、及び
約10%w/w~約30%w/wのグルコース
を含む、あるいは
(b)医薬が、
1mg~1000mgの2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸
3%w/wの二酸化ケイ素、
0.05%w/wの安息香酸、
0.01%w/wのソルビン酸、
5%w/wのステアリン酸マグネシウム、
20%w/wのセルロース、
40%w/wの鶏肉源、
3%w/wの乾燥酵母、及び
19%w/wのグルコース
を含むチュアブル錠処方である、請求項19から21のいずれか一項に記載の使用。
【請求項26】
認知及び/又は神経行動障害が、認知機能不全症候群である、請求項19から25のいずれか一項に記載の使用。
【請求項27】
医薬は、
(a)酸化ストレス及び炎症の同時薬理学的阻害;
(b)酸化ストレス及びプロスタグランジンE2合成を阻害すること;又は
(c)酸化ストレス及びミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ1を阻害すること
によってCDSを治療する、請求項19から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸は、1日1回の1mg/kg体重~200mg/kg体重の用量において投与される、請求項19から27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸は、1日1回の約0.1mg/kg体重~約30mg/kg体重の用量において投与される、請求項19から27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸は、1日1回の約0.1mg/kg体重~約10mg/kg体重の用量において投与される、請求項19から27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
コンパニオンアニマルが、猫、チンチラ、犬、フェレット、スナネズミ、モルモット、ハムスター、ハリネズミ、マウス、兎及びラットから選択される、請求項19から30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
コンパニオンアニマルが、猫である、請求項19から31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
コンパニオンアニマルが、犬である、請求項19から31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
医薬が、少なくとも8週間、犬の認知機能を改善する、請求項19から31及び33のいずれか一項に記載の使用。
【請求項35】
(a)医薬が、重度から中程度、軽度、又は正常レベルへ犬の認知機能を改善する;又は(b)医薬が、犬に正常に近い認知機能を回復させる、
請求項19から31、33及び34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
認知機能が、社会的交流、適切な排泄、空間的方向感覚、及び睡眠-覚醒活動サイクルにおける改善から選択される、請求項34又は35に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照することにより全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月28日出願の米国仮特許出願第62/785,903号の利益及びそれに対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、老齢のコンパニオンアニマルの認知障害を処置するための医薬組成物であって、式(I)の5-ベンジルアミノサリチル酸化合物又はその薬学的に許容される塩、及び経口投与に好適な薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。本開示は、犬科のCDS、気分変調症(dysthymia)、退行期うつ病(involutive depression)及び錯乱症候群(confusional syndrome)を含む認知機能低下の処置の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コンパニオンアニマルの数は、世界中で徐々に増えている。上位20カ国における飼い犬及び飼い猫の数は、それぞれおよそ2億5600万匹及びおよそ2億3600万匹と推定されている。飼い犬及び飼い猫は、栄養の改善、疾患の処置、並びに優れた獣医及び飼い主のケアによって、最近では寿命がはるかに長くなっている。したがって、コンパニオンアニマルの加齢関連疾患の処置に関心が高まっている。
【0004】
多くの年老いた、又は老齢の犬及び猫は、CDS、気分変調症、退行期うつ病及び錯乱症候群を含む神経系障害に起因する認知機能障害を患っている。認知機能障害は、覚える、新しい事柄を学習する、集中する、又は日々の生活に影響し得る決定を行う上での問題として定義される。CDSは、犬及び猫における加齢関連変性脳疾患である。CDSの有病率は、8歳を超える犬において14%~60%の範囲であると報告されている[1~4]。他の報告では、11~16歳のコンパニオンドッグの62%がCDSを患い、有病率は年齢と共に顕著に増加することが示されている[5]。したがって、多数の犬がCDSに苦しんでおり、これは人間と動物との絆を悪化させ、動物の生活の質を低下させ、その結果動物の生存期間を短くする可能性がある[6~8]。
【0005】
犬科のCDSに見られる病態生理学的変化は、大脳皮質及び大脳基底核萎縮、脳室サイズの増加、脱髄、グリア細胞のサイズ及び数の増加、特に海馬上の皮質領域におけるニューロンの損失、軸索変性、ベータ-アミロイドプラークの蓄積を含む[6、9、10]。CDSに罹患した猫もまた、犬科のCDSと同様に、ニューロン数の減少、ベータアミロイド沈着及びグリア細胞の増加を伴う。人間のアルツハイマー病(AD)とは対照的に、CDSに罹患した犬及び猫の脳では、ADにおいて広く見られる神経原線維変化は特定されておらず、これは、犬及び猫のCDSがADから区別され得ることを示唆している[11]。
【0006】
CDSと診断された犬及び猫は、認知及び神経機能における進行性の機能障害を示す。そのような犬及び猫は、家の中で道に迷う、日中の活動が少なくなる、家族若しくは他の馴れた動物に応じなくなる、名前を呼ばれても反応しない、円を描くように歩き回る、又は普通ではない場所で排尿する等の様々な行動上の問題を示す[10、12~15]。
【0007】
最近ではCDSに罹患した犬及び猫の数の急速な増加が観察されているが、CDSは依然として未解決の医学的ニーズである。モノアミンオキシダーゼB(MAO-B)の選択的な不可逆的阻害剤であるセレギリンは、CDSの処置用にFDAによって承認された唯一の医薬品である[16]。以前の報告では、セレギリンは認知機能を高め、行動機能を改善することが示された。しかしながら、最近のデータは、その有益な効果が長期間持続しないことを示しており、これはセレギリン療法が症候的な処置にすぎないことを示している。例えば、CDSの犬における認知機能は、セレギリン処置後最初の2週間以内で改善したが、犬のほとんどにおける有益な効果は、処置後8週間で消失した[17~19]。さらに、CDSに罹患した8歳を超える474匹の犬を含む大規模臨床試験では、セレギリン処置は臨床兆候の初期の発症において投与されるべきであると結論付けられた[19]。
【0008】
不安の解消及び認知機能の補助により犬の幸福を改善することを単に目的とした、酸化防止剤、L-カルニチン及びオメガ-3脂肪酸による健康補助を含む多くの非薬理学的療法が商業的に利用可能である。最適な結果のためには、そのような健康補助食品(dietary supplement)は、犬科のCDSの初期段階で開始されるべきである。犬科及び猫科におけるCDSには治癒法がないため、CDSの進行を停止又は抑制し得る疾患改変化合物及び方法を開発する必要がある。
【0009】
2002年から2012年の間にADを処置するための400を超える臨床試験が行われたが、低親和性から中親和性のN-メチル-D-アスパルテート受容体拮抗薬であるメマンチンが、中程度から重度のADにおいて精神機能及び日中の活動を行う能力におけるわずかな改善を示すという所見に基づいてADの症候的な処置として承認された唯一の薬物であった。それ以来、ベータアミロイド、炎症、又は酸化ストレスを標的とした薬物の大規模なフェーズIII臨床試験がADに対して行われているが、全て有益な効果を示しておらず、状況を悪化させている。しかしながら、ほぼ全ての不合格薬物が、遺伝子の家族性AD突然変異、突然変異アミロイド前駆体タンパク質(APP)、又はAPP及びプレセニリンをそれぞれ過剰発現するADの2つの標準的マウスモデル、Tg2576及びAPP/PS1においてアミロイドプラーク負荷を低減及び認知機能を改善した。このように、ADの前臨床動物モデルにおいて証明された薬物候補の薬理学的有効性は、人間のADの処置での有効性にはつながっていない。
【0010】
詳細な説明
5-ベンジルアミノサリチル酸化合物、又はその薬学的に許容される塩が、AD及び神経変性疾患の処置に使用されている(米国特許第6,964,982号)。以前の研究では、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)エチルアミノ]安息香酸が、ナノモル濃度で効果的な強力なスピントラップ分子及びミクロソームプロスタグランジンE(2)シンターゼ1(mPGES-1)阻害剤として検証されており、これは、筋萎縮性側索硬化症のマウスモデルにおける神経細胞死、軸索変性症及び自食胞形成の遮断だけでなく、運動機能活動及び生存期間の増加ももたらす[20]。
【0011】
5-ベンジルアミノサリチル酸化合物又はその薬学的に許容される塩が、コンパニオンアニマルのCDSの処置のために探求された。驚くべきことに、4週間を超える2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)エチルアミノ]安息香酸の経口投与により、重度のCDSを患う年老いたコンパニオンドッグにおいて、認知及び神経行動機能が顕著に改善された。さらに、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)エチルアミノ]安息香酸の有益な効果は、最後の投与後に少なくとも4週間維持された。したがって、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)エチルアミノ]安息香酸は、酸化ストレス及び炎症の両方を阻害することによりCDSを処置するための潜在的な治療選択肢となり得ることが示唆された。いくつかの実施形態において、本開示は、コンパニオンアニマルの例えば神経疾患における認知及び/又は神経行動障害を処置するための、式(I)の5-ベンジルアミノサリチル酸化合物又はその薬学的に許容される塩を含む組成物及び方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本開示は、コンパニオンアニマルの、例えば、CDS、気分変調症、退行期うつ病及び錯乱症候群等の神経疾患における認知及び/又は神経行動障害を処置するのに有用な医薬組成物及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示は、コンパニオンアニマルの、例えば神経疾患における認知及び/又は神経行動障害を処置するための、式(I):
【0014】
【化1】
(式中、
Xは、CO、SO2及び(CH2)nから選択され、
R1は、水素、C1~C6アルキル及びC1~C6アルカノイルから選択され、
R2は、水素及びC1~C6アルキルから選択され、
R3は、水素及びC1~C5アセチル基から選択され、
R4は、フェニル基、フェノキシ基、並びに置換されていない又はニトロ、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C5アルコキシ及びC1~C5ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換された5~10員アリール基から選択され、
nは、1~5(これらを含む)の整数である)の化合物、
又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0015】
本開示は、例えば神経疾患における認知及び/又は神経行動障害を処置する方法であって、それを必要とするコンパニオンアニマルに、式(I):
【0016】
【化2】
(式中、
Xは、CO、SO2及び(CH2)nから選択され、
R1は、水素、C1~C6アルキル及びC1~C6アルカノイルから選択され、
R2は、水素及びC1~C6アルキルから選択され、
R3は、水素及びC1~C5アセチル基から選択され、
R4は、フェニル基、フェノキシ基、並びに置換されていない又はニトロ、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C5アルコキシ及びC1~C5ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換された5~10員アリール基から選択され、
nは、1~5(これらを含む)の整数である)の化合物、
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態において、いくつかの式(I)の化合物が調製及び評価されている。いくつかの実施形態において、組成物及び方法は、式(I)の5-ベンジルアミノサリチル酸化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、5-ベンジルアミノサリチル酸化合物は、5-ベンジルアミノサリチル酸自体である。
【0019】
5-ベンジルアミノサリチル酸化合物の好ましい例は、これらに限定されないが、2-ヒドロキシ-5-フェネチルアミノ-安息香酸(化合物1)、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸(化合物2)、2-ヒドロキシ-5-[2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸(化合物3)、5-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物4)、2-ヒドロキシ-5-[2-(2-ニトロ-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸(化合物5)、5-[2-(4-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物6)、5-[2-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物7)、5-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物8)、5-[2-(4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物9)、5-[2-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物10)、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-メトキシ-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸(化合物11)、2-ヒドロキシ-5-(2-o-トリル-エチルアミノ)-安息香酸(化合物12)、2-ヒドロキシ-5-(3-フェニル-プロピルアミノ)-安息香酸(化合物13)、2-ヒドロキシ-5-[3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピルアミノ]-安息香酸(化合物14)、5-[3-(4-フルオロ-フェニル)-プロピルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物15)、5-[3-(3,4-ジクロロ-フェニル)-プロピルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物16)、2-ヒドロキシ-5-(3-p-トリル-プロピルアミノ)-安息香酸(化合物17)、2-アセトキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸(化合物18)、5-[2-(2-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸(化合物19)、5-ベンジルアミノサリチル酸(化合物20)、5-(4-ニトロベンジル)アミノサリチル酸(化合物21)、5-(4-クロロベンジル)アミノサリチル酸(化合物22)、5-(4-トリフルオロメチルベンジル)アミノサリチル酸(化合物23)、5-(4-フルオロベンジル)アミノサリチル酸(化合物24)、5-(4-メトキシベンジル)アミノサリチル酸(化合物25)、5-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンジル)アミノサリチル酸(化合物26)、5-(4-ニトロベンジル)アミノ-2-ヒドロキシエチルベンゾエート(化合物27)、5-(4-ニトロベンジル)-N-アセチルアミノ-2-ヒドロキシエチルベンゾエート(化合物28)、5-(4-ニトロベンジル)-N-アセチルアミノ-2-アセトキシエチルベンゾエート(化合物29)、5-(4-ニトロベンゾイル)アミノサリチル酸(化合物30)、5-(4-ニトロベンゼンスルホニル)アミノサリチル酸(化合物31)、5-[2-(4-ニトロフェニル)-エチル]アミノサリチル酸(化合物32)及び5-[3-(4-ニトロ-フェニル)-n-プロピル]アミノサリチル酸(化合物33)を含む。ある特定の好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、化合物2の2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)エチルアミノ]安息香酸又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、以下の構造を有する。
【0020】
【化3】
【0021】
本開示の5-ベンジルアミノサリチル酸化合物又はその薬学的に許容される塩は、これに限定されないが、米国特許第6,573,402号に示される反応スキームにより調製され得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、認知及び/又は神経行動障害は、CDS、気分変調症、退行期うつ病又は錯乱症候群である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、コンパニオンアニマルの認知及び/又は神経行動障害を処置する。いくつかの実施形態において、認知及び/又は神経行動障害はCDSである。
【0023】
いくつかの実施形態において、認知及び/又は神経行動障害の処置は、酸化ストレス及び炎症の同時薬理学的阻害によるものである。いくつかの実施形態において、認知及び/又は神経行動障害の処置は、酸化ストレス及びプロスタグランジンE2合成の阻害によるものである。いくつかの実施形態において、認知及び/又は神経行動障害の処置は、酸化ストレス及びミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ1の阻害によるものである。
【0024】
いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、食欲、水を飲む行動、発声、排泄行動、睡眠パターン、無目的の行動、適応能力、社会的行動、知覚力、失見当識及び記憶から選択される行動の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、発声、排泄行動、睡眠パターン、無目的の行動、社会的行動、知覚力、失見当識及び記憶から選択される行動の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、睡眠パターン、社会的行動、失見当識及び記憶から選択される行動の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、記憶の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、方向感覚(例えばぼんやり眺める、室内で道に迷う等)、記憶(例えば飼い主の認識の欠如、不適切な場所での排泄等)、無関心(例えば活動的である時間の低減、飼い主との接触を避ける等)、嗅覚障害(例えば食料を見つけるのが困難である等)、及び運動から選択される行動の変化を含む症状を示す。
【0025】
いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、空間的方向感覚、社会的交流、睡眠-覚醒サイクル、及び不適切な場所での排泄から選択される行動の変化を含む症状を示す。
【0026】
いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、病態生理学的変化を示す。いくつかの実施形態において、病態生理学的変化は、大脳皮質萎縮、大脳基底核萎縮、脳室サイズの増加、脱髄、グリア細胞のサイズの増加、グリア細胞の数の増加、特に海馬上の皮質領域におけるニューロンの損失、軸索変性及びベータ-アミロイドプラークの蓄積から選択される。いくつかの実施形態において、病態生理学的変化は、グリア細胞のサイズの増加、グリア細胞の数の増加、ニューロンの損失及びベータ-アミロイド沈着の増加から選択される。
【0027】
いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、猫、チンチラ、犬、フェレット、スナネズミ、モルモット、ハムスター、ハリネズミ、マウス、兎及びラットから選択される。ある特定の好ましい実施形態において、コンパニオンアニマルは、猫又は犬である。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、犬科又は猫科である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
定義
以下に記載の用語の定義は、それ自体での、又は他の用語と組み合わせた用語の使用に適用され得る。
【0029】
「アセトキシ」という用語は、一般式ヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-で表される基を指す。
【0030】
「アセチル」という用語は、一般式CH3C(O)-で表される基を指す。
【0031】
「アルキル」基(ハロアルキルの「アルキル」を含む)又は「アルカン」は、完全に飽和した直鎖又は分岐状非芳香族炭化水素である。典型的には、直鎖又は分岐状アルキル基は、別段に定義されない限り、1個~約20個の炭素原子、好ましくは1個~約10個の炭素原子を有する。C1~C6直鎖又は分岐状アルキル基は、「低級アルキル」基とも呼ばれる。いくつかの実施形態において、アルキルは、C1~C5アルキル、より好ましくはC1~C3アルキルである。より具体的には、好ましいアルキル基は、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルを含む。
【0032】
さらに、「アルキル」(又は「低級アルキル」)という用語は、本明細書、実施例及び特許請求の範囲にわたり使用される場合、「非置換アルキル」及び「置換アルキル」の両方を含むことを意図し、後者は、炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキル部分を指す。そのような置換基は、別段に指定されない限り、例えばハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル若しくはアシル、例えばアルキルC(O))、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート若しくはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、シリルエーテル、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を含み得る。炭化水素鎖上で置換された部分は、適切な場合はそれ自体置換されていてもよいことが、当業者に理解される。例えば、置換アルキルの置換基は、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネート及びホスフィネートを含む)、スルホニル(サルフェート、スルホンアミド、スルファモイル及びスルホネートを含む)、並びにシリル基だけでなく、エーテル、アルキルチオール、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレート及びエステルを含む)、-CF3、-CN等の置換及び非置換形態を含み得る。例示的な置換アルキルが以下に記載される。シクロアルキルは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、-CF3、-CN等でさらに置換されていてもよい。
【0033】
「Cx~y」という用語は、化学部分、例えばアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシと併せて使用される場合、鎖内にx個~y個の炭素を含む基を含むことを意図する。例えば、「Cx~yアルキル」という用語は、ハロアルキル基、例えばトリフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチル等を含む、鎖内にx個~y個の炭素を含む直鎖アルキル及び分岐鎖アルキル基を含む置換又は非置換飽和炭化水素基を指す。C0アルキルは、基が末端位置にある場合水素を、内部にある場合結合を示す。「C2~yアルケニル」及び「C2~yアルキニル」という用語は、長さ及び可能な置換が上述のアルキルに類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含む置換又は非置換不飽和脂肪族基を指す。
【0034】
「アルカノイル」という用語は、一般式ヒドロカルビル-C(O)-、好ましくはアルキル-C(O)-で表される基を指す。
【0035】
「アルコキシ」(ハロアルコキシの「アルコキシ」を含む)という用語は、酸素が結合したアルキル基、好ましくは低級アルキル基を指す。いくつかの実施形態において、好ましくは、アルコキシはC1~C5アルコキシ、より好ましくはC1~C3アルコキシである。より具体的には、好ましいアルコキシは、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ及びプロパンオキシを含む。ハロゲンは、これらに限定されないが、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物を含む。好ましくは、アルカノイルは、C2~C10アルカノイル、より好ましくはC3~C5アルカノイルである。より具体的には、好ましいアルカノイルは、これらに限定されないが、エタノイル、プロパノイル及びシクロヘキサンカルボニルを含む。
【0036】
「アミン」及び「アミノ」という用語は、当技術分野において認識されており、非置換及び置換アミンの両方及びそれらの塩、例えば
【0037】
【化4】
で表され得る部分を指し、式中、各R10は、独立して水素若しくはヒドロカルビル基を表し、又は2つのR10が、結合しているN原子と一緒になって、環構造内に4個~8個の原子を有する複素環を完結している。
【0038】
「アリール」という用語は、本明細書において使用される場合、環の各原子が炭素である置換又は非置換単環式芳香族基を含む。好ましくは、環は5~10員環であり、より好ましくは6~10員環又は6員環である。「アリール」という用語はまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共有されている2つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば他の環式環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルであってもよい。アリール基は、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリン等を含む。アリール基上の例示的な置換は、例えば、ハロゲン、ハロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ヒドロキシル、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル若しくはアシル、例えばアルキルC(O))、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート若しくはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、シリルエーテル、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を含み得る。
【0039】
「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、本明細書において使用される場合、ハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを含む。
【0040】
「低級」という用語は、化学部分、例えばアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシと併せて使用される場合、置換基内に10個以下、好ましくは6個以下の非水素原子が存在する基を含むことを意図する。「低級アルキル」は、例えば、10個以下、好ましくは6個以下の炭素原子を含むアルキル基を指す。ある特定の実施形態において、本明細書において定義されるアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシ置換基は、それらが単独で出現するか、又は例えばヒドロキシアルキル及びアラルキルの列挙において他の置換基と組み合わせて出現するか(この場合、例えばアルキル置換基内の炭素原子をカウントする場合にはアリール基内の原子はカウントされない)を問わず、それぞれ低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル又は低級アルコキシである。
【0041】
「置換された」という用語は、骨格の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」又は「~で置換された」は、そのような置換が置換された原子及び置換基の許容される原子価に従う、並びに置換が例えば転位、環化、脱離等による転換を自発的に生じない安定な化合物をもたらすという暗黙の条件を含むことが理解される。本明細書において使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことを企図する。広い態様において、許容される置換基は、有機化合物の非環式及び環式、分岐又は非分岐、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族置換基を含む。適切な有機化合物において、許容される置換基は1つ以上であってもよく、また同じ又は異なってもよい。本発明の目的において、ヘテロ原子、例えば窒素は、水素置換基、及び/又はヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の任意の許容される置換基を有し得る。置換基は、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル若しくはアシル)、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート若しくはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を含み得る。置換基は、適切な場合はそれ自体置換されていてもよいことが、当業者に理解される。「非置換」として具体的に述べられていない限り、本明細書における化学部分への言及は、置換変形例を含むことが理解される。例えば、「アリール」基又は部分への言及は、暗に置換及び非置換変形例の両方を含む。
【0042】
本開示の「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の、又は毒性をほとんど有さない酸又は塩基によって生成される塩を意味する。本開示の化合物が酸性である場合、本開示の化合物の塩基付加塩が、化合物の遊離塩基を十分な量の所望の塩基及び適切な不活性溶媒と反応させることにより作製され得る。薬学的に許容される塩基付加塩は、これらに限定されないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、マグネシウム又は有機アミノにより作製される塩を含む。本開示の化合物が塩基性である場合、化合物の酸付加塩が、化合物の遊離塩基を十分な量の所望の酸及び適切な不活性溶媒と反応させることにより作製され得る。薬学的に許容される酸付加塩は、これらに限定されないが、プロピオン酸、イソブチル酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、塩酸、臭素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素及び亜リン酸を含む。さらに、本開示の薬学的に許容される塩は、これらに限定されないが、アルギネート等のアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸等の有機酸の類似体を含む。
【0043】
例えば、本開示の1つの好ましい例である2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸(化合物2)の薬学的に許容される塩は、以下の反応スキーム1により調製され得る。しかしながら、以下の反応方法は例示を目的として提供されるものであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0044】
<反応スキーム1>
【0045】
【化5】
【0046】
スキーム1において、Mは、薬学的に許容される金属又は塩基性有機化合物、例えばジエチルアミン、リチウム、ナトリウム及びカリウムである。
【0047】
より詳細には、ジエチルアミン塩は、化合物をアルコールに溶解し、ジエチルアミンを滴下により添加し、混合物を撹拌し、真空下で蒸留し、エーテルの添加により残渣を結晶化することにより調製され得る。アルカリ金属塩は、アルコール、アセトン、アセトニトリル等の溶媒中で水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機試薬を用いて所望の塩を調製し、次いで凍結乾燥することにより作製され得る。さらに、同様の方法に従って、リチウム塩は酢酸リチウムを用いて作製され得、ナトリウム塩は2-エチルヘキサン酸ナトリウム又は酢酸ナトリウムを用いて作製され得、カリウム塩は酢酸カリウムを用いて作製され得る。
【0048】
本開示の化合物のいくつかは水和形態であってもよく、溶媒和又は非溶媒和形態として存在してもよい。本開示による化合物の一部は、結晶形態又は非晶質形態として存在し、本開示の範囲にはいかなる物理的形態も含まれる。さらに、本開示のいくつかの化合物は、1個以上の不斉炭素原子又は二重結合を含んでもよく、したがって、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体等の2つ以上の立体異性体形態で存在する。本開示は、化合物のこれらの個々の立体異性体を含む。
【0049】
組成物
本開示はまた、上記化学式(I)で表される5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤又は添加剤を含む組成物を提供する。本開示の上記化学式(I)で表される5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体又はその薬学的に許容される塩は、単独で投与されてもよい。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物を含む組成物は、任意の便利な担体、希釈剤等と共に投与される。
【0050】
いくつかの実施形態において、組成物は、約1mg~約1,000mgの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、約10mg~約1,000mgの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、約1mg~約500mgの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、約1mg~約100mgの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、約2mg~約50mgの式(I)の化合物を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、投与用の製剤は、単回用量単位又は複数用量単位であってもよい。いくつかの実施形態において、組成物は、単回用量単位を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、複数用量単位を含む。
【0052】
本開示の経口投与用の組成物は、固体又は液体形態で製剤化され得る。固体製剤は、これらに限定されないが、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、坐剤等を含む。また、固体製剤は、これらに限定されないが、希釈剤、香味剤、結合剤、保存剤、崩壊剤、滑沢剤、充填剤、可塑剤等をさらに含んでもよい。液体製剤は、これらに限定されないが、溶液、例えば水溶液及びプロピレングリコール溶液、懸濁液、エマルジョン等を含み、好適な添加剤、例えば着色剤、香味剤、安定剤、増粘剤等を添加することにより調製され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、カプセル、錠剤、粉末及び溶液から選択される形態で投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、健康補助食品と混合することにより投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、健康補助食品として投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、食物と混合することにより投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、食品組成物として投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、水に溶解することにより投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、カプセルとして水と共に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、チュアブル錠として投与される。
【0053】
例えば、粉末は、本開示の5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体、及びラクトース、デンプン、微結晶セルロース等の薬学的に許容される賦形剤を単に混合することにより作製され得る。顆粒は、化合物、薬学的に許容される賦形剤を混合して調製され得る。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤及び/又は薬学的に許容される結合剤を含む。いくつかの実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等である。
【0054】
いくつかの実施形態において、組成物は、水、エタノール、イソプロパノール等の適切な溶媒を用いた湿式造粒により形成される。いくつかの実施形態において、組成物は、圧縮力を用いた直接圧縮により形成される。さらに、顆粒を薬学的に許容される滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムと混合し、混合物を錠剤化することにより錠剤が作製され得る。
【0055】
本開示の医薬組成物は、これらに限定されないが、処置される障害及び動物の状態に応じて、経口製剤、注射製剤(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、点滴、皮下、インプラント)、吸入式、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下、経皮、局所等の形態で投与され得る。本開示の組成物は、投与される経路に応じて、全て当技術分野において一般的に使用される薬学的に許容される無毒性の担体、添加剤及び/又はビヒクルを含む好適な投薬単位で製剤化され得る。所望の期間薬物を継続的に放出することができるデポー型の製剤もまた、本開示の範囲内に含まれる。
【0056】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約50%w/w~約70%w/wのラクトース一水和物、
約2%w/w~約8%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
約0.1%w/w~約1%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
約0.1%w/w~約2%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含むカプセルである。
【0057】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約60%w/wのラクトース一水和物、
約5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
約0.5%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
約1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含むカプセルである。
【0058】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約30%w/w~約50%w/wのデンプン、
約15%w/w~約25%w/wの粗タンパク質、
約10%w/w~約20%の粗脂肪、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗繊維、
約1%w/w~約10%w/wの粗灰分、
約0.1%w/w~約5%w/wのアルギニン、
約0.1%w/w~約2.5%w/wのカルシウム、
約0.1%w/w~約3%w/wのリシン、
約0.1%w/w~約3%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
約0.1%w/w~約2.5%w/wのリン
を含む食品組成物である。
【0059】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約42.7%w/wのデンプン、
約21.0%w/wの粗タンパク質、
約14%w/wの粗脂肪、
約1.9%w/wの粗繊維、
約6.1%w/wの粗灰分、
約1.4%w/wのアルギニン、
約0.75%w/wのカルシウム、
約1.1%w/wのリシン、
約1.18%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
約0.5%w/wのリン
を含む食品組成物である。
【0060】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約5%w/w~約20%w/wの粗タンパク質、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗脂肪、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗繊維、
約0.1%w/w~約5%w/wの粗灰分、
約0%w/w~約1%w/wのカルシウム、
約0%w/w~約2%w/wのカリウム、及び
約60%w/w~約95%w/wの水
を含む健康補助食品である。
【0061】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約12.0%w/wの粗タンパク質、
約1.5%w/wの粗脂肪、
約0.4%w/wの粗繊維、
約1.5%w/wの粗灰分、
約0.02%w/wのカルシウム、
約0.1%w/wのカリウム、及び
約78.0%w/wの水
を含む健康補助食品である。
【0062】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約0.1%w/w~約5%w/wの二酸化ケイ素、
約0%w/w~約2%w/wの安息香酸、
約0%w/w~約1%w/wのソルビン酸、
約0.1%w/w~約10%w/wのステアリン酸マグネシウム、
約10%w/w~約30%w/wのセルロース、
約30%w/w~約50%w/wの鶏肉源、
約0.1%w/w~約5%w/wの乾燥酵母、及び
約10%w/w~約30%w/wのグルコース
を含むチュアブル錠である。
【0063】
いくつかの実施形態において、組成物は、
約1mg~約1000mgの式(I)の化合物、
約3%w/wの二酸化ケイ素、
約0.05%w/wの安息香酸、
約0.01%w/wのソルビン酸、
約5%w/wのステアリン酸マグネシウム、
約20%w/wのセルロース、
約40%w/wの鶏肉粉末、
約3%w/wの乾燥酵母、及び
約19%w/wのグルコース
を含むチュアブル錠である。
【0064】
本開示はまた、動物の認知機能低下の処置のための5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。すなわち、本開示は、上記化学式(I)で表される5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を含む、動物の認知機能低下の処置のための医薬組成物を提供する。より具体的には、5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体又はその薬学的に許容される塩は、認知機能不全症候群(例えば犬科の認知機能不全症候群)、気分変調症、退行期うつ病及び錯乱症候群を含む動物の認知機能低下の処置に使用され得る。いくつかの実施形態において、認知機能低下はCDSによりもたらされる。
【0065】
いくつかの実施形態において、組成物は、コンパニオンアニマルの認知機能不全症候群(CDS)の処置のための医薬の製造において使用される。いくつかの実施形態において、組成物は、酸化ストレス及び炎症の同時薬理学的阻害によりCDSを処置するための医薬の製造において使用される。いくつかの実施形態において、組成物は、酸化ストレス及びプロスタグランジンE2合成の阻害によりCDSを処置するための医薬の製造において使用される。いくつかの実施形態において、組成物は、酸化ストレス及びミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ1の阻害によりCDSを処置するための医薬の製造において使用される。しかしながら、本開示による5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体又はその薬学的に許容される塩の使用は、上記の具体的な疾患名に限定されない。
【0066】
本開示は、コンパニオンアニマル、例えば犬科又は猫科の認知及び/又は神経行動障害を処置する、例えば社会的交流の低下を低減又は抑制する、加齢関連の行動の変化を低減する、訓練能力を増加させる、注意力を改善する、脳機能の健康を維持する、記憶の喪失を低減する、及び認知機能低下を処置するための医薬製品を調製するための、5-ベンジルアミノサリチル酸誘導体又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、食欲、水を飲む行動、発声、排泄行動、睡眠パターン、無目的の行動、適応能力、社会的行動、知覚力、失見当識及び記憶から選択される行動の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、発声、排泄行動、睡眠パターン、無目的の行動、社会的行動、知覚力、失見当識及び記憶から選択される行動の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、睡眠パターン、社会的行動、失見当識及び記憶から選択される行動の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、記憶の変化を含む症状を示す。いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、方向感覚(例えばぼんやり眺める、室内で道に迷う等)、記憶(例えば飼い主の認識の欠如、不適切な場所での排泄等)、無関心(例えば活動に費やす時間の低減、飼い主とのコンタクトを避ける等)、嗅覚障害(例えば食料を見つけるのが困難である等)、及び運動から選択される行動の変化を含む症状を示す。
【0067】
いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、空間的方向感覚、社会的交流、睡眠-覚醒サイクル、及び不適切な場所での排泄から選択される行動の変化を含む症状を示す。
【0068】
いくつかの実施形態において、コンパニオンアニマルは、病態生理学的変化を示す。いくつかの実施形態において、病態生理学的変化は、大脳皮質萎縮、大脳基底核萎縮、脳室サイズの増加、脱髄、グリア細胞のサイズの増加、グリア細胞の数の増加、特に海馬上の皮質領域におけるニューロンの損失、軸索変性及びベータ-アミロイドプラークの蓄積から選択される。いくつかの実施形態において、病態生理学的変化は、グリア細胞のサイズの増加、グリア細胞の数の増加、ニューロンの損失及びベータ-アミロイド沈着の増加から選択される。
【0069】
猫科のコンパニオンアニマルの認知機能低下を処置するためには、本開示の化合物は、およそ0.01mg/kg~およそ200mg/kg、好ましくはおよそ0.1mg/kg~およそ30mg/kgの用量で毎日投与され得る。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、約0.1mg/体重キログラム~約10mg/体重キログラムの用量で投与される。しかしながら、投薬量は、動物の状態(年齢、性別、体重等)、それを必要とする動物の疾患の重症度、使用される有効成分、食生活等に応じて変動し得る。本開示の化合物は、1日1回、又は必要に応じて分割用量で1日数回投与され得る。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、1日1回、2回又は3回投与される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、1日1回投与される。
【0070】
[実施例]
化合物2の2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)エチルアミノ]安息香酸を代表的化合物として使用した。以降では、当業者が本開示を理解する上での補助となるように、本開示を極めて詳細に記載する。しかしながら、以下の実施例は例示を目的として提供されるものであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、又はその全ての重要な利点を犠牲にすることなく様々な変更がなされてもよいことは明らかである。
【0071】
1.試験デザイン及び対象
予備データでは、AD(APP/PS1マウス)及び筋萎縮性側索硬化症(G93Aマウス)の動物モデルにおいて、2.5mg/kgの用量での化合物2の経口投与後に最大限に有益な効果、例えば認知及び運動機能の改善が示された。
【0072】
マウスにおける2.5mg/kgの用量での化合物2の経口投与後、Cmax(平均最大血漿濃度)及びAUC(血漿レベル曲線下面積)は、それぞれ5.19±0.96μg/mL及び9.61±1.38μg時/mLと測定された。
【0073】
ビーグル犬における化合物2の潜在全身毒性を、英国ケンブリッジシャーの大規模な非臨床委託研究機関であるHuntington Life Scienceで調査した。それぞれ3匹の雄及び3匹の雌を含む3つの群に、化合物2を20、65又は200mg/kg/日の用量で13週間与えた。ビーグル犬への化合物2の毎日の経口投与は、肝臓及び腎臓における適応変化、並びに甲状腺における二次的所見をもたらした。毒性の証拠はなかったが、処置された動物は用量投与の時点で抵抗する傾向があった。主な処置関連所見は全て、4週間の回復期間中に少なくとも部分的な回復を示し、ほとんどは完全な回復を示した。したがって、200mg/kg/日は、犬において有害作用が観察されないレベル(NOAEL)であるとみなされた。
【0074】
薬物動態学的試験では、ビーグル犬におけるCmax及びAUCは、20mg/kg/日の化合物2の経口投与後それぞれ10.6μg/mL及び75.1μg時/mLであった。化合物2の安全性及び薬物動態プロファイルに基づいて、犬科のCDSにおける化合物2の安全性及び有効性を調査するために、10mg/kg/日の用量が選択された。
【0075】
安定性テストでは、化合物2は25℃で少なくとも60カ月安定であった。さらに、化合物2のカプセル及びチュアブル製剤は、25℃でそれぞれ少なくとも24カ月及び12カ月間安定であった。
【0076】
試験においてテストされたコンパニオンアニマルは、CDSと診断された22匹の高齢の犬(12~19歳)であった。実施例の対象を表1に示す。本試験に参加した犬はそれぞれ、以下の基準に適合した:体重<12kg(性別に無関係)、少なくとも90日間飼い主と共に生活した犬、経口薬を摂取することができる犬、試験者によりCDSと診断された犬(犬科の認知機能不全評価(CCDR)尺度≧50ポイント)、及び飼い主によりインフォームドコンセントが得られた犬。サリチル酸誘導体に対して過敏症である、又は基礎疾患(すなわち腎機能不全、視力障害、心不全若しくは腎不全)を有する妊娠又は授乳中の犬は除外した。さらに、90日以内に任意の他の臨床試験に参加した犬、又はCDSだけでなく他の神経変性疾患を有する犬は除外した。
【0077】
この試験は、CDSに罹患した犬における化合物2の有効性及び安全性を調査するための無作為化盲検プラセボ対照臨床試験であった。化合物2の有効性を調査するために、CCDR尺度及び犬科認知症尺度(CADES)の2つの質問票を評価した。化合物2の安全性を測定するために、有害事象の発生を調査するだけでなく、犬のバイタルサイン、身体検査、及び血液テストもまた行った。化合物2は、1日1回10mg/kg用量の8週間の経口投与用に処方した。対象3及び4には、試験責任者の承認によりさらに4週間化合物2を与えた。化合物2の代わりに、対象18~22にはプラセボを8週間与えた。この試験では、以下の様々な様式で犬に化合物2を投与した:健康補助食品と混合する(対象1及び3)、食物と混合する(対象2及び6)、水に溶解する(対象4)、又はカプセルと水(対象5)、又はチュアブル錠と水(対象7~22)。
【0078】
【表1】
【0079】
2.CDSに罹患した犬における質問票
評価尺度は、CDS診断、病期分類、評価及び疾患症状の慎重なモニタリング、並びに治療戦略の有効性評価に不可欠なツールである。ここ10年の間、いくつかの評価尺度、例えばCCDR尺度が開発された[21~24]。この試験においてCDSの重症度を評価するために、獣医による化合物2の経口投与の前及び後に、2つの質問票(CCDR尺度及びCADES)を実施した。質問票は、食欲、水を飲む行動、咆哮、排泄行動、日中/夜間睡眠パターン、無目的の行動、適応能力、社会的行動、知覚力、失見当識及び記憶を測定する広範な項目を含む。
【0080】
2.1 CCDR尺度による検査
CCDR尺度は、CDS症状に基づく13の項目からなる(表2)。13種類の行動は、方向感覚(ぼんやり眺める、室内で道に迷う)、記憶(飼い主の認識の欠如、不適切な場所での排泄)、無関心(活動的である時間の低減、飼い主との接触を避ける)、嗅覚障害(食物を見つけるのが困難である)、及び運動に関連する様々な問題を含んでいた。これらの問題は、犬の生活の質及び犬と飼い主との絆の両方を悪化させる[25、26]。CCDRにおける50≧のスコアは、年老いた犬(12~19歳)のCDSを示している。この試験では、CDSに罹患した犬における化合物2の投与の前及び後のCCDRスコアを比較した。
【0081】
【表2】
【0082】
CDSに罹患した全部で22匹のコンパニオンドッグで試験を開始したが、17匹のコンパニオンドッグは化合物2による8週間の処置を受け、対象1及び2は加齢依存性腎臓毒性を生じ、投与後7週間で自然死を迎えた。化合物2の経口投与から4週間後でも、CDSに罹患したほとんどのコンパニオンドッグは、CCDR尺度における行動の傾向の顕著な低減を示し、これは化合物2で処置された犬が4週間以内に正常に近い認知機能を示したことを示唆している(表3)。また、異常行動の頻度が減少し、犬のほとんどにおいて社会的交流が改善された。化合物2の投与後のCCDRスコアの改善は、8週間まで観察された。
【0083】
【表3】
【0084】
化合物2の有益な効果が薬物処置の中止後も維持され得るかどうかを決定するために、6匹のコンパニオンドッグで追跡試験を行った。化合物2による8週間又は12週間の処置を受けた対象3、4、7、8、10及び11において、化合物2の有益な効果は、薬物の最後の投与後4週間又は8週間にわたり観察された(表4及び表5)。重要なことに、社会的交流、適切な排泄、及び睡眠-覚醒活動サイクルの変化が顕著に改善された。これは、化合物2が、認知欠損を改善し、疾患の進行を抑制することによりCDSを処置するために適用され得ることを暗に示している。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
2.2 CADESによる検査
CCDR尺度を保証及び確認するために、追加の質問票であるCADESを使用したが、これは、犬の行動の変化に関連する4つのドメイン:空間的方向感覚、社会的交流、睡眠-覚醒サイクル及び不適切な場所での排泄に分配された17の項目を含む(表6)[3]。これは、認知機能障害の様々な段階:軽度、中程度及び重度の認知機能障害に従って分類され得る。CADESはまた、犬科の認知機能障害の進行の長期的評価に、また潜在的に処置の有効性読取り情報として好適であることは周知である。
【0088】
【表6】
【0089】
空間的方向感覚のスコア及び変動を表7に示した。投与から4週間後に、17匹のうち10匹(59%)のコンパニオンドッグが、空間的失見当識の改善を示した。対象3、4及び10は、空間的方向感覚項目においてほぼ正常な行動を示した。15匹のうち9匹(60%)のコンパニオンドッグにおいて、化合物2の経口投与から8週間後に有益な効果が観察された。全体的に、これらの結果は、化合物2がCDSに罹患した犬の空間的方向能力を改善することを示している。
【0090】
【表7】
【0091】
CADESにおける社会的交流スコアを表8に示す。化合物2の投与から4週間後、対象5、8、11、12、14及び17以外、参加したほとんどの犬の社会的交流が顕著に改善された。3匹の犬(対象3、4及び10)は、化合物2による処置前に重度の異常な社会的行動を示していたが、その社会的行動は、処置から4週間後には正常な年老いた犬とほぼ同様であった。さらに、ほとんどの犬が、化合物2処置から8週間後に社会的活動の改善を示した。より重要なことに、化合物2の投与から8週間後の15匹のうち8匹(53%)のコンパニオンドッグが、化合物2の投与から4週間後の改善と比較して、社会的交流のさらなる改善を示した。全体的に、これらの結果は、化合物2がCDSに罹患した犬の社会的交流活動を改善することを示している。
【0092】
【表8】
【0093】
CADESにおける睡眠-覚醒サイクルの変化を、表9に定量化した。化合物2の投与前に、対象14以外の全ての犬は、睡眠-覚醒サイクル(項目11)に関して重度の異常行動を有していたが、15匹のうち10匹(67%)のコンパニオンドッグが、化合物2の投与から8週間後に有意に改善された。一方、17匹のうち14匹(82%)のコンパニオンドッグにおいて不眠症から過眠症への切り替わり(項目12)が観察されていたが、異常な変化は化合物2の投与後にほぼ消失した。
【0094】
【表9】
【0095】
不適切な場所での排泄行動の頻度を表10に示す。化合物2の投与から8週間後、不適切な場所での排泄行動は、対象4、12、13及び17以外の全ての対象において減少した。特に、対象3、5及び10は、化合物2の投与から8週間後に不適切な場所での排泄を示さなかった。
【0096】
【表10】
【0097】
全CADESスコアを表11に示した。スコアは、対象9以外のCDSに罹患した全てのコンパニオンドッグにおける認知機能不全行動が、化合物2の投与後に徐々に減少したことを明らかにした。化合物2の経口投与から8週間後、重度から中程度、軽度、又は正常レベルへの認知機能の有意な改善が観察された。
【0098】
【表11】
【0099】
6匹のコンパニオンドッグ(対象3、4、7、8、10及び11)における化合物2の有益な効果は、投与が中止された後4週間又は8週間にわたっても観察された(表12及び表13)。睡眠パターン、不適切な場所での排泄、社会的交流及び行動的活動は、化合物2による処置後に有意に改善された。また、対象は、飼い主に対してより従順になり、攻撃性の低減を示した。これらの結果は、化合物2が犬科のCDSにおいて認知機能障害を低減し、疾患の進行を抑制するために投与され得ることを暗に示している。
【0100】
【表12】
【0101】
【表13】
【0102】
2.3 プラセボが与えられた犬におけるCCDR及びCADESの結果
認知機能障害に対する化合物2の効果を明確化するために、CDSに罹患した5匹の犬(対象18~22)にプラセボを与えた。プラセボが与えられたほとんどの犬におけるCCDR及びCADESスコアは、プラセボ処置から8週間後に有意な変化又は増加を示さなかったが、これはプラセボ処置が認知機能に影響しなかったことを示している。全体的に、化合物2が犬科のCDSにおいて認知機能障害を低減するために投与され得ることが強く暗に示されている。
【0103】
【表14】
【0104】
【表15】
【0105】
3.CDSに罹患した犬における安全性評価
この試験の間、CDSに罹患した犬における化合物2の安全性を、受診する度に評価した。結果として、血液毒性テストにおける有意な変化は観察されず、処置関連有害事象もまた生じなかった。
【0106】
4.結論
2つの質問票を使用して、CDSに罹患したコンパニオンドッグにおける認知機能に対する化合物2の効果を評価した。CCDR尺度では、化合物2の投与は、ほぼ正常スコアまで認知機能を実質的に改善した。CCDR尺度と一致して、CDSに罹患した犬における重度の認知及び神経行動障害は、化合物2の投与後8週間以内に有意に軽減された。これらの有益な効果は、化合物2の8週間又は12週間投与が完了した後に、4週間又は8週間にわたり維持された。また、試験中、有害事象又は毒性は観察されなかった。一方、プラセボ群では有意な改善は見られなかった。総合すると、これらの所見は、化合物2が犬科、さらには猫科のCDSを処置するために適用され得ることを強く暗に示している。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示は、犬科又は猫科のCDS、気分変調症、退行期うつ病及び錯乱症候群を含む神経疾患における認知及び神経行動障害を処置するための化合物2を含む組成物、及び治療有効量の化合物2を投与する方法を提供する。本開示の組成物及び方法は、犬科又は猫科の加齢関連神経疾患における認知及び神経行動障害を低減又は抑制するのに極めて有用である。
【0108】
他の出版物
1. Azkona, G., et al., Prevalence and risk factors of behavioural changes associated with age-related cognitive impairment in geriatric dogs. J Small Anim Pract, 2009. 50(2): p. 87-91.
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(付記)
[付記1]
式(I):
【化6】
(式中、
Xは、CO、SO2及び(CH2)nから選択され、
R1は、水素、C1~C6アルキル及びC1~C6アルカノイルから選択され、
R2は、水素及びC1~C6アルキルから選択され、
R3は、水素及びC1~C5アセチル基から選択され、
R4は、フェニル基、フェノキシ基、並びに置換されていない又はニトロ、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C5アルコキシ及びC1~C5ハロアルコキシからなる群のうちの1つ以上で置換された5~10員アリール基から選択され、
nは、1~5(これらを含む)の整数である)の化合物、
又はその薬学的に許容される塩、並びに
例えば経口投与に好適な薬学的に許容される賦形剤を含む組成物。
[付記2]
式(I)の化合物が、2-ヒドロキシ-5-フェネチルアミノ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、5-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(2-ニトロ-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、5-[2-(4-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-メトキシ-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-(2-o-トリル-エチルアミノ)-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-(3-フェニル-プロピルアミノ)-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピルアミノ]-安息香酸、5-[3-(4-フルオロ-フェニル)-プロピルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[3-(3,4-ジクロロ-フェニル)-プロピルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-(3-p-トリル-プロピルアミノ)-安息香酸、2-アセトキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、5-[2-(2-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-ベンジルアミノサリチル酸、5-(4-ニトロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-クロロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-トリフルオロメチルベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-フルオロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-メトキシベンジル)アミノサリチル酸、5-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-ニトロベンジル)アミノ-2-ヒドロキシエチルベンゾエート、5-(4-ニトロベンジル)-N-アセチルアミノ-2-ヒドロキシエチルベンゾエート、5-(4-ニトロベンジル)-N-アセチルアミノ-2-アセトキシエチルベンゾエート、5-(4-ニトロベンゾイル)アミノサリチル酸、5-(4-ニトロベンゼンスルホニル)アミノサリチル酸、5-[2-(4-ニトロフェニル)-エチル]アミノサリチル酸、及び5-[3-(4-ニトロ-フェニル)-n-プロピル]アミノサリチル酸からなる群から選択される、付記1に記載の組成物。
[付記3]
式(I)の化合物が、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸である、付記2に記載の組成物。
[付記4]
1mg~1000mgの式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、付記1から3のいずれか一項に記載の組成物。
[付記5]
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
60%w/wのラクトース一水和物、
5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
0.5%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含むカプセルである、付記1から4のいずれか一項に記載の組成物。
[付記6]
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
42.7%w/wのデンプン、
21.0%w/wの粗タンパク質、
14%w/wの粗脂肪、
1.9%w/wの粗繊維、
6.1%w/wの粗灰分、
1.4%w/wのアルギニン、
0.75%w/wのカルシウム、
1.1%w/wのリシン、
1.18%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
0.5%w/wのリン
を含む食品組成物である、付記1から4のいずれか一項に記載の組成物。
[付記7]
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
12.0%w/wの粗タンパク質、
1.5%w/wの粗脂肪、
0.4%w/wの粗繊維、
1.5%w/wの粗灰分、
0.02%w/wのカルシウム、
0.1%w/wのカリウム、及び
78.0%w/wの水
を含む健康補助食品である、付記1から4のいずれか一項に記載の組成物。
[付記8]
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
3%w/wの二酸化ケイ素、
0.05%w/wの安息香酸、
0.01%w/wのソルビン酸、
5%w/wのステアリン酸マグネシウム、
20%w/wのセルロース、
40%w/wの鶏肉源、
3%w/wの乾燥酵母、及び
19%w/wのグルコース
を含むチュアブル錠である、付記1から4のいずれか一項に記載の組成物。
[付記9]
酸化ストレス及び炎症の同時薬理学的阻害により認知機能不全症候群(CDS)を処置するための医薬の製造のための、付記1から8のいずれか一項に記載の組成物の使用。
[付記10]
酸化ストレス及びプロスタグランジンE2合成の阻害によりCDSを処置するための医薬の製造のための、付記1から8のいずれか一項に記載の化合物の使用。
[付記11]
酸化ストレス及びミクロソームプロスタグランジンEシンターゼ1の阻害によりCDSを処置するための医薬の製造のための、付記1から8のいずれか一項に記載の化合物の使用。
[付記12]
例えば神経疾患における、認知及び/又は神経行動障害を処置する方法であって、それを必要とするコンパニオンアニマルに、式(I):
【化7】
(式中、
Xは、CO、SO2及び(CH2)nから選択され、
R1は、水素、C1~C6アルキル及びC1~C6アルカノイルから選択され、
R2は、水素及びC1~C6アルキルから選択され、
R3は、水素及びC1~C5アセチル基から選択され、
R4は、フェニル基、フェノキシ基、並びに置換されていない又はニトロ、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C5アルコキシ及びC1~C5ハロアルコキシからなる群のうちの1つ以上で置換された5~10員アリール基から選択され、
nは、1~5(これらを含む)の整数である)の化合物、
又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法。
[付記13]
式(I)の化合物が、2-ヒドロキシ-5-フェネチルアミノ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、5-[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(2-ニトロ-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、5-[2-(4-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(4-フルオロ-2-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[2-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-メトキシ-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-(2-o-トリル-エチルアミノ)-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-(3-フェニル-プロピルアミノ)-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピルアミノ]-安息香酸、5-[3-(4-フルオロ-フェニル)-プロピルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-[3-(3,4-ジクロロ-フェニル)-プロピルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、2-ヒドロキシ-5-(3-p-トリル-プロピルアミノ)-安息香酸、2-アセトキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸、5-[2-(2-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-2-ヒドロキシ-安息香酸、5-ベンジルアミノサリチル酸、5-(4-ニトロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-クロロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-トリフルオロメチルベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-フルオロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-メトキシベンジル)アミノサリチル酸、5-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンジル)アミノサリチル酸、5-(4-ニトロベンジル)アミノ-2-ヒドロキシエチルベンゾエート、5-(4-ニトロベンジル)-N-アセチルアミノ-2-ヒドロキシエチルベンゾエート、5-(4-ニトロベンジル)-N-アセチルアミノ-2-アセトキシエチルベンゾエート、5-(4-ニトロベンゾイル)アミノサリチル酸、5-(4-ニトロベンゼンスルホニル)アミノサリチル酸、5-[2-(4-ニトロフェニル)-エチル]アミノサリチル酸、及び5-[3-(4-ニトロ-フェニル)-n-プロピル]アミノサリチル酸からなる群から選択される、付記12に記載の方法。
[付記14]
式(I)の化合物が、2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸である、付記13に記載の方法。
[付記15]
2-ヒドロキシ-5-[2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチルアミノ]-安息香酸が、1mg/kg体重~200mg/kg体重の用量で1日1回投与される、付記12に記載の方法。
[付記16]
組成物を投与するステップを含み、組成物は、
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
60%w/wのラクトース一水和物、
5%w/wのクロスカルメロースナトリウム、
0.5%w/wのステアリン酸マグネシウム、及び
1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム
を含むカプセルである、付記12に記載の方法。
[付記17]
組成物を投与するステップを含み、組成物は、
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
42.7%w/wのデンプン、
21.0%w/wの粗タンパク質、
14%w/wの粗脂肪、
1.9%w/wの粗繊維、
6.1%w/wの粗灰分、
1.4%w/wのアルギニン、
0.75%w/wのカルシウム、
1.1%w/wのリシン、
1.18%w/wのメチオニン及びシスチン、並びに
0.5%w/wのリン
を含む食品組成物である、付記12に記載の方法。
[付記18]
組成物を投与するステップを含み、組成物は、
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
12.0%w/wの粗タンパク質、
1.5%w/wの粗脂肪、
0.4%w/wの粗繊維、
1.5%w/wの粗灰分、
0.02%w/wのカルシウム、
0.1%w/wのカリウム、及び
78.0%w/wの水
を含む健康補助食品である、付記12に記載の方法。
[付記19]
組成物を投与するステップを含み、組成物は、
1mg~1000mgの式(I)の化合物、
3%w/wの二酸化ケイ素、
0.05%w/wの安息香酸、
0.01%w/wのソルビン酸、
5%w/wのステアリン酸マグネシウム、
20%w/wのセルロース、
40%w/wの鶏肉源、
3%w/wの乾燥酵母、及び
19%w/wのグルコース
を含むチュアブル錠処方である、付記12に記載の方法。
[付記20]
認知及び/又は神経行動障害が、認知機能不全症候群、気分変調症、退行期うつ病及び錯乱症候群から選択される、付記12から19のいずれか一項に記載の方法。