IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワン ウェイ プラスティックス ビー.ブイ.の特許一覧

<>
  • 特許-部分的に透明な使い捨て絞り袋 図1
  • 特許-部分的に透明な使い捨て絞り袋 図2
  • 特許-部分的に透明な使い捨て絞り袋 図3
  • 特許-部分的に透明な使い捨て絞り袋 図4
  • 特許-部分的に透明な使い捨て絞り袋 図5
  • 特許-部分的に透明な使い捨て絞り袋 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】部分的に透明な使い捨て絞り袋
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/28 20060101AFI20241030BHJP
   B29D 22/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
A23G3/28
B29D22/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021539326
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 NL2019050605
(87)【国際公開番号】W WO2020055260
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】2021641
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2021639
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】521106186
【氏名又は名称】ワン ウェイ プラスティックス ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ストラーテン,ヤン コーネリス
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3213615(JP,U)
【文献】特表2009-525043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G
A47J
B65D
B29D
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状フォイルの軸方向に繰り返された同じフォイルブロック(26_1、26_2)の配設を備える、共押し出し多層チューブ状フォイル(20)であって、各フォイルブロックが、前記チューブ状フォイルの2つの対向側部を接続し、それによって、第1および第2の絞り袋を少なくとも部分的に画定する溶接シーム(24)を備え、
前記チューブ状フォイルが、外側層(21)と、内側層(23)と、前記外側層と前記内側層との間に配設された中間層(22)と、を備え、
前記外側層および前記内側層が、透明であり、前記中間層が、少なくとも前記軸方向に対して垂直な方向に不均一である、前記中間層内の顔料および/または染料添加剤の分散を通して部分的に透明であり、
各フォイルブロックが、前記軸方向に対して垂直に配設された横方向ミシン目線(25)をさらに備え、前記溶接シームが、前記フォイルブロックを斜めに横断して延在し、前記チューブ状フォイルの縁部と共に、前記第1および第2の絞り袋の各々の先端領域を画定し、
前記中間層が、第1の領域(27)と、第2の領域(28)と、を備え、前記第1の領域および第2の領域が、相互に接続され、前記チューブ状フォイルの表面に平行な方向に隣接して配設され、
前記中間層の前記第2の領域(28)が、透明であり、前記中間層の前記第1の領域(27)が、前記軸方向に延在する着色したストリップを提供するために、少なくとも前記顔料および/または染料添加剤の一部を含み、前記着色したストリップが、前記第1または第2の絞り袋の前記先端領域を少なくとも部分的に着色し、
前記中間層が、さらなる第1の領域(27’)と、さらなる第2の領域(28’)と、をさらに備え、前記さらなる第1の領域(27’)が、前記軸方向に延在するさらなる着色されたストリップを提供するために、1種以上の顔料添加剤を有し、前記さらなる着色したストリップが、前記第1または第2の絞り袋の他方の前記先端領域を少なくとも部分的に着色し、前記中間層のさらなる第2の領域(28’)が、透明であり、
前記第1の領域および前記さらなる第1の領域が、各々が、前記第2の領域と前記さらなる第2の領域との間に配設され、
前記第2の領域および前記さらなる第2の領域が、前記チューブ状フォイルを通した視界を提供するための透明な窓を形成するように互いに位置合わせされる、共押し出し多層チューブ状フォイル。
【請求項2】
前記中間層が、本質的に透明なポリマー材料から作製され、前記第2の領域および前記さらなる第2の領域が、一般に、いかなる顔料および/または染料添加剤も含まない、請求項1に記載のチューブ状フォイル。
【請求項3】
前記内側層が、ポリオレフィンを含み、
前記外側層が、食材を基材に塗布している間の、絞り袋のユーザが前記チューブ状フォイルから得られる把持性を向上させるように位置付けられた、熱可塑性エラストマーを組み込んだゴム含有組成物を含み、
前記第1および/または第2の領域が、ポリオレフィンを含む、請求項1または2のいずれかに記載のチューブ状フォイル。
【請求項4】
前記ポリオレフィンが低密度ポリエチレン(LDPE)である、請求項3に記載のチューブ状フォイル。
【請求項5】
前記内側層および外側層の厚さの各々が、20~50ミクロンの範囲内であり、前記中間層の厚さが、10~30ミクロンの範囲内である、請求項3または4のいずれかに記載のチューブ状フォイル。
【請求項6】
前記第1の領域、前記さらなる第1の領域、前記第2の領域、および/または前記さらなる第2の領域が、レーザマーキング用の顔料粒子を含む、請求項1~5のいずれかに記載のチューブ状フォイル。
【請求項7】
レーザマーキング用の前記顔料粒子が、雲母粒子、またはTiO、SnO、もしくはSbOによって被覆された雲母小板である、請求項6に記載のチューブ状フォイル。
【請求項8】
前記第1の領域、前記さらなる第1の領域、前記第2の領域、および前記さらなる第2の領域の厚さが、同一である、請求項1~7のいずれかに記載のチューブ状フォイル。
【請求項9】
数の前記溶接シームおよびミシン目線とは別に、前記中間層の断面が、前記軸方向に沿って一定である、請求項1~8のいずれかに記載のチューブ状フォイル。
【請求項10】
前記溶接シームが、前記チューブ状フォイルの対向縁部の間に延在する、請求項1~9のいずれかに記載のチューブ状フォイル。
【請求項11】
前記中間層内の前記顔料および/または染料添加剤が、天然染料および/または天然顔料である、請求項1~10のいずれかに記載のチューブ状フォイル。
【請求項12】
前記溶接シームおよびミシン目線に沿って請求項1~11のいずかにおいて定義したようなチューブ状フォイルを分離することによって得られる絞り袋。
【請求項13】
絞り袋であって、その上に配設されたアートワークおよび/またはテキストを有する、請求項12に記載の絞り袋。
【請求項14】
アートワークおよび/またはテキストを有する共押し出し多層絞り袋を提供するための方法であって、
請求項6に従属する限りにおいて、請求項6~11のいずれかに記載のフォイルを提供することと、
レーザを提供することと、
前記アートワークおよび/またはテキストを形成するためのレーザマーキングを使用してフォイルをパターン化することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記チューブ状フォイル上に画定された全ての前記絞り袋が、前記絞り袋を前記チューブ状フォイルの残部から分離する前にパターン化される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
スケール(30)を前記フォイル内にパターン化して、ユーザが前記絞り袋内に存在する内容物の体積を決定することを可能にし、前記スケールが、前記透明な第2の領域または透明なさらなる第2の領域に提供される、請求項14または15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り袋に関する。より具体的には、本発明は、食材を基材に塗布するための絞り袋に関し、絞り袋は、使い捨てタイプである。本発明は、そのような絞り袋を得ることができる共押し出しチューブ状フォイルに関し、およびそのような絞り袋上にアートワークおよび/またはテキストを提供する方法にさらに関する。
【0002】
食材を基材に塗布するための絞り袋の使用は、長い間知られている。過去には、主に綿の絞り袋が使用されていた。これらの袋は、使用後に洗浄することができるが、洗浄の過程は、困難で、時間がかかる場合がある。以下使い捨て絞り袋と称される別のタイプの絞り袋は、異なる材料、すなわちポリマー材料から作製されている。典型的に、これらの絞り袋は、廃棄する前に一度だけ、または2~3回使用される。
【0003】
EP1978809B1は、共押し出し多層絞り袋を開示しており、袋の外側の少なくとも1つの部分が、食材を基材に塗布する間、絞り袋のユーザの把持性を向上するように位置付けられたゴム組成物を含み、ゴム組成物は、熱可塑性エラストマーを含む。この絞り袋は、例えばホイップクリームなどを塗布する場合に、湿性または脂肪性の条件下であっても、ユーザが把持性を維持することを可能にする。
【0004】
上述の絞り袋は、ロール上に提供される。このロールは、チューブ状フォイルの軸方向に繰り返された同じフォイルブロックの配設を備える、チューブ状フォイルを備え、各フォイルブロックは、チューブ状フォイルの2つの対向側部を接続し、それによって、2つの絞り袋を少なくとも部分的に画定する溶接シームを備える。さらに、チューブ状フォイル、したがって絞り袋自体は、チューブ状フォイルの共押し出し過程中の顔料添加剤の追加により、不透明で緑色の外観を有する。これらの顔料添加剤は、チューブ状フォイルを緑色にする。これらの添加物の追加は、食品安全規制に適合する必要がある。例えば、絞り袋を得るために、チューブ状フォイルの残部から分離されなければならない。その時点で、絞り袋の分配端部は、閉じられたままである。ユーザは、絞り袋の底端部、いわゆる先端領域を切断して、分配ノズルが配設され得る分配開口部を作成しなければならない。しかしながら、切断した部分を無くした場合、特にケーキなどのような他の食材の中に無くした場合には、問題が生じる場合がある。絞り袋が透明であった場合、切断した部分を容易に認識することができない。したがって、切断した部分を無くしてしまい、最終的には切断した部分が食品の中へ入ることになり、末端消費者に健康被害を生じさせるおそれが存在する。
【0005】
上述の着色した共押し出し絞り袋に加えて、上述した健康被害に対処するために完全に透明であるが先端領域がインクで覆われた、他の共押し出し絞り袋が知られている。これらの絞り袋は、透明な材料で作製されているので、ユーザが絞り袋の内容物を見ることができる、という利点を提供する。しかしながら、これらの絞り袋の欠点は、先端領域に塗布されるインクに関する。特に脂肪性の条件では、インクが溶解する場合があり、または別様に食材と混合する場合があり、最終ユーザに不便および/または健康被害を生じさせる。
【0006】
WO2018/160144A1は、外側層、内側層、および中間層を備える共押し出し多層チューブ状フォイルから作製された絞り袋を開示しており、中間層には、着色剤が提供され得る。この絞り袋の欠点は、それが着色されていることであり、それによって、ユーザが、絞り袋先端部が食材と混合した可能性があることを迅速に識別することを可能にすること、または、それが透明であることによって、ユーザが、絞り袋の内容物を視覚的に検査することを可能にすることである。
【0007】
本発明の目的は、ユーザが内部を検査することができるが、それでも今日の食品安全要件に適合する絞り袋を提供することである。
【0008】
この目的は、チューブ状フォイルの軸方向に繰り返された同じフォイルブロックの配設を備える、請求項1に記載の共押し出し多層チューブ状フォイルによって達成され、各フォイルブロックは、チューブ状フォイルの2つの対向側部を接続し、それによって、少なくとも2つの絞り袋を少なくとも部分的に画定する、溶接シームを備える。本発明によれば、チューブ状フォイルは、外側層と、内側層と、外側層と内側層との間に配設された中間層と、を備え、外側層および内側層は、透明であり、中間層は、少なくとも軸方向に対して垂直な方向に不均一である、中間層の顔料添加剤の分散を通して部分的に透明である。
【0009】
出願人は、顔料添加剤を中間層に不均一に分散させただけである絞り袋が、そのような添加物を外側層および/または内側層で不均一に分散させた絞り袋よりも容易に、共押し出しを使用して製作することができることを見出した。
【0010】
軸方向に対して垂直である上述の方向は、円周方向であり得る。例えば、チューブ状フォイルは、その円周に沿って異なる不透明度を示すことができ、少なくともチューブ状フォイルの一部は、ユーザが使用中に絞り袋の内容物を検査することができる程度に透明である。さらに、中間層内の顔料添加剤の分散は、追加的に、軸方向に不均一であり得る。
【0011】
本発明の文脈の範囲内で、ユーザが絞り袋の内容物を検査するために層を透かして見ることができる場合、その層は、透明であると言われる。いくつかの実施形態では、透明な層は、本質的に透明なポリマー材料を使用して作製された層である。そのような層は、一般に、いかなる顔料添加剤も含まない。さらに、本発明の顔料添加剤は、一般に、添加物が使用されるそれぞれの領域をユーザが透かして見ることができない程度の濃度で適用される。
【0012】
各フォイルブロックは、軸方向に対して垂直に配設された横ミシン目線をさらに備えることができる。追加的または代替的に、溶接シームは、フォイルブロックを斜めに横断して延在させることができ、チューブ状フォイルの縁部と共に、少なくとも2つの絞り袋の各々の先端領域を画定することができる。溶接シームをチューブ状フォイルに適用することによって、フォイルは、平坦になる。そのような平坦化された状態では、軸方向に沿って延在するチューブ状フォイルの対向縁部を識別することができる。ここで、溶接シームは、好ましくは、チューブ状フォイルのこれらの対向縁部の間に延在する。溶接シームは、このシームが絞り袋の外縁部を画定するように、チューブ状フォイルの対向側部を接続する。さらに、溶接シームは、ミシン目線が配設された、2つの溶接サブシームを備えることができる。そのような溶接シームは、このミシン目線に沿って同じフォイルブロックに位置付けられた2つの絞り袋の分離を可能にするが、同時に、2つの溶接サブシームによって両方の絞り袋の気密縁部の明瞭度を維持する。
【0013】
横ミシン目線または他のフォイルの弱化は、フォイルの異なるフォイルブロックに2つの隣接して配設された絞り袋を容易に分離することを可能にする。
【0014】
中間層内の顔料添加剤は、染料、好ましくは天然染料からなる群から選択される染料である。追加的または代替的に、中間層内の顔料添加剤は、天然顔料からなる群から選択される。
【0015】
典型的に、1つのフォイルブロックは、2つの絞り袋を画定する。一例として、フォイルブロックは、横ミシン目線から始めて、その後に角度付き溶接シームを続けることができ、該角度付き溶接シームは、横ミシン目線からオフセットされたチューブ状フォイルの一方の縁部で始まり、かつ隣接するフォイルブロックの横ミシン目線からオフセットされたチューブ状フォイルの対向縁部で終了する。
【0016】
中間層は、第1の領域と、第2の領域と、を備え、第1の領域および第2の領域は、相互に接続され、チューブ状フォイルの表面に平行な方向に隣接して配設される。この方向は、好ましくは、上述の円周方向である。加えて、中間層の第2の領域は、透明であり、中間層の第1の領域は、軸方向に延在する着色したストリップを提供するために、少なくとも顔料添加剤の一部を含み、着色したストリップは、先端領域を少なくとも部分的に着色する。
【0017】
顔料添加剤が存在する第1の領域および存在しない第2の領域をそれぞれ使用することは、必要な場所、すなわち先端領域に着色を適用することだけによって、経費を節約し、食品の安全を危険に晒すことなく実現可能である最大限の透明度を提供する、という利点を提供する。
【0018】
本発明によれば、絞り袋は、1種以上の顔料添加剤を有するさらなる第1の領域と、さらなる第2の透明な領域と、をさらに備え、第1の領域およびさらなる第1の領域は、各々が、第2の領域とさらなる第2の領域との間に配設される。この実施形態では、少なくとも4つの異なる領域を識別することができる。特定の実施形態では、4つの異なる領域が使用され、第1の領域は、チューブ状フォイルの縁部近くに配設されて、両方の絞り袋の先端領域を着色する。第1および第2の領域の配設は、好ましくは対称である。本発明によれば、第2の領域およびさらなる第2の領域は、好ましくは、チューブ状フォイルを通した視界を提供するための透明な窓を形成するように互いに位置合わせされる。
【0019】
内側層、外側層、および中間層を実現するために、様々なポリマー材料を使用することができる。好ましくは、内側層は、低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリオレフィンを含む。外側層は、好ましくは、食材を基材に塗布している間の、絞り袋のユーザが該チューブ状フォイルから得られる把持性を向上させるように位置付けられた、熱可塑性エラストマーを組み込んだゴム含有組成物を含む。第1の領域および/または第の領域は、低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリオレフィンを含み得る。この層の組成物は、把持性を向上させるが、それでも、ユーザが絞り袋の内容物を検査することを可能にする、という利点を提供する。内側層および外側層の厚さは、各々、20~50ミクロンの範囲内であり得、中間層の厚さは、10~30ミクロンの範囲内であり得る。
【0020】
第1の領域、さらなる第1の領域、第2の領域、および/またはさらなる第2の領域は、雲母粒子、好ましくはTiO、SnO、またはSbOによって被覆された雲母小板などの、レーザマーキング用の顔料粒子を含むことができる。これらの粒子は、レーザなどの好適な集中光源で照らされると、入射光線が吸収され、顔料粒子の温度を急速に上昇させる。その結果、顔料粒子を取り囲むポリマー材が炭化される。例えば、ポリマー材は、特にレーザによって標的にされた点が黒色になる。顔料粒子の例は、Iriotec(登録商標)8000シリーズのレーザ顔料、またはACTELAR(登録商標)レーザマスターバッチである。
【0021】
レーザマーキングのための顔料粒子を加えることによって、アートワークおよび/またはテキストを配設することができる絞り袋を得ることが可能になる。さらに重要なことに、インクベースのおよび/または転写過程によってアートワークおよび/またはテキストが絞り袋に提供される従来技術のソリューションと比較して、絞り袋のロールの全厚さを、ロールの縦方向に沿って均一に保つことができる。そのような均一性は、回転中のその運動がより一定であるので、オートメーション化されたロールの取り扱いを容易にする。インクベースのおよび/または転写過程では、追加されたインクが、ロールの全厚さを局所的に増加させ、ロールの縦方向に沿った厚さの不均一性を生じさせる。オートメーション化した取り扱い中に、ロールは、回転中に所望の直線経路から逸脱する場合があり、それによって、包装などのさらなる取り扱い工程を複雑にする。
【0022】
好ましくは、第1の領域、さらなる第1の領域、第2の領域、およびさらなる第の領域の厚さは、同一である。追加的または代替的に、複数の溶接シームおよびミシン目線とは別に、中間層の断面は、軸方向に沿って一定である。しかしながら、本発明は、着色したストリップまたは透明な領域がチューブ状フォイルの軸方向に沿って湾曲した実施形態を除外しない。
【0023】
第2の態様によれば、本発明は、溶接シームおよびミシン目線に沿って上で定義したようなチューブ状フォイルを分離することによって得られる絞り袋を提供する。
【0024】
第3の態様によれば、本発明は、アートワークおよび/またはテキストを有する共押し出し多層絞り袋を提供するための方法を提供し、該方法は、レーザマーキングのための顔料粒子が提供された、上で定義したようなフォイル提供することと、レーザなどの集中光の供給源を提供することと、アートワークおよび/またはテキストを形成するための集中光を使用してフォイルをパターン化することと、を含む。好ましくは、チューブ状フォイル上に画定された全ての絞り袋は、絞り袋をチューブ状フォイルの残部から分離する前にパターン化される。有利な例として、スケールをフォイル内にパターン化して、ユーザが絞り袋内に存在する内容物の体積を決定することを可能にすることができる。そのようなスケールは、リットルまたはミリリットルなどの任意の好適なメトリックで表すことができる。追加的または代替的に、スケールは、絞り袋内に保持されたときの特定の内容物の重量を示すことができる。スケールは、好ましくは、透明な第2の領域または透明なさらなる第2の領域に提供される。
【0025】
第4の態様によれば、本発明は、上で説明したような方法を適用することによって得られる絞り袋を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
次に、本発明を、以下の添付図面を参照してより詳細に説明する。
図1】絞り袋のための既知のチューブ状フォイルの第1の例の断面を例示する。
図2図1のチューブ状フォイルの上面図を例示する。
図3】本発明による絞り袋のためのチューブ状フォイルの第1の実施形態の断面を例示する。
図4図3のチューブ状フォイルの上面図を例示する。
図5】本発明による絞り袋のためのチューブ状フォイルの第2の実施形態の断面を例示する。
図6図5のチューブ状フォイルの上面図を例示する。
【0027】
図1は絞り袋のための既知のチューブ状フォイル100の一実施例の断面を例示し、図2は、対応する上面図を例示する。既知のチューブ状フォイル100は、外側層101と、中間層102と、内側層103と、を備え、これらは全て透明である。角度付き溶接シーム104のため、チューブ状フォイル100は、平坦化された形状を達成し、縁部AおよびBの識別を可能にする。
【0028】
図2は、どのように角度付き溶接シーム104および横方向ミシン目線105が絞り袋P1~P4を画定するかを示す。より具体的には、フォイルの軸方向または縦方向に繰り返されている、同一のフォイルブロック106_1および106_2を識別することができる。角度付き溶接シーム104は、縁部AとBとの間に斜めに延在する。このシームは、チューブ状フォイルの対向側部を互いに接続し、それによって、チューブ状フォイル100を平坦化する。横方向ミシン目線105は、軸方向または縦方向に対して垂直である方向に、縁部AとBとの間に延在する。典型的に、このミシン目線は、隣接する絞り袋P2およびP3の簡単な分離を可能にする。
【0029】
絞り袋P2は、シーム104およびミシン目線105に沿って切断すること、または引き裂くことによって、チューブ状フォイルから取り外すことができる。絞り袋P2の先端領域107を識別することができる。この領域は、絞り袋P2の使用前に切断される。加えて、開口部は、ミシン目線105の位置に形成される。この開口部を通して、食材を絞り袋P2の中へ導入することができる。
【0030】
図1図2の既知の絞り袋では、絞り袋の先端領域は、切断された先端領域の容易な識別を可能にするために、インク(図示せず)で被覆されている。他の既知の絞り袋では、絞り袋全体が着色されている。
【0031】
図3は、本発明による、絞り袋のためのチューブ状フォイル10の第1の実施形態の断面を例示する。図4には、対応する上面図を例示する。この実施形態では、チューブ状フォイル10は、外側層11と、中間層12と、内側層13と、を備える。中間層12内には、第1の着色領域17および第2の透明な領域18を識別することができる。ここで、領域17は、先端領域が第1の領域17によって着色されるように、縁部AおよびBの上に延在する。さらに、第1の領域17および第2の領域18の配設は、チューブ状フォイル10の中心軸に対して対称である。図2のフォイルと同様に、軸方向または縦方向ならびに横方向ミシン目線15および角度付き溶接シーム14で繰り返されている、同一のフォイルブロック16_1、16_2を識別することができる。
【0032】
図3の実施形態では、透明な第2の領域18の結果として、絞り袋に透明な窓が形成される。この実施形態では、第2の領域18のサイズは、第1の領域17のサイズよりも小さい。同様に外側層21と、中間層22と、外側層23と、を備え、図5および図6に示す、本発明による、絞り袋のためのチューブ状フォイル20の第2の実施形態では、絞り袋の透明な領域が、不透明領域よりよりも大きい。これは、チューブ状フォイル20がこの時点で透明な第2の領域28および透明なさらなる第2の領域28’を備え、これらの領域が、着色した第1の領域27および着色したさらなる第1の領域27’を使用して接続されていることで可能になる。この実施形態では、着色は、少なくとも部分的に先端領域を被覆するためだけに適用される。図2のフォイルと同様に、軸方向または縦方向ならびに横方向ミシン目線25および角度付き溶接シーム24で繰り返される、同一のフォイルブロック26_1、26_2を識別することができる。
【0033】
図3または図5の実施形態において、レーザマーキングのための顔料粒子は、中間層12、22の任意の領域に適用することができる。これらの顔料粒子の分散は、先端領域を着色するために使用される顔料添加剤の分散に対応する必要はない。しかしながら、レーザマーキングのための顔料粒子は、同様に、第1の領域またはさらなる第1の領域だけに適用することができる。そのような粒子はまた、顔料添加剤が中間層に存在しない場合に適用することもできる。添付の特許請求の範囲によって定義されるような提示の範囲外であるこの後者の場合、第1の領域、さらなる第1の領域、第2の領域、およびさらなる第2の領域は、レーザマーキングのための顔料粒子の有無によって画定される。
【0034】
一例として、顔料粒子は、透明な第2の領域18、28、またはさらなる透明な第2の領域28’内に分散させることができる。チューブ状フォイル10、20は、スケール30がさらなる第2の領域28’のうちの少なくとも1つの内部にパターン化された、レーザマーキング過程を受けている場合がある。図6に例示するそのようなスケールは、絞り袋の内部に配設された内容物の体積の目安を示すように構成することができる。このスケールを使用することで、絞り袋のユーザは、絞り袋内にまだ存在する食材の量を容易に決定することができ、および/またはスケールを使用して、絞り袋内の所定の量の食材を正確に分配することができる。
【0035】
チューブ状フォイル10、20を製造するために、共押し出し過程が使用される。中間層12、22を形成するために、少なくとも2つの異なる材料の流れが使用され、例えば、一方の流れが顔料添加剤を伴い、他方の流れが添加剤を含まないか、またはかなり少ない添加剤を含む。層内部の異なる領域を形成するためのダイおよび共押し出し過程を適応する方法に関する詳細は、例えばUS5110530Aによって知られている。
【0036】
チューブ状フォイル10、20の内側層13、23および中間層12、22は、低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリオレフィンを含むことができる。チューブ状フォイル10、20の外側層11、21は、食材を基材に塗布している間の、絞り袋のユーザの把持性を向上させるように位置付けられた、熱可塑性エラストマーを組み込んだゴム含有組成物を含むことができる。ここで、ゴム含有組成物は、EP1978809B1に記載されているゴム組成物と同一であり得る。内側層および外側層の厚さは、各々、20~50ミクロンの範囲内であり、中間層の厚さは、10~30ミクロンの範囲内である。
【0037】
ゴム組成物の熱可塑性エラストマーは、特に、スチレンエチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)またはスチレンエチレン/プロピレンスチレンおよび/またはスチレンブチレンスチレン(SBS)などの、スチレン系エラストマーの群から選択される。エラストマーはまた、熱可塑性加硫材料または熱可塑性非加硫材料(TPV/TPO)および同等のブロックコポリマーの群から選択することもできる。特に、SEBSを適用することができる。ゴム組成物は、特に、ゴムに加えて、1つまたは複数のポリオレフィン、特にポリプロピレンを含む。
【0038】
ゴム組成物は、好ましくは、20~90%のゴム((無極性の)熱可塑性エラストマー)、および80~10%のポリオレフィン、特に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレン、ホワイトオイル、軟化剤などの他の材料を含む。特定の組成物では、ゴム化合物は、45~85%、特に60~80%のゴム、および55~15%、特に40~20%の他の材料によって形成される。ショアA硬度は、好ましくは、55~75である。ゴム化合物のための組成物は、例えばWO95/03984およびWO93/22221に記載されている。
【0039】
出願人は、アートワークおよび/またはテキストを絞り袋上に加えるためにインクベースのおよび/または転写過程と組み合わせて、外側層11、21に上述のゴム組成物を含む絞り袋を使用した場合、インクが塗布されている位置の把持性の低減が観察され得ることを見出した。本発明の態様によれば、この把持性の低減は、中間層12、22のレーザマーキングに使用される、およびアートワークおよび/またはテキストを加えるためにレーザマーキングを使用するために、顔料粒子を適用することによって防止することができる。
【0040】
上の説明では、本発明の発明概念を例示するために、様々な実施形態を説明してきた。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正が可能であることを理解するであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6