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特許7579008ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 15/00 20060101AFI20241030BHJP
   G01R 33/09 20060101ALI20241030BHJP
   H03G 3/10 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
H03F15/00
G01R33/09
H03G3/10 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022549413
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 CN2021076124
(87)【国際公開番号】W WO2021164629
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】202010098935.3
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building D & E, No.2 Guangdong Road,Zhangjiagang Free Trade Zone,Zhangjiagang,Jiangsu,215634 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、チーミン
(72)【発明者】
【氏名】ディーク、ジェイムズ ゲーザ
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-003498(JP,A)
【文献】特表2017-511489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0025819(US,A1)
【文献】特開2008-245152(JP,A)
【文献】特表2019-528624(JP,A)
【文献】特表2018-526900(JP,A)
【文献】特開2013-200303(JP,A)
【文献】特表2014-509389(JP,A)
【文献】特開2017-028276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 15/00
G01R 33/09
H03G 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X-Y平面内に位置する基板と、
該基板上に位置する出力信号磁気抵抗センサと、
入力信号コイルおよびゲイン調整コイルと、を備え、
該入力信号コイルは、該基板と該出力信号磁気抵抗センサとの間に位置し、該ゲイン調整コイルは、出力信号磁気抵抗センサ上に位置し、または該ゲイン調整コイルは、該基板と該出力信号磁気抵抗センサとの間に位置し、該入力信号コイルは、該出力信号磁気抵抗センサ上に位置し、
該ゲイン調整コイルは、ゲイン磁場の生成によってゲイン信号を入力するために使用され、該ゲイン磁場を設定するために、該出力信号磁気抵抗センサの自由層の磁化方向に沿って印加されることによって、該出力信号磁気抵抗センサの入力抵抗-磁場伝達曲線の傾斜を調整し、
該入力信号コイルは、入力磁場を該出力信号磁気抵抗センサのピン止め層の磁化方向に印加するために、該入力磁場を生成するための電流信号を入力するために使用され、それによって、該電流信号が該出力信号磁気抵抗センサを通過した後に該ゲイン磁場によって該ゲイン信号を制御して出力信号のゲイン係数を調整して増幅後の信号を出力し、該電流信号は、交流信号または直流信号であり、
前記出力信号磁気抵抗センサは、トンネリング磁気抵抗センサであり、少なくとも1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを備え、単一のアームを形成する磁気抵抗感知ユニットは同じ磁場感度方向を有し、
前記出力信号磁気抵抗センサを形成する前記ピン止め層および前記自由層の前記磁化方向は、互いに直交する、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項2】
前記出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを備え、
前記入力信号コイルは、曲がったつづら折り状であり、反対の電流方向を有するとともに交互に配置されたM+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、該入力信号ストレート・ワイヤの長軸は、X方向に平行であり、短軸は、Y方向に平行であり、該入力信号ストレート・ワイヤの該電流方向は、該X方向に平行であり、
前記出力信号磁気抵抗センサの該M行の磁気抵抗感知ユニットは、該M+2本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定され、該M本の入力信号ストレート・ワイヤに同じ第1の電流方向を有するM/2本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM/2行の磁気抵抗感知ユニットは、プッシュ・アームを形成するように接続され、該M本の入力信号ストレート・ワイヤに同じ第2の電流方向を有するM/2本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM/2行の磁気抵抗感知ユニットは、プル・アームを形成するように接続され、該第1の電流方向は、該第2の電流方向とは反対であり、
Mは、偶数である、請求項1に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項3】
前記出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを備え、
前記入力信号コイルは、曲がったつづら折り状であり、反対の電流方向を有するとともに交互に配置された2M+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、該入力信号ストレート・ワイヤの長軸は、X方向に平行であり、短軸は、Y方向に平行であり、該入力信号ストレート・ワイヤの該電流方向は、該X方向に平行であり、
前記出力信号磁気抵抗センサの該M行の磁気抵抗感知ユニットは、該2M+2本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部にあるとともに同じ電流方向を有するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定され、該M行の磁気抵抗感知ユニットは、単一のアームを形成するように接続される、請求項1に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項4】
前記出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを備え、
前記入力信号コイルは、グリッド状であり、同じ電流方向を有するとともに等距離に並列に配置されたM+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、該入力信号ストレート・ワイヤの長軸は、X方向に平行であり、短軸は、Y方向に平行であり、該入力信号ストレート・ワイヤの該電流方向は、該X方向に平行であり、
前記出力信号磁気抵抗センサの該M行の磁気抵抗感知ユニットは、該M+2本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定され、該M行の磁気抵抗感知ユニットは、単一のアームを形成するように接続される、請求項1に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項5】
前記出力信号磁気抵抗センサは、2M行*N列の磁気抵抗感知ユニットのアレイを備え、
前記入力信号コイルは、平面の螺旋状であり、等距離に並列に配置されたM行の入力信号ストレート・ワイヤを有する入力信号コイルの第1の領域と、等距離に並列に配置されたM行の入力信号ストレート・ワイヤを有する入力信号コイルの第2の領域とを含み、該入力信号コイルの第1の領域および該入力信号コイルの第2の領域内の該入力信号ストレート・ワイヤは、反対の電流方向を有し、該入力信号ストレート・ワイヤの長軸は、X方向に平行であり、短軸は、Y方向に平行であり、該入力信号ストレート・ワイヤの該電流方向は、該X方向に平行であり、
1行の磁気抵抗感知ユニットは、該入力信号ストレート・ワイヤの1つに対応して設定され、該入力信号コイルの第1の領域内の該M行の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM行の磁気抵抗感知ユニットは、プッシュ・アームを形成するように接続され、該入力信号コイルの第2の領域内の該M行の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM行の磁気抵抗感知ユニットは、プル・アームを形成するように接続される、請求項1に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項6】
前記出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを備え、
前記入力信号コイルは、平面の螺旋状であり、1つの入力信号領域を含み、該入力信号領域は、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するM行の入力信号ストレート・ワイヤを有し、該入力信号ストレート・ワイヤの長軸は、X方向に平行であり、短軸は、Y方向に平行であり、該入力信号ストレート・ワイヤの該電流方向は、該X方向に平行であり、
1行の磁気抵抗感知ユニットは、該入力信号ストレート・ワイヤのうちの1つに対応して設定され、該M行の磁気抵抗感知ユニットは、単一のアームを形成するように接続される、請求項1に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項7】
前記出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを備え、
前記ゲイン調整コイルは、グリッド状であり、等距離に並列に配置されるとともに同電流方向を有するN+2本のゲイン・ストレート・ワイヤを含み、該ゲイン・ストレート・ワイヤの長軸は、Y方向に平行であり、短軸は、X方向に平行であり、該ゲイン・ストレート・ワイヤの該電流方向は、該Y方向に平行であり、
前記出力信号磁気抵抗センサのN列の磁気抵抗感知ユニットは、該N+2本のゲイン・ストレート・ワイヤの中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定される、請求項1に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項8】
前記入力信号ストレート・ワイヤの各々は、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するいくつかのサブ入力信号ストレート・ワイヤに拡張され、前記入力信号ストレート・ワイヤに対応する磁気抵抗感知ユニットの前記行は、それに応じていくつかの行のサブ磁気抵抗感知ユニットに拡張される、請求項2または3に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項9】
前記プッシュ・アームは、プッシュ電流源によって電力供給され、前記プル・アームは、プル電流源によって電力供給され、該プッシュ・アームおよび該プル・アームは、共通接地端子を有し、プッシュ出力信号端子は、該プッシュ電流源と該プッシュ・アームとの間に位置し、プル出力信号端子は、該プル電流源と該プル・アームとの間に位置し、出力信号は、該プッシュ出力信号端子と該プル出力信号端子との間の信号差によって得られる、請求項2または5に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【請求項10】
前記単一のアームの一端は、電流源によって電力供給され、他端は、接地端子に接続され、単一のアーム出力信号端子は、該電流源と該単一のアームとの間に位置し、出力信号は、キャパシタを該単一のアーム出力信号端子に接続することによって得られる、請求項3、4、または6に記載の磁気抵抗アナログ増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、磁気センサ技術に関し、より詳細には、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、最新の電子技術は、バイポーラ・トランジスタ、フィールド・エミッション・トランジスタ、またはCMOS集積回路チップを増幅器として使用して入力信号の増幅を達成する。
【0003】
実際の使用において、トランジスタは、典型的には、トランジスタが増幅領域内にあるときに、トランジスタのベース、コレクタ、およびエミッタの間にコモン電極を有し、エミッタ電流、コレクタ電流、ベース電流、および電圧間の相互関係は、異なる領域におけるキャリアの分布、ならびに電界によるチャンネルの開放および抑制を制御することによって実現され、したがって、入力信号および出力信号は、完全には絶縁することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、入力信号と出力信号との間の絶縁を実現するためのゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器であって、
X-Y平面内に位置する基板と、
基板上に位置する出力信号磁気抵抗センサと、
入力信号コイルおよびゲイン調整コイルと、を備え、信号コイルおよびゲイン調整コイルはそれぞれ、出力信号磁気抵抗センサの2つの側面に位置しており、
ゲイン調整コイルは、ゲイン磁場の生成によってゲイン信号を入力するために使用され、ゲイン磁場を設定するために、出力信号磁気抵抗センサの自由層の磁化方向に沿って印加され、それによって、出力信号磁気抵抗センサの入力抵抗-磁場伝達曲線の傾斜を調整し、
入力信号コイルは、入力磁場を出力信号磁気抵抗センサのピン止め層の磁化方向に印加するために、入力磁場を生成するための電流信号を入力するために使用され、それによって、電流信号が出力信号磁気抵抗センサを通過した後に出力信号のゲイン係数を調整するようにゲイン信号を制御し、電流信号は、交流信号または直流信号である、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器を提供する。
【0006】
本開示の実施形態では、入力信号コイルおよびゲイン調整コイルはそれぞれ、出力信号磁気抵抗センサの2つの側面に位置し、動作時に、ゲイン信号は、ゲイン調整コイルに入力され、ゲイン磁場が生成され、交流信号または直流信号は、入力信号コイルに入力され、入力磁場が生成され、それによって、磁気信号が、コイル電流信号を通じて生成され、そのため、増幅器は、独立した電源および出力信号を有し、2つの間の関係は、入力信号と出力信号との間の完全な絶縁を実現するように磁気的結合され、入力磁場を出力信号磁気抵抗センサのピン止め層の磁化方向に印加し、ゲイン磁場を出力信号磁気抵抗センサの自由層の磁化方向に印加し、それによって、外部磁場信号が変化し、磁気抵抗変化率は、200%に到達することができ、入力電流信号が出力信号磁気抵抗センサを通過した後の出力信号のゲイン係数は、ゲイン信号を制御することによって調整することができ、それによって、増幅器の出力信号のゲインは、制御可能である。
【0007】
本開示の実施形態または先行技術において技術的解決策をより明確に示すために、以下のものは、実施形態または先行技術の説明に使用される図面の簡単な説明であり、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの特定の実施形態であるが、本開示の様々な実施形態によって明かされ、示唆される装置構造、ドライブ方法、および製造方法の基本概念を他の構造および添付図面に当業者は拡張し、広げることが可能であり、それらは、間違いなく本開示の請求の範囲内にあることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の概略図である。
図2】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の概略図である。
図3】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の概略図である。
図4】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の概略図である。
図5】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の概略図である。
図6a】直列接続式の磁気抵抗感知ユニットの接続図である。
図6b】拡張された並列接続式の磁気抵抗感知ユニットの接続図である。
図7】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の概略断面図である。
図8】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の概略断面図である。
図9】本開示の実施形態における磁気抵抗センサの入力抵抗-磁場伝達曲線のゲイン調整の原理の概略図である。
図10】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の電気接続の概略図である。
図11】本開示の一実施形態により提供されるゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の電気接続の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の目的、技術的解決策、および利点をより明確にさせるために、本開示の技術的解決策は、本開示の実施形態において図面を参照して実施することによって明確かつ完全に説明されることになり、説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部であって、本開示の実施形態の全部ではないことが明らかである。本開示の実施形態によって明かされ、示唆される基本概念に基づいて、当業者に利用可能な全ての他の実施形態は、本開示の保護範囲内である。
【0010】
本開示の実施形態は、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器であって、X-Y平面内に位置する基板と、基板上に位置する出力信号磁気抵抗センサと、入力信号コイルおよびゲイン調整コイルと、を備え、入力信号コイルおよびゲイン調整コイルはそれぞれ、出力信号磁気抵抗センサの2つの側面に位置しており、ゲイン調整コイルは、ゲイン磁場の生成によってゲイン信号を入力するために使用され、ゲイン磁場を設定するために、出力信号磁気抵抗センサの自由層の磁化方向に沿って印加され、それによって、出力信号磁気抵抗センサの入力抵抗-磁場伝達曲線の傾斜を調整する。入力信号コイルは、入力磁場を出力信号磁気抵抗センサのピン止め層の磁化方向に印加するために、入力磁場を生成するための電流信号を入力するために使用され、それによって、電流信号が出力信号磁気抵抗センサを通過した後に出力信号のゲイン係数を調整するようにゲイン信号を制御し、電流信号は、交流信号または直流信号である、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器を提供する。
【0011】
本実施形態では、適宜、磁気抵抗アナログ増幅器は、トンネリング磁気抵抗アナログ増幅器であり、基板上に位置する出力信号磁気抵抗センサならびに入力信号コイルおよびゲイン調整コイルが含まれ、出力信号のための磁気抵抗センサは、出力信号磁気抵抗センサと呼ばれ、適宜、磁気抵抗センサは、トンネリング磁気抵抗技術に基づくトンネリング磁気抵抗センサである。入力信号コイルおよびゲイン調整コイルはそれぞれ、出力信号磁気抵抗センサの2つの側面に位置し、具体的には、入力信号コイルは、基板と出力信号磁気抵抗センサとの間に位置し、ゲイン調整コイルは、出力信号磁気抵抗センサ上に位置し、またはゲイン調整コイルは、基板と出力信号磁気抵抗センサとの間に位置し、入力信号コイルは、出力信号磁気抵抗センサ上に位置する。
【0012】
トンネリング磁気抵抗センサは、高抵抗、高磁気感度、および低消費電力の利点を有し、外部磁場に素早く応答することができる。作動原理は、磁場の変化により自由層とピン止め層との間の角度の変化をもたらし、これにより、通過するスピン電子の確率の変化をもたらし、抵抗の変化を引き起こすというものである。トンネリング磁気抵抗センサの特徴は、磁気信号がコイル電流信号を通じて生成される場合、トンネリング磁気抵抗センサが、独立した電源および出力信号を有し、この2つの間の関係は、入力信号と出力信号との間の完全な絶縁を実現するために磁気的結合されるというものである。トンネリング磁気抵抗センサを用いた増幅器の磁気信号は、入力信号コイルの電流信号によって生成され、それによって増幅器は、入力信号と出力信号との間の絶縁を実現することができ、第二に、トンネリング磁気抵抗センサの磁気抵抗感知ユニットは、KオームまたはそれどころかMオームの抵抗性を有し、磁気抵抗感知ユニットの磁気抵抗変化率は、外部磁場信号が変化するときに200%に到達することができ、そのため、出力信号は、幅広い範囲の変化を有し、抵抗の変化は、ゲイン制御を実現する定電流源の方法を用いることによって電圧の変化に変換される。トンネリング磁気抵抗センサを用いた増幅器について、ゲインを制御することによりコイルにおけるゲイン信号を調整することによって、磁気抵抗センサの磁気抵抗の変化は、調整することができ、これは、ゲイン係数に影響を及ぼし、そのため、増幅器は、ゲイン係数制御を実現することができ、第三に、トンネリング磁気抵抗センサの周波数範囲は、MHzに到達することができ、そのため、それは、増幅器の周波数帯域に影響を及ぼさない。
【0013】
トンネリング磁気抵抗センサのゲインは、磁気抵抗変化率および定電流源に加えて外部磁場感度に関連しており、増幅器のゲイン係数は、トンネリング磁気抵抗センサの外部磁場感度を制御することによって制御することができる。トンネリング磁気抵抗センサにおける磁気抵抗感知ユニットの磁場感度は、自由層の異方性場Hk、磁気抵抗感知ユニットの形状異方性場Ha、および自由層のバイアス磁場Hbに関連しており、自由層バイアス場Hbは、永久磁石バイアス場Hpmまたは交換結合場Hexに関連しており、外部磁場は、Hbを実現するようにバイアス電流コイルによって生成することができ、そのため、トンネリング磁気抵抗センサの感度は、バイアス電流コイル、すなわち、入力信号コイル、およびゲイン調整コイルの電流を制御することによって制御することができ、ゲイン調整コイルは、増幅器のゲイン係数を制御する。
【0014】
本開示の本実施形態では、入力信号コイルおよびゲイン調整コイルはそれぞれ、出力信号磁気抵抗センサの2つの側面に位置し、動作時に、ゲイン信号がゲイン調整コイルに入力され、ゲイン磁場が生成され、交流信号または直流信号が入力信号コイルに入力され、入力磁場が生成され、それによって磁気信号は、コイル電流信号を通じて生成され、そのため、増幅器は、独立した電源および出力信号を有し、2つの間の関係は、入力信号と出力信号との間の完全な絶縁を実現するように磁気的結合され、入力磁場を出力信号磁気抵抗センサのピン止め層の磁化方向に印加し、ゲイン磁場を出力信号磁気抵抗センサの自由層の磁化方向に印加し、それによって、外部磁場信号が変化し、磁気抵抗変化率は、200%に到達することができ、入力電流信号が出力信号磁気抵抗センサを通過した後の出力信号のゲイン係数は、ゲイン信号を制御することによって調整することができ、それによって、増幅器の出力信号のゲインは、調整可能である。本開示の実施形態における磁気抵抗センサを用いた増幅器は、低消費電力、小型サイズ、および大量生産の利点も有する。
【0015】
上記は、一般的概念であり、本開示の実施形態の原理および様々な異なる磁気抵抗アナログ増幅器が、以下に与えられる。
【0016】
一例として、上記の技術的解決策に基づいて、適宜、出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、入力信号コイルは、曲がったつづら折り状であり、反対の電流方向を有するとともに交互に配置されたM+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、入力信号ストレート・ワイヤの電流方向はX方向に平行である。出力信号磁気抵抗センサのM行の磁気抵抗感知ユニットは、M+2本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定され、M本の入力信号ストレート・ワイヤに同じ第1の電流方向を有するM/2本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM/2行の磁気抵抗感知ユニットは、プッシュ・アームを形成するように接続され、M本の入力信号ストレート・ワイヤに同じ第2の電流方向を有するM/2本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM/2行の磁気抵抗感知ユニットは、プル・アームを形成するように接続され、第1の電流方向は、第2の電流方向とは反対である。Mは、偶数である。
【0017】
図1を参照すると、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器は、X-Y平面内に位置する基板1と、基板1上に位置する磁気抵抗センサ34と、を含み、磁気抵抗センサ34は、M行*N列の磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、磁気抵抗感知ユニットのアレイは、プッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム3およびプル磁気抵抗感知ユニット・アーム4を含む準ブリッジ構造を形成し、プッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム3およびプル磁気抵抗感知ユニット・アーム4は、共通接地端子GNDを有する。プッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム3は、直列に接続された複数のプッシュ磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)を含み、1つのプッシュ磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)は、直列に接続された1行のプッシュ磁気抵抗感知ユニット6(1)からなり、プル磁気抵抗感知ユニット・アーム4は、直列に接続された複数のプル磁気抵抗感知ユニット・ストリング4(1)を含み、1つのプル磁気抵抗感知ユニット・ストリング4(1)は、直列に接続された1行のプル磁気抵抗感知ユニット6(2)からなる。
【0018】
入力信号コイル2は、磁気抵抗センサ34の上方または下方に位置し、曲がったつづら折り状であり、M+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、それらは、2つの端部に位置する2つの入力信号ストレート・ワイヤ2(1)と中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤは、交互に配置された入力信号ストレート・ワイヤ2(2)および2(3)を含む。入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、電流方向はX方向に平行である。入力信号ストレート・ワイヤ2(2)および2(3)は、反対の電流方向を有し、入力信号ストレート・ワイヤ2(3)の電流方向は、+X方向、すなわち、第1の電流方向であり、適宜、入力信号ストレート・ワイヤ2(2)の電流方向は、-X方向、すなわち、第2の電流方向であることが明らかである。
【0019】
プッシュ磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)およびプル磁気抵抗感知ユニット・ストリング6(2)は、同じ磁場感度方向を有するM個の磁気抵抗感知ユニット・ストリングの合計であり、両方は、同じY方向であり、M個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング、すなわち、M行の磁気抵抗感知ユニット、およびM本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部におけるM+2本の入力信号ストレート・ワイヤは、それぞれ対応して設定され、すなわち、一行の磁気抵抗感知ユニットが入力信号ストレート・ワイヤの表面上に位置する。具体的には、プッシュ・アーム、すなわち、プッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム3は、M本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部に位置する+X方向を有するM/2本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM/2行の磁気抵抗感知ユニットを接続することによって形成され、したがって、プッシング磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)は、入力信号ストレート・ワイヤ2(3)の表面上に位置し、プル・アーム、すなわち、プル磁気抵抗感知ユニット・アーム4は、M本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部に位置する-X方向を有するM/2本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM/2行の磁気抵抗感知ユニットを接続することによって形成され、したがって、プリング磁気抵抗感知ユニット・ストリング4(1)は、入力信号ストレート・ワイヤ2(2)の表面上に位置する。
【0020】
適宜、ゲイン調整コイル5は、グリッド状であり、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するN+2本のゲイン・ストレート・ワイヤを含み、ゲイン・ストレート・ワイヤの長軸はY方向に平行であり、短軸はX方向に平行であり、ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向はY方向に平行であり、出力信号磁気抵抗センサのN行の磁気抵抗感知ユニットは、N+2本のゲイン・ストレート・ワイヤの中央部におけるN本のゲイン・ストレート・ワイヤに対応して設定される。ゲイン調整コイル5は、磁気抵抗センサ34の下方または上方に位置し、2つの端部に位置する2本のゲイン・ストレート・ワイヤ5(1)と中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤは、交互に配置されたゲイン・ストレート・ワイヤ5(2)および5(3)を含む。ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向は、全て+Yまたは-Y方向である。
【0021】
一例として、上記の技術的解決策に基づいて、適宜、出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、入力信号コイルは、曲がったつづら折り状であり、反対の電流方向を有するとともに交互に配置された2M+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、入力信号ストレート・ワイヤの電流方向はX方向に平行である。出力信号磁気抵抗センサのM行の磁気抵抗感知ユニットは、2M+2本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部に位置するとともに同じ方向を有するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応して設定され、M行の磁気抵抗感知ユニットは、単一のアームを形成するように接続される。
【0022】
図2を参照すると、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器は、X-Y平面内に位置する基板1と、基板1上に位置する磁気抵抗センサ3とを含み、磁気抵抗センサ3は、M行*N列の磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、磁気抵抗感知ユニットのアレイは、単一の磁気抵抗感知ユニット・アーム、すなわち、単一のアームを形成する。単一のアームは、直列に接続されたM個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)を含み、1個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)は、直列に接続された1行の磁気抵抗感知ユニット6(1)からなる。
【0023】
入力信号コイル2は、磁気抵抗センサの上方または下方に位置し、曲がったつづら折り状であり、2M+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、それらは、2つの端部に位置する2つの入力信号ストレート・ワイヤ2(1)と中央部に位置する2M本の入力信号ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置する2M本の入力信号ストレート・ワイヤは、交互に配置された入力信号ストレート・ワイヤ2(2)および2(3)を含む。入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、電流方向はX方向に平行である。入力信号ストレート・ワイヤ2(2)および2(3)は、反対の電流方向を有し、適宜、入力信号ストレート・ワイヤ2(3)の電流方向は、+X方向であり、入力信号ストレート・ワイヤ2(2)の電流方向は、-X方向であることが明らかである。
【0024】
単一のアームにおける磁気抵抗感知ユニット6(1)は同じ磁場感度方向を有し、全てが同じY方向であり、M個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)、すなわち、M行の磁気抵抗感知ユニットは、中央部における同じ電流方向を有するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応して設定され、2M本の入力信号ストレート・ワイヤ、すなわち、1行の磁気抵抗感知ユニットは、1本の入力信号ストレート・ワイヤの表面上に位置する。例えば、M個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)、すなわち、M行の磁気抵抗感知ユニット、および同じ電流方向を有するM本の入力信号ストレート・ワイヤ2(2)が、それぞれ対応して設定され、またはM個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)、すなわち、M行の磁気抵抗感知ユニット、および同じ電流方向を有するM本の入力信号ストレート・ワイヤ2(3)は、それぞれ対応して設定される。
【0025】
適宜、ゲイン調整コイル5は、グリッド状であり。等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するN+2本のゲイン・ストレート・ワイヤを含み、ゲイン・ストレート・ワイヤの長軸はY方向に平行であり、短軸はX方向に平行であり、ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向はY方向に平行であり、出力信号磁気抵抗センサのN行の磁気抵抗感知ユニットは、N+2本のゲイン・ストレート・ワイヤの中央部におけるN本のゲイン・ストレート・ワイヤに対応して設定される。ゲイン調整コイル5は、磁気抵抗センサ3の下方または上方に位置し、2つの端部に位置する2本のゲイン・ストレート・ワイヤ5(1)と中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤは、交互に配置されたゲイン・ストレート・ワイヤ5(2)および5(3)を含む。ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向は、全て+Yまたは-Y方向である。
【0026】
一例として、上記の技術的解決策に基づいて、適宜、出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、入力信号コイルは、グリッド状であり、同じ電流方向を有するとともに等距離に並列に配置されたM+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、入力信号ストレート・ワイヤの電流方向はX方向に平行である。出力信号磁気抵抗センサのM行の磁気抵抗感知ユニットは、M+2本の入力信号ストレート・ワイヤの中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定され、M行の磁気抵抗感知ユニットは、単一のアームを形成するように接続される。
【0027】
図3を参照すると、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器は、X-Y平面内に位置する基板1と、基板1上に位置する磁気抵抗センサ30と、を含み、磁気抵抗センサ30は、M行*N列の磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、磁気抵抗感知ユニットのアレイは、単一の磁気抵抗感知ユニット・アーム、すなわち、単一のアームを形成する。単一のアームは、直列に接続されたM個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング31(1)を含み、1個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング31(1)は、直列に接続された1行の磁気抵抗感知ユニット6(1)からなる。
【0028】
入力信号コイル20は、磁気抵抗センサ30の上方または下方に位置し、グリッド状であり、M+2本の入力信号ストレート・ワイヤを含み、それらは、2つの端部に位置する2つの入力信号ストレート・ワイヤ20(1)と中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤは、交互に配置された入力信号ストレート・ワイヤ20(2)および20(3)を含む。入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、電流方向はX方向に平行であり、入力信号ストレート・ワイヤは、同じ電流方向を有し、全ては+Xまたは-X電流方向である。
【0029】
単一のアームにおける磁気抵抗感知ユニット6(1)は、同じピン止め層方向および自由層磁化方向、すなわち、同じ磁場感度方向を有し、全てはY方向である。M個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング31(1)、すなわち、M行の磁気抵抗感知ユニットは、中央部に位置するM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定され、すなわち、1行の磁気抵抗感知ユニットは、1本の入力信号ストレート・ワイヤの表面上に位置する。
【0030】
適宜、ゲイン調整コイル5は、グリッド状であり。等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するN+2本のゲイン・ストレート・ワイヤを含み、ゲイン・ストレート・ワイヤの長軸はY方向に平行であり、短軸はX方向に平行であり、ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向はY方向に平行であり、出力信号磁気抵抗センサのN行の磁気抵抗感知ユニットは、N+2本のゲイン・ストレート・ワイヤの中央部におけるN本のゲイン・ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定される。ゲイン調整コイル5は、磁気抵抗センサ30の下方または上方に位置し、2つの端部に位置する2本のゲイン・ストレート・ワイヤ5(1)と中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤは、交互に配置されたゲイン・ストレート・ワイヤ5(2)および5(3)を含む。ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向は、全て+Yまたは-Y方向である。N行の磁気抵抗感知ユニットは、N本のゲイン・ストレート・ワイヤの下方または上方にそれぞれ位置する。他の実施形態では、適宜、M行N列の磁気抵抗感知ユニットは、2つのポート構造を形成するように直列に、並列に、または直並列に接続することもできる。
【0031】
一例として、上記の技術的解決策に基づいて、出力信号磁気抵抗センサは、適宜、2M行*N列の磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、入力信号コイルは、平面の螺旋状であり、等距離に並列に配置されたM行の入力信号ストレート・ワイヤを有する入力信号の第1の領域と、等距離に並列に配置されたM行の入力信号ストレート・ワイヤを有する入力信号の第2の領域とを含み、入力信号の第1の領域および入力信号の第2の領域内の入力信号ストレート・ワイヤは、反対の電流方向を有し、入力信号ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、入力信号ストレート・ワイヤの電流方向はX方向に平行であり、1行の磁気抵抗感知ユニットは、入力信号ストレート・ワイヤに対応して設定され、入力信号の第1の領域内のM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM行の磁気抵抗感知ユニットは、プッシュ・アームを形成するように接続され、入力信号の第2の領域内のM本の入力信号ストレート・ワイヤに対応するM行の磁気抵抗感知ユニットは、プル・アームを形成するように接続される。
【0032】
図4を参照すると、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器は、X-Y平面内に位置する基板1と、基板1上に位置する磁気抵抗センサ341とを含み、磁気抵抗センサ341は、Y方向に配置された2M行*N列の磁気抵抗感知ユニットのアレイを含む。磁気抵抗感知ユニットのアレイは、プッシュ・アーム31を形成し、別の磁気抵抗感知ユニットのアレイは、プル・アーム41を形成し、両方のプッシュ・アーム31およびプル・アーム41は、2ポート・ブリッジ・アームである。プッシュ・アーム31は、直列に接続された複数のプッシュ磁気抵抗感知ユニット・ストリング31(1)を含み、1個のプッシュ磁気抵抗感知ユニット・ストリング31(1)は、直列に接続された1行のプッシュ磁気抵抗感知ユニットからなり、プル・アーム41は、直列に接続された複数のプル磁気抵抗感知ユニット・ストリング41(1)を含み、1個のプル磁気抵抗感知ユニット・ストリング41(1)は、直列に接続された1行のプル磁気抵抗感知ユニットからなる。
【0033】
入力信号コイル21は、磁気抵抗センサ341の上方または下方に位置し、平面の螺旋状であり、2つの入力信号領域、それぞれ、入力信号の第1の領域21(1)および入力信号の第2の領域21(2)を含み、両入力信号領域21(1)および21(2)は、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するM本の入力信号ストレート・ワイヤ211(1)および211(2)を含む。入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、電流方向はX方向に平行である。入力信号ストレート・ワイヤ211(1)および211(2)は、反対の電流方向を有し、適宜、入力信号ストレート・ワイヤ211(1)の電流方向は+X方向であり、入力信号ストレート・ワイヤ211(2)の電流方向は-X方向であることが明らかである。磁気抵抗感知ユニット・ストリングは、入力信号ストレート・ワイヤに対応して設定され、入力信号ストレート・ワイヤの上方または下方に位置する。
【0034】
適宜、ゲイン調整コイル5は、グリッド状であり。等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するN+2本のゲイン・ストレート・ワイヤを含み、ゲイン・ストレート・ワイヤの長軸はY方向に平行であり、短軸はX方向に平行であり、ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向はY方向に平行であり、出力信号磁気抵抗センサのN行の磁気抵抗感知ユニットは、N+2本のゲイン・ストレート・ワイヤの中央部におけるN本のゲイン・ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定される。ゲイン調整コイル5は、磁気抵抗センサ341の下方または上方に位置し、2つの端部に位置する2本のゲイン・ストレート・ワイヤ5(1)と中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤは、交互に配置されたゲイン・ストレート・ワイヤ5(2)および5(3)を含む。ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向は、全て+Yまたは-Y方向である。
【0035】
1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイにおいて、M行の磁気抵抗感知ユニットは、入力信号の第1の領域21(1)内のM本の入力信号ストレート・ワイヤの上面または下面に全て位置し、他のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイにおいて、M行の磁気抵抗感知ユニットは、入力信号の第2の領域21(2)内のM本の入力信号ストレート・ワイヤの上面または下面に全て位置する。N列の磁気抵抗感知ユニットは、ゲイン・コイル5における中央部のN本のゲイン・ストレート・ワイヤの下面または上面にそれぞれ位置し、全ての磁気抵抗感知ユニットは、同じ磁場感度方向を有する。
【0036】
一例として、上記の技術的解決策に基づいて、適宜、出力信号磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを含み、入力信号コイルは、平面の螺旋状であり、1つの入力信号領域を含み、入力信号領域は、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するM行の入力信号ストレート・ワイヤを有し、入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、入力信号ストレート・ワイヤの電流方向はX方向に平行であり、1行の磁気抵抗感知ユニットは、1本の入力信号ストレート・ワイヤに対応して設定され、M行の磁気抵抗感知ユニットは、単一のアームを形成するように接続される。
【0037】
図5を参照すると、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器は、X-Y平面内に位置する基板1と、基板1上に位置する磁気抵抗センサと、を含み、磁気抵抗センサは、1個のM行*N列磁気抵抗感知ユニットのアレイを含む。磁気抵抗感知ユニットのアレイは、単一のアーム32を形成し、単一のアーム32は、2ポート・ブリッジ・アームである。単一のアーム32は、直列に接続されたM個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング32(1)を含み、1個の磁気抵抗感知ユニット・ストリング32(1)は、直列に接続された1行の磁気抵抗感知ユニットからなる。
【0038】
入力信号コイル22は、磁気抵抗センサの上方または下方に位置し、平面の螺旋状であり、1つの入力信号領域22(1)を含み、入力信号領域22(1)は、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するM本の入力信号ストレート・ワイヤ221(1)を含む。入力信号ストレート・ワイヤの長軸はX方向に平行であり、短軸はY方向に平行であり、電流方向はX方向に平行であり、入力信号ストレート・ワイヤ221(1)の電流方向は、全て+X方向または-X方向である。磁気抵抗感知ユニット・ストリングは、入力信号ストレート・ワイヤに対応して設定され、入力信号ストレート・ワイヤの上方または下方に位置する。
【0039】
適宜、ゲイン調整コイル5は、グリッド状であり、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するN+2本のゲイン・ストレート・ワイヤを含み、ゲイン・ストレート・ワイヤの長軸はY方向に平行であり、短軸はX方向に平行であり、ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向はY方向に平行であり、出力信号磁気抵抗センサのN行の磁気抵抗感知ユニットは、N+2本のゲイン・ストレート・ワイヤの中央部におけるN本のゲイン・ストレート・ワイヤに対応してそれぞれ設定される。ゲイン調整コイル5は、磁気抵抗センサの下方または上方に位置し、2つの端部に位置する2本のゲイン・ストレート・ワイヤ5(1)と中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤとに分割され、中央部に位置するN本のゲイン・ストレート・ワイヤは、交互に配置されたゲイン・ストレート・ワイヤ5(2)および5(3)を含む。ゲイン・ストレート・ワイヤの電流方向は、全て+Yまたは-Y方向である。N列の磁気抵抗感知ユニットは、ゲイン・コイル5における中央部のN本のゲイン・ストレート・ワイヤの下面または上面にそれぞれ位置し、全ての磁気抵抗感知ユニットは、同じ磁場感度方向を有する。
【0040】
上記の複数の実施形態に設けられた磁気抵抗アナログ増幅器については、直列接続、並列接続、または直列接続と並列接続の混合であり得る磁気抵抗センサ内のブリッジ・アームを接続する様々なやり方があり、接続構造のほんの一部が上に示されている。
【0041】
図6aは、直列の磁気抵抗感知ユニットの接続図を示し、Ns個の磁気抵抗感知ユニット6(1)は、磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)を形成するように互いに対して直列に接続され、入力信号ストレート・ワイヤ2(1)の上面または下面に位置し、その場合、複数の磁気抵抗感知ユニット・ストリング3(1)は、ブリッジ・アームを形成するように直列に接続される。利点は、ブリッジ・アームが、定電流源によって電力供給され、したがって、直列接続は、磁気抵抗センサの全抵抗を増大させ、出力信号の総電圧を増大させることができるということである。
【0042】
適宜、各入力信号ストレート・ワイヤは、等距離に並列に配置されるとともに同じ電流方向を有するいくつかのサブ入力信号ストレート・ワイヤに拡張され、入力信号ストレート・ワイヤに対応する磁気抵抗感知ユニットの行は、それに応じていくつかの行のサブ磁気抵抗感知ユニットに拡張される。図6bは、並列に接続された磁気抵抗感知ユニットの接続図を示す。図6aに示された複数の磁気抵抗感知ユニット・ストリング30(1)、30(2)、30(3)、および30(4)は、2つのポート構造30を形成するように互いに対して並列に接続され、入力信号ストレート・ワイヤ20は、20(1)、20(2)、20(3)、および20(4)のストレート・ワイヤにも拡張され、一つずつ磁気抵抗感知ユニット・ストリング30に対応し、すなわち、Ns個の磁気抵抗感知ユニットは、磁気抵抗感知ユニットのNs*Npのアレイに拡張される。この並列構造の有用性は、単一の磁気抵抗感知ユニットを通過することができる電流が小さいことであり、これは、マイクロアンペア・レベルであり、したがって、並列接続の個数を増大させることにより、定電流源の最大電流量を増加させ、出力信号の電圧も増加させることができる。
【0043】
図7を参照すると、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の断面構造が示されている。図において、1は基板であり、2はX方向に電流方向を有する入力信号コイルに対応する入力信号ストレート・ワイヤであり、6は磁気抵抗感知ユニット・ストリングであり、5はY方向に電流方向を有するゲイン調整コイルに対応するゲイン・ストレート・ワイヤである。基板1、入力信号コイル2、磁気抵抗センサ6、およびゲイン調整コイル5は、積層のやり方で順に設定される。
【0044】
図8を参照すると、ゲイン制御可能な磁気抵抗アナログ増幅器の断面構造が示されている。図において、1は基板であり、2(1)および2(2)は、それぞれ、反対の電流方向を有するとともに入力信号コイルに対応する2つの隣接した入力信号ストレート・ワイヤであり、+Xおよび-Xの電流方向は、それぞれ2つの隣接した磁気抵抗感知ユニット・ストリング6(1)および6(2)に対応し、5は、Yの電流方向を有するゲイン調整コイルに対応するゲイン・ストレート・ワイヤである。図7および図8は、磁気抵抗アナログ増幅器の2つの断面構造図を示し、磁気抵抗アナログ増幅器の様々な構造があり、そこで、したがって、断面構造は、図7および図8に示されたものに限定されない。
【0045】
図9を参照すると、磁気抵抗感知ユニットのR-H伝達特性曲線の調整原理の図が示されている。図において、Rapは、自由層およびピン止め層が反対方向にあるときの抵抗であり、Rpは、自由層およびピン止め層が同じ方向であるときの抵抗である。ゲイン電流の増加は、自由層バイアス磁場の増加をもたらし、ゲイン電流の増加につれて傾斜は減少し、抵抗器R-磁場Hの曲線は、順次的に50、51、52、および53であり、磁場感度は、徐々に減少する。
【0046】
適宜、プッシュ・アームがプッシュ電流源によって電力供給されるとともにプル・アームがプル電流源によって電力供給される図1および図4に示された磁気抵抗アナログ増幅器については、プッシュ・アームおよびプル・アームは、共通接地端子を有し、プッシュ出力信号端子は、プッシュ電流源とプッシュ・アームとの間に位置し、プル出力信号端子は、プル電流源とプル・アームとの間に位置し、出力信号は、プッシュ出力信号端子とプル出力信号端子との間の信号差によって得られる。電気接続のやり方は、図10を参照して示される。適宜、上記の実施形態のいずれかに記載された磁気抵抗アナログ増幅器については、出力信号磁気抵抗センサを形成するピン止め層と自由層の磁化方向は、互いに直交する。
【0047】
図10に示されるように、プッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム700およびプル磁気抵抗感知ユニット・アーム800は、同じ磁場感度方向を有し、それぞれ一端で電流源300および電流源301によって電力供給され、2つの電流源の入力信号は、完全に同じであり、他端は、共通接地に接続される。入力信号コイル500および501は、それぞれプッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム700およびプル磁気抵抗感知ユニット・アーム800の磁場感度方向に印加される入力磁場をそれぞれ生成し、100は、入力信号コイル500および501に接続された入力信号である。ゲイン調整コイル600および601は、それぞれ、磁気抵抗感知ユニットの磁場感度を調整するための磁場感度方向に直交するバイアス磁場を生成するためにプッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム700およびプル磁気抵抗感知ユニット・アーム800のゲイン・コイルに印加され、200は、ゲイン調整コイル600および601に接続されたゲイン信号源である。出力信号V+は、プッシュ磁気抵抗感知ユニット・アーム700と電流源300との間に接続され、出力信号V-は、プル磁気抵抗感知ユニット・アーム800と電流源301との間に接続され、出力信号回路400は、差動出力のために接続される。
【0048】
適宜、単一のアームの一端が電流源によって電力供給され、他端が接地に接続されている、図2図3、および図5に示された磁気抵抗アナログ増幅器については、単一のアーム出力信号端子は、電流源と単一のアームとの間に位置し、単一のアーム出力信号端子は、出力信号を得るようにキャパシタに接続されている。電気接続のやり方は、図11を参照して示される。適宜、いずれかの先行する実施形態に記載された磁気抵抗アナログ増幅器については、出力信号磁気抵抗センサを形成するピン止め層および自由層の磁化方向は、互いに直交する。
【0049】
図11に示されるように、単一の磁気抵抗感知ユニット・アーム702は、一端で電流源302によって電力供給され、他端で接地に接続される。入力信号コイル502は、単一の磁気抵抗感知ユニット・アーム702の磁場感受方向に印加される入力磁場を生成し、100は、入力信号コイル502に接続される入力信号である。ゲイン調整コイル602は、単一の磁気抵抗感知ユニット・アーム702に印加され、磁気抵抗感知ユニットの磁場感度を調整するための磁場感度方向に直交するバイアス磁場を生成し、200は、ゲイン・コイル602に接続されたゲイン信号源である。出力信号接続キャパシタ800は、直流電圧をフィルタで除去するために単一の磁気抵抗感知ユニット・アーム702と電流源302との間に接続され、出力信号回路402は、出力のために接続される。
【0050】
上記のものは、本開示の好ましい実施形態および利用される技術的原理に過ぎないことに留意されたい。本開示は本明細書中に記載された特定の実施形態に限定されず、当業者は、本開示の保護範囲から逸脱することなく、様々な明らかな変形、再調整、相互組み合わせ、および置換を行うことができることが当業者によって理解されよう。したがって、本開示は上記の実施形態によってより詳細に説明されるが、本開示は、上記の実施形態に限定されず、本開示の概念から外れることなくより多くの他の均等な実施形態を含むこともでき、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11