(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】地中埋設灯の施工構造及び方法
(51)【国際特許分類】
E01F 9/518 20160101AFI20241030BHJP
【FI】
E01F9/518
(21)【出願番号】P 2023122492
(22)【出願日】2023-07-27
【審査請求日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0013888
(32)【優先日】2023-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523226974
【氏名又は名称】アトラス埋込型信号機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100127568
【氏名又は名称】酒井 善典
(74)【代理人】
【識別番号】100171402
【氏名又は名称】上田 ▲茂▼
(74)【代理人】
【識別番号】100188499
【氏名又は名称】勝又 政徳
(72)【発明者】
【氏名】カク, ス キョン
(72)【発明者】
【氏名】カク, ジェ ホ
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-179949(JP,A)
【文献】特開平04-203109(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0035742(KR,A)
【文献】特開昭55-076800(JP,A)
【文献】特開平05-321213(JP,A)
【文献】中国実用新案第214459798(CN,U)
【文献】特開昭56-000411(JP,A)
【文献】特開昭56-119006(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2191729(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2126461(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2281080(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2137236(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/518
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面のモルタル層(10);
製品を保護するために前記モルタル層の上部に設置される保護用ケース(20);
赤色または緑色の信号が表出され、前記保護用ケース(20)に設置される表出部(30);
前記保護用ケース(20)と前記表出部(30)の間に充填され、前記表出部を固定するシリコンモールド(40)、および
交通信号制御機に接続されたオプションボード(51)と、前記表出部(30)を制御できるように前記表出部(30)に接続されるコントローラ―(52)からなり、前記表出部(30)を制御する制御部(50)を含む地中埋設灯施工構造において、
前記表出部(30)は、上面に面発光が可能なレンズ部(33)が形成され、LEDが内蔵された内函(32)と、前記内函(32)を保護し前記内函(32)の熱を外部に放熱する外函(31)に分離可能であり、前記内函(32)は前記外函(31)に接触し
、前記内函(32)の熱は前記外函(31)から外部に放熱されることを特徴とする地中埋設灯施工構造。
【請求項2】
前記表出部(30)は、地中埋設灯の設置長に対応するように工場で組み立てて現場に供給するが、外部露出が最小となるように電線が中段で相互接続されることを特徴とする、請求項1に記載の地中埋設灯の施工構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中埋設灯の施工構造及び方法に関するものであり、さらに詳しくは、路面信号灯や景観照明灯のような地中埋設灯を施工する際に、現場での施工工程を単純化し、外部からの衝撃や各種の化学物質による腐食を防止するとともに、四季の温度変化による収縮率の違いに起因して生じるクラックなど、施工後に発生する不具合に備えることを可能とした地中埋設灯の施工構造及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
路面信号灯は横断歩道の横断方向の両側にそれぞれ設置され、下を向いている人でも横断歩道の信号が認識できるようにすることで、交通事故の発生を最小化する交通安全手段の一つである。
【0003】
最近スマートフォン(Smart phone)の使用が増加するにつれ、スマートフォンの画面に集中するために下を向き、周辺環境に注意を払わない人が増加している。このような人々のことをスモンビー(Smombie; Smart phone + Zombie)というが、スモンビーは横断歩道を渡る際にも信号を確認せず、交通事故を誘発する原因となっている。
【0004】
そこで、スモンビーたちの交通事故を防止できるように横断歩道の出入口に路面信号灯を設置することで、頭を上げずに現在の横断歩道の信号を認識させるのである。このような路面信号灯は、信号を発生させるためのLEDを透明または半透明のケース内部に設置し、LEDから赤色または緑色の光を発光し、現在の横断歩道の停止信号または歩行信号を示すようにしている。
【0005】
ところが、前記の路面信号灯を地盤に直接施工すると、地盤の湿気が路面信号灯の内部に浸透して路面信号灯に故障が発生し、または路面信号灯が誤動作する可能性はもちろんのこと、外部からの衝撃が作用し、または化学物質による腐食が発生して耐久性が低下するという問題がある。
【0006】
また従来は、地中埋設灯の表出部を現場で組み立て施工することから作業工程が複雑になり、組立ミスによる誤作動の問題が発生しかねない別の問題があり、外部コネクタを利用して表出部間を接続し、電線が表出部の外部に露出することから表出部の圧迫により電線の被覆が剥がれるなどの損傷が発生し、短絡や漏電などの不良を引き起こしかねない問題もある。
【0007】
一方、本発明に関連した先行技術を調査した結果、複数の特許文献が検索されたが、その一部を紹介すると次の通りである。
【0008】
特許文献1は、透明な材質の上部カバー;前記上部カバーの底面に結合され、不透明な材質で形成され、その内部には収容空間が形成されたガイドカバー;前記ガイドカバーの底面と対応する位置に設置された基板;一端は前記基板に結合され、他端は前記ガイドカバーを貫通し、前記上部カバーを通して光を照射するLED;前記収容空間に内蔵設置された防湿部材;及び前記基板の底面に結合された放熱モジュールを含み、放熱及び防湿効率が改善されることはもちろん、運転者の視野に直接光が照射されることを防止する放熱及び防湿機能が改善された路面信号灯を開示している。
【0009】
特許文献2は、上部ケースと下部ケースから成り、歩道と道路を区画する境界石の一方の側の地面に構成されるケースと、前記ケース内側の空間を区画し、個別的な放熱及び横断歩道の信号灯と連動するように上部ケースの内側に傾斜をつけて形成されるLEDパネルと;前記上部ケース内部の側壁面に形成されLEDパネルから発光される光を反射させる反射コーティング層と; 外部の湿気の内部への流入を遮断しLEDパネルに形成された回路パターンの腐食による断線またはショートの発生を防ぐべく上部ケースと下部ケースの間に設置される水密パッキンと;前記ケースの内部に設置されたLEDパネルによって区画された空間から熱を帯びた空気を移動させ放熱が行えるように下部ケースの低部内側に設置される複数の膨張部材と;前記膨張部材が外部に露出することを防ぐとともに下部ケースの底部に設置できるように下部ケースの底部に固定部材によって設置されるカバーを含み、下を向いたままの状態でスマートフォンを見ながら歩行する歩行者が横断歩道の待機線の路面で点灯する歩行信号を容易に認識できるようにし、横断歩道の歩行にかかる利便を提供することのできるLED路面信号灯を開示している。
【0010】
特許文献3は、上部表面が地面に露出するように歩行者道路または横断歩道に埋設されるLED発光路面信号灯において、正方形または長方形からなる前記上部表面と四つの側面が一体的に形成され、下端は全体が開放されている合成樹脂製の上部ケース;外側面が前記上部ケースの内側面に密着するとともに前記上部ケースの内部に挿入される金属製の放熱ケース;及び複数のLED発光素子が配置されており、前記放熱ケースに挿入されるLEDパネル;を含むが、前記放熱ケースは、上端及び下端がそれぞれ開放しており、上部空間と下部空間を区画して密閉し、前記LEDパネルから発生する熱を前記上部空間から前記下部空間に伝達する放熱底を含み、前記下部空間を複数の空間に区画して垂直方向に分割し、前記放熱底を通じて伝達される熱を地中に放出することができるように、前記放熱ケースの4つの側面と前記放熱底の下面にそれぞれ直角に連結される放熱隔壁を含み、内部で発生する熱を地中に放熱し、発光過程において発生した熱による故障の発生や寿命の短縮を防止する地中放熱手段を具備するLED発光路面信号灯を開示している。
【0011】
特許文献4は、上部設置ブロック、LEDパネル、隔離板、上部伝導放熱板、下部設置ブロック、下部伝導放熱板、パッキン部材及び路面設置ベースを含むことにより横断歩道の待機ラインの路面部分で点灯する歩行信号を歩行者に追加提供し、歩行の利便と安定的な交通事故防止を図る一方、照明部であるLEDパネルから発生する熱を路面設置ベース側に伝導させながら放熱冷却させることで、LEDの寿命延長を図るとともに、耐久性を著しく向上させることができ、水分の浸透による故障及び破損の発生を最小化できる放熱及び防湿機能を有するLED路面信号灯を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国登録特許第10-2191729号公報
【文献】韓国登録特許第10-2126461号公報
【文献】韓国登録特許第10-2281080号公報
【文献】韓国登録特許第10-2137236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決するために案出されたものであり、路面信号灯や景観照明灯のような地中埋設灯を施工する際に、現場での施工工程を単純化し、外部からの衝撃や各種の化学物質による腐食を防止するとともに、四季の温度変化による収縮率の違いに起因して生じるクラックなど、施工後に発生する不具合に備えることを可能とした地中埋設灯の施工構造及び方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、路面信号灯や景観照明灯及び道路標識鋲のような地中埋設灯設置の延長線上において発生が懸念される荷重と防水及び断熱、腐食等の問題点を事前に予想してビフォーサービス(Before Service)を可能にするとともに、OSC(Off-Site Construction)工法を通じてコスト削減と工期短縮はもちろん、品質向上及び安全性の強化を可能にした地中埋設灯の施工構造及び方法を提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、本発明の地中埋設灯の施工構造は、底面のモルタル層;製品を保護できるようにモルタル層の上部に設置される保護用ケース;赤色または緑色の信号が表出され、保護用ケースに設置される表出部;保護用ケースと表出部の間に充填され、表出部を固定するシリコンモールド;及び交通信号制御機に接続されたオプションボードと表出部に接続されたコントローラーからなり、表出部を制御する制御部;を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の地中埋設灯の施工構造によると、前記表出部は、地中埋設灯の設置長に対応するように工場で組み立てて現場に供給するが、外部露出が最小となるように電線を中段で相互接続することを特徴とする。
【0017】
そして、本発明による地中埋設灯の施工方法は、地中埋設灯を設置する位置を掘削した後、地面を平坦化する根切り工程;根切りが完了した部分の地面にシリカヒュームを混合したモルタルを打設した後、平坦化するモルタル打設工程;製品を保護できるようにモルタル上部に保護用ケースを安着させるケース設置工程;保護用ケースに地中埋設灯の表出部を安着させた後、表出部と保護用ケースの間にシリコンを充填し表出部を保護用ケースに固定する表出部設置工程;交通信号制御機にオプションボードを接続してコントローラーを設置する制御部設置工程;コントローラーと表出部を接続した後、表出部の作動状態を確認する検査工程;工事現場周辺を整理する仕上げ工程;を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の地中埋設灯施工方法によれば、前記根切り工程においては、路面信号灯施工のために、道路の境界石と点字ブロックとの間の歩道ブロックを除去した後に掘削するが、10cmの幅と10cm以上の深さで掘削することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の地中埋設灯施工方法によれば、前記モルタル打設工程は、モルタルを4cm以上打設し、上面からの深さが保護用ケースの高さと同じになるようにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の地中埋設灯施工構造及び方法は、工場で組み立てられた表出部を現場で施工することで現場の施工工程が簡素化され、地面に設置された保護用ケースが表出部を保護することから外部からの衝撃や各種の化学物質による腐食を防止することはもちろん、四季の温度変化による収縮率の違いに起因して生じるクラックなど、施工後に発生する不具合に備えることを可能とする効果がある。
【0021】
そして、本発明の地中埋設灯施工構造及び方法によれば、路面信号灯や景観照明灯及び道路標識鋲のような地中埋設灯を事前に組み立てて現場に供給することにより、設置の延長線上において発生が懸念される荷重と防水及び断熱、腐食等の問題が発生しなくなるなど、ビフォーサービス(Before Service)が可能になることはもちろん、OSC(Off-Site Construction)工法を適用することにより、コスト削減と工期短縮はもちろん、品質の向上及び安全性の強化を可能とする効果がある。
【0022】
また、本発明の地中埋設灯施工構造及び方法によれば、表出部間の電線接続を中段で行い外部コネクタを使用しないことから、漏水による問題が発生しなくなり、製品の圧迫による電線被覆の剥がれ、または損傷による短絡及び漏電に起因する不具合が防止される効果がある。
【0023】
また、本発明の地中埋設灯の施工構造及び方法によれば、表出部を構成する内函と外函が分離され、不具合発生時に内函のみを交換することができることから迅速な復旧が可能であり、復旧費用を最小化することができるとともに、不良製品をリサイクル原料として活用することができ、環境にやさしい効果がある。
【0024】
また、本発明の地中埋設灯施工構造及び方法によれば、工場で表出部を接続し、路面信号灯を組み立てた状態で出荷して現場に供給することから、現場施工が単純化され、施工時に発生する不具合を最小化できる効果がある。
【0025】
また、本発明の地中埋設灯施工構造及び方法によれば、地面を十分に掘削した後、モルタルを打設して保護用ケースを設置することにより、路面信号灯をはじめとする地中埋設灯が堅固に固定され、脱落しないことはもちろん、路面信号灯の表示面が歩道面と一致し、安全事故の発生を防ぐ効果がある。
【0026】
また、本発明の地中埋設灯施工構造及び方法によれば、路面信号灯を施工する際に、横断歩道入口の境界石と点字ブロックの間を掘削して地中埋設灯を設置することから、横断歩道に進入する直前に路面信号灯を確認することができるようになる効果がある。
【0027】
また、本発明の地中埋設灯の施工構造及び方法によれば、保護用ケースと表出部の間にシリコンが充填されてシリコンモールドを形成することにより、表出部が安定的に固定される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明による地中埋設灯の施工方法を示す順序図である。
【
図2】
図2は、本発明による地中埋設灯の施工方法により、表出部を設置するまでの工程を概略的に示した工程図である。
【
図3】
図3は、本発明による地中埋設灯の施工方法において、保護用ケースに接続された表出部の施工のための施工用レールを示した参考図である。
【
図4】
図4は、本発明による地中埋設灯の施工構造が図示された断面図である。
【
図5】
図5は、本発明による地中埋設灯施工構造における路面信号灯の制御部を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照し、本発明の地中埋設灯の施工構造及び方法について説明する。
【0030】
本発明において使用される用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣習によって異なる場合があることから、これらの用語に対する定義は、本発明の技術的事項に合致する意味と概念により解釈されなければならない。
【0031】
また、本発明の実施例は本発明の権利範囲を限定するものではなく、本発明の請求範囲に提示された構成要素の例示的な事項に過ぎず、本発明の明細書全体にわたる技術思想に含まれ、請求範囲の構成要素から均等物として置換可能な構成要素を含む実施例である。
【0032】
そして、以下の実施形態における選択的な用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために使用されるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。
【0033】
そこで、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不必要に曖昧にする可能性のある関連する公知技術ついての詳細な説明は省略する。
【0034】
本発明の好ましい実施例を説明するための、
図1は、本発明による地中埋設灯の施工方法が図示された順序図であり、
図2は、本発明による地中埋設灯の施工方法により表出部を設置するまでの過程を概略的に示した工程図であり、
図3は、本発明による地中埋設灯の施工方法において、保護用ケースに接続された表出部の施工のための施工用レールを示した参考図であり、
図4は、本発明による地中埋設灯の施工構造が図示された断面図であり、
図5は、本発明による地中埋設灯の施工構造において、路面信号灯の制御部を示した構成図である。
【0035】
本発明による地中埋設灯の施工構造は、
図4に図示したように、底面のモルタル層(10)と、製品を保護できるようにモルタル層(10)の上部に設置される保護用ケース(20)と、赤色または緑色の信号が表示され、保護用ケース(20)に設置される表出部(30)と、保護用ケース(20)と表出部(30)の間に充填され、表出部(30)を固定するシリコンモールド(40);及び表出部(30)を制御する制御部(50)を含んで構成される。
【0036】
前記表出部(30)は、地中埋設灯の設置長に対応するように工場で組み立てたものを使用することにより、現場施工を最小化することが好ましい。そして、外部露出が最小化されるように電線が表出部(30)の中段で相互接続されることが好ましい。
【0037】
これに関連して最近、建設産業の革新と生産性向上のためのスマート建設技術としてOSC(Off-Site Construction)工法が脚光を浴びている。OSC工法は、大型資材及び各部材を工場で生産し、現場で組立・設置する工法で、現場周辺の環境や気象などの影響を受けずに現場での工程を最小化できることから、現場施工に比べてコスト削減と工期短縮はもちろん、品質向上や安全性強化などの効果を容易に獲ることができる。
【0038】
前記制御部(50)は、
図5に図示したように、交通信号制御機(60)に接続されたオプションボード(51)と、表出部(30)を制御できるように表出部(30)に接続されるとともにオプションボード(51)に通信接続されたコントローラー(52)からなる。前記オプションボード(51)は、設置済みの交通信号制御機(60)に接続されるものであり、警察との協力を通じて接続を行う。この交通信号制御機は2010年型の交通制御信号機であり、2004年型交通信号制御機の場合には、2010年型交通信号制御機に交換した後にオプションボード(51)を接続しなければならない。これは2004年型交通信号制御機の場合、路面信号灯が歩行信号灯に直結される仕様であることから、歩行信号灯に異常が発生した場合、路面信号灯も正常に動作しなくなるなどの問題があるからである。前記コントローラー(52)は、路面信号灯をはじめとする地中埋設灯を制御できるように表出部(30)に接続されるとともに、RS-485通信によりオプションボード(51)に接続されるものであり、コントロールボックス内に設置される。
【0039】
一方、前記本発明の地中埋設灯施工構造を形成するための本発明の地中埋設灯施工方法は、
図1と
図2に図示したように、根切り工程(S10)とモルタル打設工程(S20)、ケース設置工程(S30)、表出部設置工程(S40)、制御部設置工程(S50)、制御部接続及び検査工程(S60)、そして仕上げ工程(S70)を含んで構成される。
【0040】
前記根切り工程(S10)は、地中埋設灯を設置する位置を掘削した後、地面を平坦化する工程であり、道路の境界石と点字ブロックの間の歩道ブロックを除去した後、掘削する。掘削時には、路面信号灯の大きさに応じて10cmの幅と10cm以上の深さで掘削し、掘削を終えた後は地面を整地して平坦化する。
【0041】
前記モルタル打設工程(S20)は、根切りが完了した部分の地面にシリカヒュームを混合したモルタルを打設した後、平坦化する工程であり、モルタルを4cm以上打設し上面からの深さが保護用ケース(20)の高さと同一になるようにすることが好ましい。つまり、保護用ケース(20)の高さが6cmであるので、深さが6cmになるまでモルタルを打設し平坦化するのである。
【0042】
この時、モルタルはセルフレベリングが可能な水平モルタルを使用するが、平均粒度0.15μmのシリカヒュームを3~10%混合したものを使用することが好ましい。これにより、シリカヒュームの球状粒子によるボールベアリング効果により分散性及び減水効果が向上し、モルタル粒子間に充填されたシリカヒュームの充填効果により、水密性向上及び高強度化と化学的耐性が向上し、地中の水分による強度低下を防ぐことができる。また、セルフレベリング効果により水平が維持され、製品を正しく施工することができるとともに、製品保護のための保護用ケースを地中で地盤にしっかりと固定することができるようになる。
【0043】
ここで、モルタルに混合されるシリカヒュームは、混和剤としてセメント粒子間の空隙及び不連続領域を充填し高密度化する微細充填効果とセメント水和時に発生する水酸化カルシウムとのポゾラン反応を通じてコンクリートの強度を向上させるところに使用され、水中コンクリートや耐久性が要求されるコンクリート、特に高強度コンクリートの製造に不可欠な材料として知られている。
【0044】
前記ケース設置工程(S30)は、製品を保護できるようにモルタルの上部に保護用ケース(20)を安着させる工程であり、地中での酸化による腐食を予防できるようにポスマック材質の保護用ケース(20)を使用することが好ましい。そして、モルタルが打設されて形成されたモルタル層に保護用ケース(20)を安着させた後は、保護用ケース(20)の平坦度を確認し、表出部(30)を設置する際に表出部(30)が平坦度を維持できるようにすることが好ましい。
【0045】
前記のポスマック材質の保護用ケース(20)は、表出部(30)を含む製品が外部衝撃によって保護用ケース(20)から脱落することを防ぐとともに、製品が腐食することを防いでいる。この時、ポスマック材質の保護用ケース(30)は、6cmの高さと10cmの幅を持ち、幅方向両側端部でそれぞれ直角方向の屈曲部が形成された構造で構成される。そして、ポスマック材質の保護用ケース(20)は、長さが30cmの小型と、長さが120cmの中型、必要に応じて切断して使うことのできる大型に区分することができる。
【0046】
前記表出部設置工程(S40)は、保護用ケース(20)の内部に地中埋設灯の表出部(30)を安着させて固定する工程で、表出部(30)を安着させた後、表出部(30)と保護用ケース(20)の間にシリコンを充填することにより、表出部(30)を保護用ケース(20)に固定する。この時、表出部(30)に形成された矢印が人道を向くように表出部(30)を設置し、表出部(30)の平坦度と接合状態を確認しなければならない。
【0047】
そして、前記表出部(30)は、上面に面発光が可能なレンズ部(33)が形成されLEDが内蔵されたPC材質の内函(32)と、放熱性能に優れたアルミニウム材質で形成され内函(32)を保護し内函(32)の熱を外部に放熱する外箱(31)に分離構成されることが好ましい。これにより、不具合発生時に内函(32)だけを交換できるようになり、迅速な復旧が可能になるのはもちろん、復旧費用を最小限に抑えることができるようになる。そして、不良製品をリサイクル原料として使用できるようになり、環境保護に貢献できる。
【0048】
また、前記表出部(30)は、地中埋設灯の設置長に対応するように工場で組み立てて現場に供給するが、外部露出が最小となるように電線が中段で相互接続されることが好ましい。したがって、現場での施工工程をできるだけ単純化することができ、施工時に発生する不良を最小限に抑えることができるようになる。また、現場施工時に防水コネクタを使用することによる電線の防水侵害を防ぐことができるのはもちろん、製品によって電線が圧迫されて発生する故障問題を防ぐことができるようになる。
【0049】
以上、保護用ケース(20)と表出部(30)を別途に設置することについて説明したが、保護用ケース(20)と表出部(30)を工場であらかじめ組み立てて一定の長さの路面信号灯を完成させてから出荷することにより、現場で路面信号灯を一度に設置することもできる。
【0050】
通常、約300mmの長さからなる単位路面信号灯を個別に施工すると、施工後に不等沈下が発生し、製品が動くことがある。このように製品が動いてしまうと歩行者が不便を感じ、または電線が圧迫されるなどの不具合が生じることがある。したがって、4つの単位路面信号灯を一つのレールに固定して路面信号灯を構成することで、現場施工の利便性を向上させるとともに、施工後も外部の汚染源から路面信号灯を保護できるようにするのである。
【0051】
そして、路面信号灯の施工のために
図3に図示した施工用レール(80)と組立用レール(70)を使用する。
【0052】
前記組立用レール(70)は、
図3の(a)に図示したように、保護用ケース(20)と同一の形状を有するものであり、底面の幅方向両端が上側に屈曲するように構成される。このとき、電線引込部に使用する場合は、
図3の(b)に図示したように、歩道ブロックとレールの間の剪断力により電線が損傷することのないように、端部底面に溝(75)を形成することができる。つまり、組立用レール(70)の溝(75)が形成された部分から電線が歩道ブロックの下部空間に埋められることにより歩道ブロックとレールの間の剪断力が電線に作用しないようにするのである。
【0053】
前記施工用レール(80)は、組立用レール(70)の設置空間を確保するためのものであり、
図3の(c)に図示したように、底面幅方向の両端が上側に折曲げられているが、底面に複数の穴(85)が開けられた形をしている。そして、側面の高さが路面信号灯と組立用レール(70)が接続されたときと同一の高さに製作される。
【0054】
ただし、道路境界石と点字ブロックの間が傾斜面を構成していることを考慮し、道路境界石の方向に下向きに傾斜するように形成することにより、路面信号灯も傾斜して施工することが好ましい。したがって、組立用レール(70)と施工用レール(80)は、幅方向両側の高さを少し違えて形成することが好ましい。
【0055】
また、曲線形状の横断歩道に適用される場合には、組立用レール(70)と施工用レール(80)を扇形形状に曲げて施工しなければならないことから、前記組立用レール(70)と施工用レール(80)は、単位路面信号灯の長さに応じて一定間隔でノッチ部(73)(83)が形成されることがある。したがって、現場でハンドグラインダーを利用してノッチ部(73)(83)をカットし、組立用レール(70)と施工用レール(80)が、切断できるようになる。
【0056】
そして、ノッチ部(73)(83)を実線のみで形成するのではなく、一定間隔をおいてノッチ部(73)(83)に四角形の切断部を形成することにより、現場でハンドグラインダーを用いてノッチ部(73)(83)を切断しやすくし、ハンドグラインダーの刃によって切断されることを肉眼で確認しやすくすることがより好ましい。このとき、四角の切断部にスペーサー材を挿入することにより、電線が損傷しないようにすることが好ましい。
【0057】
前記の組立用レール(70)と施工用レール(80)を利用して路面信号灯を設置しようとする場合には、根切りが完了した部分にモルタルを一定量打設した後、施工用レール(80)を用いて設置空間を確保し、施工用レール(80)を除去した後、設置空間に路面信号灯の組立体が設置された組立用レール(70)を設置する。
【0058】
具体的には、約100mmの深さで根切りが完了した空間にモルタルを50mm程度打設した後、施工用レール(80)をモルタル表面に載せた後、左右に揺らすとともに、施工用レール(80)の左右側を点字ブロックの上面と道路境界石の底面に一致させる。この時、路面信号灯の高さが60mmなので、10mmの高さのモルタルが残るが、施工用レール(80)の底面に形成された穴(85)を通じて施工用レール(80)の内部に流入する。
【0059】
施工用レール(80)の内部に流入したモルタルは手のひらやハンマーを利用して圧縮作業をし、残ったモルタルはコテを含む器具を用いて他の施工域に押し出すことで、内部にあるモルタルが施工用レール(80)の底面と同じ高さになるようにする。
【0060】
したがって、傾斜があり、または長さが長い場合でも正確かつ容易な施工が可能となり、曲線施工区間においては、ノッチ部(83)を通じ施工用レール(80)を扇状に曲げて施工すればよい。
【0061】
以降、施工用レール(80)を撤去し、組立用レール(70)を設置し、路面信号灯が組立用レール(70)に固定できるようにする。
【0062】
前記制御部設置工程(S50)は、表出部(30)を制御するための制御部(50)を設置する工程であり、警察との協力を通じて設置済みの交通信号制御機にオプションボード(51)を接続し、コントローラー(52)を設置する。オプションボード(51)は信号灯制御機とコントローラー(52)を接続するもので、2010年型信号機コントローラーに接続される。2004年型交通信号制御機の場合、路面信号灯が歩行信号灯に直結される仕様であることから、歩行信号灯に異常が発生した場合、路面信号灯も正常に動作しなくなるなどの問題があるため、2004年型交通信号制御機が設置されている場合には、2010年型交通信号制御機に交換した後にオプションボード(51)を接続しなければならない。
【0063】
前記検査工程(S60)は、コントローラー(52)の電線と表出部(30)の電線を接続した後、試験作動を通じて表出部(30)の性能を最終点検する工程であり、緑色灯と赤色灯の点灯及び点滅状態を確認する。その後、保護用ケース(20)と地盤の間の隙間に微細な砂を充填することにより、保護用ケース(20)と地盤間の離隔を防止する。
【0064】
仕上げ工程(S70)は、工事現場周辺を整理する工程であり、使用した工具や資材を全て回収し、柔らかいほうきを利用して、表出部(30)と周辺をきれいに掃除する。
【0065】
前記の本発明の地中埋設灯の施工方法による路面信号灯の施工について次の通り説明する。
【0066】
路面信号灯を設置するため、横断歩道の道路境界石と点字ブロックの間の歩道ブロックを除去した後、10cm以上の深さで地面を掘削する。この時、掘削面の幅は表出部に対応するように10cmで掘削する。掘削が完了したら、地面を整地し、平坦化する。
【0067】
続いて、地面にシリカヒュームが3~10%混合されたモルタルを打設してモルタル層(10)を形成し、平坦化させる。このとき、モルタル層(10)の上面深さが歩道ブロックの表面から6cmになるようにモルタルを4cm以上打設しなければならない。
【0068】
モルタル層(10)が形成されると、モルタル層(10)の上部に保護用ケース(20)を安着させた後、保護用ケース(20)の上部が歩道ブロックの表面と一致するように保護用ケース(20)を平坦化する。これにより、保護用ケース(20)がモルタル層(10)に強固に固定され、地盤等の湿気が保護用ケース(20)の内部に浸透することを防ぐことができるようになる。
【0069】
続いて、保護用ケース(20)に工場で組み立てられた状態で出庫された表出部(30)を安着させた後、表出部(30)と保護用ケース(20)の間の隙間にシリコンを充填し、シリコンモールド(40)によって表出部(30)が保護用ケース(20)に固定されるようにする。
【0070】
前記の過程を通じて表出部(30)の設置が完了したなら、設置済みの交通信号制御機(60)にオプションボード(51)を接続し、オプションボード(51)にRS485方式で接続されたコントローラー(52)を表出部(30)の電線に接続することで、表出部(30)を制御するための制御部(50)を構成する。制御部(50)の構成が完了した後は、試験作動を通じ表出部(30)の性能を最終点検する。
【0071】
そして、保護用ケース(20)と地盤の間の隙間に微細な砂を充填して保護用ケース(20)が地盤から離間しないようにした後、使用した工具と資材を回収し、柔らかいほうきを利用して表出部(30)とその周辺部を清掃して仕上げる。
【0072】
これまで路面信号灯の施工について説明したが、地面に埋設される景観照明灯や埋設型広告ブロック、道路標識鋲などのような地中埋設灯を施工する際にも同様の方法を適用することができる。
【0073】
以上、本発明の技術的思想を例示するためのいくつかの実施例と関連して説明し、図示したが、本発明はこのように説明された通りの構成及び作用のみに限定されるものではなく、本発明の説明に記載された技術的思想の範疇を逸脱することなく、本発明について多数の変更及び修正が可能であることを、通常の技術者たちはよく理解できるであろう。したがって、そのようなすべての適切な変更及び修正と均等物も本発明の範囲に属するものであるとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0074】
10...モルタル層
20...保護用ケース
30...表出部
31...外函
32...内函
40...シリコンモールド
50...制御部
51...オプションボード
52...コントローラー
60...交通信号制御機