(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/43 20240101AFI20241030BHJP
【FI】
G06Q50/43
(21)【出願番号】P 2024147069
(22)【出願日】2024-08-29
(62)【分割の表示】P 2024085938の分割
【原出願日】2024-05-28
【審査請求日】2024-08-29
(31)【優先権主張番号】P 2023101281
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518420813
【氏名又は名称】株式会社Luup
(74)【代理人】
【識別番号】100171321
【氏名又は名称】大野 良
(72)【発明者】
【氏名】岡井 大輝
(72)【発明者】
【氏名】中川 直香
(72)【発明者】
【氏名】栗村 貴尚
(72)【発明者】
【氏名】石田 弦也
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-074429(JP,A)
【文献】特開2019-128907(JP,A)
【文献】特開2022-145491(JP,A)
【文献】特開2022-108226(JP,A)
【文献】特開2022-145335(JP,A)
【文献】特開2022-077484(JP,A)
【文献】2021年5月12日、サブスクリプション型のサービス「TuyTuy」(ツイツイ)開始 ~定期券保有に新たな付加価値を,日本,東急電鉄株式会社,2021年04月14日,p.1-7,https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/212104014_1-2.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムであって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得するコード取得部と、
前記取得したコードに基づいて、優先的な利用が可能なポートであるインセンティブポートを特定する特定部と、
前記ユーザと、前記インセンティブポートに対応する所定の施設との関係に関する情報である関係情報、または、前記所定の施設における前記ユーザの滞在時間を取得する取得部と、
前記関係情報または前記滞在時間に基づいて、前記インセンティブポートの優先的な利用の内容を決定する決定部と、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
を更に備え、
前記取得部は、前記位置情報に基づいて、前記所定の施設における前記ユーザの滞在時間を取得する、
システム。
【請求項3】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関する情報処理方法であって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得することと、
前記取得したコードに基づいて、優先的な利用が可能なポートであるインセンティブポートを特定することと、
前記ユーザと、前記インセンティブポートに対応する所定の施設との関係に関する情報である関係情報、または、前記所定の施設における前記ユーザの滞在時間を取得することと、
前記関係情報または前記滞在時間に基づいて、前記インセンティブポートの優先的な利用の内容を決定することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項4】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムにより実行されるプログラムであって、
前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得することと、
前記取得したコードに基づいて、優先的な利用が可能なポートであるインセンティブポートを特定することと、
前記ユーザと、前記インセンティブポートに対応する所定の施設との関係に関する情報である関係情報、または、前記所定の施設における前記ユーザの滞在時間を取得することと、
前記関係情報または前記滞在時間に基づいて、前記インセンティブポートの優先的な利用の内容を決定することと、
を前記システムに実行させる、プログラム。
【請求項5】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムであって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得するコード取得部と、
前記取得したコードに対応するポートである基準ポートを特定する基準ポート特定部と、
前記基準ポートから所定範囲内に存在するポートを、前記ユーザによる優先的な利用が可能なポートであるインセンティブポートとして特定するインセンティブポート特定部と、
を備える、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、
前記インセンティブポートにおける優先的な利用の内容を、基準ポートからの距離に基づいて決定する決定部と、
を更に備える、システム。
【請求項7】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関する情報処理方法であって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得することと、
前記取得したコードに対応するポートである基準ポートを特定することと、前記基準ポートから所定範囲内に存在するポートを、前記ユーザによる優先的な利用が可能なポートであるインセンティブポートとして特定することと、を含む、情報処理方法。
【請求項8】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムにより実行されるプログラムであって、
前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得することと、
前記取得したコードに対応するポートである基準ポートを特定することと、前記基準ポートから所定範囲内に存在するポートを、前記ユーザによる優先的な利用が可能なポートであるインセンティブポートとして特定することと、を前記システムに実行させる、プログラム。
【請求項9】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムであって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末に読み込むことにより、対応するポート
であるインセンティブポートにおいて優先的な利用が可能となるコードを発行する発行部と、前記コードが発行されること、又は前記コードが前記端末に読み込まれることに対応して、前記インセンティブポートに対応する事業者から、前記シェアリングサービスに対応する事業者への報酬を所定額加算する加算部と、
を備える、システム。
【請求項10】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関する情報処理方法であって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末に読み込むことにより、対応するポート
であるインセンティブポートにおいて優先的な利用が可能となるコードを発行することと、前記コードが発行されること、又は前記コードが前記端末に読み込まれることに対応して、前記インセンティブポートに対応する事業者から、前記シェアリングサービスに対応する事業者への報酬を所定額加算することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項11】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムによって実行されるプログラムであって、
前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末に読み込むことにより、対応するポート
であるインセンティブポートにおいて優先的な利用が可能となるコードを発行することと、前記コードが発行されること、又は前記コードが前記端末に読み込まれることに対応して、前記インセンティブポートに対応する事業者から、前記シェアリングサービスに対応する事業者への報酬を所定額加算することと、
を前記システムに実行させる、プログラム。
【請求項12】
移動体のシェアリングサービスに関するシステムであって、
前記シェアリングサービスのユーザの属性を取得するユーザ属性取得部と、前記ユーザの属性が、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであるかどうかを判定する判定部と、前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用料金に第1の割引を適用可能とする割引適用部と、を備える、システム。
【請求項13】
移動体のシェアリングサービスに関するシステムであって、
前記シェアリングサービスのユーザの属性を取得するユーザ属性取得部と、前記ユーザの属性が、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであるかどうかを判定する判定部と、前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用において、前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に対応するポートの優先的な利用を可能とする利用可能部と、を備える、システム。
【請求項14】
移動体のシェアリングサービスに関する情報処理方法であって、
前記シェアリングサービスのユーザの属性を取得することと、
前記ユーザの属性が、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであるかどうかを判定することと、前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用料金に第1の割引を適用可能とすることと、を含む、情報処理方法。
【請求項15】
移動体のシェアリングサービスに関する情報処理方法であって、
前記シェアリングサービスのユーザの属性を取得することと、
前記ユーザの属性が、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであるかどうかを判定することと、前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用において、前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に対応するポートの優先的な利用を可能とすることと、を含む、情報処理方法。
【請求項16】
移動体のシェアリングサービスに関するシステムにより実行されるプログラムであって、
前記シェアリングサービスのユーザの属性を取得することを、ユーザ属性取得部に実行させることと、
前記ユーザの属性が、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであるかどうかを判定することを、判定部に実行させることと、
前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用料金に第1の割引を適用可能とすることを、割引適用部に実行させることと、を含む、プログラム。
【請求項17】
移動体のシェアリングサービスに関するシステムにより実行されるプログラムであって、
前記シェアリングサービスのユーザの属性を取得することを、ユーザ属性取得部に実行させることと、
前記ユーザの属性が、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであるかどうかを判定することを、判定部に実行させることと、
前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用において、前記所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に対応するポートの優先的な利用を可能とすることを、利用可能部に実行させることと、を含む、プログラム。
【請求項18】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムであって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得するコード取得部と、
前記取得したコードに関連づけられた所定施設に関する情報である所定施設情報を取得する施設情報取得部と、
前記移動体のライドにおける出発地ポート及び目的地ポートを設定するポート設定部と、
前記出発地ポートに関する出発地施設情報、及び前記目的地ポートに関する目的地施設情報のいずれか1つと、前記所定施設情報とが、同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであるかどうかを判定する判定部と、
前記同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用において、前記出発地ポート又は前記目的地ポートの優先的な利用を可能とする利用可能部と、
を備える、システム。
【請求項19】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムであって、前記移動体のライドにおける出発地ポート及び目的地ポートを設定するポート設定部と、
前記出発地ポートと前記目的地ポートとが同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであるかどうかを判定する判定部と、
前記同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであると判定されたことに基づいて
、前記シェアリングサービスの利用において、前記出発地ポート又は前記目的地ポートの優先的な利用を可能とする利用可能部と、
を備える、システム。
【請求項20】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関する情報処理方法であって、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得することと、
前記取得したコードに関連づけられた所定施設に関する情報である所定施設情報を取得することと、
前記移動体のライドにおける出発地ポート及び目的地ポートを設定することと、前記出発地ポートに関する出発地施設情報、及び前記目的地ポートに関する目的地施設情報のいずれか1つと、前記所定施設情報とが、同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであるかどうかを判定することと、
前記同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用において、前記出発地ポート又は前記目的地ポートの優先的な利用を可能とすることと、を含む、情報処理方法。
【請求項21】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関する情報処理方法であって、前記移動体のライドにおける出発地ポート及び目的地ポートを設定することと、前記出発地ポートと前記目的地ポートとが同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであるかどうかを判定することと、
前記同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであると判定されたことに基づいて
、前記シェアリングサービスの利用において、前記出発地ポート又は前記目的地ポートの優先的な利用を可能とすることと、を含む、情報処理方法。
【請求項22】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムにより実行されるプログラムであって、
前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得することと、
前記取得したコードに関連づけられた所定施設に関する情報である所定施設情報を取得することと、
前記移動体のライドにおける出発地ポート及び目的地ポートを設定することと、前記出発地ポートに関する出発地施設情報、及び前記目的地ポートに関する目的地施設情報のいずれか1つと、前記所定施設情報とが、同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであるかどうかを判定することと、
前記同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであると判定されたことに基づいて、前記ユーザに紐づけられた端末を用いた前記シェアリングサービスの利用において、前記出発地ポート又は前記目的地ポートの優先的な利用を可能とすることと、を前記システムに実行させる、プログラム。
【請求項23】
ポート方式による移動体のシェアリングサービスに関するシステムにより実行されるプログラムであって、
前記移動体のライドにおける出発地ポート及び目的地ポートを設定することと、前記出発地ポートと前記目的地ポートとが同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであるかどうかを判定することと、
前記同一または所定の関連性を有する事業者に対応するものであると判定されたことに基づいて
、前記シェアリングサービスの利用において、前記出発地ポート又は前記目的地ポートの優先的な利用を可能とすることと、を前記システムに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体のシェアリングサービスのための情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが共同で利用可能な移動体に関するシェアリングサービスへの社会的需要が高まっている。例えば、特許文献1には、共有車両の稼働率に応じて車両利用料金の割引を行うカーシェアリングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体のシェアリングサービスにおいて、移動体の出発点及び終着点に対応する出発ポート及び目的ポートは、様々な背景に基づいて設置場所が決定される。
例えば、人通りの多い場所や、交通機関の利用が難しい場所においては需要があると想定され、多くの利用(売上)が期待できる。また、別の例でいえば、共同住宅や特定施設の内部や近傍に設置することで、共同住宅の住居者又は訪問者、特定施設の利用者等による需要を期待できる。
しかし、後者の場合、住居者等の近くにポートが存在するというだけであり、住居者等によるシェアリングサービスの利用を促進するまでには至らなかった。
【0005】
本発明は、移動体のシェアリングサービスの利用を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、移動体のシェアリングサービスに関するシステムは、コードを取得するコード取得部と、取得したコードが、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであるかどうかを判定する判定部と、所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、端末を用いたシェアリングサービスの利用料金に第1の割引を適用可能とする割引適用部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、共同住宅の住居者、イベントの利用者、サービスの利用者、製品の購買者、自治体サービスの享受者等に対して、通常のユーザが移動体を利用する場合に比べて有利な条件で移動体を利用することを可能とし、移動体のシェアリングサービスを利用するメリットを提供できるため、移動体のシェアリングサービスの利用を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1-1】実施形態に係るマイクロモビリティシェアリングサービスシステムのシステム構成の一例を示す図。
【
図1-2】第1実施例に係るサーバの制御部によって実現される機能の一例を示す図。
【
図1-3】第1実施例に係るサーバの記憶部に記憶される情報の一例を示すブロック図。
【
図1-4】第1実施例に係るアカウント登録データの一例を示す図。
【
図1-5】第1実施例に係るポート管理データの一例を示す図。
【
図1-6】第1実施例に係るマイクロモビリティ管理データベースの一例を示す図。
【
図1-7】第1実施例に係る端末の制御部によって実現される機能の一例を示す図。
【
図1-8】第1実施例に係る端末の記憶部に記憶される情報の一例を示す図。
【
図1-9】第1実施例に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図1-10】第1実施例に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図1-11】第1実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図1-12】第1実施例に係る端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図2-1】第2実施例に係るサーバの記憶部に記憶される情報の一例を示すブロック図。
【
図2-2】第2実施例に係るポート報酬管理データの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の情報処理技術を実現するための実施形態について説明する。
本実施形態に記載の内容は、他の各実施例や各変形例のいずれにも適用可能である。
【0011】
以下では、例えば、移動体のシェアリングサービスを利用するユーザが、共同住宅の居住者向けに提供(例えば、居住者用共有スペースにおける表示、郵送・投函・手渡し等による配付、電子メール・ウェブサイト・アプリケーションを介した送信等を含む)される特典コード(「レジデンシャルコード」と称する。)を用いることで、共同住宅の居住者専用エリアに設置されるポート(「レジデンシャルポート」と称する。)を利用可能とする。また、ユーザがレジデンシャルポートを出発ポート及び/又は目的ポートとして設定し、移動体を利用する場合、インセンティブ(例えば、利用料金の割引)を付与する例について例示する。
【0012】
なお、レジデンシャルポートには、共同住宅の居住者専用エリアに設置される居住者専用のポートのみならず、共同住宅の居住者専用エリア以外のエリアに設置される居住者専用のポートを含めてもよい。後者のポートに関しては、居住者専用エリアではないが居住者専用のポートとして設定されていることを示す情報が、ポートIDに関連付けて記憶されてもよい(後述するポート管理データ255)。そして、後者のポートに関しては、レジデンシャルコードがないとそのポートを利用できないようにしてもよい。
【0013】
以下では、移動体のシェアリングサービスの一例として、マイクロモビリティ(「MM」と略することがある。)のシェアリングサービスを例示する。
なお、本発明における移動体とは、人が乗車して移動可能である装置であればその種類を問わず任意のものであってよく、例えば、ヘリコプター、ボート、自動車、自動二輪車、自転車、キックスケーターであってよい。
また、マイクロモビリティとは、例えば、乗用車よりも小型で少人数(例えば、1~2人)が乗車可能な短距離走行向け乗物であってよく、例えば、電動キックボードやマイクロカー、電動バイクや電動自転車等であってもよい。
【0014】
なお、本実施例においては、マイクロモビリティの例として、電動キックボードを適用した場合について説明する。電動キックボードは、車両が小型であるため、自転車等と比較しても省スペースで設置できるといったメリットがある。
また、本実施例では、移動体のシェアリング方法として、例えば、ポート方式が採用された形態となっている。ポート方式とは、例えば、移動体の使用開始場所および返却場所をユーザが事前に指定する形で使用することとし、移動体が使用されていない際には、移動体を予め定められた範囲の中に配置されるものとしてもよい。
例えば、電動キックボードを活用してのポート方式とすることにより、高密度のポートを実現することができる。また、ポートから車両が溢れたり返却車両が乱れたりして街の景観を損ねないよう、ライド開始時に必ず空きのある返却ポートを選択すること、返却時にポートの枠線内に返却したことを示すためにアプリ上で写真を撮影・提出するなどの仕組みを採用してもよい。
【0015】
図1-1は、本実施形態におけるマイクロモビリティシェアリングサービス1のシステム構成の一例を示す図である。
システムとは、例えば、複数の情報処理装置を有して構成され、それらの情報処理装置が協働し処理を実行する仕組みとしてもよい。
【0016】
マイクロモビリティシェアリングサービス1では、例えば、ネットワークNW(例えば、インターネット)を介して、1以上のマイクロモビリティ装置10(MM10A、MM10B、MM10C、・・・)と、1以上の端末30(端末30A,端末30B,端末30C,・・・)と、サーバ20とが通信可能に接続される。なお、サーバ20は複数のサーバで構成されるサーバシステムとしてもよい。また、サーバ20は、記憶部を共有しない複数の情報処理装置で構成される装置としてもよい。
【0017】
サーバ20は、例えば、マイクロモビリティ装置10の稼働状況を制御し、端末30のユーザからの要求に応じてマイクロモビリティの貸出・返却を管理する機能を有する。また、サーバ20は、例えば、端末30のユーザに対するマイクロモビリティ装置10の貸出に応じた利用料金を算出する機能を有する。
【0018】
図1-1に、サーバ20の機能構成の一例を示す。サーバ20は、例えば単一のサーバとして、あるいは機能ごとに別々のサーバから構成される分散サーバとして構成される。クラウドサーバと呼ばれるクラウド環境に作られた分散型の仮想サーバとしてサーバ20を構成することもできる。サーバ20は、
図1-1に示すように、例えば、制御部21と、記憶部25と、通信部24と、時計部29と、入出力部22等を備えて構成される。
【0019】
制御部21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってサーバ20の各部を統括的に制御し、情報処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやGPU、DSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0020】
記憶部25は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。
【0021】
入出力部22は、サーバ20に対する各種操作を入力する装置や、サーバ20で処理された処理結果を出力する装置等を含む。入出力部22は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、分離していてもよい。
入力部は、例えば、キーボードやタッチパネル等で実現され、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部21に伝達する機能を有する。
出力部は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等で実現され、制御部21で処理された処理結果を出力する機能を有する。ここでは、入出力部22は、例えば、表示部23を備える。表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-luminescence Display)等を有して構成される表示装置であり、制御部21から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。
【0022】
通信部24は、サーバ20内部で利用される情報を外部の装置との間でネットワークを介して送受信するための通信装置である。通信部24の通信方式としては、イーサネットやUSB(Universal Serial Bus)等所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、Wi-Fi(登録商標)や5G(第5世代移動通信システム)等所定の通信規格に準拠した無線通信技術を用いて無線接続する形式、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を利用して接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
【0023】
時計部29は、サーバ20の内蔵時計であり、例えば、水晶発振器を利用したクロックに基づいて取得した時刻情報(計時情報)を出力する。なお、時計部29は、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等に準じて、通信部24とネットワークNWとを介して時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0024】
マイクロモビリティ装置10は、例えば、共有される電動キックボードに搭載される、乗物管理用の車載装置である。なお、マイクロモビリティ装置10は、乗物機構と一体化され、乗物そのものとしてもよい。マイクロモビリティ装置10は、MM装置や、MM10と表記することがある。
【0025】
図1-1に、マイクロモビリティ装置10の機能構成の一例を示す。マイクロモビリティ装置10は、例えば、制御部11と、記憶部15と、入出力部12と、通信部14と、時計部19Aと、位置算出用情報検出部19B等を備えて構成される。
【0026】
制御部11は記憶部15に記憶されているマイクロモビリティ管理プログラム等の各種プログラムに従ってマイクロモビリティ装置10の各部を統括的に制御し、情報処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやGPU、DSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0027】
記憶部15は、記憶部25と同様にROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。記憶部15には、例えば、本実施形態にて行われる各処理に対応する制御プログラムやシステムプログラム等の各種プログラムや、サーバ20等から受信した情報及び各種プログラムによる処理結果等が記憶される。
【0028】
入出力部12は、制御部11に対する各種操作を入力する装置や、制御部11で処理された処理結果を出力する装置等を含む。
入力部は、ボタン等のユーザがマイクロモビリティ装置10の制御部11に対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。
出力部は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等で実現され、制御部11で処理された処理結果を出力する機能を有する。ここでは、入出力部12は、例えば、表示部13を備える。表示部13は、例えば、LEDランプ等としてもよいし、表示部23と同様に構成するようにしてもよい。また、出力部は、乗物に備えられる各種アクチェーター(例えば、乗物ロックシステム)に対する制御信号を出力するようにしてもよい。
【0029】
通信部14は、マイクロモビリティ装置10内部で利用される情報を外部の装置との間でネットワークNWを介して送受信するための通信装置である。通信部14の構成は、例えば、通信部24と同様に構成してもよい。
【0030】
時計部19Aは、例えば、サーバ20の時計部29と同様に構成してもよい。
【0031】
位置算出用情報検出部19Bは、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいてマイクロモビリティ装置10の位置情報(例えば、緯度経度情報)を取得する。なお、位置算出用情報検出部19Bは、例えば、各ポートに設置されるビーコンとの間で近接通信を行うことで、マイクロモビリティ装置10がどのポートに駐車(駐輪)されているかを判定可能な位置情報を取得するようにしてもよい。また、位置情報取得部19Bはかかる構成に限定されず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。
【0032】
端末30は、マイクロモビリティ装置10のシェアリングサービスを利用するユーザが所有(利用)する装置(例えば、携帯端末)である。なお、以下では、ユーザXが利用する端末を端末30Xと表現し、ユーザX又は端末30Xに対応付けられた所定のサービス(ここでは電動キックボードのシェアリングサービス)におけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザに関する情報(例えば、ユーザの名称や年齢、住所、サービス利用履歴等)としてもよい。
【0033】
図1-1に、端末30の機能構成の一例を示す。端末30は、例えば、制御部31と、記憶部38と、入出力部33と、通信部32と、時計部39Aと、位置算出用情報検出部39B等を備えて構成される。
【0034】
制御部31は、記憶部38に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って端末30の各部を統括的に制御し、情報処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやGPU、DSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0035】
記憶部38は、記憶部25と同様にROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。
【0036】
入出力部33は、端末30の制御部31に対する各種操作を入力する装置や、端末30の制御部31で処理された処理結果を出力する装置等を含む。入出力部33は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、分離していてもよい。
入力部は、例えば、キーボードやタッチパネル等で実現され、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部31に伝達する機能を有する。
出力部は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等で実現され、制御部31で処理された処理結果を出力する機能を有する。
ここでは、入出力部33は、例えば、表示部34と、音入力部35と、音出力部36と、撮像部37とを備える。
【0037】
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-luminescence Display)等を有して構成される表示装置であり、制御部31から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。
【0038】
なお、入出力部33は、表示部34と一体的に構成された不図示のタッチパネルを有し、このタッチパネルは、ユーザと端末30との間の入力インターフェースとして機能するようにしてもよい。
【0039】
音入力部35は、マイクロフォンやA/Dコンバータ等を有して構成される音入力装置であり、制御部31へ入力される音入力信号に基づいた各種の音入力を行う。
【0040】
音出力部36は、D/Aコンバータやスピーカ等を有して構成される音出力装置であり、制御部31から出力される音出力信号に基づいた各種の音出力を行う。
【0041】
撮像部37は、カメラ等で構成される撮像装置であり、制御部31へ入力される画像データ(静止画像・動画像)の取得を行う。
【0042】
通信部32は、端末30内部で利用される情報を外部の装置との間でネットワークNWを介して送受信するための通信装置である。通信部32の構成は、例えば、通信部14と同様に構成可能であるため、その詳細説明は省略する。
【0043】
時計部39Aは、例えば、サーバ20の時計部29と同様に構成可能である。
【0044】
位置情報取得部39Bは、例えば、GNSS衛星から到来する電波に基づいて端末30の位置情報を取得する。すなわち、端末30を保有するユーザの位置情報を時系列的に取得することができる。なお、位置情報取得部39Bはかかる構成に限定されず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。
【0045】
ネットワークNWは、各装置間を有線接続あるいは無線接続、あるいはその両方で接続する通信網である。
【0046】
[第1実施例]
第1実施例は、例えば、共同住宅や長屋住宅等の集合住宅(所定の施設の一例)の居住者であるユーザが、集合住宅において配付されたレジデンシャルコードを端末30によって入力する。そして、レジデンシャルポートが集合住宅の敷地内に設置されており、居住者であるユーザが、そのレジデンシャルポートを出発ポート又は目的ポートとして、電動キックボードを利用する実施例である。
第1実施例に記載の内容は、他の各実施例や各変形例のいずれにも適用可能である。
【0047】
図1-2は、本実施例においてサーバ20の制御部21によって実現される機能の一例を示す図である。
【0048】
制御部21は、記憶部25に記憶されたアプリケーション管理処理プログラム251に従って端末30および/又はマイクロモビリティ装置10と送受信し電動キックボードシェアリングサービスを提供するためのアプリケーション(以下、「MMシェアリングアプリケーション」と称する。)を管理するための不図示のアプリケーション管理制御部111を機能部として含む。
【0049】
図1-3は、本実施例においてサーバ20の記憶部25に記憶される情報の一例である。
記憶部25には、例えば、アプリケーション管理処理として実行されるアプリケーション管理処理プログラム251と、アカウント登録データ253と、ポート管理データ255と、マイクロモビリティ管理データベース257とが記憶される。なお、データ(アカウント登録データ253,ポート管理データ255)はデータベースとしてもよい。
【0050】
アカウント登録データ253は、MMシェアリングアプリケーションのアカウントに関する登録データであり、そのデータ構成の一例を
図1-4に示す。
アカウント登録データ253には、例えば、ユーザ名と、ユーザID(Identification)と、その他登録情報とが関連付けて記憶される。例えば、サーバと端末とはユーザID(アプリケーションID)とを用いて情報のやり取りを行うようにしてもよい。
【0051】
ユーザ名は、アプリケーションを利用する端末30のユーザの名称であり、例えば、端末30のユーザがアプリケーションを利用する際に登録する名称が記憶される。
【0052】
ユーザIDは、アプリケーションのアカウントを識別するために用いられる情報、又はアカウントそのものである。
このユーザIDは、アカウントごとに一意な値であり、例えば、サーバ20によってアカウントごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
【0053】
その他登録情報には、例えば、端末30を識別するための識別情報、端末30の電話番号(端末電話番号)、メールアドレス(端末メールアドレス)、認証に利用されるパスワード(ログインパスワード、認証パスワード等)等の認証情報といった各種の情報、ユーザの年齢、性別、住所等の情報を含めるようにしてもよい。
また、その他登録情報には、端末30によって入力されたレジデンシャルコードに関する情報(「レジデンシャルユーザ情報」と称する。)を含めるようにしてもよい。
【0054】
ポート管理データ255は、電動キックボードが発着可能なポートを管理するためのデータであり、そのデータ構成の一例を
図1-5に示す。
ポート管理データ255には、例えば、ポート名と、ポートIDと、ポート種別と、その他ポート情報とが関連付けて記憶される。
【0055】
ポート名は、そのポートをユーザが識別するための名称であり、例えば、サーバ20のユーザ(シェアリングサービスの運営者)がポートを登録する際に設定した名称が記憶される。
【0056】
ポートIDは、各々のポートを識別するための情報である。
このポートIDは、好ましくはポートごとに一意な値であり、例えば、サーバ20によってポートごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
【0057】
ポート種別は、ポートの利用可能種別(又はインセンティブ付加種別)を示すためのフラグ情報である。例えば、ポートがレジデンシャルコードの入力無しに利用可能なポート(「ノーマルポート」と称する。)である場合には、ポート種別に「ノーマル」が設定され記憶される。また、ポートがレジデンシャルポートである場合、ポート種別に「レジデンシャル」が設定され記憶される。
ポート種別には、例えば、サーバ20のユーザがポートを登録する際に設定したフラグが記憶される。
【0058】
その他ポート情報には、例えば、ポートが設置されている位置情報(例えば、緯度経度情報)や、ポートに設置可能な最大マイクロモビリティ数、ポートで利用可能なマイクロモビリティ残数等の情報を含めるようにしてもよい。
【0059】
マイクロモビリティ管理データベース257は、マイクロモビリティ(ここでは電動キックボード)の使用履歴等を記憶・管理するためのデータベースであり、そのデータ構成の一例を
図1-6に示す。
マイクロモビリティ管理データベース257には、例えば、マイクロモビリティごとの管理データとして、マイクロモビリティ管理データが記憶される。
【0060】
各々のマイクロモビリティ管理データには、例えば、マイクロモビリティIDと、その他車両情報と、使用履歴管理データとが関連付けて記憶される。
【0061】
マイクロモビリティIDは、各々のマイクロモビリティを識別するための情報である。
このマイクロモビリティIDは、好ましくはマイクロモビリティごとに一意な値であり、例えば、サーバ20によってマイクロモビリティごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
【0062】
その他登録情報には、例えば、マイクロモビリティのバッテリー残量や診断情報等、種々の情報が記憶されるようにしてもよい。また、その他登録情報には、例えば、時系列に沿ったマイクロモビリティの位置情報が記憶されるようにしてもよい。
【0063】
使用履歴管理データは、端末30のユーザによる各々のマイクロモビリティの利用状況を管理・記憶するためのデータである。
使用管理データには、例えば、使用ユーザIDと、使用開始日時と、出発ポートIDと、使用終了日時と、目的ポートIDと、適用インセンティブとが関連付けて記憶される。
【0064】
使用ユーザIDには、例えば、このマイクロモビリティを使用した(使用している)ユーザIDが記憶される。
【0065】
使用開始日時には、例えば、使用ユーザIDで識別されるユーザがこのマイクロモビリティの使用を開始した(出発ポートを出発した)日時が記憶される。なお、ユーザがマイクロモビリティを予約して、使用を開始する前(出発前)の場合、例えば、使用開始日時には、「予約済」であることを示す情報が記憶される。
【0066】
出発ポートIDには、例えば、使用ユーザIDで識別されるユーザがこのマイクロモビリティの出発ポートとして指定したポートIDが記憶される。
【0067】
使用終了日時には、例えば、使用ユーザIDで識別されるユーザがこのマイクロモビリティの使用を終了した(目的ポートに到着しマイクロモビリティを返却した)日時が記憶される。なお、ユーザがマイクロモビリティを利用中(乗車中)の場合、例えば、使用終了日時には、「NULL」が記憶される。
【0068】
目的ポートIDには、例えば、使用ユーザIDで識別されるユーザがこのマイクロモビリティの目的ポートとして指定したポートIDが記憶される。なお、目的ポートは、本実施例のように、マイクロモビリティ乗車前に選択される(到着予定のポートを予約する)こととしてもよいし、マイクロモビリティ乗車後に選択される(到着地を乗りながら探す)こととしてもよい。
【0069】
適用インセンティブには、例えば、使用ユーザIDで識別されるユーザがこのマイクロモビリティの使用時に適用されるインセンティブのパターンが記憶される。
【0070】
図1-6において、例えば、「ユーザA」(ユーザID「U0001」)と「ユーザC」(ユーザID「U0003」)とがポート「渋谷2」(ポートID「P0002」)に関連付けられたレジデンシャルコードを端末30によって入力し、ポート「渋谷2」(ポートID「P0002」)に関連付けられたインセンティブが「パターンA」(例えば、利用料金15%割引)であるとする。この場合、使用履歴管理データでは、ユーザAが出発ポートとして「渋谷2」を選択したことで、適用インセンティブには「パターンA」が記憶されている。また、ユーザCが目的ポートとして「渋谷2」を選択したことで、適用インセンティブには「パターンA」が記憶されている。
また、例えば、「ユーザD」(ユーザID「U0004」)がポート「新宿1」(ポートID「P0003」)に関連付けられたレジデンシャルコードを端末30によって入力し、ポート「新宿1」(ポートID「P0003」)に関連付けられたインセンティブが「パターンB」(例えば、「30分間無料」)であるとする。この場合、使用履歴管理データでは、ユーザDが出発ポートとして「新宿1」を選択したことで、適用インセンティブには「パターンB」が記憶されている。
【0071】
なお、適用インセンティブは複数パターンではなく一律であってもよい。また、適用インセンティブを使用履歴管理データに記憶させないようにしてもよい。
【0072】
また、インセンティブのパターン情報は、上述のように、レジデンシャルコードに関連づけられたポート(施設、イベント)に応じて決められてもよいし、レジデンシャルコード自体に含まれていてもよい。また、レジデンシャルコードが読み込まれた時点の時間や状況も踏まえてパターン情報を定めることとしてもよい。例えば、レジデンシャルコードが読み込まれた時点での利用需要が少なければ割引率を高くし、利用需要が大きければ割引率を低くしてもよい。
【0073】
また、インセンティブは、ユーザによるMMの利用に関連してメリットを得られるものであれば、その内容は任意であってよい。例えば、上記に挙げた例の他に、以下のようなものであってもよい。
・時間帯や曜日ごとに利用料金の割引率が変化する(例えば、昼間は割引が適用される/されない・土日はメリットの割引率が大きくなる等)
・次回以降の利用についての利用料金を割引可能とする(次回割引のクーポンがもらえる等)
・MM利用に関連する何らかのキャンペーンの応募資格を得る
・MM利用に関連する特典の優先的な抽選資格を得る(例えば、所定期間中に所定回数の利用をしたユーザが応募できるキャンペーンなどがあった場合に、対象とする利用では1回の利用で複数回分の利用に相当するなど)
更には、インセンティブを適用可能な機体の種類を限定してもよい(例えば、電動アシスト自転車の利用についてのみに利用料金の割引を適用する、等)。
【0074】
図1-7は、本実施例において端末30の制御部31によって実現される機能の一例を示す図である。
制御部31は、例えば、記憶部38に記憶されたアプリケーション処理プログラム381に従ってマイクロモビリティシェアリングアプリケーション処理を実行するためのアプリケーション制御部311を機能部として含む。
【0075】
図1-8は、本実施例において端末30の記憶部38に記憶される情報等の一例を示す図である。
【0076】
記憶部38には、例えば、制御部31によってアプリケーション処理として実行されるアプリケーション処理プログラム381と、この端末30、又はこの端末30のユーザのアカウントに対応するユーザIDであるアプリケーションID383とが記憶される。
【0077】
以下、第1実施例における処理の手順例について説明する。
図1-9~
図1-10は、マイクロモビリティ装置10A、サーバ20、端末30A(ユーザAの端末30)が協働して行う、マイクロモビリティ貸し出し処理のフローチャートである。
【0078】
これらのフローチャートにおいて、各記号A,M,Sは、それぞれ、端末30A、マイクロモビリティ装置10A、サーバ20の各制御部が実行するステップを意味する。
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施例における情報処理の手順の一例を示すものに過ぎず、他のステップを追加したり、一部のステップを削除したり、一部のステップを他の装置の制御部において実行してもよい。
【0079】
また、他のマイクロモビリティ装置10や端末30については、マイクロモビリティ装置10Aおよび端末30Aと同様に処理を実行するようにしてもよい。
【0080】
フローチャートの実行に先立ち、例えば、サーバ20の制御部21は、レジデンシャルポートのポートIDと、適用インセンティブのパターンとが関連づけられたレジデンシャルコードを生成する。なお、レジデンシャルコードには、複数のポートID(例えば、配付対象となった施設に設けられているポート、その近隣のポート、及び、利用人数が所定数以上のポート)を関連付けるようにしてもよいし、特定のポートIDのみ(例えば、配付対象となった施設に設けられているポートのみ)を関連付けるようにしてもよい。また、レジデンシャルコードには、ポートIDと適用インセンティブのパターンとの組み合わせを複数組関連付けるようにしてもよい。
【0081】
生成されたレジデンシャルコードは、例えば、特定桁数の文字列等としてもよいし、画像情報としてエンコードされた1次元又は2次元コード等(例えば、バーコードやQRコード(登録商標))としてもよいし、装置において識別可能なレジデンシャルコードIDとしてもよい。
【0082】
レジデンシャルコードに関連づけられた、レジデンシャルポートのポートIDとインセンティブのパターンとは、例えば、サーバ20の記憶部25に記憶されることとしてもよい。
例えば、サーバ20の制御部21は、レジデンシャルコードからデコードされた情報に基づいて、レジデンシャルポートのポートIDとインセンティブのパターンとを特定すると、そのポートIDとインセンティブのパターンとをユーザIDに関連づけて記憶させる。なお、この処理は端末30の制御部31で実行され、記憶部38に記憶されるようにしてもよい。
【0083】
レジデンシャルコードは、例えば、予め紙媒体や電子媒体等によってレジデンシャルコードの利用対象者となる端末30Aのユーザに配付されるようにしてもよい。なお、レジデンシャルコードは、MMシェアリングアプリケーションにおいて提供されるようにしてもよい。
【0084】
フローチャートにおいて、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、位置算出用情報検出部19Bを介して現在地情報を取得する。すると、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、マイクロモビリティ装置10AのマイクロモビリティIDと、現在地情報に基づくマイクロモビリティ装置10Aが存在するポート位置に関する情報とを含む停車ポート位置情報を通信部14によってサーバ20に送信するようにしてもよい(M110)。
なお、現在地情報は、例えば、GNSS等に基づく緯度経度の情報としてもよいし、停車中のポートとの近接無線通信等に基づくポートIDに関する情報としてもよい。
【0085】
通信部24によってマイクロモビリティ装置10Aから停車ポート位置情報を受信したと判定する場合、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ位置情報更新処理を実行するようにしてもよい(S110)。
マイクロモビリティ位置情報更新処理において、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ管理データベース257を参照し、例えば、受信した停車ポート位置情報に基づいて、マイクロモビリティの位置情報を更新するようにしてもよい。
なお、使用履歴管理データにおいて、マイクロモビリティがポートに停車していると判定される場合、サーバ20の制御部21は、停車ポート位置情報と使用履歴管理データにおけるポート位置とに差異が生じていないか否かを判定するようにしてもよい。差異が生じたと判定する場合、サーバ20の制御部21は、例えば、そのマイクロモビリティを使用(貸し出し)停止とし、表示部23によってマイクロモビリティの位置に齟齬が生じたことを示す警告メッセージを出力するようにしてもよい。
【0086】
なお、停車ポート位置情報の送信とマイクロモビリティ位置情報更新処理とは、例えば、所定期間(例えば、「10分」)ごとや所定時刻(例えば、「毎時00分」)ごとに実行されるようにしてもよい。また、停車ポート位置情報の送信とマイクロモビリティ位置情報更新処理とは、例えば、後述するユーザ乗車処理と、ユーザ降車処理とを実行する際に実行されるようにしてもよい。
【0087】
端末30Aの制御部31は、レジデンシャルコード受付処理を実行する(A110)。
レジデンシャルコード受付処理において、端末30Aの制御部31は、例えば、入出力部33に対するユーザ操作に基づいて、レジデンシャルコードを受け付ける。なお、レジデンシャルコード受付処理において、端末30Aの制御部31は、例えば、撮像部37によって、画像情報からレジデンシャルコードを受け付けるようにしてもよいし、MMシェアリングアプリケーションにおいて、レジデンシャルコードIDを適用する操作を受け付けるようにしてもよい。
その他、端末30Aにおけるレジデンシャルコードを受け付ける方法は任意であってよく、例えば、所定の位置に無線通信手段を備えておき、かかる無線通信手段から発信されるレジデンシャルコードを端末30Aの通信部32を通じて取得することとしてもよい。
【0088】
すると、端末30Aの制御部31は、端末30AのユーザIDと受け付けたレジデンシャルコードに関する情報とを含むレジデンシャルコード情報を通信部32によってサーバ20に送信する(A120)。
レジデンシャルコードに関する情報は、受け付けた文字列や画像情報そのままでもよいし、端末30Aの制御部31によってデコードされたレジデンシャルコードIDとしてもよい。
【0089】
通信部24によって端末30Aからレジデンシャルコード情報を受信した場合、サーバ20の制御部21は、レジデンシャルコードに関する情報に基づくコードが、予めレジデンシャルコードとして記憶部25に記憶されているリストに含まれるか否か(端末30Aに入力されたコードが、予め所定の施設向けに配付されたレジデンシャルコードと一致するか否か)を判定し、含まれる場合には(所定の施設に関連付けられているレジデンシャルコードであることが確認された場合には)、レジデンシャルユーザ登録処理を実行する(S120)。なお、この判定処理は、端末30Aにおいてアプリケーションによって実行されるようにしてもよい。端末30Aが、アプリケーションを介してサーバ20から取得したレジデンシャルコードのリストを参照して判定を行い、端末30Aに入力されたコードが予め配付されたレジデンシャルコードであると判定されたことに基づいて、レジデンシャルコード情報が端末30Aからサーバ20に送信されるようにしてもよい。
【0090】
レジデンシャルユーザ登録処理(S120)において、サーバ20の制御部21は、例えば、アカウント登録データ253を参照し、レジデンシャルコード情報のユーザIDと紐づけられるユーザに、レジデンシャルコードに関する情報に基づくレジデンシャルポートのポートIDと、適用インセンティブのパターンとをレジデンシャルユーザ情報として関連付けて記憶させる。アカウント登録データ253には、端末30Aに入力されたコードが、配付されたレジデンシャルコードと一致したこと(読み取られたコードが所定の施設に関連付けられていること)に基づいて、適用インセンティブのパターンが記憶されることにより、端末30Aのユーザに対してインセンティブを適用すること(利用料金に対する割引の適用、レジデンシャルポートの優先的な利用)が可能となる。
【0091】
ここで、ポートの優先的な利用とは、優先的な利用が可能な所定ユーザ(例えば、レジデンシャルユーザ)が何らかの観点で非所定ユーザと比較して優先的な条件でそのポートを利用できることをいい、例えば、MMの通常利用料金が低額であること、何らかの条件下での利用(例えば、そのポートから所定範囲内の所定ユーザによる利用)に関しては非所定ユーザによる利用より料金が低額となること、所定ユーザのみがそのポートを出発ポート又は目的ポート(もしくはその両方)として指定できること、そのポートを出発ポート又は目的ポートとして指定する場合、非所定ユーザより所定ユーザの料金が低額となること、そのポートには必ず所定数(例えば、3つ)のMMが用意される又は所定数の駐車用スポットが用意されるように手配されており、かかる所定数のMM又は駐車用スポットは所定ユーザのみが使用できること、ポート選択の際において、非所定ユーザに対してはそのポートを表示しない、そのポートに実際に配置されているMMの数または駐車可能なスポット数より少なく表示する(そのため所定ユーザが必ず利用できる余地がある)、またはそのポートは表示されるが出発ポート又は目的ポートとして指定できない、などが挙げられるが、これらに限られず、ポートを独占的に利用できる(非所定ユーザは利用できない)ことも含め、任意の形態が適用可能である。
【0092】
なお、レジデンシャルコード情報には端末30Aの位置情報を含めるようにしてもよい。そして、サーバ20の制御部21は、レジデンシャルコードに関する情報に基づくレジデンシャルポート近辺に端末30Aが存在する場合、レジデンシャルユーザ登録処理を実行するようにしてもよい。すなわち、読み取られたコードが予め配付され記憶されているレジデンシャルコードのリストに含まれる(所定の施設に関連付けられている)ことに加えて、コードを読み取った端末30Aが、所定の施設から所定範囲内にある(所定の施設に関連する位置にある)と判定されたことに基づいて、端末30Aのユーザに対してインセンティブ(利用料金に対する割引の適用、及び/又は、レジデンシャルポートの優先的な利用)を適用してもよい。
【0093】
端末30Aの制御部31は、例えば、入出力部33に対するユーザ操作に基づいて、マイクロモビリティの貸し出しにおける出発ポートと目的ポートとを選択するためのポート一覧要求情報を通信部32によってサーバ20に送信する(A130)。
なお、ポート一覧要求情報に、端末30Aの位置情報を含めるようにしてもよい。
【0094】
通信部24によって端末30Aからポート一覧要求情報を受信したと判定する場合、サーバ20の制御部21は、例えば、ポート管理データ255を参照し、ポート種別が「ノーマル」であるノーマルポートに関する一覧情報であるノーマルポート一覧情報を通信部24によって端末30Aに送信する(S130)。なお、ポート一覧要求情報に端末30Aの位置情報が含まれる場合、ノーマルポート一覧情報には、端末30Aの位置から所定範囲にあるノーマルポートに関する一覧情報が含まれるようにしてもよい。
【0095】
通信部32によってサーバ20からノーマルポート一覧情報を受信すると、端末30Aの制御部31は、受信したノーマルポート一覧情報を表示部34に表示出力する(A140)。なお、端末30Aの制御部31は、受信したノーマルポート一覧情報を音出力部36に音出力するようにしてもよい。
【0096】
サーバ20の制御部21は、例えば、ポート一覧要求情報を送信した端末30Aのユーザがレジデンシャルユーザか否かを判定する(S140)。判定処理において、サーバ20の制御部21は、例えば、アカウント登録データ253のレジデンシャルユーザ情報を参照し、端末30AのユーザIDと紐づけられたレジデンシャルポートのポートIDと、適用インセンティブのパターンとを読み込む。
【0097】
例えば、端末30AのユーザIDにレジデンシャルポートのポートIDが紐づけられており、レジデンシャルユーザであると判定する場合(S140:YES)、サーバ20の制御部21は、例えば、ポート管理データ255を参照し、端末30AのユーザIDと紐づけられたレジデンシャルポートのポートIDに対応するレジデンシャルポートに関する一覧情報であるレジデンシャルポート一覧情報(例えば、そのユーザが出発地又は目的地として選択可能(利用可能)なレジデンシャルポートの一覧)を通信部24によって端末30Aに送信する(S150)。
【0098】
このように、端末30Aに入力されたコードが、配付されたレジデンシャルコードと一致したこと(読み取られたコードが所定の施設に関連付けられていること)に基づいて、所定の施設に対応するポートの優先的な利用を可能としている。本例では、レジデンシャルユーザに対してのみ、レジデンシャルポート一覧情報が送信されることにより(S140,S150)、レジデンシャルユーザのみが、レジデンシャルポート一覧に含まれるポートを出発地又は目的地として選択可能である。
【0099】
なお、例えば、レジデンシャルポート一覧情報に、各レジデンシャルポートにおいて適用されるインセンティブのパターンやインセンティブの内容等の情報を含めるようにしてもよい。この場合、端末30Aで表示されるレジデンシャルポート一覧情報には、レジデンシャルポートとともに、そのレジデンシャルポートに対応したインセンティブの内容(例えば、適用されるインセンティブのパターン)が表示されてもよい。これにより、ユーザは、インセンティブの内容を確認して利用するか否かを判断できる。
【0100】
端末30AのユーザIDにレジデンシャルポートのポートIDが紐づけられておらず、レジデンシャルユーザではないと判定する場合(S140:NO)、サーバ20の制御部21は、S150のステップをスキップさせる。
【0101】
通信部32によってサーバ20からレジデンシャルポート一覧情報を受信したと判定する場合(A150:YES)、端末30Aの制御部31は、受信したレジデンシャルポート一覧情報を表示部34に表示出力する(A160)。なお、端末30Aの制御部31は、受信したレジデンシャルポート一覧情報を音出力部36に音出力するようにしてもよい。
【0102】
通信部32によってサーバ20からレジデンシャルポート一覧情報を受信しないと判定する場合(A150:NO)、端末30Aの制御部31は、A160のステップをスキップさせる。
【0103】
端末30Aの制御部31は、例えば、入出力部33に対するユーザ操作に基づいて、ノーマルポート一覧情報と、受信したレジデンシャルポート一覧情報とから、貸し出しを受けるマイクロモビリティ装置10の出発ポートと目的ポートを受け付けると、指定された各ポートIDを含む出発・目的ポート情報を通信部32によってサーバ20に送信する(A170)。
【0104】
なお、サーバ20の制御部21は、ポート種別が「レジデンシャル」である全ての又は端末30Aの位置から所定範囲にあるレジデンシャルポートに関する一覧情報であるレジデンシャルポート一覧情報を通信部24によって端末30Aに送信するようにしてもよい。レジデンシャルポート一覧情報には、端末30AのユーザIDと紐づけられたレジデンシャルポートのポートIDに基づいて、選択可能なポートIDに関する情報を含めるようにしてもよい。そして、端末30Aの制御部31は、一覧表示されたレジデンシャルポートのうち、端末30AのユーザIDと紐づけられたレジデンシャルポートのポートIDのみ指定可能であるようにしてもよい。
【0105】
すなわち、端末30Aにおいて、端末30AのユーザIDと紐づけられたレジデンシャルポート(レジデンシャルコードで指定されたポート)以外のレジデンシャルポートの位置および/又はインセンティブの内容も閲覧可能ではあるが、使用に際してインセンティブの適用対象となるポートは、端末30AのユーザIDと紐づけられたレジデンシャルポート(レジデンシャルコードで指定されたポート)のみとしてもよい。
【0106】
また、例えば、目的ポートは、後述するマイクロモビリティ乗車情報の送信(A180)と共に受け付けるようにしてもよい。
【0107】
通信部24によって端末30Aから出発・目的ポート情報を受信したと判定する場合、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ割り当て処理を実行する(S160)。
【0108】
マイクロモビリティ割り当て処理において、サーバ20の制御部21は、例えば、マイクロモビリティ管理データベース257を参照し、出発ポートのポートIDに駐車中のマイクロモビリティ装置10(すなわち、使用履歴管理データにおいて、ユーザが乗車中ではなく、かつ最新の目的ポートIDが出発・目的ポート情報の出発ポートIDと一致するマイクロモビリティ装置10)を判定する。ここでは、例えば、マイクロモビリティ装置10Aが当該マイクロモビリティ装置10であると判定されたとする。
【0109】
すると、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ装置10Aのマイクロモビリティ管理データ(マイクロモビリティ装置10AのマイクロモビリティIDに関連付けられているデータ)を参照し、使用履歴管理データに使用ユーザID(この場合、端末30AのユーザAのユーザID)と、出発ポートIDと、目的ポートIDとを追加し関連付けて記憶させる。なお、サーバ20の制御部21は、出発ポートID又は目的ポートIDがレジデンシャルポートである場合、レジデンシャルポートと関連付けられたインセンティブのパターンを適用インセンティブに記憶させるようにしてもよい。
【0110】
なお、例えば、サーバ20の制御部21は、ポート一覧要求情報を受信したと判定する場合、端末30Aの位置情報に基づいて、マイクロモビリティ割り当て処理を仮実行し、端末30Aの近辺で使用可能なマイクロモビリティ装置10が存在するポートを各ポート一覧情報に含めるようにしてもよい。また、端末30Aの近辺の周囲でマイクロモビリティ装置10が駐車可能なスペースを有するポートを各ポート一覧情報に含めるようにしてもよい。
【0111】
また、サーバ20の制御部21がマイクロモビリティ割り当て処理を仮実行することで、端末30Aの制御部31は、ユーザAが乗車を希望するマイクロモビリティ装置10を指定するための 入力を受け付け、指定されたマイクロモビリティ装置10のマイクロモビリティIDを出発・目的ポート情報に含めるようにしてもよい。この場合、サーバ20において、マイクロモビリティ割り当て処理が完了することで、マイクロモビリティIDが、ユーザID、並びに、出発ポートID及び目的ポートIDと関連付けられる。
【0112】
例えば、マイクロモビリティ割り当て処理を実行すると、サーバ20の制御部21は、端末30AのユーザIDを含むマイクロモビリティ乗車ユーザ情報を、通信部24によって、割り当てを行ったマイクロモビリティ装置10Aに送信する(S170)。
【0113】
なお、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ割り当て処理を実行すると、割り当てを行ったマイクロモビリティ装置10AのマイクロモビリティIDを含む乗車用コード情報を、通信部24によって端末30Aおよび/又はマイクロモビリティ装置10Aに送信するようにしてもよい。
【0114】
通信部14によってサーバ20からマイクロモビリティ乗車ユーザ情報を受信したと判定する場合、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、ユーザ乗車待機処理を実行する(M120)。
ユーザ乗車待機処理において、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、表示部13に乗車予約が入っていることを示す情報を表示出力させるようにしてもよい。
なお、ユーザ乗車待機処理において、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、アクチュエーターによってマイクロモビリティ装置10Aが移動できないようにロックをかける制御を実行するようにしてもよい。
【0115】
例えば、端末30Aのユーザによるマイクロモビリティ装置10Aと関連付けられた車両コード情報(例えば、QRコード)の撮像操作に基づいて、端末30Aの制御部31は、例えば、車両コード情報と端末30AのユーザIDとを含むマイクロモビリティ乗車情報を通信部32によってサーバ20に送信する(A180)。なお、マイクロモビリティ乗車情報(A180)は、例えば、端末30Aのユーザがマイクロモビリティ装置10Aの出発ポートに到達し、マイクロモビリティ装置10Aへの乗車を開始する操作を実行したことに基づいて(このマイクロモビリティ装置10Aにおける操作の検出情報がサーバ20に送信され、サーバ20から端末30Aに操作の確認情報が送信されたことに基づいて)、送信されてもよい。
【0116】
なお、例えば、マイクロモビリティ装置10Aに対する乗車用コード情報の入力操作に基づいて、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、マイクロモビリティ乗車情報を通信部14によってサーバ20に送信するようにしてもよい。
【0117】
例えば、通信部24によって端末30A(及び/又はマイクロモビリティ装置10A)からマイクロモビリティ乗車情報を受信したと判定する場合、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ出発登録処理を実行する(S180)。
マイクロモビリティ出発登録処理において、サーバ20の制御部21は、例えば、マイクロモビリティ管理データベース257を参照し、マイクロモビリティ装置10Aのマイクロモビリティ管理データにおいて、使用履歴管理データの使用開始日時を更新して記憶する。
また、マイクロモビリティ出発登録処理において、サーバ20の制御部21は、例えば、マイクロモビリティ装置10Aのロックを解除し乗車を許可するためのユーザ乗車情報を通信部24によってマイクロモビリティ装置10Aに送信するようにしてもよい。
【0118】
通信部14によってサーバ20からユーザ乗車情報を受信したと判定する場合、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、ユーザ乗車処理を実行する(M130)。
ユーザ乗車処理において、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、アクチュエーターによってマイクロモビリティ装置10Aが移動できるようにロックを開錠する制御を実行するようにしてもよい。また、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、電動キックボードの駆動回路を起動し、バッテリー走行可能な状態にする制御を実行するようにしてもよい。
【0119】
なお、例えば、マイクロモビリティ装置10Aに対する乗車用コード情報の入力操作に基づいて、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、ユーザ乗車処理を実行するようにしてもよい。
【0120】
例えば、マイクロモビリティ装置10Aが目的ポートに到着し、端末30Aのユーザによる返却操作が実行されたと判定する場合、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、ユーザ降車処理を実行する(M140)。
ユーザ降車処理において、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、アクチュエーターによってマイクロモビリティ装置10Aが移動できないように施錠する制御を実行するようにしてもよい。また、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、電動キックボードの駆動回路を切断し、バッテリー走行不能な状態にする制御を実行するようにしてもよい。
そして、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、車両が目的ポートに到着したことを示すユーザ降車情報を通信部14によってサーバ20に送信するようにしてもよい。
【0121】
なお、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、例えば、位置情報を取得し、目的ポートに到着したと判定する場合、ユーザ降車情報を通信部14によってサーバ20に送信するようにしてもよい。
【0122】
例えば、通信部24によってマイクロモビリティ装置10Aからユーザ降車情報を受信したと判定する場合、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ到着登録処理を実行する(S190)。
マイクロモビリティ到着登録処理において、サーバ20の制御部21は、例えば、マイクロモビリティ管理データベース257を参照し、マイクロモビリティ装置10Aのマイクロモビリティ管理データにおいて、使用履歴管理データの使用終了日時を更新して記憶する。
【0123】
また、マイクロモビリティ到着登録処理において、サーバ20の制御部21は、例えば、使用開始日時と使用終了日時とに基づいて、マイクロモビリティ装置10Aの使用料金を算出する。
使用料金は、例えば、以下の式で算出するようにしてもよい。
使用料金=(使用終了日時-使用開始日時)で算出された使用期間(分単位)×15(円)
なお、使用料金は、例えば、出発ポートと目的ポートとの間の距離に比例する金額としてもよい。
【0124】
なお、端末30Aの制御部31は、例えば、入出力部33に対するユーザ操作に基づいて、マイクロモビリティ装置10Aを目的ポートに返却するための車両返却情報を通信部32によってサーバ20に送信するようにしてもよい。車両返却情報には、例えば、端末30Aの位置情報やマイクロモビリティ装置10Aと関連付けられた車両コード情報、ポートを識別するためのコード情報(例えば、QRコード)等を含めるようにしてもよい。
【0125】
通信部24によって端末30Aから車両返却情報を受信したと判定する場合、サーバ20の制御部21は、例えば、マイクロモビリティ到着登録処理を実行し、マイクロモビリティ装置10Aを施錠し乗車を不能とするためのユーザ降車情報を通信部24によってマイクロモビリティ装置10Aに送信するようにしてもよい。
通信部14によってサーバ20からユーザ降車情報を受信したと判定する場合、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、ユーザ降車処理を実行するようにしてもよい。
【0126】
なお、例えば、ユーザ乗車処理とユーザ降車処理とが行われる間、マイクロモビリティ装置10Aの制御部11は、所定間隔又は所定時刻ごとに現在位置を取得し、通信部14によってサーバ20に送信するようにしてもよい。
また、例えば、ユーザ乗車処理とユーザ降車処理とが行われる間、端末30Aの制御部31は、所定間隔又は所定時刻ごとに現在位置を取得し、通信部32によってサーバ20に送信するようにしてもよい。
【0127】
通信部24によってマイクロモビリティ装置10Aおよび/又は端末30Aから現在位置を取得すると、サーバ20の制御部21は、例えば、マイクロモビリティ管理データベース257を参照し、マイクロモビリティ装置10Aのマイクロモビリティ管理データにおいて、時系列に沿ったマイクロモビリティの位置情報を記録するようにしてもよい。
【0128】
例えば、サーバ20の制御部21は、マイクロモビリティ到着登録処理を実行すると、マイクロモビリティ装置10Aのマイクロモビリティ管理データを参照し、マイクロモビリティ到着登録処理が行われた使用履歴管理データにおいて、適用インセンティブが存在するか否かを判定する(S200)。
なお、サーバ20の制御部21は、例えば、レジデンシャルユーザ情報と、マイクロモビリティ装置10Aのマイクロモビリティ管理データを参照し、マイクロモビリティ到着登録処理が行われた使用履歴管理データにおける出発ポートID又は目的ポートIDに、関連付けられたインセンティブのパターンが存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0129】
今回の乗車がインセンティブ適用対象であると判定する場合(S200:YES)、サーバ20の制御部21は、インセンティブ反映処理を実行する(S210)。
インセンティブ反映処理において、サーバ20の制御部21は、例えば、適用インセンティブのパターンに基づいて、使用料金を再計算するようにしてもよい。
【0130】
例えば、パターンが「パターンA」(利用料金15%割引)である場合、サーバ20の制御部21は、使用料金から15%を割引き、インセンティブ適用後の使用料金を算出するようにしてもよい。
また、例えば、パターンが「パターンB」(30分間無料)である場合、サーバ20の制御部21は、使用履歴管理データを参照し、使用期間から30分間を差し引いたインセンティブ適用後の使用料金を算出するようにしてもよい。
【0131】
インセンティブ適用対象ではないと判定する場合(S200:NO)、サーバ20の制御部21は、S210のステップをスキップさせる。
【0132】
そして、サーバ20の制御部21は、例えば、使用料金を含むマイクロモビリティ利用結果情報を通信部24によって端末30Aに送信する(S220)。
なお、マイクロモビリティ利用結果情報には、適用されたインセンティブに関する情報や、出発ポート・目的ポートに関する情報、乗車経路や経過時間等、様々な情報を含めるようにしてもよい。
【0133】
通信部32によってサーバ20からマイクロモビリティ利用結果情報を受信したと判定する場合、端末30Aの制御部31は、受信したマイクロモビリティ利用結果情報を表示部34に表示出力する(A190)。なお、端末30Aの制御部31は、受信したマイクロモビリティ利用結果情報を音出力部36に音出力するようにしてもよい。
【0134】
図1-11~
図1-12は、端末30Aの表示部34に表示される、MMシェアリングアプリケーションの表示画面の一例である。この例では、端末30の構成の一例として、スマートフォンの表示画面の例を示す。
【0135】
図1-11左側は、MMシェアリングアプリケーションの出発ポート指定画面の一例である。この画面では、例えば、端末30Aの位置情報が画面中央に黒丸で表示され、周辺の地図情報が地図表示領域MRに表示されるように構成されている。
また、出発ポート指定画面では、例えば、地図表示領域MRに重畳して、ポートを探す条件を指定するためのポート条件指定領域PCRが表示されるように構成されている。
【0136】
ポート条件指定領域PCRでは、例えば、ポートで利用可能な電動キックボードが存在するポートを探すための「機体あり」と、電動キックボードを返却可能なポートを探すための「返却枠あり」とを指定することができる。この画面では、例えば、「機体あり」が選択され、白黒反転表示されている。
【0137】
また、地図表示領域MRには、例えば、ポート条件指定領域PCRで指定された条件に基づくポートが、白丸で抜かれた黒色のピンマークで地図上の位置と紐づけられて表示されるように構成されている。
この画面では、例えば、端末30Aの存在する黒丸の周辺にはポートが存在しないことがわかる。
【0138】
例えば、地図表示領域MRの左上側には、MMシェアリングアプリケーションのメニュー画面を表示させるためのメニューボタンMNBが表示されるように構成されている。
【0139】
例えば、ユーザによってメニューボタンMNBがタップ操作されると、例えば、
図1-11右側の表示画面に表示が変わる。
【0140】
この画面では、例えば、地図表示領域MRに重畳して、メインメニュー表示領域MNRが表示されるように構成されている。
【0141】
メインメニュー表示領域MNRには、例えば、電動キックボードの利用履歴を確認するための「利用料金確認」ボタンや、アカウント情報を確認・編集するための「ユーザ情報確認」ボタン等の各種機能ボタンが表示されるように構成されている。
【0142】
例えば、ユーザによってレジデンシャルコードを入力するための「レジデンシャルコード入力」ボタンがタップ操作されると、例えば、
図1-12左側の表示画面に表示が変わる。
【0143】
この画面では、例えば、地図表示領域MRに重畳して、上部に「コードを入力してください」というレジデンシャルコードの入力を促すメッセージが表示されるように構成されている。また、例えば、レジデンシャルコードを入力するためのコード入力表示領域CRRが画面中央部に表示されるように構成されている。
また、画面下部には、レジデンシャルコードを入力するためのテンキー入力領域がせり上がり表示されるように構成されている。
【0144】
コード入力表示領域CRRには、例えば、数字文字列(あるいは英字及び数字の文字列)でエンコードされたレジデンシャルコードを入力するためのレジデンシャルコード入力領域が表示されるように構成されている。この画面では、例えば、レジデンシャルコード入力領域には、「1123581321」というコードがユーザ操作によって入力されている。
レジデンシャルコードの形態は任意であり、例えば、数字、アルファベット及び記号の組み合わせであってもよい。
【0145】
また、レジデンシャルコード入力領域の下には、例えば、レジデンシャルコード入力領域に入力されたレジデンシャルコードを送信するための「入力」ボタンBT1と、QRコード等でエンコードされたレジデンシャルコードを撮像部37によって読み取るための「コード撮影」ボタンBT2とが表示されるように構成されている。なお、レジデンシャルコードが文字例のみである場合には、この「コード撮影」ボタンは設けなくてもよい。
【0146】
例えば、レジデンシャルコード入力領域にレジデンシャルコードが入力され、ユーザによって「入力」ボタンBT1がタップ操作されると、例えば、
図1-12右側の表示画面に表示が変わる。
【0147】
この画面では、例えば、端末30Aの存在する黒丸付近に、入力されたレジデンシャルコードに対応するレジデンシャルポートが新たに表示されている。なお、レジデンシャルポートとノーマルポートとは、例えば、色や大きさ等表示態様が異なるようにしてもよい。
例えば、入力されたレジデンシャルコードによって出現したレジデンシャルポートがユーザによってタップ操作されると、例えば、ポート情報表示領域PIRが画面下部からせり上がり表示されるように構成されている。
【0148】
ポート情報表示領域PIRでは、例えば、ポート名(この例では、「レジデンス渋谷2」)と、このポートで利用可能な電動キックボードの残り台数(この例では、「3台」)と、このポートに返却可能な電動キックボードの残り台数(この例では、「0台」)と、ポートが設置されている建物の外観が表示されるように構成されている。また、例えば、ポート名の下方には、このポートがレジデンシャルポートであることに基づいて、このポートはレジデンシャルユーザしか利用することができない旨、ポートを利用する際に適用されるインセンティブ(この例では、「料金割引」)に関する情報、または、レジデンシャルユーザのみが使用可能である旨の情報が表示されるように構成されている。
【0149】
例えば、ユーザによってポート情報表示領域PIR最下部に表示される「ロック解除」ボタンがタップ操作されると、目的ポートを選択するための目的ポート指定画面に表示が遷移する。
【0150】
[第1実施例の効果]
ユーザの端末30Aに入力されたコードが、所定の施設に関連付けられていることに基づいて、シェアリングサービスの利用料金に割引が適用されることにより、ユーザにインセンティブを付与することでき、シェアリングサービスの利用を促進することができる。また、所定の施設に対応したポートの優先的な利用を可能とすることによっても、ユーザにインセンティブを付与することでき、シェアリングサービスの利用を促進することができる。
【0151】
[第1変形例(1)]
上記の実施例では、ユーザが端末30Aに入力したレジデンシャルコードに基づいて、(1)シェアリングサービスの利用料金に割引が適用されるインセンティブと、(2)所定の施設に対応したポートの優先的な利用が可能となるインセンティブと、が何れも付与される例について説明したが、これに限らず、(1)及び(2)の何れか一方のみが付与されてもよい。
【0152】
例えば、
図1-9におけるS150の処理は、ポート一覧要求情報(A130)を送信した端末30のユーザが、レジデンシャルユーザではない場合にも実行され、そのユーザがレジデンシャルポートを使用可能であるが、
図1-10におけるS210の利用料金割引は適用されない(レジデンシャルユーザに対してのみ適用される)ようにしてもよい。この場合、レジデンシャルコードには、ポートIDは含まれず、適用インセンティブのパターンのみが含まれるようにしてもよい。
一方、
図1-9におけるS150の処理は、ポート一覧要求情報(A130)を送信した端末30のユーザが、レジデンシャルユーザである場合にのみ実行され、レジデンシャルユーザのみがレジデンシャルポートを使用可能であるが、
図1-10におけるS210の利用料金割引はレジデンシャルユーザであるか否かによらず適用される(レジデンシャルユーザでない場合にも、アプリケーションを介して提供されたレジデンシャルコードに基づくインセンティブのパターンが記憶されており、ノーマルポートを利用した場合にそのパターンが適用されうる)ようにしてもよい。
【0153】
[第1変形例(2)]
上記の実施例では、端末30Aのユーザ(レジデンシャルユーザ)は集合住宅の居住者であることとしたが、これに限定されない。例えば、レジデンシャルユーザは、集合住宅の居住者以外の関係者を含んでもよい。ここで、居住者以外の関係者とは、集合住宅への訪問者や、集合住宅の管理人等の従業員、集合住宅を保有又は管理・運営する事業者の従業員、集合住宅の居住者の友人や家族等としてもよい。または、集合住宅への滞在時間(例えば、集合住宅として定義された領域内に、ユーザの端末30Aの位置情報が含まれていた時間を算出する)によって関係者かどうかを判断してもよいし、又はユーザの過去の滞在時間に応じて割引率や優先度合いを変化させることとしてもよい。
【0154】
例えば、レジデンシャルコードを入力した端末30Aのユーザの、対応する集合住宅における滞在時間が、所定期間(例えば、過去1ヶ月、過去1週間等)の平均で1日のうち8時間以上滞在していれば利用料金を20%割引、4~8時間であれば利用料金を10%割引、2~4時間であれば5%割引とし、2時間未満であれば割引なしとしてもよい。
【0155】
このように、レジデンシャルポートの使用にあたって利用可能とすることに加えて、インセンティブを与えることで、集合住宅の価値向上を図ることができるとともに、マイクロモビリティのシェアリングサービスの使用を促進できる。
【0156】
なお、1つの集合住宅に関して複数のレジデンシャルコードを発行することで、例えば、集合住宅の居住者に対しては高い割引率等インセンティブを高く設定し、集合住宅の関係者に対しては低い割引率等インセンティブを低く設定するようにしてもよい。例えば、集合住宅の居住者に対してはレジデンシャルポートの使用と割引等追加インセンティブの付与を、集合住宅の関係者に対してはレジデンシャルポートの使用のみを、それぞれ可能とするようにしてもよい。
【0157】
上記の実施例では、レジデンシャルコードが、集合住宅の居住者等に配付されている例を示したが、これに限らず、集合住宅の敷地内であって集合住宅の関係者以外は許諾なしに立ち入ることができない場所(アクセスが不可能な場所)、例えば、居住者専用の共有スペースに表示されていてもよい。
上記の実施例では、レジデンシャルポートが、集合住宅(コードに関連付けられた施設)の敷地内に設置されている例について説明したが、これに限らず、集合住宅の敷地内ではないが集合住宅から所定距離内(例えば300m以内の近距離)に設置されていてもよい。
【0158】
[第1変形例(3)]
上記の実施例では、レジデンシャルコードは、1以上のポートIDと適用インセンティブのパターンとを関連づけて永続的に利用可能とするコードとしたが、これに限定されない。例えば、レジデンシャルコードで使用可能となるレジデンシャルポートは、ポートIDで指定されたポートを中心に所定範囲(例えば、「半径300メートル」)内に存在するポート種別「レジデンシャル」のポートとしてもよい。
【0159】
また、例えば、レジデンシャルコードで使用可能となるレジデンシャルポートは、ポートIDで指定されたポートであるが、インセンティブは、ポートIDで指定されたポートを中心に所定範囲内に存在するポートを出発ポート又は目的ポートとする場合、適用されることとしてもよい。
【0160】
なお、レジデンシャルコードで使用可能となるレジデンシャルポートと、周囲のポートとでは、インセンティブに差を設けてもよい。例えば、レジデンシャルポートでの割引率を「15%」、周辺ポートでの割引率を「5%」としてもよい。
すなわち、レジデンシャルコードで利用可能となるポートから離れるにつれ、インセンティブを低く設定するようにしてもよい。これにより、レジデンシャルポートの利活用を促進することができる。
【0161】
逆に、例えば、レジデンシャルポートでの割引率を「10%」、周辺ポートでの割引率を「15%」としてもよい。
すなわち、レジデンシャルコードで利用可能となるポートから離れるにつれ、インセンティブを高く設定するようにしてもよい。これにより、通勤等で混みあうレジデンシャルポートから少し離れたノーマルポートの利活用を促進することができる。
【0162】
[第1変形例(4)]
上記の実施例では、入力されたレジデンシャルコードが恒久的に有効な例を例示したが、これに限定されない。例えば、レジデンシャルコードの入力に基づくレジデンシャルポートの利用及び/又はインセンティブ付与に期間制限を設定するようにしてもよい。
【0163】
例えば、レジデンシャルコードが端末30Aによって入力され、所定期間(例えば、「3か月」)はレジデンシャルポートの利用が優先的に可能となるようにしてもよい。また、レジデンシャルコードが端末30Aによって入力され、所定回数(例えば、「30回」)目的ポート又は出発ポートとしてレジデンシャルポートが指定されると、レジデンシャルポートの利用に制限がかかるようにしてもよい。
【0164】
なお、レジデンシャルコードが端末30Aによって入力され、所定期間又は所定回数が経過すると、レジデンシャルポートの利用は可能であるが、使用料金割引等のインセンティブ適用がされないようにしてもよい。
また、期間の経過又は使用回数の増加に伴い、使用料金割引等のインセンティブ適用が徐々に低くなっていくようにしてもよい。また、レジデンシャルポートの利用が優先的に利用可能な期間(一方の所定期間)と、料金割引が適用可能となる期間(他方の所定期間)とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0165】
なお、サーバ20の制御部21は、例えば、レジデンシャルユーザ登録処理において、一度使用されたレジデンシャルコードを無効化するようにしてもよいし、所定回数使用されるとレジデンシャルコードを無効化するようにしてもよい。
また、サーバ20の制御部21は、例えば、レジデンシャルコード生成処理において、レジデンシャルコードに使用期限を設定できるようにしてもよいし、レジデンシャルコード登録処理を受け付け可能な端末30の位置情報範囲を設定できるようにしてもよい。
【0166】
[第1変形例(5)]
上記の実施例では、レジデンシャルコードに紐づけられたレジデンシャルポートは、レジデンシャルコードを入力した端末30において使用可能なポートとしたが、これに限定されない。例えば、レジデンシャルポートは、レジデンシャルコードを入力しない端末30からも使用可能なポートとしてもよい。
【0167】
この場合、例えば、レジデンシャルポートに駐車されるマイクロモビリティを、レジデンシャルコードが入力された場合に使用可能なマイクロモビリティと、レジデンシャルコードの入力なしに使用可能なマイクロモビリティとで構成するようにしてもよい。
これにより、レジデンシャルコードを入力したユーザは、レジデンシャルポートに駐車されるマイクロモビリティを、優先的に利用することができる。
【0168】
[第1変形例(6)]
上記の実施例では、レジデンシャルコードは、所定の施設に関連付けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、レジデンシャルコードは、スポーツ、コンサート、映画等の人為的なイベントや、天気、交通渋滞等の非人為的なイベントに関連付けられてもよい。例えば、イベントの期間と、その前後の所定期間は、イベント参加者に提供されたレジデンシャルコードによって、イベント会場近辺に設置されたポートを優先的に利用することが可能となり、シェアリングサービスの料金割引が適用されるようにしてもよい。
【0169】
例えば、ユーザが映画を視聴する場合、映画上映に関連する所定の場所、例えば、映画のチケット、映画上映をするスクリーン、映画館内の所定の場所等にレジデンシャルコードが表示されていてもよく、そのレジデンシャルコードを端末30で読み込むことによって、映画上映に関連する所定期間、例えば、上映時刻1時間前から上映終了時刻1時間後までの期間は、映画館近くのポートを優先的に利用することが可能となり、シェアリングサービスの料金割引も適用されるようにしてもよい。
なお、レジデンシャルコードは、集合住宅や施設で開催されるイベント(例えば、施設内で行われる交流会や記念行事等のイベントチケット)によって配付されることとしてもよい。
【0170】
さらには、レジデンシャルコードは、例えば、電車やバス等の交通機関サービス、レストランやカフェ等の飲食サービス、ホテルやモーテル等の宿泊・休憩サービス、スパや美容院等の健康・ウェルネスサービス、銀行やATM等の金融サービスなど、任意のサービスに関連付けられてもよい。この場合、これらのサービスの提供場所、サービスの提供を受ける者の利用に供する物(例えば、デパートでのショッピングカートや、カフェでのマグカップ等)、サービスの提供を受ける者のそのサービスの提供に係る物(例えば、クリーニングサービスにおいて仕上がった服に付されたタグ等)、サービスの広告(例えば、看板やチラシ等)、価格表、取引書類(例えば、レシート等)などにレジデンシャルコートが付され、そのコードを入力することでディスカウントが適用されることとしてもよい。
例えば、サービスの提供を受けた後の所定期間は、サービスの提供場所やサービスに関連する場所(例えば、カフェであればテイクアウトしてリラックスすることが想定される近くの公園等)近辺に設置されたポートを優先的に利用することを可能としたり、シェアリングサービスの料金割引が適用されたりすることで、よりユーザの行動に沿ったシェアリングサービスが提供できる。
【0171】
さらには、レジデンシャルコードは、例えば、衣服、食料品、雑貨品、電化製品、書籍など、任意の製品に関連付けられてもよい。
例えば、製品を購買した後や、製品、製品の広告、製品の包装、価格表、取引書類などに付されたコードを読みこむことで、製品の購買場所や製品に関連する場所近辺に設置されたポートを優先的に利用することが可能としたり、シェアリングサービスの料金割引が適用されたりしてもよい。
【0172】
さらには、レジデンシャルコードは、個人事業主、法人事業者、公共・非営利事業者、特殊法人、NPO、NGO、自治体等など、任意の事業者に関連付けられてもよい。
例えば、事業者によるサービスを享受している(例えば、自治体が管轄する地域に居住している)場合には、事業者に対応する場所(事業者が所有する建物、土地等のほか、事業者が直接的又は間接的に管理する建物、土地等)近辺に設置されたポートを優先的に利用することが可能となり、シェアリングサービスの料金割引が適用されるようにしてもよい。
【0173】
上記の実施例では、レジデンシャルコードが関連付けられる施設が、集合住宅である例について説明したが、これに限定されない。例えば、レジデンシャルコードは、ショッピングモール、オフィスビル、ホテル、公共施設、駅等の施設で配付されることとしてもよい。例えば、ショッピングモールの店舗で購入者に渡されたレシートにレジデンシャルコードが表示されており、ユーザ(購入者)が端末30にレジデンシャルコードを入力することによって、その後の所定期間(例えば、ショッピングモールの閉店までの期間)は、ショッピングモール近辺に設置されたポートを優先的に利用することが可能となり、シェアリングサービスの料金割引が適用されるようにしてもよい。
【0174】
また、レジデンシャルコードが関連付けられる施設は、ゲームセンター、カラオケボックス等のレジャー施設であってもよい。例えば、レジデンシャルコードは、レジャー施設にて所定金額以上の料金を支払ったユーザ、所定期間以上滞在したユーザ、ゲームセンターにおいてゲームで高得点をあげたユーザ、カラオケボックスにおける採点で高得点をあげたユーザ等、レジャー施設に関連して何らかの条件を満たしたユーザに対して提供されてもよい。この場合、例えばレジャー施設に対応したレジャーの終了から所定期間は、レジャー施設近辺に設置されたポートを優先的に利用することが可能となり、シェアリングサービスの料金割引が適用されるようにしてもよい。ここで、例えば、レジャーの結果に応じて(例えば、支払った料金額、滞在時間、ゲームの得点、カラオケの採点が高いほど)料金割引の割引率が高くなるようにしてもよく、長期間の割引が適用されるようにしてもよい。
【0175】
レジデンシャルコードは、例えば、より一般的に特典コードや優先コード、占有コードと呼んでもよい。また、レジデンシャルポートは、例えば、特典ポートや優先ポート、占有ポートと呼んでもよい。
【0176】
更に例えば、所在地や目的地近辺で交通渋滞や交通機関の事故・遅延が発生していることが探知された場合、端末30に対応するクーポンが配布され、クーポンを適用することで、かかるイベントが発生している地点の近傍に設置されたポートを優先的に利用することを可能としてもよいし、シェアリングサービスの料金割引が適用されるようにしてもよい。
【0177】
このようにすることで、シェアリングサービスのユーザは交通渋滞や交通機関の事故・遅延に由来する混雑にかかわらず速やかに移動することができるとともに、同様の領域にいる他のユーザに対してMMを提供し同様に速やかな移動をさせることができる。
【0178】
[第1変形例(7)]
上記の実施例では、端末で読み取られたコードが、予め配付され記憶されているレジデンシャルコードのリストに含まれることが、所定の施設に関連付けられていることであり、その場合には端末30Aのユーザに対してインセンティブ(利用料金に対する割引の適用、及び/又は、レジデンシャルポートの優先的な利用)が適用される例について説明したが、これに限られない。
【0179】
例えば、端末で読み取られたコードが、予め配付され記憶されているレジデンシャルコードのリストに含まれることに代えて、コードを読み取った端末30Aが、所定の施設から所定範囲内にある(所定の施設に関連する位置にある=所定の施設に関連付けられている)と判定されたことに基づいて、端末30Aのユーザに対してインセンティブ(利用料金に対する割引の適用、及び/又は、レジデンシャルポートの優先的な利用)を適用してもよい。この場合、レジデンシャルコードに相当するコードは、アプリケーションを介してレジデンシャルユーザではないユーザに対しても提供されるが、これに基づくインセンティブ(利用料金に対する割引の適用、及び/又は、レジデンシャルポートの優先的な利用)の適用は、コードを読み取った端末30Aが、読み取りの時点、読み取った後の所定時刻(例えば、毎日0時)又はユーザが指定した時点など、任意の時点において所定の施設から所定範囲内にある場合に限られてもよい。
【0180】
[第1変形例(8)]
上記の実施例では、読み取られたコードが所定の施設に関連付けられていることに基づいて、その施設に対応するレジデンシャルポートを出発ポート又は目的ポートとした場合に、割引が適用される例について説明したが、これに限らず、読み取られたコードが所定の施設に関連付けられていることに基づいて、全てのポートを利用する(任意のポートを出発ポート又は目的ポートとする)場合について、料金割引(第1の割引)が適用されるようにしてもよい。
この場合、その施設に対応するレジデンシャルポートを出発ポート又は目的ポートとした場合には、上記第1の割引(例えば10%割引)に加えて、さらに、第2の割引(追加で20%割引)が適用されるようにしてもよく、その施設に対応するレジデンシャルポートとは異なるポートを利用する場合には、第2の割引は適用されず、第1の割引のみが適用されるようにしてもよい。
このように、ポートの優先的な利用を可能とすることは、読み取られたコードに関連付けられた所定の施設に対応するポートを利用する場合に、第1の割引に加えて第2の割引までも適用されることにより、コードを読み取った端末30のユーザが、そのポートを利用しやすくする(優先的に利用させる)ことを含んでもよい。
【0181】
[第1変形例(9)]
上記の実施例では、出発ポート又は目的ポートがレジデンシャルポートである場合、インセンティブを適用することとしたが、これに限定されない。例えば、出発ポートおよび目的ポートがレジデンシャルポートである場合、インセンティブを適用するようにしてもよい。
【0182】
なお、出発ポート又は目的ポートがレジデンシャルポートである場合、第1パターンのインセンティブを適用し、出発ポートおよび目的ポートがレジデンシャルポートである場合、第2パターンのインセンティブを適用するようにしてもよい。
この場合、例えば、第1パターンのインセンティブは第2パターンのインセンティブより低く設定されるようにしてもよい。また、第2パターンのインセンティブは第1パターンのインセンティブより低く設定されるようにしてもよい。
【0183】
なお、目的ポートが、駅前などで利用需要が高く見込める場合、通常より高い利用料金としてもよい。これにより、需要に応じて利用料金を変化させ、設置台数に偏りが発生しないようにすることができる。
【0184】
[第1変形例(10)]
上記の実施例では、インセンティブのパターンとして使用料金割引やポートの優先利用について例示したが、これに限定されない。例えば、インセンティブのパターンとして、レジデンシャルポート近辺で利用可能なクーポン(例えば、レジデンシャルポートに紐づけられた、又はレジデンシャルポート近傍における店舗・施設や、レジデンシャルポートに紐づけられた店舗・施設またはレジデンシャルポート近傍にて提供されているサービスにて使用可能な電子クーポン)を提供するようにしてもよい。
【0185】
なお、インセンティブのパターンとして、使用料金割引(及び/又はポートの優先利用)と、クーポンとを含めるようにしてもよく、共通のコードによって使用料金割引とクーポンの両方が適用可能であってもよい。
【0186】
[第1変形例(11)]
上記の実施例では、所定の施設又はイベントに対応するポートとして、所定の施設の敷地内、前記所定の施設から所定距離内にあるポートについて優先的な使用を可能とすることについて例示したが、所定の施設又はイベントに対応するポートはこれらに限られない。
例えば、所定の施設又はイベントと何らかの関係(例えば、同じ企業グループによって経営されている、資本関係がある、共同ビジネスを運営している、提携関係にある、等)がある事業者(法人または個人、自治体等)が所有又は運営する施設やサービスに対応するポート(対応の例として、施設であれば、その施設の敷地内又は施設から所定距離内、イベントであれば、イベントが開催されている施設の敷地内又はイベント場所から所定距離内などに存在するポート)であってもよい。例えば、P不動産が経営しているマンションを所定の施設とするならば、同じくP不動産が経営しているショッピングモールにおけるポートについて、ユーザであるそのマンションの居住者に対して優先的な利用を可能としてもよい。
【0187】
この場合における優先的な利用の例として、上述の例の他に、MMの利用に応じて生じる利用料金の一部または全部を、P不動産株式会社(以下、「P不動産」と呼ぶ)と関連がある(例えば、関連会社である等)ショッピングモール等における買い物料金から差し引く(P不動産、及びP不動産と関連があるショッピングモール経営企業のいずれかに利用料金の一部または全部を請求する)こととしてもよい。
例えば、P不動産によるマンションにあるレジデンシャルポートと、P不動産と関連があるショッピングモール経営企業にあるポートとを出発地ポート及び目的地ポートとして設定した場合(順不同でよい)に、ショッピングモール経営企業にそのライドの利用料金の一部または全部を請求することとしてもよく、ショッピングモールにてライド後所定時間内(例えば、12時間以内)に買い物をした場合には、ショッピングモールでの買い物の支払い時にかかる料金をユーザに還元するか、又は支払い後にユーザの口座(例えば、買い物に用いたクレジットカード口座やポイント口座等)にかかる料金を還元することとしてもよい。または、P不動産によるマンションの住居者がそのレジデンシャルポートに関するコードを入力していた場合であって、P不動産が経営しているショッピングモールにある(例えば、当該ショッピングモール内に存在する)ポートを出発地ポート又は目的地ポートとしてMMを利用した場合に、同様の利用料金負担を行わせてもよい。
このようにすることで、MMの利用及びP不動産と関連があるショッピングモール等における買い物の両方の促進を図ることができる。
【0188】
また、例えば、読み込まれたコードが所定の施設又はイベントに関連づけられたものである場合、そのユーザに対して、所定の施設又はイベントと何らかの関係がある施設又はイベントの利用に関して使用できるクーポン(例えば、所定料金を割引する)を配布することとしてもよい。
【0189】
[第1変形例(12)]
上記の実施例では、レジデンシャルコードをユーザが入力することでインセンティブを付与することとしているが、インセンティブの付与を受けるためのトリガーはこれらに限られない。
例えば、事前に登録されている所定の施設又はイベントに対応する、ユーザに関する情報(例えば、住所、メールアドレス、電話番号等)をプロフィールに入力し、認証することによって、対応するインセンティブを付与することとしてもよい。例えば、所定の施設の住所をインセンティブ付与のために登録しておき、その施設の住所(又はその近傍範囲内の住所)を自らの住所としてプロフィールに入力し認証を受けた場合や、事前に所定の施設の居住者又は所定のイベントの関係者のメールアドレスや電話番号がサーバ20等において登録されており、そのメールアドレスや電話番号をプロフィールにおいて入力し認証を受けた場合においては、そのユーザに対して対応するインセンティブを付与することとしてもよい。
【0190】
更には、この順番が逆であってもよい。すなわち、事前にユーザに関する情報をプロフィールに入力され登録されている場合であって、MMを運営する事業者側が新たに所定の施設又はイベントについてのインセンティブを設定する際に、所定の施設又はイベントに対応するユーザに関する情報が登録されているユーザに対して、かかるインセンティブを付与することとしてもよい。
このようにすることにより、例えば、新たな店舗が開業するにあたり、その広告としてMMの利用者にクーポンを付与することを考えたときに、例えばその店舗の近傍を住所とするユーザや、その店舗がチェーン展開されている事業の一部であって、かかる事業についてメールアドレスや電話番号を登録することで会員登録されているユーザに対してインセンティブを付与することで、その店舗への集客を促進することができる。例えば、その店舗において新たにポートを設置する場合は、そのポートの使用についてのインセンティブを付与することが考えられる。
【0191】
[第1変形例(13)]
上記の実施例では、レジデンシャルコード等を入力することでインセンティブが利用可能となり、かかるインセンティブをその後のライドに適用することでメリットを享受可能としているが、これに限られない。ライドの途中またはライドが終了した後に、コードを入力することで、対応するインセンティブ分の料金の返金を受けられるようにしてもよい。
【0192】
例えば、あるユーザが所定のポートを発着地とするライドを終了した後に、友人等からかかるポートに対応するレジデンシャルコードの共有を受けて端末30に入力した場合は、その所定のポートを発着地とするライドについての料金は本来的にはディスカウントを適用したものであったとして、所定のタイミング(例えば、利用月の月末)でディスカウント分の料金の返金を受けられるようにしてもよい。または、返金ではなく、次回以降のライドにて適用することができるライド用のポイントとして付与されるようにしてもよい。
なお、ディスカウントが適用可能なライドは直前のものに限られず、過去に所定期間遡って対応するライドが存在する場合は適用可能としてもよい。この場合、対応するライドが終了した後に、対応するコードの入力がされるまでの制限時間を設定してもよい。例えば、対応するライドが終了した後の1週間以内にコードの入力がなされた場合はディスカウントを適用するが、1週間経過後はディスカウントの適用を不可としてもよい。または、段階を踏んで、1週間経過し2週間経過前であればディスカウントの半分を適用可能とし、2週間経過後は適用不可としてもよい。
【0193】
さらに例えば、ライド中に一旦ライドを中断し、コンビニ等で所定の製品を購入し、その製品またはレシートに付されていたコードを入力する(または、MMを利用するためのアプリに紐づけられた支払いアプリにて精算する)ことで、その時点で進行中のライドや、または過去のライドについてのディスカウントが適用されるようにしてもよい。
【0194】
[第2実施例]
第2実施例は、レジデンシャルコードの生成や適用に伴い、例えば、集合住宅や施設等を運営する事業者や、イベントの運営事業者等からサーバ20の運営者(マイクロモビリティシェアリングサービスの事業者)が利益を受ける実施例である。
第2実施例に記載の内容は、他の各実施例や各変形例のいずれにも適用可能である。
【0195】
図2-1は、本実施例においてサーバ20の記憶部25に記憶される情報の一例である。
記憶部25には、例えば、アプリケーション管理処理プログラム251と、アカウント登録データ253と、ポート管理データ255と、マイクロモビリティ管理データベース257と、ポート報酬管理データ259とが記憶される。
【0196】
例えば、アプリケーション管理処理プログラム251と、アカウント登録データ253と、ポート管理データ255と、マイクロモビリティ管理データベース257とは、第1実施例と同様に構成するようにしてもよい。
【0197】
ポート報酬管理データ259は、例えば、ポートを設置依頼した事業者(例えば、集合住宅や施設等を運営する事業者)から徴収する、レジデンシャルコードの生成や使用に伴う報酬を管理するためのデータであり、そのデータ構成の一例を
図2-2に示す。
ポート報酬管理データ259には、例えば、事業者名と、事業者IDと、管理ポートIDと、累積報酬と、その他事業者情報とが関連付けて記憶される。
【0198】
事業者名は、ポートを設置依頼した事業者の名称であり、例えば、サーバ20のユーザ(シェアリングサービスの運営者)がポートを登録する際に設定した名称が記憶される。
【0199】
事業者IDは、各々の事業者を識別するための情報である。
この事業者IDは、好ましくは事業者ごとに一意な値であり、例えば、サーバ20によって事業者ごとに一意な値(固有の値)が設定されて記憶される。
【0200】
管理ポートIDは、事業者ごとに設置依頼したポートを識別するための情報であり、例えば、サーバ20のユーザがポートを登録する際に設定した事業者IDと対応するポートIDが記憶される。
【0201】
累積報酬は、例えば、ポートを設置依頼した事業者がシェアリングサービスの事業者に対して支払いを行う報酬額を記憶するためのデータである。
【0202】
その他事業者情報には、例えば、ポートを設置依頼した事業者の所在地や法人番号等、種々の情報を含めるようにしてもよい。
【0203】
例えば、
図2-2では、事業者名「X.X」の事業者は、ポート名「渋谷2」(ポートID「P0002」)と「新宿1」(ポートID「P0003」)とを設置依頼したことがわかる。また、事業者名「X.X」の事業者が、シェアリングサービスの事業者に対して支払いを行う報酬額は「30,000円」であることがわかる。
【0204】
例えば、
図1-9において、サーバ20の制御部21は、レジデンシャルコードを生成すると、ポート報酬管理データ259を参照し、レジデンシャルコードで利用可能となるポートIDと紐づけられた累積報酬に所定額(例えば、「500円」)を加算するようにしてもよい。
【0205】
また、例えば、
図1-9において、サーバ20の制御部21は、レジデンシャルユーザ登録処理を実行すると、ポート報酬管理データ259を参照し、使用可能となったレジデンシャルポートのポートIDと紐づけられた累積報酬に所定額を加算するようにしてもよい。
【0206】
なお、例えば、
図1-9において、サーバ20の制御部21は、レジデンシャルユーザ登録処理を実行すると、端末30Aの位置情報を判定し、レジデンシャルポート位置近辺(例えば、レジデンシャルポートが設置された建物敷地内)である場合、ポート報酬管理データ259を参照し、使用可能となったレジデンシャルポートのポートIDと紐づけられた累積報酬に所定額を加算するようにしてもよい。
【0207】
上記の実施例では、この累積報酬に加算される所定額は、マイクロモビリティ装置10Aの利用が終了したことに基づいて決定される(マイクロモビリティ利用結果情報(S220)で通知される額である)例について説明したが、これに限らず、レジデンシャルコードが生成されたことに基づいて決定されてもよく(この場合には、レジデンシャルコードの発行数に対する実際の利用割合を見込んだ額であり、例えば、レジデンシャルコードの発行数に応じた定額とする)、入力されたコードが、予め所定の施設向けに配付されたレジデンシャルコードと一致すること(所定の施設に関連付けられているレジデンシャルコードであること)が確認されたことに基づいて決定されてもよい(この場合には、例えば、レジデンシャルコードが使用された回数に応じた額とする)。
【0208】
[第2実施例の効果]
シェアリングサービスの事業者は、所定施設の利用者やイベントの参加者等にレジデンシャルコードを利用させることによって、通常得られる料金よりも低い料金でシェアリングサービスを利用させたり、レジデンシャルポートを独占的に利用させたりする(所定施設の利用者以外のユーザによる利用機会を放棄する)、という投資が必要となるが、レジデンシャルポートが出発地又は目的地となることにより、所定施設や所定イベントに多くの人を呼び込むという目的が達成され、所定施設や所定イベントの価値が高められたことにより、所定施設の事業者や所定イベントの運営事業者から報酬を受け取ることが可能となる。
【0209】
[第2変形例(1)]
上記の実施例では、ポートを設置依頼した事業者がシェアリングサービスの事業者に対して報酬を支払う例について例示したが、これに限定されない。
例えば、レジデンシャルポートの使用に伴うインセンティブとしてクーポンが提供される場合、提供されたクーポンの使用に伴い、シェアリングサービスの事業者は、クーポンが利用可能な店舗や施設の事業者から報酬を受け取ることができるようにしてもよい。
【0210】
[第3実施例]
第1実施例においては、ユーザが利用する所定の施設、所定のイベント、所定のサービス、所定の製品、又は所定の事業者に関連づけて、ユーザがマイクロモビリティを使用する際に何らかのインセンティブを提供するものであったが、第3実施例は、ユーザの属性に基づいて何らかのインセンティブを提供する実施例である。
第3実施例に記載の内容は、他の各実施例や各変形例のいずれにも適用可能である。また、他の各実施例や各変形例と重複しての適用も可能である。
【0211】
ユーザの属性として、例えば、以下が挙げられる。
・年齢(年齢層)
・性別
・国籍
・居住所
・勤務先住所
・生年月日
・家族構成
・居住物件
・職業
・勤務先・通学先住所
・勤務先・通学先名称
・会員種別
・利用開始以降の累積ライド数
これらのユーザ属性情報の登録方法は任意であるが、例えば、アプリケーションを介してユーザ自身によって入力させたりすることを通じて、ユーザ属性情報がユーザIDに関連付けてサーバ20の記憶部25に記憶されてもよいし、マイナンバーカード、免許証、パスポート等を用いたeKYCによる認証を通じて、外部業者のサーバに記憶されることとしてもよい。
【0212】
例えば、MMを使用しようとするユーザが所定の年齢層(例えば、60歳以上)に属する人物であった場合(例えば、端末30Aから送信された属性情報に基づいてサーバ20が、ユーザが所定の年齢層に属すると判定した場合や、サーバ20が、外部サーバからユーザが所定の年齢層に属するか否かの判定結果を取得した場合等)は、健康増進を目的として、公園そばのポートを目的ポートとする場合や、病院そばのポートを目的とする場合においては、通常時より低額の料金としてもよい。
または、年齢層に応じて所定のポートにおけるMMの予約可能数又は返却可能数の上限を設けてもよい。例えば、ある病院の敷地内のポートにおいては、25歳以下は利用可能数及び返却可能数の上限を3台、25歳~55歳は2台、55歳以上は3台とし、これらの上限を超えた予約又は返却を許可しない構成としてもよい。すなわち、55歳以上の人物であれば、かかるポートにおいて必ず3台のMMは利用可能であり、また3台分の返却スポットが確保されていることとなる。無論、利用可能数と返却可能数は同じであってもよいし、異なる数であってもよい。
【0213】
さらには、例えば、MMを使用しようとするユーザの居住所または勤務先住所が所定の自治体等に属し、かかる自治体において提供されている所定の割引(例えば、住民に対する住民割等)を、自治体内の特定のポートを出発ポートまたは目的ポートとして指定すると受けられるようにしてもよい。
【0214】
さらには、例えば、災害等の有事において、その対応にあたる行政職員等が優先的にMMを使用できるように、ユーザの属性としてユーザの勤務先が所定の行政庁や災害等が発生した地域に対応する自治体の所定の部門である場合には、かかる自治体内の特定のポートを出発ポートまたは目的ポートとして指定すると所定の割引を受けられるようにしてもよいし、または、所定の属性を有するユーザのみがこれらのポートを使用可能としてもよい。
【0215】
さらには、例えば、MMを使用しようとするユーザの生年月日の当日である場合、または誕生月である場合など、生年月日に関連する期間である場合には、かかるユーザによるMMの利用料金の割引を適用したり、居住地そばのポートの優先利用を許可したり、かかるユーザによるMMの移動と一緒にMMで移動する人物(例えば、位置情報により判断したり、出発ポート及び/又は目的ポートの一致、並びに利用時間の一致などにより判断する)の利用料金も割引を適用したりしてもよい。
【0216】
すなわち、登録されたユーザの属性に基づいて、MMの利用に際して何らかのインセンティブ(例えば、利用料金の割引及び/又はポートの優先利用等)を提供することとしてもよい。
【符号の説明】
【0217】
1 マイクロモビリティシェアリングサービスシステム
10 マイクロモビリティ
20 サーバ
30 端末
NW ネットワーク
【要約】
【課題】共同住宅の住居者等に移動体を利用するメリットを提供する。
【解決手段】移動体のシェアリングサービスに関するシステムは、前記シェアリングサービスのユーザに紐づけられた端末を通じてコードを取得するコード取得部と、取得されたコードが、所定の共同住宅等に関連付けられたものであるかどうかを判定する判定部と、所定の共同住宅等に関連付けられたものであると判定されたことに基づいて、端末を用いたシェアリングサービスの利用料金に、第1の割引を適用可能とする割引適用部と、を備える。
【選択図】
図1-1