IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 桐谷 浩孝の特許一覧

特許7579039エアレスタイヤ用のアセンブリ、及びエアレスタイヤ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】エアレスタイヤ用のアセンブリ、及びエアレスタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 7/10 20060101AFI20241030BHJP
   B60C 7/20 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
B60C7/10 D
B60C7/20
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2024552251
(86)(22)【出願日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 JP2024007440
【審査請求日】2024-08-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524326130
【氏名又は名称】桐谷 浩孝
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】桐谷 浩孝
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206297361(CN,U)
【文献】実開昭53-120001(JP,U)
【文献】特開2012-210930(JP,A)
【文献】特開2004-114849(JP,A)
【文献】実開昭54-3704(JP,U)
【文献】実開平7-31410(JP,U)
【文献】特開2000-52708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのホイールのリムに取り付けられる第1端部及び第2端部と非伸長性を有するタイヤカバーの内側において、前記タイヤカバーの周方向の全周に配置されるように構成されたエアレスタイヤ用のアセンブリであって、
円環形状に形成されており、前記円環形状の周方向に沿った第1エッジ部及び第2エッジ部と、非収縮性と可撓性とを有し、前記タイヤカバーのトレッド部の内面に密接するように配置される支持部と、
弾性及び可撓性を有し、前記タイヤカバーのサイド部の内面に密接するように配置される緩衝部と、を備え、
前記支持部と前記緩衝部は、一体の部材又は別体の部材であり、
前記緩衝部は、前記円環形状の円周全体に亘って、前記第1エッジ部から前記第1端部へ向けて延伸した第1緩衝部と、前記第2エッジ部から前記第2端部へ向けて延伸した第2緩衝部と、を含み、
前記第1緩衝部は、前記第1端部よりも前記ホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第3端部を有し、
前記第2緩衝部は、前記第2端部よりも前記径方向外側且つ変位可能に位置する第4端部を有する、
エアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項2】
前記支持部は、前記タイヤカバーの幅方向に沿った幅と、前記タイヤカバーの径方向に沿った厚みと、を有し、円環形状に丸められた帯状の部材であり、
前記支持部と前記緩衝部は一体の部材であり、
前記第1エッジ部は、前記帯状の部材の円周方向に沿った2つの端部のうちの一方であり、
前記第2エッジ部は、前記2つの端部のうちの他方である、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1緩衝部及び前記第2緩衝部には、一定の間隔で切り欠き部が形成されている、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1緩衝部及び前記第2緩衝部は、それぞれ、積層された複数のシート部材を含み、
前記第1緩衝部に含まれる前記複数のシート部材の各々は、前記第3端部を有し、
前記第2緩衝部に含まれる前記複数のシート部材の各々は、前記第4端部を有し、
前記第1緩衝部に含まれる前記複数のシート部材は、前記第1エッジ部から前記第3端部までの長さが互いに異なり、
前記第2緩衝部に含まれる前記複数のシート部材は、前記第2エッジ部から前記第4端部までの長さが互いに異なる、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項5】
前記支持部は、円環形状の圧縮ばね部材であり、
前記タイヤカバーに装着する前の無負荷状態における前記支持部の周長は、前記タイヤカバーの周長よりも長い、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項6】
前記支持部と前記緩衝部は別体の部材であり、
前記支持部は、前記タイヤの幅方向に並べられた複数の分割部材を含む、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の分割部材の各々は、前記タイヤカバーの内面に接する中央部と、前記中央部の両端の各々から延伸した第1直線部及び第2直線部と、を含むアーチ形状に形成されており、
複数の分割部材のうちの1つの分割部材の第1直線部は、前記第1緩衝部に接するように配置され、
前記複数の分割部材のうちの別の1つの分割部材の第2直線部は、前記第2緩衝部に接するように配置され、
前記複数の分割部材のうちの残りの分割部材の前記第1直線部は、隣接する他の分割部材の前記第2直線部と接するように配置される、
請求項6に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項8】
前記支持部と前記緩衝部は別体の部材であり、
前記支持部は、前記タイヤカバーの内面に接する中央部と、前記中央部の両端の各々から延伸した直線部と、を含むアーチ形状に形成されており、
前記直線部の一方は、前記第1緩衝部に接するように配置され、
前記直線部の他方は、前記第2緩衝部に接するように配置される、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項9】
前記支持部と前記緩衝部は別体の部材であり、
前記第1緩衝部は、前記第3端部を有し、前記サイド部の内面に密接するように配置される第1羽根部と、前記第1羽根部に対して屈曲し且つ、前記支持部に接するように配置される第1接触部と、を含み、
前記第2緩衝部は、前記第4端部を有し、前記サイド部の内面に密接するように配置される第2羽根部と、前記第2羽根部に対して屈曲し且つ、前記支持部に接するように配置される第2接触部と、を含む、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項10】
前記支持部は、非伸長性と柔軟性とを有する材質で形成された連結部であって、前記第1緩衝部と前記第2緩衝部とが前記サイド部の内面に密接するように、前記第1緩衝部と前記第2緩衝部とを連結する連結部を更に含む、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項11】
前記支持部は、前記タイヤカバーの幅方向に配置された1つ又は複数のケーシングと、前記ケーシングの各々に収納された1つ又は複数の圧縮ばね部材と、を含み、
前記ケーシングの各々は、円環形状に形成されており、非伸長性と可撓性と前記ホイールに向かって開口した開口部とを有し、
前記圧縮ばね部材の各々は、前記ケーシングの周長よりも長い周長を有する円環形状に形成されている、
請求項1に記載のエアレスタイヤ用のアセンブリ。
【請求項12】
ホイールのリムに取り付けられる第1端部及び第2端部と非伸長性を有するタイヤカバーと、
前記タイヤカバーの周方向の全周に配置されるように構成されたエアレスタイヤ用のアセンブリと、を備えるエアレスタイヤであって、
前記アセンブリは、
円環形状に形成されており、前記円環形状の周方向に沿った第1エッジ部及び第2エッジ部と、非収縮性と可撓性とを有し、前記タイヤカバーのトレッド部の内面に密接するように配置される支持部と、
弾性及び可撓性を有し、前記タイヤカバーのサイド部の内面に密接するように配置される緩衝部と、を備え、
前記支持部と前記緩衝部は、一体の部材又は別体の部材であり、
前記緩衝部は、前記円環形状の円周全体に亘って、前記第1エッジ部から前記第1端部へ向けて延伸した第1緩衝部と、前記第2エッジ部から前記第2端部へ向けて延伸した第2緩衝部と、を含み、
前記第1緩衝部は、前記第1端部よりも前記ホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第3端部を有し、
前記第2緩衝部は、前記第2端部よりも前記径方向外側且つ変位可能に位置する第4端部を有する、
エアレスタイヤ。
【請求項13】
前記支持部は、前記タイヤカバーの幅方向に沿った幅と、前記タイヤカバーの径方向に沿った厚みと、を有し、円環形状に丸められた帯状の部材であり、
前記支持部と前記緩衝部は一体の部材であり、
前記第1エッジ部は、前記帯状の部材の円周方向に沿った2つの端部のうちの一方であり、
前記第2エッジ部は、前記2つの端部のうちの他方である、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項14】
前記第1緩衝部及び前記第2緩衝部には、一定の間隔で切り欠き部が形成されている、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項15】
前記第1緩衝部及び前記第2緩衝部は、それぞれ、積層された複数のシート部材を含み、
前記第1緩衝部に含まれる前記複数のシート部材の各々は、前記第3端部を有し、
前記第2緩衝部に含まれる前記複数のシート部材の各々は、前記第4端部を有し、
前記第1緩衝部に含まれる前記複数のシート部材は、前記第1エッジ部から前記第3端部までの長さが互いに異なり、
前記第2緩衝部に含まれる前記複数のシート部材は、前記第2エッジ部から前記第4端部までの長さが互いに異なる、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項16】
前記支持部は、円環形状の圧縮ばね部材であり、
前記タイヤカバーに装着する前の無負荷状態における前記支持部の周長は、前記タイヤカバーの周長よりも長い、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項17】
前記支持部と前記緩衝部は別体の部材であり、
前記支持部は、前記タイヤの幅方向に並べられた複数の分割部材を含む、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項18】
前記複数の分割部材の各々は、前記タイヤカバーの内面に接する中央部と、前記中央部の両端の各々から延伸した第1直線部及び第2直線部と、を含むアーチ形状に形成されており、
前記複数の分割部材のうちの1つの分割部材の第1直線部は、前記第1緩衝部に接するように配置され、
前記複数の分割部材のうちの別の1つの分割部材の第2直線部は、第2緩衝部に接するように配置され、
前記複数の分割部材のうちの残りの分割部材の前記第1直線部は、隣接する他の分割部材の前記第2直線部と接するように配置される、
請求項17に記載のエアレスタイヤ。
【請求項19】
前記支持部と前記緩衝部は別体の部材であり、
前記支持部は、前記タイヤカバーの内面に接する中央部と、前記中央部の両端の各々から延伸した直線部と、を含むアーチ形状に形成されており、
前記直線部の一方は、前記第1緩衝部に接するように配置され、
前記直線部の他方は、前記第2緩衝部に接するように配置される、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項20】
前記支持部と前記緩衝部は別体の部材であり、
前記第1緩衝部は、前記第3端部を有し、前記内面に密接するように配置される第1羽根部と、前記第1羽根部に対して屈曲し且つ、前記支持部に接するように配置される第1接触部と、を含み、
前記第2緩衝部は、前記第4端部を有し、前記内面に密接するように配置される第2羽根部と、前記第2羽根部に対して屈曲し且つ、前記支持部に接するように配置される第2接触部と、を含む、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項21】
前記支持部は、非伸長性と柔軟性とを有する材質で形成された連結部であって、前記第1緩衝部と前記第2緩衝部とが前記タイヤカバーの内面に密接するように、前記第1緩衝部と前記第2緩衝部とを連結する連結部を更に含む、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【請求項22】
前記支持部は、前記タイヤカバーの幅方向に配置された1つ又は複数のケーシングと、前記ケーシングの各々に収納された1つ又は複数の圧縮ばね部材と、を含み、
前記ケーシングの各々は、円環形状に形成されており、非伸長性と可撓性と前記ホイールに向かって開口した開口部とを有し、
前記圧縮ばね部材の各々は、前記ケーシングの周長よりも長い周長を有する円環形状に形成されている、
請求項12に記載のエアレスタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアレスタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のエアレスタイヤは、ホイール部と、外周リング部と、ホイール部と外周リング部とを結合する弾性結合体と、を有する。上記エアレスタイヤは、乗り心地の向上と車両姿勢の維持とを両立するため、ホイール部に作用する荷重に対するタイヤの撓み量の関係を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-171113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記エアレスタイヤは、外周リング部とホイール部とが連結しているため、車両が凹凸した路面を走行した場合に、振動やノイズがタイヤを介して車体へ伝わる。したがって、上記エアレスタイヤには、静粛性能に改善の余地がある。
【0005】
本開示は、耐荷重性能、緩衝性能、制振性能及び静粛性能を備えたエアレスタイヤを実現することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの態様は、タイヤのホイールのリムに取り付けられる第1端部及び第2端部と非伸長性を有するタイヤカバーの内側において、タイヤカバーの周方向の全周に配置されるように構成されたエアレスタイヤ用のアセンブリである。アセンブリは、支持部と、緩衝部と、を備える。支持部は、円環形状に形成されており、円環形状の周方向に沿った第1エッジ部及び第2エッジ部と、非収縮性と可撓性とを有し、タイヤカバーのトレッド部の内面に密接するように配置される。緩衝部は、弾性及び可撓性を有し、タイヤカバーのサイド部の内面に密接するように配置される。支持部と緩衝部は、一体の部材又は別体の部材である。緩衝部は、第1緩衝部と、第2緩衝部と、を含む。第1緩衝部は、円環形状の円周全体に亘って、第1エッジ部から第1端部へ向けて延伸する。第2緩衝部は、第2エッジ部から第2端部へ向けて延伸する。第1緩衝部は、第1端部よりもホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第3端部を有する。第2緩衝部は、第2端部よりもホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第4端部を有する。
【0007】
上記アセンブリでは、支持部がタイヤカバーのトレッド部の内面に密接するように配置されるため、タイヤのアーチ構造が維持される。ひいては、支持部とホイールとを繋ぐ支柱がなく、タイヤカバー内に圧縮空気が充填されていなくても、支持部は、タイヤに加わる静荷重及び動荷重を効率良く支持することができる。さらに、支柱がないため、タイヤを介して車体へ伝わる振動及びノイズを低減することができる。
【0008】
また、上記アセンブリでは、弾性と可撓性を有する第1緩衝部及び第2緩衝部が、タイヤカバーのサイド部をタイヤの幅方向に押し広げることにより、第1端部及び第2端部がリムに押し付けられ、リムからのタイヤカバーの離脱が抑制される。さらに、タイヤに荷重が加わり、支持部材が撓んだ場合には、第1緩衝部及び第2緩衝部の弾性力により、支持部の復元が補助され、タイヤの形状が元に戻る。
【0009】
したがって、耐荷重性能、緩衝性能、制振性能及び静粛性能を備えたエアレスタイヤを実現することができる。
【0010】
本開示の別の1つの態様は、ホイールのリムに取り付けられる第1端部及び第2端部と非伸長性を有するタイヤカバーと、タイヤカバーの周方向の全周に配置されるように構成されたエアレスタイヤ用のアセンブリと、を備えるエアレスタイヤである。アセンブリは、支持部と、緩衝部と、を備える。支持部は、円環形状に形成されており、円環形状の周方向に沿った第1エッジ部及び第2エッジ部と、非収縮性と可撓性とを有し、タイヤカバーのトレッド部の内面に密接するように配置される。緩衝部は、弾性及び可撓性を有し、タイヤカバーのサイド部の内面に密接するように配置される。支持部と緩衝部は、一体の部材又は別体の部材である。緩衝部は、第1緩衝部と、第2緩衝部と、を含む。第1緩衝部は、円環形状の円周全体に亘って、第1エッジ部から第1端部へ向けて延伸する。第2緩衝部は、第2エッジ部から第2端部へ向けて延伸する。第1緩衝部は、第1端部よりもホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第3端部を有する。第2緩衝部は、第2端部よりもホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第4端部を有する。
【0011】
上記エアレスタイヤによれば、上記アセンブリをタイヤカバーに装着したエアレスタイヤと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の第1例に係る第1エアレスタイヤの外略を示す図である。
図2図2Aは、第1実施形態の第1例に係るタイヤカバーに装着される前のアセンブリを示す図である。図2Bは、第1実施形態の第1例に係るタイヤカバーに装着されたアセンブリを示す図である。図2Cは、第1実施形態の第1例に係るタイヤカバーをホイールに組付けた図であり、図1のIIC-IIC矢視図である。
図3A】第1実施形態の第1例に係る第1エアレスタイヤに荷重が加わっている状態を示す図である。
図3B図3AのIIIB-IIIB矢視図である。
図3C図3AのIIIC-IIIC矢視図である。
図3D図3AのIIID-IIID矢視図である。
図4図4Aは、第1実施形態の第2例に係るタイヤカバーに装着されたアセンブリを示す図である。図4Bは、図4Aの一部を拡大した図である。
図5図4A及び図4BのV-V矢視図である。
図6図6Aは、第1実施形態の第2例に係るアセンブリの平面図である。図6Bは、図6AのVIB-VIB矢視図である。
図7図6AのVII-VII矢視図である。
図8】第1実施形態の第3例に係るタイヤカバーに装着されたアセンブリを示す図である。
図9図9Aは、図8の一部を拡大した図である。図9Bは、図8及び図9AのIXB-IXB矢視図である。図9Cは、第1実施形態の第3例に係るタイヤカバーに装着される前及び装着された後の圧縮コイルばねを示す図である。
図10図10Aは、図8の別の一部を拡大した図である。図10Bは、図8及び図10AのXB-XB矢視図である。図10Cは、第1実施形態の第3例に係るタイヤカバーに装着される前及び装着された後の連続クランク板ばねを示す図である。
図11】第1実施形態の第4例に係るタイヤカバーに装着されたアセンブリを示す図である。
図12図12Aは、図11の一部を拡大した図である。図12Bは、図11及び図12AのXIIB-XIIB矢視図である。図12Cは、第1実施形態の第4例に係る第1圧縮コイルばねの一部を、第三角法で示す図である。
図13図13Aは、図11の別の一部を拡大した図である。図13Bは、図11及び図13AのXIIIB-XIIIB矢視図である。図13Cは、第1実施形態の第4例に係る第2圧縮コイルばねの一部を、第三角法で示す図である。
図14図14Aは、第1参考例に係る空気入りタイヤの外観を示す図である。図14Bは、図14AのXIVB-XIVB矢視図である。図14Cは、図14Bの破線で囲まれた部分を拡大した図である。
図15】第2実施形態の第1例に係る第2エアレスタイヤのタイヤカバーに装着されたアセンブリを示す図である。
図16】第2実施形態の第1例に係る第2エアレスタイヤのタイヤカバーにアセンブリを装着し、タイヤカバーをホイールに組み付ける様子を示す図である。
図17A】第2実施形態の第1例に係る第2エアレスタイヤに荷重が加わっている状態を示す図である。
図17B図17AのXVIIB-XVIIB矢視図である。
図17C図17AのXVIIC-XVIIC矢視図である。
図17D図17AのXVIID-XVIID矢視図である。
図18】第2実施形態の第2例に係る第2エアレスタイヤのタイヤカバーにアセンブリを装着し、タイヤカバーをホイールに組み付ける様子を示す図である。
図19】第2実施形態の第3例に係る第2エアレスタイヤのタイヤカバーにアセンブリを装着し、タイヤカバーをホイールに組み付ける様子を示す図である。
図20】第2参考例に係る空気入りタイヤの外観を示す図である。
図21図20のXXI-XXI矢視図である。
図22】第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤのタイヤカバーに装着されたアセンブリを示す図である。
図23図23Aは、図22のXXIIIA-XXIIIA矢視図である。図23Bは、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤの緩衝部及び連結部を示す図である。図23Cは、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤのスペーサを示す図である。
図24A】第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤのタイヤカバーに装着された緩衝部及び連結部と、タイヤカバーに装着される前のスペーサとを示す図である。
図24B】第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤのタイヤカバーに装着されたアセンブリを示す図である。
図24C】第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤのタイヤカバーをホイールに組付けた図である。
図25A】第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤに荷重が加わっている状態を示す図である。
図25B図25AのXXVB-XXVB矢視図である。
図25C図25AのXXVC-XXVC矢視図である。
図25D図25AのXXVD-XXVD矢視図である。
図26図26Aは、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤの断面図であって、車体が傾斜している状態における第3エアレスタイヤの断面図である。図26Bは、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤの断面図であって、傾斜した路面を通過している第3エアレスタイヤの断面図である。図26Cは、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤの断面図であって、路面の落下物上を通過している第3エアレスタイヤの断面図である。図26Dは、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤの断面図であって、縁石に乗り上げている第3エアレスタイヤの断面図である。図26Eは、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤの断面図であって、段差を通過している第3エアレスタイヤの正面図である。図26Fは、図26EのXXVIF-XXVIF矢視図である。
図27】第3実施形態の第2例に係る第3エアレスタイヤのタイヤカバーに装着されたケーシング、圧縮コイルばね及び連続クランク板ばねを示す図である。
図28】第3実施形態の第2例に係る第3エアレスタイヤにおいて、圧縮コイルばね及び連続クランク板ばねをケーシングに装着し、ケーシングを連結部に装着し、連結部及び緩衝部をタイヤカバーに装着する手順を示す図である。
図29A】第3参考例に係る空気入りタイヤの外観を示す図である。
図29B図29AのXXIXB-XXIXB矢視図である。
図30】第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤに加わる力の方向を示す図である。
【符号の説明】
【0013】
10,110,210…ホイール、12,112,212…リム、20,70,120,220…タイヤカバー、25,125,225…カーカス、30,30A,130,130A,230…緩衝部、31,31A,131,131A,231…第1緩衝部、32,32A,132,132A,232…第2緩衝部、40,40A,140,140A,140B,240,240A…支持部、43,143,143C,243…スペーサ、43A,243A…第1スペーサ、43B,243B…第2スペーサ、44,144,144A,244…連結部、100,100A,100B,100C…第1エアレスタイヤ、131c,231c…第1接触部、132b,232b…第2羽根部、132c,232c…第2接触部、141,141A,141B…第1直線部、142,142A,142B…第2直線部、143A,143B,243a~243g…分割スペーサ、145,145A,145B…中央部、200,200A,200B…第2エアレスタイヤ、300,300A…第3エアレスタイヤ、400,400A,400B,400C,410,410A,410B,420,420A…アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0015】
(第1実施形態)
<1-1.第1エアレスタイヤの第1例>
図1~3Dを参照して、第1実施形態の第1例に係る第1エアレスタイヤ100について説明する。以下では、地面に垂直な方向を上下方向、第1エアレスタイヤ100の幅方向を左右方向、上下方向及び左右方向に垂直な方向を前後方向と称する。第1エアレスタイヤ100及び後述する第1エアレスタイヤ100A,100B,100Cは、比較的幅の狭いタイヤであり、例えば、自転車、アシスト付き自転車、車いすなどの比較的軽量の移動体に適用される。
【0016】
図1に示すように、第1エアレスタイヤ100は、タイヤカバー20と、アセンブリ400と、を備え、ホイール10に装着が可能である。ホイール10は、従来の空気入りタイヤ用のホイール、例えば、ISO規格のホイールであってもよい。第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cは、従来の空気入りタイヤと異なり、タイヤカバー20内に圧縮空気が充填されない。第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cは、圧縮空気の代わりに、アセンブリ400を備える。
【0017】
本実施形態では、ホイール10は、従来の空気入りタイヤ用ホイールである。例えば、図1に示すように、ホイール10は、リム12と、ハブ11と、複数のスポーク13と、を備える。リム12は、円環形状に構成されており、第1リム12aと第2リム12bとを有する。ハブ11は、円盤状の部材であり、リム12の円環の中心に配置される。複数のスポーク13の各々は棒状の部材であり、ハブ11とリム12とを接続する。別の実施形態では、ホイール10は、本実施形態のホイール10と同等の機能を有していれば、空気入りタイヤ用のホイール以外であってもよい。
【0018】
図2A~2Cに示すように、アセンブリ400は、タイヤカバー20に装着され、タイヤカバー20は、ホイール10に組付けられる。タイヤカバー20は、非伸長性及び可撓性を有する部材であり、厚いゴム層や樹脂などで製造された外層と、カーカス25などの内層と、を備える。カーカス25は、タイヤ骨格を形成するコード層であり、ゴム等で被覆された繊維や金属繊維で構成される。
【0019】
また、タイヤカバー20は、トレッド部21と、2つのサイドウォール部22と、2つのビード部23と、第1端部23aと、第2端部23bとを有する。
【0020】
トレッド部21は、直接路面に接触する部分であり、トレッドパターンが刻まれている。2つのサイドウォール部22は、トレッド部21の両側に配置され、タイヤカバー20の2つの側面を構成する。2つのサイドウォール部22は、第1エアレスタイヤ100に荷重が加わることにより撓む。
【0021】
ビード部23は、ワイヤーをリング形状に束ね、ゴム等で被覆されて形成されている。2つのビード部23のうちの一方である第1端部23aは、第1リム12aに嵌合して固定され、もう一方の第2端部23bは、第2リム12bに嵌合して固定される。なお、タイヤカバー20は、従来の空気入りタイヤの流用が可能で、空気を充填することも可能である。
【0022】
アセンブリ400は、タイヤカバー20の内側において、カーカス25に接するように、タイヤカバー20の周方向の全周に亘って配置される。アセンブリ400は、従来の空気入りタイヤの充填空気の代わりに、タイヤカバー20に装着され、充填空気と同様に、荷重支持機能と緩衝機能とを有する。
【0023】
図2A~2Cに示すように、アセンブリ400は、緩衝部30と支持部40とを備える。緩衝部30と支持部40は、一体の部材であってもよいし、別体の部材であってもよい。図2A~2Cに示す緩衝部30と支持部40は、一体の部材である。
【0024】
支持部40は、非収縮性と可撓性とを有する部材であり、例えば、硬質ゴム、熱可塑性樹脂(又は、特殊樹脂)、炭素繊維、ばね鋼、鋼材等により構成されている。支持部40は、円環形状を有し、トレッド部21の内面に密接するように配置される。ここで、密接とは、一つの部材の面に、別の部材の面が隙間なく接することを意味する。
【0025】
支持部40は、タイヤカバー20の幅方向に沿った幅、すなわちトレッド部21の幅方向に沿った幅と、タイヤカバー20の径方向に沿った厚みと、を有し、円環形状に丸められた帯状の部材である。支持部40は、第1エッジ部41と第2エッジ部42とを有する。第1エッジ部41は、帯状の部材の円周方向に沿った2つの端部のうちの一方であり、第2エッジ部42は、2つの端部のうちの他方である。
【0026】
詳しくは、支持部40は、円環形状に丸められた帯状のスペーサ43と、円環形状に丸められた帯状の連結部44と、を含む。連結部44は、後述する第1緩衝部31と、第2緩衝部32とを連結する。連結部44と第1緩衝部31と第2緩衝部32は、1枚のシート状部材で構成されていてもよい。スペーサ43の直径と連結部44の直径は略同一である。スペーサ43は、連結部44に結合され、連結部44と一体となって、円環形状に丸められた帯状の部材を構成している。そして、支持部40は、スペーサ43又は連結部44がトレッド部21の内面に密接するように、タイヤカバー20に装着される。
【0027】
緩衝部30は、弾性及び可撓性を有する部材であり、例えば、硬質ゴム、熱可塑性樹脂(又は、特殊樹脂)、炭素繊維、ばね鋼、鋼材等により構成されている。緩衝部30は、第1緩衝部31と、第2緩衝部32と、を備える。第1緩衝部31は、支持部40の円周全体に亘って、支持部40の第1エッジ部41からタイヤカバー20の第1端部23aに向けて延伸している。第2緩衝部32は、支持部40の円周全体に亘って、第2エッジ部42からタイヤカバー20の第2端部23bに向けて延伸している。第1緩衝部31は、第3端部31aを有し、第2緩衝部32は、第4端部32aを有する。
【0028】
図2Aに示すように、アセンブリ400は、第1緩衝部31及び第2緩衝部32を撓ませた状態で、タイヤカバー20の内側に挿入され、タイヤカバー20に装着される。第1緩衝部31及び第2緩衝部32は、サイドウォール部22の内面に密接するように配置される。支持部40は、トレッド部21の内面に密接するように配置される。
【0029】
そして、図2Bに示すように、アセンブリ400がタイヤカバー20に装着された状態で、第1端部23a及び第2端部23bが第1リム12a及び第2リム12bに取り付けられる。その結果、図2Cに示すように、タイヤカバー20及びアセンブリ400がホイール10に組付けられる。
【0030】
タイヤカバー20及びアセンブリ400がホイール10に組付けられると、第1緩衝部31の第3端部31aは、タイヤカバー20の第1端部23aよりもホイール10の径方向外側、且つ変位可能に位置する。また、第2緩衝部32の第4端部32aは、タイヤカバー20の第2端部23bよりもホイール10の径方向外側、且つ変位可能に位置する。すなわち、アセンブリ400は、ホイール10と物理的に接続されていない。
【0031】
第1エアレスタイヤ100は、アセンブリ400とホイール10が非接触で、接続する支柱を備えておらず、物理的に繋がっていない(すなわち、物理的に接続されていない)。そのため、走行中の振動やノイズが、アセンブリ400からホイール10へ伝わることが抑制される。ひいては、第1エアレスタイヤ100から車体へ伝わる振動及びノイズが低減される。
【0032】
第1緩衝部31及び第2緩衝部32は、弾性を有するため、内側への撓みに反発して、外側へ広がろうとする。その結果、第1緩衝部31及び第2緩衝部32は、タイヤカバー20に外側へ向かう力を加える。すなわち、第1緩衝部31及び第2緩衝部32は、タイヤカバー20を幅方向に押し広げる。
【0033】
第1緩衝部31及び第2緩衝部32がタイヤカバー20を幅方向に押し広げることにより、タイヤカバー20は、外側へ向けて加圧されてリム12に押し付けられる。これにより、タイヤカバー20は、リム12からの離脱が抑制される。
【0034】
支持部40は、非収縮性の円環形状であり、外力が加わっても周長は変化しない。タイヤカバー20は、非伸長性及び可撓性を有する。緩衝部30の弾性がサイドウォール部22を幅方向へ押し広げると、トレッド部21は径方向内側へ向かい、タイヤカバー20の周長は短くなる。そのため、非伸長性のタイヤカバー20が、非収縮性のアセンブリ400を加圧して、タイヤカバー20とアセンブリ400の二層が密接する。そして、緩衝部30の弾性による継続的な加圧により、二層密接によるアーチ構造が維持される。その上で、真円形状のホイール10のリム12に、タイヤカバー20のビード部23が嵌合することにより、非荷重時においてはタイヤカバー20の真円形状が維持される。本実施形態では、第1エアレスタイヤ100の側面から見たタイヤカバー20とアセンブリ400の円環形状を、縦アーチ構造と称する。
【0035】
また、第1緩衝部31及び第2緩衝部32がタイヤカバー20を外側へ押し広げることにより、外側へ膨らんだサイドウォール部22の形状(具体的には、左右に突出した凸形状)が維持される。本実施形態では、径方向に沿った断面におけるタイヤカバー20とアセンブリ400の扇形状を横アーチ構造と称する。
【0036】
第1エアレスタイヤ100では、タイヤカバー20内に圧縮空気が充填されていなくても、支持部40は、縦アーチ構造を維持することにより、第1エアレスタイヤ100に加わる荷重を支持する。さらに、第1緩衝部31及び第2緩衝部32は、横アーチ構造を維持することにより、第1エアレスタイヤ100に加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部40の形状の復元を補助する。
【0037】
図3A図3Dを参照して、第1エアレスタイヤ100に加わる力の作用を説明する。「外力」は、接地箇所において第1エアレスタイヤ100に加わる荷重負荷に相当する。第1エアレスタイヤ100に加わる荷重負荷には、静荷重負荷と動荷重負荷とがある。静荷重負荷は、車体重量等の継続的な荷重負荷である。動荷重負荷は、走行時の繰り返し荷重の負荷、衝撃などの一時的に発生する荷重の負荷である。静荷重負荷は、応力が生じるアセンブリ400の強度を車体重量と釣り合うように調整し、荷重を支持することでアセンブリ400が略真円形状に維持される。荷重負荷のうち動荷重負荷は、アセンブリ400の変形後の弾性の反動力(復元力)により支持される。
【0038】
「応力」は、荷重負荷である外力を受けたアーチ構造のアセンブリ400に生じる弾性力である。アセンブリ400の支持部40は、非収縮性及び可撓性により変形して動荷重を支持し、アセンブリ400の緩衝部30は、弾性及び可撓性により衝撃を吸収するとともに、動荷重負荷が加わったことにより変形した支持部40の復元を補助する。
【0039】
反力は、応力が生じるアセンブリ400を覆い、非伸長性及び可撓性を有する円環のタイヤカバー20に生じる可動反力である。反力は、動荷重負荷によるアセンブリ400の変形をタイヤカバー20の可動領域内に抑制し、アセンブリ400の弾性による復元力を支持して反動力に変える。すなわち、タイヤカバー20は、従来のタイヤカバーと同様に、荷重支持機能と緩衝機能とを両立させる。
【0040】
第1エアレスタイヤ100は、非伸長性のタイヤカバー20と非収縮性のアセンブリ400の二層が継続的に密接することにより、効率的に機能を発揮する。タイヤカバー20とアセンブリ400の二層密接は、アセンブリ400の緩衝部30の弾性により実現される。詳しくは、第1エアレスタイヤ100では、非収縮性の支持部40を、非伸長性のトレッド部21の内面に密接するように配置することにより、接地面で受ける荷重負荷(すなわち、外力)が支持部40の全周に分散されて面圧が小さくなり、荷重支持の効率が高くなる。これにより、アセンブリ400をコンパクトにすることができ、軽量化が可能である。また、緩衝部30の弾性が、サイドウォール部22を幅方向外側へ押し広げて凸形状を形成し、緩衝機能に必要な支持部40が撓むための可動域を作る。さらに、緩衝部30の弾性が、可撓性のサイドウォール部22を加圧し、タイヤカバー20とアセンブリ400の二層の密接状態を維持して、剛柔の相反機能である荷重支持機能と緩衝機能との両立を可能にしている。
【0041】
図3A及び3Dに示すように、第1エアレスタイヤ100の接地箇所では、荷重負荷(すなわち、上向きの外力)が第1エアレスタイヤ100に加わる。第1エアレスタイヤ100に動荷重負荷が加わると、接地箇所において、可撓性の支持部40が上方に向かって反るように撓み、支持部40とカーカス25との間に隙間ができる。また、第1エアレスタイヤ100に動荷重負荷が加わると、第1緩衝部31及び第2緩衝部32の弾性が、非伸長性のカーカス25を左右方向へ押し広げる。ビード部23がリム12に抑止されているため、カーカス25が左右方向へ押し広げられると、リム12に生じる反力及びカーカス25に生じる可動反力により、タイヤカバー20とアセンブリ400の二層が密接し、横アーチと支持部40の縦アーチが動荷重を受け止める。このとき、アセンブリ400は、ホイール10に接触することなく荷重を支持しているので、接地面で発生する振動やノイズの車体側への伝達が抑制される。
【0042】
図3A及び図3Bに示すように、カーカス25の可動反力によって、カーカス25の内側にアセンブリ400が密接して抑止されており、接地箇所の荷重負荷が静荷重だけの場合には、タイヤカバー20とアセンブリ400は真円に近い形状を維持している。接地箇所に上向きの動荷重負荷が加わると、可撓性の支持部40が前方向に膨らむように撓み、非伸長性且つ可撓性のカーカス25が前方向へ押し出され、左右方向が内側へ狭められる。同時に、カーカス25の反力に抑制された横アーチである第1緩衝部31及び第2緩衝部32も弓のように絞られて内側へ押し込まれ、徐々に弾性による反動力が増加する。縦アーチである支持部40を介して前方向に撓んで逃がされている外力の荷重負荷と、緩衝部30の弾性による反動力が釣り合うと、動荷重が支持される。接地箇所での動荷重負荷が取り除かれると、縦アーチである支持部40の前方向への押し出す力が減少し、横アーチである第1緩衝部31及び第2緩衝部32の弾性による反動力が勝り、カーカス25が左右方向へ押し広げられ、楕円形に撓んだ支持部40が押し戻されて、略真円形状に復元される。第1エアレスタイヤ100では、上述のように、第1緩衝部31及び第2緩衝部32の弾性により、支持部40の撓む量を制御して、荷重支持機能と緩衝機能の相反する機能の両立を実現している。
【0043】
図3A及び図3Cに示すように、第1エアレスタイヤ100の後側においては、図3Bで示す第1エアレスタイヤ100の前側と対称の動作が行われる。
【0044】
さらに、図3Dに示すように、第1エアレスタイヤ100の接地箇所において、第1エアレスタイヤ100に加わる動荷重負荷が取り除かれると、カーカス25を介して第1緩衝部31及び第2緩衝部32の弾性力が支持部40の形状を復元させる。図3B及び図3Cで示すように、楕円形に膨らんだ支持部40の撓みがホイール10側へ押し戻されることにより、接地箇所での緩衝による支持部40の上方への撓みが下方向へ押し戻され、支持部40の形状が略真円形状に復元されて、静荷重が支持される。
【0045】
アセンブリ400の変位に伴い、タイヤカバー20の円環形状は、上下方向に縮み、前後方向に膨らむように変形する。すなわち、タイヤカバー20の形状は、真円形状から楕円形状に変形する。さらに、タイヤカバー20は、接地箇所において左右方向に広がるように変形し、前側及び後側において左右方向に狭まるように変形する。そして、第1緩衝部31及び第2緩衝部32の弾性力、及び、カーカス25の反力により、アセンブリ400が元の位置(すなわち、第1エアレスタイヤ100に動荷重負荷が加わっていないときの位置)に戻る。すなわち、タイヤカバー20は、動荷重負荷の印加によって変形し、動荷重負荷が取り除かれると、略真円形状に復元される。
【0046】
すなわち、支持部40は、カーカス25の反力を受けて縦アーチ構造を維持し、第1エアレスタイヤ100に加わる荷重負荷を支持する。第1緩衝部31及び第2緩衝部32は、アセンブリ400とタイヤカバー20との二層の密接構造、ひいては横アーチ構造を維持し、第1エアレスタイヤ100に加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部40の形状の復元を補助する。
【0047】
図14A~14Cに、参考例に係る自転車用の空気入りタイヤ150を示す。空気入りタイヤ150は、アセンブリ400の代わりに、円環状のゴム製のチューブ28を備える。チューブ28は、タイヤカバー20の内側において、カーカス25に接するように、タイヤカバー20の周方向の全周に亘って配置される。チューブ28には、圧縮空気が充填される。空気入りタイヤ150の接地箇所において、空気入りタイヤ150に一時的な動荷重負荷が加わると、接地面の面圧が高くなり、充填圧力の空気は他部へ押し出される(流動する)。よって、接地面積が広くなり面圧が低下して、充填圧力と接地面の面圧(接地圧)が釣り合い、空気入りタイヤ150の緩衝作用が終わる。一時的な動荷重負荷が排除されて、空気入りタイヤ150に加わる負荷が静荷重負荷だけになると、接地面の面圧は更に低くなり、緩衝で凹んだ位置に充填圧力の空気が押し戻されて(流動して)、静荷重を支持する。そして、接地面積が元に戻って狭くなることにより、静荷重時の面圧と充填圧力が釣り合い、空気入りタイヤ150の形状が復元される。車両に装着するタイヤカバー20のカーカス25は、車両が受ける最大荷重以上(安全率)の耐荷重圧力の空気を充填しても膨張や破裂しないだけの強度(すなわち反力)を有している。荷重支持と緩衝のバランスが良い適正圧力に調整した空気が充填されるため、空気入りタイヤ150は略真円形状に維持され、静荷重が支持される。すなわち、空気入りタイヤ150では、充填空気が荷重支持機能及び緩衝機能を有する。
【0048】
<1-2.第1エアレスタイヤの第2例>
図4A~7を参照して、第1実施形態の第2例に係る第1エアレスタイヤ100Aについて説明する。基本的な構成は第1実施形態の第1例と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態の第1例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0049】
第1実施形態の第2例に係る第1エアレスタイヤ100Aは、アセンブリ400の代わりに、アセンブリ400Aを備える。アセンブリ400Aは、支持部40と緩衝部30Aとを備える。すなわち、アセンブリ400Aは、アセンブリ400と比較して、緩衝部30の代わりに緩衝部30Aを備える点で異なる。緩衝部30Aは、第1緩衝部31Aと第2緩衝部32Aとを備える。図6に示すように、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aには、円周方向において一定の間隔で切り欠き部33が形成されている。切り欠き部33が形成されていることにより、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aが、サイドウォール部22の凸形状に適合しやすい。ひいては、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aの弾性力が、サイドウォール部22の内面を加圧しやすい。これにより、第1エアレスタイヤ100Aに外力が加わってタイヤカバー20が撓んだ場合に、タイヤカバー20の形状を真円に復元しやすい。
【0050】
また、第1緩衝部31Aと第2緩衝部32Aは、それぞれ、積層された複数のシート部材を含んでいてもよい。この場合、第1緩衝部31Aに含まれる複数のシート部材の各々は、第3端部31aを有し、第1緩衝部31Aに含まれる複数のシート部材は、第1エッジ部41から第3端部31aまでの長さが互いに異なる。また、第2緩衝部32Aに含まれる複数のシート部材の各々は、第4端部32aを有し、第2緩衝部32Aに含まれる複数のシート部材は、第2エッジ部42から第4端部32aまでの長さが互いに異なる。
【0051】
このように、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aが、複数のシート部材で構成されていることにより、1枚のシート部材で構成されている場合よりも、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aがサイドウォール部22の凸形状により適合しやすい。
【0052】
<1-3.第1エアレスタイヤの第3例>
図8~10Cを参照して、第1実施形態の第3例に係る第1エアレスタイヤ100Bについて説明する。基本的な構成は第1実施形態の第1例と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態の第1例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0053】
第1実施形態の第3例に係る第1エアレスタイヤ100Bは、アセンブリ400の代わりに、アセンブリ400Bを備える。アセンブリ400Bは、支持部40Aと緩衝部30とを備える。すなわち、アセンブリ400Bは、アセンブリ400と比較して、支持部40の代わりに、支持部40Aを備える点で異なる。
【0054】
支持部40Aは、第1スペーサ43A又は第2スペーサ43Bと、連結部44とを備える。支持部40Aは、支持部40と比較して、スペーサ43の代わりに、第1スペーサ43A又は第2スペーサ43Bを備える点で異なる。図8に示すように、第1スペーサ43Aは、圧縮コイルばね部材であり、端部のない(連結された)円環形状を有する。第2スペーサ43Bは、連続クランク板ばねであり、端部のない(連結された)円環形状を有する。タイヤカバー20に装着する前の無負荷状態において、第1スペーサ43A及び第2スペーサ43Bの周長は、どちらもタイヤカバー20の周長よりも長い。第1スペーサ43A及び第2スペーサ43Bの各々は、圧縮されてタイヤカバー20に装着される。
【0055】
第1スペーサ43Aは、棒状の金属等の部材を螺旋状に巻いて形成されており、第2スペーサ43Bは、板状の金属等の部材を繰り返しクランク曲げ(あるいはZ曲げ)加工して形成されている。図9B及び10Bに示すように、第1スペーサ43Aは円形断面を有し、第2スペーサ43Bは方形断面を有する。
【0056】
図9A及び9Cに示すように、第1スペーサ43Aは、圧縮した状態でタイヤカバー20に装着される。同様に、図10A及び10Cに示すように、第2スペーサ43Bは、圧縮した状態で、板の幅方向が左右方向になるように、タイヤカバー20に装着される。
【0057】
第1スペーサ43A及び第2スペーサ43Bは、伸長力によって、タイヤカバー20を加圧する。第1スペーサ43A及び第2スペーサ43Bの伸長力と、カーカス25の反力により、第1エアレスタイヤ100Bに加わる荷重が支持される。また、第1スペーサ43A及び第2スペーサ43Bは、変形することで、第1エアレスタイヤ100Bに加わる衝撃を吸収する。すなわち、第1スペーサ43A及び第2スペーサ43Bは、形状の自由度(すなわち、変形可能な度合)に応じて、第1エアレスタイヤ100Bに加わる衝撃を吸収する緩衝機能を有する。
【0058】
<1-4.第1エアレスタイヤの第4例>
図11~13Cを参照して、第1実施形態の第4例に係る第1エアレスタイヤ100Cについて説明する。基本的な構成は第1実施形態の第1例と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態の第1例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0059】
第1実施形態の第4例に係る第1エアレスタイヤ100Cは、アセンブリ400の代わりに、アセンブリ400Cを備える。アセンブリ400Cは、第1圧縮コイルばね43C又は第2圧縮コイルばね43Dを備える。アセンブリ400Cは、アセンブリ400と比較して、緩衝部30及び支持部40が一体である点で異なり、第1圧縮コイルばね43C及び第2圧縮コイルばね43Dはどちらも、緩衝部30及び支持部40を兼務する。第1圧縮コイルばね43Cは、端部のない(連結された)円環形状を有する。第2圧縮コイルばね43Dは、端部のない(連結された)円環形状を有する。どちらの周長も、タイヤカバー20の周長よりも長い。第1圧縮コイルばね43C及び第2圧縮コイルばね43Dの各々は、圧縮されてタイヤカバー20に装着される。
【0060】
図12Bに示すように、第1圧縮コイルばね43Cは、断面が半円形になるように、板状で樹脂等の部材を曲げて形成されている。図13Bに示すように、第2圧縮コイルばね43Dは、断面が楕円形になるように、板状で樹脂等の部材を曲げて形成されている。
【0061】
図12A及び12Bに示すように、第1圧縮コイルばね43Cは、半円形断面の直径が、左右方向(すなわち、タイヤカバー20の幅方向)になるように、圧縮した状態でタイヤカバー20に装着される。また、図13A及び13Bに示すように、第2圧縮コイルばね43Dは、楕円形断面の長軸が左右方向になるように、圧縮した状態でタイヤカバー20に装着される。
【0062】
第1圧縮コイルばね43C及び第2圧縮コイルばね43Dは、伸長力によって、タイヤカバー20を加圧する。第1圧縮コイルばね43C及び第2圧縮コイルばね43Dの伸長力と、カーカス25の反力により、第1エアレスタイヤ100Cに加わる荷重が支持される。また、第1圧縮コイルばね43C及び第2圧縮コイルばね43Dは、第1エアレスタイヤ100Cに加わる衝撃を吸収するとともに、荷重による第1エアレスタイヤ100Cの変形を復元する。
【0063】
<1-5.効果>
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0064】
(1)アセンブリ400,400A,400B,400Cでは、支持部40,40A,43C,43Dがタイヤカバー20のトレッド部21の内面に密接するように配置されるため、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cの縦アーチ構造が維持される。ひいては、支持部40,40A,43C,43Dとホイール10とを繋ぐ支柱がなく、タイヤカバー20内に圧縮空気が充填されていなくても、支持部40,40A,43C,43Dは、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cに加わる静荷重及び動荷重を効率良く支持することができる。さらに、支柱がないため、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cを介して車体へ伝わる振動及びノイズを低減することができる。したがって、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cは、耐荷重性能、制振性能及び静粛性能を備えることができる。
【0065】
(2)アセンブリ400,400A,400B,400Cは、弾性と可撓性を有する第1緩衝部31,31A,43C,43D及び第2緩衝部32,32A,43C,43Dが、タイヤカバー20のサイドウォール部22をタイヤカバー20の幅方向に押し広げることにより、第1端部23a及び第2端部23bがリム12に押し付けられ、リム12からのタイヤカバー20の離脱が抑制される。さらに、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cに荷重が加わり、支持部40,40A,43C,43Dが撓んだ場合には、第1緩衝部31,31A,43C,43D及び第2緩衝部32,32A,43C,43Dの弾性力により、支持部40,40A,43C,43Dの復元が補助され、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cの形状が元に戻る。よって、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cは、緩衝性能を備えることができる。
【0066】
(3)第1エアレスタイヤ100,100A,100Bにおいて、支持部40,40Aは、第1緩衝部31,31Aと第2緩衝部32,32Aとを連結する連結部44を備えることにより、支持部40,40Aが負荷を受けたときに、第1緩衝部31,31A及び第2緩衝部32,32Aが、互いから遠ざからないように、幅方向への移動を回避できる。ひいては、支持部40,40Aが負荷を受けた場合に、第1緩衝部31,31A及び第2緩衝部32,32Aが加圧され、第1緩衝部31,31A及び第2緩衝部32,32Aの弾性力により第1エアレスタイヤ100,100A,100Bの形状が維持される。
【0067】
(4)第1エアレスタイヤ100,100Aでは、支持部40と緩衝部30,30Aが一体の部材であるため、支持部40の撓みに応じて、第1緩衝部31,31Aと第2緩衝部32,32Aを変位させ、第1緩衝部31,31A及び第2緩衝部32,32Aの弾性力により支持部40の復元を補助させることが容易である。
【0068】
(5)第1エアレスタイヤ100Aでは、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aに一定の間隔で切り欠き部33が形成されていることにより、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aが、タイヤカバー20のサイドウォール部22の凸形状に適合しやすい。ひいては、第1緩衝部31A及び第2緩衝部32Aの弾性力が、サイドウォール部22の内面を加圧しやすい。これにより、第1エアレスタイヤ100Aに荷重が加わって撓んだ場合に、第1エアレスタイヤ100Aの形状を復元し略真円形状に維持することができる。
【0069】
(6)第1エアレスタイヤ100,100Aにおいて、第1緩衝部31,31A及び第2緩衝部32,32Aが、互いに長さが異なる複数のシート部材を含む場合、第1緩衝部31,31A及び第2緩衝部32,32Aは、タイヤカバー20を幅方向に好適に広げることができる。これにより、タイヤカバー20のサイドウォール部22は、幅方向に突出した凸形状に好適に維持される。ひいては、第1エアレスタイヤ100,100Aの横アーチ構造を好適に維持することができる。
【0070】
(7)第1エアレスタイヤ100B,100Cにおいて、非伸長性のタイヤカバー20は、第1及び第2スペーサ43A,43B、第1及び第2圧縮コイルばね43C,43Dのケーシングになる。タイヤカバー20の周長よりも長い周長を有する円環形状の圧縮ばね部材をタイヤカバー20に装着することにより、圧縮ばね部材の伸長力がタイヤカバー20を常に加圧する。そのため、圧縮ばね部材は、第1エアレスタイヤ100B,100Cに加わる荷重を支持することができる。また、圧縮ばね部材は、第1エアレスタイヤ100B,100Cが衝撃を受けた場合に、自由に変形することにより、衝撃を緩和することができる。
【0071】
(第2実施形態)
<2-1.第2エアレスタイヤの第1例>
図15~17Dを参照して、第2実施形態の第1例に係る第2エアレスタイヤ200について説明する。第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0072】
第2エアレスタイヤ200及び後述する第2エアレスタイヤ200A,200Bは、中程度の幅のタイヤであり、第1エアレスタイヤ100,100A,100B,100Cよりも幅が広い。第2エアレスタイヤ200,200A,200Bは、エンジン、モータ等の動力源を備えた二輪車両(すなわち、バイク)や三輪車両などの中程度の重量の移動体に適用される。
【0073】
図15に示すように、第2エアレスタイヤ200は、ホイール110に装着可能なタイヤカバー120と、アセンブリ410と、を備える。ホイール110は、従来の空気入りタイヤ用ホイール、例えば、ISO規格のホイールであってもよい。本実施形態では、ホイール110として、従来の空気入りタイヤ用ホイールを使用する。第2エアレスタイヤ200,200A,200Bは、タイヤカバー120内に圧縮空気が充填される代わりに、アセンブリ410を備える。
【0074】
ホイール110は、リム112と、ハブ111と、複数のスポーク113と、を備える。ホイール110は、ホイール10と類似する構成であり、詳細は省略する。タイヤカバー120は、ゴム製や樹脂製などの非伸長性を有する部材であり、トレッド部121と、両側へ延びるサイドウォール部122と、2つのビード部123と、カーカス125と、第1端部123aと、第2端部123bと、を備える。タイヤカバー120は、タイヤカバー20と類似の構成であり、詳細は省略する。タイヤカバー120は、従来の空気入りタイヤのタイヤカバーが流用可能であり、空気を充填することも可能である。
【0075】
図16に示すように、アセンブリ410は、緩衝部130と支持部140とを備える。支持部140は、緩衝部130と別体の部材である。支持部140は、円環形状のスペーサ143と、円環形状に丸められた帯状の連結部144と、を含む。
【0076】
連結部144は、非伸長性と柔軟性とを有する材質で形成されており、後述する第1緩衝部131と第2緩衝部132とを連結する。連結部144は、トレッド部121の内面に密接するように配置される。
【0077】
スペーサ143は、非収縮性と可撓性とを有する円環形状の部材であり、例えば、硬質ゴム、熱可塑性樹脂(又は、特殊樹脂)、炭素繊維、ばね鋼、鋼材等により構成されている。スペーサ143は、左右方向の幅を有し、連結部144の内面に密接するように配置される。スペーサ143は、連結部144に密接する中央部145と、中央部145の両端の各々からホイール110に向かって延伸した第1直線部141と第2直線部142と、を含むアーチ形状に形成されている。すなわち、スペーサ143は、U字状の径方向断面を有する。
【0078】
第1緩衝部131は、第1羽根部131bと、第1接触部131cと、を含む。第1羽根部131bは、第3端部131aを有し、サイドウォール部122の内面に接するように配置される。第1接触部131cは、第1羽根部131bに対して屈曲し、スペーサ143の第1直線部141に接するように配置される。
【0079】
第2緩衝部132は、第2羽根部132bと、第2接触部132cと、を含む。第2羽根部132bは、第4端部132aを有し、サイドウォール部122の内面に接するように配置される。第2接触部132cは、第2羽根部132bに対して屈曲し、スペーサ143の第2直線部142に接するように配置される。
【0080】
図16に示すように、まず、アセンブリ410のうち第1緩衝部131、第2緩衝部132及び連結部144が、タイヤカバー120の内側に挿入され、タイヤカバー120に装着される。
【0081】
続いて、スペーサ143が、第1緩衝部131と第2緩衝部132の間に挿入される。このとき、第1緩衝部131と第2緩衝部132が連結部144により連結されていることにより、第1緩衝部131及び第2緩衝部132は、互いに遠ざかるように左右方向に移動しない。これにより、第1直線部141及び第2直線部142が、第1接触部131c及び第2接触部132cに接触し、第1接触部131c及び第2接触部132cを介して、第1羽根部131b及び第2羽根部132bを加圧する。
【0082】
そして、タイヤカバー120にアセンブリ410が装着された状態で、第1端部123a及び第2端部123bが、第1リム112a及び第2リム112bに取り付けられる。タイヤカバー120は、外側へ向けて加圧されてリム112に押し付けられる。これにより、タイヤカバー120は、リム112からの離脱が抑制される。
【0083】
カーカス125は、連結部144、中央部145、第1羽根部131b及び第2羽根部132bの外側へ向かう応力を抑制する。これにより、連結部144、第1羽根部131b及び第2羽根部132bは、タイヤカバー120の内面に直接密接して、二層の密接構造を形成する。中央部145は、連結部144の内面に密接する。その結果、タイヤカバー120の円環形状が維持される。また、第1羽根部131b及び第2羽根部132bがタイヤカバー120を左右方向に押し広げることにより、左右方向に膨らんだサイドウォール部122の形状が維持される。
【0084】
タイヤカバー120及びアセンブリ410がホイール110に組付けられると、第1羽根部131bの第3端部131aは、タイヤカバー120の第1端部123aよりもホイール110の径方向外側に位置し、且つ変位可能に位置する。また、第2羽根部132bの第4端部132aは、タイヤカバー120の第2端部123bよりもホイール110の径方向外側、且つ変位可能に位置する。すなわち、第2エアレスタイヤ200は、アセンブリ410とホイール110とを物理的に接続する支柱を備えておらず、アセンブリ410は、ホイール110と非接触で物理的に繋がっていない。そのため、第2エアレスタイヤ200から車体へ伝わる振動及びノイズが低減される。
【0085】
第2エアレスタイヤ200で、スペーサ143が縦アーチ構造を維持することにより、第2エアレスタイヤ200に加わる荷重を支持する。さらに、第1緩衝部131及び第2緩衝部132が横アーチ構造を維持することにより、第2エアレスタイヤ200に加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部140の形状の復元を補助する。
【0086】
図17A~17Dを参照して、第2エアレスタイヤ200に加わる力の作用を説明する。図17A及び図17Dに示すように、走行中、接地箇所において第2エアレスタイヤ200に上向きの荷重負荷(外力)が加わると、円環のスペーサ143が外力を吸収するように上方(内側)に撓み、接地箇所以外の部分では、荷重負荷(外力)を外側へ逃がす。同時に、カーカス125に抑制された緩衝部130の弾性が、接地箇所以外の部分で、スペーサ143に内側への応力を与え、アセンブリ410の形状を復元させる。その結果、第2エアレスタイヤ200に加わる荷重が支持される。
【0087】
図17A及び図17Bに示すように、接地面において、第2エアレスタイヤ200に上向きの外力が加わると、前側において、荷重負荷を逃がすためにスペーサ143が前方に膨らむように撓み、同時に押し出されたカーカス125の反力によって抑制された第1羽根部131b及び第2羽根部132bの互いが、左右方向に近づけられる。荷重負荷(外力)が取り除かれると緩衝部130の弾性の反動力で、互いの羽根部が左右方向に離されて元の形状に戻り、同時に撓んだスペーサ143が後方に押し戻され、第2エアレスタイヤ200の形状が復元される。非伸長性のカーカス125が許容する可動領域内で、緩衝部130は左右方向の動きが抑制され、スペーサ143は、上下及び前後方向の動きが抑制される。これにより、衝撃の吸収と荷重支持が連動して生じる。
【0088】
図17A及び図17Cに示すように、第2エアレスタイヤ200の後側においては、図17Bで示す第2エアレスタイヤ200の前側と対称の動作が行われる。
【0089】
すなわち、スペーサ143は、カーカス125の反力を受けて縦アーチ構造を維持し、第2エアレスタイヤ200に加わる荷重を支持する。第1羽根部131b及び第2羽根部132bは、アセンブリ410とタイヤカバー120との二層の密接構造、ひいては横アーチ構造を維持し、第2エアレスタイヤ200に加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部140の形状の復元を補助する。
【0090】
図20及び図21に、参考例に係るバイク用の空気入りタイヤ250を示す。空気入りタイヤ250は、アセンブリ410の代わりに、タイヤカバー120内に圧縮空気が充填される。空気入りタイヤ250の接地箇所において、空気入りタイヤ250に一時的な動荷重負荷が加わると、接地面の面圧が高くなり、充填圧力の空気は他部へ押し出される(流動する)。よって、接地面積が広くなり面圧が低下して、充填圧力と接地面の面圧(接地圧)が釣り合い、空気入りタイヤ250の緩衝作用が終わる。一時的な動荷重負荷が排除されて、空気入りタイヤ250に加わる負荷が静荷重負荷だけになると、接地面の面圧は更に低くなり、緩衝で凹んだ位置に充填圧力の空気が押し戻されて(流動して)、静荷重を支持する。そして、接地面積が元に戻って狭くなることにより、静荷重時の面圧と充填圧力が釣り合い、空気入りタイヤ250の形状が復元される。車両に装着するタイヤカバー120のカーカス125は、車両が受ける最大荷重以上(安全率)の耐荷重圧力の空気を充填しても膨張や破裂しないだけの強度(すなわち反力)を有している。荷重支持と緩衝のバランスが良い適正圧力に調整した空気が充填されるため、空気入りタイヤ250が略真円形状に維持され、静荷重が支持される。すなわち、空気入りタイヤ250では、充填空気が荷重支持機能及び緩衝機能を有する。
【0091】
<2-2.第2エアレスタイヤの第2例>
図18を参照して、第2実施形態の第2例に係る第2エアレスタイヤ200Aについて説明する。基本的な構成は第2実施形態の第1例と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態の第1例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0092】
第2実施形態の第2例に係る第2エアレスタイヤ200Aは、アセンブリ410の代わりに、アセンブリ410Aを備える。アセンブリ410Aは、支持部140Aと緩衝部130とを備える。緩衝部130は、第1緩衝部131と第2緩衝部132とを備える。支持部140Aは、分割スペーサ143A及び分割スペーサ143Bと、連結部144と、を備える。すなわち、支持部140Aは、スペーサ143の代わりに、分割スペーサ143A,143Bを備える。
【0093】
分割スペーサ143Aは、第1直線部141Aと第2直線部142Aと中央部145Aとを含むアーチ形状に形成されている。中央部145Aは、左右方向の幅を有し連結部144に密接する。第1直線部141A及び第2直線部142Aは、中央部145Aの両端の各々からホイール110に向かって延伸している。同様に、分割スペーサ143Bは、第1直線部141Bと第2直線部142Bと中央部145Bとを含むアーチ形状に形成されている。分割スペーサ143A,143Bは、第2エアレスタイヤ200の支持部140のスペーサ143と類似する。
【0094】
中央部145A,145Bの各々の左右方向の幅は、スペーサ143の中央部145の左右方向の幅の半分又は略半分である。すなわち、支持部140Aは、1つのスペーサ143の代わりに、2つに分割された分割スペーサ143A,143Bを備える。
【0095】
図18に示すように、分割スペーサ143A,143Bは、スペーサ143の代わりに、タイヤカバー120の内側に装着される。すなわち、分割スペーサ143A,143Bは、第1緩衝部131と第2緩衝部132の間に挿入される。分割スペーサ143A,143Bは、中央部145A,145Bが連結部144に密接し、且つ、第1直線部141Aが第1接触部131cに接触し、且つ、第2直線部142Aが第1直線部141Bに接触し、且つ、第2直線部142Bが第2接触部132cに接触するように配置される。
【0096】
スペーサが複数に分割されていることにより、第2エアレスタイヤ200Aを装着した車両が凹凸のある路面を走行する場合に、分割スペーサ143Aと分割スペーサ143Bが個別に変位するため、トレッド部121が路面形状に適応しやすい。ひいては、第2エアレスタイヤ200Aの接地面積が広がり、第2エアレスタイヤ200Aにより荷重が安定して支持されるとともに、第2エアレスタイヤ200Aのグリップ力が向上する。なお、支持部140Aは、1つのスペーサ143の代わりに、3つ以上に分割された分割スペーサを備えていてもよい。
【0097】
第2エアレスタイヤ200Aでは、分割スペーサ143A,143Bは、スペーサ143と同様の機能を有する。すなわち、分割スペーサ143A,143Bは、縦アーチ構造を維持することにより、第2エアレスタイヤ200Aに加わる荷重を支持する。さらに、第1緩衝部131及び第2緩衝部132は、横アーチ構造を維持することにより、第2エアレスタイヤ200Aに加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部140Aの形状の復元を補助する。
【0098】
<2-3.第2エアレスタイヤの第3例>
図19を参照して、第2実施形態の第3例に係る第2エアレスタイヤ200Bについて説明する。基本的な構成は第2実施形態の第1例と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態の第1例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0099】
第2実施形態の第3例に係る第2エアレスタイヤ200Bは、アセンブリ410の代わりに、アセンブリ410Bを備える。アセンブリ410Bは、支持部140Bと緩衝部130Aとを備える。緩衝部130Aは、第1緩衝部131Aと、第2緩衝部132Aとを備える。支持部140Bは、スペーサ143Cと連結部144Aとを備える。アセンブリ410Bの構成は、第1エアレスタイヤ100のアセンブリ400と同様である。
【0100】
第2エアレスタイヤ200Bでは、スペーサ143Cは、縦アーチ構造を維持することにより、第2エアレスタイヤ200Bに加わる荷重を支持する。さらに、第1緩衝部131A及び第2緩衝部132Aは、横アーチ構造を維持することにより、第2エアレスタイヤ200Bに加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部140Bの形状の復元を補助する。
【0101】
<2-4.効果>
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)~(3)と同様の効果を奏する。また、第2エアレスタイヤ200Bは、前述した第1実施形態の効果(4)~(7)と同様の効果を更に奏する。更に、第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0102】
(8)第2エアレスタイヤ200では、支持部140がアーチ形状に形成されていることにより、中央部145が負荷を受けて撓んだ場合に、第1直線部141及び第2直線部142が、緩衝部130の弾性力を受けて復元する。したがって、支持部140をアーチ形状に形成することにより、第2エアレスタイヤ200の耐荷重性能と緩衝性能を高めることができる。
【0103】
(9)第2エアレスタイヤ200Aでは、支持部140Aを複数の分割スペーサ143A,143Bで構成することにより、第2エアレスタイヤ200Aに加わる荷重を分割して支持することができる。また、幅の広い第2エアレスタイヤ200Aが凹凸のある路面及び傾斜のある路面を走行する場合に、分割スペーサ143A,143Bが個別に変位して路面形状に対応する。その結果、第2エアレスタイヤ200Aの接地面積が広がり、第2エアレスタイヤ200Aにより荷重を安定して支持することができるとともに、第2エアレスタイヤ200Aのグリップ力を高めることができる。
【0104】
(10)第2エアレスタイヤ200Aでは、分割スペーサ143A,143Bの各々がアーチ形状に形成されていることにより、いずれかの分割スペーサが負荷を受けて撓んだ場合に、その分割部材の直線部が、他の分割スペーサの直線部の弾性力を受けて復元する。したがって、各分割スペーサをアーチ形状に形成することにより、第2エアレスタイヤ200Aの耐荷重性能と緩衝性能を高めることができる。
【0105】
(11)第2エアレスタイヤ200,200Aでは、支持部140,140Aと緩衝部130は別体の部材であり、緩衝部130の第1接触部131c及び第2接触部132cが支持部140,140Aの両側に接触することにより、支持部140,140Aが幅方向に移動することを回避できる。さらに、緩衝部130の第1羽根部131b及び第2羽根部132bの弾性力により、第2エアレスタイヤ200,200Aの形状を復元することができる。
【0106】
(第3実施形態)
<3-1.第3エアレスタイヤの第1例>
図22~26Fを参照して、第3実施形態の第1例に係る第3エアレスタイヤ300について説明する。基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。第3エアレスタイヤ300及び後述する第3エアレスタイヤ300Aは、比較的幅の広いタイヤであり、第2エアレスタイヤ200,200A,200Bよりも幅が広い。第3エアレスタイヤ300,300Aは、エンジン、モータ等の動力源を備えた四輪車両(すなわち、自動車)などの比較的大きい重量の移動体に適用される。
【0107】
図22に示すように、第3エアレスタイヤ300は、ホイール210に装着可能なタイヤカバー220と、アセンブリ420と、を備える。ホイール210は、従来の空気入りタイヤ用ホイール、例えば、ISO規格のホイールであってもよい。本実施形態では、ホイール210として、従来の空気入りタイヤ用ホイールを使用する。第3エアレスタイヤ300,300Aは、タイヤカバー220内に圧縮空気が充填される代わりに、アセンブリ410を備える。
【0108】
ホイール210は、リム212と、ハブ211と、複数のスポーク213と、を備える。ホイール210は、ホイール10と類似する構成であり、詳細は省略する。図23A~23Cに示すように、タイヤカバー220は、非伸長性を有する部材であり、トレッド部221と、両側へ延びるサイドウォール部222と、2つのビード部223と、カーカス225と、2つのビードフィラー224と、第1端部223aと、第2端部223bと、を備える。ビードフィラー224は、ビード部223の補強材であり、ビード部223の剛性を高める。タイヤカバー220は、従来の空気入りタイヤカバーが流用可能であり、空気を充填することも可能である。
【0109】
図23A~23Cに示すように、アセンブリ420は、緩衝部230と支持部240とを備える。支持部240は、緩衝部230と別体の部材である。支持部240は、円環形状のスペーサ243と、円環形状に丸められた帯状の連結部244と、を含む。
【0110】
連結部244は、非伸長性と柔軟性とを有する材質で形成されており、後述する第1緩衝部231と第2緩衝部232とを連結する。連結部244は、第2エアレスタイヤ200の支持部140の連結部144と類似する。連結部244は、トレッド部221の内面に密接するように配置される。
【0111】
スペーサ243は、7個の分割スペーサ243a~243gを含む。スペーサ243は、分割されていなくてもよい、すなわち単体のスペーサであってもよい。また、スペーサ243は、2~6個の分割スペーサを含んでいてもよいし、7個以上の分割スペーサを含んでいてもよい。
【0112】
分割スペーサ243a~243gの各々は、中央部と、中央部の両端の各々からホイール210に向かって延伸した第1直線部と第2直線部と、を含むアーチ形状に形成されている。すなわち、分割スペーサ243a~243gの各々は、U字状の径方向断面を有し、第2エアレスタイヤ200の支持部140のスペーサ143と類似する。
【0113】
分割スペーサ243a~243gは、タイヤカバー220の内側に左右方向に並べて配置される。分割スペーサ243a~243gは、分割スペーサ243a~243gの各々の中央部が連結部244の内面に密接し、且つ、分割スペーサ243b~243gの各々の第1直線部が、隣接する前側の分割スペーサの第2直線部に接するように配置される。分割スペーサ243aの第1直線部は、第1緩衝部231に接し、分割スペーサ243gの第2直線部は、第2緩衝部232に接する。
【0114】
第1緩衝部231は、第1羽根部231bと、第1羽根部231bに対して屈曲した第1接触部231cと、を含む。第1羽根部231bは、第3端部231aを有する。第1緩衝部231は、第1羽根部231bがサイドウォール部222の内面に接し、第1接触部231cが分割スペーサ243aの第1直線部に接するように配置される。
【0115】
第2緩衝部232は、第2羽根部232bと、第2羽根部232bに対して屈曲した第2接触部232cと、を含む。第2羽根部232bは、第4端部232aを有する。第2緩衝部232は、第2羽根部232bがサイドウォール部222の内面に接し、第2接触部232cが分割スペーサ243gの第2直線部に接するように配置される。
【0116】
図24A~24Cに示すように、まず、アセンブリ420のうち第1緩衝部231、第2緩衝部232及び連結部244が、タイヤカバー220の内側に挿入され、タイヤカバー220に装着される。
【0117】
続いて、分割スペーサ243a~243gが、第1緩衝部231と第2緩衝部232の間に挿入される。このとき、第1緩衝部231と第2緩衝部232が連結部244により連結されていることにより、第1緩衝部231及び第2緩衝部232は、互いに遠ざかるように左右方向に移動しない。これにより、分割スペーサ243aの第1直線部が第1接触部231cに接触して、第1羽根部231bを加圧する。また、分割スペーサ243gの第2直線部が第2接触部232cに接触して、第2羽根部232bを加圧する。
【0118】
そして、タイヤカバー220にアセンブリ420が装着された状態で、2つのビード部223が、リム212の2つの側面に取り付けられる。タイヤカバー220は、外側へ向けて加圧されてリム212に押し付けられる。これにより、タイヤカバー220は、リム212からの離脱が抑制される。
【0119】
カーカス225は、連結部244、分割スペーサ243a~243gの中央部、第1羽根部231b及び第2羽根部232bの外側へ向かう応力を抑制する。これにより、連結部244、第1羽根部231b及び第2羽根部232bは、タイヤカバー220の内面に直接密接して、二層の密接構造を形成する。分割スペーサ243a~243gの中央部は、連結部244の内面に密接する。その結果、タイヤカバー220の円環形状が維持される。また、第1羽根部231b及び第2羽根部232bがタイヤカバー220を左右方向に押し広げることにより、左右方向に膨らんだサイドウォール部222の形状が維持される。
【0120】
タイヤカバー220及びアセンブリ420がホイール210に組付けられると、第1羽根部231bの第3端部231aは、タイヤカバー220の第1端部223aよりもホイール210の径方向外側に位置し、且つ変位可能に位置する。また、第2羽根部232bの第4端部232aは、タイヤカバー220の第2端部223bよりもホイール210の径方向外側に位置し、且つ変位可能に位置する。すなわち、第3エアレスタイヤ300は、アセンブリ420とホイール210とを物理的に接続する支柱を備えておらず、アセンブリ420は、ホイール210と非接触で物理的に繋がっていない。そのため、第3エアレスタイヤ300から車体へ伝わる振動及びノイズが低減される。
【0121】
第3エアレスタイヤ300で、スペーサ243が縦アーチ構造を維持することにより、第3エアレスタイヤ300に加わる荷重を支持する。さらに、第1緩衝部231及び第2緩衝部232が横アーチ構造を維持することにより、第3エアレスタイヤ300に加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部240の形状の復元を補助する。
【0122】
図25A~25Dを参照して、第3エアレスタイヤ300に加わる力の作用を説明する。図25A及び図25Dに示すように、走行中、接地箇所において第3エアレスタイヤ300に上向きの外力が加わると、円環の分割スペーサ243a~243gのうち外力の加わった分割スペーサが、外力を吸収するように上向きに変位する。その他の分割スペーサは、タイヤカバー220の形状を維持するように、カーカス225に対して下向きの応力を加え続ける。第3エアレスタイヤ300に加わる荷重は、分割スペーサ243a~243gで分散して支持される。
【0123】
本実施形態では、スペーサ243が複数の分割スペーサ243a~243gに分割されているため、分割スペーサ243a~243gが個別に変位して、路面形状に順応して車両姿勢を維持し、第3エアレスタイヤ300の接地面積を広げる。図26Aに示すように、路面に対して車体が右に傾斜した場合には、第2羽根部232bが右に変位して広がり、分割スペーサ243a~243gも右に傾斜する。これにより、車体が傾斜しても、車体が傾斜していない場合と比べて、トレッド部221の接地面積は同程度になり、トレッド部221の接地面積の縮小が抑制される。
【0124】
図26Bに示すように、路面の右側が高く左側が低くなるように傾斜している場合、第2羽根部232bが右に変位して広がる。分割スペーサ243a~243gは、トレッド部221の傾きに応じて、分割スペーサ243aから分割スペーサ243gに向かって、順に位置が高くなる。これにより、路面が傾斜していても、トレッド部221の接地面積の縮小が抑制される。
【0125】
図26Cに示すように、第3エアレスタイヤ300の幅方向の中央部が路面の落下物を踏んだ場合、トレッド部221の中央部が上方に盛り上がるように変形する。トレッド部221の変形に応じて、中央の分割スペーサ243dと、その両隣の分割スペーサ243c,eが上方に変位する。これにより、第3エアレスタイヤ300が落下物を踏んだ場合でも、トレッド部221の接地面積の縮小が抑制される。
【0126】
図26Dに示すように、第3エアレスタイヤ300の右側が縁石に乗り上げた場合、トレッド部221の右側が上方に盛り上がるように変形する。トレッド部221の変形に応じて、第2羽根部232bが上方に変位して右に広がり、分割スペーサ243f,gが上方に変位する。これにより、第3エアレスタイヤ300が縁石に乗り上げた場合でも、トレッド部221の接地面積の縮小が抑制される。
【0127】
図26E及び図26Fに示すように、第3エアレスタイヤ300が段差を通過する場合、トレッド部221は幅方向に一様に上方に盛り上がるように変形する。トレッド部221の変形に応じて、第1羽根部231bが上方に変位して左に広がり、第2羽根部232bが上方に変位して右に広がる。また、分割スペーサ243a~243gは、一様に上方に変位する。これにより、第3エアレスタイヤ300が段差を通過する場合でも、トレッド部221の接地面積の縮小が抑制される。
【0128】
図25A及び図25Bに示すように、接地面において、第3エアレスタイヤ300に上向きの外力が加わると、前側において、荷重負荷を逃がすために分割スペーサ243a~243gは前方へ変位し、同時に押し出されたカーカス225の反力によって抑制された第1羽根部231b及び第2羽根部232bの互いが、左右方向に近づけられる。動荷重負荷が取り除かれると緩衝部230の弾性の反動力で、互いの羽根部が左右方向に離されて元の形状に戻り、同時に撓んだスペーサ243が後方に押し戻され、第3エアレスタイヤ300の形状が復元される。非伸長性のカーカス225が許容する可動領域内で、緩衝部230は左右方向の動きが抑制され、分割スペーサ243a~243gは、上下及び前後方向の動きが抑制される。これにより、衝撃の吸収と荷重支持が連動して生じる。
【0129】
図25A及び図25Cに示すように、第3エアレスタイヤ300の後側においては、図25Bで示す第3エアレスタイヤ300の前側と対称の動作が行われる。
【0130】
すなわち、分割スペーサ243a~243gは、カーカス225の反力を受けて縦アーチ構造を維持し、第3エアレスタイヤ300に加わる荷重を支持する。第1羽根部231b及び第2羽根部232bは、アセンブリ420とタイヤカバー220との二層の密接構造、ひいては横アーチ構造を維持し、第3エアレスタイヤ300に加わる衝撃を吸収するとともに、撓んだ支持部240の形状の復元を補助する。
【0131】
図29A及び図29Bに、参考例に係る自動車用の空気入りタイヤ350を示す。空気入りタイヤ350は、アセンブリ420の代わりに、タイヤカバー220内に圧縮空気が充填されている。空気入りタイヤ350の接地箇所において、空気入りタイヤ350に一時的な動荷重負荷が加わると、接地面の面圧が高くなり、充填圧力の空気は他部へ押し出される(流動する)。よって、接地面積が広くなり面圧が低下して、充填圧力と接地面の面圧(接地圧)が釣り合い、空気入りタイヤ350の緩衝作用が終わる。一時的な動荷重負荷が排除されて、空気入りタイヤ350に加わる負荷が静荷重負荷だけになると、接地面の面圧は更に低くなり、緩衝で凹んだ位置に充填圧力の空気が押し戻されて(流動して)、静荷重を支持する。そして、接地面積が元に戻って狭くなることにより、静荷重時の面圧と充填圧力が釣り合い、空気入りタイヤ350の形状が復元される。車両に装着するタイヤカバー220のカーカス225は、車両が受ける最大荷重以上(安全率)の耐荷重圧力の空気を充填しても膨張や破裂しないだけの強度(すなわち反力)を有している。荷重支持と緩衝のバランスが良い適正圧力に調整した空気が充填されるため、空気入りタイヤ350が略真円形状に維持され、荷重が支持される。すなわち、空気入りタイヤ350では、充填空気が荷重支持機能及び緩衝機能を有する。
【0132】
<3-2.第3エアレスタイヤの第2例>
図27及び図28を参照して、第3実施形態の第2例に係る第3エアレスタイヤ300Aについて説明する。基本的な構成は第3実施形態の第1例と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第3実施形態の第1例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0133】
第3実施形態の第2例に係る第3エアレスタイヤ300Aは、アセンブリ420の代わりに、アセンブリ420Aを備える。アセンブリ420Aは、支持部240Aと緩衝部230とを備える。緩衝部230は、第1緩衝部231と第2緩衝部232とを備える。支持部240Aは、5個の第1スペーサ243Aと5個の第1ケーシング245Aとの組み合わせ、及び、5個の第2スペーサ243Bと5個の第2ケーシング245Bとの組み合わせのうちのどちらか一方の組み合わせと、連結部244と、を備える。
【0134】
第1スペーサ243Aは、第1スペーサ43Aと同様に、圧縮コイルばね部材であり、円環形状の圧縮ばねである。第1スペーサ243Aは、円形の径方向断面を有する。第1スペーサ243Aは、無負荷状態において、第1ケーシング245Aの周長よりも長い周長を有する。第2スペーサ243Bは、第2スペーサ43Bと同様に、連続クランク板ばねであり、円環形状の圧縮ばねである。第2スペーサ243Bは、矩形の径方向断面を有する。第2スペーサ243Bは、無負荷状態において、第2ケーシング245Bの周長よりも長い周長を有する。
【0135】
第1ケーシング245Aは、円環形状に形成されており、非伸長性と可撓性とを有し、ホイール210に向かって開口した開口部を有する。第1ケーシング245Aの各々には、開口部を介して、圧縮した状態の第1スペーサ243Aが収納される。第1ケーシング245Aは、第1スペーサ243Aの外周面に対応する円弧形状の内周面を有する。
【0136】
第2ケーシング245Bは、円環形状に形成されており、非伸長性と可撓性とを有し、ホイール210に向かって開口した開口部を有する。第2ケーシング245Bの各々には、開口部を介して、圧縮した状態の第2スペーサ243Bが収納される。第2ケーシング245Bは、第2スペーサ243Bの外周面に対応する平面状の内周面を有する。
【0137】
図28に示すように、5個の第1ケーシング245Aの各々に第1スペーサ243Aを収納した第1セット、又は、5個の第2ケーシング245Bの各々に第2スペーサ243Bを収納した第2セットのうちのどちらか一方のセットを選択し、連結部244に装着する。そして、タイヤカバー220に、アセンブリ420Aを装着する。
【0138】
そして、タイヤカバー220にアセンブリ420Aが装着された状態で、2つのビード部223がリム212に取り付けられる。これにより、タイヤカバー220は、リム212からの離脱が抑制される。
【0139】
カーカス225は、連結部244、支持部240A(具体的には、5個の第1ケーシング245A又は5個の第2ケーシング245B)、緩衝部230(具体的には、第1羽根部231b及び第2羽根部232b)の外側へ向かう応力を抑制する。これにより、連結部244、第1羽根部231b及び第2羽根部232bは、タイヤカバー220の内面に直接密接して、二層の密接構造を形成する。
【0140】
また、第1スペーサ243Aの伸長力で加圧された第1ケーシング245A、及び、第2スペーサ243Bの伸長力で加圧された第2ケーシング245Bのどちらか選択された一方が、連結部244に密接され、タイヤカバー220の円環形状が維持される。さらに、第1羽根部231b及び第2羽根部232bがタイヤカバー220を左右方向に押し広げることにより、左右方向に膨らんだサイドウォール部222の形状が維持される。
【0141】
支持部240Aのスペーサが、5個に分割されて構成されていることにより、第3エアレスタイヤ300Aに加わる荷重が分割して支持される。また、路面形状の変化に伴うトレッド部221の変形に応じて、5個のスペーサのうち対応する位置のスペーサが変位し、路面形状の変化に順応するため、トレッド部221の接地面積の縮小が抑制される。
【0142】
なお、支持部240Aは、第1スペーサ243Aと第1ケーシング245Aとの第1セット、及び、第2スペーサ243Bと第2ケーシング245Bの第2セットのうち選択されたどちらか一方を含むが、スペーサの分割数は限定されない。
【0143】
<3-3.効果>
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)~(3)及び第2実施形態の効果(8)~(11)と同様の効果を奏する。また、第3エアレスタイヤ300Aは、第1実施形態の効果(4)~(7)と同様の効果を更に奏する。さらに、第3エアレスタイヤ300Aによれば、以下の効果を奏する。
【0144】
(12)第3エアレスタイヤ300Aでは、ケーシングの周長よりも長い周長を有する第1スペーサ243A又は第2スペーサ243Bを圧縮してケーシングに収納し、ケーシングをタイヤカバー220の内側に装着することにより、第1スペーサ243A又は第2スペーサ243Bの伸長力で加圧されたケーシングがタイヤカバー220に密接し、その状態が維持される。このため、第1スペーサ243A又は第2スペーサ243Bは、第3エアレスタイヤ300Aに加わる荷重を支持することができる。また、第3エアレスタイヤ300Aが衝撃を受けた場合に、第1スペーサ243A又は第2スペーサ243Bがケーシングの開口部に向かうように変形することにより、衝撃を緩和することができる。
【0145】
(総括)
図30に、第1エアレスタイヤ、第2エアレスタイヤ、及び第3エアレスタイヤに共通する構成と力の関係、及び力が及ぶ方向を示す。図30に示すように、外力である車体重量や衝撃荷重等の荷重負荷が、接地面においてはホイール側である内側を向いているが、水平位置(上下方向の高さの半分の位置)及び、上部(接地面の対称位置)では、円環であるアセンブリの応力により外力が外側へ逃がされるため、反対方向の外側を向いている。応力は、外力を受け止めるアセンブリに生じる抵抗力であるので、全ての位置において外力に対して反対の方向を向いている。非伸長性のタイヤカバーに生じる反力は、タイヤカバーがホイールのリムにビード部で装着且つ固定されているので、全ての位置でホイール側である内側を向いている。
【0146】
一般的には、加圧(外力)→抵抗(応力)→支持(反力)の位置順で力が伝達するが、本エアレスタイヤの接地面においてだけ、位置関係が異なっている。すなわち、本エアレスタイヤの接地面では、荷重負荷(外力)→タイヤカバー(反力)→アセンブリ(応力)の順に位置しており、一般的な力の伝達と比較して矛盾をしている。本エアレスタイヤでは、円環形状であることを利用してこの矛盾を解決している。詳しくは、接地面で受ける外力は、応力が生じるアセンブリを媒介して、接地面以外の位置において、本エアレスタイヤの内側から外側へ移動する。そして、接地面以外の位置において、タイヤカバーに生じる反力は、外側へ移動した外力をバックサポートで支持している。よって、接地面以外の位置において、外力→アセンブリに生じる応力→タイヤカバーに生じる反力の位置順で正常に力が伝達して、荷重を支持する力関係が成立している。
【0147】
次に、中空構造について説明する。本エアレスタイヤは、応力が生じる非収縮性のアセンブリが、反力が生じる非伸長性のタイヤカバーの内側に密接して配置される円環の二層構造である。接地面において荷重負荷が加えられると、外力の媒介を受けた非収縮性且つ可撓性のアセンブリは、上方向に押し上げられて前後方向へ楕円形状に撓む。反力が生じる非伸長性のタイヤカバーの内側に密接されており、接地面の対称位置である上部が鉛直反力として、水平位置が水平反力として機能し、円環のアーチ構造が成立する。したがって、この円環の二層構造が、中空構造による荷重支持を可能にしている。
【0148】
次に無支柱構造について説明する。接地面において外力は、ホイール側である内側へ向けられているが、この位置では、外力を支持する反力は機能していない。非伸長性のタイヤカバーに生じる反力は、ビードをホイールのリムにセットする事により、空気入りタイヤと同様に、全て内側を向いている。直接負荷の加わる接地面だけ、外力と反力が同じ内側を向いているので、接地面の周囲だけ構造的な荷重支持が存在していない。反力が生じる非伸長性のタイヤカバーの内側に、応力が生じる非収縮性のアセンブリを密接して配置していることにより、本エアレスタイヤの全周で荷重を支持している。接地面において、唯一ホイールと接触しているタイヤカバーに生じる反力と荷重負荷の外力が、同じ内側を向いているにも拘らず、荷重が支持されていることにより、本エアレスタイヤの無支柱構造の実現が証明される。この無支柱構造の効果として、ホイールと接触しているタイヤカバーに荷重負荷を受け止める抵抗力が発生しないので、走行時に接地面で発生する振動やノイズが車体側へ伝わりにくい。
【0149】
本エアレスタイヤは、空気入りタイヤと同様の引張構造である。ホイールのリムに取り付けられた非伸長性のタイヤカバーが、荷重負荷を媒介したアセンブリを包み込み、反力の内側に応力を閉じ込めて抑制することで、引張構造を実現している。この引張構造では、緩衝部の弾性による反動力がサイドウォール部を押し広げ、タイヤカバーとアセンブリの二層を密接にし、ホイールをセンタリングして荷重を支持している。また、接地面に加わる荷重負荷をアセンブリに媒介し、反力が生じるタイヤカバーの全周に亘り密接させることで面圧を低下させ、アセンブリのコンパクト(軽量)化を可能にしている。よって、本エアレスタイヤにおける円環のタイヤカバー及びアセンブリの二重ホイール構造及び二層密接構造が、無支柱中空構造を可能にしている。
【要約】
【課題】耐荷重性能、緩衝性能、制振性能及び静粛性能を備えたエアレスタイヤを実現する。
【解決手段】本開示のエアレスタイヤ用のアセンブリは、支持部と緩衝部とを備える。支持部は、円環形状に形成されており、円環形状の周方向に沿った第1エッジ部及び第2エッジ部と、非収縮性と可撓性とを有し、タイヤカバーのトレッド部の内面に密接するように配置される。緩衝部は、円環形状の円周全体に亘って、第1エッジ部から第1端部へ向けて延伸した第1緩衝部と、第2エッジ部から第2端部へ向けて延伸した第2緩衝部と、を含む。第1緩衝部は、第1端部よりもホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第3端部を有する。第2緩衝部は、第2端部よりもホイールの径方向外側且つ変位可能に位置する第4端部を有する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
図25D
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30