(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】適応型バンドル把持エンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
H01B 13/02 20060101AFI20241030BHJP
B65B 27/00 20060101ALI20241030BHJP
B25B 25/00 20060101ALN20241030BHJP
【FI】
H01B13/02 B
B65B27/00 C
B25B25/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020028551
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2023-01-25
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】タイ・エー・ラーセン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・ジェイ・ミッチェル
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-164583(JP,A)
【文献】特開平09-306246(JP,A)
【文献】特開2005-254389(JP,A)
【文献】特開2004-079419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 27/00
B25B 25/00
H01B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンドル軸(14)と同心であり、中央開口部(20)にアクセスする第1の開放セクタ(16)を有する支持リング(12)と、
前記支持リングに取り付けられた閉鎖リング(22)であって、前記閉鎖リングは前記バンドル軸と同心であり、前記バンドル軸回りで回転可能であり、前記閉鎖リングは第2の開放セクタ(30)を有し、前記閉鎖リングの開位置への回転が前記第2の開放セクタを前記第1の開放セクタに少なくとも部分的に位置合わせして前記中央開口部を露出し、前記第2の開放セクタを前記第1の開放セクタから位置ずれする閉位置への回転が、前記第1の開放セクタをカバーして前記中央開口部をゲート閉鎖する、閉鎖リング(22)と、
前記支持リング上の第1組の取付点(40a,40b,40c)と前記閉鎖リング上の第2組の取付点(42a,42b,42c)との間に係合した複数のスネアケーブル(38)であって、前記第1組の取付点と前記第2組の取付点とは相対的に配置され、それにより前記複数のスネアケーブルのそれぞれが前記閉位置で前記バンドル軸を部分的に取り囲み、前記開位置で前記バンドル軸を露出させる、複数のスネアケーブル(38)と、
前記閉鎖リングを回転させる操作機構(48)と
を備える、バンドル把持ツール。
【請求項2】
前記操作機構が、
前記支持リングから延伸する本体(52)と、
前記本体に入れられたモータ(50)と、
前記モータによって回転される駆動ギヤ(54)であって、前記駆動ギヤは、前記閉鎖リング上のギヤ歯(56)と係合して、前記閉鎖リングを回転させる、駆動ギヤ(54)と
を備える、請求項1に記載のバンドル把持ツール。
【請求項3】
制御信号(58)を送信する少なくとも1つのセンサ(57)と、
前記制御信号を受信すると前記モータを停止するモータ制御部(60)と
をさらに備える、請求項2に記載のバンドル把持ツール。
【請求項4】
前記モータが電気モータであり、少なくとも1つの前記センサが複数の前記スネアケーブルの少なくとも1つの張力を測定する、請求項3に記載のバンドル把持ツール。
【請求項5】
前記モータが電動であり、少なくとも1つの前記センサが前記モータのトルクを測定する、請求項3に記載のバンドル把持ツール。
【請求項6】
前記モータが空気圧式であり、少なくとも1つの前記センサが所定の最大背圧を維持するリリーフバルブである、請求項3に記載のバンドル把持ツール。
【請求項7】
少なくとも1つの前記センサが前記閉鎖リングの角回転を測定する、請求項3に記載のバンドル把持ツール。
【請求項8】
前記本体から延伸するハンドル(86)と、
前記ハンドルに取り付けられ、前記モータに動作可能に接続され、前記閉鎖リングを双方向に回転させて、前記ツールをワイヤバンドルに係合およびワイヤバンドルから離脱させるスイッチ(88)と
をさらに備える、
請求項2から7のいずれか一項に記載のバンドル把持ツール。
【請求項9】
前記本体がロボットマニピュレータ(90)に取り付けられるように構成されている、
請求項2から8のいずれか一項に記載のバンドル把持ツール。
【請求項10】
前記本体に取り付けられたバンドルカッター(96)をさらに備える、
請求項2から9のいずれか一項に記載のバンドル把持ツール。
【請求項11】
前記支持リングが、
受容基部(24)と、
前記受容基部に結合されたカバー(26)であって、前記受容基部と当該カバーとは係合し回転トラック(28)内の前記閉鎖リングを拘束する、カバー(26)と
を備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載のバンドル把持ツール。
【請求項12】
前記受容基部が、内側フランジ(68)と外側フランジ(70)とを備えた第1のチャネル(66)を有し、
前記カバーが、内側フランジ(74)と外側フランジ(76)とを備えた第2のチャネル(72)を有し、前記第1のチャネルの前記外側フランジと前記第2のチャネルの前記外側フランジとは、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとに間隔を空けるように係合し、前記閉鎖リングを受け入れるためのトラックを作成し、
前記第1のチャネルの前記内側フランジおよび前記第2のチャネルの前記内側フランジは、前記スネアケーブルが前記閉鎖リング上の前記第2組の取付点から通過する前記中央開口部に通じるスロット(78)を設ける、
請求項11に記載のバンドル把持ツール。
【請求項13】
前記第1のチャネルの前記外側フランジおよび前記第2のチャネルの前記外側フランジが、前記閉鎖リング上のギヤ歯と係合するための駆動ギヤを受け入れる横方向チャネル(80)を組み込む、
請求項12に記載のバンドル把持ツール。
【請求項14】
前記第1組の取付点が、前記支持リングの前記カバーに導管(82a,82b,82c)を備え、前記導管は、前記スネアケーブルの第1の端部(39a,39b,39c)を受け入れて拘束する、
請求項11から13のいずれか一項に記載のバンドル把持ツール。
【請求項15】
前記第2組の取付点が、前記閉鎖リングに蛇行チャネル(84a,84b,84c)を備え、前記蛇行チャネルは、前記スネアケーブルの第2の端部を受け入れて拘束する、
請求項11から14のいずれか一項に記載のバンドル把持ツール。
【請求項16】
前記第1の開放セクタの第1のセクタ角度と前記第2の開放セクタの第2のセクタ角度とが等しい、
請求項1から15のいずれか一項に記載のバンドル把持ツール。
【請求項17】
前記第1のセクタ角度および前記第2のセクタ角度が、100°以上125°以下の範囲にある、
請求項16に記載のバンドル把持ツール。
【請求項18】
前記複数のスネアケーブルが3本のスネアケーブル(38a,38b,38c)を含み、
前記第1組の取付点は、前記支持リングの第1の終端(17)の近くにおいて、前記支持リングの第2の終端(19)の近くにおいて、および前記第1の終端と前記第2の終端との中間の前記支持リングの方位角位置において、前記支持リング上に位置し、
前記第2組の取付点は、先端(34)の近くにおいて、末端(36)の近くにおいて、および前記先端と前記末端との中間の方位角位置において、前記閉鎖リング上に位置する、
請求項17に記載のバンドル把持ツール。
【請求項19】
支持リングおよび回転可能な閉鎖リングを有するバンドル把持ツールを、前記閉鎖リングが開位置にある状態で配置し、前記支持リングの第1の開放セクタおよび前記閉鎖リング上にある位置合わせ済みの第2の開放セクタを通して中央開口部を露出させるステップと、
スネアケーブルが前記支持リングの第1組の取付点の第1の端部と前記閉鎖リングの第2組の取付点の第2の端部とに係合した前記開位置でバンドル軸を露出させるステップと、
前記第1および第2の開放セクタを通して前記中央開口部にバンドルを挿入するステップと、
モータで前記閉鎖リングを回転範囲で閉位置まで回転させて、前記第2の開放セクタを前記第1の開放セクタから位置ずれさせ、前記第1の開放セクタをカバーして前記中央開口部をゲート閉鎖するステップと、
前記閉鎖リングの回転により前記スネアケーブルの湾曲部を凸状の構成から凹状の構成に移行させるステップと、
前記スネアケーブルが閉位置にある状態で前記バンドル軸と挿入されたバンドルとを部分的に取り囲むステップと
を含む、バンドルを処理するための方法。
【請求項20】
前記バンドルがワイヤバンドルであり、前記方法が、
前記閉鎖リングを前記開位置に向かって部分的に回転させるステップと、
前記閉鎖リングを前記閉位置に戻して、前記ワイヤバンドルに含まれるすべてのワイヤをより円形に統合するステップと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示に示される実施形態は、概して、バンドル把持システムに関し、より具体的には、ケーブルバンドルを受け入れるように位置合わせされ、かつ、支持リングと閉鎖リングとの間でスネアケーブルが係合した状態でケーブルバンドルを拘束するように位置ずれした開放セクタを有する支持リングおよび閉鎖リングを使用するバンドル把持ツールの実施形態に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機やその他のビークルなどの製品の複雑な電子システムや電気機械システムの製造作業でワイヤを束ねることは、非常に労働集約的である。ワイヤは織機またはフォームボードに配線され、非常に複雑なパターンで分岐、合体、終端するさまざまなハーネス配置を作成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハーネスを作成し、コネクタの取り付けまたは電気アセンブリへの挿入のためにさまざまなバンドルの整然とした配置を維持するには、ワイヤのグループを束ねて結ぶことが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に示す実施形態は、バンドル軸と同心の支持リングを有し、中央開口部にアクセスする第1の開放セクタを有するバンドル把持ツールを提供する。閉鎖リングが支持リングに取り付けられている。閉鎖リングは、バンドル軸と同心であり、バンドル軸回りで回転可能であり、第2の開放セクタを有し、閉鎖リングの開位置への回転は、第1の開放セクタと第2の開放セクタとを少なくとも部分的に位置合わせして中央開口部を露出させ、第2の開放セクタを第1の開放セクタから位置ずれさせた閉位置への回転は、第1の開放セクタをカバーして中央開口部をゲート閉鎖(gate)する。複数のスネアケーブルが、支持リング上の第1組の取付点と閉鎖リング上の第2組の取付点との間に係合され、前記第1組の取付点および第2組の取付点は相対的に配置され、それにより、前記複数のスネアケーブルのそれぞれが、閉位置でバンドル軸を部分的に取り囲み、開位置でバンドル軸を露出する。操作機構は、閉鎖リングを回転させるように構成されている。
【0005】
実施形態により、バンドルを処理するための方法が可能になる。支持リングおよび回転可能な閉鎖リングを有するバンドル把持ツールは、閉鎖リングが開位置にある状態で配置され、支持リングの第1の開放セクタおよび閉鎖リング上にある位置合わせ済みの第2の開放セクタを通して中央開口部を露出させる。バンドル軸は、開位置で露出し、スネアケーブルは、支持リングの第1組の取付点の第1の端部と閉鎖リングの第2組の取付点の第2の端部とで係合する。バンドルは、第1および第2の開放セクタを通して中央開口部に挿入される。閉鎖リングは、モータにより回転範囲で閉位置まで回転し、第2の開放セクタを第1の開放セクタから位置ずれさせ、第1の開放セクタをカバーして中央開口部をゲート閉鎖する。スネアケーブルの湾曲部は、閉鎖リングの回転により凸状の構成から凹状の構成に移行し、バンドル軸と挿入されたバンドルとは、閉位置においてスネアケーブルで部分的に取り囲まれる。
【0006】
説明された特徴、機能、および利点を、さまざまな実施形態において独立して達成することができ、または、さらに別の実施形態で組み合わせることが可能であり、そのさらなる詳細が以下の説明および図面を参照して理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】閉鎖リングがバンドル軸を露出する開位置にあるバンドル把持ツールの一例を示す図である。
【
図2】閉鎖リングが閉位置にある例を示す図である。
【
図3】閉鎖リングが開位置にあり、支持リングのカバーが取り外された例の上面図である。
【
図4】閉鎖リングが閉位置にあり、支持リングのカバーが取り外された、閉鎖リングの完全に回転した位置を示す例の上面図である。
【
図5】閉鎖リングが部分的閉位置にある例を示す図である。
【
図6】閉鎖リングが第1の開放セクタを閉じる接触位置にある例を示す図である。
【
図7】駆動ギヤからのモータの延伸された配置のための駆動シャフトを備えた駆動機構の代替構成を示す図である。
【
図8】ベベルギヤ配置を備えた駆動機構の代替構成を示す図である。
【
図9】閉鎖リングの回転を制御するためのモータ用のセンサおよび制御システムのブロック図である。
【
図10】支持リングの支持ベースおよびカバーの詳細図である。
【
図11】支持リングおよび閉鎖リング上のスネアケーブルの取付点の構造および構成のワイヤフレーム詳細図である。
【
図12】支持リングおよび閉鎖リング上のスネアケーブルの取付点の構造および構成のワイヤフレーム上面図である。
【
図13】手動ツールとしてのバンドル把持ツールの例示的な構成である。
【
図14】ロボットマニピュレータのエンドエフェクタとしてのバンドル把持ツールの例示的な構成である。
【
図15】ケーブルハーネスレイアウトボード上のケーブル支持点としてのバンドル把持ツールの例示的な構成である。
【
図16】ケーブル切断ツールと組み合わせたバンドル把持ツールの例示的な構成である。
【
図17】開示された実施形態を使用する適応型ワイヤバンドル把持エンドエフェクタの動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで説明する例は、ロボットマニピュレータ、ハンドヘルドツール、または取り付けられたリテーナシステムのエンドエフェクタとして操作できるワイヤバンドル、チューブバンドル、または同様のバンドルオブジェクトのための適応型バンドル把持ツールを提供する。本明細書の例は、把持されたバンドルとしてワイヤバンドルを示している。図面を参照すると、
図1~
図4は、バンドル軸14と同心の支持リング12を有するバンドル把持ツール10を示している。支持リング12は、中央開口部20にアクセスする第1のセクタ角度18を有する第1の開放セクタ16を有する。閉鎖リング22が支持リング12に取り付けられている。図面に示される一例では、支持リング12は、両方が中央開口部20に開口する受容基部24およびカバー26を有し、閉鎖リング22を受容するトラック28を形成する。閉鎖リング22も、バンドル軸14回りでトラック28と同心であり、トラック28内で回転可能である。閉鎖リング22は第2の開放セクタ30(
図4に最もよく見られる)を有し、閉鎖リング22が
図1および
図3に示すように開位置に回転すると、支持リング12の第2の開放セクタ30と第1の開放セクタ16とが少なくとも部分的に位置合わせし、中央開口部20を露出させる。第2の開放セクタ30は、この例では第1のセクタ角度18に等しい第2のセクタ角度32を有し、第2のセクタは、それぞれ、第1のセクタの第1の終端17および第2の終端19と先端34および末端36の両方で位置合わせする。
図2および
図4に示すように、第2の開放セクタ30を第1の開放セクタ16から位置ずれさせる閉鎖リング22の閉位置への回転は、完全閉位置で第1の開放セクタをカバーして中央開口部をゲート閉鎖する。
【0009】
複数のスネアケーブル(
図1~
図4の第1の例では一般に38、特に38a,38b,38cで示される)は、第1の端部39a,39b,39cで支持リング12上の第1組の取付点40a,40b,40cに係合し、第2の端部41a,41b,41cで閉鎖リング22上の第2組の取付点42a,42b,42cに係合する。以下により詳細に説明するように、第1組の取付点および第2組の取付点は、複数のスネアケーブルのそれぞれが閉鎖リング22の閉位置でバンドル軸14を部分的に取り囲み、閉鎖リング22の開位置でバンドル軸14を第1の開放セクタ16および第2の開放セクタ30に露出させるように相対的に配置され、それにより、開放セクタを通って中央開口部20にワイヤバンドル44のワイヤを横方向に挿入できる。開位置から閉位置への移行中の閉鎖リング22を示す
図5および
図6に見られるように、ワイヤバンドル44の相対的な包囲および係合は、スネアケーブルの湾曲部46を
図1および
図3に示すまさに凸状の構成から真っ直ぐにし、次にワイヤバンドル44を捕らえるために46’で示される湾曲部を逆にして凹状の構成にする閉鎖リング22の回転により達成される。さらなる回転により、湾曲部46’の凹面が増加し、複数の利点が得られる。ワイヤバンドル44のワイヤは、最初は緩んでいるが、一緒に引き寄せられてバンドルに統合される。さらに、閉鎖リング22の回転によって生じる湾曲部46’の係合および締め付けは、初期位置に関係なく、ワイヤバンドル44をバンドル軸14と実質的に同心の中心位置に押しやる。
【0010】
操作機構48は、閉鎖リング22を回転させるように構成される。一例では、支持リング12から延伸する本体52に入れられた電気モータ50が使用される。電気モータ50は、閉鎖リング22の外周上のギヤ歯56と係合する駆動ギヤ54を回転させる。
【0011】
別の実施形態では、駆動ギヤの回転に空気圧モータが使用される。
図7に見られるように、駆動ギヤ54と係合する中間駆動シャフト53を使用することにより、電気モータ50または空気圧モータのいずれかの箇所を支持リング12から延伸させることができる。この例では、駆動ギヤ54と閉鎖リングは同一平面上にある。別の実施形態では、
図8に示すように、垂直に向けられた駆動ギヤまたはベベルギヤ55を受け入れる閉鎖リングの底面または上面に歯付きスロットを使用する。回転速度とトルクを制御するために、さまざまな実施形態で複数のギヤステージが使用される。
【0012】
この例では、第1のセクタ角度18と第2のセクタ角度32とは実質的に等しく、100°以上125°以下の範囲にあり、名目上120°である。3つのスネアケーブル38a,38b,38cが使用され、第1組の取付点40a,40b,40cは、第1の終端17の近くにおいて、第1の終端と第2の終端19との中間の方位角位置において、および第2の終端19において、支持リング12上に位置する。第2組の取付点42a,42b,42cは、同様に、先端34の近くにおいて、先端34と末端36との中間の方位角位置において、および末端36の近くにおいて、閉鎖リング上に位置する。スネアケーブルによって形成される形状は、理想的な円の形状を模倣するルーローの三角形(Reuleaux Triangle)に近似している。動作中、スネアケーブル38内でワイヤバンドル44を最初に集約した後、閉鎖リング22を数回前後に(約45度)回転させることができる。この半円形の動きには、含まれるすべてのワイヤを引っ張って、最初のルーローの三角形だけよりも円形の形状にする利点がある。ルーローの三角形の回転は、実質的に円運動を示す。別の実施形態では、第2のセクタ角度32は、閉位置にある閉鎖リング22が第1の開放セクタを横切って延伸するという最小限の要件で第1のセクタ角度より大きくてもよい。複数のスネアケーブル38は、例では3本であるが、別の実施形態では、2本以上のスネアケーブルが、さまざまなワイヤバンドルサイズおよび張力要件に対応するために使用される。
【0013】
さまざまなワイヤバンドルサイズ(ワイヤ数とワイヤゲージの両方)に対応するため、閉鎖リング22の回転を制御してスネアケーブル38に所望の張力を与え、ワイヤバンドル44を統合する。
図9に示されるように、スネアケーブル38の張力を測定する1以上のセンサ57は、スネアケーブル38の所定の張力でモータ50を停止する制御信号58を送信するモータ制御部60により受信される信号を提供する。特定の実施形態において、センサ57は、スネアケーブルの実際の張力とは対照的に、閉鎖リング22の角回転を測定する回転センサである。あるいは、センサ57は、モータ50のトルクを測定するトルクセンサである。空気圧モータの実施形態で使用する場合、センサ57は、モータ内の所定の最大背圧を維持して、所望のスネアケーブル張力を達成するリリーフバルブである。光学位置センサや合成視覚システムなどの代替センサも使用できる。モータ制御部60は、モータ電流などの制御パラメータをモータ50から直接受け取ることもできる。特定の実施形態では、スネアケーブル38は弾性的であり、ワイヤバンドルの伸張係合を提供する。
図4および
図6に見られるように、閉位置は、第1の開放セクタ16をブロックするのに十分に回転した接触位置(
図6)から最小半径でワイヤバンドルを圧縮するための完全に回転した位置(
図4)まで閉鎖リング22の回転範囲を有する。センサ57は、閉鎖リング22の回転停止位置を決定する。
【0014】
図1~
図4および詳細な
図10に戻ると、第1の例の支持リング12は、所望の回転トラック28内で閉鎖リング22を係合および拘束する受容基部24およびカバー26を使用する。受容基部24は、内側フランジ68および外側フランジ70を備えた第1のチャネル66を有する。同様に、カバー26は、受容基部24に結合され、内側フランジ74および外側フランジ76を備えた第2のチャネル72を有する。外側フランジ70および76は、第1のチャネル66および第2のチャネル72間に間隔を空けるように係合し、閉鎖リング22を受容するためのトラック28を形成する。内側フランジ68および74は、スネアケーブル38が閉鎖リング22上の第2組の取付点42a,42b,42cから通過する中央開口部20に通じるスロット78を提供する。外側フランジ70および76は、閉鎖リング22のギヤ歯56と係合するための駆動ギヤ54を受け入れる横方向チャネル80(
図1に見られる)を組み込む。受容基部24およびカバー26を分割して使用することにより、閉鎖リング22の簡単な挿入および取付点でのスネアケーブル38の端部の取り付けが可能になる。
【0015】
別の実施形態では、単一部品の支持リング12が使用され、閉鎖リング22は、第1の開放セクタの第1および第2のチャネルの露出端部を通して螺旋状に挿入される。
【0016】
図1~
図4の例では、第1および第2組の取付点でのスネアケーブルの係合は、閉鎖リング22が開位置から閉位置への移動を開始する
図11および
図12に詳細に見られる。第1組の取付点40a,40b,40cは、スネアケーブル38a,38b,38cの第1の端部39a,39b,39cを受け入れて拘束する支持リング12のカバー26内の導管82a,82b,82cによって実装される。閉鎖リング22の蛇行チャネル84a,84b,84cは、スネアケーブル38a,38b,38cの第2の端部41a,41b,41cを受け入れて拘束することにより、第2組の取付点42a,42b,42cを提供する。例ではカバー26上に第1組の取付点が示されているが、他の実施形態では、カバーと受容基部の両方が回転する閉鎖リングに対して静止したままであるため、受容基部24に同様の導管が代替的に設けられる。
【0017】
バンドル把持ツールの例は、多くの動作構成で使用できる。
図13に見られるように、本体52から延伸するかまたは本体52を組み込むハンドル86を有するバンドル把持ツール10は、ツールの手動の位置決めおよび動作を可能にする。ハンドル86に取り付けられたトリガまたはロッカースイッチ88は、モータ50に動作可能に接続され、閉鎖リング22を双方向に回転させて、モータ制御部60に関連してワイヤバンドルからツールを係合および離脱させる。同様に、バンドル把持ツール10は、
図14に見られるように、マニピュレータ90に取り付けるように構成された本体52を備えたロボットマニピュレータ90のエンドエフェクタとして動作可能である。
図15に示すように、本体52をワイヤハーネスレイアウトボード92に係合させることにより、1以上のバンドル把持ツール10を取り付けることができる。モータ50に接続されたボード92上のフットスイッチ94または光学センサを使用して、ワイヤバンドル44の挿入時に1以上のツールの係合をトリガする。バンドル把持ツール10は、
図16に見られるように、本体52に取り付けられたバンドルカッター96などの追加のワイヤハーネス製造ツールと組み合わせることができる。バンドルカッター96が把持面と密接に位置合わせしている場合、単一のバンドル把持ツール10を使用することができる。あるいは、追加のツール11を追加した二重バンドル把持ツールを使用して、圧力ピストン98で支持リングを互いから優しく引っ張り、それにより切断動作の前にワイヤバンドル44をしっかりと押し付けることができる。ワイヤバンドル44のバインダなどの代替の製造ツールも、カッターの代わりに使用することができる。そのような組み合わせは、ロボットマニピュレータ90のエンドエフェクタとしても動作可能である。
【0018】
バンドル把持ツール10の記載された実施形態は、
図17に示されるようなワイヤバンドルなどのバンドルを処理するための方法1700を提供する。支持リング12および回転可能な閉鎖リング22を有するバンドル把持ツール10は、閉鎖リングが開位置にある状態で配置され、支持リングの第1の開放セクタ16および閉鎖リング上にある位置合わせ済みの第2の開放セクタ30により中央開口部20を露出させる(ステップ1702)。開位置において、スネアケーブル38が、支持リング上の第1組の取付点で第1の端部に、そして閉鎖リング上の第2組の取付点で第2の端部に係合して、バンドル軸を開放セクタに露出させる(ステップ1704)。バンドルは、ツールの動きまたはバンドルの挿入のいずれかによって、第1および第2の開放セクタを通して中央開口部に受け入れられる(ステップ1706)。モータ50は、回転範囲で閉位置まで閉鎖リングを回転させ、第2の開放セクタを第1の開放セクタから位置ずれさせ、第1の開放セクタをカバーして中央開口部をゲート閉鎖する(ステップ1708)。閉鎖リングの回転により、スネアケーブルの湾曲部が凸状の構成から凹状の構成に移行し(ステップ1710)、それにより、閉位置では、スネアケーブルはバンドル軸および挿入されたバンドルを部分的に取り囲む(ステップ1712)。センサ57は、スネアケーブル38の張力、閉鎖リングの回転位置、モータトルクまたは圧力について監視され、モータ停止位置を決定する(ステップ1714)。閉鎖リング22は、数回、開位置に向かって部分的に回転され、閉位置に戻されて、ワイヤバンドルに含まれるすべてのワイヤをより円形に統合する(ステップ1716)。閉鎖リング22を開位置に向かってわずかに回転させ、スネアケーブル38の張力を低下させて、バンドル44またはバンドル把持ツール10がバンドル軸14に沿って互いに対して長手方向にスライドできるようにしてもよい(ステップ1718)。スネアケーブル38の張力を維持しながら、バンドル把持ツール10をバンドル44に対してバンドル軸14に沿って長手方向に平行移動させて、当該バンドルを引っ張ることができる(ステップ1720)。また、バンドルを切断したり結んだりするなどの二次動作が実行されてもよい(ステップ1722)。
【0019】
さらに、本開示は、以下の付記項に係る実施形態を含む。
【0020】
付記項1.バンドル軸(14)と同心であり、中央開口部(20)にアクセスする第1の開放セクタ(16)を有する支持リング(12)と、
支持リングに取り付けられた閉鎖リング(22)であって、閉鎖リングはバンドル軸と同心であり、バンドル軸回りで回転可能であり、閉鎖リングは第2の開放セクタ(30)を有し、閉鎖リングの開位置への回転が第2の開放セクタを第1の開放セクタに少なくとも部分的に位置合わせさせて中央開口部を露出させ、第2の開放セクタを第1の開放セクタから位置ずれさせる閉位置への回転が、第1の開放セクタをカバーして中央開口部をゲート閉鎖する、閉鎖リング(22)と、
支持リング上の第1組の取付点(40a,40b,40c)と閉鎖リング上の第2組の取付点(42a,42b,42c)との間に係合した複数のスネアケーブル(38)であって、前記第1組の取付点と前記第2組の取付点とは相対的に配置され、それにより前記複数のスネアケーブルのそれぞれが閉位置でバンドル軸を部分的に取り囲み、開位置でバンドル軸を露出させる、複数のスネアケーブル(38)と、
閉鎖リングを回転させる操作機構(48)と
を備える、バンドル把持ツール。
【0021】
付記項2.操作機構が、
支持リングから延伸する本体(52)と、
本体に入れられたモータ(50)と、
モータによって回転される駆動ギヤ(54)であって、前記駆動ギヤは、閉鎖リング上のギヤ歯(56)と係合して、閉鎖リングを回転させる、駆動ギヤ(54)と
を備える、付記項1に記載のバンドル把持ツール。
【0022】
付記項3.制御信号(58)を送信する少なくとも1つのセンサ(57)と、
制御信号を受信するとモータを停止するモータ制御部(60)と
をさらに備える、付記項2に記載のバンドル把持ツール。
【0023】
付記項4.モータが電気モータであり、少なくとも1つのセンサが複数のスネアケーブルの少なくとも1つの張力を測定する、付記項3に記載のバンドル把持ツール。
【0024】
付記項5.モータが電動であり、少なくとも1つのセンサがモータのトルクを測定する、付記項3に記載のバンドル把持ツール。
【0025】
付記項6.モータが空気圧式であり、少なくとも1つのセンサが所定の最大背圧を維持するリリーフバルブである、付記項3に記載のバンドル把持ツール。
【0026】
付記項7.少なくとも1つのセンサが閉鎖リングの角回転を測定する、付記項3に記載のバンドル把持ツール。
【0027】
付記項8.支持リングが、
受容基部(24)と、
受容基部に結合されたカバー(26)であって、前記受容基部とカバーは回転トラック(28)内で閉鎖リングを係合および拘束する、カバー(26)と
を備える、付記項1から7のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0028】
付記項9.受容基部が、内側フランジ(68)と外側フランジ(70)とを備えた第1のチャネル(66)を有し、
カバーが、内側フランジ(74)と外側フランジ(76と)を備えた第2のチャネル(72)を有し、前記第1のチャネルの外側フランジと第2のチャネルの外側フランジとは、第1のチャネルと第2のチャネルとに間隔を空けるように係合し、閉鎖リングを受け入れるためのトラックを作成し、
第1のチャネルの内側フランジと第2のチャネルの内側フランジとは、スネアケーブルが閉鎖リング上の第2組の取付点から通過する中央開口部に通じるスロット(78)を提供する、
付記項8に記載のバンドル把持ツール。
【0029】
付記項10.第1のチャネルの外側フランジおよび第2のチャネルの外側フランジが、閉鎖リング上のギヤ歯と係合するための駆動ギヤを受け入れる横方向チャネル(80)を組み込む、付記項9に記載のバンドル把持ツール。
【0030】
付記項11.第1組の取付点が、支持リングのカバーに導管(82a,82b,82c)を備え、前記導管は、スネアケーブルの第1の端部(39a,39b,39c)を受け入れて拘束する、
付記項8から10のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0031】
付記項12.第2組の取付点が、閉鎖リングに蛇行チャネル(84a,84b,84c)を備え、前記蛇行チャネルは、スネアケーブルの第2の端部を受け入れて拘束する、
付記項8から11のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0032】
付記項13.第1の開放セクタの第1のセクタ角度と第2の開放セクタの第2のセクタ角度とが等しい、付記項1から12のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0033】
付記項14.第1のセクタ角度および第2のセクタ角度が、100°以上125°以下の範囲にある、付記項13に記載のバンドル把持ツール。
【0034】
付記項15.複数のスネアケーブルが3本のスネアケーブル(38a,38b,38c)を含み、
第1組の取付点は、支持リングの第1の終端(17)の近くにおいて、支持リングの第2の終端(19)の近くにおいて、および第1の終端と第2の終端の中間の支持リングの方位角位置において、支持リング上に位置し、
第2組の取付点は、先端(34)の近くにおいて、末端(36)の近くにおいて、および先端と末端の中間の方位角位置において、閉鎖リング上に位置する、
付記項14に記載のバンドル把持ツール。
【0035】
付記項16.本体から延伸するハンドル(86)と、
ハンドルに取り付けられ、モータに動作可能に接続され、閉鎖リングを双方向に回転させて、ツールをワイヤバンドルに係合およびワイヤバンドルから離脱させるスイッチ(88)と
をさらに備える、付記項2から15のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0036】
付記項17.本体がロボットマニピュレータ(90)に取り付けられるように構成されている、付記項2から16のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0037】
付記項18.本体に取り付けられたバンドルカッター(96)をさらに備える、付記項2から17のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0038】
付記項19.支持リングおよび回転可能な閉鎖リングを有するバンドル把持ツールを、閉鎖リングが開位置にある状態で配置し、支持リングの第1の開放セクタおよび閉鎖リング上にある位置合わせ済みの第2の開放セクタを通して中央開口部を露出させるステップと、
スネアケーブルが支持リングの第1組の取付点の第1の端部と閉鎖リングの第2組の取付点の第2の端部とに係合した開位置でバンドル軸を露出させるステップと、
第1および第2の開放セクタを通して中央開口部にバンドルを挿入するステップと、
モータで閉鎖リングを回転範囲で閉位置まで回転させて、第2の開放セクタを第1の開放セクタから位置ずれさせ、第1の開放セクタをカバーして中央開口部をゲート閉鎖するステップと、
閉鎖リングの回転によりスネアケーブルの湾曲部を凸状の構成から凹状の構成に移行させるステップと、
スネアケーブルが閉位置にある状態でバンドル軸と挿入されたバンドルを部分的に取り囲むステップと
を含む、バンドルを処理するための方法。
【0039】
付記項20.バンドルがワイヤバンドルであり、方法が、
閉鎖リングを開位置に向かって部分的に回転させるステップと、
閉鎖リングを閉位置に戻して、ワイヤバンドルに含まれるすべてのワイヤをより円形に統合するステップと
をさらに含む、付記項19に記載の方法。
【0040】
付記項21.ハンドル(11)から延伸する支持リングセクタ(12a)および支持リングセクタに対向するハンドルに枢動可能に取り付けられたジョー(12b)であって、前記ジョーは開位置から閉位置まで回転可能であり、ジョーと支持リングセクタは、バンドル軸(14)と同心の円形支持リング(12)を形成し、ジョーは、開位置で中央開口部(20)にアクセスする第1の開放セクタ(16)を露出させる、支持リングセクタ(12a)およびジョー(12b)と、
開位置でジョーに支持され、閉位置において支持リングで回転可能であるスネアリング(22)であって、スネアリングは、バンドル軸と同心で、バンドル軸を中心に回転位置まで回転可能であり、スネアリングは、スネアリングの非回転位置において、第2の開放セクタを第1の開放セクタと少なくとも部分的に位置合わせされて中央開口部を露出する第2の開放セクタ(30)を有する、スネアリング(22)と、
支持リング上の第1組の取付点(42a,42b,42c)とスネアリング上の第2組の取付点(44a、44b、44c)との間で係合する複数のスネアケーブル(40)であって、前記第1組の取付点および前記第2組の取付点は相対的に配置され、それにより、前記複数のスネアケーブルのそれぞれが、閉位置および回転位置でバンドル軸を部分的に取り囲み、非回転位置および開位置でバンドル軸を露出させる、複数のスネアケーブル(40)と、
ジョーを開閉し、ジョーが閉位置にある状態でスネアリングを回転させるアクチュエータ(48)と
を備える、バンドル把持ツール。
【0041】
付記項22.アクチュエータが、
スネアリングから半径方向に延伸するタブ(54)に枢動可能に接続された作動ロッド(52)を備えた空気圧シリンダ(50)を有するリニアアクチュエータであって、作動ロッドの最初の延伸により、スネアリングが支持されているジョーが開位置から閉位置に促され、作動ロッドの延伸は、スネアリングの非回転位置から回転位置への回転を促す、リニアアクチュエータ
を備える、付記項21に記載のバンドル把持ツール。
【0042】
付記項23.スネアケーブルの張力を決定する少なくとも1つのセンサ(57)をさらに備える、付記項21または22に記載のバンドル把持ツール。
【0043】
付記項24.少なくとも1つのセンサが、最大背圧を維持するリリーフバルブを備える、付記項23に記載のバンドル把持ツール。
【0044】
付記項25.アクチュエータが電動モータ(51)を使用し、少なくとも1つのセンサが複数のスネアケーブルの少なくとも1つの張力を測定する、付記項21から24のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0045】
付記項26.アクチュエータが電動モータを使用し、少なくとも1つのセンサがモータのトルクを測定する、付記項21から24のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0046】
付記項27.アクチュエータが電動モータを使用し、少なくとも1つのセンサがスネアリングの角回転を測定する、付記項21から24のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0047】
付記項28.支持リングセクタとジョーがそれぞれ上面(24)と円周面(25)を有し、スネアリングが、
ウェブ(30)から半径方向内向きに延伸する上部フランジ(28)であって、上部フランジおよびウェブは、支持リングセクタおよびジョーの上面および円周面と滑り接触で係合するように構成される、上部フランジ(28)
を備える、付記項21から27のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0048】
付記項29.支持リングセクタが外周の第1スロット(26a)を有し、ジョーが外周の第2スロット(26b)を有し、スネアリングが、ウェブから半径方向内向きに延伸し、非回転位置にある第2スロットと回転位置の範囲にある第1スロットとに係合するガイドリング(32)をさらに備える、付記項28に記載のバンドル把持ツール。
【0049】
付記項30.アクチュエータがスネアリングから延伸するタブ(54)に枢動可能に接続されている、付記項29に記載のバンドル把持ツール。
【0050】
付記項31.第1組の取付点が、支持リング内の導管(82a,82b,82c)を含み、前記導管は、スネアケーブルの第1の端部(41a,41b,41c)を受け入れて拘束する、
付記項28から30のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0051】
付記項32.第2組の取付点が、スネアリングの上部フランジにチャネル(84a,84b,84c)を備え、前記チャネルは、スネアケーブルの第2の端部(43a,43b,43c)を受け入れて拘束する、
付記項28から31のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0052】
付記項33.第1の開放セクタの第1のセクタ角度が100°以上130°以下の範囲にある、付記項21から32のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0053】
付記項34.第2の開放セクタの第2のセクタ角度が115°以上125°以下の範囲にある、付記項33に記載のバンドル把持ツール。
【0054】
付記項35.複数のスネアケーブルが3本のスネアケーブル(40a,40b,40c)を含み、
第1組の取付点は、支持リングセクタの合わせ面(27b)の近くにおいて、合わせ面から115°以上125°以下の方位角位置において、および合わせ面から235°以上245°以下の第2の方位角位置において、支持リング上に位置し、
第2組の取付点は、後縁部(33)の近くにおいて、後縁部と前縁部(28)の中間の方位角位置において、および前縁部の近くにおいて、スネアリング上に位置する、
付記項21から34のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0055】
付記項36.ハンドルに取り付けられ、アクチュエータに動作可能に接続されてジョーを双方向に開閉し、スネアリングを回転させて、ツールをワイヤバンドルに係合およびワイヤバンドルから離脱させるスイッチ(62)
をさらに備える、付記項22から35のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0056】
付記項37.ハンドルが、ロボットマニピュレータ(64)に取り付けられるように構成されている、付記項22から36のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0057】
付記項38.ハンドルに取り付けられたバンドルカッター(70)をさらに備える、付記項22から37のいずれかに記載のバンドル把持ツール。
【0058】
付記項39.ジョーを備えた支持リングおよび回転可能なスネアリングを有するバンドル把持ツールを、ジョーが開位置にあり、スネアリングが非回転位置にある状態で配置して、支持リングの第1の開放セクタを通る中央開口部を露出させるステップと、
スネアケーブルが支持リング上の第1組の取付点の第1の端部と、スネアリング上の第2組の取付点の第2の端部に係合した状態で、バンドル軸を開位置で露出させるステップと、
バンドルを第1の開放セクタから中央開口部に挿入するステップと、
ジョーを閉じ、アクチュエータでスネアリングを回転範囲で回転位置まで回転させて中央開口部をゲート閉鎖するステップと、
スネアリングの回転によりスネアケーブルの湾曲部を凹状の構成に移行させるステップと、
スネアケーブルが回転位置にある状態でバンドル軸と挿入されたバンドルを部分的に取り囲むステップと
を含む、ワイヤバンドルを処理するための方法。
【0059】
付記項40.スネアリングを非回転位置に向かって部分的に回転させるステップと、
スネアリングを回転位置に戻して、バンドルに含まれるすべてのワイヤをより円形に統合するステップと
をさらに含む、付記項39に記載の方法。
【0060】
特許法によって要求されるように本開示のさまざまな実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、本明細書に開示された特定の実施形態への修正および置換は理解されよう。以下の特許請求の範囲で画定されるように、このような修正は、本発明の範囲内であり、意図されるものである。
【符号の説明】
【0061】
10 バンドル把持ツール、11 追加のツール,ハンドル、12 支持リング、12a 支持リングセクタ、12b ジョー、14 バンドル軸、16 第1の開放セクタ、17 第1の終端、18 第1のセクタ角度、19 第2の終端、20 中央開口部、22 閉鎖リング、24 受容基部、26 カバー、28 トラック、30 第2の開放セクタ、32 第2のセクタ角度、34 先端、36 末端、38 スネアケーブル、38a スネアケーブル、38b スネアケーブル、38c スネアケーブル、39a 第1の端部、39b 第1の端部、39c 第1の端部、40a 第1組の取付点、40b 第1組の取付点、40c 第1組の取付点、41a 第2の端部、41b 第2の端部、41c 第2の端部、42a 第2組の取付点、42b 第2組の取付点、42c 第2組の取付点、44 ワイヤバンドル、46 湾曲部、46’ 湾曲部、48 操作機構,アクチュエータ、50 電気モータ、空気圧シリンダ、52 本体、53 中間駆動シャフト、54 駆動ギヤ、55 ベベルギヤ、56 ギヤ歯、57 センサ、58 制御信号、60 モータ制御部、66 第1のチャネル、68 内側フランジ、70 外側フランジ、72 第2のチャネル、74 内側フランジ、76 外側フランジ、78 スロット、80 横方向チャネル、82a 導管、82b 導管、82c 導管、84a 蛇行チャネル、84b 蛇行チャネル、84c 蛇行チャネル、86 ハンドル、88 スイッチ、90 ロボットマニピュレータ、92 ワイヤハーネスレイアウトボード、94 フットスイッチ、96 バンドルカッター、98 圧力ピストン