(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】中継端子装置及び電気機器
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20241030BHJP
H01R 9/24 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
H01R4/48 A
H01R9/24
(21)【出願番号】P 2020165453
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】矢加部 篤
(72)【発明者】
【氏名】中川 幸彦
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-294467(JP,A)
【文献】特開2004-103263(JP,A)
【文献】実開平06-011266(JP,U)
【文献】特開2013-115006(JP,A)
【文献】実開昭52-105089(JP,U)
【文献】特開平05-122821(JP,A)
【文献】実開昭62-139088(JP,U)
【文献】実公昭55-008214(JP,Y2)
【文献】特開2006-085109(JP,A)
【文献】特開平10-012294(JP,A)
【文献】特開昭57-154777(JP,A)
【文献】特開平11-214071(JP,A)
【文献】登録実用新案第3041098(JP,U)
【文献】特開2007-110383(JP,A)
【文献】実開昭59-144986(JP,U)
【文献】実開昭53-115025(JP,U)
【文献】実開昭48-062586(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/48
H01R 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダ、及び
前記ホルダに設けられており、前記ホルダに挿入される複数の導電部材を
基板に実装されたスプリング端子台に電気的に接続する接続体
を備え、
前記接続体は、
前記ホルダ外へ突出しており、前記スプリング端子台に挿入されて前記スプリング端子台に電気的に接続される電極部と、
前記ホルダ内に設けられており、前記複数の導電部材をそれぞれ挟み込み前記電極部に電気的に接続するクランプ部と
を有しており、
前記ホルダ及び前記クランプ部は、前記電極部を前記スプリング端子台に挿入することにより、前記電極部を介して前記スプリング端子台に支持され、
前記電極部は、一つのみ前記ホルダ外に突出している
中継端子装置。
【請求項2】
前記クランプ部は、
受け部材と、
前記複数の導電部材を前記受け部材に押し付ける複数の板ばねと
を有している
請求項1に記載の中継端子装置。
【請求項3】
前記複数の板ばねの少なくとも1つは、導電性を有する板ばねであり、
前記電極部は、前記導電性を有する板ばねに接続されている
請求項2に記載の中継端子装置。
【請求項4】
前記受け部材は、導電性を有しており、
前記電極部は、前記受け部材に接続されている
請求項2に記載の中継端子装置。
【請求項5】
前記複数の板ばねは、前記複数の板ばねが前記複数の導電部材を前記受け部材に押し付ける方向に一列に配置されている
請求項2から4までのいずれか1項に記載の中継端子装置。
【請求項6】
前記電極部は、
筒状の導電部、及び
前記導電部の内部に充填されている樹脂部
を有している
請求項1から4までのいずれか1項に記載の中継端子装置。
【請求項7】
基板、
前記基板に実装されているスプリング端子台、
前記スプリング端子台に接続されている中継端子装置、及び
前記中継端子装置に接続されている複数の導電部材
を備え、
前記中継端子装置は、
ホルダと、
前記ホルダに設けられており、前記複数の導電部材を前記スプリング端子台に電気的に接続している接続体と
を有しており、
前記接続体は、
前記ホルダ外へ突出しており、前記スプリング端子台に挿入されて前記スプリング端子台に電気的に接続されている電極部と、
前記ホルダ内に設けられており、前記複数の導電部材をそれぞれ挟み込み前記電極部に電気的に接続しているクランプ部と
を有しており、
前記ホルダ及び前記クランプ部は、前記電極部を前記スプリング端子台に挿入することにより、前記電極部を介して前記スプリング端子台に支持され、
前記電極部は、一つのみ前記ホルダ外に突出している
電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スプリング端子台に電気的に接続される接続体を備えた中継端子装置及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の端子台は、1つの接続端子を備えている。接続端子には、1本の電線が接続される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の端子台には、接続端子が1つしか設けられていない。従って、1つの端子台に複数の電線を接続する必要が生じた場合には、上記の端子台を、複数の接続端子を有する端子台に交換する必要がある。しかし、端子台を交換するには、例えば、端子台が固定されている装置の分解を要する場合がある。そのため、端子台の交換には手間がかかることが多い。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、既存のスプリング端子台を交換することなく、複数の導電部材を1つのスプリング端子台に電気的に接続させることができる中継端子装置及び電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る中継端子装置は、ホルダ、及びホルダに設けられており、ホルダに挿入される複数の導電部材をスプリング端子台に電気的に接続する接続体を備え、接続体は、ホルダ外へ突出しており、スプリング端子台に挿入されてスプリング端子台に電気的に接続される電極部と、ホルダ内に設けられており、複数の導電部材をそれぞれ挟み込み電極部に電気的に接続するクランプ部とを有しており、ホルダ及びクランプ部は、電極部をスプリング端子台に挿入することにより、電極部を介して前記スプリング端子台に支持される。
【0007】
本開示に係る電気機器は、基板、基板に実装されているスプリング端子台、スプリング端子台に接続されている中継端子装置、及び中継端子装置に接続されている複数の導電部材を備え、中継端子装置は、ホルダと、ホルダに設けられており、複数の導電部材を前記スプリング端子台に電気的に接続している接続体とを有しており、接続体は、ホルダ外へ突出しており、スプリング端子台に挿入されてスプリング端子台に電気的に接続されている電極部と、ホルダ内に設けられており、複数の導電部材をそれぞれ挟み込み電極部に電気的に接続しているクランプ部とを有しており、ホルダ及びクランプ部は、電極部をスプリング端子台に挿入することにより、電極部を介して前記スプリング端子台に支持されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る中継端子装置及び電気機器によれば、既存のスプリング端子台を交換することなく、複数の導電部材を1つのスプリング端子台に電気的に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る電気機器の要部を示す側面図である。
【
図2】
図1の電気機器を分解して示す側面図である。
【
図4】
図1のスプリング端子台及び中継端子装置がそれぞれ4つずつ並べて配置されている状態を示す平面図である。
【
図5】実施の形態2に係る中継端子装置の接続体を示す側面図である。
【
図6】実施の形態3に係る中継端子装置の接続体を示す側面図である。
【
図7】実施の形態4に係る中継端子装置の接続体を示す側面図である。
【
図8】実施の形態5に係る中継端子装置の接続体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電気機器の要部を示す側面図である。
図2は、
図1の電気機器を分解して示す側面図である。図において、電気機器は、基板60、スプリング端子台50、中継端子装置10、導電部材としての第1電線41、及び導電部材としての第2電線42を備えている。
【0011】
スプリング端子台50は、基板60に実装されている。中継端子装置10は、スプリング端子台50に接続されている。第1電線41及び第2電線42は、中継端子装置10に接続されている。
【0012】
スプリング端子台50は、端子台ホルダ51、接続端子52、及び端子台板ばね53を備えている。図において、端子台ホルダ51は、断面によって示されている。端子台ホルダ51の材料としては、樹脂が用いられている。端子台ホルダ51の外形は直方体である。端子台ホルダ51には、端子台挿入口54が設けられている。
【0013】
接続端子52及び端子台板ばね53は、端子台ホルダ51内に保持されている。さらに、接続端子52の下部及び端子台板ばね53の下部は、それぞれ基板60の図示しないスルーホールに通され、基板60にはんだ付けされている。これにより、スプリング端子台50は、基板60に対して固定されている。
【0014】
中継端子装置10は、ホルダ20、及び接続体30を備えている。図において、ホルダ20は、断面によって示されている。
【0015】
ホルダ20の材料としては、樹脂が用いられている。ホルダ20の外形は直方体である。ホルダ20の上面には、第1挿入口21及び第2挿入口22が開口している。
【0016】
接続体30は、ホルダ20に設けられている。接続体30は、電極部31とクランプ部32とを有している。
【0017】
電極部31は、ホルダ20の底面からホルダ20外へ突出している。電極部31は、導電部及び樹脂部を備えている。導電部の形状は、円筒状である。樹脂部は、導電部の内部に充填されている。
【0018】
クランプ部32は、ホルダ20内に設けられている。また、クランプ部32は、ホルダ20によって保持されている。クランプ部32は、受け部材33、第1板ばね34、及び第2板ばね35を有している。
【0019】
受け部材33は、ホルダ20に支持されている。受け部材33の材料としては、導電性を有する金属材料が用いられている。受け部材33の断面形状はU字型である。
【0020】
受け部材33は、平板状の底部33a、平板状の第1受け部33b、及び平板状の第2受け部33cを有している。底部33aは、ホルダ20に固定されている。第1受け部33bは、底部33aの一端から、底部33aに対して直角に突出している。第2受け部33cは、底部33aの他端から、底部33aに対して直角に突出している。即ち、第1受け部33bと第2受け部33cとは、底部33aから同方向へ突出している。
【0021】
第1電線41が第1挿入口21からホルダ20に挿入されたとき、第1受け部33bは、第1板ばね34との間において、第1電線41を挟み込む。
【0022】
第2電線42が第2挿入口22からホルダ20に挿入されたとき、第2受け部33cは、第2板ばね35との間において、第2電線42を挟み込む。
【0023】
図3は、
図1の接続体30を示す斜視図である。即ち、
図3には、中継端子装置10のホルダ20を除く構成要素が示されている。
【0024】
第1板ばね34の材料としては、導電性を有する金属材料が用いられている。第1板ばね34の断面形状は鉤型である。第2板ばね35の材料としては、導電性を有する金属材料が用いられている。第2板ばね35の断面形状は第1板ばね34と同様に鉤型である。
【0025】
第1板ばね34は、第1基部34a、第1湾曲部34b、及び第1押さえ部34cを有している。第1板ばね34の材料としては、導電性を有する金属材料が用いられている。第1基部34aは、ホルダ20に固定されている。第1湾曲部34bは、円弧状に湾曲している。第1湾曲部34bは、弾性変形することにより、第1電線41を第1受け部33bに押し付けるための弾性力を発生する。この弾性力により、第1板ばね34は、受け部材33に第1電線41を押し付ける。
【0026】
第2板ばね35は、第2基部35a、第2湾曲部35b、及び第2押さえ部35cを有している。第2板ばね35の材料としては、導電性を有する金属材料が用いられている。第2基部35aは、ホルダ20に支持されている。第2湾曲部35bは、円弧状に湾曲している。第2湾曲部35bは、弾性変形することにより、第2電線42を第2受け部33cに押し付けるための弾性力を発生する。この弾性力により、第2板ばね35は、受け部材33に第2電線42を押し付ける。
【0027】
第2板ばね35の下端には、電極部31が接続されている。第2板ばね35及び電極部31の導電部は、1枚の金属板によって形成されている。より具体的に述べると、加工前の電極部31の導電部は、第2基部35aと一体の金属板である。加工時には、第2基部35aの下端において、第2基部35aと加工前の電極部31の導電部との間の一部が切り離される。そして、電極部31の導電部は、第2基部35aと切り離された部分が円筒状に巻かれることにより形成されている。
【0028】
導電部が巻かれた後、電極部31の導電部の内部には、樹脂材料が充填され、樹脂部が形成される。電極部31に外部から圧力が加えられたとき、電極部31の内部の樹脂部により導電部の変形が抑制される。
【0029】
第1板ばね34と第2板ばね35とは、受け部材33を中心に線対称に配置されている。また、第1板ばね34及び第2板ばね35は、第1板ばね34が第1電線41を受け部材33に押し付ける方向及び第2板ばね35が第2電線42を受け部材33に押し付ける方向に一列に配置されている。
【0030】
第1電線41は、芯線41a及び絶縁被覆41bを有している。第2電線42は、芯線42a及び絶縁被覆42bを有している。第1電線41及び第2電線42は、ホルダ20に挿入されている。具体的には、第1電線41は、第1挿入口21からホルダ20に挿入され、第2電線42は、第2挿入口22からホルダ20に挿入されている。
【0031】
第1電線41が第1挿入口21からホルダ20内に挿入されると、芯線41aは、第1受け部33bと第1押さえ部34cとの間に挟み込まれる。これにより、第1電線41が第1受け部33bに押し付けられる。
【0032】
第2電線42が第2挿入口22からホルダ20内に挿入されると、芯線42aは、第2受け部33cと第2押さえ部35cとの間に挟み込まれる。これにより、第2電線42が第2受け部33cに押し付けられる。
【0033】
このように、クランプ部32は、第1電線41及び第2電線42をそれぞれ挟み込むことにより、第1電線41及び第2電線42を電極部31に電気的に接続する。
【0034】
また、第1電線41がホルダ20に挿入されると、絶縁被覆41bの端部が第1受け部33bの上端に突き当たることにより、第1電線41の上下方向の位置が規制される。同様に、第2電線42がホルダ20に挿入されると、絶縁被覆42bの端部が第2受け部33cの上端に突き当たることにより、第2電線42の上下方向の位置が規制される。
【0035】
電極部31が端子台挿入口54から端子台ホルダ51に挿入されると、電極部31は、接続端子52と端子台板ばね53の押さえ部との間に挟み込まれる。このように、電極部31は、スプリング端子台50に挿入され、スプリング端子台50に電気的に接続される。つまり、接続体30は、第1電線41及び第2電線42をスプリング端子台50に電気的に接続する。
【0036】
このとき、ホルダ20及びクランプ部32は、電極部31をスプリング端子台50に挿入することにより、電極部31を介してスプリング端子台50に支持される。
【0037】
このように、実施の形態1に係る中継端子装置10及び電気機器では、接続体30は、ホルダ20に設けられており、ホルダ20に挿入される第1電線41及び第2電線42をスプリング端子台50に電気的に接続する。また、接続体30は、電極部31とクランプ部32とを有している。電極部31は、ホルダ20外へ突出しており、スプリング端子台50に挿入されてスプリング端子台50に電気的に接続される。クランプ部32は、ホルダ20内に設けられており、第1電線41及び第2電線42をそれぞれ挟み込み電極部31に電気的に接続する。さらに、ホルダ20及びクランプ部32は、電極部31をスプリング端子台50に挿入することにより、電極部31を介してスプリング端子台50に支持される。
【0038】
このため、基板60に固定された既存のスプリング端子台50を別の端子台に交換することなく、複数の導電部材を1つのスプリング端子台50に電気的に接続させることができる。
【0039】
また、電極部31をスプリング端子台50に挿入するだけで、中継端子装置10を基板60に固定することができる。
【0040】
なお、実施の形態1において、第1板ばね34の材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、金属材料でなくてもよく、導電性を有していない材料、例えば、樹脂材料であってもよい。
【0041】
また、実施の形態1において、電極部31は、第2板ばね35に接続されていたが、電極部31は、第1板ばね34に接続されていてもよい。この場合、第2板ばね35の材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、導電性を有していない材料、例えば、樹脂材料であってもよい。
【0042】
ここで、
図4は、
図1のスプリング端子台50及び中継端子装置10がそれぞれ4つずつ並べて配置されている状態を示す平面図である。
【0043】
この状態では、各中継端子装置10は、4つのスプリング端子台50の整列方向に対して第1挿入口21と第2挿入口22とが直角に並ぶように配置されている。各第1挿入口21は、4つのスプリング端子台50の整列方向と同じ方向に、一列に整列する。各第2挿入口22は、第1挿入口21の列とは異なる列として、4つのスプリング端子台50の整列方向と同じ方向に、一列に整列する。
【0044】
各第1挿入口21の開口の大きさ、各第2挿入口22の開口の大きさ、及び各端子台挿入口54の開口の大きさは、それぞれ等しい。従って、第1挿入口21及び第2挿入口22に挿入することが可能な電線の最大線径は、端子台挿入口54に挿入することが可能な電線の最大線径と変わらない。
【0045】
電線の許容電流は、電線の断面積が大きいほど大きい。従って、挿入口に挿入可能な電線の最大線径が変わらなければ、挿入口に挿入可能な電線の許容電流は変わらない。つまり、実施の形態1に係る中継端子装置10によれば、挿入口に挿入可能な電線の許容電流を低下させることなく、2本の電線、即ち、第1電線41及び第2電線42を1つのスプリング端子台50に接続させることができる。
【0046】
なお、
図4において、第1挿入口21及び第2挿入口22の形状は、円形であるが、第1挿入口21及び第2挿入口22の形状は、これに限定されない。例えば、第1挿入口21及び第2挿入口22の形状は、矩形であってもよい。また、第1挿入口21と第2挿入口22とが、1つの挿入口としてつながっていてもよい。
【0047】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る中継端子装置について説明する。
図5は、実施の形態2に係る中継端子装置の接続体を示す側面図である。
【0048】
接続体30Aは、電極部31Aとクランプ部32Aとを有している。電極部31Aの構成は、実施の形態1の電極部31の構成と同様である。
【0049】
クランプ部32Aは、受け部材33A、第1板ばね34A、及び第2板ばね35Aを有している。受け部材33A、第1板ばね34A、及び第2板ばね35Aの材料としては、金属材料が用いられている。第1板ばね34A及び第2板ばね35Aは、第1板ばね34A及び第2板ばね35Aが、クランプ部32Aに挟み込まれる各電線を受け部材33Aにそれぞれ押し付ける方向に一列に配置されている。
【0050】
電極部31Aは、受け部材33Aの中央下部から下方へ突出している。電極部31Aは、受け部材33Aと電気的に接続されている。接続体30Aの構成を除いて、中継端子装置の構成、及び電気機器の構成は、実施の形態1と同様である。
【0051】
これによれば、第1板ばね34A及び第2板ばね35Aには、同一の部材を用いることができる。
【0052】
また、電極部31Aが受け部材33Aの中央下部に設けられており、対称性に優れているため、電極部31Aをスプリング端子台50に挿入したとき、実施の形態2に係る中継端子装置は、スプリング端子台50に安定的に支持される。
【0053】
なお、実施の形態2において、第1板ばね34A及び第2板ばね35Aの材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、金属材料に限らない。例えば、第1板ばね34A及び第2板ばね35Aの材料としては、導電性を有していない樹脂材料が用いられてもよい。
【0054】
また、実施の形態1及び2において、受け部材33の形状は、U字型に限定されない。受け部材の形状は、例えば、単なる直方体であってもよい。
【0055】
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る中継端子装置について説明する。
図6は、実施の形態3に係る中継端子装置の接続体を示す側面図である。
【0056】
接続体30Bは、電極部31Bとクランプ部32Bとを有している。電極部31Bの構成は、実施の形態1の電極部31の構成と同様である。
【0057】
クランプ部32Bは、受け部材33B、第1板ばね34B、及び第2板ばね35Bを有している。受け部材33B、第1板ばね34B、及び第2板ばね35Bの材料としては、金属材料が用いられている。
【0058】
受け部材33Bは、2つの受け部を有している。第1板ばね34B及び第2板ばね35Bは、2つの受け部の間に設けられている。第1板ばね34B及び第2板ばね35Bは、第1板ばね34B及び第2板ばね35Bが、クランプ部32Bに挟み込まれる各電線を受け部材33Bにそれぞれ押し付ける方向に一列に配置されている。
【0059】
電極部31Bは、受け部材33Bの中央下部から下方へ突出している。電極部31Bは、受け部材33Bと電気的に接続されている。接続体30Bの構成を除いて、中継端子装置の構成、及び電気機器の構成は、実施の形態1と同様である。
【0060】
これによれば、第1板ばね34B及び第2板ばね35Bには、同一の部材を用いることができる。
【0061】
また、電極部31Bが受け部材33Bの中央下部に設けられており、対称性に優れているため、電極部31Bをスプリング端子台50に挿入したとき、実施の形態3に係る中継端子装置は、スプリング端子台50に安定的に支持される。
【0062】
なお、実施の形態3において、第1板ばね34B及び第2板ばね35Bの材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、金属材料に限らない。例えば、第1板ばね34B及び第2板ばね35Bの材料としては、導電性を有していない樹脂材料が用いられてもよい。
【0063】
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る中継端子装置について説明する。
図7は、実施の形態4に係る中継端子装置の接続体を示す側面図である。
【0064】
接続体30Cは、電極部31Cとクランプ部32Cとを有している。電極部31Cの構成は、実施の形態1の電極部31の構成と同様である。
【0065】
クランプ部32Cは、受け部材33C、第1板ばね34C、第2板ばね35C、及び第3板ばね36を有している。受け部材33C、第1板ばね34C、第2板ばね35C、及び第3板ばね36の材料としては、金属材料が用いられている。
【0066】
受け部材33Cは、3つの受け部を有している。第1板ばね34Cは、左側の受け部と中央の受け部との間に設けられている。第2板ばね35Cは、中央の受け部と右側の受け部との間に設けられている。第3板ばね36は、右側の受け部の右側に設けられている。即ち、第1板ばね34C、第2板ばね35C、及び第3板ばね36は、第1板ばね34C、第2板ばね35C、及び第3板ばね36が、クランプ部32Cに挟み込まれる各電線を受け部材33Cにそれぞれ押し付ける方向に一列に配置されている。
【0067】
電極部31Cは、第3板ばね36の下部から下方へ突出している。電極部31Cは、第3板ばね36と電気的に接続されている。接続体30Cの構成を除いて、中継端子装置の構成、及び電気機器の構成は、実施の形態1と同様である。
【0068】
これによれば、1つのスプリング端子台50に、接続体30Cを有する中継端子装置を介して、3本の電線を電気的に接続させることができる。
【0069】
なお、実施の形態4において、第1板ばね34C及び第2板ばね35Cの材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、金属材料に限らない。例えば、第1板ばね34C及び第2板ばね35Cの材料としては、導電性を有していない樹脂材料が用いられてもよい。
【0070】
また、実施の形態4において、電極部31Cは、第3板ばね36に設けられていたが、電極部31Cは、受け部材33Cに設けられていてもよい。この場合、第3板ばね36の材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、導電性を有していない樹脂材料が用いられてもよい。
【0071】
実施の形態5.
次に、実施の形態5に係る中継端子装置について説明する。
図8は、実施の形態5に係る中継端子装置の接続体を示す斜視図である。
【0072】
接続体30Dは、電極部31Dとクランプ部32Dとを有している。電極部31Dの構成は、実施の形態1の電極部31の構成と同様である。
【0073】
クランプ部32Dは、受け部材33D、第1板ばね34D、第2板ばね35D、第3板ばね37、及び第4板ばね38を有している。受け部材33D、第1板ばね34D、第2板ばね35D、第3板ばね37、及び第4板ばね38の材料としては、金属材料が用いられている。
【0074】
第1板ばね34Dと第2板ばね35Dとは、第1板ばね34D及び第2板ばね35Dが、クランプ部32Dに挟み込まれる各電線を受け部材33Dにそれぞれ押し付ける方向に一列に配置されている。第3板ばね37と第4板ばね38とは、第3板ばね37及び第4板ばね38が、クランプ部32Dに挟み込まれる各電線を受け部材33Dにそれぞれ押し付ける方向に一列に配置されている。つまり、複数の板ばねが2列に配置されている。
【0075】
電極部31Dは、第2板ばね35Dの下部から下方へ突出している。電極部31Dは、第2板ばね35Dと電気的に接続されている。接続体30Dの構成を除いて、中継端子装置の構成、及び電気機器の構成は、実施の形態1と同様である。
【0076】
これによれば、1つのスプリング端子台50に、接続体30Dを有する中継端子装置を介して、4本の電線を電気的に接続させることができる。
【0077】
なお、実施の形態5において、第1板ばね34D、第3板ばね37、及び第4板ばね38の材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、金属材料に限らない。例えば、第1板ばね34D、第3板ばね37、及び第4板ばね38の材料としては、導電性を有していない樹脂材料が用いられてもよい。
【0078】
また、実施の形態5において、電極部31Dは、第2板ばね35Dに設けられていたが、電極部31Dは、受け部材33Dに設けられてもよい。この場合、第1板ばね34D、第2板ばね35D、第3板ばね37、及び第4板ばね38の材料としては、弾性力を発揮できる材料であれば、導電性を有していない樹脂材料が用いられてもよい。
【0079】
また、実施の形態5において、受け部材33Dの形状は、U字型に限定されない。受け部材の形状は、例えば、単なる直方体であってもよい。
【0080】
また、実施の形態1から5までにおいて、電極部の導電部の形状は、円筒状であったが、導電部の形状は、楕円筒状、中空角柱状等の筒状であればよい。
【0081】
また、実施の形態1から5までにおいて、電極部の導電部は、中空の部材であったが、導電部は、中身が詰まった部材であってもよい。
【0082】
また、実施の形態1から5までにおいて、導電部材は、電線に限定されない。例えば、導電部材は、棒端子、金属スリーブ等であってもよい。
【0083】
また、実施の形態1から5までにおいて、導電部材が板ばねと受け部材との間に挟まれていないとき、板ばねと受け部材とは互いに接触していたが、板ばねと受け部材とは、導電部材を挟み込むことが可能な範囲において、互いに離れていてもよい。
【0084】
また、実施の形態1から5までにおいて、中継端子装置には、挟み込まれた導電部材を取り出すために、各板ばねによる導電部材の受け部材への押し付けを解除するための機構が設けられていてもよい。
【0085】
また、中継端子装置では、5つ以上の導電部材をスプリング端子台に電気的に接続することができるように、クランプ部が構成されていてもよい。例えば、クランプ部には、5つ以上の板ばねが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 中継端子装置、20 ホルダ、21 第1挿入口、22 第2挿入口、30,30A,30B,30C,30D 接続体、31,31A,31B,31C,31D 電極部、32,32A,32B,32C,32D クランプ部、33,33A,33B,33C,33D 受け部材、34,34A,34B,34C,34D 第1板ばね(板ばね)、35,35A,35B,35C,35D 第2板ばね(板ばね)、36,37 第3板ばね(板ばね)、38 第4板ばね(板ばね)、41 第1電線(導電部材)、42 第2電線(導電部材)、50 スプリング端子台。