(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
E02F9/00 Z
(21)【出願番号】P 2020175891
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 大介
(72)【発明者】
【氏名】本圖 誠
(72)【発明者】
【氏名】海崎 裕輝
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-053433(JP,A)
【文献】特開平08-246501(JP,A)
【文献】特開2001-010407(JP,A)
【文献】特開2019-019648(JP,A)
【文献】特開2008-111253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00-9/18
E02F 9/24-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、前記下部走行体上に設けられた上部旋回体と、前記上部旋回体の前部にスイングポストを介して左右方向に回動可能に設けられた作業装置と、を有し、
前記上部旋回体は、
底板上に左右方向に間隔をもって立設された左縦板と右縦板とを有し、前方に突出した前記左縦板と前記右縦板の前部が前記スイングポストを支持する支持部となった旋回フレームと、
前記支持部の左側に位置して前記旋回フレーム上に設けられた運転席と、
前記支持部の右側に位置して前記旋回フレーム上に設けられた右側カバーと、
周囲に警報音を発する警報器と、
を備え
、
前記スイングポストを左右方向に回動させるスイングシリンダを備え、
前記スイングポストは、前記支持部にピンを用いて回動可能に取付けられる取付部と、前記取付部から左右方向に間隔をもって前側に延び前記作業装置のブームが回動可能に取付けられる左板部および右板部と、前記右板部から右方向に延び前記スイングシリンダが取付けられるシリンダブラケットと、を含んで構成され、
前記支持部は、前記左縦板の前側部分と、前記右縦板の前側部分と、前記左縦板の上部と前記右縦板の上部とに亘って設けられた上板と、を含んで構成された建設機械において、
前記警報器は、前記旋回フレームの左右方向で前記運転席とは反対側となる前記右縦板の右側に配置され、
前記右縦板と前記右側カバーとの間には、前記警報器を覆う警報器カバーが設けられ、
前記警報器カバーには、前記警報器の前側に位置する開口が形成され
、
前記警報器および前記警報器カバーの前記開口は、前記上板よりも低い位置であって、前記シリンダブラケットよりも高い位置に配置されていることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
前記警報器は、前記上部旋回体の前面視で半分以上の部分が前記スイングポストに重ならない位置に配置されていることを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械において
、
前記警報器および前記警報器カバーの前記開口は、前記上部旋回体の前面視で前記右板部と前記右側カバーとの間に配置されていることを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、上部旋回体に警報器を備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の代表例として、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に設けられた上部旋回体と、上部旋回体の前部にスイングポストを介して左右方向に回動可能に設けられた作業装置とを有する油圧ショベルがある。
【0003】
上部旋回体は、底板上に左右方向に間隔をもって立設された左縦板と右縦板とを有し、前方に突出した左縦板と右縦板の前部がスイングポストを支持する支持部となった旋回フレームと、支持部の左側に位置して旋回フレーム上に設けられた運転席と、支持部の右側に位置して旋回フレーム上に設けられた右側カバーと、を備えている。
【0004】
また、油圧ショベルは、周囲に注意を促すための警報器の装着が義務付けられている。警報器は、警報音が周囲に聞こえ易い位置に配置することが重要である。このため、上部旋回体には、警報音が周囲に聞こえ易い位置に警報器を設置するためのスペースや開口が必要になる。
【0005】
例えば、警報器は、運転席を覆うキャブの下側に位置して旋回フレームに取付けられたものがある(特許文献1)。また、警報器は、右側カバーから前側に突出したステップの下側に配置されたものもある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-180578号公報
【文献】特開2008-111253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1のように、警報器をキャブの下側に位置して旋回フレームに取付けた場合、警報器のメンテナンスを行うためには、旋回フレームの下側を覆うアンダカバーや運転席の前方の床板を取外さなくてはならず、作業に手間を要するという問題がある。また、警報器が運転席に近いために、運転席のオペレータにとって警報音を煩く感じてしまう虞がある。
【0008】
一方、特許文献2のように、警報器を右側カバーから前側に突出したステップの下側に配置していると、旋回動作時や走行時に上部旋回体が障害物に衝突すると、警報器が損傷する虞がある。
【0009】
本発明の一実施形態の目的は、オペレータに煩くなく周囲に聞こえ易い位置に警報器を配置した上で、警報器の耐久性、メンテナンス性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、自走可能な下部走行体と、前記下部走行体上に設けられた上部旋回体と、前記上部旋回体の前部にスイングポストを介して左右方向に回動可能に設けられた作業装置と、を有し、前記上部旋回体は、底板上に左右方向に間隔をもって立設された左縦板と右縦板とを有し、前方に突出した前記左縦板と前記右縦板の前部が前記スイングポストを支持する支持部となった旋回フレームと、前記支持部の左側に位置して前記旋回フレーム上に設けられた運転席と、前記支持部の右側に位置して前記旋回フレーム上に設けられた右側カバーと、周囲に警報音を発する警報器と、を備え、前記スイングポストを左右方向に回動させるスイングシリンダを備え、前記スイングポストは、前記支持部にピンを用いて回動可能に取付けられる取付部と、前記取付部から左右方向に間隔をもって前側に延び前記作業装置のブームが回動可能に取付けられる左板部および右板部と、前記右板部から右方向に延び前記スイングシリンダが取付けられるシリンダブラケットと、を含んで構成され、前記支持部は、前記左縦板の前側部分と、前記右縦板の前側部分と、前記左縦板の上部と前記右縦板の上部とに亘って設けられた上板と、を含んで構成された建設機械において、前記警報器は、前記旋回フレームの左右方向で前記運転席とは反対側となる前記右縦板の右側に配置され、前記右縦板と前記右側カバーとの間には、前記警報器を覆う警報器カバーが設けられ、前記警報器カバーには、前記警報器の前側に位置する開口が形成され、前記警報器および前記警報器カバーの前記開口は、前記上板よりも低い位置であって、前記シリンダブラケットよりも高い位置に配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、オペレータに煩くなく周囲に聞こえ易い位置に警報器を配置することができ、警報器の耐久性、メンテナンス性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る油圧ショベルを示す右面図である。
【
図4】上部旋回体の前側部分を拡大して示す斜視図である。
【
図5】
図2中の矢示V-V方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る建設機械の実施形態を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、
図1ないし
図5を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1において、油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3の前側に俯仰の動作が可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置4とを備えている。
【0015】
作業装置4は、第1端部が後述のスイングポスト13に上下方向に回動可能に取付けられたブーム4Aと、第1端部がブーム4Aの第2端部に回動可能に取付けられたアーム4Bと、アーム4Bの第2端部に回動可能に取付けられたバケット4Cと、ブーム4Aを動作させるブームシリンダ4Dと、アーム4Bを動作させるアームシリンダ4Eと、バケット4Cを動作させるバケットシリンダ4Fとを含んで構成されている。なお、作業装置4は、バケット4Cに換えて他の作業具、例えば、グラップル、ブレーカ等を取付けることもできる。
【0016】
図2、
図3に示すように、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ7、外装カバー10、警報器15等を含んで構成されている。
【0017】
図4に示すように、旋回フレーム5は、前後方向に延びる厚肉な鋼板からなる底板5Aと、底板5A上に立設され、左右方向に間隔をもって前後方向に延びると共に、前側に向けて互いに接近した左縦板5Bおよび右縦板5Cと、左縦板5Bの上部と右縦板5Cの上部とに亘って設けられた上板5Dと、左縦板5Bと右縦板5Cの前部に位置する支持部5Eとを含んで構成されている。
【0018】
ここで、左縦板5Bは、キャブ7(運転席7G)よりも右側に配置されている。また、右縦板5Cは、左縦板5Bの右側に間隔をもって配置されている。一方で、右縦板5Cは、後述する右側カバー12の左面板12Cとの間に間隔を有している。そして、右縦板5Cと左面板12Cとの間のスペースは、警報器15の設置スペースとなっている。また、右縦板5Cは、前側に向けて左側に傾斜して配置されている。この右縦板5Cの右側面部5C1には、警報器15が取付けられている。
【0019】
支持部5Eは、上下方向に延びた円柱体からなり、底板5Aの前端から前方に延びた延長部5D1、左縦板5Bの前側部分、右縦板5Cの前側部分および上板5Dの前側部分を含んで構成されている。支持部5Eの円柱体には、後述のピン14を用いてスイングポスト13が左右方向に回動可能に取付けられている。
【0020】
さらに、旋回フレーム5の前部には、底板5Aの上方に間隔をもって横板5Fが設けられている。例えば、横板5Fは、右縦板5Cの高さ寸法の半分程度の位置から右側に延びた長方形状の板体として形成されている。
図5に示すように、横板5Fは、後述する警報器カバー16の下側部分を取付けるための取付台となっている。
【0021】
図2に示すように、カウンタウエイト6は、作業装置4との重量バランスをとるために、旋回フレーム5の後部に設けられている。カウンタウエイト6は、左右方向の中央部が後方に突出した円弧状の重量物として形成されている。
【0022】
キャブ7は、旋回フレーム5の左前側に設けられている。キャブ7は、前面部7A、後面部7B、左面部7C、右面部7Dおよび天面部7Eを有している。また、
図3に示すように、キャブ7の内部には、運転席台座7F上に位置してオペレータが着座する運転席7Gが設けられている。さらに、運転席7Gの周囲には、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー、各種スイッチ類等(いずれも図示せず)が配設されている。
【0023】
キャブ7の右面部7Dは、旋回フレーム5の支持部5E、左縦板5Bよりも左側に配置されている。これにより、キャブ7内に位置して旋回フレーム5上に設けられた運転席7Gは、支持部5Eの左側に配置されている。
【0024】
燃料タンク8は、旋回フレーム5の右側に設けられている。燃料タンク8は、エンジンに供給する燃料を貯えている。また、作動油タンク9は、燃料タンク8の右隣に位置して旋回フレーム5上に設けられている。作動油タンク9は、下部走行体2、作業装置4等に設けられた各アクチュエータを駆動するための作動油を貯えている。
【0025】
外装カバー10は、旋回フレーム5に搭載された各種機器類を覆うものである。具体的には、外装カバー10は、キャブ7とカウンタウエイト6との間に位置してエンジン、油圧ポンプ、熱交換器等(いずれも図示せず)を覆うエンジンカバー11と、キャブ7と左右方向の反対側となる右前側に位置する右側カバー12とを含んで構成されている。
【0026】
右側カバー12は、支持部5Eの右側に位置して旋回フレーム5上に設けられている。右側カバー12は、燃料タンク8と作動油タンク9の前側に配置されている。右側カバー12は、旋回フレーム5の前部に上下方向に延びて設けられた前面板12Aと、前面板12Aの上部から燃料タンク8と作動油タンク9に向けて後側に延びた上面板12Bと、前面板12Aと上面板12Bの左側に設けられた左面板12Cと、前面板12Aと上面板12Bの右側に設けられた右面板12Dとにより構成されている。例えば、右面板12Dは、後縁部を支点として開閉可能なドアとして構成されている。
【0027】
左面板12Cは、旋回フレーム5の右縦板5Cの右側に配置されている。左面板12Cは、前面板12Aの左縁と上面板12Bの左縁に沿って前後方向ないし上下方向に延びた平板として形成されている。これにより、左面板12Cと右縦板5Cとの間隔は、前側に向けて徐々に広くなり、前側のスペースには、警報器15が配設されている。また、
図3に示す上部旋回体3の前面視で、左面板12Cは、後述するスイングポスト13の右板部13Cよりも右側に配置されている。
【0028】
スイングポスト13は、上部旋回体3の前部に左右方向(水平方向)に回動可能に設けられている。スイングポスト13は、上部旋回体3の前部に作業装置4を左右方向に回動可能に支持している。
図4に示すように、スイングポスト13は、旋回フレーム5を形成する支持部5Eの円柱体を上下方向から挟むように配置され、支持部5Eの円柱体にピン14を用いて回動可能に取付けられる取付部13Aと、取付部13Aから左右方向に間隔をもって前側に延びた左板部13Bおよび右板部13Cとを含んで構成されている。
【0029】
左板部13Bと右板部13Cの上部には、作業装置4のブーム4Aの第1端部が回動可能に取付けられている。また、左板部13Bと右板部13Cの前部には、作業装置4のブームシリンダ4Dの第1端部が回動可能に取付けられている。さらに、右板部13Cには、右方向に延びてシリンダブラケット13Dが設けられている。このシリンダブラケット13Dには、スイングポスト13(作業装置4)を左右方向に回動させるためのスイングシリンダ13E(
図1中に図示)が取付けられている。
【0030】
次に、本実施形態の特徴部分となる警報器15の取付位置と、取付位置による効果について説明する。
【0031】
警報器15は、周囲に注意を促すための警報音を発する。
図5に示すように、警報器15は、ブラケット15Aを介して旋回フレーム5の右縦板5Cに取付けられている。詳しくは、
図2、
図4に示すように、警報器15は、旋回フレーム5の前部に位置し、旋回フレーム5の左右方向で運転席7Gとは反対側となる右縦板5Cの右側に配置されている。これにより、警報器15は、後述の警報器カバー16を取外すだけで、容易にメンテナンスを施すことができる。しかも、警報器15が配置された右縦板5Cの右側位置は、運転席7Gから離れている上に、右縦板5Cと上板5Dが運転席7Gのオペレータへ向かう警報音を遮る障害物となることから、運転席7Gのオペレータへ向かう音量を下げることができ、警報音の煩わしさを軽減することができる。
【0032】
図4に示すように、警報器15は、上部旋回体3の前面視で半分以上の部分、本実施形態では全ての部分がスイングポスト13に重ならない位置に配置されている。換言すると、警報器15は、上部旋回体3の前面視でスイングポスト13の右板部13Cと右側カバー12の左面板12Cとの間に配置されている。これにより、警報器15は、スイングポスト13に邪魔されることなく、周囲に警報音を届かせることができる。
【0033】
また、警報器15は、スイングポスト13のシリンダブラケット13Dよりも高い位置に配置されている。これにより、警報器15は、シリンダブラケット13Dに邪魔されることなく、周囲に警報音を届かせることができる。しかも、警報器15は、特許文献1による警報器よりも高い位置に配置されたことで、土砂等の衝突を避けることができる。
【0034】
さらに、警報器15は、旋回フレーム5の上板5Dよりも低い位置に配置されている。これにより、上部旋回体3に乗って作業を行うときに、警報器15が踏まれるのを防ぐことができる。
【0035】
警報器カバー16は、警報器15を覆って設けられている。警報器カバー16は、旋回フレーム5の右縦板5C、横板5Fおよび右側カバー12の左面板12Cによって囲まれた空間に配置されている。警報器カバー16は、平板を折り曲げることにより、警報器15の前側に位置する前板部16Aと、前板部16Aの上部から後側に延びた上板部16Bと、前板部16Aの下部から後側に延びた下板部16Cとにより構成されている。前板部16Aには、警報器15が対面する位置に開口16Dが形成されている。
【0036】
そして、警報器カバー16は、上板部16Bが旋回フレーム5の上板5Dに取付けられ、下板部16Cが旋回フレーム5の横板5Fに取付けられている。警報器カバー16は、上部旋回体3の前側から容易に手が届く位置に配置されているから、簡単に着脱することができる。
【0037】
本実施形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、油圧ショベル1の動作について説明する。
【0038】
キャブ7に搭乗して運転席7Gに座ったオペレータは、走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、オペレータは、作業用の操作レバーを操作することにより、作業装置4等を動作させて土砂の掘削作業等を行うことができる。また、オペレータは、警報器スイッチ(図示せず)を操作することにより、警報器15を鳴らして周囲に注意を促すことができる。
【0039】
かくして、本実施形態によれば、旋回フレーム5は、底板5A上に左右方向に間隔をもって立設された左縦板5Bと右縦板5Cとを有し、前方に突出した左縦板5Bと右縦板5Cの前部が支持部5Eとなっている。旋回フレーム5の支持部5Eには、スイングポスト13が支持されている。この上で、周囲に警報音を発する警報器15は、旋回フレーム5の左右方向で運転席7Gとは反対側となる右縦板5Cの右側に配置されている。
【0040】
これにより、警報器15のメンテナンスを行う場合には、警報器カバー16を取外すだけで、容易にメンテナンスを施すことができる。しかも、警報器15が配置された右縦板5Cの右側位置は、運転席7Gから離れている上に、右縦板5Cと上板5Dが運転席7Gのオペレータへ向かう警報音を遮る障害物となる。この結果、警報器15から運転席7Gのオペレータへ向かう音量を下げることができ、警報音の煩わしさを軽減することができる。
【0041】
警報器15は、上部旋回体3の前面視で半分以上の部分がスイングポスト13に重ならない位置に配置されている。換言すると、警報器15は、上部旋回体3の前面視でスイングポスト13の右板部13Cと右側カバー12の左面板12Cとの間に配置されている。これにより、警報器15は、スイングポスト13に邪魔されることなく、周囲に警報音を届かせることができる。
【0042】
また、警報器15は、スイングポスト13のシリンダブラケット13Dよりも高い位置に配置されている。これにより、警報器15は、シリンダブラケット13Dに邪魔されることなく、周囲に警報音を届かせることができる。しかも、警報器15は、高い位置に配置されたことで、走行時や作業時に跳ね上げられる土砂等の衝突を避けることができ、耐久性を向上することができる。
【0043】
さらに、警報器15は、旋回フレーム5の上板5Dよりも低い位置に配置されている。これにより、上部旋回体3に乗って作業を行うときに、警報器15が踏まれるのを防ぐことができ、この点でも、耐久性を向上することができる。
【0044】
なお、実施形態では、警報器15を旋回フレーム5の右縦板5Cに取付けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、旋回フレーム5の横板5F、警報器カバー16等に取付ける構成としてもよい。
【0045】
また、実施形態では、キャブ7を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、運転席の上方を覆うキャノピを備えた油圧ショベルに適用してもよい。
【0046】
さらに、実施形態では、クローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム
5A 底板
5B 左縦板
5C 右縦板
5D 上板
5E 支持部
7G 運転席
12 右側カバー
13 スイングポスト
13A 取付部
13B 左板部
13C 右板部
14 ピン
15 警報器