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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】外観検査装置および外観検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/952 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
G01N21/952
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020209096
(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公開番号】P2022096157
(43)【公開日】2022-06-29
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】弁理士法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 恭弘
(72)【発明者】
【氏名】森井 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】今泉 貴正
(72)【発明者】
【氏名】林 裕之
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-163766(JP,A)
【文献】特開2015-068668(JP,A)
【文献】特開2017-009542(JP,A)
【文献】特表2011-526375(JP,A)
【文献】特開2016-200420(JP,A)
【文献】特開2014-215059(JP,A)
【文献】特開平11-326235(JP,A)
【文献】特開2020-183896(JP,A)
【文献】特開2016-057122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/84-G01N21/958
G01B11/00-G01B11/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDream3)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の表面を検査する外観検査装置であって、
前記被検査物を載せた状態で回転する回転部と、
前記回転部に前記被検査物を載せた状態で、前記被検査物が映るように設けられたミラー部と、
前記ミラー部に映る前記被検査物を撮像する撮像部と、
前記ミラー部に映る前記被検査物に対する撮像角度を変化させる調整部と、
前記調整部によってつけられた複数の異なる撮像角度と、前記回転部によって調整された複数の異なる回転位置と、の組合せで撮像した複数の異なる画像データに基づいて、前記複数の異なる画像データの向きを揃える処理を加えた後に、前記被検査物の表面欠陥と輝度ムラを識別する表面検査をする検査部と、
を備える外観検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外観検査装置であって、
前記調整部は、
前記被検査物に対する前記ミラー部の姿勢を変化させる第1姿勢調整部である
外観検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の外観検査装置であって、
前記第1姿勢調整部は、
前記被検査物に対する前記ミラー部の角度、及び前記被検査物に対する前記ミラー部の位置を変化させる
外観検査装置。
【請求項4】
請求項1に記載の外観検査装置であって、
前記調整部は、
前記被検査物に対する前記撮像部の姿勢を変化させる第姿勢調整部である、
外観検査装置。
【請求項5】
請求項に記載の外観検査装置であって、
記調整部は、
前記撮像部に対する前記回転部の姿勢を変化させる第3姿勢調整部である
外観検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載の外観検査装置であって、
前記撮像部と同軸上に配置され、前記被検査物の表面に光を照射させる照明部を備える
外観検査装置。
【請求項7】
請求項1に記載の外観検査装置であって、
前記撮像部の軸に対して角度をもって配置され、前記被検査物の表面に光を照射させる照明部と
前記撮像部と同軸上に配置された第1偏光板と、
前記照明部と同軸上に配置された第2偏光板と、
を備える外観検査装置。
【請求項8】
請求項1に記載の外観検査装置であって、
前記ミラー部は、複数枚のミラーを有する
外観検査装置。
【請求項9】
被検査物の表面を検査する外観検査方法であって、
回転部に前記被検査物を載せた状態で前記被検査物が映るように設けられたミラー部に映る前記被検査物を撮像する撮像ステップと、
前記ミラー部に映る前記被検査物に対する撮像角度を変化させる調整部よってつけられた複数の異なる撮像角度と、前記回転部によって調整された複数の異なる回転位置と、の組合せで撮像した複数の異なる画像データに基づいて、前記複数の異なる画像データの向きを揃える処理を加えた後に、前記被検査物の表面欠陥と輝度ムラを識別する表面検査をする検査ステップと、
を備える外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検査物をその中心軸を以て回転させる回転機構と、該回転機構の回転軸方向の両側にあって被検査物の上面及び下面の像を、被検査物の側面と一緒に望むことができるように反射する反射機構と、単独で被検査物の側面及び反射機構による鏡像を単一の被検査画像として撮影する撮像部と、回転機構及び撮像部の動作を制御し且つ撮影された被検査画像の良否判定を行う処理部を具備する外観検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-51620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、反射機構による鏡像を撮影することで、被検査物の複数方向の面の外観を、複雑な撮像機構を備えることなく行うことができるが、単に表面の輝度ムラであっても、明視野領域にて撮影した画像内に輝度が低い部位が存在した場合、欠陥として検出してしまう。これによって、再検査が必要になり、被検査物の外観検査における生産性が低下するおそれがあった。
また、従来、多関節ロボットを用いて被検査物を揺動させることにより、撮像部に対する被検査物の検査部位の相対的な姿勢を変化させることで、表面の欠陥と輝度ムラとの識別精度を向上させ、被検査物の外観検査を精度良く行うことが考えられているが、検査設備の複雑化による検査工数の増大により生産性の低下を招くおそれがあった。
本発明の目的の一つは、表面の欠陥と輝度ムラとの識別精度を向上させるとともに、検査設備の複雑化による検査工数の増大を抑制することにより、被検査物の検査に対する生産性の向上が図れる外観検査装置および外観検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態における外観検査装置は、被検査物を載せた状態で回転する回転部と、回転部に前記被検査物を載せた状態で、前記被検査物が映るように設けられたミラー部と、ミラー部に映る前記被検査物を撮像する撮像部と、ミラー部に映る前記被検査物に対する撮像角度を変化させる調整部と、調整部によってつけられた複数の異なる撮像角度と、回転部によって調整された複数の異なる回転位置と、の組合せで撮像した複数の異なる画像データに基づいて、複数の異なる画像データの向きを揃える処理を加えた後に、被検査物の表面欠陥と輝度ムラを識別する表面検査をする検査部と、を備えるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、表面の欠陥と輝度ムラとの識別精度を向上させるとともに、検査設備の複雑化による検査工数の増大を抑制することにより、被検査物の検査に対する生産性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】内燃機関のピストンの製造工程を示す図である。
図2】(a)は、実施形態1の正面撮像時の外観検査装置の概略構成を示す正面模式図であり、(b)は、実施形態1の正面撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
図3】(a)は、実施形態1の傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す正面模式図であり、(b)は、実施形態1の傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
図4】実施形態1の外観検査装置による正面撮像と傾斜撮像、画像処理の動作例を示すタイムチャートである。
図5】実施形態2の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
図6】実施形態3の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
図7】実施形態4の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
図8】実施形態5の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
図9】実施形態6の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
図10】実施形態7の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す正面模式図である。
図11】(a)は、実施形態8のピストンの斜視図であり、(b)は、実施形態8の撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態1〕
図1は、内燃機関のピストンの製造工程を示す図である。
ピストンの製造工程は、鋳造工程、加工工程、表面処理工程、外観検査工程および組立工程を有する。
鋳造工程では、ピストン素材を鋳造する。鋳造後は熱処理を行う。
加工工程では、熱処理後、ピストン素材を旋盤等により機械加工する。
表面処理工程では、ピストンの表面をコーティングする。
外観検査工程では、ピストンの加工完成品の冠面(表面)の欠陥(傷、打痕など)部位を検出する。
組立工程では、ピストンの加工完成品のリング溝にピストンリングを装着する。
【0009】
図2(a)は、実施形態1の正面撮像時の外観検査装置の概略構成を示す正面模式図であり、図2(b)は、実施形態1の正面撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図であり、図3(a)は、実施形態1の傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す正面模式図であり、図3(b)は、実施形態1の傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0010】
外観検査装置1は、回転テーブル(回転部)2、ミラー(ミラー部)3、正面カメラ(撮像部)4、側面カメラ(撮像部)5、制御装置(検査部)6、照明装置(照明部)7、第1姿勢調整部(調整部)8を有する。
回転テーブル2は、ピストン(被検査物)Wを載せた状態で回転する。
ミラー3は、回転テーブル2にピストンWを載せた状態で、ピストンWの冠面W1が映るように設置されている。
正面カメラ4は、ミラー3に映るピストンWの冠面W1の鏡像Kを撮像する。
なお、正面撮像時では、回転テーブル2にピストンWを載せ、回転テーブル2を回転させない状態で、ミラー3に映るピストンWの冠面W1の鏡像Kを1回撮像する。
また、傾斜撮像時では、回転テーブル2にピストンWを載せ、回転テーブル2を矢印方向に回転させた状態で、ミラー3に映るピストンWの冠面W1の鏡像Kを複数回撮像する。
ピストンWの冠面W1の鏡像Kには、回転位置が分かりやすいように、記号Fを記載している。
側面カメラ5は、回転テーブル2に載せたピストンWの側面W2を撮像する。
制御装置6は、正面カメラ4にて撮像された複数の画像データの画像処理を行い、画像処理後の複数の画像データに基づき、ピストンWの冠面W1の表面検査を行い、冠面W1の欠陥(傷、打痕)の有無を判定する。
照明装置7は、ピストンWの冠面W1、側面W2に光を照射する。
第1姿勢調整部8は、回転中心軸Rを回転させることにより、鉛直線Pに対するミラー3の姿勢を変化させ、ピストンWの冠面W1の撮像角度を変化させる。
なお、正面撮像時には、ミラー3の鉛直線Pに対する角度θ1で、傾斜撮像時には、図3(b)に示すように、破線で示す正面撮像時の位置からミラー3を矢印方向に回転させ、ミラー3の鉛直線Pに対する角度θ2とする(θ1>θ2)。
【0011】
図4は、実施形態1の外観検査装置による正面撮像と傾斜撮像、画像処理の動作例を示すタイムチャートである。
【0012】
時刻t1で、鉛直線Pに対する角度θ1であるミラー3に映る鏡像Kを撮像する正面撮像を行い、制御装置6は、1枚の第1画像データa1を入手する。
なお、符号Dで示すのは、欠陥候補である。
つぎに、時刻t2で、回転テーブル2を回転させながら、鉛直線Pに対する角度θ2であるミラー3に映る鏡像Kを撮像する傾斜撮像を行い、制御装置6は、4枚の第2画像データa2、第3画像データa3、第4画像データa4、第5画像データa5を入手する。
時刻t3では、画像処理が行われる。
すなわち、制御装置6が入手した5枚の画像データa1、a2、a3、a4、a5を欠陥候補Dが整列するように、5枚の画像データa1、a2、a3、a4、a5の向きを揃えるための回転処理を行う。
これにより、画像データ内での欠陥候補Dの位置があまり動かないので、検査ソフトによるグルーピングが容易となり、制御装置6は、欠陥候補Dが輝度ムラではなく欠陥(傷、打痕)であることを特定することができる。
【0013】
次に、実施形態1の作用効果を説明する。
(1)外観検査装置1は、ピストンWを載せた状態で回転する回転テーブル2と、回転テーブル2にピストンWを載せた状態で、ピストンWの冠面W1が映るように設けられたミラー3と、ミラー3に映るピストンWの冠面W1を撮像する正面カメラ4と、ピストンWの冠面W1に対するミラー3の姿勢を変化させる第1姿勢調整部8と、正面カメラ4にて撮像された画像データに基づいてピストンWの冠面W1の表面検査をする制御装置6と、を備えるようにした。
よって、ピストンWの冠面W1の表面の欠陥と輝度ムラとの識別精度を向上させるとともに、検査設備の複雑化による検査工数の増大を抑制することにより、ピストンWの検査に対する生産性の向上が図れる。
【0014】
[実施形態2]
図5は、実施形態2の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0015】
実施形態1では、第1姿勢調整部8により、回転中心軸Rを回転させることにより、鉛直線Pに対するミラー3の姿勢を変化させ、ピストンWの冠面W1の撮像角度を変化させるようにしていたが、実施形態2では、鉛直線Pに対するミラー3の姿勢を固定し、第2姿勢調整部(調整部)9により、正面カメラ4の姿勢を変化させ、ピストンWの冠面W1の撮像角度を変化させるようにした。
すなわち、正面カメラ4を、水平線Qに平行に破線で示す正面撮像時の正面カメラ4位置と、水平線Qから角度θ3下方に実線で示す傾斜撮像時の正面カメラ4の位置とに姿勢を変化させるようにした。
その他の構成は、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
よって、実施形態2では、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0016】
[実施形態3]
図6は、実施形態3の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0017】
実施形態1では、第1姿勢調整部8により、回転中心軸Rを回転させることにより、鉛直線Pに対するミラー3の姿勢を変化させ、ピストンWの冠面W1の撮像角度を変化させるようにしていたが、実施形態3では、鉛直線Pに対するミラー3の姿勢を固定し、第3姿勢調整部(調整部)10により、回転テーブル2の姿勢を変化させ、ピストンWの冠面W1の撮像角度を変化させるようにした。
すなわち、回転テーブル2を、鉛直線Pに平行に破線で示す正面撮像時の回転テーブル2の位置と、鉛直線Pから角度θ4右方に実線で示す傾斜撮像時の回転テーブル2の位置とに姿勢を変化させるようにした。
その他の構成は、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
よって、実施形態3では、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0018】
[実施形態4]
図7は、実施形態4の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0019】
実施形態1では、第1姿勢調整部8により、回転中心軸Rを回転させることにより、鉛直線Pに対するミラー3の姿勢を変化させ、ピストンWの冠面W1の撮像角度を変化させるようにしていたが、実施形態4では、第1姿勢調整部8aにより、回転中心軸Rを回転させることにより、鉛直線Pに対するミラー3の姿勢を変化させるとともに、回転中心軸Rの位置を変化させ、ピストンWの冠面W1の撮像角度を変化させるようにした。
すなわち、ミラー3を、鉛直線Pに対する角度θ1である破線で示す正面撮像時のミラー3の位置と、回転中心軸Rを回転させることにより、鉛直線Pに対する角度θ2に変化させるとともに、回転中心軸Rを水平線Qに平行に距離a、鉛直線Pに平行に距離b下方に移動させた実線で示す傾斜撮像時のミラー3の位置に変化させるようにした。
その他の構成は、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
よって、実施形態4では、実施形態1の作用効果に加え、鏡像の位置や大きさを精緻に制御でき、よりピストンWの冠面W1の表面の欠陥と輝度ムラとの識別精度を向上させることができる。
【0020】
[実施形態5]
図8は、実施形態5の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0021】
実施形態1では、照明装置7は、ピストンWの冠面W1、側面W2に光を、正面カメラ4の上方から照射するようにしていたが、実施形態5では、照明装置7は、正面カメラ4と同一軸上に配置し、ピストンWの冠面W1、側面W2に光を照射するようにした。
その他の構成は、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
よって、実施形態5では、実施形態1の作用効果に加え、正面カメラ4と照明装置7が同一軸上にあるため、取付時や経時変化に起因する正面カメラ4の軸と照明装置7の軸のずれによる画像変化(ばらつき)を低減することができる。
【0022】
[実施形態6]
図9は、実施形態6の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0023】
実施形態1の構成に加え、正面カメラ4と同一軸上に第1偏光板11、照明装置7と同一軸上に第2偏光板12を配置するようにした。
その他の構成は、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
よって、実施形態6では、実施形態1の作用効果に加え、偏光照明を用いて、偏光軸を適切に調節することにより、金属面からの反射光を低減し、非金属面と近い明るさに調整できるので、異なる材質の表面を1回で検査できて、より検査時間を短縮することができる。
【0024】
[実施形態7]
図10は、実施形態7の正面撮像時と傾斜撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0025】
実施形態1では、正面カメラ4の前方に1枚のミラーを配置していたが、実施形態7では、正面カメラ4の前方に第1ミラー31、第2ミラー32、第3ミラー33の3枚を配置するようにした。
その他の構成は、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
よって、実施形態7では、実施形態1の作用効果に加え、第1ミラー31の第1鏡像K1、第2ミラー32の第2鏡像K2、第3ミラー33の第3鏡像K3の複数のアングルの画像を1度に撮影することできるので、より検査時間を短縮することができる
【0026】
[実施形態8]
図11(a)は、実施形態8のピストンの斜視図であり、図11(b)は、実施形態8の撮像時の外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
【0027】
実施形態8のピストンWの冠面W1には、凹みW3が形成されている。
その他の構成は、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
よって、実施形態8では、実施形態1の作用効果に加え、通常、上方からカメラで撮像する場合、凹みW3の側面に欠陥候補Dが存在しているときには、撮像することはできないが、ミラー3を介して正面カメラ4にて撮像しているので、凹みW3の内側面の欠陥候補Dも確実に撮像することができる。
【0028】
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施形態7では、3枚のミラーを配置して説明しているが、さらに多くのミラーを配置することもできる。
本発明の外観検査装置および外観検査方法は、被検査物の表面としてピストンの冠面以外の欠陥と輝度ムラとを識別する外観検査装置および外観検査方法に適用可能であり、実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、被検査物としてピストンで説明したが、その他の製品表面の欠陥と輝度ムラとを識別する外観検査装置および外観検査方法にも適用可能であり、実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0029】
以上説明した実施形態から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。
外観検査装置は、その一つの態様において、被検査物の表面を検査する外観検査装置であって、前記被検査物を載せた状態で回転する回転部と、前記回転部に前記被検査物を載せた状態で、前記被検査物が映るように設けられたミラー部と、前記ミラー部に映る前記被検査物を撮像する撮像部と、前記ミラー部に映る前記被検査物に対する撮像角度を変化させる調整部と、前記撮像部にて撮像された画像データに基づいて前記被検査物の表面検査をする検査部と、を備える。
より好ましい態様では、上記態様において、前記検査部は、前記調整部によってつけられた複数の異なる撮像角度と、前記回転部によって調整された複数の異なる回転位置と、の組合せで撮像した複数の異なる画像データに基づいて、前記被検査物の表面欠陥と輝度ムラを識別する。
【0030】
より好ましい態様では、上記態様において、前記検査部は、前記複数の異なる画像データの向きを揃える処理を加えた後に、前記被検査物の表面欠陥と輝度ムラを識別する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記調整部は、前記被検査物に対する前記ミラー部の姿勢を変化させる第1姿勢調整部である。
より好ましい態様では、上記態様において、前記第1姿勢調整部は、前記被検査物に対する前記ミラー部の角度、及び前記被検査物に対する前記ミラー部の位置を変化させる。
【0031】
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記調整部は、前記被検査物に対する前記撮像部の姿勢を変化させる第2姿勢調整部である。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記調整部は、前記撮像部に対する前記回転部の姿勢を変化させる第3姿勢調整部である。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記撮像部と同軸上に配置され、前記被検査物の表面に光を照射させる照明部を備える。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記撮像部の軸に対して角度をもって配置され、前記被検査物の表面に光を照射させる照明部と、前撮像部と同軸上に配置された第1偏光板と、前記照明部と同軸上に配置された第2偏光板と、を備える。
【0032】
また、他の観点から、検査方法は、ある態様において、被検査物の表面を検査する外観検査方法であって、回転部に前記被検査物を載せた状態で前記被検査物が映るように設けられたミラー部に映る前記被検査物を撮像する撮像ステップと、前記ミラー部に映る前記被検査物に対する撮像角度を変化させる調整部よってつけられた複数の異なる撮像角度と、前記回転部によって調整された複数の異なる回転位置と、の組合せで撮像した複数の異なる画像データに基づいて前記被検査物の表面検査をする検査ステップと、を備える。
より好ましい態様では、上記態様において、前記検査ステップでは、前記被検査物の表面欠陥と輝度ムラを識別する。
より好ましい態様では、上記態様において、前記検査ステップでは、前記複数の異なる画像データの向きを揃える処理を加えた後に、前記被検査物の表面欠陥と輝度ムラを識別する。
【符号の説明】
【0033】
1 外観検査装置
2 回転テーブル(回転部)
3 ミラー(ミラー部)
31 第1ミラー(ミラー部)
32 第2ミラー(ミラー部)
33 第3ミラー(ミラー部)
4 正面カメラ(撮像部)
5 側面カメラ(撮像部)
6 制御装置(検査部)
7 照明装置(照明部)
8 第1姿勢調整部(調整部)
8a 第1姿勢調整部(調整部)
9 第2姿勢調整部(調整部)
10 第3姿勢調整部(調整部)
11 第1偏光板
12 第2偏光板
W ピストン(被検査物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11