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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/00 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
F24C15/00 D
F24C15/00 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020213561
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099657
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮城 智恵子
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-037219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0180293(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109983279(CN,A)
【文献】特開2012-241931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目を表示する表示手段と、
タッチ操作とスライド操作を受け付ける操作手段と、を有する操作パネル部を備え、
前記複数の項目の一部が前記表示手段に表示されない場合に、前記スライド操作により、前記表示手段に表示される前記複数の項目の表示範囲を変更可能であり、
前記操作手段を操作していない状態で、前記複数の項目のうち前記表示手段に表示されていない部分を有することを視覚的に認識することができる視覚効果が前記表示手段に表示されるとともに、
前記複数の項目のうち選択された項目が、選択されていない項目と視覚的に識別できるように前記選択されていない項目とともに表示され、かつ、前記複数の項目のうち選択された項目に対応するテキストが、前記表示手段の前記複数の項目の表示位置とは異なる位置に前記複数の項目とともに表示されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記項目は、前記テキストの一部の文字の表示であることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記複数の項目を構成する特定項目が、前記表示手段の外周境界部に位置し、
前記視覚効果が、前記特定項目の色を段階的に変化させて表示することであることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記複数の項目を構成する特定項目が、前記表示手段の外周境界部に位置し、
前記視覚効果が、前記特定項目の一部分のみが前記表示手段に表示されることであることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記複数の項目に付随する選択項目が前記表示手段に表示され、
前記複数の項目のうちの第1の項目を選択したときの前記選択項目と、前記複数の項目のうちの第2の項目を選択したときの前記選択項目が同一事項である場合に、
前記第1の項目を選択したときの前記選択項目と、前記第2の項目を選択したときの前記選択項目をそれぞれ選択および非選択可能であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記複数の項目に付随する選択表示が前記表示手段に表示され、
前記選択表示は、前記複数の項目のうち前記選択された項目に関わらず共通の内容を表示する第1選択表示と、前記複数の項目のうち前記選択された項目に応じた内容を表示する第2選択表示と、を含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理の設定等を行う表示画面の視認性を向上した加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱調理器では、調理の設定等を行う表示画面の表示手段として、例えば文字、数字、写真等をカラー表示できるカラー液晶パネルを設け、当該カラー液晶パネルをタッチパネルとして構成し、例えばユーザが指でタッチパネルをタッチすることで、カラー液晶パネルに表示される画像を選択できるようにすることが行われている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-124459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術において、例えば特許文献1に開示される加熱調理器は、調理メニューを「さくいん検索」するものであり(特許文献1の図11参照)、多数記憶されている調理メニューを縦覧して選択する場合には、画面を複数回切り替えることが必要な構成となっている。また、調理メニューを選択(タッチ)すると、加熱条件を設定する画面(特許文献1の図12参照)に切り替わるようになっている。そのため、調理メニューの選択時や加熱条件の設定時に画面が切り替わる回数が多くなり、ユーザにとっては新たな画面情報が次々と提供され、情報過多の状態となってしまうという問題があった。また、画面が複数回切り替わると、階層が増えていき、ユーザがどの階層で操作を行っているのかを判断することが困難になるという虞もあった。
【0005】
そこで本発明は、選択項目をスクロール操作で縦覧可能とし、画面の切り替え回数を抑制した加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加熱調理器は、複数の項目を表示する表示手段と、タッチ操作とスライド操作を受け付ける操作手段と、を有する操作パネル部を備え、前記複数の項目の一部が前記表示手段に表示されない場合に、前記スライド操作により、前記表示手段に表示される前記複数の項目の表示範囲を変更可能であり、前記操作手段を操作していない状態で、前記複数の項目のうち前記表示手段に表示されていない部分を有することを視覚的に認識することができる視覚効果が前記表示手段に表示されるとともに、前記複数の項目のうち選択された項目が、選択されていない項目と視覚的に識別できるように前記選択されていない項目とともに表示され、かつ、前記複数の項目のうち選択された項目に対応するテキストが、前記表示手段の前記複数の項目の表示位置とは異なる位置に前記複数の項目とともに表示されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、選択項目をスクロール操作で縦覧可能とし、画面の切り替え回数を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態における加熱調理器の外観斜視図である。
図2】同、加熱調理器における熱風ユニットと、上ヒータおよび下ヒータの内部説明図である。
図3】同、加熱調理器におけるスチームユニットの内部説明図である。
図4】同、加熱調理器の内部構造を示す概略断面図である。
図5】同、電気的構成を示すブロック図である。
図6】同、第1トップ画面が表示された表示手段の正面図である。
図7】同、第2トップ画面が表示された表示手段の正面図である。
図8】同、第1トップ画面に表示される手動レンジのメニューで、レンジ加熱の時間設定の操作に関係する主な表示部を示した表示手段の正面図である。
図9】同、ドラムロール状に回転する10分桁と1分桁のピッカー表示部の表示動作を示す説明図である。
図10】同、第1トップ画面に表示される手動レンジのメニューで、レンジ加熱の時間設定中に表示される全ての表示部を示した表示手段の正面図である。
図11】同、自動調理の石窯おまかせ焼き(豚肉)の設定画面を示す説明図である。
図12】同、自動調理の石窯おまかせ焼き(鶏肉)の設定画面を示す説明図である。
図13】同、自動調理の石窯おまかせ焼き(牛肉)の設定画面を示す説明図である。
図14】同、自動調理の石窯おまかせ焼き(野菜)の設定画面を示す説明図である。
図15】同、自動調理の石窯おまかせ焼き(深皿煮込み)の設定画面を示す説明図である。
図16】同、自動調理の石窯おまかせ焼き(魚)の設定画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0010】
図1図16は、本発明の加熱調理器をオーブンレンジに適用した一実施形態を示している。先ず図1に基づいて、オーブンレンジの全体構成を説明すると、1は略矩形箱状に構成される本体で、この本体1は、製品となるオーブンレンジの外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット2を備えている。また3は、本体1の前面に設けられる開閉自在な扉である。
【0011】
扉3の上部には、縦開きの扉3を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル4を備えており、扉3の側部には、表示や報知や操作のための操作パネル部5を備えている。操作パネル部5は、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示手段6の他に、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にするために、例えば操作パネル部5に設けられるキー7や、表示手段6の表面に設けられるタッチパネル8などの操作手段9が配設される。扉3の内部で操作パネル部5の後側には、図示しないが、表示手段6や操作手段9などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板が配置される。
【0012】
本体1の下部には、本体1の前面より着脱が可能な給水カセット11と水受け12が各々配設される。給水カセット11は、後述する調理室14に入れられた被調理物をスチーム加熱するための液体供給源として、液体となる水を入れる有底状の容器である。また水受け12は、本体1からの食品カスや水滴、蒸気などを受ける有底状の容器である。
【0013】
表示手段6は、例えば加熱の種類や、料理名や、加熱時間や、温度や、調理の写真などの加熱調理に関するあらゆる情報を、文字,数字,記号,写真などでカラー表示するバックライト付きの表示器で、ここではTFT(薄膜トランジスタ)をスイッチング素子として使用した液晶ディスプレイで構成されるが、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず白黒表示でもよい。何れの場合も平板状の表示手段6は、ユーザがオーブンレンジの正面側に位置したときに見やすいように、扉3の一側上方寄りに、キー7よりも高い位置に配設される。表示手段6は矩形状に形成されており、表示手段6の外周辺である4辺を外周境界部6Aという。
【0014】
キー7は、ユーザからの押動操作を受け付ける押動操作部として、操作パネル部5の表示手段6とは重ならない位置に設けられ、ここではスタートキー7Aと、とりけしキー7Bとにより構成される。スタートキー7Aは、加熱調理を開始するときに押動操作するキーで、とりけしキー7Bは途中で加熱調理をやめるときに、また操作や設定を取り消すときに押動操作するキーである。本実施形態では、スタートキー7Aを必要に応じて点灯または点滅照明するために、LEDなどの照明灯(図示せず)がスタートキー7Aの近傍に配設される。
【0015】
タッチパネル8は、ユーザからのタッチ操作を受け付けるタッチ操作部として、表示手段6の表示画面の重ねた位置に設けられており、例えば透明素材からなる静電容量方式のタッチパネル8では、使用者がタッチパネル8の表面を指でタッチすると、表面電荷が変化して操作信号が出力される構成となっている。なお、ここでは静電容量方式以外に、例えば抵抗膜方式や、表面弾性波方式や、赤外線方式や、電磁誘導方式のタッチパネル8を用いてもよい。また、指に依るタッチパネル8の操作だけでなく、タッチペンなどのペン状物体を用いて操作してもよい。
【0016】
図2図4は、本実施形態におけるオーブンレンジの内部構造を模式的に示している。これらの各図において、調理室14を形成する周壁は、天井壁14aと、底壁14bと、左側壁14cと、右側壁14dと、奥壁14eとからなる。天井壁14aは上方に向けて凸形をなすドーム状である一方で、天井壁14aを除く各壁14b~14eは何れも平坦状に形成される。左側壁14cと右側壁14dにはそれぞれ上段棚支え13Aと下段棚支え13Bが形成されている(図4参照)。この上段棚支え13Aと下段棚支え13Bは、図示しない付属品である角皿、深皿、焼網を支持する。
【0017】
調理室14の奥壁14eは、その中央に吸込み口16を備えており、吸込み口16の上下には横長の熱風吹出し口17,18を備えている。また、調理室14の天井壁14aには、調理室14の上方から被調理物を加熱する上ヒータ19が埋設され、調理室14の底壁14bには調理室14の下方から被調理物を加熱する下ヒータ20が埋設される。
【0018】
図2に示すように、21は本体1の内部において、調理室14の後方に具備される熱風ユニットである。この熱風ユニット21は、空気を加熱する加熱手段としての熱風ヒータ22と、調理室14内に加熱した空気を送り込んで循環させる遠心ファンとしての熱風ファン23と、熱風ファン23を正方向或いは逆方向に回転させる熱風モータ24と、により構成される。
【0019】
熱風ユニット21内の略中央には、吸込み口16に対向して熱風ファン23を具備し、その周囲に熱風ヒータ22を配置しており、熱風モータ24への通電に伴い熱風ファン23が回転駆動すると、調理室14の内部から吸込み口16を通して吸引された空気が熱風ファン23の放射方向に吹き出し、熱風ヒータ22により加熱され、熱風吹出し口17,18を通過して調理室14内に熱風が供給される。これにより、調理室14の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室14内の被調理物を加熱してオーブン調理する構成となっている。なお、熱風ユニット21は調理室14の後方に取り付けたケース25に収納されている。
【0020】
また前述のように、調理室14には上ヒータ19および下ヒータ20が設けられており、この上ヒータ19および下ヒータ20への通電により、上ヒータ19および下ヒータ20からの赤外線による熱放射が、調理室14内の密閉した空間で発生することにより、調理室14内の被調理物を加熱してグリル調理する構成となっている。
【0021】
図3に示すように、26は本体1の内部において、調理室14の側方に具備される蒸気発生装置としてのスチームユニットである。このスチームユニット26は、調理室14内に飽和蒸気や過熱蒸気を供給するために、給水カセット11内からの水を送水するポンプ27および給水管28を介して、スチーム発生器29に連通接続した構成としている。
【0022】
スチーム発生器29は、シーズヒータ31をアルミダイキャスト製で中空の気化室32に埋設し、且つその気化室32に前記給水管28を接続して、気化室32内に供給された水をシーズヒータ31への通電により加熱して、スチームを発生させ、これを調理室14の左側壁14cに形成された複数のスチーム吹出し口33から、調理室14内に供給できるように構成されており、これにより図3の破線で示すようなスチームの流れを調理室14内に発生させ、調理室14内の被調理物を加熱してスチーム調理する構成となっている。
【0023】
図4に示すように、34は調理室14の底壁14bの下方に設けられ、調理室14の下方から被調理物にマイクロ波を照射してレンジ加熱を行なうマイクロ波発生装置である。マイクロ波発生装置34は、マイクロ波を発生させる発生源となるマグネトロン35と、マグネトロン35からのマイクロ波を調理室14の内部に導く導波管36と、導波管36から調理室14にマイクロ波を放射するアンテナ37と、直立した軸38を中心にアンテナ37を水平回転させるACモータ等のアンテナモータ39と、アンテナ37の近傍に取り付けられるマイクロスイッチ40と、を有して構成される。
【0024】
その他、調理室14の底壁14bの下方には、後述する制御手段41が組込まれ、調理室14の右側壁14dの上方には、庫内温度分布検出手段42が組み込まれる。庫内温度分布検出手段42は、赤外線センサ(図示せず)にスイング機構を装備して構成され、調理室14内の温度分布を検出することで、そこに収容される被調理物の温度を検出可能にするものである。
【0025】
図5は、オーブンレンジの主な電気的構成を示している。同図において、41はマイクロコンピュータにより構成される制御手段であり、この制御手段41は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
【0026】
制御手段41の入力ポートには、前述したキー7やタッチパネル8による操作手段9や、庫内温度検出手段15や、庫内温度分布検出手段42の他に、熱風ユニット21に組み込まれた熱風モータ24の回転を検出する熱風モータ回転検出手段43と、扉3の開閉状態を検出する扉開閉検出手段44と、マイクロ波発生装置34を構成するアンテナ37の原点位置を検出するマイクロスイッチ40を備えたアンテナ位置検出手段45と、スチームユニット26を構成する気化室32の温度を検出するサーミスタなどの気化室温度検出手段46が、それぞれ電気的に接続される。
【0027】
制御手段41の出力ポートには、液晶ディスプレイによる表示手段6の他に、マイクロ波発生装置34のマグネトロン35やその駆動手段を含むマイクロ波加熱手段48と、グリル加熱用の上ヒータ19および下ヒータ20や、オーブン加熱用の熱風ヒータ22や、スチーム加熱用のシーズヒータ31をそれぞれ通断電させるリレーなどのヒータ駆動手段49と、アンテナ37の駆動源となるアンテナモータ39を回転駆動させるためのアンテナ駆動手段50と、熱風ファン23の駆動源となる熱風モータ24を回転駆動させるための熱風モータ駆動手段51と、スチームユニット26のポンプ27を動作させるためのポンプ駆動手段52が、それぞれ電気的に接続される。
【0028】
制御手段41は、操作手段9からの操作信号と、庫内温度検出手段15や、庫内温度分布検出手段42や、熱風モータ回転検出手段43や、扉開閉検出手段44や、アンテナ位置検出手段45や、気化室温度検出手段46からの各検出信号を受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、何れも加熱手段となるマイクロ波加熱手段48と、ヒータ駆動手段49と、アンテナ駆動手段50と、熱風モータ駆動手段51と、ポンプ駆動手段52に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段6に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、制御手段41が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段41を加熱制御部61と表示制御部62として主に機能させるプログラムを備えている。
【0029】
加熱制御部61は、主に調理室14に入れられた被調理物への加熱調理に係る各部の動作を制御するもので、操作手段9の操作に伴う操作信号を受け取ると、扉開閉検出手段44からの検出信号により、扉3が閉じていると判断した場合に、その操作信号に応じて、マイクロ波加熱手段48や、ヒータ駆動手段49や、アンテナ駆動手段50や、熱風モータ駆動手段51や、ポンプ駆動手段52に制御信号を送出して、調理室14内の被調理物に対する加熱調理を制御する。本実施形態では、オーブンレンジで加熱調理を行なうことが可能な全てのメニューの調理情報が、前記メモリの一部をなす全メニュー記憶部63に記憶保持されており、加熱制御部61は、全メニュー記憶部63の中から選択された一つのメニューについて、操作手段9から調理開始を指示する操作が行われると、その選択されたメニューの調理情報に従う所定の手順で、被調理物を加熱調理する構成となっている。
【0030】
全調理メニュー記憶部63に記憶されるメニューは、手動調理メニューと自動調理メニューに大別できる。手動調理メニューとは、全メニュー記憶部63の中から選択したメニューについて、スタートキー7Aを操作する前に、タッチパネル8へのタッチ操作により、時間や出力や温度をそれぞれ設定して使用するメニューであり、後述する手動レンジのメニューなどがこれに相当する。また自動調理メニューとは、全メニュー記憶部63の中から選択したメニューについて、時間や出力や温度を設定せずに使用するメニューである。
【0031】
表示制御部62は、主に表示手段6の表示に係る動作を制御するもので、特に本実施形態では、液晶ディスプレイとなる表示手段6に様々な画面を切換えて表示させるために、電源投入直後などに表示手段6にトップ画面となる「あたためる」画面や「料理する」画面を選択的に表示させるトップ画面表示制御部62Aや、操作手段9からの操作信号を受けて、表示手段6に表示されたトップ画面から、最終的に選択された一つのメニューで加熱調理の開始が可能になるまでの一連の遷移画面を表示させる遷移画面表示制御部62Bなどを備えている。これらのトップ画面表示制御部62Aおよび遷移画面表示制御部62Bが、どのようにして表示手段6に様々な画面を表示させるのかについては、後ほど詳しく説明する。
【0032】
次に、上記構成のオーブンレンジについてその作用を説明すると、予め調理室14内に被調理物を入れた状態で、ハンドル4を手で握りながら扉3を閉め、操作手段9により全メニュー記憶部63の中から、一つのメニューを選択操作した後に、操作手段9のキー7を押して調理開始を指示すると、制御手段41のメモリに組み込まれた制御用のプログラムに従って、選択したメニューの調理情報に対応して生成された制御信号が所定のタイミングで出力され、被調理物が加熱調理される。
【0033】
ここで、例えばオーブン加熱を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は庫内温度検出手段15からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、ヒータ駆動手段49と熱風モータ駆動手段51に各々制御信号を送出し、熱風ヒータ22と熱風モータ24の通断電を制御する。これにより、熱風モータ24に発生した回転力が熱風ファン23に伝達し、熱風ファン23が熱風ユニット21の内部で一方向に回転して、その速度は熱風モータ回転検出手段43により加熱制御部61に取り込まれると共に、調理室14から吸込み口16を通して熱風ユニット21の内部に吸込んだ空気を、通電した熱風ヒータ22側に送り出し、ここで加熱された空気が熱風吹出し口17,18を通して調理室14に熱風として供給することで、調理室14内の被調理物が熱風コンベクション加熱される。
【0034】
また、スチームを使った蒸し調理(スチーム調理)を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は気化室温度検出手段46からの検出信号を受けて、気化室32が所定の温度となるように、少なくともヒータ駆動手段49とポンプ駆動手段52に各々制御信号を送出して、スチームユニット26に組み込まれたポンプ27の動作と、シーズヒータ31の通断電を制御する。これにより、スチーム吹出し口33から調理室14内に飽和蒸気や過熱蒸気を噴出させ、調理室14内の被調理物を蒸し上げる。
【0035】
また、レンジ調理を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は庫内温度分布検出手段42からの検出信号を受けて、被調理物が設定した温度に加熱されるように、アンテナ位置検出手段45からの検出信号で、アンテナ37の原点位置を確認しながら、マイクロ波加熱手段48とアンテナ駆動手段50に適切な制御信号をそれぞれ送出する。これにより、マイクロ波発生装置34のマグネトロン35やアンテナ37が動作して、回転するアンテナ37の表面から発生したマイクロ波が調理室14内に供給され、調理室14内の被加熱物が高周波加熱される。
【0036】
さらに、グリル調理を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は庫内温度検出手段42からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、上ヒータ19や下ヒータ20の通断電が制御され、調理室14内の被調理物が上下方向からグリル加熱される。
【0037】
次に、操作パネル部5の表示や操作について、図6図16を参照して詳しく説明する。なお以下の説明で、「タブ表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作した場合に、そのタブ表示部に関する詳細情報が表示手段6に表示され、他のタブ表示部は引き続き表示手段6に表示されるものの、その詳細情報は非表示になる表示部分であり、「ボタン表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作した場合に、表示手段6の画面全体または画面の一部が別なものに切替わって表示される表示部分であり、「リスト表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作した場合に、そのリスト表示部で選択できる項目の一覧が表示され、そこから一つの項目の上でタッチパネル8をタップ操作すると、タッチした項目が選択設定されて、その項目だけがリスト表示部に表示される表示部分であり、「ピッカー表示部」とは、この上でタッチパネル8をスライド操作した場合に、そのピッカー表示部で選択できる項目の一覧がスクロールして表示され、スクロールが停止した時点で選択設定された項目が中央に表示される表示部分であり、「キー表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作するたびに、前述のピッカー表示部に表示される項目のリストが、一つずつ切替わるように表示させる表示部分である。
【0038】
また「テキスト表示体」とは、文字や数字や記号などの文字列で表した表示体であり、「アイコン表示体」とは、物事を簡単な絵柄で記号化して表した表示体であり、「画像表示体」とは、撮影装置などで撮影された写真や、絵画で描き出された表示体である。
【0039】
本実施形態では、ユーザからタッチパネル8への様々な操作入力により、こうした表示部や表示体を含む様々な画面が表示手段6に表示されるような仕組み、すなわちUI(ユーザインターフェース)を表示制御部62に組込んでいる。表示制御部62は、表示手段6に表示される画面上でのタッチ操作として、必要に応じてタップ操作やスライド操作を受け付ける。ここでいう「タップ操作」とは、指で画面上のタッチパネル8をタッチし、すぐに指を離す操作であり、「スライド操作」とは、指で画面上のタッチパネル8をタッチし、そこから指を滑らせる操作である。表示制御部62が受け付ける「スライド操作」は、指で画面上のタッチパネル8をタッチしたまま、指を一方向に滑らせるスワイプや、指で画面上のタッチパネル8をタッチし、そこから指を払うように滑らせるフリックを含む。
【0040】
図6は、電源投入直後に表示手段6に表示される初期画面として、普段使いの第1トップ画面G1を示している。ユーザが予め本体1に設けた電源プラグ(図示せず)を家庭用のコンセントに差し込んだ後に、閉じた状態の扉3を開けると、表示手段6や制御手段41などの各部に必要な電源(電力)が投入される。このときトップ画面表示制御部62Aは、図6に示すような第1トップ画面G1を表示手段6にデフォルト表示させる。ここでいう「デフォルト表示」とは、表示手段6に電源が投入された直後の、操作手段9に何等かの操作が加えられる前に、トップ画面表示制御部62Aで予め設定した表示手段6に最初に現れる表示である。
【0041】
第1トップ画面G1はいわゆるタブ形式の画面で、その上部には、「あたためる」というテキスト表示体D1を含むタブ表示部B1と、「料理する」というテキスト表示体D2を含むタブ表示部B2と、オーブンレンジの各種設定を想起させるアイコン表示体D3を含むタブ表示部B3と、を左右に並べて表示したタブ表示領域A1が形成される。また、タブ表示領域A1の下側には、タブ表示領域A1の中で選択されたタブ表示部B1に含まれる詳細情報として、全メニュー記憶部63に記憶される複数の加熱機能となるメニューの中から、特に使用頻度が最も高いと想定される一つのメニューとして選択された手動レンジのメニューについて、そのメニューの調理情報に含まれているマイクロ波加熱手段48による複数の設定可能な出力の中から、最もよく使うと想定される600Wの出力を設定した状態を、最初にデフォルト表示した第1メニュー表示領域M1と、同じく全メニュー記憶部63に記憶される複数のメニューの中から選択された、手動レンジのメニューに続いて使用頻度が高いと想定されるレンジ加熱に関するメニューを含んだ幾つかのメニューについて、それらのメニューが選択操作できるようにデフォルト表示する第2メニュー表示領域M2が、それぞれ上下に並んで形成される。
【0042】
第1メニュー表示領域M1には、レンジ加熱の出力設定を可能にする出力設定表示領域と、レンジ加熱の時間設定を可能にする時間設定表示領域が、それぞれ上下に並んで形成される。出力設定時間領域は、レンジ加熱の設定された出力を示すテキスト表示体D4や、テキスト表示体D4に設定可能な出力の一覧を表示させることを想起させるアイコン表示体D5を含むリスト表示部B4により構成され、図6に示すように、表示手段6に第1トップ画面G1をデフォルト表示させた状態では、最初にレンジ加熱の出力が600Wに設定されているのを示すために、「レンジ600W」なるテキスト表示体D4がリスト表示部B4に表示される。
【0043】
また、第1メニュー表示領域M1の時間設定表示領域には、レンジ加熱の設定された時間を回転可能に表示させるドラムロール状の表示部として、設定された10分桁の数字を示すテキスト表示体D6を含むピッカー表示部B6と、設定された1分桁の数字を示すテキスト表示体D7を含むピッカー表示部B7と、テキスト表示体D6、D7に表示される数字が、分の時間であることを想起させる「分」なるテキスト表示体D8と、設定された10秒桁の数字を示すテキスト表示体D9を含むピッカー表示部B9と、テキスト表示体D9に表示される数字が、秒の時間であることを想起させる「秒」なるテキスト表示体D10が、左から右へ順に並べて配置されると共に、図6に示す第1トップ画面G1のデフォルト表示の状態では、ピッカー表示部B6の上方に、テキスト表示体D6に表示される10分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D11を含む上キー表示部B11が配置され、ピッカー表示部B7の上方に、テキスト表示体D7に表示される1分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D12を含む上キー表示部B12が配置され、ピッカー表示部B9の上方に、テキスト表示体D9に表示される10秒桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D13を含む上キー表示部B13が配置される。その他、図6では表示されずに非表示となっているが、テキスト表示体D6,D7,D9に表示される数字によっては、図8図17に示すように、上述した上キー表示部B11~B13の何れかまたは全てが非表示になったり、第1メニュー表示領域M1の時間設定表示領域で、ピッカー表示部B6の下方に、テキスト表示体D6に表示される10分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D14を含む下キー表示部B14が表示状態になって配置されたり、ピッカー表示部B7の下方に、テキスト表示体D7に表示される1分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D15を含む下キー表示部B15が表示状態になって配置されたり、ピッカー表示部B9の下方に、テキスト表示体D9に表示される10秒桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D16を含む下キー表示部B16が表示状態になって配置されたりする。
【0044】
一方、第2メニュー表示領域M2には、「ごはん」というテキスト表示体D21や、ごはんの自動調理メニューを想起させるアイコン表示体D22を含むボタン表示部B21と、「おかず」というテキスト表示体D23や、おかずの自動調理メニューを想起させるアイコン表示体D24を含むボタン表示部B23と、「パン・他」というテキスト表示体D25や、パンの自動調理メニューを想起させるアイコン表示体D26を含むボタン表示部B25と、「のみもの」というテキスト表示体D27や、のみものの自動調理メニューを想起させるアイコン表示体D28を含むボタン表示部B27と、「ゆで野菜」というテキスト表示体D29や、ゆで野菜の自動調理メニューを想起させるアイコン表示体D30を含むボタン表示部B29と、「解凍」というテキスト表示体D31や、解凍の自動調理メニューを想起させるアイコン表示体D32を含むボタン表示部B31が、それぞれ縦横に並べて表示される。
【0045】
図7は、前述の第1トップ画面G1との間で、左右のスライド操作により簡単に切替え表示が可能な第2トップ画面G2を示している。この第2トップ画面G2は、表示手段6に第1トップ画面G1が表示される状態で、第1メニュー表示領域M1または第2メニュー表示領域M2に重なるタッチパネル8の部位を左方向にスライド操作するか、或いはタブ表示領域A1において、「料理する」と表示されたタブ表示部B2に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作することで、表示手段6に表示される。
【0046】
第2トップ画面G2は、第1トップ画面G1とタブ表示領域A1の表示が共通するタブ形式の画面で、タブ表示領域A1の下側には、タブ表示領域A1の中で選択されたタブ表示部B2に含まれる詳細情報として、全メニュー記憶部63に記憶される複数の加熱機能となるメニューの中から、第1トップ画面G1の第1メニュー表示領域M1に表示される手動レンジのメニューや、第2メニュー表示領域M2に表示される他の自動調理メニュー以外で、使用頻度が比較的高いと想定される手動調理メニューの選択操作ができるように表示する第3メニュー表示領域M3と、同じく使用頻度が比較的高いと想定される自動調理メニューの選択操作ができるように表示する第4メニュー表示領域M4が、それぞれ上下に並んで形成される。
【0047】
第3メニュー表示領域M3には、この領域が手動調理のメニューに関係することを示す「手動調理」というテキスト表示体D40が左上に表示され、他に「オーブン」というテキスト表示体D41や、オーブン加熱による手動調理メニューを想起させるアイコン表示体D42を含むボタン表示部B41と、「グリル」というテキスト表示体D43や、グリル加熱による手動調理メニューを想起させるアイコン表示体D44を含むボタン表示部B43と、「蒸し」というテキスト表示体D45や、蒸し(スチーム)加熱の手動調理メニューを想起させるアイコン表示体D46を含むボタン表示部B45と、「その他」というテキスト表示体D47や、その他の主な手動調理メニューを想起させるアイコン表示体D48を含むボタン表示部B47が、それぞれ縦横に並べて表示される。
【0048】
第4メニュー表示領域M4には、この領域が自動調理のメニューに関係することを示す「自動調理」というテキスト表示体D50が左上に表示され、他に「石窯おまかせ焼き」というテキスト表示体D51や、オーブン加熱による自動調理メニューを想起させるアイコン表示体D52を含むボタン表示部B51と、「おすすめ」というテキスト表示体D53や、おすすめの自動調理メニューの呼出しを想起させるアイコン表示体D54を含むボタン表示部B53と、「お気に入り」というテキスト表示体D55や、お気に入りの自動調理メニューの呼出しを想起させるアイコン表示体D56を含むボタン表示部B55と、「料理集検索」というテキスト表示体D57や、自動調理メニューの検索を想起させるアイコン表示体D58を含むボタン表示部B57が、それぞれ縦横に並べて表示される。
【0049】
なお、表示手段6に表示される第2トップ画面G2を第1トップ画面G1に切替えるには、第3メニュー表示領域M3または第4メニュー表示領域M4に重なるタッチパネル8の部位を右方向にスライド操作するか、或いはタブ表示領域A1において、「あたためる」と表示されたタブ表示部B1に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すればよい。
【0050】
図6に示すように、表示手段6に電源を投入した直後は、トップ画面表示制御部62Aが、タブ表示領域A1の中で最も左側に位置する「あたためる」のタブ表示部B1を選択した状態の第1トップ画面G1を、表示手段6に表示させる。この「あためる」が選択された第1トップ画面G1では、「あたためる」のタブ表示部B1が、選択されていない「料理する」のタブ表示部B2よりも明るい色で表示される。また、ユーザの使用頻度が最も高いと想定される加熱機能として、全メニュー記憶部63に記憶される全てのメニューの中から、手動レンジのメニューが既に選択され、且つその出力が手動レンジのメニューで最もよく使うと想定される600Wに設定されていて、後はユーザからの操作で時間の設定だけが必要であることを示した第1メニュー表示領域M1と、手動レンジのメニューの次にユーザの使用頻度が高いと想定される加熱機能として、全メニュー記憶部63に記憶される全てのメニューの中から、主にマイクロ波加熱手段48により被調理物をレンジ加熱して調理する複数の自動調理メニューを操作選択できるように示した第2メニュー表示領域M2が、それぞれデフォルト表示される。
【0051】
ここからユーザが、第1メニュー表示領域M1に表示される手動レンジのメニューを利用して、調理室14に入れられた被調理物を加熱調理する場合は、必要に応じてレンジ加熱の出力を最初に設定された600W以外に変更する操作を行なった後に、レンジ加熱の時間を設定する操作を行なえば、次にスタートキー7Aを操作するだけで、設定した出力と時間でマイクロ波加熱手段48による被調理物へのレンジ加熱が可能になる。
【0052】
具体的には、レンジ加熱の出力をリスト表示部B4にデフォルト表示された「レンジ600W」以外に変更する場合は、リスト表示部B4の右端に表示されるアイコン表示体D5に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作する。これを受けてトップ画面表示制御部62Aは、図示しないが表示手段6に表示されるリスト表示部B4の表示領域を広げて、そこに手動レンジのメニューで選択できる出力を、例えば「1000W」,「600W」,「500W」,「200W」,「100W」のように、一覧で表示させる。この中で、一つの出力に重なるタッチパネル8の部位がタップ操作されると、トップ画面表示制御部62Aはタッチした部位に対応した出力を、手動レンジのメニューの新たな出力として設定し、リスト表示部B4の表示領域を元の大きさに戻して、そこに新たに設定された出力だけを表示させる。
【0053】
次に、レンジ加熱の時間設定について説明する。図8は、第1トップ画面G1の第1メニュー表示領域M1に表示される手動レンジのメニューで、レンジ加熱の時間設定の操作に関係する主な表示部を示したものである。本実施形態では、表示手段6に表示される第1トップ画面G1で、レンジ加熱の時間のような数値の設定を、タッチパネル8へのスライド操作とタップ操作の両方で行えるようなUIを、予め表示制御部62のトップ画面表示制御部62Aに組込んでいる。
【0054】
ピッカー表示部B6,B7、B9に表示されているレンジ加熱の設定時間の数値を増加させるには、増加させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9に重なるタッチパネル8の部位を、上方向にスライド操作するか、増加させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9の上方で、対応する上キー表示部B11,B12,B13に重なるタッチパネル8の部位を、タップ操作すればよい。逆に、レンジ加熱の設定時間の数値を減少させるには、減少させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9に重なるタッチパネル8の部位を、下方向にスライド操作するか、減少させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9の下方で、対応する下キー表示部B14,B15,B16に重なるタッチパネル8の部位を、タップ操作すればよい。いずれもスライド操作した場合には、その操作量に応じて、ピッカー表示部B6,B7、B9に表示される数値の項目が、一または複数連続して回転するように移動して増加または減少し、タップ操作した場合には、1回のタップ操作で、ピッカー表示部B6,B7、B9に表示される数値の項目が、一つずつ回転するように移動して増加または減少する。
【0055】
これによりユーザは、レンジ加熱の時間のようなオーブンレンジの制御に関する数値を設定する際に、スライド操作とタップ操作の中で操作しやすい方を自由に選択できる。またこれは、時間や温度などの数値の設定に限らず、複数の項目からの設定にも同様に適用できる。例えば一つのメニューに関係する画面に、次の画面に遷移させる「次へ」と表示された第1ボタン表示部や、前の画面に遷移させる「戻る」と表示された第2ボタン表示部を併設させ、それぞれの画面を複数の項目として、ボタン表示部に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作するか、或いは表示される画面に重なるタッチパネル8の部位をスライド操作することで、表示制御部がこうしたタップ操作やスライド操作を受け付けて、別な画面に表示変更できる設定にしてもよい。
【0056】
図1にも示したように、扉3の上部水平方向に延在するハンドル4は、表示手段6の表示画面よりも上方に位置しないように配設される。つまり、表示手段6の鉛直(上下)方向の上側には、扉3を開閉させるためのハンドル4が形成されておらず、表示手段6の鉛直方向の上側で、表示手段6の平坦な表面よりも突出した凸状部を設けないようにする。これにより、ユーザがオーブンレンジを斜め上から見たときに、ハンドル4が邪魔にならずに視認性が良く、特にユーザが表示手段6の表面で、下から上の方向にスライド操作を行ったときに、指やペン状物体がハンドル4にぶつからない利点がある。
【0057】
また、表示手段6の鉛直方向の上側のみならず、表示手段6の水平(左右)方向にも、凸状のハンドル4を形成しないようにする。これにより、ユーザが表示手段6の表面で左右にスライド操作を行なったときに、指やペン状物体がハンドル4にぶつからなくなる。
【0058】
図8には、正面視で矩形状の外形を有する表示手段6の各辺に沿った第1~第4仮想線L1~L4を示しているが、好ましくは上下の第1および第2仮想線L1,L2の延長線上と、左右の第3および第4仮想線L3、L4の延長線上で、それぞれの延長線の間に凸状のハンドル4を配置しないようにすれば、ユーザが表示手段6の表面で、上下左右のどの方向にスライド操作した場合でも、指やペン状物体がハンドル4にぶつからなくなる。さらに、それぞれの延長線の間に表示手段6よりも突出した凸状の部位が一切ないことが好ましい。
【0059】
図9は、何れもドラムロール状に回転する10分桁のピッカー表示部B6と、1分桁のピッカー表示部B7の表示動作を模式的に示したものである。本実施形態では、全メニュー記憶部63に記憶される手動レンジのメニューの調理情報に、レンジ加熱の出力と最大時間との関係が含まれており、例えばレンジ加熱の出力を600Wに設定した場合には、レンジ加熱の最大時間が20分を超えて設定されないように、トップ画面表示制御部62Aが全メニュー記憶部63に記憶された出力と時間との関係性から、第1トップ画面G1でのピッカー表示部B6,B7の表示を制御する。
【0060】
具体的には、1分桁のピッカー表示部B7にテキスト表示体D7として表示される数値が「0」の場合、10分桁のピッカー表示部B6にテキスト表示体D6として表示される数値は、ピッカー表示部B6に重なるタッチパネル8の部位をいかにスライド操作しても、またピッカー表示部B6の上下に位置して、上キー表示部B11や下キー表示部B14に重なるタッチパネル8の部位をいかにタップ操作しても、「0」,「1」,「2」の何れかだけで表示が動くようにし、その他の数値は表示させないようにする。
【0061】
また、1分桁のピッカー表示部B7に表示される数値が「0」以外で、「1」~「9」の何れかである場合、10分桁のピッカー表示部B6に表示される数値は、ピッカー表示部B6に重なるタッチパネル8の部位をいかにスライド操作しても、また上キー表示部B11や下キー表示部B14に重なるタッチパネル8の部位をいかにタップ操作しても、「0」,「1」の何れかだけで表示が動くようにし、その他の数値は表示させないようにする。
【0062】
また、10分桁のピッカー表示部B6に表示される数値が「2」の場合、1分桁のピッカー表示部B7に表示される数値は、ピッカー表示部B7に重なるタッチパネル8の部位をいかにスライド操作しても、またピッカー表示部B7の上下に位置して、上キー表示部B12や下キー表示部B15に重なるタッチパネル8の部位をいかにタップ操作しても、「0」だけで表示が動かないようにする。
【0063】
さらに、10分桁のピッカー表示部B6に表示される数値が「2」以外の「1」または「0」場合、1分桁のピッカー表示部B7に表示される数値は、ピッカー表示部B7に重なるタッチパネル8の部位をスライド操作し、また上キー表示部B12や下キー表示部B15に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、「0」~「9」の全てで表示が動くようにする。
【0064】
こうして本実施形態では、ユーザが表示手段6に表示される第1トップ画面G1から、オーブンレンジの制御に関する温度や時間などの数値を設定する場合に、タッチパネル8からの操作入力を受けて、設定した数値がその数値の設定可能な上限値(例えば20分)にまで達すると、それよりも高い数値の設定を受け付けず、また設定した数値がその数値の設定可能な下限値(例えば0分)にまで達すると、それよりも低い数値の設定を受け付けずに、ピッカー表示部B6,B7に表示される数値が上限値と下限値との間でループするように、トップ画面表示制御部62Aがドラムロール状に回転するピッカー表示部B6,B7での数値の表示動作を制御する構成となっている。
【0065】
そのため、ユーザがタッチパネル8への操作で様々な数値を設定する際に、例えばレンジ加熱の出力を600Wに設定した場合は、ピッカー表示部B6,B7に表示される設定可能な時間が自ずと0分~20分の間となり、レンジ加熱の出力を200Wに設定した場合は、ピッカー表示部B6,B7に表示される設定可能な時間が自ずと0分~90分の間となり、異なるレンジ加熱の出力に対応して、表示手段6に表示される設定可能な数値の範囲を、トップ画面表示制御部62Aが適切に変更することで、ユーザに対する無駄な操作をなくすことが可能となる。
【0066】
図10は、第1トップ画面G1に表示される手動レンジのメニューで、レンジ加熱の時間設定中に表示される全ての表示部を示したものである。図6に示す表示手段6にデフォルトで表示される第1トップ画面G1から、ユーザがタッチパネル8への操作により、レンジ加熱の時間をピッカー表示部B6,B7,B9に表示される最初の「00」分「00」秒から別な時間に設定すると、トップ画面表示制御部62Aは図10に示すように、第1トップ画面G1における第1メニュー表示領域M1の表示を、第2表示メニュー表示領域M2にまで拡大させて、第2表示メニュー表示領域M2を表示させないようにする。このとき第1メニュー表示領域M1には、「クリア」というテキスト表示体D61を含むボタン表示部B61や、次に皿などの付属品なしに加熱調理が開始であることを示す「付属品なし スタートできます」というテキスト表示体D62などが追加表示され、ボタン表示部61に重なるタッチパネル8の部位がタップ操作されると、トップ画面表示制御部62Aは、レンジ加熱の時間を最初の「00」分「00」秒に戻して、図6に示すような初期画面の第1トップ画面G1を表示手段6に再び表示させる。
【0067】
次に、図6に示す第1トップ画面G1や図7に示す第2トップ画面G2を参照しながら、これらの操作画面による加熱機能のカテゴライズ(分類化)について改めて説明する。
【0068】
先ず、図6に示す「あたためる」を選択した第1トップ画面G1には、手動レンジのメニューに関する第1メニュー表示領域M1と、自動あたためのメニューに関する第2メニュー表示領域M2が、それぞれ区画配置される。ここで、ユーザの使用頻度が最も高いと想定される手動レンジのメニューについては、既にそのメニューが選択され、しかもレンジ加熱の出力を600Wに設定した状態で、第1メニュー表示領域M1に表示されている。したがって、後は600Wの出力設定に変更がなければ、ユーザがタッチパネル8への操作で、ピッカー表示部B6,B7,B9に表示されるレンジ加熱の設定時間を「00」時「00」分以外に設定するだけで、スタートキー7Aを押せば調理室14内の被調理物への加熱調理を開始できるようになる。加熱制御部61は、このスタートキー7Aからの操作信号を受けて、設定された出力と時間で被調理物に対するレンジ加熱が行われるように、マイクロ波加熱手段48の動作を制御する。
【0069】
また、従来は表示手段6に表示されるトップ画面が、「手動」調理メニューに関するカテゴリーの画面と、「自動」調理メニューに関するカテゴリーの画面に切替え可能であったものを、本実施形態では、使用頻度が高いと想定される「あたためる」のカテゴリーの第1トップ画面G1(図6)と、それよりも使用頻度が低いと想定される「料理する」のカテゴリーの第2トップ画面G2(図7)とに構成を分け、普段使いでは表示手段6にデフォルトで表示される第1トップ画面G1のみで対応できるように変更している。これによりユーザは、使用頻度の高い普段使いの加熱機能について、初期画面となる第1トップ画面G1からすぐに選択することが可能になる。
【0070】
第1トップ画面G1と第2トップ画面G2は、タッチパネル8への左右のスライド操作により、その何れか一方だけを簡単に切替えて、表示手段6にスクロール表示させることができる。このときのスライド操作の方向は、レンジ加熱の時間を設定するときに、ピッカー表示部B6,B7,B9を上下にスライド操作する方向とは異なり直交するので、双方の操作が互いに干渉しない。
【0071】
また、図7に示す第2トップ画面G2では、特に「料理する」カテゴリーの加熱機能をまとめて、料理の目的に合わせて確実に一つの加熱機能を選択できるようになっている。具体的には、時間や出力や温度を細かく数値設定できる主な手動調理メニューをまとめた第3メニュー表示領域M3と、時間や出力や温度を設定する必要がなく、調理イメージに合わせた選択が可能な主な自動調理メニューをまとめた第4メニュー表示領域M4が、表示手段6に表示される第2トップ画面G2にそれぞれ区画配置される。これによりユーザは、手動調理メニューと自動調理メニューがわかりやすく配置された第3メニュー表示領域M3から、所望のメニューを選択することが可能になる。
【0072】
図6に示す「あたためる」を選択した第1トップ画面G1では、第2メニュー表示領域M2の中でボタン表示部B21,B23,B25,B27,B29,B31の何れかに重なるタッチパネル8の部位がタップ操作されると、そのタッチしたボタン表示部B21,B23,B25,B27,B29,B31に対応する加熱機能の選択画面が、遷移画面表示制御部62Bにより第1トップ画面G1に代わって表示手段6に表示される。
【0073】
同様に、図7に示す「料理する」を選択した第2トップ画面G2では、第3メニュー表示領域M3の中でボタン表示部B41,B43,B45,B47の何れかに重なるタッチパネル8の部位がタップ操作されると、そのタッチしたボタン表示部B41,B43,B45,B47に対応する手動調理メニューに関する加熱機能の選択画面が、遷移画面表示制御部62Bにより第2トップ画面G2に代わって表示手段6に表示される。また、第4メニュー表示領域M4の中でボタン表示部B51,B53,B55,B57の何れかに重なるタッチパネル8の部位がタップ操作されると、そのタッチしたボタン表示部B51,B53,B55,B57に対応する自動調理メニューに関する加熱機能の選択画面が、遷移画面表示制御部62Bにより第2トップ画面G2に代わって表示手段6に表示される。
【0074】
なおトップ画面制御部62Aは、表示手段6にデフォルト表示させる第1トップ画面G1の中で、第1メニュー表示領域M1に表示させる既に選択された加熱機能を、ユーザの操作手段9への操作により、レンジ加熱のメニュー以外に選択できるように構成してもよい。これにより、ユーザが例えばレンジ加熱のメニューに代わって、オーブン加熱のメニューを選択するような操作を操作手段9に行なえば、オーブン加熱のメニューが既に選択され、しかもオーブン加熱の温度を250℃に設定した状態で、後は加熱の時間を設定するだけで調理の開始指示が行えるような加熱機能を、第1トップ画面G1の第1メニュー表示領域M1に最初から表示させることができ、表示手段6の第1メニュー表示領域M1にデフォルト表示させる一の加熱機能を、ユーザの好みに合わせて複数の加熱機能の中から変更することができる。
【0075】
図7に示す第2トップ画面G2において、第4メニュー表示領域M4のボタン表示部B51に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、タブ表示領域A1、第3メニュー表示領域M3および第4メニュー表示領域M4の表示が、図11図16に示すような、オーブン加熱による自動調理メニュー画面に切り替わる。
【0076】
オーブン加熱による自動調理メニュー画面は、上部に形成された料理写真表示領域M5と、料理写真表示領域M5の下側に形成されたメニュー分類表示領域M6と、メニュー分類表示領域M6の下側に形成された仕上がり選択表示領域M7と、仕上がり選択表示領域M7の下側に形成された食材形態選択表示領域M8と、食材形態選択表示領域M8の下側に形成された要領表示ボタン表示領域M9と、要領表示ボタン表示領域M9の下側に形成された機能マーク表示領域M10を有する。
【0077】
料理写真表示領域M5には、オーブン加熱により自動調理した料理の参考写真である画像表示体D63が表示される。そのため、ユーザは、オーブン加熱により自動調理可能なメニューの一例を確認することができる。この画像表示体D63は、図11図16に示すように、料理写真表示領域M5を複数に分割(本実施形態では4分割)し、各分割部分に異なる料理の画像表示体D63を表示するものに限らず、料理写真表示領域M5に1つの料理の画像表示体D63を表示してもよい。
【0078】
料理写真表示領域M5の左上部分には、ひとつ前の操作画面に戻るためのアイコン表示体D64を含む戻るボタン表示部B64が配置される。戻るボタン表示部B64に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、画面をひとつ前の操作画面に戻すことができる。
【0079】
料理写真表示領域M5の上側部分であって、戻るボタン表示部B64の右側には、「石窯おまかせ焼き(豚肉)」、「石窯おまかせ焼き(鶏肉)」、「石窯おまかせ焼き(牛肉)」、「石窯おまかせ焼き(野菜)」、「石窯おまかせ焼き(深皿煮込み)」、「石窯おまかせ焼き(魚)」のうちの何れかのテキスト表示体D65が配置される。
【0080】
料理写真表示領域M5の下側部分には、「温度・時間おまかせオーブン調理」というテキスト表示体D66が配置される。テキスト表示体D66は、料理写真表示領域M5に画像表示体D63が表示されている状態のときに常に表示される。
【0081】
メニュー分類表示領域M6には、左右方向に回転するドラムロール状のピッカー表示部B67が形成されている。このピッカー表示部B67には、「豚肉」というテキスト表示体D68を含むボタン表示部B68、「鶏肉」というテキスト表示体D69を含むボタン表示部B69、「牛肉」というテキスト表示体D70を含むボタン表示部B70、「野菜」というテキスト表示体D71を含むボタン表示部B71、「深皿煮込み」というテキスト表示体D72を含むボタン表示部B72、「魚」というテキスト表示体D73を含むボタン表示部B73が表示されている。「豚肉」のテキスト表示体D68の右側に「鶏肉」のテキスト表示体D69が表示され、「鶏肉」のテキスト表示体D69の右側に「牛肉」のテキスト表示体D70が表示され、「牛肉」のテキスト表示体D70の右側に「野菜」のテキスト表示体D71が表示され、「野菜」のテキスト表示体D71の右側に「深皿煮込み」のテキスト表示体D72が表示され、「深皿煮込み」のテキスト表示体D72の右側に「魚」のテキスト表示体D73が表示され、「魚」のテキスト表示体D73の右側に「豚肉」のテキスト表示体D68が表示されている。これら「豚肉」、「鶏肉」、「牛肉」、「野菜」、「深皿煮込み」、「魚」のテキスト表示体D68~D73が本願発明の複数の項目に該当する。ピッカー表示部B67には、各テキスト表示体D68~D73の間に表示される上下方向に延びる境界線を想起させるアイコン表示体D74が表示される。
【0082】
ピッカー表示部B67に表示されたボタン表示部B68~B73に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、タップした部分に表示されたテキスト表示体D68~D73が選択され、選択されたテキスト表示体D68~D73がピッカー表示部B67の中央部分に表示されると共に、選択されたテキスト表示体D68~D73は、選択されていないテキスト表示体D68~D73よりも色が濃く表示され、選択されていることが視認できるようになる。また、ピッカー表示部B67に重なるタッチパネル8の部位を左右方向にスライド操作すると、テキスト表示体D68~D73がスライド操作した方向に回転するように表示される。スライド操作のみで、タップ操作を行わない場合は、指Fをタッチパネル8から離し、テキスト表示体D68~D73の回転が停止したときに、ピッカー表示部B67の中央部分に表示されたテキスト表示体D68~D73が選択されたものとして、選択されていないテキスト表示体D68~D73よりも色が濃く表示される。図11は、「豚肉」のテキスト表示体D68が選択され色が濃く表示された状態を示している。ピッカー表示部B67で選択したテキスト表示体D68~D73に対応したテキスト表示体D65が料理写真表示領域M5に表示される。具体的には、テキスト表示体D68が選択された場合には「石窯おまかせ焼き(豚肉)」のテキスト表示体D65が表示され、テキスト表示体D69が選択された場合には、「石窯おまかせ焼き(鶏肉)」のテキスト表示体D65が表示され、テキスト表示体D70が選択された場合には、「石窯おまかせ焼き(牛肉)」のテキスト表示体D65が表示され、テキスト表示体D71が選択された場合には、「石窯おまかせ焼き(野菜)」のテキスト表示体D65が表示され、テキスト表示体D72が選択された場合には、「石窯おまかせ焼き(深皿煮込み)」のテキスト表示体D65が表示され、テキスト表示体D73が選択された場合には、「石窯おまかせ焼き(魚)」のテキスト表示体D65が表示される。なお、本実施形態では、選択されたテキスト表示体D68~D73が選択されていないテキスト表示体D68~D73よりも色が濃く表示されることで、選択された状態を示しているが、例えば、選択されたテキスト表示体D68~D73の色を選択されていないテキスト表示体D68~D73の色と異なるものとすることや、選択されたテキスト表示体D68~D73の背景の色を選択されていないテキスト表示体D68~D73の背景の色と異なるものとするなど、他の表示方法で選択状態を視認可能としてもよい。
【0083】
メニュー分類表示領域M6には、ピッカー表示部B67に表示される全てのテキスト表示体D68~D73が表示されるのではなく、その一部が表示される。さらに、最も左側に表示されるテキスト表示体D68~D73と最も右側に表示されるテキスト表示体D68~D73の両方又は何れか一方のテキスト表示体D68~D73(本願発明の特定項目に該当)が一部分のみ表示されるようになっている。すなわち、メニュー分類表示領域M6の左端64と右端65が表示手段6の外周境界部6Aの一部を構成し、特定項目であるテキスト表示体D68~D73の外周境界部6Aよりも外側に位置する部分が表示されない。例えば、図11に示すメニュー分類表示領域M6では、最も左側に表示される「深皿煮込み」のテキスト表示体D72と最も右側に表示される「牛肉」のテキスト表示体D70の両方のテキスト表示体D70、D72が一部分のみ表示され、外周境界部6Aよりも外側に位置する部分が表示されておらず、図16に示すメニュー分類表示領域M6では、最も右側に表示される「鶏肉」のテキスト表示体D69が一部分のみ表示されており、外周境界部6Aよりも外側に位置する部分が表示されていない。このように、テキスト表示体D68~D73の一部分のみを表示し、テキスト表示体D68~D73の一部を非表示にするという視覚効果により、ユーザは、メニュー分類表示領域M6にテキスト表示体D68~D73が全て表示されていないことを視覚的に認識することができ、かつ、スライド操作によりメニュー分類表示領域M6に表示されていないテキスト表示体D68~D73を表示させることが可能であると認識できる。
【0084】
また、図11図16に示すように、最も左側に表示されるテキスト表示体D68~D73(本願発明の特定項目に該当)の左端部と最も右側に表示されるテキスト表示体D68~D73(本願発明の特定項目に該当)の右端部は、色が徐々に薄くなるように表示されている。なお、本実施形態では、徐々に色が薄くなるように表示しているが、段階的に異なる色に変化させてもよい。このように、テキスト表示体D68~D73の外側端部の色を段階的に変化させるという視覚効果により、ユーザは、メニュー分類表示領域M6に表示されている部分の左右にそれぞれ表示されていないテキスト表示体D68~D73があることを視覚的に認識することができ、かつ、スライド操作によりメニュー分類表示領域M6に表示されていないテキスト表示体D68~D73を表示させることが可能であると認識できる。
【0085】
ユーザがメニュー分類表示領域M6に表示されていないテキスト表示体D68~D73があることを認識でき、スライド操作によりメニュー分類表示領域M6に表示されていないテキスト表示体D68~D73を表示させることが可能であると認識できれば、特定項目であるテキスト表示体D68~D73の一部分のみを表示する視覚効果と、特定項目であるテキスト表示体D68~D73の左端部と右端部の色を徐々に変化させる視覚効果の何れか一方のみを採用してもよい。
【0086】
仕上がり選択表示領域M7には、「2」というテキスト表示体D75を含むボタン表示部B75と、「1」というテキスト表示体D76を含むボタン表示部B76と、「0」というテキスト表示体D77を含むボタン表示部B77と、「1」というテキスト表示体D78を含むボタン表示部B78と、「2」というテキスト表示体D79を含むボタン表示部B79が表示される。テキスト表示体D75とテキスト表示体D76の間、テキスト表示体D76とテキスト表示体D77の間、テキスト表示体D77とテキスト表示体D78の間、テキスト表示体D78とテキスト表示体D79の間には、「…」というテキスト表示体D80が表示される。また、「2」のテキスト表示体D75の下方には、「弱め」というテキスト表示体D81が表示され、「0」のテキスト表示体D77の下方には、「標準」というテキスト表示体D82が表示され、「2」のテキスト表示体D79の下方には、「強め」というテキスト表示体D83が表示される。ユーザは、ボタン表示部B75~B79に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作することで、オーブン加熱の加熱強度を選択可能であり、焦げ目などの仕上がりを調節することができる。
【0087】
ボタン表示部B75~B79に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作し、テキスト表示体D75~D79の何れかを選択すると、選択されたテキスト表示体D75~D79の背景に円形のテキスト表示体D84が表示され、選択されたテキスト表示体D75~D79を視覚的に認識することができるようになる。選択されたテキスト表示体D75~D79は、白抜き表示となる。なお、本実施形態では、選択されたテキスト表示体D75~D79の背景に円形のテキスト表示体D84を表示することにより、選択されたテキスト表示体D75~D79を視認可能としたが、例えば、選択されたテキスト表示体D75~D79を選択されていないテキスト表示体D75~D79よりも濃い色で表示するなど、他の表示方法によりテキスト表示体D75~D79の選択状態を示し、視認可能としてもよい。
【0088】
食材形態選択表示領域M8には、チェックボックスを想起させる「□」というアイコン表示体D85と「ブロック肉」というテキスト表示体D86を含むボタン表示部B85と、チェックボックスを想起させる「□」というアイコン表示体D87と「骨つき肉」というテキスト表示体D88を含むボタン表示部B87が表示される。「□」のアイコン表示体D85および「ブロック肉」のテキスト表示体D86と、「□」のアイコン表示体D87および「骨つき肉」のテキスト表示体D88が本願発明における選択項目である。
【0089】
図11および図12に示すように、「豚肉」のテキスト表示体D68または「鶏肉」のテキスト表示体D69が選択されている場合には、付随する選択項目であるアイコン表示体D85およびテキスト表示体D86とアイコン表示体D87およびテキスト表示体D88の両方が表示され、図13に示すように、「牛肉」のテキスト表示体D70が選択されている場合には、付随する選択項目であるアイコン表示体D85およびテキスト表示体D86のみが表示され、図14図16に示すように、「野菜」のテキスト表示体D71または「深皿煮込み」のテキスト表示体D72が選択されている場合には、アイコン表示体D85およびテキスト表示体D86とアイコン表示体D87およびテキスト表示体D88の両方が表示されない。
【0090】
ユーザが料理に使用する肉の形態に応じて、ボタン表示部B85またはボタン表示部B87に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、選択された「□」のアイコン表示体D85、D87の中にチェックマークを想起させるアイコン表示体D89が表示される。アイコン表示体D89が表示された状態で、選択されたボタン表示部B85、B87に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、選択が解除され、アイコン表示体D89が非表示となる。
【0091】
上述のように、「豚肉」のテキスト表示体D68が選択されている場合と、「鶏肉」のテキスト表示体D69が選択されている場合には、共に「□」のアイコン表示体D85および「ブロック肉」のテキスト表示体D86と、「□」のアイコン表示体D87および「骨つき肉」のテキスト表示体D88が表示されるため、食材形態選択表示領域M8は同一事項を表示する。しかしながら、食材形態選択表示領域M8の表示は、ピッカー表示部B67の各テキスト表示体D68~D73ごとにそれぞれ独立している。そして、ピッカー表示部B67のテキスト表示体D68~D73の選択を変更した場合、チェックマークを想起させるアイコン表示体D89は非表示となり、肉の形態の選択が解除される。具体的には、例えば、図11に示すように、「豚肉」のテキスト表示体D68(第1の項目)を選択し、「ブロック肉」のアイコン表示体D86にチェックマークのアイコン表示体D89が表示された状態で、図12に示すように、「鶏肉」のテキスト表示体D69(第2の項目)を選択すると、「ブロック肉」のアイコン表示体D86と「骨つき肉」のアイコン表示体D88は、チェックマークのアイコン表示体D89が非表示の状態で表示される。そして、再度「豚肉」のテキスト表示体D68(第1の項目)を選択した場合も、「ブロック肉」のアイコン表示体D86のチェックマークのアイコン表示体D89は非表示となる。なお、食材形態選択表示領域M8において、ユーザが1度選択し、チェックマークのアイコン表示体D89が表示された場合には、ユーザがチェックマークのアイコン表示体D89を非表示とするまでは、チェック状態(アイコン表示体D89の表示状態)が維持されるようにしてもよい。具体的には、例えば、図11に示すように、「豚肉」のテキスト表示体D68(第1の項目)を選択し、「ブロック肉」のアイコン表示体D86にチェックマークのアイコン表示体D89が表示された状態で、図12に示すように、「鶏肉」のテキスト表示体D69(第2の項目)を選択すると、「ブロック肉」のアイコン表示体D86は、チェックマークのアイコン表示体D89が非表示の状態で表示されるが、再度「豚肉」のテキスト表示体D68(第1の項目)を選択した場合には、「ブロック肉」のアイコン表示体D86にチェックマークのアイコン表示体D89が表示される。
【0092】
要領表示ボタン表示領域M9には、左側端部に「i」の文字を丸で囲ったアイコン表示体D90を含むボタン表示部B90が表示される。ボタン表示部B90に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、操作方法などの要領を記載した画面(図示せず)が表示され、ユーザは操作方法などを確認することができる。
【0093】
機能マーク表示領域M10には、左側端部に、選択された加熱方法を想起させるアイコン表示体D91が表示される加熱方法表示部66が形成される。上述のとおり、第4メニュー表示領域M4のボタン表示部B51に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作しているため、オーブン加熱を想起させるアイコン表示体D91が表示される。
【0094】
加熱方法表示部66の右側には、使用する付属品を文字で表示するテキスト表示体D92と、調理(加熱)を開始可能となったときに「スタートできます」というテキスト表示体D93と、使用する付属品のアイコンとその付属品を配置する位置を表示するアイコン表示体D94と、を表示する付属品等表示部67を有する。テキスト表示体D92は、具体的には、図11図14図16に示すように「角皿を使用」という文字、または、図15に示すように「深皿を使用」という文字が表示される。アイコン表示体D94は、具体的には、図11図14図16に示すように「下段」という文字の下側に角皿を想起させる絵柄、または、図15に示すように「上段」という文字の上側に深皿を想起させる絵柄が表示される。
【0095】
ここで、「石窯おまかせ焼き」による自動調理を行う場合の操作方法について図11図16を参照して説明する。まず、上述のとおり、第4メニュー表示領域M4のボタン表示部51に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、図11図16に示すようなオーブン加熱による自動調理メニュー画面が表示される。ユーザは、メニュー分類表示領域M6に表示されたピッカー表示部B67をスライド操作し、調理する材料を選択する。次に、仕上がり選択表示領域M7に表示された加熱強度を選択する。次に、選択した材料が「豚肉」または「鶏肉」で、「ブロック肉」または「骨つき肉」である場合には、該当する肉の形態を選択する。「ブロック肉」または「骨つき肉」でない場合には、選択操作を行わない。また、選択した材料が「牛肉」で、「ブロック肉」である場合には、「ブロック肉」を選択する。その後、機能マーク表示領域M10に表示される付属品(角皿または深皿)に食材を収容し、当該付属品を機能マーク表示領域M10に表示される棚支え13A,13Bに載置する。最後に、扉3を閉め、スタートキー7Aを押動操作し、加熱調理を開始する。
【0096】
以上のように本実施形態では、加熱調理器が、テキスト表示体D68~D73を表示する表示手段6と、タッチ操作とスライド操作を受け付ける操作手段9と、を有する操作パネル部5を備え、テキスト表示体D68~D73の一部が表示手段6に表示されない場合に、スライド操作により、表示手段6に表示されるテキスト表示体D68~D73の表示範囲を変更可能である。
【0097】
この場合、画面を切り替えることなく、スライド操作で全てのテキスト表示体D68~D73を縦覧することができる。
【0098】
また本実施形態では、テキスト表示体D68~D73のうち表示手段6に表示されていない部分を有することを視覚的に認識することができる視覚効果が表示手段6に表示される。
【0099】
この場合、ユーザに表示手段6に表示されていないテキスト表示体D68~D73があることを視覚的に認識させることができる。
【0100】
また本実施形態では、テキスト表示体D68~D73を構成する特定項目が、表示手段6の外周境界部6Aに位置し、視覚効果が、特定項目の色を段階的に変化させて表示する。
【0101】
この場合、ユーザに表示手段6に表示されていないテキスト表示体D68~D73があることを視覚的に認識させることができる。また、スライド操作により、ユーザに表示手段6に表示されていないテキスト表示体D68~D73を表示させることが可能であることを認識させることができる。
【0102】
また本実施形態では、テキスト表示体D68~D73を構成する特定項目が、表示手段6の外周境界部6Aに位置し、視覚効果が、特定項目の一部分のみが表示手段6に表示されることである。
【0103】
この場合、ユーザに表示手段6に表示されていないテキスト表示体D68~D73があることを視覚的に認識させることができる。また、スライド操作により、ユーザに表示手段6に表示されていないテキスト表示体D68~D73を表示させることが可能であることを認識させることができる。
【0104】
また本実施形態では、複数の項目(テキスト表示体D68~D73)に付随する選択項目(アイコン表示体D85、テキスト表示体D86、アイコン表示体D87、テキスト表示体D88)が表示手段6に表示され、前記複数の項目のうちの第1の項目(テキスト表示体D68~D73のうちの何れか1つ)を選択したときの前記選択項目と、前記複数の項目のうちの第2の項目(テキスト表示体D68~D73のうちの第1の項目以外の何れか1つ)を選択したときの前記選択項目が同一事項である場合に、前記第1の項目を選択したときの前記選択項目と、前記第2の項目を選択したときの前記選択項目をそれぞれ選択および非選択可能である。
【0105】
この場合、表示手段6に表示される数値が上限値または下限値に達していることを、ユーザに視覚的に理解させることができる。第1の項目に付随する選択項目の表示と、第2の項目に付随する選択項目の表示を見分け易くすることができる。
【符号の説明】
【0106】
5 操作パネル部
6 表示手段
6A 外周境界部
9 操作手段
D65 テキスト表示体(テキスト)
D68 テキスト表示体(複数の項目、特定項目、第1の項目、第2の項目)
D69 テキスト表示体(複数の項目、特定項目、第1の項目、第2の項目)
D70 テキスト表示体(複数の項目、特定項目、第1の項目、第2の項目)
D71 テキスト表示体(複数の項目、特定項目、第1の項目、第2の項目)
D72 テキスト表示体(複数の項目、特定項目、第1の項目、第2の項目)
D73 テキスト表示体(複数の項目、特定項目、第1の項目、第2の項目)
D85 アイコン表示体(選択項目)
D86 テキスト表示体(選択項目)
D87 アイコン表示体(選択項目)
D88 テキスト表示体(選択項目)
M7 選択表示領域(選択表示、第1選択表示)
M8 食材形態選択表示領域(選択表示、第2選択表示)
図1
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