IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シェルタード ウィングス インコーポレイテッド ドゥーイング ビジネス アズ ヴォルテクス オプティクスの特許一覧

特許7579144ダイレクトアクティブ型レチクルターゲティングを備えた観察光学機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】ダイレクトアクティブ型レチクルターゲティングを備えた観察光学機器
(51)【国際特許分類】
   F41G 1/38 20060101AFI20241030BHJP
   G02B 23/12 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
F41G1/38
G02B23/12
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020558423
(86)(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019028540
(87)【国際公開番号】W WO2019204811
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】62/660,688
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521059446
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド ドゥーイング ビジネス アズ ヴォルテクス オプティクス
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン サミュエル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘブンス カレン
(72)【発明者】
【氏名】クレム イアン
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン デイヴィッド エム
(72)【発明者】
【氏名】ロウリー ウィル
(72)【発明者】
【氏名】ボリグ ガリソン
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】カールソン アンドリュー
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0252062(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0268459(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0033746(US,A1)
【文献】特開2011-033464(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0226214(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0223805(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0097741(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0061567(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 1/38
G02B 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察光学機器であって、
(i)観察光軸に沿って外部シーンの像を生成するための光学系と、ビームコンバイナと、対物レンズ系と、接眼レンズ系と、前記対物レンズ系と前記接眼レンズ系との間に位置付けられる正立レンズ組立体を備えた正立チューブと、前記正立チューブに結合され、各々が異なる光吸収率又は反射率を有する少なくとも2つの区域を備えた材料を有し、各区域が特定の倍率設定値に関連付けられているカムスリーブと、を有し、前記ビームコンバイナが前記対物レンズ系と前記正立レンズ組立体との間に位置付けられる主本体と、
(ii)前記材料の少なくとも2つの区域のうちの1つから反射された光を受光するフォトセンサを有し、更に、像を生成するためのアクティブディスプレイと、前記生成された像を前記ビームコンバイナに導いて、前記光学系の第1の焦点面において前記生成された像と前記外部シーンの像とを同時に重ね合わせて観察するための反射材料と、ユーザの存在を検出するためのセンサと、前記センサと通信して前記観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有して、前記主本体の底部に結合されたベースと、
を備える、観察光学機器。
【請求項2】
前記ビームコンバイナが、前記主本体の対物レンズ組立体と、前記観察光軸に沿って位置決めされ離間した第1の焦点面との間に位置付けられる、請求項1に記載の観察光学機器。
【請求項3】
前記ビームコンバイナが、前記観察光学機器の仰角ノブの略下方に位置付けられる、請求項1に記載の観察光学機器。
【請求項4】
前記ビームコンバイナが、前記観察光学機器の接眼レンズ組立体と比べて対物レンズ組立体により近く位置付けられる、請求項1に記載の観察光学機器。
【請求項5】
前記反射材料が、角度が付けられたミラーである、請求項1に記載の観察光学機器。
【請求項6】
前記ミラーが、前記アクティブディスプレイの放出光に対して約40°から約50°に角度が付けられる、請求項5に記載の観察光学機器。
【請求項7】
前記ミラーが、前記アクティブディスプレイの放出光に対して約45°に角度が付けられる、請求項5に記載の観察光学機器。
【請求項8】
前記アクティブディスプレイから集光するレンズ系であって、内側レンズセルと外側レンズセルを有する前記レンズ系を更に備える、請求項1に記載の観察光学機器。
【請求項9】
前記主本体の底部側の一部は、前記ベースの前記生成された像が前記第1の焦点面内に入るのを可能にする開口部を有する、請求項1に記載の観察光学機器。
【請求項10】
観察光学機器であって、
(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する光学系と、(ii)前記対物レンズ系と前記第1の焦点面との間に配置されるビームコンバイナと、を有し、接眼レンズ系と、前記対物レンズ系と前記接眼レンズ系との間に位置付けられる正立レンズ組立体を備えた正立チューブと、前記正立チューブに結合され、各々が異なる光吸収率又は反射率を有する少なくとも2つの区域を備えた材料を有し、各区域が特定の倍率設定値に関連付けられているカムスリーブと、を更に有し、前記ビームコンバイナが前記対物レンズ系と前記正立レンズ組立体との間に位置付けられる主本体と、
前記材料の少なくとも2つの区域のうちの1つから反射された光を受光するフォトセンサを有し、更に、(i)像を生成するアクティブディスプレイと、前記アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(ii)前記生成された像と前記外部シーンの像とを同時に重ね合わせて観察するために、前記生成された像と前記対物レンズ系からの前記標的像とが前記第1の焦点面に結合される前記ビームコンバイナに、前記生成された像を導く反射材料と、(iii)ユーザの存在を検出するためのセンサと、(iv)前記センサと通信して、前記観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有して、前記主本体の底部に結合されたベースと、
を備える、観察光学機器。
【請求項11】
前記ベースが前記主本体の長さの40%から65%である、請求項10に記載の観察光学機器。
【請求項12】
前記レンズ系が5レンズ系である、請求項10に記載の観察光学機器。
【請求項13】
前記レンズ系が、前記アクティブディスプレイから2mm以内に第1レンズを有する、請求項10に記載の観察光学機器。
【請求項14】
前記アクティブディスプレイは、透過型アクティブマトリックスLCDディスプレイ(AMLCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、e-インクディスプレイ、プラズマディスプレイ、セグメントディスプレイ、電子発光ディスプレイ、表面伝導電子放出ディスプレイ、量子ドットディスプレイからなる群から選択される、請求項10に記載の観察光学機器。
【請求項15】
前記アクティブディスプレイによって生成される前記像が、テキスト、英数字、グラフィック、記号、ビデオ撮像、アイコン、アクティブ標的レチクル、距離測定値、風情報、GPS及びコンパス情報、銃器傾斜情報、標的発見、認識及び識別(ID)情報、外部センサ情報、温度、圧力、湿度、リアルタイム弾道解、及び飛翔時曳光弾検出及び追跡による次のラウンドの弾道修正からなる群から選択される、請求項10に記載の観察光学機器。
【請求項16】
前記ビームコンバイナが、対物レンズ組立体から5から25mmに位置付けられる、請求項10に記載の観察光学機器。
【請求項17】
観察光学機器であって、
外部シーンを観察するための光学系と、対物レンズ系と、接眼レンズ系と、前記対物レンズ系と前記接眼レンズ系との間に位置付けられる正立レンズ組立体を備えた正立チューブと、前記正立チューブに結合され、各々が異なる光吸収率又は反射率を有する少なくとも2つの区域を備えた材料を有し、各区域が特定の倍率設定値に関連付けられているカムスリーブと、前記対物レンズ系と前記正立レンズ組立体との間に位置付けられるビームコンバイナと、を有する主本体と、
前記主本体の底部に結合されたベースと、
を備え、
前記ベースが、
前記材料の少なくとも2つの区域のうちの1つから反射された光を受光するフォトセンサを有し、更に、
像を生成するためのアクティブディスプレイであって、前記生成された像が前記光学系の第1の焦点面において前記外部シーンの像に結合される、アクティブディスプレイと、 ユーザの存在を検出するためのセンサと、
前記センサと通信して前記観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、
を有する、観察光学機器。
【請求項18】
前記アクティブディスプレイによって生成される前記像が、アクティブな標的レチクル、銃器傾斜情報、標的の発見、認識及び識別(ID)情報、リアルタイムの弾道解、及び飛翔時曳光弾での検出及び追跡による次のラウンドの弾道修正からなる群から選択される、請求項17に記載の観察光学機器。
【請求項19】
前記アクティブディスプレイによって生成される前記像が、リアルタイムの弾道解である、請求項17に記載の観察光学機器。
【請求項20】
前記アクティブディスプレイによって生成される前記像が、飛翔時曳光弾での検出及び追跡による弾道修正である、請求項17に記載の観察光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年4月20日出願の米国特許仮出願第62/660,688号の本出願であって、その優先権を主張するものであり、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、この観察光学機器は、像を生成してこれを光学系の第1の焦点面に投影するアクティブディスプレイシステムを有する。更に別の実施形態では、観察光学機器は、主本体と、主本体に結合されたベースとを有する。
【背景技術】
【0003】
ライフルスコープは、一世紀を優に超えて使用されており、これらのデバイスの品質及び機能は、長年にわたり極めて進歩しているが、これらの設計、製造及び用途において使用されるコア構成要素(及びこれらの構成要素に関する制限)は、依然として100年前とほとんど変わっていない。ライフルスコープは、照準特徴部、すなわちレチクルと一致する焦点面上に射手から遠隔にあるシーンの拡大像又は非拡大像を生成する。レチクルは、ガラス面上にパターン状に堆積されたワイヤ又は材料から構成され、取り付けられるライフル銃の軌道に対応する照準基準として使用される。レチクルはまた、射手が距離判断を行い異なる距離での弾丸の逸れを補正するのを支援するために特定の特徴部を含めることができる。
【0004】
また、弾丸の逸れを補償する目的で標的に対してレチクル位置を調整するために、ターレットも使用される。これは、極めて発展した信頼性の高いシステムであり、困難な長距離射撃を行うために、経験豊富で熟練の射手の手で使用することができる。レーザ距離計(LRF)と弾道コンピュータの支援と細部にわたる細心の注意を払うことで、経験豊富な射手は、銃器に対して必要な機械的調整を行うこと及び/又はレチクルパターン上の正確なホールドを実行することによって、自分の銃器の最大有効距離で標的に常に命中させることができる。
【0005】
このシステムは良好に機能するが、システムに改良を加える要望は常に存在する。特に、長距離の標的に命中させるのに伴う複雑さを軽減する要望がある。長距離標的に効果的に命中させるためには、射撃毎に大量の情報が必要とされ、射手はこの情報を処理して、リアルタイムで正しい判断及び計算を行うことができなければならない。ライフルスコープに加えて、正確な射撃配置を確実にするために、射手により他のツールが必要とされる。例えば、射撃を実行する前に光学機器が水平であることを確保するために、ライフルスコープの外部に取り付けられた気泡水準器が必要とされる。これには、射手が、光学機器の瞳から頭部を移動させて自分の水平度を点検することが必要である。
【0006】
レーザ測距計と弾道コンピュータもまた、標的距離を測定して弾丸の軌道を計算するために必要とされる。この場合も同様に、射手が、外部デバイスに注意を向けて、次いで必要な調整を行う際にそのデータを覚えておくことが必要である。兵器搭載型のレーザ測距計を使用する場合、射手は、光学機器の照準点がLRFの照準点と厳密に一致していることを確保するために特別な注意を払う必要がある。
【0007】
更に、ライフルスコープの使用にとって見過ごせない点は、これらは昼光の時間帯でのみ有用なことである。夜になり始めると、熱デバイス及び/又は暗視デバイスをライフルスコープの前方で兵器に取り付ける必要がある。これらのデバイスは、その波長又は強度が低いことに起因して人間の目には可視でない別形態の放射線を捕捉する。次いで、これらのデバイスは、シーンの像を再現するか又はこれを増感させて、ライフルスコープの対物レンズにシーンを再結像させる。弱光条件に対して有効で必要とされるこれらのデバイスはまた、重くて大きい。
【0008】
熱撮像デバイスの特定の事例では、熱シーンは、赤外線光学機器を介して特殊な熱センサに結像される。次に、その像がマイクロディスプレイ上に再現され、マイクロディスプレイが、可視光学系を有するライフルスコープの対物レンズに再結像される。これを達成するために必要とされる2つの別個の光学系は、かなり大きく、重量があり、高価なデバイスをもたらすことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許仮出願第62/660688号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
技術の進歩に伴い、射手に課せられる重い処理要件を軽減するために、或るレベルのシステム統合が必要とされている。この統合はまた、従来では複数のデバイスを参照しなければならず、計算及び調整を行わなければならない場合にはかなり長い「交戦までの時間」を短縮することも必要とされる。また最後に、弱光条件でライフルスコープを効果的に使用するのに必要とされる追加のデバイスのサイズ及び重量は、より統合された解決策を用いて削減することができる。
【0011】
従来のデバイスは、種々の方法でこれらの問題の幾つかに対処しようと試みてきたが、成功の程度は様々であった。しかしながら、従来の全ての試みでは、その解決策を光学機器の第2の焦点面において実施していた。ライフルスコープの第2の焦点面は、単一の倍率設定でシーンの像と十分に相関しているに過ぎないので、これは非常に不利である。照準点の位置も同様に、ターレット調整の一箇所でのみ正確である。この深刻な制限に起因して、システムの残りにおける変数を追跡し、それに応じて照準点を調整するために、追加の電子機器が必要とされる。他のシステムは、準無限距離の選択点を有する代わりに、包括的な粗い間隔で特徴を照明することによって近似的な照準点解決策を提供する。より脆弱なシステムは、標的までの距離又は現在の気象条件などの基本的情報を表示することしかできない。
【0012】
従って、光学系の第1の焦点面に情報を投影できる観察光学機器に対する必要性が依然としてある。本明細書で開示される装置、システム、及び方法は、革新的な方式でこれらの欠点の全てに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態では、主チューブと、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系とを含む観察光学機器が提供される。主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系は、少なくとも1つの焦点面を定めるように協働的に構成される。観察光学機器は更に、対物レンズ系と第1の焦点面の間に位置付けられるビームコンバイナを含む。観察光学機器は更に、アクティブディスプレイを備えた統合表示システムを含み、アクティブディスプレイは、デジタル像を生成してビームコンバイナに投影し、デジタル像と対物レンズ系からの標的像とを第1の焦点面において結合することができる。
【0014】
一実施形態では、本開示は、標的から第1の焦点面に像を合焦させる(以下、「FFP標的像」と呼ぶ)対物レンズ系と、その後に続く、FFP標的像を反転させて第2の焦点面に合焦させる(以下、「SFP標的像」と呼ぶ)正立レンズ系と、対物レンズ系とFFP標的像との間に配置されるビームコンバイナと、SFP標的像を人間の目で観察できるようにコリメートする接眼レンズ系と、から構成された第1の光学系と、第2の光学系とを備える観察光学機器に関する。一実施形態では、第2の光学系は、像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系とを有する。デジタルディスプレイからの像は、デジタル像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面において結合されて同時に観察できるように、ビームコンバイナに導かれる。
【0015】
一実施形態では、本開示は、外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、デジタル像を生成し、その生成された像を導いて主本体の第1の焦点面において生成された像と外部シーンの像とを同時に重ね合わせて観察するようにするための統合表示システムを備えて、主本体に結合されたベースと、を有する観察光学機器に関する。一実施形態では、ベースは主本体から分離可能である。一実施形態では、ベースは主本体の底部に結合する。更に別の実施形態では、ベースは、統合表示システムを収容するキャビティを有する。別の実施形態では、キャビティはまた、1又は2以上の電源のための区画を有することができる。
【0016】
一実施形態では、本開示は、外部シーンの像を観察するための直接観察光学機器を備えた本体と、統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、統合表示システムは、アクティブディスプレイを用いて像を生成し、この像を導いて生成された像と外部シーンの像とを同時に重ね合わせて観察するようにする。
【0017】
一実施形態では、本開示は、標的から第1の焦点面に像を合焦させる(以下、「FFP標的像」と呼ぶ)対物レンズ系と、対物レンズ系とFFP標的像との間に配置されるビームコンバイナと、その後に続く、FFP標的像を反転させて第2の焦点面に合焦させる(以下、「SFP標的像」と呼ぶ)正立レンズ系と、最後に、SFP標的像を人間の目で観察できるようにコリメートする接眼レンズ系と、から構成された主光学系を有する本体と、像を生成し、その生成された像を導いて本体の第1の焦点面において生成された像と外部シーンの像とを同時に重ね合わせて観察するようにするための統合表示システムを備えた、キャビティを有して本体の底部に結合されたベースと、を備える観察光学機器に関する。
【0018】
別の実施形態では、本開示は、外部シーンを観察するための光学系を備えた本体と、像を生成するためのアクティブディスプレイを備えたベースと、を有する観察光学機器に関し、生成された像は、光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合される。
【0019】
別の実施形態では、本開示は、外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、像を生成するためのアクティブディスプレイを有するキャビティを備えて、主本体の底部に結合されたベースと、を有する観察光学機器に関し、生成された像は、光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合される。
【0020】
一実施形態では、本開示は、外部像を観察するための第1の光学系を備えた本体と、ハウジング内に取り付けられたデジタルディスプレイから構成される第2の光学系と、を有する観察光学機器に関し、ハウジングは第1の光学系と平行であり、第2の光学系の像は、観察光学機器の第1の焦点面において第1の光学系の像に結合される。一実施形態では、第2の光学系はアクティブディスプレイを備える。更に別の実施形態では、第2の光学系は、アクティブディスプレイから集光するレンズ系を備える。
【0021】
一実施形態では、本開示は、外部像を観察するための第1の光学系を備えた主本体と、像を生成するための統合表示システムを備えて、主本体に結合されたハウジングと、を有する観察光学機器に関し、統合表示システムの像は、光学機器の第1の焦点面において第1の光学系の像に結合される。
【0022】
一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイと、集光器光学機器と、限定ではないがミラーを含む反射面又は反射材料と、を備える。一実施形態では、アクティブディスプレイは、アクティブな標的レチクル、修正照準点、距離測定値及び風情報を含めて、限定ではないが、テキスト、英数字、グラフィック、記号、及び/又はビデオ撮像、アイコンなどを含む像を生成することができる。
【0023】
一実施形態では、本開示は、(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、標的像を観察するための接眼レンズ系と、を有する第1の光学系と、(ii)ビームコンバイナと、(iii)像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をアクティブディスプレイからビームコンバイナに導く反射材料と、を有する第2の光学系と、を有する本体と、(a)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、(b)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、(c)反射材料をビームコンバイナに対して移動すること、(d)ビームコンバイナを反射材料に対して移動すること、並びに(e)正立レンズ系をビームコンバイナに対して移動することの内の1又は2以上を実行するための1又は2以上の調整機構と、を備える、観察光学機器に関し、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが、第1の焦点面に結合されて同時に観察される。
【0024】
一実施形態では、本開示は、(a)主チューブと、(b)主チューブの第1の端部に結合された、外部シーンからの標的像を合焦させる対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系あって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される、接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(e)像を生成するためのアクティブディスプレイと、この像をアクティブディスプレイからビームコンバイナに導く反射材料であって、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察される、反射材料と、(f)(i)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、又は(ii)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動することの内の1又は2以上を実行するための調整機構と、を備える観察光学機器に関する。
【0025】
一実施形態では、本開示は、第1の焦点面を定めるように構成された光学系と、像を生成するためのアクティブディスプレイ、及びこの像を第1の焦点面に導くための反射材料と、(a)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、(b)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、の内の1又は2以上を実行するための1又は2以上の調整機構と、を備える観察光学機器に関する。
【0026】
一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイから集光するために集光器光学機器又はレンズ系を有する。ディスプレイからの光は、限定ではないがミラーを含む反射面又は反射材料に導かれ、及び反射面から観察光学機器の主チューブ組立体内のビームコンバイナに導かれ、光学系の第1の焦点面と一致するディスプレイの像が形成される。このディスプレイの像は、シーン(標的)から生じる像と結合され、従来のワイヤレチクル又はガラスエッチングレチクルの「下方」にあるように知覚される。
【0027】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の主本体に結合されたハウジングに関し、ハウジングは、主本体の第1の焦点面に導入することができる像を生成するためにディスプレイを収容し、第1の焦点面上のディスプレイ像が正立チューブの移動に結びつけられないようになる。
【0028】
一実施形態では、本開示は、外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、主本体の底部に結合されたベースとを備える観察光学機器に関し、ベースは、像を生成するためのアクティブディスプレイであって、生成された像が光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合される、アクティブディスプレイと、ユーザの存在を検出するためのセンサと、センサと通信して観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有する。
【0029】
一実施形態では、本開示は、外部シーンからの標的像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、本体内に取り付けられた変倍レンズ要素と、外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、光学倍率の調整を示す信号を生成するために倍率調整機構と動作可能に関連付けられたセンサと、を有する主本体と、マークのセットを生成しマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、センサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクル上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整するように動作可能な電子コントローラと、を有する、主本体の底部に結合されたベースと、を備える観察光学機器に関する。
【0030】
一実施形態では、本開示は、外部シーンからの標的像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、本体内に取り付けられた変倍レンズ要素と、外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、光学倍率の調整を示す信号を生成するために倍率調整機構と動作可能に関連付けられたセンサと、を有する主本体と、マークのセットを生成し第1の焦点面においてマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、センサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクル上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整するように動作可能な電子コントローラと、を備える観察光学機器に関する。
【0031】
一実施形態では、本開示は、第1の端部及び第2の端部を備えて、中心軸を有する主本体と、本体内に配置された対物レンズ系と、本体内に配置された接眼レンズと、主本体内に配置され、正立レンズ系を有する正立チューブであって、対物レンズ系、接眼レンズ、及び正立レンズ系が第1レチクルを備えた第1の焦点面を有する光学系を形成する正立チューブと、外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、倍率調整機構と動作可能に関連付けられ、光学吸収率/反射率の異なる少なくとも2つの区域を備えた材料を有するカムスリーブであって、各区域が光学倍率に関連付けられたカムスリーブと、マークの第1セットを生成し、そのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、材料からの反射光を検出して信号を生成するためのフォトセンサと、フォトセンサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクルの上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整するように動作可能な電子コントローラと、を有する、主本体の底部に結合されたベースと、を備える観察光学機器に関する。
【0032】
一実施形態では、本開示は、標的からの像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されたビームコンバイナと、標的までの距離を決定するためのレーザ測距計と、を有する主本体と、
マークのセットを生成してそのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合ディスプレイシステムと、レーザ測距計と通信し、レーザ測距計によって測距された距離に応じて、統合表示システムのアクティブディスプレイ上に配置されるマークの第1セットを生成し、測距された距離に応じたホールドオーバ・マークに対応させるように動作可能な電子コントローラと、を有する、主本体の底部に結合されたベースと、を備えた観察光学機器に関する。
【0033】
一実施形態では、本開示は、標的からの像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されたビームコンバイナと、標的までの距離を決定するためのレーザ測距計と、少なくとも第1測距距離及び第2測距距離を保存するためのメモリデバイスと、有する主本体と、
マークのセットを生成してそのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合ディスプレイシステムと、レーザ測距計及び/又はメモリデバイスと通信し、第1測距距離に応じて統合表示システムのアクティブディスプレイ上にマークの第1セットを形成するように、並びに第2測距距離に応じてマークの第1セットを削除し、マークの第1セットと異なるマークの第2セットを形成するようにアクティブディスプレイ上にマークの第2セットを生成するように構成された電子コントローラとを有する、主本体の底部に結合されたベースとを備えた観察光学機器に関する。
【0034】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、観察光学機器の光軸と実質的に平行な方向に光を放出するように構成される。
【0035】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、観察光学機器の光軸と実質的に垂直な方向に光を放出するように構成される。
【0036】
一実施形態では、ミラーは、ディスプレイの放出光に対して約45°の角度に向けられる。
【0037】
一実施形態では、ディスプレイとミラーは、観察光学機器の主本体の共通する側に位置付けられる。
【0038】
一実施形態では、ディスプレイとミラーは、観察光学機器の主本体の対向する側に位置付けられる。
【0039】
一実施形態では、ディスプレイとミラーは、観察光学機器の主本体に結合されたベースの共通する側に位置付けられる。
【0040】
一実施形態では、ディスプレイとミラーは、観察光学機器の主本体に結合されたベースの対向する側に位置付けられる。
【0041】
一実施形態では、ミラーは、観察光学機器の主本体に結合されたベースの対物レンズ側に位置付けられる。
【0042】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、観察光学機器の主本体に結合されたベースの接眼レンズ側に位置付けられる。
【0043】
一実施形態では、本明細書で開示される方法及び装置により、エンドユーザは、昼間光学シーンからデジタルオーバレイを容易に識別することができる。
【0044】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器を覗く時にユーザに視認されるアナログレチクルとデジタルレチクルの両方を有する観察光学機器に関する。
【0045】
一実施形態では、観察光学機器は、銃器と連動して使用される。一実施形態では、観察光学機器はライフルスコープである。一実施形態では、ライフルスコープは、弾道計算機能を備えた外付けレーザ測距計と共に使用することができる。一実施形態では、ライフルスコープは、銃器に剛体的に取り付けられ、レーザ距離計は、銃器又はライフルスコープの何れかに取り付けられる。
【0046】
一実施形態では、本開示は、外部シーンを観察するための第1の光学観察系を備えた主本体と、像を生成するためのアクティブディスプレイを有するベースであって、ベースが主本体の底部に結合され、更に、生成された像と外部シーンの像とが光学系の第1の焦点面において結合されるベースと、を有するライフルスコープと、標的までの距離を測定するレーザ測距計と、その標的に命中させるために弾道を計算するための構成要素と、を備えた照準システムに関する。一実施形態では、統合表示システムは、計算された情報と、ライフル弾丸の着弾点と対応する正しい照準点とをデジタル表示することができ、デジタル表示された照準点と外部シーンは、ライフルスコープの第1の焦点面に重ね合わされて表示される。
【0047】
一実施形態では、本開示は、外部シーンを観察するための第1の光学観察系を備えた主本体と、像を生成するためのアクティブディスプレイを有するベースであって、ベースが主本体の底部に結合され、更に、生成された像と外部シーンの像とが光学系の第1の焦点面において結合されるベースと、標的までの距離を測定するレーザ測距計と、ライフルスコープの主本体に位置付けられた、その標的に命中させるために弾道を計算する構成要素と、を備えた照準システムに関する。
【0048】
一実施形態では、本開示は、視差調整レンズ(フォーカスセル)の遠隔配置を可能にするために、観察光学機器の主本体内に視差調整システムを有する観察光学機器に関し、これにより、必要なプリズムレンズ(ビームコンバイナ)を第1の焦点面の前方に統合するためのスペースが提供される。
【0049】
一実施形態では、本開示は、第1の焦点面レチクル上に投影されたデジタル像を拡大縮小するために内部倍率追跡デバイスを備えたライフルスコープに関する。
【0050】
別の実施形態では、本開示は、倍率の変化により第1の焦点面上に投影されたデジタル像を拡大縮小するための倍率追跡デバイスに関する。
【0051】
一実施形態では、本開示は、最大限の垂直補正のためにアクティブレチクル・ライフル光学機器内でディスプレイを配向する方法及び装置に関する。
【0052】
別の実施形態では、本明細書で開示される方法及び装置は、拡大像の放出を担うデバイスを具体的に配向することによって、ライフルスコープ内のアクティブレチクルの垂直調整に関する最大範囲を可能にする。
【0053】
別の実施形態では、本開示は、マイクロディスプレイの垂直軸と観察光学機器の光学系におけるレチクルの垂直軸の傾きを整合する方法に関し、これは、小型で、簡単且つ正確である。
【0054】
一実施形態では、本明細書で開示される方法及び装置は、処理されたデジタル像を昼間可視光学機器にシームレスに結合することを可能にする。
【0055】
一実施形態では、本開示は、軸方向に向けられたデータポート又は通信ポートを利用して、これにより物理的なトップダウン・プロファイルを最小限に維持する、第1の焦点面(FFP)に統合されたアクティブディスプレイに関する。
【0056】
本明細書で開示される装置及び方法の利点は、標的シーンの直接的観察を維持しながら、多数の高度なターゲティング機能を利用できることである。
【0057】
本明細書で開示される装置及び方法の利点は、統合表示システムから生成された像が、第1の焦点面の前方で標的からの外部像と結合されて、次いで第1の焦点面上に合焦され、このため、標的像と統合表示システムから生成された像とが互いに対して移動しないことである。
【0058】
本明細書で開示される装置及び方法の利点は、アクティブディスプレイから生成された像を光学系の第1の焦点面に導入することにより、生成された像が正立系のターレット調整又は位置のいかなる変化にも影響されないようにすることができる。
【0059】
本明細書で開示される装置及び方法の利点は、アクティブディスプレイの生成された像を第1の焦点面上に重畳することにより、電子機器が故障した又は電源を使い果たした場合に、ユーザが、照準目的で従来のガラスエッチング式レチクルを使用できることである。これは、本明細書で開示される装置及び方法が提供する重要なフェイルセーフである。
【0060】
本明細書で開示される装置及び方法の利点は、統合表示システムから生成された像を第1の焦点面上に表示することにより、ライフルスコープの現在の倍率設定又は他の調整に関係なく、電子的照準点の位置が標的に対して正確なままであることである。
【0061】
本明細書に記載する一実施形態の特徴、構成要素、ステップ又は態様は、制限なしに他の実施形態の特徴、構成要素、ステップ又は態様と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1A】ライフルスコープの部品を示す概略図である。
図1B】本開示の一実施形態による観察光学機器の追加の部品及び構成要素を示す概略図である。
図1C】本開示の一実施形態による光学機器本体内部の可動光学要素を示す、図1Bの観察光学機器の断面図である。
図1D】本開示の一実施形態による視差調整ノブを示す、観察光学機器の概略図である。
図1E】本開示の一実施形態による観察光学機器の光学要素における正立系の概略図である。
図2】本開示の一実施形態による、主本体と主本体に結合されたベースとを有するライフルスコープの側面図である。
図3】本開示の一実施形態による、対物レンズ組立体と第1の焦点面の間にビームコンバイナが設置された主本体を備える観察光学機器の断面図である。
図4】本開示の一実施形態による、長手方向に分割された観察光学機器の主本体を表する代表的な概略図である。
図5A】視差ノブのカム溝内に置かれるカムピンを備えた従来の視差調整ノブの代表的な概略図である。
図5B】フォーカスセルの態様を視差ノブに接続するカムピンを示す、従来の視差調整ノブの代表的な概略図である。
図5C】視差調整に使用できる接続ロッドが示され、本開示の一実施形態に従ってビームコンバイナ(プリズムレンズ)のスペースが第1の焦点面の前方に配置することを可能にするようにフォーカスセル(視差レンズ)が移動している、視差調整システムの代表的な概略図である。
図5D】本開示の一実施形態による視差調整ノブ組立体のカム溝内に置かれるカムピンを有する接続ロッドの一端部を示す、視差調整システムの代表的な概略図である。
図5E】本開示の一実施形態による、ロッドの一端部がフォーカスセルに接続され、他端がカムピンに接続された接続ロッドを有する視差調整システムの代表的な概略図である。
図5F】本開示の一実施形態による、一端部がフォーカスセルに接続され、他端が、視差調整ノブ上のカム溝内に置かれるカムピンに接続された、接続ロッドを有する視差調整システムの代表的な概略図である。
図6】本開示の一実施形態によるポテンショメータワイパを備えた外側正立スリーブを示す代表的な概略図である。
図7】本開示の一実施形態によるライフルスコープの主本体上へのメンブレンポテンショメータの配置を示す代表的な概略図である。
図8】本開示の一実施形態による、ライフルスコープの主本体上に設置されたポテンショメータワイパとメンブレンポテンショメータとを有する外側正立スリーブを示す代表的な概略図である。
図9】本開示の一実施形態による観察光学機器の様々な構成要素のブロック図である。
図10】本開示の一実施形態による、主本体とベースとを有するライフルスコープの上面図である。
図11】本開示の一実施形態による、主本体とベースとを有するライフルスコープの一部分の側面図である。
図12】本開示の一実施形態による、ガラスエッチング式レチクルを備えた主本体と、統合表示システムを備えたベースとを有するライフルスコープの概略切り欠き側面図である。
図13】本開示の一実施形態による統合表示システムの切り欠き側面図を示す代表的な概略図である。
図14】本開示の一実施形態による、観察光学機器の主本体と、統合表示システムを備え、主本体の少なくとも一部分に結合されたベースの概略切り欠き側面図である。
図15】本開示の一実施形態による、観察光学機器の主本体の光学系の第1の焦点面上にデジタル表示を結像させるための統合表示システムの代表的な図である。
図16】本開示の一実施形態による、観察光学機器の主本体と、観察光学機器の主本体の接眼レンズ組立体と比べて対物レンズ組立体に最も近いベースの一部分にアクティブディスプレイが位置付けられる統合表示システムを備えたベースとの概略図である。
図17】本開示の一実施形態による、観察光学機器の主本体と、観察光学機器の主本体の対物レンズ組立体と比べて接眼レンズ組立体に最も近いベースの一部分にアクティブディスプレイが位置付けられる統合表示システムを備えたベースとの概略図である。
図18】本開示の一実施形態によるマイクロディスプレイのアスペクト比を示す代表的な概略図である。
図19】本開示の一実施形態による530nm~570nmデジタルディスプレイを備えた統合表示システムを示す図である。
図20】本開示の一実施形態による530nm~570nmデジタルディスプレイで表示できる例示的な像の概略図である。
図21】本開示の一実施形態によるAMOLEDデジタルディスプレイを備えた統合表示システムを示す図である。
図22】本開示の一実施形態によるAMOLEDデジタルディスプレイで表示できる例示的な像の概略図である。
図23】本開示の一実施形態による、アクティブディスプレイと、内側レンズセル及び外側レンズセルを有する光学系とを示す、切り欠き代表的な概略側面図である。
図24】本開示の一実施形態による、観察光学機器に設置された集光器光学系を有する統合表示システムの切り欠き側面図である。
図25】本開示の一実施形態による、アクティブディスプレイと、内側セル及び外側セルを有する集光器光学系と、ミラーと、アクティブディスプレイの傾きを調整するためのねじと、を有する統合表示システムの代表的な概略上面図である。
図26】本開示の一実施形態による、アクティブディスプレイと、内側セル及び外部セルを有する集光器光学系と、ミラーと、アクティブディスプレイの傾きを調整するためのねじと、を有する統合表示システムの後方切り欠き図の代表的な概略図である。
図27】本開示の一実施形態による、マイクロディスプレイと、内側及び外側レンズセルと、内側セルと外側セルの間に位置付けられるバネと、を示す代表的な切り欠き側面図である。
図28A】本開示の一実施形態による、内側レンズセルの位置を調整し、視差誤差を除去するために使用することができる表面を示す、統合ディスプレイシステムの代表的な図である。
図28B】本開示の一実施形態におけるレンズ系を示す、統合表示システムの代表的な図である。
図29図29は、本開示の一実施形態による観察光学機器内に設置された、マイクロディスプレイと、光学系と、傾斜調整機能を備えたミラーとを有する統合表示システムの代表的な切り欠き側面図である。
図30】本開示の一実施形態による、ライフルスコープの主本体に結合可能なベース内におけるバッテリ区画の代表的な概略左側面図である。
図31】本開示の一実施形態による、ライフルスコープの主本体に結合可能なベース内における一体型バッテリ区画の代表的な概略右側面図である。
図32】本開示の一実施形態による、ライフルスコープの主本体に結合可能なベース内における一体型バッテリ区画の代表的な概略上面図である。
図33】本開示の一実施形態による、ピカティニーマウントに結合するために使用できるバッテリ区画を備えたベースの代表的な概略側面図である。
図34】本開示の一実施形態による、ベースのバッテリ区画に結合された片持ち式ピカティニーマウントの代表的な概略正面図である。
図35】本開示の一実施形態による、ベースのバッテリ区画に結合された片持ち式ピカティニーマウントの代表的な概略上面図である。
図36】本開示の一実施形態による、主本体と、軸方向に向けられたデータ/通信接続部を有するベースとを備えたライフルスコープの代表的な概略側面輪郭図である。
図37】本開示の一実施形態による、主本体と、熱撮像ユニットと通信するために1又は2以上の接続インタフェースを有するベースとを備えたライフルスコープの代表的な概略図である。
図38】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の背面左側面図である。
図39】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の背面右側面図である。
図40】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の背面右側面図である。
図41】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の正面左側面図である
図42】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の正面右側面図である。
図43】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の左側面図である。
図44】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の右側面図である。
図45】本開示の一実施形態による、ライフルスコープの一実施形態の右側面図である。
図46】本開示の一実施形態による、ライフルスコープの一実施形態の上部側面図である。
図47】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の右側面図である。
図48】本開示の一実施形態による、レーザ測距計を備えたライフルスコープの一実施形態の上部側面図である。
図49】本開示の一実施形態による、デジタル表示が導波管に結合されて所定の焦点面に光を合焦させる第2ホログラムから送出されるホログラフィック導波管構成の代表的な概略図である。
図50】本開示の一実施形態による、観察光学機器の代替構成の代表的な概略図である。
図51】本開示の一実施形態による、観察光学機器の代替構成の代表的な概略図である。
図52】本開示の一実施形態による、観察光学機器の代替構成の代表的な概略図である。
図53】パッシブ(固定式又はエッチング式)レチクル特徴部と、アクティブディスプレイからのマーク又は特徴部との両方を示す、1倍のレチクルの代表的な図である。
図54】パッシブ(固定式又はエッチング式)レチクルの特徴部と、アクティブディスプレイからのマーク又は特徴部との両方を示す、8倍のレチクルの代表的な図である。
図55】パッシブ(固定式又はエッチング式)レチクルの特徴部と、距離測定値及びウィンドホールドオーバ・マークを含むアクティブディスプレイからのマーク又は特徴部との両方を示す、8倍のレチクルの代表的な図である。
図56】パッシブ(固定式又はエッチング式)レチクルの特徴部と、距離測定値及びウィンドホールドオーバ・マークを含むアクティブディスプレイからのマーク又は特徴部との両方を示す、8倍でのレチクルの代表的な図である。
図57】標準的なエッチング及び充填部分と共に、デジタルディスプレイから生成された画像を備えたレチクルの代表的な図である。
図58】距離マーカを備えたBDCレチクルの代表的な図である。
図59】射撃に対するカントの影響を描写する代表的な概略図である。
図60】カントを補正することができるデジタルディスプレイ又はアクティブディスプレイの代表的な概略図である。
図61】500ヤードに対するリアルタイムの落下位置及びウィンドホールドを表示する、500ヤードに測距された標的を有するレチクルの代表的な図である。
図62】1000ヤードに対するリアルタイムの落下位置及びウィンドホールドを表示する、1000ヤードに測距された標的を有するレチクルの代表的な図である。
図63】水平方向クロスヘアの下方により小数のドット列を備えた、低倍率におけるレチクルの代表的な広角図である。
図64】より小さな中心グリッドを備えた、より高い倍率におけるレチクルの中央部分の代表的な図である。
図65】1-8xアクティブレチクル・ライフルスコープの代表的な側面図である(像の右側には倍率調整リングが見える)。
図66】スコープの本体が隠されて外側カムスリーブを露わにした1-8xアクティブレチクル・ライフルスコープの代表的な側面図である(外側カムスリーブは倍率調整リングと共に回転し、これにより倍率設定が変更される)。
図67】外側カムスリーブに取り付けられた反射性傾斜材料の位置を測定するのに使用されるフォトセンサ及びLEDを含むプリント回路基板を備えた観察光学機器のベースの代表的な側面図である(外側カムスリーブ及び関連する光学系は、この画像では隠されている)。
図68】フォトセンサに対する受光角を説明するために模擬視円錐を描いた、フォトセンサ及びLEDの代表的な分解図である。
図69】観察光学機器の倍率設定値を測定するために外側カムスリーブに取り付けられた反射性傾斜ストリップと連動するフォトセンサ及びLEDの代表的な画像である(この図は、光学倍率設定値と各々が関連付けられた異なる反射率の4つの特定区分を有する傾斜ストリップを示すが、このストリップは、その反射率が無限に変化し得る点に留意されたい。)
図70】観察光学機器の倍率設定値を測定するために外側カムスリーブに取り付けられた反射性傾斜ストリップと連動するフォトセンサ及びLEDの代表的な画像である(この図は、光学倍率設定値と各々が関連付けられた異なる反射率の4つの特定区分を有する傾斜ストリップを示すが、このストリップは、その反射率が無限に変化し得る点に留意されたい。)
図71】主本体内にビームコンバイナを備え、ビームコンバイナに結合されたフォトセンサ及び光フィルタを有する観察光学機器の代表的な概略図である。
図72】観察光学機器の主本体に結合されたベース内にミル加工された窓、近接センサ、及びキャリアを示す(全て接眼レンズの下方に位置付けられる)、観察光学機器の後部の代表的な図である。
図73】省電力システムを有するベースを備え、ライフルに取り付けられた状態の観察光学機器の代表的な図である。
図74】省電力システムを有するベースを備え、ライフルに取り付けられた状態の観察光学機器の代表的な図である。
図75】電源ピンが観察光学機器の主本体に結合されたベースを貫いて突出している、観察光学機器の代表的な概略図である。
図76】電源ピンが観察光学機器の主本体に結合されたベースを貫いて突出している、観察光学機器の代表的な概略図である。
図77】観察光学機器のベースを貫いて突出している電源ピンを示す、ベースの代表的な側面プロファイルである。
図78】PCBに取り付けられた電源ピンを示すために観察光学機器のベースを透明にした、側面プロファイルの代表的な図である。
図79】観察光学機器と通信するための遠隔キーパッド上部の代表的な図である。
図80】内蔵リコイルラグを貫いて突出する電源ピンを示す、遠隔キーパッドの代表的な側面輪郭図である。
図81】内蔵リコイルラグを貫いて突出する2つの電源ピンを示す、代表的な底面図である。
図82】遠隔キーパッド本体内部のPCBを示すために透明にしたカバーを有する代表的な底面図である。
図83】本明細書に開示される観察光学機器と通信するために3つのボタンを備えたキーパッドの代表的な図である。
図84】観察光学機器と通信するための遠隔キーパッドの機能を変更するために機械式スイッチを備えた観察光学機器の代表的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
ここで、本開示の実施形態を示す添付図面を参照しながら、本明細書で開示する装置及び方法について、以下でより十分に説明する。しかしながら、本明細書で開示する装置及び方法は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書で記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全なものとなり、また当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供されるものがある。
【0064】
特徴及び/又は機能のセットは、独立型の兵器照準器、フロントマウント又はリアマウントのクリップ式兵器照準器、及び現場で配備された光学兵器照準器の他の置き換えの関連において容易に適合させることができることは、当業者には理解されよう。更に、あらゆる種類の既存の固定式又は可変式の兵器照準器を後付けするために、特徴及び機能の様々な組み合わせをアドオンモジュールに組み込むことができることは、当業者には理解されるであろう。
【0065】
1つの要素又は層が別の要素又は層「の上にある」、「に接続される」又は「に結合される」と言及される場合、この1つの要素又は層が他方の要素又は層の直接上にある、或いは直接接続又は結合できることは理解されるであろう。或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、1つの要素が別の要素又は層の「直接上にある」、「直接接続される」又は「直接結合される」と言及される場合、介在する要素又は層は存在しない。
【0066】
全体を通して同じ符号は同じ要素を指す。本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」は、関連して列挙された項目の内の1又は2以上の項目の何れか及び全ての組み合わせを含む。
【0067】
本明細書において、様々な要素、構成部品、領域、及び/又はセクションを記述するために、第1、第2などの用語を用いる場合があるが、これらの要素、構成部品、領域、及び/又はセクションはこれらの用語によって限定されるものではない点は理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素、構成部品、領域、又はセクションを別の要素、構成部品、領域、又はセクションと区別するためにのみ使用される。従って、以下で論じる第1の要素、構成部品、領域、又はセクションは、本開示から逸脱することなく、第2の要素、構成部品、領域、又はセクションと称することができる。
【0068】
本明細書では、図に示すような別の要素(複数可)又は特徴(複数可)との1つの要素又は特徴の関係を説明するために、説明を容易にするために「の下に」、「の下方に」、「下部の」、「の上方に」、「上部の」などの空間的に相対的な用語を用いる場合がある。空間的に相対的な用語は、図に描かれた向きに加えて、使用中又は操作中のデバイスの様々な配向を包含するように意図されていることは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスを反転させた場合には、他の要素又は特徴の「下方に」又は「下に」あると記載される要素は、他の要素又は特徴の「上方」を向くことになる。従って、例示的な用語「下方に」は、上方と下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他の向き(90°回転又は他の向き)にすることができ、本明細書で使用する空間的に相対的な記述子は、相応に解釈することができる。
【0069】
I. 定義
本開示における数値範囲は近似的なものであり、従って、別途指示のない限り、範囲外の値を含んでもよい。数値範囲は、何れかの下限値と何れかの上限値との間に少なくとも2つの単位の離隔があることを条件として、1単位の増分で、下限値と上限値を含めて下限値から上限値までの全ての値を含む。一例として、例えば分子量、粘度などといった組成特性、物理的特性又は他の特性が、100から1000までの場合、100、101、102などといった全ての個々の値、並びに100から144まで、155から170まで、197から200までなどといった部分範囲が明示的に列挙されるものとする。1より小さい値を含む範囲、又は1よりも大きい小数(例えば、1.1、1.5など)を含む範囲については、1単位は、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01、又は0.1と見なされる。10未満の1桁の数字を含む範囲(例えば、1から5まで)では、1単位は通常0.1と見なされる。これらは、具体的に意図するものの実施例に過ぎず、列挙する最低値と最高値の間の数値の可能な全ての組み合わせが、本開示に明示的に記載されていると見なされるものとする。本開示内でとりわけ、デバイスのユーザから標的までの距離に対する数値範囲が提供される。
【0070】
本明細書において「A及び/又はB」などの表現で使用される用語「及び/又は」は、AとBの両方;A又はB;A(単独);及びB(単独)を含むものとする。同様に、「A、B、及び/又はC」などの表現で使用される用語「及び/又は」は、以下:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)の実施形態の各々を含むものとする。
【0071】
本明細書で使用する場合、「アクティブディスプレイ」は、画像生成ピクセル変調を含む。一実施形態では、アクティブディスプレイは、発光型アクティブディスプレイである。限定ではないが、有機発光ダイオード(OLED)及び発光ダイオード(LED)を含む発光型アクティブディスプレイは、単一デバイス内の画像及び光源を備えることを特徴とし、従って外部光源は必要とされない。これは、優れたコントラストと色空間を提供しながら、システムサイズと消費電力を最小限に抑える。OLEDは極薄の有機半導体層から作られ、電圧に接続された時に点灯する(電荷キャリアが注入され、輝度は主に順方向電流に比例する)。主層は、複数の有機材料を順に備え(例えば、電荷輸送層、ブロッキング層、及び発光層、各々が数ナノメートルの厚さを有する)、これらはアノードとカソードの間に挿入される。用語「アクティブディスプレイ」、「デジタルディスプレイ」及び「マイクロディスプレイ」は互換的に使用される。
【0072】
本明細書で使用する場合、「正立スリーブ」は、正立レンズマウントからの突出部であり、正立チューブ及び/又はカムチューブ内のスロットと係合し、又は類似の目的に役立つ。これは、マウントと一体化されるか、着脱式でもよい。
【0073】
本明細書で使用する場合、「正立チューブ」は、正立レンズマウントを受け入れるための開口部を有する何れかの構造又はデバイスである。
【0074】
本明細書で使用する場合、「銃器」は、多くの場合、爆発力の作用によって駆動される1又は2以上の発射体を発射する銃身付きの兵器の携帯銃である。本明細書で使用する場合、「銃器」という用語は、拳銃、長銃、ライフル銃、散弾銃、カービン銃、自動兵器、半自動兵器、機関銃、軽機関銃、自動ライフル銃、及びアサルトライフルを含む。
【0075】
本明細書で使用する場合、「統合表示システム」は、像を生成するためのシステムを指す。一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイを含む。一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイと集光器光学機器とを含む。更に別の実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイと、集光器光学機器と、反射面とを含む。
【0076】
一実施形態では、統合表示システムを用いて、アクティブディスプレイでデジタル像を生成し、そのデジタル像を光学系の第1の焦点面内に導いてデジタル像と外部シーンの像とを同時観察することができる。本明細書で使用する場合、「照準システム」とは、人が銃器又は他の用具の照準を合わせるのを支援する1又は2以上の光学デバイス及び他のシステムを指す。
【0077】
本明細書で使用する場合、「マーク」という用語は、様々な視覚的に知覚可能な線、円、ドット、クロスヘア、馬蹄パターン、幾何学的形状、符号、数字、文字、標識、又は記号の何れかを含むことができる。
【0078】
本明細書で使用する場合、用語「パッシブレチクル」は、ユーザによって変更できない固定されたマークを備えたレチクルを指す。パッシブレチクルの代表的な実施例は、エッチング及び充填式レチクルである。別の実施例は、ホログラフィックレチクルであり、この場合、マークはユーザによって変更できない。パッシブレチクルは、第1の焦点面に、第2の焦点面に、又は第1及び第2の焦点面の両方に設置することができる。
【0079】
本明細書で使用する場合、用語「観察光学機器」は、射手又は観測手が標的を選択、識別、又は監視するために使用する装置を指す。「観察光学機器」は、標的の観察観測、或いは、例えば赤外線(IR)、紫外線(UV)、レーダ、熱、マイクロ波、又は磁気撮像、X線、ガンマ線、同位体放射線及び粒子線を含む放射線、暗視、超音波、パルス音、ソナー、地震性振動、磁気共鳴を含む振動レセプタ、重力レセプタ、電波を含む放送周波数、テレビジョンレセプタ及びセルラレセプタ、或いは標的の他の像に依拠することができる。「観察光学機器」デバイスによって射手に提示される標的の像は、変更されていない場合があり、或いは、例えば、拡大、増幅、減算、重畳、フィルタ処理、安定化、テンプレートマッチング、又は他の手段によって強化することができる。「観察光学機器」によって選択され、識別され又は監視される標的は、射手の視線内にあるか、又は射手の視線に対して外れることができ、或いは、標的取得デバイスが標的の合焦像を射手に提示している間、射手の視線が遮られてもよい。「観察光学機器」によって取得された標的の像は、例えば、アナログ又はデジタルであり、例えば、ビデオ、物理的なケーブル又はワイヤ、IR、電波、セルラ接続、レーザパルス、光学、802.11b、又は、例えばhtml、SML、SOAP、X.25、SNAなどのプロトコルを用いた他の無線伝送、Bluetooth(商標)、シリアル、USB、或いは他の適切な画像配信方法によって、1人又は2人以上の射手又は観測手のネットワーク内で共有、保存、保管、又は伝送することができる。用語「観察光学機器」は、「光学照準器」と互換的に使用される。
【0080】
本明細書で使用する場合、用語「外部シーン」は、標的を含むがこれに限定されない現実世界のシーンを指す。
【0081】
本明細書で使用する場合、用語「射手」は、射撃を行う操作者又は射撃を行う操作者と連携して射撃を観察する個人の何れかに当てはまる。
【0082】
II. 観察光学機器
図1Aは、観察光学機器の代表的な実施例であるライフルスコープの従来設計を示す。図1Bは、本開示の実施形態による例示的な観察光学機器10を示す。具体的には、図1Bはライフルスコープを示している。より詳細には、ライフルスコープ10は、可動光学要素15を密閉する本体38を有する。本体38は、その前部40のより大きな開口部から後部42のより小さな開口部へ先細になる細長いチューブである。接眼レンズ56がスコープ本体の後部に取り付けられ、対物レンズ54がスコープ本体の前部に取り付けられる。可動光学要素の中心軸は、ライフルスコープの光軸44を定める。
【0083】
仰角ターレット12及びウィンデージターレット48は、本体38の外側中央部に多くの場合見られる2つのダイヤルである。これらは、その周囲11上に印20によって増分的にマーク付けされ、衝撃点変更に関して可動光学要素の仰角及びウィンデージを調整するのに使用される。これらのダイヤルは、ターレットハウジング50から突出する。ターレットは、仰角ターレットの回転軸46がウィンデージターレットの回転軸52に対して垂直であるように配置される。
【0084】
図1Cは、光学系14の基本構成要素及び可動光学要素15を有する、図1Bの照準デバイスの断面図を示している。図1Cに示すように、光学系14は、対物レンズ系16、正立系25、及び接眼レンズ系18を含む。図1Cは、本体38を有するライフルスコープを示すが、光学系14は、他のタイプの照準デバイスでも同様に使用することができる。正立系25は、可動光学要素15内に含めることができる。正立系25は、変倍レンズ要素又はズーム要素25Aを含むことができる。図1Cにおいて、可動光学素子15はまた、集光器22と共に、第1の焦点面レチクル55及び第2の焦点面レチクル57を含む。使用時には、ターレット組立体28及びターレットねじ29の調整により、可動光学要素15の調整をもたらす。
【0085】
可動光学要素15は、ターレット組立体28を1クリック又は2クリック以上回転させることによって調整される。ターレットの回転に伴って、ターレットねじ29がスコープの内外に移動し、これにより正立チューブが押される。正立チューブはバネで付勢されているので、ターレットねじが調整されると、ターレットねじは、その底面に接して正立チューブを位置決めする。正立チューブは、全体像のより小さな視像を提供する。正立チューブが調整されると、レチクルの位置が像に対して変更される。
【0086】
レチクルは、スコープ本体内にスコープを通る光軸又は照準線と垂直関係で取り付けられた円形の平面又は平坦な透明パネル又はディスクであり、対物レンズ要素54と正立レンズ要素との間に、典型的にはハウジング内の光学系の前側焦点面と見なされる位置に位置決めされる。一実施形態では、レチクルは、中心点で直交又は垂直に交差する中央垂直ヘアライン及び中央水平ヘアラインを備えた微細なエッチング線又はヘアライン標識を含む。
【0087】
一実施形態では、図1Dに示すように、観察光学機器は、視差調整ノブ70又はフォーカスノブを有することができる。視差は、標的の像の光学平面がレチクルの像の光学平面と同一平面上にない場合に生じる。2つの光学平面間のオフセットの結果として、射手がレチクル中心の周りに目を動かした時に、レチクルが標的に対して動くように見える可能性がある。この視差による誤差は、発射により着弾点のシフトをもたらす場合がある。観察光学機器の視差調整は、標的の像とレチクルの像を同じ光学平面に表示するように光学系を調整可能にすることによって、射手が異なる距離での光学誤差を除去できるようにする。視差補正は、レチクルの焦点も像の焦点も変えず、単にこれら2つの対象物が合焦状態にある平面を単に移動させて、これらが同じ平面を共有する(一致する)ようにする。
【0088】
図1Dに示すように、観察光学機器は、回転可能な視差調整ノブ70に取り付けられたサイドホイールを有することができる。サイドホイールのより大きな直径は、距離マーカなどの付与されるマーカに対するより多くのスペースを提供し、使用時に射手が回転させて読み取るのがより容易である。サイドホイールのより大きな直径は、測距マーカの精度及び分解能を向上させるのに役立つ。
【0089】
図1Eは、光学系14のクローズアップを断面で示し、光線が光学系14をどのように進むかを示している。光学系14は、集光器22などの追加の光学構成要素を有することができ、対物レンズ系16、正立系25、及び接眼レンズ系18などの特定の構成要素は、それ自体が複数の構成要素又はレンズを有することができることは、当該技術分野で周知である。
【0090】
一実施形態では、観察光学機器は、視差調整を提供するための1又は2以上の調整可能レンズを備えたフォーカスセルを有することができる。一実施形態では、1又は2以上の調整可能レンズは、1又は2以上の視差レンズである。
【0091】
一実施形態では、合焦レンズは、接眼レンズと対物レンズとの間に位置付けられる。合焦レンズと対物レンズの相対距離は、視差調整を提供するために調整可能である。更に、正立レンズは、接眼レンズと合焦レンズの間に位置付けられる。正立レンズと対物レンズの相対距離は、倍率調整を提供するために調整可能である。
【0092】
III. アクティブディスプレイを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、デジタル像を生成してこのデジタル像を観察光学機器の第1の焦点面に投影するアクティブディスプレイを有する観察光学機器に関する。一実施形態では、本開示は、観察光学機器を覗く時にユーザに視認される、アナログレチクルと、限定ではないがデジタルレチクルを含むデジタル像とを有する観察光学機器に関する。一実施形態では、観察光学機器は、弾道計算機能を備えた外部レーザ測距計と共に使用することができる。
【0093】
一実施形態では、観察光学機器は、アナログ又はガラスエッチング式レチクルを備えた可動正立チューブを有し、アナログ又はガラスエッチング式レチクルが正立チューブと連動して移動するように正立チューブに取り付けられている。一実施形態では、デジタル方式で導入されたレチクルは、正立チューブと連動して移動しない。従って、デジタルレチクルは、ターレット又は正立チューブの位置に関わらず正確である。
【0094】
一実施形態では、本開示は、デジタルディスプレイを備えた観察光学機器に関し、このデジタルディスプレイは、第1の焦点面上のデジタルディスプレイの像が正立チューブの移動に結びつけられないように観察光学機器の第1の焦点面に導入することができる。一実施形態では、このディスプレイは、ライフルスコープの正立チューブ/ターレットの位置に関わらず、正確な弾道の照準ホールド点をユーザに与えることができる。
【0095】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の正立チューブの位置及び/又はターレットの位置に非依存の照準点を備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、弾道的に決定された照準点が正立ユニットの視野以外にある場合、ターレットを回して、弾道的に決定された照準点を視野内に持ち込むことができる。
【0096】
一実施形態では、観察光学機器は、標的から第1の焦点面に像を合焦させる(以下、「FFP標的像」と呼ぶ)対物レンズ系と、その後に続く、FFP標的像を反転させて第2の焦点面に合焦させる(以下、「SFP標的像」と呼ぶ)正立レンズ系と、対物レンズ系とFFP標的像との間に配置されるビームコンバイナと、SFP標的像を人間の目で観察できるようにコリメートする接眼レンズ系とから構成された主光学系と、第2の光学系とを備える。
【0097】
一実施形態では、第2の光学系は、アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系とを有する。デジタルディスプレイからの像は、デジタル像と対物レンズ系からの標的像とを第1の焦点面において結合させて同時に観察できるように、ビームコンバイナに導かれる。一実施形態では、第2の光学系は、限定ではないがミラーを含む反射材料を有することができる。
【0098】
上記の説明を参照すると、デジタルディスプレイは、対物レンズ系と第1の焦点面との間で主光学系に導入され、次いで、第1の焦点面上に合焦される。第1の焦点面では、デジタルディスプレイからのデジタル像と、正立レンズ系に取り付けられたアナログ/ガラスエッチング式レチクルの両方が同一平面を共有する。しかしながら、アナログレチクルは、可動正立レンズ系に取り付けられるのに対して、デジタルディスプレイからの像はそうではない。従って、正立レンズ系が移動された場合、アナログレチクルは移動することになるが、デジタル像は静止したままとなる。
【0099】
一実施形態では、観察光学機器を銃器に対して剛体的に取り付けることができる。別の実施形態では、レーザ測距計は、銃器又は観察光学機器の何れかに取り付けることができる。レーザ測距計は、標的までの距離を測定し、その標的に命中させるための弾道を計算し、その情報をアクティブディスプレイに提供して、ライフル銃の弾丸の着弾点と共に正確な照準点を表示することができるようにする。
【0100】
レーザ測距計が観察光学機器に剛体的に取り付けられており、照準点が移動しないので、デジタル像が静止したままであることが重要である。これによって、デジタル式レーザデジグネータが初期設定でレーザに対応し、その後、正立レンズ系がどのように移動されたとしても、この2つは常に整列したままとなるように、デジタルディスプレイをデジタル的に調整することができる。
【0101】
加えて、銃器の銃身は、観察光学機器に剛体的に取り付けられるので、銃身の照準点は、デジタルディスプレイに関連して変化することはない。これにより、デジタル照準点が初期設定時に初期の「サイトイン」距離で銃器の銃身に対応し、次いで、両者が常に整列したままとなるように、デジタルディスプレイをデジタル的に調整することができる。
【0102】
初期のサイトイン距離とは異なる距離で射撃する必要が生じた場合、レーザ測距計は、距離を測定し、次いで弾道計算を行って、照準点の新しい位置を決定することができる。この新しい照準点位置は常に初期のサイトイン距離と関係があるので、ライフルスコープは、単に、デジタルディスプレイの照準点を新しい照準点と対応するように調整するだけでよい。
【0103】
このシステムの副次的な利点は、デジタル照準点が静止しているので、一定の間隔で所定のマークを有するレチクルを用いて正立チューブの位置を調整するターレットの精度を観察光学機器上で簡単に試験できることである。正立チューブが移動すると、静止したデジタル照準点に対してレチクルを測定して、ターレット上でのダイヤル調整が、デジタル照準点と正立レンズ系に取り付けられたレチクルとの間で測定された移動量と一致するかどうかを確かめることができる。
【0104】
IV. ベースを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、限定ではないが、第1ハウジングが第2ハウジングに結合させたライフルスコープを含む、観察光学機器に関する。一実施形態では、第1ハウジングは主本体である。更に別の実施形態では、第2ハウジングはベースである。
【0105】
一実施形態では、本開示は、主本体と主本体に結合されたベースとを有するライフルスコープに関する。一実施形態では、ベースは主本体から分離可能である。一実施形態では、ベースは主本体の底部に取り付けられる。一実施形態では、ガスケットが、主本体とベースを密閉するのに使用される。
【0106】
一実施形態では、本開示は、外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、デジタル像を生成してそのデジタル像を光学系の第1の焦点面に導き、これによりデジタル像と外部シーンの像との同時観察を提供するための統合表示システムを備えて、主本体に結合されたベースと、を有するライフルスコープに関する。
【0107】
別の実施形態では、本開示は、外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、像を生成してその生成された像を光学系の第1の焦点面に導き、スコープ本体の接眼レンズを覗いた時に生成された像と外部シーンの像との同時観察を提供するためのアクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えて、主本体に結合されたベースと、を有するライフルスコープに関する。
【0108】
代表的な実施形態では、図2は、主本体210とベース220とを有するライフルスコープ200の側面図を表示している。一実施形態では、ベース220は主本体210から分離可能である。ベース220は、倍率リング212の近くでスコープ本体の一端部に取り付けられ、対物レンズ組立体214の近くでスコープ本体の他端部に取り付けられる。一実施形態では、主本体210とベース220は同じ材料で作られる。別の実施形態では、スコープ本体とベースは、異なる材料で作られる。
【0109】
一実施形態では、ベース220は、おおよそ、主本体の正立チューブの長さである。
【0110】
一実施形態では、ベースは、限定ではないが、リアルタイム弾道解;飛翔時曳光弾の検出及び追跡による次のラウンドの弾道修正;統合型高性能慣性センサを用いた兵器指向角の追跡;高度な弾道ターゲティング及び修正のための精密な指向角比較;標的の位置及び指定;気圧、湿度、及び温度;デバイスによって処理されて照準中に観察できる抗同士討ちデータ及び状況認識データ;長距離での好都合な弾道落下修正のための、スコープ視野を越えるレチクルターゲティング修正;兵器、ラウンド、及び環境特徴付けデータを含む、状況情報、地理情報、及び弾道情報を生成して観察光学機器の第1の焦点面に表示することができる統合表示システムを有する。
【0111】
一実施形態では、観察光学機器は、:1又は2以上のマイクロプロセッサ、1又は2以上のコンピュータ、完全統合型弾道コンピュータ;統合型近赤外レーザ測距計;完全座標標的位置及び指定が可能な観察光学機器と統合されたGPS及びデジタルコンパス;このデータを弾道計算に自動的に組み込むことのできる観察光学機器と統合された圧力、湿度、及び温度用センサ;ゼロパワーオフモードを含む全ての条件での従来型観察光学機器の機能;センサ、環境、及び状況認識データを通信するための有線及び無線インタフェース;パーソナル・ネットワーク・ノード(PNN)及びソルジャ・ラジオ・ウェーブフォーム(SRW)などのデジタルインタフェースをサポートする機能;上方傾斜及び下方傾斜の射撃方向に対して実施可能な弾道補正に関する垂直方向の統合傾斜感度;統合イメージセンサ;標的シーンの画像フレームを取得及び処理する機能;自動方式のコールドボア射撃/ホットボア射撃修正を適用する目的で発射時間の履歴を記録する機能;角度から線形への自動サイズ変換を備えた内蔵バックアップ光学距離推定機能である、機能及び/又は構成要素の内の1又は2以上を有する。
【0112】
一実施形態では、観察光学機器は、1又は2以上のデバイスと無線で通信することができる。別の実施形態では、観察光学機器は、1又は2以上のデバイスと物理的ケーブルで通信することができる。
【0113】
A. 主本体
一実施形態では、主本体は、その前部の大きな開口部から後部の小さな開口部に向かって先細になった細長いチューブの形状であり、細長いチューブの後部には接眼レンズが取り付けられ、細長いチューブの前部には対物レンズが取り付けられる。一実施形態では、第1ハウジングはライフルスコープの主本体である。
【0114】
一実施形態では、主本体は、観察用入力端部と観察用出力端部とを有し、これらは、観察光軸44(図1B)に沿って整列することができ、一直線に並ぶことができる。対象物又は標的は、観察用入力端部を通り、観察用直接観察光学機器に沿って、観察用出力端部から出てユーザの目により直接観察することができる。主本体は、観察用入力端部にて対物レンズ又はレンズ組立体を含むことができる。第1の焦点面レチクルを観察光軸Aに沿って位置決めし、対物レンズ組立体から離間させることができる。
【0115】
一実施形態では、画像又は像反転レンズ組立体は、第1の焦点面レチクルから観察光軸Aに沿って後方に位置決めし離間させることができる。像を反転させるために、対物レンズと接眼レンズの間の主本体内に、正立像系を有する正立チューブが設置される。これは、像に対して陸地観察用の正しい向きを与える。正立像系は通常、正立チューブ内に収容される。
【0116】
反転レンズ組立体又は正立像系は、互いに離間して配置された1又は2以上のレンズを備えることができる。正立像系は、像の焦点を調整するためにその光軸に沿って可動な合焦レンズ、並びに後側焦点面で像を光学的に拡大して標的が実際の距離よりも近くに見えるようにするためにその光軸に沿って可動な拡大レンズなどの、1又は2以上の可動光学要素を含むことができる。一般的に、正立組立体は、合焦レンズと拡大レンズの内の1又は2以上の変倍レンズ要素との協働移動を駆動するための機械的、電気機械的、又は電気光学的システムを含んで、全体にわたって正立組立体が後方焦点面に遠方標的の合焦した正立像を作り出す連続的に可変な倍率範囲を提供する。
【0117】
可変倍率は、正立チューブ内で互いに対して正立レンズの位置を調整するための機構を設けることによって達成することができる。これは一般的に、正立チューブの周りに密着するカムチューブを使用することで行われる。各正立レンズ(又はレンズ群)は、正立チューブ内で摺動する正立レンズマウントに取り付けられる。正立レンズマウントに取り付けられた正立スリーブは、正立チューブの本体内の直線スロットを摺動して、正立レンズの向きを維持する。このスリーブはまた、カムチューブ内の角度付きの、又は湾曲したスロットと係合する。カムチューブが回ると、正立レンズマウントがガイドチューブ内で長さ方向に移動し、倍率が変化する。各正立レンズはカムチューブ内に固有のスロットを有し、これらスロットの構成により、カムチューブを回した時の倍率変化の量及び割合が決定される。
【0118】
第2の焦点面のアパーチャは、画像反転組立体から観察光軸Aに沿って後方に位置決めし離間させることができる。接眼レンズ組立体は、接眼レンズにおいて、第2の焦点面のアパーチャから観察光軸Aに沿って後方に位置決めし離間させることができる。接眼レンズ組立体は、互いに離間して配置された1又は2以上のレンズを含むことができる。一部の実施形態では、観察光軸A及び直接観察光学機器を折り畳むことができる。
【0119】
一実施形態では、主本体はビームコンバイナを有する。一実施形態では、ビームコンバイナは、図1Bに示すように観察光軸44上に位置決めし観察光軸44と光学的に結合させることができる。一実施形態では、ビームコンバイナは、観察光学レチクルの近くに位置決めすることができる。別の実施形態では、ビームコンバイナは、第1の焦点面の観察光学レチクルの近くに位置決めすることができる。
【0120】
一実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体と第1の焦点面との間に位置付けられる。
【0121】
更に別の実施形態では、主本体はビームコンバイナを有し、ビームコンバイナは接眼レンズ組立体の近くに設置されない。一実施形態では、ビームコンバイナは、接眼レンズ組立体の下に設置されない。
【0122】
一実施形態では、主本体はビームコンバイナを有し、ビームコンバイナは、観察光学機器の主チューブ内の接眼レンズ組立体と比べて対物レンズ組立体に近接して位置付けられる。
【0123】
図3は、主本体210とベース220とを備えたライフルスコープ300の切り欠き側面図を表示している。図示のように、ライフルスコープ300は、対物レンズ組立体310、ビームコンバイナ320、第1の焦点面330と、第2の焦点面350、及び接眼レンズ組立体360を有する。ビームコンバイナ320は、対物レンズ組立体310と第1の焦点面330の間に位置付けられる。
【0124】
一実施形態では、観察光学機器400は、関連するレンズ及び回路のベース220内への組立を可能にするために長手方向に分割された主本体210を有することができる。図4は、ライフルスコープ400の長手方向に分割された主チューブ210の代表的な例である。図4は、長手方向に分割された主チューブの分割線410を示している。主本体210の底部側の分割部420により、統合表示システムを有するベース220の結合が可能となる。
【0125】
一実施形態では、主本体の底部側は長手方向の分割部を有する。一実施形態では、長手方向の分割部は、おおよそ、主本体と結合するベースの長さである。
【0126】
一実施形態では、主本体はアクティブディスプレイを有していない。
【0127】
1.ビームコンバイナ
一実施形態では、観察光学機器の主本体はビームコンバイナを有する。一実施形態では、ビームコンバイナは、1又は2以上のプリズムレンズである(プリズムレンズがビームコンバイナを構成する)。別の実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムから生成された像と、ライフルスコープの観察光軸に沿って観察光学機器から生成された像とを結合させるビームコンバイナを有する。一実施形態では、統合表示システムは、主本体とは分離した別個のハウジング内に設置される。一実施形態では、統合表示システムは、第1ハウジング又は主本体と結合するベース内にある。一実施形態では、統合表示システムは、第1ハウジング又は主本体と結合するベースのキャビティ内にある。
【0128】
一実施形態では、ビームコンバイナを用いて、統合表示システムから生成された像と、外部像を観察するための光学系からの像とを結合し、この場合、光学系はライフルスコープの主本体内で且つ主本体における第1の焦点面の前方に位置し、次いで結合された像が第1の焦点面上に合焦するので、生成された像と観察像とは互いに対して移動しない。結合像が第1の焦点面に合焦した状態では、可動正立系の調整に関わらず、統合表示システムによって生成された照準基準は正確となる。
【0129】
一実施形態では、ビームコンバイナをディスプレイ光軸に沿って統合表示システムと整列させ、ライフルスコープの主本体の観察光学機器の観察光軸に沿って位置決めすることができ、これにより、統合表示システムからの像を観察光軸の上に導いて、観察光学機器の視野と重ね合わせることが可能となる。
【0130】
別の実施形態では、ビームコンバイナと統合表示システムは同じハウジング内にある。一実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体から約25mmの距離にある。
【0131】
一実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体から約5mmの距離にある。一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、対物レンズ組立体から、1mmから5mm、又は5mmから10mm、又は5mmから15mm、又は5mmから20mm、又は5mmから30mm、又は5mmから40mm、又は5mmから50mmを含む距離に位置決めされる。
【0132】
更に別の実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、対物レンズ組立体から、1mmから4mm、又は1mmから3mm、又は1mmから2mmを含む距離に位置決めされる。
【0133】
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、対物レンズ組立体から、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、及び少なくとも20mmを含む距離に位置決めされる。更に別の実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体から、3mmから10の距離に位置決めされる。
【0134】
別の実施形態では、ビームコンバイナは、接眼レンズ組立体から約150mmの距離にある。一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、100mmから200mm、又は125mmから200mm、又は150mmから200mm、又は175mmから200mmを含む距離に位置決めされる。
【0135】
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、100mmから175mm、又は100mmから150mm、又は100mmから125mmを含む距離に位置決めされる。
【0136】
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、135mmから165mm、又は135mmから160mm、又は135mmから155mm、又は135mmから150mm、又は135mmから145mm、又は135mmから140mmを含む距離に位置決めされる。
【0137】
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、140mmから165mm、又は145mmから165mm、又は150mmから165mm、又は155mmから165mm、又は160mmから165mmを含む距離に位置決めされる。
【0138】
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、少なくとも140mm、又は少なくとも145mm、又は少なくとも150mm、又は少なくとも155mmを含む距離に位置決めされる。
【0139】
更に別の実施形態では、主本体はビームコンバイナを有し、ビームコンバイナは、スコープ本体の外側中央部の仰角ターレットの下に位置付けられる。
【0140】
一実施形態では、ビームコンバイナは、依然として直接観察光学機器の経路に良好な透過性透明品質を提供しながら、統合表示システムからのアクティブディスプレイ出力又はその少なくとも一部分を観察軸上に反射させて接眼レンズの観察者の目に向け直す、部分反射コーティング又は表面を有することができる。
【0141】
一実施形態では、ビームコンバイナは、部分反射コーティングを備えた光学ガラス又はプラスチック材料などの光学材料で作られた立方体とすることができる。コーティングは、均一で中間色の反射コーティングとすることができ、或いは、接眼レンズ内の透過特性と反射特性の両方を最適化するために、偏光性、スペクトル選択性又はパターン付きのコーティングで適合させることができる。コーティングの偏光及び/又は色は、アクティブディスプレイに調和させることができる。これにより、直接観察光学機器の伝達経路への影響を最小限に抑えながら、表示光路の反射率及び効率を最適化することができる。
【0142】
ビームコンバイナを立方体として示すが、一部の実施形態では、ビームコンバイナは、統合表示システム用の異なる光路長と、観察光軸Aに沿った直接観察光学機器とを有することができる。一部の実施形態では、ビームコンバイナは平板の形態とすることができ、その場合、光軸Aを横切る直接観察光学機器の経路内に薄い反射性/透過性の平板を挿入することができる。
【0143】
一実施形態では、ビームコンバイナの位置は、視差による誤差を含むがこれに限定されない誤差を除去するために、反射材料と関係して調整することができる。ビームコンバイナの位置は、ねじシステム、くさびシステム、又は何れか他の適切な機構を用いて調整することができる。
【0144】
一実施形態では、ビームコンバイナの位置は、限定ではないが、視差による誤差を含む誤差を除去するために、正立チューブと関係して調整することができる。
【0145】
2.視差システム
一実施形態では、主本体は視差調整システムを有する。一実施形態では、視差調整システムは、フォーカスセルを視差調整要素に接続するためのデバイスを使用する。
【0146】
一実施形態では、本明細書で開示される観察光学機器は、従来のフォーカスセルと比べて対物レンズ端部に近接して位置付けられるフォーカスセルと、従来はフォーカスセルで占められていたスペース内に位置付けられるビームコンバイナとを備えた主本体を有する。一実施形態では、接続要素がフォーカスセルを視差調整要素に接続する。
【0147】
典型的なライフルスコープでは、図5A及び図5Bに示すように、視差ノブ510は、視差ノブ内のカム溝530に乗る単純なクロスピン520を介してフォーカスセルに接続され、視差ノブの回転運動をフォーカスセル内の直線運動に変換する。しかしながら、本明細書で開示される幾つかの実施形態では、フォーカスセルは対物レンズ側に向けてシフトされ、従って、フォーカスセルを視差調整要素に接続するために接続デバイスが必要とされる。
【0148】
視差調整システムは、アクティブディスプレイの像と観察光学機器の主本体内のレチクルとの視差誤差を除去又は低減することができる。本明細書で開示される視差調整システムにより、デジタルディスプレイの像と外部シーンの像とを視差誤差なしで光学系の第1の焦点面(FFP)に統合させる観察光学機器が可能となる。
【0149】
別の実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて主本体の対物レンズ側に近接して位置付けられる。一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、約5mmから約50mmだけ対物レンズに近接してシフトされる。一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、少なくとも20mmだけ対物レンズに近接してシフトされる。一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、少なくとも10mmだけ対物レンズに近接してシフトされる。更に別の実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、50mm以下だけ対物レンズに近接してシフトされる。一実施形態では、フォーカスセルは、Vortex Diamondbackライフルスコープ、Vortex Viperライフルスコープ、Vortex Crossfireライフルスコープ、Vortex Razorライフルスコープにおけるフォーカスセルの位置と比べて、30mmだけ対物レンズ組立体に近接してシフトされる。
【0150】
一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、限定ではないが、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、及び40mmを含む距離だけ観察光学機器の対物レンズ側に近接してシフトされる。
【0151】
一実施形態では、1つのデバイスが、シフトされたフォーカスセルを調整ノブに接続する。一実施形態では、このデバイスにより、フォーカスセル内に位置付けられる視差調整レンズの遠隔配置が可能となる。一実施形態では、機械式デバイスは、プッシュロッド、ロッド、又はシャフトである。
【0152】
一実施形態では、ロッドは、長さが約5mmから約50mmである。一実施形態では、ロッドは、長さが少なくとも20mmである。一実施形態では、ロッドは、長さが少なくとも10mmである。更に別の実施形態では、ロッドは、長さが50mm以下である。
【0153】
一実施形態では、ロッドは、長さが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、及び40mmである。
【0154】
図5C~5Fは、本開示の一実施形態による観察光学機器の主チューブ210における視差調整システムの代表的な概略図である。図5Cに示すように、ロッド又はシャフトなどのデバイス530は、観察光学機器の対物レンズ端部に近接して動かされたフォーカスセル(視差レンズ)535を、視差調整ノブ組立体内の視差カムトラックピン540に接続する。視差レンズのシフトされた位置は、第1の焦点面の前方にプリズムレンズに必要なスペースを提供する。接続ロッドの一端部はフォーカスセルに繋がれ、接続ロッドの他端部はカムピンに繋がれる。
【0155】
図5Dは、デバイス530が、視差レンズを有するフォーカスセル535を、視差調整アセンブリ550のカムトラック545に乗る視差カムトラックピン540に接続するところを示している。一実施形態では、視差調整組立体550は、カムピンを移動させて視差レンズを調整するための回転可能な要素を有する。
【0156】
図5Eに示すように、ビームコンバイナ(プリズムレンズ)用に観察光学機器の主本体内のスペースを提供するために、フォーカスセルは対物レンズ組立体に近接してシフトされる。従って、フォーカスセルを視差ノブ組立体に接続するための機構が必要とされる。接続デバイス530は、視差ノブ組立体560のカム溝に乗るカムピン540にフォーカスセルを接続する。
【0157】
図5Fに示すように、カムピン540は、視差ノブ組立体560のカム溝545に乗り、視差ノブ組立体を介したフォーカスセルの調整を可能にする。
【0158】
一実施形態では、視差レンズを有する、主本体内のシフトされたフォーカスセルは、対物レンズ系の第1の焦点面の前方にビームコンバイナを統合するためのスペースを提供する。
【0159】
一実施形態では、本明細書で開示されるライフルスコープの主本体内のビームコンバイナは、従来のライフルスコープでフォーカスセルが通常取り付けられるスペースに位置付けられる。
【0160】
一実施形態では、本開示は、以下を備えた観察光学機器に関する:a)主チューブ;(b)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系;(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系;(d)対物レンズ系とビームコンバイナの間に位置付けられるフォーカスセルであって、ビームコンバイナがフォーカスセルと第1の焦点面レチクルの間に位置決めされるフォーカスセル;並びに(e)フォーカスセルを視差調整要素に接続するロッド。一実施形態では、ロッドがフォーカスセルを視差調整要素のカムピンに接続する。一部の実施形態では、視差調整要素はノブを有する。
【0161】
3.倍率追跡システム
一実施形態では、本開示は、観察光学機器と、観察光学機器の倍率設定を追跡するための方法とに関するものであり、追跡機構の構成要素は、信頼性が高く、操作者にとって完全に透明であり、環境から保護される。
【0162】
レチクルが第1の焦点面にある時、レチクルは正立系の前方にあり、従ってレンズ位置の変化と比例して変化し、拡大像を生成する。正立系は、接眼レンズハウジング近くのライフルスコープの外側部分に位置付けられる倍率リングを使用して位置を変える。一般的に、倍率リングは外側正立スリーブにねじで接続され、倍率リングを回すと外側正立スリーブを倍率リングと共に回転させ、カム溝が正立系に設置されたズームレンズの位置を変化させる。デジタル像を第1の焦点面に投影する場合、デジタル像を利用可能にするには、レチクルの尺度でこの像を拡大縮小することが必要である。
【0163】
倍率調整機構は、変倍レンズ又はズームレンズ要素に繋がれ、遠方対象物の像の光学倍率を調整する機能を提供する。
【0164】
一実施形態では、そして図6に示すように、ポテンショメータのワイパ610は、外側正立スリーブ620の外径上に位置付けられる。ポテンショメータのワイパは、ライフルスコープの主本体210の内径上に位置付けられる膜ポテンショメータ710と接触する(図7参照)。
【0165】
図8に示すように、一実施形態では、ポテンショメータのワイパ610は、膜ポテンショメータ710との接触を確実に維持するために、2つの接触点を備えた薄板バネである。薄板バネは、外側正立スリーブ620と内側正立チューブとの間に位置付けられる。ポテンショメータのワイパ610は、ライフルスコープの内径上で、倍率リングのスロットねじ820の対向する内壁に位置付けられる。ポテンショメータのワイパ610は、接着剤を用いてスコープチューブの側面内側に固定される。
【0166】
一実施形態では、ポテンショメータのワイパは、外側エレクトスリーブの外径上に完全に平らに横たわる機能を有する。一実施形態では、ポテンショメータのワイパは、外側正立スリーブの内部に配置される。
【0167】
一実施形態では、ポテンショメータのワイパは、図8の倍率リング810上に配置されない。
【0168】
本明細書で開示される倍率追跡システムは内部に設置されて、どの部分も環境に曝されず、これは幾つかの利点を提供する。第1に、このシステムは内部にあり、その結果、環境からワイパ/正立系を保護するために密封が必要とされない。第2に、正立系がライフルスコープに設置された時に、倍率追跡システムが完成する。これにより、倍率リングの外側にあるネジ穴を介してデブリがこのシステム内に入る可能性がなくなる。
【0169】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の倍率設定を追跡するためのシステムに関し、このシステムは、センサと、様々な光学反射率/吸収率を有する材料とを使用する。一実施形態では、センサは観察光学機器のベースに設置され、ベースは、観察光学機器の主本体と結合し、材料は、観察光学機器の主本体に位置付けられる。
【0170】
一実施形態では、本開示は、正立レンズ系を有する正立チューブを備えた主本体と、正立チューブを取り囲む又は封じ込めるカムチューブ又はスリーブと、カムチューブに結合された様々な光学反射率/吸収率を備える材料と、主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器に関し、ベースは、統合表示システムと、材料からの光学反射/吸収を検出するためのフォトセンサとを有する。一実施形態では、ベースは、フォトセンサと通信するためのプリント回路基板又はマイクロプロセッサと、1又は2以上のマイクロコントローラ又は電子コントローラとを有する。
【0171】
一実施形態では、観察光学機器は、像の光学倍率を調整するための倍率調整リングを備えた主本体と、主本体に結合されて、統合表示システムと、マイクロプロセッサと、観察光学機器の倍率設定をマイクロプロセッサに伝達するシステムとを有するベースと、を有し、マイクロプロセッサは、統合表示システムのアクティブディスプレイと通信する。
【0172】
一実施形態では、本開示は、光学機械システムの可動部品と感知デバイスとの間に機械的リンクを有さない観察光学機器の倍率設定を追跡するためのシステムに関する。本明細書で開示される倍率追跡システムは、観察光学機器の主本体に結合されたベースに埋め込まれ、システムの静止部品と可動部品との間に機械的リンクを有さない。
【0173】
一実施形態では、本開示は、正立チューブが正立レンズ組立体を収容し、カムスリーブが正立チューブを取り囲んで様々な光学反射率/吸収率を備えた材料を有する主本体と、主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器に関するものであり、ベースはフォトセンサを有する。一実施形態では、様々な光学吸収率/反射率を備えた材料は、主本体の倍率調整リング近くのカムスリーブの端部でカムスリーブを取り囲む。一実施形態では、フォトセンサは、カムスリーブ上の様々な光学吸収率/反射率を備えた材料の下に位置付けられる。
【0174】
操作者/ユーザが観察光学機器の倍率調整リング212を回すと、外側カムスリーブが回転して2つのレンズセルが移動し、これによりライフルスコープの有効光学倍率が変わる。
【0175】
一実施形態では、カムスリーブは、様々な光学吸収率/反射率を備えた材料を有する。一実施形態では、その材料はカムスリーブの外径に貼り付けられる。
【0176】
一実施形態では、材料は材料のストリップである。一実施形態では、材料は、幅約10mm、長さ約40mmである。一実施形態では、材料の第1の側は、外側カムスリーブに取り付けるために使用される接着剤を有する。別の実施形態では、ストリップの他方の側は、その上に印刷されたグレースケール勾配を有するので、LEDをこれに向けた場合、LEDに曝されている傾斜の部分に応じて異なる量の光が反射される。
【0177】
一実施形態では、PCBはLEDとフォトセンサとを有する。一実施形態では、LED及びフォトセンサは、外側カムスリーブの外径に取り付けられた傾斜ストリップの下に位置付けられる。LEDが傾斜ストリップを照らし、フォトセンサは傾斜ストリップから反射された光の一部分を受け取って、マイクロコントローラに信号を送ることができ、この場合、信号の強さは検出された光の量と共に変化する。
【0178】
操作者が倍率調整リングを回すと、傾斜ストリップの異なる部分がLED及びフォトセンサに曝され、今度はフォトセンサが、マイクロコントローラに送る信号強度を変化させる。従って、システムの光学倍率設定は、これをフォトセンサによって検出された光の量と関係付けることで追跡可能である。
【0179】
図65は、主本体6502と、主本体6502に結合されたベース6505とを有する1-8xライフルスコープ6500の側面図を示す。画像の右側には、倍率調整リング6510が見える。
【0180】
図66は、スコープの本体を隠して外側カムスリーブ6610を露わにしたライフルスコープ6500の側面図を示しており、外側カムスリーブ6610は倍率調整リング6510と共に回転し、これにより倍率設定が変更される。
【0181】
図67は、主本体の外側カムスリーブに取り付けられた反射性傾斜材料の位置を測定するのに使用されるフォトセンサ及びLED6720を含む、プリント回路基板6710を備えた観察光学機器6500のベース6505を示す。外側カムスリーブ及び関連する光学系は、この画像では隠されている。
【0182】
図68は、フォトセンサに対する受光角を説明するために模擬視円錐を描いた、プリント回路基板6710のフォトセンサ及びLEDの代表的な分解図である。
【0183】
図69及び70は、観察光学機器の倍率設定値を測定するために外側カムスリーブ6610に取り付けられた反射性傾斜ストリップ6910と連動するフォトセンサ及びLED6720の画像である。これは、異なる反射率の4つの特定区画を有する傾斜ストリップ6910を示すが、このストリップは、その反射率が無限に変化し得ることに留意されたい。傾斜ストリップ6910は、倍率調整リングの近くに位置付けられるカムスリーブの一部分でカムスリーブに結合する。プリント回路板6710は、観察光学機器の主本体と結合するベース6505内に位置付けられる。プリント基板6710上のLED及びフォトセンサ6720は、傾斜ストリップ6910の下方に位置付けられる。
【0184】
一実施形態では、本開示は、第1の端部及び第2の端部を備え、中心軸を有する主本体と、本体内に配置された対物レンズ系と、本体内に配置された接眼レンズと、主本体内に配置され、正立レンズ系を有する正立チューブと(対物レンズ系、接眼レンズ及び正立レンズ系が、第1の焦点面及び第2の焦点面を有する光学系を形成し、第1の焦点面は対物レンズ系に近接し、第2の焦点面は接眼レンズに近接する)、像の光学倍率を調整するために倍率調整リングと協働して移動する正立チューブを取り囲むカムスリーブであって、様々な光学吸収率/反射率を備える材料がカムスリーブに結合されたカムスリーブと、
主本体に結合され、材料からの光を検出するフォトセンサと、フォトセンサと通信するマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと通信し、倍率設定に基づいて像を生成し、生成された像を観察光学機器の第1の焦点面に投影する、アクティブディスプレイとを有するベースと、を備える観察光学機器に関する。一実施形態では、アクティブディスプレイから生成画像は、フォトセンサから得られた信号に基づいている。
【0185】
倍率設定をマイクロプロセッサに伝達するステップは、限定ではないが、倍率設定に基づいてレチクルパターンを変更するステップと、倍率の変化に応じて英数字情報のフォントサイズを自動的に変更するステップとを含む、多くの利点を有する。更に、複数の表示「ページ」がメモリシステムに保存される場合、マイクロコントローラは、操作者に最も関連のあるデータを提示するために、倍率設定に応じて「表示」ページを自動的に切り替えることができる。
【0186】
4.追加の構成要素
一実施形態では、観察光学機器は、ライフルスコープと一体化されたボタン又は外部に取り付けられたボタンで制御することができる。
【0187】
一実施形態では、観察光学機器の主本体は、カメラシステムを有することができる。
【0188】
一実施形態では、観察光学機器の主本体は、1又は2以上の計算システムを有することができる。後述する統合表示システムは計算システムと通信する、又は別な方法で計算システムと関係することができる。一部の実施形態では、計算システムは、観察光学機器の第1ハウジング又は本体内に収容することができる。一部の実施形態では、計算システムを観察光学機器の外側部分に結合することができる。
【0189】
図9は、本開示の一実施形態による観察光学機器の様々な電子部品のブロック図である。電池902は、計算システム又は制御モジュール904とアクティブディスプレイ906に電力を供給することができる。一実施形態では、計算システム904は、限定ではないが、ユーザインタフェース908、データ入力デバイス914、プロセッサ910、メモリ916、及び1又は2以上のセンサ912を含むことができる。
【0190】
一実施形態では、ユーザインタフェース908は、ボタン、キー、ノブ、タッチスクリーン、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォンなど、複数の入力デバイス及び/又は出力デバイスを含むことができる。例えばボタンなど、ユーザインタフェースの一部の構成要素は、例えば、風データ、表示強度データ、レチクル強度データ、弾道プロファイルデータ、弾道係数データ、銃口速度データ、初期ゼロインデータ、ライフルスコープシステムの静止状態、GPS座標データ、コンパス座標データ、サイト・アバブ・ボアデータなどのデータを手動入力するために使用することができる。このデータは、プロセッサによって受信され、メモリに保存することができる。このデータはまた、アルゴリズム内で又はアルゴリズムを実行するためにプロセッサによって使用することができる。
【0191】
データ入力デバイス914は、有線又は無線の通信デバイスを含むことができ、及び/又は、例えばUSBポート、ミニUSBポート、メモリカードスロット(例えば、microSDスロット)、NFCトランシーバ、Bluetoooth(登録商標)トランシーバ、Firewire、ZigBeee(登録商標)トランシーバ、Wi-Fiトランシーバ、802.6デバイス、セルラ通信デバイスなど、あらゆるタイプのデータ転送技術を含むことができる。データ入力デバイスと呼ばれるが、このようなデバイスは双方向通信で使用され、データ出力も同様に提供できることに留意されたい。
【0192】
一実施形態では、プロセッサ910は、入力を受信し、アルゴリズム及び/又は処理を実行することができる、本技術分野で公知のあらゆるタイプのプロセッサとすることができ、限定することなく、1又は2以上の汎用プロセッサ及び/又は1又は2以上の専用プロセッサ(例えば、デジタル信号処理チップ、グラフィックスアクセラレーションチップなど)を含むことができる。プロセッサを用いて、ライフルスコープの操作における様々な処理、アルゴリズム、及び/又は方法を制御することができる。プロセッサは、表示システム及び/又はレチクルの動作を制御することができる。プロセッサはまた、ユーザインタフェース、データ入力、メモリ、センサ(複数可)、調整可能な構成要素(例えば、垂直調整ノブ、ウィンデージ調整ノブ又は視差ダイヤル)の位置と関係付けられた位置エンコーダから、及び/又は他のソースから入力を受信することができる。
【0193】
一実施形態では、メモリ916は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又は読出し専用メモリ(「ROM」)などのあらゆるタイプのデジタルデータ記憶装置を含むことができ、これらはプログラム可能、フラッシュ更新可能などとすることができる。別の実施形態では、メモリは、例えばディスクドライブ、ドライブアレイ、光記憶デバイス、又は固体記憶デバイスを含めて、外部接続デバイス由来のメモリを含むことができる。一部の実施形態では、メモリは、例えば弾丸が所与の距離にわたって落下する量及び/又は弾丸の水平方向逸れを修正するために、使用可能なデータを含む弾道情報を保存するように構成することができる。
【0194】
データは、別のデバイスから入力し(例えば、プロセッサは、コンピュータ、ラップトップ、GPSデバイス、測距計、タブレット、又はスマートフォンなどの別デバイスから入力可能なデータを、データ入力デバイスを介して受信することができる)、メモリに保存することができる。このようなデータには、例えば、較正データ、回転データ及び/又は線形データをシュート・トゥ・レンジ値と相互参照する弾道プロファイル探索表、ライフル銃データ、発射体データ、ユーザデータなどを含めることができる。
【0195】
センサ(複数可)912を用いて、ライフルスコープの使用に関連する様々な環境条件又は特性の何れかを感知することができる。例えば、センサ(複数可)は、大気状態(湿度、温度、圧力など)、傾斜、ライフルカント、及び/又はライフル銃の照準方向(コンパス方向)を感知することができる。幾つものセンサを含むことができる。 センサデータは、プロセッサによって記録されてメモリに保存され、及び/又は観察光学機器の動作に対する命令の処理に使用することができる。
【0196】
制御モジュール904はまた、ソフトウェア要素を含むことができ、この要素は作業メモリ916内に位置付けられることができる。ソフトウェア要素は、オペレーティングシステム、及び/又は1又は2以上のアプリケーションプログラムなどの他のコードを含むことができる。
【0197】
一実施形態では、カメラは制御モジュールと通信することができる。
【0198】
B.第2ハウジング
一実施形態では、第2ハウジングは、第1ハウジングに結合され、統合表示システムを収容する。一実施形態では、第2ハウジングは、観察光学機器の主本体の一部分に結合されたベースである。一実施形態では、ベースは観察光学機器の主本体から分離可能である。
【0199】
一実施形態では、第2ハウジングは、手ぶれ補正デバイスではない。一実施形態では、統合表示システムを有するベースの長さは、ベースが結合されるライフルスコープの主本体の長さの35%から70%である。更に別の実施形態では、統合表示システムを有するベースの長さは、ベースが結合されるライフルスコープの主本体の長さの40%から65%である。更に別の実施形態では、統合表示システムを有するベースは、ベースが結合されるライフルスコープの主本体の長さの65%以下である。
【0200】
一実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムを有するベースの長さの約2.5倍である。更に別の実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムを有するベースの長さの1.5倍から2.5倍である。更に別の実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムを有するベースの長さの少なくとも1.5倍である。
【0201】
図2に示すように、ベース220をライフルスコープのスコープ本体210にボルトで固定して、完全に密閉され一体化されたシステムを形成することができる。その場合、ベース220は、従来のライフルスコープリングを必要とせずに、銃器に直接取り付けることができる。
【0202】
図10は、主本体210とベース220とを備えたライフルスコープ200の上面図を表示している。図10は、ベース220によって、ライフルスコープが何れかの位置で突き出る、又は従来のライフルスコープと不釣り合いとなることがないことを明示する。主本体とベースとを有する本明細書で開示されるライフルスコープは、ライフルスコープの伝統的でスマートなデザインを維持している。
【0203】
図11は、ライフルスコープの主本体210に取り付けられたベース220を示す。ベース220は、主本体210の外縁と整列し且つ面一である。
【0204】
一実施形態では、そして図2に示すように、統合表示システムを有するベースは、ライフルスコープ本体210の底部側に結合され、ベースの一端部が主本体210の倍率選択リング又は倍率リング212付近で結合し、ベースの他端部が主本体の対物レンズ組立体214の始点付近で結合する。一実施形態では、ベース220は、ねじ付き留め具、ねじなし一体式及び非一体式の位置決め及び反動伝達特徴、及びエラストマシールによって主本体210に結合される。
【0205】
一実施形態では、ベースは、デジタルディスプレイを生成するために必要な構成要素で区画され、次いでベースをライフルスコープの主本体にボルトで固定し、完全に密閉され一体化されたシステムを形成することができる。
【0206】
一実施形態では、ベースとスコープの主本体は、密閉され一体化されたシステムである。一実施形態では、ベースは、容易に取り外せるように設計されたクランプを使用せずに主本体に結合される。
【0207】
一実施形態では、主本体と主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器は、従来のライフルスコープリングを必要とせずに銃器に結合させることができる。一実施形態では、観察光学機器は、主本体と主本体に結合されたベースとを有し、ベースの底部側は取り付けレールを有する。
【0208】
一実施形態では、観察光学機器のベースは、所望の銃器、機器又はデバイスに取り付けるための取り付けレールを含むことができ、光学機器の仰角位置を調整するための仰角調整ドラムを含む調整機構を有することができる。側方調整機構もまた、横方向の調整のために一般的に設けられる。これらの調整機構は、保護キャップで覆うことができる。
【0209】
一実施形態では、ベースの上側は観察光学機器の主本体の底部側に結合し、ベースの底部側は取り付けレールを有する。一実施形態では、ベースの上側は、観察光学機器の主本体の底部側の側方分割部に結合する。
【0210】
一実施形態では、ベースは、アクティブディスプレイを用いて像を生成し、生成された像をディスプレイ光軸に沿って導いて、生成された像を外部シーンの像と同時に重ね合わせて観察するようにするための統合表示システムを備え、生成された像は、観察光学機器の主本体の第1の焦点面に導入される。
【0211】
一実施形態では、ベースは、レーザ測距計デバイスとは分離して別個のものである。一実施形態では、ベースはレーザ測距計デバイスから独立した装置である。
【0212】
一実施形態では、第2ハウジング又はベースは、付加装備品ではない。別の実施形態では、第2ハウジング又はベースは、観察光学機器の接眼レンズに隣接した付加装備品としてアダプタで結合されない。
【0213】
一実施形態では、第2ハウジング又はベースは、エンドユーザでは主本体から分離することができない。実施形態では、第2ハウジング又はベースは、複数又は他の観察光学機器と置き換えできない。
【0214】
一実施形態では、本開示は、第1の光学系備えた主本体と、主本体に結合されて、統合表示システムなどの第2の光学系を有するベースと、を有する観察光学機器と、レーザ測距計デバイスとを備えたシステムに関する。
【0215】
1.統合表示システム
一実施形態では、第2ハウジングは統合表示システムを備える。別の実施形態では、ベースは統合表示システムを備える。更に別の実施形態では、統合表示システムを有するベースは、ライフルスコープの主本体に結合される。更に別の実施形態では、ベースは、ライフルスコープの主本体の底部に結合される。
【0216】
一実施形態では、ベースは、アクティブディスプレイと、集光器光学機器と、限定ではないが、ミラーを含む反射材料と、を備える統合表示システムを有する。一実施形態では、統合表示システムは、以下のアーキテクチャを有する:アクティブディスプレイ、次いで集光器光学機器、次いでミラーなどの反射材料が来る。
【0217】
図12は、観察光学機器の主本体に結合されるベース220の上面破断図である。ベース220は、マイクロディスプレイ1210と、集光器光学機器1220と、ミラー1230とを有する統合表示システムを備える。一実施形態では、ミラー1230は、何れかの適切な角度に位置決めすることができる。
【0218】
図13は、マイクロディスプレイ1210と、集光器光学機器1220と、ミラー1230とを有する統合表示システムを備えたベース220の切り欠き側面図である。主本体210は、ミラー1230の上方に位置付けられるビームコンバイナ320を有する。
【0219】
図14は、主本体210と分離可能なベース220とを有するライフルスコープの切り欠き側面図を示す。ベース220は、マイクロディスプレイ1210と、集光器光学機器1220と、ミラー1230とを備える。ミラー1230は、約45度に位置決めされる。スコープ本体210は、角度付きミラー1230のほぼ上方に位置付けられるビームコンバイナ320を有する。ビームコンバイナ320は、スコープ本体210の仰角調整ノブ1410のほぼ下方に位置付けられる。アクティブディスプレイ1210は、ベース220が観察光学機器の主本体210に結合された場合に、ベース内で接眼レンズ組立体側1420に位置付けられる。
【0220】
図15に示すように、マイクロディスプレイ1210から生成された像は、ディスプレイ光軸Aから観察光軸Aに向けて、ミラー1230を介して主本体210内のビームコンバイナ320に向け直され、そのデジタル像を、光学機器を通して観察者が観察したシーンの像の上へ、第1の焦点面1510内で同時に重畳する又は重ね合わせるようにすることができる。ビームコンバイナ320は第1の焦点面1510より前に位置決めされ、結合された像は第1の焦点面に合焦するので、表示された像と観察された像とが互いに対して移動しない。これは、第2の焦点面に像を導入するデバイスと比べて大きな進歩である。
【0221】
一実施形態では、図16に示すように、アクティブディスプレイ1210は、ベースがライフルスコープの主本体に結合されている場合、ライフルスコープの主本体の接眼レンズ組立体と比べて対物レンズ組立体214に最も近いベースの部分に位置している。ライフルスコープの主本体は、アナログレチクル1610を有する。
【0222】
図17は、ビームコンバイナ320を備えた主本体210と、主本体に結合され、統合表示システムを有するベース220とを備えたライフルスコープ200を示す。図17示すように、アクティブディスプレイ1210は、ベースがライフルスコープの主本体に結合されている場合、ライフルスコープ本体の対物レンズ組立体と比べて接眼レンズ組立体に最も近いベースの部分に位置している。統合表示システムからの像を第1の焦点面に重畳することにより、ユーザは、従来のガラスエッチング式レチクル1610を照準目的に依然として使用することできる。
【0223】
一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイから生成された像をディスプレイ光軸Aに沿って導くことができる。生成された像をディスプレイ光軸Aからベース内のミラーへ、そしてライフルスコープの主本体内のビームコンバイナに向け、主本体の光学系を介して観察者が観察するシーンの像の上にその生成された像を同時に重畳する又は重ね合わせるようにすることができ、この場合、結合された像は、主本体の光学系の第1の焦点面に導入される又は合焦する。
【0224】
一実施形態では、ベース内のアクティブディスプレイから生成された像は、ライフルスコープ本体の第1の焦点面に合焦し、これにより、ディスプレイから生成された像は、外部に取り付けられた装備品との位置合わせを維持することができる。
【0225】
一実施形態では、ベース内のアクティブディスプレイから生成された像は、ライフルスコープの主本体の第1の焦点面に合焦するので、生成された像は、正立チューブの移動に束縛されない。生成された画像は、正立チューブの移動とは関係しない。
【0226】
一実施形態では、アクティブマイクロディスプレイからの光は、光学レンズ群によって集められる。ディスプレイからの光は、ライフルスコープ主チューブ組立体内のビームコンバイナに反射され、ライフルスコープの第1の焦点面と一致するディスプレイの像が形成される。このディスプレイ像は、シーン(標的)による像と結合され、従来のワイヤレチクル又はガラスエッチング式レチクルの「表面下」にあるように知覚される。一実施形態では、依然として利用されている「従来の」レチクルが、シーンの像とディスプレイの像の両方を塞ぐ。ディスプレイの輝度が十分な輝度レベルまで上昇すると、OLEDディスプレイの像がシーンの像を満たして、シーンも同様に塞ぐように見えることになる。
【0227】
更に別の実施形態では、ベース内の統合表示システムは、生成された像を、ディスプレイ光軸「B」に沿って、ライフルスコープの主本体内の観察光軸Aの上に導くことができる。生成された像は、ベース内のミラー又は類似の反射材料を備えたディスプレイ光軸Bから主本体内の観察光軸Aに向けて、主本体内のビームコンバイナへ向け直すことができ、これにより、生成された像を、主本体の光学機器を通して観察者が観察するシーンの像の上に同時に重畳する又は重ね合わせることができる。ベース内のアクティブディスプレイから生成された像はミラーに導かれ、このミラーは、生成された像をビームコンバイナに反射させる。
【0228】
一実施形態では、ディスプレイ光軸「B」と観察光軸「A」は実質的に平行であるが、別の実施形態では、必要に応じて別様に配向することができる。
【0229】
A.アクティブディスプレイ
一実施形態では、統合表示システムはアクティブディスプレイを有する。一実施形態では、アクティブディスプレイは、マイクロコントローラ又はコンピュータによって制御される。一実施形態では、アクティブディスプレイは、ディスプレイにビデオ信号を出力するための統合グラフィックスコントローラを備えたマイクロコントローラによって制御される。一実施形態では、情報は、無線で又はケーブルポートを介した観察光学機器内への物理的接続によって、送信することができる。更に別の実施形態では、多数の入力ソースをマイクロコントローラに入力し、アクティブディスプレイ上に表示することができる。
【0230】
一実施形態では、アクティブディスプレイとビームコンバイナは、同じハウジング内に設置されない。一実施形態では、アクティブディスプレイとビームコンバイナは、別々のハウジング内に設置される。
【0231】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、限定ではないが、マイクロディスプレイ、透過型アクティブマトリックスLCDディスプレイ(AMLCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、電子インクディスプレイ、プラズマディスプレイ、セグメントディスプレイ、電子発光ディスプレイ、表面伝導型電子放出ディスプレイ、量子ドットディスプレイなどを含む、反射型、透過型又は発光型のマイクロディスプレイとすることができる。
【0232】
一実施形態では、LEDアレイはマイクロピクセル化LEDアレイであり、LED素子は、概ね75μm未満の小さなピクセルサイズを有するマイクロピクセル化LED(本明細書ではマイクロLED又はμLEDとも呼ぶ)である。一部の実施形態では、LED素子は各々、約8μmから約25μmの範囲のピクセルサイズを有し、約10μmから約30μmの範囲のピクセルピッチ(マイクロLEDアレイの垂直方向と水平方向の両方で)を有することができる。一実施形態では、マイクロLED素子は、約14μmの均一なピクセルサイズを有し(例えば、全てのマイクロLED素子が小さな許容誤差内で同じサイズである)、約25μmの均一なピクセルピッチでマイクロLEDアレイに配置される。一部の実施形態では、LED素子は各々、約25μm以下のピクセルサイズと、約30μm以下のピクセルピッチを有することができる。
【0233】
一部の実施形態では、マイクロLEDは無機であり、窒化ガリウム発光ダイオード(GaN LED)をベースとすることができる。マイクロLEDアレイ(グリッド又は他の配列に配置された多数のμLEDを備える)は、外部のスイッチングシステム又はフィルタリングシステムに基づかない、高密度で発光型のマイクロディスプレイを提供することができる。一部の実施形態では、GaNベースのマイクロLEDアレイを透明なサファイア基板上に成長させる、接合する、又は別の方法で形成することができる。
【0234】
一実施形態では、サファイア基板は、マイクロLEDの内部量子効率及び光抽出効率を高める(すなわち、マイクロLEDの表面からより多くの光を抽出する)ために、テクスチャ化される、エッチングされる、又は別の方法でパターニングされる。別の実施形態では、パターニングされたサファイア基板上に銀のナノ粒子を堆積/分散させて、マイクロLEDを接合する前に基板を被覆し、GaNベースのマイクロLED及びマイクロLEDアレイの光効率と出力電力を更に向上させることができる。
【0235】
一実施形態では、アクティブディスプレイはモノクロとすることができ、或いはフルカラーを提供することができ、一部の実施形態ではマルチカラーを提供することができる。別の実施形態では、他の適切な設計又はタイプのディスプレイを採用することができる。アクティブディスプレイは、電子機器で駆動することができる。一実施形態では、電子機器は表示機能を提供することができ、或いは電子機器と通信する別のデバイスからこのような機能を受け取ることができる。
【0236】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、アクティブディスプレイを光で照らすためのLEDバックライトなどのバックライト照明又は光源、デバイス、装置又は部材を含むバックライト組立体を有するバックライト/ディスプレイ組立体、モジュール又は構成の一部とすることができる。一部の実施形態では、バックライト光源は大面積LEDとすることができ、生成された光を集めて第2の照明レンズ又は集光レンズに導くための第1のレンズ又は一体型レンズを含み、良好な空間的及び角度的な均一性を備えてアクティブディスプレイの上に光を集中させ、ディスプレイ光軸Bに沿って導くようにすることができる。バックライト組立体及びアクティブディスプレイは、低電力でありながら、光学機器を通した非常に高輝度の現実世界の眺めと同時に観察するのに十分な高輝度を備えた像を提供することができる。
【0237】
バックライトの色は、何れかの単色であるように選ぶことができ、或いはフルカラーのマイクロディスプレイをサポートするために白色とすることができる。バックライトの性能を最適化するために、他の光源、導波管、拡散板、マイクロ光学素子、偏光板、複屈折部品、光学コーティング及び反射板など、他のバックライト設計要素を含めることができ、これらは、アクティブディスプレイの全体的なサイズ要件、並びに輝度、出力及びコントラストのニーズと両立できる。
【0238】
図16及び17は、主本体と結合するベース内の統合表示システムの代表的な例を描写し、ディスプレイ、光学系、及びミラーを示している。この統合表示システムは、その上方に描かれた観察光学機器の主本体に収容された光学系と共に機能する。
【0239】
使用可能なマイクロディスプレイの代表的な例には、限定ではないが、以下のものが含まれる:MDP01(シリーズ)DPYM、MDP02、及びMDP05を含む、Microoled社製;ピクセルピッチが9.9x9.9μm及び7.8x7.8μmのマイクロディスプレイ、SVGAなどのEmagin社製;並びにLightning Oled MicrodisplayなどのKopin Corporation社製。また、限定ではないが、VueReal社製及びLumiode社製のものを含む、マイクロLEDディスプレイも使用することができる。
【0240】
一実施形態では、アクティブディスプレイと協働する電子機器は、表示記号を生成する性能、ディスプレイに対する出力を書式設定する性能を含むことができ、電池情報、電力調節回路、ビデオインタフェース、シリアルインタフェース、及び制御特徴を含むことができる。オーバーレイ表示ユニットの追加の機能又は異なる機能のために、他の特徴を含めることができる。電子機器は表示機能を提供することができ、或いは電子機器と通信する別のデバイスからこのような機能を受け取ることができる。
【0241】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、アクティブな標的レチクル、距離測定値及び風情報、GPS及びコンパス情報、銃器傾斜情報、標的の発見、認識及び識別(ID)情報、及び/又は外部センサ情報(センサビデオ及び/又はグラフィックス)、又は状況認識用の画像などを含め、限定ではないが、テキスト、英数字、グラフィック、記号、及び/又はビデオ撮像、アイコンなどを含む像を生成して、光学機器を通して見える視野の像と共に接眼レンズを通して観察することができる。直接観察光学機器は、エッチング式レチクル及び銃口照準を含む又は維持し、高解像度を保持することができる。
【0242】
一実施形態では、アクティブディスプレイの利用により、プログラム可能な電子的照準点を視野内のあらゆる位置に表示することができる。この位置は、ユーザが決定できる(超音速と亜音速の両方の弾丸を発射し、従って2つの異なる弾道及び「ゼロイン」を有するライフル銃の場合のように)、或いは弾道計算機から受け取った情報に基づいて計算することができる。これは、射撃毎の間隔で更新可能な長距離射撃のための「落下補正された」照準点を提供することになる。
【0243】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、最大限の垂直補正を実現するように配向することができる。一実施形態では、アクティブディスプレイは、幅よりも背が高くなるように位置決めされる。
【0244】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、図18に示すように配向され、これにより、ライフルスコープ内でアクティブレチクルに関して最大限の垂直調整範囲1810が可能となる。最大限の垂直調整は、より長距離におけるシナリオの弾道補正を可能にするため、有利である。
【0245】
一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイと電子的に通信するプロセッサを更に備える。
【0246】
別の実施形態では、統合表示システムは、メモリと、少なくとも1つのセンサと、及び/又はプロセッサと電子的に通信する電子通信デバイスを含むことができる。
【0247】
測距に関する使用方法
一実施形態では、アクティブディスプレイは、レーザ測距計から得られた距離測定値を表示することができる。一実施形態では、LRFを観察光学機器に結合することができる。一実施形態では、LRFは、ライフルスコープの外側スコープ本体に直接結合される。別の実施形態では、LRFの一部分が、ライフルスコープのスコープ本体の外側部分に直接結合される。
【0248】
一実施形態では、LRFは、ライフルスコープの外側スコープ本体に間接的に結合される。別の実施形態では、LRFの一部分が、ライフルスコープのスコープ本体の外側部分に間接的に結合される。
【0249】
更に別の実施形態では、LRFはライフルスコープに結合されないが、固定配線又は無線の何れかを介してライフルスコープと通信する。
【0250】
一般的な動作では、LRFは、投影光学機器を介してシーンに投影されるレーザ光のパルスを提供する。このレーザ光は対象物を照らし、レーザ光の一部は反射されてLRFに戻る。デバイスに戻ってきた反射レーザ光の一部は、受光光学系によって捕捉され、検出器に導かれる。このデバイスは、レーザ光パルスが送出された時に起動し、戻ってきたレーザ光が検出された時に停止するタイマを含む。デバイスの計算機部分は、レーザ光パルスの送出から、戻ってきた反射レーザ光の検出までの経過時間を用いて、対象物までの距離を計算する。
【0251】
一実施形態では、距離計算値はアクティブディスプレイに送信され、生成された画像(距離測定値又は計算値)は、ミラー及びビームコンバイナを用いてディスプレイ光軸「B」から観察光軸Aの上へ向け直されて、その画像(距離測定値又は計算値)を、観察光学機器を通して観察者が観察するシーンの像の上に、同時に重畳する又は重ね合わせるようになっている。
【0252】
ウィンデージレンジバー
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、ウィンデージレンジを生成することができる。一実施形態では、ユーザは、風の値の範囲を与えることができ、ソフトウェアは、ウィンデージデータ、例えばウィンデージレンジ変動バーを生成することができる。一実施形態では、ウィンデージデータはアクティブディスプレイに送信され、生成された画像、例えばウィンデージレンジ変動バーは、ミラー及びビームコンバイナを用いてディスプレイ光軸「B」から観察光軸「A」の上へ向け直されて、その画像(ウィンデージレンジ変動バー)を、観察光学機器を通して観察者が観察するシーンの像の上に、同時に重畳する又は重ね合わせるようになっている。
【0253】
一実施形態では、ウィンデージデータは、最小ウィンドホールド点から最大ウィンドホールド点までを含む。
【0254】
一実施形態では、ウィンデージデータはアクティブディスプレイに送信され、アクティブディスプレイは、適切なウィンドホールドで視野内にデジタルレチクルを生成することができる。
【0255】
メンタルキューに対する表示色
一実施形態では、アクティブディスプレイは、特別水準の情報を迅速に理解できる形式でユーザに伝えるために、カラー表示を生成することができる。一実施形態では、アクティブディスプレイは、発射準備完了を指摘する一連の色分けされた記号を生成することができる。
【0256】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、一連の色分けされた記号を生成して、標的シーン内の対象物を色分けすることができる。一実施形態では、アクティブディスプレイは、友軍を敵軍から色で区別することができる。別の実施形態では、アクティブディスプレイは、対象となる標的を色分けすることができる。
【0257】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、ウィンデージ調整状態を指摘する一連の色分けされた記号を生成することができる。一実施形態では、赤色のドットは、ウィンデージ調整が完了していないことを指摘できるのに対して、緑色の記号は、ウィンデージ調整が完了していることを指摘できる。
【0258】
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、色付きの照準点を生成することができる。一実施形態では、限定ではないが、ウィンデージ、距離、及び仰角を含む適切な調整が行われていない場合、照準点は赤色になる。別の実施形態では、全てではないが一部の射撃調整が完了している場合、照準点は黄色になる。更に別の実施形態では、必要な射撃調整が全て完了している場合、照準点は緑色となり、照準点は完全に補正されている。
【0259】
更に別の実施形態では、記号の点滅状態及び点灯状態を利用して、照準点の調整に関する同様の状況情報を伝えることができる。
【0260】
更に別の実施形態では、アクティブディスプレイは、状況を表すために色で示されるテキストを生成することができる。一実施形態では、赤色のテキストは、入力パラメータが入力又は計算されていないことを表し、テキストに関して緑色は、入力又は計算されたパラメータを表す。
【0261】
測距における着弾ゾーン用のマーカ
一実施形態では、アクティブディスプレイは、ユーザが発射体の着弾ゾーンを素早く捉える又は囲むことができるように、円、正方形、又は他の形状を生成することができる。
【0262】
ホールドオーバの推定と補正
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、移動方向及び移動速度に対するユーザ入力に基づいて、移動する標的に対して補正された照準点を生成することができる。例えば、ユーザは、左方向へ時速5マイルという移動速度を入力することができる。これは、風と移動が同じ方向の場合にはウィンデージ値に加算され、逆方向の場合にはウィンデージ値から減算されることになる。その場合、照準点及び/又はウィンデージ値バーがディスプレイ上にプロットされた時に、照準点は適切な量のホールドオーバを含むことになり、ユーザは、移動する標的の移動を補正するために移動する標的の前に照準点を置く必要があるのではなく、所望の着弾ゾーンに照準点ドットを置いて撃つことができる。
【0263】
カメラ及び遠隔表示操作によるチーム作戦
一実施形態では、ネットワークインタフェースと連動するアクティブディスプレイにより、追加の水準の強化された操作及び使用が可能となる。一実施形態では、ネットワークを介して複数の射手のレチクル像を見ることができる。各射手のレチクルカメラ像は、1又は2以上のコンソールに表示され、ネットワークプロセス及びインタフェースは、個々のライフルスコープでは以前利用できなかった集団レベルの調整、訓練、及び連携を可能にする。
【0264】
訓練及び指導
訓練又は指導のシナリオでは、指導者は、各射手が各自のレチクルを各自の標的にどのように位置合わせしたのかを見ることができる。レチクル位置合わせを実際に見ることができることで、指導者又は訓練者は、口頭指示(例えば、無線で又は対面で)などによって、調整及び再位置決めに関する指示を与えることができる。
【0265】
別の実施形態では、指導者のコンソールには、マウス又はジョイスティックなどのポインティング手段を設けることができ、これに対する制御データは、コンソールからネットワークを介してライフル銃の統合表示システムに転送される。その場合、この指導者のマウス又はジョイスティックは、各射手のスコープのディスプレイ内で追加のドット又はポインタを制御し、これにより、指導者は、どの標的を使用すべきか、どの距離マーカバーを使用すべきか、並びにレチクルを標的に対してレチクルのどこに位置決めすべきかを射手に視覚的に示すことができる。一実施形態では、指導者が各射手に個別化された指示を与えられるように、各射手には各自固有の指導者ドットを与えることができる。
【0266】
射撃調整
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、複数射手の射撃チームの調整及び実施において使用することができる。一実施形態では、チームの指揮者は、指導者のコンソールを操作し、指導者ドットを使用して、各射手への標的割当て、レチクル配置変更の伝達などを支援する。
【0267】
遠隔審査及び承認のためのスナップショット
別の実施形態では、アクティブディスプレイ及びネットワークプロセスにより、制御手段を与えられた射手は、自分のレチクルビューの「スナップショット」を撮ることができる。ユーザのレチクルビューに関するこのスナップショットは、問題の標的の画像を含むことができる。この画像を指揮者又は指導者が受信すると、指揮者又は指導者は、画像を審査して、撮影を承認する又は不承認とする。例えば、指導のシナリオでは、ユーザは、撮影すべき正当な動物(年齢、種、性別など)だと思う動物のスナップショットを撮影することができる。指導者は、同意する場合、射手のレチクル内の指導者ドットを位置決めする又は移動することによって、これを示すことができる。
【0268】
標的の生体計測による分類
別の実施形態では、レチクル像のスナップショットは、顔認識システムなどの生体計測による認識及び/又は分類プロセスによって受信される。生体計測による認識及び/又は分類プロセスは、ディスプレイ制御ロジックに統合されるなど、銃に搭載されてもよいし、ネットワークを介して相互接続された銃とは離れていてもよい。認識及び/又は分類プロセスの結果は、その結果をネットワークを介して制御ロジックに送信し、ディスプレイを適宜更新することによって、レチクルに提供することができる。
【0269】
サイド・バイ・サイド画像表示
別の実施形態では、画像がネットワークを介して統合表示システムにダウンロードされ、レチクル内で標的の観察像と同時に表示される。ダウンロードされた画像を用いて、ユーザ(射手)は、現在観察している標的を、撮影するように指示されたもの又は撮影を望むものと類似する標的の以前撮影された画像又は写真と、並べて比較することができる。例えば、牝鹿のシーズン中、新参の射手にはレチクル内に参照用の牝鹿の画像が与えられ、スコープを通して観察する実際の動物とリアルタイムで比較することができる。軍隊又は法執行への適用例では、捜し求める敵又は逃亡者の画像をレチクルに表示して、狙撃者がスコープを通して観察している人物の顔とリアルタイムで比較できるようにする。
【0270】
アクティブディスプレイの代表的な例
a.530~570nm
一実施形態では、本開示は、530~570nmマイクロディスプレイを使用する統合表示システムに関する。
【0271】
図19は、530~570nmデジタルディスプレイ1910を備えた統合表示システムを示す。
【0272】
図20は、530~570nmデジタルディスプレイ1910で表示できる例示的な画像2020の概略図である。図20に示すように、ガラスエッチング式レチクル2010は、本明細書で開示される装置及びシステムと共に使用することができる。これらの画像は例示に過ぎず、アクティブディスプレイで表示可能な情報の量又はタイプを限定するものと解釈すべきではない。
【0273】
別の実施形態では、530~570nmデジタルディスプレイ1910の組み込みにより、人間の目の感度に起因して、他のどのカラーディスプレイよりも相対的に高い有効性が可能となる。これは、同じ測光輝度の赤色又は青色のディスプレイへの給電と比べて、より少ない消費電力量を可能にする。
【0274】
更に別の実施形態では、530~570nmデジタルディスプレイ1910の組み込みにより、エンドユーザには、周囲光によって作り出された背景からデジタルオーバレイを昼間視力で識別するより大きな能力が与えられる。
【0275】
b.AMOLED
一実施形態では、本開示は、AMOLEDマイクロディスプレイを含む統合表示システムに関する。
【0276】
図21は、AMOLEDデジタルディスプレイ2110を備えた統合表示システムを示す。
【0277】
図22は、AMOLEDデジタルディスプレイで表示できる例示的な画像2210の概略図である。図22に示すように、ガラスエッチング式レチクル2010は、本明細書で開示される装置及びシステムと共に使用することができる。これらの画像は例示に過ぎず、アクティブディスプレイで表示可能な情報の量又はタイプを限定するものと解釈すべきではない。
【0278】
一実施形態では、AMOLED2110で生成された画像を第1の焦点面に統合/結像/合焦する。一実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の使用により、ライフルスコープに表示されるデータ内でのコントラストの増大とより大きな複雑度とが可能となる。
【0279】
一実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みは、照らされる個々のピクセルの選択を可能にし、複雑なデータ構成をライフルスコープに容易に表示する能力を与える。
【0280】
別の実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みは、システム内のバックライティングに対する必要性が低下するために、ライフルスコープ内部の小型軽量パッケージサイズを可能にする。
【0281】
別の実施形態では、統合表示システムは、バックライトディスプレイ組立体を必要としない。
【0282】
更に別の実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みによって、個々のピクセルに対する電力使用量を最適化する機能が今や利用可能となったため、電力消費量の低減が可能となる。
【0283】
一実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みは、コントラスト比を与え、これにより、スコープ内できれいな「ヘッドアップ」様式のディスプレイが可能となる。コントラスト比は、各浮動的特徴を個別に標的化し、ピクセル周囲の低グローなしで表現することを可能にする。
【0284】
B.集光器レンズ系
一実施形態では、統合表示システムは、1又は2以上のレンズセルの一部として光学レンズの使用に基づく光学系を有し、レンズセルは、レンズ自体と、レンズが取り付けられるレンズセル本体とを含む。一実施形態では、レンズセルは、概ね円筒形又はディスク状の高精度に形成された本体を含む。この本体は、より大きな光学系の光軸に合わせてレンズを取り付けるための中央アパーチャを有する。また、セル本体はそれ自身の整列軸を有すると言うこともでき、その整列軸は、レンズセルがそこに取り付けられた時に、最終的により大きな光学系の光軸と整列することになる。更に、レンズセルは、レンズ用の「ホルダ」として機能し、より大きな光学系に対して且つその中にレンズを取り付けることのできる機構として機能し、(最終的には)その光学系によって且つその目的のためにレンズを操作できる手段として機能する。
【0285】
一実施形態では、統合表示システムは、レンズ系としても言及する、集光器レンズ系を備える。一実施形態では、集光器レンズ系は、内側レンズセルと外側レンズセルとを備える。
【0286】
図23は、集光器レンズ系2310の代表的な例であり、内側レンズセル2315と外側レンズセル2320とを有する。一実施形態では、外側レンズセル2320は少なくとも1つのレンズを収容し、内側レンズセル2315は少なくとも1つのレンズを収容する。一実施形態では、内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内面上を回転する。図23に示すように、アクティブディスプレイ1210は、内側レンズセル2315の背面にある平坦な加工面に結合される。一実施形態では、アクティブディスプレイ1210を内側レンズセル2315に直接結合することができる。更に別の実施形態では、アクティブディスプレイ1210を内側レンズセル2315に間接的に結合することができる。
【0287】
本明細書で開示される集光器光学系の1つの利点は、マイクロディスプレイマウントと結合される内側レンズセルが、マイクロディスプレイの垂直軸を位置決めするための堅い回転機械軸を提供することである。
【0288】
図24は、観察光学機器の主本体と結合するベース220の代表的な図解であり、この場合、ベースは、統合表示システムの一部として集光器光学系2310を有する。図24では、主本体は、ビームコンバイナ320と観察光学レチクル2420によって描かれている。
【0289】
外側レンズセル2320が観察光学系に対してその主本体内の定位置に固定されるのに対し、内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内部で回転自在に浮動することが許容される。内側レンズセル2315の回転軸の下方に位置付けられる内側レンズセル2315の表面2410に対して圧力を加えることにより、アクティブディスプレイ1210の垂直軸を観察光学系のレチクル1610の垂直軸と揃えることができる。
【0290】
図25は、アクティブディスプレイの垂直軸の傾きをレチクルの垂直軸と揃えるための一実施形態の代表的な図解である。図25に示すように、内側レンズセル2315の回転軸の下方に位置付けられる内側レンズセル2315の表面に対して、対向する止めねじ2505を締め付けることができる。止めねじ2505を用いて、マイクロディスプレイ1210の垂直軸を、観察光学機器の主本体内の光学系にあるレチクルの垂直軸と揃えることができる。内側レンズセル2315の回転は、止めねじ2505を内側レンズセル2315の下面に対して確実に締め付け、これによりマイクロディスプレイ1210の垂直軸を定位置に回り止めすることで維持することができる。
【0291】
図26は、マイクロディスプレイ1210又はアクティブディスプレイの傾斜調整機構を備えた集光器レンズ系2300の後方切り欠き図の代表的な図である。ビームコンバイナ又は導波管を用いてマイクロディスプレイが観察光学機器に導入される場合、レチクルの垂直軸とマイクロディスプレイの垂直軸の導入像との傾斜誤差を除去するために、追加の補正方法が必要とされる。内側レンズセル2315の回転軸の下方に位置付けられる内側レンズセル2315の表面に対して、止めねじ2505を締め付け、これにより、マイクロディスプレイ1210の垂直軸を、観察光学機器の主本体内の光学系にあるレチクルの垂直軸と揃えることができる。
【0292】
図27は、マイクロディスプレイと観察光学機器の主本体の光学系にあるレチクルとの視差を除去するための方法及び装置に関する代表的な図解である。外側レンズセル2320は、図27の右側に少なくとも1つのレンズを収容し、内側レンズセル2315は、図27の左側に少なくとも1つのレンズを収容する。内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内面上を光軸に沿って摺動する。マイクロディスプレイ1210は、内側レンズセル2315に結合される。バネ2710を外側レンズセル2320と内側レンズセル2315との間に設置して、圧縮力を受けていない時にこれらのセルを分離させる。
【0293】
図28Aは、集光器光学系2300を有し、観察光学機器の主本体に結合されるベースの代表的な図解である。図28Aでは、主本体は、ビームコンバイナ320と観察光学レチクル2810で描かれている。
【0294】
外側レンズセル2320は観察光学機器に対して定位置に固定され、内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内部で浮動することが許容される。内側レンズセル/アクティブディスプレイマウントの背面に力を加えるねじ又はくさび2820を用いて内側レンズセル2315を前方に押し込むことによって、マイクロディスプレイ像の焦点面が観察光学機器の主本体の観察光学レチクルと同一平面上に位置付けられるように、像の軸方向位置が変更される。従って、マイクロディスプレイとレチクルの視差が除去される。
【0295】
内側レンズセルの位置は、バネがねじ又はくさびを外方に押し付ける作用によって、定位置に保たれる。アクティブディスプレイとレチクルの視差は、アクティブディスプレイからの集光量を変えることなく、光学系の像質を低下させることなく除去することができる。
【0296】
内側レンズセルと外側レンズセルの間のバネの使用と、内側レンズセル/マイクロディスプレイの背面への力の使用とを実施することにより、マイクロディスプレイから最大限の光量を集めることができ、迅速、簡単、且つ正確な調整方法が提供される。
【0297】
一実施形態では、内側レンズセル2315及び外側レンズセル2320は、2又は3以上のレンズを備えることができる。更に別の実施形態では、レンズ系は、3、4、5、6、7、8、9、10又は11以上のレンズを備えることができる。レンズは、限定ではないが、LaCroix Optics(www.lacroixoptics.com)並びにDiverse Optics(www.diverseoptics.com)を含む、様々な市販メーカから入手することができる。一実施形態では、内側レンズセル及び外側レンズセルは、集光器レンズ系を備える。
【0298】
一実施形態では、このレンズ系は、5レンズ系で構成される。一実施形態では、5レンズ系は、5つの単レンズで構成される。別の実施形態では、5レンズ系は、2つの複レンズと1つの単レンズで構成される。更に別の実施形態では、5レンズ系は、3つの単レンズと1つの複レンズで構成される。一実施形態では、少なくとも1つのプラスチック非球面レンズが第1の要素として使用される。
【0299】
一実施形態では、レンズ系は、以下の順序を備えた5レンズ系である:アクティブディスプレイに最も近い非球面単レンズ、次に単レンズ、次に複レンズ、次いで最後の単レンズが来る。
【0300】
一実施形態では、レンズ系は、以下の順序を備えた5レンズ系である:アクティブディスプレイに最も近い非球面単レンズ、次に単レンズ、次に単レンズ、次いで複レンズが来る。
【0301】
一実施形態では、レンズ系は、以下の順序を備えた5レンズ系である:アクティブディスプレイに最も近い非球面単レンズ、次に単レンズ、次に単レンズ、次いで複レンズが来る。一実施形態では、レンズ系は、以下の構成を有する5レンズ系である: アクティブディスプレイに最も近いレンズ1は直径11mm、厚さ9.3mmであり、レンズ2は直径9mm、厚さ1.9mmであり、複レンズは、直径13.5mmで厚さ2.1mmの1つのレンズ(レンズ3)と、直径13.5mmで厚さ4.1mmのもう1つのレンズ(レンズ4)とを有し、レンズ5は直径13.5mm、厚さ3.3mmである。
【0302】
一実施形態では、1つのレンズから次のレンズまでの空気間隔は、約1mmから約20mmの範囲である。一実施形態では、1つのレンズから次のレンズまでの空気間隔は、約5mmから約20mmの範囲である。一実施形態では、1つのレンズから次のレンズまでの空気間隔は、約10mmから約20mmの範囲である。
【0303】
一実施形態では、アクティブディスプレイと第1レンズの距離は、ディスプレイから最大限の光量を集めるために最小限に抑えられる。一実施形態では、アクティブディスプレイと第1レンズの距離は、2mm未満である。別の実施形態では、アクティブディスプレイと第1レンズの距離は、以下からなる群から選択される:1.8mm未満、1.5mm未満、1.3mm未満、1.1mm未満、0.9mm未満、0.7mm未満、0.5mm未満、及び0.3mm未満。
【0304】
一実施形態では、5レンズ系は、内側レンズセル及び外側レンズセルに収容される。一実施形態では、内側レンズセルは、ディスプレイ台座がある箇所の対向端から内側レンズセルの中に、非球面レンズ、次にスペーサ、次にレンズ2(9mm単レンズとすることができる)、次いで係止リング(両方のレンズを定位置に保持する)を設置することによって組み立てられる。
【0305】
一実施形態では、外側レンズセルは、セルの対向端から外側レンズセルの中に、レンズ5(13.5mmの単レンズとすることができる)、次にスペーサ、次に複レンズ2(レンズ3及びレンズ4とすることができる)、次いで係止リングを挿入することによって組み立てられる。
【0306】
図28Bは、集光器光学系又は集光器レンズ系を有するベースの代表的な図解である。内側レンズセル2315は、ディスプレイ台座がある箇所の対向端から内側レンズセルの中に、非球面レンズ2840、次にスペーサ、次いでガラス凹凸レンズ2850を設置することによって組み立てられる。一実施形態では、ガラス凹凸レンズは、上記のようにレンズ2とすることができる。外側レンズセル2320は、ガラスダブレット2860に続いてガラスシングレット2870を挿入することによって組み立てることができる。
【0307】
一実施形態では、集光器レンズ系は、2840、2850、2860、及び2870を含む5レンズ系を備え、2840がアクティブディスプレイに最も近く、2870がアクティブディスプレイから最も遠い。一実施形態では、内側レンズセル2315は、2840と2850を備える。一実施形態では、外側レンズセル2320は、2860と2870を備える。
【0308】
一実施形態では、内側レンズセルが外側レンズセルの内径に沿って軸方向に移動すると、内側セルのレンズ2と外側セルのレンズ3との間隔が変化する。これは、ディスプレイ像の焦点面を移動させ、投影されたディスプレイ像と、観察光学機器の主本体のパッシブレチクルとの視差を完全にゼロにするのに使用される。
【0309】
一実施形態では、ディスプレイ像を主本体内の光学系の第1の焦点面に合焦させることは、5レンズ系のレンズ2とレンズ3との空気間隔を変更することによって達成され、その変更は、外側レンズセルに対する内側レンズセルの位置を変えることによって達成される。
【0310】
一実施形態では、レンズ組立体はまた、一連のレンズを保持する一体式の機械構造であるレンズ鏡筒内で、共に組み立てることができる。レンズ鏡筒は、レンズを軸方向及び半径方向に互いに対して位置決めするため、並びにレンズ組立体を、レンズ組立体もその一部である光学系と整合させる手段を提供するのに使用される。レンズ要素は、鏡筒壁の内径又はIDによって半径方向に位置決めされる。レンズ要素の外径又はODは、鏡筒壁のIDに適合するように研削される。レンズ要素の軸方向位置は、組立中にレンズ台座を切断することによって達成される。次いで、レンズ要素をエポキシ、保持リングなどでレンズ台座に拘束することができる。
【0311】
C.反射材料
一実施形態では、統合表示システムは反射材料1230を備える。一実施形態では、反射材料1230はミラーである。一実施形態では、統合表示システムは1又は2以上のミラーを備える。一実施形態では、統合表示システムは2、3、4又は5以上のミラーを備える。
【0312】
一実施形態では、ミラーは、ディスプレイの放出光に対して、30°から60°、又は30°から55°、30°から50°、又は30°から45°、又は30°から40°、又は30°から35°の角度に位置決めされる。
【0313】
一実施形態では、ミラーは、ディスプレイの放出光に対して、30°から60°、又は35°から60°、40°から60°、又は45°から60°、又は50°から60°、又は55°から60°の角度に位置決めされる。
【0314】
一実施形態では、ミラーは、少なくとも40°の角度に位置決めされる。一実施形態では、ミラーは、ディスプレイの放出光に対して45°の角度に位置決めされる。
【0315】
一実施形態では、そして図29に示すように、垂直軸に沿うミラー2910の傾きは、ねじ又は同様の機構を用いて調整することができる。ミラー2910の基部又は背部に対してねじを回し入れることにより、マイクロディスプレイの像がビームコンバイナに反射される角度を変えることができる。これに対応して、観察光学機器の主本体の光学系の観察光学レチクル2930における焦点面の傾きが変わる。この調整を用いて、垂直軸に沿った、マイクロディスプレイとレチクルの視差誤差を除去することができる。
【0316】
一実施形態では、ミラーは、1又は2以上のねじでベースに固定される。一実施形態では、ミラーは、エポキシ、樹脂、又は接着剤、或いはこれらの組み合わせなどの化合物を用いてベースに固定される。
【0317】
一実施形態では、ミラーの位置は、限定ではないが、視差誤差を含む誤差を除去するために、ビームコンバイナと関係して調整することができる。
【0318】
一実施形態では、ミラーの位置は、限定ではないが、視差誤差を含む誤差を除去するために、アクティブディスプレイと関係して調整することができる。
【0319】
2.電力システム
一実施形態では、観察光学機器の主本体と結合するベースは、電力システムを有する。別の実施形態では、観察光学機器のベースは、キャビティを有する。電池キャビティは、観察光学機器の主本体と結合するベースに組み込むことができる。
【0320】
図30は、バッテリ区画3005を備えたベース220の代表的な概略図であり、この場合、ベース220はライフルスコープ3000の主本体210に結合される。図30及び31に示すように、バッテリ区画3005は、CR123電池を含む電池を入れるために、ベースの各側面から延びる。CR123電池は、より小さな電池又はコイン型電池と比べて、電力容量及び放電量が増加している。
【0321】
一実施形態では、電池キャビティ3005は、環境から電池を保護するために電池キャップだけが必要とされるように、ベース220と一体である。追加の密封は一切必要とされない。
【0322】
一実施形態では、ベース220内の電池キャビティ3005は、観察光学機器の主本体210の接眼レンズ組立体と比べて、対物レンズ組立体3010に近接して位置付けられる。
【0323】
図32は、ベース220に一体化されたバッテリ区画3005の代表的な図である。一実施形態では、バッテリ区画3005は、電池の不適切な取り付け及び動作を防止するために、電池の正側が最初に機械式止め具で電池キャビティの底部に挿入されるように設計される。
【0324】
一実施形態では、一体型電池キャビティ3005には、ベース220でライフルスコープの主本体210に対して使用されるのと同じガスケットを使用することができる。これは、より信頼性の高い密封を提供し、別個の電池キャビティが必要とされないので、機械式デバイスを排除する。第2に、電池キャビティがベースに一体化されるので、電池キャビティを確保する機械式デバイスがない。これにより、バッテリ区画を確保するための機械的なインタフェースの必要性が低減される。電池キャビティを機械的に係止する必要がないため、一体型バッテリ区画により、従来型バッテリ区画に関する故障箇所が減少する。
【0325】
一体型バッテリ区画は、ユーザの邪魔になるあらゆる障害物を排除する。一体型バッテリ区画は、従来の観察光学機器に見られる調整手段及びノブの何れにも邪魔にならない、観察光学機器の下に位置付けられる。一体型バッテリ区画により大きな電池を収容するのに必要なスペースが可能となるので、それは有意義な進歩である。
【0326】
一実施形態では、観察光学機器は、電池の消耗を最小限に抑え、電池の寿命を最大限にする態様で設定することができる。例えば、レーザ測距計を備えた観察光学機器は、操作者がボタン又はスイッチを押すと起動する。画面には測距計のデジグネータが表示される。外付け測距計の出力レーザは、観察光学機器をゼロインする際の初期較正ステップを通してデジグネータと符号する。操作者が外付け測距計を起動させると、情報が無線で又は通信ポートを介して観察光学機器に送信され、「情報が受信されて表示する必要がある」ことを観察光学機器に信号で知らせる。
【0327】
観察光学機器が電源オンとなって外部デバイスからデータが受信されない場合、ユーザ設定時間が経過すると観察光学機器は電源オフとなる。外部デバイスから受信した情報を表示した後、電源オフタイマが始動し、ボタン押下がそれ以上記録されなければ、観察光学機器を電源オフにする。
【0328】
外部デバイスから更に情報を受信した場合、画面からそれ以前の情報をクリアして更新された情報を表示し、電源オフタイマを始動することになる。このサイクルは、操作者が選択した回数だけ継続することができる。
【0329】
情報が画面に表示される間、カントインジケータが画面に表示される。これは、或る時間間隔でマイクロコントローラと通信する加速度計からリフレッシュされる。マイクロコントローラがスリープモードにある場合、観察光学機器上の一体式ボタンは、ガラスエッチング式レチクルを照らすLEDの輝度を制御する。観察光学機器が作動している場合は、これらLEDの制御は一時停止となり、対応するボタン押下に画面の明るさが変化することになる。
【0330】
3.ピカティニーマウント
一実施形態では、本開示は、主本体とバッテリ区画を備えたベースとを有する観察光学機器と、バッテリ区画に結合できるピカティニーマウントとに関する。一実施形態では、着脱式ピカティニーマウントは、ライフルスコープ本体に結合されるベースに組み込まれた突出したバッテリ区画に取り付けられる。
【0331】
図33~35は、主本体210と主本体210に結合されたベース220とを備えるライフルスコープの代表的な概略図であり、ベースは、ピカティニーマウント3305に取り付け可能なバッテリ区画3005を有している。一実施形態では、ピカティニーマウント3305はバッテリ区画3005と整列し、留め具で固定される。
【0332】
マウント3305をベース220のバッテリ区画3005に取り付けることで、電池用のキャビティ3005を作るのに必要な材料を利用する。これはベースからの追加の材料を不要にし、これにより、観察光学機器をより軽量にし、侵入性をより低くする。
【0333】
一実施形態では、マウントは、ライフルスコープを調整するユーザの能力を邪魔しないように、ターレット及び視差ノブから離れて対物レンズに向かって配置される。更に、トップリングは取り外し可能で、レーザ測距計など、補助デバイスの容易な取り付けを可能にする。本明細書で開示されるピカティニーマウントを利用することにより、一体化されたベースがライフルスコープを固定するので、リングの上側部分から更に構造的な支持を必要としない。
【0334】
一実施形態では、マウントは、ライフルスコープの対物レンズに向かって前方に延びる片持ち式ピカティニーレールを組み込む。これにより、兵器に搭載されるレーザ測距計は、ライフルスコープのベルの上方に直接着座することができる。このマウント様式により、着弾ずれの減少と測距デバイスの精度向上とが可能となる。それは、所望の標的を捉えることに起因して測距デバイスに影響を与える不確定要素が少ないので、着弾ずれの可能性を減らす。
【0335】
4.データポート
一実施形態では、本開示は、主本体と、像を生成して生成された像を観察光学機器の主本体の第1の焦点面においてシーンの像と結合するためのアクティブマイクロディスプレイを備えたベースと、を備えた観察光学機器に関し、ベースは、限定ではないが、遠隔制御スイッチ及びレーザ測距計を含む補助デバイスとインタフェース接続するために、軸方向に向けられたデータポートを有する。
【0336】
図36は、主本体210と、軸方向に向けられたデータポート3605を備えたベース220とを有するライフルスコープ3600の代表的な概略図である。一実施形態では、観察光学機器は、1つの軸方向に向けられたデータポートを有することができる。別の実施形態では、観察光学機器は、2又は3以上の軸方向に向けられたデータポートを有することができる。
【0337】
軸方向に向けられたデータポート3605を利用することにより、観察光学機器全体のトップダウン・プロファイルが最小限度に抑えられ、これにより、搭載された系及びその接続部の堅牢性が向上する。
【0338】
5.外部ビデオソース
一実施形態では、ベース内のアクティブディスプレイは、限定ではないが、熱撮像システム及び暗視システムを含む、クリップオン・デバイスの光学トレイン又は光学系として使用することができる。
【0339】
熱撮像システムは、一般的に人間の目で捕捉できない電磁スペクトルの様々な波を撮像してユーザに伝えることを可能にする。従来の熱式兵器照準器は、対となる2つの系;シーンを見る赤外線光学系と、ライフルスコープの前面にこの像を再現するためにマイクロディスプレイとレンズからなる可視波長光学系とから構成される。また、「暗視」システムとして知られるものを作り出す、触媒による光子増強の事例もある。しかしながら、クリップオン・デバイスは通常、ライフルスコープの主本体の前面でライフルレールに取り付けられる。この構成は、一般的にスコープで結像する周囲光の全てを遮り、デジタル像だけの使用を可能にする。従来の像に戻すには、ユーザはシステムをレールから取り外す必要がある。これは、照準を変更する度に行う位置合わせ設定のせいで、着弾ずれを引き起こす可能性がある。また、これらのクリップオン・ユニットは、ユニット内のデジタルディスプレイの背後に接眼レンズ/撮像システムを必要とするため、大型化する傾向がある。従来のシステムでは、何れのライブビデオフィードも、可視スペクトル出力を含めて、完全なデジタル像となる。
【0340】
図37は、主本体210と、熱撮像ユニット3705の光学系として使用できる、アクティブディスプレイ1210と集光器光学機器1220とを備えたベース220と、を有するライフルスコープ3700の代表的な概略図である。アクティブディスプレイ1210は、スコープの主本体の第1の焦点面に合焦する像を生成し、ビームコンバイナを用いてこの像を従来の昼間光学機器に統合する。デジタルディスプレイの統合により、ユーザは、デジタル像を周囲の昼間光学機器の上に重ね合わせることができる。本明細書で開示されるデジタルディスプレイの場合、周囲昼間光学機器を見るために、クリップオン・ユニットを観察光学機器の前面から取り外す必要がない。それどころか、必要に応じてデジタルディスプレイをオン/オフすることができる。
【0341】
デジタルディスプレイの統合により、昼間可視光学機器とデジタル光学機器の間で切り替える際に像のずれがゼロとなる。システムが完全に統合されているため、デジタル光学機器をオンにする度にゼロインする必要がない。このシステムは、コンバイナ光学系の位置合わせにより、同期している。
【0342】
一実施形態では、デジタルディスプレイの統合により、一般的にクリップオン・ユニットの後半分となる光学トレインが用意される。観察光学機器のベース内には既にマイクロディスプレイが存在するので、熱照準には赤外線光学機器だけが必要とされる:熱センサで生成された像はアクティブディスプレイに伝送されるが、それは既に観察光学機器のベースに組み込まれている。このように熱照準又は暗視照準を統合することで、熱/暗視デバイスは現在市場に出回っている兵器照準器よりも遥かに短く軽量となる。これにより、光学トレインの半分が、観察光学機器の主本体と結合するベースに直接組み込まれるため、より小型で軽量なシステムの設計が可能となる。感知デバイスを収容するクリップオン・ユニットに後部光学系又はディスプレイを統合する必要がない。
【0343】
更に、熱光学機器がライフルスコープの対物レンズを遮らないように熱式兵器照準器をライフルスコープの側面に取り付けたとすると、ユーザが観察する可視像の上に熱画像を重ね合わせることが可能となろう。これは、さもなければ中性昼光シーンでは目立たない熱識別特性を備えた人間、動物、又はあらゆるものを強調表示することができるという利点を有することになる。
【0344】
一実施形態では、本明細書で開示されるデジタルディスプレイの統合は、昼間可視照準器を遮ることなく、観察光学機器の焦点面内へのライブビデオフィードを行うという利点を生成する。
【0345】
一実施形態では、デジタルディスプレイの統合により、ライブ熱撮像視などのイメージングオーバレイ及びハイパスペクトル・オーバレイシステムのシームレスな統合が可能になる。可視像は、別のデジタルディスプレイではなく、ここではアナログである。
【0346】
一実施形態では、本明細書で開示されるデジタルディスプレイの統合は、たとえデジタルシステム上で電力が突然尽きた場合でも、画像フィードが継続するという利点を生み出す。真のアナログ像が依然として利用できることになるが、従来のデジタル出力システムの場合はそうではない。
【0347】
一実施形態では、デジタルディスプレイの統合により、複数種類の撮像システムを観察光学機器の前面から離れて取り付けることができる。熱撮像システムは、観察光学機器の底面又は側面と整列し、依然として観察光学機器の主本体内の焦点面上に直接、この像を送り込むことができる。
【0348】
6.EMI透過窓
一実施形態では、観察光学機器の主本体、ベース、又は主本体とベースの両方は、無線通信に使用される電磁波に対して透明な材料で密封された窓を有することができる。透明な材料は、限定ではないが、プラスチック、樹脂又はエポキシを含む。
【0349】
一実施形態では、この窓により、電磁波は、観察光学機器の金属体からの相互作用を低減させた状態で、通信デバイスから伝搬することが可能となる。これは、データの伝送可能な速度を増大させる。また、これにより、無線通信デバイスは、低減した信号損失に起因して、より低い電力レベルで動作することができる。
【0350】
III.追加のセンサ/デバイス
別の実施形態では、本開示は、主本体と、統合表示システムと1又は2以上のセンサとを備えたベースと、を有する観察光学機器に関する。一実施形態では、センサは、限定ではないが、全地球測位システム、加速度計、磁力計、MEMSレートセンサ、傾斜センサ、レーザ測距計を含む。
【0351】
A.指向角、標的位置、及び通信
一実施形態では、観察光学機器は、慣性空間における兵器の指向角を決定するために慣性MEMSレートセンサを有することができる。例示的な製品は、Systron Donner社のLCG-50とSilicon Sensing社のSiRRS01である。別の実施形態では、加速度計を埋込み式電子機器に組み込んで、観察光学機器の絶対傾斜角を決定し、一般的な移動又は発射事象に起因する兵器の加速度を追跡することができる。
【0352】
ターゲティングを支援するために、様々な実施形態では、観察光学機器、GPS及び/又はデジタルコンパスを有することができる。一実施形態では、GPS及び/又はデジタルコンパスは、例えば基板レベルのモジュールとして、観察光学機器に統合することができる。別の実施形態では、GPS及び/又はデジタルコンパスは、観察光学機器と通信する別個のデバイスと関係することができる。
【0353】
幾つかの製造業者は、フォームファクタが小さくて低消費電力特性を有する、GPS及びデジタルコンパス機能用のシェルフモジュールのカスタム品を提供している。これらのデバイスは、埋込み式部品に一体化されるように設計されている。例えば、Ocean Server Technology社は、0.5度の精度を備えたOS4000-Tコンパスを製造しており、それは30mA未満の消費電力を有し、3/4インチ角より小さい。GPSデバイスの一例は、16mm×16mmのサイズで、2メートルの精度を提供する表面実装パッケージで入手できる、Delorme社製GPS2058-10モジュールである。
【0354】
一実施形態では、観察光学機器は、BAEパーソナル・ネットワーク・ノード及び新興のSRW無線などのシステムにインタフェースで接続するように設計された有線及び無線機能の一方又は両方を提供するデータインタフェースを有することができる。これらのインタフェースは、距離、センサ、及び他の戦術上データ(例えば、対同士討ち検出器、環境センサなど)といった様々な通信機能を提供する。この独特な機能は、様々な実施形態において、環境、標的、及び状況認識情報を取得し、対象の共同体に伝達するのに使用される。一般的に言えば、様々な実施形態は、兵士が様々な受動的及び能動的なソースからデータを迅速に取得し、再取得し、処理し、そして別な方法で弾道的発射解に統合し、これにより射手としての戦力を高められるように設計される。
【0355】
別の実施形態では、センサは、異なる標的のリアルタイムの位置データを観察光学機器の主本体の第1の焦点面上に生成するために、アクティブディスプレイに情報を提供する。別の実施形態では、センサは、統合表示システムと通信する外部デバイスの一部である。
【0356】
このようなセンサを観察光学機器内で、又は観察光学機器に堅く接続された外部デバイス上で、又は観察光学機器が搭載された兵器上で使用することにより、観察光学機器の正確な位置と共に、観察光学機器が向けられた正確な方向を取得することができ、観察光学機器の位置及び照準方向に関係して外部標的を計算することができる。
【0357】
ユーザが観察光学機器を周囲に移動させる、又は標的が観察光学機器に対して移動すると、標的の位置は、統合表示システムと通信するセンサによって連続的にリアルタイムで更新されるので、ユーザは、観察光学機器を通して観察することによって、標的の見える位置と関連して標的がどこにあるのかを確かめることができる。
【0358】
この手法は、隊員が異なる場所にいて特定の標的位置を互いに通信しようとする可能性がある軍事用途で強力な実用性を有する。例えば、近接航空支援(CAS)の場合、操縦士は航空機を操縦し、地上部隊は、標的に爆弾を投下する航空機に頼る場合がある。多くの場合、地上部隊が標的の正確な位置を航空機に伝えることは困難である。地上部隊と航空機の間で標的情報を伝える過程は、しばしば「標的と話し続ける」と呼ばれ、標的の近くにどのようなランドマークが見えるかなど、部隊又は航空機がその視野内で何を見ているのかを伝達する必要がある。
【0359】
この過程は、多くの場合にかなりの時間を要し、空からは地上で見るのとは異なって見えることが多いため、混乱を招く可能性がある。航空機が標的を間違えると味方の部隊又は非戦闘員に爆弾を投下する可能性があるので、各部隊は、全員が同じ標的を見ていると確信することが極めて重要である。
【0360】
位置センサ及び姿勢センサが統合表示システムのアクティブなレチクルディスプレイと通信できるようにすることで、これらの問題は解決される。観察光学機器のユーザはスコープ内の標的を指定することができ、スコープは、スコープのGPS位置、それが指し示す正確な方向、及び標的までの距離を知っており、標的の正確なGPS座標を計算することができる。この情報は、味方の部隊全てが接続している、リンク16などの普遍的なシステムに供給することができる。これで、航空機はただ自機のディスプレイを見るだけよく、別の部隊が新しい標的を指定するとすぐにその標的が地図上に表示される。
【0361】
これにより、標的の発見が格段に早くなり、両部隊が同じ標的を見ていることの確認が格段に容易となる。標的の位置を決定する上で精度が極めて重要なので、アクティブディスプレイで生成された像は、観察光学機器の主本体の第1の焦点面に表示する必要がある。アクティブディスプレイから生成された像が観察光学機器の主本体の第2の焦点面に投入された場合、標的位置は、観察光学レチクルがその「零点規正」位置にある時にだけ正確となる。観察光学機器のユーザが、例えば長距離標的に合わせるために、ターレットを幾らかでもダイヤルを回した場合、ディスプレイ内の標的情報の全ては、ターレットを回した量だけシフトして、正確ではないことになる。
【0362】
アクティブディスプレイ像が第1の焦点面に導入される状態でこれを使用することによって、表示されるデータは、レチクル位置に対してなされた調整に無関係であり、自動的に補正される。これは、視野内の標的データが常に正確であることを意味する。
【0363】
B.環境センサ
一実施形態では、観察光学機器は、弾道補正のために環境データを収集して使用するように設計された1又は2以上の圧力センサ、湿度センサ、及び/又は温度センサを有することができる。センサは、観察光学機器内への組み込みに適した小型の構成で入手できる。小型で、低消費電力、防水の気圧センサの一例は、Intersema社製のMS5540である。この構成部品のサイズは6.2×6.4mmである。
【0364】
一実施形態では、センサは、観察光学機器の主チューブ又は観察光学機器のベースに結合させることができる。
【0365】
C.上り傾斜及び下り傾斜
一実施形態では、観察光学機器は、垂直方向に対するスコープの傾斜角を測定するために使用できるz軸加速度計を有することができる。この傾斜角は、標的の選択時に弾道解に組み込むことができる。標的が選択されると、システムは、実際の上り傾斜又は下り傾斜の傾斜を自動的に弾道解に組み込んで、デジタルレチクル又は修正された照準点が正しく表示されるように、観察光学機器の第1の焦点面にその解を表示することができる。これにより、長距離の上り傾斜又は下り傾斜での交戦において、非常に迅速且つ効果的な照準手段を提供することができる。
【0366】
IV.表示システムを備えた観察光学機器及びレーザ測距計
一実施形態では、本開示は、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器と、レーザ測距計とに関する。一実施形態では、レーザ測距計は、観察光学機器に結合される。別の実施形態では、レーザ測距計は、観察光学機器から独立しており、無線で又はケーブルを介して観察光学機器と通信する。
【0367】
一実施形態では、レーザ測距計は、バッテリ区画を介してベースに取り付けられた取り付けレールによって、観察光学機器に結合される。
【0368】
一実施形態では、レーザ測距計を用いて、標的までの距離を決定することができる。様々な実施形態では、レーザは、隠密のために近赤外線で伝わる。近赤外線(NIR)で動作するレーザ測距計デバイスに使用される典型的な波長は、905nmである。
【0369】
一実施形態では、特定のレーザ出力及びスペクトル特性を選択して、観察光学機器の距離要件と目の安全性要件を満たすようにする。測距計は、実例として1500メートル、2500メートル、或いは観察光学機器と共に使用することを意図した銃器又は兵器と関係する有効距離まで、正確な測定値を生成するのに十分な出力である。測距計の操作に関して、一部の実施形態では、測距計測定を行う又は実行するために、単一のボタン制御が専用となっている。
【0370】
一実施形態では、標的までの距離は、標的までの距離の像を生成し、標的シーンを観察する時に標的までの距離を観察光学機器の第1の焦点面に重畳するアクティブディスプレイに、伝達することができる。
【0371】
一実施形態では、観察光学機器は、弾道計算性能を備えたコンピューティングデバイスを有する。一実施形態では、観察光学機器の主本体が、弾道計算性能を備えたコンピューティングデバイスを有する。
【0372】
一実施形態では、レーザ測距計を用いて、標的距離を測定し、発射体の弾道を計算し、修正された照準点を統合表示システム内のアクティブディスプレイに伝達することができ、次にアクティブディスプレイは、修正された照準点の像を、可動正立レンズ系にレチクルを取り付けた観察光学機器の第1の焦点面に重畳する。
【0373】
重要なことは、アクティブディスプレイ生成された像が、第1の焦点面の前方で標的からの像と結合されてから、第1の焦点面に合焦するため、標的像とディスプレイ像とが互いに対して決して移動しないことである。従って、可動正立系がどのように調整されるかに関わらず、デジタルディスプレイによって生成されたいかなる照準基準も常に正確となる。
【0374】
外付けのレーザ測距計がライフルスコープに距離情報を供給する場合、レーザで正しい標的に命中させるためにLRFが視野内のどこに狙いを付けているかをユーザが知るために、デジタルディスプレイで照準基準又はレーザデジグネータを作成する必要がある。ライフルスコープの主本体におけるデジタルディスプレイ像と対物レンズ系の標的像とは、互いに対して移動しない。従って、デジタルレーザデジグネータは、可動正立レンズ系を移動するためにターレットをどのように調整したとしても、LRFレーザ照準点の正しい位置をユーザに正確に示すことができる。
【0375】
その一方で、デジタルディスプレイ像が第1の焦点面の後方のどこかで光学系に統合されるとすると、ターレットを調整して正立レンズ系が移動/傾斜した場合に、デジタルディスプレイの像は標的像に対して移動し、デジタルLRFデジグネータは実際のレーザ照準点に対して移動することになる。これは、ユーザが何らかの仰角調整又はウィンデージ調整をターレットにダイヤル設定し、ユーザがデジタルレチクルを実際のレーザ照準点に位置合わせした時にターレットが設定されていた元の位置に戻し忘れた場合、不正確な距離測定に繋がる可能性がある。
【0376】
更に、従来のライフルスコープをライフル銃に零点規正する時、ユーザは一般的に、「零点規正」距離、多くの場合100ヤードを選択し、これは、ライフルスコープのレチクルをライフル銃の発射体の着弾点と位置合わせするのに使用される。これは通常、レチクルをライフル銃の発射体の着弾点と位置合わせするために、ライフルスコープのターレット、ひいては正立レンズ系の傾斜角を調整することによって達成される。ライフルスコープの初期「零点規正」が設定された後、ターレットにより、異なる距離の標的に対する補償、発射体の着弾点が初期「零点規正」位置からどこに変わるかに影響を与える偏流変数の変更に対して補償するために、ユーザがライフルスコープのレチクル位置に対して更に調整を行うことができる。
【0377】
デジタル表示が第1の焦点面の後方でライフルスコープシステムに統合されるとすると、弾道的に計算された照準点の補正係数は、ユーザが初期「零点規正」からターレットに何らかの調整を行った場合に不正確となる可能性がある。例えば、標的に命中させるには10ミリラジアンの仰角調整が必要であると弾道計算機が決定した場合、デジタルディスプレイは、クロスヘアの中心から10ミリラジアン下方に照準点を配置することになる。しかしながら、ユーザが初期「零点規正」の位置から5ミリラジアンを仰角ターレットにダイヤル設定していたとすると、デジタル照準点は実際には初期「零点規正」の下方15ミリラジアンに狙いを付けることになる。
【0378】
ライフルスコープの主本体の光学系の第1の焦点面にデジタル表示を導入することにより、デジタル表示がターレットの調整又は正立系の位置におけるいかなる変化にも全く影響されないようにすることができる。つまり、上記の例では、合計で10ミリラジアンの正しい弾道降下のために、デジタル照準点がレチクルの中心から5ミリラジアン下方に現れるだけとなる(ユーザは以前に、初期「零点規正」位置から5ミリラジアンだけ仰角ターレットを回していた)。要するに、デジタルディスプレイ像を主本体の光学系の第1の焦点面に導入することにより、デジタルディスプレイ像は、ターレット位置のあらゆる変化、ひいては正立レンズ系の移動/傾きに完全に無関係となり、必要とされる精度を提供する。
【0379】
一実施形態では、レーザ測距計の性能は、取得されたデータに基づいて動的に定められる弾道解を提供する。標的までの距離は、トレーサの軌跡を処理する時に内蔵コンピュータで使用され、次の射撃用の弾道修正を決定するために使用する測定済み軌跡経路に沿って、最良の点を決定することができる。
【0380】
一実施形態では、レーザ測距計はスコープに組み込まれ、専用の出射レーザ伝送ポートを有する。一実施形態では、この専用レーザ軸の光路は、主対物レンズで遮られないようにハウジングの隅に位置決めされる。入射する反射レーザ信号用の検出経路はスコープの主対物レンズを通り、その光は、近赤外線ビームスプリッタによって光検出器に向けられる。この配置は、主対物レンズの比較的大きなアパーチャを利用して、測定の信号対ノイズ比を増大させる。
【0381】
図38~44は、光学系を備えた主本体3810と、統合表示システムを有して主本体3810に結合されたベース3820と、を有する観察光学機器3800の写真を提供し、レーザ測距計3830が主本体3810の上部に結合されている。観察光学機器3800は、外部ソースとの通信用に2つの補助ポート3805を有することができる。観察光学機器3800は、ベース3820内の電池キャビティ3005に対する電池キャップの外側に結合するピカティニーマウント3305を有することができる。
【0382】
図45~46は、光学系を備えた主本体4510と、統合表示システムを有して主本体4510に結合されたベース4520と、を有する観察光学機器4500の図解を提供し、レーザ測距計4530が主本体4510の上部に結合されている。観察光学機器4500は、レーザ測距計4530との通信用に単一の補助ポート4535を有することができる。
【0383】
図47及び48は、光学系を備えた主本体4710と、統合表示システムを有して主本体4710に結合されたベース4720と、を有する観察光学機器4700の図解を提供する。特定の実施形態では、観察光学機器4700は、ピカティニーマウント4730を有することができる。特定の実施形態では、観察光学機器は、補助ポート4735を有することができる。
【0384】
V.追加の実施形態
1.デジタル零点規正
一実施形態では、本開示は、位置合わせ及び零点規正のためにデジタルレチクルを使用する方法に関する。一実施形態では、観察光学機器は、物理レチクルとデジタルレチクルを有し、物理的レチクルはマウントシステムに接続されている。ユーザは、ターレットを用いて物理レチクルを「零点規正」し、レチクルの中心が弾丸の着弾点と一致するようにレチクル及びマウントシステムを移動させる。
【0385】
物理レチクルを零点規正した後で、デジタルレチクルも零点規正する必要がある。デジタルレチクルは、位置が固定されたアクティブディスプレイ又はデジタルディスプレイによって形成されるので、デジタルレチクルを零点規正する又は位置合わせする唯一の方法は、デジタル手段を使用することによる。デジタルレチクルの位置は、デジタルレチクルの中心が物理レチクルの中心と一致するように、ユーザが移動することができる。
【0386】
別の実施形態では、デジタル零点規正はまた、レーザデジグネータと共に用いることができる。外付けレーザ測距計と連動させて使用する場合、観察光学機器のレーザデジグネータは、レーザ測距計が指し示す方向と揃っている必要がある。ほとんどの外付けレーザ測距計は、可視レーザと赤外線レーザを有する。赤外線レーザは、実際に距離を測定するレーザである。可視レーザは、オン/オフさせることができ、赤外線レーザの照準と一致する 可視レーザによって、ユーザは、レーザがどこに狙いを付けているのかを確かめることができる。可視レーザがオンになると、ユーザは、可視レーザの照準点と一致するようにレーザデジグネータをデジタル的に調整することができます。次いで可視レーザをオフにすることができ、ユーザは観察光学機器表示内のレーザデジグネータを用いて、レーザ測距計の正確な照準を確保にすることができる。
【0387】
2.ホログラフィック導波管
一実施形態では、本開示は、第1の光学系を備えた主本体と、アクティブディスプレイとホログラフィック導波管とを備えたベースと、を有する観察光学機器に関する。一実施形態では、ホログラフィック導波管の統合により、従来のビーム結合系のパッケージサイズ及び重量が低減する。ホログラフィック導波管の統合により、各光学系の光がより大きな割合でエンドユーザに届くように、全体的な透過輝度比を増加させることができる。
【0388】
図49は、主本体4910内の光学系と、アクティブディスプレイ1210を有するベースと、ホログラフィック導波管系4925と、を備えた観察光学機器4900の代表的な図である。ホログラフィック導波管系4925は、主本体4910並びにベース4920に跨る。デジタルディスプレイ又はアクティブディスプレイ1210は、コリメーション光学素子4930に像を生成し、コリメーション光学素子4930は、この像を入射ホログラム導波管4926に送る。この像は、出力ホログラム4927を介して導波管を出て、光学系4940の第1の焦点面4930に導入される。
【0389】
一実施形態では、ホログラム導波管の統合により、ビームコンバイナになされる特殊なコーティングの必要性が低下する。更に、ホログラフィック導波管の統合より、ミラー系の必要性がなくなり、複雑な機械式位置合わせシステムの必要性が軽減される。
【0390】
ホログラフィック導波管の統合により、表示を結像させるために必要とされる複雑な光学系の複製を作り出すことができ、全ての系に置くべき複雑な系に対する必要性が排除される。
【0391】
ホログラフィック導波管の統合により、光学系内で情報を表示するためにLCOS、LCD及びOLEDシステムの使用が可能となる。システムの性質上、システム内で使用される種々のタイプのディスプレイと連動して、様々なタイプの照明系を使用することができる。
【0392】
ホログラフィック導波管の使用により、非静的な照明レチクルの実装が可能となる。 このレチクルは、画面上の像が変化する通りに変化させることができる。ホログラフィック導波管は、従来の照明方法を必要とせず、昼光の明るいレチクルシステムを可能にする。
【0393】
ホログラフィック導波管の統合により、非静的なホログラフィック視界を生成する機能が作り出される。出力結合ホログラムは、マスタ光学系で規定された光を送ることができ、ホログラフィック視界の照準図の変化を可能にする。
【0394】
ホログラフィック導波管の統合は、あらゆる単色又は多色光源と共に用いることができる。複雑な多重化ブラッググリッドを使用することで、多色照明系の統合が可能となる。
【0395】
3.弾丸軌跡の追跡
長距離交戦に関係する困難の1つは、最初の射撃の精度を判定して、次の射撃の精度を向上させるために適時に修正できるようにする能力である。そのラウンドの着弾点を決定するのに使用される従来の技法は、弾丸の痕跡及び/又は実際の弾丸飛散点を検出しようとすることである。これは、多くの長距離交戦で困難な可能性がある。狙撃兵チームの場合、追撃射撃では、適切なデータを射手に送り返すために、観測手からのフィードバックも必要となる。これには、口頭伝達だけを用いて数秒を要する場合がある。
【0396】
一実施形態では、観察光学機器は、弾丸の飛翔経路と関係する画像フレームを検出し、これらの画像フレームをコンピューティングデバイスに伝達するように適合された画像センサを有することができ、その場合、コンピューティングデバイスはこれらの画像フレームから弾丸の軌跡を計算することができる。
【0397】
一実施形態では、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器により、標的領域に着弾する直前の弾丸の軌跡を決定するために、内蔵の画像処理機能で曳光弾を検出することができる。一実施形態では、このデータを弾道コンピュータに伝達して戻し、これにより迅速且つ効率的に第2ラウンド用の追撃発射解を生成することができ、この解は、アクティブディスプレイに伝達され、修正された照準点が観察光学機器の主本体の第1の焦点面に重畳することができる。
【0398】
コンピュータによる軌跡及び飛散点の検出を備えたフィードバックループを自動化し、これをアクティブディスプレイに結びつけ、第1の焦点面に電子的な照準点修正を重畳することによって、正確な第2射撃を行うのに必要とされる総時間が有利に減少する。この時間削減は、交戦過程における極めて重要な点となる場合がある。第1射撃を行った後、特に第1射撃の衝撃波音が意図する標的に到達した時点を超えて遅れた場合には、第2射撃を行う好機はすぐに狭まる可能性がある。
【0399】
環境条件とウィンデージドリフトは、長距離にわたるラウンドの弾道軌跡に相当な影響を与える可能性がある。例えば、M193の弾丸は、時速10マイルの適度な横風において500ヤードで約4フィートだけドリフトする可能性がある。弾丸の速度は飛翔の範囲及び総時間が増加するにつれて減少するので、ウィンデージの影響は、距離が大きいほどより一層過大なものとなる。
【0400】
様々な曳光弾のオプションが利用可能である。標準的なトレーサは、飛翔経路内の弾丸の軌跡を確かめるために射手によって従来から使用されている。曳光弾では、トレーサ材の組成に応じて可視スペクトル又はIRスペクトルで光を放つことができる。後者は、射手が暗視機器を使用している場合に有効である。更に、一部のトレーサは、初めは微かに発光し、ラウンドが距離に沿って進むにつれて明るくなる場合がある。ヒューズ素子は、弾丸が十分に距離に沿うまでトレーサ材の発火を遅らせるために、そのラウンドの発射の後にトレーサが輝くタイミングを制御することができる。ヒューズの遅延は、トレーサが射手の発射位置を明らかにしてしまうというリスクを低減する。
【0401】
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、標的領域に着弾する直前の弾丸の軌跡を検出、決定、及び/又は表示するために曳光弾を使用することができる。一実施形態では、長遅延ヒューズを有し、電磁スペクトルの近赤外領域(700~1000nm)で発光する隠密トレーサを使用することができる。近赤外領域で放出された光は、人間の目には見えないが、従来のガラス光学機器を用いた撮像センサによって検出することができる。このタイプの曳光弾は、次射撃修正要件を正確に決定するために重要な自動化弾丸追跡機能を提供しながらも、スナイパ作戦に対する射手の隠密性を維持する上で特に有効であるとすることができる。このように、様々な実施形態は、本明細書に記載する機能を実装するために、1又は2以上の曳光弾と連携するように適合される。
【0402】
昼光実施形態の撮像センサは可視光にも敏感なので、標準的な昼光トレーサも、弾丸追跡のために使用することができる。可視光と近赤外光の双方の場合において、システムは着弾前の最後の瞬間に弾丸の飛翔を検出するだけでよいので、曳光弾では、隠密性を高めるために長遅延ヒューズを有するという利点を活かすことができる。
【0403】
一実施形態では、観察光学機器と関係するカメラは、弾丸の軌跡を記録することができ、観察光学機器に埋め込まれた一式のセンサを用いて、弾丸の厳密な地理位置的軌跡、並びに弾丸の着弾点を計算することができる。
【0404】
別の実施形態では、観察光学機器はまた、銃器からの反動を補償するために安定化カメラを使用することができる。観察光学機器は、安定化カメラの移動を正確に追跡し、その移動を補償して弾丸の地理位置的軌跡を正確に計算することになる。この実施形態により、射手は、自分自身の軌跡を正確に追跡し、あらゆるミスをより正確に補正できることになる。
【0405】
双方の実施形態で、弾丸の地理位置的軌跡を次いで他のユーザと共有することができ、他のユーザも、自分の視野内にその軌跡を表示するためにマイクロディスプレイ又はホログラフィ技術を用いる別のライフルスコープ、スポッティングスコープ、又はゴーグルなど、自分が使用しているデバイスでディスプレイを起動させる。
【0406】
一実施形態では、弾丸軌跡の追跡は、光っている飛翔中のトレーサ弾丸のビデオフレーム画像を取り込むステップを組み込む。選択された画像フレーム内での弾丸の空間的位置は、画像処理技術によって抽出され、次いで弾丸の軌跡を確立するために他のビデオフレームからのデータと互いに関係付けられる。
【0407】
画像フレームは、発射事象との相関性に基づいて処理するために選択される。弾丸が兵器から発射されると、様々な実施形態に含まれる内蔵の兵器軸加速度計から得られた加速度計データを処理することにより、銃口出射の時間が直ちに判定される。次に、銃口出射時間からの相関窓が開始され、その場合、様々な実施形態でビデオ画像のフレーム毎の処理が始まり、その中で、空間内の特定X-Y位置において曳光弾と関係するピクセルの小クラスタを特定する。弾丸はX-Yフレーム内で少数の個別ピクセルを通過するので、フレーム画像は、弾丸を捕捉するために最適化された露光時間で撮影することができる。カメラのフレームレートと銃口出射時間が分かっているので、各フレームにおける兵器から弾丸までの距離は、弾丸の既知の飛翔特性を用いて確立することができる。このデータは、各兵器及びその関係するラウンドに関連した内蔵テーブルに含まれる、又は代わりに、兵器照準器との戦術ネットワーク通信から受信される。
【0408】
レーザ測距計の測定値から標的までの絶対的な距離が分かっていれば、その標的距離に対応する軌跡上の点を決定することによって、標的距離におけるラウンドの位置を計算することができる。この技法の優れた点は、測定が飛翔中のデータから行われ、物理的な表面への弾丸の衝突に依存しないことである。計算された位置は、兵器の位置に対する仰角及び方位角に対応することになり、精度を高めるために必要とされる弾道指向修正を決定するために使用することができる。この次射撃弾道修正計算の一部として、様々な実施形態では、慣性指向角データを用いて、銃口出射時の銃の慣性指向角と飛散時の指向角との間で相対基準点を計算する。これにより、計算は、標的距離への弾丸の飛翔時間中に生じた銃のあらゆる角運動を考慮することができる。
【0409】
4.追加の構成
図50は、スコープ本体5005と、スコープ本体5005の上部の区画又はノッチ5010とを有するライフルスコープ5000の代替の実施形態を示す。区画5010は、アクティブディスプレイ5015と集光器光学機器5020とを備えた統合表示システムを有する。統合表示システムは、ディスプレイ5015と集光器光学機器5020がビームコンバイナ5025と平行になるように配向される。この実施形態では、ミラーなどの反射面は必要とされない。
【0410】
図51は、スコープ本体5005と、スコープ本体5005の上部の区画又はノッチ5010とを有するライフルスコープ5000の代替の実施形態を示す。区画5010は、アクティブディスプレイ5105と、集光器光学機器5110と、ミラー5115とを備えた統合表示システムを有する。統合表示システムは、ディスプレイ5115と集光器光学機器5110がビームコンバイナ5025と垂直になるように配向される。図51では、アクティブディスプレイ5105は、観察光学機器の対物レンズ系と比べて接眼レンズ系に近接している。
【0411】
図52は、スコープ本体5005と、スコープ本体5005の上部の区画又はノッチ5010とを有するライフルスコープ5000の代替の実施形態を示す。区画5010は、アクティブディスプレイ5105と、集光器光学機器5110と、ミラー5115とを備えた統合表示システムを有する。統合表示システムは、ディスプレイ5115と集光器光学機器5110がビームコンバイナ5025と垂直になるように配向される。図52では、アクティブディスプレイ5105は、観察光学機器の接眼レンズ系と比べて対物レンズ系に近接している。
【0412】
アクティブディスプレイ5105から生成された像はミラーに導かれ、スコープ本体5005内のビームコンバイナ5025を用いて、観察光学機器を通して観察者によって観察されるシーンの像と結合され、生成された像と観察像を同時に重畳又は重ね合わせることができ、結合像が第1の焦点面に導入される。ビームコンバイナ5025は第1の焦点面1510より前に位置決めされ、結合像は第1の焦点面上に合焦するので、生成された像と観察像とは互いに対して移動しない。これは、第2の焦点面に像を導入するデバイスと比べて大きな進歩である。
【0413】
更に別の代替の実施形態では、観察光学機器は、スコープ本体と、アクティブディスプレイと集光器光学機器とを備えた分離可能なベースとを有し、アクティブディスプレイ及び集光器光学機器は、ビームコンバイナと平行である。この実施形態では、ミラーなどの反射面は必要とされない。ベースは、観察光学機器の主本体の底部と結合する。
【0414】
マイクロディスプレイ5105から生成された像は、スコープ本体内のビームコンバイナを用いて、観察光学機器を通して観察者によって観察されシーンの像と結合され、生成された像と観察像を同時に重畳する又は重ね合わせるようにすることができ、結合像は第1の焦点面に導入される。ビームコンバイナは第1の焦点面より前に位置決めされ、結合像は第1の焦点面上に合焦するので、生成された像と観察像とは互いに対して移動しない。これは、第2の焦点面に像を導入するデバイスと比べて大きな進歩である。
【0415】
本明細書で開示される光学照準及び方法は、ディスプレイ又は観察装置、デバイス、照準器、又はスコープとすることができ、兵器、銃、ライフル銃、レーザ標的ロケータ、測距計のためのもの、又はその上にあるもの、又はこれらの一部、又はこれらに対するアドオン付属品としてものとすることができる。実施形態は、兵器、又は装置に搭載することができ、或いは手持ち式又はヘルメット搭載式とすることができる。
【0416】
V.高度なレチクル特徴を備えた観察光学機器
A.倍率設定に基づくアクティブディスプレイのパターン
一実施形態では、本開示は、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、統合表示システムのアクティブディスプレイは、視野の第1の焦点面に投影される複数のレチクルパターンを生成する。
【0417】
一実施形態では、本開示は、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、統合表示システムのアクティブディスプレイは、倍率レベルに基づいてレチクルパターンを生成する。
【0418】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の倍率レベルを追跡又は監視することができる1又は2以上のセンサを備えた主本体と、統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、統合表示システムのアクティブディスプレイが倍率レベルに基づいてレチクルパターンを生成する。倍率レベルに応じて、アクティブディスプレイシステムは、種々の光学倍率レベルに対して最適化された種々のレチクルパターンを生成することができる。一実施形態では、統合表示システムのアクティブディスプレイは、倍率レベルに基づいてレチクルパターンを自動的に切り替えることができる。
【0419】
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、使用されている特定の倍率設定に対して最適化されたデジタル特徴又は照準点を投影することができる。
【0420】
一実施形態では、観察光学機器の主本体は、観察光学機器の光学倍率の調整を示す信号を生成するために、照準デバイスの倍率調整機構に関連付けられたセンサを有する。観察光学機器は更に、センサ及び統合表示システムのアクティブディスプレイと通信する電子コントローラを含む。電子コントローラは、センサが生成した信号に応答して、アクティブディスプレイと通信してレチクルパターンを生成し、該レクチルパターンは、遠方の対象物の像上に重畳されて接眼レンズを通してその視野内で観察可能である。
【0421】
一部の実施形態では、電子コントローラ及びアクティブディスプレイは、第1の倍率設定値を示す信号に応答して、近接戦闘用レチクルパターンなどの第1のレチクルパターンを生成するように構成され、並びに、第1の倍率設定値よりも大きい第2の倍率設定値を示す信号に応答して、電子コントローラ及びアクティブディスプレイは、第1のレチクルパターンとは異なる第2のレチクルパターンを生成することができる。例えば、第2のレチクルパターンは、スナイパレチクルなどの長距離レチクルパターンとすることができる。
【0422】
一部の実施形態では、センサは、電気機械式又は光学式のデジタルエンコーダ(回転式でも線形でもよい)、ポテンショメータ、1又は2以上の磁石と1又は2以上のホール効果センサとの組み合わせ、或いは倍率調整機構の位置又は移動を感知して対応する電気信号を生成するように動作可能な他の適切なデバイスを含むことができる。一実施形態では、センサは、図69及び70に記載されている。
【0423】
一実施形態では、アクティブディスプレイは、観察光学機器の主本体内にない。
【0424】
一実施形態では、1又は2以上のレチクルパターンは、限定ではないが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21パターン以上を含むパターン数から選択することができる。一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、少なくとも10、又は少なくとも20、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50のレチクルパターンの中から選択することができる。
【0425】
一実施形態では、統合表示システムのアクティブディスプレイは、特定の倍率設定に基づくレチクルパターンを視野の第1の焦点面に投影する。倍率設定を変更すると、アクティブディスプレイから生成されたレチクルパターンは、照準点が操作者にとって直ちに役に立つように切り替わる。レチクルの切り替えは、倍率設定に基づくことができる。
【0426】
例として、限定ではないが、1Xの倍率設定では、アクティブディスプレイは、第1焦点面に投影される小さなセンタドットを生成することができる。倍率を8Xに変更すると、アクティブディスプレイは、第1の焦点面に投影される長距離ホールドオーバ・ドットを備えたクロスヘア・パターンを生成する。センサが倍率の変更を判定し、これがコントローラに伝達され、これによりアクティブディスプレイのレチクルパターンが変更される。
【0427】
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、操作者が短距離及び長距離の標的と交戦するのを支援するように設計された情報及び照準点を投影する。一実施形態では、複数の「ページ」の情報又はレチクルパターンを設計して、システムにロードすることができ、倍率設定に応じて異なるページを表示することができる。
【0428】
一実施形態では、アクティブディスプレイからのレチクルパターンは、第1の焦点面のエッチング式レチクルの上に投影される。デジタルレチクルをエッチング式又は固定式のレチクルに投影することで、システム障害の場合に必要な保護が提供される。
【0429】
図53は、倍率1Xでの近接戦闘用レチクル5300の代表的な図である。弓形の太い線5305、主水平線5307、主垂直線5309、数字及び矢印は、エッチング式レチクルの構成要素である。センタドット5310は、統合表示システムのアクティブディスプレイから生成される。このタイプのレチクルは近接戦闘に使用され、センタドットは、迅速な標的捕捉用照準点を表す。
【0430】
図54は、図53のレチクルの概略図であるが、観察光学機器の倍率設定を8xにしたものである。図示のように、アクティブディスプレイから投影されるセンタドット5310は、倍率8Xの下では目立ち過ぎるほどに大きくなっている。
【0431】
図55は、観察光学機器が8Xの倍率設定に設定された場合に有用な情報を提供するレチクルパターン5500の代表的な図である。弓形の太線5502、主水平線5504、主垂直線5506、数字及び矢印が、エッチング式レチクルを表している。中央照準点5510、6つの弾道補正ウィンデージドット5520、並びに標的までの仮想距離を表示する測距計デジグネータを示す左上の正方形5530は、アクティブディスプレイによって生成された構成要素である。
【0432】
図56は、低倍率設定でのレチクルパターン5500の代表的な図である。
【0433】
図53~56を参照すると、光学倍率設定が1Xの場合、レチクルパターン5300は、エッチング式レチクルの特徴5305、5307、及び5309と共に、アクティブディスプレイから生成されて第1の焦点面レチクルの上に投影された複数のマーク5310(円及び/又は照準ドットなど)の第1セットを含む。好ましくは、マーク5310の第1セットによって少なくとも部分的に形成されたレチクルパターン5300は、図53に示すような、雑然さの少ない可視領域を提供するために最小限のマークを有する近接戦闘用レチクル(CQBレチクル)の一種である。
【0434】
光学倍率設定値が増大すると、電子コントローラ及びアクティブディスプレイは、(限定ではないが、図69及び70に記載するセンサを含む、センサから受信した信号に応答して)第1のレチクルパターンを複数のマークの第2セットと置き換え/変更し/交換し、その第2セットは、第1のレチクルパターン5300とは異なる第2のレチクルパターン5500を(少なくとも部分的に)形成し、典型的には少なくとも幾つかの異なる機能を含む。
【0435】
例えば、第2のレチクルパターンは、距離の推定、ウィンデージ調整及び仰角調整の計算、又は図55に示すような測距レチクルで一般に使用される他の適切なマークと関連するような、異なる照準特徴と追加のマークを含むことができる。
【0436】
従って、アクティブディスプレイ用に複数「ページ」の特徴及びレチクルパターンを生成し、これらをメモリシステムに保存し、操作者が観察光学機器の倍率設定値を変更する際にレチクルパターンを自動的に切り替えることは、非常に有用であることが分かる。
【0437】
B.アクティブなBDCレチクル
弾道落下補正(BDC)レチクルは、水平方向クロスヘアの下方に位置付けられる垂直クロスヘアの部分にハッシュマークを配置するように設計される。これらのハッシュマークは、試行する特定の距離で設計され、特定の弾道プロファイル又はそのセットと厳密に一致する。
【0438】
しかしながら、現行のBDCレチクルの設計は固定設計である。これは、レチクルがワイヤ、金属を用いて、又はガラスをエッチングして製造されることに起因する。レチクルを製造してライフルスコープに設置すると、このレチクルは、取り出して新しいものを設置することなしには変更することができず、実際には、スコープを製造業者に送り返すことで達成できるに過ぎない。
【0439】
一実施形態では、本開示は、光学系を備えた主本体と、アクティブディスプレイを備えた統合表示システムを有するベースとを有する観察光学機器に関し、このアクティブディスプレイは、ユーザによりいつでも手動で変更できる、或いは更に、観察光学機器のソフトウェア及びセンサによってリアルタイムで自動的に変更できるBDCレチクルを生成することができる。
【0440】
本明細書で開示される観察光学機器用のBDCレチクルを生成するため、ライフルスコープは、ライフル銃及び発射する弾薬の特定の弾道プロファイルに対してプログラムすることができる。次に、観察光学機器は、上述のように温度、圧力、湿度、カント角、傾斜角などのセンサを有し、これらは、BDCレチクルが全ての条件に対して可能な限り正確となるように、BDCレチクルに対してリアルタイムの更新を提供する上で助けとなることができる。これにより、BDCレチクルは、各ライフル銃及び特定の射撃条件に合わせてカスタマイズすることができる。
【0441】
アクティブディスプレイによってリアルタイムで生成されたBDCレチクルによって、射手は、様々な距離で正確且つ迅速に射撃するための正確なシステムを有することができる。
【0442】
図57に示すように、レチクル5700は、主水平線5702、主垂直線5704、並びに主垂直クロスヘアに沿った数値マーキング及びハッシュマークを含む、標準的なエッチング及び充填の部分を有する。レチクル5700はまた、アクティブディスプレイによって生成されて第1の焦点面レチクルに投影されたパターン及びマークを有する。この形態のBDCレチクルにおけるアクティブディスプレイのマークは、数値マーキング5710(第3及び第4象限における垂直軸上の100~900)を含む。この部分はデジタルディスプレイから投影されるので、リアルタイムで更新することができる。
【0443】
アクティブなBDCレチクルに加えて、ユーザ/射手は、標的が急速に様々な距離で現れる可能性のある領域において他の構成員を援護する位置に自分がいるのに気づくことがある。例えば、ビルの上で、交差道路又は出入り口のある路地又は道路を見下ろしている狙撃者が挙げられる。アクティブディスプレイは、コンパス、カント角、傾斜角、GPSなどのライフルスコープに組み込まれた様々なセンサと連動して使用することができ、ライフルスコープが指し示す方向を正確に決定することができる。
【0444】
環境センサを有する観察光学機器、第1の焦点面にBDCレチクルを生成して投影するためのアクティブディスプレイを有する統合表示システム、及び測距計を用いて、ユーザは、ドア、窓、車などの既知のランドマークに照準を合わせ、コントローラ及びアクティブディスプレイを使用してこれらランドマーク上に距離マーカを配置することができる。これらの距離マーカは、第1の焦点面に投影され、観察光学機器を通して見ることができる。環境センサにより、ユーザは、観察光学機器を移動させて別の標的を観察することができるが、距離マーカは標的の上に留まる。
【0445】
図58は、アクティブディスプレイで生成されて第1の焦点面レチクルに投影されたBDCレチクルの代表的な像であり、潜在的な標的までの距離が表示されている。環境センサを備えた主本体と、BDCレチクルを生成するためのアクティブディスプレイを備えた統合表示システムを有するベースとを有する観察光学機器により、ユーザは、1又は2以上の領域内の複数標的に距離表示を付けることが可能となる。この場合、標的が標的マーカの近くに現れた場合、ユーザは、標的に照準を合わせなくても、標的までの距離を迅速に特定できることになる。次にユーザは、アクティブなBDCレチクルを用いて素早く正しい位置に保持し、標的に合わせることができる。
【0446】
C.銃器のカントを補正するレチクル
従来のライフルスコープでは、長距離射撃を行う場合、射撃時に銃器とスコープが水平であることが重要である。弾丸が長距離を移動する場合、弾は、射手が考慮しなければならない程度に重力の影響を受ける。重力は弾丸を地面に向かって終始一貫した方向に引っ張り、「弾丸の落下」を引き起こす。射手は、弾丸が標的に到達するまでには適切な高さまで落下して標的に命中するように、標的よりも高く狙いを付けることでこの弾丸の落下を補償する。
【0447】
図59は、カント角の代表的な図である。この三角形は、上が角度10°で下が直角の直角三角形であることがよく分かる。10ミリラジアンの辺は、斜辺である三角形の辺になっており、クロスヘアの傾斜した垂直断面を表す。しかしながら、重力は三角形の垂直な辺に作用している。
【0448】
三角法を用いて、垂直な辺の長さを次の式で解くことができる:Cos10° = x/10ミリラジアン。xについて解くと9.85ミリラジアンという結果になる。つまり、この例では、ユーザ/射手は10ミリラジアンを保持した又はダイヤル設定した可能性があるが、9.85ミリラジアンの射撃を補正したに過ぎない。長距離では、これは的を外すに十分である。
【0449】
一実施形態では、本開示は、アクティブディスプレイを用いて、銃器のカントを補正できるレチクルを生成する統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。ユーザは、カント角を気にすることなく、シームレスに遠距離射撃を行うことができる。
【0450】
従来のライフルスコープでは、レチクルは金属、ワイヤ、又はガラス上に恒久的にエッチングされたパターンの何れかである物理的なクロスヘアである。これは、レチクルのカントが常に固定されていることを意味する。しかしながら、リアルタイムレチクルを生成するアクティブディスプレイ技術の場合、パッシブ像の上にデジタルレチクルを重ね合わせることによって、デジタルレチクルをいつでも変更することができる。一実施形態では、観察光学機器は、カント角を補正するためにアクティブディスプレイによって生成されたレチクルを瞬時に配向することのできる内部カントセンサを有する。
【0451】
図60は、統合表示システムのアクティブディスプレイによってマーク及びパターンがカント用に配向されて生成された、レチクル6000の代表的な図である。主水平線6002及び主垂直線6004は、パッシブ又はエッチング式又は固定式のレチクルによって提供される。アクティブレチクル6020によって生成された照準点は、カントを補正し、パッシブレチクルの上に投影される又は重ね合わされる。枢動点6010はレチクルの中心にある。この場合、電子コントローラ/マイクロコントローラは、カント角センサ及び傾斜角センサから収集された情報を使用し、ソフトウェアロジックを適用し、アクティブディスプレイと通信して、この時点での銃器の向きに対応する新しい零点規正位置、関係する幾何学的配置及びホールド点を反映するように生成された像の照準点6020を調整することになる。ユーザは、パッシブレチクル又は固定式レチクルの代わりに、アクティブディスプレイで生成されたデジタルレチクルで撃つことになる。
【0452】
別の実施形態では、統合表示システムのアクティブディスプレイは、カントを補正すると共に、デジタルレチクル上の照準点を上下に調整することによって上り傾斜角又は下り傾斜角での射撃を補正する、デジタルレチクルを生成することができる。これにより、この種の状況での射撃を補正するためにしばしば使用されるコサインインジケータが不要となる。
【0453】
D.偏流インジケータを備えたデジタルレチクル
従来のライフルスコープでは、風インジケータを有するレチクルは通常、ガラスエッチング式レチクルである。多くの場合、これらのレチクルはグリッドパターン又はドット列を備え、狙いを付けて風速を補償するために使用する基準点をユーザが有することができるようになる。これらのレチクルについての問題点は、レチクルがガラス片上を物理的且つ恒久的にエッチングされるために、この形状及びサイズが固定されることである。
【0454】
一実施形態では、本開示は、主本体と、標的までの距離を補償する偏流インジケータを使用するデジタルレチクルを生成するためのアクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えたベースと、を有する観察光学機器に関する。一実施形態では、デジタルレチクルは、パッシブレチクルの上に重ね合わされる。パッシブレチクルの上に重ね合わされたデジタルレチクルを使用することにより、観察光学機器は、特定状況の弾道、距離、及び環境に対してリアルタイムのウィンドホールドを適合させることの可能なレチクルを有することができる。
【0455】
一般的に、距離が長くなるほど、横風が弾丸に与える影響は大きくなる。デジタルレチクルを使用することで、距離が増大するにつれてウィンドホールドをより広げて、標的に対する特定距離での風値を補償することができる。
【0456】
図61は、レチクル6100の代表的な図である。複数の構成要素又はマーカが、主水平方向クロスヘア6102及び主垂直方向クロスへア6104を含むパッシブレチクルによって提供される。統合表示システムのアクティブディスプレイは、500ヤードに測距された標的6105と、特定条件に対するウィンドホールド6110とを生成して投影する。補助水平線(主垂直線を横切る)の端は5mphの偏流に等しく、次のドットは10mphであり、最も外側のドットは15mphとなる。アクティブディスプレイから生成された像6105及び6110は、パッシブレチクルの上に重ね合わされる。
【0457】
図62は、レチクル6200の代表的な図である。複数の構成要素又はマーカが、主水平方向クロスヘア6202及び主垂直方向クロスへア6204を含むパッシブレチクルによって提供される。統合表示システムのアクティブディスプレイは、1000ヤードに測距された標的6210と、特定条件に対するウィンドホールド6220とを生成して投影する。水平線(主垂直線を横切る)の端は5mphの偏流に等しく、次のドットは10mphであり、最も外側のドットは15mphとなる。アクティブディスプレイから生成された像6210及び6220は、パッシブレチクルの上に重ね合わされる。補助水平線6220がより幅広く延び、風ドットは、弾丸がより長い距離を移動する際に誘発される追加の偏流を補償するために、500ヤード(図61)の解と比べて更に両側に広がっていることが分かる。
【0458】
E.第2射撃修正用の中央グリッド付きレチクル
従来、パッシブレチクルは、様々な条件及び様々な弾道で射撃するために射手が多くの基準点を有することができるように設計されてきた。しかしながら、条件及び弾道の多様性が非常に幅広く変化するため、これらのレチクルは、線又はドットのグリッドなど、ユーザにとってレチクルが雑然又は煩雑に見える原因となる多くの特徴をレチクル上に有する傾向があった。
【0459】
一実施形態では、本開示は、アクティブディスプレイで生成され、パッシブレチクルに重ね合わされるデジタルレチクルを備えたレチクルシステムに関する。デジタルレチクルの使用により、情報を必要に応じて適切に表示することが可能となって、特定の情報をパッシブレチクル上に表示する必要がなくなり、これにより、よりすっきりした又はより見分け易いパッシブレチクルが提供される。
【0460】
一実施形態では、本開示は、アクティブレチクルと連動して最も効率的に機能するように設計されたパッシブレチクル又はアナログレチクルを有する観察光学機器に関する。アクティブレチクル技術により、観察光学機器は複雑な計算を行い、ユーザに弾道解を表示することができる。一般的に、弾道解は、視野の中心又はパッシブレチクルのクロスヘアの中心にない。このため、ユーザには、弾道解の上に中心をホールドオーバするか、又は弾道解が視野の中心に、且つパッシブなクロスヘアの中心に来るまでターレットを回して射撃を行うかの何れかの選択肢が与えられる。
【0461】
一実施形態では、本開示は、線及びドットの広大なグリッドを使用する、以前のパッシブレチクルがもたらしたような視野の妨害を最小限に抑えながら、射手が最も効果的且つ効率的に第2射撃修正を行うことを可能にするアナログレチクル及びデジタルレチクルを備えた観察光学機器に関する。
【0462】
図63は、低倍率におけるレチクル6300の広角図の代表的な図である。水平方向クロスヘアの下方に、それほど目障りでないドット列が使用されている。このパッシブレチクルは、観察光学機器の電池電源又は電子機器の故障でアクティブディスプレイを生成できない場合に、バックアップとして使用することができる。
【0463】
図64は、レチクル6400の中央部分のクローズアップ図の代表的な図である。図64は、より高い倍率の眺めを提供する。この像は、統合表示システムのアクティブディスプレイによって生成された小さなグリッド6410を示し、レチクルの中心に位置付けられる。これにより、ユーザは、第1射撃着弾位置の正確な測定を行って正確な第2射撃修正を行うことができる。
【0464】
一実施形態では、アクティブディスプレイによって生成されるグリッド6410は、高さよりも幅が大きい。これは、第1射撃に関する着弾の仰角計算の方が偏流の推定よりも正確であるため、特に設計されている。この実施形態では、小さなグリッドの小さなプラスの特徴は、照明されない非常に細かい特徴であり、極めて精密な測定を可能にする。
【0465】
アクティブレチクル又はデジタルレチクルでは、非常に接近して第1射撃を取得する必要があり、従って、中央グリッドは、水平方向クロスヘア下方で視野のかなりの部分を網羅する広大なグリッドを必要とする典型的なパッシブレチクルよりも、遥かに小さくすることができる。
【0466】
VI.自動輝度調整
本出願全体にわたって議論するように、統合表示システムにより、アクティブディスプレイで生成されたデジタル像を外部シーンの像の上に重ね合わせることが可能となる。このアクティブディスプレイは、ディスプレイの照明された部分を用いて、外部シーンの像に導入される。ディスプレイを最も使い易くするには、パッシブなシーンの輝度と照明されたディスプレイの輝度とのコントラスト比を高くして、両方を容易に見えるようにすることが望ましい。ディスプレイが暗過ぎると、ユーザは見ることができない。ディスプレイが明る過ぎると、ディスプレイはパッシブなシーンを圧倒する。
【0467】
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを備えた主本体と、特定標的の輝度を検出してこれを補正することができる光センサとを有する観察光学機器に関する。
【0468】
図71は、主本体7005と、主本体に結合されたベース7010とを備えた観察光学機器7000の代表的な概略図を示している。主本体7005は、外部シーンの像を観察するための光学系と、ビームコンバイナ7020とを有し、ビームコンバイナ7020の上方にはフォトセンサ7025と光フィルタ7030とが位置付けられる。これにより、フォトセンサは、視野内に障害物を生じることなく標的シーンを直接見ることができる。ベース7010は、観察光学機器の第1の焦点面に投影される像を生成するためのアクティブディスプレイを備えた統合表示システム7015を有する。
【0469】
フォトセンサ7025と光フィルタ7030は、外部シーンの像の輝度とアクティブディスプレイから生成された像の輝度との間に高いコントラスト比を生成する。
【0470】
一実施形態では、フォトセンサの前面にあるフィルタの透過帯域は、十分に狭く調整することができるので、標的の輝度だけが測定され、測定を歪めることになる表示システムからの追加の光は測定されない。
【0471】
VII.自動測距性能を備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、自動測距を支援するカメラの使用を組み込んだ統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、本開示は、統合表示システムを備えた観察光学機器と、自動測距を支援するカメラと、レーザ測距計とを備えたシステムに関する。
【0472】
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを有する観察光学機器と、画像認識技術を組み込んだカメラとに関する。本明細書で開示されるシステム及び方法は、標的解を取得する速度を大幅に増大させ、照準点に影響を与える可能性のあるボタン押下を不要にする。更に、本明細書で開示されるシステム及び方法は、人工知能をシステムに統合して、測距された標的解の質を判定する。
【0473】
一実施形態では、観察光学機器は、画像認識技術を組み込んだカメラを有する。一実施形態では、カメラは、統合表示システムを有する観察光学機器か銃器の何れかに取り付けることができ、ライフルスコープの照準点の方向を向くことになる。
【0474】
一実施形態では、カメラは、標的を検出して、標的を強調表示するために統合表示システムのアクティブディスプレイと通信するための人工知能を有する。別の実施形態では、人工知能システムを観察光学機器に組み込むことができる。一実施形態では、人工知能システムは、観察光学機器の主本体に結合されたベース内に設置することができる。
【0475】
別の実施形態では、画像認識技術を欠いた熱撮像カメラを使用することができる。これにより、熱画像をアクティブディスプレイに伝達し、観察光学機器内の外部シーンの像の上に重ね合わせることが可能となる。観察光学機器は、対象となる「ホットスポット」だけを表示するようにプログラムすることができる。例えば、ホットスポットは、人の熱、又は車両の熱などを示す。人工知能を排除することで、システムが消費する電力が大幅に削減される。更に、適切なホットスポット全てが視野内に現れ、ユーザは、それぞれのホットスポットを評価して標的が有効か否かを判定することができる。
【0476】
有効な標的を特定した後、ユーザは、視野内のLRFデジグネータが所望のホットスポットの上に来るように観察光学機器を移動するだけである。LRFデジグネータをホットスポットに合わせるとすぐに、システムは自動的にLRFを起動させてホットスポットの距離を取得する。距離を取得した後、観察光学機器は標的の距離のホールド点を表示するか、又は単に距離を示すことができ、ユーザは、アクティブBDCモードを使用して、標的までの適切な測定距離に対してアクティブなBDCレチクルをホールドオンすることができる。
【0477】
システムに対する追加の機能は、ホットスポットが有効な距離の取得に足りるだけ長くLRFデジグネータ内に残存しているかどうかを自動的に検出できるというものである。そうでない場合、解を表示するより前に、有効な標的捕捉を達成するのに適切な長さの時間だけホットスポットがLRFデジグネータ内に残存するまで、距離の表示を待つことになる。これにより、ボタン押下に対する第2の問題が排除されることになる。
【0478】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の第1の焦点面に投影される重ね合わせカメラ画像を使用すること、並びにこの画像をLRFデジグネータと連動して使用し、自動的に標的を測距することに関する技術及び方法に関する。
【0479】
VIII.電力を節約するためにフォトセンサを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、統合表示システムと省電力システムとを備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、省電力システムは、観察光学機器の主本体に結合されたベース内に設置することができる。一実施形態では、省電力システムは、近接センサを備える。一実施形態では、近接センサはマイクロコントローラと通信する。
【0480】
一実施形態では、省電力システムは、ユーザ/操作者が観察光学機器を覗いていない時に、観察光学機器をスリープモード又はスタンバイモードにするために使用することができる。一実施形態では、システム及び機構は、ユーザ/操作者が観察光学機器の接眼レンズ後方に検出された時に、観察光学機器を目覚めさせる又は起動させることができる。
【0481】
電子機器をスリープ状態又はスタンバイ状態にする現行の方法は、「タイムアウト」機能の使用によるが、観察光学機器が近接戦闘任務に使用されている場合、観察光学機器は、これを覗いている操作者がいる限り、不確定な時間の間オン状態に留まる必要があるため、これは不利である。移動を検出してシステムをオンにするために、加速度計を使用することもできる。この方法の欠点は、操作者が観察を行っている場合に、操作者がまだ観察光学機器を覗いているにも関わらず、銃は長時間にわたりほとんど移動がなくてスリープ状態になる可能性があることである。
【0482】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の接眼レンズ後方に検出された操作者が存在する時に観察光学機器をオンにすることによって電池電力を節約するシステムに関する。
【0483】
一実施形態では、省電力システムは、観察光学機器を使用する時に操作者の顔から数インチ以内に近接センサを実装することと適合性のある何れかの電気光学機器で使用することができる。
【0484】
一実施形態では、本開示は、主本体と、主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器に関し、ベースは、接眼レンズの方を向いたベースの背面に窓を有する。
【0485】
一実施形態では、ベースは、キャリアに設置された近接センサを有し、キャリアは、接眼レンズの方を向いたベースの端部に位置付けられる窓の中に設置される。近接センサは、それが窓から数インチ以内で反射を検出した時に、ベース又は主本体内のマイクロコントローラに信号を伝達することができる。対象物がセンサを起動させる距離は工場で調整することができ、或いは、操作者がセンサの感度を調整するか、又は自動スリープ/スタンバイ機能を無効化/有効化することを可能にするためにソフトウェアオプションをユーザインタフェースに組み込むことができる。
【0486】
図72は、ベース7205を有する観察光学機器7200の代表的な図である。ベース7205には、観察光学機器の主本体の接眼レンズの方に向けて窓7210が設置される。窓7210内には近接センサ及びキャリア7215が設置され、接眼レンズの下方に位置付けられる。
【0487】
図73及び74は、省電力システムを備えたベースを有する観察光学機器7200の代表的な図であり、観察光学機器はライフル銃に取り付けられている。操作者の顔は、観察光学機器の背面から数インチ以内となることが分かる。観察光学機器7200のベース7205内のセンサ7215は、操作者の顔からの反射を検出し、これにより観察光学機器をスリープモードから目覚めさせる。操作者が観察位置から頭部を移動させると、センサはもはや反射を見なくなり、観察光学機器をスリープモード又はスタンバイモードにすることになる。
【0488】
IX.電力レールを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、主本体と、統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、観察光学機器には、ホスト銃器に収容された外部電源から給電することができる。一実施形態では、観察光学機器は、主本体と、主本体に結合されたベースとを有し、銃器から観察光学機器へ電力を供給するために電気ピンがベースに組み込まれている。別の実施形態では、遠隔キーパッド組立体に組み込まれた電気ピンを用いて、銃器から観察光学機器に給電することができる。
【0489】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器に長時間にわたって追加の電力を供給するための方法及びシステムに関する。
【0490】
一実施形態では、本開示は、主本体と、主本体に結合されたベースとを備えた観察光学機器に関し、ベースは、観察光学機器のディスプレイ、センサ、及びユーザインタフェースを制御するのに使用されるPCBを有する。一実施形態では、ベースは、ベースを貫いて突出し、電源パッドと接触する電源入力ピンを有する。一実施形態では、電源パッドは、ピカティニーレールに組み込まれる。
【0491】
一実施形態では、PCBは、入力ピンとの相互作用を可能にする位置に配置される。一実施形態では、入力ピンは、ライフルスコープの内部を環境から保護された状態に保つために、ライフルスコープのベースに対して密封される。
【0492】
図75及び76は、主本体とベース7510とを有し、電源ピン7520がベース7510を貫いて突出している観察光学機器7500の代表的な図である。
【0493】
図77は、電源ピン7520が観察光学機器7500のベース7510を貫いて突出していることを示す、観察光学機器7500の代表的な側面プロファイルである。
【0494】
図78は、内蔵PCB7530に取り付けられた電源ピン7520を示すために観察光学機器のベースを透明にした、観察光学機器7500の側面プロファイルの代表的な図である。
【0495】
別の実施形態では、銃器上のピカティニーレールによって供給される電力は、観察光学機器を制御するのに使用される遠隔キーパッドを介して観察光学機器に送達することができる。このシナリオでは、電源ピンは遠隔キーパッド内のPCBに接続され、遠隔キーパッドハウジング内の内蔵リコイルラグを貫いて突出する。この場合、電力は、ケーブル内の2本の専用線を通ってライフルスコープのベースに送られる。
【0496】
図79は、遠隔キーパッド7900の上面の代表的な画像である。
【0497】
図80は、電源ピン8010が内蔵リコイルラグを貫いて突出することを示す、遠隔キーパッド7900の代表的な側面プロファイルである。
【0498】
図81は、2つの電源ピン8010が内蔵リコイルラグを貫いて突出することを示す、遠隔キーパッド7900の代表的な底面図である。
【0499】
図82は、遠隔本体内部のPCB8205を示すためにカバーを透明にした、遠隔キーパッド7900の代表的な底面図である。
【0500】
X.複数の機能を備えた単一キーパッドを有する観察光学機器
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを有する観察光学機器と、キーパッドボタン毎に2つ以上の機能を備えた遠隔キーパッドシステムとを備えるシステムに関する。一実施形態では、遠隔キーパッドは、観察光学機器の機能の2つ以上の態様、すなわち、ボタン毎に2つ以上の機能を制御することができる。一実施形態では、ボタンの機能は、制御信号かソフトウェアビットの何れかの状態に依存する。
【0501】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器及び/又は観察光学機器と共に使用される補助デバイスに対してユーザ/操作者が有する制御を拡張する遠隔キーパッドに関する。
【0502】
一実施形態では、本開示は、観察光学機器及び/又は観察光学機器と共に使用される1又は2以上の補助デバイスのためのキーパッドに関する。一実施形態では、2つ以上の機能がキーパッドの単一ボタンに割り当てられ、ソフトウェアビット又は別個の機械式スイッチで所望の機能を決定することができる。これにより、観察光学機器の機能性を大幅に向上させることができる。
【0503】
1つの代表的な実施形態では、第1のモードで、ボタンはディスプレイの輝度を変更することができ、第2のモードでは、同じボタンがシステム上の赤外線ポインタを起動させることができる。同じボタンを2つ以上の機能に使用することで、必要とされるボタンの数を最小限に抑えて、遠隔キーパッドを小さく且つ簡素に保つことができる。
【0504】
図83は、3つのボタンを備えたキーパッドの代表的な図である。観察光学機器と関係付けられた遠隔キーパッドは、3つのボタンを有する。トップボタン8305はディスプレイの輝度を上げるために使用され、ミドルボタン8310はレーザ測距計を起動して標的を測距するために使用され、ボトムボタン8315はディスプレイの輝度を下げるために使用される。各ボタンの機能は、動作モードに依存する。
【0505】
一実施形態では、キーパッドは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上の動作モードを有することができる。一実施形態では、キーパッドは、キーパッド用に10から50までの動作モードを設定するプロセッサと通信することができる。例として、キーパッド用に10個の動作モードを有するプロセッサと通信するキーパッドは、各ボタンに10個の機能を与え、この機能は動作モードで決定されることになる。
【0506】
幾つかの方法を用いて、ボタンの機能を変更することができる。一実施形態では、ユーザ/操作者が遠隔キーパッド上のボタンを或る時間押し続けると、マイクロコントローラは、1又は2以上のボタンの機能を変更する。一実施形態では、操作者は、3つのボタンの内の1つを長時間、例えば1秒の間、押し続けることができ、これが、観察光学機器内部のマイクロコントローラに対して、ボタンに新しい機能を割り当てるビットを変更するように信号を送ることになる。一実施形態では、トップボタン8305を或る時間押し続けるとモードAを設定することができ、ミドルボタン8310を或る時間押し続けるとモードBを設定することができ、ボトムボタン8315を或る時間押し続けるとモードCを設定することができる。各ボタンと関わり合う時間を変えることで、更なる動作モードを起動させることができる。例えば、ボタン8305を5秒間保持することで、モードAを起動させることができ、ボタン8305と5回のクイックタップで関わることで、モードFを起動させることができる。
【0507】
別の実施形態では、遠隔キーパッドボタンの機能は、観察光学機器上の別個の機械式スイッチを介して変更することができる。一実施形態では、機械式スイッチは3つの異なる位置を有することができ、これらは、マイクロコントローラ内の3つの異なるビット又はプログラムと通信する。これらのビット又はプログラムを用いて、遠隔キーパッドボタンに様々な機能を割り当てることができる。
【0508】
代表的な例が、図84に示されている。観察光学機器は、遠隔キーパッド8300と通信するスイッチ8400を有する。第1設定点8405では、遠隔キーパッド8300のトップボタン8305にディスプレイの輝度を増大させる機能を割り当てることができ、ミドルボタン8310はレーザ測距計を起動させることができ、ボトムボタン8315はディスプレイの輝度を減少させることができる。機械式スイッチ8400が第2設定点8410に設定された場合、トップボタン8305及びボトムボタン8315の機能が観察光学機器上の補助的なポインティングレーザをオン/オフするようにプログラムすることができ、ミドルボタン8310は、依然としてレーザ測距計を起動するようにプログラムすることができる。機械的スイッチ8400が第3設定点8415に設定されると、3つのボタンの機能を再度変更することができる。例えば、観察光学機器にデジタル磁気コンパスが装備され、位置及びランドマークデータがマイクロコントローラのメモリに保存されている場合、対象物の位置に関する情報を観察光学機器の視野内に表示することができる(拡張現実データ)。
【0509】
一実施形態では、キーパッドは、様々な動作モードをキーパッドの各ボタン又はスイッチに割り当てることを可能にする観察光学機器のプロセッサと通信する。例えば、一動作モードでは、キーパッドのボタンは、対象となる標的にマークを付けるための特定の機能を有する。操作者は、レーザ測距計を用いて標的を測距し、デジタル磁気コンパスからの方位データを用いて、視野内部の対象となる標的に「マークを付ける」ことができる。キーパッド上のボタンには、この任務に特に適した機能を割り当てることができる。
【0510】
キーパッド上の中央ボタンを用いて、レーザ測距計を起動し、標的を測距することができる。一度標的が測距されると、トップボタンとボトムボタンを用いて、例えば、「ランドマーク」、「味方」、「敵」、「不明」など、標的を分類するために予め定義された記述語のリストから選択することができる。操作者は、この行動を終えるとすぐに、機械式スイッチを変更して、操作者が輝度設定値を変更する、赤外線レーザを起動させる、又は標的の距離範囲に対する弾道解を取得することを可能にする機能を、遠隔キーパッドボタンに迅速に再び割り当てることができる。
【0511】
XII.相対座標マッピングシステムを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、相対座標マッピングシステム及び/又はドローン技術を用いて標的を正確にタグ付けして追跡するために、統合表示システムを備えた観察光学機器を使用する技術及び方法に関する。
【0512】
兵士には、敵標的の位置を正確に特定できること、他の兵士、近接航空支援などとこの位置を共有できること、並びに、これらの標的を自分の主光学機器の視野内に重ね合わせることによって容易に見られることが必要とされる。これを実現するための最も明白な方法は、GPS、コンパス方位、高度、傾斜、測距センサの組み合わせを用いることである。しかしながら、GPSに頼ることには、GPS信号がGPS衛星との直接の見通し線を必要とするといった欠点が存在し、この見通し線は常に可能であるとは限らない。相対座標技術及び/又はドローンを用いると、GPSの必要性を減らすことができる。相対座標技術は、統合表示システムを有する観察光学機器と連動して使用する場合に、実現可能となる。
【0513】
一実施形態では、ユーザは、統合表示システムを備えた観察光学機器をランドマーク又は標的に向け、これに「タグ付けする」ことができる。ユーザが複数の標的を「タグ付け」した場合、タグ付けされた標的から相対位置マップを作成することができる。これらのタグ付き標的は、他のユーザの観察光学機器に送信することができ、他のユーザは、視野内に表示されたタグ付き標的を見ることになる。その後、この標的データは全て、観察光学機器内の1又は2以上のメモリデバイスにローカルに保存されることになる。
【0514】
一実施形態では、ユーザはまた、タグ付き標的の代わりとして、又はタグ付き標的を補足するものとして、ドローンを使用することができる。これは、カメラ及び適切なセンサを収容する多数の小型ドローン又はマイクロドローンの「雲」を発進させ、戦場の上空を飛行してランドマークへのタグ付け及びマーク付けを開始することによって機能することになる。ドローンは、この情報をお互いに共有してユーザの元へ戻ることができ、ユーザは、この情報を観察光学機器のアクティブディスプレイに表示させることになる。
【0515】
相対座標技術及び/又はドローンの雲を使用することにより、GPSの欠点を克服することができる。
【0516】
・複数のユーザ及び複数の観察光学機器の場合、保存された標的データに冗長性が内在するようになる。ドローンの雲を使用すると、その冗長性を更に高めることができる。冗長性があれば、信号又はデータが失われる可能性が遥かに低くなる。
・GPSは、軌道上の衛星との間で極めて長い距離にわたってデータを送受信することが必要とされる。同じ戦闘空間にいる他のユーザ、又は同じ戦闘空間内のドローンの雲を用いることで、そのネットワークはユーザ及び標的により接近したものとなり、ユーザ及び標的の座標の精度が向上する。
・GPS衛星の数が限られているため、GPSは遮断するのがずっと容易である。ユーザ及び/又はドローンの雲があれば、全ての信号を遮断することは遥かに難しくなり、冗長性が高まる。
・GPSモジュールを不要にすることで、観察光学機器が嵩張らなくなる。
【0517】
本明細書で開示される装置及び方法は更に、以下の各項で説明することができる。
【0518】
1.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、を有する本体と、
アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(ii)アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を有する第2の光学系と、
を備える、観察光学機器。
【0519】
2.第1の焦点面を定めるように構成された光学系と、第1の焦点面上に重畳されるデジタル像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイに結合されたコントローラであって、コントローラが1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に給電してデジタル像を生成するように構成されたコントローラと、を備える、観察光学機器。
【0520】
3.(a)主チューブと、(b)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を備える、観察光学機器。
【0521】
4.(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(e)像を生成して、この像をビームコンバイナに導くアクティブディスプレイと、を備え、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合される、観察光学機器。
【0522】
5.(i)外部シーンの像を生成するための光学系と、ビームコンバイナとを備えた主本体と、(ii)本体に結合され、像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像及び外部シーンの像を主本体の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするためのミラーと、を有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0523】
6.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されるビームコンバイナと、を有する本体と、
アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、を備えた第2の光学系と、(ii)アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を有するベースと、
を備える、観察光学機器。
【0524】

7.外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、像を生成するためにアクティブディスプレイと集光器レンズ系とを有して、主本体に結合されたベースと、を備え、生成された像が主本体の光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合される、観察光学機器。
【0525】
8.(i)(a)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(b)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を有する主チューブと、
(ii)像を生成して、この像をビームコンバイナに導くためのアクティブディスプレイを有するベースと、を備え、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合される観察光学機器。
【0526】
9.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、標的像を観察するための接眼レンズ系と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、(iii)ビームコンバイナと対物レンズ系の間にあるフォーカスセルと、(iv)フォーカスセルを視差調整組立体に結合させる接続要素と、を有する本体を備える、観察光学機器。
【0527】
10.第1の焦点面と対物レンズ系の間にビームコンバイナと、ビームコンバイナと対物レンズ系の間に位置決めされたフォーカスセルと、デジタル像を生成するためのアクティブディスプレイであって、そのデジタル像が第1の焦点面上に重畳されるアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイに結合されたコントローラであって、そのコントローラが1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に給電してデジタル像を生成するように構成されたコントローラと、を備える、観察光学機器。
【0528】
11.(a)主チューブと、(b)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(d)ビームコンバイナと対物レンズ組立体の間に位置決めされたフォーカスセルと、を備える、観察光学機器。
【0529】
12.(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(e)ビームコンバイナと対物レンズ組立体の間に位置決めされたフォーカスセルと、(f)フォーカスセルを視差調整組立体に結合させる接続要素と、を備える、観察光学機器。
【0530】
13.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、標的像を観察するための接眼レンズ系と、を有する第1の光学系と、
(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、
を有する本体と、
(i)アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、 を備えた第2の光学系と、(ii)アクティブディスプレイからの像をビームコンバイナに導く反射材料と、(iii)(a)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、(b)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、(c)反射材料をビームコンバイナに対して移動すること、(d)ビームコンバイナを反射材料に対して移動すること、並びに(e)正立レンズ系をビームコンバイナに対して移動すること、の内の1又は2以上を実行するための調整機構と、を備える観察光学機器であって、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが、第1の焦点面に結合されて同時に観察される観察光学機器。
【0531】
14.第1の焦点面を定めるように構成された光学系と、デジタル像を生成するためのアクティブディスプレイと、そのデジタル像を第1の焦点面に導くための反射材料と、(a)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、並びに(b)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、の内の1又は2以上を実行するための1又は2以上の調整機構と、を備える、観察光学機器。
【0532】
15.(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(e)アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイからの像をビームコンバイナに導く反射材料と、(f)(i)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、(ii)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、(iii)反射材料をビームコンバイナに対して移動すること、(iv)ビームコンバイナを反射材料に対して移動すること、並びに(v)正立レンズ系をビームコンバイナに対して移動すること、の内の1又は2以上を実行するための調整機構と、を備え、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが、第1の焦点面に結合されて同時に観察される観察光学機器。
【0533】
16.(i)外部シーンの像を生成するための光学系と、ビームコンバイナとを備えた主本体と、(ii)主本体に結合され、像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像及び外部シーンの像を主本体の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするためのミラーと、を有するベースと、を備える観察光学機器であって、ベースが1又は2以上の電源用の区画を有する観察光学機器。
【0534】
17.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されるビームコンバイナと、を有する本体と、
(i)(a)アクティブディスプレイと、そのアクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(b)アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を備えた第2の光学系と、(ii)1又は2以上の電源用の区画と、を備えたベースと、を備える、観察光学機器。
【0535】
18.外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、像を生成するためにアクティブディスプレイと集光器レンズ系とを有して、主本体に結合されたベースと、を備える観察光学機器であって、生成された像が主本体の光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合され、更に、ベースが1又は2以上の電源用の区画を有する観察光学機器。
【0536】
19.(i)(a)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(b)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を有する主チューブと、
(ii)像を生成して、この像をビームコンバイナに導くためのアクティブディスプレイを有するベースと、を備える観察光学機器であって、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合され、ベースが1又は2以上の電源用の区画を更に有する観察光学機器。
【0537】
20.(i)外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、(ii)主本体に結合されて、像を生成するためのアクティブディスプレイと電源用の区画とを有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0538】
21.(i)外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、(ii)主本体に結合されて、電源用の区画を有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0539】
22.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、
を有する本体と、
アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(ii)アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を備えた第2の光学系であって、そのレンズ系が5レンズ系である第2の光学系と、を備える、観察光学機器。
【0540】
23.第1の焦点面を定めるように構成された光学系と、デジタル像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系であって、デジタル像が第1の焦点面上に重畳されるレンズ系と、アクティブディスプレイに結合されたコントローラであって、そのコントローラが1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に給電してデジタル像を生成するように構成されたコントローラと、を備える観察光学機器であって、更に、そのレンズ系が、2つのレンズを有する内側セルと、3つのレンズを有する外側セルとから成り、外側セルが内側セルに対して固定される観察光学機器。
【0541】
24.(i)像を生成するための光学系と、ビームコンバイナとを備えた主本体と、(ii)本体に結合され、像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像及び外部シーンの像を主本体の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするためのミラーと、を有するベースであって、更にそのレンズ系が5レンズ系であり、5レンズ系がアクティブディスプレイから2mmを超えない位置に位置付けられるベースと、を備える、観察光学機器。
【0542】
25.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されるビームコンバイナと、を有する本体と、
アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、を備えた第2の光学系と、(ii)アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を備えたベースであって、そのレンズ系が、3つの単レンズと1つの複レンズからなる5レンズ系であるベースと、を備える、観察光学機器。
【0543】
26.外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、像を生成するためにアクティブディスプレイと集光器レンズ系とを有して、主本体に結合されたベースと、を備える観察光学機器であって、生成された像が主本体の光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合され、集光器レンズ系が、少なくとも1つのレンズを有する内側セルと、少なくとも1つのレンズを有する外側セルと、内側セルのレンズと外側セルのレンズとの間隔を調整するための機構と、を有する観察光学機器。
【0544】
27.(i)(a)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(b)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を有する主チューブと、
(ii)像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するためのレンズ系と、この像をビームコンバイナに導くためのミラーと、を有するベースと、を備える観察光学機器であって、生成された像と標的像とが主チューブの第1の焦点面に結合され、そのレンズ系が、2つのレンズを備えた内側セルと、3つのレンズを備えた外側セルと、を有する観察光学機器。
【0545】
27A.(a)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系と、対物レンズ組立体と光学系の第1の焦点面との間に位置付けられるビームコンバイナと、を有する主チューブと、(b)デジタル像を生成するための統合表示システムと、(c)弾道関連データを処理して、その統合表示システムにデジタル像内の照準レチクルを適合させるように仕向けるコンピューティングデバイスと、を備える、観察光学機器。
【0546】
28.外部シーンからの標的像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する主本体であって、本体内に変倍レンズ要素が取り付けられた主本体と、
外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、光学倍率の調整を示す信号を生成するために、倍率調整機構と連動するセンサと、マークのセットを生成し、そのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、センサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクルの上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整するように動作可能な電子コントローラと、を有して、主本体の底部に結合されたベースと、を備える、観察光学機器。
【0547】
29.外部シーンからの標的像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する主本体であって、本体内に変倍レンズ要素が取り付けられた主本体と、
外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、光学倍率の調整を示す信号を生成するために、倍率調整機構と連動するセンサと、
マークのセットを生成し、そのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、センサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクルの上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整するように動作可能な電子コントローラと、を備える、観察光学機器。
【0548】
30.外部シーンからの標的像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する主本体であって、本体内に変倍レンズ要素が取り付けられた主本体と、外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために、本体内に取り付けられ、変倍レンズ要素に結合されて変倍レンズ要素を駆動するようにする倍率調整機構と、光学倍率の調整を示す信号を生成するために、倍率調整機構と連動するセンサと、マークのセットを生成し、そのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、センサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、マークの第1セットの見かけのサイズが光学倍率の変化に影響されないように、第1レチクルの上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを、光学倍率の変化と逆関係に調整するように動作可能な電子コントローラと、を有して、主本体の底部に結合されたベースと、を備える、観察光学機器。
【0549】
31.外部シーンからの標的像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する光学系と、対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、を有する主本体と、
本体内に取り付けられた変倍レンズと、
外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、
光学倍率の調整を示す信号を生成するために、倍率調整機構と連動するセンサであって、その信号が、第1の倍率設定値と、第1の倍率設定値よりも大きな第2の倍率設定値とを少なくとも含めて、光学照準デバイスの複数の光学倍率設定値を示すセンサと、
主本体の底部に結合され、マークのセットを生成し、そのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、センサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクルの上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整するように動作可能な電子コントローラと、を有するベースと、を備える観察光学機器であって、
電子コントローラが、第1の倍率設定値を示す信号に応答して第1のレチクルパターンを形成するために、統合表示システムのアクティブディスプレイ上に配置されるマークの第1セットを生成するように、並びに、第2の倍率設定値を示す信号に応答して、第1のレチクルパターンとは異なる第2のレチクルパターンを形成するために、マークの第1セットを削除してアクティブディスプレイ上にマークの第2セットを生成するように構成される観察光学機器。
【0550】
32.外部シーンからの標的像を、第1レチクルを有する第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する光学系と、対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、を有する主本体と、
本体内に取り付けられた変倍レンズと、
外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために、本体内に取り付けられ、変倍レンズ要素に結合されて変倍レンズ要素を駆動するようにする倍率調整機構と、
光学倍率の調整を示す信号を生成するために、倍率調整機構と連動するセンサであって、その信号が、第1の倍率設定値と、第1の倍率設定値よりも大きな第2の倍率設定値とを少なくとも含めて、光学照準デバイスの複数の光学倍率設定値を示すセンサと、
主本体の底部に結合され、マークの第1セットを生成するためのアクティブディスプレイと、生成されたマークの第1セットをビームコンバイナに投影するための反射材料とを有するベースと、を備える観察光学機器であって、
マークの第1セットが第1レチクルの上に重畳され又は重ね合わされ、電子コントローラがセンサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクルの上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整又は変更するように動作可能であり、電子コントローラが、第1の倍率設定値を示す信号に応答して第1のレチクルパターンを形成するために、統合表示システムのアクティブディスプレイ上に配置されるマークの第1セットを生成するように、並びに、第2の倍率設定値を示す信号に応答して、第1のレチクルパターンとは異なる第2のレチクルパターンを形成するために、マークの第1セットを削除してアクティブディスプレイ上にマークの第2セットを生成するように構成される観察光学機器。
【0551】
33.正立レンズ組立体を備えた正立チューブを有する主本体と、正立チューブに結合されたカムスリーブと、カムチューブに結合された様々な光学反射率/吸収率を備える材料と、その材料からの反射光を受光するためのフォトセンサを有して主本体に結合されたベースと、を備える、観察光学機器。
【0552】
34.正立レンズ組立体を備えた正立チューブを有する主本体と、正立チューブに結合されたカムスリーブと、少なくとも2つの区域を備えた材料であって、各区域が異なる光学吸収率/反射率を有し、各区域が特定の倍率設定値と関係し、カムスリーブに結合される材料と、統合表示システムとその材料区域からの反射光を受光するためのフォトセンサとを有して、主本体に結合されたベースと、を備える、観察光学機器。
【0553】
35.正立レンズ組立体を備えた正立チューブを有する主本体と、
正立チューブに結合されたカムスリーブと、
様々な光学吸収率/反射率を備えた材料であって、各区域が光学倍率と関係し、カムスリーブに結合される材料と、
主本体に結合され、像を生成してこの像を主本体の第1の焦点面に投影するための統合表示システムと、その材料からの反射光を受光するためのフォトセンサと、フォトセンサと通信し、フォトセンサによって生成された信号に応答して、統合表示システムのアクティブディスプレイにより生成される像を調整又は変更するように動作可能なマイクロプロセッサと、を有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0554】
36.第1の端部及び第2の端部を備えて、中心軸を有する主本体と、
本体内に配置された対物レンズ系と、
本体内に配置された接眼レンズと、
主本体内に配置され、正立レンズ系を有する正立チューブと(対物レンズ系、接眼レンズ及び正立レンズ系が、第1の焦点面及び第2の焦点面を有する光学系を形成する)、
外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、
倍率調整機構と連動し、異なる光学吸収率/反射率の少なくとも2つの区域を各区域が光学倍率と関係する形で備えた材料を有するカムスリーブと、
マークの第1セットを生成し、そのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、その材料からの反射光を検出して信号を生成するためのフォトセンサと、フォトセンサと通信し、センサによって生成された信号に応答して、第1レチクルの上に重ね合わされるマークの第1セットの少なくとも一部のサイズを調整するように動作可能な電子コントローラと、を有して、主本体の底部に結合されたベースと、を備える、観察光学機器。
【0555】
37.第1の端部及び第2の端部を備えて、中心軸を有する主本体と、
本体内に配置された対物レンズ系と、
本体内に配置された接眼レンズと、
主本体内に配置され、正立レンズ系を有する正立チューブと(対物レンズ系、接眼レンズ及び正立レンズ系が、第1レチクルを備えた第1の焦点面を有する光学系を形成する)、
外部シーンからの標的像の光学倍率を調整するために本体内に取り付けられた倍率調整機構と、
倍率調整機構と連動し、少なくとも2つの光学吸収率/反射率の区域を有するカムスリーブであって、各区域が光学倍率と関係し、第1区域が第1の倍率設定値を示し、第2区域が第1の倍率設定値より大きい第2の倍率設定値を示す各スリーブと、
マークの第1セットを生成し、そのマークのセットを第1レチクル上に重ね合わせる又は重畳するための統合表示システムと、その材料の区域からの反射光検出に基づいて信号を生成するためのフォトセンサと、フォトセンサと通信する電子コントローラと、を有して、主本体の底部に結合されたベースと、を備える観察光学機器であって、
電子コントローラが、第1の倍率設定値を示す信号に応答して第1のレチクルパターンを形成するために、統合表示システムのアクティブディスプレイ上に配置されるマークの第1セットを生成するように、並びに、第2の倍率設定値を示す信号に応答して、第1のレチクルパターンとは異なる第2のレチクルパターンを形成するために、マークの第1セットを削除してアクティブディスプレイ上にマークの第2セットを生成するように構成される観察光学機器。
【0556】
38.第1の端部及び第2の端部を備えて、中心軸を有する主本体と、
本体内に配置された対物レンズ系と、
本体内に配置された接眼レンズと、
主本体内に配置され、正立レンズ系を有する正立チューブと(対物レンズ系、接眼レンズ及び正立レンズ系が、第1レチクルを備えた第1の焦点面を有する光学系を形成する)、
像の光学倍率を調整するために倍率調整リングと協働して移動する正立チューブを取り囲むカムスリーブであって、異なる光学吸収率/反射率を備えた少なくとも2つの区域を、各区域が光学倍率設定値に対応する形で備える材料が、カムスリーブに結合されたカムスリーブと、
主本体に結合され、その材料からの反射光に基づいて信号を生成するフォトセンサと、フォトセンサからの信号に基づいて像を生成するようにアクティブディスプレイに指示する、フォトセンサと通信するマイクロプロセッサと、を有するベースと、を備える観察光学機器であって、
生成された像が、観察光学機器の第1の焦点面に投影される/重ね合わされる又は重畳される観察光学機器。
【0557】
39.(i)視光軸及びビームコンバイナに沿って外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、(ii)像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像と外部シーンの像とを光学系の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするための反射材料と、ユーザの存在を検出するためのセンサと、前記センサと通信して観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有して、前記主本体の底部に結合されたベースと、を備える、観察光学機器。
【0558】
40.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されるビームコンバイナと、を有する主本体と、
(i)像を生成するアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(ii)生成された像と外部シーンの像とを同時に重ね合わせて観察するために、生成された像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されるビームコンバイナに、生成された像を導く反射材料と、(iii)ユーザの存在を検出するためのセンサと、
(iv)センサと通信して、観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有して、主本体の底部に結合されるベースと、を備える、観察光学機器。
【0559】
41.外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、主本体の底部に結合されたベースであって、ベースが像を生成するためのアクティブディスプレイを有し、生成された像が光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合されるベースと、ユーザの存在を検出するためのセンサと、センサと通信し、観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0560】
42.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されるビームコンバイナと、を有する主本体と、
(i)像を生成するアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(ii)アクティブディスプレイから生成された像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を有して、主本体の底部と結合するベースと、を備える、観察光学機器。
【0561】
43.外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、主本体の底部に結合されたベースであって、ベースが像を生成するためのアクティブディスプレイを有するベースと、を備える観察光学機器であって、生成された像が光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合される、観察光学機器。
【0562】
44.第1の焦点面と対物レンズ系の間にビームコンバイナと、ビームコンバイナと対物レンズ系の間に位置決めされたフォーカスセルと、像を生成するためのアクティブディスプレイと、を有する光学系であって、像が第1の焦点面上に重畳される光学系と、アクティブディスプレイに結合されたコントローラであって、そのコントローラが1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に給電して像を生成するように構成されたコントローラと、を備える、観察光学機器。
【0563】
45.外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系あって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、を有する主本体と、対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、ビームコンバイナと対物レンズ組立体の間に位置決めされたフォーカスセルと、フォーカスセルを視差調整組立体に結合させるロッドと、像を生成するためのアクティブディスプレイと、そのデジタル像をビームコンバイナに導くための反射面と、を備える観察光学機器であって、生成された像と標的像を第1の焦点面上に合焦させることができる観察光学機器。
【0564】
46.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、接眼レンズ系と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、(iii)ビームコンバイナと対物レンズ系の間にあるフォーカスセルと、(iv)フォーカスセルを視差調整組立体に結合させる接続要素と、
を有する本体を備える、観察光学機器。
【0565】
47.(a)主チューブと、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、
(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(d)ビームコンバイナと対物レンズ組立体の間に位置決めされたフォーカスセルと、を備える、観察光学機器。
【0566】
48.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)ビームコンバイナと、を有する主本体と、
像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導く反射材料と、を収容するキャビティを有して、主本体の底部と結合するベースであって、ベースが更に1又は2以上の電源用の区画を有するベースと、
を備える、観察光学機器。
【0567】
49.外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系あって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を有する主本体と、
像を生成して、この像をビームコンバイナに導くためのアクティブディスプレイを有するベースであって、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合され、ベースが1又は2以上の電源用の区画を更に有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0568】
50.(i)外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、(ii))主本体に結合されて、像を生成してこの像を光学系の第1の焦点面に導くためのアクティブディスプレイと、1又は2以上の電源用の区画とを有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0569】
51.(i)外部シーンの像を生成するための光学系と、ビームコンバイナとを備えた主本体と、(ii)主本体に結合され、像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像と外部シーンの像を主本体の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するための反射材料と、を有するベースであって、ベースが1又は2以上の電源用の区画を有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0570】
52.外部シーンを観察するための光学系を備えた主本体と、像を生成するためにアクティブディスプレイと集光器レンズ系とを有して、主本体に結合されたベースであって、生成された像が主本体の光学系の第1の焦点面において外部シーンからの像に結合され、更にベースが1又は2以上の電源用の区画を有するベースと、を備える
観察光学機器。
【0571】
53.(i)(a)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(b)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を有する主チューブと、
(ii)像を生成して、この像をビームコンバイナに導くためのアクティブディスプレイを有するベースであって、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合され、ベースが1又は2以上の電源用の区画を更に有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0572】
54.第1の焦点面を定めるように構成された光学系と、像を生成するためのアクティブディスプレイと、この像を第1の焦点面に導くための反射材料と、(a)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、並びに(b)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、の内の1又は2以上を実行するための1又は2以上の調整機構と、を備える、観察光学機器。
【0573】
55.(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(e)像を生成するためのアクティブディスプレイと、この像をアクティブディスプレイからビームコンバイナに導く反射材料であって、
アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察される反射材料と、(f)(i)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、又は(ii)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、の内の1又は2以上を実行するための調整機構と、を備える、観察光学機器。
【0574】
56.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、標的像を観察するための接眼レンズ系と、を有する第1の光学系と、(ii)ビームコンバイナと、を有する本体と、(iii)像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をアクティブディスプレイからビームコンバイナに導く反射材料と、を備えた第2の光学系と、(a)アクティブディスプレイを反射材料に対して移動すること、(b)反射材料をアクティブディスプレイに対して移動すること、(c)反射材料をビームコンバイナに対して移動すること、(d)ビームコンバイナを反射材料に対して移動すること、並びに(e)正立レンズ系をビームコンバイナに対して移動すること、の内の1又は2以上を実行するための1又は2以上の調整機構と、を備える観察光学機器であって、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが、第1の焦点面に結合されて同時に観察される、観察光学機器。
【0575】
57.更にベースを備える、1~56項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0576】
58.更に統合表示システムを備える、1~57項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0577】
59.更に統合表示システムを有するベースを備える、1~58項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0578】
60.ベースが観察光学機器の主本体と結合する、1~59項又は61~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0579】
61.ベースが観察光学機器の主本体の底部側と結合する、1~60項又は62~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0580】
62.統合表示システムがハウジングに収容される、1~61項又は63~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0581】
63.ハウジングが観察光学機器の主本体の上側と結合する、1~62項又は64~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0582】
64.統合表示システムがアクティブディスプレイを有する、1~63項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0583】
65.統合表示システムが、アクティブディスプレイと反射材料とを有する、1~64項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0584】
66.統合表示システムが、アクティブディスプレイ、反射材料、及び集光光学系を有する、1~65項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0585】
67.反射材料がビームコンバイナの下方に位置付けられる、1~66項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0586】
68.反射材料がビームコンバイナの上方に位置付けられる、1~67項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0587】
69.反射材料がビームコンバイナと平行である、1~68項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0588】
70.アクティブディスプレイと反射材料がビームコンバイナと平行である、1~69項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0589】
71.反射材料が、観察光学機器の対物レンズ側に位置付けられる、1~70項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0590】
72.反射材料が、観察光学機器の接眼レンズ側に位置付けられる、1~71項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0591】
73.アクティブディスプレイが、観察光学機器の対物レンズ側に位置付けられる、1~72項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0592】
74.アクティブディスプレイが、観察光学機器の接眼レンズ側に位置付けられる、1~73項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0593】
75.第2の光学系が、観察光学機器の本体に結合されたベース内にある、1~74項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0594】
76.ビームコンバイナが、主本体の対物レンズ組立体と、観察光軸に沿って位置決めされ離間した第1の焦点面との間に位置付けられる、1~75項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0595】
77.ビームコンバイナが、観察光学機器の仰角ノブのほぼ下方に位置付けられる、1~76項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0596】
78.ビームコンバイナが、観察光学機器の接眼レンズ組立体と比べて、対物レンズ組立体により近く位置付けられる、1~77項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0597】
79.統合表示システムが角度付きミラーを備える、1~78項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0598】
80.ミラーが、約40°から約50°に角度が付けられる、1~79項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0599】
81.ミラーが約45°に角度が付けられる、1~80項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0600】
82.統合表示システムが、内側レンズセルと外側レンズセルとを有する集光器光学系を備える、1~56項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0601】
83.ベースの一端部が主本体の倍率調整リング付近に取り付けられ、ベースの他端部が主本体の対物レンズ組立体付近に取り付けられる、1~82項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0602】
84.ベースが、主本体の長さの40%から65%である、1~83項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0603】
85.更にフォーカスセルを備える、1~84項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0604】
86.従来のフォーカスセルの位置と比べて、対物レンズ側の方に調整されたフォーカスセルを更に備える、1~85項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0605】
87.更にビームコンバイナを備える、1~86項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0606】
88.従来のフォーカスセルの位置に位置決めされたビームコンバイナを更に備える、1~87項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0607】
89.更に視差調整組立体を備える、1~88項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0608】
90.観察光学機器の主本体に接続ロッドを更に備える、1~89項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0609】
91.接続要素がロッド又はシャフトである、1~90項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0610】
92.接続要素は、長さが約5mmから50mmである、1~91項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0611】
93.接続要素は、長さが約30mmである、1~92項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0612】
94.視差調整組立体が回転可能な要素を備える、1~93項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0613】
95.視差調整組立体がノブを備える、1~94項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0614】
96.接続要素がフォーカスセルを視差調整組立体に結合させる、1~95項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0615】
97.接続要素の一端部がフォーカスセルに結合され、接続要素の他端部が視差調整組立体のカムピンに結合される、1~96項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0616】
98.視差調整組立体が、カム溝とカムピンを有する、1~97項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0617】
99.アクティブディスプレイから集光するためのレンズ系を備える、1~98項又は100~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0618】
100.レンズ系が1又は2以上のレンズセルからなる、1~99項又は101~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0619】
101.レンズ系が、内側レンズセルと外側レンズセルとからなる、1~100項又は102~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0620】
102.レンズ系が5レンズ系からなる、1~101項又は103~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0621】
103.レンズ系が、2つのレンズを有する内側レンズセルと、3つのレンズを有する外側レンズセルとからなる、1~102項又は104~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0622】
104.レンズ系が5レンズ系であって、その第1レンズがアクティブディスプレイから2mm以内に位置付けられる、1~103項又は105~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0623】
105.レンズ系が5レンズ系から成り、その第1レンズが非球面レンズである、1~104項又は106~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0624】
106.レンズ系が、少なくとも1つのレンズを有する内側レンズセルと、少なくとも1つのレンズを有する外側レンズセルとから成り、内側セルの少なくとも1つのレンズと外側セルの少なくとも1つのレンズとの間隔を調整するための機構を更に備える、1~105項又は107~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0625】
107.更に、1又は2以上のバネが外側レンズセルと内側レンズセルの間に位置付けられる、1~106項又は108~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0626】
108.レンズ系が単一レンズセルからなる、1~107項又は109~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0627】
109.調整機構がねじである、1~108項又は110~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0628】
110.調整機構がくさびである、1~109項又は111~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0629】
111.アクティブディスプレイの垂直軸を揃えるために、内側レンズセルの表面に対してねじを締め付けることができる、1~110項又は112~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0630】
112.アクティブディスプレイを調整するために、内側レンズセルの表面に対してねじを締め付けることができる、1~111項又は113~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0631】
113.電源が1又は2以上の電池である、1~112項又は114~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0632】
114.電源が1又は2以上のCR123電池である、1~113項又は115~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0633】
115.位置データをコンピューティングデバイスに提供するために、全地球測位システム(GPS)受信機、デジタルコンパス及びレーザ測距計の内の1又は2以上を更に備え、コンピューティングデバイスは応答性よく、受信したデータの一部又は全部を用いて弾道解を計算する、1~114項又は116~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0634】
116.コンピューティングデバイスは、慣性データ、位置データ、環境センサデータ及び画像データの内の1又は2以上を受信し、すぐに応答して、受信したデータの一部又は全部を用いて弾道解を計算する、1~115項又は117~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0635】
117.観察光学機器は、ネットワーク要素(NE)としてネットワークと通信するように適合され、コンピューティングデバイスが、受信したデータの一部又は全部をそのネットワークに向けて伝播させる、1~116項又は118~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0636】
118.最初のユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは測距モードに入り、現在観察されている照準レチクルと関係する標的関連情報が引き出されてメモリに保存される、1~117項又は119~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0637】
119.第2のユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは再取得モードに入り、標的を再取得するために、以前に保存された標的関連情報がメモリから引き出され、レチクル像を適合させるために使用される、1~118項又は120~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0638】
120.標的までの距離を決定し、決定された距離をコンピューティングデバイスに伝達するための測距計を更に備え、コンピューティングデバイスは応答性よく、決定された距離に応じて照準レチクルを適合させる。1~119項又は121~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0639】
121.測距計は、レーザ測距計及び視差式測距計の内の一方を備える、1~120項又は122~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0640】
122.レーザ測距計が近赤外線(NIR)測距計を備える、1~121項又は123~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0641】
123.弾丸の飛翔経路に関連付けられた画像フレームを検出し、これらの画像フレームをコンピューティングデバイスに伝達するように適合された画像センサを更に備え、コンピューティングデバイスはこれらの画像フレームから弾道を計算するように動作可能である、1~122項又は124~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0642】
124.画像センサは、曳光弾に関連付けられたスペクトル領域内の発光を検出するように適合される、1~123項又は125~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0643】
125.それぞれのユーザ入力をコンピューティングデバイスに伝達するように適合されたウィンデージノブ及び仰角ノブを更に備え、コンピューティングデバイスは応答性よく、ユーザ入力に応じて照準レチクルを適合させる、1~124項又は126~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0644】
126.細部を指示するユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは発射ターゲティングモードに入り、標的を再取得するために、標的関連情報がメモリから引き出され、レチクル像を適合させるために使用される、1~125項又は127~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0645】
127.第2弾薬モードを指示するユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは、第2弾薬に関連付けられた弾道特性に応じて照準レチクルを適合させる、1~126項又は128~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0646】
128.環境データが、気圧データ、湿度データ及び温度データの内の1又は2以上を備え、コンピューティングデバイスは応答性よく、環境データの一部又は全部を使用して弾道解を計算する、1~127項又は129~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0647】
129.照準レチクルが光学スコープの視野外となった場合には、コンピューティングデバイスは慣性基準情報を利用して、シミュレートされた照準点基準を表示用に生成する、1~128項又は130~156項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0648】
130.電子コントローラは、照準デバイスの光学倍率の変化に合わせて、マークのセットの実サイズを調整するように構成される、1~129項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0649】
131.マークのセットがレチクルである、1~130項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0650】
132.マークのセットが数字又は文字を含む、1~131項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0651】
133.統合表示システムが観察光学機器の主本体内に位置しない、1~132項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0652】
134.アクティブディスプレイが、照準デバイスの前方焦点面に近接して配置されない、1~133項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0653】
135.マークの第1セットは、第1レチクルの光学中心にある照準ドットと、光学中心を中心とした円、又は弧、又は馬蹄形とを含み、マークの第2セットは、光学中心の下方に離間配置された複数のホールドオーバ・マークと、ホールドオーバ・マークの左右に離間配置された複数のウィンデージ照準マークと、を含む、1~134項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0654】
136.第1のレチクルパターンが近接戦闘用レチクルである、1~135項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0655】
137.第2のレチクルパターンが長距離用レチクルである、1~136項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0656】
138.複数マークのセットが、複数のマークとその間にあるスペースとを含み、そのマークとスペースは、観察光学機器の接眼レンズを通して観察できる物体空間での角度に対するものであり、電子コントローラは、物体空間内でマーク及びスペースで規定される角度の全てが光学倍率の調整範囲の全体にわたって不変であるように、第1の焦点面におけるマーク及びスペースの実サイズを調整するように動作可能である、1~137項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0657】
139.センサは、観察光学機器のカムスリーブに結合された複数の光吸収率/反射率を備えた材料である、1~138項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0658】
140.主本体の底部が長手方向分割部を有する、1~139項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0659】
141.主本体の底部は、ベースの1又は2以上の構成要素と通信するための長手方向分割部を有する、1~140項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0660】
142.主本体の底部は、統合表示システムの構成要素と通信するための長手方向分割部を有する、1~141項の内の何れか1項に記載の観察光学機器。
【0661】
143.観察光学機器の主本体内で観察光軸に沿って位置決めされた第1の光学系を用いてシーンを観察するステップと、ベースのキャビティに位置付けられる統合表示システムによって生成された像を同時に観察するステップと、を含み、ベースが観察光学機器の主本体と結合する、ことを特徴とする、観察光学機器を用いた観察方法。
【0662】
144.観察光学機器の主本体内で観察光軸に沿って位置決めされた第1の光学系を用いてシーンを観察するステップと、ベースのキャビティに位置付けられる統合表示システムによって生成された像を同時に観察するステップと、を含み、シーンの像と生成された像とが光学系の第1の焦点面に投影される、ことを特徴とする観察光学機器を用いた観察方法。
【0663】
145.対物レンズ組立体と接眼レンズ組立体とを有する観察光学機器の主本体内で観察光軸に沿って位置決めされた第1の光学系を用いてシーンを観察するステップと、ベースのキャビティに位置付けられる統合表示システムによって生成された像を同時に観察するステップと、を含み、シーンの像と生成された像とが光学系の第1の焦点面に投影され、統合表示システムが、像を生成するためのアクティブディスプレイと、この像から集光するためのレンズ系と、生成された像を対物レンズ組立体と主本体の第1の焦点面との間に位置付けられるビームコンバイナに導くための反射面と、を有する、ことを特徴とする観察光学機器を用いた観察方法。
【0664】
146.観察光学機器の主本体内で観察光軸に沿って位置決めされた第1の光学系を用いてシーンを観察するステップと、ベースのキャビティに位置付けられる統合表示システムによって生成された像を同時に観察するステップであって、シーンの像と生成された像とが光学系の第1の焦点面に投影されるステップと、接続ロッドによってフォーカスセルに接続される視差ノブを調整することによって視差誤差を除去するステップと、を含む観察光学機器を用いた観察方法。
【0665】
147.観察光学機器の主本体内で観察光軸に沿って位置決めされた第1の光学系を用いてシーンを観察するステップと、統合表示システムによって生成された像を同時に観察するステップであって、シーンの像と生成された像とが光学系の第1の焦点面に投影されるステップと、接続ロッドによってフォーカスセルに接続される視差ノブを調整することによって視差誤差を除去するステップと、を含む観察光学機器を用いた観察方法。
【0666】
148.観察光学機器の主本体と結合するベース内に位置付けられるアクティブディスプレイを用いて像を生成するステップと、レンズ系を用いてアクティブディスプレイから集光するステップと、生成された像をベースから主本体内のビームコンバイナに反射させるステップと、生成された像を主本体の第1の焦点面に投影するステップと、を含む観察光学機器を用いた観察方法。
【0667】
149.対物レンズ組立体と接眼レンズ組立体とを有する観察光学機器の主本体内で観察光軸に沿って位置決めされた第1の光学系を用いてシーンを観察するステップと、観察光学機器の主本体と結合するベース内に位置付けられるアクティブディスプレイを用いて像を生成するステップと、レンズ系を用いてアクティブディスプレイから集光するステップと、生成された像を、ベースから対物レンズ組立体と主本体内の第1の焦点面との間に位置付けられるビームコンバイナに反射させるステップと、生成された像を主本体の第1の焦点面に投影して、生成された像と観察像とを同時に観察できるようにするステップと、を含む観察光学機器を用いた観察方法。
【0668】
150.(a)主本体を有する観察光学機器を設けるステップであって、主本体が、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系と、を有し、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、少なくとも第1の焦点面を定めるように構成されるステップと、
(b)観察光学機器の主本体と結合するベース内に位置付けられるアクティブディスプレイから像を生成するステップと、
(c)ディスプレイからの放出光を、対物レンズ組立体と主本体内の第1の焦点面との間に位置付けられるビームコンバイナに反射させるステップであって、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるステップと、
を含む観察光学機器のユーザに情報を提供する方法。
【0669】
151.電子機器でアクティブディスプレイを制御するステップを含む、1~150項又は152~156項の内の何れか1項に記載の方法。
【0670】
152.アクティブディスプレイを用いて、アクティブな標的レチクル、修正照準点、距離及び風情報、仰角、GPS及びコンパス情報、標的ID、外部センサ情報、弾道情報の内の少なくとも1つに関する像を提供するステップを含む、1~151項又は153~156項の内の何れか1項に記載の方法。
【0671】
153.十分な日光から曇天の星明かりに及ぶ環境条件の下で観察できるように、アクティブディスプレイの輝度を制御するステップを含む、1~152項又は154~156項の内の何れか1項に記載の方法。
【0672】
154.一端部に外部シーンからの標的像を合焦させる対物レンズ系と、他端部に接眼レンズ系と、対物レンズ系と接眼レンズ系の間に位置付けられる正立レンズ系を備えた可動正立チューブと、を有する本体であって、可動正立レンズ系、対物レンズ系及び接眼レンズ系が第1の焦点面及び第2の焦点面を有する第1の光学系を形成し、可動正立チューブと連動して動く第レチクルが第1の焦点面にあり、ビームコンバイナが第1の焦点面と対物レンズ組立体の間に位置付けられる本体と、
像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、生成された像を、アクティブディスプレイから、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導く反射材料と、を備えた第2の光学系と、
を備える、観察光学機器。
【0673】
155.(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成され、ターレット調整に関係して動く第1レチクルが第1の焦点面にある接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(e)像を生成して、この像をビームコンバイナに導くアクティブディスプレイと、を備え、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合される、観察光学機器。
【0674】
156.(i)外部シーンとビームコンバイナとの観察光軸に沿って像を生成するための光学系を備えた主本体と、(ii)主本体に結合され、像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像及び外部シーンの像を主本体の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするためのミラーと、を有するベースと、を備える、観察光学機器。
【0675】
統合表示システムを備えた観察光学機器の複数の実施形態を詳細に説明してきたが、これらの修正形態及び変形形態が可能であり、その全てが本発明の真の精神及び範囲に入ることは明らかとなるはずである。上記の説明に関して、サイズ、材料、形状、形態、動作の機能及び態様、組立、及び用途の変形を含めるための、本発明の部品に対する最適な寸法的関係性が、当業者にとって容易に明白であると見なされ、図面に示し本明細書に記載したものと等価な関係性が全て本発明に包含されるように意図されていることを理解すべきである。それゆえ、上記のものは、単に本発明の原理を例示するものと見なされる。更に、当業者には多数の修正形態及び変更形態が容易に想起されることになるので、図示し記載した正確な構造及び動作に本発明を限定することは望ましいことではなく、相応に本発明の範囲に入る全ての適切な修正形態及び等価形態を利用することができる。
【符号の説明】
【0676】
7500 観察光学機器
7510 ベース
7520 電源ピン
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76
図77
図78
図79
図80
図81
図82
図83
図84