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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】電力供給回路
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20241030BHJP
   H02J 1/10 20060101ALI20241030BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
H02J1/00 304E
H02J1/10
H02J7/00 302C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021022460
(22)【出願日】2021-02-16
(65)【公開番号】P2022124686
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】三谷 学
(72)【発明者】
【氏名】北 章徳
(72)【発明者】
【氏名】篠原 貞夫
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111987711(CN,A)
【文献】特開2014-182679(JP,A)
【文献】特開2009-32615(JP,A)
【文献】特開平3-173355(JP,A)
【文献】国際公開第2019/35172(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
H02J 1/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から負荷に電力を供給する電力供給回路であって、
前記負荷は、起動前に充電が必要なコンデンサを有し、
前記電源から前記負荷に電力を供給する第1回路と、
前記電源から前記負荷に電力を供給する第2回路と、
を備え、
前記第1回路及び前記第2回路の一方にのみ、前記コンデンサを充電するプリチャージ回路が設けられ、
前記コンデンサを充電するときには、前記第1回路及び前記第2回路のうち前記プリチャージ回路を有する回路を用いて、前記電源から前記負荷に電力を供給し、
前記コンデンサの充電完了後には、前記第1回路及び前記第2回路のうち前記プリチャージ回路を有さない回路を用いて、前記電源から前記負荷に電力を供給する、電力供給回路。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給回路であって、
前記第1回路は、前記プリチャージ回路を有さない回路であり、
前記第2回路は、前記プリチャージ回路を有する回路であり、
前記第1回路に異常が生じた場合に、前記コンデンサを充電するときには、前記第2回路を用いて前記電源から前記負荷に電力を供給するとともに、前記コンデンサの充電完了後には、前記第2回路を用いて前記電源から前記負荷に電力を供給する、電力供給回路。
【請求項3】
請求項1に記載の電力供給回路であって、
前記第1回路及び前記第2回路の一方に前記プリチャージ回路を接続させるセレクタを有する、電力供給回路。
【請求項4】
請求項3に記載の電力供給回路であって、
前記第1回路及び前記第2回路の使用頻度及び使用時間の少なくとも一方を監視する監視部を備え、
前記監視部は、前記使用頻度及び前記使用時間の少なくとも一方に応じて、前記第1回路及び前記第2回路の一方に前記プリチャージ回路を接続させる、電力供給回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源から負荷に電力を供給する電力供給回路に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、高電圧バッテリの正極端子とインバータの接続端子とを接続する正極ラインに正極コンタクタが設けられ、高圧バッテリの負極端子とインバータの接続端子とを接続する負極ラインに負極コンタクタが設けられている車両用電源装置が開示されている。この車両用電源装置は、正極コンタクタに対して並列に接続されたプリチャージコンタクタと、プリチャージコンタクタに直列に接続されたプリチャージ抵抗を有している。
【0003】
下記特許文献2には、各電源ユニットから各モジュールに給電するための給電バスを2つ備えるミッドプレーンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-143863号公報
【文献】特開2014-182679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2に記載のミッドプレーンのように複数の給電バスを有する電力供給回路に、上記特許文献1に記載の車両用電源装置のようにプリチャージコンタクタを設ける場合、それぞれの給電バスに対してプリチャージコンタクタを設ける必要がある。そのため、電力供給回路の重量化を招く問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、軽量化を図ることができる電力供給回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、電源から負荷に電力を供給する電力供給回路であって、前記負荷は、起動前に充電が必要なコンデンサを有し、前記電源から前記負荷に電力を供給する第1回路と、前記電源から前記負荷に電力を供給する第2回路と、を備え、前記第1回路及び前記第2回路の一方にのみ、前記コンデンサを充電するプリチャージ回路が設けられ、前記コンデンサを充電するときには、前記第1回路及び前記第2回路のうち前記プリチャージ回路を有する回路を用いて、前記電源から前記負荷に電力を供給し、前記コンデンサの充電完了後には、前記第1回路及び前記第2回路のうち前記プリチャージ回路を有さない回路を用いて、前記電源から前記負荷に電力を供給する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、電力供給回路の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電力供給回路の回路図である。
図2】電源側接続/遮断部の回路構成を示す図である。
図3図3A図3Cは、負荷側接続/遮断部の回路構成を示す図である。
図4図4A図4Cは、プリチャージ回路の回路構成を示す図である。
図5】電力供給回路のブロック図である。
図6】比較例の電力供給回路の回路図である。
図7】電力供給回路の回路図である。
図8】電力供給回路の回路図である。
図9】電力供給回路の回路図である。
図10図10A及び図10Bは、プリチャージ回路及びセレクタの回路構成を示す図である。
図11】電力供給回路のブロック図である。
図12】電力供給回路の回路図である。
図13】電力供給回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態の電力供給回路10の回路図である。電力供給回路10は、メイン回路12及びバックアップ回路14を有する。メイン回路12及びバックアップ回路14のそれぞれは、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。第1ロード20及び第2ロード22のそれぞれは、内部にコンデンサ20a、22aを有しており、第1ロード20及び第2ロード22は、それぞれの起動時にコンデンサ20a、22aの充電(プリチャージ)を必要とする。
【0011】
メイン回路12は本発明の第1回路に相当し、バックアップ回路14は本発明の第2回路に相当する。第1バッテリ16及び第2バッテリ18は本発明の電源に相当し、第1ロード20及び第2ロード22は本発明の負荷に相当する。
【0012】
メイン回路12は、第1送電バス24を有している。第1送電バス24は、バスバーや電線などにより構成されており、回路保護のためのヒューズやスイッチを有していてもよい。
【0013】
第1バッテリ16と第1送電バス24との間を繋ぐ配線には、第1バッテリ16と第1送電バス24との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える電源側接続/遮断部26aが設けられている。第2バッテリ18と第1送電バス24との間を繋ぐ配線には、第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える電源側接続/遮断部26bが設けられている。第1送電バス24と第1ロード20との間を繋ぐ配線には、第1送電バス24と第1ロード20との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える負荷側接続/遮断部28aが設けられている。第1送電バス24と第2ロード22との間を繋ぐ配線には、第1送電バス24と第2ロード22との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える負荷側接続/遮断部28bが設けられている。
【0014】
バックアップ回路14は、第2送電バス30を有している。第2送電バス30は、バスバーや電線などにより構成されており、回路保護のためのヒューズやスイッチを有していてもよい。
【0015】
第1バッテリ16と第2送電バス30との間を繋ぐ配線には、第1バッテリ16と第2送電バス30との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える電源側接続/遮断部26cが設けられている。第2バッテリ18と第2送電バス30との間を繋ぐ配線には、第2バッテリ18と第2送電バス30との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える電源側接続/遮断部26dが設けられている。第2送電バス30と第1ロード20との間を繋ぐ配線には、第2送電バス30と第1ロード20との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える負荷側接続/遮断部28cが設けられている。第2送電バス30と第2ロード22との間を繋ぐ配線には、第2送電バス30と第2ロード22との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える負荷側接続/遮断部28dが設けられている。電源側接続/遮断部26c、26dに対して並列に、プリチャージ回路32が設けられている。
【0016】
以下、電源側接続/遮断部26a、26b、26c、26dを特に区別しない場合には、電源側接続/遮断部26と記載する。また、負荷側接続/遮断部28a、28b、28c、28dを特に区別しない場合には、負荷側接続/遮断部28と記載する。
【0017】
図2は、電源側接続/遮断部26の回路構成を示す図である。電源側接続/遮断部26は、図2に示すように、正極配線上にヒューズ31とスイッチ34とが直列に設けられている。さらに、電源側接続/遮断部26には、図2に示すように、負極配線上にスイッチ36が設けられている。スイッチ34及びスイッチ36の少なくとも一方がオフであるときに、電源側接続/遮断部26は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18のそれぞれと、第1送電バス24及び第2送電バス30のそれぞれとの間を電気的に遮断する。一方、スイッチ34及びスイッチ36の両方がオンであるときに、電源側接続/遮断部26は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18のそれぞれと、第1送電バス24及び第2送電バス30のそれぞれとの間を電気的に接続する。
【0018】
図3A図3Cは、負荷側接続/遮断部28の回路構成を示す図である。負荷側接続/遮断部28は、図3Aに示すように、正極側の配線上にスイッチ38が設けられている。スイッチ38がオフであるときに、負荷側接続/遮断部28は、第1送電バス24及び第2送電バス30のそれぞれと、第1ロード20及び第2ロード22のそれぞれとの間を電気的に遮断する。一方、スイッチ38がオンであるときに、負荷側接続/遮断部28は、第1送電バス24及び第2送電バス30のそれぞれと、第1ロード20及び第2ロード22のそれぞれとの間を電気的に接続する。
【0019】
負荷側接続/遮断部28の回路構成は、図3Aに示す構成に限らず、他の構成であってもよい。負荷側接続/遮断部28は、図3Bに示すように、正極側の配線上にヒューズ40とスイッチ38とが直列に設けられていてもよい。また、負荷側接続/遮断部28は、図3Cに示すように、負極側の配線上にスイッチ42が設けられていてもよい。
【0020】
図4A図4Cは、プリチャージ回路32の回路構成を示す図である。プリチャージ回路32には、図4Aに示すように、電源側接続/遮断部26cと並列にスイッチ44が設けられ、さらに、スイッチ44に直列に抵抗48が設けられている。また、電源側接続/遮断部26dと並列にスイッチ46が設けられ、さらに、スイッチ46に直列に抵抗50が設けられている。電源側接続/遮断部26cのスイッチ34(図2を参照)がオン、スイッチ36(図2を参照)がオフであって、プリチャージ回路32のスイッチ44がオンであるときに、第2送電バス30から第1バッテリ16にプリチャージ回路32を経由して電流が流れる。同様に、電源側接続/遮断部26dのスイッチ34(図2を参照)がオン、スイッチ36(図2を参照)がオフであって、プリチャージ回路32のスイッチ46がオンであるときに、第2送電バス30から第2バッテリ18にプリチャージ回路32を経由して電流が流れる。
【0021】
プリチャージ回路32の回路構成は、図4Aに示す構成に限らず、他の構成であってもよい。プリチャージ回路32には、図4Bに示すように、電源側接続/遮断部26c及び電源側接続/遮断部26dと並列に共通の1つのスイッチ52が設けられていてもよい。図4Bに示すプリチャージ回路32には、さらに、電源側接続/遮断部26cと並列に抵抗54が設けられ、電源側接続/遮断部26dと並列に抵抗56が設けられている。また、プリチャージ回路32には、図4Cに示すように、電源側接続/遮断部26c及び電源側接続/遮断部26dと並列に共通の1つのスイッチ58及び抵抗60が設けられていてもよい。スイッチ58と抵抗60とは直列に接続されている。
【0022】
図5は、電力供給回路10のブロック図である。電力供給回路10は、さらに、監視部62を有している。監視部62は、メイン回路12及びバックアップ回路14の異常を監視する。メイン回路12、バックアップ回路14の異常とは、例えば、第1送電バス24及び第2送電バス30内のバスバーや電線の短絡、ヒューズの切断、スイッチのオン固着又はオフ固着等である。また、監視部62は、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aの充電状態を監視する。さらに、監視部62は、電源側接続/遮断部26、負荷側接続/遮断部28、及び、プリチャージ回路32の制御を行う。
【0023】
監視部62は、図示しない演算部及び判定部を有する。演算部及び判定部は、例えば処理回路(processing circurity)によって実現され得る。処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成され得る。また、処理回路が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されるようにしてもよい。
【0024】
なお、処理回路が、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ(processor)によって構成されるようにしてもよい。この場合、不図示の記憶部に記憶されているプログラムがプロセッサによって実行されることによって処理回路が実現され得る。
【0025】
[プリチャージ時の電力供給]
第1ロード20及び第2ロード22のコンデンサ20a、22aが充電されるとき(以下、プリチャージ時と記載する)には、電力供給回路10は、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0026】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0027】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを、プリチャージ回路32を経由して電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0028】
これにより、電力供給回路10は、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給可能となる。そして、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aが充電される。
【0029】
[プリチャージ後の電力供給]
第1ロード20及び第2ロード22のコンデンサ20a、22aが充電された後(以下、プリチャージ後と記載する)には、電力供給回路10は、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0030】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0031】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0032】
これにより、電力供給回路10は、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給し、第1ロード20及び第2ロード22が駆動する。
【0033】
[メイン回路異常発生時におけるプリチャージ時の電力供給]
メイン回路12に異常が発生した場合におけるプリチャージ時には、電力供給回路10は、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0034】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0035】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを、プリチャージ回路32を経由して電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0036】
これにより、電力供給回路10は、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給可能となる。そして、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aが充電される。
【0037】
[作用効果]
図6は、比較例の電力供給回路100の回路図である。比較例では、メイン回路12にもプリチャージ回路64が設けられる。例えば、電力供給回路100が電動飛行機等に使用される場合、電力供給回路100は、高電圧、大電流の電力を供給することとなる。そのため、プリチャージ回路32、64も重量化、大型化し、部品価格も高価となり、電力供給回路100全体の重量化、大型化、高コスト化を招く。
【0038】
電力供給回路100の重量化、大型化、高コスト化の抑制のために、メイン回路12のみにプリチャージ回路64が設けられる回路構成が考えられる。この場合、メイン回路12に異常が生じた場合には、プリチャージ時にも、プリチャージ回路32を有しないバックアップ回路14を介して第1ロード20及び第2ロード22に電力が供給されることとなる。そのため、第1ロード20及び第2ロード22の回路の損傷のおそれがある。
【0039】
そこで、本実施形態の電力供給回路10では、バックアップ回路14にのみプリチャージ回路32が設けられる。プリチャージ回路32がバックアップ回路14のみに設けられるため、電力供給回路10の軽量化、小型化、低コスト化を図ることができる。
【0040】
本実施形態の電力供給回路10では、プリチャージ時には、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力が供給される。これにより、メイン回路12に短絡等の異常が発生し、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aの電荷が抜けた場合であっても、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、コンデンサ20a、22aを再度充電できる。そのため、メイン回路12の異常発生時におけるコンデンサ20a、22aへの再充電機能を確保しつつ、メイン回路12プリチャージ回路を削減することが可能となり、電力供給回路10を軽量化できる。
【0041】
[電力供給回路の他の回路構成]
電力供給回路10の回路構成は、図1に示す回路構成以外であってもよい。図7及び図8は、電力供給回路10の回路図である。
【0042】
図1に示す電力供給回路10では、電源側接続/遮断部26c、26dに対して並列にプリチャージ回路32が設けられている。これに対して、図7に示すように、負荷側接続/遮断部28c、28dに対して並列にプリチャージ回路32が設けられていてもよい。
【0043】
図1に示す電力供給回路10では、電源として、第1バッテリ16及び第2バッテリ18が接続されている。これに対し、図8に示すように、第1バッテリ16及び第2バッテリ18に並列に、第1ジェネレータ66及び第2ジェネレータ68が接続されていてもよい。
【0044】
この場合、メイン回路12において第1ジェネレータ66と第1送電バス24との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26eが設けられる。電源側接続/遮断部26eは、第1ジェネレータ66と第1送電バス24との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。第2ジェネレータ68と第1送電バス24との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26fが設けられる。電源側接続/遮断部26fは、第2ジェネレータ68と第1送電バス24との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。
【0045】
また、バックアップ回路14において、第1ジェネレータ66と第2送電バス30との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26gが設けられる。電源側接続/遮断部26gは、第1ジェネレータ66と第2送電バス30との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。第2ジェネレータ68と第2送電バス30との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26hが設けられる。電源側接続/遮断部26hは、第2ジェネレータ68と第2送電バス30との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。
【0046】
電力供給回路10は、1つのバッテリ、又は、3つ以上のバッテリに接続されていてもよい。また、電力供給回路10は、1つのジェネレータ、又は、3つ以上のジェネレータに接続されていてもよい。さらに、電力供給回路10は、1つのロード、又は、3つ以上のロードに接続されていてもよい。
【0047】
電力供給回路10は、メイン回路12及びバックアップ回路14以外に、さらに別の送電バスを有する回路を有していてもよい。
【0048】
電力供給回路10は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18に代えて、大容量コンデンサが用いられてもよい。
【0049】
プリチャージ回路32の個数、及び、プリチャージ回路32内の抵抗の個数は、電源電圧、各種抵抗の抵抗値、及び、負荷内のコンデンサの許容電流等に応じて適宜設定される。そのため、電源電圧、各種抵抗の抵抗値、及び、負荷内のコンデンサの許容電流等に応じて、図1に示すように電源側にプリチャージ回路32が設けられるとともに、図7に示すように負荷側にプリチャージ回路32が設けられるようにしてもよい。
【0050】
〔第2実施形態〕
図9は、本実施形態の電力供給回路10の回路図である。第1実施形態の電力供給回路10では、プリチャージ回路32はバックアップ回路14に設けられている。本実施形態では、プリチャージ回路32と直列にセレクタ70が設けられ、セレクタ70により、プリチャージ回路32がメイン回路12及びバックアップ回路14の一方に選択的に設けられる。他の回路構成は、図1に示す第1実施形態の電力供給回路10の回路構成と同じである。
【0051】
プリチャージ回路32は、図9に示すように、第1バッテリ16と、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、及び、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26cとの間を繋ぐ負極配線の点Aに接続されている。また、プリチャージ回路32は、第2バッテリ18と、メイン回路12の電源側接続/遮断部26b、及び、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26dとの間を繋ぐ負極配線の点Bに接続されている。
【0052】
プリチャージ回路32は、図9に示すように、セレクタ70を介して、メイン回路12の電源側接続/遮断部26aと第1送電バス24との間を繋ぐ負極配線の点Cに接続される。プリチャージ回路32は、セレクタ70を介して、メイン回路12の電源側接続/遮断部26bと第1送電バス24との間を繋ぐ負極配線の点Dに接続される。また、プリチャージ回路32は、セレクタ70を介して、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26cと第2送電バス30との間を繋ぐ負極配線の点Eに接続される。プリチャージ回路32は、セレクタ70を介して、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26dと第2送電バス30との間を繋ぐ負極配線の点Fに接続される。
【0053】
図10A及び図10Bは、プリチャージ回路32及びセレクタ70の回路構成を示す図である。図10Aに示すように、セレクタ70は、スイッチ72及びスイッチ74を有している。スイッチ72は、点Aからプリチャージ回路32を経由して延びる配線と、点C及び点Eの一方とを選択的に接続する。スイッチ74は、点Bからプリチャージ回路32を経由して延びる配線と、点D及び点Fの一方とを選択的に接続する。
【0054】
セレクタ70により、点Aと点C、及び、点Bと点Dとが接続されているときには、プリチャージ回路32はメイン回路12に設けられていることとなる。セレクタ70により、点Aと点E、及び、点Bと点Fとが接続されているときには、プリチャージ回路32はバックアップ回路14に設けられていることとなる。
【0055】
セレクタ70の回路構成は、図10Aに示す構成に限らず、他の構成であってもよい。図10Bに示すように、セレクタ70は、1つのスイッチ76を有している。スイッチ76は、点A及び点Bのそれぞれからプリチャージ回路32を経由して延びる配線と、点Cと点Dの両方、又は、点Eと点Fの両方とを選択的に接続する。
【0056】
図11は、電力供給回路10のブロック図である。本実施形態の監視部62は、第1実施形態の監視部62と同様、第1送電バス24、第2送電バス30の異常を監視する。監視部62は、電源側接続/遮断部26、負荷側接続/遮断部28、及び、プリチャージ回路32の制御に加えて、セレクタ70の制御を行う。
【0057】
[プリチャージ時の電力供給]
プリチャージ時には、通常、監視部62は、プリチャージ回路32がメイン回路12に設けられるように、セレクタ70を制御する。そして、電力供給回路10は、メイン回路12のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0058】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b、負荷側接続/遮断部28a、28b及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24とを、プリチャージ回路32を経由して電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26a、26b及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0059】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d及び負荷側接続/遮断部28c、28dを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26c、26dを制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0060】
これにより、電力供給回路10は、メイン回路12のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給可能となる。そして、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aが充電される。
【0061】
プリチャージ時には、メイン回路12にプリチャージ回路32が設けられており、このときのメイン回路12は、本発明の第2回路に相当する。
【0062】
[プリチャージ後の電力供給]
プリチャージ後には、監視部62は、プリチャージ回路32がバックアップ回路14に設けられるように、セレクタ70を制御する。そして、電力供給回路10は、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0063】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0064】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0065】
これにより、電力供給回路10は、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給し、第1ロード20及び第2ロード22が駆動する。
【0066】
プリチャージ後には、メイン回路12にはプリチャージ回路32が設けられておらず、このときのメイン回路12は、本発明の第1回路に相当する。
【0067】
[メイン回路異常発生時におけるプリチャージ時の電力供給]
メイン回路12に異常が発生した場合におけるプリチャージ時には、監視部62は、プリチャージ回路32がバックアップ回路14に設けられるように、セレクタ70を制御する。そして、電力供給回路10は、バックアップ回路14を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0068】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0069】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを、プリチャージ回路32を経由して電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0070】
これにより、電力供給回路10は、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給可能となる。そして、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aが充電される。
【0071】
[メイン回路異常発生時のプリチャージ後の電力供給]
メイン回路12に異常が発生した場合におけるプリチャージ後には、電力供給回路10は、バックアップ回路14を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0072】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0073】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを、プリチャージ回路32を経由せずに直接電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0074】
これにより、電力供給回路10は、バックアップ回路14を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給し、第1ロード20及び第2ロード22が駆動する。
【0075】
[作用効果]
本実施形態の電力供給回路10は、プリチャージ回路32をメイン回路12及びバックアップ回路14の一方に設けるようにするセレクタ70を有する。これにより、1つのプリチャージ回路32を、メイン回路12とバックアップ回路14で共有できるため、電力供給回路10の軽量化、小型化、低コスト化を図ることができる。
【0076】
[電力供給回路の他の回路構成]
電力供給回路10の回路構成は、図9に示す回路構成以外であってもよい。図12及び図13は、電力供給回路10の回路図である。
【0077】
図9に示す電力供給回路10では、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b、又は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26dに対して並列にプリチャージ回路32が設けられている。これに対して、図12に示すように、メイン回路12の負荷側接続/遮断部28a、28b、又は、バックアップ回路14の負荷側接続/遮断部28c、28dに対して並列にプリチャージ回路32が設けられていてもよい。
【0078】
図9に示す電力供給回路10では、電源として、第1バッテリ16及び第2バッテリ18が接続されている。これに対し、図13に示すように、第1バッテリ16及び第2バッテリ18に並列に、第1ジェネレータ66及び第2ジェネレータ68が接続されていてもよい。
【0079】
この場合、メイン回路12において第1ジェネレータ66と第1送電バス24との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26eが設けられる。電源側接続/遮断部26eは、第1ジェネレータ66と第1送電バス24との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。第2ジェネレータ68と第1送電バス24との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26fが設けられる。電源側接続/遮断部26fは、第2ジェネレータ68と第1送電バス24との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。
【0080】
また、バックアップ回路14において、第1ジェネレータ66と第2送電バス30との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26gが設けられる。電源側接続/遮断部26gは、第1ジェネレータ66と第2送電バス30との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。第2ジェネレータ68と第2送電バス30との間を繋ぐ配線には、電源側接続/遮断部26hが設けられる。電源側接続/遮断部26hは、第2ジェネレータ68と第2送電バス30との間を電気的に接続する状態と遮断する状態とに切り換える。
【0081】
〔第3実施形態〕
本実施形態の電力供給回路10の構成は、第2実施形態の電力供給回路10の構成と同じである。第2実施形態の電力供給回路10は、通常時には、プリチャージ時もプリチャージ後も、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。本実施形態の電力供給回路10は、メイン回路12及びバックアップ回路14の使用頻度、又は、使用時間に応じて、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する回路を、メイン回路12とバックアップ回路14とで切り替える。
【0082】
本実施形態の監視部62は、メイン回路12及びバックアップ回路14のそれぞれの使用頻度、又は、使用時間を監視する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22への電力の供給に、メイン回路12及びバックアップ回路14の一方を使用するように、電源側接続/遮断部26、負荷側接続/遮断部28、プリチャージ回路32、及び、セレクタ70を制御する。
【0083】
[プリチャージ時のメイン回路による電力供給]
プリチャージ時には、監視部62は、プリチャージ回路32がメイン回路12に設けられるように、セレクタ70を制御する。そして、電力供給回路10は、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0084】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b、負荷側接続/遮断部28a、28b及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24とを、プリチャージ回路32を経由して電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26a、26b及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0085】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d及び負荷側接続/遮断部28c、28dを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26c、26dを制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0086】
これにより、電力供給回路10は、メイン回路12のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給可能となる。そして、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aが充電される。
【0087】
[プリチャージ後のメイン回路による電力供給]
プリチャージ後には、監視部62は、プリチャージ回路32がバックアップ回路14に設けられるように、セレクタ70を制御する。そして、電力供給回路10は、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0088】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0089】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0090】
これにより、電力供給回路10は、メイン回路12を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給し、第1ロード20及び第2ロード22が駆動する。
【0091】
[プリチャージ時のバックアップ回路による電力供給]
プリチャージ時には、監視部62は、プリチャージ回路32がバックアップ回路14に設けられるように、セレクタ70を制御する。そして、電力供給回路10は、バックアップ回路14を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0092】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b及び負荷側接続/遮断部28a、28bを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26a、26bを制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0093】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28d及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを、プリチャージ回路32を経由して電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26c、26d及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0094】
これにより、電力供給回路10は、バックアップ回路14のプリチャージ回路32を経由して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給可能となる。そして、第1ロード20のコンデンサ20a及び第2ロード22のコンデンサ22aが充電される。
【0095】
[プリチャージ後のバックアップ回路による電力供給]
プリチャージ後には、監視部62は、プリチャージ回路32がメイン回路12に設けられるように、セレクタ70を制御する。そして、電力供給回路10は、バックアップ回路14を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する。
【0096】
このとき、監視部62は、メイン回路12の電源側接続/遮断部26a、26b、負荷側接続/遮断部28a、28b及びプリチャージ回路32を以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第1送電バス24との間を電気的に遮断するように、電源側接続/遮断部26a、26b及びプリチャージ回路32を制御する。また、監視部62は、第1送電バス24と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に遮断するように、負荷側接続/遮断部28a、28bを制御する。
【0097】
さらに、監視部62は、バックアップ回路14の電源側接続/遮断部26c、26d、負荷側接続/遮断部28c、28dを以下のように制御する。監視部62は、第1バッテリ16及び第2バッテリ18と第2送電バス30とを電気的に接続するように、電源側接続/遮断部26c、26dを制御する。また、監視部62は、第2送電バス30と第1ロード20及び第2ロード22との間を電気的に接続するように、負荷側接続/遮断部28c、28dを制御する。
【0098】
これにより、電力供給回路10は、バックアップ回路14を介して、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給し、第1ロード20及び第2ロード22が駆動する。
【0099】
[作用効果]
本実施形態の電力供給回路10は、メイン回路12及びバックアップ回路14の使用頻度、又は、使用時間に応じて、第1バッテリ16及び第2バッテリ18から第1ロード20及び第2ロード22に電力を供給する回路を、メイン回路12とバックアップ回路14とで切り替える。これにより、メイン回路12の使用頻度又は使用時間とバックアップ回路14の使用頻度又は使用時間を均等に近づけることができるため、電力供給回路10の耐久性を向上させることができる。
【0100】
〔実施形態から得られる技術的思想〕
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0101】
電源(16、18)から負荷(20、22)に電力を供給する電力供給回路(10)であって、前記負荷は、起動前に充電が必要なコンデンサ(20a、22a)を有し、前記電源から前記負荷に電力を供給する第1回路(12)と、前記電源から前記負荷に電力を供給する第2回路(14)と、を備え、前記第1回路及び前記第2回路の一方にのみ、前記コンデンサを充電するプリチャージ回路(32)が設けられ、前記コンデンサを充電するときには、前記第1回路及び前記第2回路のうち前記プリチャージ回路を有する回路を用いて、前記電源から前記負荷に電力を供給し、前記コンデンサの充電完了後には、前記第1回路及び前記第2回路のうち前記プリチャージ回路を有さない回路を用いて、前記電源から前記負荷に電力を供給する。
【0102】
上記の電力供給回路であって、前記第1回路は、前記プリチャージ回路を有さない回路であり、前記第2回路は、前記プリチャージ回路を有する回路であり、前記第1回路に異常が生じた場合に、前記コンデンサを充電するときには、前記第2回路を用いて前記電源から前記負荷に電力を供給するとともに、前記コンデンサの充電完了後には、前記第2回路を用いて前記電源から前記負荷に電力を供給してもよい。
【0103】
上記の電力供給回路であって、前記第1回路及び前記第2回路の一方に前記プリチャージ回路を接続させるセレクタ(70)を有してもよい。
【0104】
上記の電力供給回路であって、前記第1回路及び前記第2回路の使用頻度及び使用時間の少なくとも一方を監視する監視部(62)を備え、前記監視部は、前記使用頻度及び前記使用時間の少なくとも一方に応じて、前記第1回路及び前記第2回路の一方に前記プリチャージ回路を接続させてもよい。
【符号の説明】
【0105】
10…電力供給回路 12…メイン回路(第1回路、第2回路)
14…バックアップ回路(第1回路、第2回路)
16…第1バッテリ(電源) 18…第2バッテリ(電源)
20…第1ロード(負荷) 20a、22a…コンデンサ
22…第2ロード(負荷) 32…プリチャージ回路
62…監視部 70…セレクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13