(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】情報通知システム、及び情報通知システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20241030BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20241030BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20241030BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241030BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241030BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0969
G09B29/00 F
G09B29/00 C
G16Y10/40
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2021033229
(22)【出願日】2021-03-03
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多々見 彩結
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-061285(JP,A)
【文献】特開2013-253960(JP,A)
【文献】特開2000-241178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G08G 1/0969
G09B 29/00
G16Y 10/40
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者から、前記車両の周囲の情報を取得する指示である情報取得指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記情報取得指示を受け付けたときの前記車両の現在位置を取得する取得部と、
前記運転者が前記車両を運転している際に前記受付部が前記情報取得指示を受け付けた場合、前記車両が駐車した後に、前記取得部が取得した前記車両の現在位置に係わる情報を前記運転者に通知する通知部と、
前記取得部が取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったか否かを判定する判定部と、を備え、
前記通知部は、前記判定部が、前記取得部が取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったと判定した場合、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、過去に前記情報取得指示を行ったことを示す情報を通知する、
情報通知システム。
【請求項2】
地図を表示する表示部を備え、
前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、前記表示部が表示する前記地図上に、前記取得部が取得した前記車両の現在位置を示すマークを表示する、
請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項3】
前記取得部が取得した前記車両の現在位置の周囲に位置する施設及び店舗の少なくともいずれかを検索する検索部を備え、
前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報として前記検索部の検索結果を通知する、
請求項1又は2に記載の情報通知システム。
【請求項4】
前記受付部は、音声以外による前記情報取得指示を受け付ける、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の情報通知システム。
【請求項5】
前記受付部は、前記車両のステアリングに設けられるハードウェアボタンである、
請求項
4に記載の情報通知システム。
【請求項6】
前記受付部は、音声による前記情報取得指示を受け付ける、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の情報通知システム。
【請求項7】
表示部と、
前記受付部が前記情報取得指示を受け付けた場合に、車外を撮影する撮影部と、を備え、
前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報の通知と共に、前記表示部に前記撮影部の撮影結果を表示させる、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の情報通知システム。
【請求項8】
前記通知部は、
表示させた前記撮影結果に写る像が選択された場合、選択された前記像に対応する情報を前記表示部に表示させる、
請求項
7に記載の情報通知システム。
【請求項9】
前記通知部は、
前記車両のシフト操作器のシフト位置がパーキングである場合、前記車両のアクセサリ電源がオフである場合、前記車両のイグニッション電源がオフである場合、シートベルトが解除された場合、及び、ドアロックが解除された場合の少なくともいずれかの場合に、前記車両の現在位置に係わる情報を通知する、
請求項1から
8のいずれか一項に記載の情報通知システム。
【請求項10】
車両の運転者から、前記車両の周囲の情報を取得する指示である情報取得指示を受け付け、
前記情報取得指示を受け付けたときの前記車両の現在位置を取得し、
前記運転者が前記車両を運転している際に前記情報取得指示を受け付けた場合、前記車両が駐車した後に、取得した前記車両の現在位置に係わる情報を前記運転者に通知する、
取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったか否かを判定し、
取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったと判定した場合、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、過去に前記情報取得指示を行ったことを示す情報を通知する、
情報通知システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通知システム、及び情報通知システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転者がマーキングした時点の現在位置に基づいて、店舗や施設等の情報を取得する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、運転者がマーキングした位置を所在地とした施設や店舗を登録し、マーキングした位置に対応する地図上の位置にマークを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、運転者が運転中にマーキングを行っても、車両の移動に伴ってマークが地図上から非表示なる虞がある。特許文献1は、マークが非表示になってしまうと、マーキングを行ったことを運転者が知る手段がなく、運転者がマーキングを行ったことを忘れてしまう虞があり、運転者の利便性向上に改善の余地がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、運転者の利便性を向上できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための一態様の情報通知システムは、車両の運転者から、前記車両の周囲の情報を取得する指示である情報取得指示を受け付ける受付部と、前記受付部が前記情報取得指示を受け付けたときの前記車両の現在位置を取得する取得部と、前記運転者が前記車両を運転している際に前記受付部が前記情報取得指示を受け付けた場合、前記車両が駐車した後に、前記取得部が取得した前記車両の現在位置に係わる情報を前記運転者に通知する通知部と、前記取得部が取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったか否かを判定する判定部と、を備え、前記通知部は、前記判定部が、前記取得部が取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったと判定した場合、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、過去に前記情報取得指示を行ったことを示す情報を通知する。
【0006】
上記情報通知システムにおいて、地図を表示する表示部を備え、前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、前記表示部が表示する前記地図上に、前記取得部が取得した前記車両の現在位置を示すマークを表示する、構成としてもよい。
【0007】
上記情報通知システムにおいて、前記取得部が取得した前記車両の現在位置の周囲に位置する施設及び店舗の少なくともいずれかを検索する検索部を備え、前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報として前記検索部の検索結果を通知する、構成としてもよい。
【0009】
上記情報通知システムにおいて、前記受付部は、音声以外による前記情報取得指示を受け付ける、構成としてもよい。
【0010】
上記情報通知システムにおいて、前記受付部は、前記車両のステアリングに設けられるハードウェアボタンである、構成としてもよい。
【0011】
上記情報通知システムにおいて、前記受付部は、音声による前記情報取得指示を受け付ける、構成としてもよい。
【0012】
上記情報通知システムにおいて、表示部と、前記受付部が前記情報取得指示を受け付けた場合に、車外を撮影する撮影部と、を備え、前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報の通知と共に、前記表示部に前記撮影部の撮影結果を表示させる、構成としてもよい。
【0013】
上記情報通知システムにおいて、前記通知部は、表示させた前記撮影結果の一部が選択操作された場合、選択操作された前記一部に対応する情報を前記表示部に表示させる、構成としてもよい。
【0014】
上記情報通知システムにおいて、前記通知部は、前記車両のシフト操作器のシフト位置がパーキングである場合、前記車両のアクセサリ電源がオフである場合、前記車両のイグニッション電源がオフである場合、シートベルトが解除された場合、及び、ドアロックが解除された場合の少なくともいずれかの場合に、前記車両の現在位置に係わる情報を通知する、構成としてもよい。
【0015】
上記目的を達成するための別の一態様の情報通知システムの制御方法は、車両の運転者から、前記車両の周囲の情報を取得する指示である情報取得指示を受け付け、前記情報取得指示を受け付けたときの前記車両の現在位置を取得し、前記運転者が前記車両を運転している際に前記情報取得指示を受け付けた場合、前記車両が駐車した後に、取得した前記車両の現在位置に係わる情報を前記運転者に通知する、取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったか否かを判定し、取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったと判定した場合、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、過去に前記情報取得指示を行ったことを示す情報を通知する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、運転者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、情報通知システムの概要を示す説明図である。
【
図4】
図4は、情報処理サーバの構成を示す図である。
【
図5】
図5は、情報通知システムの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、撮影結果に写る像を選択した場合の表示を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1.情報通知システムの概要]
図1を参照して、本実施形態の情報通知システム1000の概要を説明する。
情報通知システム1000は、車両Vの運転者Uに対して情報を通知するシステムである。情報通知システム1000が運転者Uに通知する情報は、操作ボタン17を運転者Uが操作したときの車両Vの現在位置に係わる情報である。車両Vの現在位置に係わる情報の具体例については、後述する。
【0019】
車載装置1は、車両Vに搭載された装置である。車載装置1は、車両Vに設けられるタッチパネル13を備える装置であり、例えば、ディスプレイオーディオ(DA)と呼ばれる装置、或いはカーナビゲーション装置である。
【0020】
運転者端末2は、モバイルデバイス、或いはハンドヘルドコンピュータと呼ばれる携帯型のコンピュータである。運転者端末2は、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータである。運転者端末2は運転者Uに使用される。
図1では、運転者端末2は、車両Vの助手席10Bに載置されている。
【0021】
車載装置1と運転者端末2とは、相互にデータ通信可能である。なお、車載装置1と運転者端末2との通信規格は、無線通信規格でも有線通信規格でもよい。
【0022】
情報処理サーバ3は、運転者Uへの情報通知に係わる情報処理を行うサーバである。本実施形態の情報処理サーバ3は、通信ネットワーク4を介して、運転者端末2とデータ通信可能である。通信ネットワーク4は、データ通信ネットワークであればよく、公衆回線網を含む広域通信ネットワーク、LAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0023】
[2.車両の構成]
図1を参照して、車載装置1が搭載された車両Vの構成について説明する。
本実施形態の車両Vは、乗車定員5名の四輪自動車である。車両Vは、運転席10A、助手席10B、リア右席10C、リア中央席10D、及びリア左席10Eを備える。
図1の車両Vでは、運転者Uが運転席10Aに着座している状況を示している。
【0024】
車両Vは、右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、左後ドア11D、及び、テールゲート11Eを備える。右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、及び左後ドア11Dを開くことにより車両Vの車室空間への出入りが可能となる。テールゲート11Eは、車両Vのトランクを開閉する。
【0025】
車両Vは、ダッシュボード12を備える。ダッシュボード12は、タッチパネル13、スピーカ14、及びマイク15が設置される。タッチパネル13は、文字や画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルへの接触を検出するタッチセンサーとが重畳された構成を有する。スピーカ14は、車両Vの車室空間に音を出力する。マイク15は、音声を集音する。マイク15は、車両Vに搭乗している人が発話する音声等、車両Vの車室空間の音を集音する。スピーカ14及びマイク15の設置位置および数は任意に変更可能である。
【0026】
ダッシュボード12には、運転席10Aに着座した運転者Uと対向する位置に、ステアリングホイール16が設置される。ステアリングホイール16には、操作ボタン17が配置されている。操作ボタン17は、ハードウェアボタンである。操作ボタン17は、車両Vの運転中に車両Vの周囲の情報を取得したいと望む場合に運転者Uに操作される。この場合の例としては、前方に見える店舗の詳細を知りたいと運転者Uが思った場合や、側方に見える施設の使用可能時間を知りたいと運転者Uが思った場合等である。操作ボタン17は、運転者Uに操作されることで、運転者Uから、車両Vの周囲の情報を取得する指示である情報取得指示を受け付ける。
ステアリングホイール16は、本開示のステアリングの一例に対応する。操作ボタン17は、本開示の受付部の一例に対応する。
【0027】
車両Vは、運転席10Aの付近に設置されたシフトレバー18を備える。
シフトレバー18は、本開示のシフト操作器の一例に対応する。
【0028】
車両Vの前部には、車両Vの前方を撮影するフロントカメラ19Aが設けられている。また、車両Vの後部には、車両Vの後方を撮影するリアカメラ19Bが設けられている。また、車両Vの右側部には、車両Vの右側方を撮影する右サイドカメラ19Cが設けられている。また、車両Vの左側部には、車両Vの左側方を撮影する左サイドカメラ19Dが設けられている。フロントカメラ19A、リアカメラ19B、右サイドカメラ19C、及び左サイドカメラ19Dは、車両Vの周囲を撮影する車外カメラである。以下の説明において、フロントカメラ19A、リアカメラ19B、右サイドカメラ19C、及び左サイドカメラ19Dを区別しない場合、「カメラ」といい「19」の符号を付す。
カメラ19は、本開示の撮影部の一例に対応する。
【0029】
[3.車載装置の構成]
図2を参照して、車載装置1の構成について説明する。
車載装置1は、CPU(Central Processing Unit)100、及び、プログラムやデータを記憶するメモリ110を備える。メモリ110は、半導体メモリデバイスや磁気的記録媒体で構成される記憶装置である。メモリ110は、CPU100が実行する制御用プログラム111、及び、CPU100により処理される各種のデータを記憶する。CPU100は、制御用プログラム111を実行することにより、車載装置1の各部を制御する。CPU100及びメモリ110は、不図示のインターフェイス回路を備えてもよい。
【0030】
図2に、CPU100が構成する機能部として、受付判定部101、車載音声処理部102、駐車判定部103、車載通信制御部104、及び車載通知部105を示す。これらの各機能部は、例えば、CPU100がプログラムを実行することにより、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。これらの各部の機能については後述する。
【0031】
CPU100には、タッチパネル13、スピーカ14、マイク15、GNSS(Global Navigation Satellite System)120、カメラ19、通信ユニット130、及び操作ボタン17が接続される。
【0032】
GNSS120は、車両Vの現在位置を測位する。車両Vが不図示のカーナビゲーションシステムを搭載している場合、GNSS120として、カーナビゲーション装置が備えるGPS(Global Positioning System)ユニット等を利用してもよい。
【0033】
通信ユニット130は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する無線通信装置を備える。通信ユニット130は、運転者端末2とデータ通信を実行する。
【0034】
車載装置1は、ECU140(Electronic Control Unit)に接続される。ECU140は、車両Vに搭載される電子デバイスを制御する制御装置である。
図2には、車載装置1が、ECU140を介して、シフト位置センサ150、イグニッションセンサ160、及びアクセサリ電源170に接続される例を示す。車両Vは複数のECU140を搭載してもよい。この場合、車載装置1には複数のECU140が接続されてもよい。
【0035】
シフト位置センサ150は、車両Vが備えるシフトレバー18のシフト位置を検知する。シフト位置は、例えば、駐停車時に使用されるP(パーキング)、後退時に使用されるR(リバース)、N(ニュートラル)、走行時に使用されるD(ドライブ)等である。イグニッションセンサ160は、車両Vのイグニッション電源の状態を検知する。アクセサリ電源(ACC電源)170は、車両Vが備える電源回路から電子デバイスや補機に供給される電源である。
【0036】
上述したように、CPU100は、受付判定部101、車載音声処理部102、駐車判定部103、車載通信制御部104、及び車載通知部105として機能する。
【0037】
受付判定部101は、操作ボタン17が情報取得指示を受け付けたか否かを判定する。操作ボタン17は、操作されると、操作されたことを示す信号をCPU100に出力する。受付判定部101は、操作されたことを示す信号が入力されると、操作ボタン17が情報取得指示を受け付けたと判定する。受付判定部101は、操作ボタン17が情報取得指示を受け付けたと判定した場合、情報取得指示を受け付けたことを示す指示受付情報を生成する。
【0038】
車載音声処理部102は、スピーカ14を駆動して音を出力させる処理、及び、マイク15が集音した音のデジタル音声データを取得する処理を実行する。
【0039】
駐車判定部103は、車両Vが例えば、以下のように駐車状態か否かを判定する。駐車判定部103は、シフト位置センサ150がP(パーキング)のシフト位置を検知している場合、車両Vが駐車状態であると判定する。駐車判定部103は、シフト位置センサ150がP(パーキング)以外のシフト位置を検知している場合、車両Vが駐車状態でないと判定する。駐車判定部103は、イグニッションセンサ160がイグニッション電源オフであると検知した場合、車両Vが駐車状態であると判定し、イグニッションセンサ160がイグニッション電源オンであると検知した場合、車両Vが駐車状態でないと判定する。駐車判定部103は、アクセサリ電源170がオフであると検知した場合、車両Vが駐車状態であると判定し、アクセサリ電源170がオンであると検知した場合、車両Vが駐車状態でないと判定する。駐車判定部103は、少なくとも運転席10Aのシートベルトが解除されたことを検知した場合、車両Vが駐車状態であると判定する。例えば、駐車判定部103は、シートベルトの着脱を検出するシートベルトセンサの検出値を取得し、取得した検出値に基づいてシートベルトが解除されたことを検知した場合、車両Vが駐車状態であると判定する。駐車判定部103は、少なくとも運転席10Aのドアロックが解除されたことを検知した場合、車両Vが駐車状態であると判定する。例えば、駐車判定部103は、ドアの開閉を検知するドアロックセンサの検出値を取得し、取得した検出値に基づいてドアロックが解除されたことを検知した場合、車両Vが駐車状態であると判定する。また、駐車判定部103は、GNSS120の測位結果に基づいて、車両Vが自宅付近で停車したとき、車両Vが駐車状態であると判定する。
駐車判定部103は、車両Vが駐車状態であると判定した場合、車両Vが駐車状態であることを示す駐車状態情報を生成する。
【0040】
車載通信制御部104は、通信ユニット130を介して運転者端末2と通信する。車載通信制御部104は、受付判定部101が指示受付情報を生成した場合、指示受付情報を運転者端末2に送信する。また、車載通信制御部104は、駐車判定部103が駐車状態情報を生成した場合、駐車状態情報を運転者端末2に送信する。
【0041】
車載通知部105は、運転者Uが操作ボタン17を操作したときの車両Vの現在位置に係わる情報を、運転者Uに通知する。車載通知部105の通知については、後に詳述する。
【0042】
[4.運転者端末の構成]
図3を参照して、運転者端末2の構成について説明する。
運転者端末2は、CPU210、及び、プログラムやデータを記憶するメモリ220を備える。メモリ220は、半導体メモリデバイスや磁気的記録媒体で構成される記憶装置である。メモリ220は、CPU210が実行する制御用プログラム221、地図を表示するためのアプリケーションプログラムである地図アプリ222、及びCPU210により処理される各種のデータを記憶する。CPU210は、制御用プログラム221を実行することにより、運転者端末2の各部を制御する。CPU210及びメモリ220は、不図示のインターフェイス回路を備えてもよい。
【0043】
図4に、CPU210が構成する機能部として、端末通信制御部211、入力受付部212、端末音声処理部213、現在位置取得部214、登録部215、検索要求部216、離間距離判定部217、地図表示制御部218、及び端末通知部219を示す。これらの各機能部は、例えば、CPU210がプログラムを実行することにより、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。これらの各部の機能については後述する。
現在位置取得部214は、本開示の取得部の一例に対応する。離間距離判定部217は、本開示の判定部の一例に対応する。端末通知部219は、本開示の通知部の一例に対応する。
【0044】
CPU210には、タッチパネル230、スピーカ240、マイク250、GNSS260、及び通信ユニット270が接続される。
タッチパネル230は、本開示の表示部の一例に対応する。
【0045】
タッチパネル230は、文字や画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルへの接触を検出するタッチセンサーとが重畳された構成を有する。
【0046】
スピーカ240及びマイク250は、例えば運転者Uが運転者端末2を利用して音声通話を行う際に利用される。
【0047】
GNSS260は、運転者端末2の現在位置を測位する。運転者端末2が車室内に存在する場合、GNSS260が測位する現在位置は、運転者端末2の現在位置と見做すことができる。
【0048】
通信ユニット270は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する無線通信装置を備える。通信ユニット270は、通信ネットワーク4を介して情報処理サーバ3とデータ通信を実行する。また、通信ユニット270は、車載装置1と直接、データ通信を行う。
【0049】
CPU210は、制御用プログラム221を実行することで、端末通信制御部211、入力受付部212、端末音声処理部213、現在位置取得部214、登録部215、検索要求部216、離間距離判定部217、及び端末通知部219として機能する。また、CPU210は、地図アプリ222を実行することで地図表示制御部218として機能する。
【0050】
端末通信制御部211は、通信ユニット270を介して、車載装置1及び情報処理サーバ3とデータ通信を行う。
【0051】
入力受付部212は、タッチパネル230に対する操作を検知することにより、運転者Uによる各種入力を受け付ける。
【0052】
端末音声処理部213は、スピーカ240を駆動して音を出力させる処理、及び、マイク250が集音した音のデジタル音声データを取得する処理を実行する。
【0053】
現在位置取得部214は、指示受付情報を端末通信制御部211が受信した場合、GNSS260から運転者端末2の現在位置を示す現在位置データを取得することで、運転者端末2の現在位置を取得する。運転者端末2が車室内に存在する場合、現在位置取得部214は、車両Vの現在位置として、運転者端末2の現在位置を取得する。現在位置取得部214は、取得した現在位置データを登録部215に出力する。
【0054】
登録部215は、現在位置取得部214が取得した現在位置データをメモリ220に記録することで、現在位置取得部214が取得した現在位置を登録する。
【0055】
検索要求部216は、現在位置取得部214が取得した現在位置の周囲に位置する施設及び店舗の少なくともいずれかを検索する要求を、情報処理サーバ3に対して行う。検索要求部216は、検索要求情報を生成し、生成した検索要求情報を端末通信制御部211に出力する。検索要求情報は、現在位置取得部214が取得した現在位置データを含む。端末通信制御部211は、検索要求部216が生成した検索要求情報を情報処理サーバ3に送信する。検索要求部216は、検索要求情報の応答として、情報処理サーバ3から検索結果が送信されると、送信された検索結果をメモリ220に記録する。検索要求部216は、メモリ220に記録された現在位置データのうち、検索要求情報に含んだ現在位置データに紐付けて、検索結果を記録する。
【0056】
離間距離判定部217は、GNSS260が測位する現在位置と、登録部215が登録した現在位置との離間距離が所定値以下になったか否かを判定する。離間距離判定部217は、GNSS260が測位する現在位置と、登録部215が登録した現在位置との離間距離が所定値以下になったと判定した場合、所定値以下であることを示す判定結果を端末通知部219に出力する。離間距離判定部217は、登録部215が登録した現在位置の内、所定数日前から現在までに登録された現在位置を対象に判定を行う。
【0057】
地図表示制御部218は、タッチパネル230に地図を表示させる。地図表示制御部218が表示させる地図の地図データは、運転者端末2が予め記憶していた地図データでもよいし、所定の地図データ提供サーバからダウンロードした地図データでもよい。ここで、地図データは、道路地図情報や、各種施設等の情報、マップマッチング用のデータ等を格納するデータである。
【0058】
端末通知部219は、運転者Uが操作ボタン17を操作したときの車両Vの現在位置に係わる情報を、運転者Uに通知する。端末通知部219の通知については、後に詳述する。
【0059】
[5.情報処理サーバの構成]
図4を参照して、情報処理サーバ3の構成について説明する。
情報処理サーバ3は、CPU310、及び、プログラムやデータを記憶するメモリ320を備える。メモリ320は、半導体メモリデバイスや磁気的記録媒体で構成される記憶装置である。メモリ320は、CPU310が実行する制御用プログラム321、及びCPU310により処理される各種のデータを記憶する。CPU310は、制御用プログラム321を実行することにより、情報処理サーバ3の各部を制御する。CPU310及びメモリ320は、不図示のインターフェイス回路を備えてもよい。
【0060】
図4に、CPU310が構成する機能部として、サーバ通信制御部311及び検索部312を示す。これらの各機能部は、例えば、CPU310がプログラムを実行することにより、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。これらの各部の機能については後述する。
【0061】
CPU310には、通信ユニット330が接続される。
通信ユニット330は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する無線通信装置を備える。通信ユニット330は、通信ネットワーク4を介して運転者端末2とデータ通信を実行する。
【0062】
上述したようにCPU310は、サーバ通信制御部311、及び検索部312として機能する。
【0063】
サーバ通信制御部311は、通信ユニット330を介して、運転者端末2とデータ通信を行う。サーバ通信制御部311は、運転者端末2から検索要求情報を受信した場合、受信した検索要求情報を検索部312に出力する。サーバ通信制御部311は、検索部312の検索結果を運転者端末2に送信する。
【0064】
検索部312は、検索要求情報及び検索用データベースに基づいて、検索要求情報に含まれる現在位置データが示す現在位置の周囲に位置する施設及び店舗の少なくともいずれかを検索する。検索用データベースは、施設ごとに、施設情報と施設の位置情報とを有し、店舗ごとに、店舗情報と店舗の位置情報とを有する。施設情報は、施設名や、施設に係わる日時(使用可能日時や休業日等)、公共施設等の施設の種類等を示す情報である。施設の位置情報は、例えば施設の住所等を示す。店舗情報は、店舗名や、店舗に係わる時間(営業日時や休業日等)、居酒屋や洋服店等の店舗の種類、広告、クーポン、販売品等を示す。店舗の位置情報は、例えば店舗の住所を示す。
【0065】
検索部312は、検索用データベースに記録される位置情報を参照し、検索要求情報が含む現在位置データが示す現在位置から所定距離内に位置する施設及び店舗を検索する。検索部312は、施設を検索できた場合、検索結果として、施設ごとに、施設情報と施設の位置情報を検索用データベースから取得する。検索部312は、店舗を検索できた場合、検索結果として、店舗ごとに、店舗情報と店舗の位置情報を検索用データベースから取得する。そして、検索部312は、取得した各種情報を含む検索結果をサーバ通信制御部311に出力する。
【0066】
なお、検索用データベースは、情報処理サーバ3が保持してもよいし、情報処理サーバ3と通信可能な他のサーバが保持していてもよい。
【0067】
[6.情報通知システムの動作]
次に、情報通知システム1000の動作について説明する。
図5は、情報通知システム1000の動作を示すフローチャートである。
図5において、フローチャートFAは車載装置1の動作を示し、フローチャートFBは運転者端末2の動作を示し、フローチャートFCは情報処理サーバ3の動作を示す。
【0068】
図5の各フローチャートのフロー開始時点では、運転者Uが車両Vを走行させているとする。また、
図5の各フローチャートのフロー開始時点では、車載装置1と運転者端末2とが互いに通信可能に接続されているとする。
【0069】
フローチャートFAで示すように、車載装置1の受付判定部101は、操作ボタン17が運転者Uから情報取得指示を受け付けた、換言すると操作ボタン17が操作されたか否かを判定する(ステップSA1)。
【0070】
受付判定部101が、操作ボタン17が情報取得指示を受け付けていないと判定した場合(ステップSA1:NO)、CPU100は、ステップSA4の処理を行う。
【0071】
一方、受付判定部101は、操作ボタン17が情報取得指示を受け付けたと判定した場合(ステップSA1:YES)、指示受付情報を生成する(ステップSA2)。
【0072】
次いで、車載通信制御部104は、受付判定部101が生成した指示受付情報を、運転者端末2に送信する(ステップSA3)。
【0073】
フローチャートFBで示すように、運転者端末2の端末通信制御部211は、指示受付情報を車載装置1から受信したか否かを判定する(ステップSB1)。
【0074】
端末通信制御部211は、指示受付情報を車載装置1から受信していないと判定した場合(ステップSB1:NO)、ステップSB8の処理を行う。
【0075】
一方、端末通信部が指示受付情報を車載装置1から受信したと判定した場合(ステップSB1:YES)、現在位置取得部214は、車両Vの現在位置として運転者端末2の現在位置を取得する(ステップSB2)。
【0076】
次いで、登録部215は、ステップSB2で現在位置取得部214が取得した現在位置を登録する(ステップSB3)。
【0077】
次いで、検索要求部216は、検索要求情報を生成する(ステップSB4)。ステップSB4で生成される検索要求情報には、ステップSB3で登録された現在位置を示す現在位置データを含む。
【0078】
次いで、端末通信制御部211は、ステップSB4で生成された検索要求情報を、情報処理サーバ3に送信する(ステップSB5)。
【0079】
フローチャートFCで示すように、情報処理サーバ3のサーバ通信制御部311は、検索要求情報を運転者端末2から受信したか否かを判定する(ステップSC1)。
【0080】
サーバ通信制御部311が、検索要求情報を運転者端末2から受信したと判定した場合(ステップSC1:YES)、検索部312は、サーバ通信制御部311が受信した検索要求情報に基づいて検索を行う(ステップSC2)。
【0081】
次いで、サーバ通信制御部311は、検索部312の検索結果を運転者端末2に送信する(ステップSC3)。
【0082】
フローチャートFBで示すように、運転者端末2の端末通信制御部211は、情報処理サーバ3から検索結果を受信する(ステップSB6)。
【0083】
次いで、検索要求部216は、メモリ220に記録された現在位置データのうち、ステップSB4で生成した検索要求情報に含んだ現在位置データに紐付けて、端末通信制御部211から受信した検索結果を記録する(ステップSB7)。
【0084】
フローチャートFAで示すように、車載装置1の駐車判定部103は、車両Vが駐車状態であるか否かを判定する(ステップSA4)。
【0085】
駐車判定部103が駐車状態でないと判定した場合(ステップSA4:NO)、CPU100は、再度、ステップSA1以降の処理を実行する。
【0086】
一方、駐車判定部103は、車両Vが駐車状態であると判定した場合(ステップSA4:YES)、駐車状態情報を生成する(ステップSA5)。
【0087】
そして、車載通信制御部104は、ステップSA5で生成された駐車状態情報を、運転者端末2に送信する(ステップSA6)。
【0088】
車両Vが駐車状態になった後、すなわち車両Vが駐車した後に、通知条件が成立すると、車載通知部105は、タッチパネル13の表示によって、過去に運転者Uが情報取得指示を行ったことを示す情報を通知する(ステップSA7)。
【0089】
ここで、ステップSA7における車載通知部105の通知について詳述する。ステップSA7の通知が行われる場合においては、運転者端末2が車室内に存在し、車載装置1と運転者端末2とが互いに通信可能に接続されている。
【0090】
運転者端末2の離間距離判定部217は、GNSS260の測位結果に基づいて、車両Vの現在位置として運転者端末2の現在位置を監視する。そして、離間距離判定部217は、監視している運転者端末2の現在位置と、登録部215が登録した車両Vの現在位置との離間距離が所定値以下であるか否かを判定する。離間距離判定部217は、所定値以下であると判定した場合、所定値以下であると判定した判定結果を端末通信制御部211に出力する。そして、端末通信制御部211は、判定結果を車載装置1に送信する。
【0091】
車載通知部105は、車載通信制御部104が判定結果を受信した場合、過去に運転者Uが情報取得指示を行ったことを示す情報をタッチパネル13に表示させる。例えば、車載通知部105は、「最近“行ってみたい”に登録された位置がこの付近にあります」の文字列をタッチパネル13に表示させる。
【0092】
これにより、例えば運転者Uが操作ボタン17を操作した後日に車両Vの運転を行った場合や、操作ボタン17の操作後に駐車した後に再度車両Vの走行を開始させた場合等において、車両Vが操作ボタン17が操作された位置に近づくと、過去に運転者Uが情報取得指示を行ったことを示す情報を運転者Uに通知できる。よって、操作ボタン17によって情報取得指示を行った後にこの指示を行ったことを運転者Uが忘れても、運転者Uが情報取得指示を行ったことを思い出すことができるようになり、運転者Uの利便性を向上できる。
【0093】
さて、フローチャートFBで示すように、運転者端末2の端末通信制御部211は、駐車状態情報を車載装置1から受信したか否かを判定する(ステップSB8)。
【0094】
端末通信制御部211は、駐車状態情報を車載装置1から受信していないと判定した場合(ステップSB8:NO)、再度、ステップSB1の判定を行う。
【0095】
一方、端末通信制御部が、駐車状態情報を車載装置1から受信したと判定した場合(ステップSB8:YES)、端末通知部219は、操作ボタン17を運転者Uが操作したときの車両Vの現在位置に係わる情報を、通知する(ステップSB9)。
【0096】
端末通知部219は、ステップSB9において、地図表示制御部218が表示する地図上に、ステップSB2で取得された現在位置を示すマークを表示する。
【0097】
これにより、例えば運転者Uが操作ボタン17を操作した後に運転者Uが車両Vの使用を止めた場合等において、車両Vを駐車させる前に運転者Uが情報取得指示を行った位置を運転者Uに通知できる。よって、操作ボタン17によって情報取得指示を行った後にこの指示を行ったことを運転者Uが忘れても、情報取得指示を行ったこと及び情報取得指示を行った位置がどの位置であったかを運転者Uが思い出すことができるようになる。したがって、運転者Uの利便性を向上できる。
【0098】
端末通知部219は、ステップSB9において、このマークの表示に代わって或いは共に、ステップSB6で受信した検索結果をタッチパネル230に表示させる。例えば、検索結果が、4つの店舗について、店舗情報及び位置情報を含む場合、端末通知部219は、店舗情報及び位置情報の組み合わせを4つ一覧表示する。なお、端末通知部219は、地図表示制御部218が表示する地図上に表示された上記マークがタッチ操作された場合に、ステップSB6で受信した検索結果をタッチパネル230に表示させる構成としてもよい。
【0099】
これにより、例えば運転者Uが操作ボタン17を操作した後に運転者Uが運転を止めて降車した場合や、車両Vの使用していない場合等において、過去に運転者Uが情報取得指示を行った周囲の施設や店舗に関する情報を運転者Uに通知できる。よって、操作ボタン17によって情報取得指示を行った後に運転者Uが情報取得指示を行ったことを忘れても、情報取得指示を行ったこと及び情報取得指示を行った周囲にどのような施設や店舗が位置していたかを運転者Uが思い出すことができるようになる。したがって、運転者Uの利便性を向上できる。
【0100】
[7.他の実施形態]
他の実施形態として、受付判定部101が、操作ボタン17が情報取得指示を受け付けたと判定した場合に、車載通信制御部104は、受付判定部101がこの判定を行ったときのカメラ19の撮影結果SKを、指示受付情報と共に運転者端末2に送信してもよい。この場合、登録部215は、現在位置取得部214が取得した現在位置に紐付けて、指示受付情報と共に送信された撮影結果SKを登録する。そして、端末通知部219は、端末通信制御部211が車載装置1から駐車状態情報を受信した場合に、操作ボタン17を運転者Uが操作したときの車両Vの現在位置に係わる情報と共に、登録された撮影結果SKを通知する。これにより、運転者Uが情報取得指示を行ったときの車両Vの周囲の情景を通知できるため、運転者Uがどうして情報取得指示を行ったのかを鮮明に思い出すことができるようになり、運転者Uの利便性をより向上できる。
【0101】
また、上記他の実施形態において、入力受付部212は、端末通知部219が通知した撮影結果SKに写る像を選択する操作を受け付けてもよい。そして、端末通知部219は、選択された像に対する情報をタッチパネル13に表示させてもよい。
図6は、撮影結果SKに写る像を運転者Uが選択した場合の表示を説明するための図である。
図6では、フロントカメラ19Aの撮影結果SKにおいて、運転者Uが指Fで、車両Vの左前方に位置する店舗の像を選択している場合を例示している。
図6では、端末通知部219は、指Fで選択された店舗に関連付けて、この店舗の店舗情報を有する吹き出しFDを表示する。例えば、端末通知部219は、次の処理を行って、吹き出しFDを表示する。端末通知部219は、選択対象を撮影結果SKから特定し、特定した選択対象の位置を、車両Vの現在位置、フロントカメラ19Aの画角、及び、撮影結果SKにおける選択対象の像の位置に基づき特定する。次いで、端末通知部219は、特定した選択対象の位置と最も近い位置情報が関連付く店舗情報を検索部312の検索結果から取得し、吹き出しFDとして表示する。
図6では、店舗情報が表示されているが、選択対象が施設であれば、施設情報が表示される。
【0102】
上記実施形態では、本開示の受付部として操作ボタン17を例示したが、本開示の受付部は、マイク15でもよい。本開示の受付部がマイク15である場合、情報取得指示に対応する文言をマイク15が集音した場合に、受付判定部101は、マイク15が情報取得指示を受け付けたと判定する。そして、情報通知システム1000では同様の処理が行われる。
【0103】
上記実施形態では、運転者端末2が車両Vの現在位置を取得する構成であるが、車載装置1がGNSS260に基づいて車両Vの現在位置を取得する構成としてもよい。この構成の場合、車載装置1は、取得した車両Vの現在位置を示す現在位置データを、指示受付情報と共に運転者端末2に送信する。そして、登録部215は、指示受付情報と共に送信される現在位置データをメモリ220に記録する。また、この構成の場合、運転者端末2のCPU210は、現在位置取得部214として機能しなくてもよい。
【0104】
上記実施形態では、運転者端末2が車両Vの現在位置を登録する構成であるが、車載装置1も車両Vの現在位置を登録してもよい。この構成の場合、車載装置1は、登録対象の現在位置を示す現在位置データを、GNSS120から取得してもよいし、運転者端末2から取得してもよい。
【0105】
上記実施形態では、情報処理サーバ3が、情報取得指示が行われたときの車両Vの周囲に位置する施設及び店舗を検索する構成であるが、車載装置1がこの検索を行う構成としてもよい。この構成の場合、車載装置1は、検索基準の現在位置を示す現在位置データを、GNSS120から取得してもよいし、運転者端末2から取得してもよい。また、この構成の場合、車載装置1は、検索用データベースを保持していてもよいし、検索用データベースを保持する外部サーバと通信してもよい。また、この構成の場合、車載装置1は、検索結果を運転者端末2に送信する。
【0106】
上記実施形態では、運転者端末2が、タッチパネル230に地図を表示し、また、この地図上に操作ボタン17が操作された位置を示すマークを表示する構成である。しかしながら、車載装置1も、地図及びマークを表示する構成としてもよい。この構成の場合、車載通知部105は、タッチパネル13に表示された地図上に、操作ボタン17が操作された位置を示すマークを表示する。この構成の場合のタッチパネル13は、本開示の表示部の一例に対応する。
【0107】
検索用データベースは、施設情報及び店舗情報に関し、複数のデータベースにより構成されてもよい。例えば、検索用データベースは、店舗ごとに、店舗名、店舗に係わる日時、及び店舗の種類を示す店舗情報を有する第1データベースと、店舗ごとに、広告及びクーポンを示す店舗情報を有する第2データベースと、店舗ごと販売品を示す店舗情報を有する第3データベースと、を含む構成でもよい。また、検索用データベースを構成する複数のデータベースを保持する主体は、それぞれ、異なっていてもよいし、同じでもよい。
【0108】
図2-
図4は、車載装置1、運転者端末2、及び情報処理サーバ3の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、車載装置1、運転者端末2、及び情報処理サーバ3の構成を限定するものではない。例えば、CPU100が備える構成要素の処理を、1つのハードウェアユニットにより実行してもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行してもよい。CPU210、310についても同様である。また、
図5に示した各処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0109】
CPU100が実行する制御用プログラム111は、可搬型の情報記録媒体に制御用プログラム111を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。車載装置1は、情報記録媒体から制御用プログラム111を読み出して実行してもよい。このことは、制御用プログラム221、321についても同様である。
【0110】
図5に示す動作のステップ単位は、情報通知システム1000の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は適宜に入れ替えてもよい。
【0111】
[8.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0112】
(第1項)車両の運転者から、前記車両の周囲の情報を取得する指示である情報取得指示を受け付ける受付部と、前記受付部が前記情報取得指示を受け付けたときの前記車両の現在位置を取得する取得部と、前記運転者が前記車両を運転している際に前記受付部が前記情報取得指示を受け付けた場合、前記車両が駐車した後に、前記取得部が取得した前記車両の現在位置に係わる情報を前記運転者に通知する通知部と、を備える、情報通知システム。
第1項の情報通知システムによれば、車両が駐車した後に、情報取得指示を受け付けたときの車両の現在位置に係わる情報が通知される。そのため、車両の運転中に情報取得指示を行ったことを運転者が忘れても、車両が駐車した後にこのことを運転者が思い出すことができるようになる。よって、運転者の利便性を向上できる。
【0113】
(第2項)地図を表示する表示部を備え、前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、前記表示部が表示する前記地図上に、前記取得部が取得した前記車両の現在位置を示すマークを表示する、第1項に記載の情報通知システム。
第2項の情報通知システムによれば、車両の運転中に情報取得指示を行ったことを運転者が忘れても、情報取得指示を行ったこと及び情報取得指示を行った位置がどの位置であったかを運転者が思い出すことができるようになる。よって、運転者の利便性をより向上できる。
【0114】
(第3項)前記取得部が取得した前記車両の現在位置の周囲に位置する施設及び店舗の少なくともいずれかを検索する検索部を備え、前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報として前記検索部の検索結果を通知する、第1項又は第2項に記載の情報通知システム。
第3項の情報通知システムによれば、車両の運転中に情報取得指示を行ったことを運転者が忘れても、情報取得指示を行ったこと及び情報取得指示を行った周囲にどのような施設や店舗が位置していたかを運転者が思い出すことができるようになる。よって、運転者の利便性をより向上できる。
【0115】
(第4項)前記取得部が取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったか否かを判定する判定部を備え、前記通知部は、前記判定部が、前記取得部が取得した前記車両の現在位置と前記車両との離間距離が所定値以下になったと判定した場合、前記車両の現在位置に係わる情報の通知として、過去に前記情報取得指示を行ったことを示す情報を通知する、第1項から第3項のいずれか一項に記載の情報通知システム。
第4項の情報通知システムによれば、車両の運転中に情報取得指示を行ったことを運転者が忘れても、その後の車両の運転中に、過去に情報取得指示を行ったことを運転者が思い出すことができるようになる。よって、運転者の利便性を向上できる。
【0116】
(第5項)前記受付部は、音声以外による前記情報取得指示を受け付ける、第1項から第4項のいずれか一項に記載の情報通知システム。
第5項の情報通知システムによれば、音声以外によって情報取得指示を受け付けるため、車両の搭乗者の発話によって誤って情報取得指示が行われ、誤って運転者に情報通知がなされることを防止できる。よって、運転者の利便性をより向上できる。
【0117】
(第6項)前記受付部は、前記車両のステアリングに設けられるハードウェアボタンである、第5項に記載の情報通知システム。
第6項の情報通知システムによれば、受付部が、車両のステアリングに設けられるハードウェアボタンであるため、運転者は、運転中に姿勢を大きく変えることなく情報取得指示を行うことができる。よって、車両の運転に係わる安全性を確保しつつ、運転者が情報取得指示を行うことができる。
【0118】
(第7項)前記受付部は、音声による前記情報取得指示を受け付ける、第1項から第4項のいずれか一項に記載の情報通知システム。
第7項の情報通知システムによれば、発話によって情報取得指示を行えるため、運転者が運転中の視線を大きく変えることなく情報取得指示を行うことができる。よって、車両の運転に係わる安全性を確保しつつ、運転者が情報取得指示を行うことができる。
【0119】
(第8項)表示部と、前記受付部が前記情報取得指示を受け付けた場合に、車外を撮影する撮影部と、を備え、前記通知部は、前記車両の現在位置に係わる情報の通知と共に、前記表示部に前記撮影部の撮影結果を表示させる、第1項から第7項のいずれか一項に記載の情報通知システム。
第8項の情報通知システムによれば、運転者が情報取得指示を行ったときの車両の周囲の情景を通知できるため、運転者がどうして情報取得指示を行ったのかを明確に思い出すことができるようになる。よって、運転者の利便性をより向上できる。
【0120】
(第9項)前記通知部は、表示させた前記撮影結果に写る像が選択された場合、選択された前記像に対応する情報を前記表示部に表示させる、第8項に記載の情報通知システム。
第9項の情報通知システムによれば、運転者が撮影結果に写る像を選択することで選択した像に対応する情報を視認できるようになるため、運転者の利便性をより向上できる。
【0121】
(第10項)前記通知部は、前記車両のシフト操作器のシフト位置がパーキングである場合、前記車両のアクセサリ電源がオフである場合、前記車両のイグニッション電源がオフである場合、シートベルトが解除された場合、及び、ドアロックが解除された場合の少なくともいずれかの場合に、前記車両の現在位置に係わる情報を通知する、第1項から第9項のいずれか一項に記載の情報通知システム。
第10項の情報通知システムによれば、車両が確実に駐車している状況において情報を通知できる。そのため、車両の運転中に運転者が通知された情報を視認することを防止でき、車両の運転に係わる安全性を確保しつつ、運転者の利便性を向上できる。
【0122】
(第11項)車両の運転者から、前記車両の周囲の情報を取得する指示である情報取得指示を受け付け、前記情報取得指示を受け付けたときの前記車両の現在位置を取得し、前記運転者が前記車両を運転している際に前記情報取得指示を受け付けた場合、前記車両が駐車した後に、取得した前記車両の現在位置に係わる情報を前記運転者に通知する、情報通知システムの制御方法。
第11項の情報通知システムの制御方法によれば、第1項の情報通知システムと同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0123】
1…車載装置、2…運転者端末、3…情報処理サーバ、4…通信ネットワーク、13…タッチパネル(表示部)、15…マイク(受付部)、16…ステアリングホイール(ステアリング)、17…操作ボタン(受付部)、18…シフトレバー(シフト操作器)、19…カメラ(撮影部)、19A…フロントカメラ(撮影部)、19B…リアカメラ(撮影部)、19C…右サイドカメラ(撮影部)、19D…左サイドカメラ(撮影部)、105…車載通知部(通知部)、170…アクセサリ電源、214…現在位置取得部(取得部)、217…離間距離判定部(判定部)、219…端末通知部(通知部)、230…タッチパネル(表示部)、312…検索部、1000…情報通知システム、SK…撮影結果、U…運転者、V…車両。