(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】プロジェクト別収支管理装置、プロジェクト別収支管理方法、および、プロジェクト別収支管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20241030BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20241030BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2021054126
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雨森 則人
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-072547(JP,A)
【文献】特開2006-127295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別収支管理装置であって、
前記記憶部は、
プロジェクトのプロジェクト識別子を設定したプロジェクト基本データを記憶するプロジェクト記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記プロジェクト基本データに基づいて、
前記プロジェクト毎のダミー受注識別子を採番し、前記ダミー受注識別子、前記プロジェクト識別子、および、
未完了と初期設定した売上完了区分を紐付け
た、前記プロジェクト毎のダミーレコードを
設定し、当該ダミーレコードを含むプロジェクト受注状態データを取得するプロジェクト取得手段と、
前記プロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、
前記契約データに紐付けられた前記プロジェクトの前記プロジェクト識別子を前記プロジェクト基本データ
から特定し、前記プロジェクト識別子と異なる受注識別子を採番し、前記プロジェクト識別子、
前記受注識別子、および、
前記未完了と初期設定した前記売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードを前記プロジェクト受注状態データに設定する契約入力手段と、
前記プロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、前記原価科目、および、前記原価を設定した原価明細データを取得する原価明細取得手段と、
原価明細データに基づいて、
前記原価を金額とし、借方の勘定科目を前記原価科目の未成科目且つ貸方の勘定科目を流動負債科目とする未成仕訳データを作成する未成仕訳作成手段と、
前記プロジェクト識別子、および、契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得する売上取得手段と、
前記プロジェクト売上データに設定された前記プロジェクト識別子の前記プロジェクトに紐付けられた前記契約データ
に設定された前記請負金額と当該プロジェクト売上データに
設定された前記売上金額との比較により、前記プロジェクト受注状態データ
に含まれる前記受注レコードに設定された前記売上完了区分を
前記未完了から完了に更新する更新手段と、
前記売上完了区分が前記完了に更新された前記プロジェクト受注状態データ
に設定された前記プロジェクト識別子が設定された前記原価明細デー
タに基づいて、
前記原価を金額とし、借方の勘定科目を前記原価科目の完成科目且つ貸方の勘定科目を前記原価科目の前記未成科目とする完成振替仕訳データを作成する完成仕訳作成手段と、
を備えたことを特徴とするプロジェクト別収支管理装置。
【請求項2】
前記更新手段は、
前記契約データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、前記プロジェクト受注状態データに含まれる前記ダミーレコードに設定された前記売上完了区分を
前記未完了から
前記完了に更新することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクト別収支管理装置。
【請求項3】
前記プロジェクト取得手段は、
更に、前記プロジェクト基本データに
設定された前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の前記受注識別子、
0円と初期設定したダミー請負金額、および、
引合と初期設定した受注状態を紐付けて設定したダミー受注データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクト別収支管理装置。
【請求項4】
前記契約入力手段は、
更に、前記契約データが入力された場合、前記プロジェクト基本データ
に設定された前記プロジェクト識別子、前記プロジェクト識別子と異なる受注識別子、
前記契約データに設定された前記請負金額、および、
受注と初期設定した受注状態を紐付けて設定したプロジェクト受注データを取得することを特徴とする請求項3に記載のプロジェクト別収支管理装置。
【請求項5】
前記契約入力手段は、
更に、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記ダミー受注データに設定された前記受注状態を
前記引合から
前記受注に更新することを特徴とする請求項4に記載のプロジェクト別収支管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記契約データ、および、前記原価明細データに基づいて、前記プロジェクト識別子、前記請負金額、前記原価科目、前記原価、および/または、粗利を設定したプロジェクト一覧表データを取得する一覧表取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のプロジェクト別収支管理装置。
【請求項7】
前記ダミー請負金額は、
0円であることを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載のプロジェクト別収支管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別収支管理装置に実行させるためのプロジェクト別収支管理方法であって、
前記記憶部は、
プロジェクトのプロジェクト識別子を設定したプロジェクト基本データを記憶するプロジェクト記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記プロジェクト基本データに基づいて、
前記プロジェクト毎のダミー受注識別子を採番し、前記ダミー受注識別子、前記プロジェクト識別子、および、
未完了と初期設定した売上完了区分を紐付け
た、前記プロジェクト毎のダミーレコードを
設定し、当該ダミーレコードを含むプロジェクト受注状態データを取得するプロジェクト取得ステップと、
前記プロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、
前記契約データに紐付けられた前記プロジェクトの前記プロジェクト識別子を前記プロジェクト基本データ
から特定し、前記プロジェクト識別子と異なる受注識別子を採番し、前記プロジェクト識別子、
前記受注識別子、および、
前記未完了と初期設定した前記売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードを前記プロジェクト受注状態データに設定する契約入力ステップと、
前記プロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、前記原価科目、および、前記原価を設定した原価明細データを取得する原価明細取得ステップと、
原価明細データに基づいて、
前記原価を金額とし、借方の勘定科目を前記原価科目の未成科目且つ貸方の勘定科目を流動負債科目とする未成仕訳データを作成する未成仕訳作成ステップと、
前記プロジェクト識別子、および、契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得する売上取得ステップと、
前記プロジェクト売上データに設定された前記プロジェクト識別子の前記プロジェクトに紐付けられた前記契約データ
に設定された前記請負金額と当該プロジェクト売上データに
設定された前記売上金額との比較により、前記プロジェクト受注状態データ
に含まれる前記受注レコードに設定された前記売上完了区分を
前記未完了から完了に更新する更新ステップと、
前記売上完了区分が前記完了に更新された前記プロジェクト受注状態データ
に設定された前記プロジェクト識別子が設定された前記原価明細デー
タに基づいて、
前記原価を金額とし、借方の勘定科目を前記原価科目の完成科目且つ貸方の勘定科目を前記原価科目の前記未成科目とする完成振替仕訳データを作成する完成仕訳作成ステップと、
を含むことを特徴とするプロジェクト別収支管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別収支管理装置に実行させるためのプロジェクト別収支管理プログラムであって、
前記記憶部は、
プロジェクトのプロジェクト識別子を設定したプロジェクト基本データを記憶するプロジェクト記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記プロジェクト基本データに基づいて、
前記プロジェクト毎のダミー受注識別子を採番し、前記ダミー受注識別子、前記プロジェクト識別子、および、
未完了と初期設定した売上完了区分を紐付け
た、前記プロジェクト毎のダミーレコードを
設定し、当該ダミーレコードを含むプロジェクト受注状態データを取得するプロジェクト取得ステップと、
前記プロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、
前記契約データに紐付けられた前記プロジェクトの前記プロジェクト識別子を前記プロジェクト基本データ
から特定し、前記プロジェクト識別子と異なる受注識別子を採番し、前記プロジェクト識別子、
前記受注識別子、および、
前記未完了と初期設定した前記売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードを前記プロジェクト受注状態データに設定する契約入力ステップと、
前記プロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、前記原価科目、および、前記原価を設定した原価明細データを取得する原価明細取得ステップと、
原価明細データに基づいて、
前記原価を金額とし、借方の勘定科目を前記原価科目の未成科目且つ貸方の勘定科目を流動負債科目とする未成仕訳データを作成する未成仕訳作成ステップと、
前記プロジェクト識別子、および、契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得する売上取得ステップと、
前記プロジェクト売上データに設定された前記プロジェクト識別子の前記プロジェクトに紐付けられた前記契約データ
に設定された前記請負金額と当該プロジェクト売上データに
設定された前記売上金額との比較により、前記プロジェクト受注状態データ
に含まれる前記受注レコードに設定された前記売上完了区分を
前記未完了から完了に更新する更新ステップと、
前記売上完了区分が前記完了に更新された前記プロジェクト受注状態データ
に設定された前記プロジェクト識別子が設定された前記原価明細デー
タに基づいて、
前記原価を金額とし、借方の勘定科目を前記原価科目の完成科目且つ貸方の勘定科目を前記原価科目の前記未成科目とする完成振替仕訳データを作成する完成仕訳作成ステップと、
を実行させるためのプロジェクト別収支管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクト別収支管理装置、プロジェクト別収支管理方法、および、プロジェクト別収支管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、実際のプロジェクト単位ではなく、仮想のプロジェクト単位である仮想プロジェクトを登録して仮想プロジェクト単位で予算を作成し、収支合計や予実合計をシミュレーションして実際のプロジェクトと比較することで、適切なプロジェクト設計を実行する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、自動的に仕訳作成を連動させて契約単位での完成振替まで実行することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、請求単位(契約単位)と社内での収支管理単位(プロジェクト単位)とを分け、プロジェクト単位で収支管理を可能とし、仕訳作成を連動させて契約単位での完成振替まで実行することができるプロジェクト別収支管理装置、プロジェクト別収支管理方法、および、プロジェクト別収支管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置は、記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別収支管理装置であって、前記記憶部は、プロジェクトのプロジェクト識別子を設定したプロジェクト基本データを記憶するプロジェクト記憶手段、を備え、前記制御部は、前記プロジェクト基本データに基づいて、前記プロジェクト識別子、および、売上完了区分を紐付けて設定したダミーレコードを含むプロジェクト受注状態データを取得するプロジェクト取得手段と、前記プロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、前記プロジェクト基本データ、および、前記契約データに基づいて、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、および、前記売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードを前記プロジェクト受注状態データに設定する契約入力手段と、前記プロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、前記原価科目、および、前記原価を設定した原価明細データを取得する原価明細取得手段と、原価明細データに基づいて、未成仕訳データを作成する未成仕訳作成手段と、契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得する売上取得手段と、前記契約データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、前記プロジェクト受注状態データに設定された前記売上完了区分を更新する更新手段と、前記プロジェクト受注状態データ、前記原価明細データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、完成振替仕訳データを作成する完成仕訳作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記更新手段は、前記契約データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、前記プロジェクト受注状態データに含まれる前記ダミーレコードに設定された前記売上完了区分を未完了から完了に更新することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記プロジェクト取得手段は、更に、前記プロジェクト基本データに基づいて、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の前記受注識別子、ダミー請負金額、および、受注状態を紐付けて設定したダミー受注データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記契約入力手段は、更に、前記契約データが入力された場合、前記プロジェクト基本データ、および、前記契約データに基づいて、前記プロジェクト識別子、前記プロジェクト識別子と異なる受注識別子、前記請負金額、および、前記受注状態を紐付けて設定したプロジェクト受注データを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記契約入力手段は、更に、前記プロジェクト受注データに基づいて、前記ダミー受注データに設定された前記受注状態を引合から受注に更新することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記制御部は、前記契約データ、および、前記原価明細データに基づいて、前記プロジェクト識別子、前記請負金額、前記原価科目、前記原価、および/または、粗利を設定したプロジェクト一覧表データを取得する一覧表取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記ダミー請負金額は、0円であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記更新手段は、前記契約データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、前記プロジェクト受注状態データに含まれる前記受注レコードに設定された前記売上完了区分を未完了から完了に更新することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理装置において、前記未成仕訳データは、借方の勘定科目が未成科目、且つ、貸方の勘定科目が流動負債科目であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理方法は、記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別収支管理装置に実行させるためのプロジェクト別収支管理方法であって、前記記憶部は、プロジェクトのプロジェクト識別子を設定したプロジェクト基本データを記憶するプロジェクト記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、前記プロジェクト基本データに基づいて、前記プロジェクト識別子、および、売上完了区分を紐付けて設定したダミーレコードを含むプロジェクト受注状態データを取得するプロジェクト取得ステップと、前記プロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、前記プロジェクト基本データ、および、前記契約データに基づいて、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、および、前記売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードを前記プロジェクト受注状態データに設定する契約入力ステップと、前記プロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、前記原価科目、および、前記原価を設定した原価明細データを取得する原価明細取得ステップと、原価明細データに基づいて、未成仕訳データを作成する未成仕訳作成ステップと、契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得する売上取得ステップと、前記契約データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、前記プロジェクト受注状態データに設定された前記売上完了区分を更新する更新ステップと、前記プロジェクト受注状態データ、前記原価明細データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、完成振替仕訳データを作成する完成仕訳作成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るプロジェクト別収支管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別収支管理装置に実行させるためのプロジェクト別収支管理プログラムであって、前記記憶部は、プロジェクトのプロジェクト識別子を設定したプロジェクト基本データを記憶するプロジェクト記憶手段、を備え、前記制御部において、前記プロジェクト基本データに基づいて、前記プロジェクト識別子、および、売上完了区分を紐付けて設定したダミーレコードを含むプロジェクト受注状態データを取得するプロジェクト取得ステップと、前記プロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、前記プロジェクト基本データ、および、前記契約データに基づいて、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、および、前記売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードを前記プロジェクト受注状態データに設定する契約入力ステップと、前記プロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、前記プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、前記原価科目、および、前記原価を設定した原価明細データを取得する原価明細取得ステップと、原価明細データに基づいて、未成仕訳データを作成する未成仕訳作成ステップと、契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得する売上取得ステップと、前記契約データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、前記プロジェクト受注状態データに設定された前記売上完了区分を更新する更新ステップと、前記プロジェクト受注状態データ、前記原価明細データ、および、前記プロジェクト売上データに基づいて、完成振替仕訳データを作成する完成仕訳作成ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、工事の請求と原価管理とを分けて管理できることにより、大規模工事から小規模工事のとりまとめまで、様々な規模の工事を取扱うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、建設業において、セグメント別売上実績を取らまえるため、1契約複数明細の登録や、小工事においては同月売上の契約を入力の簡便化を見据え、纏めて登録する場合があるが、その際、原価を分けて登録することが現場運用上困難なため、効率的に原価集計を行う運用が可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、業務担当者の入力負荷の軽減、および、適切な会計処理を実現することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、プロジェクト債権と原価との収支管理において、小工事に限らず清掃業などフロア別に債権先が変動するものの、洗剤等の材料費や労務費等を各債権先単位で振分することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、従来のプロジェク構造の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態におけるプロジェク構造の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、従来のプロジェク構造の一例を示す図である。
図2は、本実施形態におけるプロジェク構造の一例を示す図である。
【0021】
従来から、ビル一棟の清掃工事にて、フロア毎に注文を受けるが、ビルの清掃を行う際の労務費や材料費が注文単位(契約単位)ではなく、ビル一棟の単位で管理したい場合、または、マンション建設中に外壁等の追加工事が発生した際に、注文(契約)が分かれるが、原価としては一つの工事として管理したい場合等、小規模の工事、別々の契約でも現場が同じ工事、施工途中の追加工事等、契約は別々でも原価はまとめて管理しないと運用上難しい案件が存在する。
【0022】
しかしながら、従来は、取引先への請求単位(契約)と社内での収支管理単位(プロジェクト)とを分けて管理できなかった。また、従来は、材料費、外注費、労務費、経費、間接費の原価が発生するが、それらは全て契約単位で管理していた。
【0023】
そのため、
図1に示すように、従来は、原価算入時、プロジェクトを選択し、契約を選択し、明細を選択する必要があった。
【0024】
そこで、本実施形態においては、プロジェクトに紐付く契約が同月売上であることを前提条件として、プロジェクト単位(複数の契約をまとめた単位)での原価算入を可能とし、プロジェクト単位(複数の契約をまとめた単位)での収支管理を可能とする仕組みを提供している。また、本実施形態においては、チェックリストを作成することで、月末に同月売上条件を満たしている(プロジェクトに紐づく契約の売上完了状態が全て同じ)か否かを確認可能としている。
【0025】
例えば、
図2に示すように、本実施形態においては、ダミー契約に全ての原価をまとめることで、プロジェクト1個で収支管理を可能としている。すなわち、
図2に示すように、本実施形態においては、ダミー契約を自動作成し、その他紐づく契約が全て完成した際に、ダミー契約を完成状態に変更し、その月で紐づく全ての原価を完成振替できるようにしている。また、
図2に示すように、本実施形態においては、プロジェクトのみ選択することで、原価算入可能としている。
【0026】
[2.構成]
本実施形態に係るプロジェクト別収支管理装置100の構成の一例について、
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図3に示すように、プロジェクト別収支管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、プロジェクト別収支管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0028】
プロジェクト別収支管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。プロジェクト別収支管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0029】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、プロジェクト別収支管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、プロジェクト別収支管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0030】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0031】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、プロジェクトデータベース106aを備えている。
【0032】
プロジェクトデータベース106aは、プロジェクトのプロジェクトデータを記憶する。ここで、プロジェクトデータベース106aは、プロジェクトのプロジェクト識別子を設定したプロジェクト基本データを記憶していてもよい。また、プロジェクトデータベース106aは、契約データ、ダミー受注データ、プロジェクト受注状態データ、プロジェクト受注データ、原価入力データ、原価明細データ、仕訳データ、プロジェクト一覧表データ、および/または、プロジェクト売上データ等を記憶していてもよい。ここで、仕訳データは、未成仕訳データ、および/または、完成振替仕訳データ等を含んでいてもよい。
【0033】
制御部102は、プロジェクト別収支管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、プロジェクト取得部102aと契約入力部102bと原価明細取得部102cと一覧表取得部102dと売上取得部102eと更新部102fと仕訳作成部102gとを備えている。
【0034】
プロジェクト取得部102aは、プロジェクトデータを取得する。ここで、プロジェクト取得部102aは、プロジェクト受注状態データを取得してもよい。また、プロジェクト取得部102aは、プロジェクト基本データに基づいて、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、ダミー請負金額、および、受注状態を紐付けて設定したダミー受注データを取得してもよい。ここで、ダミー請負金額は、0円であってもよい。また、プロジェクト取得部102aは、プロジェクトデータ、プロジェクト受注状態データ、および/または、ダミー受注データ等をプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0035】
契約入力部102bは、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、および、売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードをプロジェクト受注状態データに設定する。ここで、契約入力部102bは、プロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、プロジェクト基本データ、および、契約データに基づいて、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、および、売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードをプロジェクト受注状態データに設定してもよい。また、契約入力部102bは、契約データが入力された場合、プロジェクト基本データ、および、契約データに基づいて、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、請負金額、および、受注状態を紐付けて設定したプロジェクト受注データを取得してもよい。また、契約入力部102bは、プロジェクト受注データに基づいて、ダミー受注データに設定された受注状態を引合から受注に更新してもよい。また、契約入力部102bは、契約データ等をプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0036】
原価明細取得部102cは、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、原価科目、および、原価を設定した原価明細データを取得する。ここで、原価明細取得部102cは、プロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、原価科目、および、原価を設定した原価明細データを取得してもよい。また、原価明細取得部102cは、原価入力データ、および/または、原価明細データ等をプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0037】
一覧表取得部102dは、プロジェクト一覧表データを取得する。ここで、一覧表取得部102dは、契約データ、および、原価明細データに基づいて、プロジェクト識別子、請負金額、原価科目、原価、および/または、粗利を設定したプロジェクト一覧表データを取得してもよい。また、一覧表取得部102dは、プロジェクト一覧表データ等をプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0038】
売上取得部102eは、プロジェクト売上データを取得する。ここで、売上取得部102eは、契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得してもよい。また、売上取得部102eは、プロジェクト売上データ等をプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0039】
更新部102fは、プロジェクト受注状態データを更新する。ここで、更新部102fは、契約データ、および、プロジェクト売上データに基づいて、プロジェクト受注状態データに設定された売上完了区分を更新してもよい。また、更新部102fは、契約データ、および、プロジェクト売上データに基づいて、プロジェクト受注状態データに含まれるダミーレコードに設定された売上完了区分を未完了から完了に更新してもよい。また、更新部102fは、契約データ、および、プロジェクト売上データに基づいて、プロジェクト受注状態データに含まれる受注レコードに設定された売上完了区分を未完了から完了に更新してもよい。
【0040】
仕訳作成部102gは、仕訳データを作成する。ここで、仕訳作成部102gは、原価明細データに基づいて、未成仕訳データを作成してもよい。ここで、未成仕訳データは、借方の勘定科目が未成科目、且つ、貸方の勘定科目が流動負債科目(例えば、買掛金、未払金、工事未払金または未払費用等)であってもよい。また、仕訳作成部102gは、プロジェクト受注状態データ、原価明細データ、および、プロジェクト売上データに基づいて、完成振替仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102gは、仕訳データ等をプロジェクトデータベース106aに登録してもよい。
【0041】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図4から
図10を参照して説明する。
【0042】
[プロジェクト別収支管理処理]
ここで、
図4を参照して、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
図4に示すように、プロジェクト取得部102aは、プロジェクトデータベース106aに記憶されたプロジェクト基本データに基づいて、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、0円としたダミー請負金額、および、受注状態を紐付けて設定したダミー受注データと、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同じ受注識別子、および、売上完了区分を紐付けて設定したプロジェクト受注状態データと、を取得する(ステップSA-1)。
【0044】
そして、契約入力部102bは、ユーザにより入力装置112を介してプロジェクトに紐付けられた、請負金額を含む契約データが入力された場合、プロジェクトデータベース106aに記憶されたプロジェクト基本データ、および、契約データに基づいて、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、請負金額、および、受注状態を紐付けて設定したプロジェクト受注データを取得し、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と異なる受注識別子、および、売上完了区分を紐付けて設定した受注レコードをプロジェクト受注状態データに設定し、当該プロジェクト受注データに基づいて、ダミー受注データに設定された受注状態を引合から受注に更新する(ステップSA-2)。
【0045】
そして、原価明細取得部102cは、ユーザにより入力装置112を介してプロジェクト識別子、原価科目、および、原価を設定した原価入力データが入力された場合、プロジェクト識別子、当該プロジェクト識別子と同一の受注識別子、原価科目、および、原価を設定した原価明細データを取得する(ステップSA-3)。
【0046】
そして、仕訳作成部102gは、原価明細データに基づいて、未成仕訳データを作成する(ステップSA-4)。
【0047】
そして、一覧表取得部102dは、契約データ、および、原価明細データに基づいて、プロジェクト識別子、請負金額、原価科目、原価、および、粗利を設定したプロジェクト一覧表データを取得し、当該一覧表データを出力装置114に表示させる(ステップSA-5)。
【0048】
そして、売上取得部102eは、ユーザにより入力装置112を介して入力された契約毎の売上金額を設定したプロジェクト売上データを取得する(ステップSA-6)。
【0049】
そして、更新部102fは、契約データ、および、プロジェクト売上データに基づいて、プロジェクト受注状態データに含まれる受注レコードに設定された売上完了区分を未完了から完了に更新し、プロジェクト受注状態データに含まれるダミーレコードに設定された売上完了区分を未完了から完了に更新する(ステップSA-7)。
【0050】
そして、仕訳作成部102gは、プロジェクト受注状態データ、原価明細データ、および、プロジェクト売上データに基づいて、完成振替仕訳データを作成し(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0051】
ここで、
図5から
図10を参照して、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例について説明する。
図5から
図10は、本実施形態におけるプロジェクト別収支管理処理の一例を示す図である。
【0052】
図5に示すように、本実施形態においては、ユーザによる工事基本データ入力により、プロジェクト基本データが登録され、プロジェクトダミー受注データ(ダミー受注データ)、および、プロジェクト受注状態データ(ダミー)も同時作成される。ここで、本実施形態においては、プロジェクトダミー受注データにダミーであることを識別可能な受注番号が設定されてもよい。
【0053】
そして、
図6に示すように、本実施形態においては、ユーザによる契約データ入力により、契約のデータが登録され、プロジェクト受注データ、および、プロジェクト受注状態データが作成され、プロジェクトに紐づくプロジェクト受注データが全て受注状態=受注のため、プロジェクトダミー受注データの受注状態が更新される。
【0054】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、原価入力画面にてユーザによる仕入入力、経費入力、または、日報入力等の各種入力より、原価のデータが登録され、プロジェクト番号=受注番号の原価明細データが自動取得される。
【0055】
そして、
図8に示すように、本実施形態においては、原価明細データに基づいて、工事一覧表データ(プロジェクト一覧表データ)が取得される。
【0056】
そして、
図9に示すように、本実施形態においては、ユーザによる契約毎の売上金額が設定されたプロジェクト売上データ入力により、プロジェクト売上データに紐づくプロジェクト受注データの売上完了区分が完了に更新され、プロジェクト受注状態データ(ダミー)が完成振替対象に更新される。
【0057】
そして、
図10に示すように、本実施形態においては、仕訳連携として、原価明細データ、および、プロジェクト受注状態データに基づいて、全ての受注レコードを対象に、未成仕訳データが作成され、プロジェクト受注状態データ、原価明細データ、および、プロジェクト売上データに基づいて、プロジェクト受注状態データの売上完了区分が完了と設定された受注レコードを対象に、完成振替仕訳データが作成される。
【0058】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0061】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、プロジェクト別収支管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、プロジェクト別収支管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてプロジェクト別収支管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、プロジェクト別収支管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、プロジェクト別収支管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、プロジェクト別収支管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、各細業種別にリニューアルや営繕工事などを主体とする、小工事が多い建設業等の建設業界において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 プロジェクト別収支管理装置
102 制御部
102a プロジェクト取得部
102b 契約入力部
102c 原価明細取得部
102d 一覧表取得部
102e 売上取得部
102f 更新部
102g 仕訳作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a プロジェクトデータベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク