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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】ロッカー制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241030BHJP
   G07F 17/10 20060101ALI20241030BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
G06Q30/0601 308
G07F17/10
A47G29/12 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021076440
(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公開番号】P2022170356
(43)【公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 壮
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/023814(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/033041(WO,A1)
【文献】特開2019-197287(JP,A)
【文献】特開2020-064510(JP,A)
【文献】特開2002-078599(JP,A)
【文献】特開2019-057101(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107564196(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 17/10
A47G 29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠可能な複数のロッカーボックスを備えたロッカー装置を制御するロッカー制御装置であって、
所定の店舗で購入した物品の返品又は交換のいずれを希望するかを示す取扱情報及び、前記物品についての購入に関する情報である物品購入情報をユーザ端末装置から取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記取扱情報及び前記物品購入情報に基づいて前記物品の返品又は交換の条件を満たすか判定する条件判定部と、
前記条件判定部による判定の結果、前記条件を満たす場合は前記物品の返品又は交換に使用するロッカーボックスを施錠する出力部と、を備えることを特徴とするロッカー制御装置。
【請求項2】
前記物品購入情報には、当該物品購入時のレシート情報を含み、
前記条件判定部は、前記取扱情報及び前記レシート情報に基づいて前記条件を満たすか判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロッカー制御装置。
【請求項3】
前記物品購入情報には、前記返品又は前記交換される前記物品の画像を含み、
前記条件判定部は、前記取扱情報及び前記画像に基づいて前記条件を満たすか判定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のロッカー制御装置。
【請求項4】
前記条件判定部は、前記取扱情報により前記物品の交換を希望することが示されていた場合、交換品の在庫確認の有無を要求する在庫確認情報を出力することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のロッカー制御装置。
【請求項5】
前記交換品の引き渡し可能日時を利用者に通知する通知部を備えることを特徴とする請求項4に記載のロッカー制御装置。
【請求項6】
前記返品又は前記交換される物品の正当性を判定する物品判定部を備え、
前記出力部は、前記物品判定部が正当と判定した場合に前記物品の返品又は交換に使用するロッカーボックスの解錠の許可を示す解錠許可情報を出力
前記物品判定部は、前記取扱情報により前記物品の返品を希望することが示されていた場合、前記ロッカーボックスに収容予定の物品が前記物品購入情報の物品と一致していることで前記正当と判定することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載のロッカー制御装置。
【請求項7】
前記物品判定部は、前記取扱情報により前記物品の交換を希望することが示されていた場合、購入者が持参した購入品と前記店舗が用意した交換品との少なくとも商品名が一致していることで前記正当と判定することを特徴とする請求項6に記載のロッカー制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施錠可能な複数のロッカーボックスを備えたロッカー装置を制御するロッカー制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークショッピング等の電子商取引により購入した商品をロッカー装置を利用して購入者が商品を受け取ることは既に行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、以下のような動作をする電子商取引方法の発明が記載されている。特許文献1に記載の電子商取引方法は、商品受取人が、移動体端末を操作して、ロッカー装置等の商品自動受渡装置に接続し、識別情報を、電子商取引業務サーバに対して送信して、開錠要求を行う。そして、電子商取引業務サーバが、識別情報に対応する業務データベースに記憶保持された注文情報を検索し、該開錠要求が、業務データベースに記憶保持された注文情報に照らして、正当と判定した場合には、商品自動受渡装置をして、注文情報に対応する商品が格納された区画を開錠させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-132278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は、あくまで購入者への商品の引き渡しについて記載されているに過ぎない。そのため、購入者が商品の返品や交換をしたい場合には従来のとおり店頭に赴いて店員に返品や交換の依頼をしたり、宅配業者に引き取りを依頼するといったことをしなければならない。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、ロッカー装置を用いて返品や交換が可能なロッカー制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、施錠可能な複数のロッカーボックスを備えたロッカー装置を制御するロッカー制御装置であって、所定の店舗で購入した物品の返品又は交換のいずれを希望するかを示す取扱情報及び、前記物品についての購入に関する情報である物品購入情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記取扱情報及び前記物品購入情報に基づいて前記物品の返品又は交換の条件を満たすか判定する条件判定部と、前記条件判定部による判定の結果、前記条件を満たす場合は前記ロッカーボックスの解錠の許可を示す解錠許可情報を出力する出力部と、を備えることを特徴とするロッカー制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明は、物品購入情報に基づいて物品の返品又は交換の条件を満たすか判定し、条件を満たす場合はロッカーボックスを解錠することで、ロッカー装置を用いて返品や交換に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態にかかるロッカー制御装置を有するシステムの概略構成図である。
図2図1に示されたロッカー装置の機能構成図である。
図3図1に示されたロッカー制御システムの機能構成図である。
図4図1に示されたシステムにおいてロッカー制御システムを中心とした返品動作のフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態にかかる返品動作のフローチャートである。
図6】本発明の第3の実施形態にかかる交換動作のフローチャート(その1)である。
図7】本発明の第3の実施形態にかかる交換動作のフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかるロッカー制御装置を有するシステムの概略構成図である。
【0011】
図1に示したシステムは、ロッカー装置1と、ロッカー制御システム50と、購入管理システム60と、店舗端末装置70と、ユーザ端末装置80と、を有している。また、ロッカー装置1と、ロッカー制御システム50と、購入管理システム60と、店舗端末装置70と、ユーザ端末装置80と、は、互いにインターネット等のネットワークNを介して互いに通信可能となっている。
【0012】
ロッカー装置1は、例えば店舗S内等に設置される。また、1つの店舗に設置されるロッカー装置1は1台に限らず複数台であってもよい。その場合、ロッカー制御システム50は、複数台のロッカー装置1を制御することとなる。
【0013】
ロッカー装置1は、図2に示したように、集中制御装置2と、ロッカー部3と、を備えている。集中制御装置2は、操作表示部21と、コードリーダ22と、ICカードリーダ/ライタ23と、プリンタ24と、スピーカ27と、制御部28と、通信インターフェース29と、カメラ2Aと、を備えている。
【0014】
操作表示部21は、例えば利用者に情報を表示する液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display(LCD))とタッチパネルから構成されている。また、操作表示部21は、後述する返品や交換をする際の操作画面等が表示される
【0015】
コードリーダ22は、一次元バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元バーコードといったコードを読み取る。なお、以下の説明では、コードリーダ22が読み取るコードはQRコード(登録商標)として説明するが一部を除き単にコードと略して記載する。また、本実施形態では、コードリーダ22は、ロッカー装置1に設けられているものとして説明するが、スマートフォン等の端末装置をコードリーダとして機能させ、読み取った情報をロッカー装置1を介して或いは直接ロッカー制御システム50へ送信可能としてもよい。
【0016】
ICカードリーダ/ライタ23は、RFID(Radio Frequency Identification)技術により、非接触でICカードに対してデータの読み書きを行う。プリンタ24は、各操作に対応する処理内容等が記されたレシート等を印字して発行する。スピーカ27は、例えば案内音声等を出力する。
【0017】
制御部28は、操作表示部21、コードリーダ22、ICカードリーダ/ライタ23、プリンタ24、スピーカ27、通信インターフェース29、カメラ2Aの各構成要素と通信可能に接続され、ロッカー装置1全体を制御する中央演算装置(CPU)等のプロセッサやメモリ等の記憶装置を含むユニットである。
【0018】
また、制御部28は、ロッカーボックス32の利用状況を管理するためのデータベース等を有している。制御部28は、このデータベース等の管理情報を必要に応じて更新し、又はロッカー制御システム50に出力する。また、この管理情報はロッカー制御システム50からの指示に基づいて更新される場合がある。即ち、制御部28は、複数のロッカーボックス個々の利用状況の管理を行う管理部として機能する。なお、利用状況とは予約やロッカーの空き状況であり、将来の利用予測や予約状況を考慮して管理してもよい。
【0019】
通信インターフェース29は、外部と通信するためのインターフェース(I/F)デバイスである。
【0020】
カメラ2Aは、ロッカー装置1の操作表示部21の近傍に設けられる。カメラ2Aは、後述するように返品や交換する商品(物品)を撮影することができる。
【0021】
ロッカー部3は、施錠可能な複数個のロッカーボックス32を備えている。また、ロッカー部3は、ブザー31が設けられている。ブザー31は、そのロッカー部3に属するロッカーボックス32が所定の状態において所定の操作が行われた場合に制御部28からの指示に基づいて警告音等を発する。なお、ブザー31は、ロッカー部3単位で設けるに限らずロッカーボックス32単位で設けてもよい。
【0022】
ロッカーボックス32は、周知のように扉が開閉可能に設けられている。扉には、取手等が設けられている。また、ロッカーボックス32は、図2に示したようにロック部33を備えている。ロック部33は、扉を施錠及び解錠する機構であり、電気錠34と、扉開閉スイッチ35と、押ボタンスイッチ36と、を備えている。
【0023】
電気錠34は、扉の開閉を規制する機構であって、扉開閉スイッチ35及び押ボタンスイッチ36の状態に基づいて、もしくは集中制御装置2(制御部28)からの指示に応じて、扉の施錠または解錠を行う。
【0024】
扉開閉スイッチ35は、扉の開閉状態を判定するスイッチ(SW)であり、例えば、電気錠34に設けられたマイクロスイッチで構成することができる。扉開閉スイッチ35がON/OFFされると、そのON/OFFされたことを示す情報が制御部28へ出力される。
【0025】
押ボタンスイッチ36は、扉を閉じた状態で仮施錠する場合に押下するボタン型スイッチ(SW)であり、押下されると、押下されたことを制御部28に通知する信号が出力される。
【0026】
本実施形態のロッカー制御装置としてのロッカー制御システム50は、サーバ装置等の汎用のコンピュータシステムにより構成されている。ロッカー制御システム50は、購入者からの返品や交換等の申し込みを受け付け、その返品や交換が所定の条件を満たすか判定し、条件を満たすと判定した場合は、店舗端末装置70に対して返品や交換の指示を行う。また、ロッカー制御システム50は、前記した条件を満たすと判定した場合は、ロッカー装置1にロッカーボックス32の解錠を許可する情報(解錠許可情報)を送信する。
【0027】
また、ロッカー制御システム50は、複数台のロッカー装置1を制御してもよい。これは、1つの店舗に複数台のロッカー装置1が設置された場合に限らない。ロッカー制御システム50は、複数店舗のロッカー装置1を制御してもよい。
【0028】
ロッカー制御システム50の機能構成を図3に示す。図3に示したように、ロッカー制御システム50は、通信部51と、処理部52と、記憶部53と、を備えている。
【0029】
通信部51は、例えばコンピュータの通信インターフェース等が機能する。通信部は、ロッカー装置1、購入管理システム60、店舗端末装置70、ユーザ端末装置80とネットワークNを介して通信を行う。
【0030】
処理部52は、例えばコンピュータのCPU等が機能する。処理部52は、ユーザ端末装置80やロッカー装置1から送信された返品希望に対して、返品の条件を満たすか判定し、条件を満たす場合は返品対象の商品をロッカーボックス32に格納するためにロッカー装置1に対して解錠許可情報を通信部51を介して送信する。解錠許可情報については後述する。
【0031】
記憶部53は、例えばコンピュータのハードディスク等の記憶装置が機能する。記憶部53は、ロッカー装置1、購入管理システム60、店舗端末装置70、ユーザ端末装置80から送信された各種情報を記憶する。
【0032】
購入管理システム60は、サーバ装置等の汎用のコンピュータシステムにより構成されている。購入管理システム60は、例えば店舗Sにおける商品の購入情報を管理する。購入情報とは、購入した商品について、購入者、購入日等のレシート等に記載される基本的な情報や、衣類であれば裾上げ等の直しの有無やアウトレット品であるか否か等の特別な事情の有無といった情報を管理する。勿論代金の決済状況の情報を管理してもよい。
【0033】
店舗端末装置70は、店舗Sに設置されている端末装置である。店舗端末装置70は、パーソナルコンピュータ等であればよいが、タブレット端末やスマートフォン等の可搬性を有する機器であってもよい。店舗端末装置70は、ロッカー制御システム50からの要求に応じて返品や交換を店員等に指示する。
【0034】
ユーザ端末装置80は、利用者(ユーザ)が所持する端末装置である。ユーザ端末装置80は、スマートフォン等の可搬型の端末装置であればよいが、勿論パーソナルコンピュータ等であってもよい。ユーザ端末装置80は、後述するようにアプリがインストールされ、当該アプリにより商品の購入だけでなく、返品又は交換の依頼をすることができるようになっている。なお、アプリではなく、Webサイト等から返品又は交換をすることができるようにしてもよい。その場合は、ユーザ端末装置80はブラウザを介して返品又は交換の依頼をする。
【0035】
なお、図1に示した構成では、ロッカー制御システム50は、ネットワークNを介してロッカー装置1と接続されていたが、専用線等で直接接続されていてもよい。あるいは、ロッカー制御システム50をロッカー装置1の近傍に設置してもよい。
【0036】
次に、上述した構成のシステムの動作について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態にかかるシステムにおいてロッカー制御システム50を中心とした返品動作のフローチャートである。
【0037】
まず、ロッカー制御システム50は、通信部51が購入者(利用者)の所持するユーザ端末装置80からの返品依頼を受け付ける(ステップS101)。返品依頼は、上記したようにアプリにより依頼することが可能となっており、ロッカー制御システム50は当該アプリを介して返品依頼を受け付ける。即ち、この返品依頼が所定の店舗で購入した物品の返品を希望することを示す取扱情報となる。
【0038】
次に、ロッカー制御システム50は、通信部51が購入者から返品依頼があった商品(購入品)の購入情報を取得する(ステップS102)。この購入情報は、例えばユーザ端末装置80が有するカメラでレシートやコードを撮影し、その画像データやコードデータを送信させることで取得できる。また、レシート番号や購入番号を入力させてもよい。あるいは、アプリから返品依頼をした際に同時に購入情報を送信するようにしてもよい。これは、例えばアプリの購入履歴から返品対象の商品を指定する等により可能である。即ち、物品購入情報には、当該物品購入時のレシート情報を含んでいる。
【0039】
なお、ロッカー制御システム50は、顧客情報を取得した際にアプリから返品依頼をした利用者とレシートが示す購入者とが一致するかを判定してもよい。一致しない場合はエラー通知等をしてもよい。これは、購入者のみから返品を受け付けるようにするためである。
【0040】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52においてステップS102で取得した購入情報に基づいて返品対応商品か否か判定する(ステップS103)。返品対応商品か否かの判定は、例えば購入品は返品可能な商品か(生鮮食料品は不可、衣料品で裾上げ等の直しがあるものは不可など)、特別な事情が無いか(アウトレット品は不可など)といったことを考慮して行う。
【0041】
ステップS103の判定の結果、返品対応商品であった場合は(ステップS103;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52において購入経過日数が閾値未満か判定する(ステップS104)。本ステップは、返品可能日数を経過している場合は返品を受け付けないようにするものである。閾値は、商品毎や店舗毎等で適宜設定すればよい。
【0042】
ステップS104の判定の結果、購入経過日数が閾値未満であった場合は(ステップS104;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52が通信部51を介して購入者に購入品の撮影を指示する(ステップS105)。ユーザ端末装置80で撮影された画像はロッカー制御システム50が取得する。
【0043】
ステップS104は、購入品の使用状況等を確認するために行われる。使用状況とは、例えば、キズや破損・汚損等がないか、タグ・パッケージ等の付属品が付いているか・破損していないか、使用済みでないか(使用済みは返品不可の場合)、衣料品の場合洗濯済みでないか等が挙げられる。そのため、購入者は、上記した使用状況が確認できるようにユーザ端末装置80で購入品を撮影する。撮影は1枚に限らず複数枚であってもよい。即ち、物品購入情報には、返品される物品の画像を含んでいる。
【0044】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52においてステップS105で撮影した画像に基づいて商品に異常があるか判定する(ステップS106)。異常の有無は画像認識等の周知技術により判定すればよい。商品に異常が無い場合は(ステップS106;yes)、ロッカー制御システム50は、返品可能通知をユーザ端末装置80へ送信する(ステップS107)。返品可能通知はアプリ内の画面表示であってもよいし、登録されたメールアドレスへ電子メール等により送信してもよい。
【0045】
一方、商品に異常が無い場合(ステップS106;no)、購入経過日数が閾値以上であった場合(ステップS104;no)、返品対応商品でない場合(ステップS103;no)、のいずれかである場合は、ロッカー制御システム50は、通信部51から返品不可通知をユーザ端末装置80へ送信する(ステップS108)。返品不可通知はアプリ内の画面表示であってもよいし、登録されたメールアドレスへ電子メール等により送信してもよい。返品不可通知を送信すると、返品不可が確定しフローチャートは終了する。
【0046】
上記したステップS103、S104、S106での判定に利用される購入情報や画像は物品についての購入に関する情報である物品購入情報となる。また、上記した説明のとおり、通信部51は、所定の店舗で購入した物品の返品を希望することを示す取扱情報及び、物品についての購入に関する情報である物品購入情報を取得する取得部として機能し、処理部52は、取得した取扱情報及び物品購入情報に基づいて物品の返品の条件を満たすか判定する条件判定部として機能する。
【0047】
返品可能通知が送信された後に、ロッカー制御システム50は、処理部52が通信部51を介して購入者に返品店舗を指定させる(ステップS109)。返品店舗の指定は、例えばユーザ端末装置80のアプリから行わせればよい。ロッカー制御システム50は、処理部52においてステップS109で指定された店舗について返品の利用可否を判定する(ステップS110)。返品の利用可否は、例えばロッカー装置1の設置の有無やロッカーボックス32の空き状況等で判定する。返品の利用ができない店舗を指定された場合は(ステップS110;no)、利用できない旨のメッセージ等を表示し、別の店舗の指定を促す。
【0048】
一方、返品の利用ができる店舗を指定された場合は(ステップS110;yes)、ロッカー制御システム50は、通信部51から指定店舗のロッカー装置1に対して返品に使用するロッカーボックス(指定ロッカー)を施錠させる(ステップS111)。ここで施錠させるのは、他人により他の物品が収納されるのを防止するためである。
【0049】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52が電子鍵を発行して通信部51からユーザ端末装置80及びロッカー装置1に送信する(ステップS112)。電子鍵は、QRコード(登録商標)等のコードであってもよいし、文字列であってもよい。なお、電子鍵はロッカー装置1で発行してもよく、ロッカー制御システム50は、ロッカー装置1から電子鍵を取得してユーザ端末装置80に送信してもよい。本ステップで生成する電子鍵は購入者が返品時に使用するものである。
【0050】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52において購入経過日数が超過しているか判定する(ステップS113)。本ステップでは、返品可能な日までに購入者がロッカー装置1に購入品を収納したかを判定するものである。購入経過日数が超過している場合は(ステップS113;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52で返品キャンセル処理を行って返品のキャンセルを通信部51からユーザ端末装置80に送信する(ステップS114)。また、ロッカー制御システム50は、処理部52がステップS112で発行した電子鍵を無効化する。
【0051】
一方、購入経過日数が超過していない場合は(ステップS113;no)、ロッカー装置1において解錠操作の有無を判定する(ステップS115)。ロッカー制御システム50は、処理部52がステップS115の判定結果をロッカー装置1から通信部51を介して取得し、解錠操作が無い場合は(ステップS115;no)、ステップS113に戻り再度購入経過日数が超過しているか判定する。
【0052】
一方、解錠操作がある場合は(ステップS115;yes)、ロッカー装置1において電子鍵による認証を行う(ステップS116)。ロッカー制御システム50は、処理部52がステップS116の認証結果をロッカー装置1から通信部51を介して取得する。認証が失敗した場合は(ステップS116;no)、ロッカー装置1において操作表示部21にエラー通知が表示される(ステップS118)。
【0053】
一方、認証が成功した場合は(ステップS116;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52がロッカーボックス32に収納予定の物品が返品対象の商品と一致するか判定する(ステップS117)。
【0054】
ステップS117では、ロッカーボックス32に収納予定の物品の正当性を判定する。判定方法としては、例えば、ロッカーボックス32に収納しようとする商品のタグやパッケージ等に付属するバーコード等をコードリーダ22から読み取って、読み取った情報を通信部51を介して処理部52が取得し、ステップS102で取得した購入情報と一致するか判定することが挙げられる。即ち、処理部52は、ロッカーボックス32に収納された物品の正当性を判定する物品判定部として機能する。
【0055】
ステップS117の判定の結果、返品対象の商品と一致しない場合は(ステップS117;no)、ロッカー制御システム50は、通信部51を介してステップS118でエラー通知を行う。一方、返品対象の商品と一致した場合は(ステップS117;yes)、ロッカー制御システム50は、通信部51を介して解錠許可情報を送信しステップS111で指定したロッカーボックス32を解錠させる(ステップS119)。即ち、通信部51は、条件判定部による判定の結果、条件を満たす場合はロッカーボックス32の解錠の許可を示す解錠許可情報を出力する出力部として機能する。また、通信部51は、処理部52(物品判定部)が正当と判定した場合にロッカーボックス32の解錠許可情報を出力する。
【0056】
解錠許可情報とは、上述したように、ロッカーボックス32の解錠を許可することを示す情報である。図4のフローチャートでは、解錠許可情報をステップS119で送信しているが、ステップS116の電子鍵の認証が成功したタイミングで解錠許可信号を送信してもよい。電子鍵の認証成功のタイミングで解錠許可信号を送信しても、図4に示したように商品一致しない限りは解錠しないので誤動作することはない。
【0057】
そして、返品対象の購入品がロッカーボックス32に収納されると購入者によりロッカーボックス32が施錠される(ステップS120)。ロッカーボックス32が施錠されると、ロッカー制御システム50は、処理部52が電子鍵を発行して通信部51から店舗端末装置70及びロッカー装置1に送信する(ステップS121)。電子鍵は、QRコード(登録商標)等のコードであってもよいし、文字列であってもよい。なお、本ステップにおいても電子鍵はロッカー装置1で発行してもよく、ロッカー制御システム50は、ロッカー装置1から電子鍵を取得してユーザ端末装置80に送信してもよい。本ステップで生成される電子鍵は店員等が返品された商品を回収するためのものである。
【0058】
次に、店舗端末装置70が受信した電子鍵を用いて店員等がロッカーボックス32を解錠し返品された商品を回収する(ステップS122)。そして、店舗端末装置70等により返金処理を行う(ステップS123)。返金処理はクレジットカードや電子マネー等利用者の指定するもので行われる。
【0059】
本実施形態によれば、ロッカー制御システム50は、通信部51が、ロッカーボックス32に収納予定の購入品の返品を希望する取扱情報及び、当該購入品についての購入に関する情報である物品購入情報を取得し、処理部52が、通信部51が取得した物品購入情報に基づいて購入品の返品の条件を満たすか判定する。そして、処理部52による判定の結果、返品の条件を満たす場合は、通信部51がロッカーボックス32の解錠の許可を示す解錠許可情報をロッカーボックス32に対して出力する。
【0060】
ロッカー制御システム50が上記のように構成されることにより、物品購入情報に基づいて購入品の返品の条件を満たすか判定し、条件を満たす場合はロッカーボックス32を解錠することで、ロッカー装置1を用いて返品に対応することが可能となる。
【0061】
また、返品の条件は店員等の判断によらず自動的に判定され、返品する購入品もロッカーに収納すればよいので、店員と接触せずに返品を行うことができる。また、店員も返品可能か確認する手間が省け、返品にかかる労力を最小限にすることができる。
【0062】
また、物品購入情報には、購入時のレシート情報を含んでおり、処理部52は、レシート情報に基づいて返品の条件を満たすか判定している。このようにすることにより、購入者が購入時に受け取るレシートに記載されている情報に基づいて返品の条件を判定することができる。
【0063】
また、物品購入情報には、返品される購入品の画像を含んでおり、処理部52は、その画像に基づいて返品の条件を満たすか判定している。このようにすることにより、購入者が購入した商品にキズや破損等の返品できない状態かを現品確認せずに行うことができる。
【0064】
また、処理部52は、ロッカーボックス32に収納された返品対象の物品の正当性を判定し、通信部51は、処理部52で正当と判定された場合にロッカーボックス32の施錠の許可を示す施錠許可情報を出力する。このようにすることにより、ロッカーボックス32に収容された物品(購入品)が正当な返品対象の商品であるか判定することができる。例えば、当該店舗で購入したものでない商品や、返品を依頼したものと異なる商品等の不当な物品がロッカーボックス32に収納されることを防止できる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかるロッカー制御システム50について、図5を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
本実施形態は、ロッカー装置1を利用して返品することは第1の実施形態と同様であるが、店頭で返品依頼をする場合である。本実施形態にかかる返品動作のフローチャートを図5に示す。
【0067】
まず、ロッカー制御システム50は、通信部51がロッカー装置1からの返品依頼を受け付ける(ステップS201)。返品依頼は、ロッカー装置1の操作表示部21を操作することで行われる。
【0068】
次に、ロッカー制御システム50は、通信部51が購入者から返品依頼があった商品(購入品)の購入情報を取得する(ステップS202)。この購入情報は、例えばロッカー装置1のコードリーダ22でレシート等に付加されているコードを読み取ったり、カメラ2Aでレシートを撮影したりして、それらのデータを送信させることで取得できる。あるは、操作表示部21からレシート番号や購入番号を入力させてもよい。
【0069】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52においてステップS202で取得した購入情報に基づいて返品対応商品か否か判定する(ステップS203)。返品対応商品か否かの判定は、図4のステップS103と同様である。
【0070】
ステップS203の判定の結果、返品対応商品であった場合は(ステップS203;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52において購入経過日数が閾値未満か判定する(ステップS204)。本ステップは、図4のステップS103と同様に返品可能日数を経過している場合は返品を受け付けないようにするものである。
【0071】
ステップS204の判定の結果、購入経過日数が閾値未満であった場合は(ステップS204;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52が通信部51を介して購入者に購入品の撮影を指示する(ステップS205)。本実施形態では、購入品の撮影はロッカー装置1のカメラ2Aで行う。カメラ2Aで撮影された画像はロッカー制御システム50が取得する。本ステップは、図4のステップS105と同様に購入品の使用状況等を確認するために行われる。
【0072】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52においてステップS205で撮影した画像に基づいて商品に異常があるか判定する(ステップS206)。異常の有無は画像認識等の周知技術により判定すればよい。商品に異常がある場合(ステップS206;no)、購入経過日数が閾値以上であった場合(ステップS204;no)、返品対応商品でない場合(ステップS203;no)、のいずれかである場合は、ロッカー制御システム50は、通信部51から返品不可通知をロッカー装置1へ送信する(ステップS207)。返品不可通知は操作表示部21に表示される。
【0073】
商品に異常が無い場合は(ステップS206;yes)、ロッカー制御システム50は、解錠許可情報を通信部51から出力してロッカー装置1の所定のロッカーボックス32を解錠させる(ステップS208)。そして、返品する商品(購入品)が当該ロッカーボックス32に収納され、施錠される(ステップS209)。なお、本実施形態では、図4のステップS117(商品一致)に対応するステップは独立して設けられていない。これは、本実施形態が店頭で行うものであり、返却する購入品は既に店頭に持参されているため、ステップS103やS105のチェックで商品一致が実質的に行われていると云えるからである。
【0074】
ロッカーボックス32が施錠されると、ロッカー制御システム50は、処理部52が電子鍵を発行して通信部51から店舗端末装置70及びロッカー装置1に送信する(ステップS210)。このステップは、図4のステップS121と同様である。
【0075】
次に、店舗端末装置70が受信した電子鍵を用いて店員等がロッカーボックス32を解錠し返品された商品を回収する(ステップS211)。そして、店舗端末装置70等により返金処理を行う(ステップS212)。これらのステップは、図4のステップS122、S123と同様である。
【0076】
本実施形態によれば、利用者がアプリ等を使用していない場合であっても、店頭(店舗)に設置されたロッカー装置1を用いて返品をすることができる。また、返品の条件は店員等の判断によらず自動的に判定され、返品する購入品もロッカーに収納すればよいので、店員と接触せずに返品を行うことができる。また、店員も返品可能か確認する手間が省け、返品にかかる労力を最小限にすることができる。
【0077】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかるロッカー装置1について、図6及び図7を参照して説明する。なお、前述した第1、第2の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0078】
本実施形態では、ロッカー装置1を利用して商品の交換をする場合である。本実施形態にかかる返品動作のフローチャートを図6及び図7に示す。
【0079】
まず、ロッカー制御システム50は、通信部51が購入者(利用者)の所持するユーザ端末装置80からの交換依頼を受け付ける(ステップS301)。交換依頼は、第1の実施形態で説明したアプリを利用すればよい。即ち、この交換依頼が取扱情報となる。
【0080】
次に、ロッカー制御システム50は、通信部51が受け付けた交換依頼についての情報(交換情報)を取得する(ステップS302)。交換情報は、例えば交換品の受け取り希望店舗や交換希望商品(交換希望のサイズや色等)といった情報である。
【0081】
次に、購入者から交換依頼があった商品(購入品)の購入情報を取得する(ステップS303)。この購入情報は、図4のステップS102と同様に例えばユーザ端末装置80が有するカメラでレシートやコードを撮影し、その画像データを送信させることで取得できる。
【0082】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52においてステップS303で取得した購入情報に基づいて交換対応商品か否か判定する(ステップS304)。交換対応商品か否かの判定は、図4のステップS103と同様である。
【0083】
ステップS304の判定の結果、交換対応商品であった場合は(ステップS304;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52において購入経過日数が閾値未満か判定する(ステップS305)。本ステップは、図4のステップS104と同様に交換可能日数を経過している場合は交換を受け付けないようにするものである。
【0084】
ステップS305の判定の結果、購入経過日数が閾値未満であった場合は(ステップS305;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52が通信部51を介して購入者に購入品の撮影を指示する(ステップS306)。ユーザ端末装置80で撮影された画像はロッカー制御システム50が取得する。本ステップは、図4のステップS105と同様に購入品の使用状況等を確認するために行われる。
【0085】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52においてステップS105で撮影した画像に基づいて商品に異常があるか判定する(ステップS307)。異常の有無は画像認識等の周知技術により判定すればよい。商品に異常が無い場合は(ステップS307;yes)、ロッカー制御システム50は、ステップS302で取得した交換情報に基づいて通信部51から交換品の在庫があるか判定する(ステップS308)。交換品の在庫は、処理部52が通信部51を介して店舗端末装置70に問い合わせてもよいし、在庫管理システム(不図示)等に問い合わせてもよい。この問い合わせが交換品の在庫の有無を要求する在庫確認情報となる。
【0086】
交換品の在庫が無い場合(ステップS308;no)、商品に異常がある場合(ステップS307;no)、購入経過日数が閾値以上であった場合(ステップS305;no)、交換対応商品でない場合(ステップS304;no)、のいずれかである場合は、ロッカー制御システム50は、通信部51から交換不可通知をロッカー装置1へ送信する(ステップS309)。交換不可通知はアプリ内の画面表示であってもよいし、登録されたメールアドレスへ電子メール等により送信してもよい。交換不可通知を送信すると、交換不可が確定しフローチャートは終了する。
【0087】
一方、交換品の在庫がある場合は(ステップS308;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52により店舗内在庫があるか判定する(ステップS310)。この店舗内とは、ステップS302で指定した受け取り希望店舗を示し、店舗端末装置70や在庫管理システム等に問い合わせて確認する。店舗内在庫がある場合は(ステップS310;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52が通信部51を介して購入者に交換日を指定する(ステップS313)。指定された交換日は前記したアプリに表示すればよい。即ち、通信部51は、交換する物品の引き渡し可能日時を利用者に通知する通知部として機能する。
【0088】
一方、店舗内在庫が無い場合は(ステップS310;no)、ロッカー制御システム50は、処理部52が通信部51を介して商品取寄依頼を行う(ステップS311)。商品取寄依頼は、店舗端末装置70や在庫管理システム等に対して行えばよい。そして、ロッカー制御システム50は、店舗端末装置70や在庫管理システムから取寄日数を取得する(ステップS312)。そして、ロッカー制御システム50は、ステップS313において交換日を指定する。このときの交換日はステップS312で取得した取寄日数を考慮した日付とする。なお、交換日は、購入者により指定の交換日以降の日付に変更可能としてもよい。
【0089】
次に、ロッカー制御システム50は、受け渡し予定日(交換日)1日前か判定する(ステップS314)。受け渡し予定日1日前である場合は(ステップS314:yes)、電子鍵を生成する(ステップS315)。このステップS314は、電子鍵を生成するタイミングを判定するものであり、1日前に限らないが、なるべく受け渡し予定日に近いタイミングであることが好ましい。また、ステップS315で生成する電子鍵は店員が交換品をロッカーボックス32に収納するために用いるものである。
【0090】
次に、ロッカー装置1において、ステップS315で生成した電子鍵で認証をする(ステップS316)。認証が成功した場合は(ステップS316;yes)、ロッカー制御システム50は、認証結果に基づいて処理部52がロッカーボックス32に収納予定の物品が交換対象の商品と一致するか判定する(ステップS317)。ステップS317の判定は、図4のステップS117と同様にして判定すればよい。ステップS317の商品一致の判定は、店舗側で用意した商品が購入者の希望するものであるか確認するためのものである。したがって、ステップS317では、ステップS302で取得した交換情報に基づいて一致が判定される。
【0091】
次に、ロッカー制御システム50は、通信部51を介してロッカーボックス32を解錠させる(図7、ステップS318)。そして、交換品がロッカーボックス32に収納されると店員等によりロッカーボックス32が施錠される(ステップS319)。
【0092】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52が電子鍵を発行して通信部51からユーザ端末装置80及びロッカー装置1に送信する(ステップS320)。なお、電子鍵はロッカー装置1で発行してもよく、ロッカー制御システム50は、ロッカー装置1から電子鍵を取得してユーザ端末装置80に送信してもよい。本ステップで生成する電子鍵は購入者が交換時に使用するものである。
【0093】
次に、ロッカー制御システム50は、交換準備の通知を行う(ステップS321)。交換準備の通知とは、ステップS318、S319により交換品がロッカーボックス32に収納されて交換する準備が整ったことを購入者に通知するものである。この通知も交換不可通知と同様にアプリ内の画面表示であってもよいし、登録されたメールアドレスへ電子メール等により送信してもよい。
【0094】
次に、ロッカー制御システム50は、処理部52において規定日数が超過しているか判定する(ステップS322)。本ステップでは受け渡し予定日から所定日数が経過かを判定するものである。受け渡し予定日から所定日数が経過した場合は、交換する意思が無いものと見なして後述するようにキャンセル扱いとする。規定日数が超過している場合は(ステップS322;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52でキャンセル処理を行って交換のキャンセルを通信部51からユーザ端末装置80に送信する。また、ロッカー制御システム50は、処理部52がステップS320で発行した電子鍵を無効化する。
【0095】
一方、規定日数が超過していない場合は(ステップS322;no)、ロッカー装置1において解錠操作の有無を判定する(ステップS324)。ロッカー制御システム50は、処理部52がステップS115の判定結果をロッカー装置1から通信部51を介して取得し、解錠操作が無い場合は(ステップS324;no)、ステップS322に戻り再度規定日数が超過しているか判定する。
【0096】
一方、解錠操作がある場合は(ステップS324;yes)、ロッカー装置1において電子鍵による認証を行う(ステップS325)。ロッカー制御システム50は、処理部52がステップS325の認証結果をロッカー装置1から通信部51を介して取得する。認証が失敗した場合は(ステップS325;no)、ロッカー装置1において操作表示部21にエラー通知が表示される(ステップS327)。
【0097】
一方、認証が成功した場合は(ステップS325;yes)、ロッカー制御システム50は、処理部52がロッカーボックス32に収納予定の物品が交換対象の商品と一致するか判定する(ステップS326)。ステップS326は、上述したステップS317と同様である。但し、ステップS326は、購入者が持参した購入品が交換対象品か確認するために行うものである。なお、ステップS326において、ステップS317で判定した商品情報と一致するかも合わせて判定してもよい。例えばサイズ違いや色違いに交換する場合であれば、サイズや色を示す情報以外の商品名等は一致するはずである。即ち、購入者が持参した購入品と店舗が用意した交換品との少なくとも商品名が一致していることで正当と判定する。
【0098】
ステップS326の判定の結果、交換対象の商品と一致しない場合は(ステップS326;no)、ロッカー制御システム50は、通信部51を介してステップS327でエラー通知を行う。エラー通知は、操作表示部21に表示される。一方、交換対象の商品と一致した場合は(ステップS326;yes)、ロッカー制御システム50は、通信部51を介して解錠許可情報を送信しステップS319で施錠したロッカーボックス32を解錠させる(ステップS328)。そして、購入者が商品を交換してロッカーボックス32が施錠される(ステップS329)。
【0099】
ロッカーボックス32が施錠されると、ロッカー制御システム50は、処理部52が電子鍵を発行して通信部51から店舗端末装置70に送信する(ステップS330)。電子鍵は、QRコード(登録商標)等のコードであってもよいし、文字列であってもよい。なお、本ステップにおいても電子鍵はロッカー装置1で発行してもよく、ロッカー制御システム50は、ロッカー装置1から電子鍵を取得してユーザ端末装置80に送信してもよい。本ステップで生成される電子鍵は店員等が交換された商品を回収するためのものである。
【0100】
次に、店舗端末装置70が受信した電子鍵を用いて店員等がロッカーボックス32を解錠し返品された商品を回収する(ステップS331)。
【0101】
本実施形態によれば、ロッカー制御システム50は、通信部51が、ロッカーボックス32に収納予定の購入品の交換を希望する取扱情報及び、当該購入品についての購入に関する情報である物品購入情報を取得し、処理部52が、通信部51が取得した物品購入情報に基づいて購入品の交換の条件を満たすか判定する。そして、処理部52による判定の結果、交換の条件を満たす場合は、通信部51がロッカーボックス32の解錠の許可を示す解錠許可情報をロッカーボックスに対して出力する。
【0102】
ロッカー制御システム50が上記のように構成されることにより、物品購入情報に基づいて購入品の交換の条件を満たすか判定し、条件を満たす場合はロッカーボックス32を解錠することで、ロッカー装置1を用いて交換に対応することが可能となる。
【0103】
また、交換の条件は店員等の判断によらず自動的に判定され、交換する購入品もロッカーに収納すればよいので、店員と接触せずに交換を行うことができる。また、店員も交換可能か確認する手間が省け、交換にかかる労力を最小限にすることができる。
【0104】
また、処理部52は、取扱情報により購入品の交換を希望することが示されていた場合、店舗端末装置に交換品の在庫確認情報を出力している。このようにすることにより、交換する場合に必要となる交換品の準備を店舗側に依頼することができる。
【0105】
また、ロッカー制御システム50は、通信部51から交換日を購入者(利用者)に通知しているので、在庫の準備等を考慮した交換日を購入者に提示することができる。
【0106】
また、処理部52は、取扱情報により物品の交換を希望することが示されていた場合、購入者が持参した購入品と店舗が用意した交換品との少なくとも商品名が一致していることで前記正当と判定するので、店員が確認しない場合であっても正しく交換されたか確認することができる。
【0107】
なお、上述した返品や交換のフローにおいて返品や交換された物品が確実にロッカーボックス32に収容されたかを確認するために、ロッカーボックス32に解錠された後に、当該ロッカーボックス32が施錠された場合に、商品が返品又は交換されたか否かを検出してもよい。具体的には、例えば重さセンサによって検出された解錠前および施錠後のロッカーボックス32内の重さに基づき検出してもよいし、ロッカーボックス32内を撮影可能なカメラ等によって解錠前および施錠後に撮像されたロッカーボックス32内の撮像画像に基づき検出してもよい。
【0108】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のロッカー制御装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0109】
1 ロッカー装置
32 ロッカーボックス
50 ロッカー制御システム(ロッカー制御装置)
51 通信部(取得部、出力部、通知部)
52 処理部(条件判定部、物品判定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7