(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】給水ユニット、及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
(21)【出願番号】P 2021149144
(22)【出願日】2021-09-14
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】柴田 遼
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212714157(CN,U)
【文献】特開2008-113977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された水と洗濯処理剤とを合わせて洗濯槽に投入する給水ユニットであって、
前記水が供給される給水口と、
前記洗濯処理剤が供給される洗剤供給口と、
上方が開口しており、前記水及び前記洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する投入口を有する本体部と、
前記本体部の開口を覆い、前記給水口から供給された前記水が上面を流れる天井部と、を備え、
前記天井部は、
前記給水口から供給された前記水を前記本体部に注水する複数の注水孔と、
前記洗剤供給口と上下方向に連続しており、前記洗剤供給口から供給された前記洗濯処理剤を前記本体部に通す洗剤孔と、を有し、
前記複数の注水孔は、前記洗剤孔の周囲に形成されている、
給水ユニット。
【請求項2】
前記複数の注水孔は、前記洗剤孔の周囲を囲むように形成されている、
請求項1に記載の給水ユニット。
【請求項3】
前記複数の注水孔は、前記洗剤孔の周囲において、前記本体部の前記投入口側に多く形成されている、
請求項1又は2に記載の給水ユニット。
【請求項4】
前記本体部は、
前記複数の注水孔から供給された前記水、及び前記洗剤孔から供給された前記洗濯処理剤が前記投入口に向かって流れる第1流路と、
前記洗剤孔よりも前記投入口側に形成され、前記第1流路を狭める第1リブと、を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の給水ユニット。
【請求項5】
前記第1リブは、前記投入口に近づくにつれて前記第1流路を狭めるように形成されている、
請求項4に記載の給水ユニット。
【請求項6】
前記本体部は、
前記第1流路とは別の流路であって、前記第1流路に合流する第2流路と、
前記第2流路における前記第1流路との合流口に形成され、前記第2流路を狭める第2リブと、を更に有する、
請求項4又は5に記載の給水ユニット。
【請求項7】
前記第2リブは、前記第1リブよりも前記投入口側に形成され、前記第1リブと共に前記第2流路を狭めるように形成されている、
請求項6に記載の給水ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の給水ユニットと、
前記給水ユニットから前記水及び前記洗濯処理剤が投入される洗濯槽と、を備える、
洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水ユニット、及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機に液体洗剤を供給する洗濯機用液体洗剤投入装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この洗濯機用液体洗剤投入装置では、液体洗剤は、容器内に収容され、容器に接続される管を通り全自動洗濯機に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
管の径や長さなどにより管を流れる液体洗剤(洗濯処理剤)の流量は制限されるため、洗濯処理剤を洗濯機内に供給するための時間は長くなる傾向がある。供給された洗濯処理剤が、水と合わさらないで被洗濯物に付着すると、洗濯処理剤が被洗濯物に均一に行き渡らないおそれがあるため、洗濯処理剤の供給中は洗濯処理剤と合わせる水を供給し続けることが好ましいが、設定水量を超えることはできないため、比較的少量の水量で洗濯処理剤に合わせる必要があった。
【0006】
本開示は、少量の給水であっても供給された洗濯処理剤と合わせやすくすることができる給水ユニット、及び洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る給水ユニットは、供給された水と洗濯処理剤とを合わせて洗濯槽に投入する給水ユニットであって、前記水が供給される給水口と、前記洗濯処理剤が供給される洗剤供給口と、上方が開口しており、前記水及び前記洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する投入口を有する本体部と、前記本体部の開口を覆い、前記給水口から供給された前記水が上面を流れる天井部と、を備え、前記天井部は、前記給水口から供給された前記水を前記本体部に注水する複数の注水孔と、前記洗剤供給口と上下方向に連続しており、前記洗剤供給口から供給された前記洗濯処理剤を前記本体部に通す洗剤孔と、を有し、前記複数の注水孔は、前記洗剤孔の周囲に形成されている。
【0008】
本開示の一態様に係る洗濯機は、前記給水ユニットと、前記給水ユニットから前記水及び前記洗濯処理剤が投入される洗濯槽と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る洗濯機の一部破断した外観斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の洗濯機に設けられる給水ユニットの外観斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の給水ユニットの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の給水ユニットにおけるカバー部を取り外した状態の平面図である。
【
図5】
図5は、同上の給水ユニットにおける本体部の平面図である。
【
図6】
図6は、同上の給水ユニットにおける本体部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る洗濯機1、及び洗濯機に用いられる給水ユニット2について、
図1~
図6を参照して説明する。以下では、
図1~
図6に示す上下左右前後それぞれの方向を基準にして説明する。ただし、これらの方向は、説明の便宜上設定した方向であって、使用時の方向を規定するものではない。
【0012】
図1は、洗濯機1の斜視図である。
図1では、洗濯機1の内部構造を図示するため、洗濯機1の右前部分が取り除かれた縦断面が示されている。
【0013】
本実施形態の洗濯機1は、いわゆる縦型洗濯機であって、上面が開口した洗濯槽112を備えている。また、洗濯機1は、被洗濯物として靴を想定した靴洗濯機である。なお、被洗濯物は、靴に限らず、立体形状の有体物であればよい。
【0014】
図1に示すように、洗濯機1は、外箱110、上面部材120、上蓋130、ベース部材140、駆動機構150等を含む。外箱110の外形は、上下に開口する角筒状である。外箱110の上側に上面部材120が設けられ、外箱110の下側にベース部材140が設けられる。上蓋130は、上面部材120を上下方向に貫通する開口部を開閉可能である。水槽111は、外箱110内に配置され、上方に開口した略有底円筒状である。水槽111の底部には、水槽111内の水を排水するための排水部が設けられている。
【0015】
水槽111内には、被洗濯物である靴が入れられる洗濯槽112が設けられる。洗濯槽112は、水槽111と同様に上方に開口した略有底円筒状であり、水槽111に対して回転可能である。洗濯槽112の回転中心を通る軸線Oは、上下方向に延びる。洗濯槽112の底部には水抜部が形成され、且つ洗濯槽112の周壁や上端部には複数の排水孔が形成されている。洗濯槽112の上端開口を介して、洗濯槽112内に上方から靴が出し入れされる。洗濯槽112の上端開口縁に沿って、バランスリング114が設けられる。
【0016】
洗濯機1は、洗濯槽112の底部に配置され、上下方向に延びる軸線を中心に回転する回転体113を含む。例えば回転体113は、洗濯槽112内の水を撹拌するための円盤状のパルセータである。回転体113は、洗濯槽112に対して回転可能である。回転体113の回転中心を通る軸線は、洗濯槽112の軸線Oと略一致している。洗濯槽112の下方には、洗濯槽112と回転体113とを回転駆動する駆動機構150が設けられる。駆動機構150と、洗濯槽112及び回転体113との間には、クラッチ151が設けられている。駆動機構150の動力が洗濯槽112及び回転体113に伝達される状態と、駆動機構150の動力が回転体113のみに伝達される状態とが、クラッチ151によって切り替えられる。
【0017】
図1に示すように、洗濯機1は、ブラシホルダ103を備える。ブラシホルダ103は、回転体113の上側に固定された軸部160と、軸部160から洗濯槽112の内周面112A側に延びるブラシユニット107とを有し、回転体113と共に回転する。ブラシホルダ103の回転中心を通る軸線は、軸部160の中心を通り、洗濯槽112の軸線Oと略一致している。したがって、洗濯槽112、回転体113、及びブラシホルダ103は、何れも軸線Oを中心に回転可能である。軸線Oを中心とした回転方向は、洗濯槽112の周方向と略一致する。
【0018】
また、本実施形態の洗濯機1は、上面部材120の上面に設けられた硬貨処理装置100を有しており、例えばコインランドリーに設置される。洗濯機1は、硬貨処理装置100に所定金額の硬貨が投入されると、外部から供給される水及び洗濯処理剤を用いて、靴の洗濯を行う。
【0019】
洗濯機1は、外部から供給された水と洗濯処理剤とを合わせて洗濯槽112に投入する給水ユニット2を備えている。洗濯処理剤は、例えば洗剤、柔軟剤、漂白剤等である。本実施形態では、洗濯処理剤は、液体洗剤である場合を例に説明する。
【0020】
給水ユニット2は、上面部材120の内側に設けられている。給水ユニット2には、水を供給するための給水ホース、及び洗濯処理剤を供給するための洗剤ホースが接続される。
【0021】
図2~
図6を用いて、給水ユニット2の構成について説明する。
【0022】
図2、及び
図3に示すように、給水ユニット2は、バルブユニット3と、天井部4と、カバー部5と、本体部6と、を備えている。
【0023】
バルブユニット3は、給水ホースを介して水栓に接続されており、洗濯槽112に供給する水量を調整する。バルブユニット3は、ホース接続部31と、第1給水口32と、第2給水口33と、第1給水バルブ34と、第2給水バルブ35と、を有する。
【0024】
図1に示すように、ホース接続部31は、洗濯機1の上面部材120から上方に向かって露出しており、給水ホースが接続される。給水ホースは、ホース接続部31と反対側の端部が水栓に接続される。ホース接続部31は、給水ホースを介して水栓から水が供給される。ホース接続部31に供給された水は、第1給水口32、及び第2給水口33から出力される。
【0025】
第1給水口32、及び第2給水口33は、前後方向に並んで設けられており、右方向に向かって水を出力する。第1給水口32は、第2給水口33の前方に設けられている。第1給水バルブ34は、例えば電磁バルブであって、第1給水口32から出力される水量を調節可能に構成されている。第2給水バルブ35は、例えば電磁バルブであって、第2給水口33から出力される水量を調節可能に構成されている。第1給水バルブ34及び第2給水バルブ35の開閉状態は、バルブ制御部によって制御される。バルブ制御部は、硬貨処理装置100に所定金額の硬貨が投入されると、洗濯処理内容に応じて第1給水バルブ34及び第2給水バルブ35を開閉制御する。
【0026】
天井部4は、上下方向を厚さ方向とする板状に形成されている。天井部4は、バルブユニット3よりも下方に配置されており、第1給水口32及び第2給水口33から供給された水を受ける。
図3、及び
図4に示すように、天井部4におけるバルブユニット3の右側には、第1給水口32から供給された水を本体部6に供給する第1給水室41と、第2給水口33から供給された水を本体部6に供給する第2給水室42と、が設けられている。
【0027】
第1給水室41は、底面である天井部4の上面に、本体部6に通じる複数の貫通孔が形成されている。第1給水室41は、第1給水口32から供給された水が一時的に溜められる。第1給水室41に溜められた水は、複数の貫通孔を介して本体部6に注水される。
【0028】
具体的には、第1給水室41は、底面が第1エリア411と第2エリア412とに分けられている。
【0029】
第1エリア411は、略逆U字状に形成されている。第1エリア411は、第1給水口32の真下に位置しており、第1給水口32から出力された水を直接的に受ける。第1エリア411には、複数の貫通孔のうち、複数の第1注水孔431と、第2注水孔432とが形成されている。複数の第1注水孔431と、第2注水孔432とは、本体部6において水を注水する部分が異なる。なお、本体部6において、複数の第1注水孔431及び第2注水孔432から水が注水される部分の詳細については、後述する。
【0030】
第2注水孔432は、円形の貫通孔であって、第1給水口32の近傍に形成されている。複数の第1注水孔431は、各々が円形の貫通孔であって、第2注水孔432よりも第1給水口32から離れた位置に形成されている。
【0031】
また、第1エリア411には、洗濯処理剤を本体部6に通す洗剤孔44が形成されている。洗剤孔44は、円形の貫通孔である。洗剤孔44の外周縁には、洗剤孔44を囲むように周壁440が形成されている。周壁440は、洗剤孔44の外周縁から上方に突出するように形成されている。洗剤孔44は、天井部4の上方に設けられるカバー部5が有する洗剤供給口51(
図2、及び
図3参照)と上下方向に連続する。
【0032】
図4に示すように、洗剤孔44の周囲には、複数の第1注水孔431が形成されている。本実施形態では、複数の第1注水孔431として、11個の第1注水孔431が洗剤孔44の周囲に形成されている。11個の第1注水孔431は、洗剤孔44を囲むように形成されている。具体的には、11個の第1注水孔431のうち、8個の第1注水孔431は、洗剤孔44の中心にして前後左右方向、及び前後左右方向と交差する斜め方向の8方向の位置に形成されている。11個の第1注水孔431のうち、残りの3つの第1注水孔431は、8個の第1注水孔431の前方において、左右方向に並ぶように形成されている。つまり、11個の第1注水孔431は、洗剤孔44に対して前方に位置する数が多くなるように形成されている。
【0033】
なお、本実施形態では、8個の第1注水孔431が洗剤孔44を中心にして8方向の位置に形成されているが、これに限らない。例えば、洗剤孔44を囲むように4個の第1注水孔431が4方向(例えば前後左右方向)の位置に形成されていてもよい。
【0034】
第2エリア412は、第1エリア411の右後方に設けられている。第1エリア411と第2エリア412との間には、仕切壁413が設けられている。仕切壁413は、第1給水室41の底面から上方に突出するように設けられている。仕切壁413は、カバー部5との間に隙間を形成するように設けられている。したがって、第2エリア412には、第1エリア411の水が仕切壁413を越えて浸入する。第2エリア412には、複数の貫通孔のうち、第3注水孔433と、第4注水孔434とが形成されている。第3注水孔433と第4注水孔434とは、本体部6において水を注水する部分が異なる。なお、本体部6において、第3注水孔433及び第4注水孔434から水が注水される部分の詳細については、後述する。
【0035】
第3注水孔433は、左右方向を長手方向とする矩形の貫通孔であって、第2エリア412の後端部に形成されている。第4注水孔434は、円形の貫通孔であって、第3注水孔433よりも第1給水口32に近い位置に形成されている。なお、第3注水孔433、及び第4注水孔434の詳細については後述する。
【0036】
図3、及び
図4に示すように、第2給水室42は、底面である天井部4の上面に、本体部6に通じる複数の貫通孔が形成されている。第2給水室42は、第2給水口33から供給された水が一時的に溜められる。第2給水室42に溜められた水は、複数の貫通孔を介して本体部6に注水される。
【0037】
具体的には、第2給水室42は、受水室421と、注水室422とに分けられている。第2給水口33から供給された水は、受水室421から本体部6に設けられた迂回部61を経由して注水室422に移動し、注水室422に形成された貫通孔から本体部6に注水される。
【0038】
受水室421は、第1給水室41の第1エリア411の後方、かつ、第1給水室41の第2エリア412の左方に設けられている。受水室421と第1給水室41との間には第1隔壁423が設けられている。第1隔壁423により、受水室421と第1給水室41との間での水の移動が遮られる。第2給水口33は、受水室421内に位置しており、受水室421に水を出力する。受水室421の底面には、出水孔451が形成されている。出水孔451は、円形の貫通孔である。第2給水口33から受水室421に供給された水は、出水孔451を介して本体部6の迂回部61(
図5、及び
図6参照)に供給される。
【0039】
迂回部61は、内部に空間が形成された直方体状に形成されている。迂回部61の上面には、入水孔611、及び出水孔612が前後方向に並んで形成されている。入水孔611は、受水室421の出水孔451と上下方向に連続している。出水孔612は、注水室422に形成された入水孔452と上下方向に連続している。
【0040】
第2給水口33から供給された水は、受水室421の出水孔451、及び迂回部61の入水孔611を介して迂回部61の内部空間に入り込む。迂回部61の内部空間が水で満たされると、迂回部61の出水孔612を介して、注水室422の入水孔452から水が溢れ出る。これにより、第2給水口33から供給された水が、受水室421から迂回部61を経由して注水室422に送られる。
【0041】
また、
図6に示すように、迂回部61は、内部空間に溜まった水を抜く排水孔613を有している。排水孔613は、迂回部61の前壁に形成された小径の貫通孔であって、底部近傍に形成されている。
【0042】
注水室422は、第1給水室41の前方に設けられている。注水室422と第1給水室41との間には第2隔壁424が設けられている。第2隔壁424により、注水室422と第1給水室41との間での水の移動が遮られる。
【0043】
注水室422は、複数の貫通孔のうち、第5注水孔461と、一対の第6注水孔462とが形成されている。第5注水孔461と、一対の第6注水孔462とは、本体部6において水を注水する部分が異なる。なお、本体部6において、第5注水孔461及び一対の第6注水孔462から水が注水される部分の詳細については、後述する。
【0044】
第5注水孔461は、左右方向を長手方向とする長円の貫通孔であって、第1給水室41の第1エリア411に形成された複数の第1注水孔431の前方に設けられている。一対の第6注水孔462は、各々が円形の貫通孔であって、第5注水孔461の前方において左右方向に並んで形成されている。
【0045】
図2、及び
図3に示すように、カバー部5は、天井部4の第1給水室41及び第2給水室42と、バルブユニット3の第1給水口32及び第2給水口33を、上方から一体に覆うように設けられている。
【0046】
また、カバー部5は、外部から洗濯処理剤が供給される洗剤供給口51を有している。洗剤供給口51は、円筒状に形成されており、カバー部5の上面から上方に突出している。洗剤供給口51は、上端に洗剤ホースが接続される。洗剤ホースは、ポンプを介して洗剤タンクに接続されている。ポンプは、上面部材120の上面に設けられた硬貨処理装置100内に設けられており、ポンプ制御部によって制御される。ポンプ制御部は、硬貨処理装置100に所定金額の硬貨が投入されると、洗濯処理内容に応じてポンプを稼働させ、洗剤タンクから洗剤供給口51に所定量の洗濯処理剤を送り込む。洗剤供給口51の下端は、天井部4に設けられた洗剤孔44の周壁440と連続している。したがって、洗剤供給口51と洗剤孔44とは上下方向に連続しており、洗剤孔44には、洗剤供給口51を介して上方から洗濯処理剤が流れ込む。
【0047】
図5、及び
図6に示すように、本体部6は、上方が開口した箱状に形成されている。本体部6の開口は、天井部4によって塞がれている。本体部6は、底部に段差が形成されており、下段部601、中段部602、及び上段部603を有する。
【0048】
上段部603は、上下方向を長手方向とする矩形状に形成されており、迂回部61が設けられている。上段部603の上方には、天井部4における第1給水室41の第2注水孔432及び第4注水孔434が形成されている。したがって、上段部603には、第2注水孔432及び第4注水孔434から、第1給水口32から供給された水が注水される。
【0049】
中段部602は、左右方向を長手方向とする矩形状に形成されており、上段部603の前方に位置している。中段部602は、上段部603よりも下方に位置しており、上段部603から水が流入する。中段部602は、左方から右方に向かうにつれて下がるように傾斜しており、右方に向かって水が流れる。
【0050】
下段部601は、前後方向を長手方向とする矩形状に形成されており、上段部603及び中段部602の右方に位置している。上段部603と下段部601との間には、隔壁604が設けられており、上段部603から下段部601に水が直接的に流れないように構成されている。下段部601の上方には、天井部4における第1給水室41の複数の第1注水孔431、第3注水孔433、及び洗剤孔44が形成されている。したがって、下段部601には、第1給水口32から供給された水が複数の第1注水孔431、及び第3注水孔433を介して注水され、洗剤孔44から洗濯処理剤が供給される。さらに、下段部601の上方には、天井部4における第2給水室42の第5注水孔461、及び一対の第6注水孔462が形成されている。したがって、下段部601には、第2給水口33から供給された水が第5注水孔461、及び一対の第6注水孔462を介して注水される。
【0051】
下段部601は、後方から前方に向かうにつれて下がるように傾斜しており、後方から前方に向かって水及び洗濯処理剤が流れる。下段部601の前端には、投入口62が設けられている。投入口62は、下方に開口しており、洗濯槽112の上方に位置している。下段部601を流れる水及び洗濯処理剤は、投入口62を介して洗濯槽112に投入される。
【0052】
また、中段部602は、下段部601における前後方向の略中央部に対して、左方の位置に形成されている。したがって、下段部601には、前後方向の略中央部において、中段部602からの水が流入する。つまり、下段部601を流れる水及び洗濯処理剤に、中段部602を流れる水が合流する。言い換えれば、本実施形態の本体部6は、複数の第1注水孔431及び第3注水孔433から供給された水、及び洗剤孔44から供給された洗濯処理剤が投入口62に向かって流れる第1流路631と、第2注水孔432及び第4注水孔434から供給された水が流れる第2流路632と、を有する。第1流路631を流れる水及び洗濯処理剤に、第2流路632を流れる水が合わさって投入口62に投入される。第1流路631は、下段部601において少なくとも洗剤孔44よりも後方を含む流路である。第2流路632は、中段部602を含む流路である。
【0053】
本体部6において、第1流路631と第2流路632との合流口に第1リブ641及び第2リブ642が設けられている。第1リブ641及び第2リブ642は、本体部6の下段部601から上方に突出するように設けられている。
【0054】
第1リブ641は、上段部603と下段部601との間の隔壁604の前端部から、右前方に向かって延びるように形成されている。第1リブ641の前端部は、下段部601の左右方向の中央部であって、洗剤孔44よりも前方に位置している。11個の第1注水孔431のうち、洗剤孔44に隣接する7個の第1注水孔431は、第1リブ641よりも右後方に位置し、残りの4個の第1注水孔431は、第1リブ641よりも左前方又は前方に位置している。第1流路631は、下段部601において第1リブ641よりも右側の部分を含む流路である。したがって、第1リブ641は、第1流路631における左右方向の幅を狭めている。
【0055】
第2リブ642は、第1リブ641よりも投入口62側に形成されている。第2リブ642は、中段部602における右前方の端部から、右前方に向かって延びるように形成されている。第2リブ642の前端部は、下段部601の左右方向の中央部に位置している。下段部601における第1リブ641と第2リブ642との間の部分は、中段部602と共に第2流路632を構成している。第2リブ642は、第1リブ641と共に第2流路632の上下方向の幅を狭めている。
【0056】
次に、水と洗濯処理剤とを合わせて洗濯槽112に投入する際における、水及び洗濯処理剤の流れについて説明する。
【0057】
本実施形態の給水ユニット2は、水と洗濯処理剤とを合わせて投入する場合、第1給水口32と第2給水口33とのうち第1給水口32のみから水が供給される。そして、第1給水口32から供給された水と、洗剤供給口51から供給された洗濯処理剤とを合わせて、洗濯槽112に投入する。なお、例えば洗濯槽112に水を溜める場合、第1給水口32と第2給水口33との両方から水が供給され、洗濯槽112に投入される。
【0058】
また、洗濯処理剤のみが洗濯槽112に投入されないように、第1給水口32から水が供給されている状態において、洗剤供給口51から洗濯処理剤が供給される。
【0059】
第1給水口32から供給された水は、まず、天井部4の上面のうち第1給水室41の第1エリア411を流れる。第1エリア411を流れる水は、複数の第1注水孔431及び第2注水孔432から本体部6に注水される。
【0060】
具体的には、複数の第1注水孔431のうち一部の第1注水孔431から注水された水は、本体部6の第1流路631を流れ、残りの第1注水孔431から注水された水は、本体部6の第2流路632を流れて第1流路631に合流する。複数の第1注水孔431は、洗剤孔44の周囲に形成されているので、本体部6において洗剤孔44から洗濯処理剤が供給される部分の周囲に注水することができる。さらに、第1注水孔431は洗剤孔44に対して前方、すなわち下流側に位置する数が多くなるように形成されているので、第1流路631における洗剤孔44の下流側により多くの水を注水する。このため、第1流路631における洗剤孔44の下流側での洗濯処理剤の流速が低下し、少量の水であっても十分に洗濯処理剤と合わせることができる。
【0061】
第2注水孔432から注水された水は、本体部6における上段部603に注水され、第2流路632を流れて第1流路631に合流する。
【0062】
また、第1給水口32から供給された水によって第1エリア411の水位が上昇し、水位が仕切壁413の高さを上回ると、第1給水口32から供給された水が第1エリア411から第2エリア412に浸入する。第2エリア412を流れる水は、第3注水孔433及び第4注水孔434から本体部6に注水される。
【0063】
具体的には、第3注水孔433から注水された水は、第1流路631の後端部に注水され、第1流路631を流れる。つまり、第3注水孔433から注水された水は、第1流路631の後端から第1流路631の前端にわたって流れ、第1流路631の前端に設けられた投入口62を介して洗濯槽112に投入される。
【0064】
第4注水孔434から注水された水は、本体部6における上段部603に注水され、第2流路632を流れて第1流路631に合流する。
【0065】
次に、洗剤供給口51から洗濯処理剤が供給される。洗剤供給口51から供給された洗濯処理剤は、天井部4の洗剤孔44を介して本体部6の第1流路631に流れ落ちる。上述したように、本体部6に洗濯処理剤が供給される際には、既に第1流路631に水が流れている。したがって、水が流れている第1流路631に洗濯処理剤が流れ落ちることによって、水と洗濯処理剤とが合わさる。
【0066】
また、本実施形態では、洗剤孔44の周囲に複数の第1注水孔431が形成されている。したがって、本体部6において洗濯処理剤が流れ落ちてくる箇所の周囲に、複数の第1注水孔431から水が注水されるので、注水される勢いにより水と洗濯処理剤とが合わさりやすくなる。さらに、複数の第1注水孔431は、洗剤孔44の周囲を囲むように形成されているので、水と洗濯処理剤とがより合わさりやすくなる。
【0067】
また、洗剤孔44よりも投入口62側には第1リブ641が設けられており、水と洗濯処理剤とが第1リブ641に当たることによって、流量が制限される。これにより、第1流路631における第1リブ641よりも上流側での水と洗濯処理剤との混合時間が長くなり、水と洗濯処理剤とがより合わさりやすくなる。
【0068】
さらに、第1リブ641は、前後方向に対して傾斜しており、第1流路631を狭めている。これにより、第1流路631を流れる水及び洗濯処理剤が集中し下流側での流速が増加するので、洗濯処理剤が第1流路631に付着しにくくなる。
【0069】
また、第1流路631を流れる水及び洗濯処理剤は、第1リブ641を通過すると、第2流路632を流れる水と合流する。第2リブ642を流れる水が合流することによって、第1流路631における第1リブ641よりも上流側での水と洗濯処理剤とがせき止められる傾向があり、水と洗濯処理剤とがより合わさりやすくなる。
【0070】
また、複数の第1注水孔431の一部は、第1リブ641によって第1流路631が狭まる箇所、及び第1流路631と第2流路632との合流箇所近傍に注水しているので、注水される勢いにより水と洗濯処理剤とが合わさりやすくなる。
【0071】
さらに、第1リブ641よりも投入口62側には第2リブ642が設けられており、第2リブ642は、第1リブ641と共に第2流路632を狭めている。これにより、第2流路632を流れる水が集中して流速が増加するので、第1流路631を流れる水及び洗濯処理剤に合流する勢いが増加し、第1流路631における第1リブ641よりも上流側での水と洗濯処理剤とのせき止め効果を向上させ、水と洗濯処理剤とがより合わさりやすくなる。また、合流後の水及び洗濯処理剤の流速が増加するので、洗濯処理剤が第1流路631や投入口62に付着せずに、洗濯槽112内に投入される。
【0072】
このように、本実施形態の給水ユニット2では、第1給水口32から供給された水と、洗剤供給口51から供給された洗濯処理剤とを効率よく合わせることができ、水と洗濯処理剤とが合わさった状態で、投入口62を介して洗濯槽112に投入することができる。これにより、少量の給水であっても洗濯処理剤のみが被洗濯物に付着することが抑制される。
【符号の説明】
【0073】
1 洗濯機
112 洗濯槽
2 給水ユニット
32 第1給水口(給水口)
4 天井部
431 第1注水孔(注水孔)
44 洗剤孔
51 洗剤供給口
6 本体部
62 投入口
631 第1流路
632 第2流路
641 第1リブ
642 第2リブ