(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】運賃計算装置、運賃計算方法及び運賃計算プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241030BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20241030BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2021188173
(22)【出願日】2021-11-18
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永岡 健治
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-057118(JP,A)
【文献】特開2000-072206(JP,A)
【文献】特開2003-130670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運送する物品の情報、納期、数量、重量、及び、運送先となる地理的範囲毎に設定された距離番号を含む出荷情報を取得する取得部と、
取得された前記出荷情報のうち、同じ距離番号を含む出荷情報を抽出する抽出部と、
抽出された前記出荷情報の前記物品の総重量と、運送を行う車両の最大積載重量とを比較する比較部と、
前記物品の総重量が、運送を行う車両の最大積載重量を超過する比較結果が前記比較部から得られた場合に、前記抽出部で抽出された前記出荷情報のうち、前記総重量を前記最大積載重量以下とする前記出荷情報を選択する選択操作を受け付ける入力処理部と、
前記選択操作で選択された各前記出荷情報で示される前記物品の運賃に基づいて、前記運送を行う車両の合計運賃を算出する
と共に、前記出荷情報で示される前記重量を、前記選択操作で選択された各前記出荷情報の前記重量の合計重量でそれぞれ除算した値に、前記合計運賃を乗算処理する演算を前記出荷情報毎に行うことで、前記出荷情報毎の運賃を算出する運賃算出部と、
を有する運賃計算装置。
【請求項2】
前記比較部は、前記物品の前記総重量と、運送を行う車両の前記最大積載重量とを比較すると共に、前記抽出部で抽出された各前記出荷情報に含まれる各前記物品の総容積量と、運送を行う前記車両の最大積載容積量とを比較し、
前記入力処理部は、前記物品の前記総重量が、運送を行う前記車両の前記最大積載重量を超過する比較結果、及び、前記物品の総容積量が、運送を行う前記車両の前記最大積載容積量を超過する比較結果のうち、いずれか一方又は両方が前記比較部から得られた場合に、前記抽出部で抽出された前記出荷情報のうち、前記総重量を前記最大積載重量以下とし、かつ、超過している前記総容積量を前記最大積載容積量以下とする前記出荷情報を選択する選択操作を受け付け、
前記運賃算出部は、前記選択操作で選択された、前記総重量を前記最大積載重量以下とし、かつ、前記総容積量を前記最大積載容積量以下とする各前記出荷情報で示される前記物品の運賃に基づいて、前記運送を行う車両の合計運賃を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の運賃計算装置。
【請求項3】
前記物品の前記総重量が、運送を行う前記車両の前記最大積載重量を超過する比較結果が前記比較部から得られた際に、前記最大積載重量の超過を示す警告メッセージを表示部に表示する表示制御部を、さらに備えること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運賃計算装置。
【請求項4】
前記物品の前記総容積量が、運送を行う前記車両の前記最大積載容積量を超過する比較結果が前記比較部から得られた際に、前記最大積載容積量の超過を示す警告メッセージを表示部に表示する表示制御部を、さらに備えること
を特徴とする請求項2に記載の運賃計算装置。
【請求項5】
前記運賃算出部は、前記出荷情報で示される前記物品の重量に、所定重量当たりの運賃単価を乗算処理する演算を行うことで、各出荷情報に対応する運賃をそれぞれ算出し、算出した各出荷情報に対応する運賃を加算処理した金額に、前記運送を行う車両の基本運賃を加算処理することで、前記運送を行う車両の合計運賃を算出すること
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の運賃計算装置。
【請求項6】
前記出荷情報は、当該出荷情報に含まれる前記物品の情報で示される物品の、前記車両に対する相積設定の有無を示す相積情報を、さらに含み、
相積設定を行った物品の前記出荷情報に含まれる前記相積情報を、相積設定を行ったことを示す値とし、相積設定を行っていない物品の前記出荷情報に含まれる前記相積情報は、相積設定を行っていないことを示す値とする相積情報更新部を、さらに備えること
を特徴とする請求項1から請求項5のうち、いずれか一項に記載の運賃計算装置。
【請求項7】
取得部が、運送する物品の情報、納期、数量、重量、及び、運送先となる地理的範囲毎に設定された距離番号を含む出荷情報を取得する取得ステップと、
抽出部が、取得された前記出荷情報のうち、同じ距離番号を含む出荷情報を抽出する抽出ステップと、
比較部が、抽出された前記出荷情報の前記物品の総重量と、運送を行う車両の最大積載重量とを比較する比較ステップと、
入力処理部が、前記物品の総重量が、運送を行う車両の最大積載重量を超過する比較結果が前記比較部から得られた場合に、前記抽出部で抽出された前記出荷情報のうち、前記総重量を前記最大積載重量以下とする前記出荷情報を選択する選択操作を受け付ける入力処理ステップと、
運賃算出部が、前記選択操作で選択された各前記出荷情報で示される前記物品の運賃に基づいて、前記運送を行う車両の合計運賃を算出する
と共に、前記出荷情報で示される前記重量を、前記選択操作で選択された各前記出荷情報の前記重量の合計重量でそれぞれ除算した値に、前記合計運賃を乗算処理する演算を前記出荷情報毎に行うことで、前記出荷情報毎の運賃を算出する運賃算出ステップと、
を有する運賃計算方法。
【請求項8】
コンピュータを、
運送する物品の情報、納期、数量、重量、及び、運送先となる地理的範囲毎に設定された距離番号を含む出荷情報を取得する取得部と、
取得された前記出荷情報のうち、同じ距離番号を含む出荷情報を抽出する抽出部と、
抽出された前記出荷情報の前記物品の総重量と、運送を行う車両の最大積載重量とを比較する比較部と、
前記物品の総重量が、運送を行う車両の最大積載重量を超過する比較結果が前記比較部から得られた場合に、前記抽出部で抽出された前記出荷情報のうち、前記総重量を前記最大積載重量以下とする前記出荷情報を選択する選択操作を受け付ける入力処理部と、
前記選択操作で選択された各前記出荷情報で示される前記物品の運賃に基づいて、前記運送を行う車両の合計運賃を算出する
と共に、前記出荷情報で示される前記重量を、前記選択操作で選択された各前記出荷情報の前記重量の合計重量でそれぞれ除算した値に、前記合計運賃を乗算処理する演算を前記出荷情報毎に行うことで、前記出荷情報毎の運賃を算出する運賃算出部として機能させること、
を特徴とする運賃計算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運賃計算装置、運賃計算方法及び運賃計算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えば工場又は工事現場等に物品を運送する場合、トラック等の車両に積み込み可能な物品の最大積載量を加味した上で、積み込みを行う際の出荷伝票の振分けを行うことで、効率のよい物品の運送を可能としている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2013-129510号公報)に開示されている運送システムの場合、運送管理サーバの制御部が、支店端末から追加運送依頼を受信した場合に、新規臨時便の費用の算出処理を実行し、追加運送の検索条件を用いて運送便計画データから運送便候補を検索する。制御部は、利用可能な運送便があり、かつ、積載可能な場合には、これら運送便を利用したときの費用の算出処理を実行する。また、制御部21は、臨時便要請ボタンと、利用可能な運送便がある場合に、これらについての運送便選択ボタンと、費用とを含む選択画面データを支店端末10に送信し、ディスプレイに表示する。これにより、計画運送便を有効活用して、経費削減しながら、効率のよい運送を可能としている。
【0004】
また、特許文献2(特開2004-213466号公報)に開示されている共同配送支援システムの場合、インターネットに接続された配車管理サーバが、共同配送を行う各共配グループについて、集配注文データベース及び車両マスタデータベース等を参照して配車計画処理を行い、その配車計画結果に適宜実績に基づく修正を加えたうえで、運賃計算処理を行う。また、各車両の運賃を計算し、その運賃の各荷主による分担額を計算する運賃計算処理を実行する。そして、車両毎の分担額を運送会社毎に集計し、各荷主が各運送業者へ支払うべき運賃を計算する。これにより、複数の荷主が共同配送を行う場合に、各荷主の負担すべき適正なコストを計算することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-129510号公報
【文献】特開2004-213466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、物品の運送を行う場合、物品の運送先及び物品の工場間の移動等を考慮しながら、物品を運送する例えば貨物自動車(トラック)等の運送車両に対して、積み込む物品の振り分け作業が必要となる。また、このような振り分け作業後に、トラック毎に運賃計算を行う必要がある。このため、従来は、物品の運送の手配に、多くの事務的な労力を必要とする問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、物品の運送の手配に要する事務的労力を軽減可能とした運賃計算装置、運賃計算方法及び運賃計算プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る運賃計算装置は、運送する物品の情報、納期、数量、重量、及び、運送先となる地理的範囲毎に設定された距離番号を含む出荷情報を取得する取得部と、取得された出荷情報のうち、同じ距離番号を含む出荷情報を抽出する抽出部と、抽出された出荷情報の物品の総重量と、運送を行う車両の最大積載重量とを比較する比較部と、物品の総重量が、運送を行う車両の最大積載重量を超過する比較結果が比較部から得られた場合に、抽出部で抽出された出荷情報のうち、総重量を最大積載重量以下とする出荷情報を選択する選択操作を受け付ける入力処理部と、選択操作で選択された各出荷情報で示される物品の運賃に基づいて、運送を行う車両の合計運賃を算出すると共に、出荷情報で示される重量を、選択操作で選択された各出荷情報の重量の合計重量でそれぞれ除算した値に、合計運賃を乗算処理する演算を出荷情報毎に行うことで、出荷情報毎の運賃を算出する運賃算出部と、を有する。
【0009】
また、本発明に係る運賃計算方法は、取得部が、運送する物品の情報、納期、数量、重量、及び、運送先となる地理的範囲毎に設定された距離番号を含む出荷情報を取得する取得ステップと、抽出部が、取得された出荷情報のうち、同じ距離番号を含む出荷情報を抽出する抽出ステップと、比較部が、抽出された出荷情報の物品の総重量と、運送を行う車両の最大積載重量とを比較する比較ステップと、入力処理部が、物品の総重量が、運送を行う車両の最大積載重量を超過する比較結果が比較部から得られた場合に、抽出部で抽出された出荷情報のうち、総重量を最大積載重量以下とする出荷情報を選択する選択操作を受け付ける入力処理ステップと、運賃算出部が、選択操作で選択された各出荷情報で示される物品の運賃に基づいて、運送を行う車両の合計運賃を算出すると共に、出荷情報で示される重量を、選択操作で選択された各出荷情報の重量の合計重量でそれぞれ除算した値に、合計運賃を乗算処理する演算を出荷情報毎に行うことで、出荷情報毎の運賃を算出する運賃算出ステップと、を有する。
【0010】
また、本発明に係る運賃計算プログラムは、コンピュータを、運送する物品の情報、納期、数量、重量、及び、運送先となる地理的範囲毎に設定された距離番号を含む出荷情報を取得する取得部と、取得された出荷情報のうち、同じ距離番号を含む出荷情報を抽出する抽出部と、抽出された出荷情報の物品の総重量と、運送を行う車両の最大積載重量とを比較する比較部と、物品の総重量が、運送を行う車両の最大積載重量を超過する比較結果が比較部から得られた場合に、抽出部で抽出された出荷情報のうち、総重量を最大積載重量以下とする出荷情報を選択する選択操作を受け付ける入力処理部と、選択操作で選択された各出荷情報で示される物品の運賃に基づいて、運送を行う車両の合計運賃を算出すると共に、出荷情報で示される重量を、選択操作で選択された各出荷情報の重量の合計重量でそれぞれ除算した値に、合計運賃を乗算処理する演算を出荷情報毎に行うことで、出荷情報毎の運賃を算出する運賃算出部として機能させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、物品の運送の手配に要する事務的労力を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の運賃計算装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、得意先マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、距離番号マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、運賃単価マスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、得意先からの受注、商品を運送する車両の手配、運賃の算出、及び、売上計上の流れを示す図である。
【
図13】
図13は、車両の最大積載量を超過する積荷となった場合の警告画面、及び、車両の最大積載量以下とする積荷を選択するための選択操作を説明するための図である。
【
図14】
図14は、出荷情報の相積フラグを説明するための図である。
【
図16】
図16は、売上計上される売上情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる運賃計算装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。また、以下、一例として、実施の形態の運賃計算装置は、移送先毎に貨物自動車(トラック)に対する積荷を手配して運賃を計算する例を説明する。しかし、物品を移送可能な移送体であれば、トラック等の車両の他、例えば電車、飛行体、船舶等の他の移送体を用いてもよい。いずれの場合も、以下に説明する作用効果を得ることができるため、トラック以外の移送体を用いる場合も、以下の説明を参照されたい。
【0014】
[ハードウェア構成]
図1は、実施の形態の運賃計算装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この運賃計算装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、運賃計算装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような運賃計算装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0015】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0016】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ所定の情報が記憶された記憶領域である得意先マスタ11、工場マスタ12、商品マスタ13、距離番号マスタ14、運賃単価マスタ15、及び、車両マスタ16が設けられている。
【0017】
図2は、得意先マスタ11の一例を示す図である。この
図2に示すように、得意先マスタ11には、得意先の固有番号、得意先名、及び、得意先の郵便番号がそれぞれ関連付けされて記憶されている。具体的には、
図2の例は、「10101」の固有番号に対しては、「802-0006」の郵便番号、及び、「〇〇北部建設」の得意先名が関連付けされて記憶された例である。同様に、
図2の例は、「20560」の固有番号に対しては、「810-0001」の郵便番号、及び、「福岡中央〇〇建設」の得意先名が関連付けされて記憶された例である。
【0018】
図3は、工場マスタ12の一例を示す図である。この
図3に示すように、工場マスタ12には、商品(物品の一例)を製造している工場の工場名及び工場の郵便番号がそれぞれ関連付けされて記憶されている。具体的には、
図3の例は、「小倉第一工場」に対しては、「802-0006」の郵便番号が関連付けされて記憶された例である。同様に、
図3の例は、「天神工場」に対しては、「810-0001」の郵便番号が関連付けされて記憶された例である。
【0019】
図4は、商品マスタ13の一例を示す図である。この
図4に示すように、商品マスタ13には、商品の固有番号、商品名、色、部材名、単位重量、商品単価及び単位体積がそれぞれ関連付けされて記憶されている。具体的には、
図4の例は、「100101」の商品の固有番号に対して、「ガードレール」との商品名、「色」との色、「500部材」との部材名、「10kg」との単位重量、「500円」との単価、及び、「0.01立方メートル」との単位体積が関連付けされて記憶された例である。同様に、
図4の例は、「311230」の商品の固有番号に対して、「歩行者ガードフェンス」との商品名、「ホワイト」との色、「53Ti材」との部材名、「30kg」との単位重量、「1500円」との単価、及び、「0.03立方メートル」との単位体積が関連付けされて記憶された例である。
【0020】
図5は、距離番号マスタ14の一例を示す図である。この
図5に示すように、距離番号マスタ14には、発地事業所コード(発地事業所CD)、着地住所、着地住所の郵便番号、距離番号、及び、距離番号名が、それぞれ関連付けされて記憶されている。発地事業所CDは、商品を積み込んだ車両が出発する事業所のコードである。着地住所は、商品の運送先となる住所である。距離番号は、例えば北九州エリア、福岡エリア、又は、久留米エリア等のように、所定の地理的範囲に対してそれぞれ付されている固有の番号であり、発地事業所からの距離に応じて付される番号である。
【0021】
具体的には、
図5の例は、「1:福岡事業所」を車両の発車地点とし、郵便番号が「802-0006」で「福岡県北九州市小倉北区魚町」の着地住所に対しては、「北九州エリア」が距離番号名となる「10」の距離番号が関連付けされて記憶された例である。同様に、
図5の例は、「1:福岡事業所」を車両の発車地点とし、郵便番号が「830-0001」で「福岡県久留米市小森野」の着地住所に対しては、「久留米エリア」が距離番号名となる「30」の距離番号が関連付けされて記憶された例である。
【0022】
図6は、運賃単価マスタ15の一例を示す図である。この
図6に示すように、運賃単価マスタ15には、距離番号、距離番号名、単価種別、及び、1t(トン)当たりの運賃単価が、それぞれ関連付けされて記憶されている。具体的には、
図6の例は、距離番号「10」の「北九州エリア」に対して4t車を用いて商品を運送した場合、1t当たり3000円の運賃となることを示している。同様に、
図6の例は、距離番号「10」の「北九州エリア」に対して8t車を用いて商品を運送した場合、1t当たり5000円の運賃となることを示している。
【0023】
また、
図6の例は、距離番号「20」の「福岡エリア」に対して4t車を用いて商品を運送した場合、1t当たり2000円の運賃となることを示している。同様に、
図6の例は、距離番号「20」の「福岡エリア」に対して8t車を用いて商品を運送した場合、1t当たり2500円の運賃となることを示している。
【0024】
図7は、車両マスタ16の一例を示す図である。この
図7に示すように、車両マスタ16には、各配送業者に付された固有の配送業者番号、配送業者名、車番、最大積載重量、最大積載容積、単価種別、基本運賃、及び、車番号が、それぞれ関連付けされて記憶されている。具体的には、この
図7の例は、「100」の配送業者番号が付された東西運輸は、車番が「1141」及び車番号が「福岡 な 1141」の4t車を所有していることを示している。そして、この4t車の最大積載量は「3600kg」で最大積載容積は「8立方メートル」であり、基本運賃は「15000円」であることを示している。
【0025】
同様に、
図7の例は、「100」の配送業者番号が付された東西運輸は、車番が「6556」及び車番号が「福岡 あ 6556」の8t車を所有していることを示している。そして、この8t車の最大積載量は「7600kg」で最大積載容積は「15立方メートル」であり、基本運賃は「25000円」であることを示している。
【0026】
同様に、
図7の例は、「200」の配送業者番号が付された南西運輸は、車番が「5832」及び車番号が「福岡 な 5832」の4t車を所有していることを示している。そして、この4t車の最大積載量は「3600kg」で最大積載容積は「8立方メートル」であり、基本運賃は「15000円」であることを示している。
【0027】
同様に、
図7の例は、「200」の配送業者番号が付された南西運輸は、車番が「2655」及び車番号が「福岡 あ 2655」の8t車を所有していることを示している。そして、この8t車の最大積載量は「7600kg」で最大積載容積は「15立方メートル」であり、基本運賃は「25000円」であることを示している。
【0028】
[機能構成]
制御部3は、記憶部2に記憶されている運賃計算プログラムを実行することで、表示制御部21、入力処理部22、情報生成部23、記憶制御部24、取得部25、抽出部26、比較部27、運賃算出部28及び通信制御部29の各機能を実現する。
【0029】
表示制御部21は、後述する相積運賃入力画面等を出力装置7に表示制御する。入力処理部22は、業務オペレータ等により入力装置を介して行われる、得意先からの受注情報の入力操作、相積運賃入力画面に対する各種情報の入力操作等の入力処理を行う。情報生成部23は、後述する受注情報、移動指示情報、出荷情報、債務情報、及び、売上情報を生成する。記憶制御部24は、情報生成部23により生成される受注情報、移動指示情報、出荷情報、債務情報、及び、売上情報を記憶部2に記憶制御する。
【0030】
取得部25は、業務オペレータの入力操作等により生成された、運送する商品の納期、数量、重量、及び、運送先となる地理的範囲毎に設定された距離番号を含む出荷情報を取得する。抽出部26は、取得部25で取得された出荷情報のうち、同じ距離番号の出荷情報を抽出する。比較部27は、抽出部26で抽出された出荷情報で示される商品の総重量と、運送を行う車両の最大積載重量とを比較する。また、比較部27は、抽出部26で抽出された出荷情報に含まれる商品の総容積量と、運送を行う車両の最大積載容積量とを比較する。
【0031】
運賃算出部28は、各前記出荷情報で示される商品の運賃に基づいて、運送を行う車両の合計運賃を算出する。通信制御部29は、情報生成部23で生成された債務情報及び売上情報を、例えばインターネット等のネットワーク上のサーバ装置の会計システムに、通信インターフェース部4を介して送信して計上する。なお、会計システムを記憶部2に記憶しておき、通信制御部29は、この記憶部2に記憶された会計システムに対して売上情報を計上してもよい。
【0032】
(運賃計算動作)
図8は、得意先からの受注、商品を運送する車両の手配、運賃の算出、及び、売上計上の流れを示す図である。この
図8に示すステップS1では、運賃計算装置1が、得意先(顧客)から受注した商品の受注登録処理を行う。具体的には、業務オペレータにより入力装置6を介して受注登録処理が指定されると、表示制御部21は、受注日、納期、得意先、商品、受注数、重量、容積、単価、金額、及び、距離番号の入力欄を備えた受注登録画面を出力装置7に表示制御する。業務オペレータは、この受注登録画面の各入力欄に対して、受注日、納期、得意先、商品、受注数、重量、容積、単価、金額、及び、距離番号の入力を行う。
【0033】
情報生成部23は、この受注登録画面の各入力欄に入力された情報に基づいて、例えば
図9に示すような受注情報を生成する。この
図9において、受注番号は、自動採番により付される番号である。また、この
図9の受注情報は、「2021年11月13日」に「10101:〇〇北部建設」から「100101:ガードレール(白、500部材)」を、「2021年11月15日」の納期で200枚、運送する依頼があり、この依頼に対して「51010001」の受注番号が付されたことを示している。また、200枚のガードレールの総重量は「2000kg」、総容積は「2.0立方メートル」、1枚の単価は「500円」で、代金は「100000円」であり、運送先は上述の距離番号「10」の北九州エリアであることを示している。
【0034】
同様に、
図9の受注情報は、「2021年11月13日」に「44720:久留米□□建設設計」から「311230:歩行者ガードフェンス(ホワイト、53Ti材)」を、「2021年11月15日」の納期で90枚、運送する依頼があり、この依頼に対して「51010005」の受注番号が付されたことを示している。また、90枚の歩行者ガードフェンスの総重量は「2700kg」、総容積は「2.7立方メートル」、1枚の単価は「1500円」で、代金は「135000円」であり、運送先は上述の距離番号「30」の久留米エリアであることを示している。
【0035】
次に、
図8のステップS2において、運賃計算装置1は、商品の在庫移動指示処理を行う。業務オペレータにより、入力装置6を介して在庫移動指示処理が指定されると、表示制御部21は、移動指示日、出荷倉庫、商品名、移動指示数、重量、容積、及び、距離番号の入力欄を備えた移動指示入力画面を出力装置7に表示制御する。業務オペレータは、この移動指示入力画面の各入力欄に対して、移動指示日、出荷倉庫、商品名、移動指示数、重量、容積、及び、距離番号の入力を行う。
【0036】
情報生成部23は、この移動指示入力画面の各入力欄に入力された情報に基づいて、例えば
図10に示すような移動指示情報を生成する。この
図10において、移動指示番号は、自動採番により付される番号である。また、この
図10に示す「71010001」の移動指示番号の移動指示情報は、納期が「2021年11月15日」の「100101:ガードレール(白、500部材)」の商品を、「2021年11月13日」を移動指示日として「110:小倉第一工場」から出荷(移動)させることを指示する情報となっている。また、この移動指示情報は、「100枚」であり、総重量は「1000kg」、総容積は「1.0立方メートル」で、運送先は上述の距離番号「10」の北九州エリアであることを示している。
【0037】
同様に、
図10に示す「71010003」の移動指示番号の移動指示情報は、納期が「2021年11月15日」の「100101:ガードレール(白、500部材)」の商品を、「2021年11月13日」を移動指示日として「20:天神工場」から出荷(移動)させることを指示する情報となっている。また、この移動指示情報は、移動指示数は「150枚」であり、総重量は「1500kg」、総容積は「1.5立方メートル」で、運送先は上述の距離番号「20」の福岡エリアであることを示している。
【0038】
次に、
図8のステップS3では、運賃計算装置1が、商品の出荷処理を行う。業務オペレータにより、入力装置6を介して商品の出荷処理が指定されると、表示制御部21は、出荷日、得意先又は出荷倉庫、重量、容積、距離番号、距離番号名、区分、相積フラグ、運送会社、重量等の入力欄を備えた出荷情報入力画面を出力装置7に表示制御する。業務オペレータは、
図9に示した受注情報及び
図10に示した移動指示情報に基づいて、この出荷情報入力画面に対して、出荷日、得意先又は出荷倉庫、重量、容積、距離番号、距離番号名、区分、相積フラグ、運送会社、重量等の各種情報の入力を行う。
【0039】
相積フラグは、その出荷情報で示される商品の相積の有無を示す相積情報の一例であり、後述するように同じ車両に積載される商品に対して付される「1:済」、「0:未」の情報である。一例ではあるが、相積フラグは、デフォルトで「0:未」に設定されている。後述するが、情報生成部23は、相積情報更新部の一例としても機能し、その出荷情報で示される商品の相積が指示済みとなった際に、その商品の出荷情報の相積フラグを「1:済」の値とし、相積の指示が行われていない場合は、その商品の出荷情報の相積フラグを「0:未」の値のままとする。
【0040】
情報生成部23は、この出荷情報入力画面の各入力欄に入力された情報に基づいて、例えば
図11に示すような出荷情報を生成する。この
図11において、出荷番号は、自動採番により付される番号である。また、上述の例では、納期が「2021年11月15日」であるため、この納期に商品の運送が間に合うように、出荷情報の出荷日は「2021年11月14日」とされる。
【0041】
得意先又は出荷倉庫の入力欄には、例えば「10101:〇〇北部建設」等の得意先名、又は、「110:小倉第一工場」等の商品を出荷する倉庫の倉庫名(商品の在庫がある倉庫名)が入力される。また、各得意先及び出庫倉庫に対して、商品の運送先に対応する距離番号及び距離番号名が入力される。
図11の例は、出荷番号「61010001」~「61010003」、「61010006」及び「61010007」の各商品の運送先として、同じ距離番号「10」の北九州エリアが設定された例である。
【0042】
次に、
図8のステップS4では、運賃計算装置1が、相積運賃処理を行う。業務オペレータにより、入力装置6を介して相積運賃処理が指定されると、表示制御部21は、
図12に例示するような相積運賃入力画面を出力装置7に表示制御する。この相積運賃入力画面は、配送業者、車番及び距離番号の入力欄を備えている。業務オペレータは、各入力欄に対して所望の情報を入力することで、所望の配送業者、車番及び距離番号を指定する。
図12の例は、業務オペレータが、「100」の配送業者の番号を指定した例である。この場合、表示制御部21は、
図7に示した車両マスタ16を参照し、「100」の配送業者である「東西運輸」を相積運賃入力画面に表示する。
【0043】
また、
図12の例は、業務オペレータが、「6556」の車番を指定した例である。この場合、表示制御部21は、
図7に示した車両マスタ16を参照し、「6556」の車番に対応する車番号である「福岡 あ 6556」を相積運賃入力画面に表示する。
【0044】
また、
図12の例は、業務オペレータが、「10」の距離番号を指定した例である。この場合、表示制御部21は、
図5に示した距離番号マスタ14を参照し、「10」の距離番号に対応する「北九州エリア」を相積運賃入力画面に表示する。
【0045】
また、表示制御部21は、これらの表示と共に、
図7に示した車両マスタ16を参照することで得られた「6556」の車番の車両の最大積載重量である「7600kg」及び最大積載容積量である「15立方メートル」も相積運賃入力画面に表示する。
【0046】
このように相積運賃入力画面に対して所望の配送業者、車番及び距離番号が入力されると、抽出部26は、出荷情報を参照し、運送先が、業務オペレータにより指定された運送先に設定されている出荷情報を抽出する。表示制御部21は、抽出された出荷情報を、相積運賃入力画面に一覧表示する。この例は、運送先として距離番号が「10」の「北九州エリア」が業務オペレータから指定された例である。このため、抽出部26は、
図11に示した出荷情報のうち、距離番号が「10」の「北九州エリア」を運送先とする出荷番号「61010001」~「61010003」、「61010006」及び「61010007」の出荷情報を抽出する。表示制御部21は、抽出された出荷番号「61010001」~「61010003」、「61010006」及び「61010007」の出荷情報を相積運賃入力画面に一覧表示する。
【0047】
なお、
図11に示した「61010006」及び「61010007」の各出荷番号は、相積運賃入力画面上に一覧表示される際に、表示制御部21により、連番に修正されて表示される。このため、この例の場合、「61010006」の出荷番号は、「61010004」に修正されて表示され、「61010007」の出荷番号は、「61010005」に修正されて表示される。
【0048】
次に、業務オペレータは、一覧表示された出荷情報のうち、車番が「6556」の車両に相積する商品の出荷情報を選択する。
図13(a)は、この相積する商品の出荷情報が選択された状態を示している。一例ではあるが、運賃計算装置1においては、
図13(a)に示すように、一覧表示された各出荷情報の左端のチェックボックスにチェックを入れる操作を行うことで、その出荷情報の商品の相積を指定するようになっている。
図13(a)の例は、全ての出荷情報の商品の相積を指定した例である。
【0049】
このように相積する商品の出荷情報が指定されると、運賃算出部28は、各出荷情報の伝票重量を加算処理することで、運送が指定された商品の合計重量を算出する。
図13(a)の例の場合、「2000kg+1000kg+6000kg+1000kg+3000kg」であるため、合計重量は「13000kg」となる。表示制御部21は、算出された合計重量を
図13(a)に示すように相積運賃入力画面に表示する。
【0050】
次に、比較部27は、算出された合計重量と、車番が「6556」の車両の最大積載重量とを比較する。この場合、車番が「6556」の車両の最大積載重量は「7600kg」で、算出された合計重量が「13000kg」であるため、相積する商品の総重量が、車番が「6556」の車両の最大積載重量を超過する。表示制御部21は、比較部27から車両の最大積載重量を超過する比較結果が得られた場合、
図13(a)に示すように、例えば「最大積載量を超過します」等の警告メッセージを出力装置7に表示制御する。
【0051】
この警告メッセージにより、業務オペレータは、最大積載量の超過を認識し、相積する商品の総重量が、車番が「6556」の車両の最大積載重量以下となるように、出荷情報の再選択を行う。入力処理部22は、この業務オペレータの出荷情報の再選択操作を受け付ける(再選択操作の入力処理を行う)。
図13(b)は、出荷情報の再選択が行われた例を示しており、業務オペレータにより、出荷番号が「61010003」の出荷情報の相積が取り消し操作された例を示している。この取り消し操作により、合計重量が「7000kg」となる。これにより、比較部27から合計重量が車両の最大積載重量未満となる比較結果が得られることとなる。
【0052】
なお、警告メッセージの代わりに、又は、警告メッセージと共に、最大積載量の超過を示す音声、電子音等を出力制御してもよい。
【0053】
ここで、このような合計重量の比較処理と共に、合計容積の比較処理を行ってもよい。この場合、運賃算出部28は、各出荷情報の伝票容積を加算処理することで、運送が指定された商品の合計重量の他、合計容積を算出する。
図13(a)の例の場合、「2.0立方メートル+1.0立方メートル+6.0立方メートル+1.0立方メートル+3.0立方メートル」であるため、合計重量は「13立方メートル」となる。表示制御部21は、算出された合計容積を
図13(a)に示すように相積運賃入力画面に表示する。
【0054】
次に、比較部27は、算出された合計容積と、車番が「6556」の車両の最大積載容積量とを比較する。この場合、車番が「6556」の車両の最大積載容積量は「15立方メートル」で、算出された合計容積が「13立方メートル」であるため、相積する商品の合計容積は、車番が「6556」の車両の最大積載容積量未満となる。この場合、表示制御部21は、上述の最大積載量の超過に対する警告メッセージのみを表示する。
【0055】
これに対して、相積する商品の合計容積が、車番が「6556」の車両の最大積載容積量以上である場合、表示制御部21は、上述の最大積載量の超過に対する警告メッセージと共に、例えば「最大積載容積量を超過します」等の、積載容積に対する警告メッセージも出力装置7に表示制御する。なお、表示制御部21は、いずれか一方の警告メッセージを表示してもよい。
【0056】
これにより、業務オペレータは、運送する商品の合計重量が最大積載量未満となり、かつ、運送する商品の合計容積が最大積載容積量未満となるように、相積運賃入力画面において、相積する商品の出荷情報の選択を行う。このため、適正な相積調整を行うことができる。
【0057】
なお、警告メッセージの代わりに、又は、警告メッセージと共に、最大積載容積量の超過を示す音声、電子音等を出力制御してもよいことは、上述と同様である。
【0058】
次に、業務オペレータは、運送する商品の合計重量が最大積載量未満となり、かつ、運送する商品の合計容積が最大積載容積量未満となるように、相積する商品の出荷情報を選択したうえで、
図13(b)に示す運賃計算ボタン50を操作する。
【0059】
運賃計算ボタン50が操作されると、運賃算出部28は、以下の演算を行うことで、選択された各出荷情報に対応する商品の運賃を算出する。具体的には、この例の場合、距離番号:10の北九州エリアに商品の運送を行い、この運送に用いられる車番が「6556」の車両は、
図6の運賃単価マスタ15に示すように、単価種別が「8t車」であるため、運賃単価は「5,000円/t」となる。
【0060】
また、この車番が「6556」の車両の基本運賃は、
図7の車両マスタ16に示すように「25000円」である。このため、運賃算出部28は、「25000円+(5000円×2t)+(5000円×1t)+(5000円×1t)+(5000円×3t)=60000円」の演算を行うことで合計運賃を算出する。
【0061】
次に、運賃算出部28は、
図8のステップS5において、出荷伝票毎の運賃を、合計運賃から各出荷重量を按分して算出する(少数点以下は切り捨て)。具体的には、運賃算出部28は、「合計運賃×(伝票重量÷合計重量)」の演算を行うことで、出荷伝票毎の運賃を算出する。
【0062】
すなわち、出荷番号が「61010001」の出荷伝票に対する運賃は、「60000円×(2000Kg÷7000Kg)=17142円となる。また、出荷番号が「61010002」の出荷伝票に対する運賃は、「60000円×(1000Kg÷7,000Kg)=8571円」となる。また、出荷番号が「61010004」の出荷伝票に対する運賃は、「60000円×(1000Kg÷7000Kg)=8571円」となる。また、出荷番号が「61010005」の出荷伝票に対する運賃は、「60000円×(3000Kg÷7000Kg)=25714円」となる。表示制御部21は、このように算出された各出荷伝票に対する運賃を、
図13(b)に示すように60000円の合計運賃と共に相積運賃入力画面に表示する。
【0063】
このように各出荷伝票に対する運賃が算出されると、情報生成部23は、
図14に示すように各出荷情報に対して、算出された運賃を入力すると共に、相積される商品の出荷情報の相積フラグを、「1:済」に更新する。上述の例の場合、出荷番号が「61010001」~「61010005」の各出荷情報のうち、出荷番号が「61010003」以外の出荷情報に対応する商品が相積される。このため、「61010001」、「61010002」、「61010004」及び「61010005」の出荷情報の相積フラグが「1:済」に更新される。なお、相積されない商品の「61010003」の出荷情報の相積フラグは、「0:未」のまま更新されない。これにより、業務オペレータは、出荷情報の相積フラグに基づいて、相積される商品を認識することができる。
【0064】
次に、情報生成部23は、
図8のステップS6において、
図15に示すように相積により商品の運送を行う車両に対応する債務情報を、更新された出荷情報に基づいて生成する。この債務情報は、債務番号、計上日、運送会社名、車番、車番名、及び、運賃金額を含んで構成される。この
図15の例は、「6556」の車番の車両に対する債務情報であり、60000円の運賃金額を計上する債務情報である。
【0065】
また、情報生成部23は、
図16に示すように、売上番号、売上日、得意先又は出荷倉庫、重量、売上金額、原価金額、粗利、運賃、及び、利益を含む売上情報を生成する。
【0066】
通信制御部29は、情報生成部23で生成された債務情報及び売上情報を、例えばインターネット等のネットワーク上のサーバ装置の会計システムに、通信インターフェース部4を介して送信して計上する。なお、会計システムを記憶部2に記憶しておき、通信制御部29は、この記憶部2に記憶された会計システムに対して債務情報及び売上情報を計上してもよい。
【0067】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、実施の形態の運賃計算装置1は、1台の車両の最大積載量に着目し、同じ方面に商品を運送する車両に出荷分と工場間の在庫移動を含め、どれくらい積み込めるかを一つの画面で入力することができ、また、運賃の計算も行うことができる。そして、運賃計算を行った結果、配送業者に対して配送業者毎、車両毎の支払運賃の明細を自動で確認でき、商品の運送の手配に要する事務的労力を軽減することができる。
【0068】
また、従来は、発生した運賃については会計上でのグロスの経費としての認識しかできておらず、取引先毎の利益管理が極めて粗い管理となっていた。しかし、実施の形態の運賃計算装置1は、運賃計算後は、発生した経費を伝票毎に配賦を行うことで、取引先毎に細かな利益管理を行うことができる。
【0069】
また、車両の最大積載量は決まっているため、積み込みが可能となる商品を把握することができる。
【0070】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0073】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0074】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0075】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0076】
また、運賃計算装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0077】
例えば、運賃計算装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて運賃計算装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0078】
また、この運賃計算装置1の運賃計算プログラムは、運賃計算装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0079】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための運賃計算プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0080】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した運賃計算装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0081】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0082】
また、運賃計算装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0083】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、商品等の運送業における相積の手配業務に有用である。
【符号の説明】
【0085】
1 運賃計算装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 得意先マスタ
12 工場マスタ
13 商品マスタ
14 距離番号マスタ
15 運賃単価マスタ
16 車両マスタ
21 表示制御部
22 入力処理部
23 情報生成部
24 記憶制御部
25 取得部
26 抽出部
27 比較部
28 運賃算出部
29 通信制御部
50 運賃計算ボタン