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特許7579251エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241030BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241030BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20241030BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/42
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021531963
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2019085449
(87)【国際公開番号】W WO2020127118
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】18212944.5
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】カンピテッリ ジェンナロ
(72)【発明者】
【氏名】ダンブラ ジャンパオロ
(72)【発明者】
【氏名】ダユオウル オヌル
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-034281(JP,A)
【文献】特開平04-262772(JP,A)
【文献】特表2013-507976(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0280636(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0029782(US,A1)
【文献】国際公開第2017/114760(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/206616(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/00-3/18
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、
- 流体の移動を可能にし、長軸方向の一方の側に位置する近位端および前記長軸方向の他方の側に位置する遠位端を有し、バリアによって分離された内側長軸方向領域と外側長軸方向領域とを有する流体ガイドであって、前記内側長軸方向領域は、前記遠位端と前記近位端との間に内側長軸方向通路を備え、前記外側長軸方向領域は外側長軸方向通路を備え、前記外側長軸方向通路は、少なくとも一つの開口部を通して前記外側長軸方向通路に沿って前記流体ガイドの前記遠位端に外部流体を伝達する、流体ガイドと、
- ゲルを含むゲル要素であって、前記ゲルは、前記流体中に揮発性化合物を放出する活性剤を含み、前記ゲル要素は、前記一方の側に位置する近位端と前記他方の側に位置する遠位端とを有する、ゲル要素と、
- 前記流体ガイドの前記遠位端と前記ゲル要素の前記近位端との間にあるくぼみであって、前記くぼみは、前記内側長軸方向通路および前記外側長軸方向通路と流体的に連通する、くぼみと、を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品が、前記流体ガイドおよびゲル要素を所定の位置に固定するために、ラッパーをさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記ラッパーが紙を含む、請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記ラッパーの少なくとも一部が耐水性である、請求項2または請求項3に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記少なくとも一つの開口部が、前記流体ガイドへの前記流体の流れを可能にすることができる複数の開口部である、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記エアロゾル発生物品が、前記ゲル要素の前記遠位端上に位置する端部プラグをさらに備え、前記端部プラグが200水柱mm超の引き出し抵抗を有する、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記流体ガイドが、制限器を含む、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記ゲル要素が耐水性ラッパーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記ゲル要素が、熱が前記ゲル要素内の前記ゲルに伝達されうるように、サセプタを含む、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記サセプタが前記ゲル要素内に中央に位置する、請求項9に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記サセプタが金属を含む、請求項9または請求項10に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品と、
前記エアロゾル発生物品の前記遠位端が受容される容器であって、前記容器は、前記エアロゾル発生物品の前記ゲル要素に熱を伝達できる発熱体を含む、容器と、を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記発熱体が誘導発熱体である、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品の製造方法であって、
前記製造方法が、
- 前記ゲル要素の前記近位端と前記流体ガイドの前記遠位端との間にギャップがあるように、前記ゲル要素および前記流体ガイドを、包装材料のウェブ上に直線的に配置する工程と、
- 前記包装材料のウェブを、前記ゲル要素および前記流体ガイドの周りに包装して、前記エアロゾル発生物品を形成する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生物品、およびエアロゾル発生物品とともに使用するための、ゲルを含む管状要素に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置とともに使用するための、ニコチンを含む物品が公知である。物品は、コイル状の電気抵抗性フィラメントによって加熱されてエアロゾルを放出するeリキッドなどの液体を含むことが多い。液体を含むこのようなエアロゾル発生物品の製造、輸送、および保管は、問題となる可能性があり、液体および液体の内容物の漏出につながる可能性がある。
【0003】
管状要素が漏出をほとんどまたは全く示さない、エアロゾル発生物品および装置で使用するための管状要素を提供することが望ましい。
【0004】
エアロゾル発生装置によって加熱された時に、管状要素から発生するエアロゾルを効率的に送達する流れ制御システムを含む管状要素を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品が提供されており、エアロゾル発生物品は、
- 流体の移動を可能にし、近位端および遠位端を有し、内側長軸方向領域を有する流体ガイドであって、内側長軸方向領域は、流体が、流体ガイドの遠位端から流体ガイドの近位端まで移動できるように、その遠位端と近位端との間に内側長軸方向通路を備える、流体ガイドと、
- ゲルまたはゲルを装填された多孔質媒体、またはゲルを装填されたスレッド、またはそれらの任意の組み合わせを含む管状要素であって、ゲルまたはゲルを装填された多孔質媒体またはゲルを装填されたスレッドまたはそれらの任意の組み合わせは、活性剤を含み、管状要素は、近位端と遠位端とを有し、エアロゾル発生物品内の流体ガイドの遠位側に配置される、管状要素と、
- 流体が管状要素を通過し、近位端でエアロゾル発生物品を出ることを可能にする少なくとも一つの開口部と、を備える。
【0006】
本発明は、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品を提供し、エアロゾル発生物品は、
- 流体の移動を可能にし、近位端および遠位端を有し、バリアによって分離された内側長軸方向領域と外側長軸方向領域とを有する流体ガイドであって、内側長軸方向領域は、遠位端と近位端との間に内側長軸方向通路を備え、外側領域は、外部流体が、外側長軸方向通路に沿って流体ガイドの遠位端まで移動できるように、流体ガイドの遠位端に少なくとも一つの開口部を通して外部流体を伝達する外側長軸方向通路を備える、流体ガイドと、
- ゲルを含む管状要素であって、ゲルは活性剤を含み、管状要素は近位端と遠位端とを有し、流体ガイドの遠位端に位置する、管状要素と、
- 流体ガイドの遠位端と管状要素の近位端との間にあるくぼみと、を備える。
【0007】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の遠位端に位置する端部プラグをさらに備える。
【0008】
管状要素は、エアロゾル発生物品の近位端の流体ガイドと、エアロゾル発生物品の遠位端に位置する端部プラグとの間に位置する。管状ガイドは、特定の実施形態では、端部プラグまたは流体ガイドのいずれかに隣接しているとは限らないが。特定の実施形態では、流体ガイドと管状要素との間にくぼみがありうる。好ましくは、少なくとも一つの開口部は、周囲流体、例えば空気が管状要素を通過できるように外部的に流体連通している。好ましくは、周囲流体、例えば空気は、陰圧がエアロゾル発生物品の近位端に加えられる時に管状要素を通過することができる。好ましくは、少なくとも一つの開口部は、エアロゾル発生物品への流体の流れを容易にするように、ラッパーの開口部に相当する。好ましくは、少なくとも一つの開口部は、複数の開口部である。
【0009】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、流体ガイドと管状要素との間に位置するくぼみをさらに含む。
【0010】
流体ガイドと管状要素との間のくぼみは、周囲流体、例えば空気が管状要素と混合および接触することを可能にする。管状要素から放出され、特に管状要素のゲルから放出された材料は、周囲流体、例えば空気と混合することができる。
【0011】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、サセプタをさらに含む。
【0012】
特定の実施形態では、少なくとも一つの開口部は、流体ガイドの外側通路に位置する。
【0013】
流体ガイドの外側通路に配置された少なくとも一つの外部連絡開口部を有することで、管状要素と少なくとも一つの外部連絡開口部との間に距離ができる。これは、ゲルおよびその内容物の漏出を防ぐのに役立つ場合があるが、所望のエアロゾル吸引を得ることもできる。
【0014】
特定の実施形態では、少なくとも一つの開口部は、流体ガイドと管状要素との間のくぼみ内に位置する。
【0015】
流体ガイドの外側通路に位置する少なくとも一つの開口部を有することにより、周囲流体が管状要素に容易に達し、管状要素と流体ガイドとの間のくぼみ内で容易に混合することができる。
【0016】
特定の実施形態では、少なくとも一つの開口部は、管状要素の側壁に位置する。
【0017】
管状要素の側壁に位置する少なくとも一つの開口部を有することにより、陰圧がエアロゾル発生物品の近位端に加えられた時に、周囲流体が実質的に一方向に移動することを可能にする。管状要素の側壁に位置する少なくとも一つの開口部を有することにより、周囲流体が管状要素の内容物と容易に混合することができる。
【0018】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態では、管状要素は、ラッパーをさらに含む。
【0019】
特定の実施形態では、活性剤はニコチンである。
【0020】
本発明によると、前述の請求項のいずれかに記載のエアロゾル発生物品を製造するための方法が提供され、
製造方法が、
- 包装材料のウェブ上に、流体ガイド、管状要素、および端部プラグを順次直線的に配置する工程と、
- 包装材料のウェブを、流体ガイド、管状要素、サセプタ、および可燃性熱源の周りに包装して、エアロゾル発生物品を形成する工程と、を含む。
【0021】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品を製造する方法は、流体ガイド、管状要素、および端部プラグを、順次直線的に配置する工程さらに含む。
【0022】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品を製造する方法は、エアロゾル発生物品中にくぼみを形成するために、管状要素の近位端と流体ガイドの遠位端との間にギャップが存在するように、包装材料のウェブ上に、流体ガイド、管状要素、および端部プラグを、順次直線的に配置する工程をさらに含む。管状要素と流体との間にギャップを有することは、エアロゾル発生物品内に、管状要素と流体ガイドとの間にくぼみを作り出すことである。このくぼみは、エアロゾルの混合を可能にするのに有益である。
【0023】
本発明によれば、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品が提供されており、エアロゾル発生物品は、
- 流体の移動を可能にし、近位端および遠位端を有し、バリアによって分離された内側長軸方向領域と外側長軸方向領域とを有する流体ガイドであって、内側長軸方向領域は、遠位端と近位端との間に内側長軸方向通路を備え、外側領域は、外部流体が、外側長軸方向流路に沿って流体ガイドの遠位端まで移動できるように、流体ガイドの遠位端に少なくとも一つの開口部を通して外部流体を伝達する外側長軸方向通路を備える、流体ガイドと、
ゲルを含む管状要素であって、ゲルは活性剤を含み、管状要素は近位端と遠位端とを有し、流体ガイドの遠位端に位置する、管状要素と、を備える。
【0024】
エアロゾル発生物品の遠位端は、開口部を有してもよい。しかしながら、好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、管状要素の遠位側への端部プラグを含む。端部プラグは、引き出し抵抗が高いことが好ましく、これにより、流体、例えば周囲空気が、開口部を通って外側長軸方向通路に入ることが可能になる。外側長軸方向通路に入ると、流体、例えば、周囲空気は、流体ガイドの内側長軸方向通路に戻ってこれを通過し、近位端でエアロゾル発生物品を出ていく前に、管状要素に移動し、ゲルもしくはゲルを装填された多孔質媒体、またはゲルを装填されたスレッドと混合する可能性がある。
【0025】
特定の実施形態では、ゲルは、ゲルを装填された多孔質媒体、またはゲルを装填されたスレッド、またはそれらの組み合わせで置換されてもよい。
【0026】
エアロゾル発生物品は、流体ガイドの遠位端と管状要素の近位端との間にくぼみを備えることが好ましい。これにより、管状要素から放出される流体および材料の混合が可能となる。
【0027】
エアロゾル発生物品は、ラッパーを備えることが好ましい。ラッパーは、好ましくは、例えば、紙巻たばこ用紙などの紙で作製される。
【0028】
本発明によると、エアロゾル発生物品を製造する方法も提供され、
製造方法が、
- 管状要素の近位端と流体ガイドの遠位端との間にギャップがあるように、管状要素および流体ガイドを、包装材料のウェブ上に直線的に配置する工程と、
- 管状要素および流体ガイドを包装して、エアロゾル発生物品を形成する工程と、を含む。
【0029】
製造方法はまた、他の要素の追加を含んでもよい。例えば、製造方法は、包装する前に、遠位端に端部プラグ、または近位端にマウスピースを直線的に配置する工程を含みうる。
【0030】
他の特定の実施形態では、追加のラッパー、または代替的なラッパー、例えば、耐水性ラッパーが使用される。
【0031】
本発明によれば、管状要素が提供され、管状要素は、第一の長軸方向通路を形成するラッパーを備え、管状要素はゲルをさらに含み、ゲルは活性剤を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、管状要素のラッパーは紙を含む。いくつかの実施形態では、第一の長軸方向通路を形成する管状要素のラッパーは紙を含む。
【0033】
特定の実施形態では、ゲルは、ラッパー内の管状要素を完全に充填する。
【0034】
あるいは、特定の実施形態では、ゲルは管状要素を部分的に充填してもよい。例えば、特定の実施形態では、ゲルは、管状要素の内部表面に被覆として提供される。管状要素を部分的にのみ充填することの利点は、例えば、エアロゾルが管状要素に出入りするための流体経路を残すことである。
【0035】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素は、第二の管状要素を備える。
【0036】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素は、長軸方向側面、および近位端および遠位端を備える第二の管状要素を備え、第二の管状要素は、第一の長軸方向通路内に長軸方向に位置付けられる。
【0037】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素は、複数の第二の管状要素を備える。
【0038】
特定の実施形態では、管状要素は、管状要素の長軸方向の長さに沿って延びるように平行に配置される複数の第二の管状要素を備える。任意で、ゲルは、複数の第二の管状要素のすべて、一部、またはなしに提供される。ここでも、特定の実施形態に応じて、第二の管状要素にゲルがある場合、ゲルは、複数の第二の管状要素のそれぞれを完全に充填するか、またはゲルは、第二の管状要素を部分的に充填する。
【0039】
特定の実施形態では、管状要素は、ゲルを装填された多孔質媒体を含む。
【0040】
他の特徴との組み合わせでは、特定の実施形態では、第二の管状要素のうちの一つまたは複数は、ゲルを装填された多孔質媒体を含む。ゲルを装填された多孔質媒体がある場合、ゲルを装填された多孔質媒体は、複数の第二の管状要素の各々を完全に充填するか、またはゲルを装填された多孔質媒体は、第二の管状要素に部分的に充填する。
【0041】
特定の実施形態では、ゲルを装填された多孔質媒体は、第二の管状要素とラッパーとの間に位置付けられる。
【0042】
特定の実施形態では、第二の管状要素の長軸方向側面は、紙、または厚紙、または酢酸セルロースを含む。
【0043】
特定の実施形態では、第二の管状要素は、ゲルを含む。ゲルは、第二の管状要素の長軸方向側面によって少なくとも部分的に囲まれるのが好ましい。
【0044】
特定の実施形態では、ゲルは、第二の管状要素と、第一の長軸方向通路を形成するラッパーとの間に位置しうる。
【0045】
特定の実施形態との組み合わせにおいて、管状要素は、エアロゾル発生物品の外径とほぼ等しい外径を有する。
【0046】
特定の実施形態では、管状要素は、5ミリメートル~12ミリメートル、例えば、5ミリメートル~10ミリメートル、または6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有する。典型的には、管状要素は、7.2ミリメートルプラスまたはマイナス10%の外径を有する。
【0047】
典型的には、管状要素は、5ミリメートル~15ミリメートルの長さを有する。管状要素は6ミリメートル~12ミリメートルの長さを有し、管状要素は7ミリメートル~10ミリメートルの長さを有し、管状要素は8ミリメートルの長さを有することが好ましい。
【0048】
特定の実施形態との組み合わせでは、ゲルは、好ましくはゲルを加熱している時に、管状要素を通過するエアロゾル中に、揮発性化合物を放出することができる材料の混合物である。ゲルの提供は、管状要素、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置からの漏出のリスクが低減されうるため、保管および輸送のために、または使用中に有利でありうる。
【0049】
有利には、ゲルは室温で固体である。この文脈において「固体」とは、ゲルが安定したサイズおよび形状を有し、かつ流動しないことを意味する。この文脈において室温は摂氏25度を意味する。
【0050】
ゲルはエアロゾル形成体を含みうる。理想的には、エアロゾル形成体は、管状要素の動作温度での熱劣化に対して実質的に耐性がある。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオールおよび、グリセリンまたはポリエチレングリコールのうちの一つまたは複数でありうる。
【0051】
有利なことには、ゲルは、例えば、熱可逆性ゲルを含む。これは、ゲルが溶解温度に加熱された時に流体になり、ゲル化温度で再びゲルになることを意味する。ゲル化温度は、室温以上であり、かつ大気圧以上でありうる。大気圧は1気圧の圧力を意味する。溶融温度は、ゲル化温度より高い場合がある。ゲルの溶解温度は、摂氏50度または摂氏60度または摂氏70度より高い場合があり、摂氏80度より高い場合がある。この文脈において溶融温度は、ゲルがもはや固体ではなくなり、流れ始める温度を意味する。
【0052】
あるいは、特定の実施形態では、ゲルは、管状要素の使用中に溶融しない非溶融ゲルである。これらの実施形態では、ゲルは、使用中の管状要素の動作温度以上であるが、ゲルの溶融温度よりも低い温度で、少なくとも部分的に活性剤を放出しうる。
【0053】
ゲルは、好ましくは50,000~10パスカル/秒、好ましくは10,000~1,000パスカル/秒の粘度を有し、所望の粘度を与える。
【0054】
ゲルはゲル化剤を含むことが好ましい。ゲル化剤は、エアロゾル形成体が分散しうる固体媒体を形成しうる。
【0055】
ゲルは任意の適切なゲル化剤を含みうる。例えば、ゲル化剤は、二つまたは三つのバイオポリマーなどの一つまたは複数のバイオポリマーを含んでもよい。ゲルが複数のバイオポリマーを含む場合、バイオポリマーは実質的に等しい重量で存在することが好ましい。バイオポリマーは多糖類で形成されてもよい。ゲル化剤に適切なバイオポリマーとしては、例えばジェランガム(天然、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム、中でも低アシルジェランガムが好ましい)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガムなどが挙げられる。ゲルは、寒天を含むことが好ましい。
【0056】
ゲルは任意の適切な量のゲル化剤を含みうる。例えば、ゲルは、ゲルの約0.5重量パーセント~約7重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。ゲルは、約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントなど、約1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲のゲル化剤を含むことが好ましい。
【0057】
一部の好ましい実施形態では、ゲルは、約0.5重量パーセント~約7重量パーセントの範囲、または約1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲、または約2重量パーセントの寒天を含む。
【0058】
一部の好ましい実施形態では、ゲルは、約2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲、または約2重量パーセント~約4重量パーセントの範囲、または約3重量パーセントのキサンタンガムを含む。
【0059】
一部の好ましい実施形態では、ゲルは、キサンタンガム、ジェランガム、および寒天を含む。ゲルは、キサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を含んでもよい。ゲルは、キサンタンガム、ジェランガム、および寒天を実質的に等しい重量で含んでもよい。ゲルは、キサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を実質的に等しい重量で含んでもよい。ゲルは、(ゲル中のキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天の総重量に対して)約1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲内、または約1重量パーセント~約4重量パーセントの範囲内、または約2重量パーセントのキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を含みうる。ゲルは、約1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲内、または約2重量パーセントのキサンタンガム、低アシルジェランガム、および寒天を含んでもよく、キサンタンガム、ジェランガム、および寒天は、実質的に等しい重量である。
【0060】
ゲルは二価カチオンを含んでもよい。二価カチオンは、溶液中の乳酸カルシウムなどのカルシウムイオンを含むことが好ましい。二価カチオン(カルシウムイオンなど)は、ジェランガム(天然ジェランガム、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガム、およびこれに類するものなどのバイオポリマー(多糖類)を含む組成物のゲル形成を支援する場合がある。イオン効果は、ゲル形成を支援する場合がある。二価カチオンは、約0.1~約1重量パーセントの範囲、または約0.5重量パーセントでゲル組成物中に存在しうる。一部の実施形態では、ゲルは二価カチオンを含まない。
【0061】
ゲルはカルボン酸を含みうる。カルボン酸はケトン基を含みうる。カルボン酸は、10個未満の炭素原子を有するケトン基を含むことが好ましい。このカルボン酸は、五個の炭素原子(レブリン酸など)を有することが好ましい。レブリン酸は、ゲルのpHを中和するために添加されてもよい。これはまた、ジェランガム(低アシルジェランガム、高アシルジェランガム)、キサンタンガム、特にアルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガム、およびこれに類するものなどバイオポリマー(多糖類)を含むゲル形成を支援する場合がある。レブリンはまた、ゲル製剤の感覚プロファイルも強化する場合がある。一部の実施形態では、ゲルはカルボン酸を含まない。
【0062】
特定の実施形態との組み合わせでは、ゲルはゲル化剤を含む。特定の実施形態では、ゲルは、寒天もしくはアガロースもしくはアルギン酸ナトリウムもしくはジェランガム、またはそれらの混合物を含む。
【0063】
特定の実施形態では、ゲルは水を含み、例えば、ゲルはハイドロゲルである。あるいは、特定の実施形態では、ゲルは非水系である。
【0064】
ゲルは活性剤を含むことが好ましい。特定の実施形態との組み合わせでは、活性剤は、ニコチン(例えば、粉末形態または液体形態で)、または例えば、エアロゾル中で放出するためのタバコ製品もしくは別の標的化合物を含む。特定の実施形態では、ニコチンは、エアロゾル形成体とともにゲル中に含まれる。室温でゲル内にニコチンを閉じ込めることは、漏洩を防ぐのに望ましい。
【0065】
特定の実施形態では、ゲルは、加熱された時に風味化合物を放出する固体たばこ材料を含む。特定の実施形態によれば、固体たばこ材料は、例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこなどの植物材料のうちの一つ以上を包含する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうち一つ以上である。
【0066】
追加的または代替的に、例えば、ゲルが他の風味、例えば、メントールを含む実施形態がある。メントールが、ゲルの形成の前に、水またはエアロゾル形成体のどちらかに加えられてもよい。
【0067】
寒天がゲル化剤として使用される実施形態では、ゲルは、例えば、0.5~5重量パーセント、好ましくは0.8~1重量パーセントの寒天を含む。ゲルはさらに0.1~2重量パーセントのニコチンを含むことが好ましい。好ましくは、ゲルはさらに、30重量パーセント~90重量パーセント(または70重量パーセント~90重量パーセント)のグリセリンを含む。特定の実施形態では、ゲルの残りの部分は、水および風味剤を含む。
【0068】
好ましくは、ゲル化剤は、摂氏85度を超える温度で溶解し、摂氏40度前後でゲルに戻る特性を有する寒天である。この特性によって寒天は高温環境で適切である。ゲルは、摂氏50度で溶解せず、そのことは例えば、日に当たる高温の自動車内にシステムが置かれた場合に有用である。摂氏85度前後での液体への位相変化は、ゲルが比較的低温に加熱されて、低いエネルギー消費を許容するエアロゾル化を誘発することのみを必要とすることを意味する。それは、寒天の代わりとして寒天の成分のうちの一つであるアガロースのみを使用する場合に有益でありうる。
【0069】
ジェランガムがゲル化剤として使用される場合、典型的には、ゲルは、0.5~5重量パーセントのジェランガムを含む。ゲルはさらに0.1~2重量パーセントのニコチンを含むことが好ましい。ゲルは30~99.4重量パーセントのグリセリンを含むことが好ましい。特定の実施形態では、ゲルの残りの部分は、水および風味剤を含む。
【0070】
一例では、ゲルは2重量パーセントのニコチン、70重量パーセントのグリセロール、27重量パーセントの水、および1重量パーセントの寒天を含む。
【0071】
別の例では、ゲルは65重量パーセントのグリセロール、20重量パーセントの水、14.3重量パーセントのたばこ、および0.7重量パーセントの寒天を含む。
【0072】
追加的または代替的に、一部の特定の実施形態では、管状要素は、ゲルを装填された多孔質媒体を含む。ゲルを装填された多孔質媒体は、第一の長軸方向通路を形成する第二の管状要素とラッパーとの間に位置付けられることが好ましい。あるいは、一部の特定の実施形態では、第二の管状要素は、ゲルを装填された多孔質媒体を含む。これらの実施形態は、ゲル、またはゲルを装填された多孔質媒体が、追加的または代替的に、他の場所に配置されていることを必ずしも除外するものではない。特定の実施形態では、管状要素は、ゲルおよびゲルを装填された多孔質媒体を含む。
【0073】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素は、第一の長軸方向通路内に長軸方向に位置付けられる長軸方向要素を備える。特定の実施形態では、第一の長軸方向通路内に長軸方向に位置付けられた長軸方向要素は、ゲルを装填された多孔質媒体である。他の特定の実施形態では、長軸方向要素は、例えば、管状要素内の空間を占有するか、熱または材料の通過を援助または補助するか、あるいは構造の剛性または剛直性を補助することさえできる、任意の材料の長軸方向要素でありうる。
【0074】
一部の実施形態では、ラッパーは、管状要素の構造を補助するために硬いか、または剛直である。本発明で使用されるゲルは半固体であり、特に使用時に形状を保持することができることが予見される。しかしながら、本発明は固体ゲルに限定されない。より流動的なゲル、固体ゲルの粘度よりも高い粘度のゲルも、本発明の実施形態で使用されうる。したがって、それ自体が管状要素構造を保持することができるラッパーを有することは、必須ではないが有益である。同様に、第二の管状要素の長軸方向側面は、剛直であるか、または硬い場合がある。第二の管状要素のラッパーもしくは長軸方向側面、または第二の管状要素のラッパーおよび長軸方向側面の両方が硬く、または実際に剛直であることは、管状要素の構造を補助しうるだけでなく、製造も補助しうる。ラッパーは、約50マイクロメートル~150マイクロメートルの厚さを有することが好ましい。
【0075】
他の特徴との組み合わせでは、特定の実施形態では、ラッパーは耐水性である。特定の実施形態では、第二の管状要素の長軸方向側面は耐水性である。第二の管状要素のラッパーまたは長軸方向側面のいずれかのこの耐水性特性は、耐水性材料を使用することによって、または第二の管状要素のラッパーまたは長軸方向側面の材料を処理することによって達成されうる。これは、第二の管状要素のラッパーまたは長軸方向側面の片側または両側を処置することによって達成されうる。耐水性であることは、構造、剛性、または剛直性を失わないことに役立つ。これはまた、特に流体構造のゲルが使用される場合、ゲルまたは液体の漏出の防止にも役立ちうる。
【0076】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素はサセプタを備える。サセプタは、任意の熱伝達材料であってもよく、例えば、金属スレッド、例えばアルミニウムスレッド、またはアルミニウムもしくは金属粉末、例えばアルミニウム粉末を含むスレッドであってもよい。典型的には、サセプタは、管状要素内に長軸方向に位置付けられる。サセプタは、ゲル内、もしくはゲルに隣接して、もしくはゲル近くに位置し得るか、またはゲルを装填された多孔質媒体内、もしくは多孔質媒体に隣接して、もしくは多孔質媒体近くに位置しうる。
【0077】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素は、スレッドをさらに備える。これは、天然または合成の任意の材料のものであってもよいが、好ましくは綿のものである。スレッドは、例えば、風味などの有効成分を運ぶための媒体でありうる。本発明で使用するための好適な風味の一例は、メントールであってもよい。スレッドは、管状要素内で長軸方向に走ってもよい。好ましくは、スレッドは、ゲル内、もしくはゲルに隣接、もしくはゲルの近く、またはゲルを装填された多孔質媒体内、もしくはそれに隣接、もしくはその近くに位置してもよい。
【0078】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素はシート材料をさらに含む。特定の実施形態との組み合わせでは、ゲルを装填された多孔質媒体は、シート材料を含む。ゲルを装填された多孔性材料をシート材料として提供することにより、例えば、シート材料を一緒に集めて、適切な構造を与えるのが容易になるなど、製造上の利点を有する場合がある。ゲルは、一緒に集める前にシート材料に装填してもよく、または一緒に集めた後にシート材料に装填してもよい。
【0079】
管状要素の製造では、ゲル、または多孔質媒体、またはスレッドは、他の構成要素が分注または順次分注される際に、同時に分注されてもよい。好ましくは、構成要素は分注されるが、構成要素は、所望される場所に位置付けられるように、収集もしくは圧延されてもよく、または任意の公知の方法で組み合わされもしくは位置付けられてもよい。
【0080】
本発明によれば、管状要素が提供され、管状要素は、第一の長軸方向チャネルを形成するラッパーを備え、管状要素は、ゲルを装填された多孔質媒体をさらに含み、ゲルを装填された多孔質媒体は、活性剤をさらに含む。
【0081】
特定の実施形態では、ゲルを装填された多孔質媒体は、ラッパー内の管状要素を完全に充填する。あるいは、他の特定の実施形態では、多孔質媒体は、管状要素を部分的にのみ充填する。
【0082】
特定の実施形態では、管状要素は、第二の管状要素をさらに含み、第二の管状要素は長軸方向側面、および近位端と遠位端を有し、第二の管状要素は、ラッパーによって形成される第一の長軸方向チャネル内に長軸方向に位置付けられる。
【0083】
特定の実施形態では、第二の管状要素の長軸方向側面は、紙、または厚紙、または酢酸セルロースを含む。
【0084】
特定の実施形態では、第二の管状要素は、ゲルを装填された多孔質媒体を含む。
【0085】
一部の特定の実施形態では、記載されるように第一および第二の管状要素が存在する場合、ゲルを装填された多孔質媒体は、第二の管状要素と第一の長軸方向チャネルを形成するラッパーとの間に位置付けられる。
【0086】
一部の代替的な実施形態では、第一および第二の管状要素が存在する場合、ゲルは、第二の管状要素と第一の長軸方向チャネルを形成するラッパーとの間に位置付けられる。
【0087】
本発明によれば、管状要素を製造する方法が提供され、
管状要素は、
- 少なくとも一つの長軸方向通路を備え、かつゲルをさらに備え、ゲルが、活性剤を含み、
本方法は、
- 管状要素を形成するマンドレルの周りに管状要素の材料を配置する工程と、
- ゲルが管状要素内にあるように、マンドレル内の導管からゲルを押し出す工程と、を含む。
【0088】
方法は、マンドレルの周りに管状要素の材料を押し出し、管状要素を形成する工程をさらに含みうる。
【0089】
製造方法は、ラッパーで管状要素を包装する工程をさらに含みうる。
【0090】
本発明によれば、管状要素を製造する方法が提供され、
- 管状要素は、
第一の長軸方向チャネルを形成するラッパーであって、ゲルを装填された多孔質媒体をさらに含み、ゲルを装填された多孔質媒体は活性剤をさらに含む、ラッパーを備え、
本方法は、
- 包装材料のウェブ上にゲルを装填された多孔質媒体を分注する工程と、
- 包装材料を、ゲルを装填された多孔質媒体の周りに包装する工程と、を含む。
【0091】
管状要素を製造する方法は、包装された管状要素を長さに切断する工程をさらに含みうる。
【0092】
本発明によれば、管状要素を製造する方法が提供され、
管状要素は、
- 第一の長軸方向チャネルを形成するラッパーを備え、管状要素がさらに、ゲルを装填された多孔質媒体であって、ゲルを装填された多孔質媒体が、活性剤をさらに含む、ゲルを装填された多孔質媒体と、
- 第二の管状要素と、を備え、
本方法は、
- ゲルを装填された多孔質媒体を包装材料のウェブ上に分注することと、第二の管状要素を包装材料のウェブ上にゲルを装填された多孔質媒体上に分注する工程と、
- 包装材料を、ゲルを装填された多孔質媒体および第二の管状要素の周りに包装する工程と、を含む。
【0093】
本発明の管状要素は、エアロゾル発生物品で使用されることが見込まれる。また、エアロゾル発生物品は、例えば、エアロゾル発生装置などの装置で使用されうることも予見される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を保持および加熱して材料を放出するために使用されうる。特に、これは、本発明の管状要素から材料を放出することであってもよい。
【0094】
本発明によれば、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品が提供されており、エアロゾル発生物品は、
-流体の移動を可能にし、近位端および遠位端を有し、バリアによって分離された内側長軸方向領域と外側長軸方向領域とを有する流体ガイドであって、内側長軸方向領域は、遠位端と近位端との間に内側長軸方向通路を備え、外側領域は、外部流体が、外側長軸方向通路に沿って流体ガイドの遠位端まで移動できるように、流体ガイドの遠位端に少なくとも一つの開口部を通して外部流体を伝達する長軸方向通路を備える、流体ガイドと、
-ゲルを含む管状要素であって、ゲルが活性剤を含み、管状要素が近位端と遠位端とを有し、流体ガイドの遠位側に位置する、管状要素と、を備える。
【0095】
特定の実施形態では、内側長軸方向通路と外側長軸方向通路を分離するバリアは、例えば、流体に対して不透過性の不透過性バリアであってもよい。
【0096】
本発明によれば、エアロゾル発生物品が提供されており、エアロゾル発生物品は、
流体の移動を可能にし、近位端および遠位端を有し、バリアによって分離された内側長軸方向領域と外側長軸方向領域とを有する流体ガイドであって、内側長軸方向領域は、遠位端と近位端との間に内側長軸方向通路を備え、外側領域は、外部流体が、外側長軸方向通路に沿って流体ガイドの遠位端まで移動できるように、流体ガイドの遠位端に少なくとも一つの開口部を通して外部流体を伝達する外側長軸方向通路を備える、流体ガイドと、
ゲルを装填された多孔質媒体を含む管状要素であって、活性剤をさらに含み、管状要素は近位端と遠位端とを有し、流体ガイドに対して遠位に位置する、管状要素と、を備える。
【0097】
本発明によれば、エアロゾル発生物品が提供されており、エアロゾル発生物品は、
- 流体の移動を可能にし、近位端および遠位端を有し、バリアによって分離された内側長軸方向領域と外側長軸方向領域とを有する流体ガイドであって、内側長軸方向領域は、遠位端と近位端との間に内側長軸方向通路を備え、外側領域は、外部流体が、外側長軸方向通路に沿って流体ガイドの遠位端まで移動できるように、流体ガイドの遠位端に少なくとも一つの開口部を通して外部流体を伝達する外側長軸方向通路を備える、流体ガイドと、
- ゲルを装填されたスレッドを含む管状要素であって、活性剤をさらに含み、管状要素は近位端と遠位端とを有し、流体ガイドに対して遠位に位置する、管状要素と、を備える。
【0098】
一部の実施形態では、管状要素の遠位端は、少なくとも一つの開口部を備えることが好ましい。管状要素の遠位端の開口部は、例えば、エアロゾル発生物品の外部からの空気などの流体が、管状要素に入り、管状要素を通って移動してエアロゾルを生成することを可能にしうる。管状要素を通って移動する流体は、ゲル中の活性剤、または任意の他の材料を捕らえ、これらをゲルから下流(近位)方向に通過させうる。
【0099】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、流体ガイドの遠位端と管状要素の近位端との間に位置付けられたくぼみを備えうる。したがって、くぼみは、内側長軸方向通路の上流端および管状要素の下流端にあってもよい。くぼみは、流体、例えば、周囲空気が、外側長軸方向通路を介してくぼみに移動し、管状要素のゲルと接触することを可能にする。管状要素と接触する流体は、管状要素に入って通過し、その後、内側長軸方向通路に戻り、流体ガイドの近位端およびエアロゾル発生物品の近位端に戻ることができる。この流体、例えば、周囲空気がゲルと接触すると、流体は、ゲルまたは管状要素内の活性剤または任意の他の材料を捕らえ、これを内側長軸方向通路に沿って、下流のエアロゾル発生物品の近位端に通過させうる。ゲルと接触するために、周囲空気は、管状要素を通過するか、またはゲルを通過するか、またはゲルの表面を通過するか、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0100】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、ラッパーを備える。ラッパーは、任意の適切な材料であってもよく、例えば、ラッパーは紙を含んでもよい。ラッパーは、流体ガイドの開口部に対応する開口部を有することが好ましい。流体ガイドおよびラッパーの対応する開口部は、物品の包装後に形成される開口部に起因する場合がある。
【0101】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品の外側長軸方向通路は、一つの開口部または複数の開口部を備える。開口部は、流体、例えば、周囲空気を通過させてエアロゾル発生物品内に入ることを可能にする任意の開口部、スリット、穴、または通路であってもよい。これにより、エアロゾル発生物品の外部からの流体が吸引されることが可能になる。使用中、これは外部流体、例えば、エアロゾル発生物品の他の部分に引き込まれる前に、開口部を通ってエアロゾル発生物品の外側長軸方向通路にまず引き込まれる空気でありうる。特定の実施形態では、開口部は、エアロゾル発生物品の周囲に等間隔で配置され、例えば、10個または12個の開口部がある。開口部を等間隔で配置することは、流体の流れがスムーズになるのに役立つ。
【0102】
特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生物品は、管状要素の遠位端に位置する端部プラグを備え、端部プラグは、高い引き出し抵抗を有する。端部プラグは、流体に対して不透過性であってもよく、または流体に対してほぼ不透過性であってもよい。端部プラグは、エアロゾル発生物品の最遠位端に位置することが好ましい。端部プラグが高い引き出し抵抗を有することにより、これは有利には、陰圧がエアロゾル発生物品の近位端に加えられた時に、外側長軸方向通路の開口部を通って入るように流体を付勢する。いくつかの実施形態では、端部プラグは、流体不透過性である。
【0103】
いくつかの実施形態では、管状要素は、端部プラグを備える。有利には、これにより製造を容易にすることができる。管状要素の端部プラグは、管状要素の一方の端部に位置付けられることが好ましいであろう。有利には、これにより製造を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、管状要素は、端部プラグを備え、端部プラグは、流体不透過性である。管状要素が流体不透過性の端部プラグを備える場合、これは、ゲルおよび他の流体が、管状要素の端部プラグを通って管状要素から抜け出すことを防止する。
【0104】
特定の実施形態では、流体ガイドの内側領域の内側長軸方向通路は、制限器を備える。一部の実施形態では、制限器は、流体ガイドの近位端に、またはその近くに位置する。一部の実施形態では、制限器は、流体ガイドの下流端に、またはその近くに位置する。しかし、存在する場合、制限器は、流体ガイドの内側長軸方向通路、または外側長軸方向通路の中央領域内に位置付けられてもよい。また、制限器は、内側長軸方向通路の遠位端に、またはその近くに位置付けられてもよい。制限器は、内側長軸方向通路の上流端に、またはその近くに位置付けられてもよい。流体ガイドの内側長軸方向通路、または外側長軸方向通路に、複数の制限器を使用してもよい。
【0105】
本発明の一部の特定の実施形態で使用するための制限器は、壁などの表面の開口部のように急に狭くなる、または段階的な制限を含む。あるいは、他の特定の実施形態では、制限器は、例えば、傾斜壁、または開口に向かって狭くなる漏斗形状、または通路の幅にわたる段階的制限など、段階的または滑らかな制限を含む。制限器の下流(近位)側には、緩やかまたは急に幅広になる部分が存在する場合がある。特定の実施形態は、制限器の片側または両側に漏斗形状を備える。したがって、上流から下流(遠位から近位)への流体の流れには、通路の両側が制限器の開口に向かって狭くなり、次いで、制限器の開口から通路が緩やかに幅広になるため、緩やかな流れの制限が存在し得る。典型的には、制限器の開口は、通路の最大の断面積から60または45または30パーセントの制限を有する。本発明では、したがって、制限器は、一部の実施形態では、例えば、内側長軸方向通路の最大または最も広い部分の断面積に対して、断面積が60または45または30パーセントの断面積しかない開口を有する狭小化を含みうる。典型的には、本発明の特定の実施形態は、例えば、円筒形の通路の断面直径を、4ミリメートルから2.5ミリメートルまたは4ミリメートルから2.5ミリメートルに縮小する。異なる幅の縮小率および幅の量、制限器の位置決め、制限器の数、および縮小の勾配および拡大の勾配を変えることによって、特定の流体の流れ特性を達成することができる。
【0106】
特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生物品は、サセプタのような発熱体を備え、そのため、熱は管状要素のゲルに伝達されうる。管状要素のサセプタと同様に、これは任意の適切な材料、好ましくは、例えばアルミニウムなどの金属、またはアルミニウムを含むものであってもよい。
【0107】
本発明によると、エアロゾル発生物品の製造方法が提供されていて、エアロゾル発生物品は、
- 流体の移動を可能にし、近位端および遠位端を有し、バリアによって分離された内側長軸方向領域と外側長軸方向領域とを有する流体ガイドであって、内側長軸方向領域は、遠位端と近位端との間に内側長軸方向通路を備え、外側領域は、流体が、外側流体制御領域の外側長軸方向通路に沿って流体ガイドの遠位端まで移動できるように、流体ガイドの遠位端に少なくとも一つの開口部を通して流体を伝達する外側長軸方向通路を備える、流体ガイドと、
- ゲルを含む管状要素であって、ゲルは活性剤を含み、管状要素は近位端と遠位端とを有する、管状要素と、を備え、
本方法は、
- ゲルおよび流体ガイドを含む管状要素を、包装材料のウェブ上に直線的に配置する工程と、
- 管状要素および流体ガイドを包装し、ラッパーを管状要素および流体ガイドの周りにしっかりと封止する工程と、を含む。
【0108】
本発明によれば、本明細書で説明するように、エアロゾル発生物品の遠位端を受容するように構成された容器を備える、エアロゾル発生装置が提供されている。
【0109】
装置の容器は、エアロゾル発生物品の遠位端または遠位端の一部を容器内にぴったりと嵌合させ、通常の使用中にエアロゾル発生物品を容器内に保持するように、形状およびサイズを対応させることができる。
【0110】
典型的には、容器は発熱体を備える。これにより、エアロゾル発生物品の加熱、管状要素の加熱、または好ましくは活性剤を含むゲルの加熱、またはゲルを装填された多孔質媒体の加熱、またはこれらの任意の組み合わせを、直接的または間接的に行うことで、エアロゾルの発生もしくは放出、またはエアロゾルへの材料の放出を支援することが可能となる。次いで、エアロゾルは、エアロゾル発生物品の近位端まで通過することができる。特定の実施形態では、加熱は、直接的に、または発熱体もしくはサセプタを介して間接的に、または両方の組み合わせである。
【0111】
加熱手段は任意の公知の加熱手段であってもよい。典型的には、加熱手段は、放射もしくは伝導もしくは対流、またはそれらの組み合わせによる場合がある。
【0112】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素は、スレッドをさらに備える。特定の実施形態では、スレッドは天然材料もしくは合成材料であるか、またはスレッドは天然材料と合成材料との組み合わせである。スレッドは、半合成材料を含んでもよい。スレッドは、繊維から作製されてもよく、または繊維を含んでもよく、または部分的に繊維を含んでもよい。スレッドは、例えば、綿、酢酸セルロース、または紙から作製されてもよい。複合スレッドを使用してもよい。スレッドは、活性剤を含む管状要素の製造を補助しうる。スレッドは、活性剤を含む管状要素に活性剤を導入するのを補助しうる。スレッドは、活性剤を含む管状要素の構造を安定化するのに役立つ場合がある。
【0113】
特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素は、ゲルを装填された多孔質媒体を含む。多孔質媒体は、管状要素内で使用され、管状要素内に空間を作り出すことができる。多孔質媒体は、ゲルを保持(hold)または保持(retain)することができる。これは、ゲルの移送および保管、ならびにゲルを含む管状要素の製造を支援するという利点を有する。ゲルを装填された多孔質媒体中のゲルは、活性剤を含んでもよく、活性剤または他の材料を保持または担持しうる。
【0114】
多孔質媒体は、ゲルを保持(hold)または保持(retain)することができる任意の適切な多孔性材料であってもよい。理想的には、多孔質媒体は、ゲルがその中で移動することを可能にすることができる。特定の実施形態では、ゲルを装填された多孔質媒体は、天然材料、合成、もしくは半合成、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、ゲルを装填された多孔質媒体は、シート材料、発泡体、もしくは繊維、例えば、ばらの繊維、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、ゲルを装填された多孔質媒体は、織布、不織布、または押出材、またはそれらの組み合わせを含む。ゲルを装填された多孔質媒体は、例えば、綿、紙、ビスコース、PLA、もしくは酢酸セルロース、またはそれらの組み合わせを含むことが好ましい。ゲルを装填された多孔質媒体は、シート材料、例えば、綿または酢酸セルロースを含むことが好ましい。ゲルを装填された多孔質媒体の利点は、ゲルが多孔質媒体内に保持されることであり、これはゲルの製造、保管、または輸送を補助しうる。これは、特に製造、輸送、または使用中に、ゲルの所望の形状を維持するのに役立ちうる。本発明で使用される多孔質媒体は、捲縮または細断されてもよい。特定の実施形態では、多孔質媒体は、捲縮した多孔質媒体を含む。代替の実施形態では、多孔質媒体は、細断した多孔質媒体を含む。捲縮または細断プロセスは、ゲルを装填する前または後とすることができる。
【0115】
細断は、媒体に対して高い表面積対体積比を与えるため、ゲルを容易に吸収することができる。
【0116】
特定の実施形態では、シート材料は複合材料である。シート材料は多孔性であることが好ましい。シート材料は、ゲルを含む管状要素の製造を補助しうる。シート材料は、ゲルを含む管状要素に活性剤を導入するのを補助しうる。シート材料は、ゲルを含む管状要素の構造を安定化するのに役立つ場合がある。シート材料は、ゲルの輸送または保管を補助しうる。シート材料を使用することで、例えば、シート材料の捲縮によって多孔質媒体に構造を追加することを可能にするか、または補助する。シート材料の捲縮は、構造を改良して構造を通り抜ける通路を可能にするという利点を有する。捲縮したシート材料を通る通路は、ゲルの装填、ゲルの保持、および流体が捲縮したシート材料を通過するのを助ける。従って、多孔質媒体として捲縮シート材料を使用することの利点がある。
【0117】
多孔質媒体は、スレッドであってもよい。スレッドは、例えば、綿、紙またはアセテートトウを含みうる。スレッドはまた、任意の他の多孔質媒体のようにゲルを装填されてもよい。多孔質媒体としてスレッドを使用する利点は、それが製造の容易さを補助しうることである。スレッドは、管状要素の製造で使用される前にゲルを予め装填されていてもよく、またはスレッドは、管状要素のアセンブリ内にゲルを装填されていてもよい。
【0118】
スレッドは、任意の公知の手段によってゲルを装填されてもよい。スレッドは、ゲルで単純に被覆されてもよく、またはスレッドはゲルで含浸されてもよい。製造では、スレッドにゲルを含浸させて、管状要素のアセンブリに含まれるように、すぐに使用できるように保存してもよい。他のプロセスでは、スレッドは、ゲルを装填された管状要素の製造において装填プロセスを経る。ゲルを装填された多孔質媒体、またはゲル単独のように、ゲルは活性剤を含むことが好ましい。活性剤は、本明細書に記載されるとおりである。
【0119】
本明細書で使用される場合、用語「活性剤」は、例えば、化学反応を生じさせるか、または発生するエアロゾルを変化させることができるなど、活性が可能な薬剤である。活性剤は、複数の薬剤であってもよい。
【0120】
本明細書で使用する場合、用語「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを発生、または放出することができる物品を記述するために使用される。
【0121】
本明細書で使用する場合、用語「エアロゾル発生装置」は、エアロゾルの発生または放出を可能にするために、エアロゾル発生物品と共に使用される装置である。
【0122】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル形成体」は、使用時に、例えば、より高密度のエアロゾル、より安定なエアロゾル、またはより高密度のエアロゾルとより安定なエアロゾルの両方となりうる、管状要素内に受容された最初のエアロゾルの増強を促進する、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を指す。
【0123】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生物質」は、エアロゾルを発生または放出することができる物質を記述するために使用される。
【0124】
本明細書で使用される場合、用語「開口部」は、任意の開口部(aperture)、スリット、穴、または開口(opening)を記述するために使用される。
【0125】
本明細書で使用される場合、用語「くぼみ」は、構造に少なくとも部分的に囲まれた任意の空所または空間を記述するために使用される。例えば、本発明では、くぼみは、流体ガイドと管状要素との間の(一部の実施形態では)部分的に囲まれた空間である。
【0126】
本明細書で使用される場合、用語「チャンバー」は、少なくとも部分的に囲まれた空間またはくぼみを記述するために使用される。
【0127】
本開示の目的のために、第一の位置から第二の位置まで「縮小した」内側長軸方向断面積は、第一の位置から第二の位置まで内側長軸方向断面積が直径が減少することを示すために使用される。これらは、しばしば「制限器」と呼ばれる。したがって、本明細書で使用される場合、用語「制限器」は、流体通路の狭小化、または流体通路の断面積の変化を記述するために使用される。
【0128】
本明細書で使用される場合、用語「捲縮」は、複数の隆起または波形を有する材料を意味する。また、材料を捲縮するプロセスも含む。
【0129】
表現「断面積」は、長軸方向に対して横断する平面で測定された断面積を記述するために使用される。
【0130】
本開示の目的のために、本明細書で使用される場合、用語「直径」または「幅」は、管状要素、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の一部分または一部品、管状要素、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置のいずれかの最大横断寸法である。一例として、「直径」は、円形の横断断面を有する物体の直径であり、または長方形の断面を有する物体の対角線の幅である。
【0131】
本明細書で使用する場合、用語「精油」は、採取元の植物の特徴的な匂いおよび風味を有するオイルを記述するために使用される。
【0132】
本明細書で使用される場合、用語「外部流体」は、エアロゾル発生要素、物品、または装置の外部から発生する流体、例えば、周囲空気などを記述するために使用される。
【0133】
本明細書で使用される場合、用語「風味剤」は、エアロゾルの官能特性に影響を与える組成物を記述するために使用される。
【0134】
本明細書で使用される場合、用語「流体ガイド」は、流体の流れを変化させることができる装置または構成要素を記述するために使用される。好ましくは、これは、発生または放出されたエアロゾルの流体流路を誘導または方向付けることである。流体ガイドは、流体の混合を引き起こす可能性がある。これは、通路が断面積を狭くなると、流体ガイドを通過するにつれて流体の速度を上げるのに役立ち、または通路の断面が広がると、通路に沿って移動するにつれて流体の速度を落とすのに役立ちうる。
【0135】
本明細書で使用される場合、用語「集められた」は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品または管状要素の長軸方向軸に対して実質的に横断方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。
【0136】
本明細書で使用される場合、用語「ゲル」は、固体ゼリー様半剛性材料または材料の混合物を記述するために使用され、3次元ネットワークが他の材料を保持することができ、かつ材料をエアロゾルに放出することができる。
【0137】
「ハーブ材料」という用語は、ハーブ植物からの材料を示すために使用される。「ハーブ植物」は芳香植物であり、植物の葉またはその他の部分は医学、料理またはアロマの目的で使用され、エアロゾル発生物品によって生成されたエアロゾル中に風味を放出できる。
【0138】
用語「疎水性」は、水をはじく特性を呈する表面を指す。疎水性特性は、水接触角によって表すことができる。「水接触角」は、液体を通して従来的に測定される、流体界面が固体表面と交わる所の角度である。これは液体による固体表面の湿潤性をヤングの式によって定量化する。
【0139】
本明細書で使用される場合、「不透過性」という用語は、品目、例えば、流体が実質的に通過しない、または容易に通過しない、バリアを説明するために使用される。
【0140】
本明細書で使用される場合、「誘導加熱」という用語は、電磁誘導によって物体を加熱することを説明するために使用され、渦電流(フーコー電流としても知られる)が、加熱される物体内に発生し、抵抗が物体の抵抗加熱につながる。
【0141】
本明細書で使用される場合、用語「長軸方向通路」は、流体などがそれに沿って流れることを可能にする通路または開口を記述するために使用される。典型的には、空気、または例えば固体粒子などの材料を担持する発生したエアロゾルは、長軸方向通路に沿って流れる。典型的には、長軸方向通路は、長軸方向の長さが幅よりも長くなるが、必ずしもそうではない。用語「長軸方向通路」はまた、複数の長軸方向通路を含む。
【0142】
用語「長軸方向」は、管状要素、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の近位端と遠位端との間の方向を記述するために使用される。
【0143】
本明細書で使用される場合、例えば、第二の管状要素の「長軸方向側面」は、第二の管状要素の長軸方向側面または壁を記述するために使用される。一部の実施形態では、これは、例えば、管状要素を形成する酢酸セルロース、またはゲルを装填された多孔質媒体に不可欠である。代替的な実施形態では、長軸方向側面はラッパーである。
【0144】
本明細書で使用される場合、用語「マンドレル」は、別の材料が鍛造または成形されたシャフトを記述するために使用される。
【0145】
本明細書で使用される場合、用語「ミント」は、ハッカ属の植物を指すために使用される。
【0146】
用語「マウスピース」は、本明細書では、エアロゾルがエアロゾル発生物品から排出されるエアロゾル発生物品の要素、構成要素、または部分を記述するために使用される。
【0147】
本明細書で使用される場合、流体ガイドに関する用語「外側」は、流体ガイドの断面部分の中央よりも、流体ガイドの長軸方向の外周に向かっている部分を記述するために使用される。同様に、(流体ガイドに関する)用語「内側」は、流体ガイドの外周付近よりも、断面部分の中央にある流体ガイドの部分を記述するために使用される。
【0148】
本明細書で使用される場合、用語「通路」は、二つの間のアクセスを可能にすることができる通路を記述するために使用される。
【0149】
本明細書で使用される場合、用語「可塑剤」は、可塑性または柔軟性を生成または促進し、脆性を低減するために添加される物質、典型的には溶媒を記述するために使用される。
【0150】
本明細書で使用される場合、用語「多孔質媒体」は、ゲルを保持(holding)、保持(retaining)、または支持することができる任意の媒体を記述するために使用される。典型的には、多孔質媒体は、その構造内に、例えば、ゲルを保持するために流体または半固体を保持(retain)または保持(hold)するために充填することができる通路を有する。好ましくは、ゲルはまた、多孔質媒体内の通路に沿って、および通路を通って、通過または移動することができる。本明細書で使用される場合、用語「ゲルを装填された多孔質媒体」は、ゲルを含む多孔質媒体を記述するために使用される。ゲルを装填された多孔質媒体は、一定量のゲルを保持(hold)、保持(retain)、または支持することができる。
【0151】
本明細書で使用される場合、用語「プラグ」は、エアロゾル発生物品で使用するための構成要素、セグメント、または要素を記述するために使用される。本明細書で使用される場合、用語「端部プラグ」は、エアロゾル発生物品の遠位端にある、エアロゾル発生物品の最遠位の構成要素またはプラグを記述するために使用される。この端部プラグは、高い引き出し抵抗(RTD)を有することが好ましい。
【0152】
用語「プロトン供与性」は、化学反応において水素またはプロトンを供与できる基を意味する。
【0153】
エアロゾル発生装置の用語「容器」によって、この用語は、エアロゾル発生物品の一部を受容することができるエアロゾル発生装置のチャンバーを記述するために使用される。これは通常、物品の遠位端であるが、必ずしもそうではない。
【0154】
本明細書で使用される場合、用語「引き出し抵抗」(RTD)は、材料を通して引き出す流体、例えばガスに対する抵抗を記述するために使用される。本明細書で使用される場合、引き出し抵抗は、圧力「mmWG」または「水柱ミリメートル」の単位で表され、ISO 6565:2002に従って測定される。
【0155】
本明細書で使用される場合、「高い引き出し抵抗」(RTD)という用語は、材料を通して引き出される流体、例えばガスに対する抵抗を説明するために使用される。本明細書で使用される場合、高い引き出し抵抗とは、200「mmWG」または「水柱ミリメートル」超を意味し、ISO6565:2002に従って測定される。
【0156】
本明細書で使用される場合、用語「シート材料」は、その幅および長さがその厚さよりも実質的に大きい、略平面の薄層状の要素を記述するために使用される。
【0157】
本明細書で使用される場合、用語「シール」は、例えば、ラッパーの縁を相互にまたは流体ガイドに接合することによって、接合、または「接合する」ことである。これは、接着剤または糊の使用による場合がある。しかしながら、用語シールはまた、締まり嵌め接合を含む。シールは、流体不透過性シールまたはバリアを形成する必要はない。
【0158】
本明細書で使用される場合、用語「細断された」は、微細に切断された何かを記述するために使用される。
【0159】
本明細書で使用される場合、用語「硬い」は、アイテムが、形状の変化に抵抗するのに十分剛直な、もしくは十分な硬さであるか、または通常の使用での形状の変化に概ね抵抗するのに十分な硬さであることを記述するために使用される。これは、変形した場合、その元の形状に大きく戻ることができるように弾性でありうることを含む。同様に、本明細書で使用される場合、用語「剛直な」は、アイテムが、曲がったり、または形状が崩れたりすることに抵抗し、特に通常の使用下で、概ねその形状を維持することができることを説明する。
【0160】
本明細書で使用される場合、用語「サセプタ」は、電磁エネルギーを吸収し、それを熱に変換することができる任意の材料である発熱体を記述するために使用される。例えば、本発明では、サセプタまたは発熱体は、ゲルへの熱エネルギーの伝達、ゲルの加熱、ゲルからの材料の放出を支援するのに役立ちうる。
【0161】
本明細書で使用される場合、用語「テクスチャ加工されたシート」は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを意味する。
【0162】
本明細書を通して、用語「管状要素」は、エアロゾル発生物品での使用に適した構成要素を記述するために使用される。理想的には、管状要素は幅よりも長軸方向の長さが長いが、その幅よりもその長軸方向の長さが長くなる複数構成要素アイテムの一部でありうるため、必ずしもその必要はない。典型的には、管状要素は円筒形であるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、管状要素は、楕円形、三角形もしくは長方形のような多角形、または不規則な断面を有し得る。管状要素は中空である必要はない。
【0163】
「上流」および「下流」という用語は、主流流体が管状要素、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置に引き込まれる際に、主流流体の方向に関連する相対位置を説明するために使用される。一部の実施形態では、流体がエアロゾル発生物品の遠位端から入り、物品の近位端に向かって移動する場合、エアロゾル発生物品の遠位端は、エアロゾル発生物品の上流端として記述されてもよく、エアロゾル発生物品の近位端も、エアロゾル発生物品の下流端として記述されてもよい。これらの実施形態では、近位端と遠位端の間に位置するエアロゾル発生物品の要素は、近位端の上流にあると記述することができ、または別の方法として、遠位端の下流にあると記述することができる。しかしながら、本発明の他の実施形態では、流体が、側面からエアロゾル発生物品に入り、最初に遠位端に向かって移動し、向きを変え、次いでエアロゾル発生物品の近位端に向かって移動する場合、エアロゾル発生物品の遠位端は、それぞれの基準点に応じて、上流または下流のいずれかであってもよい。
【0164】
本明細書で使用される場合、用語「耐水性」は、水が容易に通過できない、または水によって容易に損傷しない材料、例えば、ラッパー、または第二の管状要素の長軸方向側面を記述するために使用される。耐水性材料は、水の浸透に耐えることができる。
【0165】
特定の実施形態では、管状要素は、活性剤を含む。特定の実施形態では、ゲルは、活性剤を含む。特定の実施形態では、活性剤は、ニコチンを含む。特定の実施形態では、活性剤を含むゲルまたは管状要素は、0.2重量パーセント~5重量パーセントの活性剤、例えば、1重量パーセント~2重量パーセントの活性剤を含む。
【0166】
典型的には、特定の実施形態では、管状要素は、少なくとも150mgのゲルを含む。
【0167】
特定の実施形態では、活性剤は、可塑剤を含む。
【0168】
特定の実施形態では、活性剤を含むゲルは、グリセロールなどのエアロゾル形成体を含む。エアロゾル形成体が存在する実施形態では、典型的には、例えば、活性剤を含むゲルは、60重量パーセント~95重量パーセントのグリセロール、例えば、80重量パーセント~90重量パーセントのグリセロールを含む。
【0169】
特定の実施形態では、活性剤を含むゲルは、例えば、アルギネート、ジェラン、グアー、またはそれらの組み合わせなどのゲル化剤を含む。ゲル化剤を含む実施形態では、ゲルは、典型的には、0.5重量パーセント~10重量パーセントのゲル化剤、例えば、1重量パーセント~3重量パーセントのゲル化剤を含む。
【0170】
特定の実施形態では、ゲルは、水を含む。こうした実施形態では、ゲルは、典型的には、5重量パーセント~25重量パーセントの水、例えば、10重量パーセント~15重量パーセントの水を含む。
【0171】
特定の実施形態では、活性剤は、風味もしくは医薬物質、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施例では、活性剤は、任意の形態のニコチンである。活性剤は、活性であることができ、例えば、化学反応を生じさせるか、または発生するエアロゾルを少なくとも変化させることができる。
【0172】
活性剤は、風味であってもよい。特定の実施形態では、活性剤は、風味剤を含む。ゲルは、風味剤を含んでもよい。代替的にまたは追加的に、風味剤が、物品の一つまたは複数の他の位置に存在してもよい。風味剤は、物品によって発生する流体またはエアロゾルの味に寄与する風味を付与しうる。風味剤は、エアロゾルの官能特性に影響を及ぼす任意の天然または人工の化合物である。風味剤を提供するために使用可能である植物にはシソ科(例えばミント)、セリ科(例えばアニス、ウイキョウ)、クスノキ科(例えば月桂樹、シナモン、ローズウッド)、ミカン科(例えば柑橘類の果物)、フトモモ科(例えばアニスマートル)、およびマメ科(例えば甘草)に属する植物が含まれるがこれらに限定されない。風味剤の供給源の非限定的な例には、ミント(ペパーミントおよびオランダハッカなど)、コーヒー、茶、シナモン、クローブ、ショウガ、ココア、バニラ、ユーカリ、ゼラニウム、アガーベ、およびネズ、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。
【0173】
多くの風味剤は精油であるか、または一つまたは複数の精油の混合物である。適切な精油には、オイゲノール、ペパーミントオイルおよびオランダハッカオイルが含まれるが限定されない。多くの実施形態では、風味剤は、メントール、オイゲノール、またはメントールとオイゲノールの組み合わせを含む。多くの実施形態では、風味剤は、アネトール、リナロール、またはそれらの組み合わせをさらに含む。特定の実施形態では、風味剤は、ハーブ材料を含む。ハーブ材料は、ミント(ペパーミントおよびスペアミントなど)、レモンバーム、バジル、シナモン、レモンバジル、コリアンダー、ラベンダー、セージ、茶、タイムおよびキャラウェイを含むがこれらに限定されないハーブ植物からの薬草の葉またはその他のハーブ材料を含む。適切なタイプのミントの葉は、ペパーミント、ヨウシュハッカ、エジプトミント、ベルガモットミント、スペアミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ナガバハッカ、メグサハッカ、アップルミント、パイナップルミントを含むがこれらに限定されない植物品種から採取されうる。一部の実施形態では、風味剤はたばこ材料を含みうる。
【0174】
特定の一例では、他の特徴との組み合わせでは、ゲルはおよそ2重量パーセントのニコチン、70重量パーセントのグリセロール、27重量パーセントの水、および1重量パーセントの寒天を含む。別の例では、ゲルは65重量パーセントのグリセロール、20重量パーセントの水、14.3重量パーセントの固体粉末たばこ、および0.7重量パーセントの寒天を含む。
【0175】
本発明では、流体ガイドは、二つの別個の領域、例えば、外側長軸方向通路を備える外側領域と、内側長軸方向通路を備える内側領域とを有してもよい。したがって、外側長軸方向通路は、流体ガイドの周囲の近くで縦方向に走り、内側流体通路は、長さ方向軸に沿って断面のコアまたは中心の近くで縦方向に走る。
【0176】
特定の実施形態では、周囲空気は、ラッパーの開口部および流体ガイド内の開口部を通って、エアロゾル発生物品の遠位端に向かって、(流体ガイドの)外側長軸方向通路に入り、活性剤を含むゲルを含む管状要素の領域内に入ることが好ましい。流体は、活性剤を含むゲルと接触して、エアロゾル発生物品の外部からの流体と、活性剤または薬剤を含むゲルから放出された物質とを含む混合流体のエアロゾルを発生または放出することが好ましい。流体はその後、流体ガイドの内側長軸方向通路に沿って、エアロゾル発生物品の近位端に向かって移動する。外側および内側長軸方向通路は、バリアによって分離されることが予見される。バリアは、流体に対して不透過性であってもよく、またはそれを通過する流体に対して耐性であってもよく、したがって、流体を遠位端に付勢することができる。流体ガイドの外側長軸方向通路は、流体ガイドの外部、好ましくは物品の外部と流体的に連通する開口部を含むことが好ましい。また、使用時に、エアロゾル発生物品の外部から受容する流体が流体ガイドの遠位端に向かって主に流れるように、外側長軸方向通路が、その近位端で遮断されることが予見される。流体ガイドの外側長軸方向通路は、近位端またはその近くに開口部を有するが、その場合、その遠位端でのみ開放される。対照的に、流体ガイドの内側長軸方向通路は、その近位端およびその遠位端の両方で開放されているが、その近位端と遠位端との間に様々な流量制限要素を有しうる。流体ガイドの内側長軸方向通路および外側長軸方向通路を分離するバリアは、外側長軸方向通路に入る流体を、外側長軸方向通路の遠位端へ、および活性剤を含むゲルを備えることが好ましい管状要素に向かって移動するように強制する。これにより、流体は、活性剤を含むゲルを備えることが好ましい管状要素と接触する。
【0177】
流体ガイドの外側長軸方向通路は、一つの通路または複数の通路であってもよい。外側長軸方向通路は、流体ガイド内にあってもよく、または流体ガイドが、外側長軸方向通路の部分壁を形成し、ラッパーが、外側長軸方向通路への別の部分壁を形成する、流体ガイドの外表面上の一つまたは複数の通路であってもよい。流体ガイドの外側または内側長軸方向通路は、通路が多孔性材料を通過するように、例えば、発泡体、特に網状発泡体などの多孔性材料を含んでもよい。特定の実施形態では、流体ガイドは、多孔性材料、例えば、発泡体を含む。多孔性材料は、その形状を維持しながら流体の通過を可能にしうる。これらの材料は成形が容易であり、したがって、エアロゾル発生物品の製造を支援しうる。
【0178】
一部の実施形態では、外側長軸方向通路は、ラッパーの内部の周りに実質的に延びることができる。一部の実施形態では、通路は、ラッパーの内部の周りに完全に延びなくてもよい。
【0179】
本明細書に記載のエアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル発生物品の様々な態様または実施形態は、現在入手可能なエアロゾル発生物品または前述のエアロゾル発生物品と比較して、一つまたは複数の利点を提供しうる。例えば、流体ガイド、ならびに流体ガイドの内側および外側流体通路を含むエアロゾル発生物品は、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素から発生するエアロゾルの効率的な移動を可能にする。さらに、活性剤を含むゲルは、活性剤を含む液体要素よりもエアロゾル発生物品から漏洩する可能性が低い。
【0180】
エアロゾル発生物品は、口側の端(近位端)および遠位端を有する。遠位端は、エアロゾル発生物品の遠位端を加熱するように構成された発熱体を有するエアロゾル発生装置によって受容されることが好ましい。好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素は、エアロゾル発生物品の遠位端に近接して配置されることが好ましい。したがって、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品内の好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素を加熱して、活性剤を含むエアロゾルを発生させることができる。
【0181】
好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素を含む、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生物品の一部は、単回使用エアロゾル発生物品または複数回使用エアロゾル発生物品であってもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生物品の一部は再使用可能であり、一部は一回使用後に使い捨てである。例えば、エアロゾル発生物品は、再利用可能であるマウスピースと、例えば、ニコチンをさらに含む、ゲルおよび活性剤を含む管状要素を含む単回使用部分とを含みうる。再利用可能部分および単回使用部分の両方を含む実施形態では、再利用可能部分は、単回使用部分から取り外し可能でありうる。
【0182】
特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生物品は、ラッパーを備える。エアロゾル発生物品は、開放端である近位端、および異なる特定の実施形態では開放されていても閉鎖されていてもよい遠位端を有する。好ましくは任意にニコチンを含む活性剤を含むゲルを含む管状要素は、エアロゾル発生物品の遠位端に近接して配置されることが好ましい。開放された近位端に陰圧を加えると、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素から材料が放出される。エアロゾル発生物品は、近位端と遠位端との間の少なくとも一つの開口部を画定する。少なくとも一つの開口部は少なくとも一つの流体入口を画定し、そのためエアロゾル発生物品の開放した近位端に陰圧が加えられると、流体、例えば空気が、開口部を通してエアロゾル発生物品に入る。開口部を通してエアロゾル発生物品内に吸い込まれた、例えば周囲空気などの流体は、流体ガイドの外側長軸方向通路に沿って、エアロゾル発生物品の遠位端の近くの好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素に向かって流れる。その後、流体は、遠位端から近位端まで流体ガイドの内側長軸方向通路を通って、開放した近位端でエアロゾル発生物品の外へと流れる。
【0183】
開口部をエアロゾル発生物品の遠位端から離すことによって、開口部はゲルを含む管状要素から分離され、開口部を通したゲルの漏洩の可能性が低減される。さらに、開口部からゲルを含む管状要素への気流のための、例えば外側長軸方向通路などの通路を提供することによって、開口部からの流体は、ゲルに向かって導かれることができ、また流体ガイドは、ゲルと開口部との間のさらなる障害物として役立つことができる。これの利点は、開口部を通した管状要素の漏洩の可能性をさらに低減することである。加えて、流体ガイドの内側長軸方向通路は、例えば、空気、および管状要素から発生または放出された材料または蒸気などの流体が開放した近位端を通してエアロゾル発生物品から吸い出される経路を提供する。流体ガイドの内側長軸方向通路によって提供される経路は、内側長軸方向通路の長さに沿って変化する内側長軸方向流れ断面積を有して、エアロゾル発生物品の遠位端からエアロゾル発生物品の開放された近位端へ、管状要素からが発生、または放出されるエアロゾルの流れを変化させることができる。
【0184】
特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生物品は、流体ガイドを備える。エアロゾル発生物品および流体ガイド、またはその一部は、単一の部品または別個の部品として形成されうる。流体ガイドおよびエアロゾル発生物品が単一の部品として一体的に形成される利点は、複数の部品ではなく、一つの部品のみを製造し、その後、これらの複数の部品をエアロゾル発生物品内に組み立てることが容易であることである。しかしながら、エアロゾル発生物品が、複数の構成要素を一緒に組み立てることを必要とする複数構成要素構造である場合、これは、異なる構成要素が製造プロセス全体を変更することなく、より簡単に変更できるという利点を有する。同様に、流体ガイドは、一つの部品として一体的に製造される場合、製造が容易であるが、流体ガイドの構成要素を組み立てる場合、より容易に適合することができるという同一の理由から、単一の部品または別個の部品として形成することができる。流体ガイドは、エアロゾル発生物品内に配置され、近位端、遠位端、および遠位端と近位端との間の内側長軸方向通路を有する。
【0185】
流体ガイドの内側長軸方向通路は、内側断面積を有する。
【0186】
エアロゾル発生物品の長軸方向に対して角度の付いた開口または通路の提供は、使用中に流体が、主流流体の流れに対してある角度で近位端くぼみに配向されるという効果を有する。これは、流体の混合を有利に最適化し、引き出し抵抗(RTD)を生成する。混合はまた、近位端くぼみを通過する発生したエアロゾルおよび空気の流れの乱流を増加させる可能性がある。主流で発生したエアロゾルの流体力学に対するこれらの効果は、上述の利益を高める可能性がある。開口または通路の力学を変更することによって、例えば、通路を断面積において小さく、もしくは大きくすることによって、または通路の壁の角度を変更することによって、またはそれらの組み合わせによって、所望の引き出し抵抗を達成することができる。こうした通路は、特に通路の狭小化がある場合、制限器、または流量制限要素として知られている。本発明によれば、外側および内側長軸方向通路のいずれかまたは両方は、制限器を有してもよいが、内側長軸方向通路のみが、制限器を含むことが好ましい。以下の説明を補助するために、異なる実施形態、したがって結果として流体の流れの方向および通路の配向を説明する際に、内側長軸方向通路のみを説明する。しかしながら、制限器は、流体の流れが概して内側長軸方向の流体流路とは反対方向である、本発明の外側長軸方向通路で同様に使用することができる。外側長軸方向通路での一般的な流路は、近位から遠位であるが、内側長軸方向通路では、使用中の一般的な流れ方向は、遠位から近位である。開口部を通過する換気された流体は、エアロゾル発生物品に入り、外側長軸方向通路に沿って遠位方向に流れる。流体は、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素と接触し、活性剤または管状要素の他の内容物を含むエアロゾルを発生または放出することが好ましい。
【0187】
制限器は、喫煙物品およびエアロゾル発生物品に提供され、低いRTD(引き出し抵抗)を補っている。制限器は、例えば濾過材料のプラグまたはチューブ内に包埋されうる。さらに、制限器を含むフィルターセグメントは、その他のフィルターセグメントと組み合わせてもよく、これは随意的に、吸収材または風味剤などの他の添加物を含んでもよい。
【0188】
制限器の横断断面積では、各通路は、横断断面積の半径に沿って、または半径から角度ベータ(β)だけオフセットされた線に沿ってのいずれかに延在することが好ましい。「半径」は、横断断面積の中心から横断断面積の縁まで延びる任意の線を指す。角度ベータ(β)は、半径の交点と通路の中心軸との間の最小角度として測定される。通路が直線でない場合、フィルターの長軸方向軸と通路の出口との間の角度を測定することができる。
【0189】
断面積を下流方向(内側長軸方向通路の遠位端から近位端)から見たとき、角度ベータ(β)は、半径に対して時計回り方向または反時計回り方向に向けられてもよい。
【0190】
通路が半径からオフセットされる場合、角度ベータ(β)は、好ましくは、60度未満、より好ましくは45度未満、最も好ましくは15度未満であり、時計回り方向または反時計回り方向のいずれかである。物品から発生する任意の流体および換気された流体の混合は、角度ベータ(β)が半径からオフセットされる場合に強化されうる。一部の事例では、通路のすべてが時計回り方向もしくは反時計回り方向に方向付けられ得るか、または通路の一部が時計回り方向に方向付けられ、通路の一部が反時計回り方向に方向付けられる。
【0191】
流体ガイド内の開口または通路のサイズは、好ましくは1.0平方ミリメートル~4.0平方ミリメートル(mm2)、より好ましくは1.5平方ミリメートル~3.5平方ミリメートル(mm2)の総開口面積を提供する。好ましくは、流体ガイドの内側長軸方向通路の開口または通路は、実質的に円形であるが、他の形状の横断断面も可能である。断面で円形である流体ガイドの内側長軸方向通路の利点は、非円形断面の通路に比べて、流体のより均一な流れが可能であることである。通路の形状を変化させることにより、所望の流れを達成することができる。
【0192】
単一の開口または通路が、流体ガイド内に提供されてもよい。あるいは、流体ガイド内に二つ以上の離間配置された開口または通路を提供することができる。例えば、一つの実施形態では、実質的に対向する一対の通路が提供されている。二つ以上の通路を有することは、通路を通る流体の流れの制御を向上させるのに有利である。一つの通路を有することは、製造の容易さに有利である。
【0193】
二つ以上の開口または通路がある内側および外側長軸方向通路に関連して、開口または通路は、相互に同じ開口面積または異なる開口面積を有してもよい。二つ以上の通路の等しい開口面積が、すべて同じ面積を有することは、すべての通路を通る流体の均一な流れを可能にするために有利である。しかしながら、異なる開口面積を有する二つ以上の通路を有することは、流体が二つ以上の通路を通過するときに流体の乱流を作り出すのに有利である。
【0194】
二つ以上の通路は、長軸方向軸と同一または異なる角度で提供されてもよい。長軸方向軸に対して同じ角度の二つ以上の通路を有することは、すべての通路を通る流体の均一な流れを可能にするために有利である。一般的に、流体の均一な流れは、予測および設計が容易である。長軸方向軸に対して異なる角度で二つ以上の通路を有することは、流体が二つ以上の通路を通過するときに流体の乱流を作り出すのに有利である。概して、乱流の気流は、粒子の凝集を改善し、エアロゾル液滴を形成する可能性がある。
【0195】
二つ以上の通路は、流体ガイドの横断断面の半径に対して同じ角度、または異なる角度で提供されてもよい。流体ガイド面積の横断断面の半径に対して同じ角度で二つ以上の通路を有することは、すべての通路を通る流体の均一な流れを可能にするために有利である。流体ガイドの横断断面の半径に対して異なる角度で二つ以上の通路を有することは、流体が二つ以上の通路を通過するときに流体の乱流を作り出すのに有利である。
【0196】
内側および外側長軸方向通路に関連して、二つ以上の通路がある場合、通路は、流体ガイドの長さに沿って実質的に同じ位置に、または互いに対して異なる長軸方向位置に位置付けられてもよい。流体ガイドの長さに沿って同じ位置に二つ以上の通路を有することは、すべての通路を通る流体の均一な流れを可能にするために有利である。互いに異なる長軸方向位置に二つ以上の通路を有することは、流体が二つ以上の通路を通過するときに流体の乱流を作り出すのに有利である。
【0197】
開口部がくぼみの上流に提供される実施形態では、開口部とくぼみとの間の外側長軸方向通路は、流体がエアロゾル発生物品の外部から、くぼみ、およびくぼみを越えて遠位方向にある管状要素を通過することを可能にする。くぼみは、エアロゾル発生物品のラッパーによって部分的に囲まれてもよい。こうした実施形態では、例えば、周囲空気などの流体と、発生したまたは放出されたエアロゾルとの混合は、エアロゾルが制限器を通過する前に行われてもよく、または部分的に行われてもよい。
【0198】
流体ガイドが、異なるサイズの断面積の二つ以上の制限器を含む場合、好ましくは、第一の上流制限器は、最小の断面積を有する。好ましくは、第一の制限器は、遠位側と近位側との間に環状通路を形成するために、内側長軸方向通路の全体の直径と比較して、縮小された外径を有する。
【0199】
特定の実施形態では、制限器は実質的に球体である。ところが、別の形状もまた可能である。制限器要素は、例えば実質的に円筒形でもよく、または膜として提供されてもよい。例えば、制限器は、物品の長軸方向軸に対して直角を成す平面内に延びる膜として提供されうる。
【0200】
代替的なデザインにおいて、制限器は、より小さい粒子(例えば、結合剤によってまとめて保持された顆粒)の凝集体でもよい。
【0201】
特定の実施形態との組み合わせでは、流体ガイドの内側長軸方向通路の断面積は、遠位端から近位端まで実質的に一定である。これにより、流体の滑らかな流れが可能となる。流体ガイドの内側長軸方向通路の内径は、典型的には1ミリメートル~5ミリメートルの範囲内、典型的には約2ミリメートルである。内側長軸方向通路は、典型的には、流体ガイドの遠位端のくぼみの断面積よりも小さい、内側長軸方向断面積を有する。このように、流体ガイドは、遠位端で内側長軸方向通路に入る空気を加速するための縮小した内側長軸方向断面積を提示する。
【0202】
特定の実施形態との組み合わせでは、内側長軸方向通路の断面積は、遠位端から近位端まで変化する。これにより、流体が強制的に混合される。例えば、内側長軸方向通路の遠位端における断面積は、内側長軸方向通路の近位端における断面積より大きくてもよい。内側長軸方向通路の断面積が近位端よりも遠位端で大きい場合、近位端における内側長軸方向通路の直径は、好ましくは、0.5ミリメートル~3ミリメートル、例えば約1ミリメートルであり、遠位端における内側長軸方向通路の直径は、好ましくは、1ミリメートル~5ミリメートル、例えば約2ミリメートルである。
【0203】
特定の実施形態との組み合わせでは、流体ガイドは、好ましくは3ミリメートルから50ミリメートルの長さ、好ましくは約25ミリメートルの長さである。
【0204】
特定の実施形態との組み合わせでは、流体ガイドの内側長軸方向通路は、遠位端と近位端との間に配置される一つまたは複数の部分を有してもよく、これは、遠位端から近位端への内側長軸方向通路を通る流体の流れを変更するように適合される。
【0205】
流体ガイドの内側長軸方向通路は、遠位端から、流体ガイドの近位端に向かって流れる際に流体が加速するように構成された近位端と遠位端との間の第一の部分を備えうる。内側長軸方向通路の第一の部分は、流体が、内側長軸方向通路を通って、内側長軸方向通路の遠位端から近位端に向かって流れる際に、流体を加速するのに適切な任意の方法で構成されうる。例えば、内側長軸方向通路の第一の部分は、流体が、遠位端から近位端に向かって実質的に軸方向に加速することを強制する縮小された内側長軸方向断面積を画定する制限器を含んでもよい。内側長軸方向通路の第一の部分は、遠位から近位方向の内側長軸方向通路の第一の部分であることが好ましい。
【0206】
特定の実施形態との組み合わせでは、内側長軸方向通路の第一の部分の内側長軸方向断面積は、流体が遠位端から近位端に向かって流れるとき、流体ガイドの遠位端に近い位置から、流体ガイドの近位端に近い位置まで縮小して、流体を加速させることができる。第一の部分の内側長軸方向断面積は、第一の部分の遠位端から第一の部分の近位端まで縮小しうる。したがって、内側長軸方向通路の第一の部分の遠位端(流体ガイドの遠位端に近い位置)は、第一の部分の近位端(流体ガイドの近位端に近い位置)よりも大きな内径を有することができる。
【0207】
特定の実施形態との組み合わせでは、内側長軸方向通路の第一の部分の内側長軸方向断面積は、第一の部分の遠位端から第一の部分の近位端まで一定でありうる。こうした実施形態では、内側長軸方向通路の第一の部分の一定の内側長軸方向断面積は、内側長軸方向通路の遠位端における内側長軸方向断面積よりも小さくてもよい。
【0208】
流体ガイドの内側長軸方向通路が遠位端から近位端まで縮小される場合、内側長軸方向通路の縮小は、典型的には、流体ガイドの遠位端から近位端への内側長軸方向通路の断面積の段階的な縮小を含む。内側長軸方向通路の直径の縮小は、例えば、円錐台形状など、第一の部分の遠位端から近位端まで線形であることが好ましい。断面積の線形縮小、例えば円錐台形状は、流体ガイドを通る流体の滑らかな流れを作り出すのに有利である。
【0209】
あるいは、縮小は不均一である。例えば、特定の実施形態では、内側長軸方向通路の縮小は段付けされ、内側長軸方向通路の断面積は、遠位端から近位端まで、離散的な増分または段差で縮小する。内側長軸方向通路の断面積の不均一な縮小は、流体が流体ガイドに沿って通過する際、流体の乱流を作り出すのに有利である。
【0210】
流体ガイドの内側長軸方向通路は、遠位端から、流体ガイドの近位端に向かって流れる際に流体が減速するように構成された近位端と遠位端との間の第二の部分を備えうる。内側長軸方向通路の第二の部分は、流体が、内側長軸方向通路を通って、内側長軸方向通路の遠位端から近位端に向かって流れる際に、流体を減速するのに適切な任意の方法で構成されうる。例えば、内側長軸方向通路の第一の部分は、流体が、遠位端から近位端に向かって実質的に軸方向に減速することを強制する拡張された内側長軸方向断面積を画定する案内を含んでもよい。内側長軸方向通路の第二の部分は、遠位から近位方向の第一の部分の後にあることが好ましい。
【0211】
特定の実施形態との組み合わせでは、内側長軸方向通路の第一の部分の内側長軸方向断面積は、流体が遠位端から近位端に向かって流れるとき、流体ガイドの遠位端に近い位置から、流体ガイドの近位端に近い位置まで拡張して、流体を減速させることができる。第一の部分の内側長軸方向断面積は、流体ガイドの第二の部分の遠位端から第二の部分の近位端まで拡張しうる。したがって、内側長軸方向通路の第二の部分の遠位端(流体ガイドの遠位端に近い位置)は、第二の部分の近位端(流体ガイドの近位端に近い位置)よりも小さな内径を有することができる。
【0212】
特定の実施形態との組み合わせでは、内側長軸方向通路の第二の部分の断面積は、第二の部分の遠位端から第二の部分の近位端まで一定でありうる。こうした実施形態では、内側長軸方向通路の第二の部分の一定の断面積は、内側長軸方向通路の第二の部分の遠位端における断面積よりも大きい場合がある。
【0213】
流体ガイドの内側長軸方向通路が遠位端から近位端まで断面積において拡張される場合、内側長軸方向通路の断面積の拡張は、典型的には、第二の部分の遠位端から流体ガイドの近位端への内側長軸方向通路の断面積における段階的な拡張を含む。内側長軸方向通路の直径の拡張は、例えば、円錐台形状など、第二の部分の遠位端から近位端まで線形でありうることが好ましい。断面積の線形縮小、例えば円錐台形状は、流体ガイドを通る流体の滑らかな流れを作り出すのに有利である。
【0214】
あるいは、縮小は不均一である。例えば、特定の実施形態では、内側長軸方向通路の拡張は段付けされ、内側長軸方向通路の断面積は、遠位端から近位端まで、離散的な増分または段差で縮小する。内側長軸方向通路の断面積の不均一な縮小は、流体が流体ガイドに沿って通過する際、流体の乱流を作り出すのに有利である。
【0215】
内側長軸方向通路の近位端の直径は、典型的には、0.5ミリメートル~3ミリメートルの間、例えば、0.8ミリメートル、1ミリメートル、または好ましくは1.2ミリメートルである。
【0216】
内側長軸方向通路の遠位端の直径は、典型的には、1ミリメートル~5ミリメートルの間、例えば、1.2ミリメートル、2ミリメートル、または好ましくは2.2ミリメートルである。
【0217】
内側長軸方向通路の近位端の直径と内側長軸方向通路の遠位端の直径との比は、典型的には、1:4と3:4の間、または2:5と3:5の間、または好ましくは1:2である。
【0218】
内側長軸方向通路の近位端と遠位端との間の距離は、任意の適切な距離としうる。例えば、内側長軸方向通路の長さは、典型的には、4ミリメートル~7ミリメートル、または好ましくは5.2ミリメートル~5.8ミリメートルなど、3ミリメートル~15ミリメートルである。
【0219】
本発明の特定の実施形態では、流体ガイドは、流体ガイドを形成する二つ以上のセグメントを含むモジュール式であってもよい。
【0220】
特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生物品は、ラッパーの開口部と連通する少なくとも一つの外側長軸方向通路を備える。特定の実施形態との組み合わせでは、通路は、ラッパーが存在する場合、ラッパーによって少なくとも部分的に形成される。通路は、流体(例えば、周囲空気)を開口部から、活性剤を含む管状要素に向ける。特定の実施形態では、外側長軸方向通路は、ラッパーの内部表面の下の流体ガイドの外側部分に形成される。
【0221】
エアロゾル発生物品は、複数の外側長軸方向通路を備えてもよい。特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、流体ガイドの外側部分に2~20の外側長軸方向通路を備える。例えば、物品は、6~14の外側長軸方向通路、典型的には10~12の通路を備えてもよい。通路の数が異なれば、エアロゾルの流動力学も異なる。
【0222】
各外側長軸方向通路は、ラッパーを通して少なくとも一つの開口部と連通することが好ましい。しかしながら、エアロゾル発生物品は、開口部と直接連通しない一つまたは複数の外側長軸方向通路を備えてもよい。各外側長軸方向通路は、流体ガイドの外壁を通して少なくとも一つの開口部と連通することが好ましい。存在する場合、ラッパーを通る開口部、および流体ガイドの外壁を通る開口部は、エアロゾル発生物品の中および外側長軸方向通路に沿ってエアロゾル発生物品の遠位端に向かって効率的な流体の流れを可能にするために、互いに、および少なくとも一つの外側長軸方向通路に整列していることが好ましい。
【0223】
外側長軸方向通路、およびラッパーは、複数の開口部を備えることが好ましい。例えば、特定の実施形態との組み合わせでは、外側長軸方向通路、およびラッパーは、2~20の開口部を備える。開口部の数は、外側長軸方向通路の数と等しく、各開口部は別個の外側長軸方向通路に対応することが好ましい。開口部は、流体の均等な分布を支援するために、物品の周りに均等に間隔を置いて円周方向に配置されることが好ましい。
【0224】
特定の実施形態との組み合わせでは、外側長軸方向通路の側壁は、流体ガイドの外部とラッパーの内部側面との間に、エアロゾル発生物品の長軸方向の長さの少なくとも一部に沿って延びる。例えば、特定の実施形態では、流体ガイドは、ラッパーの存在により、外側長軸方向通路を形成する長軸方向の溝を有する。
【0225】
特定の実施形態との組み合わせでは、外側長軸方向通路は、ラッパーの内部を完全に取り囲むように延びる。あるいは、外側長軸方向通路は、流体ガイドの円周の90パーセント未満、流体ガイドの円周の70パーセント未満、または流体ガイドの円周の50パーセント未満など、流体ガイドの円周の周りに完全には延びていない。特定の実施形態では、外側長軸方向通路は、流体ガイドの円周の少なくとも5パーセントは延びる。
【0226】
特定の実施形態との組み合わせでは、外側長軸方向通路の遠位端は、エアロゾル発生物品の遠位端から間隔を置いている。あるいは、他の特定の実施形態では、外側長軸方向通路の遠位端は、流体ガイドの遠位端と等しい。特定の実施形態との組み合わせでは、外側長軸方向通路の遠位端は、エアロゾル発生物品の遠位端から10ミリメートル~12ミリメートルなど、エアロゾル発生物品の遠位端から2ミリメートル~20ミリメートルでありうる。
【0227】
特定の実施形態との組み合わせでは、外側長軸方向通路の幅は、例えば、0.5ミリメートル~2ミリメートル、典型的には0.75ミリメートル~1.8ミリメートルである。
【0228】
長軸方向通路の遠位端は、外側長軸方向通路の開口部に入る流体が、管状要素と接触し、ゲルからエアロゾルが発生または放出されうるように、エアロゾル発生物品の遠位端から一定の距離に位置付けられてもよい。管状要素で発生または放出されるエアロゾルは、流体ガイドの内側長軸方向通路を通って、エアロゾル発生物品の近位端に到達することができる。
【0229】
エアロゾル発生物品を通って流れる流体の少なくとも5パーセントは、好ましくは活性剤を含む管状要素およびゲルと接触することが好ましい。物品を通って流れる空気の少なくとも25パーセントは、活性剤を含む管状要素と接触することがより好ましい。
【0230】
特定の実施形態では、すべての流体が管状要素と接触するわけではなく、例えば、エアロゾル発生物品を通って流れる流体の少なくとも5パーセントは、管状要素と接触しないが、他の特定の実施形態では、これは、エアロゾル発生物品を通って流れる流体の少なくとも10パーセントでありうる。
【0231】
特定の実施形態との組み合わせでは、流体ガイドの遠位端は、エアロゾル発生物品の遠位端から間隔を置いている。特定の実施形態との組み合わせでは、流体ガイドの遠位端は、エアロゾル発生物品の遠位端から2ミリメートル~20ミリメートルの間、例えば、エアロゾル発生物品の遠位端から7ミリメートル~17ミリメートル、好ましくは12ミリメートル~16ミリメートルであってもよい。
【0232】
エアロゾル発生物品は略円筒形であることが好ましい。このことにより、エアロゾルの滑らかな流れが容易に可能となる。エアロゾル発生物品は、例えば、4ミリメートル~15ミリメートル、5ミリメートル~10ミリメートル、または6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有しうる。エアロゾル発生物品は、例えば、10ミリメートル~60ミリメートル、15ミリメートル~50ミリメートル、または20ミリメートル~45ミリメートルの長さを有しうる。
【0233】
エアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)は、とりわけ、通路の長さおよび寸法、開口部のサイズ、内部通路の最も縮小した断面積の寸法、ならびに使用される材料に応じて変化する。特定の実施形態では、エアロゾル発生物品のRTDは、50水柱ミリメートル~140水柱ミリメートル(mm H2O)、60水柱ミリメートル~120水柱ミリメートル(mm H2O)、または80水柱ミリメートル~100水柱ミリメートル(mm H2O)である。物品のRTDは、体積流量が口側の端で17.5ミリリットル/秒である定常状態下で、内側長軸方向通路を横断したときの、物品の一つ以上の開口部と口側の端との間の静圧差を指す。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定できる。
【0234】
本発明によるエアロゾル発生物品は、外側長軸方向通路に沿った位置に開口部を備えることが好ましい。したがって、開口部は、制限器の上流の位置にある。特定の実施形態では、開口部は、ラッパー、または流体ガイド、または流体ガイドおよびラッパーの両方を通る一列または複数列の開口部として提供され、流体がエアロゾル発生物品内に引き込まれることを可能にする。流体は、まず開口部を通り、次に外側長軸方向通路、次いで、エアロゾル発生物品の遠位端に向かって引き込まれ、流体は管状要素、好ましくは管状要素内のゲル、好ましくは活性剤を含むゲルに接触し、その後、内側長軸方向通路に沿って、その実施形態に存在する場合は、制限器を通過する。開口部からエアロゾル発生物品の近位端までの流体の総内部経路は、少なくとも9ミリメートルであることが好ましい。特に、引き出し抵抗および冷却効果に関して最適なエアロゾル形成を与えるために、少なくとも10ミリメートルであることがより好ましい。
【0235】
開口部の数およびサイズを調整することによって、吸引時にエアロゾル発生物品中に許容される流体の量を調整することが可能である。例えば、一列または二列の開口部が、ラッパーを通して形成され、エアロゾル発生物品への流体の容易な流れを可能にしうる。代替的な特定の実施形態では、ラッパーは、例えば、2個または4個など、より少ない開口部を備える。開口部の数、および開口部のサイズは、エアロゾル発生物品への流体の流れに影響を与える。引き出し抵抗(RTD)とエアロゾル発生物品への流体の流れとの異なる組み合わせは、異なるエアロゾル形成をもたらしうるため、本発明によるエアロゾル発生物品は、より広範な設計オプションを提供する。
【0236】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、ポリ乳酸、例えば捲縮したポリ乳酸などのプラスチック材料、金属材料、例えば酢酸セルロースなどのセルロース系材料、紙、厚紙、綿、またはその組み合わせを含む。
【0237】
特定の実施形態では、流体ガイドは、ポリ乳酸、例えば捲縮したポリ乳酸などのプラスチック材料、金属材料、例えば酢酸セルロースなどのセルロース系材料、紙、厚紙、またはその組み合わせを含む。
【0238】
特定の実施形態との組み合わせでは、ラッパーは複数の材料を含む。特定の実施形態では、ラッパー、またはその一部分は、金属材料、プラスチック材料、厚紙、綿、またはその組み合わせを含む。ラッパーが厚紙または紙を含む場合、開口部はレーザー切断によって形成されうる。
【0239】
ラッパーは、エアロゾル発生物品のために強度および構造剛性を提供する。ラッパーに紙または厚紙が使用され、高度な剛性が望まれる場合、1平方メートル当たり60グラム超の坪量を有することが好ましい。そのようなラッパーの一つは、高い構造剛性を提供する。ラッパーは、存在する場合、制限器がエアロゾル発生物品内に埋め込まれる場所、または構造的支持が弱いくぼみ(存在する場合)などのその他の場所における、エアロゾル発生物品の外側の変形に抵抗しうる。一部の実施形態では、管状要素ラッパーは金属層を含む。金属層は、外側に適用されるエネルギーを集中させて管状部材を加熱するために使用されてもよく、例えば、金属層は電磁場用のサセプタとして作用するか、または外部熱源によって供給される放射エネルギーを収集することができる。内部熱源が存在する場合、金属層は、熱がラッパーを通して管状要素から逃げるのを防ぎ、そして加熱の効率を向上させうる。また、管状部材の周辺に沿った熱の均一な分布も提供しうる。
【0240】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、流体ガイドの外側とラッパーの内側との間にシールを備える。次に、ラッパーは流体ガイドにしっかりと取り付けられうる。流体不透過性シールを作製する必要はない。
【0241】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、マウスピースを備える。マウスピースは、流体ガイド、またはその一部分を含んでもよく、エアロゾル発生物品のラッパーの少なくとも近位部分を形成しうる。マウスピースは、締まり嵌め、ねじ係合、または同種のものなどにより、任意の適切な方法で、ラッパーと、またはラッパーの遠位部分に接続されうる。マウスピースはフィルターを含みうるエアロゾル発生物品の部分であってもよく、または場合によっては、マウスピースは、存在する場合、チッピングペーパーの範囲により画定されうる。他の実施形態では、マウスピースは、エアロゾル発生物品の口側の端から40ミリメートル延びる、またはエアロゾル発生物品の口側の端から30ミリメートル延びる物品の一部分として画定されうる。
【0242】
好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素は、エアロゾル発生物品の最終組立前に、遠位端の近位にエアロゾル発生物品内に配置されうる。
【0243】
完全に組み立てられると、エアロゾル発生物品は、流体が流れることができる流体通路を画定する。エアロゾル発生物品の口側の端(近位端)で陰圧が提供されると、流体はラッパー(または流体ガイドまたは両方)の開口部を通してエアロゾル発生物品に入り、その後、外側長軸方向通路を通ってエアロゾル発生物品の遠位端に向かって流れる。エアロゾルは、活性剤を含む管状要素の加熱によって随意に発生するエアロゾルを伴う場合がある。取り込まれたエアロゾルを伴う流体は、その後、流体ガイドの内側長軸方向通路を通って、エアロゾル発生物品の開放した口側の端を通って流れうる。
【0244】
好ましくは、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の発熱体が管状要素を含むエアロゾル発生物品のセクションを加熱しうるように、エアロゾル発生装置によって受容されるように構成される。例えば、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素がエアロゾル発生物品の遠位端に、またはその近くに配置される場合、管状要素はエアロゾル発生物品の遠位端でありうる。
【0245】
好ましくは、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品を受容するための容器と、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素を備えるエアロゾル発生物品のセクションを加熱するように構成および配置された発熱体と、を備える適切かつ相応に形状およびサイズ設定されたエアロゾル発生装置で使用するために形状およびサイズ設定されうる。
【0246】
エアロゾル発生装置は、好ましくは、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を備えてもよい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成される。制御電子機器は、装置のハウジングに対して内部としうる。
【0247】
制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラー、またはメモリおよびコントローラーを含みうる。コントローラーは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態機械、デジタル信号プロセッサー、ゲートアレイ、マイクロプロセッサー、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つまたは複数を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つまたは複数の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つまたは複数として具現化されてもよい。
【0248】
電子回路はマイクロプロセッサー備えてもよく、プログラム可能マイクロプロセッサーでありうる。電子回路は発熱体への動力供給源を調節するよう構成しうる。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されうる。制御電子機器は、発熱体の電気抵抗を監視し、発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への動力供給源を制御するように構成されうる。このように、制御電子機器は抵抗素子の温度を調節しうる。
【0249】
エアロゾル発生装置は、発熱体の温度を制御するために、制御電子機器に動作可能に連結された、熱電対などの温度センサーを備えてもよい。温度センサーは任意の適切な位置に位置付けられうる。例えば、温度センサーは、発熱体と接触もしくは近接するように構成されうる。センサーは、感知された温度に関する信号を、発熱体の加熱を調整して、センサーでの適切な温度を達成することができる制御電子機器に送信しうる。
【0250】
エアロゾル発生装置が温度センサーを含むかどうかにかかわらず、装置は、エアロゾルを発生するのに十分な程度までエアロゾル発生物品内に配置された、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素を加熱するように構成されうる。
【0251】
制御電子機器は、ハウジングの内部でありうる電源に動作可能に連結されうる。エアロゾル発生装置は任意の適切な電源を備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電池または電源ユニットは、再充電可能とすることができるだけでなく、取り外し可能かつ交換可能でありうる。
【0252】
特定の実施形態との組み合わせでは、発熱体は、一つまたは複数の抵抗性ワイヤまたはその他の抵抗要素などの抵抗加熱構成要素を備える。抵抗性ワイヤは熱伝導性材料と接触して、生成した熱をより広い区域にわたって配分してもよい。適切な導電性材料の例としては、金、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。抵抗性ワイヤが熱伝導性材料と接触する場合、抵抗性ワイヤと熱伝導性材料の両方は発熱体の一部であることが好ましい。
【0253】
特定の実施形態との組み合わせでは、発熱体は、物品の遠位端を受容し、かつ包囲するように構成されたくぼみを備える。発熱体は、物品の遠位端が装置によって受容される時に、物品のハウジングの側面に沿って延びるように構成された細長い要素を含んでもよい。
【0254】
あるいは、発熱体をエアロゾル発生物品に挿入するために、エアロゾル発生物品のラッパーの周りに熱的に結合されたヒートジャケットを用いて、管状要素に外部から熱を加えてもよい。ジャケットは、管状要素を含むエアロゾル発生物品の部分に配置されることが好ましい。
【0255】
他の特定の実施形態では、発熱体は誘導加熱を含む。
【0256】
特定の実施形態では、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素は、誘導加熱によって加熱される。
【0257】
管状要素を含むエアロゾル発生物品の部分は、誘導加熱のために電磁放射を発生する一つまたは複数の発熱体が、管状要素を含むエアロゾル発生物品の部分に近接するように、エアロゾル発生装置内に位置付けられることが好ましい。したがって、エアロゾル発生装置の発熱体は、エアロゾル発生装置内に位置付けられるとき、エアロゾル発生物品内のゲルに近接していることが好ましい。
【0258】
誘導加熱と共に使用するための実施形態では、エアロゾル発生物品は、サセプタを含むことが好ましい。誘導加熱と共に使用するための実施形態では、管状要素は、サセプタを含むことが好ましい。特定の実施形態では、ゲルはサセプタを含むことがさらに好ましい。サセプタは、ゲルと接触しているか、またはゲルに近接していることが好ましい。したがって、本発明のこうした実施形態では、放射によってサセプタを加熱すると、熱伝達がゲルに容易に行われ、ゲルからの材料、例えば活性剤の放出を助けることができる。
【0259】
追加的または代替的に、本発明の他の特徴との組み合わせでは、ゲルを装填された多孔質媒体は、サセプタを含む。したがって、サセプタは、ゲルを装填された多孔質媒体と接触してもよく、ゲルを装填された多孔質媒体の容易な加熱を可能にする。
【0260】
特定の実施形態では、管状要素内のゲルは、最初は管状要素内に受容されたエアロゾルから分離されていてもよく、壊れやすい仕切りの破裂に応答して放出されて、エアロゾル内に混入されてもよい。任意選択的に特定の実施形態では、ゲルの複数の部分はそれぞれ、それぞれの壊れやすい仕切りの後ろに密封することができ、使用時に管状要素に受容されたエアロゾルに活性剤の所望のレベルの混入を達成するには、適切な数の壊れやすい仕切りを破裂させる必要がある。
【0261】
特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生装置は、本明細書に記述した複数のエアロゾル発生物品を受容するように構成されうる。例えば、エアロゾル発生装置は、細長い発熱体がその中に延びる容器を備えてもよい。一つのエアロゾル発生物品は、発熱体の一方の側の容器内に受容されてもよく、別のエアロゾル発生物品は、発熱体の他方の側の容器内に受容されてもよい。または別の特定の実施形態では、エアロゾル発生装置は、複数の受容体を備える。したがって、一度に二つ以上のエアロゾル発生物品を受容することができる。
【0262】
本発明の特定の実施形態との組み合わせでは、ラッパーまたはラッパーの一部分は、耐水性または疎水性であり、ある程度の防水性、または湿気の浸透に対する耐性の特性を与える。これは、管状要素のラッパー、またはエアロゾル発生物品のラッパー、または管状要素およびエアロゾル発生物品のラッパーの両方であってもよい。また、第一の管状要素内の第二の管状要素の長軸方向側を含む、エアロゾル発生物品の任意の他の部分、またはエアロゾル発生物品の任意の他の構成要素に対するラッパーであってもよい。ラッパーは、天然に不透過性であってもよく、水または湿気の浸透に対して耐性がありうる。ラッパーは、水の通過を防止もしくは低減する、または水もしくは湿気の浸透に対して少なくとも耐性であるバリアを有する多層であってもよい。特定の実施形態との組み合わせでは、ラッパーの疎水性バリア、または疎水性処理は、ラッパーの領域全体にわたってもよい。あるいは、他の特定の実施形態では、ラッパーに対する疎水性バリアまたは処理は、ラッパーの一部分に対するものであり、例えば、これは、ラッパーの内側または外側のいずれかラッパーの片側であってもよく、またはラッパーの両側で処理されてもよい。
【0263】
ラッパーの疎水性領域は、脂肪酸ハロゲン化物を含む液体組成物をラッパーの少なくとも一つの表面に塗布する工程と、表面を摂氏120度~180度の温度に約5分間維持する工程とを含むプロセスによって製造されうる。脂肪酸ハロゲン化物は、ラッパー中の材料のプロトン供与性基と原位置で反応し、その結果として脂肪酸エステルが形成され、したがって疎水性特性および湿気の浸透に対する耐性が与えられる。
【0264】
疎水性処理されたラッパーは、水、湿気、または液体がラッパーに吸着、またはラッパーを透過するのを低減または防止できると企図される。有利なことに、疎水性処理されたラッパーは、物品の味覚に悪影響を及ぼさない。
【0265】
特定の実施形態では、使用中のラッパーは概して、エアロゾル発生物品の外側部分を形成する。特定の実施形態では、ラッパーは、紙、均質化された紙、均質化されたタバコ含浸紙、均質化されたタバコ、木材パルプ、麻、亜麻、稲わら、エスパルト、ユーカリ、綿などを含む。特定の実施形態では、ラッパーを形成する基体または紙は、例えば、15~45グラム/平方メートルなど、10~50グラム/平方メートルの範囲でラッパーを形成する基体または紙の坪量を有する。特定の実施形態との組み合わせでは、ラッパーを形成する基体または紙の厚さは、10~100マイクロメートル、または好ましくは30~70マイクロメートルの範囲内である。
【0266】
特定の実施形態との組み合わせでは、疎水性基は、ラッパーの内表面に共有結合される。他の実施形態では、疎水性基は、ラッパーの外表面に共有結合される。ラッパーの一方の側面または表面にのみ疎水性基を共有結合させることが、ラッパーの対向する側面または表面に疎水性特性を付与することが見出されている。疎水性ラッパーまたは疎水性処理ラッパーは、流体、例えば、液体風味剤または液体放出成分が、ラッパーを汚したり、または吸収したり、または透過したりすることを低減または防止することができる。
【0267】
様々な特定の実施形態では、ラッパー、特に、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素に隣接するラッパー領域は、疎水性であるか、または一つまたは複数の疎水性領域を有する。この疎水性ラッパーまたは疎水性処理したラッパーは、40g/m2未満、35g/m2未満、30g/m2未満、または25g/m2未満のCobb水吸収(ISO535:1991)値(60秒で)を有しうる。
【0268】
様々な特定の実施形態では、ラッパー、特に、好ましくは活性剤を含むゲルを含む管状要素に隣接するラッパー領域は、少なくとも90度、例えば、少なくとも95度、少なくとも100度、少なくとも110度、少なくとも120度、少なくとも130度、少なくとも140度、少なくとも150度、少なくとも160度、または少なくとも170度の水接触角を有する。疎水性はTAPPI T558 om-97試験を利用して決定され、結果は界面接触角として提示され「度」で報告されるが、ほぼ0度からほぼ180度の範囲を取ることができる。疎水性という用語とともに接触角が指定されていない場合には、水接触角は少なくとも90度である。
【0269】
特定の実施形態との組み合わせでは、疎水性表面は、ラッパーの長さに沿って均一に存在し、あるいは、他の特定の実施形態では、疎水性表面は、ラッパーの長さに沿って均一に存在しない。
【0270】
ラッパーは、任意の適切なセルロース材料、好ましくは植物に由来するセルロース材料で形成されることが好ましい。多くの実施形態では、ラッパーはペンダントプロトン供与性基を有する材料で形成される。プロトン供与性基は、ヒドロキシル基(-OH)、アミン基(-NH2)、またはスルフヒドリル基(-SH2)などを含むがこれに限定されない、反応性の親水基であることが好ましい。
【0271】
本発明に適合する特に好適なラッパーを、例としてここで説明する。ペンダントヒドロキシル基を含むラッパーには、紙、木材、織物、天然および人工の繊維などのセルロース系材料が含まれる。ラッパーはまた、一つ以上のフィラー材料、例えば、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または活性炭を含み得る。
【0272】
ラッパーを形成するセルロース系材料の疎水性表面または領域は、任意の適切な疎水性試薬または疎水性基で形成されうる。疎水性試薬は、セルロース系材料またはラッパーを形成するセルロース系材料のペンダントプロトン供与性基に化学結合されることが好ましい。多くの実施形態では、疎水性試薬はセルロース系材料またはセルロース系材料のペンダントプロトン供与性基に共有結合される。例えば、疎水性基はラッパーを形成するセルロース系材料のペンダントヒドロキシル基に共有結合される。セルロース系材料の構造成分と疎水性試薬との間の共有結合は、ラッパーを形成するセルロース系材料上に疎水性材料の被覆を単に配置するよりもしっかりと紙材料に付着した疎水性基を形成しうる。疎水性材料の層を大量に塗布して表面を覆うよりも、疎水性試薬を分子レベルかつ原位置で化学結合させることにより、セルロース系材料、例えば、紙の浸透性がよく維持されるが、これは、被覆は連続シートを形成するセルロース系材料の穴を覆ったり塞いだりして、浸透性を減少させる傾向があるためである。疎水性基を紙に原位置で化学結合させることによっても、ラッパーの表面を疎水性にするために必要な材料の量を減少できる。本明細書で使用される場合、「原位置で」という用語は、ラッパーを形成する固体材料の表面上またはその付近で発生する化学反応の位置を意味し、これは溶液中に溶解したセルロースとの反応とは区別できる。例えば、反応は、不均質な構造のセルロース系材料を含むラッパーを形成するセルロース系材料の表面上またはその付近で発生する。しかし、「原位置で」という用語は、疎水性管領域を形成するセルロース系材料上で化学反応が直に発生する必要はない。
【0273】
疎水性試薬は、アシル基または脂肪酸基を含みうる。アシル基または脂肪酸基またはその混合物は、飽和でも不飽和でもよい。試薬中の脂肪酸基(ハロゲン化脂肪酸など)は、セルロース系材料のヒドロキシル基などペンダントプロトン供与性基と反応して、脂肪酸をセルロース系材料に共有結合するエステル結合を形成できる。本質的に、ペンダントヒドロキシル基とのこれらの反応により、セルロース系材料をエステル化できる。
【0274】
ラッパーの一部の実施形態では、アシル基または脂肪酸基は、C12-C30アルキル(12~30個の炭素原子を持つアルキル基)、C14-C24アルキル(14~24個の炭素原子を持つアルキル基)を含み、またはC16-C20アルキル(16~20個の炭素原子を持つアルキル基)を含むことが好ましい。当業者であれば、本明細書で使用される場合、「脂肪酸」という用語が、12~30個の炭素原子、14~24個の炭素原子、16~20個の炭素原子を含むか、または15、16、17、18、19、または20個を超える炭素原子を持つ長鎖の脂肪族、飽和または不飽和の脂肪酸を意味することを理解する。様々な実施形態で、疎水性試薬は、アシルハロゲン化物、例えばパルミトイルクロリド、ステアロイルクロリドまたはベヘノイルクロリドを含む脂肪酸塩化物などのハロゲン化脂肪酸、その混合物を含む。脂肪酸塩化物と連続シートを形成するセルロース系材料との間の原位置での反応の結果、セルロースの脂肪酸エステルおよび塩酸ができる。
【0275】
適切な任意の方法が、疎水性試薬または疎水性基を、疎水性管領域を形成するセルロース系材料に化学結合させるために利用されうる。疎水性基は、溶剤を使用することなくその表面上に脂肪酸ハロゲン化物を拡散させることにより、セルロース系材料に共有結合される。
【0276】
一例として、ハロゲン化アシル、脂肪酸ハロゲン化物、脂肪酸クロリド、パルミチン酸クロリド、ステアロイル酸クロリドまたはベヘン酸クロリド、それらの混合物などの疎水性試薬の量は、制御された温度でラッパー紙の表面に溶媒を使用せずに(無溶媒プロセス)配置されるが、例えば、20マイクロメートルの試薬の小滴が規則的に間隔をおいた円を表面上に形成する。試薬の蒸気張力を制御することにより、脂肪酸とセルロースとの間のエステル結合の形成の拡散により反応の伝搬を促進でき、一方で連続的に未反応の酸塩化物が取り除かれる。セルロースのエルテル化は、一部の場合にセルロースのアルコール基またはペンダントヒドロキシル基のアシルハロゲン化物(脂肪酸塩化物を含む塩化アシルなど)との反応に基づく。疎水性試薬を加熱するために使用できる温度は、試薬の化学的性質に依存し、ハロゲン化脂肪酸では、例えば、摂氏120度~摂氏180度の範囲である。
【0277】
疎水性試薬は有用な任意の量または坪量でラッパー紙のセルロース系材料に塗布しうる。多くの実施形態で、疎水性試薬の坪量は3グラム/平方メートル未満、2グラム/平方メートル未満、または1グラム/平方メートル未満であるか、または0.1~3グラム/平方メートル、0.1~2グラム/平方メートル、または0.1~1グラム/平方メートルの範囲である。疎水性試薬はラッパー紙表面に印刷でき、一様または不等なパターンを画定できる。
【0278】
疎水性管領域は、脂肪酸エステル基または脂肪酸基をラッパー紙のセルロース系材料上でペンダントヒドロキシル基と反応させて疎水性表面を形成することにより、形成されることが好ましい。反応工程は、ラッパー紙のセルロース系材料上でペンダントヒドロキシル基と化学結合して疎水性表面を形成する、脂肪酸エステル基または脂肪酸基を提供する脂肪酸ハロゲン化物(例えば、塩化物など)を塗布することにより達成されうる。塗布工程は、液体状のハロゲン化脂肪酸をブラシ、ローラー、または吸収性または非吸収性のパッドなどの固体サポートに載せた後、固体サポートを紙の表面と接触させることにより実施できる。ハロゲン化脂肪酸は、印刷技術(グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット、ヘリオグラフィなど)によって、ハロゲン化脂肪酸を含む液体の吹き付けによって、湿潤によって、またはその中への浸漬によっても塗布されうる。塗布工程は、一様または不等なパターンの疎水性領域をラッパー紙の表面上に形成する不連続な島状の試薬を配置できる。ラッパー紙上の疎水性領域の一様または不等なパターンは、少なくとも100個の不連続な疎水性の島、少なくとも500個の不連続な疎水性の島、少なくとも1000個の不連続な疎水性の島、または少なくとも5000個の不連続な疎水性の島で形成されうる。不連続な疎水性の島は、例えば、円形、長方形または多角形など、有用な任意の形状を持ちうる。不連続な疎水性の島は有用な任意の平均横寸法を持ちうる。多くの実施形態で、不連続な疎水性の島は5~100マイクロメートルの範囲、または5~50マイクロメートルの範囲の平均横寸法を持ちうる。表面上に塗布された試薬の拡散を助けるために、ガス流もラッパーの表面に適用できる。
【0279】
特定の実施形態との組み合わせでは、疎水性のラッパーは、脂肪族の酸ハロゲン化物(脂肪酸ハロゲン化物が好ましい)を含む液体組成物をラッパー紙の少なくとも一つの表面に塗布する工程と、随意にガス流をラッパーの表面に適用して、塗布された脂肪酸ハロゲン化物の拡散を助ける工程と、ラッパーの表面を摂氏120度~摂氏180度の温度に少なくとも5分間保つ工程とを含むプロセスによって製造でき、ここで脂肪酸ハロゲン化物は、ラッパー紙中のセルロース系材料のヒドロキシル基と原位置で反応し、その結果として脂肪酸エステルが形成される。ラッパー紙は、紙で製造されることが好ましく、またハロゲン化脂肪酸は、ステアロイル酸クロリド、パルミチン酸クロリド、またはアシル基に16~20個の炭素原子を持つ脂肪酸塩化物の混合物であることが好ましい。したがって、本明細書で上記に説明したプロセスによって製造される疎水性のラッパー紙は、予め作製されたセルロースの脂肪酸エステルの層で表面を被覆することによって製造される材料とは区別できる。
【0280】
疎水性のラッパーは、ラッパー紙の少なくとも一つの表面に液体試薬組成物を0.1~3グラム/平方メートル、または0.1~2グラム/平方メートル、または0.1~1グラム/平方メートルの範囲のレートで塗布するプロセスによって製造されうる。それらのレートで塗布された液体試薬は、ラッパー紙の表面を疎水性にする。
【0281】
多くの特定の実施形態では、ラッパー紙の厚さによって、一方の表面に塗布した疎水性基または試薬が反対側の表面に広がることができ、両方の表面に類似した疎水性が効果的に提供される。一つの例では、ラッパー紙の厚さは43マイクロメートルであり、両方の表面は、疎水性試薬としてステアロイルクロリドを使用した一方の表面へのグラビア(印刷)プロセスによって疎水性が施されたものである。
【0282】
一部の特定の実施形態では、疎水性管領域を疎水性にする材料または方法は、他の領域のラッパーの浸透性に実質的に影響しない。疎水性管領域を作る試薬または方法は、この処理領域のラッパーの浸透性を(未処理のラッパー領域と比較して)10パーセント未満または5パーセント未満または1パーセント未満しか変化させないことが好ましい。
【0283】
多くの特定の実施形態では、疎水性表面は試薬をセルロース系材料の長さに沿って印刷することにより形成されうる。グラビア印刷、インクジェットおよびこれに類するものなど、有用な任意の印刷方法を利用できる。グラビア印刷が好ましい。試薬には、化学的に、例えば、共有結合して、ラッパー、特にセルロース系材料またはラッパーのセルロース系材料のペンダント基に結合されうる任意の有用な疎水性基が含まれうる。
【0284】
本発明の特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生物品は、サセプタ―を備える。特定の実施形態との組み合わせでは、管状要素はサセプタを備える。サセプタは細長いものであり、管状要素内に長軸方向に配置されることが好ましい。サセプタはゲルまたはゲルを装填された多孔性材料と熱接触することが好ましい。これは、エアロゾル発生装置内の発熱体から、エアロゾル発生物品へ、およびエアロゾル発生物品を介して、好ましくは管状要素を介してサセプタへと、熱伝達を補助し、したがって、サセプタに近接している場合には、ゲルまたはゲルを装填された多孔質媒体への熱伝達を補助しうる。加熱が誘導加熱による場合、変動電磁場は、エアロゾル発生物品を介して、好ましくは管状要素を介してサセプタに伝達され、サセプタは変動場を熱エネルギーに変えて、ゲル、またはゲルを充填した多孔性材料を近傍で加熱する。典型的には、サセプタは、10~500マイクロメートルの厚さを有する。望ましい実施形態で、サセプタは、10~100マイクロメートルの厚さを有する。あるいは、サセプタは、ゲル内に分散される粉末の形態であってもよい。典型的には、サセプタは、特定のインダクタと併用した時に、分散エネルギーが1ワット~8ワットの間、例えば1.5ワット~6ワットの間となるように構成される。構成という用語は、細長いサセプタが特定の材料で構成されることができ、また周知の周波数および周知の磁界強度の変動磁場を発生する特定の導体と併用した時、1ワット~8ワットのエネルギー分散が許容される特定の寸法を持ちうることを意味する。
【0285】
本発明のさらなる態様によれば、エアロゾル発生システムは、交流電磁場または変動電磁場を発生するためのインダクタを持つ電気的に動作するエアロゾル発生装置と、本明細書で説明し画定したサセプタを備えるエアロゾル発生物品とを含むものが提供されている。エアロゾル発生物品は、インダクタによって発生した変動電磁場がサセプタ内に電流を誘起してサセプタが加熱されるように、エアロゾル発生装置と連動する。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、1キロアンペア/メートル~5キロアンペア/メートル(kA/m)、好ましくは2キロアンペア/メートル~3キロアンペア/メートル(kA/m)、例えば2.5キロアンペア/メートル(kA/m)の磁界強度(H場の強度)を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、1メガヘルツ~30メガヘルツ(MHz)、例えば1メガヘルツ~10メガヘルツ(MHz)、例えば5メガヘルツ~7メガヘルツ(MHz)の周波数を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。
【0286】
本発明の細長いサセプタは、消耗品目の部分であり、そのため一回のみ使用されることが好ましい。一連のエアロゾル発生物品の風味は、新鮮なサセプタが作用してそれぞれのエアロゾル発生物品を加熱するという事実から、より一貫性のあるものとなりうる。エアロゾル発生装置の洗浄の要件は、再利用可能な発熱体を有する装置では著しく容易であり、熱源を損傷することなく達成することができる。さらに、エアロゾル形成基体を貫通する必要のある発熱体がないことで、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置への挿入および除去が、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置のいずれかに対する不注意による損傷の原因となる可能性が低くなる。したがって、全体的なエアロゾル発生システムは堅牢である。
【0287】
サセプタが変動電磁場内に位置する時に、サセプタ中の誘導された渦電流はサセプタの加熱を生じさせる。理想的には、サセプタは、管状要素のゲル、またはゲルを装填された多孔性材料と熱接触して配置され、したがって、ゲル、またはゲルを装填された多孔性材料、またはゲルとゲルを装填された多孔性材料の両方が、サセプタによって加熱される。
【0288】
特定の実施形態との組み合わせでは、エアロゾル発生物品は、誘導加熱源を備える電気的に作動するエアロゾル発生装置と係合するように設計されている。誘導加熱源、またはインダクタは、変動電磁場の中に位置するサセプタを加熱するための変動電磁場を発生する。使用時に、エアロゾル発生物品は、インダクタによって発生された変動電磁場の中にサセプタが位置するように、エアロゾル発生装置と係合する。
【0289】
サセプタはその幅寸法または厚さ寸法よりも大きい(例えば、その幅寸法または厚さ寸法の二倍より大きい)長さ寸法を有することが好ましい。こうして、サセプタは細長いサセプタとして描写されうる。このようなサセプタは、ロッド内に実質的に長軸方向に配列されうる。これは、細長いサセプタの長さ寸法が、エアロゾル発生物品の長軸方向とほぼ平行に、例えばロッドの長軸方向に対して長軸方向軸に対して±10度以内に配置されることを意味する。好ましい実施形態において、細長いサセプタ要素は、エアロゾル発生物品内で半径方向に中心の位置に位置付けられてもよく、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って延びる。
【0290】
サセプタは、ピン、ロッド、細片、シート、またはブレードの形態であることが好ましい。サセプタの長さは、5ミリメートル~15ミリメートル、例えば6ミリメートル~12ミリメートル、または8ミリメートル~10ミリメートルであることが好ましい。典型的には、サセプタの長さは、少なくとも管状要素と同じ長さであり、したがって、典型的には、管状要素の長軸方向の長さの20パーセント~120パーセントの間、例えば、管状要素の長さの50~120パーセントの間、好ましくは、管状要素の長軸方向の長さの80パーセント~120パーセントの間である。サセプタは、1ミリメートル~5ミリメートルの幅を有することが好ましく、0.01ミリメートル~2ミリメートル、例えば0.5ミリメートル~2ミリメートルの厚さを有してもよい。好ましい実施形態は、10マイクロメートル~500マイクロメートルの厚さを持ち得るが、10~100マイクロメートルであることがさらにより好ましい。サセプタが、一定の断面、例えば円形断面を有する場合、それは1ミリメートル~5ミリメートルの好ましい幅または直径を有する。
【0291】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態では、サセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性の鋼もしくはステンレス鋼を含んでもよい。他の特定の実施形態では、サセプタはアルミニウムを含む。好ましいサセプタは、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。こうして、材料のタイプ、長さ、幅、および厚さなどのサセプタのパラメータはすべて、公知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0292】
サセプタは、摂氏250度を超える温度まで加熱されることが好ましい。しかしながら、サセプタは、サセプタと接触している材料の燃焼を防止するために、摂氏350度未満で加熱されることが好ましい。適切なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア、例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラックを備えてもよい。
【0293】
サセプタは、細長いサセプタ材料を封入する保護用の外部層、例えば保護用のセラミック層または保護用のガラス層を有してもよい。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を備えてもよい。
【0294】
代替的または追加的に、サセプタは、粉末、例えば金属粉末の形態であってもよい。粉末は、ゲルの中にあっても、またはラッパーの中にあっても、またはゲルとラッパーとの間に配置されても、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0295】
サセプタは、エアロゾル形成基体と熱的に接触して、例えば管状要素内に配置されることが好ましい。こうして、サセプタが加熱されると、エアロゾル形成基体は加熱され、ゲルから材料が放出されて、エアロゾルが形成される。好ましくは、サセプタは、例えば、管状要素内で、活性剤を含むゲルと直接物理的に接触して配置され、サセプタは、ゲルまたはゲルを装填された多孔質媒体によって囲まれていることが好ましい。
【0296】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品、または管状要素は、単一のサセプタを備える。あるいは、他の特定の実施形態では、管状要素、またはエアロゾル発生物品は、複数のサセプタを備える。
【0297】
管状要素、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置の特定の実施形態、態様、または実施例に関連して本明細書に記載される特徴のいずれも、管状要素、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置の任意の実施形態に等しく適用されうる。
【0298】
ここで本開示に記載の一つまたは複数の態様を描写する図面を参照する。ただし、図面に図示されていないその他の態様が本開示の範囲に含まれることが理解されるであろう。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかしながら、当然のことながら、所与の図において一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0299】
図1図1は、エアロゾル発生装置の概略断面図であり、エアロゾル発生装置に挿入されうるエアロゾル発生物品の概略側面図である。
図2図2は、図1に図示したエアロゾル発生装置の概略断面図であり、エアロゾル発生装置に挿入された図1に図示された物品の概略側面図である。
図3a図3aは、エアロゾル発生物品の様々な実施形態の概略断面図である。
図3b図3bは、エアロゾル発生物品の様々な実施形態の概略断面図である。
図4図4は、エアロゾル発生物品の様々な実施形態の概略断面図である。
図5図5は、エアロゾル発生物品の様々な実施形態の概略断面図である。
図6図6は、エアロゾル発生物品の様々な実施形態の概略断面図である。
図7図7は、エアロゾル発生物品の概略側面図である。
図8図8は、図7に図示されたエアロゾル発生物品の実施形態の概略斜視図であり、ラッパーの一部を説明の目的のために除去してある。
図9図9は、エアロゾル発生物品の概略側面図である。
図10図10は、ラッパーの一部分が取り除かれた、図9に図示されるエアロゾル発生物品の実施形態の概略側面図である。
図11図11は、サンプルエアロゾル発生物品の流体ガイドの概略図である。
図12図12は、図11に描写される流体ガイドが挿入される、サンプルエアロゾル発生物品の概略図である。
図13図13は、エアロゾル発生物品の長さに沿って切断された断面図を示す。
図14図14は、エアロゾル発生物品用の管状要素の斜視図および二つの断面図を示す。
図15図15は、エアロゾル発生物品用の管状要素の斜視図および二つの断面図を示す。
図16図16は、エアロゾル発生物品用の管状要素の斜視図および二つの断面図を示す。
図17図17は、エアロゾル発生物品用の管状要素の製造プロセスの一部を示す。
図18図18は、エアロゾル発生物品用の管状要素のさらなる製造プロセスの一部を示す。
図19図19は、エアロゾル発生物品用の管状要素の代替的な製造プロセスの一部を示す。
図20図20は、電気加熱式のエアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムを示す。
図21図21は、エアロゾル発生物品のさらなる管状要素の断面図を示す。
図22図22は、エアロゾル発生物品のさらなる管状要素の断面図を示す。
図23図23は、エアロゾル発生物品のさらなる管状要素の断面図を示す。
図24図24は、エアロゾル発生物品の長さに沿った断面図を示す。
図25図25は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図26図26は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図27図27は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図28図28は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図29図29は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図30図30は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図31図31は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図32図32は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図33図33は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図34図34は、様々な管状要素の概略断面図を示す。
図35図35は、本発明によるエアロゾル発生物品の概略的な横断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図36図36は、本発明での使用に適した流体ガイドの断面図を示す。
図37図37は、エアロゾル発生物品の断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図38図38は、本発明のさまざまな流体ガイドの概略断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図39図39は、本発明のさまざまな流体ガイドの概略断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図40図40は、本発明のさまざまな流体ガイドの概略断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図41図41は、本発明のさまざまな流体ガイドの概略断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図42図42は、本発明のさまざまな流体ガイドの概略断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図43図43は、本発明のさまざまな流体ガイドの概略断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図44図44は、本発明のさまざまな流体ガイドの概略断面図(近位から遠位までカット)を示す。
図45図45は、サセプタを含む管状要素の断面図を示す。
図46図46は、図45の実施例に図示したサセプタとは異なるように配置されるサセプタを含む管状要素の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0300】
図1および2は、本発明のエアロゾル発生装置とともに使用する、本発明のエアロゾル発生物品の例を示す。これらのエアロゾル発生物品および装置は、本発明の管状要素での使用に適している。図中、すべての構成要素が、必ずしも示されるわけでも、標識されるわけでもない。図面は、本発明を理解するための例示的の目的のためのものである。図面は実寸に比例して描かれていない場合がある。
【0301】
図1~6は、エアロゾル発生物品100の長軸方向の断面切り取り図を示す。言い換えれば、図1~6は、長軸方向に半分に切断されたエアロゾル発生物品100の図を示す。図1~6の実施形態では、エアロゾル発生物品は管状である。図1図6のエアロゾル発生物品100の端面全体を見た場合、近位端101または遠位端103のいずれかは円形となるであろう。図1~6の実施形態で使用される、または示される場合、管状要素500もまた管状である。管状要素500は、図1~6の実施形態の管状のエアロゾル発生物品100の、可能な管状構成要素である。図1~6の実施形態で使用または図示される管状要素500の端面全体を見た場合、近位端または遠位端のいずれであっても、管状要素の面は円形となるであろう。図1図6は、二次元長軸方向断面切断図であるため、エアロゾル発生物品、とりわけ管状要素600の側面湾曲を見ることができない。図面は、単に本発明を説明するためのものであり、実寸に比例して描かれていない場合がある。図1~6に示される場合、管状要素500は、エアロゾル発生物品100の管状要素500を示すが、エアロゾル発生物品100の特徴は、示される管状要素500の実施形態に対して任意であり、管状要素500の必須の特徴と見るべきではない。
【0302】
図1~2は、エアロゾル発生物品100およびのエアロゾル発生装置200の例を示す。エアロゾル発生物品100は、近位端または口側の端101および遠位端103を有する。図2において、エアロゾル発生物品100の遠位端103はエアロゾル発生装置200の容器220に受容される。エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生物品100を受容するように構成された、容器220を画定するラッパー110を含む。エアロゾル発生装置200はまた、好ましくは締まり嵌めによってエアロゾル発生物品100を受容するように構成されたくぼみ235を形成する発熱体230を含む。発熱体230は、電気抵抗加熱構成要素を含みうる。さらに、装置200は、電源240と、発熱体230の加熱を制御するために協働する制御電子機器250と、を含む。
【0303】
発熱体230は、管状要素500(図示せず)を含むエアロゾル発生物品100の遠位端103を加熱しうる。この例では、管状要素500は、活性剤、およびニコチンを含む活性剤を含むゲル124を含む。エアロゾル発生物品100を加熱することにより、活性剤を含むゲル124を含む管状要素500に、活性剤を含有するエアロゾルを発生させ、これは近位端101でエアロゾル発生物品100から出ることができる。エアロゾル発生装置200は、ハウジング210を備える。
【0304】
図1~2は、正確な加熱機構を示していない。
【0305】
一部の例では、加熱機構は、熱がエアロゾル発生装置200の発熱体230からエアロゾル発生物品100に伝達される伝導加熱によるものであってもよい。これは、エアロゾル発生物品100がエアロゾル発生装置200の容器220に位置付けられた時に容易に行うことができ、(ゲルを含む管状要素500が位置する端部であることが好ましい)遠位端103および、ひいてはエアロゾル発生物品100はエアロゾル発生装置200の発熱体230と接触する。特定の実施例では、発熱体はエアロゾル発生装置200から突出し、エアロゾル発生物品100内に貫通して管状要素500のゲル124と直接接触するのに適した加熱ブレードを備える。
【0306】
この実施例では、加熱機構は、エアロゾル発生物品100がエアロゾル発生装置200の容器220内に位置するとき、発熱体が管状要素によって吸収される輻射磁気放射を発する誘導による。
【0307】
図3aおよび3bは、ラッパー110および流体ガイド400を含むエアロゾル発生物品100の実施形態を図示する。図3aおよび3bは、エアロゾル発生物品100の長軸方向断面切断図である。言い換えれば、図3aおよび図3bの図は、長軸方向に半分カットされた、エアロゾル発生物品100の図である。図3aおよび図3bの実施形態では、エアロゾル発生物品は管状である。図3aまたは3bのエアロゾル発生物品100の端面全体を見た場合、近位端101または遠位端103のいずれかは円形となるであろう。図3aまたは図3bの管状要素500も管状である。管状要素500は、図3aおよび図3bの実施形態の管状のエアロゾル発生物品100の管状構成要素である。図3aまたは図3bの実施形態の管状要素500の端面全体を見た場合、近位端または遠位端のいずれであっても、管状要素の面は円形となるであろう。図3aおよび図3bは、二次元長軸方向断面切断図であるため、エアロゾル発生物品、とりわけ、管状要素600の側面湾曲を見ることができない。図3aでは、管状要素500の近位端は、直線エッジで示されていない。図3bは、エアロゾル発生物品の幅にわたる直線としての管状要素500の近位端を示す。図面は、単に本発明を説明するためのものであり、実寸に比例して描かれていない場合がある。管状要素500は、図3aおよび図3bに示され、エアロゾル発生物品中の管状要素を示すが、エアロゾル発生物品100の特徴は、管状要素を示す実施形態に対して任意であり、管状要素500の必須の特徴として見るべきではない。
【0308】
流体ガイド400は、近位端401、遠位端403、および遠位端403から近位端401への内側長軸方向通路430を有する。内側長軸方向通路430は、第一の部分410および第二の部分420を有する。第一の部分410は、第一の部分410の遠位端413から第一の部分410の近位端411まで延びる、通路430の第一の部分を画定する。第二の部分420は、第二の部分420の遠位端423から第二の部分420の近位端421まで延びる、通路430の第二の部分を画定する。通路430の第一の部分410は、例えば空気などの流体が、エアロゾル発生物品100の近位端101に陰圧が加えられた時、内側長軸方向通路430のこの第一の部分410を加速して通るように、第一の部分410の遠位端413から近位端411に移動する圧縮された断面積を有する。内側長軸方向通路430の第一の部分410の断面積は、第一の部分410の遠位端413から近位端411に向かって狭くなる。内側長軸方向通路430の第二の部分420は、流体ガイド400の第二の部分420の遠位端423から近位端421に向かって拡大する断面積を有する。内側長軸方向通路430の第二の部分420において、流体は減速しうる。
【0309】
ラッパー110は、エアロゾル発生物品100の開放した近位端101および遠位端103を画定する。活性剤(図示せず)を含むゲルを含む管状要素500は、エアロゾル発生物品100の遠位端103に配置される。エアロゾル発生物品100は、その最遠位端103に端部プラグ600を備える。端部プラグ600は管状要素500の遠位側に位置付けられる。端部プラグ600は吸込みに対して高抵抗の材料を含み、このゆえに陰圧がエアロゾル発生物品100の近位端101に加えられた時、開口部150を通してエアロゾル発生物品100に入るように流体を付勢する。管状要素500から発生したまたは放出されたエアロゾルは活性剤を含み、加熱時、管状要素500から下流のエアロゾル発生物品のくぼみ140に入り、内側長軸方向通路430を通って運ばれる。
【0310】
開口部150は、ラッパー110を貫通する。少なくとも一つの開口部150は、流体ガイド400の外表面とラッパー110の内部表面との間に形成される外側長軸方向通路440と連通する。開口部150と近位端101との間の位置で、流体ガイド400とラッパー110との間にシールが形成される。
【0311】
陰圧がエアロゾル発生物品100の近位端101に加えられた時、流体は開口部150に入り、外側長軸方向通路440を通ってくぼみ140内へ、そして活性剤を含むゲルを含む管状要素500が加熱されると流体がエアロゾルを取り込む、活性剤を含むゲルを含む管状要素500へと流れる。流体はその後、内側長軸方向通路430を通って、エアロゾル発生物品100の近位端101を通って流れる。流体が内側長軸方向通路430の第一の部分410を通って流れると、流体が加速する。流体が内側長軸方向通路430の第二の部分を通って流れると、流体が減速する。図示された実施形態では、ラッパー110は、流体ガイド400の近位端401と物品100の近位端101との間の近位のくぼみ130を画定し、それは口側の端101を出る前に流体を減速させるのに役立ちうる。
【0312】
図4は、ラッパー110および流体ガイド400を含むエアロゾル発生物品100の別の実施形態を図示する。
【0313】
流体ガイド400は、近位端401、遠位端403、および遠位端403から近位端401への内側長軸方向通路430を有する。内側長軸方向通路430は、第一の部分410、第二の部分420、および第三の部分435を有する。第一の部分410は、第二の420および第三の435部分の間にある。第一の部分410は、第一の部分410の遠位端413から第一の部分410の近位端411まで延びる、内側長軸方向通路430の第一の部分を画定する。第二の部分420は、第二の部分420の遠位端423から第二の部分420の近位端421まで延びる、内側長軸方向通路430の第二の部分を画定する。第三の部分435は、第三の部分の遠位端433から第三の部分の近位端431まで延びる、内側長軸方向通路430の第三の部分を画定する。第三の部分435は、近位端431から遠位端433へ実質的に一定の内径を有する。内側長軸方向通路430の第一の部分410は、流体が、エアロゾル発生物品100の近位端101に陰圧が加えられた時、内側長軸方向通路430のこの第一の部分410を加速して通るように、第一の部分410の遠位端413から近位端411に移動する縮小された断面積を有する。内側長軸方向通路430の第一の部分410の断面積は、第一の部分410の、遠位端413から近位端411に向かって狭くなる。内側長軸方向通路430の第二の部分420は、内側流体通路430の第二の部分420の遠位端423から近位端421に向かって拡張する断面積を有する。内側長軸方向通路430の第二の部分420において、流体は遠位から近位の方向に移動するとき、減速しうる。
【0314】
図3に示す物品100と同様に、図4に示す物品は、開放された近位端101および遠位端103を画定するラッパー110を含み、高い引き出し抵抗の端部プラグ600を備える。活性剤を含むゲルを含む管状要素500は、エアロゾル発生物品の遠位端103に配置される。活性剤を含むゲルから放出されたエアロゾルは、加熱時、エアロゾル発生物品110のくぼみ140に入り、内側長軸方向通路430を通って運ばれる。
【0315】
図4には示されていないが、エアロゾル発生物品100は、ラッパー110を通って延び、流体ガイド400の外表面とラッパー110の内表面との間に形成された外側長軸方向通路440と連通している少なくとも一つの開口部(図3に示される開口部150など)を含む。開口部と近位端101との間の位置で、流体ガイド400とラッパー110との間にシールが形成される。シールは流体不透過性である必要はないが、ここでのシールは、管状要素500に向かって遠位方向の外側長軸方向通路に沿って開口部150に入る流体を付勢するために、高い引き出し抵抗またはある程度の不透過性を有することが有利である。流体ガイド400の第三の部分435は、流体ガイド400および外側長軸方向通路440の長さに延びて、開口部(図4には図示しないが、内側長軸方向通路の近位端401に近接して位置しうる)と、活性剤を含むゲルを含む管状要素500との間に追加の距離を提供し、開口部150を通って活性剤を含むゲルが漏出しにくくしている。
【0316】
図4に示すエアロゾル発生物品100の近位端101で陰圧が加えられた時、流体は開口部150に入り、外側長軸方向通路440を通ってくぼみ140内へ、そして活性剤を含むゲルを含む管状要素500へと流れ、活性剤を含むゲルが加熱されると、流体が材料を取り込む可能性がある。流体はその後内側長軸方向通路430を通って、エアロゾル発生物品の近位端101を通って流れる。流体が内側長軸方向通路430を通って流れるとき、流体は、エアロゾル発生物品100の第三の部分435、第一の部分410、次いで第二の部分420を通って流れる。流体が内側長軸方向通路430の第一の部分410を通って流れると、流体が加速する。流体が内側長軸方向通路430の第二の部分420を通って流れると、流体が減速する。代替的な特定の実施形態では、内側長軸方向通路430の第二の部分420および第三の部分435は任意である。図示された実施形態では、ラッパーは、流体ガイド400の近位端401と物品100の近位端101との間の近位のくぼみ130を画定し、それは近位端101を出る前に流体を減速させるのに役立ちうる。
【0317】
図5および図6は、ラッパー110、端部プラグ600、活性剤を含むゲルを含む管状要素500、近位くぼみ130、くぼみ140、および流体ガイド400を含む、エアロゾル発生物品100の追加の実施形態を示す。流体ガイド400は、近位端401、遠位端403、および遠位端403から近位端401への内側長軸方向通路430を有する。内側長軸方向通路430は、第一の部分410および第三の部分435を有する。第一の部分410は、第一の部分410の遠位端413から第一の部分410の近位端411まで延びる、内側長軸方向通路430の第一の部分410を画定する。第三の部分435は、第三の部分435の近位端433から第三の部分435の遠位端431まで延びる、内側長軸方向通路430の第三の部分を画定する。第三の部分435は、近位端433から遠位端431へ実質的に一定の内径を有する。
【0318】
図5において、内側長軸方向通路430の第一の部分410は、第一の部分410の遠位端413から近位端411まで実質的に一定の内径を有する。第一の部分410における内側長軸方向通路430の内径は、第三の部分435における内側長軸方向通路430の内径よりも小さい。第三の部分435に対して第一の部分410における内側長軸方向通路430の限定された内径は、流体が第三の部分435から第一の部分410に流れるとき、流体を加速させうる。
【0319】
図6において、流体ガイド400の第一の部分410は、段付き内径で、複数のセグメント410A、410B、410Cを含む。最も遠位のセグメント410Aは最大の内径を有し、最も近位のセグメント410Cは、最小の内径を有する。流体が内側長軸方向通路430を通って第一のセグメント410Aから第二のセグメント401Bおよび第二のセグメント410Bから第三のセグメント410Cまで流れるとき、内側長軸方向通路430の断面積が、段差で縮小するので、流体が加速しうる。
【0320】
図5および図6の第一の部分410は、第一の部分410を形成するために使用される材料が容易に成形できない場合、有益でありうる構造の例を提供する。例えば、第一の部分410または第一の部分410のセグメント410A、410B、410Cは、酢酸セルローストウから形成されうる。対照的に、図3および図4に示される流体ガイド400の第一の部分410は、例えば、第一の部分が、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成される場合など、第一の部分410を形成するために使用される材料が成形可能である場合、有益でありうる構造の例を提供する。
【0321】
図3および図4に示されるエアロゾル発生物品100と同様に、図5および図6に示されるエアロゾル発生物品は、開放された近位端101および端部プラグ600を有する遠位端103を画定するラッパー110を含み、端部プラグ600は、高い引き出し抵抗を有する。これらの実施例では、活性剤を含むゲル124を含む管状要素500は、エアロゾル発生物品100の遠位端103に配置される。活性剤を含むゲル124を含む管状要素500から放出されたエアロゾルは、加熱時、エアロゾル発生物品100のくぼみ140に入り、内側長軸方向通路430を通って運ばれる。
【0322】
図5および図6には示されていないが、エアロゾル発生物品100は、ラッパー110を通って延び、流体ガイド400の外表面とラッパー110の内表面との間に形成された外側長軸方向通路440と連通している少なくとも一つの開口部(図3に示される開口部150など)を含む。一つまたは複数の開口部150と近位端101との間の位置で、流体ガイド400とラッパー110との間にシールが形成される。これは、開口部150から入る流体を、管状要素500の外側長軸方向通路440に沿って、または遠位方向に付勢するのに役立つ。内側長軸方向通路430の第三の部分435は、とりわけ、流体ガイド400および外側長軸方向通路440の長さに延びて、開口部150(図5および図6には図示されていないが、外側長軸方向通路440の近位端に近接して位置しうる)と、活性剤を含むゲル124を含む管状要素500との間に追加の距離を提供し、開口部150を通って活性剤を含むゲル124が漏出しにくくするのに役立つ。
【0323】
図5および図6に示すエアロゾル発生物品100の近位端101で陰圧が加えられた時、流体は開口部150に入り、外側長軸方向通路440を通ってくぼみ140内へ、そして活性剤を含むゲル124を含む管状要素500へと流れ、管状要素500加熱されると、流体がゲルからの材料を取り込む可能性がある。流体はその後内側長軸方向通路430を通って、近位端101を通って流れる。流体が内側長軸方向通路430を通って流れるとき、流体は、エアロゾル発生物品100の第三の部分435、次いで第一の部分410を通って流れる。流体が内側長軸方向通路430の第一の部分410に流れ込むとき、内側長軸方向通路430は、第一の部分410における内側長軸方向通路430の内径が第三の部分435におけるものよりも小さいので、加速しうる。図6に示すエアロゾル発生物品100では、流体が、第一の部分410の各セグメント410A、410B、410Cを通過するとき、加速しうる。
【0324】
図4および図5に示す実施形態では、ラッパーは、流体ガイド400の近位端401とエアロゾル発生物品100の近位端101との間にくぼみ130を画定し、これは、近位端101から出る前に、流体ガイド400の近位端401で内側長軸方向通路430を出る流体を減速する役割を果たしうる。
【0325】
図7図8は、エアロゾル発生物品100の一実施形態を図示する。エアロゾル発生物品100は、ラッパー110およびラッパー110を通る開口部150を含む。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品100の遠位端103を形成する端部プラグ600を含む。端部プラグは、高い引き出し抵抗を有する。活性剤を含むゲルを含む管状要素500は、エアロゾル発生物品100の端部プラグ600の近位側に配置される。加熱されると、管状要素500は、管状要素500の近位側にあるくぼみ140に入るエアロゾルを形成しうる。
【0326】
図7は、管状のエアロゾル発生物品100の側面図を示す。近位端101または遠位端103のいずれかの面を見る場合、端面は円形となるであろう。図7は、二次元図面であり、従って、管状のエアロゾル発生物品の湾曲は見えない。図8は、図7によって示され、説明されるのと同じ実施形態の部分的に切断された斜視図である。部分的に塞がれているが、遠位端の面は円形であることが分かる。部分的に切断されているが、近位端101の面も円形であることが分かる。また、図8から、管状要素500が管状形状であることが分かる。また、図8から、本実施形態について、端部キャップ600も管状形状であることが分かる。
【0327】
開口部150の少なくとも一つは、流体ガイド400とラッパー110との間、および側壁450の間に形成される少なくとも一つの外側長軸方向通路440と連通している。流体ガイド400は、シールを形成するために、ラッパー110の内部表面に対して押し付けるリム460を有する。シールは近位端101と開口部150との間に形成される。
【0328】
陰圧が近位端101に加えられると、流体、例えば、空気は、開口部150に入り、外側長軸方向通路440を通ってくぼみ140に流れ、その後、ゲル124からの材料が流体中に放出される管状要素500を通って流れることができる。次いで、流体は、内側長軸方向通路430を通って流体ガイド400を通り、ラッパー110によって画定されるくぼみ130内へと移動し、エアロゾル発生物品100の近位端101を通って(かつ出口に)移動する。流体ガイド400の内側長軸方向通路430は、図3~6に示す実施例など、任意の適切な様式で構成されてもよい。
【0329】
図9~10は、ラッパー110の一部分を形成するマウスピース170およびエアロゾル発生物品100の流体ガイド400を含む、エアロゾル発生物品100の一実施形態を図示する。エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生物品100の遠位端103を形成し、ラッパー110の一部によっても形成される管状要素500を含む。管状要素500は、締まり嵌めなどによって、マウスピース170の遠位部分によって受容されるように構成される。活性剤(図示せず)を含むゲル124を含む管状要素は、遠位端103に配置されてもよい。エアロゾル発生物品100は、最遠位端103に端部プラグ600を備える。端部プラグ600は、高い引き出し抵抗を有する。
【0330】
図9は、管状のエアロゾル発生物品100の切断側面図の一部を示す。近位端101または遠位端103のいずれかの全面を見る場合、端面は円形となるであろう。図9は、二次元図面であり、従って、管状のエアロゾル発生物品の湾曲は見えない。図10は、図9によって示され、説明されるように、エアロゾル発生物品100の一部である、同じ部分切断物の部分的に切断された斜視図である。部分的に塞がれているが、遠位端の面は円形であることが分かる。部分的に切断されているが、近位端101の面も円形であることが分かる。また、図10から、管状要素500が管状形状であることが分かる。また、図10から、本実施形態について、端部キャップ600も管状形状であることが分かる。
【0331】
流体ガイド400は、流体を加速する一部分を含む内側長軸方向通路430(図示せず)を含み、流体を減速する一部分を含みうる。ラッパー110および流体ガイド400が単一の部品から形成されるため、ラッパー110と流体ガイド400との間にシールが形成される。開口部150がラッパー110に形成され、ラッパー110の内表面によって少なくとも部分的に形成される外側長軸方向通路640と連通している。外側長軸方向通路640の一部分は、概して、ラッパー110の内表面と流体ガイド400の外部との間に形成される。外側長軸方向通路640は、物品100の周りの全距離よりも短く延びる。この実施形態では、外側長軸方向通路640は、エアロゾル発生物品100の円周の周りの距離の約50パーセントに延びる。外側長軸方向通路640は、流体、例えば、空気を、開口部150から遠位端103の近傍の管状要素500(図示せず)に向けて導く。
【0332】
陰圧が近位端101に加えられると、流体、例えば、周囲空気が、開口部150を通ってエアロゾル発生物品100に入る。流体は、外側長軸方向通路640を通って、遠位端103に配置された活性剤を含むゲル124を含む管状要素500に向かって流れる。次いで、流体は、流体ガイド400の内側長軸方向通路430を通って流れ、そこで流体は加速され、任意に減速される。次いで、流体、例えば空気は、エアロゾル発生物品100の近位端101を出てもよい。
【0333】
図11は、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工によるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料から形成された流体ガイド400の図である。図11に示される流体ガイド400は、25ミリメートルの長さ、6.64ミリメートルの近位端の外径、および6.29ミリメートルの遠位端の外径を有する。遠位端の外径は、側壁の基部からの遠位端の直径である。流体ガイド400は、その外部表面の周りに形成された12の外側長軸方向通路640を有し、各側壁は実質的に半円の横断断面積を有する。外側長軸方向通路640は、0.75ミリメートルの半径および20ミリメートルの長さを有する。流体ガイド400は、三つの部分、第一の部分(流体加速部分)、第一の部分の下流または近位にある第二の部分(流体減速部分)、および第一の部分の上流または遠位の第三の部分、を含む内側長軸方向通路430を有する。流体ガイド400の内側長軸方向通路430の第三の部分は、エアロゾル発生物品100の遠位端103から延び、内側長軸方向通路430の第一の部分の近位端で4.83ミリメートルの直径まで先細りする、5.09ミリメートルの遠位端での内径を有する。内側長軸方向通路の第一の部分の長さは、15ミリメートルである。内側長軸方向通路430の第一の部分は、第三の部分の近位端の遠位端から近位端まで延びる。内側長軸方向通路430の第一の部分は、その遠位端で2ミリメートルの内径を有し、近位端で1ミリメートルに縮小される。内側長軸方向通路の第一の部分の長さは、5.5ミリメートルである。内側長軸方向通路430の第二の部分は、第一の部分の近位端での遠位端から物品の近位端での近位端まで延びる。内側長軸方向通路430の第二の部分は、第一の部分の近位端での内径と同じである、その遠位端で1ミリメートルの内径を有する。第二の部分の内径は、5ミリメートルの内径を有する近位端に向かって、減少率で(曲線で)増加する。第二の部分の長さは4.5ミリメートルである。したがって、遠位端から近位端まで、流体ガイドの内部通路を通して吸引される流体は、実質的に一定の内径(第三の部分)、流体を加速するように構成された縮小セクション(第一の部分)、および流体を減速するように構成された拡張セクション(第二の部分)を有するチャンバーと遭遇する。加熱された管状要素500(図示せず)から放出されたエアロゾルにこのような内側長軸方向通路430を提供することによって、満足のいくエアロゾルが放出されるようにエアロゾル量および液滴サイズを制御できることが見出された。図11は、管状形状の流体ガイド400の側面図である。図11は、二次元図面であり、従って、本実施形態では、流体ガイド400の管状形状の湾曲は見えない。本実施形態の流体ガイド400の端面を見る場合、面は円形となるであろう。
【0334】
図12は、組み立てられたエアロゾル発生物品100の図である。エアロゾル発生物品100は、図11の流体ガイド400が挿入されるラッパー110を含む。図12に示されるラッパーは、45ミリメートルの長さを有する略円筒形の紙管である。ラッパー110の一方の端は遠位にあり、管状要素500(図示せず)を保持するためのラッパーの遠位端を提供する。外側長軸方向通路の上の流体ガイド400の外部の近位部分は、6.64ミリメートルの直径を有する。この直径は、流体ガイド400の外部の近位部分とラッパー110の内部との間に締まり嵌めシールが形成されうるように、ラッパーの内径と実質的に同一である。外側長軸方向通路の長さを延長する、流体ガイド400の外部の遠位部分は、流体ガイドが、締まり嵌めが行われる外部の近位部分までラッパー110に容易に挿入されうるように、流体ガイド400の外部の近位部分の直径よりわずかに小さい直径を有しうる。図12は、エアロゾル発生物品100の側面図である。図12は、二次元図面であり、従って、本実施形態では、エアロゾル発生物品100の管状形状の湾曲は見ることができない。本実施形態のエアロゾル発生物品100の端面を見る場合、面は円形となるであろう。
【0335】
図13は、図14、15および16にさらに図示されるゲル124を含む管状要素500を有して製造されたエアロゾル発生物品100を示す。図13は、エアロゾル発生物品100の長軸方向の断面切断図である。図13は、二次元図面であり、従って、流体ガイド100の管状形状の湾曲であり、および例えば、本実施形態では管状要素500などのその構成要素は見えない。本実施形態の、エアロゾル発生物品100の端面全体を見る場合、面は円形となるであろう。同様に、管状要素500の端面全体を見る場合、本実施形態の面は円形となるであろう。
【0336】
図13のエアロゾル発生物品100は、同軸アライメントで配置された四つの要素:遠位端103に高い引き出し抵抗(RTD)の端部プラグ600、ゲル124含む管状要素500、流体ガイド400、および近位端101にマウスピース170を備える。これらの四つの要素は連続して配置され、ラッパー110によって囲まれ、エアロゾル発生物品100を形成する。(類似であるが代替的な実施形態では、流体ガイド400と管状要素500との間にくぼみ140がある。)エアロゾル発生物品100は、近位端または口側の端101、および近位端101からエアロゾル発生物品100の反対側の端に位置する遠位端103を有する。管状要素500のすべての構成要素が、必ずしも図13に示されるわけでも、標識されるわけでもない。
【0337】
使用時に、陰圧が近位端101に加えられた時、流体、例えば空気は、開口部150(図示しないが、図1~10の実施例に記載したものと類似している)を介して、エアロゾル発生物品100を通って吸引される。
【0338】
端部プラグ600は、エアロゾル発生物品100の最遠位端103に位置する。
【0339】
この例では、管状要素500は、端部プラグ600のすぐ下流に位置し、端部プラグ600に隣接する。
【0340】
図9では、エアロゾル発生物品100の外側ラッパー110の遠位端部分は、チッピングペーパーの帯によって囲まれる(図示せず)。
【0341】
図14図15および図16にさらに示すように、管状要素500は、コアにゲル124を含む酢酸セルロース管122であり、例えば、コアはゲル124で充填される。この例では、ゲル124は活性剤を含み、活性剤はニコチンおよびエアロゾル形成体である。本実施例に類似した他の実施例は、異なる活性剤を含むか、または全く含まない。図14、15および16の管状要素500の全ての構成要素が、必ずしも示されるわけでも、標識されるわけでもない。
【0342】
図14は、管状要素500の斜視図を示し、図15は、管状要素500の中心軸と平行な断面図を示し、図16は、中心軸に垂直な断面図を示す。
【0343】
管状要素500は、エアロゾル発生物品100の遠位端103にエアロゾル発生物品100(図13)内に配置され、その結果、管状要素500は、エアロゾル発生装置200の発熱体によって貫通され、本実施例の発熱体は、端部プラグ600(エアロゾル発生物品100の最遠位端103)を貫通して、ゲル124を含む管状要素500に接触することができる。したがって、発熱体はゲル124に接触するか、またはゲル124に近接している。図16は、管状要素500の端面を示す。
【0344】
ゲル124は、流体中に放出される活性剤、例えば、空気を含み、流体ガイド400の外側長軸方向通路(図示せず)に沿って開口部150から遠位端103の近くの管状要素500へ、次いで内側長軸方向通路430(図示せず)を介して近位端101へ流れる。この図示の例では、活性剤はニコチンである。任意選択で、ゲル124は、風味、例えばメントールをさらに含む。
【0345】
管状要素500は、可塑剤をさらに含んでもよい。
【0346】
流体ガイド400は、管状要素500のすぐ下流に位置し、管状要素500に隣接する。(類似であるが代替的な特定の例、例えば図24では、流体ガイド400と管状要素500との間にくぼみがあり、したがって、流体ガイドは管状要素と接触しない)。使用時に、ゲル124を含む管状要素500から放出される材料は、流体ガイド400に沿って、エアロゾル発生物品100の近位端101に向かって通過する。
【0347】
図13の例では、マウスピース170は、流体ガイド400のすぐ下流に位置し、流体ガイド400に隣接する。図13の例では、マウスピース170は、低濾過効率の従来の酢酸セルローストウフィルターを含む。
【0348】
エアロゾル発生物品100を組み立てるために、上述の四つの要素は外側ラッパー110内で整列され、しっかりと巻かれる。図13では、外側ラッパーは、従来の紙巻たばこ用紙である。
【0349】
管状要素500は、例えば、図17に示すように、押出プロセスによって形成されてもよい。管状要素500の酢酸セルロース122の長軸方向側面は、酢酸セルロース材料を、押し出された酢酸セルロース材料の移動Tの方向に対して後方に突出する、ダイ184に沿って、およびマンドレル180の周りに押し出すことによって形成されうる。マンドレル180の後方突出部は、ピンのように形状付けられ、長さ55~100ミリメートルの長さで、3~7ミリメートルの外径を有する円筒形部材である。(説明を補助するために、図には縮尺を示していない)。
【0350】
この実施例では、セルロースアセテート材料122は、1バールを超える圧力にある蒸気Sへの曝露による熱硬化性である。
【0351】
マンドレル180には、導管182が設けられ、それに沿ってゲル124が、本実施例の管状要素500の長軸方向側面を形成する、硬化酢酸セルロース材料122のコア内に押し出される。他の実施例では、酢酸セルロース材料122は、ゲル124を酢酸セルロース材料122のコア内に押し出す前に熱硬化される。
【0352】
複合円筒形ロッドは、ある長さに切断され、個々の管状要素500を形成する。
【0353】
複合円筒形ロッドは、この実施例では熱間押し出しプロセスによって形成される。複合円筒形ロッドは、ある長さに加工する前に冷却されるか、または冷却プロセスに供される。あるいは、他の実施例では、複合円筒形ロッドは、冷間押し出しプロセスによって形成されてもよい。
【0354】
この実施例の図示した管状要素500では、酢酸セルロース122は、コアを備えた管状要素500の長軸方向側面として示され、コアはゲル124で充填される。しかしながら、代替的に他の実施例では、酢酸セルロース122の長軸方向側面は、管状ロッドに沿って概して延びるゲル124を受容するためのコア(または複数のコア)を備えた任意の形状を有してもよい。代替的な特定の実施例では、コアは、ゲルを装填された多孔質媒体125で充填される。
【0355】
本実施例では、管状要素の酢酸セルロース122の長軸方向側面は、0.6ミリメートルの最小の厚さを有する。
【0356】
図17に図示した製造プロセスでは、ゲル124が連続的に押し出される。
【0357】
図18に示すような代替的な実施例では、ゲル124は、図18に示すように、ギャップ128によって分離され、バーストで押し出されてもよい。代替的な特定の実施例では、ゲルを装填された多孔質媒体125は、管状ロッドのコアに分離ギャップを有するように、バーストで押し出される。
【0358】
ゲル124は、マンドレル180に注入する前に室温を超えて加熱されてもよい。マンドレル180は、熱伝導性であってもよく(例えば、金属マンドレル)、いくらかの外部から加えられた熱(例えば、蒸気Sからの)が、酢酸セルロースを熱硬化させるために加えられてもよい。これは、熱エネルギーをゲルに伝達し、ゲルを加熱することにより、その粘度を減少させ、その押し出しを容易にすることができる。
【0359】
図19に示すような代替的な特定の実施例では、マンドレル180は、押し出す前のゲル124の加熱を減少させるように構成される。一部のこれらの特定の実施例では、マンドレル180は、実質的に断熱性の材料から形成される。代替的に、または追加的に、マンドレル180は、例えば、外部から加えられた熱(例えば、蒸気S)とゲル124との間の熱バリアを形成する冷却された液体の循環層を有する、液体冷却ジャケット186(例えば、水冷却ジャケット)を有することによって冷却される。ゲル124を低温に維持することは、管状要素500の酢酸セルロース122の長軸方向側面内にゲル124を成形することを容易にしうる。
【0360】
この実施例では、管状要素500は、複合ロッドのギャップ128を切断することによって形成され、これは、ゲル124による切断機械の汚染の防止を助け、それによって切断性能を改善する。この実施例では、複合ロッドは、切断前に、切断に適した温度に達するまで一定期間の休止によって冷却される。切断後、ギャップ128内で切断された場合、切断された長さは中空端部を有し、一部の実施例では、管状要素を形成するために、エアロゾル発生物品100への組立前にトリミングされる。この実施例では、ゲル124のバーストは、長さ60ミリメートルであり、10ミリメートルのギャップで分離される。他の実施例では、ゲル124と流体ガイド400との間にくぼみ140を形成するために、中空端部は両端でトリミングされない。
【0361】
あるいは、本明細書に示されている実施例に対して、特定の実施例では、ゲル124は室温で押し出されてもよい。また、代替的に特定の実施例では、酢酸セルロースは、例えばポリ乳酸などの他の材料で置換される。
【0362】
図20は、上述および図13に図示するように、部分的に挿入されたエアロゾル発生物品100を有するエアロゾル発生装置200の一部分を示す。
【0363】
エアロゾル発生装置200は発熱体230を備える。図20に示す通り、発熱体230は、エアロゾル発生装置200のエアロゾル発生物品100受容チャンバー内に据え付けられる。使用時に、図20に示す通り、発熱体230が、端部プラグ600を介してエアロゾル発生物品100の管状要素500の中に挿入されるように、エアロゾル発生装置200のエアロゾル発生物品受容チャンバーの中にエアロゾル発生物品100が挿入される。図20では、エアロゾル発生装置200の発熱体230は、ヒーターブレードである。
【0364】
エアロゾル発生装置200は、発熱体230を作動させることができる電源および電子機器を備える。このような作動は、手動でもよく、またはエアロゾル発生装置200のエアロゾル発生物品受容チャンバーの中に挿入されるエアロゾル発生物品100の近位端で加えられる陰圧に応答して自動的に起きうる。複数の開口が、エアロゾル発生装置に提供されて空気がエアロゾル発生物品100に流れるのを可能にし、例えば、エアロゾル発生装置200に流れる流体の方向は、図20に矢印によって図示されている。次いで、流体は、図示されていない開口部150を介してエアロゾル発生物品100に入ることができる。
【0365】
内部発熱体230が、エアロゾル発生物品100の管状要素500に挿入され、作動すると、活性剤を含むゲル124を含む管状要素500は、エアロゾル発生装置200の発熱体230によって摂氏375度の温度まで加熱される。この温度で、エアロゾル発生物品100の管状要素500からの材料はゲルを離れる。陰圧が、エアロゾル発生物品100の近位端101に加えられるとき、管状要素500からのこの材料は、エアロゾル発生物品100を通って下流に吸引され、特に、流体ガイド400を通って、近位端に向かって、かつエアロゾル発生物品100の近位端101から外へと吸引される。
【0366】
エアロゾルがエアロゾル発生物品100を下流へと通過するにつれ、エアロゾルの温度は、エアロゾルから流体ガイド400への熱エネルギーの伝達のため低下する。この実施例では、エアロゾルが流体ガイド400に入る時、エアロゾルの温度は摂氏約150度である。流体ガイド400内の冷却により、エアロゾルが流体ガイド400から出る際の温度は、摂氏40度である。これは、エアロゾル液滴の形成につながる。
【0367】
図20の図示した実施例では、管状要素500は、円筒形ロッドの長軸方向側面122を形成する酢酸セルロースを含み、ゲル124は管状要素500のコアまたは中心部分にある。代替的に他の特定の実施例では、管状要素500の長軸方向側面は、厚紙、捲縮耐熱紙もしくは捲縮パーチメント紙などの捲縮紙、またはポリマー材料、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)であってもよい。
【0368】
図14図15図16では、管状要素500は、単一のゲル124を備えた単一のコアを有し、ゲル124はコアを充填し、管状要素500の長軸方向側面に沿って酢酸セルロースに囲まれている。しかしながら、代替的な特定の実施例では、管状要素500は、複数のコアを備える。特定の実施形態では、管状要素は、複数のゲル124を含む。図14、15および16の管状要素500の全ての構成要素が、必ずしも示されるわけでも、標識されるわけでもない。
【0369】
図21の実施例に示すように、管状要素500は、図21の断面に示すように、管状要素500のコアの軸の長さに沿って延びる複数のゲル524A、524Bを含む。この図21の実施形態では、管状要素500は、セルロースアセテート長軸方向側面522、622、722を含む。管状要素500の全ての構成要素が、必ずしも図21の実施形態に示されるわけでも、標識されるわけでもない。
【0370】
複数のゲル524A、524Bは、管状要素500のコアを形成するマンドレル(図示せず)内の別個の導管を介して、酢酸セルロース522内に押し出されてもよい。異なる揮発性を有するゲル124の使用は、活性剤の送達の最適化を容易にしうる。
【0371】
図22に示す実施例では、管状要素500は、酢酸セルロース長軸方向側面622を備え、管状要素500は、図22の断面に示すように、複数のコア624A、624B、624Cを追加的に備える。
【0372】
管状要素500の全ての構成要素が、必ずしもこの図22の実施形態に示されるわけでも、標識されるわけでもない。
【0373】
この特定の実施例では、図22に示すように、複数のコアに異なるゲル624A、624B、624Cが提供され、ゲルは、異なる活性剤、例えば、異なるニコチンおよび風味を有する。異なる揮発性を有するゲルの使用は、有効な成分の送達、特にエアロゾル発生装置の加熱サイクルの経時的な送達の最適化を容易にしうる。
【0374】
他の特定の実施例(図示せず)では、複数のコア624A、624B、624Cの各々に、同じゲル124(図示せず)が提供される。複数のコアの使用により、管状要素500を通る気流性能の最適化が容易になる。
【0375】
複数のコアは、押し出された酢酸セルロース材料の移動方向Tに対して後方に延びる対応する複数の突出部を有するマンドレル(図示せず)の使用によって形成されうる。ゲルは、複数の後方に延びるマンドレル突出部内のそれぞれの導管を通して押し出されてもよい。
【0376】
図14図15図16では、管状要素500は、コアをゲル124で充填した酢酸セルロース122の長軸方向側面を備える。しかしながら、代替的に、他の特徴と組み合わせた特定の実施例では、管状要素500のコアは、軸の長さに対して垂直な断面にわたってゲル124で部分的にのみ充填されている。有利なことに、これは、管状要素500の長さを通る軸気流を促進する。例えば、図23に示すように、ゲル724は、管状要素500の長軸方向側面の内面上にコーティングとして提供されてもよい。管状要素500の全ての構成要素が、必ずしも図23の実施形態に示されるわけでも、標識されるわけでもない。
【0377】
この図示する実施例では、管状要素500は、製造中にゲル724が管内に押し出され、押し出されたゲル724内に中空導管を形成する、さらに下流に延びる中央ロッドを有するマンドレル(図示せず)の使用によって、その長さに沿って軸方向に延びる中空導管726を有する。
【0378】
図20は、エアロゾル発生装置200のブレード様発熱体230で使用されるエアロゾル発生物品100を示すが、管状要素500は、代替的に、異なる方法で加熱される他のエアロゾル発生物品100に使用されうる。
【0379】
例えば、図24は、誘導加熱、ならびにブレード様発熱体で加熱するのに好適なエアロゾル発生物品100の一例の切り取り図を示す。図24は、本発明の管状要素での使用に適した、エアロゾル発生物品100の実施例を示す。図24は、管状のエアロゾル発生物品および例えば、管状要素500などの、その構成要素の断面切断図であり、管状形状の湾曲は示されない。管状要素500の全ての構成要素が、必ずしもこの図24に必ずしも示されるわけでも、標識されるわけでもない。
【0380】
図24の実施例では、エアロゾル発生物品100は、近位端101にマウスピース170、流体ガイド400、くぼみ700、管状要素500、および端部プラグ600を、近位から遠位の順序で含む。この実施例では、管状要素500は、活性剤を含むゲル824を含み、サセプタをさらに含む(両方共図示せず)。この実施例のサセプタは、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置する単一のアルミニウム細片である。エアロゾル発生物品100の遠位端103をエアロゾル発生装置200(図示せず)に挿入すると、管状要素500を備えるエアロゾル発生物品100の一部分は、エアロゾル発生装置200(図示せず)の誘導発熱体230(図示せず)に近接するように位置付けられる。誘導発熱体230によって生成される電磁放射は、サセプタによって吸収され、管状要素500内のゲル824の加熱を補助し、次に、ゲル824からの材料の放出を補助し、例えば、エアロゾル発生物品100の近位端101に陰圧が加えられる時に、活性剤が通過するエアロゾル内に混入される。流体、例えば空気は、開口部150(図示せず)を介して外側長軸方向通路834に入り、くぼみ700、次いで管状要素500に移動し、ここで流体はゲル824と混合し、活性剤を混入してから、くぼみに戻り、次に流体ガイド400の内側長軸方向通路(図示せず)を介して近位端101で出る。この実施例では、管状要素500の長軸方向側面822は紙を含む。エアロゾル発生物品は、外側ラッパー850を備える。図24に図示され、かつ記載されるこのエアロゾル発生物品100は、図1~2に図示され、かつ記載されるように、エアロゾル発生装置200と共に使用することができる。図16のエアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生装置200からの誘導によって加熱されることが好ましい。
【0381】
管状要素500は、特に、ゲル124、ゲルを装填された多孔質媒体125、活性剤、内側長軸方向要素、空隙、充填材料(好ましくは多孔性)、およびラッパーの多数の異なる組み合わせを有しうる。所望のエアロゾルは、その成分の特定の組み合わせおよび配置によって生成されうる。
【0382】
例:
図25は、管状要素500が、ラッパー110、第二の管状要素115、ゲル124を含む第二の管状要素115、紙ラッパーを含む第二の管状要素115を備え、第二の管状要素が管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、多孔性フィラー材料132は、第二の管状要素115とラッパー110との間に位置する一実施例を示す。多孔性フィラー材料132は、管状要素500内に第二の管状要素を中央で保持するのに役立つ。この実施例のゲル124は、第二の管状要素115の中央部分内に位置する。
【0383】
図26は、管状要素500が、ラッパー110、ゲル124を含む第二の管状要素115、紙ラッパーを含む第二の管状要素を備え、第二の管状要素が管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、ゲル124は、第二の管状要素115とラッパー110との間に位置する一実施例を示す。第二の管状要素115とラッパー110との間に位置するゲルは、管状要素500内で第二の管状要素115を中央で保持するのに役立つ。この実施例のゲル124は、第二の管状要素115の中央部分内、ならびに第二の管状要素115とラッパー110との間に位置している。
【0384】
図27は、管状要素500が、ラッパー110、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む内側長軸方向要素を備え、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む内側長軸方向要素は、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、ゲル124は、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む内側長軸方向要素とラッパー110との間に位置する一実施例を示す。ゲル124は、管状要素500内に、ゲルを装填された多孔質媒体124を含む内側長軸方向要素を中央に保持するのを補助しうる。この実施例では、内側長軸方向要素は、その長軸方向断面において十字形状であり、内側長軸方向要素の一部分は、ラッパー110の内表面に接触する。他の実施例は、他の形状およびサイズの内側長軸方向要素を使用してもよく、したがって、必ずしもラッパー110の内表面と接触しなくてもよい。他の特定の実施例はまた、異なる材料の内長軸方向要素を使用し得る。
【0385】
図28は、管状要素500が、ラッパー110と、ゲル124を含む第二の管状要素115であって、第二の管状要素115は、紙ラッパーを含み、第二の管状要素は、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に配置されている、管状要素115と、第二の管状要素115とラッパー110との間に配置されたゲルを装填された多孔質媒体124とを含む、実施例を示す。この実施例では、ゲルを装填された多孔質媒体124は、管状要素500内に第二の管状要素115を中央で保持するのに役立つ。
【0386】
図29は、管状要素500が、ラッパー110、ゲルを装填された多孔質媒体125、およびゲル124を含み、ゲルを装填された多孔質媒体125が、ラッパー110の内表面に隣接し、ゲル124を囲んで位置する一実施例を示す。この実施例では、ゲル124およびゲルを装填装填された多孔質媒体125の両方がある。ゲルを装填された多孔質媒体125は、ラッパーの内表面をコーティングしているが、ゲルを装填された多孔質媒体125の形状が最初に形成され、次いでラッパー110によって包まれてもよい。この実施例では、ゲルを装填された多孔質媒体125は、ゲル124を囲んでおり、これは管状要素500の長軸方向軸に沿って中央で保持される。ゲルを装填された多孔質媒体は、ゲル125を中央位置に沿って保持することを支援しうる。
【0387】
図30は、管状要素500が、ラッパー110、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む第二の管状要素115、紙ラッパーを含む第二の管状要素115を備え、第二の管状要素115は、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、多孔性フィラー材料132は、第二の管状要素115とラッパー110との間に位置する一実施例を示す。多孔性フィラー材料132は、管状要素500内に第二の管状要素を中央で保持するのに役立つ。この実施例のゲルを装填された多孔質媒体125は、第二の管状要素115の中央部分内に位置する。この実施例では、第二の管状要素115の紙ラッパーは、ゲルを装填された多孔質媒体を囲む。
【0388】
図31は、管状要素500が、ラッパー110、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む第二の管状要素115を備え、第二の管状要素115は、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、第二の管状要素は、紙ラッパー、第二の管状要素115とラッパー110との間に位置する、ゲルを装填された多孔質媒体125をさらに含む、一実施例を示す。この実施例では、ゲルを装填された多孔質媒体125は、第二の管状要素115内、第二の管状要素とラッパー110との間の二つの位置にある。これらは、同じまたは異なる多孔質媒体、ゲル、または活性剤を有しうる。
【0389】
図32は、管状要素500が、ラッパー110、多孔性フィラー材料132を含む第二の管状要素115を備え、第二の管状要素115は、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、第二の管状要素115は、紙ラッパー、第二の管状要素115とラッパー110との間に位置する、ゲルを装填された多孔質媒体125をさらに含む、一実施例を示す。ゲルを装填された多孔質媒体は、管状要素500の長軸方向軸に沿って、第二の管状要素115を中央に保持するのを補助しうる。この実施例では、ゲルを装填された多孔質媒体125は、ラッパー110の内表面に隣接している。ゲルを装填された多孔質媒体125は、ラッパー110の内表面をコーティングしている。
【0390】
図33は、管状要素500が、ラッパー110、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む第二の管状要素115を備え、第二の管状要素115は、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、第二の管状要素115は、紙ラッパー、第二の管状要素115とラッパー110との間に位置する、ゲル124をさらに含む、一実施例を示す。この実施例では、ゲル124は、管状要素500の長軸方向軸に沿って、第二の管状要素115を中央に保持するのを補助しうる。この実施例では、ゲル124は、ラッパー110の内表面に隣接している。この実施例では、ゲルを装填された多孔質媒体124は、第二の管状要素115の紙ラッパーによって囲まれた、第二の管状要素115内に中央に位置する。
【0391】
図34は、管状要素500が、ラッパー110、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む内側長軸方向要素を備え、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む内側長軸方向要素は円筒形であり、管状要素500の長軸方向軸に沿って中央に位置し、ゲル124は、ゲルを装填された多孔質媒体125を含む内側長軸方向要素とラッパー110との間に位置する、一実施例を示す。ゲル124は、管状要素500内に、ゲルを装填された多孔質媒体124を含む内側長軸方向要素を中央に保持するのを補助しうる。この実施例では、内側長軸方向要素は、その長軸方向断面において円筒形の形状であり、ゲル124によってラッパー110の内表面から離れて保持される。他の実施例は、他の形状およびサイズ、ならびに材料の内側長軸方向要素を使用しうる。
【0392】
図35は、本発明によるエアロゾル発生物品100の例を示す。本実施例は、誘導による加熱に適しており、図35は、エアロゾル発生装置(図示せず)からの発熱体230を示す。発熱体230は、エアロゾル発生物品の外部にあるが、管状要素500の近傍にある。エアロゾル発生物品の遠位端103には端部プラグ600もある。端部プラグ600は、引き出し抵抗(RTD)が高く、高密度の酢酸セルロースを含む。端部プラグ600は、実質的に多孔質ではない。また、開口部150、および矢印による流体の流れの方向が図示される。周囲空気は、開口部150に進入し、管状要素500に向かって移動してもよく、その後、流体ガイド400を通って移動し、近位端101でエアロゾル発生物品100を出る。図示の実施例の開口部150は、レーザー穿孔された穴であり、近位端から22ミリメートルに位置する。本実施例の流体ガイドは、捲縮したポリ乳酸を含む。ラッパー110は、高多孔質プラグラップ紙である。しかしながら、耐水性である管状要素上に追加のラッパーがある。この特定の実施例では、流体ガイド400は約25ミリメートルの長さである。
【0393】
図36に示すように、開口部150は、レーザーユニット(図示せず)からの精密なレーザービーム555を使用して作られる。レーザービーム555の出力およびパルス数およびレーザーの焦点を調整することによって、所望の穴サイズおよび深さを、ラッパー110を通して、および流体ガイド400の側面を通して外側長軸方向通路440に得ることができる。レーザービーム555の深さ556を実施例に対し図36に図示する。この実施例では、レーザービーム55の深さ556は、約0.7ミリメートルである。これにより、レーザービームが、外側長軸方向通路440と内側長軸方向通路430との間のバリアを切断しないことを保証する。任意の数の開口部150を作製することができるが、この実施例では、エアロゾル発生物品の周囲の周りに均等に間隔を置いた、近位端から22ミリメートルの8つの開口部がある。
【0394】
図37は、流体ガイド400A、400Bおよび400Cの三つのセクションを示す、本発明の別のエアロゾル発生物品100を示す。
【0395】
図38~44は、本発明のさまざまな流体ガイド設計を示す。これらの設計は、要求される所望の流れに応じて、近位から遠位または遠位から近位に使用することができる。流体ガイドはまた、任意の他の流体ガイドと組み合わせて使用することができる。
【0396】
図38は、二つのセクション400Aおよび400Bを有する流体ガイド400を示し、両方のセクションは、互いと比較して断面積の急激な増加または減少を有する。
【0397】
図39は、通路の断面積の段階的な増加または減少を有する、流体ガイドの一つのセクション、または流体ガイド400の一つのセクションを示す。
【0398】
図40は、二つのセクションの流体ガイド400Aおよび400Bを示す。セクション400Aは、流体流れの方向に応じて、通路の断面積において漸進的な増加または減少を有する。セクション400Bは、その長さに沿って一定の断面積を有する。これは、エアロゾルの冷却を可能にする距離を与えうる。
【0399】
図41はまた、流体ガイド400、または、その長さに沿って一定の断面積を有する完全な流体ガイドのセクションを示す。しかしながら、図40のセクション400Bと比較して、図41の実施例の通路の断面積は、図40の実施例の通路の断面積よりもはるかに小さい。
【0400】
図42は、断面積に再び段階的な増加または減少がある、単一のセクションまたは完全な流体ガイドを示す。通路の断面積の段階的な増加または減少は、滑らかなエアロゾルの流れを可能にする。
【0401】
図43および図44は、全てが流体ガイドの長さに沿って一定の断面積を有する、複数の内側長軸方向通路430を示す。図43は、三つの内側長軸方向通路430を有し、図44は、二つの内側長軸方向通路430を有する。
【0402】
図45および図46は、サセプタ552を有する管状要素100の断面図を示す。図45の実施例では、サセプタ552は管状要素100の中央に位置する。サセプタ552は、長い薄いストリップとして現れ、サセプタ552の幅は、ラッパー110の下の管状要素100のほぼ内径である。サセプタ552は、管状要素100を、サセプタ552の両側のゲル124で縦方向に分割するようにみえる。
【0403】
図46の実施例では、サセプタ552は、ゲル124を囲むラッパー110の内側表面上にある。
【0404】
両方の実施例は、ゲル124に熱を移すことを可能にする。サセプタ552は、図45および46の両方の実施例で、ゲル124への熱伝達を支援する。
【0405】
本明細書で使用されるすべての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0406】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0407】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「または」という用語は概して、「および/または」を含む意味で用いられるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0408】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「備える(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0409】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0410】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0411】
上記に例示された実施形態は限定するものではない。上述の実施形態と一貫性のある他の実施形態が、当業者に明らかであろう。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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