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特許7579294自動入金処理装置、自動入金処理方法、および自動入金処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】自動入金処理装置、自動入金処理方法、および自動入金処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20241030BHJP
   G06Q 20/14 20120101ALI20241030BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q20/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022032016
(22)【出願日】2022-03-02
(65)【公開番号】P2023127995
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2024-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 就生
(72)【発明者】
【氏名】井上 遥
(72)【発明者】
【氏名】重松 佳典
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-133514(JP,A)
【文献】特開2013-065177(JP,A)
【文献】特開2003-271887(JP,A)
【文献】特開2017-182793(JP,A)
【文献】特開2011-118534(JP,A)
【文献】特開2006-085675(JP,A)
【文献】特開2007-102457(JP,A)
【文献】特開2006-323532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える自動入金処理装置であって、
グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金の充当ルールである入金キーを格納する入金キーマスタと、
前記グループ会社または複数拠点を有する会社毎に同一の入金キーを紐付けて格納する顧客情報データと、
債権契約の立替日、立替金、請求金額を含む情報を格納する債権情報データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記グループ会社または複数拠点を有する会社の前記債権契約の一括請求に対する前記管理会社からの入金情報を取得する入金情報取得手段と、
前記取得手段が取得した入金情報に基づき、前記顧客情報データおよび前記債権情報データを参照して、設定されている前記充当ルールに従い各債権の自動入金処理を行う自動入金処理手段と、
を備えることを特徴とする自動入金処理装置。
【請求項2】
顧客問い合わせ画面を表示する表示手段、
を備え、
前記顧客問い合わせ画面への入金キーの入力により、前記債権契約の入金額、利用残高の照会を可能とする請求項1に記載の自動入金処理装置。
【請求項3】
制御部を備える自動入金処理方法装置で実行される自動入金処理方法であって、
グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金の充当ルールである入金キーを格納する入金キーマスタと、
前記グループ会社または複数拠点を有する会社毎に同一の入金キーを紐付けて格納する顧客情報データと、
権契約の立替日、立替金、請求金額を含む情報を格納する債権情報データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させる
前記グループ会社または複数拠点を有する会社の前記債権契約の一括請求に対する前記管理会社からの入金情報を取得する入金情報取得ステップと、
前記取得手段が取得した入金情報に基づき、前記顧客情報データおよび前記債権情報データを参照して、設定されている前記充当ルールに従い各債権の自動入金処理を行う自動入金処理ステップと、
を含むこと、
を特徴とする自動入金処理方法。
【請求項4】
制御部を備える自動入金処理装置で実行される自動入金処理プログラムであって、
グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金の充当ルールである入金キーを格納する入金キーマスタと、
前記グループ会社または複数拠点を有する会社毎に同一の入金キーを紐付けて格納する顧客情報データと、
権契約の立替日、立替金、請求金額を含む情報を格納する債権情報データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記グループ会社または複数拠点を有する会社の前記債権契約の一括請求に対する前記管理会社からの入金情報を取得する入金情報取得ステップと、
前記取得手段が取得した入金情報に基づき、前記顧客情報データおよび前記債権情報データを参照して、設定されている前記充当ルールに従い各債権の自動入金処理を行う自動入金処理ステップと、
をコンピュータで実行することを特徴とする自動入金処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動入金処理装置、自動入金処理方法、および自動入金処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
別法人を含むグループ会社や、複数拠点を有する会社との間で個々に債権契約を行い、当該債権の請求についてグループ会社等の管理会社に対して一括して請求を行い、当該請求に対し管理会社から一括して入金されるケースがある。入金に対し債権の消込処理を行う必要があるが、取引先の性質により入金の充当ルールが異なるため、充当ルールを個別に確認しながら手動で入金消込処理を行っているが、非効率であり、作業ミスの要因となる。
【0003】
特許文献1では、所定の取引先との間の1又は複数の取引に係る請求を集計した合計請求金額と、当該請求先からの入金金額とを比較し、入金金額が請求金額以上の場合に請求金額に対する入金消込を行う自動入金処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-182793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のシステムでは、入金金額が請求金額以上の場合に請求金額に対する入金消込を行い、入金金額が請求金額を下回る場合には、入金消込が規制され、手動で個別に消込処理を行う必要があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、一括請求を行う法人ごとに入金キーを付与し、当該入金キーに紐づけられた充当ルールに基づき、請求金額と入金金額との大小にかかわらず、自動的に入金処理を行うことができる自動入金処理装置、自動入金処理方法、および自動入金処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る自動入金処理装置は、制御部を備える自動入金処理装置であって、グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金の充当ルールである入金キーを格納する入金キーマスタと、前記グループ会社または複数拠点を有する会社毎に同一の入金キーを紐付けて格納する顧客情報データと、債権契約の立替日、立替金、請求金額を含む情報を格納する債権情報データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記グループ会社または複数拠点を有する会社の前記債権契約の一括請求に対する前記管理会社からの入金情報を取得する入金情報取得手段と、前記取得手段が取得した入金情報に基づき、前記顧客データおよび前記債権情報データを参照して、設定されている前記充当ルールに従い各債権の自動入金処理を行う自動入金処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る自動入金処理装置は、顧客問い合わせ画面を表示する表示手段、を備え、前記顧客問い合わせ画面への入金キーの入力により、前記債権契約の入金額、利用残高の照会を可能とする。
【0009】
本発明に係る自動入金処理方法は、制御部を備える自動入金処理方法装置で実行される自動入金処理方法であって、グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金の充当ルールである入金キーを格納する入金キーマスタと、前記グループ会社または複数拠点を有する会社毎に同一の入金キーを紐付けて格納する顧客情報データと、前記債権契約の立替日、立替金、請求金額を含む情報を格納する債権情報データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記グループ会社または複数拠点を有する会社の前記債権契約の一括請求に対する前記管理会社からの入金情報を取得する入金情報取得ステップと、前記取得手段が取得した入金情報に基づき、前記顧客データおよび前記債権情報データを参照して、設定されている前記充当ルールに従い各債権の自動入金処理を行う自動入金処理ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0010】
本発明に係る自動入金処理プログラムは、制御部を備える自動入金処理装置で実行される自動入金処理プログラムであって、グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金の充当ルールである入金キーを格納する入金キーマスタと、前記グループ会社または複数拠点を有する会社毎に同一の入金キーを紐付けて格納する顧客情報データと、前記債権契約の立替日、立替金、請求金額を含む情報を格納する債権情報データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記グループ会社または複数拠点を有する会社の前記債権契約の一括請求に対する前記管理会社からの入金情報を取得する入金情報取得ステップと、前記取得手段が取得した入金情報に基づき、前記顧客データおよび前記債権情報データを参照して、設定されている前記充当ルールに従い各債権の自動入金処理を行う自動入金処理ステップと、をコンピュータで実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一括請求を行う法人ごとに入金キーを付与し、当該入金キーに紐づけられた充当ルールに基づき、入金金額の多寡にかかわらず、自動的に入金処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施の形態に係る自動入金処理装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、入金キーマスタ106aの一例を示す図である。
図3図3は、顧客情報データ106bの一例を示す図である。
図4図4は、同一の入金キーを付与する法人例を説明する図である。
図5図5は、債権情報データ106cの一例を示す図である。
図6図6は、入金データ106dの一例を示す図である。
図7図7は、債権情報データ106cの一例を示す図である。
図8図8は、本実施の形態に係る自動入金処理装置100の処理フローを説明する図である。
図9図9は、自動入金処理のフローを説明する図である。
図10図10は、顧客問い合わせ画面MAの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る自動入金処理装置、自動入金処理方法、および自動入金処理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.構成]
本実施形態に係る自動入金処理装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る自動入金処理装置100の構成の一例を示す図である。
【0015】
自動入金処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、自動入金処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0016】
自動入金処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。自動入金処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0017】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、自動入金処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、自動入金処理装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0018】
入出力インターフェース部108には、入力装置400および出力装置500が接続されている。出力装置500には、顧客問い合わせ画面MAを表示するモニタ(家庭用テレビを含む)に加え、スピーカやプリンタを含んでいてもよい。入力装置400には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置500をモニタ500とし、入力装置400をキーボード400またはマウス400として記載する場合がある。
【0019】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0020】
記憶部106は、例えば、入金キーマスタ106aと、顧客情報データ106bと、債権情報データ106cと、入金データ106d等が格納されている。
【0021】
入金キーマスタ106aは、グループ会社または複数拠点を有する会社毎の自動入金処理に関する充当ルールに関するマスタであり、図2に一例を示すように、入金キー、一部入金FLG、過剰入金FLG、先充当FLG、充当順パラメータ1、充当順パラメータ1の昇順/降順、充当順パラメータ2、充当順パラメータ2の昇順/降順等が格納されている。一部入金FLGは、請求した金額より入金が少ない場合、債権の一部に入金するか否かの判断に関するものであり、「0」は一部入金不可、「1」は一部入金可を示す。過剰入金FLGは、請求した金額より入金が大きい場合、債権に入金するか否かの判断に関するものであり、「0」は入金不可、「1」は入金可を示す。先充当FLGは、請求した金額より入金が大きい場合であって、過剰入金を可とする場合、余剰金を次月請求分に入金するか否かの判断に関するものであり、「0」は充当不可、「1」は充当可を示す。充当順パラメータは、一部入金や先充当が可の場合に、債権の充当の順番に関するものであり、充当順パラメータが立替日であれば、立替日の昇順または降順により充当し、立替金であれば、立替金額の昇順または降順により充当する。また、立替日、立替金以外の充当順パラメータとして、債権契約日、顧客にて任意に設定した区分、任意に設定した数値を採用することができる。入金キーマスタ106aは、顧客にて任意に設定した区分、任意に設定した数値について、汎用的な区分または数値を保持できる仕組みとなっており、顧客情報登録の際、登録した入金キーを登録できるものである。
【0022】
顧客情報データ106bは、債権契約を交わした会社の顧客データであって、図3に一例を示すように、顧客番号、顧客名、入金キー等を含む。顧客情報データ106bでは、債権請求を一括して行うグループ会社または複数拠点を有する会社毎に同一の入金キーが付与されている。図4は、同一の入金キーを付与する法人例を説明する図である。例えば、図4に示すように、株式会社〇〇〇航空(顧客番号901)と、株式会社〇〇〇航空サービス(顧客番号902)は、同じグループ会社に所属し、管理会社である株式会社〇〇〇航空にグループ会社に所属する会社の債権について一括して請求を行い、株式会社〇〇〇航空から一括して入金されるため、同じ入金キー101が付与されている。また、株式会社△△△東京本社(顧客番号903)と、株式会社△△△名古屋支店(顧客番号904)と、株式会社△△△福岡支店(顧客番号905)は、株式会社△△△の複数拠点であって、管理会社である株式会社△△△東京本社に複数拠点の債権について一括して請求を行い、株式会社△△△東京本社から一括して入金されるため、同じ入金キー102が付与されている。ここで、入金キー101は、一部入金FLG不可、過剰入金FLG不可、先充当FLG不可の充当ルールであり、入金キー102は、一部入金FLG可、過剰入金FLG可、先充当FLG可の充当ルールである。
【0023】
債権情報データ106cは、契約を有する債権情報に関するデータであり、図5に一例を示すように、顧客番号、枝番、顧客名、立替日、立替金、請求金額、充当順位、充当額等を含む。請求金額は、グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社に対する一括請求の金額、すなわち、グループ会社または複数拠点を有する会社の立替金の合計金額が格納されている。債権情報データ106cは、作成当初は、充当順位、充当額はゼロ又はNullであり、入金データが作成され、自動入金処理後、図7に示すように、充当順位、充当額が設定される。
【0024】
入金データ106dは、グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金に関するデータであり、図6に一例を示すように、顧客番号、入金額、入金キー等を含む。管理会社からの入金は、振込用のバーチャル口座や、バーコードキー等の返済方法に合わせたマッチング条件でどの顧客からの入金であるか判断され、入金に対して顧客番号および入金キーが紐づけられる。
【0025】
制御部102は、自動入金処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0026】
制御部102は、機能概念的に、入金情報取得部102a、自動入金処理部102bなどを備える。
【0027】
入金情報取得部102aは、グループ会社または複数拠点を有する会社の債権契約の一括請求に対するグループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社からの入金情報を取得し、入金データ106dを作成する。
【0028】
自動入金処理部102bは、入金情報取得部102aが取得した入金情報に基づき、顧客データ106bおよび債権情報データ106cを参照して、入金キーで設定されている充当ルールに従い各債権の自動入金処理を行う。
【0029】
[2.処理]
ここでは、自動入金処理装置100で実行される処理の具体例について、図2~10を参照して説明する。
【0030】
図8は、自動入金処理装置100の処理フローを説明する図である。自動入金処理装置100は、新たな会社と債権契約を交わした場合、図示しない入金キーマスタメンテ画面で、充当パラメータを登録し、当該充当パラメータに入金キーを紐づけた入金キーマスタ106aを設定登録する(ステップS-1)。
【0031】
その後、図示しない顧客情報登録画面で、契約した会社の顧客番号、顧客名、入金キーとを含む顧客情報データ106bを設定登録する(ステップS-2)。顧客がグループ会社または複数拠点を有する会社である場合、同じ入金キーが紐づけられる。
【0032】
売掛債権は、グループ会社または複数拠点を有する会社の管理会社に対し一括請求され、当該請求に対する入金が入金情報取得部102aにより確認されると、自動入金処理部102bが入金キーで紐づけられた充当パラメータに基づき、自動入金処理を行う(ステップS-3)。
【0033】
図9は、自動入金処理のフローを説明する図である。請求金額と入金額が一致する場合(ステップS-301:Yes)、入金キー単位で満額充当の自動入金処理を行う(ステップS-302)。請求金額と入金額が一致しない場合(ステップS-301:No)、請求金額より入金額が少ないか否かを判断する(ステップS-303)。請求金額より入金額が少ない場合(ステップS-303:Yes)、入金キーマスタ106aの一部入金FLGが「1」であるか否かを判断する(ステップS-304)。一部入金FLGが「1」、可である場合(ステップS-304:Yes)、入金キー単位で充当順に従って立替金の一部充当を行う(ステップS-305)。一部入金FLGが「0」、入金不可である場合(ステップS-304:No)、立替金の一部充当を行わず自動入金処理を終了する(ステップS-306)。
【0034】
請求金額より入金額が少なくない場合(ステップS-303:No)、請求金額より入金額が多いか否かを判断する(ステップS-307)。請求金額より入金額が多い場合(ステップS-307:Yes)、入金キーマスタ106aの過剰入金FLGが「1」であるか否かを判断する(ステップS-308)。過剰入金FLGが「1」である場合(ステップS-308:Yes)、先充当FLGが「1」であるか否かを判断する(ステップS309)。先充当FLGが「1」、可である場合(ステップS309:Yes)、今月分の立替金について満額の自動入金処理を行うとともに、過剰分を充当順に従い次月請求分に充当する(ステップS310)。先充当FLGが「0」、不可である場合(ステップS309:No)、今月分の請求分について満額の自動入金処理を行い、過剰分については預かり金として充当順の最後の債権に記録する(ステップS-311)。
【0035】
過剰入金FLGが「0」、不可である場合(ステップS-308:No)、今月分の立替金についても充当を行わず自動入金処理を終了する(ステップS-312)。
【0036】
例えば、図5に示す顧客番号901に対し、300,000円の請求を行い、図6に示すように300,000円入金されると、自動入金処理部102bは入金キー101の充当ルールで自動入金処理を行う。請求金額と入金額が一致するため、図7に示すように、顧客番号901および902の債権について立替金と同額の充当額が自動入金される。
【0037】
顧客番号903の入金キー102は、一部入金可、過剰入金可、先充当可の充当ルールであり、請求金額より入金額が少ない場合でも、自動的に一部入金処理が行われる。図5および図6に示すように、顧客番号903に対し、1,200,000円の請求を行い、1,000,000円入金された場合、充当ルールが一部入金可であるため、自動的に一部入金処理が行われる。入金キー102は、充当順パラメータ1は立替日、充当順パラメータ2は立替金額であるため、立替日が早く、立替金額が小さい債権から自動入金する。図7に示すように、顧客番号903、904、905の充当順位は、立替日が早く、立替金額が小さい順に1、2、3となる。充当順位が一番小低い顧客番号905が一部入金となる。
【0038】
自動入金処理後、図10に一例を示す顧客問い合わせ画面MAにより、入金キー単位で利用残高や入金額の照会を行う(ステップS-4)。図10では、入金キー102の顧客照会を行い、顧客番号905の債権が請求額より入金額が少なく、利用残高を有していることが確認できる。
【0039】
以上、本実施の形態によれば、一括請求を行う法人ごとに入金キーを付与し、当該入金キーに紐づけられた充当ルールに基づき、入金金額の多寡にかかわらず、自動的に入金処理を行うことができ、作業ミスなく自動的に入金消込処理を行うことが可能となる。また、顧客問い合わせ画面により、利用残高や入金額を照会できるため、債権の把握を容易に行うことができる。
【0040】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0043】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0044】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0045】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0046】
また、自動入金処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0047】
例えば、自動入金処理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて自動入金処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0048】
また、このコンピュータプログラムは、自動入金処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0049】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0050】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0051】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0052】
また、自動入金処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、自動入金処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0053】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、特に、金融業界や、グループ会社や複数拠点を有する会社の管理会社に対し、一括して債権請求を行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0055】
100 自動入金処理装置
102 制御部
102a 入金情報取得部
102b 自動入金処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 入金キーマスタ
106b 顧客情報データ
106c 債権情報データ
106d 入金データ
108 入出力インターフェース部
200 サーバ
300 ネットワーク
400 入力装置
500 出力装置
図1
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図10