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特許7579296ローン管理装置、ローン管理方法、及びローン管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】ローン管理装置、ローン管理方法、及びローン管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20241030BHJP
【FI】
G06Q40/03
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022047561
(22)【出願日】2022-03-23
(65)【公開番号】P2023141312
(43)【公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 真優
(72)【発明者】
【氏名】岸田 雅仁
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-150783(JP,A)
【文献】特開2021-179647(JP,A)
【文献】特開2010-160627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えたローン管理装置であって、
前記制御部は、
対象のローンについて、顧客識別情報、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客識別情報、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、を記憶部に登録する申込登録手段と、
一部繰上返済の登録のあった債権について、前記返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報を前記記憶部に保持する更新手段と、
融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客識別情報を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新するログ情報処理手段と、
前記返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、前記返済予定履歴情報を使用して、前記返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する引落処理手段と、
を備えたことを特徴とするローン管理装置。
【請求項2】
前記引落処理手段は、入金状態がNGの場合において、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録でない場合は、延滞として処理することを特徴とする請求項1に記載のローン管理装置。
【請求項3】
前記ローンは、フラット35を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のローン管理装置。
【請求項4】
制御部を備えた情報処理装置で実行されるローン管理方法であって、
前記制御部において実行される、
対象のローンについて、顧客識別情報、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客識別情報、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、を記憶部に登録する申込登録工程と、
一部繰上返済の登録のあった債権について、前記返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報を前記記憶部に保持する更新工程と、
融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客識別情報を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新するログ情報処理工程と、
前記返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、前記返済予定履歴情報を使用して、前記返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する引落処理工程と、
を含むことを特徴とするローン管理方法。
【請求項5】
制御部を備えた情報処理装置が実行するためのローン管理プログラムであって、
前記制御部において、
対象のローンについて、顧客識別情報、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客識別情報、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、を記憶部に登録する申込登録工程と、
一部繰上返済の登録のあった債権について、前記返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報を前記記憶部に保持する更新工程と、
融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客識別情報を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新するログ情報処理工程と、
前記返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、前記返済予定履歴情報を使用して、前記返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する引落処理工程と、
を実行するためのローン管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローン管理装置、ローン管理方法、及びローン管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、住宅ローンにおいて、一部繰上返済登録されている債権が引落結果NGとなった際、延滞にするかキャンセルにするかはローン取扱金融機関によって異なっている。従来、住宅ローンを管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-160627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、一部繰上返済登録されている債権が引落結果NGとなった場合に、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に自動訂正することにより、担当者の負荷を軽減することに関して何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、一部繰上返済登録されている債権が引落結果NGとなった場合に、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に自動訂正することにより、担当者の負荷を軽減することが可能なローン管理装置、ローン管理方法、及びローン管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えたローン管理装置であって、前記制御部は、対象のローンについて、顧客、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、を記憶部に登録する申込登録手段と、一部繰上返済の登録のあった債権について、前記返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報を前記記憶部に保持する更新手段と、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新するログ情報処理手段と、前記返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、前記返済予定履歴情報を使用して、前記返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する引落処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記引落処理手段は、入金状態がNGの場合において、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録でない場合は、延滞として処理することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記ローンは、フラット35を含むことにしてもよい。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行されるローン管理方法であって、前記制御部において実行される、対象のローンについて、顧客、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、を記憶部に登録する申込登録工程と、一部繰上返済の登録のあった債権について、前記返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報を前記記憶部に保持する更新工程と、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新するログ情報処理工程と、前記返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、前記返済予定履歴情報を使用して、前記返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する引落処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行するためのローン管理プログラムであって、前記制御部において、対象のローンについて、顧客、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、を記憶部に登録する申込登録工程と、一部繰上返済の登録のあった債権について、前記返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報を前記記憶部に保持する更新工程と、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新するログ情報処理工程と、前記返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、前記ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、前記返済予定履歴情報を使用して、前記返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する引落処理工程と、を実行するためのローン管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一部繰上返済登録されている債権が引落結果NGとなった場合に、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に自動訂正することにより、担当者の負荷を軽減することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施の形態に係るローン管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係るローン管理装置の全体の処理の一例を示すフロー図である。
図3図3は、本実施形態に係るローン管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態に係るローン管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態に係るローン管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係るローン管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施形態に係るローン管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施形態に係るローン管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図9図9は、本実施形態に係るローン管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
住宅ローンにおいて、一部繰上返済登録されている債権が引落結果NGとなった際、延滞にするかキャンセルにするかは取扱金融機関によって異なっている。
【0015】
例えば、フラット35の場合は、取扱金融機関は、住宅金融支援機構の規定でキャンセル扱いと決まっているため引落結果NGのリストを元に、一部繰上返済登録されている債権がないか確認し、登録前の返済予定情報に戻すために、訂正処理にて一つ前の取引状態に戻すという煩雑なオペレーションが必要であった。
【0016】
付言すると、一部繰上返済登録後に引落がNGになるケースは稀なため取り消すためのデータを見つけることが難しく、その後のオペレーションが煩雑である。また、取り消しを忘れてしまった場合、督促状出力時に一部繰上返済額も含めた誤請求をしてしまうリスクがある。
【0017】
そこで、本実施の形態では、一部繰上返済登録されている債権が引落結果NGとなった場合に、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に自動訂正することにより、担当者の負荷を軽減する。
【0018】
より具体的には、本実施の形態によれば、(1)引落NGの債権が一部繰上返済登録をしているか確認作業が不要になり、(2)引落NGの債権が一部繰上返済登録をしている場合、自動で訂正処理まで行われるようになったので、担当者の負荷を軽減することができる。
【0019】
本発明のローン管理装置は、フラット35等の住宅ローンを取り扱う業界等に好適に使用できるが、これに限られるものではなく、一部繰上返済が可能な各種ローンを扱う業界に広く適用可能である。
【0020】
[2.構成]
図1を参照して、本実施形態に係るローン管理装置100の構成の一例について説明する。図1は、ローン管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
ローン管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、ローン管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
ローン管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。ローン管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、ローン管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、ローン管理装置100と、住宅金融支援機構のシステム400、収納代行業者のシステム500、サーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及び、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。また、モニタ114に情報を表示して、ユーザが入力装置112を操作すること等を、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、データファイル106a等を備えている。
【0026】
データファイル106aは、債権情報、返済予定情報、返済予定履歴情報、ログ情報の各種データを格納するためのファイルである。
【0027】
債権情報は、顧客No、商品、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含んでいてもよい。
【0028】
返済予定情報は、顧客No、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含んでいてもよい。返済予定履歴情報は、返済予定情報と同様の項目である。
【0029】
ログ情報は、SEQ(シーケンス番号)、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、顧客Noを含んでいてもよい。
【0030】
図1に戻り、制御部102は、ローン管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0031】
制御部102は、記憶部106に格納されている、データファイル106a等にアクセス可能に構成されている。なお、データファイル106aは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0032】
制御部102は、機能概念的に、申込登録部102aと、更新部102bと、ログ情報処理部102cと、引落処理部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0033】
申込登録部102aは、対象のローンについて、顧客、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、をデータファイル106aに登録する。ローンは、フラット35を含むことにしてもよい。
【0034】
更新部102bは、一部繰上返済の登録のあった債権について、返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報をデータファイル106aに保持する。
【0035】
ログ情報処理部102cは、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新する。
【0036】
引落処理部102dは、返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、返済予定履歴情報を使用して、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する。また、引落処理部102dは、入金状態がNGの場合において、ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録でない場合は、延滞として処理することにしてもよい。
【0037】
画面表示制御部102eは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、入力画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0038】
[3.具体例]
図1図9を参照して、本実施の形態におけるローン管理装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0039】
(3-1.全体の処理)
図2は、本実施の形態におけるローン管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0040】
図2を参照して、本実施の形態におけるローン管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。図2において、申込登録部102aは、申込登録処理を実行する(ステップS1)。具体的には、申込登録処理では、申込登録部102aは、対象のローンについて、顧客、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、をデータファイル106aに登録する。
【0041】
更新部102bは、仮回収データ取込処理を実行する(ステップS2)。仮回収データ取込処理では、更新部102bは、住宅融資金融機構のシステム400から、毎月、仮回収データを取り込む。仮回収データには、引落の当月の請求額が含まれるが、その中に一部繰上返済登録のあった債権の情報も含まれる。更新部102bは、一部繰上返済の登録のあった債権について、返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報をデータファイル106aに保持する。
【0042】
引落処理部102dは、引落処理を実行する(ステップS3)。引落処理では、引落処理部102dは、収納代行業者のシステム500から引落依頼のあった債権について、返済予定情報の支払日に引落を行い、入金状態がNGの場合は、ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、返済予定履歴情報を使用して、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する。正しく入金されている債権に関しては入金の処理を行う。入金状態がNGの債権は引落エラーリストにて確認できる。
【0043】
ログ情報処理部102cは、ログ情報更新処理を実行する(ステップS4)。ログ情報更新処理では、ログ情報処理部102cは、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新する。
【0044】
(3-2.サンプルデータ)
図3図9は、本実施の形態におけるローン管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図6図14を参照して、本実施の形態におけるローン管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0045】
(S1:申込登録処理)
図3を参照して申込登録処理の具体例を説明する。申込登録部102aは、対象のローンについて、顧客、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、をデータファイル106aに登録する。
【0046】
図3(A)は、債権情報のデータ例を示す図である。債権情報は、顧客No、商品、融資日、融資金額、返済額、初回支払日の項目を備えている。図3(A)に示す例では、1行目は、顧客No「100」、商品「フラット35」、融資日「2021/4/10」、融資金額「30,000,000円」、返済額「150,000円」、初回支払日「2021/5/25」、2行目は、顧客No「101」、商品「フラット35」、融資日「2021/4/12」、融資金額「30,000,000円」、返済額「150,000円」、初回支払日「2021/5/25」となっている。
【0047】
以下の例では、顧客No「100」について一部繰上返済の登録がある場合、顧客No「101」について一部繰上返済の登録がない場合(「通常債権」ともいう)を説明する。
【0048】
図3(B)は、図3(A)の債権情報の顧客No「100」の返済予定情報のデータ例を示す図である。返済予定情報は、顧客No、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高の項目を備えている。図3(B)に示す例では、1行目は、顧客No「100」、支払日「2021/5/25」、返済額「150,000円」、元金返済額「148,000円」、利息返済額「2,000円」、融資残高「29,852,000円」となっている。
【0049】
図3(C)は、図3(B)の返済予定情報についてのログ情報のデータ例を示す図である。ログ情報は、SEQ、データ区分、顧客Noの項目を備えている。図3(C)に示す例では、SEQ「1」、データ区分「申込」、顧客No「100」となっている。
【0050】
図3(D)は、図3(A)の債権情報の顧客「No101」の返済予定情報のデータ例を示す図である。図3(D)に示す例では、1行目は、顧客No「101」、支払日「2021/5/25」、返済額「150,000円」、元金返済額「148,000円」、利息返済額「2,000円」、融資残高「29,852,000円」となっている。
【0051】
図3(E)は、図3(D)の返済予定情報についてのログ情報のデータ例を示す図である。図3(E)に示す例では、SEQ「1」、データ区分「申込」、顧客No「101」となっている。
【0052】
(S2:仮回収データ取込処理)。
図4図6を参照して、仮回収データ取込処理の具体例を説明する。更新部102bは、住宅融資金融機構のシステム400から、毎月、仮回収データを取り込む。仮回収データには、引落の当月の請求額が含まれるが、その中に一部繰上返済登録のあった債権の情報も含まれる。更新部102bは、一部繰上返済の登録のあった債権について、返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報をデータファイル106aに保持する。
【0053】
図4及び図5は、一部繰上返済登録があった場合を説明するための図である。図4は、一部繰上返済の登録があり、返済内容及び将来の返済展開が更新された返済予定情報のデータ例を示している。図4に示す例では、支払日「2021/8/25」の返済額が「300,000」に更新されている。
【0054】
図5(A)は、変更された返済予定情報の返済予定履歴情報のデータ例を示している。
返済予定履歴情報は、訂正時に返済予定情報を元に戻すためのものである。
【0055】
図5(B)は、図4の返済予定情報についてのログ情報のデータ例を示す図である。図5(B)に示す例では、一部繰上返済の登録により、SEQ「6」が、データ区分「一部繰上返済の登録」に更新されている。
【0056】
図6は、通常債権の場合(一部繰上返済登録がない場合)を説明するための図である。図6(A)は、通常債権の場合の返済予定情報のデータ例を示している。図6(A)に示すように、予定の変更がないため、更新は行われない。図6(B)は、図6(A)の返済予定情報についてのログ情報のデータ例を示す図である。図6(B)に示すように、取引内容に変更がないため、更新は行われない。
【0057】
(S3:引落処理)
図7図9を参照して、引落処理を具体的に説明する。引落処理部102dは、収納代行業者のシステム500から引落依頼のあった債権について、返済予定情報の支払日に引落を行い、入金状態がNGの場合は、ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、返済予定履歴情報を使用して、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に更新する。正しく入金されている債権に関しては入金の処理を行う。引落NGの債権は引落エラーリストにて確認できる。
【0058】
図7は、一部繰上返済登録があった場合に引落がNGとなった場合を説明するための図である。図7(A)は、一部繰上返済の登録があり、引落NGとなった場合の返済予定情報のデータ例を示している。図7(A)に示す例では、支払日「2021/8/25」の引落がNGとなっている。
【0059】
図7(B)は、ログ情報のデータ例を示している。ログ情報の最新のデータ区分から一部繰上返済の登録の有無を判断し、図7(B)に示す例では、データ区分が「一部繰上返済の登録」となっているので、返済予定情報を一部繰上返済登録前の状態に戻す処理を行う(図9参照)。
【0060】
図8は、通常債権(一部繰上返済登録がない)の場合に引落がNGとなった場合を説明するための図である。図8(A)は、通常債権で引落NGとなった場合の返済予定情報のデータ例を示している。図8(A)に示す例では、支払日「2021/8/25」の引落がNGとなっている。通常債権で引落NGとなった場合は、延滞の処理を行い、催告状等を出力する。
【0061】
図8(B)は、ログ情報のデータ例を示している。ログ情報の最新のデータ区分から一部繰上返済の登録の有無を判断し、図8(B)に示す例では、一部繰上返済の登録無しとなっている。
【0062】
図9は、一部繰上返済登録があり、引落がNGとなった場合に、返済予定情報を一部繰上返済登録が行われる前の取引状態に戻す場合を説明するための図である。図9(A)は、一部繰上返済の登録があり、引落NGとなった場合の返済予定情報のデータ例を示している。図9(B)は、返済予定履歴情報を使用して、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に更新した場合を示す図である。図9(C)は、返済予定履歴情報のデータ例を示す図である。
【0063】
図9(A)において、一部繰上返済の登録があり、引落NGとなった場合の返済予定情報は、一部繰上返済をキャンセル扱いとして、図9(C)に示す返済予定履歴情報を使用して、図9(B)に示すように、一部繰上返済登録前の取引状態に戻す訂正を行う。
【0064】
以上説明したように、本実施の形態によれば、対象のローンについて、顧客、融資日、融資金額、返済額、初回支払日を含む債権情報と、顧客、支払日、返済額、元金返済額、利息返済額、融資残高を含む返済予定情報と、をデータファイル106aに登録する申込登録部102aと、一部繰上返済の登録のあった債権について、前記返済予定情報を更新し、また、更新前の返済予定情報である返済予定履歴情報をデータファイル106bに保持する更新部102bと、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録を示すデータ区分、シーケンス番号、顧客を含むログ情報を、融資の申込、融資実行、入金、又は一部繰上返済の登録がある毎に更新するログ情報処理部102cと、返済予定情報の支払日に引落処理を行い、入金状態がNGの場合は、ログ情報の最新のデータ区分が一部繰上返済の登録の場合は、返済予定履歴情報を使用して、返済予定情報を一部繰上返済登録前の情報に訂正する引落処理部102dと、を備えているので、一部繰上返済登録されている債権が引落結果NGとなった場合に、返済予定履歴情報を一部繰上返済登録前の情報に自動訂正することにより、担当者の負荷を軽減することが可能となる。
【0065】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0068】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0070】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
また、ローン管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、ローン管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU及び当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてローン管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0073】
また、このコンピュータプログラムは、ローン管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0075】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成及び読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0076】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0077】
また、ローン管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、ローン管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0078】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0079】
100 ローン管理装置
102 制御部
102a 申込登録部
102b 更新部
102c ログ情報処理部
102d 引落処理部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 住宅金融支援機構のシステム
500 収納代行業者のシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9