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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】飲料サーバー及び吸水ユニット
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022209509
(22)【出願日】2022-12-27
(65)【公開番号】P2024093255
(43)【公開日】2024-07-09
【審査請求日】2024-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517169285
【氏名又は名称】プレミアムウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100188156
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 義時
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】横松 久仁明
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 泰信
(72)【発明者】
【氏名】内藤 浩史
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0208951(US,A1)
【文献】米国特許第5540355(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110801154(CN,A)
【文献】特開2012-171651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に設けられ、飲料水を収容するタンクと、
前記筐体の下部に設けられ、前記タンクに補給する飲料水が入っているボトルが着脱可能に載置されている載置部と、
前記ボトルの首部に挿入される吸水ノズルを有し、前記ボトル内の飲料水を吸水する吸水ユニットと、
前記吸水ユニットが吸水した飲料水を、ポンプによって前記タンクに供給する供給管と、
を備え、
前記ボトルは、前記首部が鉛直方向の上方を向いた状態で前記載置部に載置されており、
前記吸水ユニットは、前記ボトルの前記首部に形成されたリブに係合することで前記首部に前記吸水ユニットを固定させる固定部と、内部で前記吸水ノズルと連通している流路部が形成された本体部とを有し、
前記固定部は、前記本体部に対して、前記吸水ノズルの長手方向に直交する直交方向において、前記リブに係合する係合位置と、前記吸水ノズルを前記首部に挿入する際に待機する待機位置との間でスライド可能である、
飲料サーバー。
【請求項2】
前記吸水ノズルは、前記ボトル内において前記首部よりも下方まで挿入されている、
請求項1に記載の飲料サーバー。
【請求項3】
前記吸水ノズルの先端部の外周面に、複数の切り欠きが形成されている、
請求項1に記載の飲料サーバー。
【請求項4】
筐体内に設けられ、飲料水を収容するタンクと、
前記筐体の下部に設けられ、前記タンクに補給する飲料水が入っているボトルが着脱可能に載置されている載置部と、
前記ボトルの首部に挿入される吸水ノズルを有し、前記ボトル内の飲料水を吸水する吸水ユニットと、
前記吸水ユニットが吸水した飲料水を、ポンプによって前記タンクに供給する供給管と、
を備え、
前記ボトルは、前記首部が鉛直方向の上方を向いた状態で前記載置部に載置されており、
前記載置部の四隅の各々に設けられ、前記ボトルの底部に接触可能な4つの凸部を更に備え
前記凸部は、圧縮した前記ボトルの前記底部の中央部が前記底部の四隅よりも低く位置するように、前記底部の四隅を支持する、
料サーバー。
【請求項5】
前記4つの凸部は、前記載置部の中央側を臨む斜面を有し、
前記4つの凸部のうち対角線上に位置する2つの凸部の前記斜面は、互いに向かい合っている、
請求項に記載の飲料サーバー。
【請求項6】
前記載置部は、前記筐体に対して長手方向に沿って移動可能であり、
前記載置部の載置面から下方に凹んでいる凹部が、前記載置面の前記長手方向の一端側から他端側に亘って形成されている、
請求項1又は4に記載の飲料サーバー。
【請求項7】
飲料サーバーのタンクに補給する飲料水を収容するボトルから、前記飲料水を吸水するための吸水ユニットであって、
内部に前記飲料水の流路部が形成された本体部と、
前記流路部と連通していると共に前記本体部から円筒状に突出するように設けられ、前記ボトルの首部に挿入される吸水ノズルと、
前記本体部に対して前記吸水ノズルの突出方向と直交する直交方向にスライド可能に設けられ、前記吸水ユニットを前記ボトルの首部に固定するための固定部と、
を備える、吸水ユニット。
【請求項8】
前記固定部は、
前記吸水ノズルの前記本体部側を覆うように前記突出方向に沿って半円筒状に形成された半円筒部と、
前記半円筒部の先端側に設けられ、前記首部と係合することで前記吸水ユニットを前記首部に固定させる係合部と、を有する、
請求項に記載の吸水ユニット。
【請求項9】
前記固定部は、前記首部に形成されたリブに係合する係合位置と、前記吸水ノズルを前記首部に挿入する際に待機する待機位置との間でスライド可能である、
請求項に記載の吸水ユニット。
【請求項10】
前記固定部は、前記直交方向に沿って形成された凸部を有し、
前記本体部は、前記固定部がスライドする際に前記凸部の移動をガイドするガイド凹部を有する、
請求項に記載の吸水ユニット。
【請求項11】
前記流路部は、前記吸水ノズルとの連通部から、前記直交方向において前記係合位置から前記待機位置への向きとは逆向きに沿って形成されている、
請求項に記載の吸水ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料サーバー及び吸水ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭でも飲料サーバーが普及しており、筐体の下部にボトルをセット可能な飲料サーバーが利用されている。下記の特許文献1に記載の飲料サーバーにおいては、ボトルが筐体の下部に横向きでセットされており、ポンプによってボトル内の飲料水を、飲料サーバー内のタンクに供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-172624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ボトルが横向きにセットされているため、ボトル内の残水が多くなりやすい。また、ボトル内の残水を少なくするために強力な吸水ポンプを利用することが検討されうるが、このような吸水ポンプを利用すると、吸水ポンプが動作する際の騒音が大きくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ボトルの残水を抑えると共に、騒音を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、筐体内に設けられ、飲料水を収容するタンクと、前記筐体の下部に設けられ、前記タンクに補給する飲料水が入っているボトルが着脱可能に載置されている載置部と、前記ボトルの首部に挿入される吸水ノズルを有し、前記ボトル内の飲料水を吸水する吸水ユニットと、前記吸水ユニットが吸水した飲料水を、ポンプによって前記タンクに供給する供給管と、を備え、前記ボトルは、前記首部が鉛直方向の上方を向いた状態で前記載置部に載置されている、飲料サーバーを提供する。
【0007】
また、前記吸水ノズルは、前記ボトル内において前記首部よりも下方まで挿入されていることとしてもよい。
【0008】
また、前記吸水ノズルの先端部の外周面に、複数の切り欠きが形成されていることとしてもよい。
【0009】
また、前記吸水ユニットは、前記ボトルの前記首部に前記吸水ユニットを固定させる固定部を有することとしてもよい。
【0010】
また、前記固定部は、前記首部に形成されたリブに係合していることで、前記首部に前記吸水ユニットを固定させていることとしてもよい。
【0011】
また、前記固定部は、前記吸水ノズルの長手方向に直交する直交方向において、前記リブに係合する係合位置と、前記吸水ノズルを前記首部に挿入する際に待機する待機位置との間でスライド可能であることとしてもよい。
【0012】
また、前記載置部の四隅の各々に設けられ、前記ボトルの底部に接触可能な4つの凸部を更に備えることとしてもよい。
【0013】
また、前記4つの凸部は、前記載置部の中央側を臨む斜面を有し、前記4つの凸部のうち対角線上に位置する2つの凸部の前記斜面は、互いに向かい合っていることとしてもよい。
【0014】
また、前記載置部は、前記筐体に対して長手方向に沿って移動可能であり、前記載置部の載置面から下方に凹んでいる凹部が、前記載置面の前記長手方向の一端側から他端側に亘って形成されていることとしてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様においては、飲料サーバーのタンクに補給する飲料水を収容するボトルから、前記飲料水を吸水するための吸水ユニットであって、内部に前記飲料水の流路部が形成された本体部と、前記流路部と連通していると共に前記本体部から円筒状に突出するように設けられ、前記ボトルの首部に挿入される吸水ノズルと、前記本体部に対して前記吸水ノズルの突出方向と直交する直交方向にスライド可能に設けられ、前記吸水ユニットを前記ボトルの首部に固定するための固定部と、を備える、吸水ユニットを提供する。
【0016】
また、前記固定部は、前記吸水ノズルの前記本体部側を覆うように前記突出方向に沿って半円筒状に形成された半円筒部と、前記半円筒部の先端側に設けられ、前記首部と係合することで前記吸水ユニットを前記首部に固定させる係合部と、を有することとしてもよい。
【0017】
また、前記固定部は、前記首部に形成されたリブに係合する係合位置と、前記吸水ノズルを前記首部に挿入する際に待機する待機位置との間でスライド可能であることとしてもよい。
【0018】
また、前記固定部は、前記直交方向に沿って形成された凸部を有し、前記本体部は、前記固定部がスライドする際に前記凸部の移動をガイドするガイド凹部を有することとしてもよい。
【0019】
また、前記流路部は、前記吸水ノズルとの連通部から、前記直交方向において前記係合位置から前記待機位置への向きとは逆向きに沿って形成されていることとしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ボトルの残水を抑えると共に、騒音を低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一の実施形態に係る飲料サーバー1の外観構成を示す斜視図である。
図2】飲料サーバー1の内部構成を示す模式図である。
図3】飲料サーバー1の扉12が開いた状態を示す図である。
図4】載置ユニット60を示す斜視図である。
図5】載置ユニット60の断面構成を示す図です。
図6】ボトル20内の飲料水が少なくなってボトル20の形状が変化した状態を示す模式図である。
図7】吸水ユニット70を示す斜視図である。
図8】吸水ユニット70の分解構成を示す図である。
図9】ガイド凹部74を示す模式図である。
図10】吸水ユニット70の係合位置と待機位置を示す模式図である。
図11】変形例に係る吸水ユニット170を示す斜視図である。
図12】吸水ユニット170の吸水ノズルがボトル20に挿入された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<飲料サーバーの構成>
一の実施形態に係る飲料サーバーの構成について、図1図3を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、一の実施形態に係る飲料サーバー1の外観構成を示す斜視図である。図2は、飲料サーバー1の内部構成を示す模式図である。図3は、飲料サーバー1の扉12が開いた状態を示す図である。
【0024】
飲料サーバー1は、冷水の飲料水と、温水の飲料水とを供給可能なサーバーである。飲料サーバー1は、図2に示すように、筐体10と、ボトル20と、第1タンク30と、第2タンク40と、供給管50と、載置ユニット60と、吸水ユニット70を有する。なお、図3では、説明の便宜上、供給管50が省略されている。
【0025】
筐体10は、縦長の箱型の構造を成している。筐体10の内部には、飲料水を収容するタンクである第1タンク30、第2タンク40等が設けられている。筐体10の下部には、図1に示す開閉可能な扉12が設けられている。扉12が図3に示すように開いた状態で、ボトル20の装着や取り外しが行われる。
【0026】
ボトル20は、ここでは飲料水の供給源として飲料水を収容する。ボトル20は、樹脂から成る。ボトル20の厚さが小さくなっており、ボトル20が変形しやすくなっている。ボトル20は、使用者が筐体10に装着したり取り外したりしやすいように、筐体10の下方に着脱可能に装着されている。ボトル20は、筐体10の下部に設けられた載置ユニット60に載置されている。ボトル20は、図2に示すように、首部22が鉛直方向の上方を向いた状態で載置ユニット60に載置されている。
【0027】
第1タンク30は、ボトル20から供給される飲料水を収容する。第1タンク30は、ボトル20から供給された飲料水を冷却して、外部に注出される低温の飲料水も収容する冷水槽としても機能する。第1タンク30内の飲料水が減ると、ボトル20から第1タンク30に飲料水が補給される。
【0028】
第1タンク30内には、上側層31と下側層32に仕切るための仕切り板33が設けられている。上側層31は、ボトル20から飲料水の供給を受ける部分である。下側層32は、上側層31に供給された飲料水を貯めて冷却する部分である。仕切り板33と第1タンク30の内周面との間には隙間34が設けられており、上側層31の飲料水が隙間34を通って下側層32に流れる。
【0029】
第1タンク30には、第1タンク30内の飲料水を冷却する冷却部37が設けられている。冷却部37は、第1タンク30の外周面において下側層32に対応する部分に設けられており、第1タンク30の下側層32の飲料水を冷却する。冷却部37は、ここでは下側層32の外周を巻回している冷水管である。冷水管内を流れる冷却水によって、下側層32の飲料水が冷却される。
【0030】
第1タンク30の底部には、下側層32と連通する冷水供給管55が接続されている。第1タンク30の下側層32の低温の飲料水(冷水)は、冷水供給管55を流れる。また、冷水供給管55の先端には、コック56が設けられており、冷水供給管55を流れる低温の飲料水がコック56から注出される。
【0031】
第2タンク40は、第1タンク30の下方に設けられており、第1タンク30から供給された飲料水を収容する。第2タンク40は、第1タンク30の下方に設けられており、第1タンク30の上側層31から接続管53を介して飲料水の供給を受ける。第2タンク40は、第1タンク30から供給を受けた飲料水を加熱して、外部に注出される高温の飲料水を収容する温水槽として機能する。なお、図2では接続管53が鉛直方向に真っすぐな管となっているが、これに限定されず、接続管53は、経路の途中に水平部を有してもよい。
【0032】
第2タンク40には、第2タンク40内の飲料水を加熱する加熱部47が設けられている。加熱部47は、一例としてヒータであり、第2タンク40の外周面に取り付けられている。加熱部47は、第2タンク40の下方側に設けられ、供給管50から流れてくる飲料水を加熱する。
【0033】
第2タンク40の上部には、温水供給管57が接続されている。第2タンク40内の高温の飲料水(温水)は、温水供給管57を流れる。また、温水供給管57の先端には、コック(不図示)が設けられており、温水供給管57を流れる高温の飲料水がコックから注出される。
【0034】
供給管50は、ボトル20から第1タンク30に飲料水を供給する供給路となっている。供給管50の経路の途中には、ポンプ52が設けられている。ポンプ52は、動作することで筐体10の下部に位置するボトル20に収容された飲料水を吸水ユニット70を介して吸い上げて、筐体10の上部に位置する第1タンク30に飲料水を供給する。
【0035】
載置ユニット60は、筐体10の下部に設けられている。載置ユニット60には、第1タンク30に補給する飲料水が入っているボトル20が着脱可能に載置されている。載置ユニット60は、筐体10に対して図1に示す前後方向(載置ユニット60の長手方向)に沿って移動可能である。載置ユニット60は、扉12が開いた筐体10の前側に引き出し可能となっている。使用者は、載置ユニット60を手前に引き出した状態で、ボトル20の着脱を行う。なお、載置ユニット60の詳細構成については、後述する。
【0036】
吸水ユニット70は、ボトル20に収容された飲料水を吸水するためのユニットである。吸水ユニット70は、図2に示すように、ボトル20の首部22に着脱可能に装着されている。吸水ユニット70は、ボトル20の首部22に挿入される吸水ノズルを有する。ポンプ52は、吸水ノズルを介してボトル20内の飲料水を吸い上げる。なお、吸水ユニット70の詳細構成については、後述する。
【0037】
飲料サーバー1は、冷水や温水の供給を制御する制御部(不図示)を有する。制御部は、例えば、第1タンク30内の飲料水の量が少なくなるとボトル20から飲料水を第1タンク30に供給し、第2タンク40内の飲料水の量が少なくなると第1タンク30から飲料水を第2タンク40に供給する。なお、第1タンク30及び第2タンク40内には、飲料水の水位を検出可能な水位センサや、飲料水の温度を検出可能な温度センサが設けられている。
【0038】
<載置ユニット60の詳細構成>
載置ユニット60の詳細構成について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0039】
図4は、載置ユニット60を示す斜視図である。図5は、載置ユニット60の断面構成を示す図です。載置ユニット60は、図4に示すように、載置部62と、凸部64と、凹部66を有する。
【0040】
載置部62は、ボトル20が載置される部分である。載置部62は、ボトル20の底部が載置される載置面63を有する。すなわち、ボトル20は縦向きに載置面63に載置され、ボトル20の首部22が鉛直方向の上方を向いた状態となっている。
【0041】
凸部64は、載置部62の四隅にそれぞれ設けられている。4つの凸部64は、載置面63から突出するように形成されており、ボトル20の底部に接触可能である。具体的には、4つの凸部64は、ボトル20の底部の四隅に接触している。
【0042】
4つの凸部64は、載置部62の中央側を臨む斜面65を有する。このため、4つの凸部64のうち対角線上に位置する2つの凸部64の斜面65は、互いに向かい合っている。上記のように4つの凸部64は斜めに配置されており、ボトル20の底部に対して斜めの力を作用する。
【0043】
凹部66は、凸部64よりも載置部62の中央側に設けられている。凹部66は、ここでは2つ設けられているが、これに限定されず、凹部66が1つ又は3つ以上であってもよい。凹部66は、載置面63から下方に凹んでいる。凹部66は、ここでは矩形状に形成されており、載置面63の長手方向の一端側から他端側に亘って形成されている。このように載置部62に凹部66を設けることで、載置部62の剛性が高くなるので、ボトル20を安定して支持することができる。
【0044】
載置部62に載置されたボトル20内の飲料水が第1タンク30に供給されて、ボトル20の飲料水が減っていくと、ボトル20の形状が変形する。具体的には、ボトル20内の上部に空気が入っており、ボトル20内の飲料水が減っていくと外気及び当該空気の気圧によって変形する。本実施形態では、ボトル20の残水が少なくなるように、ボトル20が上向きに載置部62に載置されている。
【0045】
図6は、ボトル20内の飲料水が少なくなってボトル20の形状が変化した状態を示す模式図である。ボトル20の首部22が上方を向いている場合には、外気とボトル20内の上部の空気の圧力によって、ボトル20が図6に示すように圧縮される。具体的には、外気の圧力がボトル20内の圧力よりも大きいため、ボトル20が載置部62に向かって潰されるように圧縮される。この場合には、変形後のボトル20の底部が吸水ノズル77の先端に近づくので、ボトル20の底部に残っている飲料水が吸水ノズル77によって吸収されやすくなる。また、仮にボトル20の底部が吸水ノズル77の先端に接しても、吸水ノズル77の先端に形成された切り欠き78から飲料水を引き続き吸水することができる。
【0046】
載置部62に斜面65を有する凸部64を設けることで、図6に示すようにボトル20の中央部が四隅よりも低く位置し、ボトル20の底部において四隅から中央側へ向かう飲料水の流れが生じやすくなり、ボトル20の底部の四隅に飲料水が溜まる部分の発生を抑制できる。この結果、ボトル20の底部の残水を少なくすることができる。
【0047】
<吸水ユニット70の詳細構成>
ボトル20の首部22に着脱可能に装着されている吸水ユニット70の詳細構成について、図7図10を参照しながら説明する。
【0048】
図7は、吸水ユニット70を示す斜視図である。図8は、吸水ユニット70の分解構成を示す図である。吸水ユニット70は、図7及び図8に示すように、本体部71と、流路部75と、吸水ノズル77と、固定部80を有する。
【0049】
本体部71は、吸水ユニット70の本体を成す部分であり、吸水ノズル77を支持する。本体部71は、図8に示すように、支持部72と、蓋部73を有する。
【0050】
支持部72は、吸水ノズル77の上端側を支持している。支持部72は、円形状に形成されており、支持部72の中央に吸水ノズル77が固定されている。また、支持部72は、固定部80のスライド部83をスライド可能に支持している。支持部72の上面に対して、固定部80のスライド部83がスライドする。
【0051】
蓋部73は、吸水ノズル77の根元側を覆っている。蓋部73は、支持部72に対向するように配置されており、支持部72とで固定部80のスライド部83を挟んでいる。蓋部73には、固定部80がスライドする際にスライド部83の凸部85の移動をガイドするガイド凹部74が形成されている。
【0052】
図9は、ガイド凹部74を示す模式図である。図9には、蓋部73の上面とは反対側の下面73bが示されている。蓋部73の下面73bには、2つのガイド凹部74が形成されている。固定部80のスライド部83に設けられた凸部85がガイド凹部74に沿って移動することで、スライド部83が円滑に移動できる。
【0053】
流路部75は、吸水ノズル77を介して流入してくる飲料水が流れる流路を形成している。流路部75は、本体部71の内部に形成されている。具体的には、流路部75は、図8に示すように、支持部72と蓋部73の間に位置している。流路部75は、吸水ノズル77との連通部から、吸水ノズル77の長手方向と直交する直交方向に沿って形成されている。
【0054】
吸水ノズル77は、ボトル20内の飲料水を吸い上げるためのノズルである。吸水ノズル77は、上向きに載置されたボトル20の首部22に挿入される。吸水ノズル77は、細長い円筒形状を成しており、円筒の内部が飲料水の流れる流路となっている。また、吸水ノズル77の先端側は、直径が次第に小さくなるようにテーパ形状となっている。
【0055】
吸水ノズル77の長手方向において先端とは反対側である上端側は、本体部71に固定されている。吸水ノズル77は、本体部71から円筒状に突出するように設けられている。ここでは、吸水ノズル77は本体部71と一体となっているが、これに限定されず、吸水ノズル77は本体部71に対して着脱可能であってもよい。
【0056】
吸水ノズル77の本体部71側は、流路部75と連通している。このため、吸水ノズル77を介して吸い上げられた飲料水は、流路部75を流れることになる。吸水ノズル77と本体部71の連通部は、本体部71内に位置する。
【0057】
吸水ノズル77は、ボトル20内において首部22よりも下方まで挿入されている(図6参照)。吸水ノズル77の長さは、首部22の長さよりも大きく、例えば首部22の長さの2倍程度になっている。これにより、ボトル20の飲料水が減っても、吸水ノズル77が飲料水を吸い上げやすくなる。
【0058】
吸水ノズル77の先端部の外周面に、複数の切り欠き78が形成されている。例えば、切り欠き78は、周方向において90度間隔で4つ設けられている。ただし、これに限定されず、切り欠き78は、2つ又は3つであってもよい。切り欠き78を設けたことで、例えばボトル20が図6に示すように変形して吸水ノズル77の先端部がボトル20の底部に接した場合でも、切り欠き78から飲料水を吸い上げることができる。
【0059】
固定部80は、ボトル20の首部22に吸水ユニット70を固定させる。固定部80は、吸水ノズル77がボトル20内に挿入された状態の吸水ユニット70を、ボトル20の首部22に固定させる。具体的には、固定部80は、首部22に形成されたリブ23に係合していることで、首部22に吸水ユニット70を固定させている。これにより、吸水ノズル77がボトル20に挿入された状態で保持され、ボトル20内の飲料水を適切に吸い上げることができる。
【0060】
固定部80は、本体部71に対して吸水ノズル77の突出方向(長手方向)と直交する直交方向にスライド可能に設けられている。具体的には、固定部80は、リブ23に係合する係合位置と、直交方向においてリブ23から離間している待機位置との間でスライド可能である。待機位置は、使用者が吸水ノズル77を首部22に挿入する際に待機する位置である。
【0061】
図10は、吸水ユニット70の係合位置と待機位置を示す模式図である。図10(a)には固定部80が待機位置に位置する吸水ユニット70が示され、図10(b)には固定部80が係合位置に位置する吸水ユニット70が示されている。使用者は、固定部80を待機位置に位置させた状態で、吸水ノズル77を首部22からボトル20内に挿入する。吸水ノズル77が所定位置まで挿入されると、使用者は、固定部80を待機位置から係合位置にスライドさせる。固定部80は、係合位置に位置する際にリブ23に係合する。固定部80が係合位置に位置している間は、吸水ノズル77をボトル20から取り外すことができず、吸水ユニット70が首部22に固定された状態が維持される。
【0062】
固定部80の詳細構成について説明する。固定部80は、図8に示すように、半円筒部81と、スライド部83と、凸部85と、係合部87を有する。
【0063】
半円筒部81は、固定部80が係合位置に位置する際に、吸水ノズル77を囲むように半円筒状に形成されている(図10参照)。具体的には、半円筒部81は、吸水ノズル77の本体部71側を覆うように突出方向(長手方向)に沿って半円筒状に形成されている。半円筒部81の直径は、本体部71(具体的には、支持部72)の直径よりも大きい。
【0064】
スライド部83は、固定部80において支持部72上をスライドする部分である。スライド部83は、ここでは、半円筒部81の上端から二股状に延びている。2つのスライド部83は、半円筒部81の軸方向と直交するように、半円筒部81の上端から延びている。2つのスライド部83は、吸水ノズル77の連通部と流路部75の両側をスライドする。流路部75は、固定部80と干渉しないように、吸水ノズル77の長手方向と直交する直交方向において固定部80の係合位置から待機位置への向きとは逆向きに沿って形成されている。
【0065】
凸部85は、スライド部83の上面から突出するように形成されている。具体的には、凸部85は、2つのスライド部83の各々から突出している。凸部85は、固定部80において、スライド部83の長手方向(吸水ノズル77の長手方向と直交する直交方向)に沿って形成されている。凸部85は、本体部71のガイド凹部74に入り込んでおり、固定部80が待機位置と係合位置の間でスライドする際に、ガイド凹部74に沿って移動する。
【0066】
係合部87は、半円筒部81の先端(上下方向の下端)側に設けられており、ボトル20の首部22に係合する部分である。具体的には、固定部80が係合位置に位置する際に、係合部87が首部22に形成されたリブ23に係合している。係合部87は、半円筒部81の先端から半径方向の中央側に曲げた段差部となっている。係合部87が段差部となっていることで、吸水ノズル77をボトル20から取り出そうとしても、係合位置に位置する際には係合部87がリブ23に引っ掛かるために、吸水ノズル77をボトル20から取り出せない。上記のように、係合部87がリブ23に係合していることで、吸水ユニット70が首部22に固定される。
【0067】
(変形例)
ボトル20の首部22に挿入される吸水ノズルを有する吸水ユニットは、上述した吸水ユニット70に限定されない。例えば、図11及び図12に示す吸水ユニット170であってもよい。
【0068】
図11は、変形例に係る吸水ユニット170を示す斜視図である。図12は、吸水ユニット170の吸水ノズル171がボトル20に挿入された状態を示す図である。なお、図12には、吸水ノズル171が示されているが、図11では、説明の便宜上、吸水ノズル171が省略されている。
【0069】
吸水ユニット170は、吸水ノズル171と、本体部173と、係合部177と、リング部179を有する。なお、図11及び図12には示されていないが、吸水ユニット170は、吸水ユニット70の流路部75と同様な流路部を有する。
【0070】
吸水ノズル171は、前述した吸水ノズル77と同様な構成である。吸水ノズル171の先端(長手方向の一端)には、吸水ノズル77の切り欠き78と同様に、複数の切り欠きが形成されている。
【0071】
本体部173は、ここでは直方体の形状となっている。本体部173の長手方向の中央部に、吸水ノズル171が固定されている。具体的には、吸水ノズル171の上端が、本体部173に固定されている。
【0072】
係合部177は、本体部173の長手方向の両側に2つ設けられ、ボトル20の首部22に係合される部分である。係合部177は、待機位置と係合位置の間で回動する。待機位置は、図11に示す位置であり、吸水ノズル171をボトル20の首部22に挿入可能な位置である。
【0073】
係合部177は、回動軸177aと、フック177bと、溝部177cを有する。
回動軸177aは、係合部177が待機位置(図11に示す位置)と係合位置の間で回動する際の支点となる部分である。回動軸177aは、係合部177の長手方向の一端に位置している。
【0074】
フック177bは、係合部177が係合位置に位置する際に、首部22に形成されたリブ23に係合する部分である。フック177bは、係合部177の長手方向の下端に形成されている。フック177bは、ここではフック形状となっている。
【0075】
溝部177cは、係合部177の表面を長手方向に沿って凹ませて形成した部分である。溝部177cの上端は、本体部173によって覆われている。溝部177cの下端は、フック177bの近傍に位置している。溝部177cは斜めに形成されており、溝部177cの下端の方が、上端よりも外側に位置している。
【0076】
リング部179は、輪状に形成されており、吸水ノズル171を囲んでいる。リング部179の両端部は、係合部177に対してスライド可能に係合している。リング部179は、溝部177cに沿ってスライド可能である。リング部179は、図11に示す上位置と、溝部177cの下端に接する下位置との間でスライドする。リング部179のスライドに連動して、係合部177が回動軸177aを中心に回動する。具体的には、リング部179が上位置に位置する際には、係合部177が待機位置に位置し、リング部179が下位置に位置する際には、係合部177が係合位置に位置する。
【0077】
使用者は、吸水ユニット170をボトル20の首部22に固定する際に、以下の作業を行う。まず、使用者は、リング部179を上位置に位置させた状態(係合部177が待機位置に位置する)で、吸水ノズル171をボトル20の首部22から挿入する。吸水ノズル171がボトル20内に挿入されると、使用者は、リング部179を下位置に位置させて(係合部177が係合位置に位置する)、係合部177を首部22のリブ23に係合させる。これにより、吸水ユニット170が首部22に固定される。
【0078】
<本実施形態における効果>
上述した実施形態の飲料サーバー1は、筐体10の下部に設けられ、第1タンク30に補給する飲料水を収容しているボトル20が着脱可能に載置されている載置部62と、ボトル20の首部22に挿入される吸水ノズル77を有し、ボトル20内の飲料水を吸水する吸水ユニット70とを有する。そして、ボトル20は、首部22が鉛直方向の上方を向いた状態で載置部62に載置されている。
上記のようにボトル20が載置部62に載置されていることで、ボトル20内の飲料水が減った際でも、吸水ノズル77がボトル20内の飲料水を吸水しやすくなる。具体的には、ボトル20内の飲料水が少ない際に、ボトル20が図6に示すように変形するため、吸水ノズル77がボトル20内の飲料水を吸水しやすくなり、残水の量を減らすことができる。また、ポンプ52を大型化しなくても、吸水ノズル77がボトル20内の飲料水を吸水できるので、ポンプ52の騒音が大きくなることを抑制できる。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0080】
1 飲料サーバー
10 筐体
20 ボトル
22 首部
23 リブ
30 第1タンク
50 供給管
52 ポンプ
62 載置部
64 凸部
65 斜面
66 凹部
70 吸水ユニット
71 本体部
77 吸水ノズル
78 切り欠き
80 固定部
81 半円筒部
85 凸部
87 係合部
170 吸水ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12