(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241030BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20241030BHJP
H04W 4/46 20180101ALI20241030BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20241030BHJP
H04W 28/08 20230101ALI20241030BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
G08G1/00 X
H04W4/44
H04W4/46
H04W92/18
H04W28/08
G08G1/09 H
(21)【出願番号】P 2022515132
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(86)【国際出願番号】 CN2020113565
(87)【国際公開番号】W WO2021043279
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】201910841326.X
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】徐勇
(72)【発明者】
【氏名】呉楠
(72)【発明者】
【氏名】李文鋭
(72)【発明者】
【氏名】李一鳴
(72)【発明者】
【氏名】畢青▲シン▼
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/004911(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108009169(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104048672(CN,A)
【文献】特開2013-073362(JP,A)
【文献】特開2008-123367(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0250639(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
H04W 4/44
H04W 4/46
H04W 92/18
H04W 28/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムに適用される自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法であって、
ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するステップと、
ウェイポイント情報伝送装置が前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップと、
ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するステップと、
ウェイポイント情報伝送装置が前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップと、
を含
み、
前記ウェイポイント情報伝送制御命令は、隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置及び先行車の現在の位置を含み、
前記ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するステップは、
前記ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令における隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置に基づき、履歴ウェイポイント情報から隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置と先行車の現在の位置との間のターゲットウェイポイント情報を取得するステップを含む、
ことを特徴とする自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法。
【請求項2】
前記各周期のウェイポイント情報の数は同じであり、前記ウェイポイント情報は、先行車の位置、並びに先行車の速度、先行車の加速度、先行車の進路、先行車の前輪のステアリング角、先行車のアクセルの開度、先行車の制動ペダルの踏み込み量、先行車の制動減速度及び先行車のハンドル角の情報の1つ又は複数を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法。
【請求項3】
前記ウェイポイント情報は、先行車の位置を含み、且つ前記ウェイポイント情報伝送装置が前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップは、
ウェイポイント情報伝送装置が前記各周期のウェイポイント情報に重複除去処理を行い、重複除去処理後の各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップを含み、このステップは更に
前記ウェイポイント情報伝送装置が現在の周期のウェイポイント情報を受信した場合、現在の周期のウェイポイント情報に対応する先行車の位置を取得するステップと、
前記ウェイポイント情報伝送装置が現在の周期のウェイポイント情報に対応する先行車の位置と既に記憶されたウェイポイント情報に対応する先行車の位置を比較し、位置比較結果を形成するステップと、
前記ウェイポイント情報伝送装置により位置比較結果が予め設定された位置偏差閾値以下であるウェイポイント情報を重複ウェイポイント情報として決定し、現在の周期のウェイポイント情報から重複ウェイポイント情報を削除し、重複ウェイポイント情報が削除された後の現在の周期の残りのウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法。
【請求項4】
前記ウェイポイント情報は、ウェイポイント情報番号を含み、同じウェイポイント情報は、ウェイポイント情報番号が同じであり、且つ前記ウェイポイント情報伝送装置が前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップは、
ウェイポイント情報伝送装置が前記各周期のウェイポイント情報に重複除去処理を行い、重複除去処理後の各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップを含み、このステップは更に、
前記ウェイポイント情報伝送装置が現在の周期のウェイポイント情報を受信した場合、現在の周期のウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号を取得するステップと、
前記ウェイポイント情報伝送装置が現在の周期のウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号と既に記憶されたウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号を比較し、番号比較結果を形成するステップと、
前記ウェイポイント情報伝送装置により番号比較結果が同じであるウェイポイント情報を重複ウェイポイント情報として決定し、現在の周期のウェイポイント情報から重複ウェイポイント情報を削除し、重複ウェイポイント情報が削除された後の現在の周期の残りのウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法。
【請求項5】
前記ウェイポイント情報伝送装置は、先行車に設けられ、前記ウェイポイント情報伝送装置は、前記先行車車載装置に通信可能に接続され、前記自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムは、先行車冗長化車載V2X機器及び隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載V2X機器を更に含み、前記先行車冗長化車載V2X機器は、前記第1の車載V2X機器に通信可能に接続され、前記ウェイポイント情報伝送装置は、前記先行車冗長化車載V2X機器に接続され、前記第1の車載装置は、前記第1の車載V2X機器に接続され、
前記ウェイポイント情報伝送装置が前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップは、
前記ウェイポイント情報伝送装置が先行車冗長化車載V2X機器及び第1の車載V2X機器を介して前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法。
【請求項6】
前記ウェイポイント情報伝送装置は、自動運転車両隊列のうちの何れか1つの追従車に設けられ、前記自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムは、先行車車載V2X機器、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載V2X機器及びウェイポイント情報伝送装置の位置する追従車の第2の車載V2X機器を更に含み、前記先行車車載V2X機器、第1の車載V2X機器、第2の車載V2X機器は、2つずつ通信可能に接続され、前記先行車車載装置は、前記先行車車載V2X機器に接続され、前記第1の車載装置は、前記第1の車載V2X機器に接続され、前記ウェイポイント情報伝送装置は、前記第2の車載V2X機器に接続され、
前記ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するステップは、
前記ウェイポイント情報伝送装置が第2の車載V2X機器を介して、先行車車載装置から先行車車載V2X機器を介して送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するステップを含み、
前記ウェイポイント情報伝送装置が前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップは、
前記ウェイポイント情報伝送装置が前記第2の車載V2X機器及び第1の車載V2X機器を介して前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップを含み、前記ウェイポイント情報伝送装置は、自動運転車両隊列のうち最後尾にある追従車に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法。
【請求項7】
前記ウェイポイント情報伝送装置は、自動運転車両隊列が走行する道路の路側機器に設けられ、前記自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムは、先行車車載V2X機器、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載V2X機器及びウェイポイント情報伝送装置の位置する路側機器にある路側V2X機器を更に含み、前記先行車車載V2X機器、第1の車載V2X機器、路側V2X機器は、2つずつ通信可能に接続され、前記先行車車載装置は、前記先行車車載V2X機器に接続され、前記第1の車載装置は、前記第1の車載V2X機器に接続され、前記ウェイポイント情報伝送装置は、前記路側V2X機器に接続され、
前記ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するステップは、
前記ウェイポイント情報伝送装置が路側V2X機器を介して、先行車車載装置から先行車車載V2X機器を介して送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するステップを含み、
前記ウェイポイント情報伝送装置が前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップは、
前記ウェイポイント情報伝送装置が前記路側V2X機器及び第1の車載V2X機器を介して前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法。
【請求項8】
先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムに適用されるウェイポイント情報伝送装置であって、
先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するための受信ユニットと、
前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するための記憶ユニットと、
先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するための決定ユニットと、
前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するための送信ユニットと、
を含
み、
前記ウェイポイント情報伝送制御命令は、隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置及び先行車の現在の位置を含み、
前記先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定することは、
先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令における隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置に基づき、履歴ウェイポイント情報から隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置と先行車の現在の位置との間のターゲットウェイポイント情報を取得することを含む、
ことを特徴とするウェイポイント情報伝送装置。
【請求項9】
先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムであって、
前記先行車車載装置は、ウェイポイント情報伝送装置に現在の周期のウェイポイント情報を即時送信するために用いられ、
前記ウェイポイント情報伝送装置は、各周期のウェイポイント情報を即時受信し、前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するために用いられ、
前記先行車車載装置は、更に、ウェイポイント情報伝送装置にウェイポイント情報伝送制御命令を送信するために用いられ、
前記ウェイポイント情報伝送装置は、更に、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するとともに、前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するために用いられ、
前記ウェイポイント情報伝送制御命令は、隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置及び先行車の現在の位置を含み、
前記ウェイポイント情報伝送装置が、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定することは、
先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令における隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置に基づき、履歴ウェイポイント情報から隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置と先行車の現在の位置との間のターゲットウェイポイント情報を取得することを含む、
ことを特徴とする自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システム。
【請求項10】
プログラム又は命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラム又は命令がコンピュータで実行される時に、請求項1~
7の何れか1項に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータで実行される時に、前記コンピュータに請求項1~
7の何れか1項に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実行させる、ことを特徴とする命令を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
メモリに結合するプロセッサを含むチップシステムであって、前記メモリにはプログラム命令が記憶されており、前記メモリに記憶されているプログラム命令が前記プロセッサにより実行される時に、請求項1~
7の何れか1項に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、ことを特徴とするチップシステム。
【請求項13】
請求項1~
7の何れか1項に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実行するように配置されている処理回路を含む、ことを特徴とする回路システム。
【請求項14】
メモリと、前記メモリに通信可能に接続される1つ又は複数のプロセッサと、を含むコンピュータサーバであって、
前記メモリには、前記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されることで、前記1つ又は複数のプロセッサが請求項1~
7の何れか1項に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年9月6日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201910841326.Xで、発明名称が「自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法、装置及びシステム」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、自動運転技術分野に関し、特に、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、協同自動運転車両隊列(Platooning,自動運転車両隊列と略称)とは、複数の車両が自動運転技術及びV2V(Vehicle-to-Vehicle,車両間)テレマティクス技術のサポートにより極めて小さい車間距離で追従走行する編隊状態を指す。編隊では、車間距離は、一般的な意味での安全走行車間距離よりも遥かに小さく、20メートルだけであり、ひいてはより小さく、極めて小さい車間距離によって、先行車により克服した気流が車両の後部でそのまま2番目の車両に受けられ、低圧の渦領域を形成することがなく、車両隊列全体の走行中の空気抵抗合計値が効果的に低減される。一般的には、協同自動運転車両隊列状態での走行によって減少された抵抗に対応して、10%近くの燃料消費を節約することができる。協同自動運転車両隊列がこれほど短い間隔を保てるのは、主にV2V通信の低遅延通信のおかげであり、V2Vは、エンドツーエンドの100ms内の通信を実現することができる。従って、V2V技術に基づき、車両間は情報インタラクションを行うことができ、同一の編隊内の一連の車両は、先行車に追従して、その操作に伴って自発的に操作することができる。例えば、先行車がアクセルの踏み込み、ブレーキの踏み込み又はステアリングなどの操作を行った場合、後ろの一連の車両はいずれも非常に短い時間内で同じ操作を行うことができる。
【0004】
現在、自動運転車両隊列の環境で、追従車が先行車に追従できるという需要を満たすために、追従車は、一般的に先行車から先行車のウェイポイント情報を取得する必要がある。しかしながら、先行車は、毎回ウェイポイントを送信する時も、全ての追従車に同時に使用されるように、過去の所定の時間帯内の完全なウェイポイントを送信する必要がある。追従車は、先行車の過去の所定の時点でのウェイポイントを必要とし、当該ウェイポイントの地理的位置が当該追従車の現在の位置の前後にあり、当該追従車の自動運転意思決定に経路根拠を提供する。車両隊列内部の追従車の数が増えるほど、車両隊列全体の物理的長さも長くなり、先行車が毎回送信する必要のある履歴ウェイポイントの数も多くなり、通信リソースが余りにも多く占められ、車両隊列全体の運行効率と走行安全性に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、先行車の通信リソースが余りにも多く占められる問題を回避可能な自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法、装置及びシステムを提供する。
上記目的を達成するために、本願の実施例は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0006】
本願の実施例の第1の態様は、先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムに適用される自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法であって、
ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するステップと、
ウェイポイント情報伝送装置が前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するステップと、
ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するステップと、
ウェイポイント情報伝送装置が前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するステップと、を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を提供する。
【0007】
本願の実施例の第2の態様は、先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムに適用されるウェイポイント情報伝送装置であって、
先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するための受信ユニットと、
前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するための記憶ユニットと、
先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するための決定ユニットと、
前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するための送信ユニットと、を含むウェイポイント情報伝送装置を提供する。
【0008】
本願の実施例の第3の態様は、先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムであって、
前記先行車車載装置は、ウェイポイント情報伝送装置に現在の周期のウェイポイント情報を即時送信するために用いられ、
前記ウェイポイント情報伝送装置は、各周期のウェイポイント情報を即時受信し、前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するために用いられ、
前記先行車車載装置は、更に、ウェイポイント情報伝送装置にウェイポイント情報伝送制御命令を送信するために用いられ、
前記ウェイポイント情報伝送装置は、更に、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するとともに、前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するために用いられる、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムを提供する。
【0009】
本願の実施例の第4の態様は、プログラム又は命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラム又は命令がコンピュータで実行される時に、上記第1の態様に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0010】
本願の実施例の第5の態様は、コンピュータで実行される時に、前記コンピュータに上記第1の態様に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実行させる、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0011】
本願の実施例の第6の態様は、メモリに結合するプロセッサを含むチップシステムであって、前記メモリにはプログラム命令が記憶されており、前記メモリに記憶されているプログラム命令が前記プロセッサにより実行される時に、上記第1の態様に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、チップシステムを提供する。
【0012】
本願の実施例の第7の態様は、上記第1の態様に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実行するように配置されている処理回路を含む、回路システムを提供する。
【0013】
本願の実施例の第8の態様は、メモリと、前記メモリに通信可能に接続される1つ又は複数のプロセッサと、を含むコンピュータサーバであって、
前記メモリには、前記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されることで、前記1つ又は複数のプロセッサが上記第1の態様に記載の自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、コンピュータサーバを提供する。
【0014】
本願の実施例は、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法、装置及びシステムを提供し、そのうち、ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信し、前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成し、先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定し、前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信する。以上から分かるように、本願の実施例において、先行車の各周期のウェイポイント情報は、ウェイポイント情報伝送装置により単独で記憶されてメンテナンスされ、隊列に割り込もうとする追従車を隊列に加える必要がある場合、当該ウェイポイント情報伝送装置により、ターゲットウェイポイント情報を決定するとともに、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置に送信する役割を果たし、先行車車載装置は、各周期で少量のウェイポイント情報を送信するだけでよく、隊列に割り込もうとする追従車を隊列に加える必要がある場合に大量のウェイポイント情報を送信する必要がなく、先行車の通信リソースが節約され、先行車の通信リソースが余りにも多く占められる問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用される図面を簡単に紹介するが、無論、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的労働を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を更に得ることができる。
【
図1】本願の実施例により提供される自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの構造模式
図1である。
【
図2】本願の実施例により提供される自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの構造模式
図2である。
【
図3】本願の実施例により提供される自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの構造模式
図3である。
【
図4】本願の実施例により提供される自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの構造模式
図4である。
【
図5】本願の実施例における自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの具体的な適用例のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例における自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法のフローチャートである。
【
図7】本願の実施例により提供されるウェイポイント情報伝送装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的労働を行うことなく得た他の実施例の全ては、本願の請求範囲に属する。
【0017】
なお、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、類似する対象を区別するために使用され、必ず特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるわけではない。このように使用される数字は、ここで本願の実施例を説明しやすくするために、適切であれば交換可能であることを理解すべきである。また、「含む」と「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップやユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明らかに挙げられたステップやユニットに限定されず、明らかに挙げられていない、又は、これらのプロセス、方法、製品や機器に固有の他のステップやユニットを含むことができる。
【0018】
当業者が本願をより良く理解できるように、以下、まず本願の実施例に現れる一部の技術用語について、以下のように解釈する。
【0019】
V2V(Vehicle-to-Vehicle,車両間):V2V通信技術は、固定式基地局によって制限されていない通信技術であり、移動中の車両に直接エンドツーエンドの無線通信を提供する。
【0020】
V2X(Vehicle to X):今後の高度道路交通システムの肝心な技術である。それにより、車両と車両、車両と基地局、基地局と基地局の間の通信を可能にする。よって、即時の道路状況、道路情報、歩行者情報などの一連の交通情報が得られるため、運転の安全性が向上し、渋滞が緩和され、交通効率が向上し、車載エンターテインメント情報などが提供される。
【0021】
RSU(Road Side Unit,路側ユニット、又は路側機器とも呼ばれる):路側に取り付けられ、車載ユニットOBUと通信する機器である。
【0022】
本願のいくつかの実施例において、「車両」という用語は、任意の移動体を含むと広義的に解釈され、例えば、飛行機、船、宇宙船、自動車、トラック、バン型トラック、セミトレーラ、自動二輪車、ゴルフカート、オフロード車、倉庫輸送車両又は農業車両、並びに電車又は列車などのレールで走行する輸送ツール、及び他の鉄道車両を含む。本願における「車両」は、通常、動力システム、センサシステム、制御システム、周辺機器及びコンピュータシステムを含み得る。他の実施例において、車両は、より多い、より少ない、又は異なるシステムを含んでもよい。
【0023】
そのうち、動力システムは、車両に動きの動力を提供するシステムであり、エンジン/モータ、変速機及び車輪/タイヤ、エネルギーユニットを含む。
【0024】
制御システムは、ステアリングユニット、スロットルバルブ、制動ユニットなどの、車両及びそのコンポーネントを制御する装置の組み合わせを含み得る。
【0025】
周辺機器は、無線通信システム、タッチスクリーン、マイクロホン及び/又はスピーカなどの、車両と外部センサ、他の車両、外部コンピューティングデバイス及び/又はユーザとのインタラクションを可能にする機器であり得る。
【0026】
以上に説明された車両に基づき、無人運転車両には、更にセンサシステム及び無人運転制御装置が配置されている。
【0027】
センサシステムは、車両の位置する環境の情報を検出するための複数のセンサ、及びセンサの位置及び/又は方向を変える1つ又は複数のアクチュエータを含み得る。センサシステムは、全地球測位システムセンサ、慣性測定ユニット、無線検出と測距(RADAR)ユニット、カメラ、レーザ距離計、光検出と測距(LIDAR)ユニット及び/又は音響センサなどのセンサの任意の組み合わせを含み得る。センサシステムは、車内のシステムを監視するセンサ(例えば、O2モニタ、燃料計、エンジン温度計など)を更に含み得る。
【0028】
無人運転制御装置は、1つのプロセッサ及びメモリを含み得る。メモリには、少なくとも1つの機器により実行可能な命令が記憶されており、プロセッサは、少なくとも1つの機器により実行可能な命令を実行することで、地図エンジン、測位モジュール、感知モジュール、ナビゲーション又は経路モジュール及び自動制御モジュールなどの機能を実現する。地図エンジン及び測位モジュールは、地図情報及び測位情報を提供するために用いられる。感知モジュールは、センサシステムにより取得された情報及び地図エンジンにより提供された地図情報に基づいて車両の位置する環境における物事を感知するために用いられる。ナビゲーション又は経路モジュールは、地図エンジン、測位モジュール及び感知モジュールの処理結果に基づいて車両に走行経路を計画するために用いられる。自動制御モジュールは、ナビゲーション又は経路モジュールなどのモジュールの意思決定情報の入力を解析して車両制御システムに対する制御命令の出力に変換し、且つ車載ネットワーク(例えば、CANバス、ローカル相互接続ネットワーク、メディア指向システム伝送(Media Oriented Systems Transport)などの方式により実現された車内電子ネットワークシステム)を介して制御命令を車両制御システムにおける対応する部材に送信し、車両に対する自動制御を実現する。自動制御モジュールは、車載ネットワークを介して車両における各部材の情報を取得することもできる。
【0029】
現在、自動運転車両隊列の前進中に、先行車は、V2X通信を介して車両隊列内の各追従車に、先行車の位置、先行車の速度、先行車の加速度、先行車の進路、先行車の前輪のステアリング角、先行車のアクセルの開度、先行車の制動ペダルの踏み込み量、先行車の制動減速度、先行車のハンドル角のうちの1つ又は複数の情報を含む先行車の現在の運動学的状態を定期的に送信する必要があり、各時点の先行車の上記運行学状態における全ての情報は、1つの完全なウェイポイント情報を構成する。追従車は、先行車のウェイポイント情報を受信して記憶する。追従車の記憶ユニットは、過去の所定の時間帯内の先行車のウェイポイント情報を記憶することができ、これらのウェイポイント情報に基づいて追従車自体が走行するように制御することができる。
【0030】
以上から分かるように、現在の各追従車のウェイポイント情報は、全て先行車によりV2X通信を介して送信する必要があるが、自動運転車両隊列では、先行車のV2X通信チャンネルのタスクが重く、例えば、先行車は、V2X通信チャンネルを介してそれ自体のウェイポイント情報を送信するほか、全車両隊列の状態を把握するために、全車両隊列の追従車のフィードバック情報を即時受信する必要もある。また、先行車は、他の車両隊列と通信する可能性もある。更に、先行車は、車両隊列の状態の異常を発見した場合、車両隊列をタイムリーに制御する必要もある(そうでなければ、事故が発生する可能性がある)。従って、先行車がそれ自体のウェイポイント情報を送信するために占めるV2Xチャンネルリソースを可能な限り少なくする必要がある。
【0031】
上記問題を克服するために、本願の実施例は、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムを提供し、
図1に示すように、自動運転車両隊列20のうちの先行車21の先行車車載装置211、隊列に割り込もうとする追従車22の第1の車載装置221及びウェイポイント情報伝送装置30を含む。また、当該自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムでは、自動運転車両隊列20のうちの先行車21には、先行車車載V2X機器212及び先行車冗長化車載V2X機器213が設けられてもよく、隊列に割り込もうとする追従車22には、第1の車載V2X機器222が設けられてもよい。また、当該自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムでは、既に車両隊列にある追従車23の第2の車載装置231及び第2の車載V2X機器232を更に含んでもよく、且つ、自動運転車両隊列20が走行する道路の路側機器40にある路側V2X機器401を含んでもよい。先行車21の先行車車載装置211は、それぞれ先行車車載V2X機器212及び先行車冗長化車載V2X機器213に接続され、第2の車載装置231は、第2の車載V2X機器232に接続され、第1の車載装置221は、第1の車載V2X機器222に接続される。更に、先行車車載V2X機器212、先行車冗長化車載V2X機器213、路側V2X機器401、第2の車載V2X機器232及び第1の車載V2X機器222の間は、2つずつ通信可能に接続することができ、即ち、V2X技術により通信することができる。
【0032】
本願における第1の車載装置221、第2の車載装置231及び先行車車載装置211は、コンピューティング処理能力を有する車載コンピュータ又は車載サーバであり得ることを説明しておく。
【0033】
本願における路側機器40(RSU)は、レーザーレーダ、カメラ、通信モジュールなどが搭載された路側感知機器であり得る。当該路側機器40の具体的な構造及び詳細な内容は、公開番号がCN107807633Aである中国特許出願を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0034】
また、それぞれ
図2、
図3及び
図4に示すように、当該ウェイポイント情報伝送装置30は、先行車21に設けられてもよく(
図2に示す)、例えば、当該ウェイポイント情報伝送装置30は、先行車21に単独で設けられた装置であり、この場合、ウェイポイント情報伝送装置30は、先行車車載装置211に通信可能に接続され、又はウェイポイント情報伝送装置30は先行車車載装置211自体であってもよい。また、当該ウェイポイント情報伝送装置30は、自動運転車両隊列20のうちの何れか1つの追従車に設けられてもよく(
図3に示す)、例えば、車両隊列の最後尾の近くにある隊列に割り込もうとする追従車22との通信インタラクションを行いやすくするために、当該ウェイポイント情報伝送装置30は、自動運転車両隊列20のうち最後尾にある追従車23に設けられてもよく、この場合、ウェイポイント情報伝送装置30は、第2の車載V2X機器232に接続される。また、当該ウェイポイント情報伝送装置30は、自動運転車両隊列20が走行する道路の路側機器40に設けられてもよく(
図4に示す)、この場合、当該ウェイポイント情報伝送装置30は、路側V2X機器401に接続される。
【0035】
本願の一実施例において、先行車車載装置211は、ウェイポイント情報伝送装置30に現在の周期のウェイポイント情報を即時送信するために用いられる。
【0036】
ウェイポイント情報伝送装置30は、各周期のウェイポイント情報を即時受信し、各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するために用いられる。
【0037】
先行車車載装置211は、更に、ウェイポイント情報伝送装置30にウェイポイント情報伝送制御命令を送信するために用いられる。
【0038】
ウェイポイント情報伝送装置30は、更に、ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するとともに、ターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置221に送信するために用いられる。
【0039】
本願の一実施例において、先行車車載装置211がウェイポイント情報伝送装置30に現在の周期のウェイポイント情報を即時送信する場合、各周期のウェイポイント情報の数は同じであってもよく、例えば、周期(例えば、先行車車載装置211が20Hzの周波数でウェイポイント情報を送信するとすれば、1つの周期は50msとなる)ごとに10個のウェイポイントのウェイポイント情報を送信するが、これに限定されない。また、当該ウェイポイント情報は、先行車の位置、並びに先行車の速度、先行車の加速度、先行車の進路、先行車の前輪のステアリング角、先行車のアクセルの開度、先行車の制動ペダルの踏み込み量、先行車の制動減速度及び先行車のハンドル角などの情報の1つ又は複数を含む。このように、車両隊列のうちの各追従車23及び隊列に割り込もうとする追従車22は、ウェイポイント情報に基づいて車両の追従移動を制御することができ、ここで、自動運転車両隊列20のうちの追従車がウェイポイント情報に基づいてそれ自体の走行を制御することは、従来技術であり、ここで詳しく説明しない。
【0040】
本願の一実施例において、先行車車載装置211によるウェイポイント情報の送信周期が短く、例えば50msである可能性があり、先行車の速度が遅い場合、先行車車載装置211が前後2回送信したウェイポイント情報に大量の重複がある場合があるため、ウェイポイント情報伝送装置30は、各周期のウェイポイント情報を即時受信し、各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するプロセスにおいて、各周期のウェイポイント情報に重複除去処理を行い、重複除去処理後の各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成する必要がある。当該重複除去処理のプロセスは、以下の2つの方式を採用することができる。
【0041】
例えば、方式1:
ウェイポイント情報伝送装置30が現在の周期のウェイポイント情報を受信した場合、現在の周期のウェイポイント情報に対応する先行車の位置を取得する。現在の周期のウェイポイント情報に対応する先行車の位置と既に記憶されたウェイポイント情報に対応する先行車の位置を比較し、位置比較結果を形成する。位置比較結果が予め設定された位置偏差閾値以下であるウェイポイント情報を重複ウェイポイント情報として決定し、現在の周期のウェイポイント情報から重複ウェイポイント情報を削除し、重複ウェイポイント情報が削除された後の現在の周期の残りのウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成する。例えば、ウェイポイント情報伝送装置30は、周期(先行車車載装置211が20Hzの周波数でウェイポイント情報を送信するとすれば、1つの周期は50msとなる)ごとに10個のウェイポイントのウェイポイント情報を受信し、各ウェイポイントの距離が理論的に1mであるとすれば、現在の周期のウェイポイント情報に対応する先行車の位置と既に記憶されたウェイポイント情報に対応する先行車の位置との位置比較結果が予め設定された位置偏差閾値(例えば、50cm)以下である場合、現在の周期の当該ウェイポイント情報が重複ウェイポイント情報であると認められる。
【0042】
また、例えば、方式2:
ウェイポイント情報伝送装置30が現在の周期のウェイポイント情報(ここで、当該ウェイポイント情報は、ウェイポイント情報番号を含み、同じウェイポイント情報は、ウェイポイント情報番号が同じである)を受信した場合、現在の周期のウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号を取得する。現在の周期のウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号と既に記憶されたウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号を比較し、番号比較結果を形成する。番号比較結果が同じであるウェイポイント情報を重複ウェイポイント情報として決定し、現在の周期のウェイポイント情報から重複ウェイポイント情報を削除し、重複ウェイポイント情報が削除された後の現在の周期の残りのウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成する。例えば、ウェイポイント情報伝送装置30は、周期(先行車車載装置211が20Hzの周波数でウェイポイント情報を送信するとすれば、1つの周期は50msとなる)ごとに10個のウェイポイントのウェイポイント情報を受信し、各ウェイポイントの距離が理論的に1mであり、同じ位置のウェイポイント情報の番号が同じであり、例えば、既に記憶されたウェイポイント情報が001、002、003号のウェイポイント情報であり、現在の周期のウェイポイント情報が002、003、004号のウェイポイント情報であるとすれば、002及び003号のウェイポイント情報が重複ウェイポイント情報であると決定することができる。
【0043】
本願の一実施例において、当該先行車車載装置211は、隊列に割り込もうとする追従車22の第1の車載装置221から送信された隊列割り込みリクエストを受信することができ、先行車車載装置211が隊列に割り込もうとする追従車22を隊列に加えることができると決定した後、先行車車載装置は、ウェイポイント情報伝送装置30にウェイポイント情報伝送制御命令を送信することができ、その目的は、ウェイポイント情報伝送装置30がウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するとともに、ターゲットウェイポイント情報を隊列への割り込みが許可された追従車(即ち、隊列に割り込もうとする追従車22)の第1の車載装置221に送信するように制御するためである。
【0044】
本願の一実施例において、当該ウェイポイント情報伝送制御命令は、隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置及び先行車の現在の位置を含み、この場合、ウェイポイント情報伝送装置30がウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定することは、以下のように実現することができる。
【0045】
ウェイポイント情報伝送装置30が先行車車載装置211から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、ウェイポイント情報伝送制御命令における隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置に基づき、履歴ウェイポイント情報から隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置と先行車の現在の位置との間のターゲットウェイポイント情報を取得する。例えば、ウェイポイント情報伝送装置30に記憶された履歴ウェイポイント情報として、1mおきに1つのウェイポイント情報が存在するとすれば、現在の周期で、取得された隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置と先行車の現在の位置との間の距離が100mである場合、履歴ウェイポイント情報からこの100mに対応する100個のターゲットウェイポイント情報を取得する必要がある。以上は、単にターゲットウェイポイント情報の1つの取得方式を例示しただけであり、これに限定されない。
【0046】
本願の一実施例において、ウェイポイント情報伝送装置30が各周期のウェイポイント情報を即時受信する方式、及びウェイポイント情報伝送装置30がターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置221に送信する方式は、ウェイポイント情報伝送装置30の位置の異なりによって異なる方式を採用することができる。例えば、以下の方式が挙げられる。
【0047】
方式1:
図2に示すように、ウェイポイント情報伝送装置30が先行車21に設けられている場合、ウェイポイント情報伝送装置30は、先行車車載装置211に通信可能に接続されることで、先行車車載装置211から各周期のウェイポイント情報を即時受信することができる。また、ウェイポイント情報伝送装置30は、先行車冗長化車載V2X機器213及び第1の車載V2X機器222を介してターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置221に送信することができる。ここで、この方式1では、先行車冗長化車載V2X機器213によりターゲットウェイポイント情報の伝送を行い、先行車車載V2X機器212は、より重要な制御命令の送信、全車両隊列の追従車のフィードバック情報の受信、他の車両隊列との通信などの通信データの送受信を担当し、ターゲットウェイポイント情報の伝送によって先行車車載V2X機器212の通信リソースが占められることが回避される。
【0048】
方式2:
図3に示すように、ウェイポイント情報伝送装置30は、自動運転車両隊列20のうちの何れか1つの追従車に設けられ、例えば、ここで、ウェイポイント情報伝送装置30が自動運転車両隊列20のうち最後尾にある追従車23に設けられているとする(
図3では、単に自動運転車両隊列20が先行車21及び1台の追従車23を含む場合を例とするが、これに限定されない)。この場合、ウェイポイント情報伝送装置30は、第2の車載V2X機器232を介して、先行車車載装置211から先行車車載V2X機器212(勿論、ここで先行車冗長化車載V2X機器213を採用してもよい)を介して送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信することができる。また、ウェイポイント情報伝送装置30は、第2の車載V2X機器232及び第1の車載V2X機器222を介してターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置221に送信することができる。
【0049】
方式3:
図4に示すように、ウェイポイント情報伝送装置30は、自動運転車両隊列20が走行する道路の路側機器40に設けられてもよく、この場合、ウェイポイント情報伝送装置30は、路側V2X機器401を介して、先行車車載装置211から先行車車載V2X機器212を介して送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信することができる。また、ウェイポイント情報伝送装置30は、路側V2X機器401及び第1の車載V2X機器222を介してターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置221に送信することができる。
【0050】
以上から分かるように、上記の3つの異なる方式により、ウェイポイント情報伝送装置30は、多くの場所に柔軟に配置することができ、多くの方式で実現可能である。このように、各追従車は、非常に小さい通信コストで、先行車の完全なウェイポイント情報を取得し、完全なウェイポイント情報のガイドによって、自動運転車両隊列の追従制御を実現することができる。
【0051】
以下、本願の実施例における自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの1つの具体的な適用例を例示する。自動運転車両隊列に3台の車両があり、1号が先行車であり、2号、3号が順に追従車であり、車間距離が20メートルであり、車両隊列が自動運転状態にあり、4号の車両が隊列に割り込もうとする新たな追従車であり、3号の車両から100メートルである。(ここでのインタラクションプロセスは、先行車、追従車などのみを実行の主体とし、車載装置及び車載V2X機器などの車両上の細部が省かれ、この例は、1つの具体的な適用例に過ぎず、当業者であれば、更に、本願の明細書を基により多くの適用例を例示することができるが、ここで一々例示しない)。
図5に示すように、以下のステップを含む。
【0052】
ステップS1において、1号の車両が20Hzの周波数で現在の周期のウェイポイント情報を送信し、毎回10個のウェイポイント情報を送信し、隣接する2つのウェイポイント情報における先行車の位置の間の間隔が1メートルである。
【0053】
ステップS2において、2、3号の車両が毎回10個のウェイポイント情報を受信した後、この10個のウェイポイント情報が既に自車両に記憶されているか否かを検索する。
例えば、2号の車両が前の周期内で先行車のウェイポイント情報を受信していないため、今回の更新を経て、2つのウェイポイント情報が追加される。3号の車両が前の周期内で先行車のウェイポイント情報を受信したため、今回の更新を経て、1つのウェイポイント情報のみが追加される。更新を経て、2、3号の車両は、いずれも1号の車両の完全なウェイポイントを有するようになる。
【0054】
ステップS3において、4号の車両が車両隊列への割り込みを申請する。
【0055】
ステップS4において、1号の車両が車両隊列への4号の車両の割り込みを許可し、3号の車両にウェイポイント情報伝送制御命令を送信する。
【0056】
ステップS5において、3号の車両により、位置判断を通じて、3号の車両自体が1号の車両から40メートルであり、4号の車両から100メートルであると決定したため、140メートルの範囲内のウェイポイント情報を必要とすると判断し、3号の車両がそれ自体に記憶された履歴ウェイポイント情報からこの140メートルの範囲に対応する合計140個のターゲットウェイポイント情報を取得して、4号の車両に送信する。
【0057】
ステップS6において、4号の車両が現在の自車両位置から1号の車両までの140メートルの全てのターゲットウェイポイント情報を取得し、自動運転車両隊列での自動運転を開始する。
【0058】
ステップS7において、次の周期で、1号の車両が現在の周期の10個のウェイポイント情報を送信し続ける。
【0059】
ステップS8において、4号の車両が現在の周期のウェイポイント情報を受信し、それ自体に記憶された140個のウェイポイント情報と比較し、1つの新たなウェイポイント情報を発見して記憶し、2、3号の車両も自車両に記憶された履歴ウェイポイント情報を同時に更新する。このように、2、3、4号の車両は、完全な先行車ウェイポイント情報を有するようになる。
【0060】
また、
図6に示すように、本願の一実施例において、先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムに適用される自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を提供する。当該方法は、以下のステップを含む。
【0061】
ステップ501において、ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信する。
【0062】
ステップ502において、ウェイポイント情報伝送装置が各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成する。
【0063】
ステップ503において、ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定する。
【0064】
ステップ504において、ウェイポイント情報伝送装置がターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置に送信する。
【0065】
本願の一実施例において、各周期のウェイポイント情報の数は同じであり、ウェイポイント情報は、先行車の位置、並びに先行車の速度、先行車の加速度、先行車の進路、先行車の前輪のステアリング角、先行車のアクセルの開度、先行車の制動ペダルの踏み込み量、先行車の制動減速度及び先行車のハンドル角の情報の1つ又は複数を含む。
【0066】
本願の一実施例において、このステップ502においてウェイポイント情報伝送装置が前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成することは、以下のように実現することができる。
【0067】
ウェイポイント情報伝送装置が各周期のウェイポイント情報に重複除去処理を行い、重複除去処理後の各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成する。
【0068】
本願の一実施例において、当該ウェイポイント情報は、先行車の位置を含み、この場合、ウェイポイント情報伝送装置が各周期のウェイポイント情報に重複除去処理を行い、重複除去処理後の各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成することは、以下のように実現することができる。
【0069】
ウェイポイント情報伝送装置が現在の周期のウェイポイント情報を受信した場合、現在の周期のウェイポイント情報に対応する先行車の位置を取得し、現在の周期のウェイポイント情報に対応する先行車の位置と既に記憶されたウェイポイント情報に対応する先行車の位置を比較し、位置比較結果を形成し、位置比較結果が予め設定された位置偏差閾値以下であるウェイポイント情報を重複ウェイポイント情報として決定し、現在の周期のウェイポイント情報から重複ウェイポイント情報を削除し、重複ウェイポイント情報が削除された後の現在の周期の残りのウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成する。
【0070】
本願の一実施例において、ウェイポイント情報は、ウェイポイント情報番号を含み、同じウェイポイント情報は、ウェイポイント情報番号が同じである。この場合、ウェイポイント情報伝送装置が各周期のウェイポイント情報に重複除去処理を行い、重複除去処理後の各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成することは、以下のように実現することができる。
【0071】
ウェイポイント情報伝送装置が現在の周期のウェイポイント情報を受信した場合、現在の周期のウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号を取得し、現在の周期のウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号と既に記憶されたウェイポイント情報に対応するウェイポイント情報番号を比較し、番号比較結果を形成し、番号比較結果が同じであるウェイポイント情報を重複ウェイポイント情報として決定し、現在の周期のウェイポイント情報から重複ウェイポイント情報を削除し、重複ウェイポイント情報が削除された後の現在の周期の残りのウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成する。
【0072】
また、本願の一実施例において、ウェイポイント情報伝送装置は、先行車に設けられ、ウェイポイント情報伝送装置は、先行車車載装置に通信可能に接続され、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムは、先行車冗長化車載V2X機器及び隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載V2X機器を更に含み、先行車冗長化車載V2X機器は、第1の車載V2X機器に通信可能に接続され、ウェイポイント情報伝送装置は、先行車冗長化車載V2X機器に接続され、第1の車載装置は、第1の車載V2X機器に接続される。
【0073】
この場合、上記ステップ504において、ウェイポイント情報伝送装置がターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置に送信することは、以下のように実現することができる。
【0074】
ウェイポイント情報伝送装置が先行車冗長化車載V2X機器及び第1の車載V2X機器を介してターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置に送信する。
【0075】
また、本願の一実施例において、ウェイポイント情報伝送装置は、自動運転車両隊列のうちの何れか1つの追従車に設けられ、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムは、先行車車載V2X機器、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載V2X機器及びウェイポイント情報伝送装置の位置する追従車の第2の車載V2X機器を更に含み、先行車車載V2X機器、第1の車載V2X機器、第2の車載V2X機器は、2つずつ通信可能に接続され、先行車車載装置は、先行車車載V2X機器に接続され、第1の車載装置は、第1の車載V2X機器に接続され、ウェイポイント情報伝送装置は、第2の車載V2X機器に接続される。
【0076】
この場合、上記ステップ501において、ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信することは、以下のように実現することができる。
【0077】
ウェイポイント情報伝送装置が第2の車載V2X機器を介して、先行車車載装置から先行車車載V2X機器を介して送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信する。
【0078】
上記ステップ504において、ウェイポイント情報伝送装置がターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置に送信することは、以下のように実現することができる。
【0079】
ウェイポイント情報伝送装置が第2の車載V2X機器及び第1の車載V2X機器を介してターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置に送信する。
【0080】
また、本願の一実施例において、ウェイポイント情報伝送装置は、自動運転車両隊列のうち最後尾にある追従車に設けられる。
【0081】
また、本願の一実施例において、ウェイポイント情報伝送装置は、自動運転車両隊列が走行する道路の路側機器に設けられ、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムは、先行車車載V2X機器、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載V2X機器及びウェイポイント情報伝送装置の位置する路側機器にある路側V2X機器を更に含み、先行車車載V2X機器、第1の車載V2X機器、路側V2X機器は、2つずつ通信可能に接続され、先行車車載装置は、先行車車載V2X機器に接続され、第1の車載装置は、第1の車載V2X機器に接続され、ウェイポイント情報伝送装置は、路側V2X機器に接続される。
【0082】
この場合、上記ステップ501において、ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信することは、以下のように実現することができる。
【0083】
ウェイポイント情報伝送装置が路側V2X機器を介して、先行車車載装置から先行車車載V2X機器を介して送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信する。
【0084】
上記ステップ504において、ウェイポイント情報伝送装置がターゲットウェイポイント情報を第1の車載装置に送信することは、以下のように実現することができる。
【0085】
ウェイポイント情報伝送装置が路側V2X機器及び第1の車載V2X機器を介してターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信する。
【0086】
また、本願の一実施例において、ウェイポイント情報伝送制御命令は、隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置及び先行車の現在の位置を含む。この場合、上記ステップ503において、ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定することは、以下のように実現することができる。
【0087】
ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、ウェイポイント情報伝送制御命令における隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置に基づき、履歴ウェイポイント情報から隊列に割り込もうとする追従車の現在の位置と先行車の現在の位置との間のターゲットウェイポイント情報を取得する。
【0088】
なお、本願の実施例の具体的な実現形態は、上記
図1~
図5に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの実施例を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0089】
また、
図7に示すように、本願の実施例は、更に、先行車車載装置、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置及びウェイポイント情報伝送装置を含む自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムに適用されるウェイポイント情報伝送装置を提供し、 当該ウェイポイント情報伝送装置は、
先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信するための受信ユニット61と、
前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成するための記憶ユニット62と、
先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定するための決定ユニット63と、
前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信するための送信ユニット64と、を含む。
【0090】
本願の実施例の具体的な実現形態は、上記
図1~
図5に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの実施例を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0091】
また、本願の実施例は、更に、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサにより実行される時に、上記
図6に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。その具体的な実現形態は、上記
図1~
図5に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの実施例を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0092】
また、本願の実施例は、更に、コンピュータで実行される時に、コンピュータに上記
図6に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実行させる、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。その具体的な実現形態は、上記
図1~
図5に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの実施例を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0093】
また、本願の実施例は、更に、メモリに結合するプロセッサを含むチップシステムであって、前記メモリにはプログラム命令が記憶されており、前記メモリに記憶されているプログラム命令が前記プロセッサにより実行される時に、上記
図6に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、チップシステムを提供する。その具体的な実現形態は、上記
図1~
図5に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの実施例を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0094】
また、本願の実施例は、更に、上記
図6に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実行するように配置されている処理回路を含む回路システムを提供する。その具体的な実現形態は、上記
図1~
図5に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの実施例を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0095】
また、本願の実施例は、更に、メモリと、前記メモリに通信可能に接続される1つ又は複数のプロセッサと、を含むコンピュータサーバであって、
前記メモリには、前記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されることで、前記1つ又は複数のプロセッサが上記
図6に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法を実現する、コンピュータサーバを提供する。その具体的な実現形態は、上記
図1~
図5に対応する自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送システムの実施例を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0096】
本願の実施例は、自動運転車両隊列のウェイポイント情報伝送方法、装置及びシステムを提供し、そのうち、ウェイポイント情報伝送装置が先行車車載装置から送信された各周期のウェイポイント情報を即時受信し、前記各周期のウェイポイント情報を記憶し、履歴ウェイポイント情報を形成し、先行車車載装置から送信されたウェイポイント情報伝送制御命令を受信し、前記ウェイポイント情報伝送制御命令に基づいて履歴ウェイポイント情報からターゲットウェイポイント情報を決定し、前記ターゲットウェイポイント情報を前記第1の車載装置に送信する。以上から分かるように、本願の実施例において、先行車の各周期のウェイポイント情報は、ウェイポイント情報伝送装置により単独で記憶されてメンテナンスされ、隊列に割り込もうとする追従車を隊列に加える必要がある場合、当該ウェイポイント情報伝送装置により、ターゲットウェイポイント情報を決定するとともに、隊列に割り込もうとする追従車の第1の車載装置に送信する役割を果たし、先行車車載装置は、各周期で少量のウェイポイント情報を送信するだけでよく、隊列に割り込もうとする追従車を隊列に加える必要がある場合に大量のウェイポイント情報を送信する必要がなく、先行車の通信リソースが節約され、先行車の通信リソースが余りにも多く占められる問題を回避することができる。
【0097】
当業者は、本願の実施例が方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供可能であると理解すべきである。従って、本願は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例の形を用いることができる。そして、本願は、1つ又は複数のコンピュータ利用可能なプログラムコードが含まれるコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなどを含むが、これらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形を用いることができる。
【0098】
本願は、本願の実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら、説明された。コンピュータプログラム命令により、フローチャート及び/又はブロック図におけるそれぞれのフロー及び/又はブロック、及び、フローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせを実現することができると理解すべきである。1つの機械が生成されるように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又はその他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにこれらのコンピュータプログラム命令を提供することができ、それで、コンピュータ又はその他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにより実行される命令によって、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現するための装置が生成される。
【0099】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラマブルデータ処理機器を、特定の方式で作動するようにガイドできるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、それで、当該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令によって、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現する命令装置を含む製品が生成される。
【0100】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータにより実現される処理を発生させるために、コンピュータ又はその他のプログラマブル機器で一連の操作工程が実行されるように、コンピュータ又はその他のプログラマブルデータ処理機器にロードされてもよく、それで、コンピュータ又はその他のプログラマブル機器で実行される命令によって、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現するための工程が提供される。
【0101】
本願において、具体的な実施例を用いて本願の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は、単に本願の方法及びその核心思想を理解するために使用されたものに過ぎず、同時に、当業者にとって、本願の思想に基づいて、発明を実施するための形態及び適用範囲の何れを変更することができる。以上を纏めると、本明細書の内容は、本願を制限するものとして理解されるべきではない。