(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】迅速接続式針プローブを備えた極低温装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/02 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
A61B18/02
(21)【出願番号】P 2022523617
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 US2020057518
(87)【国際公開番号】W WO2021086847
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-20
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522159820
【氏名又は名称】パシラ クライオテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ハフマスター,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン―ボールデン,エリカ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ダービー,エリック ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,エリック セオドア
(72)【発明者】
【氏名】タナカ―ローチェ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ゲメルスキー,ジェフ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0190745(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0235805(US,A1)
【文献】特表2009-519059(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0010200(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0126988(US,A1)
【文献】特表2009-524469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/02
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温装置であって、
極低温剤を含む極低温剤カートリッジを保持するためのカートリッジホルダであって、前記極低温剤カートリッジは極低温剤経路に結合可能である、カートリッジホルダと、
針プローブを受け取るように構成されたプローブレセプタクルであって、前記プローブレセプタクルが前記針プローブを前記極低温剤経路を介して前記極低温剤カートリッジに結合するように構成され、前記針プローブが、
それぞれが内部に配置された針内腔を有する1つまたは複数の針と、
第1の位置の近位側にある第1のシール要素と、
前記第1の位置の遠位側にある第2のシール要素と、
近位に延伸するプローブ延長部であって、前記プローブ延長部がその中に配置されたプローブ内腔を有し、前記プローブ内腔が近位端から遠位端まで延伸する細長い要素を含み、
前記プローブ内腔が前記遠位端にある前記針内腔と
結合され、
前記プローブ内腔が前記近位端と前記遠位端との間の
前記第1の位置
で前記極低温
剤経路
の入口と結合される、プローブ延長部と
を備える、プローブレセプタクルと
、
前記極低温剤カートリッジと前記第2のシール要素との間の供給弁と
を備える、極低温装置。
【請求項2】
前記第1および第2のシール要素が、前記第1の位置の前記近位側および前記遠位側で前記プローブレセプタクルをシールするように構成される、請求項1に記載の極低温装置。
【請求項3】
前記第1および第2のシール要素がOリングである、請求項2に記載の極低温装置。
【請求項4】
前記供給弁は、前記極低温剤カートリッジと前記プローブレセプタクルとの間の前記極低温剤経路に沿って配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項5】
前記極低温剤経路が内部シャーシを通る孔を含み、前記極低温剤経路の内面が前記極低温剤の気化による気泡の形成を低減するように構成された金属材料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項6】
前記金属材料がアルミニウムである、請求項5に記載の極低温装置。
【請求項7】
前記カートリッジホルダおよび前記プローブレセプタクルが、ユーザによって保持されることが可能なハンドピース内に収容される、請求項1~6のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項8】
前記ハンドピースに一体化された穿刺点を更に含み、前記穿刺点は、前記極低温剤カートリッジが前記カートリッジホルダ内に配置されたときに、前記極低温剤カートリッジを穿刺するように構成される、請求項7に記載の極低温装置。
【請求項9】
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースの前記細長いハウジングが前記細長いハウジングの前記軸に沿って前記細長いハウジングに固定された可動カートリッジドアを備え、前記カートリッジドアは、前記カートリッジホルダが前記極低温剤カートリッジを受け取ることを可能にするための開位置から、前記極低温剤カートリッジを前記細長いハウジング内に固定するための閉位置に移動するように構成される、請求項7~8のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項10】
前記カートリッジドアが、前記開位置から前記閉位置に旋回するように構成されるように、前記細長いハウジングに固定される、請求項9に記載の極低温装置。
【請求項11】
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースが、充電クレードルから充電エネルギーを受け取るために、前記充電クレードル上に前記軸に沿って実質的に水平に載置するように構成される、請求項7~10のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項12】
前記ハンドピース内に配置されたプロセッサを更に備え、前記プロセッサが前記針プローブからプローブ記述子情報を受信するように構成され、前記プロセッサが、前記針プローブが複数のプローブタイプのうちの第1のプローブタイプであることを決定するように更に構成される、請求項7~11のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項13】
前記プローブ延長部の近位端で終端する通路を更に備え、前記通路は、前記プローブ延長部の前記近位端が周囲空気に曝されるように周囲空気に曝される、請求項1~12のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項14】
前記針が、超音波を使用して前記針の視覚化を可能にするために、前記針の1つまたは複数の部分をエコー源性にするように構成された1つまたは複数の凹部または突起を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項15】
前記凹部または突起が多角形デザインを有する、請求項14に記載の極低温装置。
【請求項16】
前記多角形デザインが星形またはダイヤモンド形を含む、請求項15に記載の極低温装置。
【請求項17】
極低温装置であって、
極低温剤を含む極低温剤カートリッジを保持するためのカートリッジホルダであって、前記極低温剤カートリッジが極低温剤経路に結合可能であるカートリッジホルダと、
針プローブのプローブ延長部を受け取るように構成されたプローブレセプタクルであって、前記プローブ延長部が近位端および遠位端を有し、前記プローブレセプタクルが前記プローブ延長部の前記近位端を受け取れるように構成され、前記プローブレセプタクルが、
前記プローブレセプタクルをシールするための
第1のシール要素および第2のシール要素を備え、
前記プローブ延長部が前記プローブレセプタクルに固定されると、
前記プローブ延長部の前記近位端と前記遠位端との間の第1の位置で前記プローブ延長部の内腔を前記極低温剤経路
の入口に結合し、前記極低温剤を前記プローブ延長部の前記内腔に導入するように構成された
前記プローブレセプタクルであって、
前記第1の位置は前記第1のシール要素と前記第2のシール要素との間に配置される、プローブレセプタクルと
を備える、極低温装置。
【請求項18】
前記第1および第2のシール要素が、前記第1の位置の前記近位側および前記遠位側で前記プローブレセプタクルをシールするように構成される、請求項17に記載の極低温装置。
【請求項19】
前記第1および第2のシール要素がOリングである、請求項18に記載の極低温装置。
【請求項20】
前記極低温剤カートリッジと前記プローブレセプタクルとの間の前記極低温剤経路に沿って配置された供給弁を更に備える、請求項17~19のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項21】
前記極低温剤経路が内部シャーシを通る経路を含み、前記経路の内面が前記極低温剤の気化による気泡の形成を減少させるように構成された金属材料を含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項22】
前記金属材料がアルミニウムである、請求項21に記載の極低温装置。
【請求項23】
前記カートリッジホルダおよび前記プローブレセプタクルが、ユーザによって保持されることが可能なハンドピース内に収容される、請求項17~22のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項24】
前記ハンドピースに一体化された穿刺点を更に含み、前記穿刺点は、前記極低温剤カートリッジが前記カートリッジホルダ内に配置されたときに前記極低温剤カートリッジを穿刺するように構成される、請求項23に記載の極低温装置。
【請求項25】
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースの前記細長いハウジングが前記細長いハウジングの前記軸に沿って前記細長いハウジングに固定された可動カートリッジドアを備え、前記カートリッジドアは、前記カートリッジホルダが前記極低温剤カートリッジを受け取ることを可能にするための開位置から、前記極低温剤カートリッジを前記細長いハウジング内に固定するための閉位置に移動するように構成される、請求項23~24のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項26】
前記カートリッジドアが、前記開位置から前記閉位置に旋回するように構成されるように、前記細長いハウジングに固定される、請求項25に記載の極低温装置。
【請求項27】
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースが、充電クレードルから充電エネルギーを受け取るために、前記充電クレードル上に前記軸に沿って実質的に水平に載置するように構成される、請求項23~26のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項28】
前記プローブ延長部の近位端で終端する通路を更に備え、前記通路は、前記プローブ延長部の前記近位端が周囲空気に曝されるように周囲空気に曝される、請求項17~27のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項29】
前記針プローブが1つまたは複数の針を備え、各針が、超音波を使用して前記針の可視化を可能にするために、前記針の1つまたは複数の部分をエコー源性にするように構成された1つまたは複数の凹部または突起を含む、請求項17~28のいずれか一項に記載の極低温装置。
【請求項30】
前記凹部または突起が多角形デザインを有する、請求項29に記載の極低温装置。
【請求項31】
前記多角形デザインが星形またはダイヤモンド形を含む、請求項30に記載の極低温装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年10月29日に出願された米国仮特許出願第62/927,375号の利益を主張するものであり、その開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
関連分野
[0002]疼痛を治療するための神経を含む、治療目的で組織を冷却するための装置、システム、及び方法。
【背景技術】
【0003】
[0003]本開示は、一般に、凍結療法のための医療機器、システム、及び方法に関する。より具体的には、本開示は、標的組織を変性させ、阻害し、再モデル化し、又はそうでなければ標的組織に影響を与えてその挙動又は組成における所望の変化を達成するように、患者の標的組織を極低温冷却することに関する。神経組織の極低温冷却は、とりわけ、疼痛(例えば、後頭部などの神経痛、神経腫、変形性関節症)、痙縮、及び関節硬直を含む様々な症状の治療に有効であることが示されている。例えば、神経組織を冷やすと、これらの状態の原因に関与する神経を変性又は阻害することが分かっている。極低温冷却はまた、例えば、皮膚又は他の周囲組織に対する望ましくない及び/又は見苦しい効果(例えば、輪郭、しわ、又はセルライトディンプルなど)を抑制することによって、美容的状態に対処するために使用されてきた。
【0004】
[0004]上記に照らして、針プローブを備えた極低温装置は、様々な症状を治療するために標的組織を治療的に冷却する方法として登場した。このような装置の針プローブは、一般的には、標的組織に隣接する患者の皮膚に挿入される。一部の極低温装置には、標的組織が極低温剤によって直接冷却されるように、針プローブの針の開口部を介して標的組織に注入される極低温剤が含まれている場合がある。他の極低温プローブは、閉じた針先を含んでいてもよく、この場合、針は(例えば、極低温剤の流れによって)冷却されて、冷却された針に隣接する標的組織を伝導によって冷却することができる。これらの極低温プローブは、患者の体内や標的組織又はその周囲に、精度、利便性、及び信頼性を備えた極低温ゾーンを形成するのに効果的であることが証明されている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示は、改善された医療機器、システム、及び方法に関する。本明細書に説明する装置及びシステムの多くは、極低温装置を使用する凍結療法に有益であろう。このような極低温装置の様々な機能が本明細書に説明されている。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、極低温装置は、極低温剤を含む極低温剤カートリッジを保持するためのカートリッジホルダであって、極低温剤カートリッジは、極低温剤経路に結合可能であるカートリッジホルダと、針プローブを受け取るように構成され、針プローブを極低温剤経路を介して極低温剤カートリッジに結合するように構成されたプローブレセプタクルとを含む。針プローブは、内部に配置された針内腔を有する1つ又は複数の針と、近位に延伸するプローブ延長部であって、その中に配置されたプローブ内腔を有し、近位端から遠位端まで延伸する細長い要素を含むプローブ延長部とを含んでもよい。プローブ内腔は、遠位端で針内腔と結合されてもよい。プローブ内腔はまた、近位端と遠位端との間の第1の位置で極低温剤経路に結合されてもよい。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、針プローブは、第1の位置の近位側に第1のシール要素と、第1の位置の遠位側に第2のシール要素とを含んでもよい。第1及び第2のシール要素は、第1の位置の近位側及び遠位側でプローブレセプタクルをシールするように構成されてもよい。それらはまた、針プローブをプローブレセプタクル内に保持又は固定するのを助けるように構成されてもよい。第1及び/又は第2のシール要素はOリングであってもよい。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、極低温装置は、プローブ内腔の近位端で終端する通路を含むことがあり、通路は周囲空気に曝される。結果として、プローブ延長部の近位端は、周囲空気に曝される可能性がある。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、極低温装置は、極低温剤カートリッジとプローブレセプタクルとの間の極低温剤経路に沿って配置された供給弁を含むことができる。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、極低温剤経路は、内部シャーシを通る孔を含むことができる。極低温剤経路の内面は、核生成部位の数及び極低温剤の気化による気泡の形成を減少させるように構成された金属(例えば、アルミニウム)を含んでもよい。例えば、内部シャーシを貫通する孔によって形成される極低温剤経路の少なくとも一部がアルミニウム(又はアルミニウム合金)で作られているように、内部シャーシは、アルミニウム(又はアルミニウム合金)で作られていてもよい。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、カートリッジホルダ及びプローブレセプタクルは、ユーザが保持することができる単一のハンドピース内に収容されてもよい。いくつかの実施形態では、穿刺点がハンドピースに組み込まれてもよく、穿刺点は、極低温剤カートリッジがカートリッジホルダ内に配置されたときに極低温剤カートリッジを穿刺するように構成されてもよい。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、ハンドピースは、軸に沿って延伸する細長いハウジングを含むことができる。ハンドピースの細長いハウジングは、細長いハウジングの軸に沿って細長いハウジングに固定された可動カートリッジドアを含むことができ、カートリッジドアは、カートリッジホルダが極低温剤カートリッジを受け取ることができる開位置から、極低温剤カートリッジを細長いハウジング内に固定するための閉位置に移動するように構成される。いくつかの実施形態では、カートリッジドアは、開位置から閉位置に旋回するように構成されるように、細長いハウジングに固定されてもよい。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、ハンドピースは、軸に沿って延伸する細長いハウジングを含むことができる。ハンドピースは、充電クレードル上で軸に沿って実質的に水平に静止し、充電クレードルから充電エネルギーを受け取るように構成されてもよい。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、極低温装置は、ハンドピース内に配置されたプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、針プローブからプローブ記述子情報を受信するように構成されていてもよく、更に、プロセッサは、針プローブが複数のプローブタイプのうちの第1のプローブタイプであると判定するように構成されている。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態では、針プローブの針は、超音波を使用して針の視覚化を可能にするように、針の1つ又は複数の部分をエコー源性にするように構成された1つ又は複数の凹部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針は、場合によっては超音波を使用した検出に特に適し得る鋭い角を有するデザイン(例えば、多角形のデザイン)を有する凹部又は突起を含んでもよい。例えば、凹部又は突起の一部又は全ては、ダイヤモンド形状又は星形状の多角形のデザインであってもよい。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態では、極低温装置は、針プローブの迅速な交換に適合させることができる。各針プローブは、極低温装置のハンドピース部分に固定することができる針プローブハウジング内に配置することができる。針プローブハウジングは、取り外され、異なる針プローブハウジングと交換されてもよい。第1の針プローブハウジングは、ハンドピース部分のクリップ要素を第1の針プローブハウジングの第1のスナップ要素に係合させることによって、極低温装置のハンドピース部分に固定されてもよい。クリップ要素は、細長い部分と、該細長い部分の端部にある第1の保持部分とを含むことができる。第1のスナップ要素は、細長い部分と、第1の保持部分に係合するように構成された第2の保持部分とを含むことができる。クリップ要素は、係合位置又は係合解除位置にあるように構成されてもよく、係合位置は、クリップ要素を第1の針プローブハウジングの第1のスナップ要素に係合させるように構成され、係合解除位置は、クリップ要素を第1のスナップ要素から係合解除させるように構成される。クリップ要素に結合された入力要素は、(例えば、ユーザによって)作動されてもよく、この作動により、クリップ要素は係合解除位置に移動する。第1の針プローブハウジングをハンドピース部分から分離してもよい。次いで、第2の針プローブハウジングをハンドピース部分に固定してもよい。いくつかの実施形態では、第2の針プローブハウジングの第2のスナップ要素は、クリップ要素に押し付けられ、第2のスナップ要素を一時的に変形させて、クリップ要素の第1の保持部分によって生じたバリアを横切ることができる。クリップ要素は、第2の針プローブの第2のスナップ要素と係合するようにされてもよい。第2の針プローブハウジングは、ハンドピース部分に固定されてもよい。
【0017】
[0017]いくつかの実施形態では、第2の針プローブハウジングをハンドピース部分に固定することは、第2の針プローブハウジングの針プローブをハンドピース部分の極低温剤経路に結合することを含むことができ、針プローブは、針プローブのプローブ内腔の近位端と遠位端との間にある第1の位置で結合される。いくつかの実施形態では、クリップ要素は、ばねによって係合位置に向けて付勢されてもよく、入力要素を作動させると、ばねが圧縮される。いくつかの実施形態では、クリップ要素は、係合位置に向けて付勢された板ばねを含んでもよく、入力要素を作動させると板ばねが変形し、板ばねは2つ以上のプロングを含むことができ、各プロングは第1のスナップ要素の対応する第2の保持部分に係合するように構成された第1の保持部分を有する。いくつかの実施形態では、クリップ要素は、別個のねじりばねによって係合位置に向けて付勢された枢動する剛性プラスチック又は金属ラッチを備える。いくつかの実施形態では、入力要素を作動させると、ラッチが回転して第1のスナップ要素が解放され、第1のスナップ要素の第2の保持部分は、クリップ要素の第1の保持部分に係合又は係合解除するように構成されたフック機能を備える。いくつかの実施形態では、入力要素は、ハンドピース部分の外部に配置されたボタンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、入力要素は、近位位置と遠位位置との間で摺動するように構成された摺動要素を含んでもよく、近位位置は係合位置又は係合解除位置の一方に対応し、遠位位置は係合位置又は係合解除位置の他方に対応する。
【0018】
[0018]いくつかの実施形態では、針プローブ自体を取り外して交換することができる。プローブレセプタクルは、第1の針プローブをプローブレセプタクル内に保持するために使用することができる突起部を含んでもよい。例えば、突起部は、針プローブ(例えば、第1の針プローブ)にボルト留めするように構成されたラッチ機構の一部であってもよい。別の例として、突起部は、(例えば、第1の針プローブ)に対して半径方向内向き又は外向きの力を加えるように構成されたクランプ機構の一部であってもよい。代替的な実施形態では、突起部は、第1の針プローブ上にあってもよい。突起部は、閉位置から開位置に移動することができ、閉位置は第1の針プローブをプローブレセプタクル内に保持するように構成され、開位置は第1の針プローブをプローブレセプタクルから解放するように構成される。いくつかの実施形態では、突起部を開位置に動かすことは、ボタン要素又は他の何らかの適切なユーザ入力要素を作動させることを含んでもよい。第1の針プローブは、プローブレセプタクルから取り外されてもよい。次いで、第2の針プローブをプローブレセプタクルに挿入することができる。針プローブ(例えば、第2の針プローブ)は、近位端及び遠位端を有するプローブ内腔を含んでもよい。針プローブ(例えば、第2の針プローブ)の挿入により、針プローブは、プローブ内腔の近位端と遠位端との間にある第1の位置で極低温剤経路に結合することができる。(例えば、第2の針プローブをプローブレセプタクル内に固定するために)突起部を閉位置に動かしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】極低温剤カートリッジを保持するためのカートリッジホルダ及び針プローブを含む極低温装置の例示的な実施形態を示す。
【
図1B】極低温剤カートリッジを保持するためのカートリッジホルダ及び針プローブを含む極低温装置の例示的な実施形態を示す。
【
図2B】針プローブのPCBAの近位部分を受けるハンドピース部分のPCBAのポートの例示的な実施形態を示す。
【
図2C】針プローブのPCBAの近位部分を受けるハンドピース部分のPCBAのポートの例示的な実施形態を示す。
【
図2D】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の例示的な実施形態を示す。
【
図2E】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の例示的な実施形態を示す。
【
図2F】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の例示的な実施形態を示す。
【
図2G】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の例示的な実施形態を示す。
【
図2H】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の例示的な実施形態を示す。
【
図2I】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の例示的な実施形態を示す。
【
図2J】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の追加の実施形態を示す。
【
図2K】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の追加の実施形態を示す。
【
図2L】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の追加の実施形態を示す。
【
図2M】極低温装置のハンドピース部分と針プローブとの迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の追加の実施形態を示す。
【
図3A】例示的な針プローブの内腔を極低温装置の極低温剤経路に結合するための構成の断面概略図を示す。
【
図3C】針プローブの内腔を極低温剤経路に結合するための新規な構成の断面概略図を示す。
【
図4A】極低温剤カートリッジを穿刺するために使用され得る穿刺要素を示す。
【
図4B】極低温剤カートリッジを穿刺するために使用され得る穿刺要素を示す。
【
図5】LCDディスプレイを有する極低温装置を示す図である。
【
図6A】充電装置にドッキングされている極低温装置の例示的な実施形態を示す。
【
図6B】充電装置にドッキングされている極低温装置の例示的な実施形態を示す。
【
図7A】複数のエコー源性マーカーを有する針(例えば、針プローブに含まれる針)の例示的な実施形態の拡大画像を示す。
【
図7B】複数のエコー源性マーカーを有する針(例えば、針プローブに含まれる針)の例示的な実施形態の拡大画像を示す。
【
図7C】複数のエコー源性マーカーを有する針(例えば、針プローブに含まれる針)の例示的な実施形態の拡大画像を示す。
【
図9】極低温装置内の針プローブを交換するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0032]本開示は、凍結療法を患者に行うために使用することができる極低温装置について説明する。いくつかの実施形態では、説明された極低温装置は、様々な状態を治療するために特定の組織を標的として、皮下に凍結療法を行うための針を含むことができる。例えば、極低温装置は、末梢神経の近くに挿入して、疼痛、痙縮、又はそのような治療によって改善され得る他のそのような状態を治療するために、末梢神経に凍結療法を行うように構成された針を含んでもよい。疼痛又は痙縮の緩和のための凍結療法の使用に関する更なる情報は、2008年11月14日に出願された米国特許第8,298,216号(代理人整理番号000810US)、2014年3月18日に出願された米国特許第9,610,112号(代理人整理番号004311US)、2017年3月13日に出願された米国特許第10,085,789号(代理人整理番号004321US)、2018年9月14日に出願された米国特許出願公開第20190038459号(代理人整理番号004331US)に見出すことができ、その全開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。極低温装置はまた、例えば、2016年3月14日に出願された米国特許第10,470,813号(代理人整理番号004510US)に記載されているように、神経腫の破壊又は予防などの予防的治療に使用することもでき、その全開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
[0033]
図1A~
図1Bは、極低温剤カートリッジ130及び針プローブ110を保持するためのカートリッジホルダ140を含む極低温装置100の例示的な実施形態を示す。図示の例示的な実施形態に示すように、極低温装置100は、オペレータの手によって把持され操作されるのに適した自己完結型ハンドピースであってもよい。他の実施形態では、極低温装置は、物理的に分離された構成要素を含んでもよい。例えば、極低温装置は、針プローブを含むハンドピースと、ハンドピースから分離された極低温剤カートリッジとを含んでもよい。本明細書で説明されるように、いくつかの実施形態では、極低温装置100は、複数部分(例えば、2つの部分)から成るハウジングを有してもよく、針プローブ110は、ハンドピース部分のハウジングに結合することができる別個のプローブハウジング内に配置される。他の実施形態では、針プローブ110は、別個のハウジング内に配置されなくてもよく、極低温装置100のハウジングに直接挿入されるように構成されてもよい。一例として、これらの実施形態の少なくともいくつかにおける極低温装置100は、単一のハウジングを有してもよい。いくつかの実施形態では、極低温剤カートリッジ130は、極低温剤(例えば、亜酸化窒素、フルオロカーボン冷却剤、及び/又は二酸化炭素)で充填された使い捨てカートリッジであってもよい。いくつかの実施形態では、極低温装置100は、(例えば、交換のために)極低温剤カートリッジ130にアクセスするためのカートリッジドア120を含んでもよい。カートリッジドア120は、カートリッジホルダ140が極低温剤カートリッジ130を受け取ることを可能にするための開位置から、極低温剤カートリッジ130を極低温装置100のハウジング内に固定するための閉位置に移動するように構成されてもよい。例えば、
図1A~
図1Bに示すように、カートリッジドア120は、旋回点125の周りを旋回して、極低温剤カートリッジ130へのアクセスを可能にするように構成されてもよい。この例では、ユーザは、
図1Aに示すように(例えば、ユーザが、極低温剤カートリッジ130が空であることに気付いたとき)カートリッジドア120を開き、カートリッジホルダ140から極低温剤カートリッジ130を取り外し、新しい極低温剤カートリッジ130をカートリッジホルダ140に挿入し、
図1Bに示すようにカートリッジドア120を閉じることができる。説明したカートリッジドア120及びカートリッジホルダ140の例示的な構成は、ユーザの利便性を考慮して設計された。カートリッジドア120は、最小限の労力で迅速に旋回して開くことができ、交換用極低温剤カートリッジ130を容易に挿入することができる。これは、オペレータが処置の最中に極低温剤カートリッジ130を交換しなければならない場合に特に有効であり得る。例えば、場合によっては、オペレータは、患者の皮膚に針プローブ110の針115を既に挿入した後、治療サイクルの途中で極低温剤カートリッジ130の交換が必要となる可能性(例えば、治療サイクル中に極低温剤が枯渇した場合)もある。この例では、説明したカートリッジドアの設計により、オペレータは、極低温剤カートリッジ130を交換しながら針115を患者の皮膚内に残すことができる。その結果、オペレータは、針115を所望の位置に再配置するための時間と労力とを強いられることはない。更に、患者は、追加の針刺しによる更なる不快感や不安感を受けることもない。いくつかの実施形態では、カートリッジホルダ140は、極低温剤カートリッジ130の出口がカートリッジホルダ140を通って突出することを可能にし得る。出口は、極低温剤が極低温剤カートリッジ130から極低温装置を通って所望の位置(例えば、以下に説明するように、針プローブ110の針)まで遠位方向に通過することを可能にするための極低温剤経路に極低温剤を放出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、極低温装置100には、(例えば、治療サイクルが行われていない場合)極低温剤カートリッジ130内の極低温剤を極低温剤経路から遮断するために、極低温剤カートリッジ130と極低温剤経路との間に弁を組み入れてもよい。
【0022】
[0034]いくつかの実施形態では、
図1A~
図1Bに示すように、極低温装置100は、針プローブ110を受け取るように構成されたプローブレセプタクル170を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プローブレセプタクル170は、針プローブを極低温剤経路を介して極低温剤カートリッジ130に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プローブレセプタクル170は、極低温装置のシャーシ105に食い込んでもよく、シャーシ105は少なくとも極低温剤経路の一部を含む。例えば、シャーシ105は、その中に、極低温剤カートリッジ130の出口に結合される1つ又は複数の内腔を含んでもよく、シャーシ105の1つ又は複数の内腔は、プローブレセプタクルに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、シャーシは、極低温装置100のハンドピース部分内に極低温剤経路全体(例えば、極低温剤カートリッジ130の出口からプローブレセプタクル170まで)を含むことができる。いくつかの実施形態では、シャーシ105、又は少なくともシャーシ105によって形成された極低温剤経路の内面を金属材料で作ってもよい。核生成部位の数を低減し、極低温剤の気化による気泡の形成を低減又は防止するように、金属材料を構成してもよい。一例として、金属材料は、アルミニウム(又はアルミニウム合金)であってもよい。アルミニウムを含む金属材料は、アルミニウム及びアルミニウム合金の固有の特性により、(例えば、極低温剤が極低温剤経路に沿って流されるときの)極低温剤の気化による気泡の形成を低減又は防止するのに特に適している場合があることが、データによって示されている。他の実施形態では、金属材料の代わりに、特定のポリマー材料又はプラスチック材料を、この材料が有する核形成部位は少数であるという判定に基づいて選択してもよい。気泡の形成を減少させることによって、極低温装置100をプライミングする必要性が少なくなり、それによって装置をプライミングする際の極低温剤の浪費(及び消費時間)が減少する。また、極低温剤経路の長さを短くすることも、同様に気泡の形成を減少させる効果があることが、実験データによって示されている。したがって、例えば、最適化された装置設計により、針プローブ110に近接して極低温剤カートリッジ130を配置し、極低温剤カートリッジ130と針プローブ110との間の経路を可能な限り最短となるように最適化された極低温剤経路を使用して、極低温装置100の極低温剤経路を短くすることができる。いくつかの実施形態では、針プローブ110は、取り外し可能及び/又は使い捨てであってもよい。いくつかの実施形態では、オペレータは、異なるプローブタイプの針プローブを取り付け又は取り外すことができる場合がある。例えば、オペレータは、3針構成の第1の針プローブを取り付けて第1の処置を実行し、第1の針プローブを取り外し、それを5針構成の第2の針プローブと交換してもよい。
【0023】
[0035]本明細書に示す例示的な実施形態では、針プローブは3つの針を有するものとして示されている。当業者は、針プローブが任意の適切な数の針(例えば、単一の針、2つの針、3つの針、4つの針、5つの針、又はそれ以上の針)を有してもよいことを理解するであろう。複数の針を使用する場合、それらは任意の数のパターンで配置されてもよい。例えば、単一の線形配列を使用してもよく、二次元又は三次元配列を使用してもよい。二次元配列の例には、任意の数の針の行及び列(例えば、長方形配列、正方形配列、楕円形、円形、三角形など)が含まれ、三次元配列の例には、例えば、逆ピラミッド型など、針先端部がプローブハブ111から異なる距離にあるものなどがある。
【0024】
[0036]
図2Aは、例示的な針プローブ110を示す。いくつかの実施形態では、図示の針プローブ110は、外部ハウジング(図示せず)を有してもよい。いくつかの実施形態では、針プローブ110は、標的組織(例えば、神経組織)に隣接する患者の皮膚への侵入に適した1つ又は複数の針115を含んでもよい。例えば、
図2Aに示すように、針プローブ110は、3つの針115を備えていてもよい。針プローブ110の各針には、その中に配置された針内腔(図示せず)を有していてもよい。いくつかの実施形態では、針115は、極低温剤を針115の遠位端から放出できないように、遠位開口部のない閉じた先端部を有してもよい。これらの実施形態では、針115自体が冷却され、それによって隣接する標的組織が伝導で冷却される。他の実施形態では、針115は、開いた先端部を有してもよく、その場合、標的組織内又は標的組織に隣接して患者に極低温剤を注入して、標的組織を冷却することができる。いくつかの実施形態では、針プローブ110は、プローブレセプタクル170に固定可能に構成されたプローブ延長部119を含んでもよい。針プローブがプローブレセプタクル170に固定されると、プローブ延長部119は、極低温装置の近位端に向けて近位に延伸する(例示目的のために、近位方向及び遠位方向を
図1Aに示す)。
図2Aを参照すると、プローブ延長部119は、その中に配置されたプローブ内腔(図示せず)を有することができ、プローブ内腔は、近位端から遠位端まで延伸する細長い要素を含む。針プローブがプローブレセプタクルに固定されると、プローブ内腔は極低温剤経路に流体的に結合され得る。プローブ内腔はまた、極低温装置の遠位端で針115の針内腔に結合されてもよく、その結果、極低温剤は、(例えば、針先端部を冷却するために)プローブ内腔を通り抜けて針内腔に入ることができる。
【0025】
[0037]いくつかの実施形態では、極低温装置100は、オペレータが治療を実行するのを支援するための(例えば、ハンドピース内に針プローブ110から離れて配置された)第1のプロセッサを含むスマートデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、針プローブ110はスマートプローブであってもよい。これらの実施形態では、針プローブ110は、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)を含んでもよい。
図2Aに示すように、PCBAは、第2のプロセッサ118aを含んでもよい。いくつかの実施形態では、PCBAはメモリ構成要素を含んでもよい。PCBAは、針プローブ110を極低温装置100の残りの部分(例えば、ハンドピース部分)に電気的に結合する1つ又は複数のコネクタ118b(例えば、カードエッジコネクタ)を更に含んでもよい。例えば、針プローブがプローブレセプタクル170によって受け取られるとき、PCBA118の一部(コネクタ118bを含む)は、ハンドピース部分のポートによって受け取られ得る。
図2B~
図2Cは、針プローブ110のPCBA118の近位部分を受け入れるハンドピース部分のPCBA175のポート178の例示的な実施形態を示す。
図2B~
図2Cの例示的な実施形態に示すように、PCBA118のコネクタ118bは、ハンドピース部分のPCBA175のポート178の開口部に滑り込むように構成されてもよい。
【0026】
[0038]針プローブ110のPCBA118がハンドピース部分のPCBA175に接続されると、針プローブ110は、(例えば、第2のプロセッサ118aを介して)ハンドピース部分との間で情報を送信及び/又は受信することができる。いくつかの実施形態では、針プローブ110は、とりわけ、針プローブの対応するプローブタイプを識別することができるプローブ記述子を送信することができる。例えば、プローブ記述子は、針の数(例えば、単針プローブ、3針プローブ、5針プローブ)、針の長さ、針の構成(例えば、長方形アレイ、正方形アレイ、楕円形、円形、三角形、逆ピラミッド形状などの三次元形状)、又は針プローブの任意の他の適切な特性を識別することができる。これらの実施形態では、第1のプロセッサは、受信したプローブ記述子情報に基づいて、取り外し可能な針プローブが複数のプローブタイプのうちの特定のプローブタイプであると判定するように更に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プローブ記述子情報には、治療関連情報を得るために使用することができる針プローブ110に関する情報が含まれてもよい。例えば、プローブ記述子情報には、関連プローブの平均極低温剤流量が含まれてもよく、これらを(例えば、ハンドピース上の)第1のプロセッサが極低温剤の使用量及び/又は極低温剤カートリッジ130内の残量を計算するために使用してもよい。第1のプロセッサは、平均極低温剤流量と、極低温剤を放出するための供給弁の解放時間とに基づいて、これらの量を算出することができる。別の例として、針の寸法、針の数、及び針プローブ110に関連する他の適切なパラメータを使用して、極低温剤流量、サイクル中に使用される極低温剤量、カートリッジ内の極低温剤残量、及び/又は任意の他の適切な治療関連情報を得ることができる。別の例として、プローブ記述子情報は、付随的な組織損傷を低減又は防止するために皮膚表面に熱エネルギーを印加するように構成されたスキンウォーマ(例えば、治療中に皮膚の近く又は皮膚に隣接するように構成された抵抗加熱要素)などの他の治療機能によって使用され得る情報を含んでもよい。この例では、特定のプローブは、スキンウォーマを操作するためのパラメータ(例えば、電力レベル、加熱持続時間など)を決定するために使用することができるプローブ記述子情報を送信することができる。スキンウォーマを備えた極低温装置に関する更なる情報は、2016年3月14日に出願された米国特許第10,470,813号(代理人整理番号004510US)に見出すことができ、これはあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。この情報は、(例えば、処置が行われているときにリアルタイムで)極低温装置100に関連するディスプレイ上に示すことができる(例えば、
図5を参照すると、LCD画面150に表示される)。いくつかの実施形態では、治療勧告が決定され、ディスプレイに表示することができる。例えば、特定の針プローブ110を特定の種類の治療に関連付けてもよく、したがって、特定の針プローブ110が挿入されたという判定に基づいて治療勧告を表示してもよい。次いで、オペレータは、この勧告に基づいて処置を実行することができる。いくつかの実施形態では、プローブ記述子情報には、針プローブ110の「有効期限」の詳細が含まれてもよい(例えば、針プローブ110は、安全上の理由から構成された数の治療サイクルの後に有効期限が切れるように構成されてもよい)。スマート極低温装置及びスマートチップに関する更なる情報は、2018年11月20日に出願された米国特許第10,130,409号(代理人整理番号004210US)に見出すことができ、これはあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
[0039]いくつかの実施形態では、極低温剤カートリッジ130がカートリッジホルダ140内に配置されると、第1のプロセッサは、極低温剤カートリッジ130内の極低温剤残量(又は少なくとも利用可能な有用な極低温剤)などの任意の他の適切な情報を(例えば、極低温剤カートリッジ130に関連する1つ又は複数のセンサから)受信してもよい。この情報は、適切な場所に記憶、送信、及び/又は表示され得る(例えば、
図5を参照すると、LCD画面150に表示される)。
【0028】
[0040]針プローブは、任意の適切な手段を介してプローブレセプタクル170に固定されてもよい。例えば、針プローブ110及びプローブレセプタクル170は、針プローブ110をプローブレセプタクル170にねじ込みできるように、ねじ切りしてもよい。このような「ねじ式」の接続機構は、針プローブ110内に極低温剤が流入する際に、極低温剤が針プローブ110に及ぼす高い圧力下でも安全であるという利点がある。しかしながら、このような機構は、針プローブをねじってプローブレセプタクルとの取り付け及び取り外しを行うことは面倒で時間がかかる可能性があるため、場合によっては不便に感じるオペレータがいる可能性がある。針プローブを交換するのに必要な時間と労力は、オペレータが効率的に行える処置の数を減らすことになるため、場合によっては、時が経つにつれて大きなコストにつながる可能性がある。この問題は、オペレータが処置の途中で針プローブを切り替える必要がある場合、特に、悪化する可能性がある。
【0029】
[0041]少なくとも部分的には上述の問題に対処するために、針プローブを迅速に接続及び分離するための「迅速接続」機構が開発された。
図2D~
図2Iは、極低温装置100のハンドピース部分250からの針プローブ110の迅速な接続及び/又は分離のための迅速接続機構の例示的な実施形態を示す。いくつかの実施形態では、針プローブ110は、
図2Dに示すように、プローブハウジング210に結合されてもよい(例えば、プローブハウジング210内に配置されてもよい)。
図2Dは、プローブハウジング210と、ハンドピース部分250の断面とを示す。
図2Dの例示的な実施形態では、針115及びプローブ延長部119を有する針プローブ(その全体は見えない)が、プローブハウジング210内に配置されている。
図2Dでは、プローブ延長部119から針115に向けて延伸する針内腔211が示されている(当然のことながら、
図2Dの針内腔211は、プローブハウジング210内に配置されているが、
図2Dでは説明のために針内腔211が露出している)。
図2Dは、迅速接続機構の第1の例を示す。プローブハウジング210は、1つ又は複数のプローブスナップ220(例えば、
図2Dに示す2つのプローブスナップ220)を含んでもよく、これは、ハンドピース部分250の1つ又は複数のハンドピースクリップ225(例えば、
図2Dに示す2つのハンドピースクリップ225)と係合するように構成された突出要素であってもよい。図示のように、プローブスナップ220は、ハンドピースクリップ225の対応する保持部分と嵌合するか、そうでなければ係合し、それによってプローブスナップ220を固定する(そして、それによってプローブハウジング210を固定する)ように構成された保持部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハンドピースクリップ225は、細長い部分と、該細長い部分の端部に第1の保持部分とを含んでもよく、プローブスナップ220は、細長い部分と、(例えば、その細長い部分の端部に)第1の保持部分と係合するように構成された第2の保持部分とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハンドピースクリップ225は、弾性要素230(例えば、ばね)によって(
図2Dに示すように)プローブスナップ220と係合して保持するように構成された係合位置に向けて付勢されてもよい。1つ又は複数の入力要素240を動かすことによって、ハンドピースクリップ225を係合解除位置に向けて移動させることができる。例えば、
図2Dに示すように、2つの入力要素240は、両側の2つのハンドピースクリップ225に結合されてもよい。この例では、各入力要素240は、例えば、
図2Dの矢印270a及び270bによって示されるそれぞれの方向に動かされ、弾性要素230を圧縮し、それによってハンドピースクリップ225を互いに対して変位させて、ハンドピースクリップ225を係合解除位置に着かせることができる。例えば、ユーザは、入力要素240を動かすために、ハンドピース部分250の外部と関連付けられた1つ又は複数のボタンを押してもよい。この例における1つ又は複数のボタンは、入力要素240に結合された別個の要素であってもよく、又はハンドピース部分250の外部まで延伸する入力要素240の一部であってもよい。この変位により、ハンドピースクリップ225はプローブスナップ220から係合解除され、それによってプローブハウジング210はハンドピース部分250から解放される。弾性要素230が入力要素240によって圧縮されなくなると(例えば、ユーザが入力要素240に結合されたハンドピース部分の外部の1つ又は複数の関連するボタンを解除すると)、ハンドピースクリップ225を係合位置に戻すことができる。
図2Dは、2つのハンドピースクリップ225、入力要素240、及びプローブスナップ220のみを示しているが、本開示は、そのような要素の任意の適切な数を想定している。
【0030】
[0042]
図2Eは、迅速接続機構の別の例を示す。いくつかの実施形態では、ハンドピースクリップ225は、
図2Eに示すように、プローブスナップ220と係合するように構成された係合位置に向けて自然に付勢されるように形成され、ハンドピース部分250に結合されてもよい(例えば、直接的に固定される)。例えば、ハンドピースクリップ225は、形状記憶要素を有するように構成された板ばねなどの弾性要素であってもよい。板ばねは、例えば、高炭素バネ鋼、ニッケル-銀、高ニッケル合金、ステンレス鋼、リン青銅、ベリリウム-銅の組合せ、適切なプラスチック材料、又は任意の他の適切な材料から製造することができる。
図2Eに示すハンドピースクリップ225は、ハンドピース部分250に結合され、入力要素240に結合され、結果として、入力要素240がハンドピースクリップ225を片持ち支持するように構成されてもよい。上述したように、入力要素240は、ハンドピース部分250の外部にある1つ又は複数のボタンと結合されてもよい(代替的に、入力要素240は、外装部分がボタンとして機能するように、ハンドピース部分250の外部に延伸する外装部分を有していてもよい)。(例えば、対応するボタンを
図2Eの矢印270で示す方向に押して)入力要素240を動かすことによって、ハンドピースクリップ225を係合解除位置に向けて一時的に変位させることができる。この変位により、ハンドピースクリップ225はプローブスナップ220から係合解除され、それによってプローブハウジング210はハンドピース部分250から解放される。入力要素240が
図2Eの矢印270が示す方向にもはや押されていない場合(例えば、ユーザがハンドピース部分の外部にある関連するボタンを解放する場合)、ハンドピースクリップ225を係合位置に戻すことができる。
図2Eは、1つのハンドピースクリップ225、入力要素240、及びプローブスナップ220のみを示しているが、本開示は、任意の適切な数のそのような要素を想定している(例えば、対向する両側の2つの入力要素240、ハンドピース部分250に結合された2つの対応するハンドピースクリップ225、及び2つの対応するプローブスナップ220)。
【0031】
[0043]
図2Fは、迅速接続機構の別の例を示す。いくつかの実施形態では、プローブハウジング210を保持するために、1つ又は複数のプロング(例えば、
図2Fに示す2つのプロング)を有する連結ハンドピースクリップ226を使用してもよい。連結ハンドピースクリップ226は、
図2Fに示すように、プローブスナップ220と係合するように構成された係合位置に向けて自然に付勢されてもよい。例えば、連結ハンドピースクリップ226は、単一の板ばねであってもよい。ハンドピースクリップ226を入力要素240に結合してもよく、それにより、(例えば、
図2Fに示す方向に)入力要素240を動かすと、ハンドピースクリップ226が係合解除位置に向けて変位し、ハンドピースクリップ226をプローブスナップ220から係合解除し、それによってプローブハウジング210はハンドピース部分250から解放される。
図2Fは、1つのプローブスナップ220及び1つの入力要素240のみを示しているが、本開示は、任意の数のそのような要素(例えば、
図2Fに示すハンドピースクリップ226の対向する突起に係合するように構成された別の入力要素240及び別の対応するプローブスナップ220)を使用できることを想定している。
【0032】
[0044]
図2Gは、迅速接続機構の別の例を示す。いくつかの実施形態では、入力要素240を摺動させてハンドピースクリップ225を係合位置と係合解除位置との間で移動させるように、第1の位置(例えば、近位点)と第2の位置(例えば、遠位点)との間で(例えば、
図2Gの両矢印270によって示されるように)摺動するように構成された入力要素240にハンドピースクリップ225を結合してもよい。
図2Gに示す例では、ハンドピースクリップ225は、プローブスナップ220と係合する係合位置にある。ハンドピースクリップ225が入力要素240及び軸受面260を中心に枢動するので、入力要素240が近位点に向けて近位方向(例えば、図の右方向)に動くと、ハンドピースクリップ225が(例えば、矢印275で示される方向に)偏向するように構成されてもよい。そうすることで、ハンドピースクリップ225は、ハンドピースクリップ225がプローブスナップ220から係合解除される係合解除位置に着かされ、それによってプローブハウジング210がハンドピース部分250から解放され得る。この例でも、入力要素240を遠位点に向けて遠位方向(例えば、図の左方向)に動かすことによって、ハンドピースクリップ225が係合位置に戻るように構成されてもよい。代替的又は追加的に、ハンドピースクリップ225は、入力要素240が解放されたときにハンドピースクリップ225が係合位置に戻るように構成できるように付勢される、板ばねなどの弾性要素であってもよい。代替的又は追加的に、ハンドピースクリップ225を係合位置に押すために、(例えば、入力要素240又はハンドピースクリップ225と通信する)別個のばね要素を使用してもよい。
図2Gは、1つのプローブスナップ220及び1つの入力要素240のみを示しているが、本開示は、任意の数のそのような要素(例えば、ハンドピース部分250の反対側にあるように構成された別の入力要素240及び別の対応するプローブスナップ220)を想定している。
【0033】
[0045]
図2H~
図2Iは、迅速接続機構の別の例を示す。この例では、入力要素240及び対応する延長部245を作動させて、ハンドピースクリップ225を係合位置と係合解除位置との間で動かすことができる。
図2Hは、係合位置にあるハンドピースクリップ225を示す。ハンドピースクリップ225は、プローブスナップ220にラッチするように係合位置に向けて付勢される弾性があって回復力のある要素(例えば、板ばね)であってもよく、それによってプローブハウジング210をハンドピース部分250に固定するのを助ける。入力要素240を作動させる(例えば、
図2Hの矢印270で示されるように、ユーザが入力要素240を近位方向に摺動させる)ことによって、ハンドピースクリップ225を係合解除位置に移動させることができる。係合解除位置を
図2Iに示す。
図2Iに示すように、入力要素240が近位に作動すると、延長部245はハンドピースクリップ225の傾斜部分227を押し、ハンドピースクリップ225の遠位部分は下方にプローブスナップ220から離れるように偏向する。これにより、ハンドピースクリップ225をプローブスナップ220から係合解除し、それによってプローブハウジング210をハンドピース部分250から解放することができる。いくつかの実施形態では、
図2H~
図2Iに示すように、迅速接続機構は、
図2Iに示すように入力要素240が近位位置にあるとき(ハンドピースクリップ225が係合解除位置にあるとき)に圧縮されるばね要素247を含んでもよい。したがって、入力要素240が解放されると、ばね要素247は、アクチュエータを係合位置(例えば、
図2Hに示す位置)に戻すように構成される。
図2H~
図2Iは、1つのプローブスナップ220及び1つの入力要素240のみを示しているが、本開示は、任意の数のそのような要素(例えば、ハンドピース部分250の反対側にあるように構成された別の入力要素240及び別の対応するプローブスナップ220)を想定している。
【0034】
[0045]
図2J~
図2Mは、極低温装置のハンドピース部分から針プローブを迅速に接続及び/又は分離するための迅速接続機構の追加の実施形態を示す。この例では、ハンドピースクリップ225は、別個のねじりばね228によって係合位置に向けて付勢される剛性プラスチック又は金属材料で形成されたラッチ要素を備えることができる。ラッチ要素225は、プローブスナップ220のフック機能をラッチするようにハンドピース筐体内の支持要素上で枢動し、それにより、
図2K及び
図2Lに示すように、プローブハウジング210をハンドピース部分250に固定するのを助ける。
図2Mは、プローブハウジング210の取り外しを可能にするために、摺動要素、取り外しボタン、又は他の解放アクチュエータを含む入力要素240を後退させたときのプローブ先端部の取り外しを示す。この実施形態では、解放アクチュエータ240は、ラッチ要素225の傾斜機能に反応し、圧縮ばね229を介して解放アクチュエータを後退させるとラッチ要素225が図示のようにわずかに反時計回り(又は時計回り)に回転して、プローブハウジング210のプローブスナップ220のフック機能からラッチが解放される。次いで、ハンドピースクリップ225は、
図2Jに示すように入力要素240が解除されると係合位置に戻るように構成されてもよく、ねじりばね228によりラッチは付勢された係合位置に戻る。ねじりばね228を別個に備えたこのラッチ要素225の設計は、2つの別個の部分に機能が分離されるので、より信頼性が高く堅牢な迅速接続機構を提供する。
【0035】
[0046]本明細書に説明した様々な例示的な迅速接続機構では、プローブハウジング210(例えば、交換用針プローブを含むプローブハウジング210)は、プローブスナップ220が所定の位置に収まるまでプローブスナップ220をハンドピースクリップ225の遠位部分に押し付けるだけで、ハンドピース部分250にロックされ得る。プローブスナップは、ハンドピースクリップ225の保持部分によって生じたバリアを越えて移動できるように変形するように構成されてもよい。
図2D~
図2Iに示すように、いくつかの実施形態では、プローブスナップ220の近位端は、この操作を容易にするように傾斜していてもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、プローブスナップ220は、ハンドピースクリップ225が(例えば、入力要素240を使用して)係合解除位置に維持されているときにのみ、ハンドピースクリップ225の突起部を越えて移動することができる。
図2D~
図2Iの例は、プローブハウジング210内の1つ又は複数のスナップ(例えば、これらの図に示されるプローブスナップ220)及びハンドピース部分250内の1つ又は複数の細長いハンドピースクリップ(例えば、これらの図に示すハンドピースクリップ225)を備えた特定の嵌合構成を示しているが、本開示は、任意の適切な嵌合機能を有する任意の適切な嵌合構成を想定している。例えば、細長いクリップがプローブハウジング210に含まれていてもよく、スナップがハンドピース部分250に含まれていてもよい。別の例として、プローブハウジングとハンドピース部分の両方にクリップとスナップを使用した、組合せ嵌合構成を採用してもよい。
【0036】
[0047]いくつかの実施形態では、(プローブハウジング210に加えて、又は代替として)針プローブ110自体は、針プローブ110及びプローブレセプタクル170の表面に存在し得る1つ又は複数の対応する溝及び突起部を介して、プローブレセプタクル170内にスナップ嵌合することができる。例えば、オペレータは、第1のタイプの第1の針プローブ110を選択し、第1の針プローブ110が所定の位置に収まるまで、第1の針プローブ110のプローブ延長部119をプローブレセプタクル170内に押し込むことができる。この例では、オペレータは、ある時点で、(例えば、第1の針プローブを第2の針プローブ110と交換するために、又は単に第1の針プローブ110を廃棄するために)第1の針プローブ110を取り外すことを選択する場合があり、この時点で、オペレータは、針プローブ110がプローブレセプタクル170から外れるまで針プローブ110を引っ張ることができる。いくつかの実施形態では、代替的又は追加的に、針プローブは、可動突起機構(例えば、針プローブ内の関連する対応する凹部にボルトで固定するように構成されたプローブレセプタクル内のばねラッチ、又は代替的に、プローブレセプタクル内の関連する対応する凹部にボルトで固定するように構成された針プローブ内のばねラッチ)を介してプローブレセプタクルに固定されてもよい。例えば、オペレータは、第1のタイプの第1の針プローブ110を選択し、第1の針プローブ110の一部(例えば、プローブ延長部119)をプローブレセプタクル170内に押し込んでもよい。これにより、プローブレセプタクル170内のばねラッチを「開」位置に作動させて、第1の針プローブ110を閾値点を超えて移動させ、その後、ばねラッチを第1の針プローブ110の凹部に押し込むことができる。代替的に、オペレータが適切な入力(例えば、ボタンを作動させること)を行うと、ばねラッチを「開」位置に移動させることができる。これらの例では、オペレータは、例えば、ボタンを作動させるなどの適切な入力を行うことによって、後に第1の針プローブ110を取り外すことができる。いくつかの実施形態では、凹部にボルト留めするように構成されたラッチではなく、極低温装置は、任意の他の適切な保持機構(例えば、プローブ延長部119に対して半径方向内側に力を加えることによって針プローブ110を保持するクランプ機構)を使用してもよい。
【0037】
[0048]迅速接続機構は、スマートプローブ機能を可能にするために必要な回路基板又は回路基板素子(例えば、フレックス回路)の数を減らすことができるという点で、ねじ式接続機構に比べて更に利点を有する。ねじ式の接続機構は、針プローブがハンドピース部分に対して回転する必要がある。そのため、(例えば、PCBA118が単にポート178に挿入されている
図2B~
図2Cに示される実施形態とは異なり)針プローブの回路基板をハンドピース部分のポートに単純に挿入することはできない。代わりに、ねじ式接続機構を有する装置は、追加の回路(例えば、PCBAの平面に垂直な固定コネクタ機構、及び1つ又は複数のフレックス回路要素)によって回転に対応する必要がある。迅速接続機構は回転運動を必要としないので、
図2B~
図2Cに示すように、針プローブ110の単一のPCBA118をハンドピース部分のポート178に簡単に挿入することができる。このような構成は、製造コストを低減する効果があるだけでなく、装置の誤作動の可能性を低減する(例えば、動作する部品が少ないため、また一般的に部品が少ないため)。
【0038】
[0049]
図3Aは、例示的な針プローブ110の内腔を極低温装置の極低温剤経路に結合するための構成の断面概略図を示す。最初の試験では、上述のような迅速接続機構を有する
図3Aに示す概略図と同様の構成が含まれていた。図示の構成では、プローブ先端部110のプローブ延長部119は、プローブレセプタクル170に挿入されるように構成される。針プローブ110は、プローブヘッド111から発する遠位端に1つ又は複数の針(例えば、
図3Aに示す複数の針115)を含むことができ、プローブヘッド111はプローブ延長部119に結合される。プローブレセプタクル170は、
図3Aの矢印で示されるように、(極低温剤カートリッジからの極低温剤が流れる)極低温剤入口125と針プローブ110との間に供給弁122を設け、針プローブ110を極低温剤経路に結合してもよい。
図3Aに示す構成の迅速接続機構の試験では、極低温装置内の圧力が高いため、技術的課題があることが分かった。具体的には、極低温剤経路を通って針プローブ110に入る極低温剤の流れの圧力は、極めて高い。プローブ内腔に極低温剤が流入すると、遠位方向にこの高い圧力による大きな直線力が働く。1つ又は複数のOリング(例えば、その断面が
図3Aに示されているOリング117a及び117b)を使用して針プローブ110を固定するだけでは不十分であった。
図3Bは、
図3AのOリング117aを別の視点から見た拡大図である。これらのOリングは、極低温剤の直線力を緩和するのに役立つ半径方向の圧縮力を提供したが、プローブレセプタクル170内の針プローブ110を安定化させるには不十分であった。針プローブ110を固定するねじ機構がなければ、針プローブ110がプローブレセプタクル170から飛び出しやすいという問題があった。この問題を解決するために、針プローブ110を固定するための堅牢な保持ラッチを備えた設計が開発されたが、この設計は技術的に困難であることが判明した。例えば、小さな形状(例えば、携帯型デバイスの場合に必要な場合がある)の場合、プローブが圧力を受けたときに動かないようにするために、ラッチ機構の寸法公差を厳しくする必要がある。このような厳しい公差を持つデバイスの製造は、技術的に困難であり、高価であり、一般に大規模生産では達成できない可能性がある。
【0039】
[0050]
図3Cは、針プローブ110の内腔を極低温剤経路に結合するための新しい構成の断面概略図を示す。図示の構成は、極低温剤が針プローブ110に及ぼす外向きの力(例えば、プローブレセプタクル170から遠位に延伸するベクトルを有する直線力)を低減又は排除するものである。いくつかの実施形態では、針プローブ110の内腔が、針プローブ110の近位端と遠位端との間の点に意図的に配置された第1の位置で極低温剤経路に結合するように、針プローブ110を構成してもよい。矢印で示すように、極低温剤の流れがたどる経路は変化する。
図3Cに示す構成では、極低温剤が弁122を通過して針プローブ110に流入するときに生じる高い圧力は、もはや大きな外向きの力を生成しない。代わりに、力は、針プローブ110の周囲の周りに半径方向に分布し、遠位方向及び近位方向に生じる力は釣り合っており、遠位方向の正味の力は生じない(又はわずかである)。そのため、極低温剤が針プローブ110内へ流れ込むことによって、針プローブ110がもはや飛び出したり不安定になったりせず、このことは実験的に確認された。
図3Aに示す構成とは異なり、
図3Cに示す構成では、針プローブ110の近位端は、比較的低い圧力(例えば、周囲空気)を受け、極低温剤の流れによって生じる高い圧力を受けない。その結果、針プローブ110の近位端での圧力(例えば、周囲空気圧)及び遠位端での圧力(例えば、周囲空気圧)は均等化又は実質的に均等化することができるため、針プローブ110に入るときに極低温剤によって生成される実質的な外向きの力は存在しない。いくつかの実施形態では、Oリングなどの1つ又は複数のシール要素をプローブレセプタクル170内に配置して、(例えば、針プローブ110に流入させる際の極低温剤から)プローブレセプタクルをシールすることができる。例えば、
図3Cに示すように、Oリング117a及び117bは、針プローブ110の内腔が極低温剤経路に結合する第1の位置の両側に配置されてもよい。この例では、Oリング117a及び117bは、第1の位置の近位側及び遠位側でプローブレセプタクル170をシールして、Oリング117a及び117bを越えて漏れて外気に排出することなく、極低温剤を針プローブ110の管腔に入れることができる。いくつかの実施形態では、Oリング又は他の適切なシール要素は、針プローブ110を更に安定化させるのに役立つ可能性がある。例えば、
図3Cに示すようにOリング117a及び117bを(第1の位置の両側に)配置することは、針プローブ110を安定化させるのに役立ち、これは実験データによって確認された。いくつかの実施形態では、
図3Cに示すように、極低温装置100は、針プローブ110の近位端に通路101を含んでもよい。通路101は、例えば、シール要素(例えば、Oリング117b)が故障した場合に、極低温剤を排出できるように構成されてもよい。このような機構は、患者から離れた近位方向に極低温剤を安全に放出することができるフェールセーフ機構であってもよく、それによって過剰な極低温剤による高圧ビルドアップのリスクを低減することができる。
【0040】
[0051]
図4A~
図4Bは、極低温剤カートリッジ130を穿刺するために使用され得る穿刺要素135を示す。いくつかの実施形態では、穿刺要素135は、穿刺点137を使用して極低温剤カートリッジ130を穿刺するような位置で、極低温装置内に収容されてもよい。いくつかの実施形態では、穿刺要素135は、極低温剤カートリッジ130が所定位置にロックされると、それ以上の入力なしに極低温剤カートリッジ130を穿刺することができる。例えば、極低温剤カートリッジ130をカートリッジホルダ140内に位置決めし、カートリッジドア120を閉じる行為により、極低温剤カートリッジ130に穿刺することができる。この例では、カートリッジドア120を閉じると、極低温剤カートリッジ130が穿刺要素135に向けて移動し(例えば、穿刺要素に対して横方向に並進し)(又はその逆)、それにより極低温剤カートリッジ130に穿刺することができる。この例示的な機構は、極低温剤カートリッジ130を挿入して極低温装置100を迅速に「準備完了」状態にするプロセスを大幅に容易にするという点で有利である-カートリッジの位置決め/ロック及び穿刺を1つのステップに統合するだけでなく、カートリッジドアを極低温剤カートリッジ130を穿刺するための機械的利点をもたらすレバーにすることができる。他の実施形態では、穿刺要素135は、更なる入力を受けた後にのみ(例えば、穿刺要素135を極低温剤カートリッジ130に向けて摺動させるボタン、又は極低温剤カートリッジ130を穿刺要素135に向けて摺動させるボタンの作動後に)、極低温剤カートリッジ130を穿刺することができる。極低温剤カートリッジ130に穿刺されると、内部の極低温剤は、穿刺要素135を通って延伸する経路136を介して極低温剤経路と流体的に結合することができる。いくつかの実施形態では、極低温剤流の制御を可能にするために、極低温剤経路に沿った遠位点に1つ又は複数の弁(例えば、
図3Cを参照すると、供給弁122)を配置してもよい。
【0041】
[0052]
図5は、LCDディスプレイ150を有する極低温装置100を示す。いくつかの実施形態では、LCDディスプレイ150は、治療前、治療中、及び/又は治療後にオペレータに様々な有用な情報を表示することができるユーザインタフェースを提供することができる。例えば、LCDディスプレイ150は、プローブレセプタクル170内に現在位置決めされている針プローブ110に関する情報(例えば、上述したように、針プローブ110から受信したプローブ記述子から得られた情報)を提示してもよい。
【0042】
[0053]いくつかの実施形態では、極低温装置100は再充電可能であってもよい。例えば、極低温装置100は、極低温装置100を充電装置に結合することによって再充電することができる1つ又は複数の充電式バッテリを含んでもよい。
図6A~
図6Bは、充電装置160にドッキングされている極低温装置100の例示的な実施形態を示す。
図6Aに示すように、充電装置160は、極低温装置100の外部ハウジングに沿って対応するコネクタ(図示せず)に結合することができる1つ又は複数のコネクタ165を含むことができる。
図6Bに示すように、充電装置160及び極低温装置100を、極低温装置100が極低温装置100を充電することができる充電装置160にドッキングできるように成形することができる。図示の例では、極低温装置100のハンドピース部分は、充電クレードルから充電エネルギーを受け取るために、充電クレードル上に実質的に水平に(又は極低温装置が沿って延伸する軸に沿って)載置されるように構成される。充電装置160は、電源に差し込めるように構成されてもよい。代替的又は追加的に、充電装置160自体は、極低温装置100にエネルギーを供給するために使用できる1つ又は複数のバッテリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、充電装置160は無線充電器であってもよく、範囲内にある場合には、極低温装置100を無線で充電してもよい。いくつかの実施形態では、充電装置160は、極低温装置100と通信することができるスマート充電器であってもよい。極低温装置100と充電装置160との間の通信は、電気接点、直接光接続、又は無線接続(例えば、Bluetooth、無線LAN)を介してもよい。いくつかの実施形態では、充電装置160は、極低温装置100から情報を受信し、(例えば、ローカルWIFI、有線LAN、セルラーネットワークを介して)ネットワークに接続し、受信した情報(又は受信した情報の修正バージョン)を外部装置(例えば、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、リモートサーバデバイス)に送信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、充電装置160は、有線又は無線接続を介して、受信した情報(又は受信した情報の修正バージョン)をスマートフォン又はデスクトップコンピュータなどの外部装置に送信するように構成されてもよい。例えば、充電装置160は、このような情報をスマートフォンにBluetooth接続を介して送信してもよい。
【0043】
[0054]いくつかの実施形態では、極低温装置100は、極低温剤中の不純物を濾過するために、極低温剤経路に沿って1つ又は複数の濾過装置(例えば、
図4Bを参照すると、極低温装置100のハンドピース部分内のフィルタ139、これは図示のように穿刺要素135内にあってもよい)を含んでもよい。これらの不純物は、製造中に、冷媒にアクセスするためにカートリッジを穿刺した結果として、又は、極低温装置100が使用される環境から極低温剤に導入された可能性がある。固体不純物は、通路を閉塞し、及び/又はシール機構内にリーク経路を形成することによって、極低温装置の性能を損なう可能性がある。油、水、酸素、窒素、及び二酸化炭素などの液体と気体の両方の流体不純物も、極低温カートリッジ内に存在する可能性がある。これらの不純物はまた、極低温剤経路を閉塞又は制限し、及び/又は冷媒の特性を化学的に変化させる可能性がある。濾過装置は、固体を捕捉するための要素、及び/又は流体を捕捉するための要素を含んでもよい。濾過装置は、微粒子フィルタ及び/又は分子フィルタの任意の適切な組合せを含んでもよい。極低温装置内のフィルタに関する更なる情報は、2013年1月14日に出願された米国特許第9,155,584号(代理人整理番号003810US)に見出すことができ、これは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、フィルタ139は交換可能(例えば、穿刺要素135を交換することによって、又は単にフィルタ139を交換することによって)であってもよい。
【0044】
[0055]
図7A~
図7Cは、複数のエコー源性マーカー112を有する針(例えば、針プローブ110に含まれる針115)の例示的な実施形態の拡大画像を示す。エコー源性マーカー112は、針115の長さに沿って延伸してもよく、針の円周の周りに延伸してもよい。エコー源性マーカー112は、高いエコー発生性(例えば、超音波検査においてエコーを跳ね返す、又は超音波信号を返す能力)を有するように設計することができる。これらのエコー源性マーカー112は、超音波を使用して針115をより視認可能にすることができる。
図7Aは、針115の一部を示し、針115内の針内腔に通じる近位開口部113を示す。いくつかの実施形態では、エコー源性マーカー112は、針115の表面に沿って作られた凹部であってもよい。一例として、エコー源性マーカー112は、約0.002インチの深さの凹部であってもよい。他の実施形態では、エコー源性マーカー112は、針115の表面から突出する突起であってもよい。いくつかの実施形態では、オペレータが針を視覚化し、それによってオペレータが針115を所望の(例えば、標的組織に隣接する)位置に位置決めするのを助けるために、エコー源性マーカー112を針プローブ110の針115上に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、エコー源性マーカーは、鋭い角を有するデザイン(例えば、多角形のデザイン)を有していてもよく、このデザインは超音波を使用した検出に特に適している場合がある。例えば、デザインの一部又は全部は、ダイヤモンド形状又は星形状である多角形のデザイン、又はダイヤモンド形状又は星形状を含む多角形のデザインであってもよい。
図7B及び
図7Cは、デザイン例を示す図であり、エコー源性マーカー112が菱形(例えば、
図7Bを参照すると、エコー源性マーカー112a)又は星形(例えば、
図7Cを参照すると、エコー源性マーカー112b)であってもよいことを表している。いくつかの実施形態では、エコー源性マーカー112を使用して、針115の周りに極低温ゾーンが形成されると予想される位置を特定することができる。例えば、エコー源性マーカー112のサブセットを特別にマークし(例えば、エコー源性マーカー112の残りの部分とは異なるデザインを有する)、サブセットの周りに極低温ゾーンが形成されると予想されることをオペレータに示してもよい。エコー源性マーカー112を作成するために、任意の適切な製造技術を使用することができる。例えば、エコー源性マーカー112は、機械加工技術、レーザ切断、レーザエッチング、及び/又は制御されたパンチング/スタンピングを使用して作成することができる。
【0045】
[0056]
図8は、使用中の極低温装置100の簡略概略図を示す。図示のように、針115は、針115の遠位部分が標的組織(例えば、神経組織)に隣接するように、患者の皮膚810内に挿入されてもよいし、それを越えて挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、オペレータは、針115が、組織係合面820を皮膚810に接触させられるときに、非標的組織を越えて遠位に延伸し、標的組織に隣接するようにサイズ決めされるように、針プローブを選択することができる。いくつかの実施形態では、針115が位置決めされると、オペレータは、コントローラに供給弁122を開かせるための入力を極低温装置100に(例えば、ボタンを作動させること、タッチスクリーン上のユーザインタフェース要素をタップすることなどによって)提出することができ、これによってカートリッジ130から針115の内腔に極低温剤経路を介して極低温剤を流すことができる。針115は、針115の遠位部分が針115の近位部分よりも冷却されるように構成されてもよい。したがって、針115の遠位部分は、
図8に示すように、標的組織の周りに冷却ゾーンを形成することができる。
【0046】
[0057]
図9は、極低温装置内の針プローブを交換するための例示的な方法900を示す。本方法は、ステップ910で開始することができ、ここで、ハンドピース部分のクリップ要素を第1の針プローブハウジングの第1のスナップ要素に係合させることによって、第1の針プローブハウジングが極低温装置のハンドピース部分に固定される。クリップ要素は、細長い部分と、該細長い部分の端部にある第1の保持部分とを含むことができ、第1のスナップ要素は、細長い部分と、第1の保持部分と係合するように構成された第2の保持部分とを含むことができる。クリップ要素は、係合位置又は係合解除位置にあるように構成されてもよく、係合位置は、クリップ要素を第1の針プローブハウジングの第1のスナップ要素に係合させるように構成され、係合解除位置は、クリップ要素を第1のスナップ要素から係合解除させるように構成される。ステップ920で、クリップ要素に結合された入力要素を作動させることができ、この作動によりクリップ要素は係合解除位置に移動する。ステップ930で、第1の針プローブハウジングはハンドピース部分から分離されてもよい。特定の実施形態は、適切な場合には、
図9の方法の1つ又は複数のステップを繰り返してもよい。本開示は、
図9の方法の特定のステップが特定の順序で起きるものとして説明及び図示されているが、本開示は、
図9の方法の任意の適切なステップが任意の適切な順序で起きることを想定している。更に、本開示は、
図9の方法の特定のステップを含めて、極低温装置内の針プローブを交換するための例示的な方法を説明及び図示しているが、本開示は、必要に応じて
図9の方法のステップの全て、一部、又はなしを含み得る任意の適切なステップを含めて、極低温装置内の針プローブを交換するための任意の適切な方法を想定している。更に、本開示は、
図9の方法の特定のステップを実行する特定の構成要素、装置、又はシステムを説明及び図示しているが、本開示は、
図9の方法の任意の適切なステップを実行する任意の適切な構成要素、装置、又はシステムの任意の適切な組合せを想定している。
【0047】
[0058]例示的な実施形態は、理解を明確にするために及び例としてある程度詳細に説明されているが、いくつかの修正、変更、及び適合が実施されてもよく、及び/又は当業者には明らかであろう。以下に、本開示の例を示す。
(例1)
極低温装置であって、
極低温剤を含む極低温剤カートリッジを保持するためのカートリッジホルダであって、前記極低温剤カートリッジは極低温剤経路に結合可能である、カートリッジホルダと、
針プローブを受け取るように構成されたプローブレセプタクルであって、前記プローブレセプタクルが前記針プローブを前記極低温剤経路を介して前記極低温剤カートリッジに結合するように構成され、前記針プローブが、
内部に配置された針内腔を有する1つまたは複数の針と、
近位に延伸するプローブ延長部であって、前記プローブ延長部がその中に配置されたプローブ内腔を有し、前記プローブ内腔が近位端から遠位端まで延伸する細長い要素を含み、前記プローブ内腔が、
前記遠位端にある前記針内腔と、
前記針プローブにかかる外向きの力を低減するために前記近位端と前記遠位端との間の第1の位置にある前記極低温経路と
に結合される、プローブ延長部と
を備える、プローブレセプタクルと
を備える、極低温装置。
(例2)
前記針プローブが、前記第1の位置の近位側にある第1のシール要素と、前記第1の位置の遠位側にある第2のシール要素とを更に備え、前記第1および第2のシール要素が、前記第1の位置の前記近位側および前記遠位側で前記プローブレセプタクルをシールするように構成される、例1に記載の極低温装置。
(例3)
前記第1および第2のシール要素がOリングである、例2に記載の極低温装置。
(例4)
前記極低温剤カートリッジと前記プローブレセプタクルとの間の前記極低温剤経路に沿って配置された供給弁を更に備える、例1~3のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例5)
前記極低温剤経路が内部シャーシを通る孔を含み、前記極低温剤経路の内面が前記極低温剤の気化による気泡の形成を低減するように構成された金属材料を含む、例1~4のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例6)
前記金属材料がアルミニウムである、例5に記載の極低温装置。
(例7)
前記カートリッジホルダおよび前記プローブレセプタクルが、ユーザによって保持されることが可能なハンドピース内に収容される、例1~6のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例8)
前記ハンドピースに一体化された穿刺点を更に含み、前記穿刺点は、前記極低温剤カートリッジが前記カートリッジホルダ内に配置されたときに、前記極低温剤カートリッジを穿刺するように構成される、例7に記載の極低温装置。
(例9)
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースの前記細長いハウジングが前記細長いハウジングの前記軸に沿って前記細長いハウジングに固定された可動カートリッジドアを備え、前記カートリッジドアは、前記カートリッジホルダが前記極低温剤カートリッジを受け取ることを可能にするための開位置から、前記極低温剤カートリッジを前記細長いハウジング内に固定するための閉位置に移動するように構成される、例7~8のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例10)
前記カートリッジドアが、前記開位置から前記閉位置に旋回するように構成されるように、前記細長いハウジングに固定される、例9に記載の極低温装置。
(例11)
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースが、充電クレードルから充電エネルギーを受け取るために、前記充電クレードル上に前記軸に沿って実質的に水平に載置するように構成される、例7~10のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例12)
前記ハンドピース内に配置されたプロセッサを更に備え、前記プロセッサが前記針プローブからプローブ記述子情報を受信するように構成され、前記プロセッサが、前記針プローブが複数のプローブタイプのうちの第1のプローブタイプであることを決定するように更に構成される、例7~11のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例13)
前記プローブ延長部の近位端で終端する通路を更に備え、前記通路は、前記プローブ延長部の前記近位端が周囲空気に曝されるように周囲空気に曝される、例1~12のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例14)
前記針が、超音波を使用して前記針の視覚化を可能にするために、前記針の1つまたは複数の部分をエコー源性にするように構成された1つまたは複数の凹部または突起を含む、例1~13のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例15)
前記凹部または突起が多角形デザインを有する、例14に記載の極低温装置。
(例16)
前記多角形デザインが星形またはダイヤモンド形を含む、例15に記載の極低温装置。
(例17)
極低温装置であって、
極低温剤を含む極低温剤カートリッジを保持するためのカートリッジホルダであって、前記極低温剤カートリッジが極低温剤経路に結合可能であるカートリッジホルダと、
針プローブのプローブ延長部を受け取るように構成されたプローブレセプタクルであって、前記プローブ延長部が近位端および遠位端を有し、前記プローブレセプタクルが前記プローブ延長部の前記近位端を受け取れるように構成され、前記プローブレセプタクルが、
前記プローブレセプタクルをシールするための1つまたは複数のシール要素と、
前記プローブ延長部が前記プローブレセプタクルに固定されると、前記プローブ延長部の内腔を前記極低温剤経路に結合し、前記極低温剤を前記プローブ延長部の前記内腔に導入するように構成されたプローブレセプタクルであって、前記プローブレセプタクルが前記プローブ延長部の前記近位端と前記遠位端との間の第1の位置に配置される、プローブレセプタクルと
を備える、極低温装置。
(例18)
前記シール要素が前記第1の位置の近位側にある第1のシール要素と、前記第1の位置の遠位側にある第2のシール要素とを備え、前記シール要素が前記第1の位置の前記近位側および前記遠位側で前記プローブレセプタクルをシールするように構成される、例17に記載の極低温装置。
(例19)
前記第1および第2のシール要素がOリングである、例18に記載の極低温装置。
(例20)
前記極低温剤カートリッジと前記プローブレセプタクルとの間の前記極低温剤経路に沿って配置された供給弁を更に備える、例17~19のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例21)
前記極低温剤経路が内部シャーシを通る経路を含み、前記経路の内面が前記極低温剤の気化による気泡の形成を減少させるように構成された金属材料を含む、例17~20のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例22)
前記金属材料がアルミニウムである、例21に記載の極低温装置。
(例23)
前記カートリッジホルダおよび前記プローブレセプタクルが、ユーザによって保持されることが可能なハンドピース内に収容される、例17~22のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例24)
前記ハンドピースに一体化された穿刺点を更に含み、前記穿刺点は、前記極低温剤カートリッジが前記カートリッジホルダ内に配置されたときに前記極低温剤カートリッジを穿刺するように構成される、例23に記載の極低温装置。
(例25)
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースの前記細長いハウジングが前記細長いハウジングの前記軸に沿って前記細長いハウジングに固定された可動カートリッジドアを備え、前記カートリッジドアは、前記カートリッジホルダが前記極低温剤カートリッジを受け取ることを可能にするための開位置から、前記極低温剤カートリッジを前記細長いハウジング内に固定するための閉位置に移動するように構成される、例23~24のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例26)
前記カートリッジドアが、前記開位置から前記閉位置に旋回するように構成されるように、前記細長いハウジングに固定される、例25に記載の極低温装置。
(例27)
前記ハンドピースが軸に沿って延伸する細長いハウジングを備え、前記ハンドピースが、充電クレードルから充電エネルギーを受け取るために、前記充電クレードル上に前記軸に沿って実質的に水平に載置するように構成される、例23~26のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例28)
前記プローブ延長部の近位端で終端する通路を更に備え、前記通路は、前記プローブ延長部の前記近位端が周囲空気に曝されるように周囲空気に曝される、例17~27のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例29)
前記針プローブが1つまたは複数の針を備え、各針が、超音波を使用して前記針の可視化を可能にするために、前記針の1つまたは複数の部分をエコー源性にするように構成された1つまたは複数の凹部または突起を含む、例17~28のいずれか一項に記載の極低温装置。
(例30)
前記凹部または突起が多角形デザインを有する、例29に記載の極低温装置。
(例31)
前記多角形デザインが星形またはダイヤモンド形を含む、例30に記載の極低温装置。
(例32)
極低温装置内の針プローブを交換する方法であって、
ハンドピース部分のクリップ要素を第1の針プローブハウジングの第1のスナップ要素に係合させることによって、前記極低温装置の前記ハンドピース部分に前記第1の針プローブハウジングを固定するステップであって、
前記クリップ要素が細長い部分と前記細長い部分の端部にある第1の保持部分とを備え、
前記第1のスナップ要素が細長い部分と前記第1の保持部分に係合するように構成された第2の保持部分とを備え、
前記クリップ要素が係合位置または係合解除位置にあるように構成され、前記係合位置が前記クリップ要素を前記第1の針プローブハウジングの前記第1のスナップ要素に係合させるように構成され、前記係合解除位置が前記クリップ要素を前記第1のスナップ要素から係合解除させるように構成される、ステップと、
前記クリップ要素に結合された入力要素を作動させるステップであって、前記作動が前記クリップ要素を前記係合解除位置に移動させる、ステップと、
前記第1の針プローブハウジングを前記ハンドピース部分から分離するステップと
を含む、方法。
(例33)
第2の針プローブハウジングの第2のスナップ要素を前記クリップ要素に押し付けるステップであって、前記クリップ要素の前記第1の保持部分によって生じたバリアを横切るように前記第2のスナップ要素を一時的に変形させる、ステップと、
前記クリップ要素を前記第2の針プローブハウジングの前記第2のスナップ要素に係合させるステップと、
前記第2の針プローブハウジングを前記ハンドピース部分に固定するステップと
を含む、例32に記載の方法。
(例34)
前記第2の針プローブハウジングを前記ハンドピース部分に固定するステップが、前記第2の針プローブハウジングの針プローブを前記ハンドピース部分の極低温剤経路に結合するステップを含み、前記針プローブが、前記針プローブのプローブ内腔の近位端と遠位端との間にある第1の位置で結合される、例33に記載の方法。
(例35)
前記クリップ要素が別個のねじりばねによって前記係合位置に向けて付勢される、例32~34のいずれか一項に記載の方法。
(例36)
前記クリップ要素が枢動する剛性プラスチックまたは金属ラッチを備え、前記入力要素を作動させるステップにより、前記ラッチが回転し前記第1のスナップ要素が解放される、例32~35のいずれか一項に記載の方法。
(例37)
前記第1のスナップ要素の前記第2の保持部が前記クリップ要素の前記第1の保持部と係合または係合解除するように構成されたフック機能を備える、例36に記載の方法。
(例38)
前記入力要素が前記ハンドピース部分の外部に配置されたボタンを備える、例32~37のいずれか一項に記載の方法。
(例39)
前記入力要素が、近位位置と遠位位置との間で摺動するように構成された摺動要素を備え、前記近位位置が前記係合位置または前記係合解除位置の一方に対応し、前記遠位位置が前記係合位置または前記係合解除位置の他方に対応する、例32~38のいずれか一項に記載の方法。