(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器
(51)【国際特許分類】
C25B 15/00 20060101AFI20241030BHJP
C02F 1/68 20230101ALI20241030BHJP
B01F 23/10 20220101ALI20241030BHJP
B01F 21/20 20220101ALI20241030BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20241030BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20241030BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20241030BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241030BHJP
A61M 11/04 20060101ALI20241030BHJP
B01F 101/14 20220101ALN20241030BHJP
【FI】
C25B15/00 302Z
C02F1/68 540E
C02F1/68 520B
C02F1/68 510B
C02F1/68 530B
B01F23/10
B01F21/20
B01D46/00 E
B01D46/24 Z
B01D46/00 F
C25B1/04
C25B9/00 A
A61M11/04 340Z
B01F101:14
(21)【出願番号】P 2022567601
(86)(22)【出願日】2021-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2021086978
(87)【国際公開番号】W WO2021223580
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】202010376864.9
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521518194
【氏名又は名称】上海▲フイ▼美医療科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林信湧
(72)【発明者】
【氏名】張杰
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107551373(CN,A)
【文献】特開2018-165396(JP,A)
【文献】特表2018-525525(JP,A)
【文献】特開2016-108657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器であって、前記水素生成器は、
水を電気分解して水素含有ガスを生成するように構成された電気分解モジュールと、
液体を収容し、前記水素含有ガスを前記液体に注入して水素液を生成するように構成された水素水カップと、
前記電気分解モジュール上に積層された一体型流路デバイスであって、前記一体型流路デバイスは、ガス入口流路、ガス出口流路及びガス連通流路を
収容する下カバーを備え、前記ガス入口流路は、前記水素含有ガスを受け入れるように構成され、前記ガス出口流路は、前記水素含有ガスを放出するように構成される、一体型流路デバイスと、
自動分流デバイスと
を備え、前記自動分流デバイスは、
分流信号に基づき、前記水素含有ガスを前記水素水カップに注入し、前記ガス出口流路を通じて前記水素含有ガスを放出するように、前記ガス入口流路、前記水素水カップ及び前記ガス出口流路を接続する
か、又は前記ガス連通流路及び前記ガス出口流路を通じて前記水素含有ガスを放出するように、前記ガス入口流路、前記ガス連通流路及び前記ガス出口流路を接続する
かのどちらかを選択するように構成される、水素生成器。
【請求項2】
前記水素含有ガスを受け入れるため、前記ガス出口流路に結合される噴霧器を更に備え、前記噴霧器は、噴霧ガスを選択的に生成し、前記噴霧ガスを前記水素含有ガスと混合して健康ガスを生成可能であることを特徴とする、請求項1に記載の水素生成器。
【請求項3】
前記水素含有ガスは、前記水素水カップに注入され、前記ガス出口流路を通じて放出され、前記噴霧器は、前記噴霧ガスを生成し、前記噴霧器は、前記水素含有ガスが前記ガス連通流路及び前記ガス出口流路を通じて放出される際に前記噴霧ガスの生成を停止することを特徴とする、請求項2に記載の水素生成器。
【請求項4】
前記水素含有ガスを凝縮し、ろ過するため、前記一体型流路デバイスに結合される凝縮体ろ過器を更に備え、前記一体型流路デバイスは、下カバーを備え、前記下カバーは、前記凝縮体ろ過器を収容する空間を有し、前記下カバーは、前記凝縮体ろ過器を前記一体型流路デバイスに移動可能に埋め込むフリップ構造を有し、前記水素含有ガスは、前記一体型流路デバイスによって、前記水素水カップと前記自動分流デバイスと前記凝縮体ろ過器の間で移送され、前記下カバーは、一体形成構造であり、前記自動分流デバイス及び前記凝縮体ろ過器は、前記下カバーに直接結合されることを特徴とする、請求項1に記載の水素生成器。
【請求項5】
前記一体型流路デバイスの下に積層され、前記電気分解モジュールに結合され、前記水を収容し、前記電気分解モジュールから前記水素含有ガスを受け入れるように構成された水槽と、
前記水槽の上に積層され、給湿室及びろ過室を有する給湿カップであって、前記給湿室は、補充水を収容するように構成される、給湿カップと、
前記ろ過室内に収容され、前記ろ過室に流れる前記水素含有ガスをろ過するろ過棒と
を更に備え、前記水素含有ガスは、前記一体型流路デバイスによって、前記水素水カップと前記自動分流デバイスと前記凝縮体ろ過器と前記給湿カップと前記ろ過棒との間を移送され、前記自動分流デバイス、前記凝縮体ろ過器及び前記給湿カップは、前記下カバーに直接結合されることを特徴とする、請求項4に記載の水素生成器。
【請求項6】
前記水素含有ガス中の細菌をろ過するように、前記噴霧器に差込み可能に結合されるろ過デバイスを更に備える、請求項2に記載の水素生成器。
【請求項7】
ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器であって、前記水素生成器は、
水を電気分解して水素含有ガスを生成するように構成された電気分解モジュールと、
前記
水を収容し、前記電気分解モジュールから前記水素含有ガスを受け入れるように構成された水槽と、
前記水素含有ガスを受け入れ、ろ過するように、前記水槽の上に積層された凝縮体ろ過器と、
前記水槽の上に積層され、補充水を収容し、前記水素含有ガスを給湿するように構成された給湿カップと、
前記水槽の上に積層され、複数の通路と、ガス入口流路と、ガス出口流路と
、ガス連通流路とを
収容した下カバーを備える一体型流路デバイスであって、前記ガス入口流路は、前記水素含有ガスを受け入れるように構成され、前記ガス出口流路は、前記水素含有ガスを放出するように構成された、一体型流路デバイスと、
液体を収容するように構成された水素水カップであって、前記水素水カップは、前記水素含有ガスを受け入れ、前記水素含有ガスを前記液体と混合して水素液を生成可能である、水素水カップと、
前記水槽からの前記水素含有ガスを前記凝縮体ろ過器及び前記給湿カップに選択的に流し、前記補充水を前記凝縮体ろ過器及び前記水槽にも選択的に流すように構成された弁組立体と
、
前記水素含有ガスを前記水素水カップに注入するように、分流信号に基づき、前記ガス入口流路と前記水素水カップを選択的に接続するように構成された自動分流デバイスと、
を備え
、前記下カバーは、前記凝縮体ろ過器を収容する空間を有し、前記凝縮体ろ過器及び前記給湿カップは、前記一体型流路デバイスに直接結合されることを特徴とする、水素生成器。
【請求項8】
前記一体型流路デバイスは、前記凝縮体ろ過器を前記一体型流路デバイスに移動可能に埋め込むように構成されたフリップ構造を有することを特徴とする、請求項7に記載の水素生成器。
【請求項9】
噴霧ガスを選択的に生成し、前記噴霧ガスを前記水素含有ガスと混合して健康ガスを生成するように構成された噴霧
器を更に備え、前記水素含有ガスは、前記一体型流路デバイスによって、前記凝縮体ろ過器と前記給湿カップと前記水素水カップと前記噴霧器と前記弁組立体と前記自動分流デバイスとの間を移送され、前記凝縮体ろ過器、前記給湿カップ、前記噴霧器及び前記自動分流デバイスは、前記一体型流路デバイスに直接結合されることを特徴とする、請求項7に記載の水素生成器。
【請求項10】
前記自動分流デバイスが、前記ガス連通流路及び前記ガス出口流路を通じて前記水素含有ガスを放出するために前記ガス入口流路、前記ガス連通流路、及び前記ガス出口流路に接続している際、前記噴霧器は動作を停止することを特徴とする、請求項9に記載の水素生成器。
【請求項11】
前記水素水カップは、前記一体型流路デバイスに直接結合されることを特徴とする、請求項7に記載の水素生成器。
【請求項12】
前記給湿カップ内に構成された清澄化デバイスを更に備え、前記清澄化デバイスは、連通カラムと、清澄化底板とを備え、前記清澄化底板は、清澄化通路と、複数の清澄化孔とを備え、前記清澄化通路の断面積は、均一ではないことを特徴とする、請求項7に記載の水素生成器。
【請求項13】
ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器であって、前記水素生成器は、
水を電気分解して水素含有ガスを生成するように構成された電気分解モジュールと、
前記
水を収容し、前記電気分解モジュールから前記水素含有ガスを受け入れるように構成される水槽と、
前記水槽の上に積層され、前記水素含有ガスを受け入れ、ろ過する凝縮体ろ過器と、
前記水槽の上に積層され、補充水を収容し、前記水素含有ガスを給湿するように構成された給湿カップと、
前記水槽の上に積層され、前記凝縮体ろ過器及び前記給湿カップに直接結合される一体型流路デバイス
であって、前記一体型流路デバイスは、ガス入口流路、ガス出口流路及びガス連通流路を収容する下カバーを備え、前記ガス入口流路は、前記水素含有ガスを受け入れるように構成され、前記ガス出口流路は、前記水素含有ガスを放出するように構成された一体型流路デバイスと、
前記ガス連通流路及び前記ガス出口流路を通じて前記水素含有ガスを放出するように、分流信号に基づき、前記ガス入口流路、前記ガス連通流路及び前記ガス出口流路を選択的に接続するように構成された自動分流デバイスと、
を備え、前記水素含有ガスは、前記一体型流路デバイスによって、前記凝縮体ろ過器と前記給湿カップとの間を移送されることを特徴とする、水素生成器。
【請求項14】
噴霧ガスを選択的に生成し、前記噴霧ガスを前記水素含有ガスと混合して健康ガスを生成するように構成された噴霧器
を更に備え、前記噴霧器は、前記一体型流路デバイスに直接結合され、前記水素含有ガスは、前記一体型流路デバイスによって、前記凝縮体ろ過器と前記給湿カップと前記噴霧器との間を移送されることを特徴とする、請求項13に記載の水素生成器。
【請求項15】
液体を収容するように構成された水素水カップ
を更に備え、前記水素水カップは、前記水素含有ガスを受け入れ、前記水素含有ガスを前記液体と混合して水素液を生成可能であり、前記水素水カップは、前記一体型流路デバイスに直接結合され、前記水素含有ガスは、前記一体型流路デバイスによって、前記凝縮体ろ過器と前記給湿カップと前記水素水カップと前記噴霧器との間を移送されることを特徴とする、請求項14に記載の水素生成器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素生成器に関する。より詳細には、ガス流及び/又は水流方向を選択的に調節可能な水素生成器に関する。水素生成器は、水素水カップを有し、水素水カップは、微細出口構造を有する注入構成要素を収容する。
【背景技術】
【0002】
人々が常に健康の発展に対して多くの注意を払っているため、多数の医療技術の開発は、病気の治療及び人間の寿命の延長を標的とすることが多い。過去の治療の大部分は、受動的であり、このことは、病気が生じたときにのみ当該病気が治療されることを意味する。治療には、手術、薬物治療、放射線治療、又は更にはがんの医療治療を含む。しかし、近年、医療専門家による研究の大部分は、健康に良い食物に対する研究、遺伝病のスクリーニング及び予防等、予防的な医療方法の方に徐々に向かいつつあり、これらは、将来、病気が発生するのを能動的に防止するものである。人間の寿命の延長に対する焦点のために、スキンケア製品及び抗酸化食物/薬を含む多数の老化防止及び抗酸化技術が徐々に開発されており、公衆にますます普及しつつある。
【0003】
研究では、人体には、フリーラジカルとしても公知である不安定な酸素種(O+)があり、これらのフリーラジカルは、通常、病気、食事、環境又は人々の生活様式に起因して発生することがわかっている。フリーラジカルは、単一の不対電子を有する原子、分子又はイオンである。フリーラジカルは、人の細胞膜、細胞及び組織を攻撃し、他の原子から電子を奪い、連鎖的な過酸化反応を人体にもたらす。過酸化反応は、血管の脆弱化、脳神経細胞の老化、免疫系の脆弱化、白内障、変形性関節症、皮膚のたるみ、及び全体的な老化等、退行性の症候群をもたらす。多くの研究では、水素富化水は、その小さな分子粒子のために、細胞通路に容易に入り、吸収され、人の新陳代謝に関与し、細胞の解毒を促進し得ることを指摘している。水素富化水を飲用すると、人体中のフリーラジカルの数を間接的に低減し、酸性状態から健康なアルカリ性の状態に体の状態を回復し、慢性病をなくす効果を達成し、皮膚を美しくすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、水素水及び水素ガスを同時に生成可能である水素生成器の大部分は、電気分解モジュールを通じて水素含有ガスを生成し、水素含有ガスを飲用水に注入し、次に、ユーザが吸入するために不溶性水素含有ガスを放出する。しかし、水素含有ガスを飲用水に注入する際、低周波音が生成される。ユーザが睡眠中に水素含有ガスを吸入するために水素生成器を使用する場合、低周波音は、ユーザの睡眠の質に影響を及ぼし、これにより、ユーザの健康に悪影響を及ぼすであろう。したがって、水素水カップと電気分解モジュールとの間の接続問題をどのように解決するかは、早急に研究開発する必要がある論題の1つである。
【0005】
更に、水素生成器は、水素水を生成するために、ガス管を通じて水素含有ガスを水に直接注入することが多い。しかし、水に注入される水素含有ガスの形状は、小さな気泡ではないことが多く、水素含有ガスを水中に円滑に溶解させることができない。というのは、水素含有ガスと水との間の界面領域が不十分であるためである。国際水素標準化協会(IHSA)が2017年に発行した文献によれば、水素水中の水素濃度は、生物学的な効果をもたらすには、0.5ppmの質量濃度より高い必要がある。標準的な条件下、即ち、大気圧及び摂氏20度では、水中に溶解させる水素の最大物理限界は、1.6ppmである。したがって、どのように水中の水素含有量を0.5ppmより高く、1.6ppmに近接させるかは、早急に研究開発すべき別の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このことに鑑みて、本発明は、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器を提供し、水素生成器は、電気分解モジュールと、水素水カップと、一体型流路デバイスと、自動分流デバイスとを備える。電気分解モジュールは、水を電気分解して水素含有ガスを生成するように構成される。水素水カップは、液体を収容し、水素含有ガスを液体に注入して水素液を生成するように構成される。一体型流路デバイスは、電気分解モジュールの上に積層され、ガス入口流路と、ガス出口流路と、ガス連通流路とを備える。ガス入口流路は、水素含有ガスを受け入れるように構成され、ガス出口流路は、水素含有ガスを放出するように構成される。自動分流デバイスは、水素含有ガスを水素水カップに注入し、次に、ガス出口流路を通じて水素含有ガスを放出するため、ガス入口流路、水素水カップ及びガス出口流路を選択的に接続する、又はガス連通流路及びガス出口流路を通じて水素含有ガスを放出するため、ガス入口流路、ガス連通流路及びガス出口流路を選択的に接続する。
【0007】
水素生成器は、水素含有ガスを受け入れるため、ガス出口流路に結合された噴霧器を更に備える。噴霧器は、噴霧ガスを選択的に生成し、噴霧ガスを水素含有ガスと混合して健康ガスを生成可能である。
【0008】
水素含有ガスを水素水カップに注入し、次に、ガス出口流路を通じて放出する場合、噴霧器は、噴霧ガスを生成し、噴霧器は、水素含有ガスをガス連通流路及びガス出口流路を通じて放出する場合、噴霧ガスの生成を停止する。
【0009】
水素生成器は、圧力センサと監視器とを更に備える。圧力センサは、ガス入口流路及びガス出口流路の少なくとも1つに対応して結合される。圧力センサは、ガス入口流路及びガス出口流路の少なくとも1つにおけるガスの圧力を検知し、圧力検知信号を生成するように構成される。監視器は、圧力検知信号に基づき電気分解モジュールを選択的に遮断するため、圧力センサに結合される。
【0010】
水素生成器は、水素水カップを中に埋め込むように構成された枠を更に備え、枠によって水素水カップを一体型流路デバイスと結合させる。水素水カップが枠から取り外され、一体型流路デバイスと結合されていない場合、電気分解モジュールは、動作を停止する。
【0011】
水素生成器は、凝縮体ろ過器を更に備え、凝縮体ろ過器は、一体型流路デバイスに結合され、水素含有ガスを凝縮し、ろ過する。一体型流路デバイスは、下カバーを備え、下カバーは、凝縮体ろ過器を収容する空間を有し、下カバーは、凝縮体ろ過器を一体型流路デバイスに移動可能に埋め込むフリップ構造を有する。水素含有ガスは、一体型流路デバイスによって、水素水カップと自動分流デバイスと凝縮体ろ過器との間を移送される。下カバーは、一体形成構造であり、自動分流デバイス及び凝縮体ろ過器は、下カバーに直接結合される。
【0012】
水素生成器は、水槽と、給湿カップと、ろ過棒とを更に備える。水槽は、一体型流路デバイスの下に積層され、電気分解モジュールに結合される。水槽は、水を収容し、電気分解モジュールから水素含有ガスを受け入れるように構成される。給湿カップは、水槽の上に積層される。給湿カップは、給湿室及びろ過室を有し、給湿室は、補充水を収容するように構成される。ろ過棒は、ろ過室を流れる水素含有ガスをろ過するため、ろ過室内に収容される。水素含有ガスは、一体型流路デバイスによって、水素水カップと自動分流デバイスと凝縮体ろ過器と給湿カップとろ過棒との間を移送される。自動分流デバイス、凝縮体ろ過器、及び給湿カップは、下カバーに直接結合される。
【0013】
下カバーは、凝縮体ろ過器を給湿室と流体結合する給湿通路を有し、下カバーは、給湿室をろ過室と流体結合するろ過通路を有する。
【0014】
ろ過室は、ろ過室入口とろ過室出口とを有し、ろ過棒は、ろ過入口とろ過出口とを有する。ろ過棒は、ろ過棒の外側にガス障壁リングを更に備え、ガス障壁リングは、ろ過室をろ過前空間及びろ過後空間に分割するように構成される。ろ過前空間は、ろ過室入口及びろ過入口に結合され、ろ過後空間は、ろ過室出口及びろ過出口に結合される。
【0015】
凝縮体ろ過器は、凝縮体流路を更に備え、下カバーは、凝縮体流路に結合された凝縮体通路を有する。給湿カップは、水槽を凝縮体ろ過器と結合させる連通室を備える。給湿室、連通室及びろ過室は、互いに隔離されている。
【0016】
水素生成器は、給湿カップの連通室内に構成された電解質ろ過モジュールを更に備え、電解質ろ過モジュールは、水槽からの水素含有ガスを受け入れ、ろ過する連続上向き傾斜通路を有する。
【0017】
水素生成器は、弁組立体を備え、弁組立体は、放出流路と、供給流路と、第1の弁と、ポンプとを更に備える。放出流路は、水素含有ガスを移送するため、凝縮体ろ過器及び給湿カップに結合される。供給流路は、補充水を移送するため、凝縮体ろ過器及び給湿カップに結合される。第1の弁は、放出流路及び供給流路に結合され、放出流路又は供給流路の遮断を選択的に解除するように構成される。ポンプは、給湿カップ内に収容された補充水を凝縮体ろ過器を通じて水槽に流す。水素含有ガスは、一体型流路デバイスによって、水素水カップと自動分流デバイスと凝縮体ろ過器と給湿カップとろ過棒と弁組立体との間を移送される。自動分流デバイス、凝縮体ろ過器、給湿カップ及び弁組立体は、下カバーに直接結合される。
【0018】
第1の弁が放出流路の遮断を解除すると、水素含有ガスは、凝縮体ろ過器を通じて給湿カップに移送され、第1の弁が供給流路の遮断を解除すると、ポンプによって送られる補充水は、凝縮体ろ過器を通じて水槽に移送される。
【0019】
弁組立体は、放出通路と、第2の弁とを更に備える。第1の弁が供給流路の遮断を解除すると、第2の弁は、放出通路の遮断を解除し、給湿室を水槽に接続させる。
【0020】
水素生成器は、水素含有ガス中の細菌をろ過するため、噴霧器に差込み可能に結合されるろ過器デバイスを更に備える。
【0021】
本発明は、ガス流方向を選択的に調節可能であり、電気分解モジュールと、水槽と、凝縮体ろ過器と、給湿カップと、一体型流路デバイスと、水素水カップと、噴霧器と、弁組立体とを備える水素生成器も提供する。電気分解モジュールは、水を電気分解して水素含有ガスを生成するように構成される。水槽は、水及び電気分解モジュールを収容し、電気分解モジュールから水素含有ガスを受け入れるように構成される。凝縮体ろ過器は、水素含有ガスを受け入れ、ろ過するように、水槽の上に積層される。給湿カップは、水槽の上に積層され、補充水を収容し、水素含有ガスを給湿する。一体型流路デバイスは、水槽の上に積層され、複数の通路と、ガス入口流路と、ガス出口流路とを備える。ガス入口流路は、水素含有ガスを受け入れるように構成され、ガス出口流路は、水素含有ガスを放出するように構成される。水素水カップは、液体を収容するように構成され、水素水カップは、水素含有ガスを受け入れ、水素含有ガスを液体と混合して水素液を生成できる。噴霧器は、噴霧ガスを選択的に生成し、噴霧ガスを水素含有ガスと混合して健康ガスを生成する。弁組立体は、水槽からの水素含有ガスを凝縮体ろ過器及び給湿カップに選択的に流し、補充水を凝縮体ろ過器及び水槽に選択的に流すように構成される。一体型流路デバイスは、下カバーを備え、下カバーは、凝縮体ろ過器を収容する空間を有する。凝縮体ろ過器、給湿カップ及び噴霧器は、一体型流路デバイスに直接結合される。
【0022】
一体型流路デバイスは、凝縮体ろ過器を一体型流路デバイスに移動可能に埋め込むように構成されたフリップ構造を有する。
【0023】
水素生成器は、自動分流デバイスを更に備え、一体型流路デバイスは、ガス連通流路を備える。自動分流デバイスは、水素含有ガスを水素水カップに注入し、次に、ガス出口流路を通じて水素含有ガスを放出するため、ガス入口流路、水素水カップ及びガス出口流路を選択的に接続するように構成されるか、又はガス連通流路及びガス出口流路を通じて水素含有ガスを放出するため、ガス入口流路、ガス連通流路及びガス出口流路を選択的に接続するように構成される。水素含有ガスは、一体型流路デバイスによって、凝縮体ろ過器と給湿カップと水素水カップと噴霧器と弁組立体と自動分流デバイスとの間を移送される。凝縮体ろ過器、給湿カップ、噴霧器及び自動分流デバイスは、一体型流路デバイスに直接結合される。
【0024】
自動分流デバイスが、ガス連通流路及びガス出口流路を通じて水素含有ガスを放出するためにガス入口流路、ガス連通流路、及びガス出口流路に接続している際、噴霧器は動作を停止する。
【0025】
給湿カップは、給湿室と、連通室と、ろ過室とを備える。給湿室は、補充水を収容し、水素含有ガスを受け入れるように構成される。連通室は、水槽及び凝縮体ろ過器を流体結合するように構成される。ろ過室は、ろ過棒を収容するように構成される。給湿室、連通室及びろ過室は、互いに隔離されている。
【0026】
水素生成器は、給湿カップの連通室内に構成された電解質ろ過モジュールを更に備え、電解質ろ過モジュールは、水槽からの水素含有ガスを受け入れ、ろ過する連続上向き傾斜通路を有する。
【0027】
ろ過室は、ろ過室入口とろ過室出口とを有し、ろ過棒は、ろ過入口とろ過出口とを有する。ろ過棒は、ろ過棒の外側にガス障壁リングを備え、ガス障壁リングは、ろ過室をろ過前空間及びろ過後空間に分割するように構成される。ろ過前空間は、ろ過室入口及びろ過入口に結合され、ろ過後空間は、ろ過室出口及びろ過出口に結合される。
【0028】
水素水カップは、一体型流路デバイスに直接結合される。
【0029】
水素水カップは、カップ本体と、注入構成要素と、カップ・カバーとを備える。カップ本体は、液体を収容する収容空間を有する。注入構成要素は、水素含有ガスを液体に注入して水素液を生成する収容空間内に収容される。カップ・カバーは、カップ本体に結合され、水素含有ガスを受け入れるガス入口と、水素含有ガスを放出するガス出口と、水素液を放出する投入/放出ポートを有する。投入/放出ポートは、液体の注入が可能である。
【0030】
注入構成要素は、ガス注入カラムと、ガス注入底部とを備える。ガス注入カラムは、ガス入口に結合され、ガス注入カラムは、第1のガス注入通路を有する。ガス注入底部は、液体中に浸漬され、ガス注入本体と、ガス注入筐体と、複数の微細ろ過器とを備える。ガス注入本体は、ガス注入カラムに結合され、ガス注入本体は、第2のガス注入通路と、複数のガス注入孔とを有する。第2のガス注入通路は、第1のガス注入通路に流体結合され、ガス注入孔は、第2のガス注入通路に流体結合される。ガス注入筐体は、ガス注入本体に結合され、複数のガス注入孔に対応する複数の微細出口通路を有する。複数の微細ろ過器は、ガス注入本体とガス注入筐体との間に位置し、複数の微細ろ過器は、複数の微細出口通路に結合される。
【0031】
微細出口通路のそれぞれは、中空円錐台構造であり、中空円錐台構造は、上穴と下穴とを有する。上穴の面積は、下穴の面積より大きい。下穴は、第2のガス注入通路と微細出口通路との間に位置し、上穴は、微細出口通路と収容空間との間に位置する。
【0032】
第2のガス注入通路の断面積は、均一ではない。
【0033】
水素生成器は、給湿カップ内に構成された清澄化デバイスを更に備え、清澄化デバイスは、連通カラムと、清澄化底板とを備える。清澄化底板は、清澄化通路と、複数の清澄化孔とを備え、清澄化通路の断面積は、均一ではない。
【0034】
本発明は、ガス流方向を選択的に調節可能であり、電気分解モジュールと、水槽と、凝縮体ろ過器と、給湿カップと、一体型流路デバイスとを備える水素生成器を更に提供する。電気分解モジュールは、水を電気分解して水素含有ガスを生成するように構成される。水槽は、水及び電気分解モジュールを収容し、電気分解モジュールから水素含有ガスを受け入れるように構成される。凝縮体ろ過器は、水素含有ガスを受け入れ、ろ過するように、水槽の上に積層される。給湿カップは、水槽の上に積層され、補充水を収容し、水素含有ガスを給湿する。一体型流路デバイスは、水槽の上に積層され、凝縮体ろ過器及び給湿カップに直接結合される。水素含有ガスは、一体型流路デバイスによって、凝縮体ろ過器と給湿カップとの間を移送される。
【0035】
水素生成器は、液体を収容する水素水カップを更に備え、水素水カップは、水素含有ガスを受け入れ、水素含有ガスを液体と混合して水素液を生成することが可能である。水素水カップは、一体型流路デバイスに直接結合され、水素含有ガスは、一体型流路デバイスによって、凝縮体ろ過器と給湿カップと水素水カップと噴霧器との間を移送される。
【0036】
給湿カップは、ろ過棒を収容するろ過室を備える。ろ過棒は、ろ過室を流れる水素含有ガスをろ過するように構成される。水素水カップは、一体型流路デバイスに直接結合され、水素含有ガスは、一体型流路デバイスによって、凝縮体ろ過器と給湿カップとろ過棒と水素水カップと噴霧器との間を移送される。
【0037】
従来技術と比較して、本発明の水素生成器は、以下の利点を有する:(1)本発明の水素生成器は、第1の分流信号又は第2の分流信号に基づき、水素含有ガスを水素水カップの液体中に選択的に流す自動分流デバイスを有し、したがって、水素生成器は、夜間モードでは水素含有ガスが水素水カップを通過しないように調節し、これにより、水素含有ガスが水素水カップに入る際に生成される低周波音をなくすことができる。(2)本発明の水素生成器は、水素含有ガスを搬送する流路が塞がれていないかどうかを検知する圧力センサを有する。ユーザが関連する管路を圧搾させると、圧力センサは、ガス流路内の圧力の変化を検知し、この圧力変化を監視器に報告し、監視器が電気分解モジュールの動作を調節して、危険を回避し得るようにする。(3)本発明の水素生成器は、水素生成器内の水補充機構を調節する弁組立体を有し、流路内の水素含有ガス及び補充水の円滑な流れを保証し、ガス生成工程及び水補充工程の間に水素生成器が安全であることを保証するようにする。(4)本発明の水素生成器は、水素含有ガスからの不純物をろ過するだけでなく、水素含有ガスからの微生物もろ過でき、水素含有液及び水素含有ガスが人体に安全であることを保証するようにする。(5)本発明の水素水カップは、微細気泡出口構造を有し、微細気泡出口構造は、中空円錐台構造を有する複数の微細出口通路を有する。微細気泡出口構造は、微細な水素含有ガスが複数の微細な気泡を液体中に生成させ、液体中に均一に分散させて水素液を生成し、これにより、水素含有ガスと液体との間の界面領域が、液体中の水素含有ガスの溶解を促進し得る。(6)本発明の微細気泡出口構造は、微細ろ過器に結合されるため、液体に注入される前に水素含有ガスを再度ろ過し、これにより、水素液の質を保証し得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器を示す機能ブロック図である。
【
図2A】
図1の実施形態による水素生成器を示す分解図である。
【
図2B】
図2Aの実施形態による電解質ろ過モジュールを示す断面概略図である。
【
図2C】
図2Aの実施形態による一体型流路デバイスの上面図である。
【
図2D】
図2Cの実施形態による一体型流路デバイスを示す分解図である。
【
図3】
図2の実施形態による水素生成器の上面図である。
【
図4】
図1の実施形態による、水素生成器内の水素含有ガスの流れ方向を示す概略図である。
【
図5A】
図3の実施形態による、断面線A-A’に沿った水素生成器の断面図である。
【
図5B】
図5Aの実施形態による、水素生成器のろ過室及びろ過棒を示す概略図である。
【
図6】
図5Aの実施形態による、水素生成器の円で囲んだ部分の一部拡大概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器の自動分流デバイスを示す機能ブロック図である。
【
図8A】
図7の実施形態による、通常動作下の水素生成器の使用状態の概略図である。
【
図8B】
図7の実施形態による、分流信号を受信後の水素生成器の使用状態の概略図である。
【
図9】
図7の実施形態による、水素生成器の派生実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図10】本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器の弁組立体を示す機能ブロック図である。
【
図11】
図10の実施形態による、水素生成器の弁組立体の使用状態の概略図である。
【
図12】本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器の清澄化デバイスを示す外観図である。
【
図13】
図12の実施形態による清澄化デバイスを示す分解図である。
【
図14】本発明の別の実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器の弁組立体を示す機能ブロック図である。
【
図15】
図14の実施形態による、水素生成器の弁組立体の使用状態の概略図である。
【
図16A】
図2の実施形態による水素水カップの上面図である。
【
図16B】
図16Aの実施形態による、断面線B-B’に沿った水素水カップの断面図である。
【
図19】
図18の実施形態による注入構成要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の利点、趣旨及び特徴をより容易に明らかに理解可能にする目的で、実施形態によって図面を参照しながら詳細な説明及び考察を行う。これらの実施形態が本発明の典型的な実施形態にすぎないことは、留意する価値がある。しかし、これらの実施形態は、多くの異なる形態で実施でき、本発明の実施形態又は対応する実施形態に限定されない。そうではなく、これらの実施形態は、本開示を入念に完全にするために提供される。
【0040】
本発明で開示する様々な実施形態で使用される用語は、特定の実施形態を説明するために使用されるにすぎず、本発明の開示する様々な実施形態を限定することを意図しない。本明細書で使用する単数形は、文脈が明らかに別段に示さない限り、複数形も含む。別段に規定されない限り、本明細書で使用される(技術的用語及び科学的用語を含む)全ての用語は、本明細書で開示する様々な実施形態が属する当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。上記の用語(一般に使用される辞書で規定される用語等)は、本明細書で開示する様々な実施形態で明示的に規定されていない限り、同じ技術分野における文脈上の意味と同じ意味を有すると解釈され、理想化された又は過度に形式的な意味を有するものとしては解釈されない。
【0041】
本明細書の説明において、用語「一実施形態」、「特定の実施形態」等に関する説明は、実施形態に関して説明する特定の特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態の中に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、説明する特定の特徴、構造、材料又は特性は、あらゆる適切な様式で、あらゆる1つ又は複数の実施形態の中で組み合わせることができる。
【0042】
本発明の説明において、別段に規定又は限定されていない限り、用語「結合」、「接続」及び「設置」は、広い意味で理解されることに留意されたい。例えば、用語「結合」、「接続」及び「設置」は、機械的又は電気的に接続しても、直接接続しても中間媒体によって接続してもよい。当業者は、上記用語の特定の意味を特定の状況に従って理解し得る。
【0043】
図1、
図2Aから
図2Dを参照されたい。
図1は、本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器Eを示す機能ブロック図である。
図2Aは、
図1の実施形態による水素生成器Eを示す分解図である。
図2Bは、
図2Aの実施形態による電解質ろ過モジュール23を示す断面概略図である。
図2Cは、
図2Aの実施形態による一体型流路デバイス3の上面図である。
図2Dは、
図2Cの実施形態による一体型流路デバイス3を示す分解図である。
図1及び
図2Aに示すように、本発明の水素生成器Eは、電気分解モジュール1と、水槽2と、一体型流路デバイス3と、給湿カップ4と、凝縮体ろ過器5と、ろ過棒60と、噴霧器7と、水素水カップ8と、水素水カップ8を固定するように構成された枠80とを備える。電気分解モジュール1は、水槽2内に構成される。水槽2は、槽本体21と、槽カバー22とを備え、電解質ろ過モジュール23は、槽カバー22の上に構成される。
図2Bに示すように、電解質ろ過モジュール23は、鉄綿及びポリエステル合成綿の少なくとも1つを備える。複数の鉄綿又は複数のポリエステル合成綿は、連続上向き傾斜通路を形成するように、ある角度で上方に離間して置くことができる。給湿カップ4及び凝縮体ろ過器5は、水槽2の上に積層される。電気分解モジュール1は、水を電気分解して水素含有ガスを生成するように構成される。水素含有ガスは、水素及び酸素(66%の水素及び33%の酸素等)を含有する。他の実施形態では、水素含有ガスは、100%水素を含有する。水槽2は、水を収容し、電気分解モジュール1から水素含有ガスを受け入れるために使用し、次に、水素含有ガスを電解質ろ過モジュール23から放出し得る。電解質ろ過モジュール23は、連続上向き傾斜通路を有し、鉄綿及びポリエステル合成綿の少なくとも1つを備える。したがって、水素含有ガス中の電解質は、電解質ろ過モジュール23を通じてろ過され、連続上向き傾斜通路は、水素含有ガス内に含有される液体を遮断し得る。
図2C及び
図2Dに示すように、一体型流路デバイス3は、上カバー30と、下カバー31とを備え、ガス入口流路35、ガス出口流路36及びガス連通流路37は、上カバーと下カバーとの間に位置する。下カバー31は、一体形成構造である。「一体形成構造」とは、射出成形によって形成される構造、又は異なる構成要素同士を溶着し、組み合わせて1つにすることによって形成される構造として認識し得る。実際には、
図1、
図2Aから
図2Dに示すように、一体型流路デバイス3は、給湿カップ4の上に積層され、給湿カップ4は、水槽2の上に積層される。
図3を参照されたい。
図3は、
図2の実施形態による水素生成器Eの上面図である。下カバー31は、凝縮体ろ過器5を収容するように構成された空間320を有する。給湿カップ4は、一体型流路デバイス3と水槽2との間に積層され、下カバー31に結合される。凝縮体ろ過器5は、水素含有ガスを凝縮し、ろ過するために使用され、凝縮体流路50を有する。実際には、凝縮体ろ過器5は、容易に設置されるように一体型流路デバイス3に移動可能に埋め込み得る。ろ過棒60は、水素含有ガスをろ過するために使用し得る。噴霧器7は、下カバー31に埋め込まれ、水素含有ガスを受け入れるようにガス出口流路36に結合される。噴霧器7は、噴霧ガスを更に生成し、噴霧ガスを水素含有ガスと混合し、健康ガスを生成する。水素水カップ8は、飲用水を収容し、水素含有ガスを飲用水に注入して水素水を生成するために使用し得る。実際には、水素水カップ8は、枠80内に埋め込まれ、一体型流路デバイス3に結合(又は直接接続)し得る。水素水カップ8が枠80から取り外され、一体型流路デバイス3と結合されていない場合、電気分解モジュール1は、動作を停止する。ガス入口流路35及びガス出口流路36は、水素水カップ8に選択的に結合され、ガス連通流路37は、ガス入口流路35及びガス出口流路36に選択的に結合される。
【0044】
したがって、水素含有ガスは、給湿カップ4と凝縮体ろ過器5とろ過棒60と噴霧器7と水素水カップ8との間を移送し得る。一実施形態では、給湿カップ4、凝縮体ろ過器5及び噴霧器7は、下カバー31に直接結合される。更に、水素水カップ8は、下カバー31に直接結合し得る。
【0045】
一実施形態では、電気分解モジュール1は、水槽2内に収容され、電気分解モジュール1は、水槽1内で水を受け入れ、水を電気分解して水素含有ガスを生成し得る。電気分解モジュール1が水を電気分解した後、電気分解モジュール1は、水槽2内で水素含有ガスを直接生成する。実際には、水槽2の外層は、水槽2の剛性を増大させるハニカム構造24を有し、水素含有ガスによって水槽2が変形するのを防止する。その上、ハニカム構造24は、水槽2の剛性を増大させるので、水素含有ガスは、水槽2内に留まるのではなく、連通室41に移動する性質がある。
【0046】
給湿カップ4は、給湿室40と、連通室41と、ろ過室42とを備える。給湿室40は、水素含有ガスを給湿する補充水を収容する。連通室41は、水槽2を一体型流路デバイス3と結合するために使用され、水素含有ガスを凝縮体流路50に流す。本実施形態では、電解質ろ過モジュール23は、連通室41内に収容され、連通室41は、水素含有ガスが連通室41を通じて凝縮体流路50を通過する前に水素含有ガスをろ過する。ろ過室42は、ろ過棒60を収容するために使用でき、ろ過棒60は、ろ過室42を流れる水素含有ガスをろ過する。給湿室40、連通室41及びろ過室42は、互いに隔離されている。その上、一体型流路デバイス3の下カバー31は、凝縮体流路330と、給湿通路331と、ろ過通路332とを更に有する。凝縮体通路330は、水槽2を連通室41を通じて凝縮体ろ過器5と結合するために使用される。給湿通路331は、凝縮体ろ過器50を給湿室40と結合するために使用される。ろ過通路332は、給湿室40をろ過室42と結合するために使用され、ろ過室42は、ガス入口流路35を結合し、ろ過した水素含有ガスを放出する。
【0047】
詳細には、本発明の水素生成器Eは、
図1に示すように、水素含有ガスが中に流れるように一体型流路デバイス3及び他の構成要素を積層し、嵌合することによるガス通路を有する。水素含有ガスの流れ方向をより明確に示すため、
図4を参照されたい。
図4は、
図1の実施形態による、水素生成器E内の水素含有ガスの流れ方向を示す概略図である。
図4に示すように、電気分解モジュール1は、水を電気分解して水素含有ガスを生成し、水素含有ガスは、水槽2に放出され、水槽2内に収容される。というのは、電気分解モジュール1は、水槽2内に構成されるためである。次に、水素含有ガスは、順次、給湿カップ4の連通室41、一体型流路デバイス3の凝縮体通路330、凝縮体ろ過器5の凝縮体通路50、一体型流路デバイス3の給湿通路331、給湿カップの給湿室40、一体型流路デバイス3のろ過通路332、給湿カップ4のろ過室41、ろ過棒60,一体型流路デバイス3のガス入口流路35、一体型流路デバイス3のガス出口流路36、火炎防止器94及び噴霧器7を流れる。ガス入口流路65とガス出口流路36との間の水素含有ガスは、水素水カップ8又は一体型流路デバイス3のガス連通流路37を通じて選択的に流し得る。しかし、上述の水素含有ガスの流れ方向は、本発明の水素生成器Eの実施形態の1つであり、当業者は、要件に応じて各要素の配置順を調節し得ることに留意されたい。
【0048】
一実施形態では、水素生成器Eは、水素含有ガス中の微生物をろ過する、又は水素含有ガス中の細菌を殺すように構成されたろ過デバイス61を備える。ろ過デバイス61は、活性炭、ナノシルバー・スパッタリング、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリプロピレン(PP)繊維布の少なくとも1つを含み得る。細菌の種類は、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、薬剤耐性黄色ブドウ球菌等を含み得る。当業者は、限定するものではないが、多数のろ過デバイス61を追加し、要件に従ってろ過デバイス61の設定位置を調節し得ることに留意されたい。ろ過デバイス61は、火炎防止器94(
図4に示す)の前に配置しても、取替えユニットとして噴霧器7又は噴霧器7の出口に配置してもよい。
【0049】
一実施形態では、火炎防止器94は、金属メッシュろ過コア及び波形ろ過コアの少なくとも1つを備える。金属メッシュろ過コアは、0.23から0.315mmの直径を有する多層ステンレス鋼メッシュ又は銅メッシュから構成される構造とし得る。波形ろ過コアは、爆燃による激しい炎を防止し、対応する機械的影響及び熱による影響に耐えるように、ステンレス鋼、白銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金によって支持し得る。火炎防止器94は、炎が火炎防止器94を通じて流れるのを遮断するために使用され、これにより、2つの空間を互いから隔離する。したがって、火炎防止器94は、炎が火炎防止器94の一方の側からもう一方の側に広がるのを防止し、これにより、炎がガス通路を通じて広がり、爆発を生じさせるのを防止し得る。一実施形態では、火炎防止器94は、噴霧器7とガス出口流路36との間に構成される。火炎防止器94の使用に加えて、本発明の水素生成器Eは、給湿室40内の補充水及び水槽2内の水も使用し、多重区域での炎の防止を達成し、炎が広がるのを防止し得る。詳細には、水素生成器Eは、水(補充水及び電気分解水)によって、3つの領域(水槽2から給湿室40まで、給湿室40から火炎防止器94まで、及び火炎防止器94から噴霧器7まで(更にはユーザ側まで))に分割し得る。炎が噴霧器7側から水素生成器Eに入った場合、炎は火炎防止器94によって遮断される。炎が給湿室40と火炎防止器94との間のガス通路内で生じた場合、給湿室40内の補充水及び火炎防止器94が炎を遮断する。電気分解モジュール1で炎が生じた場合、水槽2内の電気分解水が炎を遮断する。多重領域火炎保護の達成に加えて、多重段階火炎保護も達成し得る。例えば、炎が噴霧器7側から水素生成器Eに入った際に火炎防止器94が炎を遮断できない場合、給湿室40内の補充水を第2の火炎防止として使用し得る。したがって、水素生成器Eの使用の安全性は、十分に改善し得る。当業者は、限定するものではないが、複数の火炎防止器94を追加し、火炎防止器94の設定位置を調節し、要件に従ってより大きな間隔の型の火炎防止器及びより大きな段階の型の火炎防止器を達成し得ることに留意されたい。
【0050】
図3を再度参照されたい。
図3に示すように、凝縮体ろ過器5、ガス入口流路35、ガス出口流路36及びガス連通流路37の内部を明確に示すため、凝縮体ろ過器5のカバー及び一体型流路デバイス3の上カバー30は、隠されている。ろ過室42、ガス入口流路35、ガス連通流路37、水素水カップ8、ガス出口流路36及び噴霧器7の相対的な位置は、
図3で明確に認識し得る。水素含有ガスの流れ方向は、実線矢印及び破線矢印によって示される。通常動作モード下、水素含有ガスは、順次、ろ過室42、ガス入口流路35、水素水カップ8及びガス出口流路36から噴霧器7に到達する。分流信号が生成される状態では、水素含有ガスは、ガス入口流路35からガス連通流路37を通じて点線矢印方向でガス出口流路36に入る。
【0051】
凝縮体ろ過器5の凝縮体流路50は、複数の隔子51によって形成される。凝縮体流路50は、ろ過パッド52を収容でき、ろ過パッド52は、鉄綿及びポリエステル合成綿の少なくとも1つとし得る。ろ過パッド52は、電解質又はアルカリ・ミスト等、水素含有ガス中の不純物をろ過するために使用される。冷却フィン(図示せず)は、ろ過パッド52の上に設け得る。ろ過パッド52を冷却フィンに近接して取り付けると、ろ過パッド52は、水素含有ガス中の熱エネルギーを外側に伝達し、これにより、凝縮効果を向上し得る。実際には、ろ過パッド52は、一体形成構造とすることができ、ろ過パッド52は、隔子51の位置に対応する複数の穴を有する。ろ過パッド52が凝縮体流路50に結合している際、ろ過パッド52は、対応する隔子に直接結合し、凝縮体流路50とろ過パッド52との間の気密性を改善し得る。したがって、凝縮体流路50を流れる水素含有ガスをろ過、凝縮し得ることを保証し得る。ろ過パッド52は、複数個の繊維綿から構成された個別構造とし得るか、又は少なくとも1個の鉄綿及び少なくとも1個の繊維綿から構成された組合せ構造とし得る。
【0052】
一体型流路デバイス3の下カバー31は、移動可能フリップ構造310を有し、移動可能フリップ構造310は、空間320を囲繞する側部構造を形成する。凝縮体ろ過器5は、フリップ構造310を通る空間320内に置かれ、凝縮体ろ過器5が下カバー31と選択的に係合し得るようにする。したがって、ユーザは、フリップ構造310を開閉することによって、空間320に位置する凝縮体ろ過器5を容易に取り替えることができる。
【0053】
ろ過棒60及びろ過室42の相対的な位置及び構成を明確に理解するため、
図5Aから
図6を参照されたい。
図5Aは、
図3の実施形態による、断面線A-A’に沿った水素生成器Eの断面図である。
図5Bは、
図5Aの実施形態による、水素生成器Eのろ過室42及びろ過棒60を示す概略図である。
図6は、
図5Aの実施形態による、水素生成器Eの円で囲んだ部分の一部拡大概略図である。
図5Aから
図6に示すように、ろ過室42は、ろ過室入口420とろ過室出口421とを有する。ろ過室入口420は、ろ過通路332に結合され、ろ過室出口421は、ガス入口流路35に結合される。ろ過棒60は、ガス障壁リング600を備え、複数のろ過入口601と複数のろ過出口602とを有する。ガス障壁リング600は、ろ過棒60の外側に位置し、ろ過室42をろ過前空間422及びろ過後空間423に分割するように構成される。ろ過前空間422は、ろ過室入口420及びろ過入口601に結合され、ろ過後空間423は、ろ過室出口602及びろ過出口421に結合される。水素含有ガスがろ過通路332からろ過室42に流れると、水素含有ガスは、ろ過室入口420及びろ過前空間422を通じて順に流れる。次に、水素含有ガスは、ろ過入口601を通じてろ過棒60に流れ、ろ過出口602を通じて放出する。次に、水素含有ガスは、ろ過後空間423及びろ過室入口421を通じてガス入口流路35に流れる。即ち、ろ過棒60は、更なる管路接続を伴わずに、ろ過棒60とろ過室42との間に構造設計に基づいた流路を形成し、これにより、空間の効果的な使用を実現し、流路の気密性を改善し得る。
【0054】
図7を参照されたい。
図7は、本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器Eの自動分流デバイス90を示す機能ブロック図である。本発明のガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器Eは、自動分流デバイス90を更に備える。自動分流デバイス90は、ガス入口流路35、水素水カップ8及びガス出口流路36を選択的に接続するように構成されるか、又はガス入口流路35、ガス連通流路37及びガス出口流路36を選択的に接続するように構成される。実際には、自動分流デバイス90は、ソレノイド弁によって動作させる。
【0055】
図8A及び
図8Bを参照されたい。
図8Aは、
図7の実施形態による、通常動作下の水素生成器Eの使用状態の概略図である。
図8Bは、
図7の実施形態による、分流信号を受信後の水素生成器Eの使用状態の概略図である。
図7、
図8A及び
図8Bに示すように、ガス入口流路35、ガス連通流路37及びガス出口流路36は、全て下カバー31上に位置する。自動分流デバイス90は、下カバー31に結合され、自動分流デバイス90は、監視器90の分流信号に基づき、流路を切り替え、水素含有ガスの流れ方向を調節するように構成される。
図8Aに示すように、通常動作下、監視器91は、自動分流デバイス90を制御し、水素水カップ8をガス入口流路35及びガス出口流路36に接続し得る。即ち、ガス入口流路35は、水素水カップ8を通じてガス出口流路36に結合される。したがって、電気分解モジュール1から生成された水素含有ガスは、順次、ガス入口流路35、水素水カップ8及びガス出口流路36を通じて噴霧器7に流れる(図で破線矢印によって示される)。水素含有ガスは、水素含有ガスが水素水カップ8に入ると、飲用水に注入され、水素水を生成する。次に、飲用水中に溶解しなかった水素含有ガスは、水素水カップ8から排出され、ガス出口流路36を通じて噴霧器7に流れる。
図8Bに示すように、別のモード下、自動分流デバイス90は、監視器91からの分流信号に基づき、ガス入口流路35、ガス連通流路37及びガス出口流路36を接続し、水素水カップ8をガス入口流路35及びガス出口流路36から隔離する。この時、ガス入口流路35は、ガス連通流路37を通じてガス出口流路36と接続され、電気分解モジュール1が生成した水素含有ガスは、順次、ガス入口流路35、ガス連通流路37及びガス出口流路36を通じて噴霧器7に流れる(図で破線矢印によって示される)。一実施形態では、水素含有ガスは、一体型流路デバイス3によって、給湿カップ4と凝縮体ろ過器5とろ過棒60と噴霧器7と水素水カップ8と自動分流デバイス90との間を移送される。給湿カップ4、凝縮体ろ過器5及び噴霧器7及び自動分流デバイス90は、下カバー31に直接結合される。
【0056】
実際には、低周波音は、水素水カップ8が水素含有ガスを飲用水に注入する際、又は健康ガスを生成するために噴霧器7が振動する際に生成される。低周波音は、日中の日常生活では目立たないが、真夜中、この低周波音は、ユーザの睡眠の質に影響を与えるおそれがある。したがって、本発明の水素生成器Eの監視器91は、自動分流デバイス90に結合され、分流信号を選択的に生成し、自動分流デバイス90を制御する。夜間、ユーザは、水素生成器Eを夜間モードに調節し得る。この時、監視器91は、分流信号を送信し、自動分流デバイス90を制御し、ガス連通流路37をガス入口流路35及びガス出口流路36と接続させ、水素含有ガスが水素水カップ8に流れないようにする。更に、夜間モード下、監視器91は、噴霧器7をオフにし、噴霧ガスの生成を停止し、低周波音の生成を回避することもできる。別の実施形態では、夜間モードをキャンセルすると、監視器91は、自動分流デバイス90を制御し、水素含有ガスを水素水カップ8に流し、噴霧器7を制御して噴霧ガスを生成させる。
【0057】
ユーザが水素生成器Eを使用している際、水素生成器Eを接続してユーザの吸入をもたらすために使用される呼吸回路は、ユーザの姿勢の変化のために圧縮され、これにより、水素生成器から呼吸回路への水素含有ガスの正常な放出が妨げられることがある。水素含有ガスの異常な放出によって生じる、ガス生成器Eの流路内の過剰な水素含有ガスによる機械の爆発又は損傷を回避するため、本発明の水素生成器Eは、この問題を解決するための圧力センサ92を更に備える。
図9を参照されたい。
図9は、
図7の実施形態による、水素生成器Eの派生実施形態を示す機能ブロック図である。
図9に示すように、圧力センサ92は、ガス入口流路35及びガス出口流路36の少なくとも1つに結合される。圧力センサ92は、圧力センサ92が構成されたガス入口流路35及びガス出口流路36の少なくとも1つにおけるガスの圧力を検知し、圧力検知信号を生成するために使用される。監視器91は、圧力検知信号に従って電気分解モジュール1を動作させる圧力センサ92に結合される。実際には、ユーザが、ガス流路内の水素含有ガスが水素生成器Eから正常に放出できないように呼吸回路を圧縮した場合、ガス入口流路35及びガス出口流路36の少なくとも1つのガス圧力は、上昇する。圧力センサ92が検出位置でガス圧力の増大を検知すると、圧力センサ92は、圧力検知信号を生成し、監視器91が電気分解モジュール1を制御することを可能にする。監視器91は、電気分解モジュール1が水素含有ガスの生成を停止するように制御し、要素を膨張させるガス流路内の過剰量の水素含有ガスのために水素生成器Eが破裂又は損傷するのを防止する。更に、水素含有ガスによって膨張した要素は、水素生成器Eの動作中、将来のガス漏れの問題も生じさせる。
【0058】
圧力センサ92は、ユーザの押圧によって生じた圧力変化を検出するだけでなく、水素生成器E内のガス流路が塞がれていないかどうかも検出し得る。水素生成器E内の火炎防止器94、ろ過パッド52及びろ過棒60は、長期使用により徐々に塞がれるため、ガス流路内のガス圧力は、徐々に増大する。したがって、水素生成器Eは、圧力センサ92を通じて内部部品が正常であるかどうかを検出し、ユーザに部品を交換する必要があることを気付かせることができる。
【0059】
特定の実施形態では、圧力センサ92は、固定時間間隔内で、圧力検出値を含む圧力検知信号も送信でき、監視器91は、圧力検知信号の変化を監視するように構成される。圧力変化が異常である(圧力検出値が上限閾値を超えた若しくは下限閾値を下回った、又は圧力値の変化の傾斜が大きすぎる等)場合、監視器91は、電気分解モジュール1の動作を停止させるか、又は電気分解モジュール1が生成した水素含有ガスの放出量を増大させる。ユーザが姿勢を変えたことにより、呼吸回路が妨げられていない場合、監視器91は、圧力検知信号に従って(例えば、圧力検出値は、上限閾値と下限閾値との間の値に戻る、又は圧力値が変化する傾斜が通常範囲に戻る)、水素生成器Eを通常状態に戻すこともでき、監視器91は、電気分解モジュール1を再開させ、水素含有ガスを生成する。別の特定の実施形態では、水素生成器Eは、圧力除去デバイスを更に備える。監視器91が電気分解モジュール1の動作を停止させると、同時に圧力除去デバイスが起動され、ガス流路内の圧力を解放し、危機の損傷及び危険を回避する。
【0060】
本発明の水素生成器Eは水素水カップ8を有するので、水素含有ガスは、水素水カップ8が下カバー31から分離している際、水素水カップ8と下カバー31との間の結合界面から放出され、これにより、ガス入口流路35と水素水カップ8とガス出口流路36との間の接続が中断されることがある。したがって、本発明の水素生成器Eは、上記問題を解決するため、水素水カップ8に結合される取外しセンサ93を更に備える。水素水カップ8が下カバー31から分離すると、取外しセンサ93は第2の分流信号を生成し、水素水カップ8ではなく、ガス連通流路37を通じて水素含有ガスをガス出口流路36に流し、これにより、ガス流路が中断される問題を解決可能にする。
【0061】
水素含有ガスを生成する時間を延長するため、本発明の水素生成器Eは、弁組立体95と導水組立体96とを更に備える。電解水が不十分である場合、電解水は、まず、給湿室40内に収容された補充水によって補給し得る。給湿室40内の補充水も不十分である場合、ユーザは、水素生成器Eの外部から補充水を給湿室40に補給できる。弁組立体95及び導水組立体96を明確に説明するため、水素含有ガスを送出するガス流路及び電解水を補充する水流路をそれぞれ以下で説明する。
図10から
図13を参照されたい。
図10は、本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器Eの弁組立体95を示す機能ブロック図である。
図11は、
図10の実施形態による、水素生成器Eの弁組立体95の使用状態の概略図である。
図12は、本発明の一実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器Eの清澄化デバイス43を示す外観図である。
図13は、
図12の実施形態による清澄化デバイス43を示す分解図である。
図10及び
図11に示すように、弁組立体95の放出流路950は、凝縮体ろ過器5の凝縮体流路50、及び給湿カップ4の給湿室40に結合し、水素含有ガスを送出し得る。詳細には、弁組立体95は、放出流路950に結合された凝縮ポート953とガス放出ポート954とを更に有する。凝縮ポート963は、少なくとも凝縮体ろ過器5に結合され、ガス放出ポート954は、少なくとも給湿カップ4に結合され、水素含有ガスが水槽2、連通室41及び凝縮体ろ過器5を通じて凝縮ポート953によって受け入れ、ガス放出ポート954を通じて給湿カップ4の給湿室40に放出されるようにする。したがって、水素含有ガスは、一体型流路デバイス3によって、給湿カップ4と凝縮体ろ過器5とろ過棒60と噴霧器7と水素水カップ8と自動分流デバイス90と弁組立体95との間を移送される。1つの特定の実施形態では、給湿カップ4、凝縮体ろ過器5及び噴霧器7、自動分流デバイス90及び弁組立体95は、下カバー31に直接結合される。
【0062】
図10から
図13に示すように、給湿室40は、補充水を収容する給湿空間400を有する。給湿室40は、清澄化デバイス43を更に備え、清澄化デバイス43は、連通カラム430と結合ユニット431と清澄化底部432とを備える。連通カラム430は、ガス放出ポート954に結合され、第1の清澄化通路を有する。清澄化底部432は、結合ユニット431を通じて、ガス放出ポート954から離れた連通カラム430の一端に結合され、補充水に浸漬される。清澄化底部432は、清澄化筐体4320と清澄化本体4322とを更に備え、清澄化筐体4320は、清澄化本体4322に結合され、第2の清澄化通路を形成する。第1の清澄化通路は、第2の清澄化通路に流体結合される。更に、清澄化筐体4320は、複数の清澄化孔4321を有し、給湿空間400及び第2の清澄化通路を結合する。したがって、水素含有ガスは、ガス放出ポート954から流れ、第1の清澄化通路、第2の清澄化通路及び清澄化孔4321を通じて流れ、最後に、給湿室40に流れ、次に、補充水に注入され、水素含有ガスを給湿する。一実施形態では、第1の清澄化通路と第2の清澄化通路との接合部を中心とみなすと、中心付近の清澄化孔4321は、中心から遠い清澄化孔4321よりも直径が小さく、中心から遠い清澄化孔4321は、中心付近の清澄化孔4321よりも直径が大きい。したがって、各清澄化孔4321から放出される水素含有ガスの量は、均一とし得る。別の実施形態では、第1の清澄化通路と第2の清澄化通路との接合部を中心とみなすと、中心付近の第2の清澄化通路の断面積及び中心から遠い第2の清澄化通路の断面積は、一致していない。例えば、第2の清澄化通路の断面図は、均一ではないが、緩やかであり、第2の清澄化通路のガス流量は、一貫性がない。したがって、水素含有ガスは、第2の清澄化通路の特定の領域では給湿室40に放出されず、第2の清澄化通路の各清澄化孔4321から水素含有ガスの量を可能な限り均一に分散し得る。
【0063】
水流路のための
図14及び
図15を参照されたい。
図14は、本発明の別の実施形態による、ガス流方向を選択的に調節可能な水素生成器Eの弁組立体95を示す機能ブロック図である。
図15は、
図14の実施形態による、水素生成器Eの弁組立体95の使用状態の概略図である。
図14から
図15に示すように、弁組立体95は、給湿カップ4の給湿室40及び凝縮体ろ過器5の凝縮体流路50に結合された供給流路951を更に備え、補充水を送出する。詳細には、弁組立体95は、供給流路951に結合された凝縮ポート953と水入口ポート955とを有する。凝縮ポート953は、少なくとも凝縮体ろ過器5に結合され、水入口ポート955は、少なくとも給湿カップ4に結合される。したがって、補充水は、給湿カップ4から送出し、凝縮ポート953によって放出し得る。この場合、補充水は、凝縮体ろ過器5の凝縮体流路50を通じて水槽2に流れる。補充水が凝縮体ろ過器5を通じて流れると、凝縮体ろ過器5によってろ過された電解質も、凝縮体ろ過器5から取り除かれ、水槽に流し戻される。したがって、凝縮体ろ過デバイス5の耐用年数を改善し得るだけでなく、電解質の消費も低減し、水素生成器Eの使用時間を改善し得る。補充水を水槽に補給する時間は、電気分解モジュール1が電気分解を停止した際に実施し得る。
【0064】
弁組立体95は、ガス流路及び水流路が互いに干渉せず、妨げられないようにする、第1の弁958を更に備える。
図11から
図15を参照されたい。
図11及び
図15に示すように、第1の弁958は、放出流路950を選択的に遮断して放出流路950とガス放出ポート954とを分離し、供給流路951の遮断を解除して凝縮ポート953と水入口ポート955とを結合させるように構成される。その上、第1の弁958は、供給流路951を選択的に遮断して凝縮ポート953と水入口ポート955とを分離し、放出流路950の遮断を解除して凝縮ポート953とガス放出ポート954とを結合させるようにも構成される。
【0065】
任意で、弁組立体95は、放出通路952と、第2の弁959とを更に備える。放出通路952は、給湿室40及び水槽2に結合される。更に、弁組立体95は、放出流路952に結合された放出入口ポート956と放出出口ポート957とを有する。放出入口ポート956は、放出通路952及び水槽2に結合され、放出出口ポート957は、放出通路952及び給湿室40に結合される。補充水を水槽2に流すと、水槽2内の水素含有ガスは、放出通路952を通じて給湿室40に流すことができる。第2の弁959は、放出通路952に結合されており、選択的に放出通路952の遮断を解除して給湿室40及び水槽2を結合させるように構成される。
【0066】
特定の実施形態では、第1の弁958は、第2の弁959と相互作用する。第1の弁958が放出流路950を遮断し、供給流路951の遮断を解除すると、第2の弁959も放出通路952の遮断を解除する。第1の弁958が放出流路950の遮断を解除し、供給流路951を遮断すると、第2の弁959も放出通路952を遮断する。したがって、水素含有ガスを生成する工程において、給湿室40内の水素含有ガスは、放出通路952から水槽2に流れず、これにより、水素含有ガスの正確な流れ方向を保証する。実際には、第1の弁958及び第2の弁959は、ソレノイド弁の制御によって駆動し得る。
【0067】
給湿室40内の補充水を給湿室40の上の凝縮体流路50に送出するため、本発明の水素生成器Eは、導水組立体96を更に備える。
図14及び
図15に示すように、導水組立体96は、導水流路960とポンプ961とを更に備える。導水組立体96は、給湿室40及び供給流路951に結合される。ポンプ961は、導水流路960、供給流路951及び凝縮体流路50を通じて給湿室40内の補充水を水槽2に流すため、導水流路960に結合される。即ち、ポンプ961は、給湿室40内の補充水を凝縮体ろ過器5に流し、電解質を水槽2及び/又は電気分解モジュール1に流し戻すことができる。
【0068】
水素水カップ8の詳細な説明について、
図16Aから
図19を参照されたい。
図16Aは、
図2の実施形態による水素水カップ8の上面図である。
図16Bは、
図16Aの実施形態による、断面線BーB’に沿った水素水カップ8の断面図である。
図17は、
図16Bの点線部分Cの一部拡大概略図である。
図18は、
図16Bの実施形態による注入構成要素83を示す分解図である。
図19は、
図18の実施形態による注入構成要素83の断面図である。
図16A及び
図16Bに示すように、本発明の水素水カップ8は、カップ本体81と、カップ・カバー82と、注入構成要素83とを備える。カップ本体81は、液体又は飲用水を収容する収容空間810を有する。カップ・カバー82は、カップ本体81、ガス入口820に結合され、ガス出口821は、カップ・カバー82上に構成される。注入構成要素83は、収容空間810内に収容され、水素含有ガスを液体又は飲用水に注入するガス入口820に結合され、水素液又は水素水を生成する。カップ・カバー82は、投入/放出ポート(図示しない)と、水出口カバー822とを更に備え、投入/放出ポートは、水素水カップ8内の液体を補充し、水素液を放出するために使用でき、水出口カバー822は、投入/放出ポートを覆うことができる。
【0069】
図16Aから
図19に示すように、注入構成要素83は、ガス注入カラム830と、ガス注入底部831とを備える。ガス注入カラム830は、ガス入口820に結合され、第1のガス注入通路8300を有する。ガス注入底部831は、飲用水に浸漬でき、ガス注入底部831は、ガス注入本体8310とガス注入筐体8314とを更に備える。ガス注入本体8310は、ガス注入カラム830に結合され、第2のガス注入通路8312と、複数のガス注入孔8313とを有する。第2のガス注入通路8312は、第1のガス注入通路8300に結合され、ガス注入孔8313は、第2のガス注入通路8312に結合される(
図17に示す)。ガス注入筐体8314は、ガス注入本体8310に結合され、微細気泡出口構造8315を有し、微細水素含有ガスが複数の微細気泡を飲用水中に生成し得るようにする。微細気泡出口構造8315は、ガス注入孔8313に対応する複数の微細出口通路8316を有する。微細出口通路8316は、ガス注入孔8313を通じて第2のガス注入通路8312に結合される。水素含有ガスがガス入口820から水素水カップ8に流れると、水素含有ガスは、順次、第1のガス注入通路8300、第2のガス注入通路8312及び微細出口通路8316を通じて流れ、次に、微細気泡出口構造8315を通じて飲用水中に微細気泡を生成する。
【0070】
図18及び
図19に示すように、注入構成要素83は、微細出口通路8316にそれぞれ結合される複数の微細ろ過器832を更に備える。微細ろ過器832は、微細出口通路8316を流れる水素含有ガスをろ過し、飲用水に注入される水素含有ガスの質及び安全性を保証するために使用し得る。実際には、微細ろ過器832は、活性炭ろ過要素、飲用水ろ過要素等とし得るが、これらに限定されない。更に、微細ろ過器832は、水素含有ガスを微細気泡に入れ込み、これにより、水素含有ガスと飲用水との間の界面を増大させることによって、水中に溶解する水素含有ガスの濃度を増大させるために使用し得る。
【0071】
図17及び
図19に示すように、微細出口通路8316は、上穴8317と下穴8318戸を有する中空円錐台である。一実施形態では、上穴8317の面積は、下穴8318の面積より大きい。下穴8318は、第2のガス注入通路8312と微細出口通路8316との間に位置し、上穴8317は、微細出口通路8316と収容空間810との間に位置する。本発明の注入構成要素83は、飲用水に注入される際、微細気泡状態での水素含有ガスの分散度を増大するように、中空円錐台構造と共に設計される。反対に、構造設計として上穴8317の面積が下穴8318の面積より小さい場合、微細気泡状態の水素含有ガスが蓄積され、大きな気泡の状態を生成し、これにより、水素含有ガスと飲用水との間の界面を低減させる。
【0072】
各微細出口通路8316から放出する水素含有ガスの量を均等に分散させ、微細気泡状態の水素含有ガスの放出効率及び分散均一性を改善するため、本発明の注入構成要素83の第2のガス注入通路8312は、第1のガス注入通路8300との接合部からガス注入本体8310の両端まで徐々に大きくなる。第2のガス注入通路8312は、細い中間部及び広い端部と共に設計され、結合部から2つの端部への水素含有ガスの流量を増大させ、水素含有ガスの大部分が、結合部付近からの水に注入されるのではなく、微細出口通路8316の全てを完全に利用し得るようにする。
【0073】
注入構成要素83は、固定部材833を更に備える。固定部材833は、微細ろ過器832を収容、固定するように構成された複数の固定孔8330を有する。ガス注入筐体8314に面するガス注入本体8310の表面は、固定部材833を収容する溝8311を有する。
【0074】
1つの特定の実施形態では、清澄化デバイス43は、注入構成要素83が有するような設計も有し得る。言い換えれば、清澄化孔4321は、清澄化効果を改善するように、微細気泡出口構造8315としても設計し得る。
【0075】
従来技術と比較すると、本発明の水素生成器Eは、自動分流デバイス90を有し、水素含有ガスを水素水カップ8に選択的に流し、分流信号に基づき、噴霧器7の動作を選択的に制御し、これにより、水素含有ガスを水素水カップ8に注入する際及び噴霧ガスを噴霧器7によって生成する際の低周波音の問題を低減する。更に、本発明の水素水カップ8は、微細気泡出口構造8315を備え、微細気泡出口構造8315は、中空円錐台構造を有する微細出口通路8316を有し、清澄化された水素含有ガスは、飲用水の微細気泡中に生成され、次に、飲用水に溶解され、水素水を生成する。したがって、水中に溶解された水素含有ガスの濃度は、水素含有ガスと飲用水との間の接触面積を増大することによって、改善し得る。
【0076】
一体型流路デバイスは、噴霧器、凝縮体ろ過器、水素水カップ等に直接結合し得る多くの通路を備える。一体型流路デバイスは、給湿カップの上に垂直に積層され、給湿カップは、水槽の上に垂直に積層され、一体型流路デバイス内に収容された凝縮体ろ過器は、水槽から放出された水素含有ガスを給湿カップの収容室を通じて受け入れることができる。したがって、水素生成器Eの構成要素間の連通は、更なる管(別の空気管又は水管)に通す必要がなく、空気及び水が漏れる危険性を低減させる。
【0077】
上述の例及び説明により、本発明の特徴及び趣旨が良好に説明されることを望む。より重要なことには、本発明は、本明細書で説明する実施形態に限定されない。当業者は、本発明の教示を保持しながら、デバイスに対して多数の修正及び改変を行い得ることに容易に気づくであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されたい。