(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】誤り率測定装置及び誤り率測定方法
(51)【国際特許分類】
H04L 1/00 20060101AFI20241030BHJP
H04L 25/49 20060101ALI20241030BHJP
H04B 3/46 20150101ALI20241030BHJP
【FI】
H04L1/00 C
H04L25/49 L
H04B3/46
(21)【出願番号】P 2023001218
(22)【出願日】2023-01-06
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】大沼 弘季
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 遼
【審査官】鉢呂 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-153226(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0364129(US,A1)
【文献】MX190000A シグナルクオリティアナライザ-R 制御ソフトウェア 取扱説明書,第16版,アンリツ株式会社,2022年09月30日,pp.4-65~4-68,<URL:https://dl.cdn-anritsu.com/ja-jp/test-measurement/files/Manuals/Operation-Manual/MP1900A/mx190000a_opm_j_16_0.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
H04L 1/08-1/24
H04L 25/49
H04B 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物
(W)のFEC(Forward Error Correction)動作が可能か否かを測定する誤り率測定装置(1)であって、
FECシンボル、1b/1bエンコーディング、ビットの中から選択される検索モード、MSB、LSB、全てのデータの中から選択される検索対象のデータ、エラー数をそれぞれ設定する操作部(4)と、
前記被測定物からのPAM4信号をハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り、前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるECC Groupごとに識別して並べて表示画面に表示制御する表示制御手段(7d)と、
前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボル
のエラーサーチを行う場合は、前記FECシンボルを前記検索モードとして選択して設定するとともに前記検索対象のデータと前記エラー数を設定してエラーをサーチし、前記FECシンボルとして定義されない領域のエラーサーチを行う場合は、前記1b/1bエンコーディングを前記検索モードとして選択して設定するとともに前記検索対象のデータと前記エラー数を設定してエラーをサーチするエラーサーチ手段(7e)と、を備えたことを特徴とする誤り率測定装置。
【請求項2】
前記区切った領域のFECシンボルとして定義されない領域をマスクしたときの前記ECC GroupごとのFECシンボルエラーをカウントするエラーカウント手段(7c)を備え、
前記表示制御手段
(7d)は、前記エラーカウント手段にてカウントされたECC GroupごとのFECシンボルエラーのエラー数を前記表示画面に表示制御することを特徴とする請求項1に記載の誤り率測定装置。
【請求項3】
パターン発生器(2)が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物(W)から折り返されるPAM4信号のデータを記憶する記憶部(5)を備え、
前記表示制御手段(7d)は、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータの1ブロック分のシンボルごとのMSBデータとLSBデータを上下対に並べて複数段にわたって表示し、上下対に表示される複数段のMSBデータとLSBデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線(44)で区切り、ECC Groupごとに識別表示することを特徴とする請求項1または2に記載の誤り率測定装置。
【請求項4】
パターン発生器(2)が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物(W)から折り返されるPAM4信号のデータを記憶する記憶部(5)を備え、
前記表示制御手段(7d)は、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを複数段にわたって表示し、複数段のPAM4信号のデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線(44)で区切り、ECC Groupごとに識別表示することを特徴とする請求項1または2に記載の誤り率測定装置。
【請求項5】
パターン発生器(2)が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物(W)から折り返されるPAM4信号のデータを記憶する記憶部(5)と、
前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを元にリファレンスパターンを生成するリファレンスパターン生成手段(7a)を備え、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがFlitの場合、前記操作部(4)にて設定されるFlitのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるFlitを生成し、生成したFlitをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力し、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がFlitのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるレーン数に応じたFlit長、EIEOSの挿入周期、SKPインターバルに基づくFlitパターンの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出し、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがMCPの場合、前記操作部にて設定されるMCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるMCPを生成し、生成したMCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力し、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がMCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるSRISかNot SRISの選択、仮想Flitの長さと数に基づくMCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出し、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがCPの場合、前記操作部にて設定されるCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるCPを生成し、生成したCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力し、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定される仮想Flitの長さと数に基づくCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の誤り率測定装置。
【請求項6】
被測定物
(W)のFEC(Forward Error Correction)動作が可能か否かを測定する誤り率測定方法であって、
FECシンボル、1b/1bエンコーディング、ビットの中から選択される検索モード、MSB、LSB、全てのデータの中から選択される検索対象のデータ、エラー数を操作部(4)によりそれぞれ設定するステップと、
前記被測定物からのPAM4信号をハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り、表示制御手段(7d)により前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるECC Groupごとに識別して並べて表示画面に表示制御するステップと、
エラーサーチ手段(7e)により
、前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボル
のエラーサーチを行う場合は、前記FECシンボルを前記検索モードとして選択して設定するとともに前記検索対象のデータと前記エラー数を設定してエラーをサーチし、前記FECシンボルとして定義されない領域のエラーサーチを行う場合は、前記1b/1bエンコーディングを前記検索モードとして選択して設定するとともに前記検索対象のデータと前記エラー数を設定してエラーをサーチするステップと、を含むことを特徴とする誤り率測定方法。
【請求項7】
前記区切った領域のFECシンボルとして定義されない領域をマスクしたときの前記ECC GroupごとのFECシンボルエラーをエラーカウント手段(7c)によりカウントするステップと、
前記エラーカウント手段にてカウントされたECC GroupごとのFECシンボルエラーのエラー数を前記表示制御手段
(7d)により前記表示画面に表示制御するステップと、を含むことを特徴とする請求項
6に記載の誤り率測定方法。
【請求項8】
パターン発生器(2)が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物(W)から折り返されるPAM4信号のデータを記憶部(5)に記憶するステップと、
前記表示制御手段(7d)により、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータの1ブロック分のシンボルごとのMSBデータとLSBデータを上下対に並べて複数段にわたって表示し、上下対に表示される複数段のMSBデータとLSBデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線(44)で区切り、ECC Groupごとに識別表示するステップと、を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の誤り率測定方法。
【請求項9】
パターン発生器(2)が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物(W)から折り返されるPAM4信号のデータを記憶部(5)に記憶するステップと、
前記表示制御手段(7d)により、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを複数段にわたって表示し、複数段のPAM4信号のデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線(44)で区切り、ECC Groupごとに識別表示するステップと、を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の誤り率測定方法。
【請求項10】
パターン発生器(2)が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物(W)から折り返されるPAM4信号のデータを記憶部(5)に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを元にリファレンスパターンをリファレンスパターン生成手段(7a)により生成するステップと、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがFlitの場合、前記操作部(4)にて設定されるFlitのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるFlitを生成し、生成したFlitをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力するステップと、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がFlitのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるレーン数に応じたFlit長、EIEOSの挿入周期、SKPインターバルに基づくFlitパターンの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出するステップと、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがMCPの場合、前記操作部にて設定されるMCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるMCPを生成し、生成したMCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力するステップと、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がMCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるSRISかNot SRISの選択、仮想Flitの長さと数に基づくMCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出するステップと、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがCPの場合、前記操作部にて設定されるCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるCPを生成し、生成したCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力ステップと、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定される仮想Flitの長さと数に基づくCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出するステップと、を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の誤り率測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物を信号パターン折り返しのステートに遷移させた状態で既知パターン(PAM4信号)をテスト信号として被測定物に送信し、このテスト信号の送信に伴って被測定物から折り返して受信する入力データのビット誤り率を測定するにあたって、特に、被測定物のFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)動作が可能か否かを測定する誤り率測定装置及び誤り率測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誤り率測定装置は、固定データを含む既知パターンのテスト信号を被測定物に送信し、このテスト信号の送信に伴って被測定物から折り返して受信した被測定信号と基準となる参照信号とをビット単位で比較してビット誤り率(BER:Bit Error Rate)を測定する装置として従来から知られている。
【0003】
従来の誤り率測定装置では、例えば下記特許文献1に開示されるように、IEEE 802.3規格に準拠したRS-FEC測定機能を有しており、コードワード長で区切った領域のコードワード長ごとのFECシンボルエラー数を集計し、各々のエラーカウント数及びエラーレートを取得しGUIに表示していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示す従来の誤り率測定装置では、PCI Express6規格特有のFlitデータに対応しておらず、キャプチャデータにエラーがあった場合、Flit内でのFECシンボルエラーの探索を行うことができなかった。しかも、Flit外データにエラーが分布しているのかも把握できなかった。
【0006】
また、上記特許文献1に示す従来の誤り率測定装置では、ユーザが設定したデータ長ごとに連続でエラーが挿入された場合、設定したシンボル(FECシンボル或いは1b/1b Encodingシンボル)数以上の条件で連続したエラーを探索してサーチすることができなかった。このため、連続シンボル(FECシンボル或いは1b/1b Encodingシンボル)のエラー発生箇所を目視で探索する必要があり、被測定物のデバッグを進めることが困難となる問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ハイスピードシリアルバス規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボルエラーとFlitとして定義されない領域のシンボルエラーとを区別してエラーサーチを行うことができる誤り率測定装置及び誤り率測定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された誤り率測定装置は、被測定物WのFEC(Forward Error Correction)動作が可能か否かを測定する誤り率測定装置1であって、
FECシンボル、1b/1bエンコーディング、ビットの中から選択される検索モード、MSB、LSB、全てのデータの中から選択される検索対象のデータ、エラー数をそれぞれ設定する操作部4と、
前記被測定物からのPAM4信号をハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り、前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるECC Groupごとに識別して並べて表示画面に表示制御する表示制御手段7dと、
前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボルのエラーサーチを行う場合は、前記FECシンボルを前記検索モードとして選択して設定するとともに前記検索対象のデータと前記エラー数を設定してエラーをサーチし、前記FECシンボルとして定義されない領域のエラーサーチを行う場合は、前記1b/1bエンコーディングを前記検索モードとして選択して設定するとともに前記検索対象のデータと前記エラー数を設定してエラーをサーチするエラーサーチ手段7eと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に記載された誤り率測定装置は、請求項1の誤り率測定装置において、
前記区切った領域のFECシンボルとして定義されない領域をマスクしたときの前記ECC GroupごとのFECシンボルエラーをカウントするエラーカウント手段7cを備え、
前記表示制御手段7dは、前記エラーカウント手段にてカウントされたECC GroupごとのFECシンボルエラーのエラー数を前記表示画面に表示制御することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載された誤り率測定装置は、請求項1または2の誤り率測定装置において、
パターン発生器2が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物Wから折り返されるPAM4信号のデータを記憶する記憶部5を備え、
前記表示制御手段7dは、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータの1ブロック分のシンボルごとのMSBデータとLSBデータを上下対に並べて複数段にわたって表示し、上下対に表示される複数段のMSBデータとLSBデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線44で区切り、ECC Groupごとに識別表示することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載された誤り率測定装置は、請求項1または2の誤り率測定装置において、
パターン発生器2が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物Wから折り返されるPAM4信号のデータを記憶する記憶部5を備え、
前記表示制御手段7dは、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを複数段にわたって表示し、複数段のPAM4信号のデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線44で区切り、ECC Groupごとに識別表示することを特徴とする。
本発明の請求項5に記載された誤り率測定装置は、請求項1または2の誤り率測定装置において、
パターン発生器2が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物Wから折り返されるPAM4信号のデータを記憶する記憶部5と、
前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを元にリファレンスパターンを生成するリファレンスパターン生成手段7aを備え、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがFlitの場合、前記操作部4にて設定されるFlitのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるFlitを生成し、生成したFlitをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力し、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がFlitのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるレーン数に応じたFlit長、EIEOSの挿入周期、SKPインターバルに基づくFlitパターンの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出し、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがMCPの場合、前記操作部にて設定されるMCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるMCPを生成し、生成したMCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力し、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がMCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるSRISかNot SRISの選択、仮想Flitの長さと数に基づくMCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出し、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがCPの場合、前記操作部にて設定されるCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるCPを生成し、生成したCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力し、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定される仮想Flitの長さと数に基づくCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に記載された誤り率測定方法は、被測定物WのFEC(Forward Error Correction)動作が可能か否かを測定する誤り率測定方法であって、
前記被測定物からのPAM4信号をハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り、表示制御手段7dにより前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるECC Groupごとに識別して並べて表示画面に表示制御するステップと、
エラーサーチ手段7eにより前記ハイスピードシリアルバス規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボルエラーと前記Flitとして定義されない領域のシンボルエラーとを区別してエラーをサーチするステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に記載された誤り率測定方法は、請求項6の誤り率測定方法において、
前記区切った領域のFECシンボルとして定義されない領域をマスクしたときの前記ECC GroupごとのFECシンボルエラーをエラーカウント手段7cによりカウントするステップと、
前記エラーカウント手段にてカウントされたECC GroupごとのFECシンボルエラーのエラー数を前記表示制御手段7dにより前記表示画面に表示制御するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載された誤り率測定方法は、請求項6または7の誤り率測定方法において、
パターン発生器2が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物Wから折り返されるPAM4信号のデータを記憶部5に記憶するステップと、
前記表示制御手段7dにより、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータの1ブロック分のシンボルごとのMSBデータとLSBデータを上下対に並べて複数段にわたって表示し、上下対に表示される複数段のMSBデータとLSBデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線44で区切り、ECC Groupごとに識別表示するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の請求項9に記載された誤り率測定方法は、請求項6または7の誤り率測定方法において、
パターン発生器2が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物Wから折り返されるPAM4信号のデータを記憶部5に記憶するステップと、
前記表示制御手段7dにより、前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを複数段にわたって表示し、複数段のPAM4信号のデータを前記ハイスピードシリアルバス規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線44で区切り、ECC Groupごとに識別表示するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の請求項10に記載された誤り率測定方法は、請求項6または7の誤り率測定方法において、
パターン発生器2が発生するPAM4信号の送信に伴って前記被測定物Wから折り返されるPAM4信号のデータを記憶部5に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶された前記被測定物からのPAM4信号のデータを元にリファレンスパターンをリファレンスパターン生成手段7aにより生成するステップと、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがFlitの場合、前記操作部4にて設定されるFlitのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるFlitを生成し、生成したFlitをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力するステップと、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がFlitのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるレーン数に応じたFlit長、EIEOSの挿入周期、SKPインターバルに基づくFlitパターンの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出するステップと、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがMCPの場合、前記操作部にて設定されるMCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるMCPを生成し、生成したMCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力するステップと、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がMCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定されるSRISかNot SRISの選択、仮想Flitの長さと数に基づくMCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出するステップと、
前記被測定物に送信するPAM4信号の元になるパターンがCPの場合、前記操作部にて設定されるCPのパターン先頭と同じパターンを前記記憶部に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、前記操作部にて設定されるリファレンスとなるCPを生成し、生成したCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力ステップと、
前記パターン発生器が発生するPAM4信号がCPのビット列データに基づく場合、前記操作部にて設定される仮想Flitの長さと数に基づくCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して前記PAM4信号の先頭を検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ハイスピードシリアルバス規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボルエラーとFlitとして定義されない領域のシンボルエラーとを区別してエラーサーチを行うことができ、ハイスピードシリアルバス規格でのFECシンボルエラー及びバーストエラーが発生している箇所の特定が容易になり、被測定物のデバッグを効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る誤り率測定装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】PCI Express6規格で定義されるFlitの説明図である。
【
図3】FlitのECC Groupごとのエラー数、Flit内のFECシンボルエラー数ごとのFlit数の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係る誤り率測定装置において、被測定物からのPAM4信号のデータを最上位ビット列データと最下位ビット列データに分割して1Flit内でFECシンボルごとに区切り、PCI Express6規格で定義されるECC Groupごとに識別表示するキャプチャ画面の一例を示す図である。
【
図5】本発明に係る誤り率測定装置において、被測定物からのPAM4信号のデータを1Flit内でFECシンボルごとに区切り、PCI Express6規格で定義されるECC Groupごとに識別表示するキャプチャ画面の一例を示す図である。
【
図6】(a),(b)エラーサーチの選択画面の各例を示す図である。
【
図7】本発明に係る誤り率測定装置の処理動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る誤り率測定装置は、被測定物を信号パターン折り返しのステートに遷移させた状態で既知パターンのテスト信号を被測定物に送信し、このテスト信号の送信に伴って被測定物から折り返される受信信号の誤り率を測定するものである。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態の誤り率測定装置1は、パターン発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6、制御部7を備えて概略構成され、被測定物WのFEC(Forward Error Correction)動作が可能か否かを測定するにあたって、被測定物Wから取得したPAM4信号のデータ(またはPAM4信号のデータを分割したMSBデータとLSBデータ)をハイスピードシリアルバス規格としてのPCI Express6規格(以下、PCIe Gen6規格と言う)で定義される1Flit内でFECシンボル(4PAM4 Symbol=8bit)ごとに区切り、ECC Groupごとに表示し、PCIe Gen6規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボルエラーとFlitとして定義されない領域のシンボルエラーとを区別してエラーサーチする機能を有する。
【0017】
なお、Flitの概念はPCIe Gen6から定義されたが、同様のFlitの概念を用いた今後のPCI Express規格にも本発明の適用は可能である。また、本実施の形態では、PCIe Gen6を例示して説明するが、例えばUSB等の他のハイスピードシリアルバス規格において、Flit長で区切った領域の1Flit内のFECシンボルエラー数やECC GroupごとのFECシンボルエラー数を確認する場合にも本発明の適用は可能である。
【0018】
まず、本実施の形態の誤り率測定装置1が取り扱うPCIe Gen6規格で定義されるFlitについて説明する。Flitは、PCIe Gen6規格において、LTSSM(Link Training and Status State Machine:リンク状態管理機構)のステートがL0のとき送信されるデータフォーマットであり、FECによるエラー訂正機能を有している。
【0019】
1Flitは、
図2に示すように、3つのECC Group(ECC Group0、ECC Group1、ECC Group2)でインターリーブされる。1つのECC Groupは、1FEC Symbol(4PAM4 Symbol=8bit)で区切られる。
【0020】
そして、FlitがUncorrectableになる条件を要約すると、1Flit内において同じECC Groupに2回FEC Symbol Errorが入った場合にUncorrectableとなる。
【0021】
さらに
図3を用いて説明する。
図3はFlitのECC Groupごとのエラー数、Uncorrectable数(2以上)、Flit内のFECシンボルエラー数(0~7、8以上)ごとのFlit数の一例を示している。なお、
図3において、右下がりの斜線で示す部分はUncorrectableになる部分を示し、右上がりの斜線で示す部分はUncorrectableになる場合とUncorrectableにならない場合がある部分を示している。
【0022】
例えばFEC Symbol Error Threshold in One ECC Group(後述する閾値n)≧2の場合を例にとって
図3を参照しながら説明する。
図3の点線で囲まれるA(Flit数:3)では、Flit内のFECシンボルエラーが2個発生しているが、別々のECC Group(この場合、ECC Group0とECC Group1)のエラー数が1個ずつなので、Uncorrectableにならない。
【0023】
これに対し、
図3の点線で囲まれるB(Flit数:5)では、Flit内のFECシンボルエラーが4個発生しているだけでなく、ECC Groupごとのエラー数で見ても、何れかのECC Group(この場合、ECC Group0)のエラー数が2個なので、Uncorrectableになる。
【0024】
また、
図3の点線で囲まれるC(Flit数:9)では、Flit内のFECシンボルエラーが2個発生し、同じECC Group(この場合、ECC Group0)のエラー数が2個なので、Uncorrectableになる。
【0025】
そして、本実施の形態では、後述するFlitエラーを判別するための閾値として、1Flit内の1つのECC Groupで発生したFECシンボルエラー数の閾値:nを操作部4にて設定し、閾値nを超えたエラーをカウントしている。具体的には、
図4の設定項目の「FEC Symbol Error Threshold in One ECC Group」(後述する閾値n)を超えたものはUncorrectable.Flitとしてカウントを行い、n以下のエラーは1Flit内のFECシンボルエラー数とECC GroupごとのFECシンボルエラー数としてそれぞれカウントする。
【0026】
例えばn≧2の場合、n=0、1は1Flit内のECC GroupごとのFECシンボルエラー数をそれぞれカウントし、n=2以上はUncorrectable.Flitとしてカウントする。
【0027】
なお、後述するが、
図4の設定項目において、「Consecutive FEC Error Threshold」は、連続して発生したFECシンボルエラー数の閾値:mであり、「Consecutive Errored Flit Threshold」は、連続して発生したFlitエラー数の閾値kである。
【0028】
次に、誤り率測定装置1の各部の構成について説明する。パターン発生器2は、操作部4の設定に基づき、PRBS、PCIe Gen6規格で定義されるFlit、MCP(Modified Compliance Pattern )、CP(Compliance Pattern)の何れかのビット列データに基づくPAM4信号を発生する。このパターン発生器2で発生したPAM4信号は、既知パターンのテスト信号として被測定物Wに送信される。
【0029】
誤り検出器3は、パターン発生器2が発生するテスト信号(PRBS、Flit、MCP、CPの何れかのパターンに基づくPAM4信号)の送信に伴って被測定物Wから折り返されるPAM4信号を受信して誤り検出を行うもので、信号受信部3a、エラー検出部3bを備える。
【0030】
信号受信部3aは、データ分割手段3aaを含み、リンクトレーニングにより被測定物Wが信号折り返しのステートに遷移した状態でパターン発生器2から被測定物Wにテスト信号(PAM4信号)が送信されたときに、被測定物Wから折り返されるPAM4信号を受信する。
【0031】
データ分割手段3aaは、被測定物Wから受信したPAM4信号を必要に応じて最上位ビット列信号(以下、MSBデータと言う)と最下位ビット列信号(以下、LSBデータと言う)に分割する。
【0032】
エラー検出部3bは、記憶部5に保存した被測定物WからのPAM4信号のSKP,EIEOSに相当する部分(FEC Symbolとして定義されないFlit外領域)をマスクパターンでマスクし、マスクしたPAM4信号と後述するリファレンスパターンとを比較して各種エラー(ビットエラー、PAM4シンボルエラー、FECシンボルエラー、1Flit内のFECシンボルエラー、ECC GroupごとのFECシンボルエラー)の検出を行う。
【0033】
操作部4は、設定手段としても機能するものであり、
図1の誤り率測定装置1の本体に備える例えば操作ノブ、各種キー、スイッチ、ボタンや表示部6の表示画面上のソフトキーなどのユーザインタフェースで構成される。
【0034】
操作部4は、パターン発生器2や誤り検出器3に関する各種設定や指示を行うもので、例えば被測定物Wに送信するPAM4信号を発生するための条件設定、被測定物Wから折り返されるPAM4信号に基づいて各種エラー(ビットエラー、PAM4シンボルエラー、FECシンボルエラー、1Flit内のFECシンボルエラー、1Flit内のECC GroupごとのFECシンボルエラー)を検出するための条件設定、ボーレート、各種コンプライアンステストに関わる設定や指示などを行う。
【0035】
例えば被測定物Wに送信するPAM4信号を発生するための条件設定、被測定物Wから折り返されるPAM4信号に基づいて各種エラーを検出するための条件設定について説明すると、被測定物WにPRBSのビット列データに基づくPAM4信号を送信して各種エラーを検出する場合は、PRBS段数、レーン数に応じたFlit長、SKPに相当する部分(Flit外部分)をマスクするためのマスクパターン長とマスクパターン周期、Flitエラーを判別するための閾値、PAM4 Graycodingの設定、PAM4 Precodingの設定を行う。
【0036】
また、被測定物WにFlitのビット列データに基づくPAM4信号を送信して各種エラーを検出する場合は、レーン数に応じたFlitパターン(EIEOS、SKPを含む)の1周期、レーン数に応じたFlit長、EIEOSとSKPに相当する部分(Flit外部分)をマスクするためのマスクパターン長とマスクパターン周期、Flitエラーを判別するための閾値、PAM4 Graycodingの設定、PAM4 Precodingの設定、EIEOSの挿入周期、パターン先頭の設定を行う。
【0037】
さらに、被測定物WにMCPのビット列データに基づくPAM4信号を送信して各種エラーを検出する場合は、MCP(EIEOS、SKPを含む)の1周期、レーン数に応じたFlit長、EIEOSとSKPに相当する部分(Flit外部分)をマスクするためのマスクパターン長とマスクパターン周期、Flitエラーを判別するための閾値、PAM4 Graycodingの設定、PAM4 Precodingの設定、MCPパターン長、パターン先頭、SRISかNot SRISの選択の設定を行う。
【0038】
また、被測定物WにCPのビット列データに基づくPAM4信号を送信して各種エラーを検出する場合は、CP(EIEOSを含む)の1周期、レーン数に応じたFlit長、EIEOSに相当する部分(Flit外部分)をマスクするためのマスクパターン長とマスクパターン周期、Flitエラーを判別するための閾値、PAM4 Graycodingの設定、PAM4 Precodingの設定、CPパターン長、パターン先頭の設定を行う。
【0039】
なお、上述したFlitエラーを判別するための閾値は、1Flit内の1つのECC Groupで発生したFECシンボルエラー数の閾値:n、連続して発生したFECシンボルエラー数の閾値:m、連続して発生したFlitエラー数の閾値:kからなる。
【0040】
記憶部5は、信号受信部3aが被測定物Wから受信したPAM4信号(MSBデータとLSBデータを含む)を保存する。また、記憶部5には、操作部4にて設定された各種設定情報、後述するリファレンスパターン生成手段7aにて生成されるリファレンスパターン、マスクパターン生成手段7bにて生成されるマスクパターンの情報、エラーカウント手段7cによるカウント結果なども記憶される。
【0041】
表示部6は、
図1の誤り率測定装置1の本体に備える例えば液晶表示器などで構成され、後述する表示制御手段7dの制御により、被測定物WのFEC動作が可能か否かの測定を含む各種コンプライアンステスト(被測定物Wが通信規格に適合するか否かの試験)の設定画面、後述するエラーカウント手段7cのカウント結果に基づく各種エラー結果一覧、後述するキャプチャ画面21などを表示する。なお、表示部6は、表示画面上のソフトキーなどの操作部4の操作機能を兼ね備えている。
【0042】
制御部7は、例えば中央処理装置(CPU)、ROM、RAMなどを含み、被測定物WのFEC動作が可能か否かの測定を含む各種コンプライアンステストを行う際に、パターン発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6を統括制御するもので、リファレンスパターン生成手段7a、マスクパターン生成手段7b、エラーカウント手段7c、表示制御手段7dを備える。
【0043】
リファレンスパターン生成手段7aは、記憶部5に保存した被測定物WからのPAM4信号のデータを元にリファレンスパターンを生成する。
【0044】
さらに説明すると、被測定物Wに送信するPAM4信号の元になるパターンがPRBSの場合には、操作部4にて設定されるPRBS段数で、記憶部5に記憶されたPAM4信号のMSBデータを種として、MSBのリファレンスパターンとなるPRBSを生成する。また、LSBのリファレンスパターンを生成するための種を生成する。さらに、操作部4にて設定されるPRBS段数で、MSBのリファレンスパターンを種として、LSBのリファレンスパターンとなるPRBSを生成する。
【0045】
被測定物Wに送信するPAM4信号の元になるパターンがFlitの場合には、操作部4にて設定されたFlitのパターン先頭と同じパターンを記憶部5に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、操作部4にて設定されたリファレンスとなるFlitを生成し、生成したFlitをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力する。
【0046】
被測定物Wに送信するPAM4信号の元になるパターンがMCPの場合には、操作部4にて設定されたMCPのパターン先頭と同じパターンを記憶部5に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、操作部4にて設定されたリファレンスとなるMCPを生成し、生成したMCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力する。
【0047】
被測定物Wに送信するPAM4信号の元になるパターンがCPの場合には、操作部4にて設定されたCPのパターン先頭と同じパターンを記憶部5に記憶されたPAM4信号から検索したときに発生するパターン先頭信号をトリガに、操作部4にて設定されたリファレンスとなるCPを生成し、生成したCPをMSBのリファレンスパターンとLSBのリファレンスパターンに分割して出力する。
【0048】
マスクパターン生成手段7bは、操作部4にて設定されるマスクパターン長とマスクパターン周期に基づくマスクパターンを生成する。
【0049】
エラーカウント手段7cは、エラー検出部3bのエラー検出結果に基づき、ビットエラー、PAM4シンボルエラー、FECシンボルエラー、1Flit内のFECシンボルエラー、ECC GroupごとのFECシンボルエラーのそれぞれのカウントを行う。
【0050】
表示制御手段7dは、各種コンプライアンステストに関する設定画面、後述するエラーカウント手段7cのカウント結果に基づく各種エラー結果を含む測定画面、記憶部5に保存された被測定物WからのPAM4信号のデータ(MSBデータとLSBデータを含む)によるキャプチャ画面21などを表示部6の表示画面上に表示制御する。
【0051】
ここで、表示制御手段7dによって表示制御されるキャプチャ画面21について説明する。
図4は記憶部5に保存された被測定物WからPAM4信号のデータをMSBデータとLSBデータに分割してPCIe Gen6規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り、PCIe Gen6規格で定義されるECC Groupごとに識別表示するキャプチャ画面の一例を示している。
【0052】
図4のキャプチャ21の右側上部の領域には、「Block」、「Block Length」、「Trigger Position」が表示される。「Block」には、キャプチャ画面21に表示するMSBデータとLSBデータが何番目のブロックかを数値入力するための入力ボックス22が表示される。「Block Length」の表示ボックス23には、1ブロック分のデータのサイズ(長さ)が表示される。「Trigger Position」の表示ボックス24には、トリガの位置が表示される。なお、「Block」の入力ボックス22には、記憶部5の記憶容量に応じて決まるブロックの分割数まで設定入力可能である。
【0053】
キャプチャ画面21の「Trigger Position」の下の領域には、デバッグ用途として用いられる「Viewer Mode」(閲覧モード)が表示される。「Viewer Mode」の「Notation」には、キャプチャ画面21上に表示するデータの表記(「Bin(MSB/LSB)、「Bin」(NRZモードのみ)、「Hex」(NRZモードのみ)、「Symbol」(PAM4モードのみ))をプルダウンメニューから選択設定する入力ボックス25が表示される。「Viewer Mode」の「Format」には、キャプチャ画面21上のデータの表示形式(「Pattern」(シンボル値表示のパターンデータのみ)、「Pattern+ECC Group」(シンボル値表示のパターンデータとECC Group)、「Pattern+Waveform」(シンボル値表示のパターンデータ上に例えば青線による波形イメージ表示を行う))をプルダウンメニューから選択設定する入力ボックス26が表示される。
【0054】
キャプチャ画面21の「Viewer Mode」の下の領域には、「Error-Raw Signal」が表示される。「Error-Raw Signal」には、エラーがあったビットを遷移状態に応じて色分け表示するためのチェックボックス27,28が表示される。具体的に、「INS」のチェックボックス27aにチェックを入れると、Insertion Error(0→1)がある場合に赤色で表示、「OMI」のチェックボックス27bにチェックを入れると、Omission Error(1→0)がある場合に黄色で表示する。
【0055】
キャプチャ画面21の「Error-Raw Signal」の下の領域には、「Move and Search」が表示される。「Move and Search」の「Pattern」の入力ボックス28には、検索対象の特定パターンが入力され、「Target」の入力ボックス29には、検索対象のパターン(MSB、LSB、Allの何れか)がプルダウンメニューから選択設定され、虫眼鏡ボタン30により前後の検索を行う。
【0056】
キャプチャ画面21の「Move and Search」の下の領域には、不図示のカーソルを所望のFlitの先頭ビットに移動させるための「Flit area Head Position Jump」が表示される。「Flit area Head Position Jump」には、キャプチャ画面21上のカーソルを最初のFlitの先頭ビットに移動するためのソフトキー31、キャプチャ画面21上のカーソルを起点として1つ前のFlitの先頭ビットにカーソルを移動するためのソフトキー32、キャプチャ画面21上のカーソルを起点として1つ後のFlitの先頭ビットにカーソルを移動するためのソフトキー33、キャプチャ画面21上のカーソルを最後のFlitの先頭ビットに移動するためのソフトキー34が表示される。
【0057】
キャプチャ画面21の「Flit area Head Position Jump」の下の領域には、「Error Search」が表示される。「Error Search」には、エラー検索条件として検索モード、検索対象のデータ、エラー数を設定するための「Search Mode」、「Continuous Error」、「Target」が表示される。「Search Mode」には、検索モード(FEC Symbol、1b/1b Encoding、bitの何れか)をプルダウンメニューから選択設定するための入力ボックス35が表示される。「Continuous Error」には、等号(=)、符号付き不等号(≧)、数字を用いてエラー数を設定するための入力ボックス36,37が表示される。「Target」には、検索対象のデータ(MSB、LSB、Allの何れか)をプルダウンメニューから選択設定するための入力ボックス38が表示される。
【0058】
「Target」の下の領域には、キャプチャ画面21上のカーソルを最初のエラーのビットの位置に移動するためのソフトキー39、キャプチャ画面21上のカーソルを起点として1つ前のエラーのビットの位置にカーソルを移動するためのソフトキー40、キャプチャ画面21上のカーソルを起点として1つ後のエラーのビットの位置にカーソルを移動するためのソフトキー41、キャプチャ画面21上のカーソルを最後のエラーのビットの位置に移動するためのソフトキー42が表示される。
【0059】
キャプチャ画面21の左側のデータ表示領域43には、表示上の縦軸をアドレス、横軸をビットとして、記憶部5に保存された被測定物WからのPAM4信号のデータの1ブロック分の各シンボルごとのMSBデータとLSBデータが上下対に並んで複数段にわたって表示される。そして、上下対に表示される複数段のMSBデータとLSBデータは、PCIe Gen6規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線44によって区切られ、PCIe Gen6規格で定義されるECC Groupごとに色分け(ECC Group0:青(実線)、ECC Group1:オレンジ(点線)、ECC Group2:緑(一点鎖線))により識別表示される。
【0060】
なお、データ表示領域43に表示しきれないMSBデータとLSBデータは、右側のスクロールバー(上下キーを含む)45を用いることによりデータ表示領域43に表示させて確認することができる。
【0061】
キャプチャ画面21におけるデータ表示領域43の下部には、最初のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域43に表示するように指示するソフトキー46、1つ前のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域43に表示するように指示するソフトキー47、1つ後のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域43に表示するように指示するソフトキー48、最後のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域43に表示するように指示するソフトキー49が表示される。
【0062】
キャプチャ画面21の下部の領域には、エラーカウント手段7cによるエラーカウントの結果として、「First Error Block/Address」、「Last Error Block/Address」、「Total Error Counts Bit Error/Total Bits」、「ECC Group Error Counts」、「Capture Depth」が表示される。「First Error Block/Address」の表示ボックス50には、最初にエラーが起こった箇所のブロックとアドレスが表示される。「Last Error Block/Address」の表示ボックス51には、最後にエラーが起こった箇所のブロックとアドレスが表示される。「Total Error Counts Bit Error/Total Bits」の表示ボックス52には、全体でカウントしたBit Totalエラー数と全Bit数が表示される。「ECC Group Counts」の表示ボックス53には、ECC Groupごとのエラー数が表示される。「Capture Depth」の表示ボックス54には、キャプチャ取得ビット数が表示される。
【0063】
図5は記憶部5に保存された被測定物WからのPAM4信号のデータをPCIe Gen6規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り、PCIe Gen6規格で定義されるECC Groupごとに識別表示するキャプチャ画面の一例を示している。なお、
図5のキャプチャ画面21において、
図4と同一の構成要素には同一番号を付し、その説明を省略している。
【0064】
図5のキャプチャ画面21では、
図4のキャプチャ画面21のように、記憶部5に保存された被測定物WからのPAM4信号のデータをMSBデータとLSBデータに分割せず、PAM4信号のデータをそのまま複数段にわたって表示している。そして、複数段のPAM4信号のデータは、PCIe Gen6規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線
44によって区切られ、PCIe Gen6規格で定義されるECC Groupごとに色分け(ECC Group0:青(実線)、ECC Group1:オレンジ(点線)、ECC Group2:緑(一点鎖線))により識別表示される。
【0065】
次に、上記のように構成される誤り率測定装置1のエラーカウントの処理動作について
図7のフローチャートを参照しながら説明する。なお、このエラーカウントの処理動作においては、リンクトレーニングにより被測定物Wが信号折り返しのステートに遷移しているものとする。また、操作部4にて被測定物Wに送信するPAM4信号を発生するための条件設定、Flitエラーを判別するための閾値、エラーカウント動作に必要な各種設定が行われているものとする。
【0066】
まず、PRBS、Flit、MCP、CPの何れかのビット列データに基づくPAM4信号をパターン発生器2から発生して被測定物Wに送信する(ST1)。
【0067】
そして、パターン発生器2から被測定物WへのPAM4信号の送信に伴って被測定物Wから折り返されるPAM4信号を誤り検出器3の信号受信部3aにより受信し、PAM4信号のデータを記憶部5に保存する(ST2)。このPAM4信号のデータは、必要に応じてデータ分割手段3aaによりMSBビット列とLSBビット列に分割される。
【0068】
次に、記憶部5に保存した被測定物WからのPAM4信号のデータを元にリファレンスパターン生成手段7aによりリファレンスパターンを生成する(ST3)。
【0069】
また、操作部4にて設定されるマスク長、マスクパターン周期に基づくマスクパターンをマスクパターン生成手段7bにより生成する(ST4)。
【0070】
そして、エラー検出部3bにおいて、記憶部5に保存した被測定物WからのPAM4信号の先頭(Flit内データの先頭)を検出し、被測定物WからのPAM4信号のSKP,EIEOSに相当する部分(FEC Symbolとして定義されないFlit外領域)をマスクパターンでマスクし、マスクしたPAM4信号とリファレンスパターンとを比較して各種エラー(ビットエラー、PAM4シンボルエラー、FECシンボルエラー、1Flit内のFECシンボルエラー、ECC GroupごとのFECシンボルエラー)を検出する(ST5)。
【0071】
なお、PAM4信号の先頭の検出するにあたっては、パターン発生器2が発生するPAM4信号がPRBSのビット列データに基づく場合、操作部4の設定(PRBS段数)に基づくPRBSパターン1周期の先頭を検出する。また、パターン発生器2が発生するPAM4信号がFlitのビット列データに基づく場合、操作部4の設定(レーン数に応じたFlit長、EIEOSの挿入周期、SKPインターバル)に基づくFlitパターンの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して検出する。さらに、パターン発生器2が発生するPAM4信号がMCPのビット列データに基づく場合、操作部4の設定(SRISかNot SRISの選択、仮想Flitの長さと数)に基づくMCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して検出する。また、パターン発生器2が発生するPAM4信号がCPのビット列データに基づく場合、操作部4の設定(仮想Flitの長さと数)に基づくCPの先頭と同じパターンを入力データの中から検索して検出する。
【0072】
続いて、エラー検出部3bのエラー検出結果に基づき、ビットエラーのカウント、PAM4シンボルエラーのカウント、FECシンボルエラーのカウント、1Flit内のFECシンボルエラーのカウント、ECC GroupごとのFECシンボルエラーのカウントをエラーカウント手段7cにより行う(ST6)。
【0073】
そして、エラーカウント手段7cのカウント結果に基づく各種エラー(ビットエラー、PAM4シンボルエラー、FECシンボルエラー、1Flit内のFECシンボルエラー、ECC GroupごとのFECシンボルエラー)の結果一覧を含むキャプチャ画面21の表示(
図4または
図5の表示形式)を行う(ST7)。
【0074】
具体的に、
図4のキャプチャ画面21では、記憶部5に保存された被測定物WからのPAM4信号のデータをMSBデータとLSBデータに分割し、上下対にして複数段にわたって表示する。さらに、上下対に表示される複数段のMSBデータとLSBデータは、PCIe Gen6規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線
44によって区切られ、PCIe Gen6規格で定義されるECC Groupごとに色分け(ECC Group0:青(実線)、ECC Group1:オレンジ(点線)、ECC Group2:緑(一点鎖線))により識別表示される。また、ECC Groupごとのエラー結果(
図4の「ECC Group Error Counts」のECC Group0、ECC Group1、ECC Group2)が表示される。
【0075】
また、
図5のキャプチャ画面21では、記憶部5に保存された被測定物WからのPAM4信号のデータをそのまま複数段にわたって表示する。さらに、複数段のPAM4信号のデータは、PCIe Gen6規格で定義される1Flit内でFECシンボルごとに区切り線
44によって区切られ、PCIe Gen6規格で定義されるECC Groupごとに色分け(ECC Group0:青(実線)、ECC Group1:オレンジ(点線)、ECC Group2:緑(一点鎖線))により識別表示される。また、ECC Groupごとのエラー結果(
図4の「ECC Group Error Counts」のECC Group0、ECC Group1、ECC Group2)が表示される。
【0076】
そして、上述した
図4のMSB/LSB分割表示のキャプチャ画面21または
図5のPAM4 Symbol表示のキャプチャ画面21でエラーサーチを行う場合には、PCIe Gen6で定義された1FlitごとのFEC Symbolと、FEC Symbolとして定義されない領域(FECでガード対象とならない領域)とを区別してエラーサーチ手段7eがエラーサーチを行う。
【0077】
さらに説明すると、
図4のMSB/LSB分割表示のキャプチャ画面21または
図5のPAM4 Symbol表示のキャプチャ画面21において、PCIe Gen6で定義された1FlitごとのFEC Symbolのエラーサーチを行う場合は、
図6(a)に示すように、エラー検索条件の一つである検索モード:「Error Search」の入力ボックス35のプルダウンメニューから「FEC Symbol」を選択設定する。また、その他のエラー検索条件として検索対象のデータ、エラー数を設定するための「Continuous Error」、「Target」を入力ボックス36,37のプルダウンメニューから選択設定し、ソフトキー39,40,41,42を操作してエラーサーチを行う。
【0078】
図4のMSB/LSB分割表示のキャプチャ画面21または
図5のPAM4 Symbol表示のキャプチャ画面21において、FEC Symbolとして定義されない領域(FECでガード対象とならない領域)のエラーサーチを行う場合は、
図6(b)に示すように、エラー検索条件の一つである検索モード:「Error Search」の入力ボックス35のプルダウンメニューから「1b/1b Encoding」を選択設定する。また、その他のエラー検索条件として検索対象のデータ、エラー数を設定するための「Continuous Error」、「Target」を入力ボックス36,37のプルダウンメニューから選択設定し、ソフトキー39,40,41,42を操作してエラーサーチを行う。
【0079】
ところで、上述した実施の形態では、リンクトレーニングにより被測定物Wを信号パターン折り返しのステートに遷移させた状態で、パターン発生器2が発生したテスト信号(PAM4信号)を被測定物Wに送信する構成として説明したが、リンクトレーニングを行わず被測定物W自身が信号折り返しのステートに遷移する機能を有する構成であってもよい。また、パターン発生器2を省くこともできる。この場合、被測定物W自身がテスト信号(PAM4信号)を発生する。そして、この被測定物Wが発生するテスト信号(PAM4信号)をリファレンスパターンとして誤り検出器3の記憶部5に記憶しておき、誤り検出器3が被測定物Wから受信したテスト信号(PAM4信号)とリファレンスパターンとを比較して上述したエラーカウントの処理動作を実行する。
【0080】
このように、本実施の形態によれば、PCI Express6規格で定義されるFlit内の1FlitごとのFECシンボルエラーと、SKPやEIEOSのようにFlitとして定義されない領域(FECでガード対象とならない領域)のシンボルエラーとを区別してエラーサーチを行うことができる。
【0081】
また、被測定物Wから取得したPAM4信号のシンボルデータにエラーがあった場合、PCIe Gen6規格で定義されるFlit内でのFECシンボルエラーの探索を行うことができる。しかも、PCIe Gen6規格で定義されないFlit外データにエラーが分布しているのかも把握することができる。
【0082】
さらに、ユーザが設定したデータ長ごとに連続でエラーが挿入された場合、
図6(a)や
図6(b)の「Error Search」で設定したシンボル(FECシンボル或いは1b/1b Encodingシンボル)数以上の条件で連続したエラーを検索することができ、連続シンボル(FECシンボル或いは1b/1b Encodingシンボル)のエラー発生箇所を目視で探索する必要がなく、自動検索により視覚的に容易に把握することが可能となる。
【0083】
これにより、PCIe Gen6規格でのFECシンボルエラー及びバーストエラーが発生している箇所の特定が容易になり、被測定物のデバッグを効率的に行うことが可能となる。
【0084】
しかも、Uncorrectableの場合、FECシンボルエラーがどのように分布しているのかをエラーカウント値を比較しながらデータ解析が行えるようになり、MSBデータとLSBデータのどちらにエラーがあるのか、ECC Groupごとに偏りはあるのかなど視覚的に判別することが可能となる。
【0085】
なお、Flitは3ウェイ インターリーブECCであり、各ECCコードは1つのバイトエラーを訂正できる。そのため、任意のレーンで最大16ビットのバーストエラーが、インターリーブされた各ECCコードワードの1バイトを超えて影響を与えることはない。
【0086】
以上、本発明に係る誤り率測定装置及び誤り率測定方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0087】
1 誤り率測定装置
2 パターン発生器
3 誤り検出器
3a 信号受信部
3aa データ分割手段
3b エラー検出部
4 操作部
5 記憶部
6 表示部
7 制御部
7a リファレンスパターン生成手段
7b マスクパターン生成手段
7c エラーカウント手段
7d 表示制御手段
7e エラーサーチ手段
21 キャプチャ画面
22,25,26,28,29,35,36,37,38 入力ボックス
23,24,50,51,52,53,54 表示ボックス
27a,27b,27c チェックボックス
30 虫眼鏡ボタン
31,32,33,34,39,40,41,42,46,47,48,49 ソフトキー
43 データ表示領域
44 区切り線
45 スクロールバー
W 被測定物