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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20241030BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241030BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241030BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/44
A61K8/34
A61Q19/00
A61K8/39
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023060907
(22)【出願日】2023-04-04
(62)【分割の表示】P 2019058798の分割
【原出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2023076604
(43)【公開日】2023-06-01
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 友和
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-210694(JP,A)
【文献】特開2016-210693(JP,A)
【文献】特開2000-169427(JP,A)
【文献】特開2010-235499(JP,A)
【文献】特開2017-214317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)を含有し、成分(C)に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(C)〕が、0.1以上15以下であり、成分(A)及び(E)の合計に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/((A)+(E))〕が、1以上5.5以下である、化粧料。
(A)エチレンオキシドの平均付加モル数が30~80のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B)ベタイン型低分子化合物、多価アルコール、及び水溶性で且つ25℃で液状のポリアルキレンオキシド誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物
(C)25℃で固体状のポリアルキレングリコール
(D)水
(E)HLB10~16であり、炭素数10~18のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル
(F)低級アルコール
【請求項2】
成分(A)の含有量が、化粧料中、0.3質量%以上1質量%以下である、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
成分(B)の含有量が、化粧料中、0.1質量%以上15質量%以下である、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
成分(C)のポリアルキレングリコールの数平均分子量が1000~10000である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の化粧料(ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルと水溶性ポリマーとの組み合わせを含有する場合を除く)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の化粧料(主鎖であるオルガノポリシロキサンセグメントの側鎖に、N,N-ジメチルアクリルアミド由来が50質量%以上である不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含有する場合を除く)。
【請求項7】
成分(A)及び(E)の合計に対する成分(A)の含有質量比〔(A)/((A)+(E))〕が0.5以上1未満である、請求項1~のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
成分(B)が、下記式(1)で表されるベタイン型低分子化合物、モノエタノール-C5-カルボキシベタイン、グリコール類、グリセリン類、ポリアルキレンオキシドの多価アルコールエーテル化合物、及びポリアルキレンオキシドの低級アルキルエーテル化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、請求項1~のいずれか1項に記載の化粧料。
【化1】
〔式(1)中、R1~R3は、それぞれ独立して、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のヒドロキシアルキル基を示し、R4は、アミノ酸側鎖を示す。〕
【請求項9】
成分(B)として、ベタイン型低分子化合物及び水溶性で且つ25℃で液状のポリアルキレンオキシド誘導体の組み合わせを少なくとも含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項10】
液状又は霧状である、請求項1~のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項11】
皮膚用である、請求項1~10のいずれか1項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚や毛髪に潤い感等を付与する目的で、化粧水や乳液、ミスト等の形態の化粧料が使用されている。このような化粧料として、例えば、トリメチルグリシン、水溶性で且つ25℃において液状のアルキレンオキシド誘導体、及び多価アルコールを配合した保湿化粧料が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-14540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された保湿化粧料は、塗布した後に潤い感は得られるものの、肌なじみ、塗布後のべたつきのなさの点で改善の余地があった。また、塗布時にきしみ感が強く感じられるものであった。
本発明は、塗布時のきしみ感が少なく塗布部に良くなじみ、塗布後のべたつきが少なく且つ潤い感に優れる化粧料を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、エチレンオキシドの平均付加モル数が30~80のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び水に加えて、ベタイン型低分子化合物、多価アルコール、及び水溶性で且つ25℃で液状のポリアルキレンオキシド誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、25℃で固体状のポリアルキレングリコールとを、特定の質量比で組み合わせることによって、塗布時のきしみ感が少なく塗布部に良くなじみ、塗布後のべたつきが少なく且つ潤い感に優れる化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の<1>~<6>を提供するものである。
<1> 下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、成分(C)に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(C)〕が、0.1以上15以下である、化粧料。
(A)エチレンオキシドの平均付加モル数が30~80のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B)ベタイン型低分子化合物、多価アルコール、及び水溶性で且つ25℃で液状のポリアルキレンオキシド誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物
(C)25℃で固体状のポリアルキレングリコール
(D)水
【0007】
<2> 成分(B)の含有量が、化粧料中、0.1質量%以上15質量%以下である、<1>に記載の化粧料。
<3> 成分(C)のポリアルキレングリコールの数平均分子量が1000~10000である、<1>又は<2>に記載の化粧料。
<4> 更に、(E)HLB10~16であり、炭素数10~18のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する、<1>~<3>のいずれかに記載の化粧料。
<5> 成分(A)及び(E)の合計に対する成分(A)の含有質量比〔(A)/((A)+(E))〕が0.5以上1未満である、<4>に記載の化粧料。
<6> 更に、(F)低級アルコールを含有する、<1>~<5>のいずれかに記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧料は、塗布時のきしみ感が少なく塗布部に良くなじみ、塗布後のべたつきが少なく且つ潤い感に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<成分(A)>
本発明の化粧料は、エチレンオキシドの平均付加モル数が30~80のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する。
成分(A)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、25℃で固体状のものが好ましく、25℃でワセリン様又はろう状のものがより好ましい。なお、本明細書において、「25℃で固体状」とは、1気圧下25℃の環境下において、流動性を有してない状態、すなわち、融点未満の温度条件の下にある状態(融点を有さない非晶性物質においては溶融点未満の温度条件の下にある状態)をいい、「25℃で液状」とは、1気圧下25℃の環境下において、流動性を有している状態、すなわち、融点以上の温度条件の下にある状態(融点を有さない非晶性物質においては溶融点以上の温度条件の下にある状態)をいう。
【0010】
成分(A)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキシド平均付加モル数は、30以上80以下であるが、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、好ましくは35以上、より好ましくは40以上、更に好ましくは42以上、特に好ましくは45以上である。また、塗布時の肌等へのなじみ等の観点から、好ましくは75以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは68以下、特に好ましくは65以下である。具体的な範囲としては、35以上75以下が好ましく、40以上70以下がより好ましく、42以上68以下が更に好ましく、45以上65以下が特に好ましい。
【0011】
成分(A)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のHLBは、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、更に好ましくは12以上、特に好ましくは12.5以上である。また、塗布時の肌等へのなじみ等の観点から、好ましくは16以下、より好ましくは15.5以下、更に好ましくは15以下、特に好ましくは14.5以下である。具体的な範囲としては、10以上16以下が好ましく、11以上15.5以下がより好ましく、12以上15以下が更に好ましく、12.5以上14.5以下が特に好ましい。
【0012】
ここで、本明細書において、HLBは、親水性-親油性のバランス(Hydrophile-Lipophile Balance)を示す指標であり、小田・寺村らによる次式により定義される。
【0013】
HLB = (Σ無機性値 / Σ有機性値) × 10
【0014】
成分(A)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、具体的には、ポリオキシエチレン(30E.O.)硬化ヒマシ油(HLB:11.0)、ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油(HLB:12.5)、ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油(HLB:13.5)、ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油(HLB:14.0)、ポリオキシエチレン(80E.O.)硬化ヒマシ油(HLB:15.0)等が挙げられる。
なお、成分(A)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0015】
成分(A)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、硬化ヒマシ油にエチレンオキシドを付加することによって得られる。市販品としては、NIKKOL HCO-30、NIKKOL HCO-40、NIKKOL HCO-50、NIKKOL HCO-60、NIKKOL HCO-70、NIKKOL HCO-80(以上、日光ケミカルズ社製)、エマノーンCH-40、エマノーンCH-60(K)(以上、花王社製)等が挙げられる。
【0016】
成分(A)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量は、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上である。また、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.8質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上1質量%以下が更に好ましく、0.3質量%以上0.8質量%以下が特に好ましい。
【0017】
<成分(B)>
本発明の化粧料は、ベタイン型低分子化合物(以下、成分(B-1)とも称する)、多価アルコール(以下、成分(B-2)とも称する)、及び水溶性で且つ25℃で液状のポリアルキレンオキシド誘導体(以下、成分(B-3)とも称する)から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する。成分(B)は1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよいが、成分(B-1)~(B-3)を組み合わせて用いる場合、成分(B-1)~(B-3)のうち、成分(B-1)及び(B-3)を少なくとも用いて組み合わせるのが、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から好ましい。
【0018】
(成分(B-1))
ベタイン型低分子化合物としては、下記式(1)で表されるものの他、モノエタノール-C5-カルボキシベタイン等が挙げられる。これらの中では、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、式(1)で表されるベタイン型低分子化合物が好ましい。
【0019】
【化1】
【0020】
〔式(1)中、R1~R3は、それぞれ独立して、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のヒドロキシアルキル基を示し、R4は、アミノ酸側鎖を示す。〕
【0021】
1~R3で示されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~3である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
また、R1~R3で示されるヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは1~3である。ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基が挙げられる。なお、ヒドロキシアルキル基におけるヒドロキシ基の置換位置は任意である。
このようなR1~R3の中では、塗布後の潤い感等の観点から、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0022】
4で示されるアミノ酸側鎖としては、例えば、グリシン側鎖(水素原子)、アラニン側鎖(メチル基)、セリン側鎖(ヒドロキシメチル基)等が挙げられるが、塗布後の潤い感等の観点から、グリシン側鎖(水素原子)、セリン側鎖(ヒドロキシメチル基)が好ましく、グリシン側鎖(水素原子)が特に好ましい。
【0023】
ベタイン型低分子化合物の好適な具体例としては、トリメチルグリシン、3-ヒドロキシ-2-(トリメチルアミニオ)プロパン酸イオン、ジメチル(2-ヒドロキシエチル)アミニオアセタート等が挙げられ、これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、塗布後の潤い感等の観点から、トリメチルグリシンが特に好ましい。
ベタイン型低分子化合物は、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。市販品としては、アミノコート(旭化成ファインケム社製)等が挙げられる。
【0024】
(成分(B-2))
多価アルコールは、2価以上のアルコールであるが、成分(B-2)の多価アルコールは、成分(A)、(B-3)、(C)及び(E)は除く概念である。成分(B-2)の多価アルコールとしては、25℃で液状のものが好ましい。
成分(B-2)の多価アルコールとしては、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、2~8価のアルコールが好ましく、2~6価のアルコールがより好ましく、2~4価のアルコールが特に好ましい。
【0025】
成分(B-2)の多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、イソプレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、25℃で液状のポリエチレングリコール(例えば、化粧品原料基準に収載されるPEG200、PEG300、PEG400、PEG600等)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、25℃で液状のポリプロピレングリコール、25℃で液状のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(例えば、ポリオキシエチレン(12E.O.)ポリオキシプロピレン(35P.O.)グリコール等)等の25℃で液状のポリアルキレングリコールが挙げられる。なお、25℃で液状のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのエチレンオキシド平均付加モル数は、好ましくは5~10であり、25℃で液状のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのプロピレンオキシド平均付加モル数は、好ましくは30~35である。
25℃で液状のポリアルキレングリコールの数平均分子量としては、200~800が好ましく、300~600がより好ましい。
なお、ポリアルキレングリコールの数平均分子量は、ポリスチレン換算による数平均分子量であり、例えば、以下のようにして測定することができる。
【0026】
(測定装置・条件)
ポリスチレン:東ソー社製、TSK標準ポリスチレン
装置:HLC-8220GPC(東ソー社製、一体型GPC装置)
検出器:RI(示差屈折計)
カラム:TSK-gel G5000HxL(7.8×300mm)×1、G4000HxL(7.8×300mm)×1、G3000HxL(7.8×300mm)×1、G2000HxL(7.8×300mm)×1
移動相:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0mL/min
設定温度:40℃
注入量:100μL(試料濃度:0.4%)
【0027】
また、グリセリン類としては、例えば、グリセリン(濃グリセリンを含む)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。ポリグリセリンとしては、4~14量体程度のものが好ましい。
これら多価アルコールの中では、塗布後の潤い感等の観点から、グリセリン類が好ましい。
【0028】
なお、成分(B-2)の多価アルコールは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
成分(B-2)の多価アルコールは、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。25℃で液状のポリアルキレングリコールの市販品としては、PEG-400(三洋化成工業社製)、プロノン#202B(日油社製)等が挙げられる。グリセリン類の市販品としては、ジグリセリン801(サカモトオリエントケミカルズコーポレーション社製)等が挙げられる。
【0030】
(成分(B-3))
成分(B-3)は、水溶性で且つ25℃で液状のポリアルキレンオキシド誘導体である。なお、成分(B-3)は、成分(E)を除く概念である。
成分(B-3)において「水溶性」のポリアルキレンオキシド誘導体としては、ポリアルキレンオキシド誘導体の濃度が0.5質量%となるように水(25℃)に添加混合した場合に目視で透明となるものが好ましい。また、ポリアルキレンオキシド誘導体のアルキレンオキシド平均付加モル数は、好ましくは合計で5~500、より好ましくは合計で5~250、更に好ましくは合計で5~100、特に好ましくは合計で5~50である。ポリアルキレンオキシド誘導体が有するポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖及びポリオキシブチレン鎖から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレン鎖及びポリオキシプロピレン鎖から選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
成分(B-3)のポリアルキレンオキシド誘導体としては、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、ポリアルキレンオキシドの多価アルコールエーテル化合物(ポリアルキレンオキシドポリオールエーテル)、ポリアルキレンオキシドの低級アルキルエーテル化合物(ポリアルキレンオキシド低級アルキルエーテル)が好ましい。なお、ポリアルキレンオキシド低級アルキルエーテルの平均分子量は、好ましくは900~7500である。
このようなポリアルキレンオキシド誘導体の中では、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、ポリアルキレンオキシドポリオールエーテルが好ましい。
【0031】
ポリアルキレンオキシドポリオールエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(20E.O.)メチルグルコシド、ポリオキシプロピレン(10P.O.)メチルグルコシド等のポリアルキレンオキシドのグルコースエーテル化合物又はメチルグルコースエーテル化合物;ポリオキシエチレン(12E.O.)グリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(9P.O.)グリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(24E.O.)ポリオキシプロピレン(24P.O.)グリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(8E.O.)ポリオキシプロピレン(5P.O.)ポリオキシブチレン(3B.O.)グリセリルエーテル等のポリアルキレンオキシドのグリセリルエーテル化合物;ポリオキシプロピレン(9P.O.)ジグリセリルエーテル等のポリアルキレンオキシドのジグリセリルエーテル化合物;ポリオキシエチレン(300E.O.)ポリオキシプロピレン(75P.O.)ヘキシレングリコール等のポリアルキレンオキシドのグリコールエーテル化合物;ポリオキシプロピレン(9P.O.)ソルビトールエーテル等のポリアルキレンオキシドのソルビトールエーテル化合物等が挙げられる。これらの中では、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、ポリアルキレンオキシドのグルコースエーテル化合物又はメチルグルコースエーテル化合物が好ましい。
【0032】
ポリアルキレンオキシド低級アルキルエーテルとしては、ポリアルキレンオキシドブチルエーテルが好ましく、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルがより好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルのエチレンオキシド平均付加モル数は、好ましくは5~75、より好ましくは10~55である。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルのプロピレンオキシド平均付加モル数は、好ましくは3~50、より好ましくは7~35である。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては、ポリオキシエチレン(10E.O.)ポリオキシプロピレン(7P.O.)ブチルエーテル、ポリオキシエチレン(17E.O.)ポリオキシプロピレン(17P.O.)ブチルエーテル、ポリオキシエチレン(45E.O.)ポリオキシプロピレン(33P.O.)ブチルエーテル等が挙げられる。
【0033】
なお、成分(B-3)のポリアルキレンオキシド誘導体は、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0034】
成分(B-3)のポリアルキレンオキシド誘導体は、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。
ポリアルキレンオキシドのメチルグルコースエーテル化合物の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシドであるマクビオブライドMG-10E,MG-20E、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドであるマクビオブライドMG-10P,MG-20P(以上、日油社製)等が挙げられる。
【0035】
ポリアルキレンオキシドのグリセリルエーテル化合物の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレングリセリルエーテルであるコニオンRG-120(新日本理化社製)、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルであるニューポール GP-600(三洋化成工業社製)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルであるユニルーブ 50TG-32(日油社製)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシブチレングリセリルエーテルであるウィルブライド S-753(日油社製)等が挙げられる。
ポリアルキレンオキシドのジグリセリルエーテル化合物の市販品としては、例えば、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであるSY-DP9,SY-DP14T(以上、阪本薬品工業社製)、ユニルーブ DGP-700,950(以上、日油社製)等が挙げられる。
【0036】
ポリアルキレンオキシドのグリコールエーテル化合物の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヘキシレングリコールであるニューポール 75 H-90000(三洋化成工業社製)等が挙げられる。
ポリアルキレンオキシドのソルビトールエーテル化合物の市販品としては、例えば、ポリオキシプロピレンソルビトールエーテルであるニューポール SP-750(三洋化成工業社製)等が挙げられる。
【0037】
ポリアルキレンオキシドブチルエーテルの市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルであるユニルーブ 50MB-26(日油社製)、ニューポール 50HB-260,50HB-5100(以上、三洋化成工業社製)等が挙げられる。
【0038】
成分(B)の含有量は、塗布後の潤い感等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。また、塗布時のきしみ感のなさ、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7.5質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上7.5質量%以下が更に好ましく、1質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
【0039】
成分(B-1)のベタイン型低分子化合物の含有量は、塗布後の潤い感等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。また、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上7.5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
【0040】
成分(B-2)の多価アルコールの含有量は、塗布後の潤い感等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。また、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、特に好ましくは1.5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上2.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下が特に好ましい。
【0041】
成分(B-3)のポリアルキレンオキシド誘導体の含有量は、塗布後の潤い感等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。また、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1.5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下が特に好ましい。
【0042】
<成分(C)>
本発明の化粧料は、25℃で固体状のポリアルキレングリコールを含有する。
25℃で固体状のポリアルキレングリコールの数平均分子量としては、塗布時のきしみ感のなさ、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ、塗布後の潤い感等の観点から、1000~10000が好ましく、1000~8000がより好ましく、1000~6000が特に好ましい。
25℃で固体状のポリアルキレングリコールとしては、25℃で固体状のポリエチレングリコール、25℃で固体状のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。これらの中では、25℃で固体状のポリエチレングリコールが好ましい。なお、25℃で固体状のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのエチレンオキシド平均付加モル数は、好ましくは20~200であり、25℃で固体状のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのプロピレンオキシド平均付加モル数は、好ましくは30~60である。
【0043】
成分(C)の25℃で固体状のポリアルキレングリコールは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0044】
成分(C)の25℃で固体状のポリアルキレングリコールは、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。成分(C)の25℃で固体状のポリアルキレングリコールの市販品としては、PEG-1540、PEG-2000、PEG-6000、ニューポールPE-68(以上、三洋化成工業社製)等が挙げられる。
【0045】
成分(C)の25℃で固体状のポリアルキレングリコールの含有量は、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.25質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。また、塗布後の潤い感、塗布時のきしみ感のなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは7.5質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4.5質量%以下、特に好ましくは3.5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.05質量%以上7.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.25質量%以上4.5質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以上3.5質量%以下が特に好ましい。
【0046】
成分(C)25℃で固体状のポリアルキレングリコールに対する成分(B)ベタイン型低分子化合物、多価アルコール、及び水溶性で且つ25℃で液状のポリアルキレンオキシド誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物の含有質量比〔(B)/(C)〕は、0.1以上15以下である。含有質量比〔(B)/(C)〕をこのような範囲にすることによって、塗布時のきしみ感が少なくなり塗布部に良くなじむだけでなく、塗布後のべたつきのなさと優れた潤い感が両立される。
成分(C)に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(C)〕は、塗布後の潤い感、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.5以上、特に好ましくは0.75以上である。また、塗布時のきしみ感のなさ、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは7.5以下、特に好ましくは5以下である。具体的な範囲としては、0.25以上10以下が好ましく、0.5以上7.5以下がより好ましく、0.75以上5以下が特に好ましい。
【0047】
また、成分(A)に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(A)〕は、塗布後の潤い感、塗布時の肌等へのなじみ等の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、特に好ましくは3以上である。また、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、特に好ましくは7.5以下である。具体的な範囲としては、1以上15以下が好ましく、2以上10以下がより好ましく、3以上7.5以下が特に好ましい。
【0048】
<成分(D)>
本発明の化粧料は、水を含有する。
水の含有量は、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは45質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、特に好ましくは75質量%以上である。また、塗布後の潤い感等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97.5質量%以下、特に好ましくは95質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、45質量%以上99質量%以下が好ましく、55質量%以上99質量%以下がより好ましく、65質量%以上97.5質量%以下が更に好ましく、75質量%以上95質量%以下が特に好ましい。
【0049】
<成分(E)>
本発明の化粧料としては、塗布時のきしみ感のなさ、塗布時のなじみ、塗布後のべたつきのなさ、塗布後の潤い感等の観点から、成分(A)~(D)に加えて、更に(E)HLB10~16であり、炭素数10~18のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有するものが好ましい。
成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、25℃で液状のものが好ましい。
【0050】
成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルのHLBは、塗布後のべたつきのなさ、塗布時の肌等へのなじみ等の観点から、10~14.5が好ましく、10~13がより好ましく、11~13が更に好ましく、12~13が特に好ましい。
また、成分(E)における「炭素数10~18のアルキル基を有する」とは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキルエーテル部分のアルキル基の炭素数を意味する。当該アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記炭素数としては、塗布後のべたつきのなさ、塗布時の肌等へのなじみ等の観点から、10~16が好ましく、12~14がより好ましい。アルキル基としては、具体的には、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基等が挙げられる。
【0051】
また、成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられるが、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0052】
成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキレンオキシド平均付加モル数(ポリオキシエチレンアルキルエーテルの場合はエチレンオキシド平均付加モル数)は、塗布時の肌等へのなじみ等の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、特に好ましくは5以上である。また、塗布後のべたつきなさ等の観点から、好ましくは25以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは9以下、更に好ましくは8以下、特に好ましくは7以下である。具体的な範囲としては、3以上15以下が好ましく、4以上9以下がより好ましく、5以上7以下が特に好ましい。
【0053】
成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(炭素数12、HLB10~13)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル(炭素数14、HLB10~13)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(炭素数16、HLB10~13)等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが特に好ましい。
なお、成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0054】
成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。市販品としては、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120(以上、花王社製)等が挙げられる。
【0055】
成分(E)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後の潤い感等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.075質量%以上である。また、塗布時のきしみ感のなさ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.01質量%以上1.5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.075質量%以上0.5質量%以下が特に好ましい。
【0056】
また、成分(A)及び(E)の合計に対する成分(A)の含有質量比〔(A)/((A)+(E))〕は、塗布時のきしみ感のなさ、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.25以上、特に好ましくは0.5以上である。また、塗布時のなじみ、塗布後の潤い感等の観点から、好ましくは1未満、より好ましくは0.99以下、更に好ましくは0.95以下、特に好ましくは0.9以下である。具体的な範囲としては、0.1以上1未満が好ましく、0.25以上0.99以下がより好ましく、0.5以上0.95以下が更に好ましく、0.5以上0.9以下が特に好ましい。
【0057】
また、成分(A)及び(E)の合計に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/((A)+(E))〕は、塗布時のきしみ感のなさ、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ、塗布後の潤い感等の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは1.5以上、特に好ましくは2以上である。また、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8.5以下、更に好ましくは7.5以下、特に好ましくは5.5以下である。具体的な範囲としては、0.1以上10以下が好ましく、1以上8.5以下がより好ましく、1.5以上7.5以下が更に好ましく、2以上5.5以下が特に好ましい。
【0058】
<成分(F)>
本発明の化粧料としては、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、成分(A)~(D)に加えて、更に(F)低級アルコールを含有するものが好ましい。なお、成分(E)と成分(F)を組み合わせて含有せしめてもよい。
【0059】
低級アルコールとしては、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の1価アルコールが好ましく、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の飽和1価アルコールがより好ましい。また、低級アルコールの炭素数は、好ましくは1~4、より好ましくは2~3である。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、これらのうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。これらの中でも、エタノール、イソプロパノールが好ましく、エタノールがより好ましい。
【0060】
成分(F)の低級アルコールの含有量は、塗布時の肌等へのなじみ、塗布後のべたつきのなさ等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2.5質量%以上である。また、塗布後の潤い感等の観点から、本発明の化粧料中、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。具体的な範囲としては、本発明の化粧料中、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上25質量%以下がより好ましく、2.5質量%以上20質量%以下が特に好ましい。
【0061】
本発明の化粧料は、上記各成分の他に、上記以外の界面活性剤、上記以外の保湿剤、油性成分、粉体、UV防御剤、制汗剤、冷感剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、香料、キレート剤、pH調整剤等を含んでいてもよい。なお、これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0062】
本発明の化粧料の形態としては、液状、霧状、乳液状、クリーム状、ジェル状等の非固体状が挙げられるが、塗布時のなじみ、塗布後のべたつきのなさ、塗布後の潤い感等の観点から、液状、霧状が好ましい。
本発明の化粧料は、ジャー容器、ポンプディスペンサー容器、ポンプミスト容器、トリガーミスト容器等に入れて、容器に詰めた化粧料の形態にして使用することができる。この中でも、ポンプミスト容器又はトリガーミスト容器に入れて使用することが好ましい。
【0063】
本発明の化粧料は、皮膚(好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等)、毛髪を塗布部位とすることができる(なお、洗い流さずに使用することが好ましい)。例えば、皮膚に手で塗布するか噴霧することにより、べたつくことなく潤い感を与えることができる。また、例えば、毛髪に手で塗布するか噴霧することにより、きしみ感が少なく良くなじみ、整髪料として寝ぐせ直し効果を得ることができる。
【0064】
本発明の化粧料は、常法に従って製造できる。例えば、成分(A)~(D)及び必要に応じて他の成分を混合することで製造することができる。なお、各成分を混合器に仕込む順序は任意であり、全成分を同時に仕込んでもよい。
【実施例
【0065】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、含有量は「質量%」を表す。
【0066】
表1に記した組成に従い、実施例1~7及び比較例1~4の化粧料を常法により調製し、下記評価方法により評価した。結果を表1に併せて示す。なお、実施例1は参考例である。
【0067】
(評価方法)
専門パネル10名により、洗顔後に化粧料1.0gを全顔に塗布した時の「肌なじみの良さ」及び「きしみ感のなさ」、並びに塗布後の「べたつきのなさ」及び「肌の潤う感じ」を、以下の基準で評価した。結果を10名の平均値で示した。
【0068】
(評価基準)
5点:非常に良い
4点:良い
3点:やや良い
2点:どちらともいえない
1点:悪い
0点:とても悪い
【0069】
【表1】
【0070】
*1:エマノーンCH-60(K)、花王社製(HLB:14.0)
*2:エマルゲン108、花王社製(HLB:12.1)
*3:アミノコート、旭化成ファインケム社製
*4:マクビオブライドMG-20E、日油社製
*5:ジグリセリン801、サカモトオリエントケミカルズコーポレーション社製
*6:PEG-400、三洋化成工業社製(数平均分子量:約400)
*7:PEG-1540、三洋化成工業社製(数平均分子量:約1540)
【0071】
以下の化粧料を皮膚に適用することにより、肌へのなじみが良好で、きしみ感やべたつくことなく潤い感を与えることができる。また、毛髪に適用することにより、毛髪へのなじみが良好で、きしみ感やべたつくことなく、寝ぐせ直し効果を得ることができる。
【0072】
(実施例8:保湿化粧水) (質量%)
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)*1 0.5
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(6E.O.)*2 0.3
・トリメチルグリシン*3 2.0
・ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20E.O.)*4 1.0
・ジグリセリン*5 1.0
・ポリエチレングリコール1540*7 1.0
・メントール 0.1
・乳酸メンチル 0.05
・エタノール 5.0
・クエン酸 0.05
・クエン酸3ナトリウム 0.06
・エデト酸2ナトリウム 0.01
・メチルパラベン 0.1
・フェノキシエタノール 0.1
・精製水 残 量
----------------------------------
(合計) 100.0