(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】硝子体切除プローブ
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
A61F9/007 130F
(21)【出願番号】P 2023125386
(22)【出願日】2023-08-01
(62)【分割の表示】P 2022093693の分割
【原出願日】2018-05-22
【審査請求日】2023-08-25
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ウィリアム マクドネル
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ダグラス マッコウリー
(72)【発明者】
【氏名】サロモン バレンシア
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アール.アンダーウッド
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー シー.ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ホセ ルイス ロペス
(72)【発明者】
【氏名】ジャック ロバート オールド
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04530356(US,A)
【文献】特表2009-525783(JP,A)
【文献】特許第5592375(JP,B2)
【文献】特表2014-527424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0158006(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0078359(US,A1)
【文献】米国特許第05019035(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/00-9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ポート側面開口部を備える外側切断管;
前記外側切断管内に位置決めされた内側切断管であって、切刃を有する開放遠位端部を有する内側切断管;
前記内側切断管に結合されたダイアフラムであって、前記ダイアフラムは駆動室内に位置し、及び前記ダイアフラムは、前記駆動室内における前記ダイアフラムの両側で空気の供給及びベントが交互に行われるときに、前記駆動室内で前後に動くように構成されている、ダイアフラム;
前記内側切断管を真空にするために、前記内側切断管に結合された吸引チューブ;
を含む、硝子体切除プローブであって、
前記内側切断管の前記開放遠位端部が、前記外側ポート側面開口部を横切って前後に動いて、前記外側ポート側面開口部に入っている組織を切断するように、前記ダイアフラムの動きが、前記内側切断管を前記外側切断管内で振動させ;かつ
前記内側切断管は、前記外側ポート側面開口部を横切って切断する前記内側切断管の部分に、内側管縦軸に対してほぼ垂直の上部フラットエッジを含
み、
前記外側ポート側面開口部は、およそ40~60度の範囲にある近位ポートエッジ角度、及びおよそ35~55度の範囲にある遠位ポートエッジ角度を有し、
前記吸引チューブは、手術コンソールに結合されるように構成された、第1の吸引チューブ硬さの第1の吸引チューブと、前記第1の吸引チューブ及び前記硝子体切除プローブに結合された第2の吸引チューブとを含み、前記第2の吸引チューブは、前記第1の吸引チューブ硬さを下回る第2の吸引チューブ硬さを有し、
前記第1の吸引チューブは、およそ0.060インチ(1.524mm)の内径、及び、およそ80ショアAの前記第1の吸引チューブ硬さを有し、かつ、前記第2の吸引チューブは、およそ0.060インチ(1.524mm)の内径、及び、およそ40ショアAの前記第2の吸引チューブ硬さを有する、硝子体切除プローブ。
【請求項2】
前記外側切断管はベベル付き閉鎖端部を有する、請求項1に記載の硝子体切除プローブ。
【請求項3】
前記ベベル付き閉鎖端部は、前記ベベル付き閉鎖端部から、前記外側ポート側面開口部に対向する前記外側切断管の延長された後面ラインまで測定されるときに、およそ20~80度の範囲にあるベベルの度合いを有する、
請求項2に記載の硝子体切除プローブ。
【請求項4】
前記第1の吸引チューブは、およそ65から95インチ
(1651mmから2413mm)の範囲の長さであり、及び前記第2の吸引チューブは、前記第1の吸引チューブよりも短く、遠位端部で前記硝子体切除プローブに結合されると共に、近位端部で前記第1の吸引チューブに結合されている、
請求項1に記載の硝子体切除プローブ。
【請求項5】
さらに、前記硝子体切除プローブを手術コンソールに結合する空気駆動ラインを含み、前記空気駆動ラインは、前記硝子体切除プローブに前記空気を送給するように構成された内部穴を有し、前記内部穴は、前記空気駆動ラインの長さに沿って不均一な横断面を有し、前記空気駆動ラインは第1のセグメント及び第2のセグメントを含み、前記第1のセグメントは、第1の直径を有する第1の通路を画成し、及び前記第2のセグメントは、第2の直径を有する第2の通路を画成し、前記第1の直径は前記第2の直径とは異なる、請求項1に記載の硝子体切除プローブ。
【請求項6】
前記外側ポート側面開口部に関するポートエッジ先端から網膜まで(PTRD)の距離は、およそ0.004~0.009インチ
(0.1016mmから0.2286mm)の範囲にあり、及び前記外側ポート側面開口部に関するポートエッジから遠位プローブ先端までの測定値(PTTD)は、およそ0.005~0.010インチ
(0.127mmから0.254mm)の範囲にあり、ベベル付き閉鎖端部から、前記外側ポート側面開口部に対向する前記外側切断管の延長された後面ラインまで測定されたときに、およそ60度のベベルである、
請求項2に記載の硝子体切除プローブ。
【請求項7】
前記内側切断管が前記外側切断管内に引込められるときに、前記外側ポート側面開口部に入る組織が前記内側切断管の遠位側面ポートにも入り、遠位側面ポート切刃によって切断されるように、前記内側切断管は、前記遠位側面ポートに配置された前記遠位側面ポート切刃を有する前記遠位側面ポートをさらに備える、請求項1に記載の硝子体切除プローブ。
【請求項8】
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が引込められた位置にあるときに、駆動室内壁に接触する第1の接触面を備える開放ストローク側面を含み;
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が伸ばされた位置にあるときに、対向する駆動室内壁と接触する第2の接触面を備える閉鎖ストローク側面を含み;かつ
前記第1の接触面は、前記第2の接触面よりも低い硬さの材料を含む、請求項1に記載の硝子体切除プローブ。
【請求項9】
前記第1の接触面はシリコーンを含み、かつ、前記第2の接触面はポリカーボネート又はポリスルホンを含む、
請求項8に記載の硝子体切除プローブ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
顕微外科手術は、しばしば、様々な生体組織の正確な切断及び/又は除去を必要とする。例えば、いくつかの眼科外科手術は、後眼部を満たしている透明なゼリーのような物質である硝子体液の複数の部分を切断及び除去する必要があり得る。硝子体液、又は硝子体(vitreous)は、網膜に取り付いていることが多い多数の微視的な原線維で構成されている。それゆえ、硝子体の切断及び除去は、網膜の牽引、脈絡膜からの網膜の剥離、網膜裂孔(retinal tear)、又は、最悪の場合には、網膜自体の切断及び除去を回避するために、細心の注意を払って行われる必要がある。特に、可動組織の管理(例えば、網膜の剥離部分又は網膜裂孔付近の硝子体の切断及び除去)、硝子体基底部(vitreous base)の切開、並びに膜の切断及び除去などの細心の注意を要する作業は、特に困難である。
【0002】
後区眼科手術(posterior segment ophthalmic surgery)で使用される顕微手術用切断プローブは、中空の外側切断部材と、中空の外側切断部材と同軸に配置され且つその内部に可動に配置される中空の内側切断部材と、外側切断部材の遠位端部付近に、外側切断部材を貫通して半径方向に延在するポートと、内側切断部材の遠位端部付近に、内側切断部材を貫通して半径方向に延在するポートとを含み得る。硝子体液及び/又は膜は、外側切断部材の開放ポートへ吸引され得、及び内側部材は、内側切断部材を遠位方向へ延在させるように作動され得る。内側切断部材が遠位方向へ延在するとき、内側及び外側双方の切断部材の切断面が協働して、硝子体及び/又は膜を切断し、その後、切断された組織は、内側切断部材を通って吸引される。その後、硝子体及び/又は膜は、外側及び内側双方の切断部材の開放ポートへ吸引され得、及び内側部材は、内側切断部材を近位方向に引っ込めるように作動され得る。内側及び外側切断部材は協働して、再び硝子体及び/又は膜を切断し、且つ切断された組織を吸引する。
【0003】
外側切断部材の遠位端部と、外側ポートの最も近い切刃との間の距離は、ポートから先端までの距離(PTTD)と呼ばれる。PTTDは、内側切断部材の全行程(over travel)、外側切断部材キャップ(外側切断部材の遠位端部にある)の厚さ、及び内側切断部材とキャップとの間に必要なクリアランスに応じ得る。典型的な硝子体切除カッターのPTTDは、フラット端部の硝子体切除プローブでは、0.009~0.025インチの範囲にある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態では、硝子体切除プローブは、外側ポート側面開口部を備える外側切断管と、外側切断管内に位置決めされた内側切断管とを含み得る。内側切断管は、切刃を備える開放遠位端部を有し得る。硝子体切除プローブは、さらに、内側切断管に結合されたダイアフラム(駆動室内に位置する)を含み得る。ダイアフラムは、ダイアフラムの両側で空気の供給(空気駆動ラインによって)及びベントが交互に行われるとき、駆動室内で前後に動き得る。それゆえ、内側切断管の開放遠位端部が、外側ポート側面開口部を横切って前後に動いて、外側ポート側面開口部に入っている組織を切断するように、ダイアフラムの動きが、内側切断管の外側切断管内での振動を引き起こし得る。内側切断管はまた、外側ポート側面開口部を横断して切断する内側切断管の部分に、内側管縦軸に対して垂直の(すなわち、例えば、およそ70~110度の範囲にある)上部フラットエッジを有し得る。ダイアフラムは、内側切断管が引込められた位置にあるときに駆動室内壁に接触する第1の接触面を備える開放ストローク側面と、内側切断管が伸ばされた位置にあるときに対向する駆動室内壁に接触する第2の接触面を備える閉鎖ストローク側面とを有し得る。第1の接触面は、第2の接触面(例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、又は同様の材料を含み得る)よりも低い硬さの材料(例えば、シリコーン又は同様の材料)を有し得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、空気駆動ラインは、硝子体切除プローブを手術コンソールに結合して、手術コンソールからプローブ駆動室に空気を送給し得る。いくつかの実施形態では、空気駆動ラインは、空気駆動ラインの長さに沿って不均一な横断面の内部穴を含み得る。空気駆動ラインは第1のセグメント及び第2のセグメントを有し得る(第1のセグメントは、第1の直径を有する第1の通路を画成し、及び第2のセグメントは、第2の直径を有する第2の通路を画成する)。第1の直径は第2の直径とは異なり得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、内側切断管は、遠位側面ポート切刃を備える遠位側面ポートを有し得る。内側切断管が外側切断管内に引っ込められるとき、外側ポート側面開口部に入っている組織も内側切断管の遠位側面ポートに入って、内側切断管が外側切断管内に引っ込められるときに、遠位側面ポート切刃によって切断され得るようにする。
【0007】
いくつかの実施形態では、内側切断管を真空にするために、内側切断管に吸引チューブが結合される。吸引チューブは、第1の吸引チューブと、第1の吸引チューブに結合された第2の吸引チューブとを含み得る。第2の吸引チューブは、遠位端部で硝子体切除プローブに結合され、及び近位端部で第1の吸引チューブに結合され得る。いくつかの実施形態では、第2の吸引チューブは、第1の吸引チューブよりも硬さが低く、及び第1の吸引チューブよりも短いとし得る。
【0008】
添付図面は、本明細書で開示する機器及び方法の実施形態を示し、明細書と共に、本開示の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書で説明する原理及び教示と一致する、本開示の一態様による例示的な手術システムの図である。
【
図2】実施形態による、
図1の例示的な手術システムの態様のブロック図である。
【
図3】本明細書で説明する原理及び教示に従って動作可能な、例示的な硝子体切除プローブの断面図である。
【
図4A】様々な実施形態による、様々な硝子体切除プローブ遠位端部の構成を示す。
【
図4B】様々な実施形態による、様々な硝子体切除プローブ遠位端部の構成を示す。
【
図5】実施形態によるダイアフラム及びドライブシャフトを示す。
【
図6A】実施形態による、ダイアフラムの対向する両側面を示す。
【
図6B】実施形態による、ダイアフラムの対向する両側面を示す。
【
図7】実施形態による、硝子体切除プローブ内のダイアフラム室の断面を示す。
【
図10】実施形態による、プローブを手術コンソールに結合するチューブセグメントを示す。
【
図11】実施形態による気送及び吸引チューブセグメントの横断面を示す。
【
図12A】様々な実施形態による硝子体切除プローブ遠位端部を示す。
【
図12B】様々な実施形態による硝子体切除プローブ遠位端部を示す。
【
図12C】様々な実施形態による硝子体切除プローブ遠位端部を示す。
【
図13A】様々な実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管の測定値を示す。
【
図13B】様々な実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管の測定値を示す。
【
図14A】実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の測定値を示す。
【
図14B】実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の測定値を示す。
【
図14C】実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の測定値を示す。
【
図15A】平坦エッジ特徴を有する内側管の実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の測定値を示す。
【
図15B】平坦エッジ特徴を有する内側管の実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の測定値を示す。
【
図15C】平坦エッジ特徴を有する内側管の実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の測定値を示す。
【
図15D】平坦エッジ特徴を有する内側管の実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の測定値を示す。
【
図16A】様々な実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の構成を示す。
【
図16B】様々な実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の構成を示す。
【
図16C】様々な実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の構成を示す。
【
図16D】様々な実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管及び内側切断管の構成を示す。
【
図17】実施形態による、
図2に示す手術システムと使用可能な段付き空気駆動ラインの部分的な断面図である。
【
図18】実施形態による、
図17に示す段付き空気駆動ラインを結合するスリーブの部分的な断面図である。
【
図19】実施形態による、硝子体切除プローブを動作させる方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記の概要及び以下の詳細な説明の双方とも、例示及び説明にすぎず、本開示の原理のさらなる説明を提供するものであると理解されたい。
【0011】
図1は、例示的な実施形態による硝子体切除手術システムコンソール(全体的に100で表している)を示す。手術コンソール100は、ベースハウジング102と、硝子体切除外科手術の最中にシステムのオペレーション及び性能に関するデータを示す関連のディスプレイ画面104とを含み得る。実施形態では、ベースハウジング102は、例えば必要に応じて移動を容易にするために車輪を含み、可動式とし得る。代替的な実施形態では、ベースハウジング102は車輪を含まなくてもよい。手術コンソール100は、後続の図面を参照して下記でより詳細に説明するように、硝子体切除プローブ112を含む硝子体切除プローブシステム110を含み得る。
【0012】
図2は、実施形態による硝子体切除プローブシステム110の例示的な構成要素の概略図を示す。プローブシステム110は、硝子体切除プローブ112と、空気圧源120と、調整可能な割り振り式オンオフ空気駆動器122として示されるプローブ駆動器と、マフラー124と、コントローラ126とを含み得る。実施形態では、コントローラ126は、並列又は順次演算を実行できる1つ以上の処理コアを含むプロセッサとし得る。或いは、コントローラ126は、ほんの数例を挙げると、特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用ハードウェアとし得る。源120、駆動器122、マフラー124、及びプローブ112は、流路又は流線を表すラインに沿って、互いに流体連通し得る。コントローラ126は駆動器122と電気通信し得る。実施形態では、コントローラ126は、駆動器122、及び、プローブ112の様々な態様(アクチュエータによる振動周波数及び手術部位に対する流体の流量を含む)の双方の動作を、制御し得る。
【0013】
図3は、例示的な硝子体切除プローブ、例えば
図1及び
図2で紹介された硝子体切除プローブ112の部分的な断面図を示す。この例では、硝子体切除プローブ112は、第1及び第2のポート140及び142を通る空気圧を交互に受けることによって動作する空気駆動プローブとし得る。プローブ112は、その基本的構成要素として、カッター150、外側切断管152(針としても知られている)、部分的ではない側面図(non-sectional side view)で示す内側切断管154、及びここでは往復空気駆動式ダイアフラム156として示すプローブアクチュエータ又はモータを含み得、これらは全て、少なくとも部分的に、ハウジング158によって、密閉された駆動室175内に入れられている。ハウジング158は、プローブ近位端部に末端部160を含み得、第1及び第2の給気ポート140、142、及びカッター150からの物質の吸引をもたらすために1つの吸入ポート162を備える。
【0014】
実施形態では、硝子体切除プローブシステムの空気駆動器122(
図2)は標準的な四方オンオフ弁とし得る。空気駆動器122は、駆動器を、
図2の例に示す2つのオンオフ位置の一方に動かすように動作するソレノイドを有し得る。ここでは、空気駆動器122は、第1のポート140(
図3)へ空気圧を提供し、及び第2のポート142(
図3)から空気圧をベントさせる位置にあるとし得る。この位置では、空気圧は、圧力源120からオンオフ空気駆動器122を通って第1のポート140まで移動し得、ここで、空気圧は硝子体切除プローブ112へ空気動力を提供する。同時に、第2のポート142の空気圧は、オンオフ空気駆動器122を通ってマフラー124まで移動し得、ここで、例えば、大気へと排気される。他の位置では、オンオフ空気駆動器122は、空気圧が圧力源120から第2のポート142へ移動できるようにし得、ここで、空気圧は硝子体切除プローブ112へ空気動力を提供する。同時に、第1のポート140の空気圧は、オンオフ空気駆動器122を通ってマフラー124へとベントし得、ここで、大気へと排気される。オンオフ空気駆動器は、コントローラ126から動作信号を受信するように構成され得る。
【0015】
動作中、空気圧は、源120から第1及び第2のポート140、142へ交互に割り振られ(directed)、硝子体切除プローブ112を動作し得る。オンオフ空気駆動器122は、その2つの位置間で非常に高速で交互となり、空気圧を第1及び第2のポート140、142へ交互に提供し得る。単一の空気駆動器122で示したが、他の実施形態は2つの空気駆動器を含み、そのうちの一方が、2つのポート140、142のそれぞれに関連する。これらの実施形態は、説明したものと同様の方法で動作し得、駆動器は、コントローラ126(
図2)から動作信号を独立して受信するように構成されている。さらに他の配置構成が考慮される。
【0016】
図3に戻って説明すると、カッター150は、ハウジング158から延在し、及び
図4aにおいて下記でより詳細に示す遠位端部166を含み得る。外側切断管152及び内側切断管154は、双方とも、中空穴のあるシリンダー状管とし得る。
図4a~bに示すように、外側切断管152の遠位端部(針キャップ173)は、ベベル付き(すなわち、角度付き)端部を含み得る。いくつかの実施形態では、外側切断管の遠位端部(針キャップ173)は平坦とし得る。外側切断管152の遠位端部は、例えば、スピン閉鎖機械加工(spin closed machining)、接着剤、溶接(例えば、レーザ溶接)などを使用して、閉鎖され得る。例えば、ベベル付き端部は、角度付き端部上に継ぎ(pieced)をレーザ溶接することによって閉鎖され得る。いくつかの実施形態では、内側切断管154は、さらに、
図4a~bに遠位ポート170として示されるような開放端部を有し得る。
【0017】
一般的に、内側切断管154は、プローブアクチュエータに応答して、外側切断管152内で振動し得る。実施形態では、内側切断管154は、ダイアフラム156の対向する側に振り分けられた空気圧によって駆動され得る。1つの動作例では、空気圧が第1のポート140において増大する場合、ダイアフラム156は遠位方向に動き、内側切断管154を外側切断管152に対して変位させ、それにより、内側切断管154の遠位端部にある第1の切刃157を遠位方向に動かして、組織を切断し得る。これにより、外側切断管152の組織受け入れ外側ポート168に吸引されたいずれの硝子体物質も切断し得る。いくつかの実施形態では、第1の切刃157は、内側切断管154のフレア付き遠位端部(flared distal end)に形成され得る(
図4a~bに示すように)。いくつかの実施形態では、内側切断管154の遠位端部はフレア付きでなくてもよい。硝子体は、内側切断管154の遠位開口部170を通って吸引され得る。いくつかの実施形態では、硝子体はまた、内側切断管154bの側面にある遠位ポート172を通って吸引され得る。側面遠位ポート172がない内側切断管を示すために図面で使用される「154a」、及び側面遠位ポート172のある内側切断管を示すために図面で使用される「154b」(「154a」及び「154b」は、明記された詳細が「154a」及び「154b」の双方に当てはまるときには、全体的に、図面及び本明細書において「154」と称す)。第1のポート140で圧力をベントさせ、及び第2のポート142における圧力を増大させることによって、ダイアフラム156を近位方向に動かし、内側切断管154bの遠位端部付近にあって近位方向に対面する第2の切刃151を近位方向に動かし、外側切断管152の外側ポート168及び内側切断管154bの側面遠位ポート172が少なくとも部分的に位置合わせされているときに、そこに入っている可能性があるいずれの硝子体物質も、切断する。
【0018】
図5は、一実施形態による、ダイアフラム156及びドライブシャフト174を示す。ダイアフラム156は、開放ストローク側面176(すなわち、内側切断管154が外側切断管152に対して引込められた(最近位の)位置にあるとき、近位閉鎖駆動室壁181(
図7参照)と接触するダイアフラム156の側面)を含み得る。ダイアフラム156はまた、閉鎖ストローク側面178(すなわち、内側切断管154が外側切断管152に対して伸ばされた(最遠位の)位置にあるとき、遠位閉鎖駆動室壁182と接触するダイアフラム156の側面)を含み得る。
【0019】
図6a~bに示すように、いくつかの実施形態では、ダイアフラム156は、ダイアフラム156の対向する両側面に、第1の接触面(例えば、近位停止部179)及び第2の接触面(例えば、遠位停止部180)を含み得る。いくつかの実施形態では、近位/遠位停止部179/180は、それらそれぞれの駆動室壁181/182と接触し得る。例えば、近位停止部179は、内側切断管154が引込められた/最近位の位置にあるとき、近位閉鎖駆動室壁181と接触し得る。遠位停止部180は、内側切断管154が伸ばされた/最遠位の位置にあるとき、遠位閉鎖駆動室壁182と接触し得る。停止部179/180は、硬質材料(例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、若しくは同様の材料)又は比較的軟質材料(例えば、シリコーン若しくは同様の材料)で作製され得る。いくつかの実施形態では、停止部179/180は同じ材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、停止部は、異なる材料で作製されてもよい。例えば、近位停止部179は軟質材料(例えば、シリコーン又は同様の材料)で作製され、及び遠位停止部180は硬質材料(例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、又は同様の材料)で作製されてもよい。別の実施形態では、近位停止部179は硬質材料(例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、又は同様の材料)で作製され、及び遠位停止部180は軟質材料(例えば、シリコーン又は同様の材料)で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、より軟質の材料は、室壁181/182に対するダイアフラム156の接触面の衝撃からの騒音を減少させ得る。硬質材料は、より一貫した停止部を提供するために使用され得る(例えば、遠位停止部180は、内側切断管154が外側切断管152の遠位端部の手前で確実に停止するように、硬質材料で作製され得る。比較的軟質な材料の近位停止部、及び硬質材料の遠位停止部を作製することによって、プローブは、より静かな動作を有し、及び内側切断管と外側切断管との間に信頼性の高い停止距離を保ち得る。
【0020】
3個の遠位停止部180を示すが、他の個数の停止部を使用してもよい(例えば、1個の停止部又はそれよりも多い、例えば接触面に分配される10個の停止部)(さらにそれよりも多い停止部が使用されてもよい)。遠位停止部180を楕円として示したが、他の形状の停止部180も可能である(例えば、矩形)。3個の近位停止部179を示すが、他の個数の停止部を使用してもよい(例えば、1個の停止部又はそれよりも多い、例えば接触面に分配される10個の停止部)(さらにそれよりも多い停止部が使用されてもよい)。近位停止部179をダイアフラム156上の円形隆起の3個の円弧セグメントとして示すが、他の形状の停止部179も可能である(例えば、矩形)。いくつかの実施形態では、ダイアフラム156は、停止部179/180の1つ以上と同じ材料で作製され得る。例えば、遠位停止部180は、ダイアフラム材料の延長部とし得る一方、近位停止部179は、ダイアフラムに結合された材料(例えば、ダイアフラム156にオーバーモールドされた(overmolded)、接着剤によって取り付けられた、スナップ嵌めされたシリコーンなど)を含み得る。
図7に示すように、いくつかの実施形態では、近位停止部179はダイアフラム材料の延長部とし得る一方、遠位停止部180は、ダイアフラム156に結合された材料を含み得る。例えば、ダイアフラム156は、そこに近位停止部が形成されて、シリコーン材料で作製され得、硬質遠位停止部はダイアフラム156に結合されている(例えば、シリコーンにオーバーモールドされる(又は硬質遠位停止部にオーバーモールドされたシリコーン)、シリコーンに接着剤を用いて取り付けられる、スナップ嵌めされるなど)。
図7に示すように、遠位停止部180及び中心受け入れ部分183(ドライブシャフト174を受け入れる)は、硬質材料(ポリカーボネート、ポリスルホン、又は同様の材料など)で作製され得、及びダイアフラム156(例えば、シリコーン又は同様の材料製)は近位停止部179用のシリコーン部分を含み得、これらは、硬質材料に成形されて一体部品を形成する。近位停止部179付近に示す円形凹部は、成形プロセスの一部として使用され得る。いくつかの実施形態では、近位停止部179は、ダイアフラム156上の連続的な円形隆起とし得る。
【0021】
図8は、実施形態による内側切断管154の曲がりを示す。いくつかの実施形態では、内側切断管154はわずかな曲がりを有して、外側切断管152の内壁に対して第1の切刃157を偏らせ、ポート168に入る硝子体での切断作用を保証し得る。いくつかの実施形態では、角度は、外側切断管152のサイズに従って変化し得る。例えば、23ゲージの外側切断管152では、曲がり長さ(B)(すなわち、内側切断管154の遠位端部から曲がりまでの距離)がおよそ0.110インチで、曲げ角(C)はおよそ3.5度とし得る。23ゲージの外側切断管では、他の曲げ角(C)及び曲がり長さ(B)も考慮される(例えば、曲げ角(C)は、およそ2.0度~5.0度の範囲、又はおよそ3.0~4.0度の範囲にあり、及び曲がり長さ(B)は、およそ0.065~0.15インチの範囲、又はおよそ0.1~0.13インチの範囲にある)。別の例として、25ゲージの外側切断管152では、およそ0.060インチの曲がり長さ(B)で、曲げ角(C)はおよそ4.7度とし得る。25ゲージの外側切断管では、他の曲げ角(C)及び曲がり長さ(B)も考慮される(例えば、曲げ角(C)は、およそ2.8度~6.5度の範囲、又はおよそ4.0~5.5度の範囲にあり、及び曲がり長さ(B)は、およそ0.035~0.15インチの範囲、又はおよそ0.05~0.07インチの範囲にある)。さらなる例として、27ゲージの外側切断管152では、およそ0.050インチの曲がり長さ(B)で、曲げ角(C)はおよそ4.3度とし得る。27ゲージの外側切断管では、他の曲げ角(C)及び曲がり長さ(B)も考慮される(例えば、曲げ角(C)は、およそ2.6度~6.0度の範囲、又はおよそ3.7~4.9度の範囲にあり、及び曲がり長さ(B)は、およそ0.03~0.07インチの範囲、又はおよそ0.04~0.06インチの範囲にある)。別の例として、デュアルポートプローブ(例えば、
図4b参照)では、曲げ角(C)はおよそ3.2度とし得、及び曲がり長さ(B)はおよそ0.050インチとし得る。デュアルポートプローブでは、他の曲げ角(C)及び曲がり長さ(B)も考慮される(例えば、曲げ角(C)は、およそ1.9度~4.5度の範囲、又はおよそ2.7~3.7度の範囲にあり、及び曲がり長さ(B)は、およそ0.03~0.07インチの範囲、又はおよそ0.04~0.06インチの範囲にある)。
【0022】
例示的な寸法/測定値、及び寸法/測定値範囲は、本出願を通して提供されるが、これらの寸法/測定値は、考えられる寸法/測定値の組を提示するにすぎないため、限定とみなされるべきではない。他の寸法/測定値も考慮される。
【0023】
図9に示すように、外側切断管152は、プローブ本体において外側切断管152のベースの周りに延在する補強材200で支持され得る。いくつかの実施形態では、プローブは補強材200を含まなくてもよい。プローブ本体から遠位端部までの外側切断管の長さ(L)は、外側切断管152のサイズに従って変化し得る。例えば、23又は25ゲージの外側切断管152では、長さ(L)はおよそ1.25インチとし得る。他の長さ(L)も考慮される(例えば、23又は25ゲージの外側切断管に関し、長さ(L)は、およそ0.75~1.75インチの範囲、又はおよそ1.1~1.4インチの範囲にあるとし得る)。23及び25ゲージの外側切断管は補強材200を含まなくてもよい(又は、それらは補強材200を含んでもよい)。補強材200を備える25ゲージの外側切断管の長さの実施形態では、長さ(L)はおよそ1.063インチとし得る。他の長さ(L)も考慮される(例えば、補強材を備える25ゲージの外側切断管では、長さ(L)は、およそ0.65~1.5インチの範囲、又はおよそ0.9~1.2インチの範囲にあるとし得る)。さらなる例として、補強材200を備える27ゲージの外側切断管152では、長さ(L)はおよそ1.023インチとし得る。他の長さ(L)も考慮される(例えば、補強材を備える27ゲージの外側切断管では、長さ(L)は、およそ0.6~1.4インチの範囲、又はおよそ0.85~1.2インチの範囲にあるとし得る)。他の長さ(L)も可能である。例えば、補強材を備える又は補強材のない全てのゲージに関し、長さ(L)は、およそ0.1~3インチの範囲にあるとし得る。
【0024】
図10は、実施形態による、プローブ112を手術コンソール100に結合するチューブセグメントを示す。
図10に示すように、いくつかの実施形態では、プローブ112は、3つのライン(吸引管1001及び2つの気送管1002a~b)によって手術コンソール100に結合され得る。気送管1002a~bは、コンソール100から延在するプラスチックチューブを含み得る。いくつかの実施形態では、気送管1002a~bは、およそ50~120ショアA硬さの範囲にある硬さを有し得る(例えば、80ショアAの硬さ)。他の硬さも考慮される。いくつかの実施形態では、気送チューブ1002a~bは、それぞれ、84インチの長さTLを有し得る。他の長さも考慮される(例えば、長さTLは、およそ50~120インチの範囲、又はおよそ70~100インチの範囲にあるとし得る)。
【0025】
いくつかの実施形態では、吸引管1001は2つ以上のチューブセグメント1011a~bを有し得る。吸引チューブセグメント1011a~bは、チューブコネクタ1007によって一緒に結合され得る。コネクタ1007は、摩擦嵌めによって各チューブセグメントを接続し得る(例えば、チューブセグメント1011a~bの端部は、それぞれの雄型受け入れコネクタセグメント上を摺動し、及びチューブの内面と雄型コネクタセグメントとの間の摩擦によって固定されたままである)。他の取り付けも考慮される(例えば、接着剤、クリンプ加工など)。いくつかの実施形態では、チューブセグメント1011a~bは、チューブに沿ったある点で又はチューブの少なくとも一部分に沿って徐々に移行する特性を有する単一の連続的な管とし得る。いくつかの実施形態では、吸引チューブセグメント1011a~bは、異なる長さを有し得る。例えば、コンソール100からコネクタ1007までのチューブセグメント1011aは、ハンドピース112からのチューブセグメント1011bよりも実質的に長い。相対的長さの一例として、コンソール100からコネクタ1007までの吸引チューブセグメント1011aの長さはおよそ79インチとし得、及びコネクタ1007からハンドピース112までの吸引チューブセグメント1011bの長さSLはおよそ5インチとし得る。他の長さも考慮される。例えば、コネクタ1007からコンソール100までの吸引チューブセグメント1011aの長さは、およそ45~110インチの範囲、又はおよそ65~95インチの範囲にあるとし得る。コネクタ1007からハンドピース112までの吸引チューブセグメント1011bの長さSLは、およそ3~7インチの範囲、又はおよそ4~6インチの範囲にあるとし得る。いくつかの実施形態では、吸引チューブセグメント1011a~bは異なる硬さを有し得る。例えば、コンソール100からコネクタ1007までのより長い吸引チューブセグメント1011aは、コネクタ1007からハンドピースまでのより短い吸引チューブセグメント1011bよりも高い硬さを有し得る。例えば、一実施形態では、より長い吸引チューブセグメント1011aの硬さはおよそ80ショアA硬さとし得、及びより短い吸引チューブセグメント1011bの硬さはおよそ40ショアA硬さとし得る。他の硬さも考慮される。例えば、より長い吸引チューブセグメント1011aの硬さは、およそ50~115ショアA硬さの範囲、又はおよそ70~95ショアA硬さの範囲にあるとし得る。より短い吸引チューブセグメント1011bの硬さは、およそ25~55ショアA硬さの範囲、又はおよそ35~45ショアA硬さの範囲にあるとし得る。いくつかの実施形態では、より短い、より低い硬さの吸引チューブセグメントはまた、ハンドピース112を外科医によってより扱いやすくし得る(対高い硬さのチューブによって結合されたハンドピース)。より低い硬さのチューブは、より高い硬さのチューブよりも柔軟性があるとし得る。
【0026】
図11に示すように、気送チューブ1002a~b及び吸引チューブ1001は、それらの長さの少なくとも一部分を通して、結合され得る。例えば、チューブは、共押出成形されていることによって、又はそれらを保持するようなチューブの長さに沿った接着剤によって、結合され得る。いくつかの実施形態では、
図11に示すように、結合された気送チューブ1002a~bの中心点間の角度αはおよそ90度とし得る。他の値のαも考慮される(例えば、およそ55度~125度の範囲、又はおよそ75~100度の範囲にある)。いくつかの実施形態では、
図11に示すように、結合された気送チューブ1002a~bと吸引チューブ1001との中心点間の角度βはおよそ75度とし得る。他の値のβも考慮される(例えば、およそ45度~105度の範囲、又はおよそ65~85度の範囲にある)。いくつかの実施形態では、気送チューブ1002a~b及び吸引チューブ1001は、それらの長さに沿って結合されていなくてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、気送チューブ1002a~b及び吸引チューブ1001は、チューブタイプを表示するために、チューブにインジケータを有し得る。例えば、チューブ長さの少なくとも一部分に沿って縞模様1005a~bが含まれ得る。いくつかの実施形態では、青色の縞模様1005aは吸引チューブ1001を表示し得る。黒色の縞模様1005bは第1の気送チューブ1002aを表示するために使用され、及び灰色の縞模様1005cは第2の気送チューブ1002bを表示するために使用され得る。いくつかの実施形態では、縞模様は、幅SWがおよそ0.060インチとし得る。他の幅SWも考慮される(例えば、およそ0.035~0.085インチの範囲、又はおよそ0.05~0.07インチの範囲にある)。他のインジケータも考慮される。
【0028】
さらに
図11に示すように、気送チューブ1002a~bの内径ΦPDはおよそ0.075インチとし得る。他の直径も考慮される(例えば、およそ0.045~0.10インチの範囲、又はおよそ0.065~0.085インチの範囲にある)。いくつかの実施形態では、吸引チューブ1001の内径ΦADはおよそ0.06インチとし得る。他の直径も考慮される(例えば、およそ0.035~0.085インチの範囲、又はおよそ0.05~0.07インチの範囲にある)。いくつかの実施形態では、気送チューブ1002a~b及び吸引チューブ1001は、全て、およそ0.125インチの同じ外径ΦODを有し得る。他の外径ΦODも考慮される(例えば、およそ0.075~0.18インチの範囲、又はおよそ0.10~0.15インチの範囲にある)。いくつかの実施形態では、気送チューブ1002a~b又は吸引チューブ1001は、気送チューブ1002a~bの他方又は吸引チューブ1001とは異なる直径を有し得る。
【0029】
図12a~cは、様々な実施形態による硝子体切除プローブ遠位端部を示す。
図12aは、硝子体切除プローブと一緒に、眼の横断面を示す。
図12bは、網膜の近くにある遠位フラット先端の硝子体切除プローブの拡大図を示す(例えば、網膜からの、ポートエッジ先端から網膜までの(PTRD)距離Xにある)。PTRDは、ポートエッジと網膜との間の最短距離である。
図12cに示すように、ユーザは、硝子体切除プローブの遠位端部がベベル付きである場合、ポート(例えば、PTRD距離Y、ここで、Y<X)を眼の網膜の近くに位置決めし得る。例えば、Xは0.018インチとし得る一方、Yは0.008インチとし得る。他のX及びYの値も考慮される。硝子体切除プローブを使用するとき、ユーザは、網膜自体を切断することなく、網膜の可能な限り近くで硝子体を除去したい場合がある。ベベル付き先端は、網膜の近くでの組織/膜の削り又は切開を可能にし得る。ベベル付き先端はまた、別の器械に切り替える必要なく、ユーザが膜を持ち上げたり、摘み上げたりできるようにする。
【0030】
図13a~bは、様々な実施形態による硝子体切除プローブの外側切断管152のいくつかの測定値を示す。
図13aに示すように、フラット先端のいくつかの実施形態では(ここで、外側切断管152の遠位端面から、外側ポート側面開口部に対向する外側切断管の延長された後面ライン190までの角度Q1は、90度である)、ポートエッジから遠位プローブ先端まで(PTTD)の測定値F1は、23、25、及び27ゲージのプローブではおよそ0.009インチとし得る。他のPTTD測定値F1も考慮される。例えば、PTTD測定値F1は、およそ0.003~0.015インチの範囲、およそ0.003~0.0085インチの範囲、およそ0.005~0.025インチの範囲、又はおよそ0.008~0.010インチの範囲にあるとし得る。いくつかの実施形態では、PTTD測定値F1は、内側切断管154の全行程(すなわち、内側切断管154の最遠位の部分が動く間に、内側切断管154がどの程度遠くまで外側切断管152内で移動するか)、針キャップ173の厚さ、及び内側切断管154とキャップ173との間のクリアランス(すなわち、内側切断管154の最遠位端部と、外側切断管152内での内側且つター管の移動の最遠位点にあるキャップ173との間の距離)に応じ得る。いくつかの実施形態では、フラット先端に関する、ポートエッジ先端から網膜までの距離(PTRD)F2は、23ゲージのプローブではおよそ0.021インチ、25ゲージのプローブではおよそ0.018インチ、及び27ゲージのプローブではおよそ0.016インチとし得る。フラット先端に関する他のPTRD距離F2も考慮される(例えば、F2は、様々なゲージのプローブでは、およそ0.01~0.03インチの範囲にあるとし得る)。
図13bに示すように、ベベル付き先端のいくつかの実施形態では、ベベル付き先端B2でのPTRD(外側切断管152の遠位端面から、外側ポート側面開口部に対向する外側切断管の延長された後面ライン190までの角度Q2は、およそ60度である)は、23ゲージのプローブではおよそ0.009インチ、25ゲージのプローブではおよそ0.008インチ、及び27ゲージのプローブではおよそ0.007インチとし得る。他のPTRD測定値B2も考慮される(例えば、23、25、及び27ゲージのプローブではPTRD測定値B1がおよそ0.005インチ~0.010インチの範囲にある状態で、角度Q2はおよそ20~80度の範囲にあるとし得る)。他のPTRD測定値B2も考慮される(例えば、PTRDは、およそ20~80度の範囲にある角度Q2では、およそ0.003~0.015インチの範囲、およそ0.003~0.0085インチの範囲、およそ0.005~0.025インチの範囲、又はおよそ0.008~0.010インチの範囲にあるとし得る)。いくつかの実施形態では、およそ60度の角度Q2は、PTRDにほぼ等しいプローブのPTTDを生じ得る。
【0031】
図14a~cは、様々な実施形態による、硝子体切除プローブの外側切断管152及び内側切断管154bに関するいくつかの測定値を示す。外側ポート側面開口部168は、0.015インチの近似直径OPDP1を有し得る。他の直径も考慮される(例えば、およそ0.009~0.02インチの範囲、又はおよそ0.013~0.017インチの範囲にある)。ポート開口部168は、円形、楕円形、又は何らかの他の形状とし得る。外側ポートの開口深さOPD1は、およそ0.0045インチとし得る。他の外側ポートの開口深さOPD1も考慮される(例えば、およそ0.0027~0.063インチの範囲、又はおよそ0.0038~0.0052インチの範囲にある)。外側ポート半径OPR1はおよそ0.008インチとし得る。他の外側ポート半径OPR1も考慮される(例えば、およそ0.0048~0.0112インチの範囲、又はおよそ0.0068~0.0092インチの範囲にある)。近位ポートエッジ角度Pα1はおよそ50度とし得る。他の近位ポートエッジ角度Pα1も考慮される(例えば、およそ30~70度の範囲、又はおよそ40~60度の範囲にある)。外側切断管152の内径ID1はおよそ0.0131インチとし得る。他の内径ID1も考慮される(例えば、およそ0.0079~0.018インチの範囲、又はおよそ0.011~0.015インチの範囲にある)。外側切断管152の外径OD1はおよそ0.0165インチとし得る。他の外径OD1も考慮される(例えば、およそ0.010~0.023インチの範囲、又はおよそ0.014~0.019インチの範囲にある)。
【0032】
図14bに示すように、内側切断管154bの遠位ポート172のポート深さD3はおよそ0.004インチとし得る。他のポート深さD3も考慮される(例えば、およそ0.0024~0.0056インチの範囲、又はおよそ0.034~0.0046インチの範囲にある)。内側切断管154bの内側カッター内径IOD1はおよそ0.0127インチとし、第1の切刃157は0.0130インチまでフレア状に広がり得る。他の内側カッター内径IOD1も考慮される(例えば、およそ0.0076~0.018インチの範囲、又はおよそ0.011~0.015インチの範囲にある)。第1の切刃157への他のフレア状の広がりも考慮される(例えば、およそ0.0078~0.02インチの範囲、又はおよそ0.010~0.014インチの範囲にある)。内側管遠位ポートからエッジまでの測定値G1はおよそ0.005インチとし得る。別の実施形態では、内側管ポートからエッジまでの測定値G1はおよそ0.006インチとし得る。他の内側ポートからエッジまでの測定値G1も可能である(例えば、G1は、およそ0.003インチ~0.012インチの範囲、又はおよそ0.003~0.007インチの範囲、又はおよそ0.004~0.006インチの範囲にあるとし得る)。内側管近位ポートからエッジまでの測定値H1はおよそ0.0155インチとし得る。他の内側管近位ポートからエッジまでの測定値H1も考慮される(例えば、およそ0.0093~0.022インチの範囲、又はおよそ0.013~0.018インチの範囲にある)。内側ポートエッジ角度IPα1はおよそ50度とし得る。他のポートエッジ角度α1も考慮される(例えば、およそ30~70度の範囲、又はおよそ40~60度の範囲にある)。
図14cに示すように、内側切断管ポート幅PW1はおよそ0.009インチとし得る。他の内側切断管ポート幅PW1も考慮される(例えば、およそ0.0054~0.013インチの範囲、又はおよそ0.0077~0.011インチの範囲にある)。
【0033】
図15a~dは、平坦エッジ特徴185を有する内側管の実施形態による、硝子体切除プローブ112の外側切断管152及び内側切断管154cに関する測定値を示す。
図15a~dに明記されない寸法は、
図14a~cに明記されたそれらの対応品の寸法と同じ値又は値の範囲を有し得る。ポートエッジから遠位プローブ先端まで(PTTD)の測定値F2は、23、25、及び27ゲージのプローブではおよそ0.0098インチとし得る。他のPTTD測定値F2も考慮される。例えば、PTTD測定値F2は、およそ0.0058~0.0137インチの範囲、およそ0.0083~0.011インチの範囲、およそ0.003~0.015インチの範囲、およそ0.003~0.0085インチの範囲、およそ0.005~0.025インチの範囲、又はおよそ0.008~0.010インチの範囲にあるとし得る。ポート開口部168は、円形、楕円形、又は何らかの他の形状とし得る。近位ポートエッジ角度OPα2はおよそ50度とし得る。他の近位ポートエッジ角度OPα1も考慮される(例えば、およそ30~70度の範囲、又はおよそ40~60度の範囲にある)。遠位ポートエッジ角度ODα2はおよそ45度とし得る。他の近位ポートエッジ角度ODα2も考慮される(例えば、およそ25~65度の範囲、又はおよそ35~55度の範囲にある)。外側管上部エッジ半径UER2はおよそ0.002インチとし得る。他の外側管上部エッジ半径UER2も考慮される(例えば、およそ0.0012~0.0028度の範囲、又はおよそ0.0017~0.0023度の範囲にある)。遠位外側管壁の厚さT2はおよそ0.0022インチとし得る。他の厚さT2も考慮される(例えば、およそ0.0013~0.0031度の範囲、又はおよそ0.0018~0.0025度の範囲にある)。外側管のダイアゴナル距離(diagonal distance)J2はおよそ0.010インチとし得る。他の外側管ダイアゴナル距離J2も考慮される(例えば、およそ0.006~0.014度の範囲、又はおよそ0.0085~0.0115度の範囲にある)。外側切断管152の内径ID2はおよそ0.0131インチとし得る。他の内径ID2も考慮される(例えば、およそ0.0079~0.018インチの範囲、又はおよそ0.011~0.015インチの範囲にある)。外側切断管152の外径OD2はおよそ0.0165インチとし得る。他の外径OD2も考慮される(例えば、およそ0.010~0.023インチの範囲、又はおよそ0.014~0.019インチの範囲にある)。
【0034】
図15bに示すように、内側管近位ポートからエッジまでの測定値H2はおよそ0.0138インチとし得る。他の内側管近位ポートからエッジまでの測定値H2も考慮される(例えば、およそ0.0083~0.019インチの範囲、又はおよそ0.012~0.016インチの範囲にある)。内側管遠位ポートからエッジまでの測定値G2はおよそ0.0047インチとし得る。他の内側ポートからエッジまでの測定値G2も可能である(例えば、G2は、およそ0.0028インチ~0.0066インチの範囲、又はおよそ0.004~0.0055インチの範囲にあるとし得る)。ポートエッジ角度IPα2はおよそ50度とし得る。他のポートエッジ角度IPα2も考慮される(例えば、およそ30~70度の範囲、又はおよそ40~60度の範囲にある)。外側ポートエッジ角度OPEα2はおよそ59度とし得る。他のポートエッジ角度OPEα2も考慮される(例えば、およそ35~85度の範囲、又はおよそ50~70度の範囲にある)。内側管平坦エッジ特徴185の深さED1はおよそ0.002インチとし得る。他の深さED1も考慮される(例えば、およそ0.0012~0.0028インチの範囲、又はおよそ0.0017~0.0023インチの範囲にある)。内側ポート深さIPD1はおよそ0.004インチとし得る。他の内側ポート深さIPD1も考慮される(例えば、およそ0.0024~0.0056インチの範囲、又はおよそ0.0034~0.0046インチの範囲にある)。内側ポートの近位エッジの半径IPR2はおよそ0.00205インチとし得る。他の近位エッジ半径IPR2も考慮される(例えば、およそ0.00123~0.0287インチの範囲、又はおよそ0.00174~0.00236インチの範囲にある)。内側管の内径IND2はおよそ0.0096インチとし得る。他の内側管の内径IND2も考慮される(例えば、およそ0.0058~0.013インチの範囲、又はおよそ0.0082~0.011インチの範囲にある)。外側切断管152の内側管の外径IOD2はおよそ0.0122インチとし得る。他の外径IOD2も考慮される(例えば、およそ0.0073~0.017インチの範囲、又はおよそ0.010~0.014インチの範囲にある)。
【0035】
図15cは、切断サイクル中の、エッジオフセットOFF1がおよそ0インチである時点における、内側切断管154c及び外側切断管152を示す。
図15dは、切断サイクル中の、エッジオフセットOFF2がおよそ0.0043インチである時点における、内側切断管154c及び外側切断管152を示す。およそ0インチのエッジオフセットOFF1では、内側管154cの遠位エッジと外側管152の遠位内側面との間の遠位エッジのクリアランスDEC1は、およそ0.0084インチとし得る。他の遠位エッジのクリアランスDEC1も考慮される(例えば、およそ0.0050~0.012インチの範囲、又はおよそ0.0071~0.0097インチの範囲にある)。およそ0.0043インチのエッジオフセットOFF2では、内側管154cの遠位エッジと外側管152の遠位内側面との間の遠位エッジのクリアランスDEC2は、およそ0.0041インチとし得る。他の遠位エッジのクリアランスDEC2も考慮される(例えば、およそ0.0025~0.0057インチの範囲、又はおよそ0.0035~0.0047インチの範囲にある)。
図15cにさらに示すように、内側管154cと外側管152との間の管のクリアランスC1は、およそ0.0005インチとし得る。他の管のクリアランスC1も考慮される(例えば、およそ0.0003~0.0007インチの範囲、又はおよそ0.00042~0.00058インチの範囲にある)。
【0036】
図16a~dに示すように、いくつかの実施形態では、ポートから遠位プローブ先端までの測定値F1は、およそ0.003~0.012インチの範囲にあるとし得る。別の例として、F1は、およそ0.001~0.015インチの範囲、およそ0.003~0.015インチの範囲、およそ0.003~0.0085インチの範囲、およそ0.005~0.025インチの範囲、又はおよそ0.008~0.010インチの範囲にあるとし得る。いくつかの実施形態では、ベベル角度BA1及びBA2は、およそ15~75度の範囲にあるとし得る。別の例として、ベベル角度BA1及びBA2は、およそ5~90度の範囲にあるとし得る。いくつかの実施形態では、G1はおよそ0.006インチとし得る。他のG1測定値も考慮される(例えば、およそ0.0035~0.0085インチの範囲、又はおよそ0.005~0.007インチの範囲にある)。
図16c~dに示すように、内側切断管154の実施形態は、外側ポート側面開口部168を横切る内側切断管154の部分に、内側管縦軸194に対して垂直である(すなわち、例えば、およそ70~110度の範囲にある)上部フラットエッジ185を含み得る。上部フラットエッジに関する他の角度も考慮される。いくつかの実施形態では、上部フラットエッジ185は、内側切断管154が外側ポート側面開口部168を横切って前後に動く(shears)ときに、内側切断管154が外側切断管152に引っかかったり又は「かぶさったり」する可能性を減少させ得る。
図16c~dに示すように、内側切断管154の遠位部分はフレア付きエッジを含み得る。いくつかの実施形態では、内側切断管154はフレア付きでなくてもよい。
【0037】
図17は、硝子体切除プローブ112を駆動するために手術コンソール100と一緒に使用可能な段付き空気駆動ラインの部分的な断面図である。図示の通り、手術コンソール100及び硝子体切除プローブ112は、段付き空気駆動ライン402及び404(気送管1002a~bの代わりに使用され得る)に結合され得る。段付き空気駆動ライン402及び404は、硝子体切除プローブ112を駆動するためにシステム100内で使用され得る。
【0038】
段付き空気駆動ライン402について下記で説明する。段付き空気駆動ライン402に関して説明する特徴は、段付き空気駆動ライン404に存在してもよく、及びそれに等しく適用可能である。そのようなものとして、段付き空気駆動ライン402及び404に関して同様の特徴を特定するために、同様の参照符号が
図17において使用される。
【0039】
また、
図17は、硝子体切除プローブ112に駆動力を与える2つの別個の段付き空気駆動ライン402及び404を示すが、他の実施形態は、単一の段付き空気駆動ライン又は3つ以上の段付き空気駆動ラインを使用する。それゆえ、本明細書では、硝子体切除プローブ112に駆動力を与えるための段付き空気駆動ラインの個数の限定は暗示されない。
【0040】
段付き空気駆動ライン402は、第1のセグメント406及び第2のセグメント408を有し得る。第1のセグメント406は、コンソールポートを介して手術コンソール100に結合される近位端部410と、スリーブ414、又は結合器を介して第2のセグメント406に結合される遠位端部412を有し得る。さらに、第1のセグメントは、第1のセグメント406の近位端部410から遠位端部412まで延在する内部穴416、すなわち通路を含み得る。
【0041】
第1のセグメント406と第2のセグメント408を結合しているスリーブ414を示すが、任意の他の手段を使用して2つのセグメントを結合し得ることが考慮される。例えば、他の実施形態では、セグメントの一方が他方のセグメント内へと摺動するように構成され得、それにより、スリーブ414を使用せずにセグメントを結合する。さらに、他の実施形態では、空気駆動ライン402は、段付き構成の2つ以上のセグメントを有する連続的な駆動ラインとして製造され得る。そのような実施形態では、空気駆動ラインは、セグメントを結合するスリーブを必要としないことがあり得る。なぜなら、セグメントが、段付き構成を有する連続的な駆動ライン内に作られているためである。
【0042】
図示の通り、第1のセグメント406は、第1のセグメント406の近位端部410から遠位端部412まで実質的に一定の外径OD1を有し得る。例として、及び限定ではなく、OD1は約0.250インチとし得る。さらに、OD1は、約0.15インチ~約0.5インチの範囲にあるとし得る。しかしながら、OD1の他の寸法が考慮され、それにより、本明細書では、黙示的な限定は記載されない。
【0043】
さらに、第1のセグメント406の内部穴416は、第1のセグメント406の近位端部410から遠位端部412まで延在する実質的に一定の内径ID1を有し得る。例として、及び限定ではなく、ID1は約0.150インチとし得る。さらに、ID1は、約0.1インチ~約0.3インチの範囲にあるとし得る。しかしながら、ID1の他の寸法が考慮され、それにより、本明細書では、黙示的な限定は記載されない。
【0044】
第2のセグメント408は、スリーブ414を介して第1のセグメント406に結合される近位端部418と、硝子体切除プローブ112に結合される遠位端部420とを有し得る。さらに、第2のセグメント408は、第2のセグメント408の近位端部418から遠位端部420まで延在する内部穴422、すなわち通路を含み得る。
【0045】
図示の通り、第2のセグメント408は、第2のセグメント408の近位端部418から遠位端部420まで実質的に一定の外径OD2を有し得る。例として、及び限定ではなく、OD2は約0.125インチとし得る。さらに、OD2は、約0.05インチ~約0.20インチの範囲にあるとし得る。しかしながら、OD2の他の寸法が考慮され、それにより、本明細書では、黙示的な限定は記載されない。
【0046】
さらに、第2のセグメント408の内部穴422は、第2のセグメント408の近位端部418から遠位端部420まで延在する実質的に一定の内径ID2を有し得る。例として、及び限定ではなく、ID2は約0.06インチとし得る。さらに、ID2は、約0.01インチ~約0.150インチの範囲にあるとし得る。しかしながら、ID2の他の寸法が考慮され、それにより、本明細書では、黙示的な限定は記載されない。
【0047】
従って、第2のセグメント408は、第1のセグメント406に対して「ステップ」ダウンされ得る。その点について、第1のセグメント406の外径OD1は、第2のセグメント408の外径OD2よりも大きいとし得る。さらに、第1のセグメント406の内径ID1は、第2のセグメント408の内径ID2よりも大きいとし得る。それゆえ、第2のセグメント408が第1のセグメント406から「ステップ」ダウンされ得るため、空気駆動ラインが手術コンソール100から硝子体切除プローブ112まで延在するとき、段付き空気駆動ライン402を通って延びる通路は、不均一な横断面及び/又は直径を有し得る。2つのセグメントが示されているが、いくつかの実施形態では、任意の数のセグメントが使用され得る(例えば、3個、4個、5個など)。いくつかの実施形態では、セグメントは、コンソール100の近くになると内径がより大きくなってもよい。いくつかの実施形態では、外径もセグメント毎に変化し得る(例えば、コンソールの近いセグメントでは増大する)(又は同じままでもよい)。
【0048】
この段付き構成に基づいて、段付き空気駆動ライン402は、伝統的な空気駆動ラインチューブを使用する他の空気圧式器械と比較して、硝子体切除プローブ112の性能を高め得る。上述の通り、伝統的な空気駆動ラインチューブは、チューブの長さに沿って一定の内径を有し得る。それゆえ、チューブ内の通路のサイズは、加圧ガスが手術コンソールから手術用器械へ移動するとき、同じままとし得る。
【0049】
対照的に、段付き空気駆動ライン402は、駆動ラインの長さに沿って非一定すなわち不均一な内径(又は横断面)を有し得る。非一定の内径を使用することによって、その長さに沿ったその機能的ニーズに基づいて、段付き空気駆動ライン402を最適にできる。段付き空気駆動ライン402は、硝子体切除プローブ112に結合されるその端部において閉鎖されており、及びコンソール100に結合されているラインの端部から駆動されていると考えられ得るため、段付き空気駆動ライン402の被駆動端部は、より高いガスフロー要件を有し得る。それゆえ、ガスフローを最適にするために、段付き空気駆動ライン402の被駆動端部は、閉鎖端部よりも大きな直径を有し得る。
【0050】
ここで、第1のセグメント406は内部穴416に、セグメント408の内部穴422の内径ID2よりも大きな内径ID1を有し得る。そのようなものとして、内部穴416は、コンソール100からのラインに、より大量の加圧ガスを受け入れることができるようにし、ここでは、空気圧性能を最適にするために、大流量の圧縮ガスが最も重要である。
【0051】
さらに、上述の通り、非一定の内径の使用は、その長さに沿ったその機能的ニーズに基づいて、段付き空気駆動ライン402を最適にできるようにする。その点について、伝統的な空気駆動ラインは一定の直径を有しているため、硝子体切除プローブ112に隣接する駆動ラインの部分は、手術コンソール100によって駆動されている他方の端部で必要とされるものと同じ大きな内径を有し得る。そのようなものとして、チューブは、理想的なサイズ及び質量よりも大きいものを有し得、その結果、チューブは、一般に、硝子体切除プローブ112の近くで望まれるものよりも柔軟性が劣る可能性がある。
【0052】
段付き空気駆動ライン402は、この問題に対処し得る。上述の通り、段付き空気駆動ライン402は、セグメント406の内径ID1及び外径OD1よりも小さな内径ID2及び外径OD2を有する第2のセグメント408を含み得る。そのようなものとして、段付き空気駆動ライン402は、硝子体切除プローブ112に隣接して、より細い駆動ライン(例えば第2のセグメント408)を提供し得、ここでは、柔軟性が高く且つ低質量であることが、硝子体切除プローブ112のユーザには重要である。いくつかの実施形態では、段付き空気駆動ラインは、手術コンソール100により近い空気ラインセグメントにおいて、より大きな直径を含み得る一方で、直径のステップダウン(例えば、コネクタを介した)を有し、最後のおよそ12インチ(硝子体切除プローブ112に近接する)が、外径およそ0.125インチ及び内径0.06インチとなる(他の長さの最後のセグメント(例えば、12インチよりも長い又は短い)及び他の直径も考慮される)。それゆえ、段付き空気駆動ライン402のチューブは、コンソール100の近くをより大きな直径にすることによって、空気圧性能を最適にする一方で、硝子体切除プローブ112の近くではより高い柔軟性及び低質量を提供するように構成され得る。
【0053】
図18は、第1のセグメント406の遠位端部412を第2のセグメント408の近位端部418に結合するスリーブ414の部分的な断面図を示す。図示の通り、スリーブ414は、近位穴502、接続穴504すなわち中間穴、及び遠位穴506を有し得る。近位穴502は、第1のセグメント406の遠位端部412を受け入れるようなサイズ及び形状にされ得る。
【0054】
さらに、近位穴502は、一部には、スリーブ414の内面508によって規定される。その点について、内面508は、接続穴504の方へ向かってテーパ又は傾斜が付けられ得る。その結果、第1のセグメント406の遠位端部412は、遠位端部412に対して結合力を加えるテーパ付き内面508による圧入又は封止係合によって、スリーブ414に結合され得る。
【0055】
さらに、近位穴502は停止部510を含み得る。停止部510は、遠位端部412が接続穴504内へと延在するのを防止し得る。その点について、第1のセグメント406の遠位端部412は、スリーブ414内へ十分に挿入されると、停止部510に当接し得る。それゆえ、停止部510は、スリーブ414内への遠位端部412の過挿入を防止し得る。
【0056】
遠位穴506は、第2のセグメント408の近位端部418を受け入れるようなサイズ及び形状にされ得る。遠位穴506は、一部には、スリーブ414の内面516によって規定され得る。その点について、内面516は、接続穴504の方へテーパ又は傾斜が付けられ得る。その結果、第2のセグメント408の近位端部418は、近位端部418に対して結合力を加えるテーパ付き内面による圧入又は封止係合によって、スリーブに結合され得る。
【0057】
さらに、遠位穴506は停止部518を含み得る。停止部518は、近位端部418が接続穴504内へ延在するのを防止し得る。その点について、第2のセグメント408の近位端部418は、スリーブ414内へ十分に挿入されると、停止部518に当接し得る。それゆえ、停止部518は、スリーブ414内への近位端部418の過挿入を防止し得る。
【0058】
図示の通り、接続穴504は、近位穴502と遠位穴506との間に位置決めされ得る。接続穴は円錐形を有し得る。その点について、内面520は、接続穴504を規定し、及び遠位穴506の方へテーパが付けられ得る。そのようなものとして、近位穴502に隣接する接続穴504の開口部512は、遠位穴506に隣接する開口部514よりも大きな直径を有し得る。さらに、開口部512は、第1のセグメント406の内部穴416の内径ID1と実質的に同様の直径を有し得る。さらに、開口部514は、第2のセグメント408の内部穴422の内径ID2と実質的に同様の直径を有し得る。開口部512及び514の寸法、及び接続穴504が円錐形であるために、第1のセグメントの内部穴416と第2のセグメント408の内部穴422との間にシールが形成され得、これにより、加圧ガスがそこを通って流れることができる。
【0059】
他のテーパ付きチューブも考慮される。例えば、テーパ付き空気駆動ラインは、手術コンソール100から硝子体切除プローブ112までの連続的なテーパである。換言すると、空気駆動ラインの外面、及び穴を規定する内面は、双方とも、テーパ付き空気駆動ラインの近位端部から遠位端部までの連続的なテーパとし得る。いくつかの実施形態では、内面はテーパ付きとし得るが、外面は一定のままである。
【0060】
図19は、実施形態による、硝子体切除プローブを動作させるための方法のフローチャートを示す。フローチャートにおいて提供される要素は、説明のためのものにすぎない。提供される様々な要素が省略されてもよく、追加的な要素が追加されてもよく、及び/又は様々な要素が、下記で提供されるものとは異なる順序で実施されてもよい。
【0061】
1901において、眼にトロカールカニューレが挿入され得る。いくつかの実施形態では、トロカールカニューレは、トロカールカニューレを通して挿入された器械が硝子体及び網膜にアクセスできるようにする眼の領域に、挿入され得る。
【0062】
1903において、硝子体切除プローブは、トロカールカニューレを通って、眼内へと挿入され得る。
【0063】
1905において、硝子体切除プローブが起動され得、及び硝子体切除プローブにあるポートに入る硝子体が、硝子体切除プローブからの吸引によって除去され得る。
【0064】
1907において、硝子体切除プローブはカニューレから除去され得る。
【0065】
当業者によって、提示の実施形態に様々な修正が行われ得る。本発明の他の実施形態は、本明細書を考慮し且つ本明細書で開示した本発明を実施することから、当業者に明らかである。本明細書及び例は、例示にすぎず、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲及びその等価物によって示されるとみなされることを意図する。
態様(1)によれば、外側ポート側面開口部を備える外側切断管;
前記外側切断管内に位置決めされた内側切断管であって、切刃を有する開放遠位端部を有する内側切断管;
前記内側切断管に結合されたダイアフラムであって、前記ダイアフラムは駆動室内に位置し、及び前記ダイアフラムは、前記駆動室内における前記ダイアフラムの両側で空気の供給及びベントが交互に行われるときに、前記駆動室内で前後に動くように構成されている、ダイアフラム;
を含む、硝子体切除プローブであって、
前記内側切断管の前記開放遠位端部が、前記外側ポート側面開口部を横切って前後に動いて、前記外側ポート側面開口部に入っている組織を切断するように、前記ダイアフラムの動きが、前記内側切断管を前記外側切断管内で振動させ;
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が引込められた位置にあるときに、駆動室内壁に接触する第1の接触面を備える開放ストローク側面を含み;
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が伸ばされた位置にあるときに、対向する駆動室内壁に接触する第2の接触面を備える閉鎖ストローク側面を含み;かつ
前記第1の接触面は、前記第2の接触面よりも低い硬さの材料を含む、硝子体切除プローブである。
態様(2)によれば、前記第1の接触面はシリコーンを含み、かつ、前記第2の接触面はポリカーボネート又はポリスルホンを含む。
態様(3)によれば、前記外側切断管はベベル付き閉鎖端部を有し、ベベルの度合いは、前記ベベル付き閉鎖端部から、前記外側ポート側面開口部に対向する前記外側切断管の延長された後面ラインまで測定されるときに、およそ20~80度の範囲にある。
態様(4)によれば、ポートエッジ先端から網膜まで(PTRD)の距離は、およそ0.004~0.009インチの範囲にあり、かつ、ポートエッジから遠位プローブ先端までの測定値(PTTD)は、およそ0.005~0.010インチの範囲にあり、前記ベベル付き閉鎖端部から、前記外側ポート側面開口部に対向する前記外側切断管の延長された後面ラインまで測定されるとき、およそ60度のベベルである。
態様(5)によれば、さらに、前記内側切断管を真空にするために、前記内側切断管に結合された吸引チューブを含み;かつ、前記吸引チューブは、手術コンソールに結合されるように構成された、第1の吸引チューブ硬さの第1の吸引チューブと、前記第1の吸引チューブ及び前記硝子体切除プローブに結合された第2の吸引チューブとを含み、前記第2の吸引チューブは、前記第1の吸引チューブ硬さを下回る第2の吸引チューブ硬さを有する。
態様(6)によれば、前記第1の吸引チューブは、およそ0.060インチの内径、及び、およそ80ショアAの前記第1の吸引チューブ硬さを有し、かつ、前記第2の吸引チューブは、およそ0.060インチの内径、及び、およそ40ショアAの前記第2の吸引チューブ硬さを有し;かつ
前記第1の吸引チューブは、およそ65から95インチの範囲の長さであり、及び前記第2の吸引チューブは、前記第1の吸引チューブよりも短く、遠位端部で前記硝子体切除プローブに結合されると共に、近位端部で前記第1の吸引チューブに結合されている。
態様(7)によれば、前記外側ポート側面開口部は、およそ40~60度の範囲にある近位ポートエッジ角度、及びおよそ35~55度の範囲にある遠位ポートエッジ角度を有する。
態様(8)によれば、さらに、前記硝子体切除プローブを手術コンソールに結合する空気駆動ラインを含み、前記空気駆動ラインは、前記硝子体切除プローブに前記空気を送給するように構成された内部穴を有し、前記内部穴は、前記空気駆動ラインの長さに沿って不均一な横断面を有し、前記空気駆動ラインは第1のセグメント及び第2のセグメントを含み、前記第1のセグメントは、第1の直径を有する第1の通路を画成し、及び前記第2のセグメントは、第2の直径を有する第2の通路を画成し、前記第1の直径は前記第2の直径とは異なる。
態様(9)によれば、外側ポート側面開口部及びベベル付き閉鎖端部を備える外側切断管;
前記外側切断管内に位置決めされた内側切断管であって、前記内側切断管は、切刃を有する開放遠位端部を備える、内側切断管;
前記内側切断管に結合されたダイアフラムであって、前記ダイアフラムは駆動室内に位置し、かつ、前記ダイアフラムは、前記駆動室内における前記ダイアフラムの両側で空気の供給及びベントが交互に行われるときに、前記駆動室内で前後に動くように構成される、ダイアフラム;
を含む、硝子体切除プローブであって、
前記内側切断管の前記開放遠位端部が前記外側ポート側面開口部を横切って前後に動いて、前記外側ポート側面開口部に入っている組織を切断するように、前記ダイアフラムの動きが、前記内側切断管を前記外側切断管内で振動させ;
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が引込められた位置にあるときに、駆動室内壁に接触する第1の接触面を備える開放ストローク側面を含み;
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が伸ばされた位置にあるときに、対向する駆動室内壁に接触する第2の接触面を備える閉鎖ストローク側面を含み;かつ
前記第1の接触面は、前記第2の接触面よりも低い硬さの材料を含み、かつ
前記内側切断管は、前記外側ポート側面開口部を横切って切断する前記内側切断管の部分に、内側管縦軸に対してほぼ垂直の上部フラットエッジを含む、硝子体切除プローブである。
態様(10)によれば、前記外側ポート側面開口部は、およそ40~60度の範囲にある近位ポートエッジ角度、及びおよそ35~55度の範囲にある遠位ポートエッジ角度を有する。
態様(11)によれば、前記内側切断管の前記開放遠位端部が前記外側ポート側面開口部を横切って前後に動いて、前記外側ポート側面開口部に入っている組織を切断するように、前記ダイアフラムの動きが、前記外側切断管内で前記内側切断管を振動させ;
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が引込められた位置にあるときに、駆動室内壁に接触する第1の接触面を備える開放ストローク側面を含み;
前記ダイアフラムは、前記内側切断管が伸ばされた位置にあるときに、対向する駆動室内壁と接触する第2の接触面を備える閉鎖ストローク側面を含み;かつ
前記第1の接触面は、前記第2の接触面よりも低い硬さの材料を含む。
態様(12)によれば、さらに、前記内側切断管を真空にするために、前記内側切断管に結合された吸引チューブを含み;かつ、前記吸引チューブは、手術コンソールに結合されるように構成された、第1の吸引チューブ硬さの第1の吸引チューブと、前記第1の吸引チューブ及び前記硝子体切除プローブに結合された第2の吸引チューブとを含み、前記第2の吸引チューブは、前記第1の吸引チューブ硬さを下回る第2の吸引チューブ硬さを有する。
態様(13)によれば、前記第1の吸引チューブは、およそ0.060インチの内径、及び、およそ80ショアAの前記第1の吸引チューブ硬さを有し、かつ、前記第2の吸引チューブは、およそ0.060インチの内径、及び、およそ40ショアAの前記第2の吸引チューブ硬さを有し;かつ
前記第1の吸引チューブは、およそ65から95インチの範囲の長さであり、及び前記第2の吸引チューブは、前記第1の吸引チューブよりも短く、遠位端部で前記硝子体切除プローブに結合されると共に、近位端部で前記第1の吸引チューブに結合されている。
態様(14)によれば、さらに、前記硝子体切除プローブを手術コンソールに結合する空気駆動ラインを含み、前記空気駆動ラインは、前記硝子体切除プローブに前記空気を送給するように構成された内部穴を有し、前記内部穴は、前記空気駆動ラインの長さに沿って不均一な横断面を有し、前記空気駆動ラインは第1のセグメント及び第2のセグメントを含み、前記第1のセグメントは、第1の直径を有する第1の通路を画成し、及び前記第2のセグメントは、第2の直径を有する第2の通路を画成し、前記第1の直径は前記第2の直径とは異なる。
態様(15)によれば、前記外側ポート側面開口部に関するポートエッジ先端から網膜まで(PTRD)の距離は、およそ0.004~0.009インチの範囲にあり、及び前記外側ポート側面開口部に関するポートエッジから遠位プローブ先端までの測定値(PTTD)は、およそ0.005~0.010インチの範囲にあり、前記ベベル付き閉鎖端部から、前記外側ポート側面開口部に対向する前記外側切断管の延長された後面ラインまで測定されたときに、およそ60度のベベルである。