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特許7579430磁気ターンカウンタエラーを検出するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】磁気ターンカウンタエラーを検出するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/244 20060101AFI20241030BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20241030BHJP
   B62D 1/02 20060101ALI20241030BHJP
   B62D 6/00 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
G01D5/244 K
B62D5/04
B62D1/02
B62D6/00
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023509805
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2021070799
(87)【国際公開番号】W WO2022033850
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】16/991,731
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ギャヴィン・パトリック・コスグローヴ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・リチャード・ゴーボルド
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-122216(JP,A)
【文献】特開2019-215310(JP,A)
【文献】特開2016-113031(JP,A)
【文献】「車載向けに低消費電力を実現した高機能マイコン「V850E2/Fx4-L」を発売」,[online],日本,ルネサスエレクトロニクス株式会社,2012年02月14日,[2023年12月8日検索],インターネット<URL:https://www.renesas.com/jp/ja/about/press-room/renesas-electronics-introduces-new-v850-microcontroller-mcu-series-very-low-power-consumption-and>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00 ~ 5/252
B62D 5/00 ~ 5/32
B62D 1/02
B62D 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界ターンセンサシステムであって、
磁界角センサと、
前記磁界角センサからの出力を受信し、かつ前記出力に基づいて角度測定値を生成するように構成された信号処理経路と、
前記磁界角センサからの前記出力を処理し、かつ前記出力に基づいて四分円測定値を出力するように構成されたターンカウント経路と、
プロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、
前記ターンカウント経路からの前記四分円測定値を受信し、
前記四分円測定値が四分円間の遷移を示すと決定し、
前記四分円測定値が前記四分円間の遷移を示しているとした場合に推定される、予想される遷移角を決定し、
前記信号処理経路からの前記角度測定値を受信し、
前記角度測定値が閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していると決定し、かつ
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していると決定することに応答して、異常を示すように構成されており、
前記予想される遷移角を記憶するように構成されたメモリを更に備え、
前記プロセッサは、
前記角度測定値の複数の履歴値を前記メモリに記憶し、かつ
前記角度測定値の前記履歴値に基づいて、前記予想される遷移角を決定するように更に構成されている、磁界ターンセンサシステム。
【請求項2】
前記磁界角センサは、第1の磁界角センサを含み、前記信号処理経路は、第1の信号処理経路を含み、前記角度測定値は、第1の角度測定値を含み、前記システムは、
第2の磁界角センサと、
前記第2の磁界角センサからの出力を受信し、かつ前記出力に基づいて第2の角度測定値を生成するように構成された第2の信号処理経路と、を更に備え、
前記プロセッサは、
前記第2の信号処理経路からの前記第2の角度測定値を受信し、
前記第1の角度測定値が、前記第2の角度測定値と異なっており、その差異が、閾値角度よりも大きい、と決定し、かつ
前記第1の角度測定値が、前記第2の角度測定値と異なっており、その差異が、前記閾値角度よりも大きい、と決定することに応答して、前記異常を示すように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記角度測定値が前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していないと決定し、かつ
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していないと決定することに応答して、前記異常を示すことを控えるように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記予想される遷移角を決定することは、前記予想される遷移角を前記メモリから取り出すことを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記四分円間の遷移に対して、前記四分円間の遷移に対応する前記角度測定値の前記履歴値を平均し、かつ
前記履歴値の前記平均を、前記四分円間の遷移に対応する前記予想される遷移角として設定するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
低電力モードから起動することに応答して、前記角度測定値に対応する四分円を前記四分円測定値と比較し、
前記角度測定値に対応する前記四分円が前記四分円測定値と一致していないと決定し、かつ
前記角度測定値に対応する前記四分円が前記四分円測定値と一致していないと決定することに応答して、前記異常を示すように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記角度測定値が、閾値を超えて前記四分円測定値に対応する予想される角度範囲から逸脱していると決定し、かつ
前記角度測定値が前記閾値を超えて前記予想される角度範囲から逸脱していると決定することに応答して、前記異常を示すように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
車両を制御するように構成されたモータ制御システムであって、
前記車両のステアリングホイールに接続されたシャフトと、
磁界ターンセンサシステムであって、磁界角センサと、前記磁界角センサからの出力を受信し、かつ前記出力に基づいて角度測定値を生成するように構成された信号処理経路と、前記磁界角センサからの前記出力を処理し、かつ前記出力に基づいて四分円測定値を出力するように構成されたターンカウント経路と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、
前記ターンカウント経路からの前記四分円測定値を受信し、
前記四分円測定値が四分円間の遷移を示すと決定し、
前記四分円測定値が前記四分円間の遷移を示しているとした場合に推定される、予想される遷移角を決定し、
前記信号処理経路からの前記角度測定値を受信し、
前記角度測定値が閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していると決定し、かつ
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していると決定することに応答して、異常を示すように構成されている、磁界ターンセンサシステムと、を備え、
前記予想される遷移角を記憶するように構成されたメモリを更に備え、
前記プロセッサは、
前記角度測定値の複数の履歴値を前記メモリに記憶し、かつ
前記角度測定値の前記履歴値に基づいて、前記予想される遷移角を決定するように更に構成されている、モータ制御システム。
【請求項9】
前記磁界角センサは、第1の磁界角センサを含み、前記信号処理経路は、第1の信号処理経路を含み、前記角度測定値は、第1の角度測定値を含み、前記システムは、
第2の磁界角センサと、
前記第2の磁界角センサからの出力を受信し、かつ前記出力に基づいて第2の角度測定値を生成するように構成された第2の信号処理経路と、を更に備え、
前記プロセッサは、
前記第2の信号処理経路からの前記第2の角度測定値を受信し、
前記第1の角度測定値が、前記第2の角度測定値と異なっており、その差異が、閾値角度よりも大きい、と決定し、かつ
前記第1の角度測定値が、前記第2の角度測定値と異なっており、その差異が、前記閾値角度よりも大きい、と決定することに応答して、前記異常を示すように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記角度測定値が前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していないと決定し、かつ
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していないと決定することに応答して、前記異常を示すことを控えるように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記予想される遷移角を決定することは、前記メモリから前記予想される遷移角を取り出すことを更に含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記四分円間の遷移に対して、前記四分円間の遷移に対応する前記角度測定値の前記履歴値を平均し、かつ
前記履歴値の前記平均を、前記四分円間の遷移に対応する前記予想される遷移角として設定するように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
低電力モードから起動することに応答して、前記角度測定値に対応する四分円を前記四分円測定値と比較し、
前記角度測定値に対応する前記四分円が前記四分円測定値と一致していないと決定し、かつ
前記角度測定値に対応する前記四分円が前記四分円測定値と一致していないと決定することに応答して、前記異常を示すように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記角度測定値が、閾値を超えて前記四分円測定値に対応する予想される角度範囲から逸脱していると決定し、かつ
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される角度範囲から逸脱していると決定することに応答して、前記異常を示すように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
磁界ターンセンサシステムにおけるエラーを検出するための方法であって、
前記磁界ターンセンサシステムのターンカウント経路から四分円測定値を受信することであって、前記磁界ターンセンサシステムは、磁界角センサと、前記磁界角センサからの出力を受信し、かつ前記出力に基づいて角度測定値を生成するように構成された信号処理経路と、予想される遷移角を記憶するように構成されたメモリと、を備え、前記ターンカウント経路は、前記磁界角センサからの前記出力を処理し、かつ前記出力に基づいて前記四分円測定値を出力するように構成されている、受信することと、
前記四分円測定値が四分円間の遷移を示すと決定することと、
前記四分円測定値が前記四分円間の遷移を示しているとした場合に推定される、前記予想される遷移角を決定することと、
前記信号処理経路からの前記角度測定値を受信することと、
前記角度測定値が、閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していると決定することと、
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していると決定することに応答して、異常を示すことと、を含み、
前記角度測定値の複数の履歴値を前記メモリに記憶することと、
前記角度測定値の前記履歴値に基づいて、前記予想される遷移角を決定することと、を更に含む、方法。
【請求項16】
前記磁界角センサは、第1の磁界角センサを含み、前記信号処理経路は、第1の信号処理経路を含み、前記角度測定値は、第1の角度測定値を含み、前記磁界ターンセンサシステムは、第2の磁界角センサと、前記第2の磁界角センサからの出力を受信し、かつ前記出力に基づいて第2の角度測定値を生成するように構成された第2の信号処理経路と、を更に備え、前記方法は、
前記第2の信号処理経路からの前記第2の角度測定値を受信することと、
前記第1の角度測定値が、前記第2の角度測定値と異なっており、その差異が、閾値角度よりも大きい、と決定することと、
前記第1の角度測定値が、前記第2の角度測定値と異なっており、その差異が、前記閾値角度よりも大きい、と決定することに応答して、前記異常を示すことと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していないと決定することと、
前記角度測定値が、前記閾値を超えて前記予想される遷移角から逸脱していないと決定することに応答して、前記異常を示すことを控えることと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
低電力モードから起動することに応答して、前記角度測定値に対応する四分円を前記四分円測定値と比較することと、
前記角度測定値に対応する前記四分円が前記四分円測定値と一致してないと決定することと、
前記角度測定値に対応する前記四分円が前記四分円測定値と一致していないと決定することに応答して、前記異常を示すことと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子システムに関し、より詳細には、磁気ターンカウンタ感知素子を通してセンサエラーを検出するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気センサは、自動車ステアリングシステムを含む様々な用途において、シャフトなどの機械構成要素の線形又は円形の位置又は角度の情報を取得するために実装することができる。磁気角センサに使用される磁気感知素子は、例えば、温度変化による感度レベルの変化及び非線形性エラーに悩まされることが多く、磁気センサのセンサエラー検出機構を実装することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
記載の技術の方法及びデバイスは各々、いくつかの態様を有し、そのうちの単一の態様が単独でその望ましい属性を担うものはない。
【0004】
一態様では、磁界ターンセンサシステムが提供され、磁界ターンセンサシステムは、磁界角センサと、磁界角センサからの出力を受信し、かつ出力に基づいて角度測定値を生成するように構成された信号処理経路と、磁界角センサからの出力を処理し、かつ出力に基づいて四分円測定値を出力するように構成されたターンカウント経路と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、ターンカウント経路からの四分円測定値を受信し、四分円測定値が四分円間の遷移を示すと判定し、四分円測定値が四分円間の遷移を示す予想される遷移角を取得し、信号処理経路からの角度測定値を受信し、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定し、かつ角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定することに応答して、異常を示すように構成されている。
【0005】
磁界角センサは、第1の磁界角センサを含むことができ、信号処理経路は、第1の信号処理経路を含み、角度測定値は、第1の角度測定値を含み、本システムは、第2の磁界角センサと、第2の磁界角センサからの出力を受信し、かつ出力に基づいて第2の角度測定値を生成するように構成された第2の信号処理経路と、を更に備え、プロセッサは、第2の信号処理経路からの第2の角度測定値を受信し、第1の角度測定値が、閾値角度よりも大きく第2の角度測定値と異なると判定し、かつ第1の角度測定値が、閾値角度よりも大きく第2の角度測定値と異なると判定することに応答して、異常を示すように更に構成されている。
【0006】
プロセッサは、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していないと判定し、かつ角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していないと判定することに応答して、異常を示すことを控えるように更に構成することができる。
【0007】
本システムは、予想される遷移角を記憶するように構成されたメモリを更に備えることができ、予想される遷移角を取得することは、予想される遷移角をメモリから取り出すことを更に含む。
【0008】
プロセッサは、角度測定値の複数の履歴値をメモリに記憶し、かつ角度測定値の履歴値に基づいて、予想される遷移角を判定するように更に構成することができる。
【0009】
プロセッサは、四分円間の遷移に対して、四分円間の遷移に対応する角度測定値の履歴値を平均し、かつ履歴値の平均を、四分円間の遷移に対応する予想される遷移角として設定するように更に構成することができる。
【0010】
プロセッサは、低電力モードからの起動に応答して、角度測定値に対応する四分円を四分円測定値と比較し、角度測定値に対応する四分円が四分円測定値と一致していないと判定し、かつ角度測定値に対応する四分円が四分円測定値と一致していないと判定することに応答して、異常を示すように更に構成することができる。
【0011】
プロセッサは、角度測定値が、閾値を超えて四分円測定値に対応する予想される角度範囲から逸脱していると判定し、角度測定値が、閾値を超えて予想される角度範囲から逸脱していると判定することに応答して、異常を示すように更に構成することができる。
【0012】
別の態様では、車両を制御するように構成されたモータ制御システムが提供され、モータ制御システムは、車両のステアリングホイールに接続されたシャフトと、磁界ターンセンサシステムであって、磁界角センサと、磁界角センサからの出力を受信し、かつ出力に基づいて角度測定値を生成するように構成された信号処理経路と、磁界角センサからの出力を処理し、かつ出力に基づいて四分円測定値を出力するように構成されたターンカウント経路と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、ターンカウント経路からの四分円測定値を受信し、四分円測定値が四分円間の遷移を示すと判定し、四分円測定値が四分円間の遷移を示す予想される遷移角を取得し、信号処理経路からの角度測定値を受信し、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定し、かつ角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定することに応答して、異常を示すように構成されている、磁界ターンセンサシステムと、を備える。
【0013】
磁界角センサは、第1の磁界角センサを含むことができ、信号処理経路は、第1の信号処理経路を含み、角度測定値は、第1の角度測定値を含み、本システムは、第2の磁界角センサと、第2の磁界角センサからの出力を受信し、かつ出力に基づいて第2の角度測定値を生成するように構成された第2の信号処理経路と、を更に備え、プロセッサは、第2の信号処理経路からの第2の角度測定値を受信し、第1の角度測定値が、閾値角度よりも大きく第2の角度測定値と異なると判定し、かつ第1の角度測定値が、閾値角度よりも大きく第2の角度測定値と異なると判定することに応答して、異常を示すように更に構成されている。
【0014】
プロセッサは、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していないと判定し、かつ角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していないと判定することに応答して、異常を示すことを控えるように更に構成することができる。
【0015】
本システムは、予想される遷移角を記憶するように構成されたメモリを更に備えることができ、予想される遷移角を取得することは、予想される遷移角をメモリから取り出すことを更に含む。
【0016】
プロセッサは、角度測定値の複数の履歴値をメモリに記憶し、かつ角度測定値の履歴値に基づいて、予想される遷移角を判定するように更に構成することができる。
【0017】
プロセッサは、四分円間の遷移に対して、四分円間の遷移に対応する角度測定値の履歴値を平均し、かつ履歴値の平均を、四分円間の遷移に対応する予想される遷移角として設定するように更に構成することができる。
【0018】
プロセッサは、低電力モードから起動することに応答して、角度測定値に対応する四分円を四分円測定値と比較し、角度測定値に対応する四分円が四分円測定値と一致していないと判定し、かつ角度測定値に対応する四分円が四分円測定値と一致していないと判定することに応答して、異常を示すように更に構成することができる。
【0019】
プロセッサは、角度測定値が、閾値を超えて四分円測定値に対応する予想される角度範囲から逸脱していると判定し、かつ角度測定値が、閾値を超えて予想される角度範囲から逸脱していると判定することに応答して、異常を示すように更に構成することができる。
【0020】
更に別の態様では、磁界ターンセンサシステムにおけるエラーを検出するための方法が提供され、本方法は、磁界ターンセンサシステムのターンカウント経路から四分円測定値を受信することであって、磁界ターンセンサシステムは、磁界角センサと、磁界角センサからの出力を受信し、かつ出力に基づいて角度測定値を生成するように構成された信号処理経路と、を備え、ターンカウント経路は、磁界角センサからの出力を処理し、かつ出力に基づいて四分円測定値を出力するように構成されている、受信することと、四分円測定値が四分円間の遷移を示すと判定することと、四分円測定値が四分円間の遷移を示す予想される遷移角を取得することと、信号処理経路から角度測定値を受信することと、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定することと、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定することに応答して、異常を示すことと、を含む。
【0021】
磁界角センサは、第1の磁界角センサを含むことができ、信号処理経路は、第1の信号処理経路を含み、角度測定値は、第1の角度測定値を含み、磁界ターンセンサシステムは、第2の磁界角センサと、第2の磁界角センサからの出力を受信し、かつ出力に基づいて第2の角度測定値を生成するように構成された第2の信号処理経路とを更に備え、本方法は、第2の信号処理経路からの第2の角度測定値を受信することと、第1の角度測定値が、閾値角度よりも大きく第2の角度測定値と異なると判定することと、第1の角度測定値が、閾値角度よりも大きく第2の角度測定値と異なると判定することに応答して、異常を示すことと、を更に含む。
【0022】
本方法は、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していないと判定することと、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していないと判定することに応答して、異常を示すことを控えることと、を更に含むことができる。
【0023】
本方法は、低電力モードから起動することに応答して、角度測定値に対応する四分円を四分円測定値と比較することと、角度測定値に対応する四分円が四分円測定値と一致していないと判定することと、角度測定値に対応する四分円が四分円測定値と一致していないと判定することに応答して、異常を示すことと、を更に含むことができる。
【0024】
本明細書におけるこれらの図面及び関連する記載は、本発明の特定の実施形態を例示するために提供され、限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】ある特定の実施形態による、エラー検出システムの例示的な実装形態の概略図である。
図1B】ある特定の実施形態による、エラー検出システムの例示的な実装形態の概略図である。
図2A】一実施形態による、第1のセンサの例示的な実装形態の図を示す。
図2B】本開示の態様による、シャフトの角度が現在位置する四分円を判定するために使用することができる複数の比較器の構成を例示するブロック図である。
図2C】本開示の態様による、第1の比較器及び第2の比較器に供給される、正弦ブリッジ及び余弦ブリッジからの第1の出力及び第2の出力の実施例を例示する。
図2D】本開示の態様による、第1の比較器及び第2の比較器に供給される、正弦ブリッジ及び余弦ブリッジからの第1の出力及び第2の出力の実施例を例示する。
図3】本開示の態様による、ターンカウントにおけるエラーを検出するように構成された磁界ターンセンサシステムの例示的な実装形態のブロック図である。
図4】本開示の態様による、第2のセンサにおけるエラーを検出するための方法の例示的な実装形態のフローチャートである。
図5】本開示の態様による、比較器におけるエラーを検出するための方法の例示的な実装形態のフローチャートである。
図6】本開示の態様による、比較器126におけるエラーを検出するための方法600の例示的な実装形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
新規なシステム、装置、及び方法の様々な態様が、添付の図面を参照して以下により十分に記載される。しかしながら、この開示の態様は、多くの異なる形式で具現化され得、本開示を通して提示される任意の特定の構造又は機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本明細書の教示に基づいて、当技術分野の当業者には、本開示の範囲が、任意の他の態様とは独立して実装されるか又は任意の他の態様と組み合わせて実施されるかにかわらず、本明細書に開示される新規なシステム、装置、及び方法の任意の態様を網羅することを意図していることを諒解されたい。例えば、本明細書に記載の態様の任意の数を使用して、装置が実装され得るか、又は方法が実施され得る。加えて、本範囲は、本明細書に記載の様々な態様に加えて、又はそれらの態様以外に、他の構造を使用して、他の機能を使用して、又は他の構造と機能を使用して実施されるそのような装置又は方法を包含することを意図している。本明細書に開示の任意の態様は、特許請求の範囲の1つ以上の要素によって具現化され得ることを理解されたい。
【0027】
特定の態様が本明細書に記載されているが、これらの態様の多くの変形形態及び置換形態が本開示の範囲内にある。好ましい態様のいくつかの利益及び利点が言及されているが、本開示の範囲は、特定の利益、用途、又は目的に限定されることを意図するものではない。むしろ、本開示の態様は、異なる有線及び無線技術、システム構成、光学ネットワークを含むネットワーク、ハードディスク、及び伝送プロトコルに広く適用可能であることが意図されており、そのうちのいくつかは、実施例として図面及び好ましい態様の以下の記載に例示されている。詳細な記載及び図面は、限定するのではなく、本開示の例示にすぎず、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその同等物によって定義される。
【0028】
この記載では、図面が参照され、図面では、同じ参照番号が同一の又は機能的に類似した要素を示すことがある。図に例示する要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。また、ある特定の実施形態は、図面に例示されているよりも多くの要素及び/又は図面に例示されている要素のサブセットを含むことがあることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の好適な組み合わせも組み込むことがある。
【0029】
磁界ターンセンサシステムの概要
図1A及び図1Bは、ある特定の実施形態による、エラー検出システムの例示的な実装形態の概略図である。例示する実装形態100は、シャフト106、磁石104、磁界ターンセンサシステム又は感知回路102、及び回路基板108を含む。感知回路102の実施形態は、以下の図2~3に関連して更に記載される。磁石104は、回転シャフト106に取り付けることができる。回転シャフト106は、ある特定の実装形態では、自動車のステアリングホイールに関連付けることができる。感知回路102は、磁石104の位置の変化を感知し、回転シャフト106の回転の示唆を提供することができる。図1A及び図1Bに例示する感知回路102と磁石104との位置関係は、例示のためのものである。別の実施形態では、実装形態は、磁石104がシャフト106の端部に位置する双極子磁石とすることができ、かつ感知回路102が磁石104の下に位置することができる、シャフト端部構成を使用することができる。位置関係は異なることがある。一実施形態では、感知回路102は、2つのセンサ、すなわち、第1のセンサ及び第2のセンサを含むことができる。第2のセンサは、第1のセンサと同じでも異なっていてもよい。例えば、第2のセンサは、堅牢性を確保するために、異なる感知原理及び異なるシグナルチェーン設計を使用することができる。
【0030】
実施形態では、開示の装置及び/又は方法を実装するために、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、巨大磁気抵抗(GMR)センサ、若しくはトンネル磁気抵抗(TMR)センサ、又は任意の他の適切な磁気抵抗(XMR)センサなどの磁気センサを使用することができる。いくつかの実施形態では、磁気センサは、磁気抵抗センサ内の自由層の磁化方向に比例する抵抗率の変化を測定することができる。AMRセンサ及びTMRセンサなどの磁気センサ、並びに磁気センサの感知素子の様々な組み合わせを使用することによって、エラーを検出することができる。
【0031】
ある特定のモータ制御用途では、モータコントローラが電源切断されているときでも、シャフト106が回転するターン数をモニタリングすることが有益である。そのようなシステムは、システムの電源がオフにされている間に、シャフト106が外力によって移動される可能性がある場合に生じることがある。この課題に対処するために、低電力回路(感知回路102の一部として含むことができる)は、モータ制御システムの残りの部分が電源切断されている間にシャフト106の回転を連続的にモニタリングするように構成することができる。
【0032】
シャフト106の回転又はターン数をモニタリングすることが有益であり得るシステムの実施例は、自動車における電動アシストステアリング(ePAS)システムである。多くのePASシステムでは、シャフト106の角度は、システムが正常に動作しているときにモータ制御機能の一部としてモニタリングされる。低電力感知回路102を使用して、正常動作中にシャフト106のターンの追跡を続けることもできる。
【0033】
モータシャフト106が回転したターン数は、ある特定の車両機能にとって重要な変数であり得る。例えば、ステアリングホイールシャフトのターン数測定値におけるエラーは、誤ったステアリング角度の検出する結果をもたらすことがあり、これは、危険な状況を引き起こすことがある。したがって、ターンカウントを正確に測定し、角度測定値におけるあらゆるエラーをモータ制御システムにフラグ付けすることが重要であることがある。低電力ターンカウンタに診断カバレッジを設けることは、典型的な診断技術が追加の電力を消費し得るため、困難である。例えば、低電力回転感知回路102は、自動車の電源がオフになっている間にあまりにも多くの電力を消費することが、自動車バッテリを時期尚早に消耗させ得るため、限られた電力消費バジェットを有し得る。これにより、あまりにも多くの追加電力を消費するエラー検出診断を追加することは、感知回路102の電力使用量が電力消費バジェットを超える結果となることがある。
【0034】
本開示では、感知回路102は、感知回路によって測定された四分円間の遷移角をモニタリングするために、より多くの信号処理経路のうちの1つからの角度測定値を使用することができる。検出回路102の構成要素におけるエラーは、測定された遷移角を予想される遷移角と比較することによって検出することができる。例えば、感知回路102の構成要素におけるある特定のエラーは、感知回路102が四分円間で遷移する特定の角度に影響を及ぼすことになるが、これは、測定された遷移角を所定の予想される遷移角と比較することによって検出することができる。
【0035】
本開示の態様は、例えば、感知回路102を含む磁気角度センサに実装することができる。そのような磁気センサとしては、AMR感知素子及びTMR感知素子、シグナルコンディショニングエレクトロニクス及びインターフェースを挙げることができる。実装に応じて、インターフェースは、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)、シングルエッジニブル伝送(SENT)インターフェース、PAS4などのペリフェラルアクセラレーションセンサ(PAS)インターフェースのうちの1つ以上を含み得る。一用途では、インターフェースは、ホスト電子制御ユニット(ECU)との通信のために、車両内でのエアバッグ展開に使用されるリモート加速度計のためのPAS4インターフェースなどのPASインターフェースとすることができる。磁気角度センサは、自動車のePASシステムに実装することができる。そのようなシステムは、道路車両の機能安全規格であるISO-26262に従って定義された機能安全仕様を有する。本明細書で考察される原理及び利点は、機能的安全仕様を満たすために、感知回路102がePASシステムにおいて低電力モードで動作している間に、シャフト106(例えば、ステアリングホイールに関連付けられ得る)のターンカウント測定値におけるエラーを検出するために実装することができる。他の実施例では、例示する実装100は、他の仕様又は規格に準拠する他のシステム、又は低電力ターンカウント用途でエラー検出を必要とするシステムで使用することができる。
【0036】
本明細書に記載のように、磁気センサは、典型的には、2つの完全なブリッジ、例えば、余弦ブリッジ及び正弦ブリッジを含む。余弦ブリッジ及び正弦ブリッジの各々は、電圧、すなわち、VCOS及びVSINを出力する。例えば、単一の双極子磁石を使用するAMRセンサでは、「電気角」は、arctan(VSIN/VCOS)から計算される角度として理解することができ、本明細書でANGLEMAGとして表される「磁気角」は、「電気角」を2で除算することによって計算することができる。2つのブリッジが互いに約45°で回転するAMRの場合、2つのブリッジの出力は、約90°の相対位相シフトを有する正弦であり、センサの電気応答は、磁気角の2倍である。別の実施例では、TMRセンサの場合、「電気角」は、「磁気角」と同じとすることができる。更に、「機械角」は、磁石設計に基づいて判定された角度として理解することができ、これは機械-磁気角伝達関数に反映することができる。「機械角」及び「磁気角」は、互いに同じであっても異なっていてもよい。例えば、単一の極対磁石を使用する実施形態では、「機械角」及び「磁気角」は同じである。極リングのなどの多極磁石を使用する実施形態では、「機械角」は、(ANGLEMAG/N)として表すことができ、ここで、Nは、極対の数である。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示するシステム及び方法は、双極子磁石又はリング磁石などの1つ以上の磁性要素を含み得る、回転シャフトを有する装置に適用され得る。感知素子による磁界の測定値は、シャフトの回転角を判定するために使用することができる。
【0038】
磁界ターンセンサシステム及びエラー検出技術の実施例
図2Aは、一実施形態による、第1のセンサ110の例示的な実装形態の図を示している。第1のセンサ110は、1つ以上のハーフブリッジを備えている。2つ以上のハーフブリッジを含むセンサ110は、1つ以上のフルブリッジとして構成することができる。図2Aに例示する例示的な第1のセンサ110は、4つのハーフブリッジのシステムとして構成された8つの感知素子R1~R8を含む。図2Aに例示するように、第1のセンサ110は、出力V1を有する第1のハーフブリッジを形成する感知素子R1及びR3と、第2の出力V2を有する第2のハーフブリッジを形成する感知素子R2及びR4と、出力V3を有する第3のハーフブリッジを形成する感知素子R5及びR7と、出力V4を有する第4のハーフブリッジを形成する感知素子R6及びR8とを含む。
【0039】
ハーフブリッジシステムの複数のハーフブリッジ(又は対になったハーフブリッジであるフルブリッジ)は、互いに対してある角度で配向され、異なる方向の磁界に敏感であるように構成することができる。図2Aでは、感知素子R1~R4を含むフルブリッジと、感知素子R5~R8を含むフルブリッジとは、互いに対して角度αで配向される。図示の実施形態では、α=約45°である。実施形態では、二対のハーフブリッジ(フルブリッジである)の各々は、個々のチャネル、すなわち、第1のチャネル及び第2のチャネルを形成することができ、それらのチャネルの各々は、第1のセンサとインターフェースとの間の経路である。ここで、一方のフルブリッジは、余弦ブリッジに対応することができ、他方のブリッジは、正弦ブリッジに対応することができる。例えば、余弦ブリッジは、感知素子R1~R4を含むことができ、正弦ブリッジは、感知素子R5~R8を含むことができ、ここで、V2~V1=VCOS及びV4~V3=VSINである。正弦ブリッジ及び余弦ブリッジのうちの一方のブリッジは、第1のセンサ110からインターフェースまでの第1の経路である、第1のチャネルに含めることができる。正弦ブリッジ及び余弦ブリッジのうちの他方のブリッジは、第1のセンサ110からインターフェースまでの第2の経路である、第2のチャネルに含めることができる。第1の経路は、第2の経路とは異なる。他の実施形態では、ハーフブリッジのシステムは、図2Aに例示する実施形態よりも多く又は少ないハーフブリッジを含み得る。
【0040】
図2Bは、本開示の態様による、シャフト106の角度が現在位置する四分円を判定するために使用することができる複数の比較器126の構成を示すブロック図である。例えば、この構成は、正弦フルブリッジ203a及び余弦フルブリッジ203bを例示し、これらは、図2Aに例示するフルブリッジに類似し得る。正弦ブリッジ203aは、正の出力207P及び負の出力207Mを生成するように構成され、余弦ブリッジ203bは、正の出力205P及び負の出力205Mを生成するようにも構成されている。正弦ブリッジ203a及び余弦ブリッジ203bからの出力205P、205M、207P、及び207Mは、シャフト106の現在の配向に応じて変化することになる。より詳細には、余弦ブリッジ203bからの正の出力205P及び負の出力205Mは、第1の比較器126aに提供される一方、正弦ブリッジ203aからの正の出力207P及び負の出力207Mは、第2の比較器126bに提供される。
【0041】
図2C及び図2Dは、本開示の態様による、第1の比較器126a及び第2の比較器126bに供給される、正弦ブリッジ203a及び余弦ブリッジ203bからの出力205P、205M、207P、及び207Mの実施例を例示している。図2Cに示すように、出力205P、205M、207P、及び207Mの各々は、シャフト106が360°回転するにつれて変化する。余弦ブリッジ203bからの正の出力及び負の出力205P及び205Mを例にとると、シャフト106が180°だけ離れた2つの点で回転すると、出力205P及び205Mが交差する。正弦ブリッジ203aからの正の出力207P及び負の出力207Mはまた、180°だけ分離された2つの点で互いに交差し、2つの点は、余弦ブリッジ203bからの出力205P及び205Mから90°だけオフセットされている。図2B及び図2Dを参照すると、第1の比較器126aは、余弦ブリッジ203aからの出力205P及び205Mの値を比較して、第1のデジタル出力209(信号表現及びデジタル表現の両方で例示されている)を生成し、第2の比較器126bは、正弦ブリッジ203bからの出力207Pの値と207Mの値とを比較して、第2のデジタル出力211(これも信号表現及びデジタル表現で示されている)を提供する。プロセッサは、第1のデジタル出力209及び第2のデジタル出力211を使用して、シャフトの角度が現在どの四分円に位置しているかを識別することができる。
【0042】
図3は、本開示の態様による、ターンカウントにおけるエラーを検出するように構成された磁界ターンセンサシステム102の例示的な実装形態のブロック図である。特に、磁界ターンセンサシステム102は、第1の信号処理経路111と、第2の信号処理経路113と、ターンカウント経路115と、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113及びターンカウント経路115の各々に接続された処理ユニット117と、メモリ119とを含む。第1の信号処理経路111は、第1のセンサ110、増幅器112、アナログ-デジタル変換(ADC)114、及び角度計算器116を含む。第2の信号処理経路113は、第2のセンサ118、増幅器120、ADC122、及び角度計算器124を含む。ある特定の実施形態では、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113の構成要素は、実質的に同一であり得る。加えて、いくつかの実装形態では、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113の各々は、一対の増幅器112及び120と、一対のADC114及び122とを含み得る。ターンカウント経路115は、1つ以上の比較器126及び四分円計算器128を含む。図3に示すように、比較器126は、第2の信号処理経路113の第2のセンサ118からの出力を受信するように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、比較器126は、第1のセンサ110からか、又は第1のセンサ110及び第2のセンサ118の両方からの出力を受信するように構成され得る。
【0043】
メモリ119は、ターンカウント経路115が四分円間で遷移することになる、予想される遷移角を記憶するように構成することができる。いくつかの実施形態では、メモリ119はまた、ターンカウント経路115が四分円間で遷移する角度の履歴値を記憶するように構成することができる。予想される遷移角は、比較器126におけるエラーを検出するために使用することができ、本明細書で詳細に記載されている。
【0044】
プロセッサ117は、第1の処理経路111及び第2の処理経路113の各々からの角度測定値を受信し、ターンカウント経路115からの四分円測定値を受信するように構成されている。プロセッサ117は、第1の処理経路111及び第2の処理経路113から受信した角度測定値に基づいて、シャフト106の角度を判定することができる。プロセッサ117はまた、ターンカウント経路115からの四分円測定値を経時的に追跡することによって、ターンカウント(例えば、「ゼロ」ターン位置として定義され得るニュートラル位置に対してシャフト106が回転されたターン数)を判定することができる。
【0045】
磁界ターンセンサシステム102においてエラーが発生し得るいくつかの潜在的な場所がある。具体的には、プロセッサ117によって判定されたターンカウントに最終的に影響を及ぼし得るエラーは、第2のセンサ118、比較器126、及び/又は四分円計算器128において発生するエラーを含む。そのため、プロセッサ117がターンカウントにおける潜在的なエラーをモータ制御システムにフラグ付けするために、本開示の態様は、上記のエラーソースの各々を検出するために使用することができるシステム及び技術に関する。
【0046】
第2のセンサ118における潜在的なエラー及び/又は四分円計算器128におけるある特定のエラーを検出するために、プロセッサ117は、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113の冗長性を活用するように構成することができる。例えば、磁界ターンセンサシステム102がエラーなしで動作している場合、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113の各々によって提供される角度測定値は、同じ又はほぼ同じであるべきである。これにより、第2のセンサ118においてエラー(例えば、オフセット)が発生した場合、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113によって提供される角度測定値はずれが生じることになる。例えば、オフセットは、実際の角度に関係なく、測定された角度と実際の角度との間の固定された差を指し得る。いくつかの状況では、ハーフブリッジ出力205P、205M、207P、及び207Mのうちの1つにおける電圧オフセットは、ブリッジの差動電圧出力を変化させ、角度エラーを引き起こすことがある。オフセットはまた、ブリッジ素子R1~R8のうちの1つ以上における欠陥によって引き起こされ得る。
【0047】
発生することがある別の例示的なエラーは、実際の角度と測定された角度との間の差を指し得る利得エラーであり、これは実際の角度とともに直線的に増加し得る。いくつかの場合では、利得エラーは、ブリッジ経路のうちの1つに影響を与え得、その結果、余弦ブリッジ出力205P及び205M、並びに正弦ブリッジ出力207P及び207Mは、異なる振幅を有するか、又はブリッジ出力における開放を引き起こす欠陥を有し、それにより、回転方向が変化したように見えることがある。発生することがある更に別の例示的なエラーは、実際の角度と非線形に変化する測定された角度と実際の角度との差である非線形性である。更に別の例示的なエラーは、1つ以上のブリッジ信号処理経路111及び113の較正を制御するタイミングエラーを含み、それにより、較正が誤って適用されることがある。
【0048】
図4は、本開示の態様による、第2のセンサ118におけるエラーを検出するための方法400の例示的な実装形態のフローチャートである。方法400は、磁界ターンセンサシステム102のプロセッサ117によって実行され得る。しかしながら、他の実施形態では、方法400のある特定のブロックは、代わりに、例えば、回路基板108上に位置し得る他の構成要素によって実行され得る。ターンカウント経路115が第1のセンサ110及び第2のセンサ118の各々から出力を受信するいくつかの実施形態では、方法400は、第1のセンサ110及び第2のセンサ118の両方におけるエラーを検出するように修正され得る。
【0049】
方法400は、ブロック401において開始する。ブロック402において、プロセッサ117は、第1の信号処理経路111からの第1の角度測定値を受信し、かつ第2の信号処理経路113からの第2の角度測定値を受信する。ブロック404において、プロセッサ117は、第1の角度測定値と第2の角度測定値とを互いに比較する。ブロック406において、プロセッサ117は、第1の角度測定値と第2の角度測定値との差が閾値を超えるかどうかを判定する。
【0050】
第1の角度測定値と第2の角度測定値との差が閾値を超えていることに応答して、方法400は、ブロック408に進み、ブロック408において、プロセッサは、角度測定値における可能な異常を示す。すなわち、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113によって判定されたシャフト106の角度の個々の測定値が閾値を超えて異なる場合、プロセッサ117は、この矛盾に、第1のセンサ110及び第2のセンサ118のうちの1つにエラーがあることを潜在的に示すものとしてフラグ付けすることができる。自動車の電源がオンになると、モータ制御システムは、磁界ターンセンサシステム102のプロセッサ117から異常を受信し、ターンカウントセンサにおける潜在的なエラーを軽減するための1つ以上のアクションをとることができる。
【0051】
第1の角度測定値と第2の角度測定値との差が閾値未満であることに応答して、方法400はブロック410に進み、ブロック410において方法400は終了する。いくつかの実装形態では、ブロック410で終了した後に方法400がブロック401に戻るようにループで実行され得、その結果、新しい一組の角度測定値を比較することができる。
【0052】
第2のセンサ118における潜在的なエラーを検出することに加えて、磁界ターンセンサシステム102は、シャフト106が四分円間で遷移する角度が予想される遷移角から逸脱しているかどうかを検出することによって、比較器126における潜在的なエラーを検出するように構成することができる。特に、磁界ターンセンサシステム102においてエラーがない場合、シャフト106が回転するにつれて、ターンカウント経路115によって判定される特定の四分円測定値は、既知の反復可能な角度(例えば、予想される遷移角)で現在の四分円から隣接する四分円に遷移する。しかしながら、比較器126においてエラーがある場合、ターンカウント経路115が四分円間の遷移を検出する特定の角度は、予想される遷移角から逸脱することになる。これにより、四分円間の遷移が発生する角度と予想される遷移角との間のずれを検出することによって、磁界ターンセンサシステム102は、比較器126のうちの1つ以上にエラーがあると判定することができる。
【0053】
ターンカウント経路115から出力された四分円測定値は、モータ制御システム(例えば、自動車を制御するために使用される)が電源オフにされている間、シャフト106のターンカウントを判定するために、プロセッサ117で使用することができる。モータ制御システムの安全性のために、システムは、システムの電源がオンにされると、磁界ターンセンサシステム102によって提供されるターンカウントに依拠することができるように、システムの電源がオフになっている間、シャフト106の回転を追跡することが重要である。例えば、モータ制御システムの電源がオフされている間に、車両のステアリングホイールに接続されたシャフト106が360°回転された場合、この回転を知ることなく、モータ制御システムによって命令されたステアリング角度は、シャフト106の未検出の回転に起因して、ステアリングホイールの意図された位置から逸脱する。
【0054】
いくつかの実施形態では、磁界ターンセンサシステム102が起動時に機能していると判定するために、プロセッサ117は、四分円計算器128から受信したターンカウント四分円を、角度計算器116及び124から受信した角度に対応する四分円と比較して、2つの四分円が一致することを保証することができる。例えば、ターン四分円計算器128が四分円3(又は八分円が出力される場合は八部円3a)を報告し、角度計算器116及び124が四分円3(又は八部円3a)内にある角度を報告する場合、プロセッサ117は、異常を生成しないことになる。対照的に、角度計算器116及び124が、四分円3(又は八分円3a)内に収まらない角度を報告する場合、プロセッサ17は、異常を生成し、これは、四分円計算器128内の異常として解釈され得る。
【0055】
図5は、本開示の態様による、比較器126におけるエラーを検出するための方法500の例示的な実装形態のフローチャートである。方法500は、磁界ターンセンサシステム102のプロセッサ117によって実行され得る。しかしながら、他の実施形態では、方法500のある特定のブロックは、代わりに、例えば、回路基板108上に位置し得る他の構成要素によって実行され得る。
【0056】
方法500は、ブロック501において開始する。ブロック502において、プロセッサ117は、ターンカウント経路115からの四分円測定値を受信する。実施形態に応じて、磁界ターンセンサシステム102は、単一の信号処理経路113、又は第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113を含むことができる。ターンカウント経路115は、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113のうちの少なくとも1つの磁界角センサからの出力を受信するように構成されている。
【0057】
ブロック504において、プロセッサ117は、四分円測定値が四分円間の遷移を示すと判定する。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ117は、四分円測定値が、以前に受信した四分円測定値に対して異なる四分円を示すと判定し、これにより、シャフト106が四分円間で遷移したと判定することができる。上記のように、四分円計算器128は、比較器126から受信した第1のデジタル出力209及び第2のデジタル出力211に基づいて、四分円測定値をプロセッサ117に出力することができる。
【0058】
ブロック506において、プロセッサ117は、四分円測定値が四分円間の遷移を示す、予想される遷移角を取得する。いくつかの実装形態では、プロセッサ117は、メモリ119から予想される遷移角を取得することができる。例えば、メモリ119は、磁界ターンセンサシステム102の特性に基づいてメモリ119内に予めプログラムされ得る予想される遷移角を記憶することができる。いくつかの実施形態では、予想される遷移角は、デジタル論理にハードコードすることができる。ある特定の実装形態では、プロセッサ117は、シャフト106が回転するときに、四分円遷移角の履歴値をメモリ119に記憶し得る。例えば、プロセッサ117は、ターンカウント経路115が四分円間の遷移を示すときに、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113から受信した角度測定値を履歴遷移角としてメモリ119内に記憶し得る。プロセッサ117は、予想される遷移角を判定するために、記憶された履歴遷移角を使用することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ117は、対応する予想される遷移角を判定するために、四分円間の所与の遷移の履歴遷移角を平均し得る。有利には、四分円遷移角の履歴値を記憶することにより、経時的なシステム内のドリフトを調整することを可能にすることができる。しかしながら、本開示の態様は、履歴遷移角の平均を使用することに限定されず、プロセッサ117は、他の技術(例えば、平均値を判定する)を使用して予想される遷移角を判定することができる。
【0059】
ブロック508において、プロセッサ117は、信号処理経路から(例えば、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113のうちの少なくとも一方から)角度測定値を受信する。ブロック510において、プロセッサ117は、角度測定値が閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定するが、閾値は、ある特定の実施形態では、メモリ119に記憶され得る。例えば、プロセッサ117は、角度測定値を予想される遷移角と比較し、角度測定値と予想される遷移角との間の差が閾値を超えるかどうかを判定することができる。その差が閾値未満である場合、プロセッサ117は、比較器126においてエラーは発生していないと判定し、ブロック501に戻ることができる。しかしながら、差が閾値を超える場合、プロセッサ117は、ブロック510に進むことができる。
【0060】
ブロック512において、プロセッサ117は、角度測定値が、閾値を超えて予想される遷移角から逸脱していると判定することに応答して、異常を示す。プロセッサ117は、異常の示唆をモータ制御システムに提供することができ、モータ制御システムは、今度は、車両の電源がオンにされたときにターンカウントセンサにおける潜在的なエラーを軽減するための1つ以上のアクションをとることができる。方法500は、ブロック514において終了する。
【0061】
図6は、本開示の態様による、比較器126におけるエラーを検出するための方法600の例示的な実装形態のフローチャートである。方法600は、磁界ターンセンサシステム102のプロセッサ117によって実行され得る。しかしながら、他の実施形態では、方法600のある特定のブロックは、代わりに、例えば、回路基板108上に位置し得る他の構成要素によって実行され得る。方法600は、図5に示す方法500とは別個のプロセスとして例示しているが、いくつかの実装形態では、方法500及び600は、比較器126又は磁界ターンセンサシステム102の他の部分におけるエラーを検出するために、並列に実行することができる。
【0062】
方法600は、ブロック601において開始する。ブロック602において、磁界ターンセンサシステム102は、低電力モードから起動する。ブロック604において、プロセッサ117は、信号処理経路から(例えば、第1の信号処理経路111及び第2の信号処理経路113のうちの少なくとも一方から)の角度測定値に対応する四分円を、ターンカウント経路115から受信した四分円測定値と比較する。ブロック606において、ブロック604における比較から四分円が一致する場合、方法600は、ブロック608に続く。そうではなく、ブロック604における比較から四分円が一致しない場合、本方法は、ブロック614に続く。
【0063】
例えば、ターン四分円計算器128が四分円3(又は八分円が出力される場合は八分円3a)を報告し、角度計算器116及び124が四分円3(又は八分円3a)内にある角度を報告する場合、プロセッサ117は、異常を生成しないことになる。対照的に、角度計算器116及び124が、四分円3(又は八分円3a)内に収まらない角度を報告する場合、プロセッサ117は、異常を生成し、これは、四分円計算器128内の異常として解釈され得る。
【0064】
ブロック608において、プロセッサ117は、角度測定値及び四分円測定値の更新された値を受信した。ブロック610において、プロセッサは、角度測定値を、四分円測定値に対応する予想される角度範囲と比較する。ブロック612において、角度測定値が予想される角度範囲の閾値に一致するか、又は閾値内にある場合、方法600は、ブロック608に戻ることになる。そうではなく、角度測定値が、閾値を超える予想される角度範囲と異なる(例えば、角度測定値が、閾値角度を超えて予想される角度範囲から離れている)場合、本方法は、ブロック614に続くことになる。
【0065】
ブロック614において、プロセッサ117は、角度測定値が、四分円測定値に対応する予想される角度範囲から逸脱していると判定することに応答して、異常を示す。プロセッサ117は、異常の示唆をモータ制御システムに提供することができ、モータ制御システムは、今度は、車両の電源がオンにされたときにターンカウントセンサにおける潜在的なエラーを軽減するための1つ以上のアクションをとることができる。有利には、角度測定値に対応する四分円が四分円測定値と一致するかどうかを検出することによって、方法600は、四分円測定が、ある特定の値で「スタックされた」エラーを検出することができる。方法600は、ブロック616において終了する。
【0066】
結論
本開示の態様は、様々な電子デバイスにおいて実装することができる。電子デバイスの実施例としては、家電製品、家電製品の部品、電子試験装置、車両電子システムなどが挙げられるが、これらに限定されない。電子デバイスの実施例としては、コンピューティングデバイス、通信デバイス、電子家庭用電化製品、自動車電子システムなどが挙げられるが、これらに限定されない。更に、電子デバイスには、未完成の製品を含むことができる。
【0067】
文脈上明らかに限り別様に解すべき場合を除き、記載及び特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備えること(comprising)」、「含む(include)」、「含むこと(including)」などの用語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。加えて、「本明細書で」、「上で(above)」、「下で(below)」という語、及び同様の意味の用語は、本出願で使用される場合、本出願の任意の特定の部分を指すものではなく、本出願全体を指すものとする。文脈が許す場合、単数形又は複数形を使用した上記のある特定の実施形態の詳細な説明における用語はまた、それぞれ複数形又は単数形も含み得る。文脈が許す場合、2つ以上の項目のリストを参照する「又は(or)」という用語は、用語の以下の解釈を全て、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、及びリスト内の項目の任意の組み合わせ、を網羅することが意図される。
【0068】
更に、とりわけ、「できる(can)」、「できた(could)」、「あり得る(might)」、「あり得る(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「などの(such as)」などの、本明細書で使用される条件付きの言葉は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で別様に理解されない限り、ある特定の実施形態を、ある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることが一般に意図される。これにより、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素及び/又は状態が1つ以上の実施形態に任意の形で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、作者の入力若しくはプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素及び/又は状態が任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実行されるべきであるかを判定するための論理を必然的に含むことを暗示することは意図されていない。
【0069】
前述の記載及び特許請求の範囲は、一緒に「接続された」又は「結合された」要素又は特徴に言及され得る。本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「接続された」とは、1つの要素/特徴が別の要素/特徴に直接的又は間接的に接続されていることを意味し、必ずしも機械的に接続されている必要はない。同様に、特に明記しない限り、「結合された」とは、1つの要素/特徴が別の要素/特徴に直接的又は間接的に結合されていることを意味し、必ずしも機械的に結合されている必要はない。これにより、図に示される様々な概略図は、要素及び構成要素の例示的な配置を示しているが、追加の介在要素、デバイス、特徴、又は構成要素が実際の実施形態に存在し得る(図示される回路の機能性が悪影響を受けないと仮定する)。
【0070】
本明細書で使用される場合、「判定すること」という用語は、多種多様なアクションを包含する。例えば、「判定すること」は、計算すること、演算すること、処理すること、導出すること、調査すること、ルックアップすること(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造においてルックアップすること)、確認することなどを含み得る。また、「判定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「判定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含み得る。更に、本明細書で使用される「チャネル幅」は、ある特定の態様において、帯域幅を包含し得るか、又は帯域幅とも称され得る。
【0071】
上述の方法の様々な動作は、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素、回路、及び/又はモジュールなど、動作を実行できる任意の好適な手段によって実行され得る。一般に、図に例示するいずれの動作も、動作を実行することが可能な対応する機能的手段によって実行され得る。
【0072】
本開示に関連して記載する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、個別ゲート又はトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせで実装又は実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替的に、プロセッサは、任意の市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態マシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0073】
本明細書に開示する方法は、記載の方法を達成するための1つ以上のステップ又はアクションを含む。本方法のステップ及び/又はアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく、互いに交換され得る。言い換えれば、ステップ又はアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップ及び/又はアクションの順序及び/又は使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0074】
実装形態は、上記例示した正確な構成及び構成要素に限定されないことを理解されたい。様々な修正、変更、及び変形が、実装形態の範囲から逸脱することなく、上記の方法及び装置の配置、動作、及び詳細において行われ得る。
【0075】
本発明をある特定の実施形態に関して記載してきたが、本明細書に掲げる特徴及び利点の全てを提供しない実施形態を含む、当業者に明らかである他の実施形態も、本発明の範囲内である。更に、上記の様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。更に、一実施形態の文脈で示したある特定の特徴は、他の実施形態にも組み込むことができる。
【符号の説明】
【0076】
100 例示する実装形態
102 感知回路
104 磁石
106 回転シャフト
108 回路基板
110 第1のセンサ
111 第1の信号処理経路
112 増幅器
113 第2の信号処理経路
114 アナログ-デジタル変換(ADC)
115 ターンカウント経路
116 角度計算器
117 プロセッサ
118 第2のセンサ
119 メモリ
120 増幅器
122 ADC
124 角度計算器
126 比較器
128 四分円計算器
203a 正弦ブリッジ
203b 余弦ブリッジ
205M 負の出力
205P 正の出力
207M 負の出力
207P 正の出力
209 第1のデジタル出力
211 第2のデジタル出力
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6