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特許7579435ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法、装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241030BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023514831
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2022113775
(87)【国際公開番号】W WO2023045654
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】202111104003.6
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522146428
【氏名又は名称】国網区▲クゥアィ▼鏈科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】STATE GRID BLOCKCHAIN TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】5016, 5th Floor, Building 7, Guangyi Street, Xicheng District, Beijing, China
(73)【特許権者】
【識別番号】523073415
【氏名又は名称】北京電力交易中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Power Exchange Center Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 301-306, 3rd Floor, No. 86, West Chang’an Street, Xicheng District, Beijing, China
(73)【特許権者】
【識別番号】522240737
【氏名又は名称】国網数字科技控股有限公司
【氏名又は名称原語表記】State Grid Digital Technology Holding CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 8018, 8th Floor, Building 7, Guangyi Street, Xicheng District, Beijing 100053, China
(73)【特許権者】
【識別番号】518453590
【氏名又は名称】国家電網有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523073426
【氏名又は名称】江西電力交易中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangxi Power Exchange Center Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 666, Hubin East Road, Qingshanhu District, Nanchang, Jiangxi Province, China
(73)【特許権者】
【識別番号】523073437
【氏名又は名称】遼寧電力交易中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】Liaoning Power Exchange Center Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 18, Ningbo Road, Heping District, Shenyang, Liaoning Province, China
(73)【特許権者】
【識別番号】523073448
【氏名又は名称】内蒙古東部電力交易中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】EAST INNER MONGOLIA POWER EXCHANGE CENTER COMPANY LTD.
【住所又は居所原語表記】Office Building, State Grid East Inner Mongolia Electric Power Co., LTD., No. 11, Erdos East Street, Saihan District, Hohhot, Inner Mongolia, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】謝開
(72)【発明者】
【氏名】王棟
(72)【発明者】
【氏名】張顕
(72)【発明者】
【氏名】王合建
(72)【発明者】
【氏名】李達
(72)【発明者】
【氏名】謝文
(72)【発明者】
【氏名】▲ジ▼士杰
(72)【発明者】
【氏名】劉永輝
(72)【発明者】
【氏名】張楠
(72)【発明者】
【氏名】玄佳興
(72)【発明者】
【氏名】孫田
(72)【発明者】
【氏名】柏徳勝
(72)【発明者】
【氏名】張聖楠
(72)【発明者】
【氏名】李▲シィン▼
(72)【発明者】
【氏名】陳剛
(72)【発明者】
【氏名】賈海清
(72)【発明者】
【氏名】張哲
(72)【発明者】
【氏名】梁赫霄
(72)【発明者】
【氏名】李青春
(72)【発明者】
【氏名】範▲クォン▼
(72)【発明者】
【氏名】陸聖芝
(72)【発明者】
【氏名】楊超
(72)【発明者】
【氏名】趙亮
(72)【発明者】
【氏名】馮景麗
(72)【発明者】
【氏名】賈帆
(72)【発明者】
【氏名】▲シィン▼通
(72)【発明者】
【氏名】趙麗花
(72)【発明者】
【氏名】李国民
(72)【発明者】
【氏名】蘇展
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-119143(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111311013(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112270550(CN,A)
【文献】特開2019-028827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法であって、
取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得するステップであって、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含むステップと、
前記構造化データと前記非構造化データを認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記認証チェーンを制御してマルチチェーンインタラクションによって前記記録データをトークンチェーンに定期的に送信するステップであって、前記認証チェーンはグリーン電力属性認証及び証書審査発給を行うためのブロックチェーンであり、前記トークンチェーンはグリーン電力消費評価及び消費ラベル審査発行を行うためのブロックチェーンであり、前記マルチチェーンインタラクションはブロックチェーンごとに識別子登録を行い、各ブロックチェーンがブロックチェーン一意識別子を有し、ブロックチェーン同士が自体のブロックチェーン識別子を通じてデータ交換を行うようにすることであるステップと、
前記認証チェーンを制御してグリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成するステップであって、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件であるステップと、
前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、前記トークンチェーンを利用してグリーン電力消費ラベルを生成するステップであって、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合であるステップと、
非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成するステップと、
前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、監視チェーンによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶するステップであって、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記マルチチェーンインタラクションによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含むステップと、を含むことを特徴とするグリーン電力認証方法。
【請求項2】
監視検査過程で取得した監視データを前記監視チェーンに記憶するステップをさらに含み、
監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶する前記ステップは、
監視検査の結果が一致しない場合、前記監視チェーンを制御して前記マルチチェーンインタラクションによって認証過程中のデータを取得し、異常データに対して検出、位置特定及び追跡を行い異常警告と予測データを含む前記異常関連データを取得し、前記異常関連データを前記監視チェーンに記憶するステップを含、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得する前記ステップは、
再生可能電力生産フルチェーン設備情報、電力業務システムの業務データ及び電力業務中の公告関連データと電子契約関連データを含む基礎データを取得するステップと、
前記再生可能電力生産フルチェーン設備情報に基づき各前記再生可能電力生産フルチェーン設備の設備コードを生成するステップと、
前記設備コードと前記電力業務システムの業務データとをマッピングさせ、関連データを取得し、前記関連データを前記構造化データとするステップと、
前記電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを仕様化処理して、処理後のデータを前記非構造化データとするステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定する前記ステップは、
前記記録データが前記第1制約条件、前記第2制約条件及び前記第3制約条件を同時に満たすとともに、前記再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コード、前記電力業務システムの業務データ及び前記電子契約関連データとの交差検証の検証結果が一致することに応答して、発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であると判定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定する前記ステップは、
前記トークンチェーンを制御して前記消費評価モデルを呼び出し、電力需要側の需要家の環境評価パラメータを取得するステップと、
前記電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及び各前記電力需要側の需要家の環境評価パラメータに対応する重み値、評価スコア及び関連度係数に基づいて、電力需要側の需要家の環境評価指標値を算出するステップと、
前記トークンチェーンを制御して前記消費評価モデルを呼び出し、電力需要側の需要家の電気エネルギーデータを取得するステップであって、前記電気エネルギーデータは自家発電施設で生成された再生可能エネルギー電力の合計、売電契約に従って購入した再生可能エネルギー電力の合計、購入したグリーン電力証書に表記された再生可能エネルギー電力の合計、上流供給者に使用される再生可能エネルギー電力の合計、目標周期内で電力需要家に使用される再生可能エネルギー電力の合計及び目標周期内で使用される全ての電力の合計を含むステップと、
前記電気エネルギーデータに基づいて、グリーン電力消費の評価指標値を算出するステップと、
前記電力需要側の需要家の環境評価指標値及び前記グリーン電力消費の評価指標値に基づき、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ブロックチェーン一意識別子は、プレフィックス情報と区別情報を含み、前記プレフィックス情報は他のブロックチェーンと共通するプレフィックスコード情報であり、前記区別情報は他のブロックチェーンと異なるコード情報であり、
各ブロックチェーンのブロックチェーン一意識別子によってブロックチェーン同士のデータ交換が実現されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成する前記ステップは、
前記認証チェーンを利用して前記記録データを呼び出し、グリーン電力属性証書の内容を確定するステップであって、前記グリーン電力属性証書の内容は、証書番号、記録番号、記録時間、発電企業、発電タイプ、生産データ、発電データ及び決済状態を含み、前記記録番号及び前記記録時間は、前記非代替性トークンによって識別子を審査発行し、前記監視チェーンによる検査に合格した後、前記トークンチェーンに記録された番号及び時間であるステップと、
前記グリーン電力属性証書の内容に基づいて、前記グリーン電力属性証書を生成するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記グリーン電力消費ラベルは、ラベル番号、記録番号、記録時間、電力使用企業、消費電力量割合、企業環境評価等級及び消費周期データを含み、前記ラベル番号及び前記記録時間は、非代替性トークンによって識別子を審査発行し、前記監視チェーンによる検査に合格した後、前記トークンチェーンに記録された番号及び時間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証装置であって、
取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得するデータ前処理手段であって、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含むデータ前処理手段と、
前記構造化データと前記非構造化データを認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記認証チェーンを制御してマルチチェーンインタラクションによって前記記録データをトークンチェーンに定期的に送信する記録手段であって、前記認証チェーンはグリーン電力属性認証及び証書審査発給を行うためのブロックチェーンであり、前記トークンチェーンはグリーン電力消費評価及び消費ラベル審査発行を行うためのブロックチェーンであり、前記マルチチェーンインタラクションはブロックチェーンごとに識別子登録を行い、各ブロックチェーンがブロックチェーン一意識別子を有し、ブロックチェーン同士が自体のブロックチェーン識別子を通じてデータ交換を行うようにすることである記録手段と、
前記認証チェーンを制御してグリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成する第1認証手段であって、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件である第1認証手段と、
前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、前記トークンチェーンを利用してグリーン電力消費ラベルを生成する第2認証手段であって、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合である第2認証手段と、
非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成する生成手段と、
前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、監視チェーンによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶する記憶手段であって、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記マルチチェーンインタラクションによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含む記憶手段と、を含むことを特徴とするグリーン電力認証装置。
【請求項10】
ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証システムであって、
データ取得モジュールと、認証チェーンと、トークンチェーンと、監視チェーンと、インタラクションモジュールと、トークンサービスモジュールと、を含み、
前記データ取得モジュールは、取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得して、前記構造化データ及び前記非構造化データを前記認証チェーンに送信し、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含み、
前記認証チェーンは、前記構造化データと前記非構造化データを前記認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記インタラクションモジュールによって前記記録データを前記トークンチェーンに定期的に送信し、
前記認証チェーンは、さらに、グリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、グリーン電力属性証書を生成し、ここで、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件であり、
前記トークンチェーンは、消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、グリーン電力消費ラベルを生成し、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合であり、
前記トークンサービスモジュールは、非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成し、
前記監視チェーンは、前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶し、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記インタラクションモジュールによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含み、
前記インタラクションモジュールは、前記認証チェーン、前記トークンチェーン及び前記監視チェーンのそれぞれに対して、対応するブロックチェーン一意識別子を生成し、前記認証チェーン、前記トークンチェーン及び前記監視チェーンが前記インタラクションモジュールによってデータ交換を行うようにすることを特徴とするグリーン電力認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理の技術分野に関し、特にブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギーは、エネルギー・経済のグリーン化を推進する主な手段であり、再生可能エネルギーの利用割合をさらに高め、量と価格を確保しながら新エネルギーを利用することは、クリーンで、低炭素で、安全かつ高効率なエネルギーシステムの構築を推進し、新エネルギーを主とする新型電力システムの構築を加速させ、カーボンピークアウト及びカーボンニュートラルへのサービスをより良くする上で、非常に重要な意義がある。
【0003】
しかし、従来では、グリーン電力属性認証とグリーン電力消費評価の関連基準がなく、統一的な基準認証と消費評価のプロセスや方法がまだ確立されておらず、グリーン再生可能エネルギーの発展が著しく制限されている。従来の技術的解決手段では、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証体制が提案されているものの、サンプリングメーターのデータを収集してブロックチェーン化して記憶することに過ぎず、グリーン電力の属性を正確に判定することができず、認証機構が正確さに欠け、再生可能エネルギーの属性認証及び評価消費の過程における情報の非対称性やデータの不透明性などの問題も解決できず、再生可能エネルギーの発展を推進するために効果的な技術サポートを提供するニーズに対応することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題に対して、本発明は、再生可能エネルギーの認証機構の不正確性、再生可能エネルギーの属性認証及び評価消費の過程における情報の非対称性及びデータの不透明性の問題を解決する、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法、装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成させるために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0006】
本発明は、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法であって、
取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得するステップであって、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コード(Identifier)と電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含むステップと、
前記構造化データと前記非構造化データを認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記認証チェーンを制御してマルチチェーンインタラクションによって前記記録データをトークンチェーンに定期的に送信するステップであって、前記認証チェーンはグリーン電力属性認証及び証書審査発給を行うためのブロックチェーンであり、前記トークンチェーンはグリーン電力消費評価及び消費ラベル審査発行を行うためのブロックチェーンであり、前記マルチチェーンインタラクションは、各ブロックチェーンがブロックチェーン一意識別子を有するように、ブロックチェーンごとに識別子登録を行い、ブロックチェーン同士が自体のブロックチェーン識別子を通じてデータ交換を行うようにすることであるステップと、
前記認証チェーンを制御してグリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成するステップであって、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件であるステップと、
前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、前記トークンチェーンを利用してグリーン電力消費ラベルを生成するステップであって、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合であるステップと、
非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成するステップと、
前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、監視チェーンによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶するステップであって、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記マルチチェーンインタラクションによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含むステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記方法は、
監視検査過程で取得した監視データを前記監視チェーンに記憶するステップをさらに含み、
監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶する前記ステップは、
監視検査の結果が一致しない場合、前記監視チェーンを制御して前記マルチチェーンインタラクションによって認証過程中のデータを取得し、異常データを処理して、前記異常関連データを取得し、前記異常関連データを前記監視チェーンに記憶するステップを含み、前記異常関連データは、異常警告と予測データを含む。
【0008】
好ましくは、取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得する前記ステップは、
再生可能電力生産フルチェーン設備情報、電力業務システムの業務データ及び電力業務中の公告関連データと電子契約関連データを含む基礎データを取得するステップと、
前記再生可能電力生産フルチェーン設備情報に基づき各前記再生可能電力生産フルチェーン設備の設備コードを生成するステップと、
前記設備コードと前記電力業務システムの業務データとをマッピングさせ、関連データを取得し、前記関連データを前記構造化データとするステップと、
前記電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを仕様化処理して、処理後のデータを前記非構造化データとするステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定する前記ステップは、
前記記録データが前記第1制約条件、前記第2制約条件及び前記第3制約条件を同時に満たすとともに、前記再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コード、前記電力業務システムの業務データ及び前記電子契約関連データとの交差検証の検証結果が一致することに応答して、発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であると判定するステップを含む。
【0010】
好ましくは、前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定する前記ステップは、
前記トークンチェーンを制御して前記消費評価モデルを呼び出し、電力需要側の需要家の環境評価パラメータを取得するステップと、
前記電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及び各前記電力需要側の需要家の環境評価パラメータに対応する重み値、評価スコア及び関連度係数に基づいて、電力需要側の需要家の環境評価指標値を算出するステップと、
前記トークンチェーンを制御して前記消費評価モデルを呼び出し、電力需要側の需要家の電気エネルギーデータを取得するステップであって、前記電気エネルギーデータは自家発電施設で生成された再生可能エネルギー電力の合計、売電契約に従って購入した再生可能エネルギー電力の合計、購入したグリーン電力証書に表記された再生可能エネルギー電力の合計、上流供給者に使用される再生可能エネルギー電力の合計、目標周期内で電力需要家に使用される再生可能エネルギー電力の合計及び目標周期内で使用される全ての電力の合計を含むステップと、
前記電気エネルギーデータに基づいて、グリーン電力消費の評価指標値を算出するステップと、
前記電力需要側の需要家の環境評価指標値及び前記グリーン電力消費の評価指標値に基づき、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記ブロックチェーン一意識別子はプレフィックス情報と区別情報を含み、前記プレフィックス情報は他のブロックチェーンと共通するプレフィックスコード情報であり、前記区別情報は他のブロックチェーンと異なるコード情報であり、各ブロックチェーンのブロックチェーン一意識別子によってブロックチェーン同士のデータ交換が実現される。
【0012】
好ましくは、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成する前記ステップは、前記認証チェーンを利用して前記記録データを呼び出し、グリーン電力属性証書の内容を確定するステップであって、前記グリーン電力属性証書の内容は証書番号、記録番号、記録時間、発電企業、発電タイプ、生産データ、発電データ及び決済状態を含み、前記記録番号及び前記記録時間は、前記非代替性トークンによって識別子を審査発行し、前記監視チェーンによる検査に合格した後、前記トークンチェーンに記録された番号及び時間であるステップと、
前記グリーン電力属性証書の内容に基づいて、前記グリーン電力属性証書を生成するステップと、を含む。
【0013】
好ましくは、前記グリーン電力消費ラベルはラベル番号、記録番号、記録時間、電力使用企業、消費電力量割合、企業環境評価等級及び消費周期データを含み、前記ラベル番号及び前記記録時間は、非代替性トークンによって識別子を審査発行し、前記監視チェーンによる検査に合格した後、前記トークンチェーンに記録された番号及び時間である。
【0014】
ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証装置であって、
取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得するデータ前処理手段であって、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含むデータ前処理手段と、
前記構造化データと前記非構造化データを認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記認証チェーンを制御してマルチチェーンインタラクションによって前記記録データをトークンチェーンに定期的に送信する記録手段であって、前記認証チェーンはグリーン電力属性認証及び証書審査発給を行うためのブロックチェーンであり、前記トークンチェーンはグリーン電力消費評価及び消費ラベル審査発行を行うためのブロックチェーンであり、前記マルチチェーンインタラクションは、各ブロックチェーンがブロックチェーン一意識別子を有するようにブロックチェーンごとに識別子登録を行い、ブロックチェーン同士が自体のブロックチェーン識別子を通じてデータ交換を行うようにすることである記録手段と、
前記認証チェーンを制御してグリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成する第1認証手段であって、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件である第1認証手段と、
前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、前記トークンチェーンを利用してグリーン電力消費ラベルを生成する第2認証手段であって、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合である第2認証手段と、
非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成する生成手段と、
前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、監視チェーンによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶する記憶手段であって、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記マルチチェーンインタラクションによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含む記憶手段と、を含む。
【0015】
ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証システムであって、
データ取得モジュールと、認証チェーンと、トークンチェーンと、監視チェーンと、インタラクションモジュールと、トークンサービスモジュールと、を含み、
前記データ取得モジュールは、取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを得て、前記構造化データ及び前記非構造化データを前記認証チェーンに送信し、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含み、
前記認証チェーンは、前記構造化データと前記非構造化データを前記認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記インタラクションモジュールによって前記記録データを前記トークンチェーンに定期的に送信し、
前記認証チェーンは、さらに、グリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、グリーン電力属性証書を生成し、ここで、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件であり、
前記トークンチェーンは、消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、グリーン電力消費ラベルを生成し、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合であり、
前記トークンサービスモジュールは、非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成し、
前記監視チェーンは、前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶し、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記インタラクションモジュールによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含み、
前記インタラクションモジュールは、前記認証チェーン、前記トークンチェーン及び前記監視チェーンのそれぞれに対して、対応するブロックチェーン一意識別子を生成し、前記認証チェーン、前記トークンチェーン及び前記監視チェーンが前記インタラクションモジュールによってデータ交換を行うようにする。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比べ、本発明は、取得した基礎データを前処理して記録データを得て、生産側及び消費側からそれぞれ認証チェーンとトークンチェーンによって記録データを認証し、認証に合格すると、グリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルを取得するステップと、非代替性トークンに基づいてグリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成し、証書及び識別子の非互換性及び分割不可能性などの特徴を実現するステップと、監視チェーンを通じて認証過程を監視検査し、マルチチェーンインタラクションによって認証チェーン、トークンチェーン及び監視チェーンに対して、対応するブロックチェーン一意識別子を生成し、各ブロックチェーンのデータ交換を実現するステップと、を含むブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法、装置及びシステムを開示する。再生可能エネルギーの認証機構の不正確性、再生可能エネルギーの属性認証及び評価消費の過程における情報の非対称性及びデータの不透明性の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は本発明の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに提供される図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本発明の実施例1によるブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法のフローの概略図である。
図2】本発明の実施例2によるブロックチェーンに基づく別のグリーン電力認証方法のフローの概略図である。
図3】本発明の実施例3によるブロックチェーンに基づくグリーン電力認証システムの構造概略図である。
図4】本発明の実施例4によるブロックチェーンに基づくグリーン電力認証装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに取得した他の全ての実施例は本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」や「第2」などは異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序を説明するためのものではない。さらに、用語「含む」、「有する」及びこれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば一連のステップ又は要素を含む過程、方法、システム、製品又は設備は、挙げられたステップ又は要素に限定されるものではなく、挙げられていないステップ又は要素を含んでもよい。
【0020】
実施例1
本発明の実施例では、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法を提供し、図1に示すように、該方法はステップS101~S106を含んでもよい。
S101では、取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得する。
【0021】
ここで、前記構造化データは、再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは、電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含む。
【0022】
S102では、前記構造化データと前記非構造化データを認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記認証チェーンを制御してマルチチェーンインタラクションによって前記記録データをトークンチェーンに定期的に送信する。
【0023】
ここで、前記認証チェーンはグリーン電力属性認証及び証書審査発給を行うためのブロックチェーンであり、前記トークンチェーンはグリーン電力消費評価及び消費ラベルの審査発行を行うためのブロックチェーンであり、前記マルチチェーンインタラクションは、各ブロックチェーンがブロックチェーン一意識別子を有するようにブロックチェーンごとに識別子登録を行い、ブロックチェーン同士が自体のブロックチェーン識別子を通じてデータ交換を行うようにすることである。
【0024】
本発明の実施例の一実施形態では、取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得する前記ステップは、
基礎データを取得するステップと、
前記再生可能電力生産フルチェーン設備情報に基づき各前記電力生産フルチェーン設備の設備コードを生成するステップと、
前記設備コードと前記電力業務システムの業務データとをマッピングさせ、関連データを取得し、前記関連データを前記構造化データとするステップと、
前記電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを仕様化処理して、処理後のデータを前記非構造化データとするステップと、を含む。
【0025】
前記基礎データは、再生可能電力生産フルチェーン設備情報、電力業務システムの業務データ及び電力業務中の公告関連データと電子契約関連データを含む。具体的には、再生可能エネルギーは、太陽エネルギー、風力エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギー及び地熱エネルギーなどを含む。次に、再生可能電力生産フルチェーン設備情報に基づき各前記再生可能電力生産フルチェーン設備の設備コードを生成し、すなわち、生産フルチェーンに関連する設備及び装置のエンティティ識別子コードを生成する。電子契約関連データとは、グリーン電力属性認証及びグリーン電力消費認証に利用される関連契約データであり、例えば売電契約であってもよい。
【0026】
電力業務システムの業務データは、電力制御システム、取引システム、マーケティングシステムやGISシステムなどの電力業務システムの発電曲線、オングリッド電力量、決済電力量、台帳や位置などのデータ情報を含む。設備コードと対応する業務データとをマッピングさせた後、関連データを取得し、該関連データは構造化データであり、すなわち、「エンティティ識別子コード+業務システムデータ情報」の構造化データを認証チェーン上に記録することになる。非構造化データは、電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含み、具体的には、売電契約、取引公告、グリーン電力生産承諾書などの非構造化データを認証チェーン上に記録してもよい。
【0027】
ここで、認証チェーン及びトークンチェーンはいずれもブロックチェーンであり、認証チェーンはグリーン電力属性認証及び証書審査発給を行うためのブロックチェーンであり、トークンチェーンはグリーン電力消費評価及び消費ラベルの審査発行を行うためのブロックチェーンである。本発明の実施例では、認証チェーン及びトークンチェーンはデータ交換を行うことができ、かつ、データ交換はマルチチェーンインタラクションによって行われ、ここでは、マルチチェーンインタラクションは、各ブロックチェーンがブロックチェーン一意識別子を有するようにブロックチェーンごとに識別子登録を行い、ブロックチェーン同士が自体のブロックチェーン識別子を通じてデータ交換を行うようにすることである。
【0028】
具体的には、前記ブロックチェーン一意識別子は、プレフィックス情報と区別情報を含み、前記プレフィックス情報は、他のブロックチェーンと同一のプレフィックスコード情報であり、前記区別情報は、他のブロックチェーンと異なるコード情報であり、ここで、各ブロックチェーンのブロックチェーン一意識別子によってブロックチェーン同士のデータ交換が実現される。
【0029】
本発明の実施例では、マルチチェーンインタラクションモードによって、マルチチェーンが協調し、公平で信頼性の高いインタラクションモードが構築され、クロスチェーンリソースの信頼できる接続及び効率的な協調が実現され、データ障壁が打破され、相互接続、リソース共有及び信頼性のある監視などが図られる。
【0030】
S103では、前記認証チェーンを制御してグリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成する。
【0031】
ここで、前記制約条件は、第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は、発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件は、オングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は、決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件である。
【0032】
ここで、グリーン電力認証モデルは、発電所計画発電曲線、電力需要家の予測電力使用曲線、オングリッド電力量、決済電力量及びスマートメーターにより計測されたデータに基づいて生成された認証モデルである。本発明の実施例では、グリーン電力認証モデルを利用してスマートコントラクトを作成し、認証チェーンは該スマートコントラクトを自動的に実行することで、グリーン電力属性の認証を完了し、これにより、グリーン電力属性認証及び証書審査発給スマートコントラクトの作成及び実現のための基礎公共サービスサポートを提供し、また、グリーン電力属性認証及び証書審査発給は認証チェーンに基づいて実現されるため、グリーン電力属性認証及び証書審査発給は全てチェーン上で実行され、これにより、グリーン電力属性認証及び証書審査発給の信頼性が向上する。
【0033】
さらに、本発明の実施例では、グリーン電力認証モデルは、単に電力メーターデータに基づいて認証を行うものではなく、発電所の計画発電データ、予測された需要家の電力使用データ、実際のオングリッド電力量及び決済電力量や電力メーター計測データを総合的に考慮して認証を行うものであり、本発明では、その過程は後述する実施例において詳細に説明される。
【0034】
S104では、前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、前記トークンチェーンを利用してグリーン電力消費ラベルを生成する。
【0035】
ここで、前記消費評価モデルは、電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは、電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは、企業主体のグリーン電力消費の割合である。
【0036】
消費評価モデルによってグリーン電力消費のスマートコントラクトを構築することにより、トークンチェーンは該スマートコントラクトを自動的に実行することでグリーン電力消費認証を完了する。認証が成功すると、トークンチェーンの消費ラベル審査発行手段によってチェーン上で「グリーン消費ラベル」を発行する。
【0037】
消費評価モデルは、主として電力需要側の需要家の環境評価パラメータとグリーン電力消費の評価パラメータの2つの部分を含む。需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、グリーン企業とは主要業務が環境改善に寄与する企業を指し、グリーンレベルは5A、4A及び3Aなどに分けられ、グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合であり、100%、95%及び80%などの具体的な値で評価する。
【0038】
トークンチェーンに基づいてグリーン電力消費評価及び消費ラベルの審査発行を行い、グリーン電力消費評価及び消費ラベルの審査発行は全てチェーン上で実行され、これにより、グリーン電力消費評価及び消費ラベルの審査発行の信頼性が向上する。
【0039】
S105では、非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成する。
【0040】
本発明の実施例では、非代替性トークンは、NFT(非代替性トークン)技術を利用して認証チェーンにより発給された「グリーン電力属性証書」及びトークンチェーンにより発行された「グリーン電力消費ラベル」に基づき生成した一意デジタル識別子番号であり、一意識別子トークンは、二次元コードなどと互いにマッピングされて関連付けされ、グリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルの重要な情報が詳細に記録されており、このように、証書と識別子の非互換性、独自性及び分割不可能性などの特徴が実現される。
【0041】
非代替性トークン(NFT)はブロックチェーンを背景とした非代替性デジタルアセットである。非代替性トークンは、分割することができず、一意で代替不可能などの特徴がある。NFTは理論上、現実の中で非代替性の特性を持つすべての事物につなぎとめることができ、現実世界をトークン化し、価値が相互に関連し、情報を共有するデジタルアセットの世界を形成することができる。例えば、NFTはゲーム内のペット、武器アイテム、衣類、その他のアイテムに使用でき、アイテムごとに特別なマーク番号を付け、アイテムごとに一意性を持たせる。これらのNFTはブロックチェーン上に格納されており、それらの情報や帰属、すべての取引記録は公開されて透明性が高く、破棄も改ざんもできない。
【0042】
S106では、前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、監視チェーンによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、一意デジタル識別子コードをトークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを監視チェーンに記憶する。
【0043】
ここで、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記マルチチェーンインタラクションによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は、各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含む。
【0044】
監視チェーンは、認証過程を監視し得るブロックチェーンであり、記録データの取得、関連データの抽出、行為検出や異常警告処理などを実施することができ、このため、監視チェーンは、監視検査過程においてマルチチェーンインタラクションによって認証チェーン及びトークンチェーンとデータ交換を行う。具体的には、監視チェーンに監視ノードが設けられてもよく、監視ノードは、マルチチェーンインタラクションモードによって生成したブロックチェーン一意識別子により認証チェーン及びトークンチェーンとリンク及びデータ交換を行い、これにより、認証過程における監視検査が行われる。具体的な監視検査処理の過程については後の実施例で説明する。
【0045】
本発明の実施例では、認証チェーン、トークンチェーン及び監視チェーンは異なる機能を有するブロックチェーンであり、即ち、それらは実質的にはブロックチェーンであり、ブロックチェーンが改ざん不可能性やトレーサビリティなどの特性を備えるため、関連データに対する処理及び認証の過程は全てチェーン上で行われ、例えば、グリーン電力属性認証は認証チェーン上で行われ、グリーン電力消費認証はトークンチェーン上で行われ、認証過程に対する監視検査は監視チェーン上で行われる。さらに、本発明の実施例では、生成した重要なデータをブロックチェーン化して記憶することができ、例えば、認証チェーンは、グリーン電力属性認証の過程において、記録データをブロックチェーン化して記憶してもよく、生成したグリーン電力属性証書を記憶してもよい。これに対して、トークンチェーンは、グリーン電力消費認証の過程において、消費評価モデルに適用される関連データ又は生成した中間データをブロックチェーン化して記憶してもよく、生成したグリーン電力消費ラベルをブロックチェーン化して記憶してもよい。さらに、各ブロックチェーンは、マルチチェーンインタラクションモードによって対応するブロックチェーンにおけるデータを記憶してもよく、例えば、監視チェーンは検査に合格した一意デジタル識別子コードをトークンチェーンに伝送して記憶させてもよい。これにより、重要データがブロックチェーン化されて記憶され、後続のデータの追跡に有利である。
【0046】
本発明の実施例は、取得した基礎データを前処理して記録データを取得し、生産側及び消費側からそれぞれ認証チェーンとトークンチェーンによって記録データを認証し、認証に合格すると、グリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルを得て、非代替性トークンに基づいてグリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成し、証書及び識別子の非互換性及び分割不可能性などの特徴を実現し、また、監視チェーンを通じて認証過程を監視検査し、かつマルチチェーンインタラクションによって認証チェーン、トークンチェーン及び監視チェーンについて対応するブロックチェーン一意識別子を生成することができ、各ブロックチェーンのデータ交換を実現する、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証方法を提供する。これにより、再生可能エネルギーの認証機構の不正確性、再生可能エネルギーの属性認証及び評価消費の過程における情報の非対称性及びデータの不透明性の問題を解決する。
【0047】
実施例2
以下、本発明の実施例の可能な実施形態について説明するが、これに先立って、本発明の関連用語を説明する。
【0048】
ブロックチェーン:ブロックチェーンは、多方面が共同で維持し、暗号学技術を利用して伝送とアクセスのセキュリティを確保し、データの一貫した記憶、改ざん防止及び否認防止を可能とする技術である。本発明の実施例では、業務機能に応じて、認証チェーン、認証チェーン、及び監視チェーンが含まれており、それぞれグリーン電力認証、トークン識別子発行、業務の透視式監視等の機能を実現している。
【0049】
非代替性トークン(NFT):非代替性トークン(NFT)は、ブロックチェーンを背景とした非代替性デジタルアセットである。非代替性トークンは、分割することができず、一意で代替不可能などの特徴がある。NFTは理論上、現実の中で非代替性の特性を持つすべて事物につなぎとめることができ、現実世界をトークン化し、価値が相互に関連し、情報を共有するデジタルアセットの世界を形成することができる。例えば、NFTはゲーム内のペット、武器アイテム、衣類、その他のアイテムに使用でき、アイテムごとに特別なマーク番号を付け、アイテムごとに一意性を持たせる。これらのNFTは、ブロックチェーン上に格納されており、それらの情報や帰属、すべての取引記録は公開されて透明性が高く、破棄も改ざんもできない。
【0050】
識別子システム:識別子システムは、主に設備、装置やシステムなどのリソースに対して識別子コーディング、識別子解析及び識別子サービスなどの機能を実現し、各主体のシステム間と企業間の情報照会と共有を実現し、各主体は一意識別コードに基づき一意性の位置特定と情報照会を行うことができる。識別子システムは、一意識別子コードのグローバルな通用性を保証し、異種システム間に存在するデータ障壁を打破し、安全で信頼性が高く、相互接続とインターネットワーキングを実現することができる。
【0051】
図2には、本発明の実施例によるブロックチェーンに基づく別のグリーン電力認証方法のフローチャートが示されており、該フローチャートのステップの一部はすでに実施例1に詳細に説明されており、その詳細は実施例1を参照すればよく、該実施例2では、主に関連する詳細について説明を補充する。図2において、「データ情報1を取得する」ことは生産側のグリーン電力認証過程において抽出すべき基礎データを取得することであり、「データ情報2を取得する」ことは消費側のグリーン電力認証過程において抽出すべき基礎データを取得する。グリーン電力属性認証スマートコントラクトは、グリーン電力認証モデルに基づいて構築されたスマートコントラクトであり、消費評価認証スマートコントラクトは、消費評価モデルに基づいて構築されたスマートコントラクトである。
【0052】
本発明の実施例の一実施形態では、前記方法は、
監視検査過程で取得した監視データを前記監視チェーンに記憶するステップをさらに含む。
【0053】
ここで、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶するステップは、
監視検査の結果が一致しない場合、前記監視チェーンを制御して前記マルチチェーンインタラクションによって認証過程中のデータを取得し、異常データを処理して、前記異常関連データを取得し、前記異常関連データを前記監視チェーンに記憶するステップであって、前記異常関連データは異常警告と予測データを含むステップを含む。
【0054】
具体的には、監視チェーンによって上記監視検査処理を行ってもよく、監視チェーンには監視ノードが設けられ、監視ノードはチェーン識別子コードによって認証チェーンサービスモジュール及びトークンチェーンサービスモジュールに配置された監督ノードとリンク及びデータ交換を行い、認証チェーン及びトークンチェーンの各ノードの運行状態、コンセンサスアルゴリズム及びスマートコントラクトの実行情况などを含む、認証チェーン及びトークンチェーンによる「グリーン電力属性証書」及び「グリーン電力消費ラベル」の審査発行の過程全体を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、生成した「グリーン電力属性証書」及び「グリーン電力消費ラベル」の一意デジタル識別子番号をトークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、監視チェーンは自己適応的データ抽出・分析を行い、異常データに対して検出、位置特定及び追跡を行い、これにより、異常警告及び予測が実現され、異常警告及び予測データが取得され、かつ、異常警告及び予測データは監視チェーン上で記録される。
【0055】
1つの可能な実施形態では、前記制約条件及び前記記録データに基づき、発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定する前記ステップは、
前記記録データが前記第1制約条件、前記第2制約条件及び前記第3制約条件を同時に満たすとともに、前記再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コード、前記電力業務システムの業務データ及び前記電子契約関連データとの交差検証の検証結果が一致することに応答して、発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であると判定するステップを含む。
【0056】
なお、認証チェーンによる認証においては、上記3つの制約条件を同時に満たすとともに、再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コード、電力業務システムの業務データ及び電子契約関連データとの交差検証の検証結果が一致する場合にのみ、発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性、すなわち再生可能電気エネルギーであると判定できる。
【0057】
一例として、時間T(実際の状況に応じて設定されてもよい)を決済周期とし、ある発電所計画発電曲線をSpv、電力需要家の予測電力使用曲線をSuser、オングリッド電力量をQpv、決済電力量をQuser、スマートメーター計測値をQとする。
【0058】
上記式(1)、(2)、(3)はそれぞれ第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件に対応する。式中、a、bは選択される任意の2つの認証時間点であり、b>aであり、QEbはb時刻におけるスマートメーター計測値であり、QEaはa時刻におけるスマートメーター計測値である。
【0059】
上記(1)、(2)、(3)の3つの条件が同時に成り立ち、かつ、「エンティティ識別子コード+業務システムデータ情報」、電子契約関連データとの交差検証の結果が一致する場合、発電側で生産された電力のグリーン属性について判定し、成功と判定する場合、認証チェーンの証書審査発給手段によってチェーン上で「グリーン電力属性証書」を発給する。
【0060】
これに対応して、本発明の実施例の一実施形態では、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成する前記ステップは、
前記認証チェーンを利用して前記記録データを呼び出し、グリーン電力属性証書の内容を確定するステップであって、前記グリーン電力属性証書の内容は、証書番号、記録番号、記録時間、発電企業、発電タイプ、生産データ、発電データ及び決済状態を含み、前記記録番号及び前記記録時間は、非代替性トークンによって識別子を審査発行し、前記監視チェーンによる検査に合格した後、前記トークンチェーンに記録された番号及び時間であるステップと、
前記グリーン電力属性証書の内容に基づいて、前記グリーン電力属性証書を生成するステップと、を含む。
【0061】
本発明の別の実施形態では、前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定する前記ステップは、
前記トークンチェーンを制御して前記消費評価モデルを呼び出し、電力需要側の需要家の環境評価パラメータを取得するステップと、
前記電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及び各前記電力需要側の需要家の環境評価パラメータに対応する重み値、評価スコア及び関連度係数に基づいて、電力需要側の需要家の環境評価指標値を算出するステップと、
前記トークンチェーンを制御して前記消費評価モデルを呼び出し、電力需要側の需要家の電気エネルギーデータを取得するステップであって、前記電気エネルギーデータは、自家発電施設で生成された再生可能エネルギー電力の合計、売電契約に従って購入した再生可能エネルギー電力の合計、購入したグリーン電力証書に表記された再生可能エネルギー電力の合計、上流供給者に使用される再生可能エネルギー電力の合計、目標周期内で電力需要家に使用される再生可能エネルギー電力の合計及び目標周期内で使用される全ての電力の合計を含むステップと、
前記電気エネルギーデータに基づいて、グリーン電力消費の評価指標値を算出するステップと、
前記電力需要側の需要家の環境評価指標値及び前記グリーン電力消費の評価指標値に基づき、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定するステップと、を含む。
【0062】
具体的には、消費評価モデルに基づいて消費評価スマートコントラクトを構築し、トークンチェーンは記録データに対して関連認証を行うときに、前記消費評価スマートコントラクトを自発的に呼び出すことができ、これにより、チェーン上で消費評価値算出を自動的に実行し、成功と判定する場合、トークンチェーンの消費ラベル審査発行手段によってチェーン上で「グリーン消費ラベル」を発行する。
【0063】
消費評価モデルは主として電力需要側の需要家の環境評価パラメータとグリーン電力消費の評価パラメータとの2つの部分を含む。需要家の環境評価パラメータは、電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、グリーン企業とは、主要業務が環境改善に寄与する企業を指し、グリーンレベルは5A、4A及び3Aなどに分けられ、グリーン電力消費の評価パラメータは、企業主体のグリーン電力消費の割合であり、100%、95%及び80%などの具体的な値で評価する。
【0064】
本発明の実施例では、電力需要側の需要家は主に電力使用企業であり、電力需要側の需要家環境評価指標値は、主に汚染処置、生態保護、環境管理、社会的影響、情報公開、環境表彰などの面から定量的な評価を行い、上記の各指標はプラス指標とマイナス指標に分けられる。プラス指標の数値が大きいほど企業の環境評価が良く、マイナス指標の数値が小さいほど企業の環境評価が悪い。
【0065】
式中、xmnはm番目の指標中のn番目の指標初期スコアであり、Zmnはm番目の指標のn番目の指標評価スコアであり、mは評価システムの指標に応じて設定されてもよく、Xmnはx、xの関連度係数であり、Nはデータサンプルとし、xはN個のサンプルのうちm番目の指標の指標算出値であり、xはN個のサンプルのうちn番目の指標の指標算出値であり、ρは調整係数である。
【0066】
関連マトリックスRを利用して企業の環境評価指標値を算出し、この値に基づき評定等級を決定する。
【0067】
グリーン電力消費の評価指標値は、主に電力需要側のある周期内の生産や加工などの作業に使用される再生可能エネルギーの割合である。電力需要家と上流供給者が全部グリーン電力証書を購入した場合、グリーン電力消費の評価指標値は100%であり、全部ではない場合、グリーン電力消費の評価指標値は下記モデルにより算出される。
【0068】
式中、ηはグリーン電力消費の評価指標値であり、Qは電力需要側の電力需要家の自家発電施設で生成された再生可能エネルギー電力の合計であり、Qは電力需要家が売電契約に従って購入した再生可能エネルギー電力の合計であり、Qは電力需要家が購入したグリーン電力証書に表記された再生可能エネルギー電力の合計であり、Qは電力需要家の上流供給者に使用される再生可能エネルギー電力の合計であり、Qはある周期内で電力需要家に使用される再生可能エネルギー電力の合計である。Q×Nはある周期内で電力需要家に使用される、再生可能エネルギー電力と通常の電力を含む電力の合計である。
【0069】
トークンチェーンの消費評価手段は、電力需要側の電力需要家のグリーン電力消費の状況を評価し、ηがある設定された閾値に達すると、トークンチェーンの消費ラベル審査発行手段によってチェーン上で「グリーン電力消費ラベル」を発行する。
【0070】
グリーン電力消費ラベルはラベル番号、記録番号、記録時間、電力使用企業、消費電力量割合、企業環境評価等級、消費周期などを含むが、これらに限定されず、これらのうち、ラベル番号及び記録時間はNFTトークンサービスによって識別子を審査発行し、監視チェーンによる一致性検査に合格した後にトークンチェーンにより記録された番号及び時間である。
【0071】
本発明の実施例は、認証チェーン及びトークンチェーンの公開性、透明性、トレーサビリティ及び改ざん不可能性の技術的特性を利用して、グリーン認証チェーン及びトークンチェーンに基づく再生可能エネルギー認証及び評価解決手段を提案しており、再生可能エネルギーグリーン電力の生産と消費の認証評価基準を作成し、認証チェーン及びトークンチェーンは互いに協調して、スマートコントラクトはチェーン上で審査発行の流れを実行し、これにより、再生可能エネルギーグリーン属性及び消費評価に対する確実な管理が図られる。識別子技術に基づくマルチチェーン間の情報インタラクションメカニズムが構築され、識別子技術を利用して、マルチチェーンが協調し、安全で信頼性の高いインタラクション方式を構築することによって、各チェーン間の信頼できる接続、インタラクションや相互操作が実現され、データ障壁が打破され、データアイランドの問題が解決され、異種チェーンシステム間の相互接続とリソース共有が可能になる。監視技術手段を革新することで、監視チェーンの監視ノードによる他のチェーンの監督ノードに対する透視式監視を可能にし、監視レベルを高め、データのセキュリティを向上させる。さらに、NFT非代替性トークン技術を利用してデジタル識別子トークンのブロックチェーン化・記録をアンカーし、グリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルのトークン化を実現し、証書及びラベルに非互換性、独自性及び分割不可能性などの特徴を持たせる。一意デジタル識別子番号を有する証書とラベルの関連情報をブロックチェーン化して記録し、上記情報は公開されて透明性が高く、破棄も改ざんもできず、証書及びラベルの信頼性と権威性が向上する。
【0072】
実施例3
本発明の実施例では、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証システムを提供し、このグリーン電力認証システムは、
データ取得モジュールと、認証チェーンと、トークンチェーンと、監視チェーンと、インタラクションモジュールと、トークンサービスモジュールと、を含み、
前記データ取得モジュールは、取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得して、前記構造化データ及び前記非構造化データを前記認証チェーンに送信し、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含み、
前記認証チェーンは、前記構造化データと前記非構造化データを前記認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記インタラクションモジュールによって前記記録データを前記トークンチェーンに定期的に送信し、
前記認証チェーンは、さらに、グリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、グリーン電力属性証書を生成し、ここで、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件であり、
前記トークンチェーンは、消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、グリーン電力消費ラベルを生成し、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合であり、
前記トークンサービスモジュールは、非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成し、
前記監視チェーンは、前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶し、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記インタラクションモジュールによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含み、
前記インタラクションモジュールは、前記認証チェーン、前記トークンチェーン及び前記監視チェーンのそれぞれに対して、対応するブロックチェーン一意識別子を生成し、前記認証チェーン、前記トークンチェーン及び前記監視チェーンが前記インタラクションモジュールによってデータ交換を行うようにする。
【0073】
実際の適用では、認証チェーンで行われる情報処理及び認証の過程は主に認証チェーンサービスモジュールに基づいて行われ、これに対応して、トークンチェーンで行われる情報処理及び認証の過程は主にトークンチェーンサービスモジュールに基づいて行われ、一方、監視チェーンは監視チェーンサービスモジュールに基づいて実現され、ここでは、インタラクションモジュールはマルチチェーンインタラクション識別モジュールを含み、トークンサービスモジュールはNFTトークンサービスモジュールである。
【0074】
本発明の実施例では、前記データ取得モジュール、インタラクションモジュール、トークンサービスモジュールは、それぞれ、通信インターフェースを有し、通信プロトコルを実現できる1つ又は複数のプロセッサ、コントローラ又はチップであってもよく、必要に応じて、メモリ及び関連するインターフェースやシステム伝送バスなどをさらに含んでもよく、前記プロセッサ、コントローラ又はチップは、プログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。或いは、代替形態としては、前記データ取得モジュール、インタラクションモジュール、トークンサービスモジュールは1つの集積チップ又はプロセッサ、コントローラ、メモリなどの設備を共有する。前記共有するプロセッサ、コントローラ又はチップは、プログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。
【0075】
実際の適用を例示すれば、図3には、本発明の実施例3によるブロックチェーンに基づくグリーン電力認証システムの構造概略図が示されている。該システムは主として、データ取得モジュール、認証チェーンサービスモジュール、トークンチェーンサービスモジュール、監視チェーンサービスモジュール、NFTトークンサービスモジュール、マルチチェーンインタラクション識別モジュールなどの部分からなる。
【0076】
データ取得モジュールは、装置識別手段とデータマッピング手段とからなり、電力制御システム、電力取引システム、マーケティングシステムやGISなどの業務システムに関連する構造化データ及び取引公告、電子契約などの非構造化データを取得する。装置識別手段は太陽光発電モジュール、風力発電ユニット、インバータ、送電線、変圧器及びスマートメーターなどの関連設備や装置に対して識別子登録サービスを行い、関連装置に一意識別子コードを提供する。データマッピング手段は装置識別手段によって各業務システムとデータマッピングのバンディングを行い、これにより、データ由来の追跡及び位置特定を可能にする。
【0077】
トークンチェーンサービスモジュールは、主として記録手段、消費評価手段、消費ラベル審査発行手段などの機能手段からなり、データの一貫した記憶、改ざん防止及びトレーサビリティなどを実現し、グリーン電力消費評価及び消費ラベル審査発行スマートコントラクトの作成及び実現のための基礎公共サービスサポートを提供し、グリーン電力消費評価及び消費ラベル審査発行はトークンチェーンに基づいて実現され、消費評価及びラベル審査発行は全てチェーン上で実行され、これにより、グリーン電力消費及び消費ラベル審査発行の信頼性が向上する。マルチチェーンインタラクション識別モジュールによって認証チェーンサービスモジュール、監視チェーンサービスモジュールとデータ交換を行うことができる。NFTトークンサービスモジュールはグリーン電力証書及びグリーン消費ラベルに一意非代替性トークンを発行し、かつトークンチェーンの記録手段に保存させ、データは廃棄も改ざんもできない。
【0078】
監視チェーンサービスモジュールは、主に記録手段、自己適応データ抽出手段、行為モニタリング及び異常警告手段などの機能手段からなり、マルチチェーンインタラクション識別モジュールによって認証チェーンサービスモジュール、トークンチェーンサービスモジュールとデータ交換を行うことができ、監視過程及び監視データが監視チェーン上で全過程に亘って記録することをサポートする。監視チェーンスマートコントラクトを利用してデータ抽出を自動的に実行し、適用される他のチェーンについて行為モニタリングと異常警告を行い、これにより、異常の検出、位置特定及び追跡を実現し、異常の警告及び予測を可能とし、その結果、マルチチェーンを適用する場合の複数の監視部門による効率的で確実な全過程監視を可能にする。
【0079】
NFTトークンサービスモジュールは、NFT非代替性トークン技術を利用してグリーン電力証書及びグリーン消費ラベルに一意デジタル識別子を付与することによって、偽造防止を実現するとともに、追跡、更新、転送及び取引などの機能を容易にし、取得した一意識別子トークンにはグリーン電力証書及びグリーン消費ラベルの重要な情報が詳細に記録されており、これにより、証書及び識別子の非互換性、独自性及び分割不可能性などの特徴が得られる。
【0080】
マルチチェーンインタラクション識別モジュールは、認証チェーンサービスモジュール、トークンチェーンサービスモジュール及び監視チェーンサービスモジュールに識別子登録サービスを提供し、複数のブロックチェーンサービスモジュールに一意で同じプレフィックスを有する識別子コードを提供することができ、マルチチェーンが協調し、公平で信頼性の高いインタラクションモードを構築し、クロスチェーンリソースの信頼できる接続及び効率的な協調を実現し、データ障壁を打破し、相互接続、リソース共有及び確実な監視などを実現する。
【0081】
該システムで構成される構造を基に、本発明の実施例は、再生可能エネルギー生産認証、再生可能エネルギー消費認証、NFTトークン識別子の生成、マルチチェーン識別子登録及び監視検査の処理を実現することができる。
【0082】
具体的には、再生可能エネルギー生産認証においては、データの取得と記録、及びグリーン電力属性の判定と証書審査発給が含まれている。ここで、データの取得と記録は、再生可能エネルギー、例えば、太陽エネルギー、風力エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギー及び地熱エネルギーなどの生産のフルチェーンの関連設備と装置のエンティティ識別子コードを取得し、電力制御システム、取引システム、マーケティングシステム及びGISシステムなどの電力業務システムの発電曲線、オングリッド電力量、決済電力量、台帳及び位置などのデータ情報を取得し、エンティティ識別子コードと対応するデータ情報とをマッピングさせた後、「エンティティ識別子コード+業務システムデータ情報」の構造化データを認証チェーン上に記録し、また、売電契約、取引公告、グリーン電力生産承諾書などの非構造化データを認証チェーン上で記録する。
【0083】
太陽光発電所を例として説明する。認証システムの装置識別手段は太陽光発電システムにおける太陽光発電所(例えば太陽光発電ユニット、インバータ及びコンバイナーボックス)、昇圧変圧器、送電線、降圧変圧器、配電ボックス、スマート端末及びスマートメーターなどの設備及び装置に識別子登録サービスを提供し、各設備及び装置へ一意識別子コードを割り当て、関連収集装置によって収集されるデータは通信を通じて対応する業務システムにアップロードし、データマッピング手段は実物識別子コードと業務システムデータとを1つずつマッピングさせることで、太陽光発電所の発電フルチェーンのデータ由来の物理及び空間的な位置特定及び追跡を可能にする。
【0084】
グリーン電力属性の判定及び証書審査発給の処理過程は、本発明の実施例2で詳細に説明されているので、ここでは詳しく説明せず、実施例2の説明を参照されたい。
再生可能エネルギー消費認証の処理過程は、データの取得と記録、及び消費評価とラベル審査発行を含む。ここで、データの取得と記録は、認証チェーンサービスモジュールがマルチチェーンインタラクション識別モジュールによって記録した生データをトークンチェーンサービスモジュールに定期的に送信することを含み、時間は業務に応じて設定されてもよく、このようにデュアルチェーンによるデータ保護メカニズムが確立される。認証チェーンにおいて定期的に送信された、グリーン電力属性情報及び電力需要側のスマートメーターによる電力量データなどに関わる構造化データを取得し、トークンチェーン上で記録するとともに、売電契約及びグリーン電力消費承諾書などの非構造化データを取得し、トークンチェーン上で記録する。消費評価及びラベル審査発行の処理過程は本発明の実施例2において詳細に説明されているので、ここでは詳しく説明せず、実施例2の説明を参照されたい。
【0085】
NFTトークン識別子は、NFT技術を利用して認証チェーンによって審査発行された「グリーン電力属性証書」及びトークンチェーンによって審査発行された「グリーン電力消費ラベル」について一意デジタル識別子番号を生成し、一意識別子トークンと二次元コードなどとをマッピングさせて関連付けさせ、このようにして、グリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルの重要な情報が詳細に記載されており、証書及び識別子の非互換性、独自性及び分割不可能性などの特徴が得られる。
【0086】
マルチチェーン識別子登録及び監視検査の過程は以下を含む。
【0087】
マルチチェーンインタラクション識別モジュールは、認証チェーンサービスモジュール、トークンチェーンサービスモジュール及び監視チェーンサービスモジュールに識別子登録サービスを提供し、これらに一意チェーン識別子コードを提供し、Handle、OID、Ecodeなどの符号化技術によって、統一した識別子コードを利用して、クロスチェーンリソースの信頼できる接続及び効率的なインタラクションを図ることができる。
【0088】
監視チェーンサービスモジュールには監視ノードが配置されており、監視ノードは、チェーン識別子コードによって、認証チェーンサービスモジュール及びトークンチェーンサービスモジュールに配置された監督ノードとリンク及びデータ交換を行い、認証チェーン及びトークンチェーンの各ノードの運行状態、コンセンサスアルゴリズム及びスマートコントラクトの実行などの監視検査を含む、認証チェーン及びトークンチェーンの「グリーン電力属性証書」及び「グリーン電力消費ラベル」の審査発行の全過程に亘る監視検査を行い、監視検査の結果が一致する場合、NFTトークンサービスモジュールによって生成された「グリーン電力属性証書」及び「グリーン電力消費ラベル」の一意デジタル識別子番号をトークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、監視チェーンサービスモジュールは、自己適応データ抽出及び分析を行い、異常データについて検出、位置特定及び追跡を行い、これにより、異常警告及び予測を行い、異常データを監視チェーンサービスモジュール上で記録する。
【0089】
本発明の実施例では、前記認証チェーンサービスモジュール、トークンチェーンサービスモジュール、監視チェーンサービスモジュール、NFTトークンサービスモジュール、マルチチェーンインタラクション識別モジュールは、それぞれ、通信インターフェースを有し、通信プロトコルを実現できる1つ又は複数のプロセッサ、コントローラ又はチップであり、必要に応じて、メモリ及び関連するインターフェースやシステム伝送バスなどを含んでもよく、前記プロセッサ、コントローラ又はチップはプログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。或いは、代替形態としては、前記認証チェーンサービスモジュール、トークンチェーンサービスモジュール、監視チェーンサービスモジュール、NFTトークンサービスモジュール、マルチチェーンインタラクション識別モジュールは1つの集積チップ又はプロセッサ、コントローラ、メモリなどの設備を共有する。前記共有するプロセッサ、コントローラ又はチップはプログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。
【0090】
前記装置識別手段、データマッピング手段、記録手段、消費評価手段、消費ラベル審査発行手段、自己適応データ抽出手段、行為モニタリング及び異常警告手段、監視ノード、監督ノードは、それぞれ、通信インターフェースを有し、通信プロトコルを実現できる1つ又は複数のプロセッサ、コントローラ又はチップであり、必要に応じて、メモリ及び関連するインターフェースやシステム伝送バスなどを含んでもよく、前記プロセッサ、コントローラ又はチップはプログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。或いは、代替形態としては、前記装置識別手段、データマッピング手段、記録手段、消費評価手段、消費ラベル審査発行手段、自己適応データ抽出手段、行為モニタリング及び異常警告手段、監視ノード、監督ノードは1つの集積チップ又はプロセッサ、コントローラ、メモリなどの設備を共有する。前記共有するプロセッサ、コントローラ又はチップはプログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。
本発明の実施例3は、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証システムを提供し、主に、再生可能エネルギーグリーン電力生産及び消費認証の基準がなく、再生可能エネルギーグリーン属性の判定が困難であるなどの問題を解決し、再生可能エネルギーグリーン電力生産及び消費認証の基準を確立し、グリーン認証チェーンに基づく再生可能エネルギー認証システム及び方法を確立し、再生可能エネルギー生産グリーン属性の判定及びグリーン電力消費の認証評価のための完備な解決策を提供し、エネルギー生産のグリーン化及びエネルギー消費の低炭素化を促進し、社会全体のグリーン電力消費の向上を導き、クリーンで、低炭素で、安全かつ高効率なエネルギーシステムの構築を加速し、グリーンエネルギー生産消費の健全な発展を推進する上で、積極的な役割を果たす。
【0091】
実施例4
前述実施例に基づいて、本発明の実施例4は、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証装置を提供し、図4に示すように、該装置は、
取得した基礎データを前処理して、構造化データと非構造化データを取得するデータ前処理手段10であって、前記構造化データは再生可能エネルギーに関連する設備のエンティティ識別子コードと電力業務システムの業務データとをマッピングする関連データを含み、前記非構造化データは電力業務中の公告関連データ及び電子契約関連データを含むデータ前処理手段10と、
前記構造化データと前記非構造化データを認証チェーン上に記録し、記録データを得て、前記認証チェーンを制御してマルチチェーンインタラクションによって前記記録データをトークンチェーンに定期的に送信する記録手段20であって、前記認証チェーンはグリーン電力属性認証及び証書審査発給を行うためのブロックチェーンであり、前記トークンチェーンはグリーン電力消費評価及び消費ラベル審査発行を行うためのブロックチェーンであり、前記マルチチェーンインタラクションはブロックチェーンごとに識別子登録を行い、各ブロックチェーンがブロックチェーン一意識別子を有し、ブロックチェーン同士が自体のブロックチェーン識別子を通じてデータ交換を行うようにすることである記録手段20と、
前記認証チェーンを制御してグリーン電力認証モデルと前記記録データを呼び出し、前記グリーン電力認証モデルの制約条件を取得し、前記制約条件及び前記記録データに基づき発電所で作られた電気エネルギーの属性がグリーン電力属性であるか否かを判定し、グリーン電力属性である場合、前記認証チェーンを利用してグリーン電力属性証書を生成する第1認証手段30であって、前記制約条件は第1制約条件、第2制約条件及び第3制約条件を含み、前記第1制約条件は発電所計画発電曲線と電力需要家の予測電力使用曲線に基づいて生成された制約条件であり、前記第2制約条件はオングリッド電力量が決済電力量を上回るか否かを判断する条件であり、前記第3制約条件は決済電力量が電力使用時間内のスマートメーターによる電力量の差であるか否かを判断する条件である第1認証手段30と、
前記トークンチェーンを制御して消費評価モデル及び前記記録データを呼び出し、電力需要側の電力需要家についてグリーン電力消費であるか否かを判定し、グリーン電力消費である場合、前記トークンチェーンを利用してグリーン電力消費ラベルを生成する第2認証手段40であって、前記消費評価モデルは電力需要側の需要家の環境評価パラメータ及びグリーン電力消費の評価パラメータによって生成された評価モデルであり、前記需要家の環境評価パラメータは電力使用企業又は個人主体のグリーンレベルであり、前記グリーン電力消費の評価パラメータは企業主体のグリーン電力消費の割合である第2認証手段40と、
非代替性トークンに基づいて前記グリーン電力属性証書及び前記グリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成する生成手段50と、
前記認証チェーンによるグリーン電力属性認証及び前記トークンチェーンによるグリーン電力消費認証の過程では、監視チェーンによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンによる認証過程における各ノードの実行情報を監視検査し、監視検査の結果が一致する場合、前記一意デジタル識別子コードを前記トークンチェーンに記憶し、監視検査の結果が一致しない場合、異常関連データを前記監視チェーンに記憶する記憶手段60であって、前記監視チェーンは、監視検査過程において前記マルチチェーンインタラクションによって前記認証チェーン及び前記トークンチェーンとデータ交換を行い、前記実行情報は各ノードの運行状態情報、コンセンサスアルゴリズムの実行状態情報及びスマートコントラクトの実行状態情報を含む記憶手段60と、を含む。
本発明の実施例では、前記データ前処理手段10、記録手段20、第1認証手段30、第2認証手段40、生成手段50及び記憶手段60は、それぞれ、通信インターフェースを有し、通信プロトコルを実現できる1つ又は複数のプロセッサ、コントローラ又はチップであり、必要に応じて、メモリ及び関連するインターフェースやシステム伝送バスなどを含んでもよく、前記プロセッサ、コントローラ又はチップはプログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。或いは、代替形態としては、前記データ前処理手段10、記録手段20、第1認証手段30、第2認証手段40、生成手段50及び記憶手段60は1つの集積チップ又はプロセッサ、コントローラ、メモリなどの設備を共有する。前記共有するプロセッサ、コントローラ又はチップはプログラムに関連するコードを実行して対応する機能を実現する。
【0092】
なお、本発明の実施例によるブロックチェーンに基づくグリーン電力認証装置の各手段によって実行される具体的な処理過程は前述各実施例の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0093】
本発明の実施例は、取得した基礎データを前処理して記録データを得て、記録データに対して生産側及び消費側からそれぞれ認証チェーンとトークンチェーンによって認証を行い、認証に合格すると、グリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルを取得し、また、非代替性トークンに基づいてグリーン電力属性証書及びグリーン電力消費ラベルのそれぞれについて一意デジタル識別子コードを生成し、証書及び識別子の非互換性及び分割不可能性などの特徴を実現し、監視チェーンを通じて認証過程を監視検査し、かつマルチチェーンインタラクションによって認証チェーン、トークンチェーン及び監視チェーンに対して、対応するブロックチェーン一意識別子を生成することができ、各ブロックチェーンのデータ交換を実現する、ブロックチェーンに基づくグリーン電力認証装置を提供する。これにより、再生可能エネルギーの認証機構の不正確性、再生可能エネルギーの属性認証及び評価消費の過程における情報の非対称性及びデータの不透明性の問題を解決する。
【0094】
本明細書の様々な実施例は、漸進的に説明されており、各実施例は、他の実施例との相違点に焦点を当てて説明されており、様々な実施例間の同じ又は類似の部分は相互に参照することができる。実施例に開示された装置については、実施例に開示された方法に対応するので、説明は比較的簡単であり、関連点については、方法の説明を参照すればよい。
【0095】
開示された実施例の上述の説明は、当業者が本発明を実施又は使用することを可能にする。これらの実施例の様々な修正は、当業者には自明であり、本明細書で定義された一般的な原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施例で実施することができる。したがって、本発明は、本明細書に示されたこれらの実施例に限定されることはなく、本明細書に開示された原理及び新規な特徴に一致する最も広い範囲に適合する。
図1
図2
図3
図4