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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】アナライザシステムデータの伝送
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20241030BHJP
【FI】
G16H10/40
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023524608
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2021078890
(87)【国際公開番号】W WO2022084284
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】202011046143
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】20211802.2
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500554782
【氏名又は名称】ラジオメーター・メディカル・アー・ペー・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ハストロプ,モーデン
(72)【発明者】
【氏名】ラージャタナコディ,ラージカマル
(72)【発明者】
【氏名】レンカ,マノージ
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0372096(US,A1)
【文献】特開2020-038715(JP,A)
【文献】特開2019-096315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のアナライザデバイス(5)を含むアナライザシステム(1)からリモートサーバ(3)にデータを伝送するための方法であって、前記1つまたは複数のアナライザデバイス(5)が、患者から得た試料および/または測定からデータを取得するように構成され、前記方法が
前記リモートサーバ(3)が前記アナライザシステム(1)の地理的場所および/または組織的場所を取得するために、前記アナライザシステム(1)が、前記アナライザシステム(1)の身元を、前記リモートサーバ(3)に提供するステップと、
前記アナライザシステム(1)が、前記アナライザシステム(1)の前記地理的場所および/または前記組織的場所を前記リモートサーバ(3)から取得するステップと、
前記アナライザシステム(1)が、前記アナライザシステム(1)の前記地理的場所および/または前記組織的場所に関連付けられる1つまたは複数の規則を生成するステップと、
前記アナライザシステム(1)が、伝送されるデータを、前記アナライザシステム(1)の前記地理的場所および/または前記組織的場所に関連付けられる1つまたは複数の規則に基づいて判定するステップと、
前記アナライザシステム(1)が、前記判定されたデータを前記リモートサーバ(3)に伝送するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記伝送されるデータを前記判定するステップが、前記アナライザシステム(1)で利用可能な1つまたは複数の規則に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の規則が、前記リモートサーバ(3)によって前記アナライザシステム(1)に提供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
データが、患者からの1つもしくは複数の生物学的試料および/または1つもしくは複数の非侵襲的測定の分析から取得される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的なコンピュータ可読媒
体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムが、データ処理ユニットにロード可能であり、前記コンピュータプログラムが前記データ処理ユニットによって実行されると、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実施させるように構成される、コンピュータプログラム製品。
【請求項6】
リモートサーバにデータを伝送するためのアナライザシステムであって、前記アナライザシステム(1)が、1つまたは複数のアナライザデバイス(5)を備え、前記1つまたは複数のアナライザデバイス(5)が、患者から得た試料および/または測定からデータを取得するように構成され、前記アナライザシステム(1)が
前記アナライザシステム(1)の身元を前記リモートサーバ(3)に提供することと、
前記身元特定されたアナライザシステム(1)の地理的場所および/または組織的場所を前記リモートサーバ(3)から取得することと、
前記アナライザシステム(1)の前記地理的場所および/または前記組織的場所に関連付けられる1つまたは複数の規則を生成することと、
伝送されるデータを、前記アナライザシステム(1)の前記地理的場所および/または組織的場所に関連付けられる1つまたは複数の規則に基づいて判定することと、
前記判定されたデータを前記リモートサーバ(3)に伝送することと
を行なうように構成される、アナライザシステム。
【請求項7】
前記アナライザシステム(1)が、前記アナライザシステム(1)で利用可能な1つまたは複数の規則に基づいて、前記伝送されるデータを判定するようにさらに構成される、請求項6に記載のアナライザシステム。
【請求項8】
前記アナライザシステム(1)が、前記1つまたは複数のアナライザデバイス(5)のデバイス管理を実現するように構成された、ポイントオブケア管理システムを実装するローカルサーバ(7)をさらに含む、請求項6または7に記載のアナライザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にデータの伝送の分野に関する。より詳細には、本開示は、アナライザシステムからリモートサーバへのデータの伝送に関する。
【背景技術】
【0002】
アナライザデバイスは、典型的には、患者の健康に関する1つまたは複数のパラメータを測定し、患者の診断およびモニタリングに使用されるデータを生成するように構成される。そのようなアナライザデバイスは、例えば、血液ガスアナライザ、経皮的なモニタリングシステム、およびイムノアッセイアナライザなどを含むことができる。
【0003】
アナライザデバイスおよび/またはアナライザデバイスを含むアナライザシステムからの、生成されたデータの伝送は、通常、地域および/または国ごとの法律および規制によって規定される。例えば、一部の地域または国では、生成されたデータの一部のみが、アナライザデバイスおよび/またはアナライザシステムから伝送されることを許可される場合がある。
【0004】
アナライザシステムデータの伝送に対する地域/国固有の規制の第1の欠点は、このような地域/国に配置されたアナライザデバイスおよび/またはアナライザシステムのための、データの伝送が実施されないことである。
【0005】
アナライザシステムデータの伝送に対する地域/国固有の規制の第2の欠点は、それぞれのアナライザデバイスが、関係する地域/国で許可されたデータのみが伝送されるように、その地域/国でのセットアップ時にカスタマイズされる必要があり得ることである。
【0006】
例えば、現場の技師またはオペレータは、アナライザデバイスおよび/またはアナライザシステムを最初にセットアップする際に、地域/国固有の規制にしたがってアナライザデバイス/システムをカスタマイズする必要があり得る。
【0007】
アナライザシステムデータの伝送に対する地域/国固有の規制の第3の欠点は、それぞれのアナライザデバイスが、その地域/国で許可されたアナライザシステムデータのみが伝送されるように、あらゆる更新が、関係するそれぞれのアナライザデバイス/システムが手動で更新されることを必要とし得ることである。
【0008】
例えば、現場の技師またはオペレータは、更新が実施される必要がある場合、地域/国固有の規制にしたがってアナライザデバイス/システムを再カスタマイズする必要があり得る。
【0009】
アナライザシステムデータの伝送に対する地域/国固有の規制の第4の欠点は、アナライザデバイス/システムをカスタマイズ、再カスタマイズ、または更新する間に、人間により(例えば、現場の技師またはオペレータにより)生じるエラーが発生し得ることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、アナライザシステムデータの規定された伝送のための代替的な手法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一部の実施形態の目的は、上述のまたは他の欠点の少なくとも一部を、解決もしくは緩和、軽減、または解消することである。
第1の態様によると、これは、1つまたは複数のアナライザデバイスを含むアナライザシステムからリモートサーバにデータを伝送するための方法であって、1つまたは複数のアナライザデバイスは、患者から得た試料および/または測定からデータを取得するように構成される、方法によって達成される。
【0012】
方法は、伝送されるデータを、アナライザシステムの地理的場所および/または組織的場所に関連付けられる1つまたは複数の規則に基づいて判定することと、判定されたデータをリモートサーバに伝送することとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、伝送されるデータを判定することは、アナライザシステムで利用可能な1つまたは複数の規則に基づく。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の規則は、ソフトウェアの一部としておよび/またはルックアップテーブルとして存在してもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の規則は、リモートサーバによってアナライザシステムに提供される。
いくつかの実施形態では、方法は、アナライザシステムの地理的場所および/または組織的場所を取得することをさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、地理的場所および/または組織的場所は、例えば、リモートサーバ、認定された技師、またはGPSによって提供される場合がある。
いくつかの実施形態では、方法は、アナライザシステムの身元を、身元特定されるアナライザシステムの地理的場所および/または組織的場所を取得するためのリモートサーバに提供することをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムの身元は、次のうちのいずれか1つであってもよい:識別子、アナライザシステムの地理的場所、規則セットの識別情報、規則セット、シリアルナンバーなど。
【0017】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、1つまたは複数のアナライザデバイスのデバイス管理を実現するように構成された、ポイントオブケア管理システムを実装するローカルサーバをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、1つまたは複数の他のリモートサーバに接続可能である。
いくつかの実施形態では、データの伝送は、パケット交換ネットワーク上で行なわれる。
【0019】
いくつかの実施形態では、リモートサーバからの情報は、アナライザシステムからの要求を伴わずに、例えば周期的に、または更新時に、または各初期化の際などに、アナライザシステムにプッシュされてもよく、あるいは情報はアナライザシステムからの要求により、リモートサーバによって提供されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、その組織的場所および供給情報、例えば身元を、リモートサーバに要求してもよく、それによって、リモートサーバは、アナライザシステムの組織的場所を、例えばローカルまたはリモートのデータベースから、取得することが可能となる。
【0021】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、1つまたは複数のアナライザデバイスのデバイス管理を実現するように構成された、ポイントオブケア管理システムを実装するローカルサーバをさらに含み、アナライザシステムとリモートサーバとの間の通信は、ローカルサーバを介して行なわれてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、モノのインターネット(IoT)ゲートウェイを含む。
いくつかの実施形態では、ローカルサーバは、IoTゲートウェイを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、IoTハブを含む。
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、1つまたは複数の他のリモートサーバに接続可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、データの伝送は、インターネットなどのパケット交換ネットワーク上で行なわれる。
いくつかの実施形態では、データは、患者からの1つもしくは複数の生物学的試料および/または1つもしくは複数の非侵襲的測定の分析から取得される。
【0025】
以降の態様では、用語および特徴は、第1の態様と同一の名称を有する用語および特徴に対応する場合があり、そのため、上記で与えられたそれらの用語および特徴の記載および説明は、以降の態様にも当てはまる。
【0026】
第2の態様によると、これは、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロード可能であり、コンピュータプログラムがデータ処理ユニットによって実行されると第1の態様にしたがって方法を実施させるように構成される、コンピュータプログラム製品によって達成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、データ処理ユニットは、アナライザデバイス、アナライザシステム、および/またはリモートサーバに含まれてもよい。
第3の態様によると、これは、リモートサーバにデータを伝送するためのアナライザシステムであって、アナライザシステムは、1つまたは複数のアナライザデバイスを含み、1つまたは複数のアナライザデバイスは、患者から得た試料および/または測定からデータを取得するように構成される、アナライザシステムによって達成される。
【0028】
アナライザシステムは、伝送されるデータを、アナライザシステムの地理的場所および/または組織的場所に関連付けられる1つまたは複数の規則に基づいて判定することと、判定されたデータをリモートサーバに伝送することとを行なうように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、アナライザシステムで利用可能な1つまたは複数の規則に基づいて、伝送されるデータを判定するようにさらに構成される。
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、1つまたは複数の規則をリモートサーバから取得するようにさらに構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、アナライザシステムの地理的場所および/または組織的場所を取得するようにさらに構成される。
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、アナライザシステムの身元をリモートサーバに提供することと、身元特定されるアナライザシステムの地理的場所および/または組織的場所をリモートサーバから取得することとを行なうようにさらに構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、1つまたは複数のアナライザデバイスのデバイス管理を実現するように構成された、ポイントオブケア管理システムを実装するローカルサーバをさらに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、データは、パケット交換ネットワーク上でリモートサーバに伝送される。
いくつかの実施形態では、パケット交換ネットワークは、インターネットを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、IoTゲートウェイを含む。
いくつかの実施形態では、ローカルサーバは、IoTゲートウェイを含む。
いくつかの実施形態では、データは、1つもしくは複数の生物学的試料および/または1つもしくは複数の非侵襲的測定の分析から取得される。
【0034】
第4の態様によると、これは、1つまたは複数のアナライザデバイスを含むアナライザシステムからデータを取得するためのリモートサーバであって、1つまたは複数のアナライザデバイスは、患者から得た試料および/または測定からデータを取得するように構成される、リモートサーバによって達成される。
【0035】
リモートサーバは、アナライザシステムの身元を取得するように構成され、アナライザシステムの身元の取得に応答して、アナライザシステムに、アナライザシステムの地理的および/もしくは組織的場所、または地理的および/もしくは組織的場所の確認を伝送すること、ならびに/あるいは、アナライザシステムに、1つもしくは複数の規則、または1つもしくは複数の規則の確認を伝送することであって、1つもしくは複数の規則がアナライザシステムの地理的および/もしくは組織的場所に関連付けられる、伝送すること、を行なうように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、データベースからの場所情報の検索によって、アナライザシステムの地理的および/または組織的場所を判定するようにさらに構成される。
【0037】
いくつかの実施形態では、データベースは、例えば、データリポジトリ、または顧客関係管理(CRM)システムもしくは類似のものなどであってもよい。
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、アナライザシステムの取得した身元に基づいてデータベースから場所情報を検索するようにさらに構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、データベースは、例えば、データリポジトリ、または顧客関係管理システムもしくは類似のものなどであってもよい。
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、少なくともアナライザシステムの初期セットアップの間、またはアナライザシステムの稼働中絶え間なく、取得および伝送の動作を実施するようにさらに構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、データの伝送は、パケット交換ネットワーク上で行なわれる。
いくつかの実施形態では、パケット交換ネットワークは、インターネットであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、IoTハブを含む。
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、アナライザシステムに含まれるIoTゲートウェイと通信するようにさらに構成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、1つまたは複数の他のリモートサーバに接続可能である。
第5の態様によると、これは、第1の態様による方法のステップを実施するように構成されたアナライザシステムとリモートサーバとを備えるヘルスケアシステムによって達成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、アナライザシステムは、第3の態様によるアナライザシステムであってもよい。
いくつかの実施形態では、リモートサーバは、第4の態様によるリモートサーバであってもよい。
【0043】
上記態様のいずれも、他の態様のいずれかについて上述した様々な特徴のいずれかと同一またはいずれかに対応する特徴を、追加的に有してもよい。
いくつかの実施形態の利点は、アナライザシステムデータの規定された伝送について、代替的な手法が提供されることである。
【0044】
いくつかの実施形態の利点は、地域/国固有の規制にしたがう、アナライザシステムデータの伝送のための、アナライザデバイス/システムの自動的なカスタム化の提供である。
【0045】
いくつかの実施形態の利点は、地域/国固有の規制にしたがう、アナライザシステムデータの伝送のための、アナライザデバイス/システムのリモートカスタム化を可能にすることである。
【0046】
いくつかの実施形態の利点は、地域/国固有の規制にしたがう、アナライザシステムデータの伝送のための、アナライザデバイス/システムの自動的な更新の提供である。
いくつかの実施形態の利点は、地域/国固有の規制にしたがう、アナライザシステムデータの伝送のための、アナライザデバイス/システムのリモート更新を可能にすることである。
【0047】
いくつかの実施形態の利点は、アナライザシステムデータの伝送に対する地域/国固有の規制にしたがうための信頼できるシステムの提供である。
いくつかの実施形態の利点は、他のリモートサーバに接続可能なリモートサーバによって、リモートサーバにおいて受信されるアナライザデバイスから伝送されるデータが、処理、セキュアな保管、保持などのために、他のリモートサーバにさらに伝送され得ることである。
【0048】
いくつかの実施形態の利点は、定期的にまたは絶えず規則セットを更新することによって、データの伝送に対するあらゆる新規の規制が、更新される1つまたは複数の規則に反映され得ることである。
【0049】
いくつかの実施形態の利点は、アナライザデバイス/システムをカスタマイズ、再カスタマイズ、または更新する間に発生し得る、人間により(例えば、現場の技師またはオペレータにより)生じるエラーが、アナライザデバイス/システムの自動的なカスタム化、再カスタム化、または更新によって、低減されることである。
【0050】
いくつかの実施形態の利点は、リモートサーバが証明書をアナライザシステムに提供する場合、初期セットアップ中に証明書を提供することによって、アナライザシステムが、リモートサーバへのデータの伝送において信頼されることである。アナライザシステムが何らかの形で損なわれた場合、提供される証明書は、アナライザシステムがリモートサーバへのデータの伝送においてもはや信頼されないように、無効にされる場合がある。
【0051】
いくつかの実施形態の利点は、他のリモートサーバに接続可能なリモートサーバによって、リモートサーバにおいて受信されるアナライザシステムから伝送されるデータが、処理、セキュアな保管、保持などのために、他のリモートサーバにさらに伝送され得ることである。
【0052】
いくつかの実施形態の利点は、アナライザシステムの地理的および/または組織的場所を取得することによって、伝送すべきデータを判定することおよび判定されたデータを伝送することの前に、アナライザシステムの地理的および/または組織的場所の規則に準拠するデータのみが、アナライザシステムから伝送されることである。
【0053】
以下では、例示の実施形態を、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】いくつかの実施形態による、例示の方法ステップを示すフローチャートである。
図2】いくつかの実施形態による、例示の方法ステップを示すフローチャートである。
図3】いくつかの実施形態による、例示の方法ステップを示すフローチャートである。
図4】いくつかの実施形態による、例示の方法ステップを示すフローチャートである。
図5】いくつかの実施形態による、例示の方法ステップを示すフローチャートである。
図6】いくつかの実施形態による、例示の方法ステップを示すフローチャートである。
図7図7Aは、いくつかの実施形態による、例示のアナライザシステムと例示のリモートサーバシステムとの間のデータ伝送を示す概略図である。図7Bは、いくつかの実施形態による、例示のアナライザシステムと例示のリモートサーバシステムとの間のデータ伝送を示す概略図である。
図8図8Aは、いくつかの実施形態による、例示のアナライザシステムと例示のリモートサーバシステムとの間のデータ伝送を示す概略図である。図8Bは、いくつかの実施形態による、例示のアナライザシステムと例示のリモートサーバシステムとの間のデータ伝送を示す概略図である。
図9】いくつかの実施形態による、例示のアナライザシステムと例示のリモートサーバシステムとの間のデータ伝送を示す概略図である。
図10】いくつかの実施形態による、例示のアナライザシステムと例示のリモートサーバシステムとの間のデータ伝送を示す概略図である。
図11】いくつかの実施形態による、例示のヘルスケアシステムを示す概略図である。
図12】いくつかの実施形態による、例示のヘルスケアシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照しながら、以降でより十分に説明および例証する。しかしながら、本明細書で開示される説明は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書で説明される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0056】
上述のように、アナライザシステムデータの伝送に対する地域/国固有の規制の結果に伴い、データの伝送は、これらの地域/国に配置されたアナライザデバイスおよび/またはアナライザシステムにおいて、実施されない場合がある。
【0057】
やはり上述のように、現場の技師またはオペレータは、アナライザデバイスおよび/またはアナライザシステムを最初にセットアップまたは更新する際に、ある地域/国で許可されたデータのみが伝送されるように、その地域/国固有の規制にしたがってアナライザデバイス/システムをカスタマイズ/再カスタマイズする必要があり得る。
【0058】
したがって、以下では実施形態が提示され、その提示においてはアナライザシステムデータの規定される伝送のための代替的な手法が説明される。
本明細書に記載される場合、アナライザデバイスは、典型的には、患者から得た試料、例えば生物学的試料、および/または測定、例えば経皮的測定の分析に応答して、健康関連データおよび/またはデバイスデータを生成するように構成されたデバイスを含むことができる。
【0059】
したがって、上述のように、アナライザデバイスは、患者の健康に関する1つまたは複数のパラメータを測定すること、データを生成すること、患者を診断およびモニタリングするために使用される試験結果を作成することを行なうように構成することができる。
【0060】
アナライザデバイスは、例えば、血液ガスアナライザ、経皮的モニタリングシステム、イムノアッセイアナライザを含むことができ、実施される測定は、例えば血液試料などの生物学的試料を対象とするものであってもよいし、例えば経皮的測定などの非侵襲的測定であってもよい。患者から得た試料および/または測定から生成されるデータは、ポイントオブケアにおいて取得されてもよいし、代替的にまたは追加的に、試験室で患者から得た試料および/または測定から取得されてもよい。
【0061】
加えて、アナライザデバイスは、高い基準で動作するべき精巧な装置であり得るため、あらゆるエラーも迅速に処置されるべく、適切に機能していることを確実にするように頻繁にモニタリングする必要がある。アナライザデバイスのモニタリングの一部として、例えばメンテナンスが実施される際、品質チェック結果において、ソフトウェアバージョン更新時、アナライザの稼働中など、デバイスデータ、すなわちメタデータが生成されてもよい。デバイスデータは、デバイスを仕様の範囲内で稼働および実行し続ける支援において、アナライザデバイスによって生成されてもよい。
【0062】
アナライザデバイスは、いくつかの実施形態では、アナライザシステム中に含まれてもよい。
本明細書に記載される場合、アナライザシステムは、典型的には、1つまたは複数のアナライザデバイスのデバイス管理を実現するように構成された管理システムを含むことができ、デバイス管理は、中央集権化されたデータ管理システムを含んでもよい。
【0063】
代替的にまたは追加的に、管理システムは、アナライザシステムの1つまたは複数のアナライザデバイスに動作可能に接続されたローカルサーバに実装されてもよい。
1つまたは複数のアナライザデバイスを含む、いくつかのアナライザシステムでは、上述のような試験結果および/またはデバイスデータなどの、アナライザデバイスによって生成または作成されたデータは、リモートサーバに伝送される。次いで、リモートサーバは、伝送されたデータに応答して、いくつかのサービスを提供することができる。例えば、リモートサーバは、データを、場合によってはリアルタイムで、収集、モデリング、および解釈することによって、試験結果の分析を支援して、試験結果に基づいて、アナライザデバイスのオペレータなどの医療専門家のためにさらなる情報を作成することができる。さらには、リモートサーバは、アナライザデバイスにおけるあらゆる技術的なエラーをモニタリングおよび検出するために、ならびに例えばリモートサポートおよびトラブルシューティング、ソフトウェア更新などの支援を提供するために、デバイスデータ、場合によっては試験結果をも収集することによって、アナライザデバイスのための技術的なサポートを提供することができる。そのようなセットアップでは、原則として、患者または患者ID関連のデータは、通常いつでも見える訳ではない、またはアクセス可能ではない。
【0064】
図1図6は、1つまたは複数のアナライザデバイスを含むアナライザシステムから、リモートサーバにデータを伝送するための例示の方法の、方法ステップを示すフローチャートである。
【0065】
図7図10は、リモートサーバ3とデータをやり取りするアナライザシステム1の例を示す概略図である。
図11図12は、ヘルスケアシステムの例を示す概略図である。いくつかのアナライザデバイス5およびローカルサーバ7を含むアナライザシステム1が図12に示されており、このシステムでは、ローカルサーバは、1つまたは複数のアナライザデバイス5のデバイス管理を実現するように構成されたポイントオブケア管理システムを実装することができる。
【0066】
アナライザデバイス5は、患者から得た試料および/または測定を分析し、それにより患者の健康に関連するパラメータを測定し、それにより患者の診断およびモニタリングにおいて使用されるデータ(本明細書では健康関連データとも称される)、例えば試験結果を作成または生成するように構成されたデバイスである。さらには、アナライザデバイス5は、アナライザデバイス5の機能性を最適化および保守するために使用される、デバイスデータ、例えばメンテナンス関連データを生成する。生成された健康関連データおよび/またはデバイスデータは、リモートサーバ3への伝送用のデータであってもよい。リモートサーバ3への伝送用のデータは、アナライザシステム1からリモートサーバ3に伝送してよいものに関する規則の観点から規定する、場所固有の規制の対象である場合がある。
【0067】
したがって、ステップS10において、1つまたは複数の規則に基づいて、伝送されるデータの判定が行なわれ、この場合、規則はデータの伝送を地方の規制に準拠させるべく構築され、例えば、1つまたは複数の規則の適用は、あるタイプのデータが伝送に含まれないように、データを限定する場合もあるし、所与の伝送においてデータのすべてを許可する場合もある。伝送用のデータを限定することは、伝送されることを許可されないデータが伝送の前に除去されることを意味する場合がある。故に、伝送されるデータを判定することは、データをフィルタリングすること、または選択することを含む場合がある。地方の規制は、地域または国に固有な場合があり、セットされた規則は、アナライザシステムの場所において施行されている規制にしたがって、無線でまたはケーブルネットワークを介して、特にインターネットなどのパケット交換ネットワークを介して、アナライザシステム1からリモートサーバ3に、どのタイプのデータを伝送することができるかを定める。
【0068】
地方の規制を反映するために、1つまたは複数の規則が地理的場所または組織的場所に関連付けられ、この場合、組織的場所とはアナライザシステム1が属する組織構造における補助的な構造を称する。補助的な構造は、国など、特定の地理的領域において使用される。例えば、アナライザシステム1は、例えばフランス、またはドイツ、または中国などにおける、すべてのアナライザデバイスが属する組織上の補助的な構造に属する場合がある。この方法では、組織的場所は、データの伝送のための適当な規則のセットにアナライザシステム1をリンクするもう1つのやり方である。地理的場所は、GPS座標、市、領域、国などであってもよい。1つまたは複数の規則が、地理的および/または組織的場所に関連付けられるということは、ある地理的および/または組織的場所に固有となるように、その規則が定式化されるという意味である。故に、1つまたは複数の規則を使用して、アナライザシステムの場所において施行されている規制にしたがって、アナライザシステムからリモートサーバへのデータの伝送を制御することができる。
【0069】
ステップS20では、判定されたデータはリモートサーバ3に伝送される。リモートサーバ3は、少なくとも部分的にアナライザシステム1と同一の地域もしくは国に配置されてもよいし、または少なくとも部分的にアナライザシステム1の地域もしくは国の外部に配置されてもよい。リモートサーバは、伝送されるデータが、クラウドサーバのサーバ空間として機能するいずれのデータセンタにも記憶され得るように、クラウドサーバであってもよい。さらには、リモートサーバ3は、1つまたは複数の他のリモートサーバに接続可能である場合がある。リモートサーバ3が他のリモートサーバに接続される場合、アナライザデバイスから伝送されるデータは、伝送されるデータの処理、セキュアな保管、保持などのために、リモートサーバ3から接続されたリモートサーバに、さらに伝送されてもよい。
【0070】
アナライザシステム1に実装することができる、伝送するデータを判定するための規則セットは、いくつかの方法で、アナライザシステム1によって取得することができ、例えば図2に示されるステップS9を参照すると、1つまたは複数の規則はリモートサーバ3から取得することができる。図3に示されるように、リモートサーバ3は、アナライザシステム1が自身の身元に関する情報をリモートサーバ3に提供するステップS5の後、1つまたは複数の規則を提供することができる。これは、図7Aおよび図7Bにも示される。図7Aでは、アナライザシステム1は身元情報9をリモートサーバ3に送信する。識別情報は、識別子、アナライザシステムの地理的および/または組織的場所、規則セットの識別情報、規則セット、シリアルナンバーなどのうちの1つであってもよい。身元情報9を受信したことに応答して、リモートサーバ3は、アナライザシステム1に1つまたは複数の規則11を提供する。リモートサーバ3は、リモートサーバ3または他の類似のシステムに動作可能に接続された顧客関係管理(CRM)システム13に問い合わせして、例えば、アナライザシステム1の地理的および/または組織的場所を取得する。アナライザデバイス5に対する厳しい規制のため、製造業者によって運用されるCRMまたは他の類似のシステムは、アナライザデバイス5が設置される場所に関する情報を有する。
【0071】
代替的にまたは追加的に、図4に示されるように、ステップS6では、アナライザデバイス1は、リモートサーバ3が規則セット11をアナライザシステム1に提供することによって応答する、自身の地理的および/または組織的場所15に関する情報を、リモートサーバ3に提供することができる。これは、図8Aおよび図8Bにも概略的に示される。図8Aでは、アナライザシステム1は場所情報15をリモートサーバ3に送信し、リモートサーバ3は、場所情報15を受信した後、アナライザシステムに1つまたは複数の規則11を提供する。
【0072】
規則セットは、アナライザシステム1で利用可能な1つまたは複数の規則に基づくことができる。つまり、アナライザシステム1は、規則セットを、例えばルックアップテーブルとして含む。アナライザシステム1は、図5に示されるように、例えばリモートサーバ3から、認定された技師から、またはGPSから、その地理的および/または組織的場所を取得した後、規則セットを生成するように構成されてもよい。図5のステップS3では、アナライザシステム1は、その地理的および/または組織的場所を取得し、ステップS8では、アナライザシステム1は場所情報に基づいて規則セットを生成する。例えば、認定された技師は、アナライザシステム1に、その地理的場所および/またはその組織的場所についての情報を、場合によってはアナライザシステム1の初期セットアップ中に提供することができる。別の例として、アナライザシステム1は、その地理的場所を自身に与えるためにGPSを含む場合がある。規則セットは、データベースから規則セットを選択することによって生成されてもよく、このデータベースは、例えば、リモートサーバ3からアナライザシステム1に伝送される更新によって、定期的に更新される可能性がある。
【0073】
図6に示されるように、ステップS5では、アナライザシステム1は、自身の身元に関する情報をリモートサーバ3に提供し、ステップS7で、その場所をリモートサーバ3から、またはアナライザシステム1にその地理的および/もしくは組織的場所が既に提供されてある場合は場所の確認として、取得する。その場所情報または確認が提供された後、図5に示されるように、ステップS8において、アナライザシステム1は、1つまたは複数の規則を生成する。これは、図9Aおよび図9Bでさらに概略的に示され、図9Aでは、アナライザシステム1は、自身の身元9に関する情報をリモートサーバ3に提供する。次いで、リモートサーバ3は、アナライザシステム1を識別したことに応答して、アナライザシステム1の地理的および/または組織的場所15を提供する。やはり、リモートサーバ3は、データリポジトリ、顧客関係管理(CRM)システム13または他の類似のシステムに問い合わせ、アナライザシステム1の地理的および/または組織的場所を取得する。
【0074】
アナライザシステム1が、リモートサーバ3に伝送されるデータを判定するために使用される規則セットを取得することは、少なくともアナライザシステム1の初期セットアップ中に、またはアナライザシステム1の稼働中絶え間なく実施することができる。規則セットを定期的にまたは絶えず取得することによって、規則セットを更新することができ、あらゆる新しい規制が更新された1つまたは複数の規則に反映されることが可能である。初期セットアップは、リモートサーバがアナライザシステムに証明書を与えるプロビジョニングであってもよく、それによってアナライザシステムはデータをリモートサーバに送信できるようになる。アナライザシステムが後に何らかの形で損なわれた場合、アナライザシステムがもはやデータをリモートサーバに送信することができないように、この証明書は取り消される可能性がある。
【0075】
一般的に、すべての実施形態で、リモートサーバ3からの情報は、アナライザシステムからの要求を伴わずに、例えば周期的に、または更新時に、または各初期化の際などに、アナライザシステム1にプッシュされてもよく、あるいは情報はアナライザシステム1からの要求により、リモートサーバ3によって提供されてもよい。図10に示されるように、1つまたは複数の規則を取得した後、アナライザシステム1は、判定されたデータ17を伝送することができ(破線で示される)、このデータは、例えばあるタイプのデータが伝送に含められないように、限定されたデータであってもよいし、すべてのデータが所与の伝送に許可されてもよい。
【0076】
アナライザシステムからのデータの伝送の方法は、コンピュータプログラム製品によって実行されてもよく、この製品は、プログラム命令を含むコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードされ、データ処理ユニットによってコンピュータプログラムが実行されると、方法を実施させるように構成することができる。データ処理ユニットは、アナライザデバイス、アナライザシステム、および/またはリモートサーバの一部であってもよい。
【0077】
図11は、ヘルスケアシステム110の例を示しており、このシステムは、アナライザシステム1およびリモートサーバ3を含み、アナライザシステム1からリモートサーバ3へデータを伝送するための方法(図1図6に関して図示および説明したような方法ステップ)を実施するように構成され、アナライザシステム1は1つまたは複数のアナライザデバイス5を含むことができる。アナライザシステム1は、ユーザサイトに配置され、リモートサーバ3に含まれるかそれに動作可能に接続されたIoTハブ21を介してアナライザシステム1がリモートサーバ3との通信に使用する、モノのインターネット(IoT)ゲートウェイ19を含む場合がある。故に、例えばインターネットを介した、アナライザシステムとリモートサーバとの相互接続によって、それらはデータを送受信することが可能である。IoTデバイスは、一意な識別子(UID)を用いて識別され得、人間対人間の、または人間対コンピュータの対話を必要とすることなく、ネットワーク上でデータの転送を可能にする。IoTデバイスには、インターネットプロトコル(IP)アドレスが割振られ、それによってネットワーク上でデータを転送することができ、アナライザシステムとリモートハブとの間に必要な通信が可能となる。IoT1ハブ21は、ユーザサイトにおける特定のアナライザシステム1に関する情報をリモートサーバ3が取得することができる、CRM13または他の類似のシステムとさらに通信してもよい。アナライザシステム1は、健康関連データおよびデバイスデータなどのあらゆるタイプのデータをリモートサーバ3に伝送する前に適用する、アナライザシステム1の場所(地理的および/または組織的場所)に関連付けられる1つまたは複数の規則を取得する。このやり方で、アナライザシステムの場所に関連付けられる1つまたは複数の規則に準拠していると判定されたデータのみが、アナライザシステムから伝送される。
【0078】
例として、図11に示されるヘルスケアシステムでは、アナライザシステム1は、自身の身元情報をリモートサーバ3に伝送することができる(図9Aを参照)。次いで、リモートサーバはアナライザシステムのid9を、CRM13または他の類似のシステム内でルックアップし、時にビジネスユニットとも称される、アナライザシステム1の組織的場所を知ることができる。この情報、すなわち組織的場所は、次いでIoTゲートウェイ19を介してアナライザシステム1に提供されてもよく、アナライザシステム1のソフトウェアは、その提供された組織的場所から、システムが配置される国または地域で義務付けられる規則を判定するように構成される。次いで、アナライザシステム1は、リモートサーバ3へのデータの自身の伝送が地方の規制にしたがって実施されることを確実にするために、1つまたは複数の規則を適用することができる。
【0079】
図12は、ヘルスケアシステム120の別の例を示しており、このシステムは、アナライザシステム1およびリモートサーバ3を含み、アナライザシステム1からリモートサーバ3へデータを伝送するための方法(図1図6に関して図示および説明したような方法ステップ)を実施するように構成され、アナライザシステム1は1つまたは複数のアナライザデバイス5を含むことができる。図11に示されるようなヘルスケアシステムのコンポーネントに加え、アナライザシステム1はまた、この例示のシステムでは3つのアナライザデバイス5の、デバイス管理を実現するように構成されたポイントオブケア管理システムを実装するローカルサーバ7を含んでもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 アナライザシステム
3 リモートサーバ
5 アナライザデバイス
7 ローカルサーバ
9 伝送された身元情報
11 伝送された規則セット
13 CRM
15 伝送された地理的および/または組織的場所
17 伝送された判定されたデータ
19 IoTゲートウェイ
21 IoTハブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12