IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シージェイ チェルジェダン コーポレイションの特許一覧

特許7579450スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法
<>
  • 特許-スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法 図1
  • 特許-スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法 図2
  • 特許-スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法 図3
  • 特許-スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法 図4
  • 特許-スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/12 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
C12N1/12 Z
C12N1/12 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023528069
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2021013515
(87)【国際公開番号】W WO2022154212
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2021-0006814
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【微生物の受託番号】KCTC  KCTC14345BP
(73)【特許権者】
【識別番号】507406611
【氏名又は名称】シージェイ チェルジェダン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ソンフン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ウォン・ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジュン・ウン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヘ・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジ・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】オク,スン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ホ・スン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,デ・チョル
【審査官】斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0070937(KR,A)
【文献】特開平08-196266(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1866197(KR,B1)
【文献】UNAGUL, P. et al.,Isolation, fatty acid profiles and cryopreservation of marine thraustochytrids from mangrove habitats in Thailand,Botanica Marina,2017年,60(4),363-379
【文献】CARVALHO, A.S. et al.,Effects of Addition of Sucrose and Salt, and of Starvation upon Thermotolerance and Survival During Storage of Freeze-dried Lactobacillus delbrueckii ssp bulgaricus,Journal of Food Science,2003年,68(8),2538-2541
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスキゾキトリウム属微細藻類(Schizochytrium sp.)の凍結保存用組成物であって、
組成物全体重量を基準にして前記スキムミルクを0.5~20重量%で含み、
組成物全体重量を基準にして前記スクロースを1重量%~20重量%で含み、
組成物全体重量を基準にして前記塩化ナトリウムを0.1~10重量%で含む、凍結保存用組成物。
【請求項2】
前記凍結保存用組成物は、スキムミルクおよびスクロースを1:0.5~1:10の重量比で含む、請求項1に記載の凍結保存用組成物。
【請求項3】
前記凍結保存用組成物は、スキムミルクおよび塩化ナトリウムを1:0.5~1:10の重量比で含む、請求項1に記載の凍結保存用組成物。
【請求項4】
1)ラウストキトリッド科(Thraustochytriaceae)微細藻類を培養するための培地でスキゾキトリウム属微細藻類を培養する段階;
2)前記段階1の培養物を回収する段階
3)前記段階2で回収した培養物を請求項1に記載のスキゾキトリウム属微細藻類の凍結保存用組成物に懸濁させる段階;および、
4)前記懸濁された培養物を凍結乾燥してバイオマスを製造する段階を含む、スキゾキトリウム属微細藻類の凍結保存方法。
【請求項5】
前記段階の以前および以後に前記微細藻類を凍結する段階をさらに含まない、請求項に記載のスキゾキトリウム属微細藻類の凍結保存方法。
【請求項6】
1)ラウストキトリッド科(Thraustochytriaceae)微細藻類を培養するための培地でスキゾキトリウム属微細藻類を培養する段階;
2)前記段階1の培養物を回収する段階
3)前記段階2で回収した培養物を請求項1に記載のスキゾキトリウム属微細藻類の凍結保存用組成物に懸濁させる段階;および、
)前記懸濁された培養物を凍結乾燥してバイオマスを製造する段階を含む、スキゾキトリウム属微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法。
【請求項7】
前記段階の以前および以後に前記微細藻類を凍結する段階をさらに含まない、請求項に記載のスキゾキトリウム属微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法。
【請求項8】
a)請求項1に記載の凍結保存用組成物;および、
b)スキゾキトリウム属微細藻類を含む、スキゾキトリウム属微細藻類の凍結乾燥バイオマス。
【請求項9】
前記凍結乾燥バイオマスは15~25℃で12週以上保管可能である、請求項に記載のスキゾキトリウム属微細藻類の凍結乾燥バイオマス。
【請求項10】
前記凍結乾燥バイオマスは15~25℃で12週以上保管後、バイオマス1mL当り1.0×10個~1.0×1012個の生菌を含む、請求項に記載のスキゾキトリウム属微細藻類の凍結乾燥バイオマス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微細藻類は海洋生態食物連鎖段階において最下位階級であって、植物性プランクトンと呼ばれる。その中でもスラウストキトリッド科(Thraustochytriaceae)に属する微細藻類は、一般的な微細藻類と異なり、光合成由来の独立栄養でない従属栄養を特徴とし、ドコサヘキサエン酸およびエイコサペンタエン酸を含むオメガ3系の多価不飽和脂肪酸を高濃度で生産および含有して海洋生態系への供給を担当する重要な役割を果たす。
【0003】
一般的な微生物は凍結保存または凍結乾燥保存方法による長期保管が可能であるが、スラウストキトリッド科微細藻類はこのような一般的な微生物の保存方式では有効に長期保管が難しいため、現在までは主に継代培養の形態で保存が行われているのが実情である。しかし、スラウストキトリッド科微細藻類は従属栄養を特徴とするため、保管環境によって一般的な微生物に比べてさらに頻繁な継代が必要であり、それによって汚染にぜい弱になり、保管費用が大きく発生している。したがって、スラウストキトリッド科微細藻類を長期保管することができる新たな方法の開発が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2013/0089901号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の目的は、スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科(Thraustochytriaceae)微細藻類の凍結保存用組成物を提供することである。
【0006】
本出願の他の目的は、前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物を用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法、またはスラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法を提供することである。
【0007】
本出願のまた他の目的は、前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法によって製造されたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを提供することである。
【0008】
本出願のまた他の目的は、前記スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物のスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存のための用途を提供することである。
【0009】
本出願のまた他の目的は、前記スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物のスラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造するための用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願で開示されるそれぞれの説明および実施形態はそれぞれの他の説明および実施形態にも適用できる。即ち、本出願で開示された多様な要素の全ての組み合わせが本出願の範疇に属する。また、下記に記述された具体的な叙述によって本出願の範疇が制限されると言えない。また、当該技術分野の通常の知識を有する者は通常の実験のみを使用して本出願に記載された本出願の特定様態に対する多数の等価物を認知するか確認することができる。また、このような等価物は本出願に含まれるものと意図される。
【0011】
一様相は、スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科(Thraustochytriaceae)微細藻類の凍結保存用組成物を提供する。
【0012】
本明細書で使用される用語、“スキムミルク(skim milk)”は、牛乳から脂肪が除去されたものであって、用語“脱脂牛乳”または“脱脂乳”と混用できる。
【0013】
本明細書で使用される用語、“スラウストキトリッド科(Thraustochytriaceae)”はスラウストキトリアレス(Thraustochytriales)目に属する微細藻類であって、例えば、前記微細藻類はスラウストキトリウム属(Thraustochytrium sp.)、スキゾキトリウム属(Schizochytrium sp.)、オーランチオキトリウム属(Aurantiochytrium sp.)、スラウストキトリーダエ属(Thraustochytriidae sp.)、ジャポノキトリウム属(Japonochytrium sp.)、モノリゾキトリウム属(Monorhizochytrium sp.)、シクヨイドキトリウム属(Sicyoidochytrium sp.)、ウルケニア属(Ulkenia sp.)、パリエチキトリウム属(Parietichytrium sp.)、ボトリオキトリウム属(Botryochytrium sp.)、ホンダエア属(Hondaea sp.)およびラビリンチュロキトリウム属(Labyrinthulochytrium sp.)からなる群より選択されるいずれか一つ以上であってもよいが、これに制限されない。
【0014】
前記組成物は、組成物全体重量を基準にしてスキムミルクを0.5~20重量%で含むことができる。例えば前記組成物は、組成物全体重量を基準にしてスキムミルクを0.5~15重量%、0.5~10重量%、0.5~8重量%、1~20重量%、1~15重量%、1~10重量%、1~8重量%、2~20重量%、2~15重量%、2~10重量%、2~8重量%、3~20重量%、3~15重量%、3~10重量%、または3~8重量%で含むことができる。
【0015】
前記組成物は、組成物全体重量を基準にしてスクロースを1~20重量%で含むことができる。例えば前記組成物は、組成物全体重量を基準にしてスクロースを1~15重量%、1~12重量%、2~20重量%、2~15重量%、2~12重量%、4~20重量%、4~15重量%、4~12重量%、6~20重量%、6~15重量%、6~12重量%、または6~9重量%で含むことができる。
【0016】
前記組成物は、組成物全体重量を基準にして塩化ナトリウムを0.1~10重量%で含むことができる。例えば前記組成物は、組成物全体重量を基準にして塩化ナトリウムを0.1~9重量%、0.1~8.5重量%、0.5~10重量%、0.5~9重量%、0.5~8.5重量%、1~10重量%、1~9重量%、1~8.5重量%、2~10重量%、2~9重量%、2~8.5重量%、3~10重量%、3~9重量%、3~8.5重量%、5~8.5重量%、または6~8.5重量%で含むことができる。
【0017】
前記組成物は、スキムミルクおよびスクロースを1:0.5~1:10の重量比で含むことができる。例えば前記組成物は、スキムミルクおよびスクロースを1:0.5~1:8、1:0.5~1:5、1:0.5~1:3、1:1~1:10、1:1~1:8、1:1~1:5、1:1~1:3、1:1.2~1:10、1:1.2~1:8、1:1.2~1:5、または1:1.2~1:3の重量比で含むことができる。
【0018】
前記組成物は、スキムミルクおよび塩化ナトリウムを1:0.5~1:10の重量比で含むことができる。例えば前記組成物は、スキムミルクおよび塩化ナトリウムを1:0.5~1:8、1:0.5~1:5、1:0.5~1:3、1:1~1:10、1:1~1:8、1:1~1:5、1:1~1:3、1:1.2~1:10、1:1.2~1:8、1:1.2~1:5、または1:1.2~1:3の重量比で含むことができる。
【0019】
本明細書で使用される用語“凍結保存”は、液体状態の物質を固体状態に凍結させて保存することを意味し、“凍結乾燥保存”を含む意味であり得る。例えば前記組成物は、スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥保存用組成物であり得る。前記用語“凍結乾燥”は、液体状態の試料を凍結して減圧下に放置することによって試料中の水分を昇華させて除去する乾燥方法であって、微生物の長期保存のために使用できるが、凍結乾燥過程での細胞損傷を保護するためには適切な凍結保護剤を使用しなければならない。
【0020】
前記スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物は、他の凍結保護剤と共に使用できる。例えば、塩化ナトリウム,DMSO(dimethylsulfoxide),デキストラン(dextran),蔗糖(sucrose),グリセロール(glycerol),マンニトール(mannitol),ソルビトール(sorbitol),果糖(fructose),ラフィノース(raffinose),血清アルブミン(serum albumin)などを目的によって組み合わせて使用することができるが、これに制限されない。
【0021】
他の様相は、1)スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物を含む培地でスラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階;2)前記段階1)の培養物を回収する段階;、および、3)前記培養物を凍結乾燥してバイオマスを製造する段階を含む、スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法を提供する。
【0022】
前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物は前記のとおりである。
【0023】
本明細書で使用される用語“培養”は、前記微細藻類を適当に調節された環境条件で生育させることを意味する。本出願の培養過程は当業界に知られた適当な培地と培養条件によって行われる。このような培養過程は、選択される微細藻類によって当業者が容易に調整して使用することができる。
【0024】
具体的に、本出願のスラウストキトリッド科微細藻類の培養は従属栄養条件下で行うことができるが、これに制限されるわけではない。
【0025】
本明細書で使用される用語“従属栄養”は、エネルギー源または栄養源を体外から得た有機物に依存する栄養方式であって、独立栄養に対応する用語であり、用語“暗培養”と混用できる。
【0026】
前記スラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階は、特にこれに制限されないが、公知の回分式培養方法、連続式培養方法、流加式培養方法などによって行うことができる。本出願の微細藻類の培養に使用される培地は、スラウストキトリッド科微細藻類が生長できる培養培地であれば制限なくいずれも使用することができる。具体的に、本出願の微細藻類を適当な炭素源,窒素源,リン源,無機化合物,アミノ酸および/またはビタミンなどを含有した通常の培地を使用することができる。
【0027】
前記スラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階で使用される培地に含まれる炭素源は、グルコース,フルクトース,マルトース,ガラクトース,マンノース,スクロース,アラビノース,キシロースおよびグリセロールからなる群より選択されるいずれか一つ以上であってもよいが、前記微細藻類を培養することに使用される炭素源であればこれに制限されない。
【0028】
前記スラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階で使用される培地に含まれる窒素源は、i)酵母抽出物(yeast extract),牛肉抽出物(beef extract),ペプトンおよびトリプトンからなる群より選択されるいずれか一つ以上の有機窒素源、または、ii)アンモニウムアセテート,アンモニウムニトレート,アンモニウムクロリド,アンモニウムスルフェート,ソジウムニトレート,ウレアおよびMSG(Monosodium glutamate)からなる群より選択されるいずれか一つ以上の無機窒素源であってもよいが、前記微細藻類を培養することに使用される窒素源であればこれに制限されない。
【0029】
前記スラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階で使用される培地に、リン供給源としてリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、これに相応するナトリウム含有塩などを個別的に含むかまたは混合して含むことができるが、これに制限されない。
【0030】
前記スラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階の培養条件は、スラウストキトリッド科微細藻類を生長させることができる条件であれば制限なく適用できる。例えば前記培養は、好気性条件下で温度、pHなどを調節しながら行うことができる。
【0031】
具体的に、塩基性化合物(例:水酸化ナトリウム,水酸化カリウムまたはアンモニア)または酸性化合物(例:リン酸または硫酸)を使用して培養物の適正pH(例えばpH5~9、具体的にはpH6~8)を調節することができるが、これに制限されるわけではない。
【0032】
また、培養物の好気状態を維持するために、培養物内に酸素または酸素含有気体を注入するか、嫌気および微好気状態を維持するために気体の注入なくあるいは窒素、水素または二酸化炭素ガスを注入することができるが、これに制限されるのではない。
【0033】
また、培養温度は20~45℃、または25~40℃を維持することができ、約10~160時間、約10~120時間、約10~80時間、約10~50時間、または約10~40時間培養することができるが、これに制限されるわけではない。また、培養中には脂肪酸ポリグリコールエステルのような消泡剤を使用して気泡生成を抑制することができるが、これに制限されるわけではない。
【0034】
前記培養物を回収する段階は、当該分野に公知の適した方法を用いて目的とする培養物を収集することができる。例えば遠心分離,ろ過,陰イオン交換クロマトグラフィーなどが使用できるが、これに制限されない。
【0035】
本明細書で使用される用語、“バイオマス(biomass)”は化学的エネルギーとして使用可能な植物,動物,微生物などの生物体、即ち、バイオエネルギーのエネルギー源を意味し、生態学的に単位時間および空間内に存在する特定生物体の重量またはエネルギー量を意味することもある。また、前記バイオマスは細胞によって分泌される化合物を含むが、これに制限されず、細胞外物質だけでなく細胞および/または細胞内内容物を含有するものであってもよい。本出願で前記バイオマスはスラウストキトリッド科微細藻類それ自体、その培養物、または前記微細藻類を培養するか発酵して生産された産物であってもよく、または前記バイオマスの濃縮物であってもよいが、これに制限されるわけではない。
【0036】
前記スラウストキトリッド科微細藻類の“培養物”は前記微細藻類を培養して生成された産物を称するものであって、具体的に微細藻類を含む培養液または前記培養液から微細藻類が除去された培養ろ液であってもよいが、これに制限されるわけではない。前記スラウストキトリッド科微細藻類の培養物は、微細藻類培養培地に前記微細藻類を接種し、当業界に公知された培養方法によって製造できる。
【0037】
前記培養物を凍結乾燥してバイオマスを製造する段階は、当業界に公知された凍結乾燥方法によって行うことができる。例えば、前記微細藻類培養物を回収して凍結乾燥バイアル(FD vial)に入れ、真空状態を維持しながら凍結乾燥機器に連結した後、一定の温度および圧力条件を維持しながら水分を除去する方法で行うことができる。前記一定の温度条件は例えば-50℃以下の温度であってもよく、一定の圧力条件は0.133mbar以下の圧力であってもよいが、これに制限されない。
【0038】
前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法は、段階3)の以前および以後に前記微細藻類を凍結する段階をさらに含まなくてもよい。例えば、前記段階3)以前に予備凍結過程を含まなくてもよい。前記方法は予備凍結過程を含まず凍結乾燥バイオマスを製造することによってより簡単な方法で費用を節減して微細藻類を保存することができる。
【0039】
他の様相は、1)スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物を含む培地でスラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階;2)前記段階1)の培養物を回収する段階;および3)前記培養物を凍結乾燥してバイオマスを製造する段階を含む、スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法を提供する。
【0040】
前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物、スラウストキトリッド科微細藻類を培養する段階、培養物を回収する段階、凍結乾燥バイオマスを製造する段階は前記のとおりである。
【0041】
前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法は、段階3)の以前および以後に前記微細藻類を凍結する段階をさらに含まなくてもよい。例えば、前記段階3)以前に予備凍結過程を含まなくてもよい。前記方法は予備凍結過程を含まず凍結乾燥バイオマスを製造することによってより簡単な方法で費用を節減して凍結乾燥バイオマスを製造することができる。
【0042】
他の様相は、a)スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科(Thraustochytriaceae)微細藻類の凍結保存用組成物;およびb)スラウストキトリッド科微細藻類を含み、および前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法によって製造された、スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを提供する。
【0043】
前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物、スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法は前記のとおりである。
【0044】
前記凍結乾燥バイオマスは、15~25℃で12週以上保管可能である。例えば、前記凍結乾燥バイオマスは、常温で3ヶ月~5年、3ヶ月~3年、3ヶ月~2年、3ヶ月~1年、3ヶ月~10ヶ月、3ヶ月~8ヶ月、3ヶ月~6ヶ月間保管可能である。
【0045】
本明細書で使用される用語“常温(room temperature)”は約15~25℃の温度を意味することができ、用語“室温(room temperature)”と混用できる。
【0046】
本明細書で使用される用語“保管可能である”は、凍結乾燥バイオマスを保管後に再度培地に培養した時、菌体が成長可能なことを意味することができ、または凍結乾燥しない生菌に比べて菌体活性が60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上維持されることを意味することができる。
【0047】
前記凍結乾燥バイオマスは、15~25℃で12週以上保管後、バイオマス1mL当り1.0×10個~1.0×1012個の生菌を含むことができる。例えば前記凍結乾燥バイオマスは、15~25℃で12週以上保管後、バイオマス1mL当り1.0×10個~1.0×1011個、1.0×10個~1.0×1010個、1.0×10個~1.0×1012個、1.0×10個~1.0×1011個、1.0×10個~1.0×1010個、1.0×10個~1.0×1012個、1.0×10個~1.0×1011個、または1.0×10個~1.0×1010個の生菌を含むことができる。
【0048】
前記凍結乾燥バイオマスは、15~25℃で12週以上保管後、1.0×10~1.0×1012CFU(colony forming unit)/mLの生菌を含むことができる。例えば前記凍結乾燥バイオマスは、15~25℃で12週以上保管後、1.0×10~1.0×1011、1.0×10~1.0×1010、1.0×10~1.0×1012、1.0×10~1.0×1011、1.0×10~1.0×1010、1.0×10~1.0×1012、1.0×10~1.0×1011、または1.0×10~1.0×1010CFU/mLの生菌を含むことができる。
【0049】
他の様相は、前記スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物のスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存のための用途を提供する。また他の様相は、前記スキムミルク;スクロース;および塩化ナトリウムを含むスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物のスラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造するための用途を提供する。
【0050】
前記スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物、スラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存方法、およびスラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法は前記のとおりである。
【発明の効果】
【0051】
一様相によるスラウストキトリッド科微細藻類の凍結保存用組成物およびこれを用いた凍結保存方法によれば、前記微細藻類を安定的に長期間保管することができ、工程を短縮して微細藻類保存費用を節減することができる。また、前記組成物を用いたスラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥バイオマスを製造する方法によれば、常温で長期間保管時にも菌体活性が維持され、保管および運送が容易なパウダー形態の凍結乾燥バイオマスを簡単な工程を通じて製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】一様相によって製作した凍結乾燥バイアル(A~D)、および前記バイアルの内容物を寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図(E~H)である(A-H:Aは条件区1-1によって製作した凍結乾燥バイアルを確認した写真図であり、EはAのバイアルの内容物を寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図であり、Bは条件区1-2によって製作した凍結乾燥バイアルを確認した写真図であり、FはBのバイアルの内容物を寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図であり、Cは条件区1-3によって製作した凍結乾燥バイアルを確認した写真図であり、GはCのバイアルの内容物を寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図であり、Dは条件区1-4によって製作した凍結乾燥バイアルを確認した写真図であり、HはDバイアルの内容物を寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図である)。
図2】一様相による凍結乾燥バイオマスを寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図である(A-E:Aは条件区3-1による凍結乾燥バイオマスを寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図であり、Bは条件区3-2による凍結乾燥バイオマスを寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図であり、Cは条件区3-3による凍結乾燥バイオマスを寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図であり、Dは条件区3-4による凍結乾燥バイオマスを寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図であり、Eは条件区3-5による凍結乾燥バイオマスを寒天プレートに接種後、コロニー形成有無を確認した写真図である)。
図3】一様相による凍結乾燥バイオマスを培養フラスコに接種後、培養時間別に吸光度を測定した成長曲線グラフである。
図4】一様相による凍結乾燥バイオマスを7日間常温で保管後、培養フラスコに接種して培養時間別に吸光度を測定した成長曲線グラフである。
図5】一様相による凍結乾燥バイオマスを12週間常温で保管後、寒天プレートに接種してコロニー形成有無を確認した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明を実施例を通じてより詳細に説明する。しかし、これら実施例は一つ以上の具体例を例示的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されるのではない。
【実施例
【0054】
〔実施例1〕微細藻類の凍結乾燥条件による細胞生存有無確認
実施例1-1.凍結乾燥保存剤製作
それぞれ蒸留水に溶解された4%スキムミルク溶液0.8mL、20%スクロース溶液1.6mL、および20%塩化ナトリウム溶液1.6mLを混合して総4mLの凍結乾燥保存剤を製作した。
【0055】
実施例1-2.スラウストキトリッド科微細藻類の凍結乾燥
スラウストキトリッド科微細藻類が生長可能な培地であるGYEP培地(グルコース10g/L、酵母抽出物1g/L、ペプトン1g/L、MgSO・7HO 2g/L、海塩20g/L、HBO 5.0mg/L、MnCl 3.0mg/L、CuSO0.2mg/L、NaMo・2HO 0.05mg/L、CoSO 0.05mg/L、およびZnSO・7HO 0.7mg/L)にスキゾキトリウム属微細藻類CD01-5004(受託番号:KCTC14345BP)を接種して500mLフラスコで28℃、180rpmの条件で一晩中培養した。培養物を回収して遠心分離し、上澄液を除去した後、前記実施例1-1で製作した凍結乾燥保存剤に懸濁して微細藻類バイオマス懸濁液を製造した。製造したバイオマス懸濁液をアンプル形態の凍結乾燥バイアル(FD vial)に入れた後、条件区1-1~1-3は下記表1に示されているような条件で予備凍結し、条件区1-4は予備凍結しない懸濁液として準備した。
【0056】
【表1】
【0057】
前記各条件区の凍結乾燥バイアルを凍結乾燥機器に連結し、真空状態で-50℃以下の温度および0.133mbar以下の圧力を維持する条件で凍結乾燥した。凍結乾燥機器に多量のアンプルを連結すれば機器の圧力が高まって凍結乾燥された細胞の生育に影響を与えることがあるので、1つのアンプルを機器に連結した後、機器圧力が0.133mbar以下に落ちた後に再び次のアンプルを追加的に連結する方法で行った。全てのアンプルが機器に連結された後に3時間程度凍結乾燥し、凍結乾燥が完了したアンプルを真空状態が維持されるようにガストーチで溶封した。
【0058】
実施例1-3.凍結乾燥された細胞の生存有無確認
実施例1-2で製作した凍結乾燥細胞の生存有無を確認するために、粉形態の乾燥バイオマスサンプルを蒸留水に懸濁してGYEP寒天プレートに塗抹した後、コロニー生育有無を肉眼で確認した。
【0059】
その結果、図1に示したように、予備凍結過程を経た条件区1-1~1-3の凍結乾燥バイオマスは寒天プレートでコロニー生育および形成が不可であったが、予備凍結過程を経ない条件区1-4の凍結乾燥バイオマスのみが寒天プレートでコロニー生育および形成が可能であることを確認した。
【0060】
〔実施例2〕凍結乾燥保存剤の成分による凍結乾燥された細胞の生存率確認
凍結乾燥保存剤の成分による凍結乾燥保存効果を評価するために、下記表2に示したように、各条件区別に該当成分を表記された最終濃度で含む凍結乾燥保存剤を4mLずつ製作した。
【0061】
【表2】
【0062】
スキゾキトリウム属微細藻類CD01-5004(受託番号:KCTC14345BP)をグルコース30g/Lを含むGYEP培地に接種し、前記表2の組成で製作した凍結乾燥保存剤を使用したことを除いては実施例1-2に記載されたものと同様な方法でバイオマス懸濁液を製造し、予備凍結過程なくそのまま凍結乾燥した。
【0063】
粉形態の乾燥バイオマスサンプルを蒸留水に懸濁して680nmで吸光度(Optical density:OD)が0.1になるように希釈した後、これを1mLずつGYEP寒天プレートに塗抹し、各プレート当り形成されたコロニー数を計数した。前記バイオマス懸濁液製造前回収した細胞培養物の一部を凍結乾燥保存剤に懸濁せず、680nmでOD値が0.1になるように希釈した溶液1mLをGYEP寒天プレートに塗抹し、形成されたコロニー数を計数して対照区として比較した。コロニー一つ当たり1×10個の細胞が存在するので、各実験群別に形成されたコロニー数に10をかけて培養物1mL当り生菌数を計算し、各条件区の生存率を対照区に対する百分率で計算した。
【0064】
【表3】
【0065】
その結果、表3に示したように、条件区2-1,2-5および2-6でプレートに塗抹後、72時間内にコロニーが形成されることを確認した。これら条件区で使用された凍結乾燥保存剤は共通的にスキムミルク6~10%およびスクロース4~10%を含むものであり、特にスキムミルク、スクロースおよび塩化ナトリウムを含む凍結乾燥保存剤を使用した条件区2-6で生存率が16.67%であり、顕著に高く示されることを確認した。
【0066】
〔実施例3〕凍結乾燥保存剤の成分比率による凍結乾燥された細胞の成長程度確認
実施例3-1.寒天プレートでのコロニー形成確認
実施例2で導出された最も有効な保存剤成分であるスキムミルク、スクロースおよび塩化ナトリウムの濃度比率による凍結乾燥保存効果を評価するために、下記表4に示したように、各条件区別に該当成分を表記された最終濃度で含む凍結乾燥保存剤を4mLずつ製作した。各条件区別凍結乾燥保存剤を使用して実施例2に記載されたものと同様な方法でスラウストキトリッド科微細藻類を凍結乾燥した後、再び蒸留水に懸濁およびGYEP寒天プレートに塗抹して形成されたコロニー数を計数した。コロニーが形成された条件区では塗抹後、24時間からコロニー形成が肉眼で確認され、40時間から細胞の生存有無およびコロニー形成程度を明確に区分することができた。
【0067】
【表4】
【0068】
その結果、図2および表4に示したように、10%スキムミルクのみを含む保存剤を使用した条件区3-4と、5%スキムミルクおよび5%塩化ナトリウムのみを含む保存剤を使用した条件区3-5ではコロニーが観察されず、これを除いた残りの条件区で30個以上のコロニーが形成されたことを確認した。
【0069】
実施例3-2.培養フラスコでの細胞成長程度確認
実施例3-1でコロニー形成が確認された条件区3-1~3-3の凍結乾燥細胞に対して培養フラスコでの細胞成長程度を測定した。
【0070】
具体的に、500mLフラスコにグルコース30g/Lを含むGYEP培地を入れ、ここに条件区3-1~3-3の凍結乾燥されたバイオマスを接種して28℃、180rpm条件で培養した。培養時間別に各条件区の培養物を採取して分光光度計(spectrophotometer)により680nmでOD値を測定して菌体の成長程度を確認した。
【0071】
その結果、図3に示したように、条件区3-1~3-3の凍結乾燥細胞は培養後約12時間から本格的な細胞の成長を通じたOD値の上昇を示し、全ての条件区で類似の成長曲線を示した。
【0072】
〔実施例4〕凍結乾燥保存剤の成分比率による凍結乾燥試料の保管安定性確認
実施例3-1で製作した条件区3-1~3-3の凍結乾燥バイオマスを凍結乾燥バイアルに入ったまま常温で7日間保管した後、実施例3-2に記載されたものと同様な方法によってフラスコで培養し、培養時間別吸光度を測定して菌体の成長程度を確認した。
【0073】
その結果、図4に示したように、条件区別に細胞の成長程度に差があることを確認し、具体的に条件区3-3が最も速い成長速度を示し、条件区3-1で多少遅いが成長が示された反面、条件区3-2は培養後40時間まで細胞成長が示されなかった。
【0074】
〔実施例5〕凍結乾燥バイオマス試料の長期保存安定性
凍結乾燥バイオマス試料の長期保存安定性を確認するために、実施例3-1の条件区3-3と同一な凍結保存剤組成のスキムミルク4%、スクロース8%および塩化ナトリウム8%を含む凍結乾燥保存剤を製作した後、実施例2に記載されたものと同様な方法でスラウストキトリッド科微細藻類を凍結乾燥した。製作された凍結乾燥バイオマスは12週(84日)間常温で保管後、蒸留水に懸濁およびGYEP寒天プレートに塗抹して形成されたコロニー数を計数した。
【0075】
その結果、図5に示したように、10-2倍希釈サンプルで約47個のコロニーが形成され、これから培養物1mL当り生菌数は約4.7×10個であるのが分かった。したがって、本発明による凍結乾燥保存剤を使用して製作した凍結乾燥バイオマスは最小12週以上保存時にも一定量以上の生菌数が確保されることを確認した。
【0076】
以上の説明から、本出願の属する技術分野における通常の知識を有する者は本出願がその技術的な思想や必須的特徴を変更せず他の具体的な形態に実施できるということを理解することができるはずである。これに関連して、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本出願の範囲は前記詳細な説明よりは後述の特許請求範囲の意味および範囲、そしてその等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が本出願の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【受託番号】
【0077】
受託番号:KCTC14345BP
図1
図2
図3
図4
図5